(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143308
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】経路情報作成装置、経路情報作成システムおよび経路情報作成方法
(51)【国際特許分類】
B61L 27/12 20220101AFI20241003BHJP
【FI】
B61L27/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023055912
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118762
【弁理士】
【氏名又は名称】高村 順
(72)【発明者】
【氏名】石黒 遼
(72)【発明者】
【氏名】高見 敦
【テーマコード(参考)】
5H161
【Fターム(参考)】
5H161AA01
5H161JJ32
(57)【要約】
【課題】誤りを防ぎつつ過不足なく必要な経路情報を作成してデータベース化できる経路情報作成装置を得ること。
【解決手段】経路情報作成装置10は、列車の運行を制御する無線式列車制御システムの制御対象区間の線路をブロック単位で分割して上り方向および下り方向に接続されるブロックの情報が定義された線路情報21と、連動図表に基づく情報であって発点のブロックおよび着点のブロックが定義された進路情報22とを取得する取得部11と、線路情報21および進路情報22を用いて、構成要素のブロックを列車が走行する順番にリスト化した、無線式列車制御システムで使用される経路情報23を作成する作成部12と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
列車の運行を制御する無線式列車制御システムの制御対象区間の線路をブロック単位で分割して上り方向および下り方向に接続されるブロックの情報が定義された線路情報と、連動図表に基づく情報であって発点のブロックおよび着点のブロックが定義された進路情報とを取得する取得部と、
前記線路情報および前記進路情報を用いて、構成要素のブロックを前記列車が走行する順番にリスト化した、前記無線式列車制御システムで使用される経路情報を作成する作成部と、
を備えることを特徴とする経路情報作成装置。
【請求項2】
前記作成部は、前記経路情報として、連動駅の構内の進路に対応した経路を示す進路対応経路情報、ある連動駅の出発進路の着点から前記列車の進行方向前方の次の連動駅の場内進路の始点までを1つ以上の経路として示す駅中間経路情報、および前記連動駅の構内において経路未設定の前記列車に付与すべき経路を示すその他経路情報を、前記進路対応経路情報、前記駅中間経路情報、前記その他経路情報の順番で作成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の経路情報作成装置。
【請求項3】
前記作成部は、前記進路情報で定義された前記発点のブロックから前記着点のブロックまでを、前記線路情報で定義されたブロックの接続関係に基づいて探索することで、前記発点のブロックから前記着点のブロックまでのブロックを前記列車が走行する順番にリスト化した前記進路対応経路情報を作成する、
ことを特徴とする請求項2に記載の経路情報作成装置。
【請求項4】
前記作成部は、前記ある連動駅の出発進路の着点のブロックから前記次の連動駅の場内進路の始点のブロックまでを、前記線路情報で定義されたブロックの接続関係に基づいて探索することで、前記ある連動駅の出発進路の着点のブロックから前記次の連動駅の場内進路の始点のブロックまでのブロックを前記列車が走行する順番にリスト化した前記駅中間経路情報を作成する、
ことを特徴とする請求項2に記載の経路情報作成装置。
【請求項5】
前記作成部は、前記駅中間経路情報に含まれるブロックのブロック長を加算した長さが規定された長さ以上の場合、または前記駅中間経路情報に含まれるブロックのブロック数が規定された数以上の場合、または前記駅中間経路情報に含まれるブロックに対して前記駅中間経路情報に対応する駅中間経路を分割することが要件として設定されている場合、当該駅中間経路情報を2つ以上の駅中間経路情報に分割する、
ことを特徴とする請求項4に記載の経路情報作成装置。
【請求項6】
前記作成部は、前記ブロックの探索回数が規定された回数になった場合、探索を終了する、
ことを特徴とする請求項3または4に記載の経路情報作成装置。
【請求項7】
前記作成部は、前記進路対応経路情報で示される着点のブロックであって、前記列車が停車するブロックのみから構成される上り方向または下り方向の経路を前記その他経路情報として作成する、
ことを特徴とする請求項2に記載の経路情報作成装置。
【請求項8】
前記作成部は、連続する同方向の経路については1ブロック以上重複するように前記経路情報を生成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の経路情報作成装置。
【請求項9】
前記線路情報と前記進路情報とを前記取得部に入力させ、前記経路情報を表示する入力表示部、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の経路情報作成装置。
【請求項10】
請求項1に記載の経路情報作成装置と、
列車の運行を制御する無線式列車制御システムの制御対象区間の線路をブロック単位で分割して上り方向および下り方向に接続されるブロックの情報が定義された線路情報と、連動図表に基づく情報であって発点のブロックおよび着点のブロックが定義された進路情報とを前記経路情報作成装置に入力させ、前記経路情報作成装置から、前記経路情報作成装置で作成された、構成要素のブロックを前記列車が走行する順番にリスト化した、前記無線式列車制御システムで使用される経路情報を取得して表示する入力表示装置と、
を備えることを特徴とする経路情報作成システム。
【請求項11】
取得部が、列車の運行を制御する無線式列車制御システムの制御対象区間の線路をブロック単位で分割して上り方向および下り方向に接続されるブロックの情報が定義された線路情報と、連動図表に基づく情報であって発点のブロックおよび着点のブロックが定義された進路情報とを取得する取得ステップと、
作成部が、前記線路情報および前記進路情報を用いて、構成要素のブロックを前記列車が走行する順番にリスト化した、前記無線式列車制御システムで使用される経路情報を作成する作成ステップと、
を含むことを特徴とする経路情報作成方法。
【請求項12】
前記作成ステップにおいて、前記作成部は、前記経路情報として、連動駅の構内の進路に対応した経路を示す進路対応経路情報、ある連動駅の出発進路の着点から前記列車の進行方向前方の次の連動駅の場内進路の始点までを1つ以上の経路として示す駅中間経路情報、および前記連動駅の構内において経路未設定の前記列車に付与すべき経路を示すその他経路情報を、前記進路対応経路情報、前記駅中間経路情報、前記その他経路情報の順番で作成する、
ことを特徴とする請求項11に記載の経路情報作成方法。
【請求項13】
前記作成ステップにおいて、前記作成部は、前記進路情報で定義された前記発点のブロックから前記着点のブロックまでを、前記線路情報で定義されたブロックの接続関係に基づいて探索することで、前記発点のブロックから前記着点のブロックまでのブロックを前記列車が走行する順番にリスト化した前記進路対応経路情報を作成する、
ことを特徴とする請求項12に記載の経路情報作成方法。
【請求項14】
