(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024014335
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】仕分け機システム、仕分け方法、およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/137 20060101AFI20240125BHJP
【FI】
B65G1/137 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022117081
(22)【出願日】2022-07-22
(71)【出願人】
【識別番号】000003609
【氏名又は名称】株式会社豊田中央研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100160691
【弁理士】
【氏名又は名称】田邊 淳也
(74)【代理人】
【識別番号】100157277
【弁理士】
【氏名又は名称】板倉 幸恵
(74)【代理人】
【識別番号】100182718
【弁理士】
【氏名又は名称】木崎 誠司
(72)【発明者】
【氏名】宇都野 正史
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 知弘
(72)【発明者】
【氏名】柳澤 秀生
(72)【発明者】
【氏名】小原 生光
(72)【発明者】
【氏名】若林 昭徳
(72)【発明者】
【氏名】橋本 賢司
【テーマコード(参考)】
3F522
【Fターム(参考)】
3F522BB24
3F522BB29
3F522CC03
3F522CC05
3F522CC06
3F522DD04
3F522DD22
3F522DD23
3F522DD34
3F522GG13
3F522GG25
3F522GG45
3F522GG48
3F522HH02
3F522HH05
3F522LL02
3F522LL55
3F522LL57
(57)【要約】
【課題】仕分け機へのコンテナの入出庫よりも後に行われる後工程も含めて出庫順を適正化する。
【解決手段】仕分け機システムは、行き先が異なる複数のコンテナがそれぞれ入庫すると共に、入庫したコンテナを行き先別に並べ替えてそれぞれ出庫する仕分け機と、コンテナの出庫順ごとに仕分け機内における各コンテナの入庫位置が定められた入庫位置情報と、仕分け機よりコンテナが出庫された後から行き先への輸送が完了するまでの工程である後工程に関する情報と、を取得する取得部と、入庫位置情報と後工程に関する情報とを用いて、後工程が終了するまでの時間が短くなるように、仕分け機に入庫する一連のコンテナの出庫順をそれぞれ決定する出庫順決定部と、入庫位置情報において、決定された出庫順に対応付けられている入庫位置を取得して、前記一連のコンテナの入庫位置をそれぞれ決定する入庫位置決定部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仕分け機システムであって、
行き先が異なる複数のコンテナがそれぞれ入庫すると共に、入庫したコンテナを前記行き先別に並べ替えてそれぞれ出庫する仕分け機と、
コンテナの出庫順ごとに前記仕分け機内における各コンテナの入庫位置が定められた入庫位置情報と、前記仕分け機よりコンテナが出庫された後から前記行き先への輸送が完了するまでの工程である後工程に関する情報と、を取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記入庫位置情報と前記後工程に関する情報とを用いて、前記後工程が終了するまでの時間が短くなるように、前記仕分け機に入庫する一連のコンテナの出庫順をそれぞれ決定する出庫順決定部と、
前記入庫位置情報において、前記出庫順決定部により決定された出庫順に対応付けられている前記入庫位置を取得することで、前記一連のコンテナの入庫位置をそれぞれ決定する入庫位置決定部と、
を備える、仕分け機システム。
【請求項2】
請求項1に記載の仕分け機システムであって、
前記出庫順決定部は、前記後工程が終了するまでの時間を作業指標とする目的関数を最小化または最大化することにより、前記一連のコンテナの出庫順をそれぞれ決定する、仕分け機システム。
【請求項3】
請求項2に記載の仕分け機システムであって、
前記後工程は、
前記仕分け機より出庫されたコンテナを輸送機に積荷する積荷作業と、
前記仕分け機より出庫された各コンテナの検品作業と、
前記仕分け機より出庫された各コンテナの梱包作業と、
前記仕分け機より出庫されたコンテナを更に仕分ける仕分け作業と、
の少なくとも1つを含む、仕分け機システム。
【請求項4】
請求項3に記載の仕分け機システムであって、
前記目的関数は、
前記積荷作業を行う作業者のコンテナ待ち時間と、
前記作業者の人数と、
前記積荷作業のための積荷スペースの位置または大きさと、
前記輸送機の発車時刻と、
前記輸送機の停車時間と、
の少なくとも1つをパラメータとして含む、仕分け機システム。
【請求項5】
請求項4に記載の仕分け機システムであって、
前記出庫順決定部は、前記目的関数に対して遺伝的アルゴリズムを用いることにより前記一連のコンテナの出庫順をそれぞれ決定する、仕分け機システム。
【請求項6】
