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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143332
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】荷卸しシステム、及び荷卸し方法
(51)【国際特許分類】
   B67D 7/32 20100101AFI20241003BHJP
【FI】
B67D7/32 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023055951
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000110099
【氏名又は名称】トキコシステムソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大郷 卓
【テーマコード(参考)】
3E083
【Fターム(参考)】
3E083AA13
3E083AD11
3E083AD15
(57)【要約】
【課題】タンクローリ車の荷卸し用配管内に残留している液体が貯蔵容器に荷卸しされてしまうことを防止する。
【解決手段】液体燃料が積込まれたタンクローリ車1の各ハッチ11の底部に連通された荷卸し用配管13の他端に設けられた吐出口14と、吐出口14近傍に設けられた荷卸し用弁15と、を有し、吐出口14と地下タンク2の注油口3aとの間を荷卸し用ホース4により接続した後、ハッチ11に設けられた底弁12を開弁することにより当該ハッチ11から地下タンク2に液体燃料を荷卸しするタンクローリ車1の荷卸しシステムにおいて、荷卸し用弁15が全開であるか否かを検出する全開検出器と、全開検出器によって荷卸し用弁15が全開であると検出された後に、荷卸し用弁15が閉弁したことを条件にハッチ11内の液体燃料を地下タンク2に荷卸し可能とする荷卸しコンピュータ10と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体燃料が積込まれたタンクローリ車の各ハッチの底部に連通された荷卸し用配管の他端に設けられた吐出口と、前記吐出口近傍に設けられた荷卸し用弁と、を有し、前記吐出口と前記液体燃料を供給しようとする貯蔵容器の注液口との間を荷卸し用ホースにより接続した後、前記ハッチに設けられた底弁を開弁することにより当該ハッチから当該貯蔵容器に液体燃料を荷卸しするタンクローリ車の荷卸しシステムにおいて、
前記荷卸し用弁が全開であるか否かを検出する全開検出器と、
前記全開検出器によって前記荷卸し用弁が全開であると検出された後に、当該荷卸し用弁が閉弁したことを条件に前記ハッチ内の液体燃料を前記貯蔵容器に荷卸し可能とする制御部と、
を備えることを特徴とする荷卸しシステム。
【請求項2】
前記荷卸し用弁の全開状態を保持するロック機構をさらに備え、
前記制御部は、前記全開検出器によって前記荷卸し用弁が全開であると検出された場合に、前記荷卸し用弁の全開状態を所定時間保持するよう前記ロック機構を作動させる
ことを特徴とする請求項1に記載の荷卸しシステム。
【請求項3】
前記荷卸し用弁が全閉であるか否かを検出する全閉検出器をさらに備え、
前記制御部は、前記全開検出器によって前記荷卸し用弁が全開であると検出された後に、前記全閉検出器によって前記荷卸し用弁が全閉であると検出されたことを条件に前記ハッチ内の液体燃料を前記貯蔵容器に荷卸し可能とする
ことを特徴とする請求項1に記載の荷卸しシステム。
【請求項4】
液体燃料が積込まれたタンクローリ車のハッチに設けられた底弁が閉弁した状態で前記ハッチの底部に連通された荷卸し用配管内の液体燃料を排出すること、
前記荷卸し用配管の吐出口近傍に設けられた荷卸し用弁が全開であると検出すること、及び
前記荷卸し用弁が全開であると検出された後、当該荷卸し用弁が閉弁したことを条件に前記ハッチ内の液体燃料を貯蔵容器に荷卸し可能とすること、
を有することを特徴とする荷卸し方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンクローリ車のハッチに貯留される液体を貯蔵容器に荷卸しする荷卸しシステム、及び荷卸し方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のタンクローリ車の荷卸しシステムでは、タンクローリ車のハッチ内の油液を地下タンクへ荷卸しする前に、ハッチの底弁を閉じた状態で当該底弁に連通する荷卸し用配管に設けられた荷卸し用弁を開弁することにより、荷卸し用配管に残留した油液を排出した後、荷卸し用弁を閉弁する。次に、荷卸し用配管の吐出口と地下タンクの注油口とをホースで接続し、ハッチの底弁と荷卸し用弁とを開弁することにより油液の荷卸しを行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-126194号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
