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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143309
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/46 20060101AFI20241003BHJP
   H01R 13/646 20110101ALI20241003BHJP
【FI】
H01R13/46 A
H01R13/646
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023055913
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大澤 貴則
(72)【発明者】
【氏名】高橋 佳吾
【テーマコード(参考)】
5E021
5E087
【Fターム(参考)】
5E021FA05
5E021FB07
5E021FB10
5E021FC19
5E021FC23
5E021FC32
5E021LA21
5E087EE02
5E087EE11
5E087FF13
5E087LL03
5E087LL12
5E087MM05
5E087PP01
5E087QQ01
5E087RR02
5E087RR29
5E087RR41
5E087RR49
(57)【要約】
【課題】伝送特性の劣化を抑制する。
【解決手段】コネクタAは、一対の信号線39を絶縁性のシース38内に埋設して構成され、シース38の先端面38Sから一対の信号線39の先端領域を電線露出部39Eとして延出させた通信ケーブル37と、一対の電線露出部39Eに個別に固着された一対の信号用端子金具35を収容する誘電体31とを有し、誘電体31の信号用電線導出口33から電線露出部39Eを導出させた端子モジュール30と、通信ケーブル37の先端領域と誘電体31とを収容するハウジング10と、を備え、ハウジング10には、シース38の先端部38Tが信号用電線導出口33に接近することを規制するストッパ25が形成されている。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の信号線を絶縁性のシース内に埋設して構成され、前記シースの先端面から前記一対の信号線の先端領域を電線露出部として延出させた通信ケーブルと、一対の前記電線露出部に個別に固着された一対の端子金具を収容する端子保持部材とを有し、前記端子保持部材の電線導出口から前記電線露出部を導出させた端子モジュールと、
前記通信ケーブルの先端領域と、前記一対のターレットを収容した前記端子保持部材とを収容するハウジングと、を備え、
前記ハウジングには、前記シースの前記先端面が前記電線導出口に接近することを規制するストッパが形成されているコネクタ。
【請求項2】
前記ストッパには、前記シースの前記先端面が突き当たるようになっている請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記ハウジングには、前記電線露出部が配索される配索溝と、前記配索溝よりも幅広であって前記シースの先端部が収容される収容凹部とが形成され、
前記配索溝と前記収容凹部との境界に形成された段差部が、前記ストッパとして機能する請求項2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記ハウジングは、
後面に開口部を有する箱形をなし、前記端子保持部材が後方から挿入されるモジュール収容室と、前記配索溝と、前記収容凹部とを有するハウジング本体と、
前記ハウジング本体に対して前記開口部を閉塞するように組み付けられるカバーとを備えて構成され、
前記収容凹部は、後方に開口した形状であり、
前記カバーには、前記シースの前記先端面が前記ストッパによって移動規制されているときに、前記シースの前記先端面が後方へ変位して前記ストッパから外れることを規制する離脱規制部が形成されている請求項3に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記配索溝の幅寸法は、前記シースの外径よりも小さく、
前記ハウジングを後方から見た背面視において、前記離脱規制部の一部が、前記配索溝と重なるように配置されている請求項4に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記端子保持部材には、前記信号線とは異なる電線に固着された他の端子金具が収容されており、
前記離脱規制部が、前記ハウジング本体内における前記信号線の配索経路と、前記他の電線の配索経路とを区画するように配置されている請求項4又は請求項5に記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コネクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
差動信号伝送では、2本の電線を撚り合わせたツイストペア線が通信線として用いられる。特許文献1には、ツイストペア線と、ツイストペア線を構成する一対の電線の端末部に接続した端子部と、一対の端子部を収容するコネクタ本体とを備えたコネクタが開示されている。ツイストペア線の端末部では、端子部を圧着するために電線の撚りが解かれている。端子部はコネクタ本体に対し後方から挿入される。このとき、一対の端子部を同時に挿入するという作業方法では、端子部の挿入が不正になることが懸念される。そのため、一方の端子部をコネクタ本体に挿入した後に、他方の端子部を、一旦、コネクタ本体の後方へ移動させてから、コネクタ本体内に挿入することが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-162588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一対の端子部を別々に挿入するためには、電線の撚り解き長さとして、少なくとも端子部の全長に相当する寸法が必要である。しかし、電線を撚り解き状態にすると、電線の間隔が広がり易くなる。電線の間隔が拡がると、伝送特性が低下する。
【0005】
本開示のコネクタは、上記のような事情に基づいて完成されたものであって、伝送特性の劣化を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のコネクタは、