請求項5に記載の仕分け機システムであって、さらに、
前記仕分け機から出庫されるコンテナの出庫時刻を予測する予測部を備え、
前記出庫順決定部は、予測されたコンテナの前記出庫時刻を用いて前記後工程にコンテナが到着する時間の間隔を算出し、全コンテナに対して行われる前記後工程が終了するまでの時間が短くなるように、算出された前記間隔を用いて前記一連のコンテナの出庫順をそれぞれ決定する、仕分け機システム。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の仕分け機システムであって、さらに、
前記仕分け機から出庫されたコンテナを、前記行き先に応じて、前記後工程が行われる別々の場所へと送るために分岐しているコンベアを備える、仕分け機システム。
【請求項8】
請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の仕分け機システムであって、さらに、
前記仕分け機から出庫されたコンテナの前記後工程においてコンテナに待ちが発生している場合に、前記仕分け機から出庫されたコンテナを前記仕分け機の出口から前記仕分け機内へと周回させるコンベアを備える、仕分け機システム。
【請求項9】
仕分け方法であって、コンピュータが、
行き先が異なる複数のコンテナがそれぞれ入庫すると共に、入庫したコンテナを前記行き先別に並べ替えてそれぞれ出庫する仕分け機内において、コンテナの出庫順ごとに各コンテナの入庫位置が定められた入庫位置情報と、前記仕分け機よりコンテナが出庫された後から前記行き先への輸送が完了するまでの工程である後工程に関する情報と、を取得する取得工程と、
取得された前記入庫位置情報と前記後工程に関する情報とを用いて、前記後工程が終了するまでの時間が短くなるように、前記仕分け機に入庫する一連のコンテナの出庫順をそれぞれ決定する出庫順決定工程と、
前記入庫位置情報において、前記出庫順決定工程により決定された出庫順に対応付けられている前記入庫位置を取得することで、前記一連のコンテナの入庫位置をそれぞれ決定する入庫位置決定工程と、
を実行する、仕分け方法。
【請求項10】
コンピュータプログラムであって、
行き先が異なる複数のコンテナがそれぞれ入庫すると共に、入庫したコンテナを前記行き先別に並べ替えてそれぞれ出庫する仕分け機内において、コンテナの出庫順ごとに各コンテナの入庫位置が定められた入庫位置情報と、前記仕分け機よりコンテナが出庫された後から前記行き先への輸送が完了するまでの工程である後工程に関する情報と、を取得する取得機能と、
取得された前記入庫位置情報と前記後工程に関する情報とを用いて、前記後工程が終了するまでの時間が短くなるように、前記仕分け機に入庫する一連のコンテナの出庫順をそれぞれ決定する出庫順決定機能と、
前記入庫位置情報において、前記出庫順決定機能により決定された出庫順に対応付けられている前記入庫位置を取得することで、前記一連のコンテナの入庫位置をそれぞれ決定する入庫位置決定機能と、
をコンピュータに実行させる、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仕分け機システム、仕分け方法、およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のコンテナが入庫する仕分け機からコンテナを出庫する際に、出庫順を最適化する技術が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。特許文献1に記載されたロータリラックでは、回転型の保管棚に入庫されたコンテナの位置が確認されて、出庫時のコンテナの移動距離が短くなるように、回転方向が決められて各コンテナが出庫される。
【0003】
特許文献2には、複数のシューターにより行き先の異なるコンテナを出荷場へ運ぶ場合に、1つのシューターが振り分けるコンテナ数が偏らない仕分け方法が記載されている。この仕分け方法では、各シューターへのコンテナの振り分けが均等になるように切り出し単位が決められて、行き先毎にコンテナが並べられて出荷される。特許文献3には、ロット毎にまとめられた板状物品の置場管理方法について記載されている。この管理方法は、ロットの入庫計画および出庫計画の情報を用いてロット毎の出庫の優先度を設け、ロットの出荷の際の配置替え作業を少なくするように、ロット毎の配置場所を管理する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-051391号公報
【特許文献2】特開2008-150191号公報
【特許文献3】特許2004-075278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1,2に記載された技術では、ランダムに仕分け機に入庫するコンテナを、仕分け機から出庫するまでの出庫順を最適化している。そのため、出庫されたコンテナを目的の行き先まで輸送する等の仕分け機の出庫から後の作業(例えば、作業者によるコンテナの積荷作業)について考慮されていない。そのため、仕分け機へのコンテナの入庫から出庫までの最適化に加えて、後工程も考慮した出庫順の最適化が望まれていた。特許文献3に記載された管理方法では、予めロットの入庫計画を取得できることが前提になっており、ロットがランダムで入庫する際の出庫順の最適化について考慮されていない。