油液を地下タンクへ荷卸しする前に、荷卸し用配管内に残留した油を含む液体燃料を荷卸し用配管から排出させるために底弁を閉弁させたまま荷卸し用弁を開弁するが、荷卸し用弁の開度が不十分であると、荷卸し用配管内の液体燃料を排出させることができず、荷卸し用配管内に液体燃料が残留する可能性がある。そして、荷卸し用配管内に液体燃料が残留している状態のまま液体燃料の荷卸しが行われると、ハッチ内の液体燃料に加えて荷卸し用配管内に残留している液体燃料も地下タンクに荷卸しされてしまう可能性がある。
【0005】
本発明は、タンクローリ車の荷卸し用配管内に残留している液体燃料が貯蔵容器に荷卸しされてしまうことを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、液体燃料が積込まれたタンクローリ車の各ハッチの底部に連通された荷卸し用配管の他端に設けられた吐出口と、吐出口近傍に設けられた荷卸し用弁と、を有し、吐出口と液体燃料を供給しようとする貯蔵容器の注液口との間を荷卸し用ホースにより接続した後、ハッチに設けられた底弁を開弁することにより当該ハッチから当該貯蔵容器に液体燃料を荷卸しするタンクローリ車の荷卸しシステムにおいて、荷卸し用弁が全開であるか否かを検出する全開検出器と、全開検出器によって荷卸し用弁が全開であると検出された後に、当該荷卸し用弁が閉弁したことを条件にハッチ内の液体燃料を貯蔵容器に荷卸し可能とする制御部と、を備える。
【0007】
また、本発明の荷卸し方法は、液体燃料が積込まれたタンクローリ車のハッチに設けられた底弁が閉弁した状態でハッチの底部に連通された荷卸し用配管内の液体燃料を排出すること、荷卸し用配管の吐出口近傍に設けられた荷卸し用弁が全開であると検出すること、及び荷卸し用弁が全開であると検出された後、荷卸し用弁が閉弁したことを条件にハッチ内の液体燃料を貯蔵容器に荷卸し可能とすること、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、底弁が閉弁した状態で荷卸し用配管内の液体燃料を排出する際、荷卸し用弁を全開状態にした後、荷卸し用弁が閉弁したことを条件にして貯蔵容器への液体燃料の荷卸しを行うようにしたため、荷卸しした際にタンクローリ車の荷卸し用配管内に残留している液体燃料が貯蔵容器に荷卸しされてしまうことを防止できる。
また、本発明の上記した以外の課題、構成及び効果については、以下の実施の形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】タンクローリ車1の全体構成図である。
図2】吐出口14の周辺構造を示す図である。
図3】全開検出器23及びロック機構24の詳細を示した図である。
図4】荷卸しコンピュータ10のハードウェアブロック図である。
図5】実施例1の油種替え絞りの詳細を示したフローチャートである。
図6】荷卸し作業の詳細を示したフローチャートである。
図7】実施例2の油種替え絞りの詳細を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を用いて本発明の一実施例を説明するが、本発明の範囲はここで説明する一実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更ができる。また、特定のパラメータについて、複数の上限値及び下限値が記載されている場合、これらの上限値及び下限値の内、任意の上限値と下限値とを組合せて好適な数値範囲とすることができる。
【0011】
以下、本発明の荷卸しシステムの一の実施形態について、図面に基づいて説明する。図1は、タンクローリ車1の全体構成図である。本発明の荷卸しシステムは、タンクローリ車1に搭載されるシステムであって、タンクローリ車1に搭載された荷卸しコンピュータ10、タンクローリ車1のハッチ11の底弁12、及びハッチ11に連通する荷卸し用配管13の流路を開閉する荷卸し用弁15等を備える。
【0012】
(タンクローリ車1)
タンクローリ車1は、例えば、運転席などに荷卸しコンピュータ10が搭載されており、作業員は、タンクローリ車1が荷卸しする給油所に到着すると、荷卸しコンピュータ10の電源スイッチをオンに操作して荷卸し作業を行う。
【0013】
また、タンクローリ車1には、運転席の後部に円筒形状のタンクが搭載されている。タンクには、隔壁で仕切られた複数のハッチ11(11a~11d)が設けられている。各ハッチ11(11a~11d)には、給油所から注文された種別(油種)の液体燃料が貯留されている。各ハッチ11(11a~11d)に貯留される燃料は、同種であってもよいし、異種であってもよい。
【0014】
