(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143337
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報管理装置、および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/02 20240101AFI20241003BHJP
A01K 29/00 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
G06Q50/02
A01K29/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023055959
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000000941
【氏名又は名称】株式会社カネカ
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100134359
【弁理士】
【氏名又は名称】勝俣 智夫
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100178847
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 映美
(72)【発明者】
【氏名】毛笠 秀昭
(72)【発明者】
【氏名】小池 竜一
(72)【発明者】
【氏名】福澤 聡真
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC01
5L050CC01
(57)【要約】
【課題】畜産物の生産性を向上させること。
【解決手段】情報処理システムは、動物の睡眠に関する睡眠関連情報と前記動物の乳に関する乳情報との対応関係を教師データとして学習した学習モデルを生成する学習部と、乳情報を取得する取得部と、前記取得部が取得した乳情報を、前記学習モデルに入力することで睡眠関連情報を出力する出力部と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物の睡眠に関する睡眠関連情報と前記動物の乳に関する乳情報との対応関係を教師データとして学習した学習モデルを生成する学習部と、
乳情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した乳情報を、前記学習モデルに入力することで睡眠関連情報を出力する出力部と、
を備える情報処理システム。
【請求項2】
動物の睡眠に関する睡眠関連情報と前記動物の乳に関する乳情報との対応関係を教師データとして学習した学習モデルを生成する学習部と、
睡眠関連情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した睡眠関連情報を、前記学習モデルに入力することで乳情報を出力する出力部と、
を備える情報処理システム。
【請求項3】
前記睡眠関連情報は、前記動物の睡眠時の生体情報と、前記動物の寝床の環境情報を含む、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
動物の睡眠に関する睡眠関連情報と前記動物の乳に関する乳情報との対応関係を教師データとして学習した学習モデルを生成する学習部と、
乳情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した乳情報を、前記学習モデルに入力することで睡眠関連情報を出力する出力部と、
を備える情報処理装置。
【請求項5】
動物の睡眠に関する睡眠関連情報と前記動物の乳に関する乳情報との対応関係を教師データとして学習した学習モデルを生成する学習部と、
睡眠関連情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した睡眠関連情報を、前記学習モデルに入力することで乳情報を出力する出力部と、
を備える情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
動物の睡眠に関する睡眠関連情報と前記動物の乳に関する乳情報との対応関係を教師データとして学習した学習モデルを生成する学習過程と、
睡眠関連情報を取得する取得過程と、
前記取得過程により取得された睡眠関連情報を、前記学習モデルに入力することで乳情報を出力する出力過程と、
を有する情報処理方法。
【請求項7】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
動物の睡眠に関する睡眠関連情報と前記動物の乳に関する乳情報との対応関係を教師データとして学習した学習モデルを生成する学習過程と、
睡眠関連情報を取得する取得過程と、
前記取得過程により取得された睡眠関連情報を、前記学習モデルに入力することで乳情報を出力する出力過程と、
を有する情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報管理装置、および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、畜産動物の個体情報を有効に活用して、飼育領域全体の状況を把握できる畜産動物管理システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、畜産動物に関する個体情報と、飼育管理者、スタッフ、オーナー又は獣医が実施した活動とを関連付け、畜産動物全数の個体情報を有効に活用して飼育管理者が飼育領域全体の状況を把握できる畜産動物管理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1においては、畜産動物の飼育時の状況は把握できても、飼育時に実施した活動が、飼育結果としての畜産物にもたらす影響については考慮されておらず、どのような飼育をすれば畜産物の生産性を向上させることができるのか不明である、という課題があった。
【0005】
本発明は、上記の課題を解決すべくなされたもので、その目的は、畜産物の生産性、とりわけ乳の生産性を向上させることができる情報処理システム、情報管理装置、および情報処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、上記の課題を解決するためになされたものであり、情報処理システムであって、動物の睡眠に関する睡眠関連情報と前記動物の乳に関する乳情報との対応関係を教師データとして学習した学習モデルを生成する学習部と、乳情報を取得する取得部と、前記取得部が取得した乳情報を、前記学習モデルに入力することで睡眠関連情報を出力する出力部と、を備える情報処理システムである。
【0007】
また、本発明の一態様は、情報処理システムであって、動物の睡眠に関する睡眠関連情報と前記動物の乳に関する乳情報との対応関係を教師データとして学習した学習モデルを生成する学習部と、睡眠関連情報を取得する取得部と、前記取得部が取得した睡眠関連情報を、前記学習モデルに入力することで乳情報を出力する出力部と、を備える情報処理システムである。
【0008】
また、本発明の一態様は、情報処理装置であって、動物の睡眠に関する睡眠関連情報と前記動物の乳に関する乳情報との対応関係を教師データとして学習した学習モデルを生成する学習部と、乳情報を取得する取得部と、前記取得部が取得した乳情報を、前記学習モデルに入力することで睡眠関連情報を出力する出力部と、を備える情報処理装置である。
【0009】
また、本発明の一態様は、情報処理装置であって、動物の睡眠に関する睡眠関連情報と前記動物の乳に関する乳情報との対応関係を教師データとして学習した学習モデルを生成する学習部と、睡眠関連情報を取得する取得部と、前記取得部が取得した睡眠関連情報を、前記学習モデルに入力することで乳情報を出力する出力部と、を備える情報処理装置である。
【0010】
また、本発明の一態様は、コンピュータが実行する情報処理方法であって、動物の睡眠に関する睡眠関連情報と前記動物の乳に関する乳情報との対応関係を教師データとして学習した学習モデルを生成する学習過程と、睡眠関連情報を取得する取得過程と、前記取得過程により取得された睡眠関連情報を、前記学習モデルに入力することで乳情報を出力する出力過程と、を有する情報処理方法である。
【0011】
また、本発明の一態様は、コンピュータが実行する情報処理方法であって、動物の睡眠に関する睡眠関連情報と前記動物の乳に関する乳情報との対応関係を教師データとして学習した学習モデルを生成する学習過程と、睡眠関連情報を取得する取得過程と、前記取得過程により取得された睡眠関連情報を、前記学習モデルに入力することで乳情報を出力する出力過程と、を有する情報処理方法である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、畜産物の生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示すシステム構成図である。
【
図2】本実施形態に係る情報管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】本実施形態に係る教示情報記憶部が記憶する教示情報の一例を示す図である。
【
図4】本実施形態に係る教示情報記憶部が記憶する個体情報の一例を示す図である。
【
図5】本実施形態に係る教示情報記憶部が記憶する生体情報の一例を示す図である。
【
図6】本実施形態に係る教示情報記憶部が記憶する給餌情報の一例を示す図である。
【
図7】本実施形態に係る教示情報記憶部が記憶する摂水情報の一例を示す図である。
【
図8】本実施形態に係る教示情報記憶部が記憶する運動情報の一例を示す図である。
【
図9】本実施形態に係る教示情報記憶部が記憶する環境情報の一例を示す図である。
【
図10】本実施形態に係る教示情報記憶部が記憶するブラッシング情報の一例を示す図である。