一対の信号線を絶縁性のシース内に埋設して構成され、前記シースの先端面から前記一対の信号線の先端領域を電線露出部として延出させた通信ケーブルと、一対の前記電線露出部に個別に固着された一対の端子金具を収容する端子保持部材とを有し、前記端子保持部材の電線導出口から前記電線露出部を導出させた端子モジュールと、
前記通信ケーブルの先端領域と、前記一対のターレットを収容した前記端子保持部材とを収容するハウジングと、を備え、
前記ハウジングには、前記シースの前記先端面が前記電線導出口に接近することを規制するストッパが形成されている。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、伝送特性の劣化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施例1のコネクタの斜視図である。
図2図2は、図1に示すコネクタの分解斜視図である。
図3図3は、実施例1のコネクタにおいて、ハウジング本体に端子モジュールと一括ゴム栓とゴム栓保持部材を取り付けた状態をあらわす斜視図である。
図4図4は、図1に示すハウジング本体の背面図である。
図5図5は、実施例1のコネクタにおいて、通信ケーブルを配索空間内に配索した状態をあらわす背断面図である。
図6図6は、実施例1のコネクタにおいて、通信ケーブルを配索空間内に配索した状態をあらわす側断面図である。
図7図7は、図1に示すコネクタの平断面図である。
図8図8は、実施例2のコネクタの斜視図である。
図9図9は、図8に示すコネクタの分解斜視図である。
図10図10は、実施例2のコネクタにおいて、ハウジング本体に端子モジュールと一括ゴム栓とゴム栓保持部材を取り付けた状態をあらわす斜視図である。
図11図11は、図8に示すハウジング本体の背面図である。
図12図12は、図8に示すコネクタの平断面図である。
図13図13は、図8示すコネクタの側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施形態を列記して説明する。下記の複数の実施形態を、矛盾を生じない範囲で任意に組み合わせたものも、発明を実施するための形態に含まれる。
【0010】
本開示のコネクタは、
(1)一対の信号線を絶縁性のシース内に埋設して構成され、前記シースの先端面から前記一対の信号線の先端領域を電線露出部として延出させた通信ケーブルと、一対の前記電線露出部に個別に固着された一対の端子金具を収容する端子保持部材とを有し、前記端子保持部材の電線導出口から前記電線露出部を導出させた端子モジュールと、前記通信ケーブルの先端領域と、前記一対のターレットを収容した前記端子保持部材とを収容するハウジングと、を備え、前記ハウジングには、前記シースの前記先端面が前記電線導出口に接近することを規制するストッパが形成されている。本開示の構成によれば、ストッパを設けたことによって、シースの先端面が端子保持部材の電線導出口に接近しないようにしたので、電線導出口とシースの先端面との間において、一対の信号線が離隔するように座屈することを抑制できる。すなわち、電線導出口とシースの先端面との間の距離が、一対の信号線における電線導出口からシースの先端面までの部分の長さよりも短くなることに起因して、電線露出部において一対の信号線が離隔するように座屈することを抑制できる。したがって、本開示によれば、一対の信号線が離隔することに起因する伝送特性の劣化を抑制することができる。また、通信ケーブルのうちハウジングの外部に配索される部分の長さを管理することが可能である。
【0011】
(2)前記ストッパには、前記シースの前記先端面が突き当たるようになっていることが好ましい。この構成によれば、シースを挟み付けることによって移動規制する構造に比べると、ハウジングの形状を簡素化することができる。
【0012】
(3)(2)において、前記ハウジングには、前記電線露出部が配索される配索溝と、前記配索溝よりも幅広であって前記シースの先端部が収容される収容凹部とが形成され、前記配索溝と前記収容凹部との境界に形成された段差部が、前記ストッパとして機能することが好ましい。この構成によれば、段差部とは別に専用の独立した形状のストッパを形成する場合に比べると、ハウジングの形状を簡素化することができる。
【0013】
(4)(3)において、前記ハウジングは、後面に開口部を有する箱形をなし、前記端子保持部材が後方から挿入されるモジュール収容室と、前記配索溝と、前記収容凹部とを有するハウジング本体と、前記ハウジング本体に対して前記開口部を閉塞するように組み付けられるカバーとを備えて構成され、前記収容凹部は、後方に開口した形状であり、前記カバーには、前記シースの先端面が前記ストッパによって移動規制されているときに、前記シースの前記先端面が後方へ変位して前記ストッパから外れることを規制する離脱規制部が形成されていることが好ましい。この構成によれば、シースの先端部が後方へ変位してストッパから外れることを、防止できる。
【0014】
(5)(4)において、前記配索溝の幅寸法は、前記シースの外径よりも小さく、前記ハウジングを後方から見た背面視において、前記離脱規制部の一部が、前記配索溝と重なるように配置されていることが好ましい。この構成によれば、通信ケーブルを後方からハウジング本体内に収容したときに、シースの先端面がストッパよりも配索溝側に位置していた場合、シースは、ストッパと対向する位置、すなわちストッパによって移動規制される位置よりも後方に位置する。この場合、カバーをハウジング本体に組み付けるときに、離脱規制部がシースの先端部と干渉するため、に、カバーをハウジング本体に対して正規の位置に組み付けることが阻止される。したがって、ハウジング本体に対するカバーの組付けの可否に基づいて、シースが正規の位置に配置されているか否かを検出することができる。
【0015】
(6)(4)又は(5)において、前記端子保持部材には、前記信号線とは異なる電線に固着された他の端子金具が収容されており、前記離脱規制部が、前記ハウジング本体内における前記信号線の配索経路と、前記他の電線の配索経路とを区画するように配置されていることが好ましい。この構成によれば、信号線の配索空間と他の電線の配索空間とを区画するための専用の隔壁部を、ハウジング本体に形成する必要がない。これにより、ハウジング本体の形状を簡素化することができる。
【0016】
[本開示の実施形態の詳細]
[実施例1]
