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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024014327
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】衣類処理装置
(51)【国際特許分類】
   D06F 33/60 20200101AFI20240125BHJP
   D06F 33/40 20200101ALI20240125BHJP
【FI】
D06F33/60
D06F33/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022117067
(22)【出願日】2022-07-22
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】磯永 賢
(72)【発明者】
【氏名】神沢 和則
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 啓太
(72)【発明者】
【氏名】濱野 風海
(72)【発明者】
【氏名】内山 具典
【テーマコード(参考)】
3B167
【Fターム(参考)】
3B167AA02
3B167AA04
3B167AA12
3B167AA15
3B167AB22
3B167AB23
3B167AB30
3B167AB32
3B167AB33
3B167AE04
3B167AE05
3B167AE07
3B167BA24
3B167BA54
3B167HA16
3B167HA32
3B167JA01
3B167JA11
3B167JA31
3B167JA41
3B167JA53
3B167KA02
3B167LA23
3B167LA32
(57)【要約】
【課題】回転槽の内周面に衣類がはり付くことを抑制することができる技術を提供する。
【解決手段】衣類処理装置は、前記回転槽の回転により前記回転槽内の衣類を脱水する脱水運転を実行可能である。前記制御部は、前記重量検出部により検出される衣類の重量が所定の第1基準重量以上であると判断される場合は、前記脱水運転を実行するときに第1脱水運転を実行し、前記重量検出部により検出される衣類の重量が前記第1基準重量未満であると判断される場合は、前記脱水運転を実行するときに前記第1脱水運転よりも前記回転槽の回転数が小さい、及び/又は、前記第1脱水運転よりも運転時間が短い第2脱水運転を実行する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣類を収容する回転槽と、
前記回転槽内の衣類の重量を検出する重量検出部と、
制御部と、を備え、
前記回転槽の回転により前記回転槽内の衣類を脱水する脱水運転を実行可能な衣類処理装置であって、
前記制御部は、前記重量検出部により検出される衣類の重量が所定の第1基準重量以上であると判断される場合は、前記脱水運転を実行するときに第1脱水運転を実行し、前記重量検出部により検出される衣類の重量が前記第1基準重量未満であると判断される場合は、前記脱水運転を実行するときに前記第1脱水運転よりも前記回転槽の回転数が小さい、及び/又は、前記第1脱水運転よりも運転時間が短い第2脱水運転を実行する、衣類処理装置。
【請求項2】
前記回転槽内に供給される乾燥空気により前記回転槽内の衣類を乾燥させる乾燥運転を実行可能な衣類処理装置であって、
前記制御部は、前記第1脱水運転又は前記第2脱水運転の実行後に、前記重量検出部により検出される衣類の重量が所定の第2基準重量以上であると判断される場合は、前記乾燥運転を実行し、前記重量検出部により検出される衣類の重量が前記第2基準重量未満であると判断される場合は、前記回転槽内に給水した後、前記第2脱水運転よりも前記回転槽の回転数が小さい、及び/又は、前記第2脱水運転よりも運転時間が短い第3脱水運転を実行する、請求項1に記載の衣類処理装置。
【請求項3】