各ハッチ11(11a~11d)の底部には、荷卸し時に開放(開弁)される底弁12(12a~12d)が設けられている。底弁12(12a~12d)は、荷卸しコンピュータ10からの制御信号によって、開閉が制御される。底弁12(12a~12d)は、例えば、エアの力を利用して開閉するエア式底弁である。
【0015】
底弁12には、ハッチ11内の燃料が通過する荷卸し用配管13が連通されている。荷卸し用配管13は、底弁12a~12dの各々に連通される上流配管13a~13d、及び上流配管13a~13dが合流する下流配管13eを含む。そして、ハッチ11a~11d内の燃料は、それぞれ上流配管13a~13d、及び下流配管13eを通過する。したがって、下流配管13eは、ハッチ11a~11d内の燃料の共通の流路となっている。本実施の形態では、上流配管13a~13dの全てが、下流配管13eに合流したが、下流配管を複数設けて、上流配管の一部を一の下流配管に合流し、残りの上流配管を他の下流配管に合流してもよいし、ハッチ11a~11d毎に合流しない荷卸し用配管を設けてもよい。
【0016】
荷卸し用配管13(下流配管13e)には、荷卸し用配管13を通過した燃料が吐出される吐出口14が設けられている。吐出口14は、底弁12(12a~12d)、及び荷卸し用配管13を介してハッチ11(11a~11d)に連通されている。
【0017】
荷卸し用配管13の吐出口14近傍には、荷卸し用弁15が設けられている。荷卸し用弁15は、下流配管13eに設けられ、下流配管13eの流路を開閉する。荷卸し用弁15は、手動で開閉されてもよいし、荷卸しコンピュータ10からの制御信号によって、開閉が制御されてもよい。
【0018】
吐出口14には、荷卸し時にタンクローリ車1に積載される燃料を地下タンク2に荷卸しするための荷卸し用ホース4が接続される。給油所には、地下タンク2、及び地下タンク2に連通する注油管3が敷設されており、燃料の荷卸し時には、荷卸し用ホース4の一端4aは吐出口14に接続され、他端4bは注油管3の注油口3a(注液口)に接続される。
【0019】
(吐出口14の周辺構造)
図2は、吐出口14の周辺構造を示す図である。図2に示すように、荷卸し用配管13には、荷卸し用弁15(図1参照)を手動で開閉するための吐出口ハンドル20が設けられている。吐出口ハンドル20は、荷卸し用配管13に設けられた回転軸21を中心に図中のR方向に回転する。吐出口ハンドル20は、図2(A)に示す位置から、図2(B)の状態を経て、図2(C)に示す位置まで約90°回転する。吐出口ハンドル20が図2(A)に示す位置にあるとき、荷卸し用弁15は、荷卸し用配管13の流路を全閉し、吐出口ハンドル20が図2(C)に示す位置にあるとき、荷卸し用弁15は、荷卸し用配管13の流路を全開する。
【0020】
また、タンクローリ車1は、荷卸し用弁15の全閉状態を検出する全閉検出器22を備える。全閉検出器22は、吐出口ハンドル20に当接して回転する機構を有する。吐出口ハンドル20がR方向に回転すると、全閉検出器22はr方向に回転する。全閉検出器22が図2(A)に示す位置にあるとき、全閉検出器22は、荷卸し用弁15の全閉状態を検出し、全閉検出器22が図2(B)~(D)に示す位置にあるとき、全閉検出器22は、荷卸し用弁15の開放状態を検出する。なお、本実施の形態の全閉検出器22は、荷卸し用弁15の全開状態を検出することができないが、荷卸し用弁15の全閉状態及び全開状態の両方を検出できてもよい。
【0021】
また、タンクローリ車1は、荷卸し用弁15の全開状態を検出する全開検出器23を備える。全開検出器23の詳細は、後述する。
【0022】
また、タンクローリ車1は、荷卸し用弁15の全開状態を保持するロック機構24を備える。図2(C)及び(D)に示すように、ロック機構24は、荷卸し用弁15が全開状態となるように吐出口ハンドル20が所定位置まで回転されると、吐出口ハンドル20が-R方向に回転しないように規制する。
【0023】
荷卸し用配管13の吐出口14の近傍には、荷卸し用配管13の内部の流体の有無や状態を目視するための透明又は半透明の窓部25が設けられている。作業員は、窓部25を介して、荷卸し用配管13の内部を通過する燃料の有無や色などを確認することができる。
【0024】
(全開検出器23及びロック機構24)
図3は、全開検出器23及びロック機構24の詳細を示した図である。図3(A)は、図2(A)を正面から見た図であり、図3(B)は、図3(A)の全開検出器23及びロック機構24の部分拡大図である。図3(C)は、図2(C)を正面から見た図であり、図3(D)は、図3(C)の全開検出器23及びロック機構24の部分拡大図である。
【0025】