【
図11】本実施形態に係る教示情報記憶部が記憶する搾乳情報の一例を示す図である。
【
図12】本実施形態に係る対応情報記憶部が記憶する対応情報の一例を示す図である。
【
図13】本実施形態に係る情報管理装置における飼育情報の出力処理の一例を示すフローチャートである。
【
図14】本発明の第2の実施形態に係る情報管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図15】本実施形態に係る情報管理装置における乳情報の出力処理の一例を示すフローチャートである。
【
図16】本発明の第3の実施形態に係る教示情報記憶部が記憶する睡眠関連生体情報の一例を示す図である。
【
図17】本実施形態に係る教示情報記憶部が記憶する睡眠関連環境情報の一例を示す図である。
【
図18】本発明の第4の実施形態に係る教示情報記憶部が記憶する放牧関連生体情報の一例を示す図である。
【
図19】本実施形態に係る教示情報記憶部が記憶する放牧関連環境情報の一例を示す図である。
【
図20】本実施形態に係る教示情報記憶部が記憶する放牧地情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら、本発明の第1の実施形態について詳しく説明する。
以下の説明では、飼育される動物が乳牛である例について説明する。なお、本実施形態に係る飼育される動物は乳牛に限られず、例えば、山羊、羊、ヤク、水牛などであってもよい。
【0015】
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の構成の一例を示すシステム構成図である。
情報処理システム1は、動物情報取得装置10と、スマート畜舎20と、乳情報取得装置30と、ユーザ端末40と、情報管理装置50と、を含んで構成される。動物情報取得装置10と、スマート畜舎20と、乳情報取得装置30と、ユーザ端末40と、情報管理装置50とは、ネットワークNWを介して有線または無線により通信可能に相互に接続される。動物情報取得装置10は、1つであってもよいし、図示するように、動物情報取得装置10-1、・・・、10-Nのように複数であってもよい。
【0016】
以下の説明において、動物情報取得装置10のそれぞれを区別しないときには、動物情報取得装置10と記載して説明し、動物情報取得装置のそれぞれ、一部あるいは全てと適宜読み替え可能である。
【0017】
ネットワークNWは、例えば、携帯電話網、PHS(Personal Handy-phone System)網、VPN(Virtual Private Network)網、専用通信回線網、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、PSTN(Public Switched Telephone Network;公衆交換電話網)などのいずれか、またはこれらのうちの一部または全部の組み合わせによって構成される情報通信ネットワークである。
【0018】
動物情報取得装置10は、例えば、乳牛に装着又は留置されたウェアラブルデバイスである。
動物情報取得装置10には、少なくとも情報取得部と、通信部と、が含まれる。情報取得部は、動物情報取得装置10が装着された乳牛の個体を識別する識別情報を保持する。また、情報取得部は、乳牛の生体に関する生体情報や、乳牛の運動に関する運動情報を取得する。より具体的に情報取得部について説明する。情報取得部は、例えば、RFID(Radio Frequency Identifier)タグ、および各種センサを有する。RFIDタグは、例えば乳牛を識別する情報を保持する。各種センサは、歩数計、GPSセンサ、活動量計、ルーメン(第一胃)センサ、脈波センサ、体表温センサ、膣内センサなどである。
【0019】
歩数計は、例えば、乳牛の歩いた歩数を取得する。GPSセンサは、例えば、乳牛の現在の位置情報を取得する。活動量計は、乳牛が歩いた歩数に基づく移動量を取得する。ルーメンセンサは、例えば、乳牛の第一胃のpH値、第一胃の加速度情報に基づく採食時間及び反芻時間などの情報を取得する。脈波センサは、例えば、乳牛の脈拍数を取得する。体表温センサは、例えば、乳牛の体表温を取得する。膣内センサは、例えば、乳牛の体温(膣温)を取得する。
動物情報取得装置10は、情報取得部が保持する乳牛の個体を識別する識別情報と、各種センサによって取得した情報(飼育情報の一部)とを、ネットワークNWを介して、情報管理装置50に送信する。
【0020】
なお、動物情報取得装置10は、1個体の乳牛に対して1つのウェアラブルデバイスが装着又は留置されてもよいし、1個体の乳牛に対して複数のウェアラブルデバイスが装着又は留置されてもよい。
【0021】
スマート畜舎20は、例えば乳牛の畜舎である。スマート畜舎20には、例えば、センサやカメラが設置され、畜舎において乳牛に関する様々な情報を取得可能な畜舎である。スマート畜舎20には、例えば、温湿度計、風向風速計、体高計、体重計、二酸化炭素濃度測定計、換気量計、散水装置、散水センサ、摂水センサ、光センサ、ブラッシング装置、ブラッシングセンサ、測位カメラなどが設置される。換気量計は、畜舎の換気量を測定するセンサである。散水装置は、畜舎に散水する装置である。散水センサは、散水装置による畜舎への散水量や散水時間などの散水に関する散水情報を取得するセンサである。摂水センサは、乳牛の摂水量を計測するセンサである。光センサは、乳牛の給餌量を計測するセンサである。ブラッシング装置は、乳牛のブラッシングを行う装置である。ブラッシングセンサは、乳牛のブラッシングに関する情報を取得するセンサである。測位カメラは、スマート畜舎20における乳牛の動きや位置を測定するカメラである。
【0022】
スマート畜舎20に設置されたセンサには、少なくとも情報取得部と、通信部と、が含まれる。スマート畜舎20は、設置されたセンサが取得した各種情報(飼育情報の一部)を、ネットワークNWを介して、情報管理装置50に送信する。
ここで、スマート畜舎20に設置されたセンサが取得する情報は、畜舎の環境に関する環境情報と、乳牛の生体に関する乳牛生体情報とである。環境情報は、温度情報、湿度情報、風向情報、風速情報、二酸化炭素濃度情報、換気量情報、散水情報などである。乳牛生体情報は、乳牛を識別する識別情報と、乳牛の体高情報と、乳牛の体重情報と、乳牛の摂水量情報と、乳牛の給餌量情報などである。ここで、給餌量情報は、乳牛に与えた餌の全体量を示す投与量、摂餌しなかった餌の量を示す残余量、投与量と残余量との差分となる摂餌量を含む情報である。
【0023】
スマート畜舎20に設置されたカメラには、少なくとも撮影部と、通信部とが含まれる。
スマート畜舎20に設置されたカメラ、センサは、取得した乳牛生体情報(飼育情報の一部)を、ネットワークNWを介して、情報管理装置50に送信する。
【0024】
なお、スマート畜舎20に設置されたカメラには、解析部が含まれていてもよい。この場合、解析部は、カメラが撮影した静止画像または動画像を解析し、跛行、採食、反芻、飲水などの乳牛の行動に関する情報、乳牛の畜舎内での位置に関する情報などを取得すればよい。また、スマート畜舎20に設置されたカメラが解析部を含まない場合、スマート畜舎20に設置されたカメラは、撮影した静止画像や動画像を、ネットワークNWを介して、情報管理装置50に送信すればよい。この場合、情報管理装置50は、解析部を有し、当該解析部により、受信した静止画像や動画像を解析すればよい。
【0025】
乳情報取得装置30は、例えば、搾乳装置および乳保存装置の一方、または両方(これらのいずれか、または全てを搾乳関連装置とも称する)に接続されたコンピュータである。乳情報取得装置30には、少なくとも情報取得部と、通信部と、が含まれる。乳情報取得装置30は、搾乳した乳牛を識別する識別情報と、搾乳関連装置から搾乳した乳に関する情報とを取得し、搾乳した乳牛を識別する識別情報と、搾乳関連装置から搾乳した乳に関する情報とを、ネットワークNWを介して情報管理装置50に送信する。ここで、以下の説明では、搾乳した乳に関する情報を乳情報とも称する。
【0026】
ユーザ端末40は、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯電話、タブレット、スマートフォンなどの端末装置である。ユーザ端末40には、少なくとも入力部と、表示部と、通信部と、が含まれる。ユーザ端末40は、動物の飼育に関する飼育情報と、乳情報との入力を受け付ける。ユーザ端末40は、受け付けた飼育情報と乳情報とを、教示情報として、ネットワークNWを介して情報管理装置50に送信する。また、ユーザ端末40は、給餌対象の乳牛を識別する識別情報と、乳牛の給餌に関する給餌情報との入力を受け付ける。ユーザ端末40は、受け付けた給餌対象の乳牛を識別する識別情報と、乳牛の給餌に関する給餌情報とを、ネットワークNWを介して情報管理装置50に送信する。また、ユーザ端末40は、乳牛を識別する識別情報と乳牛の削蹄に関する削蹄情報との入力を受け付ける。ユーザ端末40は、受け付けた乳牛を識別する識別情報と乳牛の削蹄に関する削蹄情報を、ネットワークNWを介して情報管理装置50に送信する。また、ユーザ端末40は、ネットワークNWを介して情報管理装置50から飼育情報を受信する。ここでの飼育情報は、入力部が受け付けた乳情報に対応する飼育情報である。
【0027】
情報管理装置50は、例えば、サーバ装置である。情報管理装置50は、教示情報を、ネットワークNWを介してユーザ端末40から取得する。情報管理装置50は、飼育情報を、ネットワークNWを介して、動物情報取得装置10、スマート畜舎20、乳情報取得装置30及びユーザ端末40のそれぞれから受信する。情報管理装置50は、乳情報を、ネットワークNWを介してユーザ端末40から受信する。また、情報管理装置50は、飼育情報を、ネットワークNWを介してユーザ端末40に送信する。ここでの飼育情報は、ユーザ端末40から受信した乳情報に対応する飼育情報である。