前記第2基準重量は、前記第1脱水運転又は前記第2脱水運転の実行前に前記重量検出部により検出される衣類の重量に基づいて設定される、請求項2に記載の衣類処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第3脱水運転の実行後に、前記重量検出部により検出される衣類の重量が前記第2基準重量以上であると判断される場合は、前記乾燥運転を実行し、前記重量検出部により検出される衣類の重量が前記第2基準重量未満であると判断される場合は、前記回転槽内に給水した後、再び前記第3脱水運転を実行する、請求項2又は3に記載の衣類処理装置。
【請求項5】
再び実行される前記第3脱水運転は、先に実行された前記第3脱水運転よりも前記回転槽の回転数が小さい、及び/又は、先に実行された前記第3脱水運転よりも運転時間が短い運転である、請求項4に記載の衣類処理装置。
【請求項6】
前記回転槽の回転軸が縦方向に延びる縦型の衣類処理装置である、請求項1に記載の衣類処理装置。
【請求項7】
前記回転槽内の衣類の布質を検出する布質検出部を更に備え、
前記脱水運転における前記回転槽の回転数及び/又は運転時間は、前記布質検出部により検出される衣類の布質に基づいて設定される、請求項1に記載の衣類処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示する技術は、衣類処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に衣類処理装置が開示されている。特許文献1の衣類処理装置は、衣類を収容する回転槽を備えており、回転槽の回転により回転槽内の衣類を脱水する脱水運転を実行可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-334261号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の衣類処理装置は、回転槽の内周面に衣類がはり付き固定化されることを防止するための構成を備えているが、改善の余地がある。本明細書は、回転槽の内周面に衣類がはり付くことを抑制することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に開示する衣類処理装置は、衣類を収容する回転槽と、前記回転槽内の衣類の重量を検出する重量検出部と、制御部と、を備えている。衣類処理装置は、前記回転槽の回転により前記回転槽内の衣類を脱水する脱水運転を実行可能である。前記制御部は、前記重量検出部により検出される衣類の重量が所定の第1基準重量以上であると判断される場合は、前記脱水運転を実行するときに第1脱水運転を実行し、前記重量検出部により検出される衣類の重量が前記第1基準重量未満であると判断される場合は、前記脱水運転を実行するときに前記第1脱水運転よりも前記回転槽の回転数が小さい、及び/又は、前記第1脱水運転よりも運転時間が短い第2脱水運転を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施例の洗濯乾燥機を模式的に示す図。
図2】実施例の洗濯乾燥機の制御系のブロック図。
図3】実施例の洗濯乾燥処理のフローチャート。
図4】変形例の洗濯乾燥処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0007】
実施例の洗濯乾燥機2(衣類処理装置の一例)について図面を参照して説明する。図1に示すように、洗濯乾燥機2は、筐体10と、筐体10内に配置された水槽12と、水槽12内に配置された回転槽13とを備えている。また、洗濯乾燥機2は、水槽12に接続されている、給水路60、排水路64、及び循環風路30を備えている。
【0008】
洗濯乾燥機2は、更に、回転槽13内に配置されたパルセータ44と、回転槽13及び/又はパルセータ44を回転駆動する駆動モータ46と、駆動モータ46の回転を回転槽13及び/又はパルセータ44に伝達する動力伝達機構48と、重量検出部50とを備えている。また、洗濯乾燥機2は、循環風路30内に配置された送風ファン40と、送風ファン40を回転駆動するファンモータ42と、循環風路30内の空気を加熱するヒータ52とを備えている。
【0009】
洗濯乾燥機2の筐体10は、例えば、箱型に構成されており、その上面部に操作パネル120が設けられている。操作パネル120は、例えば、タッチパネルにより構成されており、洗濯乾燥機2に関する様々な情報を表示する。また、操作パネル120は、洗濯乾燥機2に関する様々な操作を受け付ける。