全開検出器23は、図2(C)や図3(C)の位置まで回転された吐出口ハンドル20に当接してX方向に押し込まれる当接部23aと、当接部23aを-X方向に付勢し、押し込まれた当接部23aを収容する収容部23bと、を有する。吐出口ハンドル20が図2(C)や図3(C)の位置まで回転されると、吐出口ハンドル20に当接した当接部23aがX方向に押し込まれる。全開検出器23は、当接部23aが押し込まれたことを検出し、荷卸し用弁15の全開状態を検出する。なお、全開検出器23は、荷卸し用弁15の全開状態を検出可能であれば、上記した構成に限らず、機械センサ、電磁気センサ、光学センサ、などであってもよい。
【0026】
ロック機構24は、図2(C)や図3(C)の位置まで吐出口ハンドル20が回転されると、Z方向に突出するロックピン24aと、ロックピン24aを駆動するアクチュエータ(図示せず)と、を有する。吐出口ハンドル20が図2(C)や図3(C)の位置まで回転され、全開検出器23が荷卸し用弁15の全開状態を検出すると、アクチュエータは、ロックピン24aをZ方向に突出させる。これにより、吐出口ハンドル20の-R方向(図2参照)の回転が規制される。なお、ロック機構24は、荷卸し用弁15の全開状態を保持するものであれば、上記した構成に限らず、電子制御で荷卸し用弁15の全開状態を保持してもよいし、機械的に荷卸し用弁15の全開状態を保持してもよい。
【0027】
また、図3(C)に示すように、吐出口ハンドル20の全開位置とロック機構24(ロックピン24a)との間には、わずかに間隔が設けられている。作業者が吐出口ハンドル20をロックピン24aに当接するまで-R方向に回転させると、吐出口14が極めて全開に近い状態を保ったまま、全開検出器23が全開状態を検知しなくなる。このとき、荷卸しコンピュータ10は、不正操作が発生したことを記録し、警告を通知する。
【0028】
(荷卸しコンピュータ10)
図4は、荷卸しコンピュータ10のハードウェアブロック図である。荷卸しコンピュータ10は、プロセッサ41と、主記憶部42と、補助記憶部43と、入出力I/F44と、通信I/F45と、を備える。
【0029】
プロセッサ41は、タンクローリ車1による燃料の荷卸しに係る各部の動作の制御を行う中央処理演算装置である。プロセッサ41は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等である。プロセッサ41は、補助記憶部43に記憶されたプログラム(例えば、絞り作業を実行するための絞り作業実行プログラム43a、荷卸し作業を実行するための荷卸し作業実行プログラム43b)を主記憶部42の作業領域に実行可能に展開する。主記憶部42は、RAM(Random Access Memory)等である。補助記憶部43は、各種プログラム(例えば、絞り作業実行プログラム43a、荷卸し作業実行プログラム43b、OS(Operating System)、各種アプリケーションプログラム)および各種データを記憶する。補助記憶部43は、例えば、ソリッドステートドライブ(SSD)装置、ハードディスクドライブ(HDD)装置、またはそれらの組み合わせである。
【0030】
入出力I/F44には、表示入力部46が通信可能に接続される。表示入力部46は、各種情報を表示する表示部、及び表示部の表面に設けられるタッチセンサ、を有する。入出力I/F44は、表示入力部46の表示部に表示される画面情報を送信したり、表示入力部46のタッチセンサによって検知されたユーザ操作に係る情報を受信したりする。
【0031】
通信I/F45は、底弁12a~12d、全閉検出器22、全開検出器23、及びロック機構24と通信可能に接続される。通信I/F45は、底弁12a~12dを開閉させる制御信号を底弁12a~12dに送信したり、全閉検出器22の検出結果を受信したり、全開検出器23の検出結果を受信したり、ロック機構24にロックピン24aを駆動するための駆動信号を送信したりする。
【0032】
(荷卸しシステム1a)
上記した構成を有するタンクローリ車1は、タンクローリ車1のハッチ11内の燃料を地下タンク2に荷卸しする荷卸しシステム1aを備える。荷卸しシステム1aは、ハッチ11内の燃料が通過する荷卸し用配管13に設けられた荷卸し用弁15の全開状態を検出する全開検出器23と、全開検出器23によって荷卸し用弁15の全開状態が検出されている状態で荷卸し用配管13に残留する燃料を荷卸し用配管13の吐出口14より外部に排出する絞り作業を実行し(絞り作業であると認識し)、全開検出器23によって荷卸し用弁15の全開状態が検出された後、荷卸し用弁15が閉弁したこと(全開検出器23によって荷卸し用弁15の全開が検出されなくなったこと、又は全閉検出器22によって荷卸し用弁15が全閉であると検出したこと)を条件に荷卸し用弁15より上流側(ハッチ側)に位置する底弁12を開放してハッチ11内の燃料を地下タンク2に荷卸しする荷卸し作業を実行する、荷卸しコンピュータ10と、を備える。つまり、荷卸しコンピュータ10は、底弁12を開放することによりハッチ11内の燃料を地下タンク2へ荷卸し可能とする。