【0028】
図2は、本実施形態に係る情報管理装置50の構成の一例を示すブロック図である。
情報管理装置50は、通信部51と、記憶部52と、処理部53と、を含んで構成される。
【0029】
通信部51は、ネットワークNWを介して他の通信と各種情報を送受信する。具体的には、通信部51は、ネットワークNWを介して、動物情報取得装置10、スマート畜舎20、乳情報取得装置30、ユーザ端末40などから各種情報を受信する。通信部51は、受信した情報を処理部53に出力する。また、通信部51は、処理部53から出力される各種情報を、ネットワークNWを介して動物情報取得装置10、スマート畜舎20、乳情報取得装置30、ユーザ端末40などに送信する。
【0030】
記憶部52は、例えば、HDD(Hard Disc Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、またはRAM(Random Access Memory)などを備える。記憶部52は、ファームウェアやアプリケーションプログラムなど、情報管理装置50が備えるCPUが実行するための各種プログラムやCPUが実行した処理の結果などを記憶する。なお、記憶部52は、情報管理装置50がネットワークNWを介してアクセス可能なNAS(Network Attached Storage)などの外部記憶装置であってもよい。
【0031】
記憶部52は、教示情報記憶部521と、対応情報記憶部522と、取得情報記憶部523と、決定情報記憶部524と、を含んで構成される。
教示情報記憶部521は、教示情報を記憶する。
対応情報記憶部522は、対応情報を記憶する。対応情報は、教示情報記憶部521に記憶された教示情報を用いて学習することにより生成された学習モデルである。
取得情報記憶部523は、乳情報を記憶する。
決定情報記憶部524は、飼育情報を記憶する。
【0032】
処理部53は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などを含むプロセッサであり、情報管理装置50の各種機能を制御する。処理部53は、教示情報取得部531と、学習部532と、取得部533と、決定部534と、出力部535と、を含んで構成される。
【0033】
教示情報取得部531は、教示情報を、通信部51を介してユーザ端末40から取得する。教示情報取得部531は、取得した教示情報を、教示情報記憶部521に記憶させる。
なお、教示情報取得部531が取得する教示情報は、教示情報を取得する時点での教示情報、すなわち、教示情報を取得する時点で飼育されている乳牛の飼育情報と乳情報であってもよい。この場合、飼育情報として、動物情報取得装置10、スマート畜舎20及びユーザ端末40から飼育情報を取得し、乳情報取得装置30から乳情報を取得すればよい。
【0034】
学習部532は、教示情報記憶部521に記憶された教示情報を読み出し、読み出した教示情報に基づいて、飼育情報と乳情報の対応情報を学習した学習モデルを生成する。学習部532は、学習によって生成された学習モデルを、対応情報として対応情報記憶部522に記憶させる。
【0035】
具体的には、学習部532は、飼育情報と乳情報との対応関係を学習する。より具体的には、学習部532は、飼育情報の項目毎の情報と、乳情報の項目毎の情報との対応関係を学習する。ここで、飼育情報の項目とは、後述する
図4から
図10に示されるような各種情報に含まれる項目である。また、1つの項目がさらに複数の項目(以下、「サブ項目」とも称する)から構成される場合には、サブ項目を個別の項目として分けてもよい。この場合、給餌情報のサブ項目である、給餌した飼料の種類の項目と、給餌した当該飼料の量の項目については、組み合わせて1つの項目とする。また、乳情報の項目とは、
図11に示される搾乳情報のうち、「搾乳情報ID」及び「搾乳日時」を除いた情報に含まれる項目である。また、1つの項目がさらに複数のサブ項目から構成される場合は、サブ項目を個別の項目として分けてもよい。
【0036】
学習部532による学習は、既知の機械学習のアルゴリズムを用いて学習すればよいが、例えば、ニューラルネットワークを用いて学習する。
【0037】
取得部533は、乳情報を、通信部51を介してユーザ端末40から取得する。取得部533は、取得した乳情報を、取得情報記憶部523に記憶させる。
【0038】
決定部534は、記憶部52に記憶された乳情報と、対応情報とに基づいて、飼育情報を決定する。具体的には、決定部534は、対応情報記憶部522が記憶した対応情報と、取得情報記憶部523が記憶した乳情報を読み出す。決定部534は、読み出した乳情報(以下、取得乳情報とも称する)を、対応情報である学習モデルに入力することで、飼育情報を得る。決定部534は、学習モデルから出力した飼育情報を、決定情報記憶部524に記憶させる。
【0039】
なお、対応情報は、学習部532が生成した学習モデルでなく、ユーザ端末40などから入力される対応情報であってもよい。この場合、決定部534は、例えば、入力された対応情報に含まれる乳情報の項目ごとの情報と、取得乳情報の項目ごとの情報とが一致しているか否か判定する。ここで、乳情報の項目とは、
図12の乳情報に含まれる項目である。「乳脂肪分」、「無脂固形分」など、1つの項目がさらに複数のサブ項目を含む場合は、サブ項目を個別の項目として判定してもよい。この場合、決定部534は、例えば、「乳脂肪分」に含まれる「乳脂肪分率」、「飽和脂肪酸」及び「不飽和脂肪酸」を個別の項目として、一致しているか否か判定する。
【0040】
決定部534は、一致する対応情報が存在すると判定される場合、対応情報の乳情報のうち、取得乳情報と一致する対応情報の乳情報に対応付けられた飼育情報を、取得乳情報に対応する飼育情報として決定する。ここで、一致する対応情報とは、取得乳情報と対応情報とで全ての項目の情報が一致する乳情報を含む対応情報である。
また、決定部534は、一致する対応情報が存在しないと判定される場合、対応情報の乳情報のうち、対応情報の乳情報と取得乳情報とで一致度が最も高い、あるいは対応情報の乳情報と取得乳情報とで類似度が最も高い乳情報に対応付けられた飼育情報を、取得乳情報に対応する飼育情報と決定する。ここで、一致度あるいは類似度とは、例えば、乳情報と取得乳情報との一致、あるいは類似の度合を表す数値であって、予め定められた算出規則に従って算出される。算出規則は、例えば、一致する項目の数を一致度の数値とする、などである。
決定部534は、決定した飼育情報を、決定情報記憶部524に記憶させる。
【0041】
なお、算出規則は、これに限られない。例えば、乳情報の項目ごとの重みを記憶部52に別途記憶させておき、一致する項目について各項目の値に重みの値を乗算して、項目ごとの重みづけされた値を全て加算するものであってもよい。なお、項目ごとの重みは、ユーザによって設定されたものを通信部や入力部を介して取得することで設定または更新されてもよい。また、算出規則は、特定の項目が一致しない場合には、特定の項目以外の項目が一致するかどうかに関わらず一致度を0とするような規則であってもよい。
【0042】
出力部535は、決定情報記憶部524に記憶された飼育情報を読み出す。出力部535は、読み出した飼育情報を、通信部51を介してユーザ端末40に送信する。
【0043】
次いで、情報管理装置50の記憶部52が記憶する各種情報について説明する。
【0044】
図3は、本実施形態に係る情報管理装置50の教示情報記憶部521が記憶する教示情報の一例を示す図である。
図3に示すように、教示情報記憶部521は、教示情報を記憶する。教示情報には、「飼育情報」と「乳情報」とが含まれる。
図示するように、「飼育情報」は、例えば、「個体情報ID」ごとに、「生体情報ID」、「給餌情報ID」、「摂水情報ID」、「運動情報ID」、「環境情報ID」、「ブラッシングID」が対応付けられた情報である。「乳情報」は、例えば、「個体情報ID」ごとに「搾乳情報ID」が対応付けられた情報である。
「個体情報ID」は、乳牛の個体を識別する個体識別情報を識別するための識別情報である。「生体情報ID」、「給餌情報ID」、「摂水情報ID」、「運動情報ID」、「環境情報ID」、「ブラッシングID」は、それぞれ、生体情報、給餌情報、摂水情報、運動情報、環境情報、ブラッシング情報のそれぞれを一意に識別するための識別情報である。「搾乳情報ID」は、搾乳した乳牛の乳の詳細情報を一意に識別するための識別情報である。なお、個体情報ID以外の項目には、複数の識別情報が含まれていてもよい。
【0045】
図3に示す例において、「個体情報ID」「ID00001」に対応する飼育情報は、「生体情報ID」が「BM00001A」と「BM00001B」であり、「給餌情報ID」が「FD00001A」と「FD00001B」であり、「摂水情報ID」が「WT00001」であり、「運動情報ID」が「EX00001」であり、「環境情報ID」が「EV00001A」、「EV00001B」であり、「ブラッシングID」が「BR00001」である。また、「個体情報ID」「ID00001」に対応する「乳情報」は、「搾乳情報」が「ML00001」であることを示している。
【0046】
図4は、本実施形態に係る情報管理装置50の教示情報記憶部521が記憶する個体情報の一例を示す図である。
図4に示すように、教示情報記憶部521は、例えば、個体情報を記憶する。個体情報には、「個体情報ID」ごとに、「個体識別番号」と、「種類」と、「出生年月日」と、「屠殺日」と、「分娩回数」と、が対応付けられた情報である。
「個体識別番号」は、動物の個体を識別するための識別情報である。「種類」は、個体識別番号で識別される動物の種類を示す情報である。「出生年月日」は、個体識別番号で識別される動物の出生年月日を示す情報である。「屠殺日」は、個体識別番号で識別される動物が屠殺された年月日を示す情報である。「分娩回数」は、個体識別番号で識別される動物が分娩した回数を示す情報である。