本開示を具体化した実施例1のコネクタAを、図1図7を参照して説明する。本発明は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。本実施例1において、前後の方向については、図1~3,6,7におけるF方向を前方と定義する。上下の方向については、図1~6におけるH方向を上方と定義する。左右の方向については、図1~5,7におけるR方向を右方と定義する。左右方向と幅方向を同義で用いる。
【0017】
本実施例1のコネクタAは、ハウジング10と、端子モジュール30とを備えて構成されている。コネクタAを側方から視た側面視において、コネクタAは、全体として縦長のブロック状をなす。
【0018】
ハウジング10は、ハウジング本体11、カバー40、一括ゴム栓43、ゴム栓保持部材46、及びリアシール部材47を組み付けて構成されている。図2,3に示すように、ハウジング本体11は、後面に開口部12を有する箱形の部材である。図5,6に示すように、ハウジング本体11の下壁部には、下壁部を上下に貫通した形態の配索孔13が形成されている。図4~6に示すように、ハウジング本体11の上端部には、モジュール収容室14が形成されている。モジュール収容室14の前端は、ハウジング本体11の前面に開口している。モジュール収容室14の後端は、ハウジング本体11内において後方へ開口している。ハウジング本体11の前面上端部には、フロントシール部材15とフロント部材16を取り付けることによって、相手側コネクタ(図示省略)に嵌合される嵌合部17が形成されている。
【0019】
ハウジング本体11の内部には、モジュール収容室14の後端と連通する配索空間19が形成されている。配索空間19は、モジュール収容室14よりも後方の領域と、ハウジング本体11のうちモジュール収容室14よりも下方の領域とによって構成されている。配索空間19内には、一対の電力線36と1本の通信ケーブル37が上下方向に配索される。配索空間19の上端部には、配索溝20と、収容凹部22とが形成されている。
【0020】
配索溝20は、上下両方向及び後方に開口した溝部である。図4,5に示すように、ハウジング本体11を後方から視た背面視において、配索溝20の上端は、モジュール収容室14よりも少し下方に位置する。配索溝20は、ハウジング本体11の幅方向中心11Cから幅方向左側へ片寄った位置に配置されている。図6に示すように、配索溝20の溝底面21は、上端よりも下端の方が前方に位置するようにオーバーハング状に傾斜している。
【0021】
収容凹部22は、下方及び後方に開口した凹部である。図4,5に示すように、収容凹部22は、配索溝20と同様、ハウジング本体11の幅方向中心11Cから幅方向左側へ片寄った位置に配置されている。配索溝20と収容凹部22は、上下方向に隣り合うように配置されている。収容凹部22の上端は、配索溝20の下端と連通している。背面視において、収容凹部22の幅寸法は配索溝20の幅寸法よりも大きい。図6に示すように、収容凹部22の奥面23(前面)は、配索溝20の溝底面21よりも前方に位置する。収容凹部22の下端部と配索溝20の下端部との境界は、段差部24を構成している。段差部24のうち収容凹部22内に臨む部位は、ストッパ25として機能する。ストッパ25は、収容凹部22を下から見たときに、後方に開口した「U字形」をなしている。
【0022】
図2に示すように、端子モジュール30は、誘電体31と、一対の信号用端子金具35と、一対の給電用端子金具34と、一対の電力線36と、1本の通信ケーブル37とを有している。誘電体31は、例えば、複数の部品を組み付けて構成されている。一対の給電用端子金具34と一対の信号用端子金具35は、誘電体31内に収容されている。誘電体31の後面には、幅方向に間隔を空けて並ぶ一対の給電用電線導出口32と、幅方向に間隔を空けて並ぶ一対の信号用電線導出口33とが形成されている。一対の給電用電線導出口32は、誘電体31の後面における上側領域に開口している。一対の信号用電線導出口33は、誘電体31の後面における下側領域に開口している。端子モジュール30は、ハウジング本体11の後方からモジュール収容室14内に挿入されている。
【0023】
一対の電力線36は、被覆電線からなる。各電力線36の先端部には、給電用端子金具34が固着されている。誘電体31の給電用電線導出口32からは、電力線36が後方へ導出されている。給電用電線導出口32から導出された一対の電力線36は、配索空間19の右半分の領域内において上下方向に配索されている。
【0024】
通信ケーブル37は、差動通信用の導電路であって、円形断面のシース38と、シース38内に埋設された一対の信号線39とを有する。信号線39は、被覆電線からなる。シース38内では、一対の信号線39が撚り合わされることによってツイストペア線(図示省略)を構成している。通信ケーブル37の先端部においては、シース38が除去されて、一対の信号線39の先端部が露出した状態となっている。信号線39のうちシース38の先端面38Sから突出して撚りを解かれた部分を、電線露出部39Eと定義する。各電線露出部39Eの先端部には、信号用端子金具35が固着されている。誘電体31の信号用電線導出口33からは、電線露出部39Eが後方へ導出されている。
【0025】
通信ケーブル37は、配索空間19内の左半分の領域内において上下方向に配索されている。シース38の先端部38Tは、先端面38Sを上向きにした状態で収容凹部22内に収容されている。シース38の先端面38Sは、ストッパ25に対して下から当接又は、下から近接して対向するように位置している。配索溝20内には、信号用電線導出口33から導出された一対の電線露出部39E(信号線39)が収容されている。配索溝20内では、一対の電線露出部39Eが、軸線を上下方向に向け、且つ互いに平行に近接して左右に並ぶように配置される。一対の電線露出部39Eのうち、信号用電線導出口33と配索溝20の上端との間の部位は、背面視において、上下方向及び幅方向の両方向に対して斜めの向きに配索されている。
【0026】
カバー40は、ハウジング本体11に対して開口部12を閉塞するように取り付けられる。図6,7に示すように、カバー40は、開口部12を閉塞する板状本体部41と、板状本体部41の前面から突出した離脱規制部42とを有する。カバー40をハウジング本体11に取り付けた状態では、規制規制部は、配索空間19内に収容される。図7に示すように、離脱規制部42は、カバー40の幅方向中央よりも左方へずれた位置に配置されている。図6に示すように、離脱規制部42は、配索溝20の下端側領域と、収容凹部22と、収容凹部22よりも下方の領域とを後方から覆うように位置する。