【0010】
筐体10内に配置された水槽12は、水を貯留可能に構成されている。また、水槽12内に配置された回転槽13は、衣類を収容可能に構成されている。回転槽13は、回転可能な状態で水槽12内に配置されている。回転槽13の回転軸13Aは縦方向に延びている。実施例の洗濯乾燥機2は、直立した状態の回転槽13を備える縦型の洗濯乾燥機である。洗濯乾燥機2の洗濯運転では、水槽12内に貯留された水により、回転槽13内に収容された衣類が洗濯される。
【0011】
回転槽13の底部には、パルセータ44が回転可能な状態で配置されている。駆動モータ46の回転駆動によりパルセータ44が回転すると、回転槽13内の衣類及び水が撹拌される。洗濯乾燥機2は、回転槽13内の衣類の重量を重量検出部50により検出可能である。重量検出部50は、例えば、パルセータ44を回転駆動する駆動モータ46に作用する負荷に基づいて回転槽13内の衣類の重量を検出する。
【0012】
駆動モータ46は、動力伝達機構48を介して回転槽13及びパルセータ44に機械的に連結されている。駆動モータ46が回転することにより回転槽13及び/又はパルセータ44が回転する。動力伝達機構48は、駆動モータ46と回転槽13とパルセータ44とに機械的に連結されている。動力伝達機構48は、例えば、ギア、プーリー、及び、クラッチ等を備えており、駆動モータ46の回転を回転槽13及び/又はパルセータ44に伝達する。動力伝達機構48は、クラッチを切り替えることにより動力の伝達先を切り替えることができる。例えば、動力伝達機構48のクラッチが切り替わることにより、駆動モータ46の動力が回転槽13に伝達される状態と、駆動モータ46の動力がパルセータ44に伝達される状態とが切り替わる。また、駆動モータ46の動力が回転槽13及びパルセータ44の両方に伝達されてもよい。
【0013】
水槽12の上部には給水口26が設けられている。また、水槽12の底部には排水口28が設けられている。給水口26には給水路60が接続されており、排水口28には排水路64が接続されている。給水路60は、その上流端が給水元(例えば、水道)に接続されており、給水元から水槽12内に水を供給する。給水路60には給水バルブ62が設けられている。給水バルブ62が開弁すると水槽12内に水が供給される。給水バルブ62が閉弁すると水槽12内に水が供給されなくなる。排水口28に接続されている排水路64は、その下流端が排水先(例えば、排水パン)に接続されており、水槽12から排出される水を排水先へ排出する。排水路64には排水バルブ66が設けられている。排水バルブ66が開弁すると水槽12内の水が排水され、排水バルブ66が閉弁すると水槽12内の水が排水されなくなる。
【0014】
更に、水槽12の上部には、排気口22と給気口24が設けられている。排気口22には、循環風路30の上流端部が接続されており、給気口24には、循環風路30の下流端部が接続されている。循環風路30は、回転槽13内の衣類を乾燥させるための空気を循環させる通路である。洗濯乾燥機2の乾燥運転では、水槽12内の空気が排気口22を介して循環風路30へ排出され、給気口24を介して循環風路30から水槽12内へ乾燥空気が供給される。水槽12内に供給される乾燥空気により、回転槽13内の衣類の乾燥が行われる。
【0015】
循環風路30は、その上流端部から下流端部へ向けて順に、第1部分31、第2部分32、第3部分33、第4部分34、第5部分35、および、第6部分36を備えている。循環風路30の第1部分31は、水槽12の排気口22に接続されている。第1部分31は、例えば、樹脂等の可撓性を有する材料から蛇腹状に構成されている管である。第1部分31は弾性変形可能に構成されている。第1部分31は、回転槽13が回転するときに水槽12に生じる振動を吸収し、水槽12の振動が循環風路30の第2部分32等に伝わることを抑制する。第2部分32内には、空気に含まれているリントを捕集するフィルタ90が配置されている。
【0016】