【0033】
この荷卸しシステム1aは、荷卸し用弁15の全開状態を保持するロック機構24をさらに備え、荷卸しコンピュータ10は、全開検出器23によって荷卸し用弁15の全開状態が検出された場合に、荷卸し用弁15の全開状態を所定時間保持するようロック機構24を制御する。
【0034】
さらに、荷卸しシステム1aは、荷卸し用弁15の全閉状態を検出する全閉検出器22をさらに備え、荷卸しコンピュータ10は、絞り作業の終了後に全閉検出器22によって荷卸し用弁15の全閉状態が検出されたことを条件に底弁12を開放して荷卸し作業を実行する。
【0035】
そして、この荷卸しシステム1aは、
燃料が積込まれたタンクローリ車1のハッチ11に設けられた底弁12が閉弁した状態で荷卸し用配管13内の燃料を排出すること、
荷卸し用配管13内の燃料を排出する際に荷卸し用弁15が全開であると検出すること、および
荷卸し用弁15の全開状態が検出された後、荷卸し用弁15が閉弁したことを条件にハッチ11内の燃料を地下タンク2に荷卸し可能とすること、を有する荷卸し方法を提供する。
【0036】
以下、絞り作業、及び荷卸し作業の詳細を説明する。
【0037】
(絞り作業)
タンクローリ車1から地下タンク2へ燃料の荷卸しをする前に、荷卸し用配管13に残留した燃料が地下タンク2に混入しないように、荷卸し用配管13に残留した燃料を外部に排出する絞り作業を行う。例えば、タンクローリ車1は、以下の3つの絞り作業を実行する。
・前絞り:給油所などの燃料の届先に到着して、前回の荷卸しの油種に関係なく行う絞り作業
・油種替え絞り:同一の給油所などの届先内で、記憶されている前回の油種と荷卸し予定の油種とが異なる場合に行う絞り作業
・後絞り:給油所などの燃料の届先での荷卸終了後、前回の荷卸しの油種に関係なく行う絞り作業
タンクローリ車1は、前絞り、油種替え絞り、及び後絞りの少なくとも1つの絞り作業を実行する。
【0038】
[実施例1]
図5は、実施例1の油種替え絞りの詳細を示したフローチャートである。ここでは、前絞り及び後絞りの詳細な説明は省略するが、前絞り及び後絞りでは、後述するS501の油種が一致しているか否かの判定処理がなく、その他の処理は共通している。荷卸しコンピュータ10は、補助記憶部43に記憶された絞り作業実行プログラム43aを実行することによって、図5の各ステップの処理を実行する。
【0039】
まず、荷卸しコンピュータ10は、システムが記憶した油種と今回の荷卸し予定の油種とが一致するか否かを判定する(S501)。システムが記憶した油種は、直前に荷卸しした油種である。
【0040】
システムが記憶した油種と今回の荷卸し予定の油種とが一致する場合(S501:Yes)、絞り作業を実行せず、本フローチャートを終了する。
【0041】
システムが記憶した油種と今回の荷卸し予定の油種とが一致しない場合(S501:No)、荷卸しコンピュータ10は、吐出口ハンドル20を全開にする指示を表示入力部46に表示する(S502)。
【0042】
作業員は、表示入力部46に表示される指示に従って、吐出口ハンドル20をR方向に回転し、荷卸し用弁15を開放し、吐出口14を開放する(S503)。
【0043】
荷卸しコンピュータ10は、全閉検出器22が荷卸し用弁15の全閉状態を検出するか否かを判定する(S504)。荷卸しコンピュータ10は、全閉検出器22の検出結果に基づいて、荷卸し用弁15が全閉状態か否かを判定する。吐出口ハンドル20が回転されずに、全閉検出器22が荷卸し用弁15の全閉状態を検出する場合(S504:Yes)、作業員が吐出口ハンドル20を回転するまで、表示入力部46に上記した指示を表示し続ける。
【0044】
全閉検出器22が荷卸し用弁15の全閉状態を検出しない場合(S504:No)、すなわち、荷卸し用弁15が少しでも開放した場合、荷卸しコンピュータ10は、アラームを報知する(S505)。荷卸しコンピュータ10は、アラームとして吐出口ハンドル20を全開にする指示(例えば、“全開にして下さい”)を表示入力部46に表示する(S505)。このとき、アラーム音を発報してもよい。
【0045】
次に、荷卸しコンピュータ10は、全開検出器23が荷卸し用弁15の全開状態を検出するか否かを判定する(S506)。荷卸しコンピュータ10は、全開検出器23の検出結果に基づいて、荷卸し用弁15が全開状態か否かを判定する。
【0046】
吐出口ハンドル20が中途半端な位置まで回転され、全開検出器23が荷卸し用弁15の全開状態を検出しない場合(S506:No)、作業員が吐出口ハンドル20を全開位置に回転するまで、表示入力部46に上記したアラームを表示し続ける。
【0047】
一方で、全開検出器23が荷卸し用弁15の全開状態を検出する場合(S506:Yes)、アラームを停止する(S507)。
【0048】