【0027】
一括ゴム栓43は、ハウジング本体11の配索孔13に対して液密状に取り付けられている。図2に示すように、一括ゴム栓43には、一括ゴム栓43を上下方向に貫通する一対の第1シール孔44と1つの第2シール孔45が形成されている。一対の第1シール孔44には、一対の電力線36が液密状に挿通されている。第2シール孔45には、通信ケーブル37が液密状に挿通されている。ゴム栓保持部材46は、ハウジング本体11の下端部に取り付けられている。ゴム栓保持部材46は、一括ゴム栓43が配索孔13から下方へ離脱することを防止する部材である。
【0028】
次に、コネクタAの組付け手順を説明する。通信ケーブル37のシース38と電力線36を一括ゴム栓43に挿通した状態で、信号線39に信号用端子金具35を圧着するとともに、電力線36に給電用端子金具34を固着する。次に、信号用端子金具35と給電用端子金具34を誘電体31内に収容することによって、端子モジュール30の組付けを行う。その後、組み付けた端子モジュール30を、ハウジング本体11の下方から配索孔13を貫通させ、配索空間19を通過させ、開口部12から一旦ハウジング本体11の外部後方へ引き出す。その後、誘電体31を後方からモジュール収容室14内に挿入する。
【0029】
この後、2本の電力線36を、配索空間19内における右側領域内に収容して、上下方向に配索する。通信ケーブル37を、配索空間19内における左側の領域内に収容して、上下方向に配索する。通信ケーブル37を配索する際には、通信ケーブル37のうちシース38の先端部38Tを収容凹部22内に収容するとともに、2本の電線露出部39Eを配索溝20内に収容する。さらに、電線露出部39Eのうち配索溝20よりも上方の部位を、配索溝20の上端と信号用電線導出口33との間で、上下方向及び幅方向の両方向に対して斜めに配索する。シース38の先端面38Sと信号用電線導出口33との間では、2本の電線露出部39Eが殆ど余長を有しない状態で配索される。したがって、配索溝20と信号用電線導出口33との間においても、2本の電線露出部39Eが幅方向に大きく離隔することはない。
【0030】
電力線36と通信ケーブル37を配索空間19内に配索した後は、電力線36と通信ケーブル37をハウジング本体11に対して上方へ移動しないように保持した状態で、一括ゴム栓43を、上方へ移動させて配索孔13に取り付ける。その後、ゴム栓保持部材46をハウジング本体11の下端部に取り付ける。
【0031】
この後、リアシール部材47が装着されているカバー40を、ハウジング本体11の後面部に取り付ける。これにより、ハウジング本体11の後面の開口部12が、カバー40の板状本体部41とリアシール部材47とによって液密状に閉塞される。以上により、コネクタAの組付けが完了する。
【0032】
一括ゴム栓43を上方へ移動させるときに、通信ケーブル37が上方へ押し動かされることが懸念される。シース38の先端部38Tがストッパ25よりも上方へ移動すると、シース38の先端面38Sと信号用電線導出口33との間で、電線露出部39Eが座屈するように変形し、その結果、2本の電線露出部39Eが離隔して、伝送特性が劣化することが懸念される。しかし、本実施例1では、シース38の先端面38Sがストッパ25に対して下から突き当たることによって、通信ケーブル37(シース38の先端部38T)が配索空間19内で上方へ移動することを防止している。したがって、一対の電線露出部39Eが離隔することに起因する伝送特性の劣化を防止できる。
【0033】
カバー40をハウジング本体11に取り付けた状態では、カバー40に形成されている離脱規制部42が、配索空間19内に進入して、シース38の先端部38Tに対して後方から当接、又は後方から近接して対向した状態となる。これにより、通信ケーブル37の後方への移動が規制されるので、シース38が収容凹部22に収容された状態に保持されるとともに、電線露出部39Eが配索溝20に収容された状態に保持される。
【0034】
また、配索溝20の幅寸法はシース38の先端部38Tの外径よりも小さく設定されているので、シース38の先端部38Tがストッパ25よりも上方に位置している状態では、シース38を配索溝20内に収容することはできない。この場合には、シース38の先端部38Tは、収容凹部22に収容される位置、即ちストッパ25と対向する位置よりも後方に位置することになる。ここで、背面視において、離脱規制部42は、収容凹部22だけでなく配索溝20と重なるように配置されている。したがって、カバー40をハウジング本体11に取り付けようとするときに、シース38の先端面38Sがストッパ25よりも上方に位置していると、取付けの途中で離脱規制部42がシース38の先端部38Tと干渉するので、カバー40をハウジング本体11に組み付けることができない。これにより、シース38の先端部38Tが収容凹部22から外れていることを検出できる。
【0035】
図7に示すように、コネクタAを水平に切断した断面を上から見た平断面視において、電力線36は、配索空間19における幅方向中心11Cよりも右側の領域に配索されている。一方、通信ケーブル37のシース38は、配索空間19における幅方向中心11Cよりも左側の領域に配索されている。そして、離脱規制部42は、電力線36の配索経路に対して左方に隣り合うように位置し、且つ通信ケーブル37の先端部(電線露出部39E)の配索経路に対して後方に隣り合うように位置している。これにより、通信ケーブル37の先端部の配索経路と電力線36の配索経路が、離脱規制部42によって区画された状態となっている。したがって、配索空間19内では、電力線36が通信ケーブル37に接近する虞はない。
【0036】
本実施例1のコネクタAは、端子モジュール30と、ハウジング10とを備えている。端子モジュール30は、通信ケーブル37と、誘電体31と、一対の信号用端子金具35とを有する。通信ケーブル37は、一対の信号線39を絶縁性のシース38内に埋設して構成されている。通信ケーブル37の先端領域においては、シース38が除去されている。シース38の先端面38Sからは、一対の信号線39の先端部が電線露出部39Eとして延出されている。一対の信号用端子金具35には、一対の電線露出部39Eが個別に固着されている。一対の信号用端子金具35は、誘電体31内に収容されている。誘電体31の後面に開口する一対の信号用電線導出口33からは、一対の電線露出部39Eが後方へ個別に導出されている。ハウジング10には、通信ケーブル37の先端部と、一対の信号用端子金具35を収容した誘電体31が収容されている。