循環風路30の第3部分33は、上下方向に蛇行している。第3部分33を流れる空気は、一端下降し、その後、上昇する。第3部分33の上部には給水路92が接続されており、第3部分33の下部には排水路94が接続されている。給水路92から除湿用の水が第3部分33に供給される。第3部分33を通過する空気は、給水路92から供給される水により冷却され、除湿される。給水路92から供給される水および第3部分33内で凝縮した水は、排水路94により外部に排出される。
【0017】
循環風路30の第4部分34内には送風ファン40が配置されている。送風ファン40が回転することにより循環風路30の上流側から下流側へ空気が送られる。循環風路30の第5部分35内にヒータ52が配置されている。ヒータ52は、例えば、通電により発熱する発熱体であり、発熱することにより第5部分35を通過する空気を加熱する。ヒータ52によって加熱された後の乾燥空気が水槽12内に供給される。
【0018】
循環風路30の第6部分36は、水槽12の給気口24に接続されている。第6部分36は、例えば、樹脂等の可撓性を有する材料から蛇腹状に構成されている管である。第6部分36は弾性変形可能に構成されている。第6部分36は、回転槽13が回転するときに水槽12に生じる振動を吸収し、水槽12の振動が第5部分35等に伝わることを抑制する。
【0019】
図2は、洗濯乾燥機2の制御系のブロック図である。洗濯乾燥機2は、上述した各構成要素の動作を制御する制御部100を備えている。制御部100は、例えば、CPU、ROM及びRAM等を備えており、所定のプログラムに基づいて洗濯乾燥機2に関する様々な制御や処理を実行する。なお、図2では、洗濯乾燥機2の一部の構成要素のみを示している。
【0020】
上記の洗濯乾燥機2は、回転槽13内の衣類を洗濯する洗濯運転と、回転槽13内の衣類を乾燥させる乾燥運転とを実行可能である。洗濯運転は、例えば、洗い運転及びすすぎ運転を含んでいる。洗濯運転及び乾燥運転については、よく知られているので詳細な説明を省略する。
【0021】
また、洗濯乾燥機2は、回転槽13の回転により回転槽13内の衣類を脱水する脱水運転を実行可能である。制御部100は、脱水運転における回転槽13の回転数を設定可能である。また、制御部100は、脱水運転の運転時間を設定可能である。制御部100は、脱水運転における回転槽13の回転数及び運転時間を設定することにより、第1脱水運転、第2脱水運転、及び第3脱水運転を実行可能である。第1脱水運転は、脱水力が相対的に強い運転である。第2脱水運転は、第1脱水運転よりも脱水力が弱い運転である。第2脱水運転における回転槽13の回転数は、第1脱水運転における回転槽13の回転数よりも小さい。また、第2脱水運転の運転時間は、第1脱水運転の運転時間よりも短い。第3脱水運転は、第2脱水運転よりも脱水力が弱い運転である。第3脱水運転における回転槽13の回転数は、第2脱水運転における回転槽13の回転数よりも小さい。また、第3脱水運転の運転時間は、第2脱水運転の運転時間よりも短い。
【0022】
(洗濯乾燥処理;図3
次に、洗濯乾燥処理について説明する。洗濯乾燥処理は、例えば、回転槽13内に衣類が収容されている状態で、洗濯運転及び乾燥運転を実行するためのスタートボタンが押されると開始される。図3に示すように、洗濯乾燥処理のS2では、重量検出部50により回転槽13内の衣類の重量が検出される。続くS4では、制御部100が、洗濯運転を実行する。洗濯運転では、例えば、S2で検出される衣類の重量に応じた量の水が回転槽13内に供給される。洗濯運転では、例えば、洗い運転及びすすぎ運転の両方が実行される。変形例の洗濯運転では、洗い運転又はすすぎ運転のいずれか一方のみが実行されてもよい。洗い運転では、S2で検出される衣類の重量に応じた量の洗剤が回転槽13内に投入されてもよい。S4の洗濯運転が終了すると、処理はS6に進む。
【0023】
S6では、制御部100が、上記のS2で検出される衣類の重量(即ち、重量検出部50により検出される回転槽13内の衣類の重量)が所定の第1基準重量(例えば、5kg)以上であるか否かを判断する。重量検出部50により検出される衣類の重量が第1基準重量以上である場合(S6でYES)、処理はS8に進む。重量検出部50により検出される衣類の重量が第1基準重量未満である場合(S6でNO)、処理はS10に進む。
【0024】