そして、荷卸しコンピュータ10は、ロック機構24へON信号を送信し、ロックピン24aを突出させる(S508)。これにより、吐出口ハンドル20が全開位置で保持される。
【0049】
荷卸しコンピュータ10は、吐出口ハンドル20が全開位置で保持されてから、絞り作業のカウントを開始する(S509)。
【0050】
そして、荷卸しコンピュータ10は、絞り作業のカウントがシステムの設定時間を経過したか否かを判定し(S510)、絞り作業のカウントがシステムの設定時間を経過したと判定した場合(S510:Yes)、ロック機構24へOFF信号を送信し、ロックピン24aによる吐出口ハンドル20のロックを解除する(S511)。設定時間は、荷卸し用弁15が全開状態で荷卸し用配管13に残留した燃料を全て排出することができる時間となっている。
【0051】
作業員は、吐出口ハンドル20を-R方向に回転し、荷卸し用弁15を閉鎖し、吐出口14を閉鎖する(S512)。荷卸し用弁15の閉鎖は、全閉検出器22によって検出され、荷卸し用弁15が全閉したことがシステムの記憶部に記憶される。また、荷卸し用弁15の閉鎖は、全開検出器23によって検出され、荷卸し用弁15が全開でないことがシステムの記憶部に記憶されてもよい。このようにして、油種替え絞り作業が完了する。
【0052】
一方で、絞り作業のカウントがシステムの設定時間(所定時間)を経過する前に(S510:No)、全開検出器23が荷卸し用弁15の全開状態を検出しなくなった場合(S513:No)、荷卸しコンピュータ10は、システムに不正操作を記録して、表示入力部46に警告を表示する(S514)。システムにおいて設定された時間、荷卸し用弁15を全開状態にすることにより、荷卸し用配管13に残留する燃料を全てまたは十分に排出するよう当該時間が設定されている。しかし、絞り作業のカウントがシステムの設定時間(所定時間)を経過する前に(S510:No)、全開検出器23が荷卸し用弁15の全開状態を検出しなくなった場合(S513:No)、閉弁もしくは弁の開度が不十分な状態のまま設定時間が経過してしまうことにより、荷卸し用配管13に燃料が残留する可能性がある。そこで、上記した警告を行うことにより、作業者に荷卸し用配管13に燃料が残留していること、又は荷卸し用配管13に残留する燃料が地下タンク2に混入するおそれがあること、などを警告する。
【0053】
(荷卸し作業)
上記した絞り作業が完了すると、タンクローリ車1(荷卸しコンピュータ10)は、ハッチ11内の燃料を地下タンク2に荷卸す荷卸し作業を実行する。具体的に、絞り作業後、作業員は荷卸し用配管13の吐出口14および注油口3aに荷卸し用ホース4を接続させ、荷卸しの開始操作を行うことにより、荷卸し作業が実行される。図6は、荷卸し作業の詳細を示したフローチャートである。荷卸しコンピュータ10は、補助記憶部43に記憶された荷卸し作業実行プログラム43bを実行することによって、図6の各ステップの処理を実行する。
【0054】
まず、荷卸しコンピュータ10は、作業員から荷卸しの開始操作を受け付ける(S601)。例えば、作業員は、表示入力部46のタッチパネルを使って、当該荷卸しの開始操作を入力する。この際、作業員は、荷卸し予定の燃料の油種(又はハッチ)を設定する。なお、表示入力部46はタッチパネルではなく、荷卸しコンピュータ10の筐体に設けられたボタンであってもよい。
【0055】
荷卸しコンピュータ10は、絞り作業が完了しているか否かを判定する(S602)。上記した絞り作業が完了した場合、絞り作業が完了したことを示す情報がシステムに記憶されており、荷卸しコンピュータ10は、システムに当該情報が記憶されていれば、絞り作業が完了していると判定し(S602:Yes)、当該情報が記憶されていなければ、絞り作業が完了していないと判定する(S602:No)。
【0056】
絞り作業が完了していない場合(S602:No)、荷卸し用配管13に残留する燃料が地下タンク2に混入するおそれがあるため、荷卸しコンピュータ10は、表示入力部46にエラーを表示する(S604)。
【0057】
絞り作業が完了している場合(S602:Yes)、荷卸しコンピュータ10は、全閉検出器22が荷卸し用弁15の全閉状態を検出するか否かを判定する(S603)。絞り作業が完了した後、荷卸し用弁15が全閉されない場合(S603:No)、荷卸しコンピュータ10は、表示入力部46にエラーを表示する(S604)。
【0058】
絞り作業が完了していない場合(S602:No)に表示されるエラーと、絞り作業が完了した後に荷卸し用弁15が全閉されない場合(S603:No)に表示されるエラーと、は異なるエラーであってもよい。例えば、荷卸しコンピュータ10は、絞り作業が完了していない場合(S602:No)に、絞り作業が完了していないことを示す情報、絞り作業を実行するに促す情報などをエラーとして表示してもよい。また、荷卸しコンピュータ10は、荷卸し用弁15が全閉されない場合(S603:No)に、荷卸し用弁15が全閉されていないことを示す情報、吐出口ハンドル20を-R方向に回転させるよう促す情報などをエラーとして表示してもよい。