図4に示す例では、「個体情報ID」が「ID00001」であり、「個体識別番号」が「0100012345」であり、「種類」が「ホルスタイン」であり、「出生年月日」が「2012/7/1」であり、「屠殺日」が「2018/2/1」であり、「分娩回数」が「4」回である。
【0047】
図5は、本実施形態に係る情報管理装置50の教示情報記憶部521が記憶する生体情報の一例を示す図である。
図5に示すように、教示情報記憶部521は、生体情報を記憶する。生体情報は、例えば、「生体情報ID」ごとに、「測定日時」と、「月齢」と、「体温」と、「体表温」と、「脈拍数」と、「体高」と、「体重」と、「ルーメンpH」とが対応付けられた情報である。
「測定日時」は、乳牛の生体情報を測定した日時を示す情報である。「月齢」は、測定日時における乳牛の月齢を示す情報である。「体温」は、測定日時における乳牛の体温(膣温)を示す情報である。「体表温」は、測定日時における乳牛の体表の温度を示す情報である。「脈拍数」は、測定日時における乳牛の1分間の脈拍数を示す情報である。「体高」は、測定日時における乳牛の体高を示す情報である。「体重」は、測定日時における乳牛の体重を示す情報である。「ルーメンpH」は、測定日時における乳牛の第一胃のpH値を示す情報である。
【0048】
図5に示す例では、「生体情報ID」「BM00001A」に対応する「測定日時」が「2017/7/1 08:00」であり、「月齢」が「60」か月であり、「体温」が「38.5」度であり、「体表温」が「38.0」度であり、「脈拍数」が「80」であり、「体高」が「140」cmであり、「体重」が「450」kgであり、「ルーメンpH」が「6.5」である。
【0049】
なお、
図5に示す例では、月齢、体温、体表温、脈拍数、体高、体重、ルーメンpHの全ての項目の測定結果が示される場合の一例を示すが、例えば、これらの項目のうち一部の項目のみであってもよい。また、測定日時は、各種測定がある一定の時間の範囲内に行われる場合において、同一の時刻として記録されてもよい。
【0050】
図6は、本実施形態に係る情報管理装置50の教示情報記憶部521が記憶する給餌情報の一例を示す図である。
図6に示すように、教示情報記憶部521は、給餌情報を記憶する。給餌情報は、「給餌情報ID」ごとに、「給餌日」と、「給餌時間」と、「回数」と、「採食時間」と、「反芻時間」と、「粗飼料」と、「濃厚飼料」と、「脂肪酸カルシウム」とが対応付けられた情報である。
「給餌日」及び「給餌時間」は、乳牛に給餌した日時を示す情報である。ここでの乳牛は、
図3において、「給餌情報ID」が対応付けられる「個体情報ID」が示す個体情報で識別される乳牛のことである。
【0051】
「回数」は、給餌情報が給餌日で示される日の何回目の給餌であるかを示す情報である。「採食時間」は、乳牛が給餌された餌を採食するのに要した時間の合計を示す情報である。「反芻時間」は、乳牛が採食した餌を反芻するのに要した時間の合計を示す情報である。「粗飼料」は、給餌日時で示される日時において乳牛に対して給餌した餌のうち、粗飼料についての種類や量を示す情報である。粗飼料は、生草、サイレージ、乾草、わら類などから生産される飼料のことである。「粗飼料」を示す情報には、「粗飼料の種類を示す「種類」を示す情報と、粗飼料の量を示す「量」を示す情報とが含まれる。粗飼料の「種類」及び粗飼料の「量」は、乳牛に対して給餌日時に給餌した粗飼料の種類及び量を示す情報である。
【0052】
「濃厚飼料」は、乳牛に対して給餌日時に示された日時に給餌した餌のうち、濃厚飼料についての種類や量を示す情報である。濃厚飼料は、穀物の種部、豆類、酒粕などから生産される飼料のことである。濃厚飼料の「種類」及び濃厚飼料の「量」は、乳牛に対して給餌日時に給餌した濃厚飼料の種類及び量を示す情報である。
「脂肪酸カルシウム」は、乳牛に対して給餌日時に給餌した餌のうちの脂肪酸カルシウムを示す情報である。脂肪酸カルシウムの「種類」及び脂肪酸カルシウムの「量」は、乳牛に対して給餌日時に給餌した脂肪酸カルシウムの種類及び量を示す情報である。
【0053】
図6に示す例では、「給餌情報ID」が「FD00001A」であり、「給餌情報ID」に対応する「給餌日」が「2017/7/1」であり、「給餌時間」が「07:00」で、「回数」が「1」回目であり、「採食時間」が「1.5」時間であり、「反芻時間」が「3.0」時間であり、「粗飼料」の「種類」が「牧草A」であり、「粗飼料」の「量」が「10」kgであり、「濃厚飼料」の「種類」が「豆B」であり、「濃厚飼料」の「量」が「3」kgであり、「脂肪酸カルシウム」の「種類」が「脂肪酸カルシウムC」であり、「脂肪酸カルシウム」の「量」が「0.2」kgである。
【0054】
図7は、本実施形態に係る情報管理装置50の教示情報記憶部521が記憶する摂水情報の一例を示す図である。
図7に示すように、教示情報記憶部521は、摂水情報を記憶する。摂水情報は、「摂水情報ID」ごとに、「摂水日」と、「摂水量」とが対応付けられた情報である。
「摂水日」は、乳牛の摂水情報を測定した日付を示す情報である。ここでの乳牛とは、
図3において、「摂水情報ID」が対応付けられた「個体情報ID」が示す個体情報で識別される乳牛のことである。「摂水量」は、測定日における乳牛の摂水した水の量を示す情報である。
図7に示す例では、「摂水情報ID」が「WT00001」であり、「摂水日」が「2017/7/1」であり、「摂水量」が「120」Lである。
【0055】
図8は、本実施形態に係る情報管理装置50の教示情報記憶部521が記憶する運動情報の一例を示す図である。
図8に示すように、教示情報記憶部521は、運動情報を記憶する。運動情報は、「運動情報ID」ごとに、「測定日」と、「歩数」と、「移動量」と、「放牧地」と、「跛行スコア」と、「削蹄後経過日」とが対応付けられた情報である。
「測定日」は、乳牛の運動情報を測定した日付を示す情報である。ここでの乳牛は、
図3において、「運動情報ID」と対応付けられた「個体情報ID」が示す個体情報で識別される乳牛のことである。「歩数」は、測定日における乳牛が歩いた歩数を示す情報である。「移動量」は、測定日における乳牛が歩いた距離を示す情報である。「放牧地」は、測定日において乳牛が放牧された地域を示す情報である。「跛行スコア」は、測定日における乳牛の跛行の程度を示すスコアを示す情報であり、1(正常)から5(重度の跛行)の5段階で示される。「削蹄後経過日」は、乳牛に対する直近の削蹄日からの経過日数を示す情報である。
【0056】
図8に示す例では、「運動情報ID」が「EX00001」であり、「運動情報ID」に対応する「測定日」が「2017/7/1」であり、「歩数」が「300」であり、「移動量」が「3.14」kmであり、「放牧地」が「エリアA」であり、「跛行スコア」が「1」であり、「削蹄後経過日」が「30」日である。
【0057】
図9は、本実施形態に係る情報管理装置50の教示情報記憶部521が記憶する環境情報の一例を示す図である。
図9に示すように、教示情報記憶部521は、環境情報を記憶する。環境情報は、「環境情報ID」ごとに、「測定日時」と、「場所」と、「気温」と、「湿度」と、「風向」と、「風速」と、「CO2濃度」と、「換気量」と、「散水時間」とが対応付けられた情報である。
「測定日時」は、環境情報IDが示す環境情報を測定した日時を示す情報である。「場所」は、環境情報を測定した場所を示す情報である。「気温」は、環境情報を測定した場所における気温を示す。「湿度」は、環境情報を測定した場所における湿度を示す情報である。「風向」は、環境情報を測定した場所における風の方向を示す情報である。「風速」は、環境情報を測定した場所における風速を示す情報である。「CO2濃度」は、環境情報を測定した場所における二酸化炭素濃度を示す情報である。「換気量」は、環境情報を取得した場所における1時間当たりの換気量を示す情報である。「散水時間」は、環境情報を取得した場所における、直前の測定日時以降に散水した時間を示す情報である。
【0058】
図9に示す例では、「環境情報ID」が「EV00001A」であり、「環境情報ID」に対応する「測定日時」が「2017/7/1 07:00」であり、「場所」が「休息エリアB」であり、「気温」が「25」度であり、「湿度」が「70」%であり、「風向」が「東」であり、「風速」が毎秒「1.2」mであり、「CO2濃度」が「600」ppmであり、「換気量」が毎時「20000」立方メートルであり、「散水時間」が「5」分である。
【0059】
図10は、本実施形態に係る情報管理装置50の教示情報記憶部521が記憶するブラッシング情報の一例を示す図である。
図10に示すように、教示情報記憶部521は、ブラッシング情報を記憶する。ブラッシング情報は、「ブラッシングID」ごとに、「測定日」と、「ブラッシング時間」と、「回数」とが対応付けられた情報である。「測定日」は、乳牛に対してブラッシングが実施された日付を示す情報である。ここでの乳牛は、
図3において、「ブラッシングID」と対応付けられた「個体情報ID」が示す個体情報で識別される乳牛のことである。「ブラッシング時間」は、乳牛に対して測定日にブラッシングした合計時間を示す情報である。「回数」は、測定日に乳牛に対してブラッシングされた回数を示す。
【0060】
図10に示す例では、「ブラッシングID」が「BR00001」であり、「ブラッシングID」に対応する「測定日」が「2017/7/1」であり、「ブラッシング時間」が合計「30」分であり、「回数」が「3」回である。
【0061】
図11は、本実施形態に係る情報管理装置50の教示情報記憶部521が記憶する搾乳情報の一例を示す図である。
図11に示すように、教示情報記憶部521は、搾乳情報を記憶する。搾乳情報は、「搾乳情報ID」ごとに、「搾乳日時」と、「産次」と、「分娩後日数」と、「乳量」と、「色」と、「味」と、「乳脂肪分」と、「無脂固形分」と、「生菌数」と、「体細胞数」とが対応付けられた情報である。