S6でYESの後のS8では、制御部100が、第1脱水運転を実行する。一方、S6でNOの後のS10では、制御部100が、第2脱水運転を実行する。第2脱水運転は、第1脱水運転よりも脱水力が弱い運転である。第2脱水運転は、第1脱水運転よりも回転槽13の回転数が小さく、第1脱水運転よりも運転時間が短い脱水運転である。第1脱水運転又は第2脱水運転が終了すると、処理はS12に進む。
【0025】
S12では、再び、回転槽13内の衣類の重量が重量検出部50により検出される。続くS14では、制御部100が、S12で検出される衣類の重量(即ち、第1脱水運転又は第2脱水運転の実行後に重量検出部50により検出される回転槽13内の衣類の重量)が所定の第2基準重量(例えば、5kg)以上であるか否かを判断する。S14における第2基準重量は、上記のS6における第1基準重量と異なる値であっても同じ値であってもよい。また、S14における第2基準重量は、上記のS2で検出される衣類の重量(即ち、第1脱水運転又は第2脱水運転の実行前に重量検出部50により検出される回転槽13内の衣類の重量)に基づいて設定されてもよい。S12で重量検出部50により検出される衣類の重量が第2基準重量以上である場合(S14でYES)、処理はS16に進む。S12で重量検出部50により検出される衣類の重量が第2基準重量未満である場合(S14でNO)、処理はS18に進む。
【0026】
脱水運転(第1脱水運転又は第2脱水運転)が実行されると、回転槽13内の衣類が回転の遠心力により回転槽13の内周面にはり付くことがある。衣類が回転槽13の内周面にはり付くと、パルセータ44に作用する負荷が小さくなり、重量検出部50により検出される重量が軽くなることがある。或いは、回転槽13内の衣類が重量検出部50により検出されないことも考えられる。重量検出部50により検出される衣類の重量が第2基準重量未満である状態は、回転槽13内の衣類が脱水運転により回転槽13の内周面にはり付いている状態だと考えられる。
【0027】
S14でYESの後のS16では、制御部100が、乾燥運転を実行する。乾燥運転が終了すると、洗濯乾燥処理が終了する。一方、S14でNOの後のS18では、制御部100が、回転槽13内に水を供給する給水運転を実行する。制御部100は、給水バルブ62を開弁することにより回転槽13内に水を供給する。S18の給水運転では、制御部100は、回転槽13を回転させながら回転槽13内に水を供給してもよい。
【0028】
続くS20では、制御部100が、第3脱水運転を実行する。第3脱水運転は、第2脱水運転よりも回転槽13の回転数が小さく、第2脱水運転よりも運転時間が短い脱水運転である。第3脱水運転が終了すると、処理はS12に戻る。
【0029】
S20の後のS12では、再び、重量検出部50により回転槽13内の衣類の重量が検出される。続くS14では、制御部100が、S20の後のS12で検出される衣類の重量(即ち、第3脱水運転の実行後に重量検出部50により検出される回転槽13内の衣類の重量)が第2基準重量以上であるか否かを判断する。S14でYESの場合、処理はS16に進む。S14でNOの場合、処理はS18に進む。
【0030】
S14でNOの後のS18では、制御部100が、再び、回転槽13内に水を供給する給水運転を実行する。続くS20では、制御部100が、再び、第3脱水運転を実行する。制御部100は、再び第3脱水運転を実行する場合、先に実行した第3脱水運転よりも回転槽13の回転数を小さくすると共に、先に実行した第3脱水運転よりも運転時間を短くする。再び実行される第3脱水運転における回転槽13の回転数は、先に実行された第3脱水運転における回転槽13の回転数よりも小さい。また、再び実行される第3脱水運転の運転時間は、先に実行された第3脱水運転の運転時間よりも短い。
【0031】
以上、実施例の洗濯乾燥機2について説明した。以上の説明から明らかなように、洗濯乾燥機2は、回転槽13の回転により回転槽13内の衣類を脱水する脱水運転を実行可能である。制御部100は、重量検出部50により検出される衣類の重量が第1基準重量以上であると判断される場合は、脱水運転を実行するときに第1脱水運転を実行する(S6でYES、S8)。制御部100は、重量検出部50により検出される衣類の重量が第1基準重量未満であると判断される場合は、脱水運転を実行するときに第2脱水運転を実行する(S6でNO、S10)。第2脱水運転は、第1脱水運転よりも回転槽13の回転数が小さく、第1脱水運転よりも運転時間が短い運転である。