【0059】
次に、荷卸しコンピュータ10は、荷卸し用弁15が全閉されている状態で、底弁12(底弁12a~12d)を開放する(S605)。荷卸しコンピュータ10は、絞り作業が完了していること且つ荷卸し用弁15が全閉している(荷卸し用弁15が閉弁した)ことを条件に、開始操作に従って、設定された油種の燃料が貯留されるハッチ11の底弁12を開放する。なお、荷卸し用弁15が閉弁したことは、全閉検出器22が検出してもよいし、全開検出器23が検出してもよい。そして、ハッチ11内の燃料が底弁12、及び荷卸し用配管13を通過して荷卸し用弁15まで移動する。これにより、荷卸しを開始する前に荷卸し用弁15が閉弁しているので、例えば、絞り作業完了後、吐出口14に荷卸し用ホース4が取り付けられる前に誤って荷卸し開始操作がなされ、底弁12が開弁したとしてもハッチ11内の燃料が吐出口14から放出されてしまうことを防止できる。
【0060】
荷卸しコンピュータ10は、作業員の操作により設定された油種を記憶する(S606)。
【0061】
作業員は、荷卸し用配管13に設けられる窓部25から燃料の色を確認し、地下タンク2に荷卸し予定の燃料が間違っていないかを確認する(S607)。このとき、荷卸し用弁15は閉鎖されているので、作業員によって設定された油種を貯留するハッチ11から当該ハッチ11の底弁12を介して荷卸し用配管13に供給された燃料は、荷卸し用弁15が塞き止める。作業員は、燃料が荷卸し用弁15によって塞き止められた状態で窓部25から燃料の色を確認し、地下タンク2に荷卸し予定の燃料が間違っていないことを確認することができる。
【0062】
作業員は、地下タンク2に荷卸し予定の燃料が間違っていないことを確認すると、吐出口ハンドル20をR方向に回転し、荷卸し用弁15を開放し、吐出口14を開放する(S608)。これにより、吐出口14から燃料が吐出され、荷卸し用ホース4及び注油管3を介して地下タンク2に燃料が供給される。
【0063】
その後、荷卸しコンピュータ10は、作業員から荷卸しの終了操作を受け付ける(S609)。
【0064】
荷卸しコンピュータ10は、当該終了操作に従って、S605で開放された底弁12(底弁12a~12d)を閉鎖する(S610)。
【0065】
そして、作業員は、吐出口ハンドル20を-R方向に回転し、荷卸し用弁15を閉鎖し、吐出口14を閉鎖する(S611)。
【0066】
以上のようにして、ハッチ11から地下タンク2への燃料の荷卸し作業が完了する。
【0067】
[実施例2]
図7は、実施例2の油種替え絞りの詳細を示したフローチャートである。実施例2では、実施例1と重複する説明は適宜省略する。実施例2では、アラームを報知するタイミングが実施例1とは異なる。
【0068】
荷卸しコンピュータ10は、全閉検出器22が荷卸し用弁15の全閉状態を検出するか否かを判定する(S504)。荷卸しコンピュータ10は、全閉検出器22の検出結果に基づいて、荷卸し用弁15が全閉状態か否かを判定する。
【0069】
全閉検出器22が荷卸し用弁15の全閉状態を検出しない場合(S504:No)、すなわち、荷卸し用弁15が少しでも開放した場合、荷卸しコンピュータ10は、全開検出器23が荷卸し用弁15の全開状態を検出するか否かを判定する(S506)。荷卸しコンピュータ10は、全開検出器23の検出結果に基づいて、荷卸し用弁15が全開状態か否かを判定する。
【0070】
吐出口ハンドル20が中途半端な位置まで回転され、全開検出器23が荷卸し用弁15の全開状態を検出しない場合(S506:No)、荷卸しコンピュータ10は、アラームを報知する(S705)。荷卸しコンピュータ10は、アラームとして吐出口ハンドル20を全開にする指示(例えば、“全開にして下さい”)を表示入力部46に表示する(S705)。このとき、アラーム音を発報してもよい。
【0071】
荷卸しコンピュータ10は、作業員が吐出口ハンドル20を全開位置に回転するまで、表示入力部46に上記したアラームを表示し続ける(S706:No)。
【0072】
一方で、全開検出器23が荷卸し用弁15の全開状態を検出する場合(S706:Yes)、荷卸しコンピュータ10は、アラームを停止する(S707)。
【0073】
そして、荷卸しコンピュータ10は、ロック機構24へON信号を送信し、ロックピン24aを突出させる(S508)。これにより、吐出口ハンドル20が全開位置で保持される。つまり、ロック機構24を作動させる。また、S506にて、全開検出器23が荷卸し用弁15の全開状態を検出する場合も(S506:Yes)、荷卸しコンピュータ10は、ロック機構24へON信号を送信し、ロックピン24aを突出させる(S508)。
【0074】
(本実施形態の効果)