【0006】
本発明は、上述した課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、仕分け機へのコンテナの入出庫よりも後に行われる後工程も含めて出庫順を適正化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述した課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現できる。
【0008】
(1)本発明の一形態によれば、仕分け機システムが提供される。この仕分け機システムは、行き先が異なる複数のコンテナがそれぞれ入庫すると共に、入庫したコンテナを前記行き先別に並べ替えてそれぞれ出庫する仕分け機と、コンテナの出庫順ごとに前記仕分け機内における各コンテナの入庫位置が定められた入庫位置情報と、前記仕分け機よりコンテナが出庫された後から前記行き先への輸送が完了するまでの工程である後工程に関する情報と、を取得する取得部と、前記取得部により取得された前記入庫位置情報と前記後工程に関する情報とを用いて、前記後工程が終了するまでの時間が短くなるように、前記仕分け機に入庫する一連のコンテナの出庫順をそれぞれ決定する出庫順決定部と、前記入庫位置情報において、前記出庫順決定部により決定された出庫順に対応付けられている前記入庫位置を取得することで、前記一連のコンテナの入庫位置をそれぞれ決定する入庫位置決定部と、を備える。
【0009】
この構成によれば、仕分け機システムに出庫順に関係なくバラバラで入庫する一連のコンテナは、取得部により取得された入庫位置情報において、出庫順決定部により決定されるそれぞれの出庫順に対応付けられた入庫位置に入庫する。仕分け機に入庫したコンテナが出庫される出庫順は、出庫後のコンテナに対して行われる後工程を考慮して決定される。そのため、本構成では、後工程を考慮せずに出庫順が決定される場合と比較して、後工程が完了するまでの時間やコストなどを抑制できる。すなわち、本構成は、仕分け機へのコンテナの入出庫よりも後に行われる後工程も含めて一連のコンテナの出庫順を適正化できる。
【0010】
(2)上記態様の仕分け機システムにおいて、前記出庫順決定部は、前記後工程が終了するまでの時間を作業指標とする目的関数を最小化または最大化することにより、前記一連のコンテナの出庫順をそれぞれ決定してもよい。
この構成によれば、目的関数を最小化する又は最大化することにより、後工程が終了するまでの時間が短くなるコンテナの出庫順をそれぞれ決定できる。
【0011】
(3)上記態様の仕分け機システムにおいて、前記後工程は、前記仕分け機より出庫されたコンテナを輸送機に積荷する積荷作業と、前記仕分け機より出庫された各コンテナの検品作業と、前記仕分け機より出庫された各コンテナの梱包作業と、前記仕分け機より出庫されたコンテナを更に仕分ける仕分け作業と、の少なくとも1つを含んでいてもよい。
この構成によれば、積荷作業と、検品作業と、梱包作業と、仕分け機からの出庫後に行われる仕分け作業との少なくとも1つの作業が適正化されたコンテナの出庫順をそれぞれ決定できる。
【0012】
(4)上記態様の仕分け機システムにおいて、前記目的関数は、前記積荷作業を行う作業者のコンテナ待ち時間と、前記作業者の人数と、前記積荷作業のための積荷スペースの位置または大きさと、前記輸送機の発車時刻と、前記輸送機の停車時間と、の少なくとも1つをパラメータとして含んでいてもよい。
この構成によれば、目的関数のパラメータに含まれている作業者のコンテナ待ち時間と、作業者の人数と、積荷スペースの位置または大きさと、輸送機の発車時刻と、輸送機の停車時間との少なくとも1つが適正化されたコンテナの出庫順をそれぞれ決定できる。
【0013】
(5)上記態様の仕分け機システムにおいて、前記出庫順決定部は、前記目的関数に対して遺伝的アルゴリズムを用いることにより前記一連のコンテナの出庫順をそれぞれ決定してもよい。
この構成によれば、目的関数に対して遺伝的アルゴリズムを用いることにより、効率的に最適化されたコンテナの出庫順をそれぞれ決定できる。
【0014】
(6)上記態様の仕分け機システムにおいて、さらに、前記仕分け機から出庫されるコンテナの出庫時刻を予測する予測部を備え、前記出庫順決定部は、予測されたコンテナの前記出庫時刻を用いて前記後工程にコンテナが到着する時間の間隔を算出し、全コンテナに対して行われる前記後工程が終了するまでの時間が短くなるように、算出された前記間隔を用いて各コンテナの前記一連のコンテナの出庫順をそれぞれ決定していてもよい。
この構成によれば、予測部により予測されたコンテナの出庫時間から算出されたコンテナが到着する時間の間隔が算出される。算出された時間の間隔が用いられてコンテナの出庫順がそれぞれ決定される。これにより、本構成では、作業者の作業対象であるコンテナが仕分け機から出庫されるまでの待ち時間を短縮できる。この結果、全コンテナに対する後工程が終了するまでの時間を短縮できる。
【0015】
(7)上記態様の仕分け機システムにおいて、さらに、前記仕分け機から出庫されたコンテナを、前記行き先に応じて、前記後工程が行われる別々の場所へと送るために分岐しているコンベアを備えていてもよい。