前記作成ステップにおいて、前記作成部は、前記ある連動駅の出発進路の着点のブロックから前記次の連動駅の場内進路の始点のブロックまでを、前記線路情報で定義されたブロックの接続関係に基づいて探索することで、前記ある連動駅の出発進路の着点のブロックから前記次の連動駅の場内進路の始点のブロックまでのブロックを前記列車が走行する順番にリスト化した前記駅中間経路情報を作成する、
ことを特徴とする請求項12に記載の経路情報作成方法。
【請求項15】
前記作成ステップにおいて、前記作成部は、前記駅中間経路情報に含まれるブロックのブロック長を加算した長さが規定された長さ以上の場合、または前記駅中間経路情報に含まれるブロックのブロック数が規定された数以上の場合、または前記駅中間経路情報に含まれるブロックに対して前記駅中間経路情報に対応する駅中間経路を分割することが要件として設定されている場合、当該駅中間経路情報を2つ以上の駅中間経路情報に分割する、
ことを特徴とする請求項14に記載の経路情報作成方法。
【請求項16】
前記作成ステップにおいて、前記作成部は、前記ブロックの探索回数が規定された回数になった場合、探索を終了する、
ことを特徴とする請求項13または14に記載の経路情報作成方法。
【請求項17】
前記作成ステップにおいて、前記作成部は、前記進路対応経路情報で示される着点のブロックであって、前記列車が停車するブロックのみから構成される上り方向または下り方向の経路を前記その他経路情報として作成する、
ことを特徴とする請求項12に記載の経路情報作成方法。
【請求項18】
前記作成ステップにおいて、前記作成部は、連続する同方向の経路については1ブロック以上重複するように前記経路情報を生成する、
ことを特徴とする請求項11に記載の経路情報作成方法。
【請求項19】
入力表示部が、前記線路情報と前記進路情報とを前記取得部に入力させる入力ステップと、
前記入力表示部が、前記経路情報を表示する表示ステップと、
を含むことを特徴とする請求項11に記載の経路情報作成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、列車の運行制御で使用される経路情報を作成する経路情報作成装置、経路情報作成システムおよび経路情報作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、無線式列車制御システムにおいて、列車に搭載される車上制御装置は、列車の在線位置を演算し、地上制御装置に送信する。地上制御装置は、車上制御装置から受信した在線位置などに基づいて、車上制御装置に経路情報を送信する。経路情報は、列車が走行するルート、列車の在線位置などを車上制御装置に知らせるための情報であり、無線式列車制御システムの制御対象区間の全線を対象にして予め作成してデータベース化しておく必要がある。
【0003】
経路情報について、連動図表に基づいて軌道回路の集合として作成する手法があるが、このような手法で作成されるものは連動機能または外部の連動装置とのインターフェースに関わる情報であり、駅構内に限定される。また、地上制御装置が管理するブロックは、線路の分割単位が軌道回路と異なるため、別途ブロックに基づく経路情報についてのデータベースを作成する必要があり手間がかかる。特許文献1には、運行管理システムにおいて運転整理を行なう際、対象列車の始発駅から終着駅までの路線、駅情報などの運行情報を取得し、駅区間の複数の線路に対してノードリンクモデルで分割して運行経路を作成する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の運行経路は、指令員の運転整理の支援に用いられる動的なデータであり、列車の運行制御用の静的なデータに基づく経路情報とは構成、用途などが異なる。また、特許文献1では、ノードリンクモデルを用いた運転線路の選別処理が駅単位であり、ブロック単位の情報が得られない。
【0006】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、誤りを防ぎつつ過不足なく必要な経路情報を作成してデータベース化できる経路情報作成装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示の経路情報作成装置は、列車の運行を制御する無線式列車制御システムの制御対象区間の線路をブロック単位で分割して上り方向および下り方向に接続されるブロックの情報が定義された線路情報と、連動図表に基づく情報であって発点のブロックおよび着点のブロックが定義された進路情報とを取得する取得部と、線路情報および進路情報を用いて、構成要素のブロックを列車が走行する順番にリスト化した、無線式列車制御システムで使用される経路情報を作成する作成部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、経路情報作成装置は、誤りを防ぎつつ過不足なく必要な経路情報を作成してデータベース化できる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1に係る経路情報作成装置の構成例を示す図
【
図2】実施の形態1に係る経路情報作成装置の動作の例を示すフローチャート
【
図3】実施の形態1に係る経路情報作成装置が取得する線路情報の例を示す図
【
図4】実施の形態1に係る経路情報作成装置が取得する進路情報の例を示す図
【
図5】実施の形態1に係る経路情報作成装置で生成される経路情報の例を示す図
【
図6】実施の形態1に係る経路情報作成装置で作成される経路情報のうち進路対応経路情報の例を示す図
【
図7】実施の形態1に係る経路情報作成装置が経路情報として進路対応経路情報を作成する手順の例を示す図
【
図8】実施の形態1に係る経路情報作成装置の作成部が経路情報として進路対応経路情報を作成する動作の流れを示す第1の図
【
図9】実施の形態1に係る経路情報作成装置の作成部が経路情報として進路対応経路情報を作成する動作の流れを示す第2の図
【
図10】実施の形態1に係る経路情報作成装置の作成部が経路情報として進路対応経路情報を作成する動作を示すフローチャート
【
図11】実施の形態1に係る経路情報作成装置の作成部が経路情報として進路対応経路情報を作成する詳細動作を示すフローチャート
【
図12】実施の形態1に係る経路情報作成装置で作成される経路情報のうち駅中間経路情報の例を示す図
【
図13】実施の形態1に係る経路情報作成装置が経路情報として作成する駅中間経路情報に含まれるブロックの例を示す第1の図
【
図14】実施の形態1に係る経路情報作成装置が経路情報として作成する駅中間経路情報に含まれるブロックの例を示す第2の図
【
図15】実施の形態1に係る経路情報作成装置の作成部が経路情報として駅中間経路情報を作成する動作を示すフローチャート
【
図16】実施の形態1に係る経路情報作成装置の作成部における駅中間経路始端情報作成処理の詳細動作を示すフローチャート
【
図17】実施の形態1に係る経路情報作成装置の作成部における駅中間経路情報作成処理の詳細動作を示すフローチャート
【
図18】実施の形態1に係る経路情報作成装置が経路情報として駅中間経路情報を作成する場合において想定しているシステム境界の例を示す図
【
図19】実施の形態1に係る経路情報作成装置の作成部における駅中間経路情報分割処理の詳細動作を示すフローチャート
【
図20】実施の形態1に係る経路情報作成装置で作成される経路情報のうちその他経路情報の例を示す図
【
図21】実施の形態1に係る経路情報作成装置で作成される経路情報のうちその他経路情報が利用される場合の例を示す図
【
図22】実施の形態1に係る経路情報作成装置の作成部が経路情報としてその他経路情報を作成する動作を示すフローチャート
【