「搾乳日時」は、乳牛に対する搾乳が実施された日時を示す情報である。ここでの乳牛は、
図3において、「搾乳情報ID」と対応付けられた「個体情報ID」が示す個体情報で識別される乳牛のことである。「産次」は、乳牛がこれまでに分娩を行った回数を示す情報である。「分娩後日数」は、乳牛が産次に示される回の分娩を行ってからの経過日数を示す情報である。「乳量」は、乳牛に対して搾乳日時に搾乳された乳の量を示す。「色」は、搾乳された乳の色を、色差計などを用いて測定した値を示す情報である。「味」は、搾乳された乳の味の検査結果を示す情報である。「味」を示す情報は、例えば、「官能検査」を示す情報と「味成分」を示す情報とが含まれる。「官能検査」は、搾乳された乳についての官能検査(人間の感覚を用いて実施された品質検査)の結果を示す情報である。「味成分」は、味に影響を与える成分の分析結果を示す情報である。味に影響を与える成分は、例えば、リン脂質、乳糖、塩化物、クエン酸、短鎖脂肪酸などである。
【0062】
「乳脂肪分」は、搾乳された乳の脂肪分に関する情報である。「乳脂肪分」に関する情報は、「乳脂肪色」を示す情報と、「乳脂肪分率」を示す情報と、「飽和脂肪酸」を示す情報と、「不飽和脂肪酸」を示す情報とを含む。「乳脂肪色」は、搾乳された乳が含有する脂肪分について、その色を、色差計などによって測定した値を示す情報である。「乳脂肪分率」は、搾乳された乳が含有する脂肪分の割合を示す情報である。「飽和脂肪酸」は、搾乳された乳が含有する飽和脂肪酸の割合を示す情報である。「不飽和脂肪酸」は、搾乳された乳が含有する不飽和脂肪酸の割合を示す情報である。「無脂固形分」を示す情報には、「無脂固形分率」を示す情報と、「乳タンパク質」を示す情報とが含まれる。「無脂固形分率」は、搾乳された乳が含有する無脂固形分(水分と乳脂肪分を除いた部分)の割合を示す情報である。「乳タンパク質」は、搾乳された乳が含有する乳タンパク質の割合を示す情報である。「生菌数」は、搾乳された乳1mLが含有する生菌の数を示す。「体細胞数」は、搾乳された乳1mLが含有する乳牛の細胞の数を示す情報である。
【0063】
図11に示す例では、「搾乳情報ID」が「ML00001」であり、搾乳情報IDに対応する「搾乳日時」が「2017/7/2 08:00」であり、「産次」が「4」回目であり、「分娩後日数」が「150」日であり、「乳量」が「10」Lであり、「色」が「L:83.0、a:-4.4、b:5.2」であり、「官能検査」が「異常なし」であり、「味成分」が「成分1:A、成分2:B・・・」であり、「乳脂肪色」が「L:86.0、a:-3.5、b:6.0」であり、「乳脂肪分率」が「3.75」%であり、「飽和脂肪酸」が「2.25」%であり、「不飽和脂肪酸」が「1.50」%であり、「無脂固形分率」が、「8.55」%であり、「乳タンパク質」が「3.14」%であり、「生菌数」が1mLあたり「9000」個であり、「体細胞数」が1mLあたり「150000」個である。
【0064】
図12は、本実施形態に係る情報管理装置50の対応情報記憶部522が記憶する対応情報の一例を示す情報である。
対応情報は、飼育情報と乳情報とが対応付けられた情報である。図示する例は、通信部51を介してユーザ端末40から予め入力され、対応情報記憶部522に記憶された対応情報の一例である。
図12に示す例では、「月齢」が「60」か月であり、「給餌時間」が「07:00」であり、「粗飼料の種類」が「牧草B」であり、「粗飼料の量」が「4」kgであり、「脂肪酸カルシウムの種類」が「脂肪酸カルシウムG」であり、「脂肪酸カルシウムの量」が「0.25」kgであり、「摂水量」が「130」Lであり、「歩数」が「350」であり、「放牧地」が「エリアB」であり、「跛行スコア」が「1」であり、「ブラッシング時間」が「25」分である。また、「飼育情報」に対応する「乳情報」は、「産次」が「4」回目であり、「分娩後日数」が「150」日であり、「乳量」が「10」Lであり、「色」が「L:83.0、a:-4.4、b:5.2」であり、「乳脂肪色」が「L:86.0、a:-3.5、b:6.0」であり、「乳脂肪分率」が「3.75」%であり、「飽和脂肪酸」が「2.3」%であり、「不飽和脂肪酸」が「1.45」%であり、「無脂固形分率」が「8.55」%であり、「乳タンパク質」が「3.1」%である。
【0065】
次に、図面を参照して、本実施形態に係る飼育情報を出力する処理について説明する。
【0066】
図13は、本実施形態に係る飼育情報の出力処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS100において、情報管理装置50は、ユーザ端末40から取得した乳情報を取得情報記憶部523に記憶させる。
ステップS102において、情報管理装置50は、対応情報記憶部522が記憶する対応情報として記憶する学習モデルに、取得情報記憶部523が記憶する乳情報を入力する。情報管理装置50は、入力した乳情報に対応する飼育情報を出力として得る。情報管理装置50は、出力された飼育情報を決定情報記憶部524に記憶させる。
ステップS104において、情報管理装置50は、決定情報記憶部524に記憶された飼育情報を、ネットワークNWを介してユーザ端末40に送信する。
【0067】
以上説明したように、本実施形態の情報処理システム1は、動物の飼育に関する飼育情報と動物の乳に関する乳情報とを教示情報として学習した学習モデルを生成する学習部532と、乳情報を取得する取得部533と、取得部533が取得した乳情報を学習モデルに入力することで飼育情報を出力する出力部535と、を備える。
【0068】
これにより、本実施形態による情報処理システム1は、例えば、入力された乳情報に対応する飼育情報を出力することができる。そのため、本実施形態による情報処理システム1のユーザ(畜産物の生産者)は、例えば、得られた飼育情報に基づいて乳牛の飼育を行うことで、ユーザが所望する品質の乳を生産することができ、畜産物の生産性を向上することができる。
【0069】
(第2の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態では、乳情報の代わりに飼育情報を取得し、対応情報と飼育情報とに基づいて、乳情報を出力する場合の一例について説明する。
具体的には、処理部53が取得情報として飼育情報を取得し、取得した飼育情報と対応情報とに基づいて乳情報を出力する場合の処理について説明する。
【0070】
図14は、本発明の第2の実施形態に係る情報管理装置50aの構成の一例を示すブロック図である。
図14に示すように、情報管理装置50aは、通信部51、記憶部52a及び処理部53aを備えている。なお、本実施形態では、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
記憶部52aは、教示情報記憶部521、対応情報記憶部522、取得情報記憶部523a及び決定情報記憶部524aを備える。
取得情報記憶部523aは、飼育情報を記憶する。
決定情報記憶部524aは、乳情報を記憶する。
【0071】
処理部53aは、ユーザ端末40aから飼育情報を受信する。また、処理部53aは、ユーザ端末40aから受信した飼育情報と対応情報に基づいて、乳情報を決定し、ユーザ端末40aに送信する。処理部53aは、教示情報取得部531、学習部532、取得部533a、決定部534a及び出力部535aを備える。
【0072】
取得部533aは、通信部51を介してユーザ端末40aから飼育情報を取得する。取得部533aは、取得した飼育情報を取得情報記憶部523aに記憶させる。
【0073】
決定部534aは、飼育情報を、学習モデルである対応情報に入力することで、乳情報を得る。決定部534aは、乳情報を決定情報記憶部524aに記憶させる。
【0074】
なお、学習部532の学習した学習モデルでなく、ユーザ端末40aなどから入力される
図12に示すような対応情報である場合には、決定部534aは以下の処理を行う。
【0075】
決定部534aは、例えば、対応情報が含む飼育情報の各項目と、取得した飼育情報の各項目とが一致しているか否か判定する。
決定部534aは、一致する対応情報が存在した場合、対応情報における乳情報を、取得した飼育情報に対応する乳情報として決定する。ここで、一致する対応情報とは、対応情報における飼育情報と取得した飼育情報とにおける全ての項目の情報が一致する飼育情報の対応情報である。
決定部534aは、一致する対応情報が存在しない場合、取得した飼育情報に、最も近い、あるいは最も類似する飼育情報の対応情報の乳情報と決定する。ここで、最も近いあるいは最も類似する飼育情報とは、予め定められた決定規則に従って決定される飼育情報である。決定規則は、例えば、一致するあるいは類似する項目数が最も多い飼育情報を最も近い飼育情報として特定することなどである。例えば、決定規則は、一致の度合いを示す数値である一致度、あるいは類似度を用いて、最も大きな一致度を示す飼育情報を、最も近い飼育情報と特定してもよい。ここで、一致度は、記憶部52aに記憶される項目毎の重みを項目ごとに乗算し、一致する項目について全て重み付けされた値の合計により算出されればよい。
【0076】
出力部535aは、決定情報記憶部524aに記憶された乳情報を読み出す。出力部535aは、読み出した乳情報を、通信部51を介してユーザ端末40aに送信する。
【0077】
次いで、本実施形態に係る情報管理装置50aにおける乳情報の出力処理について説明する。
【0078】
図15は、本実施形態に係る乳情報を出力する処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS200において、情報管理装置50aは、飼育情報をユーザ端末40aから取得し、取得した飼育情報を取得情報記憶部523aに記憶させる。