【0037】
ハウジング10には、シース38の先端面38Sが信号用電線導出口33に接近することを規制するストッパ25が形成されている。ハウジング10にストッパ25を設けたことによって、シース38の先端面38Sが誘電体31の信号用電線導出口33に接近しないようにしたので、信号用電線導出口33とシース38の先端面38Sとの間において、一対の電線露出部39E(信号線39)が離隔するように座屈することを抑制できる。すなわち、信号用電線導出口33とシース38の先端面38Sとの間の距離が、一対の信号線39における信号用電線導出口33からシース38の先端面38Sまでの部分の長さよりも短くなることに起因して、電線露出部39Eにおいて一対の信号線39が離隔するように座屈することを抑制できる。したがって、本実施例1のコネクタAによれば、電線露出部39Eにおいて一対の信号線39が離隔することに起因する伝送特性の劣化を抑制することができる。
【0038】
ストッパ25には、シース38の前記先端面38Sが突き当たるようになっていることが好ましい。この構成によれば、ストッパ25がシース38を挟み付けることによって移動規制する構造に比べると、ハウジング10の形状を簡素化することができる。また、シース38の先端面38Sを、ストッパ25に対して当接した状態、又はストッパ25に対して近接して対向した状態にすることによって、ハウジング10に対するシース38の先端部38Tが、通信ケーブル37の長さ方向に関して位置決めされる。これにより、通信ケーブル37のうちハウジング10の外部に配索される部分の長さを、管理することができる。
【0039】
ハウジング10には、電線露出部39Eが配索される配索溝20と、配索溝20よりも幅広であってシース38の先端部38Tが収容される収容凹部22とが形成されている。配索溝20と収容凹部22との境界に形成された段差部24が、ストッパ25として機能する。この構成によれば、段差部24とは別に専用の独立した形状のストッパ25を形成する場合に比べると、本実施例1のコネクタAは、ハウジング10の形状を簡素化することができる。
【0040】
ハウジング10は、ハウジング本体11と、カバー40とを備えて構成されている。ハウジング本体11は、後面に開口部12を有する箱形をなす。ハウジング本体11は、誘電体31が後方から挿入されるモジュール収容室14と、配索溝20と、収容凹部22とを有する。収容凹部22は、後方に開口した形状である。カバー40は、ハウジング本体11に対して開口部12を閉塞するように組み付けられる。カバー40には、シース38の先端面38Sがストッパ25によって移動規制されているときに、シース38の先端面38Sが後方へ変位してストッパ25から外れることを規制する離脱規制部42が形成されている。この構成によれば、シース38の先端面38Sが後方へ変位してストッパ25から外れることを、防止できる。
【0041】
配索溝20の幅寸法は、シース38の外径よりも小さい。ハウジング10を後方から見た背面視において、離脱規制部42の一部が、配索溝20と重なるように配置されている。この構成によれば、通信ケーブル37を後方からハウジング本体11内に収容したときに、シース38の先端面38Sがストッパ25よりも配索溝20側に位置していた場合、シース38は、ストッパ25と対向する位置、すなわちストッパ25によって移動規制される位置よりも後方に位置する。この場合、カバー40をハウジング本体11に組み付けるときに、離脱規制部42がシース38の先端部38Tと干渉するため、カバー40をハウジング本体11に対して正規の位置に組み付けることが阻止される。したがって、本実施例1のコネクタAによれば、ハウジング本体11に対するカバー40の組付けの可否に基づいて、シース38が正規の位置に配置されているか否かを検出することができる。
【0042】
誘電体31には、信号線39とは異なる電力線36に固着された給電用端子金具34が収容されている。離脱規制部42は、ハウジング本体11内における信号線39(電線露出部39E)の配索経路と、電力線36の配索経路とを区画するように配置されている。この構成によれば、電線露出部39Eの配索空間19と電力線36の配索空間19とを区画するための専用の隔壁部を、ハウジング本体11に形成する必要がない。これにより、ハウジング本体11の形状を簡素化することができる。
【0043】
[実施例2]
本開示を具体化した実施例2のコネクタBを、図8図13を参照して説明する。本実施例2において、前後の方向については、図8~10,12,13におけるF方向を前方と定義する。上下の方向については、図8~11,13におけるH方向を上方と定義する。左右の方向については、図8~12におけるR方向を右方と定義する。本実施例2のコネクタBは、ハウジング50を上記実施例1とは異なる構成としたものである。その他の構成については上記実施例1と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。
【0044】
本実施例2のハウジング50を構成するハウジング本体51は、図12に示すように、ハウジング本体51の後面に開口する開口部12と、モジュール収容室14と、配索空間19と、配索孔13を有する。モジュール収容室14は、ハウジング本体51の左端部に配置されている。モジュール収容室14内には、端子モジュール30が後方から挿入されている。配索孔13は、ハウジング本体51の右端部に配置されている。ハウジング本体51内のうち、モジュール収容室14の後方から配索孔13に亘る空間が、配索空間19として機能する。配索空間19内には、1本の通信ケーブル37と一対の電力線36が、左右方向に配索されている。本実施例2では、ハウジング本体51を後方から視た背面視(図示省略)において、通信ケーブル37及び電力線36の配索方向と直交する上下方向(高さ方向)を、幅方向と定義する。
【0045】
誘電体31がモジュール収容室14内に収容された状態では、一対の給電用電線導出口32が、誘電体31の後面のうち、ハウジング本体51の幅方向中心51C(高さ方向の中央)よりも幅方向上側の領域内において、左右方向に並ぶように配置されている。一対の信号用電線導出口33は、誘電体31の後面のうち幅方向中心51Cよりも幅方向下側の領域内において、左右方向に並ぶように配置されている。一対の電力線36は、配索空間19のうち幅方向中心51Cよりも幅方向上方へずれた領域に配索されている。通信ケーブル37は、配索空間19のうち幅方向中心51Cよりも幅方向下方へずれた領域に配索されている。