図23】実施の形態1に係る経路情報作成装置の作成部における下り方向のその他経路情報作成処理の詳細動作を示すフローチャート
【
図24】実施の形態1に係る経路情報作成装置の作成部における上り方向のその他経路情報作成処理の詳細動作を示すフローチャート
【
図25】実施の形態1に係る経路情報作成装置の処理回路をプロセッサおよびメモリで実現する場合の処理回路の構成の一例を示す図
【
図26】実施の形態1に係る経路情報作成装置の処理回路を専用のハードウェアで実現する場合の処理回路の構成の一例を示す図
【
図27】実施の形態2に係る経路情報作成システムの構成例を示す図
【
図28】実施の形態2に係る経路情報作成装置の構成例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本開示の実施の形態に係る経路情報作成装置、経路情報作成システムおよび経路情報作成方法を図面に基づいて詳細に説明する。
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る経路情報作成装置10の構成例を示す図である。経路情報作成装置10は、図示しない無線式列車制御システムにおいて列車制御に必要となる経路情報23のデータベースを自動作成する。無線式列車制御システムは、列車制御において様々なデータベースを用いるが、ここでは経路情報23をデータベース化するための個々の経路情報23の作成処理の動作について具体的に説明する。経路情報作成装置10は、取得部11と、作成部12と、記憶部13と、出力部14と、を備える。経路情報作成装置10は、
図1に示すように、線路情報21および進路情報22に基づいて、経路情報23を自動作成する。
図2は、実施の形態1に係る経路情報作成装置10の動作の例を示すフローチャートである。
【0012】
取得部11は、線路情報21を取得し(ステップS101)、進路情報22を取得する(ステップS102)。線路情報21は、列車の運行を制御する無線式列車制御システムの制御対象区間の線路をブロック単位で分割して、上り方向および下り方向に接続されるブロックの情報が定義されたものである。進路情報22は、図示しない連動装置で管理される進路情報である連動図表に基づく情報であって、発点のブロックおよび着点のブロックが定義されたものである。
【0013】
図3は、実施の形態1に係る経路情報作成装置10が取得する線路情報21の例を示す図である。線路情報21は、無線式列車制御システムの制御対象区間の線路をブロック単位で分割したものである。各ブロックには、上り方向および下り方向に接続点があり、隣接するブロックの情報が上り方向接続および下り方向接続として定義されている。なお、ブロックB1001の上り方向接続のように、隣接するブロックが無い場合、「-」などのように隣接するブロックが無いことが示されている。また、各ブロックには、種別、所属駅などの属性、ブロックの長さなどの情報が設定されている。図示は省略するが、各ブロックには、線路形状などの情報が含まれていてもよい。
【0014】
図4は、実施の形態1に係る経路情報作成装置10が取得する進路情報22の例を示す図である。進路情報22は、連動図表に記載されている進路情報に相当し、連動駅に対応する駅、進路、種別、方向、発点、着点などが定義されている。進路情報22において、発点および着点は、前述の線路情報21でも使用されているブロックで定義されている。
【0015】
作成部12は、取得部11で取得された線路情報21および進路情報22を用いて、構成要素のブロックを列車が走行する順番にリスト化した、無線式列車制御システムで使用される経路情報23を作成する。作成部12は、経路情報23として、連動駅の構内の進路に対応した経路を示す進路対応経路情報、ある連動駅の出発進路の着点から列車の進行方向前方の次の連動駅の場内進路の始点までを1つ以上の経路として示す駅中間経路情報、および連動駅の構内において経路未設定の列車に付与すべき経路を示すその他経路情報を作成する。また、作成部12は、経路情報23について、進路対応経路情報、駅中間経路情報、その他経路情報の順番で作成する。すなわち、作成部12は、経路情報23を作成するため、進路対応経路情報の作成処理を行い(ステップS103)、駅中間経路情報の作成処理を行い(ステップS104)、その他経路情報の作成処理を行う(ステップS105)。作成部12は、進路対応経路情報、駅中間経路情報、その他経路情報の順番で作成した経路情報23を、記憶部13に格納されたデータベースに登録する。これにより、経路情報作成装置10は、データベース化された経路情報23を得ることができる。
【0016】
記憶部13は、作成部12で作成された経路情報23が登録されたデータベースを格納する。すなわち、記憶部13は、データベース化された経路情報23を記憶している。
【0017】
出力部14は、記憶部13に格納されているデータベースに登録された経路情報23を出力する(ステップS106)。出力部14は、例えば、経路情報23を図示しない表示装置などに出力する。これにより、経路情報作成装置10のユーザは、経路情報作成装置10で作成された経路情報23を確認することができる。
【0018】
なお、経路情報作成装置10は、記憶部13および出力部14を備えない構成にすることも可能である。この場合、経路情報作成装置10の作成部12は、作成した経路情報23を、図示しない外部の記憶装置などに格納されたデータベースに登録する。このような場合でも、経路情報作成装置10は、経路情報23を作成してデータベース化することができる。
【0019】
図5は、実施の形態1に係る経路情報作成装置10で生成される経路情報23の例を示す図である。
図5において、上段は、個々の経路情報23で示される情報のイメージを示すものであり、下段は、経路情報23がデータベース化された状態のイメージを示すものである。経路情報23には、経路ID(IDentifier)、方向、種別、ブロックリストなどの情報が含まれる。経路IDは、識別子、番号などである。ブロックリストは、一連のブロックの集合であり、線路上で隣接したブロックを列車が走行する順番に並べたものである。なお、連続する同方向の経路の連続性のチェックが容易になるように、作成部12は、連続する同方向の経路については1ブロック以上重複するように経路情報23を生成する。
【0020】
無線式列車制御システムにおいて、地上制御装置、および列車に搭載される車上制御装置は、線路情報21、経路情報23などの他にも列車制御に必要な情報をデータベースとして具備することになるが、以降では、経路情報作成装置10が作成対象とする経路情報23のデータベースについて説明する。
【0021】
まず、作成部12が進路対応経路情報を作成する動作について説明する。
図6は、実施の形態1に係る経路情報作成装置10で作成される経路情報23のうち進路対応経路情報の例を示す図である。
図6に示すように、進路対応経路情報で示される経路は、連動駅の構内の進路に対応した経路である。作成部12は、進路対応経路情報について、進路情報22で定義された発点のブロックから着点のブロックまでを、線路情報21で定義されているブロックの接続関係に基づいて進路方向に探索することで、ブロックリストを作成する。
図7は、実施の形態1に係る経路情報作成装置10が経路情報23として進路対応経路情報を作成する手順の例を示す図である。具体的に、作成部12が、進路1Rおよび進路2Lに対応する進路対応経路情報を作成する場合について説明する。
【0022】
進路1Rは、下り方向の出発進路であり、発点はブロックB1001、着点はブロックB1005である。進路1Rに対応した経路情報23を作成することは、ブロックB1001からブロックB1005までのブロックリストを作成することに相当する。関係するブロックのつながりを表すと