ステップS202において、情報管理装置50aは、対応情報記憶部522が記憶する対応情報と、取得した飼育情報に基づいて、乳情報を決定する。具体的には、情報管理装置50aは、取得した飼育情報を、学習モデルである対応情報に入力することで、乳情報を出力として得る。情報管理装置50aは、乳情報を決定情報記憶部524aに記憶させる。
ステップS204において、情報管理装置50aは、決定情報記憶部524aに記憶された乳情報を、ネットワークNWを介してユーザ端末40aに送信する。
【0079】
このようにすることで、本実施形態による情報処理システム1aは、例えば、入力された飼育情報に対応する乳情報を出力することができる。そのため、本実施形態による情報処理システム1aのユーザは、例えば、得られた乳情報が、ユーザの所望する品質の乳を示す乳情報であれば、入力した飼育情報に基づいて乳牛の飼育を行うことで、ユーザが所望する乳を生産することができる。また、得られた乳情報がユーザの所望しない品質の乳を示す乳情報であれば、入力した飼育情報に基づく乳牛の飼育を行わないことで、ユーザが所望しない品質の乳を生産することを回避できる。以上からどちらの場合も、畜産物の生産性を向上することができる。
【0080】
(第3の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第3の実施形態について説明する。
第3の実施形態では、第1の実施形態における飼育情報に代えて、または加えて、睡眠関連情報を用いる場合について説明する。
具体的には、処理部53が取得情報として乳情報を取得し、取得した乳情報と対応情報とに基づいて睡眠関連情報を出力する場合の処理について説明する。
第3の実施形態では、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0081】
睡眠関連情報は、睡眠関連生体情報と、睡眠関連環境情報とを含む情報である。睡眠関連生体情報は、動物、例えば乳牛の睡眠状態を表す乳牛の生体情報である。睡眠関連環境情報は、動物、例えば乳牛の寝床の環境状態を表す環境情報である。
【0082】
図16は、本発明の第3の実施形態に係る情報管理装置50の教示情報記憶部521が記憶する睡眠関連生体情報の一例を示す図である。
図16に示すように、教示情報記憶部521は、生体情報を記憶する。生体情報は、
図5に示す生体情報に代えて、または加えて
図16に示す睡眠関連生体情報が用いられる。例えば、睡眠関連生体情報は、「生体情報ID」ごとに、「測定日」と、「入眠時刻」と、「起床時刻」と、「睡眠時間」と、「睡眠時姿勢」と、「睡眠時位置情報」と、「睡眠時開眼」と、「睡眠状態」と、「睡眠時体温」とが対応付けられた情報である。
【0083】
「測定日」は、乳牛の睡眠関連生体情報を測定した日付を示す情報である。「入眠時刻」は、乳牛が入眠した時刻を示す情報である。「起床時刻」は、乳牛が起床した時刻を示す情報である。「睡眠時間」は、「入眠時刻」から「起床時刻」までの乳牛の睡眠時間を示す情報である。「睡眠時姿勢」は、乳牛の睡眠時の姿勢を示す情報である。「入眠時姿勢」には、例えば、立位、伏臥位などの乳牛の睡眠時の姿勢を表す情報が格納される。「入眠時姿勢」は、例えば、動物情報取得装置10、あるいはスマート畜舎20などのセンサやカメラによって乳牛の姿勢情報を取得する。「睡眠時位置情報」は、乳牛の睡眠時の位置情報を示す情報である。「睡眠時位置情報」は、例えば、動物情報取得装置10、あるいはスマート畜舎20などのセンサやカメラによって乳牛の睡眠時の位置情報を取得する。「睡眠時開眼」は、乳牛の睡眠時の眼の状態を示す情報である。「睡眠時開眼」には、開眼、半開眼、閉眼などの状態を表す情報が格納される。「睡眠時開眼」は、例えば、動物情報取得装置10、あるいはスマート畜舎20などのセンサやカメラによって乳牛の睡眠時の眼の状態を取得する。「睡眠状態」は、乳牛の睡眠状態を示す情報である。「睡眠状態」には、レム睡眠、ノンレム睡眠などの睡眠状態を表す情報が格納される。「睡眠状態」は、例えば、動物情報取得装置10のセンサによって乳牛の睡眠状態を取得する。「睡眠時体温」は、測定日における睡眠時の乳牛の体温(膣温)を示す情報である。
【0084】
図16に示す例では、「生体情報ID」「BM00001A」であり、「生体情報ID」に対応する「測定日」が「2017/7/1」であり、「入眠時刻」が「20:00」であり、「起床時刻」が「5:46」であり、「睡眠時間」が「9:46」であり、「入眠時姿勢」が「立位」であり、「睡眠時位置情報」が「X1」であり、「睡眠時開眼」が「半開眼」であり、「睡眠状態」が「レム睡眠」であり、「睡眠時体温」が「38.5」度である。例えば、「睡眠時位置情報」「X1」には、GPSによる位置座標、畜舎内の位置座標などの位置情報が格納される。
【0085】
なお、睡眠時位置情報は、睡眠時の乳牛の位置情報に代えて、または加えて乳牛同士の位置情報であってもよい。また、睡眠状態は、レム睡眠、ノンレム睡眠のそれぞれの時間を示す情報であってもよい。また、睡眠時体温は、睡眠時の乳牛の体表温であってもよい。
【0086】
図17は、本実施形態に係る情報管理装置50の教示情報記憶部521が記憶する睡眠関連環境情報の一例を示す図である。
図17に示すように、教示情報記憶部521は、睡眠関連環境情報を記憶する。睡眠関連環境情報は、「環境情報ID」ごとに、「測定日」と、「寝床温度」と、「気温」と、「寝床温度・気温差」と、「夜間最高気温」と、「夜間最低気温」と、「寝床湿度」と、「湿度」と、「寝床湿度・湿度差」と、「夜間最高湿度」と、「夜間最低湿度」と、「寝床風速」と、「敷料種類」と、「敷料量」と、「敷料性状」とが対応付けられた情報である。
「測定日」は、環境情報IDが示す睡眠関連環境情報を測定した日付を示す情報である。「寝床温度」は、乳牛が睡眠をとった寝床の温度を示す情報である。「寝床温度」は、例えば、スマート畜舎20におけるセンサ、サーモカメラ、温度計などによって取得する。「気温」は、睡眠関連環境情報を測定した場所の気温あるいは外気温を示す情報であり、1時から24時までの毎正時24回の観測値の平均値である日平均気温を表す。「寝床温度・気温差」は、「寝床温度」と「気温」との温度差を示す情報である。「夜間最高温度」は、測定日における日没後の最高気温を示す情報である。「夜間最低温度」は、測定日における日没後の最低気温を示す情報である。「寝床湿度」は、乳牛が睡眠をとった寝床の湿度を示す情報である。「湿度」は、畜舎内の湿度を示す情報であり、1時から24時までの毎正時24回の観測値の平均値である日平均湿度を表す。「寝床湿度・湿度差」は、「寝床湿度」と「湿度」との湿度差を示す情報である。「夜間最高湿度」は、測定日における日没後の最高湿度を示す情報である。「夜間最低湿度」は、測定日における日没後の最低湿度を示す情報である。「寝床風速」は、乳牛の寝床における風速を示す情報である。「敷料種類」は、敷料の種類を示す情報である。「敷料種類」には、農産物系、木質系、有機廃棄物系、無機系などの種類を表す情報が格納される。「敷料量」は、敷料の使用量を示す情報である。「敷料性状」は、敷料の形状、保水性、乳牛への付着性などを表す情報である。
【0087】
図17に示す例では、「環境情報ID」が「EV00001A」であり、「環境情報ID」に対応する「測定日」が「2017/7/1」であり、「寝床温度」が「23」度であり、「気温」が「25」度であり、「寝床温度・気温差」が「-2」度であり、「夜間最高温度」が「25」度であり、「夜間最低温度」が「21」度であり、「寝床湿度」が「60」%であり、「湿度」が「70」%であり、「寝床湿度・湿度差」が「-10」%であり、「夜間最高湿度」が「75」%であり、「夜間最低湿度」が「65」%であり、「寝床風速」が毎秒「0.5」mであり、「敷料種類」が「木質系」であり、「敷料量」が「25」kgであり、「敷料性状」が「X2」である。「敷料性状」「X2」には、敷料の形状、保水性、乳牛への付着性を表す情報が格納される。
【0088】
このような睡眠関連生体情報や睡眠関連環境情報などの睡眠関連情報を用いることで、乳牛の睡眠環境や、睡眠の質などによる日々の乳質への影響を把握することができる。また、日々の乳質の変化から乳牛の寝床環境を改善することもできるため、生産性を向上させることができる。
【0089】
次いで、第3の実施形態に係る情報管理装置50の構成について、
図2を参照して説明する。
【0090】
第3の実施形態に係る情報管理装置50は、通信部51と、記憶部52と、処理部53と、を含んで構成される。記憶部52は、教示情報記憶部521と、対応情報記憶部522と、取得情報記憶部523と、決定情報記憶部524と、を含んで構成される。処理部53は、教示情報取得部531と、学習部532と、取得部533と、決定部534と、出力部535と、を含んで構成される。
【0091】
教示情報記憶部521は、教示情報を記憶する。教示情報には、少なくとも乳情報と睡眠関連情報とが含まれる。教示情報には、乳情報と睡眠関連情報とに加えて飼育情報がさらに含まれていてもよい。
対応情報記憶部522は、対応情報を記憶する。対応情報は、例えば、乳情報と睡眠関連情報との対応関係の学習によって生成される学習モデルである。あるいは、対応情報は、乳情報と睡眠関連情報を含む飼育情報との対応関係の学習によって生成される学習モデルである。なお、対応情報は、学習モデルに代えて、ユーザによって生成された乳情報と、睡眠関連情報、あるいは乳情報と睡眠関連情報を含む飼育情報との対応関係を示す、
図12に示すような対応情報を用いてもよい。
取得情報記憶部523は、乳情報を記憶する。
決定情報記憶部524は、睡眠関連情報、あるいは睡眠関連情報を含む飼育情報を記憶する。
【0092】
教示情報取得部531は、教示情報を取得する。教示情報は、乳情報と、睡眠関連情報、あるいは乳情報と睡眠関連情報を含む飼育情報である。教示情報取得部531は、取得した教示情報を教示情報記憶部521に記憶させる。
学習部532は、乳情報と、睡眠関連情報との対応関係を学習した学習モデルを生成する。当該学習モデルは、乳情報を入力すると、睡眠関連情報を出力する。また、当該学習モデルは、睡眠関連情報を入力すると、乳情報を出力する。