【0046】
シース38の先端部38Tは、先端面38Sを左方に向けた状態で、収容凹部22内に収容され、上下方向に位置決めされている。上記の幅方向は、背面視において、収容凹部22内におけるシース38の先端部38Tの軸線と直交する方向である。配索溝20と収容凹部22と通信ケーブル37は、幅方向中心51Cから幅方向下方へ片寄った位置に配置されている。収容凹部22の左端と配索溝20の右端との境界には、段差部24が形成されている。段差部24には、シース38の先端面38Sを当接させることによって、シース38の先端部38Tが左方へ位置ずれすることを規制するストッパ25が形成されている。
【0047】
コネクタBの組付け手順を説明する。実施例1と同様の手順で端子モジュール30の誘電体31をモジュール収容室14に挿入した後、2本の電力線36を配索空間19内における上側領域内に配索するとともに、通信ケーブル37を、配索空間19内における下側の領域内に配索する。通信ケーブル37を配索する際には、シース38の先端部38Tを収容凹部22内に収容し、2本の電線露出部39Eを配索溝20内に収容する。
【0048】
電力線36と通信ケーブル37を配索空間19内に配索した後は、電力線36と通信ケーブル37をハウジング本体51に対して左方へ移動しないように保持した状態で、一括ゴム栓43を、左方へ移動させて配索孔13に取り付ける。その後、ゴム栓保持部材46をハウジング本体51の右端部に取り付ける。一括ゴム栓43を左方へ移動させるときに、通信ケーブル37が左方へ押し動かされることが懸念される。しかし、シース38の先端面38Sが、ストッパ25に対して右側から当接した状態、又はストッパ25に対して右側から近接した状態で対向しているので、通信ケーブル37が配索空間19内で左方へ移動することはない。
【0049】
この後、リアシール部材47が装着されているカバー40を、ハウジング本体51の後面部に取り付ける。これにより、ハウジング本体51の後面の開口部12が、カバー40の板状本体部41とリアシール部材47とによって液密状に閉塞される。以上により、コネクタBの組付けが完了する。
【0050】
カバー40をハウジング本体51に取り付けた状態では、カバー40に形成されている離脱規制部42が、配索空間19内に進入して、シース38の先端部38Tに対して後方から当接、又は後方から近接して対向した状態となる。これにより、通信ケーブル37の後方への移動が規制されるので、シース38が収容凹部22に収容された状態に保持されるとともに、電線露出部39Eが配索溝20に収容された状態に保持される。
【0051】
また、離脱規制部42は、背面視において、収容凹部22だけでなく配索溝20にも重なるように配置されている。シース38の外径は、配索溝20の幅寸法よりも大きい。したがって、カバー40をハウジング本体51に取り付けるときに、シース38の先端部38Tが、ストッパ25から左方へ外れて配索溝20と重なるように位置している場合には、離脱規制部42がシース38の先端部38Tに突き当たることによって、カバー40の取付けができなくなる。
【0052】
コネクタBを電力線36及び通信ケーブル37の配索方向と直角に切断した断面を左方から見た側面視において、図13に示すように、電力線36は、配索空間19における幅方向中心51Cよりも上側の領域に配索されている。一方、通信ケーブル37のシース38は、配索空間19における幅方向中心51Cよりも下側の領域に配索されている。そして、離脱規制部42は、電力線36の配索経路に対して下方に隣り合うように位置し、且つ通信ケーブル37の先端部(電線露出部39E)の配索経路に対して後方に隣り合うように位置している。これにより、通信ケーブル37の先端部の配索経路と電力線36の配索経路が、離脱規制部42によって区画された状態となっている。したがって、配索空間19内では、電力線36が通信ケーブル37に接近するおそれはない。
【0053】
ハウジング50には、シース38の先端面38Sが誘電体31の信号用電線導出口33に接近することを規制するストッパ25が形成されている。ストッパ25を設けたことによって、シース38の先端面38Sが信号用電線導出口33に接近しないようにしたので、信号用電線導出口33とシース38の先端面38Sとの間において、一対の電線露出部39E(信号線39)が離隔するように座屈することを抑制できる。すなわち、信号用電線導出口33とシース38の先端面38Sとの間の距離が、一対の信号線39における信号用電線導出口33からシース38の先端面38Sまでの部分の長さよりも短くなることに起因して、電線露出部39Eにおいて一対の信号線39が離隔するように座屈することを抑制できる。よって、電線露出部39Eにおいて一対の信号線39が離隔することに起因する伝送特性の劣化を抑制することができる。
【0054】
ストッパ25には、シース38の先端面38Sが突き当たるようになっているので、シース38を挟み付けることによって移動規制する構造に比べると、ハウジング50の形状を簡素化することができる。また、通信ケーブル37のうちハウジング50の外部に配索される部分の長さを管理することが可能である。配索溝20と収容凹部22の幅寸法の差によって形成された段差部24を、ストッパ25として機能させたので、独立した形状のストッパ25を形成する場合に比べると、ハウジング50の形状を簡素化することができる。
【0055】
シース38の先端面38Sがストッパ25によって移動規制されている状態では、カバー40の離脱規制部42によって、シース38の先端面38Sの後方への変位が規制される。これにより、シース38の先端面38Sがストッパ25に対して後方へ外れることを、防止できる。離脱規制部42は、ハウジング本体51内における信号線39(電線露出部39E)の配索経路と、電力線36の配索経路とを区画するように配置されている。電線露出部39Eの配索空間19と電力線36の配索空間19とを区画するための専用の隔壁部を、ハウジング本体51に形成する必要がない。これにより、ハウジング本体51の形状を簡素化することができる。
【0056】