図8のようになる。
図8は、実施の形態1に係る経路情報作成装置10の作成部12が経路情報23として進路対応経路情報を作成する動作の流れを示す第1の図である。作成部12は、進路1Rの発点であるブロックB1001から下り方向、
図8の例では右側に探索を進めると、ブロックB1002が分岐点となる。作成部12は、ブロックB1003側に探索を進めると、進路1Rの着点であるブロックB1005に到達でき、ブロックリストを完成させることができる。一方、作成部12は、ブロックB1006側に探索を進めると、駅中間を経て他駅にまで至り着点に到達できない、すなわちブロックリストを完成させることができない。分岐点において、作成部12が最初にどちらに探索を進めるかは接続ブロックのデータの並びに依存する。そのため、着点に到達できない側に探索した場合を考慮して、作成部12は、規定された条件、例えば、規定された探索回数によって探索を打ち切る必要がある。
【0023】
進路2Lは、上り方向の場内進路であり、発点はブロックB1007、着点はブロックB1010である。進路2Lに対応した経路情報23を作成することは、ブロックB1007からブロックB1010までのブロックリストを作成することに相当する。関係するブロックのつながりを表すと
図9のようになる。
図9は、実施の形態1に係る経路情報作成装置10の作成部12が経路情報23として進路対応経路情報を作成する動作の流れを示す第2の図である。作成部12は、進路2Lの発点であるブロックB1007から上り方向、
図9の例では左側に探索を進めると、ブロックB1008が分岐点となる。作成部12は、ブロックB1006側に探索を進めると、線路終端であるブロックB1001に至り着点に到達できない、すなわちブロックリストを完成させることができない。そのため、作成部12は、進路方向の接続ブロックがない場合にも探索を打ち切り、分岐点から他方に再探索を進める必要がある。作成部12は、ブロックB1009側に探索を進めると、進路2Lの着点であるブロックB1010に到達でき、ブロックリストを完成させることができる。ここでは分岐点、すなわち転てつ器を1つだけ含む進路について説明したが、実際には、分岐点を含まない進路、2つ以上の分岐点を含む進路なども存在する。作成部12は、2つ以上の分岐点を含む進路については、再探索を複数回行う可能性がある。
【0024】
図10は、実施の形態1に係る経路情報作成装置10の作成部12が経路情報23として進路対応経路情報を作成する動作を示すフローチャートである。
図10に示すフローチャートは、
図2に示すフローチャートのステップS103の動作の詳細を示すものである。作成部12は、進路情報22に定義されている進路の全てを対象として(ステップS201)、進路情報22から進路を1つ選択する(ステップS202)。作成部12は、進路対応経路情報作成処理を行い(ステップS203)、発点から着点までの探索を行うことで作成したブロックリストである進路対応経路情報を経路情報23として、記憶部13に格納されているデータベースに登録する(ステップS204)。
【0025】
図11は、実施の形態1に係る経路情報作成装置10の作成部12が経路情報23として進路対応経路情報を作成する詳細動作を示すフローチャートである。
図11に示すフローチャートは、
図10に示すフローチャートのステップS203の動作の詳細を示すものである。作成部12は、選択した進路で定義されている発点ブロックを選択ブロックとし、選択した進路で定義されている進路方向を選択方向とする(ステップS301)。作成部12は、ステップS301で決定した選択ブロックから、決定した選択方向に向けてブロックの探索処理を行う(ステップS302)。作成部12は、規定された回数以上探索を実施済みではない場合(ステップS303:No)、選択ブロックをブロックリストに仮登録する(ステップS304)。作成部12は、ステップS301で選択した最初の選択ブロックが進路情報22で定義されている着点ブロックではなく(ステップS305:No)、選択方向前方にブロックがある場合(ステップS306:No)、選択方向において、選択方向前方のブロックについての探索処理を行う(ステップS307)。ここでは、作成部12は、前回選択したブロックから選択方向に1つ進んだ次のブロックを選択してステップS303からステップS306までと同様の動作を行うことを1回の探索処理として、探索処理を繰り返し行う。
【0026】
作成部12は、規定された回数以上探索を実施済みの場合(ステップS303:Yes)、またはステップS301で選択した最初の選択ブロックが進路情報22で定義されている着点ブロックの場合(ステップS305:Yes)、または選択方向前方にブロックがない場合(ステップS306:Yes)、またはステップS307で探索処理を規定された回数繰り返したが着点ブロックに到達しなかった場合(ステップS308:No)、ステップS302で選択した選択方向とは別の選択方向に進むように改めて探索処理を行う。
【0027】
作成部12は、ステップS307で探索処理を繰り返すことで、選択した進路で定義されている着点ブロックに到達した場合(ステップS308:Yes)、仮登録済みのブロックをブロックリストに登録する(ステップS309)。作成部12は、経路情報23にブロックリストを登録する(ステップS310)。作成部12は、ステップS310の動作によって、進路情報22で定義されている1つの進路に対する経路情報23である進路対応経路情報を1つ作成したことになる。作成部12は、選択ブロックを順次変化させつつ、探索処理を再帰的に行なうことで、最終的に進路情報22で定義されている全ての進路についての発点ブロックから着点ブロックまでのブロックリストを作成する。作成部12は、経路情報23に登録可能なブロック数には制限があるので、探索回数が登録可能なブロック数の最大値を超えた場合には探索を打ち切るようにしている。このように、作成部12は、進路情報22で定義された発点のブロックから着点のブロックまでを、線路情報21で定義されたブロックの接続関係に基づいて探索することで、発点のブロックから着点のブロックまでのブロックを列車が走行する順番にリスト化した進路対応経路情報を作成する。作成部12は、ブロックの探索回数が規定された回数になった場合、探索を終了する。
【0028】
つぎに、作成部12が駅中間経路情報を作成する動作について説明する。
図12は、実施の形態1に係る経路情報作成装置10で作成される経路情報23のうち駅中間経路情報の例を示す図である。駅中間とは、進路情報22で定義されている連動駅と連動駅との間のことである。すなわち、駅中間経路情報は、
図12に示すように、連動駅と連動駅との間の線路に設定される経路についての経路情報23である。
【0029】
駅中間経路情報について、作成部12は、ある連動駅の出発進路の着点から進路方向前方の次の連動駅の場内進路の始端が見つかるまで線路情報21を探索することによってブロックリストを作成することを基本とする。
図13は、実施の形態1に係る経路情報作成装置10が経路情報23として作成する駅中間経路情報に含まれるブロックの例を示す第1の図である。作成部12は、連動駅であるA駅の出発進路の着点であるブロックB1005から、次の連動駅であるB駅の場内進路の始端であるブロックB1107までを探索することで、ブロックB1005からブロックB1107までのブロックリストを含む駅中間経路情報を作成することができる。
【0030】
ここで、駅中間において経路を分割して複数の経路を設ける場合について説明する。