この構成によれば、行き先別に応じて、後工程が行われる異なる場所へと各コンテナをコンベアで自動的に送ることができる。
【0016】
(8)上記態様の仕分け機システムにおいて、さらに、前記仕分け機から出庫されたコンテナの前記後工程においてコンテナに待ちが発生している場合に、前記仕分け機から出庫されたコンテナを前記仕分け機の出口から前記仕分け機内へと周回させるコンベアを備えていてもよい。
この構成によれば、後工程において待ちが発生しているコンテナを周回させることにより、周回したコンテナの後から流れてくる行き先が異なるコンテナを先に送る。これにより、本構成では、先に送られたコンテナに対して待ちを発生させずに後工程を行うことができる。すなわち、本構成は、待ちが発生しているコンテナを周回させることにより、待ちが発生しないコンテナに対して、効率的に後工程を行わせることができる。
【0017】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、仕分け機、仕分け機システム、入出庫システム、これら装置及びシステムの制御方法、仕分け方法、入出庫方法、これら装置及び方法において実行されるコンピュータプログラム、このコンピュータプログラムを配布するためのサーバ装置、コンピュータプログラムを記憶した一時的でない記憶媒体等の形態で実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施形態としての仕分け機システムの概略ブロック図である。
【
図4】仕分け機システムを用いた仕分け方法のフローチャートである。
【
図8】作業者の総手待ち時間の時間推移の説明図である。
【
図9】実施例1の作業待ちコンテナ数の最大値の説明図である。
【
図10】比較例1の作業待ちコンテナ数の最大値の説明図である。
【
図11】比較例2の作業待ちコンテナ数の最大値の説明図である。
【
図13】実施例2の作業残存時間関数の説明図である。
【
図14】変形例の仕分け方法のフローチャートである。
【
図15】変形例の仕分け機システムの概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<第1実施形態>
図1は、本発明の実施形態としての仕分け機システム400の概略ブロック図である。本実施形態の仕分け機システム400は、例えば物流拠点の配送センターに設置されて、行き先が異なる複数のコンテナCTの入庫および出庫を行う。仕分け機システム400は、入庫する行き先が異なる複数のコンテナのそれぞれを、仕分け機100内の所定の入庫位置に入庫して並べ替えて出庫する。仕分け機システム400は、全コンテナCTの入庫から、仕分け機100から出庫された後工程としてのトラックへの積荷作業が完了するまでの合計の時間が短くなるように、仕分け機100内に入庫する一連のコンテナCTの出庫順をそれぞれ決定する。すなわち、本実施形態の仕分け機システム400では、仕分け機100へのコンテナCTの入出庫よりも後に行われる後工程も含めて出庫順が適正化される。
【0020】
図1に示されるように、本実施形態の仕分け機システム400は、行き先が異なる複数のコンテナCTがそれぞれ入出庫する仕分け機100と、仕分け機100の各部を制御する制御装置200と、後述する後工程コンベア300(不図示)と、を備えている。
図1に示される複数のコンテナCTには、ハッチングが施されたコンテナCTと、ハッチングが施されていないコンテナCTとが含まれている。本実施形態におけるコンテナCTに施されたハッチングの有無およびハッチングの種類は、コンテナCTの行き先により区別されている。例えば、同じハッチングが施されたコンテナCTは、同じ行き先に輸送される。
【0021】
本実施形態の仕分け機100は、4階の保管棚40a~40dを有する立体倉庫である。仕分け機100は、入庫したコンテナCTを行き先別に並べ替えてそれぞれ出庫する。仕分け機100は、仕分け機100に入庫したコンテナCTを識別する識別部70と、入庫する複数のコンテナCTを運搬する入庫側コンベア10と、入庫側昇降機20と、分岐装置30と、4つの階に分けられた保管棚40a~40dと、出庫側昇降機50と、出庫側コンベア60と、を備えている。
【0022】
識別部70は、各コンテナCTに貼られているバーコードを読み取る。識別部70は、各コンテナCTに貼られているバーコードから、各コンテナに対応付けられている品番を識別できる。後述する制御装置200は、各コンテナCTが仕分け機100内で保管される入庫位置としての保管棚40a~40dの階数を決定する。
【0023】
入庫側昇降機20は、4つの階を行き来して各コンテナCTを保管棚40a~40dのいずれかに運搬する。入庫側昇降機20と、出庫側昇降機50とのそれぞれは、1階から4階まで行き来する2つの昇降ボックスを備えている。制御装置200の制御により、2つの昇降ボックスが上下方向に別々に動作して、当該動作が組み合わされることにより、目的の保管棚40a~40dの各階にコンテナCTを効率的に運搬する。分岐装置30は、入庫側昇降機20から運搬されたコンテナCTを二手に仕分けする。
【0024】