配索溝20の幅寸法はシース38の外径よりも小さいので、シース38を配索溝20内に収容することはできない。そのため、通信ケーブル37を後方からハウジング本体51内に収容したときに、シース38の先端面38Sがストッパ25よりも配索溝20側に位置していた場合は、シース38がストッパ25と対向する位置よりも後方に位置する。離脱規制部42の一部は、配索溝20の後方に配置されている。カバー40をハウジング本体51に組み付けるときに、シース38の先端面38Sがストッパ25よりも配索溝20側に位置している場合は、離脱規制部42がシース38の先端部38Tと干渉するので、カバー40を組み付けることができない。したがって、ハウジング本体51に対するカバー40の組付けの可否に基づいて、シース38が正規の位置に配置されているか否かを検出することができる。
【0057】
[他の実施例]
本発明は、上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示される。本発明には、特許請求の範囲と均等の意味及び特許請求の範囲内でのすべての変更が含まれ、下記の実施形態も含まれる。
通信ケーブルは、シース内に二対以上の信号線を埋設したものでもよい。
ストッパは、シースを挟み付けることによって移動規制するものでもよい。
ハウジング本体は、配索溝を有しない形態であってもよい。
ハウジング本体は、収容凹部を有しない形態であってもよい。
ハウジング本体に、信号線の配索空間と他の電線(電力線)の配索空間とを区画するための専用の隔壁部を形成してもよい。
カバーは、離脱規制部を有しない形態であってもよい。
ストッパは、カバーに形成してもよい。
離脱規制部は、背面視において配索溝と重ならない形態としてもよい。
カバーは、離脱規制部を有しない形態であってもよい。
【符号の説明】
【0058】
A…コネクタ
B…コネクタ
10…ハウジング
11…ハウジング本体
11C…ハウジング本体の幅方向中心
12…開口部
13…配索孔
14…モジュール収容室
15…フロントシール部材
16…フロント部材
17…嵌合部
19…配索空間
20…配索溝
21…配索溝の溝底面
22…収容凹部
23…収容凹部の奥面
24…段差部
25…ストッパ
30…端子モジュール
31…誘電体(端子保持部材)
32…給電用電線導出口(他の電線導出口)
33…信号用電線導出口(電線導出口)
34…給電用端子金具
35…信号用端子金具(端子金具)
36…電力線(他の電線)
37…通信ケーブル
38…シース
38S…シースの先端面
38T…シースの先端部
39…信号線
39E…電線露出部
40…カバー
41…板状本体部
42…離脱規制部
43…一括ゴム栓
44…第1シール孔
45…第2シール孔
46…ゴム栓保持部材
47…リアシール部材
50…ハウジング
51…ハウジング本体
51C…ハウジング本体の幅方向中心
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2023-08-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の信号線を絶縁性のシース内に埋設して構成され、前記シースの先端面から前記一対の信号線の先端領域を電線露出部として延出させた通信ケーブルと、一対の前記電線露出部に個別に固着された一対の端子金具を収容する端子保持部材とを有し、前記端子保持部材の電線導出口から前記電線露出部を導出させた端子モジュールと、
前記通信ケーブルの先端領域と、前記一対の端子金具を収容した前記端子保持部材とを収容するハウジングと、を備え、
前記ハウジングには、前記シースの前記先端面が前記電線導出口に接近することを規制するストッパが形成されているコネクタ。
【請求項2】
前記ストッパには、前記シースの前記先端面が突き当たるようになっている請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記ハウジングには、前記電線露出部が配索される配索溝と、前記配索溝よりも幅広であって前記シースの先端部が収容される収容凹部とが形成され、
前記配索溝と前記収容凹部との境界に形成された段差部が、前記ストッパとして機能する請求項2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記ハウジングは、
後面に開口部を有する箱形をなし、前記端子保持部材が後方から挿入されるモジュール収容室と、前記配索溝と、前記収容凹部とを有するハウジング本体と、
前記ハウジング本体に対して前記開口部を閉塞するように組み付けられるカバーとを備えて構成され、
前記収容凹部は、後方に開口した形状であり、
前記カバーには、前記シースの前記先端面が前記ストッパによって移動規制されているときに、前記シースの前記先端面が後方へ変位して前記ストッパから外れることを規制する離脱規制部が形成されている請求項3に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記配索溝の幅寸法は、前記シースの外径よりも小さく、
前記ハウジングを後方から見た背面視において、前記離脱規制部の一部が、前記配索溝と重なるように配置されている請求項4に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記端子保持部材には、前記信号線とは異なる電線に固着された他の端子金具が収容されており、
前記離脱規制部が、前記ハウジング本体内における前記信号線の配索経路と、前記他の電線の配索経路とを区画するように配置されている請求項4又は請求項5に記載のコネクタ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本開示のコネクタは、
一対の信号線を絶縁性のシース内に埋設して構成され、前記シースの先端面から前記一対の信号線の先端領域を電線露出部として延出させた通信ケーブルと、一対の前記電線露出部に個別に固着された一対の端子金具を収容する端子保持部材とを有し、前記端子保持部材の電線導出口から前記電線露出部を導出させた端子モジュールと、
前記通信ケーブルの先端領域と、前記一対の端子金具を収容した前記端子保持部材とを収容するハウジングと、を備え、
前記ハウジングには、前記シースの前記先端面が前記電線導出口に接近することを規制するストッパが形成されている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
本開示のコネクタは、