図14は、実施の形態1に係る経路情報作成装置10が経路情報23として作成する駅中間経路情報に含まれるブロックの例を示す第2の図である。
図14において、ブロックB1104は非連動駅、すなわち棒線駅のホームトラックに対応するブロックであり、当該ブロック情報の種別、属性などに情報が記載されているとする。作成部12は、非連動駅で駅中間経路を分割することがシステム要件にある場合、一旦連動駅間を結ぶブロックリストを作成した後、分割条件を満たす箇所にてブロックリストを区切り、それぞれ別の経路情報23として登録する。その他、駅中間経路を分割する条件として、ブロック長の合計である経路長、経路内のブロック数などが上限に達する場合などが考えられる。経路長を算出するには、線路情報21においてブロックの長さが情報として必要となる。
【0031】
図15は、実施の形態1に係る経路情報作成装置10の作成部12が経路情報23として駅中間経路情報を作成する動作を示すフローチャートである。
図15に示すフローチャートは、
図2に示すフローチャートのステップS104の動作の詳細を示すものである。作成部12は、駅中間経路始端情報作成処理を行う(ステップS401)。作成部12は、駅中間経路情報を作成するためには、経路探索を行なう際の起点となる箇所、および探索方向を決定する必要がある。ここでは、そのような情報を始端情報と表記する。作成部12は、ステップS401で作成した始端情報に含まれる始端の全てを対象にして(ステップS402)、作成した始端情報から始端情報を1つ選択する(ステップS403)。作成部12は、駅中間経路情報作成処理を行い(ステップS404)、駅中間経路情報分割処理を行い(ステップS405)、作成したブロックリストである駅中間経路情報を経路情報23として、記憶部13に格納されているデータベースに登録する(ステップS406)。このように、作成部12は、各始端情報に対して経路探索を行なうことで連動駅間を結ぶブロックリストを作成した後、規定された条件に基づいて必要に応じてブロックリストを分割し、経路情報23とする。
【0032】
図16は、実施の形態1に係る経路情報作成装置10の作成部12における駅中間経路始端情報作成処理の詳細動作を示すフローチャートである。
図16に示すフローチャートは、
図15に示すフローチャートのステップS401の動作の詳細を示すものである。作成部12は、進路情報22で示される全ての進路を対象にして(ステップS501)、進路情報22から進路を1つ選択する(ステップS502)。作成部12は、選択した進路が出発進路の場合(ステップS503:Yes)、出発進路の着点ブロックよりも列車の進路方向のブロック情報、すなわち着点ブロック前方のブロック情報を取得する(ステップS504)。作成部12は、取得したブロック情報で示されるブロックが駅中間のブロックの場合(ステップS505:Yes)、ステップS502で選択した進路で定義されている着点ブロックを始端のブロックとし、ステップS502で選択した進路で定義されている進路方向を探索の方向とする始端情報を設定する(ステップS506)。作成部12は、設定した始端情報が登録済みではない場合(ステップS507:No)、設定した始端情報を登録する(ステップS508)。作成部12は、進路情報22から全ての進路を選択していない場合、または選択した進路が出発進路ではない場合(ステップS503:No)、または取得したブロック情報で示されるブロックが駅中間のブロックではない場合(ステップS505:No)、または設定した始端情報が登録済みの場合(ステップS507:Yes)、ステップS502に戻って未選択の進路を1つ選択する。
【0033】
ここでは、作成部12は、進路情報22に記載されている進路のうち、駅中間へと至る出発進路に着目していている。出発進路の着点は連動駅の構内として定義されるので、作成部12は、着点前方が駅中間となるような箇所を抽出する。また、作成部12は、同一着点となる出発進路は複数存在する場合があるので、始端情報の登録時には重複を避けるようにしている。
【0034】
図17は、実施の形態1に係る経路情報作成装置10の作成部12における駅中間経路情報作成処理の詳細動作を示すフローチャートである。
図17に示すフローチャートは、
図15に示すフローチャートのステップS404の動作の詳細を示すものである。作成部12は、始端情報で示されているブロックを選択ブロックとし、始端情報で示されている方向を選択方向とする(ステップS601)。作成部12は、ステップS601で決定した選択ブロックから、決定した選択方向に向けてブロックの探索処理を行う(ステップS602)。作成部12は、規定された回数以上探索を実施済みではない場合(ステップS603:No)、選択ブロックをブロックリストに仮登録する(ステップS604)。作成部12は、ステップS601で選択した最初の選択ブロックが選択方向と同じ方向の場内進路の発点ではなく(ステップS605:No)、選択方向前方にブロックがある場合(ステップS606:No)、選択方向において、選択方向前方のブロックについての探索処理を行う(ステップS607)。ここでは、作成部12は、前回選択したブロックから選択方向に1つ進んだ次のブロックを選択してステップS603からステップS606までと同様の動作を行うことを1回の探索処理として、探索処理を繰り返し行う。
【0035】
作成部12は、規定された回数以上探索を実施済みの場合(ステップS603:Yes)、またはステップS601で選択した最初の選択ブロックが選択方向と同じ方向の場内進路の発点の場合(ステップS605:Yes)、または選択方向前方にブロックがない場合(ステップS606:Yes)、またはステップS607で探索処理を規定された回数繰り返したが場内進路の発点ブロックまたは線路終端に到達しなかった場合(ステップS608:No)、ステップS602で選択した選択方向とは別の選択方向に進むように改めて探索処理を行う。
【0036】
作成部12は、ステップS607で探索処理を繰り返すことで、場内進路の発点ブロックまたは線路終端に到達した場合(ステップS608:Yes)、仮登録済みのブロックをブロックリストに登録する(ステップS609)。作成部12は、経路情報23にブロックリストを登録する(ステップS610)。作成部12は、ステップS610の動作によって、始端情報で示されているブロックに対する経路情報23である駅中間経路情報を1つ作成したことになる。作成部12は、選択ブロックを順次変化させつつ、探索処理を再帰的に行なうことで、最終的にある連動駅から次の連動駅までのブロックリストを作成する。作成部12は、経路情報23に登録可能なブロック数には制限があるので、探索回数が登録可能なブロック数の最大値を超えた場合には探索を打ち切るようにしている。このように、作成部12は、ある連動駅の出発進路の着点のブロックから次の連動駅の場内進路の始点のブロックまでを、線路情報21で定義されたブロックの接続関係に基づいて探索することで、ある連動駅の出発進路の着点のブロックから次の連動駅の場内進路の始点のブロックまでのブロックを列車が走行する順番にリスト化した駅中間経路情報を作成する。作成部12は、ブロックの探索回数が規定された回数になった場合、探索を終了する。
【0037】
ここで、
図17に示す駅中間経路情報の作成処理における探索処理では、作成部12は、線路終端に到達した場合も当該箇所までをブロックリストとして登録している。これは、駅中間にシステム境界がある場合を想定しているためである。
図18は、実施の形態1に係る経路情報作成装置10が経路情報23として駅中間経路情報を作成する場合において想定しているシステム境界の例を示す図である。