本実施形態の保管棚40a~40dのそれぞれは、同一の構造を有する。そのため、保管棚40dについて説明し、他の保管棚40a~40cについての説明を省略する。保管棚40dは、分岐装置30から出庫側昇降機50へとコンテナCTを運搬するコンベア41dと、コンベア41dの運搬方向に沿って両側に形成された右棚42dおよび左棚43dと、プッシャ44dと、を備えている。右棚42dおよび左棚43dには、分岐装置30により仕分けられたコンテナCTが保管される。右棚42dと左棚43dとのそれぞれには、実線で区画された複数のコンベアにより構成されている。後述する制御装置200によりそれぞれのコンベアの駆動が制御され、右棚42dおよび左棚43dに仕分けられた各コンテナCTは、出庫側昇降機50側から詰めて保管される。
【0025】
コンベア41dは、載置されたコンテナCTを出庫側昇降機50へと運搬する。プッシャ44dは、右棚42dまたは左棚43dに保管されているコンテナCTのうち、指定されたコンテナCTをコンベア41d側へと押し出す。なお、
図1では、右棚42dに保管されたコンテナCTを押し出すプッシャ44dのみが図示され、左棚43dに保管されたコンテナCTを押し出すプッシャの図示が省略されている。
【0026】
図2は、制御装置200の概略ブロック図である。制御装置200は、操作部230が受け付けたユーザの操作と、仕分け機100の識別部70により識別されたコンテナCTのバーコードとを用いて、各種処理を行うパーソナルコンピュータ(Personal Computer)である。制御装置200は、
図2に示されるように、CPU(Central Processing Unit)210と、各種データを記憶する記憶部220と、操作部230と、各種出力を行う出力部240と、を備えている。操作部230は、キーボードおよびマウスで構成されている。出力部240は、画像を表示するモニタおよび音声を出力するスピーカから構成されている。
【0027】
記憶部220は、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)などで構成されている。記憶部220は、出庫計画データベース(出庫計画DB)221と、入庫位置テーブルデータベース(入庫位置テーブルDB)222と、昇降機最適化データベース(昇降機最適化DB)223と、後工程情報データベース(後工程情報DB)224と、目的関数データベース(目的関数DB)225と、出庫順データベース(出庫順DB)226と、を備えている。
【0028】
出庫計画DB221は、各コンテナCTの品番と、行き先と、仕分け機100から出庫される出庫順とを対応付けた出庫計画を記憶している。出庫計画に含まれるコンテナCTの出庫順は、後述する出庫順決定部215が行う処理によって変化した出庫順がフィードバックされている。入庫位置テーブルDB222は、仕分け機100から出庫される全コンテナCTの出庫に要する合計の時間が短くなるように、コンテナCTごとの出庫順と、仕分け機100内における各コンテナCTの入庫位置とが最適化されて定められた入庫位置テーブル(入庫位置情報)を記憶している。本実施形態の入庫位置テーブルは、1つのコンテナCTの出庫順と、1つの入庫位置とを対応付けている。昇降機最適化DB223は、仕分け機100に入庫して入庫側昇降機20を通過するコンテナCTの入庫位置への最短経路が示されている昇降機最適化テーブルを記憶している。
【0029】
後工程情報DB224は、仕分け機100から行き先別に分けられて出庫されたコンテナCTに対して行われる後工程としての積荷作業の情報を記憶している。積荷作業とは、行き先別に分けられたコンテナCTを、作業車が行き先に輸送するトラックに積荷する作業である。後工程情報DB224は、搬送された1つのコンテナCTを作業者がトラックに積荷する時間と(例えば、5秒/個)と、トラックの発車時刻と、トラックの停車時間とを記憶している。トラックの発車時刻は、トラックが行き先に所定の時刻までに到着するために発車しなければならない時刻である。トラックの停車時間は、積荷作業のために停車できる上限の時間である。
【0030】
目的関数DB225は、後工程が完了するまでの時間が短くなるように、仕分け機100に入庫する一連のコンテナの出庫順をそれぞれ決定するために用いられる目的関数を記憶している。なお、目的関数を用いた出庫順の決定方法については後述する。出庫順DB226は、決定された出庫順を記憶する。
【0031】
図2に示されるCPU210は、図示されていないROM(Read Only Memory)に格納されているコンピュータプログラムを、RAM(Random Access Memory)に展開して実行することにより、仕分け機システム400の各部を制御するほか、情報取得部(取得部)211、入庫位置決定部212、入庫指示部213、予測部214、および出庫順決定部215として機能する。
【0032】
情報取得部211は、記憶部220に記憶された各種情報と、仕分け機100の識別部70により識別されたコンテナCTの品番とを取得する。入庫位置決定部212は、出庫計画DB221に記憶された出庫計画と、入庫位置テーブルDB222に記憶された入庫位置テーブルとを用いて、仕分け機100に入庫予定の各コンテナCTの入庫位置をそれぞれ決定する。入庫位置決定部212は、仕分け機100に入庫する全コンテナCTの合計の出庫時間が短くなるように、入庫位置テーブルにおいて、各コンテナCTの出庫順に対応付けている入庫位置を取得することで、一連のコンテナCTの入庫位置をそれぞれ決定する。すなわち、入庫位置決定部212は、更新される一連のコンテナCTの出庫順の情報を含む出庫計画を基に各コンテナCTの仕分け機100内における入庫位置をそれぞれ決定する。