あるいは、学習部532は、乳情報と、睡眠関連情報を含む飼育情報との対応関係を学習した学習モデルを生成する。当該学習モデルは、乳情報を入力すると、睡眠関連情報を含む飼育情報を出力する。また、当該学習モデルは、睡眠関連情報を含む飼育情報を入力すると、乳情報を出力する。
【0093】
取得部533は、通信部51を介してユーザ端末40から乳情報を取得する。取得部533は、取得した乳情報を取得情報記憶部523に記憶させる。
【0094】
決定部534は、取得情報記憶部523から乳情報を読み出すことで取得する。決定部534は、取得した乳情報を、対応情報である学習モデルに入力することで、睡眠関連情報を出力として得る。あるいは、決定部534は、取得した乳情報を、対応情報である学習モデルに入力することで、睡眠関連情報を含む飼育情報を出力として得る。決定部534は、睡眠関連情報、あるいは睡眠関連情報を含む飼育情報を、決定情報記憶部524に記憶させる。
【0095】
出力部535は、決定情報記憶部524から睡眠関連情報、あるいは睡眠関連情報を含む飼育情報を読み出し、読み出した睡眠関連情報、あるいは睡眠関連情報を含む飼育情報を、ネットワークを介してユーザ端末40に送信する。
【0096】
このように、第3の実施形態に係る情報処理システムは、動物の睡眠に関する睡眠関連情報と動物の乳に関する乳情報との対応関係を教師データとして学習した学習モデルを生成する学習部532と、乳情報を取得する取得部533と、取得部533が取得した乳情報を、学習モデルに入力することで睡眠関連情報を出力する出力部535と、を備える。
【0097】
これにより睡眠関連生体情報や睡眠関連環境情報などの睡眠関連情報を用いることで、乳牛の睡眠環境や、睡眠の質などによる日々の乳質への影響を把握することができる。また、日々の乳質の変化から乳牛の寝床環境を改善することもできるため、生産性を向上させることができる。さらに、乳牛の日々の乳質の変化に応じた睡眠関連情報を出力することができるため、乳質を改善するための日々の乳牛の寝床環境を整えることができる。
【0098】
なお、第3の実施形態における睡眠関連情報、あるいは睡眠関連情報を含む飼育情報を学習モデルに入力することで、乳情報を出力するように構成してもよい。
この場合、第3の実施形態で説明した内容を第2の実施形態に適用すればよい。
【0099】
(第4の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第4の実施形態について説明する。
第4の実施形態では、第1の実施形態における飼育情報に代えて、または加えて、放牧関連情報を用いる場合について説明する。
具体的には、処理部53が取得情報として乳情報を取得し、取得した乳情報と対応情報とに基づいて放牧関連情報を出力する場合の処理について説明する。
第4の実施形態では、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0100】
放牧関連情報は、放牧関連生体情報と、放牧関連環境情報とを含む情報である。放牧関連生体情報は、動物、例えば乳牛の放牧時状態を表す乳牛の生体情報である。放牧関連環境情報は、動物、例えば乳牛の放牧地の環境状態を表す環境情報である。
【0101】
図18は、本発明の第4の実施形態に係る情報管理装置50の教示情報記憶部521が記憶する放牧関連生体情報の一例を示す図である。
図18に示すように、教示情報記憶部521は、放牧関連生体情報を記憶する。放牧関連生体情報は、
図5に示す生体情報に代えて、または加えて
図18に示す放牧関連生体情報が用いられる。例えば、放牧関連生体情報は、「生体情報ID」ごとに、「測定日」と、「歩数」と、「歩行時間」と、「運動量」と、「運動時間」と、「放牧時間帯」と、「エリアごとの滞在時間」と、「畜舎出入り回数」と、「動物接触」と、「動物接触時間」と、「他動物接触」と、「他動物接触時間」とが対応付けられた情報である。
【0102】
「測定日」は、乳牛の放牧関連生体情報を測定した日付を示す情報である。「歩数」は、乳牛が歩行した歩数を示す情報である。「歩行時間」は、乳牛が歩行した総時間を示す情報である。「運動量」は、乳牛の運動量を示す情報である。「運動時間」は、乳牛の運動した総時間を示す情報である。「放牧時間帯」は、乳牛が放牧された時間帯を示す情報である。「エリアごとの滞在時間」は、乳牛が放牧された放牧エリアおよび放牧エリアに滞在した時間を示す情報である。「畜舎出入り回数」は、乳牛が放牧地と畜舎とを出入りした回数を示す情報である。「動物接触」は、同種の動物、例えば、乳牛が他の乳牛との接触の有無、あるいは動物との接触回数を示す情報である。ここで、「動物接触時間」は、同種の動物、例えば、乳牛が他の乳牛と接触していた総時間を示す情報である。「他動物接触」は、同種の動物以外、例えば、乳牛が乳牛以外の人、犬、他の家畜などとの接触の有無、あるいは他動物との接触回数を示す情報である。「他動物接触時間」は、他の動物と接触していた総時間を示す情報である。ここで、「接触」とは、動物同士が近づき、動物間の距離が特定の閾値以下となることを表す。
【0103】
図18に示す例では、「生体情報ID」「BM00001A」であり、「生体情報ID」に対応する「測定日」が「2017/7/1」であり、「歩数」が「Y0」であり、「歩行時間」が「Y1」であり、「運動量」が「Y2」であり、「運動時間」が「Y3」であり、「放牧時間帯」が「Y4」であり、「エリアごとの滞在時間」が「Y5」であり、「畜舎出入り回数」が「2」回であり、「動物接触」が「あり」であり、「動物接触時間」が「4」時間であり、「他動物接触」が「Y6」であり、「他動物接触時間」が「2」時間である。例えば、「歩数」「Y0」には、歩数を表す数値が格納される。「歩行時間」「Y1」には、歩行時間を表す数値が格納される。「運動量」「Y2」、「運動時間」「Y3」には、運動量及び運動時間を表す数値がそれぞれ格納される。「放牧時間帯」「Y4」には、例えば、10時から12時のように、所定時間幅で表される時間帯を表す数値が格納される。「エリアごとの滞在時間」「Y5」には、例えば、エリアA,2時間などのように、エリアを識別する情報と、当該エリアに乳牛が滞在した時間を表す情報が格納される。「他動物接触」「Y6」には、あり、または、なしを表す情報が格納される。
【0104】
図19は、本実施形態に係る情報管理装置50の教示情報記憶部521が記憶する放牧関連環境情報の一例を示す図である。
図19に示すように、教示情報記憶部521は、放牧関連環境情報を記憶する。放牧関連環境情報は、「環境情報ID」ごとに、「測定日」と、「天気」と、「気温」と、「最高気温」と、「最低気温」と、「寒暖気温差」と、「湿度」と、「最高湿度」と、「最低湿度」と、「風速」と、「最高風速」と、「最低風速」と、「気圧」と、「最高気圧」と、「最低気圧」と、「降雨量」と、「日照時間」と、「放牧エリア」とが対応付けられた情報である。
「測定日」は、環境情報IDが示す放牧関連環境情報を測定した日付を示す情報である。「天気」は、測定日における天気を示す情報である。「天気」には、晴、曇り、雨などの天候情報が格納される。「気温」は、測定日における放牧地の気温を示す情報であり、1時から24時までの毎正時24回の観測値の平均値である日平均気温を表す。「最高気温」は、測定日における最高気温を示す情報である。「最低気温」は、測定日における最低気温を示す情報である。「寒暖気温差」は、「最高気温」と「最低気温」との気温差を示す情報である。「湿度」は、放牧地の湿度を示す情報であり、1時から24時までの毎正時24回の観測値の平均値である日平均湿度を表す。「最高湿度」は、測定日における最高湿度を示す情報である。「最低湿度」は、測定日における最低湿度を示す情報である。「風速」は、放牧地の風速を示す情報であり、1時から24時までの毎正時24回の観測値の平均値である日平均風速を表す。「最高風速」は、測定日における放牧地の最高風速を示す情報である。「最低風速」は、測定日における放牧地の最低風速を示す情報である。「気圧」は、放牧地の気圧を示す情報であり、1時から24時までの毎正時24回の観測値の平均値である日平均気圧を表す。「最高気圧」は、測定日における放牧地の最高気圧を示す情報である。「最低気圧」は、測定日における放牧地の最低気圧を示す情報である。「降雨量」は、降雨量、降雪量、積雪量などを示す情報が格納される。「日照時間」は、放牧地の日照時間を示す情報が格納される。「放牧エリア」は、乳牛が放牧された放牧地のエリアを示す情報である。
【0105】
図19に示す例では、「環境情報ID」が「EV00001A」であり、「環境情報ID」に対応する「測定日」が「2017/7/1」であり、「気温」が「25」度であり、「最高気温」が「29」度であり、「最低気温」が「22」度であり、「寒暖気温差」が「7」度であり、「湿度」が「70」%であり、「最高湿度」が「75」%であり、「最低湿度」が「60」%であり、「風速」が毎秒「1.2」mであり、「最高風速」が毎秒「2.0」mであり、「最低風速」が毎秒「1.0」mであり、「気圧」が「1056」hPaであり、「最高気圧」が「1065」hPaであり、「最低気圧」が「1045」hPaであり、「降雨量」が「0」mmであり、「日照時間」が「12」時間であり、「放牧エリア」が「エリアA」である。
【0106】
図20は、本実施形態に係る教示情報記憶部521が記憶する放牧地情報の一例を示す図である。
図示するように、教示情報記憶部521は、放牧地情報を記憶する。放牧地情報は、放牧地のエリアごとの牧草の種類や牧草の生育状態を表す情報や、放牧地のエリアごとの物理的特徴情報である。物理的特徴情報は、傾斜の有無や水はけのよさを示す情報である。
【0107】
放牧地情報は、「放牧エリア」ごとに、「牧草種類」と、「牧草生育」と、「傾斜」と、「水はけ」と、が対応付けられた情報である。「放牧エリア」は、