【0032】
洗濯乾燥機2では、回転槽13内の衣類の重量が軽い(衣類量が少ない)場合は、脱水運転を実行したときに、回転槽13内の衣類の重量が重い(衣類量が多い)場合よりも、回転槽13の内周面に衣類がはり付き易い傾向がある。しかしながら、上記の構成によれば、回転槽13内の衣類の重量が軽い(衣類量が少ない)場合に、第2脱水運転を実行することにより、脱水運転における回転槽13の回転数を小さくすると共に、脱水運転の運転時間を短くすることができる。これにより、回転槽13の内周面に衣類がはり付くことを抑制することができる。
【0033】
洗濯乾燥機2は、回転槽13内に供給される乾燥空気により回転槽13内の衣類を乾燥させる乾燥運転を実行可能である。制御部100は、第1脱水運転又は第2の脱水運転の実行後に、重量検出部50により検出される衣類の重量が第2基準重量以上であると判断される場合は、乾燥運転を実行する(S14でYES、S16)。制御部100は、第1脱水運転又は第2の脱水運転の実行後に、重量検出部50により検出される衣類の重量が第2基準重量未満であると判断される場合は、回転槽13内に給水した後に第3脱水運転を実行する(S14でNO、S18、S20)。第3脱水運転は、第2脱水運転よりも回転槽13の回転数が小さく、第2脱水運転よりも運転時間が短い運転である。
【0034】
第1脱水運転又は第2の脱水運転の実行後に、重量検出部50により検出される衣類の重量が第2基準重量未満であると判断される場合は、第1脱水運転又は第2の脱水運転により回転槽13内の衣類が回転槽13の内周面にはり付いており、その結果、重量検出部50による検出重量が軽くなっていると考えられる。その場合は、回転槽13内に給水して第3脱水運転を実行することにより、回転槽13の内周面にはり付いている衣類を回転槽13の内周面から引きはがすことができる。また、第3脱水運転は、第2脱水運転よりも回転槽13の回転数が小さく、第2脱水運転よりも運転時間が短い脱水運転なので、第3脱水運転を実行したとしても、回転槽13の内周面に衣類がはり付くことを抑制することができる。また、回転槽13内に給水する際に回転槽13を回転させながら給水することにより、回転槽13の内周面にはり付いている衣類に水がぶつかるようにしてもよい。これにより、衣類の引きはがしを促進してもよい。
【0035】
一方、第1脱水運転又は第2の脱水運転の実行後に、重量検出部50により検出される衣類の重量が第2基準重量以上であると判断される場合は、回転槽13内の衣類が回転槽13の内周面にはり付いておらず、その結果、重量検出部50による検出重量が重くなっていると考えられる。その場合は、乾燥運転を実行する。回転槽13の内周面に衣類がはり付いていない状態で乾燥運転を実行するので、衣類を良好に乾燥させることができる。
【0036】
S14における第2基準重量は、第1脱水運転又は第2の脱水運転の実行前に重量検出部50により検出される衣類の重量に基づいて設定されてもよい。この構成によれば、第2基準重量を適切な重量に設定することができる。
【0037】
また、制御部100は、第3脱水運転の実行後に、重量検出部50により検出される衣類の重量が第2基準重量未満であると判断される場合は、回転槽内に給水した後、再び第3脱水運転を実行する(S12-S20)。第3脱水運転の実行後に、重量検出部50により検出される衣類の重量が第2基準重量未満であると判断される場合は、第3脱水運転を実行したとしても未だ回転槽13内の衣類が回転槽13の内周面にはり付いており、その結果、重量検出部50による検出重量が軽くなっていると考えられる。その場合は、回転槽13内に給水して再び第3脱水運転を実行することにより、回転槽13の内周面にはり付いている衣類を回転槽13の内周面から引きはがすことができる。
【0038】