【0033】
入庫指示部213は、識別部70により識別された仕分け機100に入庫するコンテナCTの品番と、入庫位置決定部212により決定された各コンテナCTの入庫位置とを用いて、識別されたコンテナCTを入庫位置へと搬送する。入庫指示部213は、仕分け機100を制御することにより、識別されたコンテナCTを仕分け機100内の所定の入庫位置への入庫を指示する。入庫指示部213は、昇降機最適化DB223に記憶された昇降機最適化テーブルを用いて入庫側昇降機20を制御して、入庫指示されたコンテナCTを最短経路で保管棚40a~40dの入庫位置へと送る。
【0034】
予測部214は、出庫計画に含まれるコンテナCTの出庫順と、コンテナCTの入庫位置とを用いて、仕分け機100から出庫されるコンテナCTの出庫時刻を予測する。出庫順決定部215は、予測された各コンテナCTの出庫時刻と、後工程情報DB224に記憶された後工程としての積荷作業の情報とを用いて、行き先別のトラックにコンテナCTが到着する時間の間隔を算出する。
【0035】
出庫順決定部215は、情報取得部211により取得された入庫位置テーブルと、後工程としての積荷作業の情報とを用いて、積荷作業が終了するまでの時間が短くなるように、仕分け機100に入庫する一連のコンテナCTの出庫順をそれぞれ決定する。出庫順決定部215は、後工程が終了するまでの時間を作業指標とする目的関数を最小化することにより、コンテナCTの出庫順をそれぞれ決定する。具体的には、出庫順決定部215は、行き先別のトラックにコンテナCTが到着する間隔の時間を用いて、全コンテナCTに対して行われる積荷作業が完了するまでの時間が短くなるように、コンテナCTの出庫順を決定する。出庫順決定部215は、トラックにコンテナCTを積荷する作業車の待ち時間をパラメータとして含む目的関数を最小化することにより、コンテナCTの出庫順を決定する。決定された出庫順は、出庫計画にフィードバックされる。なお、目的関数は、目的に応じて種々の関数を取り得る。
【0036】
図3は、実施例1の目的関数の説明図である。
図3には、コンテナCTの行き先が3ヶ所である場合に、作業者WK1~3がトラックT1~T3にコンテナCTを積荷する積荷作業の概略図が示されている。
図3に示されるように、本実施形態の仕分け機システム400は、仕分け機100の出庫側コンベア60に接続し、3ヶ所の行き先に応じて、積荷作業が行われる別々の作業スペースへと送るために3つに分岐している後工程コンベア(コンベア)300を備えている。換言すると、後工程コンベア(コンベア)300は、仕分け機100から出庫されたコンテナCTを、行き先に応じて、後工程が行われる別々の場所へと送るために分岐している。
【0037】
実施例1の目的関数は、下記式(1)に示される総手待ち時間twaitである。総手待ち時間twaitは、作業者WK1~3がコンテナCTをトラックT1~T3に積荷できずに、積荷するコンテナCTが流れてくるまでの待ち時間の総手待ち時間である。なお、式(1)における作業待ち時間twijは、下記式(2)のように示される。実施例1の目的関数は、換言すると、積荷作業を行う作業者WK1~WK3が作業対象のコンテナCTが送られてくるまで待機する時間である手待ち時間(コンテナ待ち時間)をパラメータとして含んでいる。
【0038】
【0039】
【数2】
ta
ij:後工程iにおいて、(j-1)番目のコンテナCTが到着してからと、j番目のコンテナが到着するまでの間隔
t
working:作業者がトラックに1個のコンテナCTを積荷する作業時間
【0040】
出庫順決定部215は、乱数を用いて、仕分け機100から出庫されるコンテナCTを行き先別に割り振った場合の出庫順の解候補を複数作成する。出庫順決定部215は、作成された解候補と、予測部214により予測されたコンテナCTの出庫時刻とを用いて、複数の解候補のそれぞれに対応する実施例1の目的関数を計算する。出庫順決定部215は、目的関数が予め設定された目標値以下となる解候補が存在しない場合、かつ、予め設定された所定の計算回数まで計算されていない場合には、遺伝的アルゴリズムを用いて目的関数の解候補を探索する。出庫順決定部215は、遺伝的アルゴリズムを用いる場合に、目的関数が小さい上位5つの解候補を選択する。出庫順決定部215は、選択した解候補と、遺伝的アルゴリズムとを用いて、目的関数が目標値以下となる場合、または、計算回数が所定の計算回数に到達した場合に、探索された解候補に基づく一連のコンテナCT出庫順をそれぞれ決定する。遺伝的アルゴリズムを用いて目的関数を最小化する解候補が探索されることにより、目的関数が最小化される。
【0041】
図4は、仕分け機システム400を用いた仕分け方法のフローチャートである。