図18に示す他システムとは、例えば、ある鉄道事業者の列車が別の鉄道事業者の路線に乗り入れる場合における、別の鉄道事業者で使用されている無線式列車制御システムなどのシステムである。経路情報作成装置10において作成部12は、同じ鉄道事業者の無線式列車制御システムが制御対象区間としているシステム境界までの駅中間経路情報についてのブロックリストについては、前述の駅中間経路情報作成処理と同様の処理によって作成することができる。なお、作成部12は、場内進路の発点から進路方向と逆方向に探索を行うことで、システム境界からの駅中間経路を作成することが可能である。
【0038】
図19は、実施の形態1に係る経路情報作成装置10の作成部12における駅中間経路情報分割処理の詳細動作を示すフローチャートである。
図19に示すフローチャートは、
図15に示すフローチャートのステップS405の動作の詳細を示すものである。作成部12は、ステップS404で作成済みの駅中間経路情報のブロックリストに対して(ステップS701)、全てのブロックを対象にして(ステップS702)、ブロックを1つ選択する(ステップS703)。作成部12は、当該ブロックが駅中間経路の分割対象ではない場合(ステップS704:No)、ステップS703に戻る。作成部12は、当該ブロックが駅中間経路の分割対象の場合(ステップS704:Yes)、当該ブロックでブロックリストを分割、すなわち分割した一方を元の駅中間経路情報とし、他方を別の駅中間経路情報として再登録する(ステップS705)。このように、作成部12は、駅中間経路情報に含まれるブロックのブロック長を加算した長さが規定された長さ以上の場合、または駅中間経路情報に含まれるブロックのブロック数が規定された数以上の場合、または駅中間経路情報に含まれるブロックに対して駅中間経路情報に対応する駅中間経路を分割することが要件として設定されている場合、駅中間経路情報を2つ以上の駅中間経路情報に分割する。
【0039】
つぎに、作成部12が進路対応経路および駅中間経路情報以外の経路情報23であるその他経路情報を作成する動作について説明する。
図20は、実施の形態1に係る経路情報作成装置10で作成される経路情報23のうちその他経路情報の例を示す図である。その他経路情報とは、連動駅の構内において進路未設定時に列車に付与すべき経路についての経路情報23である。ここで、その他経路情報による経路の定義が必要となる場合について説明する。
【0040】
図21は、実施の形態1に係る経路情報作成装置10で作成される経路情報23のうちその他経路情報が利用される場合の例を示す図である。
図21において、ブロックB1010は、上り方向の場内進路2Lの着点であるとともに、同方向の出発進路4Lの発点でもある。列車がブロックB1010に完全進入した後、出発進路4Lが未設定の場合に当該列車に与えるべき上り方向の経路をブロックB1010に対して定義する必要がある。このような状況としては、例えば、事故、遅延などによってB1010に停止している列車に対する信号が停止のままで、列車が出発できないような場合が考えられる。また、
図21において、ブロックB1001は、上り方向の場内進路3Lの着点であり、着点前方が線路終端であるため、列車がブロックB1001に完全進入した後に付与すべき上り方向の経路が必要となる。また、ブロックB1001は、下り方向の出発進路の発点でもあるので、下り方向の在線列車に対し、進路未設定時に付与すべき下り方向の経路が必要となる。
【0041】
図22は、実施の形態1に係る経路情報作成装置10の作成部12が経路情報23としてその他経路情報を作成する動作を示すフローチャートである。
図22に示すフローチャートは、
図2に示すフローチャートのステップS105の動作の詳細を示すものである。作成部12は、
図22の動作によって、連動駅の構内のブロックの中から、その他経路情報の定義が必要となるブロックおよび方向を抽出する。作成部12は、線路情報21における全ブロックに対して(ステップS801)、全てのブロックを対象にして(ステップS802)、ブロックを1つ選択する(ステップS803)。作成部12は、当該ブロックが駅中間経路のブロックの場合(ステップS804:Yes)、ステップS803に戻る。作成部12は、当該ブロックが駅中間経路のブロックではない場合(ステップS804:No)、当該ブロックの下り方向のブロック(A)を取得し(ステップS805)、当該ブロックの上り方向のブロック(B)を取得する(ステップS806)。作成部12は、下り方向についてのその他経路情報作成処理を行い(ステップS807)、上り方向についてのその他経路情報作成処理を行う(ステップS808)。
【0042】
図23は、実施の形態1に係る経路情報作成装置10の作成部12における下り方向のその他経路情報作成処理の詳細動作を示すフローチャートである。
図23に示すフローチャートは、
図22に示すフローチャートのステップS807の動作の詳細を示すものである。作成部12は、
図22に示すフローチャートのステップS803で選択されたブロックについて、進路情報22から、当該ブロックを着点とする下り方向の進路情報(C)を取得し(ステップS901)、当該ブロックを発点とする下り方向の進路情報(D)を取得する(ステップS902)。作成部12は、(A)なしかつ(C)あり、または(B)なしかつ(D)あり、または(C)ありかつ(D)ありの場合(ステップS903:Yes)、当該ブロックを含むその他経路情報を下り方向の経路情報23として、記憶部13に格納されているデータベースに登録する(ステップS904)。作成部12は、(A)なしかつ(C)あり、(B)なしかつ(D)あり、および(C)ありかつ(D)ありのうち1つも該当しない場合(ステップS903:No)、動作を終了する。
【0043】
図24は、実施の形態1に係る経路情報作成装置10の作成部12における上り方向のその他経路情報作成処理の詳細動作を示すフローチャートである。
図24に示すフローチャートは、
図22に示すフローチャートのステップS808の動作の詳細を示すものである。作成部12は、
図22に示すフローチャートのステップS803で選択されたブロックについて、進路情報22から、当該ブロックを着点とする上り方向の進路情報(E)を取得し(ステップS1001)、当該ブロックを発点とする上り方向の進路情報(F)を取得する(ステップS1002)。作成部12は、(A)なしかつ(F)あり、または(B)なしかつ(E)あり、または(E)ありかつ(F)ありの場合(ステップS1003:Yes)、当該ブロックを含むその他経路情報を上り方向の経路情報23として、記憶部13に格納されているデータベースに登録する(ステップS1004)。作成部12は、(A)なしかつ(F)あり、(B)なしかつ(E)あり、および(E)ありかつ(F)ありのうち1つも該当しない場合(ステップS1003:No)、動作を終了する。
【0044】
このように、作成部12は、連動駅の構内のブロックのうち、進路対応経路情報で示される着点のブロックであって、列車が停車するブロックのみから構成される上り方向または下り方向の経路をその他経路情報として作成する。
【0045】
つづいて、実施の形態1に係る経路情報作成装置10のハードウェア構成について説明する。経路情報作成装置10において、取得部11は、他の構成との間でデータの受け取りが可能なインターフェースである。記憶部13は、メモリである。出力部14は、他の構成との間でデータの受け渡しが可能なインターフェースである。作成部12は、処理回路により実現される。処理回路は、プログラムを格納するメモリ、およびメモリに格納されるプログラムを実行するプロセッサであってもよいし、専用のハードウェアであってもよい。処理回路は制御回路とも呼ばれる。