一方、第3脱水運転の実行後に、重量検出部50により検出される衣類の重量が第2基準重量以上であると判断される場合は、回転槽13の内周面にはり付いていた衣類が第3脱水運転により回転槽13の内周面から引きはがされ、その結果、重量検出部50による検出重量が重くなっていると考えられる。その場合は、乾燥運転を実行する。回転槽13内の衣類が回転槽13の内周面にはり付いていないので、衣類を良好に乾燥させることができる。
【0039】
再び実行される第3脱水運転は、先に実行された第3脱水運転よりも回転槽13の回転数が小さく、先に実行された第3脱水運転よりも運転時間が短い運転である。この構成によれば、再び第3脱水運転を実行したとしても、回転槽13の内周面に衣類がはり付くことを抑制することができる。
【0040】
また、上記の洗濯乾燥機2は、回転槽13の回転軸13Aが縦方向に延びる縦型の洗濯乾燥機である。縦型の洗濯乾燥機2では、脱水運転を実行したときに、斜め型や横型の洗濯乾燥機よりも、回転槽13の内周面に衣類がはり付き易い傾向がある。そのため、上記の構成が特に有効である。
【0041】
(変形例)
(1)上記の実施例では、第2脱水運転における回転槽13の回転数が第1脱水運転における回転槽13の回転数よりも小さく、かつ、第2脱水運転の運転時間が第1脱水運転の運転時間よりも短い構成であったが、この構成に限定されない。変形例では、いずれか一方の条件が満たされる構成であってもよい。例えば、第2脱水運転における回転槽13の回転数が第1脱水運転における回転槽13の回転数よりも小さければ、第2脱水運転の運転時間が第1脱水運転の運転時間よりも短くなくてもよい。また、第2脱水運転の運転時間が第1脱水運転の運転時間よりも短ければ、第2脱水運転における回転槽13の回転数が第1脱水運転における回転槽13の回転数よりも小さくなくてもよい。
【0042】
(2)上記の実施例では、第3脱水運転における回転槽13の回転数が第2脱水運転における回転槽13の回転数よりも小さく、かつ、第3脱水運転の運転時間が第2脱水運転の運転時間よりも短い構成であったが、この構成に限定されない。変形例では、いずれか一方の条件が満たされる構成であってもよい。例えば、第3脱水運転における回転槽13の回転数が第2脱水運転における回転槽13の回転数よりも小さければ、第3脱水運転の運転時間が第2脱水運転の運転時間よりも短くなくてもよい。また、第3脱水運転の運転時間が第2脱水運転の運転時間よりも短ければ、第3脱水運転における回転槽13の回転数が第2脱水運転における回転槽13の回転数よりも小さくなくてもよい。
【0043】
(3)変形例では、図4に示すように、洗濯乾燥処理のS6でNOの後に実行される第2脱水運転が、第1種の第2脱水運転と、第2種の第2脱水運転とを含んでいてもよい。第1種の第2脱水運転は、脱水力が相対的に強い運転である。第2種の第2脱水運転は、第1種の第2脱水運転よりも脱水力が弱い運転である。第2種の第2脱水運転における回転槽13の回転数は、第1種の第2脱水運転における回転槽13の回転数よりも小さい。また、第2種の第2脱水運転の運転時間は、第1種の第2脱水運転の運転時間よりも短い。
【0044】
図4に示すように、S6でNOの後のS30では、制御部100が、上記のS2で検出される衣類の重量(即ち、重量検出部50により検出される回転槽13内の衣類の重量)が所定の第3基準重量(例えば、2.5kg)以上であるか否かを判断する。S30における第3基準重量は、S6における第1基準重量よりも小さい値である。重量検出部50により検出される衣類の重量が第3基準重量以上である場合(S30でYES)、処理はS32に進む。重量検出部50により検出される衣類の重量が第3基準重量未満である場合(S30でNO)、処理はS34に進む。
【0045】
S30でYESの後のS32では、制御部100が、第1種の第2脱水運転を実行する。一方、S30でNOの後のS34では、制御部100が、第2種の第2脱水運転を実行する。第2種の第2脱水運転は、第1種の第2脱水運転よりも回転槽13の回転数が小さく、第1種の第2脱水運転よりも運転時間が短い脱水運転である。第1種の第2脱水運転又は第2種の第2脱水運転が終了すると、処理はS12に進む。
【0046】