図4に示される仕分けフローでは、初めに、情報取得部211が、出庫計画DB221に記憶された出庫計画と、後工程情報DB224に記憶された後工程情報とを取得する(ステップS1)。本実施形態では、情報取得部211は、さらに、入庫位置テーブルDB222に記憶された入庫位置テーブルと、昇降機最適化DB223に記憶された昇降機最適化テーブルとを取得する。入庫位置決定部212は、出庫計画と入庫位置テーブルとを用いて、仕分け機100内における各コンテナCTの出庫順に応じた入庫位置を決定する(ステップS2)。なお、ステップS2の処理で決定された各コンテナCTの入庫位置は、後述のステップS11の処理により、ステップS10の処理で更新されるコンテナCTの出庫順に応じて変化する。
【0042】
予測部214は、コンテナCTの入庫位置と、出庫計画に含まれるコンテナCTの出庫順とを用いて、仕分け機100から出庫される際のコンテナCTの出庫時刻を予測する(ステップS3)。出庫順決定部215は、予測された各コンテナCTの出庫時刻と、後工程としての積荷作業の情報とを用いて、行き先別に振り分けられたコンテナCTがトラックT1~T3の積荷の作業スペースに到着するまでの時間の間隔taijを算出する。
【0043】
出庫順決定部215は、乱数を用いて、行き先別に割り振ったコンテナCTの出庫順の解候補を複数作成する(ステップS4)。出庫順決定部215は、作成された複数の解候補と、コンテナCTの出庫時刻とを用いて、目的関数を計算する(ステップS5)。出庫順決定部215は、複数の解候補に対応して計算された複数の目的関数のうち、目標値以下となる解候補が存在するか判定する(ステップS6)。
【0044】
ステップS7の処理において、目標値以下となる解候補が存在しないと判定された場合には(ステップS6:NO)、出庫順決定部215は、目的関数の計算回数が所定回数に到達したか否かを判定する(ステップS7)。所定回数に到達していないと判定された場合には(ステップS7:NO)、出庫順決定部215は、目的関数が小さい上位5つの解候補を選択する(ステップS8)。出庫順決定部215は、選択された解候補と、遺伝的アルゴリズムとを用いて、目的関数を最小化する解候補を探索し(ステップS9)、ステップS6以降の処理が繰り返される。
【0045】
ステップS6の処理において目標値以下の解候補が存在すると判定された場合(ステップS6:YES)、または、ステップS7の処理において計算回数が所定回数に到達したと判定された場合(ステップS7:YES)、出庫順決定部215は、解候補を用いて出庫順を更新して決定する(ステップS10)。決定された出庫順は出庫計画にフィードバックされる。入庫位置決定部212は、入庫位置テーブルにおいて、出庫順決定部215により決定された出庫順に対応付けられているコンテナCTの入庫位置を取得することで、一連のコンテナCTの入庫位置をそれぞれ決定し(ステップS11)、仕分けフローが終了する。すなわち、出庫順決定部215により決定された出庫順が出庫計画にフィードバックされ、入庫位置決定部212は、フィードバックされた出庫計画を用いてコンテナCTの入庫位置をそれぞれ決定する。仕分け機システム400は、入庫位置決定部212により決定された各コンテナCTの入庫位置と、出庫順決定部215により決定された各コンテナCTの出庫順とを用いて、コンテナCTの仕分け機100への入出庫を行う。
【0046】
図5は、実施例1の出庫順の説明図である。
図5には、本実施形態の仕分け機システム400により決定された12個のコンテナCTの出庫計画と、コンテナCTの出庫順とが表により示されている。
図5に示される12個のコンテナCTの輸送先の店舗は、A1,A2,B1~B4,C1のいずれかである。店舗A1,A2のコンテナCTは、トラックT1により輸送される。店舗B1~B4のコンテナCTは、トラックT2により輸送される。店舗C1のコンテナCTは、トラックT3により輸送される。グループは、輸送先の店舗と対応付けられている出庫の優先度である。具体的には、トラックT1に積荷されるグループG01は、グループG02よりも優先して仕分け機100から出庫される。トラックT2に積荷されるグループG03~G06は、グループG03,G04,G05,G06の順番で優先して仕分け機100から出庫される。トラックT3に積荷される4つのコンテナCTのグループは全てグループG07である。そのため、グループG07の品番1009~1012のコンテナCTの出庫順に優先度はない。
【0047】
図6は、比較例1の出庫順の説明図である。
図7は、比較例2の出庫順の説明図である。
図6,7のそれぞれには、実施例1の
図5に対応する比較例1,2のコンテナCTの出庫計画と、出庫順とが表により示されている。
図6に示される比較例1は、トラック毎にコンテナCTをまとめて出庫する。そのため、比較例1では、トラックT1に積荷される品番1001~1004のコンテナCTが出庫された後に、トラックT2に積荷される品番1005~1008のコンテナCTが出庫され、トラックT3に積荷される品番1009~1012のコンテナCTが最後に出庫される。
【0048】
図7に示される比較例2は、各トラックT1~T3にコンテナCTを交互に出庫する。そのため、比較例2では、トラックT1に積荷される品番1001のコンテナCT、トラックT2に積荷される品番1005のコンテナCT、トラックT3に積荷される品番1009のコンテナCTの順に出庫される。その後も、トラックT1、トラックT2、トラックT3に積荷されるコンテナCTの順番で各コンテナCTが出庫される。一方、
図5に示される実施例1の出庫順は、グループで表されるトラック毎の出庫順の優先度を遵守した上で、比較例1,2よりもバラバラである。