図19に示す放牧エリアと対応する放牧エリアを識別するための情報である。「牧草情報」は、放牧エリアに生育する牧草の種類を示す情報である。「牧草生育」は、放牧エリアの牧草の生育状態を示す情報である。「傾斜」は、放牧エリアの傾斜の有無、あるいは地形を示す情報である。「水はけ」は、放牧エリアの水はけの良し悪しや、水はけ度合いを示す情報である。
【0108】
図示する例では、「放牧エリア」が「A」であり、「牧草種類」が「Y7」であり、「牧草生育」が「Y8」であり、「傾斜」が「Y9」であり、「水はけ」が「Y10」である。「牧草種類」「Y7」には、例えば、イタリアンライグラス、オーチャードグラス、ギニアグラスなどの牧草の草種を示す情報が格納される。「牧草生育」「Y8」には、例えば、どの程度に牧草が生育しているか表す情報が格納される。「傾斜」「Y9」には、例えば、傾斜の有無を表す情報などが格納される。「水はけ」「Y10」には、例えば、良、不良などを表す情報などが格納される。
【0109】
このような放牧関連生体情報や放牧関連環境情報などの放牧関連情報を用いることで、乳牛の放牧環境や、運動量などによる日々の乳質への影響を把握することができる。また、日々の乳質の変化から乳牛の放牧エリアを変更したりすることもできるため、生産性を向上させることができる。さらに、放牧エリアごとに牧草種が異なる場合には、日々の乳質に応じて放牧地を変更することで所望の乳質に改善することができるため、生産性を向上させることができる。
【0110】
次いで、第4の実施形態に係る情報管理装置50の構成について、
図2を参照して説明する。
【0111】
第4の実施形態に係る情報管理装置50は、通信部51と、記憶部52と、処理部53と、を含んで構成される。記憶部52は、教示情報記憶部521と、対応情報記憶部522と、取得情報記憶部523と、決定情報記憶部524と、を含んで構成される。処理部53は、教示情報取得部531と、学習部532と、取得部533と、決定部534と、出力部535と、を含んで構成される。
【0112】
教示情報記憶部521は、教示情報を記憶する。教示情報には、少なくとも乳情報と放牧関連情報とが含まれる。教示情報には、乳情報と放牧関連情報とに加えて飼育情報がさらに含まれていてもよい。
対応情報記憶部522は、対応情報を記憶する。対応情報は、例えば、乳情報と放牧関連情報との対応関係の学習によって生成される学習モデルである。あるいは、対応情報は、乳情報と放牧関連情報を含む飼育情報との対応関係の学習によって生成される学習モデルである。なお、対応情報は、学習モデルに代えて、ユーザによって生成された乳情報と、放牧関連情報、あるいは乳情報と放牧関連情報を含む飼育情報との対応関係を示す、
図12に示すような対応情報を用いてもよい。
取得情報記憶部523は、乳情報を記憶する。
決定情報記憶部524は、放牧関連情報、あるいは放牧関連情報を含む飼育情報を記憶する。
【0113】
教示情報取得部531は、教示情報を取得する。教示情報は、乳情報と、放牧関連情報、あるいは乳情報と放牧関連情報を含む飼育情報である。教示情報取得部531は、取得した教示情報を教示情報記憶部521に記憶させる。
学習部532は、乳情報と、放牧関連情報との対応関係を学習した学習モデルを生成する。当該学習モデルは、乳情報を入力すると、放牧関連情報を出力する。また、当該学習モデルは、放牧関連情報を入力すると、乳情報を出力する。
あるいは、学習部532は、乳情報と、放牧関連情報を含む飼育情報との対応関係を学習した学習モデルを生成する。当該学習モデルは、乳情報を入力すると、放牧関連情報を含む飼育情報を出力する。また、当該学習モデルは、放牧関連情報を含む飼育情報を入力すると、乳情報を出力する。
【0114】
取得部533は、通信部51を介してユーザ端末40から乳情報を取得する。取得部533は、取得した乳情報を取得情報記憶部523に記憶させる。
【0115】
決定部534は、取得情報記憶部523から乳情報を読み出すことで取得する。決定部534は、取得した乳情報を、対応情報である学習モデルに入力することで、放牧関連情報を出力として得る。あるいは、決定部534は、取得した乳情報を、対応情報である学習モデルに入力することで、放牧関連情報を含む飼育情報を出力として得る。決定部534は、放牧関連情報、あるいは放牧関連情報を含む飼育情報を、決定情報記憶部524に記憶させる。
【0116】
出力部535は、決定情報記憶部524から放牧関連情報、あるいは放牧関連情報を含む飼育情報を読み出し、読み出した放牧関連情報、あるいは放牧関連情報を含む飼育情報を、ネットワークを介してユーザ端末40に送信する。
【0117】
このように、第4の実施形態に係る情報処理システムは、動物の放牧に関する放牧関連情報と動物の乳に関する乳情報との対応関係を教師データとして学習した学習モデルを生成する学習部532と、乳情報を取得する取得部533と、取得部533が取得した乳情報を、学習モデルに入力することで放牧関連情報を出力する出力部535と、を備える。
【0118】
これにより放牧関連生体情報や放牧関連環境情報などの放牧関連情報を用いることで、乳牛の放牧環境や、運動量などによる日々の乳質への影響を把握することができる。また、日々の乳質の変化から乳牛の放牧エリアを変更したりすることもできるため、生産性を向上させることができる。さらに、放牧エリアごとに牧草種が異なる場合には、日々の乳質に応じて放牧地を変更することで所望の乳質に改善することができるため、生産性を向上させることができる。
【0119】
なお、第4の実施形態における放牧関連情報、あるいは放牧関連情報を含む飼育情報を学習モデルに入力することで、乳情報を出力するように構成してもよい。
この場合、第4の実施形態で説明した内容を第2の実施形態に適用すればよい。
【0120】
なお、上述した各実施形態において、給餌情報は、上記説明した各種情報に加えて有機飼料の有無を示す情報や、餌の水分量を示す情報を含めてもよい。このようにすることで、乳質や、乳牛の生体情報に応じて飼料の種類配合を調整することができる。また、生体情報は、上記説明した各種情報に加えて乳牛のストレスの有無を示す情報、血液情報、尿情報、腸内細菌情報を含めてもよい。血液情報は、血液の成分分析情報であればよい。尿情報は、尿の成分分析情報であればよい。腸内細菌情報は、腸内細菌種や腸内細菌量を示す情報であればよい。このようにすることで、乳質に応じて乳牛の生体状態を調整することができるため、所望の乳質に改善するための調整を行うことができる。そのため、生産性を向上させることができる。
【0121】
なお、上述した各実施形態においては、ユーザ端末40が給餌情報や、削蹄に関する情報を入力部から受け入れ、受け入れた情報を、ネットワークNWを介して、情報管理装置50に送信する例について説明したが、給餌情報や削蹄に関する情報の取得はこれには限られない。例えば、自動給餌装置がスマート畜舎20内に設置され、自動給餌装置が給餌情報を取得してもよい。この場合、自動給餌装置は、例えば、通信部と給餌部とを備える。通信部は、給餌部から給餌する際に給餌する乳牛につけられたRFIDタグと通信し、給餌する乳牛の識別情報を取得する。給餌部は、通信部が取得した乳牛の識別情報に基づいて、予め決められた乳牛の餌を給餌する。通信部は、乳牛の識別情報と給餌した餌に関する給餌情報との組み合わせた情報を、ネットワークNWを介して、情報管理装置50に送信する。
【0122】
また、例えば、削蹄装置がスマート畜舎20内に設置され、削蹄装置を用いて削蹄を行う際に、削蹄に関する情報を取得されてもよい。この場合、削蹄装置は、削蹄を行った乳牛の識別情報を取得し、識別情報と削蹄に関する情報とを組み合わせた情報を、ネットワークNWを介して、情報管理装置50に送信する。
【0123】
なお、上述した各実施形態では、給餌情報や教示情報に含まれる飼料の情報は、給餌した飼料の投与量を示す例を説明したが、これには限られない。例えば、残余量を示す情報、摂餌量を示す情報などであってもよいし、これらの組み合わせであってもよい。
【0124】
また、上述した各実施形態においては、情報管理装置50は、教示情報を用いて対応関係を学習する学習部532と対応情報を用いて飼育情報または乳情報に対応する乳情報又は飼育情報を決定する決定部534を備えていたが、これには限られない。例えば、情報管理装置50のうち、学習を行う学習装置と、対応情報に基づいて飼育情報又は乳情報を出力する予測装置が個別のものであってもよい。また、予測装置はユーザ端末40と同一のものであってもよい。また、情報管理装置50や学習装置などが、スマート畜舎20に含まれてもよい。
【0125】
なお、上述した各実施形態における情報管理装置50の一部、例えば、処理部53などをコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、情報管理装置50に内蔵されたコンピュータシステムであって、OS(Operating System)や周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0126】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【0127】
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【符号の説明】
【0128】
1、1a・・・情報処理システム
10・・・動物情報取得装置
20・・・スマート畜舎
30・・・乳情報取得装置
40・・・ユーザ端末
50、50a・・・情報管理装置
51・・・通信部
52、52a・・・記憶部
521・・・教示情報記憶部
522・・・対応情報記憶部
523、523a・・・取得情報記憶部
524、524a・・・決定情報記憶部
53、53a・・・処理部
531・・・教示情報取得部
532・・・学習部
533、533a・・・取得部
534、534a・・・決定部
535、535a・・・出力部
NW・・・ネットワーク