上記した実施形態では、荷卸し用弁15を全開状態にして絞り作業を行った後、荷卸し用弁15が全開状態でなくなったことを条件にハッチ11の底弁12を開放して、燃料の荷卸しを開始することができる。これにより、荷卸し用配管13内に燃料が残留された状態にてハッチ11の底弁12が開放されるのを防止することができるため、荷卸し用配管13内に残留している燃料が地下タンク2に荷卸しされるのを防止することができる。
【0075】
また、上記した実施形態では、ロック機構24が吐出口ハンドル20を全開位置で所定時間保持し、吐出口ハンドル20の閉動作を規制するので、絞り作業中に吐出口14が閉鎖されるのを防止することができる。これにより、荷卸し用配管13内に燃料が残留した状態となることを確実に防止することができる。
【0076】
上記した実施形態では、絞り作業の開始時に吐出口14を全開状態にし、システムの設定時間が経過するまで吐出口14を全開状態とするため、荷卸し用配管13に残留した燃料を全て排出することができる。また、絞り作業を短時間で完了することができる。
【0077】
上記した実施形態では、燃料の荷卸し時に、荷卸し用弁15が全閉状態となったことを条件にハッチ11の底弁12を開放して、燃料の荷卸しを開始することができる。このとき、作業員は、荷卸し用弁15で燃料を塞き止めた状態で、窓部25から荷卸し予定の燃料の色などを確認することができる。これにより、地下タンク2に供給される油種の間違いを防止することができる。
【0078】
また、上記した実施形態では、絞り作業中に吐出口14を全開状態とするため、中途半端に吐出口14を開放した状態の不適切な絞り作業が実行されることを防止することができる。
【0079】
また、上記した実施形態では、絞り作業中にロック機構24により吐出口ハンドル20を全開状態で保持することができるので、絞り作業を確実に完結することができ、絞り作業のやり直しなど無駄な作業が発生せず、業務効率が向上する。
【0080】
(変形例)
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前述した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0081】
例えば、上記した実施形態では、吐出口ハンドル20を用いて手動で荷卸し用弁15の開閉を行ったが、荷卸し用弁15は、荷卸しコンピュータ10などの制御部からの信号により開閉動作する自動弁であってもよい。
【0082】
また、上記した実施形態では、全閉検出器22と全開検出器23との2つを設ける例について説明したが、例えば、荷卸し用弁15の開度を検出する開度検出器であってもよい。この場合、1つの検出器で荷卸し用弁15の全閉と全開とを検出してもよい。
【0083】
本明細書で記載した「全閉」及び「全開」は、荷卸し用弁15の開度が0%や100%でなくてもよい。例えば、荷卸し用弁15の開度が10%や90%のように、必ずしも開度が0%や100%でなくてもよく、荷卸し用配管13内の燃料が十分に塞き止める又は排出する数値であればよい。本実施形態では、全閉検出器22が吐出口ハンドル20を検出した状態を「全閉」とし、全開検出器23が吐出口ハンドル20を検出した状態を「全開」とする。
【0084】
なお、荷卸し用配管13内に残油センサを設けてもよい。この残油センサの検出値に基づいて荷卸し用配管13内の残油の有無を確認し、残油があれば報知してもよい。残油センサがあれば荷卸し用配管13内の残油の有無を確認することが可能となるが、この場合においても荷卸し用弁15の開度が不十分であれば荷卸し用配管13内の残油を排出するのに時間を要してしまう。
【0085】
また、上記した実施形態では、燃料(油)を荷卸しする例について説明したが、荷卸しするものは液体であればよい。例えば、液体は車両に供給される液体である。
【0086】
また、上記した実施形態では、タンクローリ車1のハッチ11内の燃料を地下タンク2に荷卸ししたが、燃料の荷卸し先は地下タンク2に限らず、貯蔵容器であれば地上にあってもよい。
【符号の説明】
【0087】
1:タンクローリ車、 1a:荷卸しシステム、 2:地下タンク、 3:注油管、 3a:注油口、 4:荷卸し用ホース、 10:荷卸しコンピュータ、 11,11a,11b,11c,11d:ハッチ、 12,12a,12b,12c,12d:底弁、 13:荷卸し用配管、 13a,13b,13c,13d:上流配管、 13e:下流配管、 14:吐出口、 15:荷卸し用弁、 20:吐出口ハンドル、 22:全閉検出器、 23:全開検出器、 24:ロック機構、 24a:ロックピン、 25:窓部、 41:プロセッサ、 42:主記憶部、 43:補助記憶部、 44:入出力I/F、 45:通信I/F、 46:表示入力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7