(1)一対の信号線を絶縁性のシース内に埋設して構成され、前記シースの先端面から前記一対の信号線の先端領域を電線露出部として延出させた通信ケーブルと、一対の前記電線露出部に個別に固着された一対の端子金具を収容する端子保持部材とを有し、前記端子保持部材の電線導出口から前記電線露出部を導出させた端子モジュールと、前記通信ケーブルの先端領域と、前記一対の端子金具を収容した前記端子保持部材とを収容するハウジングと、を備え、前記ハウジングには、前記シースの前記先端面が前記電線導出口に接近することを規制するストッパが形成されている。本開示の構成によれば、ストッパを設けたことによって、シースの先端面が端子保持部材の電線導出口に接近しないようにしたので、電線導出口とシースの先端面との間において、一対の信号線が離隔するように座屈することを抑制できる。すなわち、電線導出口とシースの先端面との間の距離が、一対の信号線における電線導出口からシースの先端面までの部分の長さよりも短くなることに起因して、電線露出部において一対の信号線が離隔するように座屈することを抑制できる。したがって、本開示によれば、一対の信号線が離隔することに起因する伝送特性の劣化を抑制することができる。また、通信ケーブルのうちハウジングの外部に配索される部分の長さを管理することが可能である。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の信号線を絶縁性のシース内に埋設して構成され、前記シースの先端面から前記一対の信号線の先端領域を電線露出部として延出させた通信ケーブルと、一対の前記電線露出部に個別に固着された一対の端子金具を収容する端子保持部材とを有し、前記端子保持部材の電線導出口から前記電線露出部を導出させた端子モジュールと、
前記通信ケーブルの先端領域と、前記一対の端子金具を収容した前記端子保持部材とを収容するハウジングと、を備え、
前記ハウジングには、前記シースの前記先端面が前記電線導出口に接近することを規制するストッパが形成されているコネクタ。
【請求項2】
前記ストッパには、前記シースの前記先端面が突き当たるようになっている請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記ハウジングには、前記電線露出部が配索される配索溝と、前記配索溝よりも幅広であって前記シースの先端部が収容される収容凹部とが形成され、
前記配索溝と前記収容凹部との境界に形成された段差部が、前記ストッパとして機能する請求項2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記ハウジングは、
後面に開口部を有する箱形をなし、前記端子保持部材が後方から挿入されるモジュール収容室と、前記配索溝と、前記収容凹部とを有するハウジング本体と、
前記ハウジング本体に対して前記開口部を閉塞するように組み付けられるカバーとを備えて構成され、
前記収容凹部は、後方に開口した形状であり、
前記カバーには、前記シースの前記先端面が前記ストッパによって移動規制されているときに、前記シースの前記先端面が後方へ変位して前記ストッパから外れることを規制する離脱規制部が形成されている請求項3に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記配索溝の幅寸法は、前記シースの外径よりも小さく、
前記ハウジングを後方から見た背面視において、前記離脱規制部の一部が、前記配索溝と重なるように配置されている請求項4に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記端子保持部材には、前記信号線とは異なる電線に固着された他の端子金具が収容されており、
前記離脱規制部が、前記ハウジング本体内における前記信号線の配索経路と、前記他の電線の配索経路とを区画するように配置されている請求項4又は請求項5に記載のコネクタ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本開示のコネクタは、
一対の信号線を絶縁性のシース内に埋設して構成され、前記シースの先端面から前記一対の信号線の先端領域を電線露出部として延出させた通信ケーブルと、一対の前記電線露出部に個別に固着された一対の端子金具を収容する端子保持部材とを有し、前記端子保持部材の電線導出口から前記電線露出部を導出させた端子モジュールと、
前記通信ケーブルの先端領域と、前記一対の端子金具を収容した前記端子保持部材とを収容するハウジングと、を備え、
前記ハウジングには、前記シースの前記先端面が前記電線導出口に接近することを規制するストッパが形成されている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
本開示のコネクタは、
(1)一対の信号線を絶縁性のシース内に埋設して構成され、前記シースの先端面から前記一対の信号線の先端領域を電線露出部として延出させた通信ケーブルと、一対の前記電線露出部に個別に固着された一対の端子金具を収容する端子保持部材とを有し、前記端子保持部材の電線導出口から前記電線露出部を導出させた端子モジュールと、前記通信ケーブルの先端領域と、前記一対の端子金具を収容した前記端子保持部材とを収容するハウジングと、を備え、前記ハウジングには、前記シースの前記先端面が前記電線導出口に接近することを規制するストッパが形成されている。本開示の構成によれば、ストッパを設けたことによって、シースの先端面が端子保持部材の電線導出口に接近しないようにしたので、電線導出口とシースの先端面との間において、一対の信号線が離隔するように座屈することを抑制できる。すなわち、電線導出口とシースの先端面との間の距離が、一対の信号線における電線導出口からシースの先端面までの部分の長さよりも短くなることに起因して、電線露出部において一対の信号線が離隔するように座屈することを抑制できる。したがって、本開示によれば、一対の信号線が離隔することに起因する伝送特性の劣化を抑制することができる。また、通信ケーブルのうちハウジングの外部に配索される部分の長さを管理することが可能である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0026】
カバー40は、ハウジング本体11に対して開口部12を閉塞するように取り付けられる。図6,7に示すように、カバー40は、開口部12を閉塞する板状本体部41と、板状本体部41の前面から突出した離脱規制部42とを有する。カバー40をハウジング本体11に取り付けた状態では、離脱規制部42は、配索空間19内に収容される。図7に示すように、離脱規制部42は、カバー40の幅方向中央よりも左方へずれた位置に配置されている。図6に示すように、離脱規制部42は、配索溝20の下端側領域と、収容凹部22と、収容凹部22よりも下方の領域とを後方から覆うように位置する。