また、変形例では、洗濯乾燥処理のS14でNOの後に実行される第3脱水運転が、第1種の第3脱水運転と、第2種の第3脱水運転とを含んでいてもよい。第1種の第3脱水運転は、脱水力が相対的に強い運転である。第2種の第3脱水運転は、第1種の第3脱水運転よりも脱水力が弱い運転である。第2種の第3脱水運転における回転槽13の回転数は、第1種の第3脱水運転における回転槽13の回転数よりも小さい。また、第2種の第3脱水運転の運転時間は、第1種の第3脱水運転の運転時間よりも短い。
【0047】
図4に示すように、S14でNOの後のS18に続くS40では、制御部100が、S12で検出される衣類の重量(即ち、第1脱水運転又は第2脱水運転の実行後に重量検出部50により検出される回転槽13内の衣類の重量)が所定の第4基準重量(例えば、2.5kg)以上であるか否かを判断する。S40における第4基準重量は、S14における第2基準重量よりも小さい値である。重量検出部50により検出される衣類の重量が第4基準重量以上である場合(S40でYES)、処理はS42に進む。重量検出部50により検出される衣類の重量が第4基準重量未満である場合(S40でNO)、処理はS44に進む。
【0048】
S40でYESの後のS42では、制御部100が、第2種の第3脱水運転を実行する。一方、S40でNOの後のS44では、制御部100が、第1種の第3脱水運転を実行する。第2種の第3脱水運転は、第1種の第3脱水運転よりも回転槽13の回転数が小さく、第1種の第3脱水運転よりも運転時間が短い脱水運転である。第1種の第3脱水運転又は第2種の第3脱水運転が終了すると、処理はS12に戻る。
【0049】
(4)上記の実施例では、乾燥運転において循環風路30の空気をヒータ52により加熱していたが、この構成に限定されない。変形例では、循環風路30の空気をヒートポンプにより加熱してもよい。なお、ヒートポンプの原理については、よく知られているので詳細な説明を省略する。
【0050】
(5)上記の実施例では、直立した状態の回転槽13を備える縦型の洗濯乾燥機2について説明したが、この構成に限定されない。変形例では、水平に対して傾斜している回転槽13を備える斜めドラム式の洗濯乾燥機2であってもよい。
【0051】
(6)上記の実施例では、洗濯乾燥機2について説明したが、変形例では、乾燥機能を備えない洗濯機であってもよい。
【0052】
(7)変形例の洗濯乾燥機2は、回転槽13内の衣類の布質を検出する布質検出部(図示省略)を備えていてもよい。布質検出部は、例えば、水槽12内に布質検出水位まで給水を行った状態で、駆動モータ46によりパルセータ44を短時間だけ回転駆動し、駆動モータ46の回転速度を検出し、所定の比較テーブルと比較することに基づき、衣類の布質を検出する構成である。
【0053】
洗濯乾燥機2の脱水運転(第1脱水運転、第2脱水運転、及び第3脱水運転)における回転槽13の回転数は、布質検出部により検出される衣類の布質に基づいて設定されていてもよい。また、洗濯乾燥機2の脱水運転(第1脱水運転、第2脱水運転、及び第3脱水運転)の運転時間は、布質検出部により検出される衣類の布質に基づいて設定されていてもよい。例えば、布質検出部により検出される回転槽13内の衣類の布質が特定の布質(例えば、綿)である場合、制御部100は、第2脱水運転における回転槽13の回転数を小さくしてもよい。また、制御部100は、第2脱水運転の運転時間を短くしてもよい。また、例えば、布質検出部により検出される衣類の布質が他の特定の布質(例えば、絹)である場合、制御部100は、第2脱水運転における回転槽13の回転数を更に小さくしてもよい。また、制御部100は、第2脱水運転の運転時間を更に短くしてもよい。この構成によれば、布質に応じた適切な回転数及び/又は運転時間で脱水運転を実行することができる。
【0054】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0055】
2:洗濯乾燥機、10:筐体、12:水槽、13:回転槽、13A:回転軸、22:排気口、24:給気口、26:給水口、28:排水口、30:循環風路、40:送風ファン、42:ファンモータ、44:パルセータ、46:駆動モータ、48:動力伝達機構、50:重量検出部、52:ヒータ、60:給水路、62:給水バルブ、64:排水路、66:排水バルブ、90:フィルタ、100:制御部、120:操作パネル
図1
図2
図3
図4