【0046】
図25は、実施の形態1に係る経路情報作成装置10の処理回路をプロセッサ91およびメモリ92で実現する場合の処理回路90の構成の一例を示す図である。
図25に示す処理回路90は制御回路であり、プロセッサ91およびメモリ92を備える。処理回路90がプロセッサ91およびメモリ92で構成される場合、処理回路90の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアまたはファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ92に格納される。処理回路90では、メモリ92に記憶されたプログラムをプロセッサ91が読み出して実行することにより、各機能を実現する。すなわち、処理回路90は、経路情報作成装置10の処理が結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ92を備える。このプログラムは、処理回路90により実現される各機能を経路情報作成装置10に実行させるためのプログラムであるともいえる。このプログラムは、プログラムが記憶された記憶媒体により提供されてもよいし、通信媒体など他の手段により提供されてもよい。
【0047】
上記プログラムは、取得部11が、列車の運行を制御する無線式列車制御システムの制御対象区間の線路をブロック単位で分割して上り方向および下り方向に接続されるブロックの情報が定義された線路情報21と、連動図表に基づく情報であって発点のブロックおよび着点のブロックが定義された進路情報22とを取得する取得ステップと、作成部12が、線路情報21および進路情報22を用いて、構成要素のブロックを列車が走行する順番にリスト化した、無線式列車制御システムで使用される経路情報23を作成する作成ステップと、を経路情報作成装置10に実行させるプログラムであるとも言える。
【0048】
ここで、プロセッサ91は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、またはDSP(Digital Signal Processor)などである。また、メモリ92は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(登録商標)(Electrically EPROM)などの、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、またはDVD(Digital Versatile Disc)などが該当する。
【0049】
図26は、実施の形態1に係る経路情報作成装置10の処理回路を専用のハードウェアで実現する場合の処理回路93の構成の一例を示す図である。
図26に示す処理回路93は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものが該当する。処理回路93については、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現するようにしてもよい。このように、処理回路93は、専用のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
【0050】
以上説明したように、本実施の形態によれば、経路情報作成装置10は、接続情報などを含む地上制御装置の線路情報21と、連動装置が管理する連動図表の進路情報22に基づいて、無線式列車制御システムの制御対象区間の路線全体のブロックの探索を行う。具体的には、経路情報作成装置10は、作成対象の経路情報23を3種に分類するとともに、それぞれに対応した作成手順に従って、経路の構成要素であるブロックのブロックリストを自動作成する。これにより、経路情報作成装置10は、駅中間を含む全ての経路についての経路情報23を効率的にデータベース化することができる。また、経路情報作成装置10は、経路情報23のデータベースについて、ヒューマンエラーによる誤り、過不足などを防ぐことができる。経路情報作成装置10は、誤りを防ぎつつ過不足なく必要な経路情報23を作成して、経路情報23をデータベース化できる。
【0051】
実施の形態2.
実施の形態2では、実施の形態1で説明した経路情報作成装置10と、入力表示装置とを備える経路情報作成システムについて説明する。
【0052】
図27は、実施の形態2に係る経路情報作成システム40の構成例を示す図である。経路情報作成システム40は、経路情報作成装置10と、入力表示装置30と、を備える。経路情報作成装置10は、実施の形態1で説明した経路情報作成装置10と同じである。入力表示装置30は、線路情報21と進路情報22とを経路情報作成装置10の取得部11に入力させる。また、入力表示装置30は、経路情報作成装置10の出力部14から経路情報23を取得して表示する。入力表示装置30は、経路情報作成装置10に対して、入力情報となる線路情報21および進路情報22を、路線図形式で入力するGUI(Graphical User Interface)機能を持つ。これにより、経路情報作成装置10に線路情報21および進路情報22を入力させるユーザは、ブロックの接続関係、進路情報22などを視覚的に確認することができる。また、入力表示装置30は、経路情報作成装置10からの出力情報となる経路情報23を表示するGUI機能も持つ。これにより、経路情報作成装置10のユーザは、経路情報作成装置10で作成された経路情報23の確認が容易となる。入力表示装置30については、経路情報作成装置10に線路情報21および進路情報22を入力するGUI機能と、経路情報作成装置10で作成された経路情報23を表示するGUI機能とで別々の装置にすることも可能である。
【0053】
なお、入力表示装置30について、
図27の例では経路情報作成装置10と別装置としたが、入力表示装置30の機能を経路情報作成装置が備えることも可能である。
図28は、実施の形態2に係る経路情報作成装置10aの構成例を示す図である。経路情報作成装置10aは、取得部11と、作成部12と、記憶部13と、出力部14と、入力表示部15と、を備える。入力表示部15は、線路情報21と進路情報22とを取得部11に入力させる。また、入力表示部15は、出力部14から経路情報23を取得して表示する。入力表示部15の機能は、前述の入力表示装置30の機能と同様である。
図28では、経路情報作成装置10aが、入力表示装置30と同様の機能を持つ入力表示部15を備える場合について説明したが、これに限定されない。図示は省略するが、入力表示装置が、経路情報作成装置10と同様の機能を持つ経路情報作成部を備えるような構成にすることも可能である。入力表示部15については、入力表示装置30の場合と同様に、取得部11に線路情報21および進路情報22を入力するGUI機能と、出力部14から出力された経路情報23を表示するGUI機能とで別々の構成にすることも可能である。
【0054】
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、実施の形態同士を組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
【0055】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0056】
(付記1)
列車の運行を制御する無線式列車制御システムの制御対象区間の線路をブロック単位で分割して上り方向および下り方向に接続されるブロックの情報が定義された線路情報と、連動図表に基づく情報であって発点のブロックおよび着点のブロックが定義された進路情報とを取得する取得部と、
前記線路情報および前記進路情報を用いて、構成要素のブロックを前記列車が走行する順番にリスト化した、前記無線式列車制御システムで使用される経路情報を作成する作成部と、
を備えることを特徴とする経路情報作成装置。
(付記2)
前記作成部は、前記経路情報として、連動駅の構内の進路に対応した経路を示す進路対応経路情報、ある連動駅の出発進路の着点から前記列車の進行方向前方の次の連動駅の場内進路の始点までを1つ以上の経路として示す駅中間経路情報、および前記連動駅の構内において経路未設定の前記列車に付与すべき経路を示すその他経路情報を、前記進路対応経路情報、前記駅中間経路情報、前記その他経路情報の順番で作成する、
ことを特徴とする付記1に記載の経路情報作成装置。
(付記3)
前記作成部は、前記進路情報で定義された前記発点のブロックから前記着点のブロックまでを、前記線路情報で定義されたブロックの接続関係に基づいて探索することで、前記発点のブロックから前記着点のブロックまでのブロックを前記列車が走行する順番にリスト化した前記進路対応経路情報を作成する、
ことを特徴とする付記2に記載の経路情報作成装置。
(付記4)
前記作成部は、前記ある連動駅の出発進路の着点のブロックから前記次の連動駅の場内進路の始点のブロックまでを、前記線路情報で定義されたブロックの接続関係に基づいて探索することで、前記ある連動駅の出発進路の着点のブロックから前記次の連動駅の場内進路の始点のブロックまでのブロックを前記列車が走行する順番にリスト化した前記駅中間経路情報を作成する、
ことを特徴とする付記2または3に記載の経路情報作成装置。
(付記5)
前記作成部は、前記駅中間経路情報に含まれるブロックのブロック長を加算した長さが規定された長さ以上の場合、または前記駅中間経路情報に含まれるブロックのブロック数が規定された数以上の場合、または前記駅中間経路情報に含まれるブロックに対して前記駅中間経路情報に対応する駅中間経路を分割することが要件として設定されている場合、当該駅中間経路情報を2つ以上の駅中間経路情報に分割する、
ことを特徴とする付記4に記載の経路情報作成装置。
(付記6)
前記作成部は、前記ブロックの探索回数が規定された回数になった場合、探索を終了する、
ことを特徴とする付記3または4に記載の経路情報作成装置。
(付記7)
前記作成部は、前記進路対応経路情報で示される着点のブロックであって、前記列車が停車するブロックのみから構成される上り方向または下り方向の経路を前記その他経路情報として作成する、
ことを特徴とする付記2から6のいずれか1つに記載の経路情報作成装置。
(付記8)
前記作成部は、連続する同方向の経路については1ブロック以上重複するように前記経路情報を生成する、
ことを特徴とする付記1から7のいずれか1つに記載の経路情報作成装置。
(付記9)
前記線路情報と前記進路情報とを前記取得部に入力させ、前記経路情報を表示する入力表示部、
を備えることを特徴とする付記1から8のいずれか1つに記載の経路情報作成装置。
(付記10)
付記1から8のいずれか1つに記載の経路情報作成装置と、
列車の運行を制御する無線式列車制御システムの制御対象区間の線路をブロック単位で分割して上り方向および下り方向に接続されるブロックの情報が定義された線路情報と、連動図表に基づく情報であって発点のブロックおよび着点のブロックが定義された進路情報とを前記経路情報作成装置に入力させ、前記経路情報作成装置から、前記経路情報作成装置で作成された、構成要素のブロックを前記列車が走行する順番にリスト化した、前記無線式列車制御システムで使用される経路情報を取得して表示する入力表示装置と、
を備えることを特徴とする経路情報作成システム。
(付記11)
取得部が、列車の運行を制御する無線式列車制御システムの制御対象区間の線路をブロック単位で分割して上り方向および下り方向に接続されるブロックの情報が定義された線路情報と、連動図表に基づく情報であって発点のブロックおよび着点のブロックが定義された進路情報とを取得する取得ステップと、
作成部が、前記線路情報および前記進路情報を用いて、構成要素のブロックを前記列車が走行する順番にリスト化した、前記無線式列車制御システムで使用される経路情報を作成する作成ステップと、
を含むことを特徴とする経路情報作成方法。
(付記12)
前記作成ステップにおいて、前記作成部は、前記経路情報として、連動駅の構内の進路に対応した経路を示す進路対応経路情報、ある連動駅の出発進路の着点から前記列車の進行方向前方の次の連動駅の場内進路の始点までを1つ以上の経路として示す駅中間経路情報、および前記連動駅の構内において経路未設定の前記列車に付与すべき経路を示すその他経路情報を、前記進路対応経路情報、前記駅中間経路情報、前記その他経路情報の順番で作成する、
ことを特徴とする付記11に記載の経路情報作成方法。
(付記13)
前記作成ステップにおいて、前記作成部は、前記進路情報で定義された前記発点のブロックから前記着点のブロックまでを、前記線路情報で定義されたブロックの接続関係に基づいて探索することで、前記発点のブロックから前記着点のブロックまでのブロックを前記列車が走行する順番にリスト化した前記進路対応経路情報を作成する、
ことを特徴とする付記12に記載の経路情報作成方法。
(付記14)
前記作成ステップにおいて、前記作成部は、前記ある連動駅の出発進路の着点のブロックから前記次の連動駅の場内進路の始点のブロックまでを、前記線路情報で定義されたブロックの接続関係に基づいて探索することで、前記ある連動駅の出発進路の着点のブロックから前記次の連動駅の場内進路の始点のブロックまでのブロックを前記列車が走行する順番にリスト化した前記駅中間経路情報を作成する、
ことを特徴とする付記12または13に記載の経路情報作成方法。
(付記15)
前記作成ステップにおいて、前記作成部は、前記駅中間経路情報に含まれるブロックのブロック長を加算した長さが規定された長さ以上の場合、または前記駅中間経路情報に含まれるブロックのブロック数が規定された数以上の場合、または前記駅中間経路情報に含まれるブロックに対して前記駅中間経路情報に対応する駅中間経路を分割することが要件として設定されている場合、当該駅中間経路情報を2つ以上の駅中間経路情報に分割する、
ことを特徴とする付記14に記載の経路情報作成方法。
(付記16)
前記作成ステップにおいて、前記作成部は、前記ブロックの探索回数が規定された回数になった場合、探索を終了する、
ことを特徴とする付記13または14に記載の経路情報作成方法。
(付記17)
前記作成ステップにおいて、前記作成部は、前記進路対応経路情報で示される着点のブロックであって、前記列車が停車するブロックのみから構成される上り方向または下り方向の経路を前記その他経路情報として作成する、
ことを特徴とする付記12から16のいずれか1つに記載の経路情報作成方法。
(付記18)
前記作成ステップにおいて、前記作成部は、連続する同方向の経路については1ブロック以上重複するように前記経路情報を生成する、
ことを特徴とする付記11から17のいずれか1つに記載の経路情報作成方法。
(付記19)
入力表示部が、前記線路情報と前記進路情報とを前記取得部に入力させる入力ステップと、
前記入力表示部が、前記経路情報を表示する表示ステップと、
を含むことを特徴とする付記11から18のいずれか1つに記載の経路情報作成方法。
【符号の説明】
【0057】
10,10a 経路情報作成装置、11 取得部、12 作成部、13 記憶部、14 出力部、15 入力表示部、21 線路情報、22 進路情報、23 経路情報、30 入力表示装置、40 経路情報作成システム、90,93 処理回路、91 プロセッサ、92 メモリ。