【0049】
図8は、作業者WK1~WK3の総手待ち時間t
waitの時間推移の説明図である。
図8には、
図5~7に示された例とは異なり、3台のトラックT1~T3のそれぞれに50個のコンテナCTが積荷される場合に、実施例1および比較例1,2における上記式(1)に示される実施例1の目的関数でもある総手待ち時間t
waitの推移が示されている。
図8に示される総手待ち時間t
waitの推移は、作業者WK1~WK3が1個のコンテナCTを積荷する積荷作業時間t
workingが変化に応じた場合の推移である。
図8において、実施例1の時間推移が実線の曲線C01により示され、比較例1の時間推移が破線の直線C11により示され、比較例2の時間推移が一点鎖線の曲線C12により示されている。
【0050】
図8に示されるように、作業者WK1~WK3の積荷作業時間t
workingが長くなるほど、出庫されるコンテナCTが積荷スペースに溜まるため、実施例1と比較例2との総手待ち時間t
waitは、短くなる。そして、実施例1と比較例1とを比較すると、実施例1の方が総手待ち時間t
waitが短い。一方で、トラック毎にコンテナCTを出庫する比較例1では、総手待ち時間t
waitは、積荷作業時間t
workingに関わらず一定である。すなわち、実施例1と比較例1,2とでは、実施例1が最も積荷作業が早く終了する。
【0051】
図9は、実施例1の作業待ちコンテナ数の最大値の説明図である。仕分け機100から出庫されるコンテナの出庫が進むにつれて、
図8で示された例において、トラックT1~T3のそれぞれで発生する作業待ちコンテナ数の推移が示されている。トラックT1において発生する作業待ちコンテナ数の推移が実線の折れ線L011で示されている。トラックT2において発生する作業待ちコンテナ数が破線の折れ線L012で示されている。トラックT3において発生する作業待ちコンテナ数が一点鎖線の折れ線L013で示されている。実施例1では、トラックT2において作業待ちコンテナ数が最大の5個である。すなわち、実施例1の作業待ちコンテナ数の最大値は、5(個)である。
【0052】
図10は、比較例1の作業待ちコンテナ数の最大値の説明図である。
図11は、比較例2の作業待ちコンテナ数の最大値の説明図である。
図10,11のそれぞれには、実施例1の
図9に対応する比較例1,2の作業待ちコンテナ数の推移が示されている。比較例1,2のそれぞれについて、トラックT1において発生する作業待ちコンテナ数の推移が実線の折れ線L111(
図10),L121(
図11)で示されている。トラックT2において発生する作業待ちコンテナ数の推移が破線の折れ線L112(
図10),L122(
図11)で示されている。トラックT3において発生する作業待ちコンテナ数の推移が一点鎖線の折れ線L113(
図10),L123(
図11)で示されている。
【0053】
図10に示されるように、トラック毎にコンテナCTが出庫される比較例1の作業待ちコンテナ数の最大値は、トラックT1~T3のそれぞれの最大値である26(個)である。
図11に示されるように、各トラックに積荷されるコンテナCTが交互に出庫される作業待ちコンテナ数の最大値は、トラックT1~T3のそれぞれの最大値である2(個)である。
【0054】
図12は、実施例1の効果についての説明図である。
図12には、横軸に作業待ちコンテナ数の最大値をとり、縦軸に総手待ち時間t
waitをとった場合の、実施例1および比較例1,2がプロットされている。
図12では、実施例1が黒丸としてプロットされ、比較例1が黒い四角としてプロットされ、比較例2が白抜きの四角としてプロットされている。
図12に示されるように、実施例1の目的関数である総手待ち時間t
waitは、比較例1,2のいずれよりも短い。実施例1の作業待ちコンテナ数の最大値は、比較例2の最大値よりも少し多いが、比較例1の最大値よりもはるかに少ない。実施例1の総手待ち時間t
waitが最も短いため、後工程としての実施例1におけるトラックT1~T3へのコンテナCTの積荷作業が最も早く完了する。
【0055】
以上説明したように、本実施形態の仕分け機システム400では、出庫順決定部215が、情報取得部211により取得された入庫位置テーブルと、後工程としての積荷作業の情報とを用いて、積荷作業が終了するまでの時間が短くなるように、仕分け機100に入庫する一連のコンテナCTの出庫順をそれぞれ決定する。入庫位置決定部212は、仕分け機100に入庫する全コンテナCTの合計の出庫時間が短くなるように、各コンテナCTの出庫順に対応付けている入庫位置を取得することで、一連のコンテナCTの入庫位置をそれぞれ決定する。そのため、本実施形態では、仕分け機システム400に出庫順に関係なく入庫する一連のコンテナCTは、情報取得部211により取得された入庫位置テーブルにおいて、出庫順決定部215により決定されるそれぞれの出庫順に対応付けられた入庫位置に入庫する。仕分け機100に入庫するコンテナCTの出庫順は、出庫後のコンテナCTに対して行われる後工程を考慮して決定される。これにより、本実施形態の仕分け機システム400は、後工程を考慮せずに出庫順が決定される場合と比較して、後工程が完了するまでの時間やコストなどを抑制できる。すなわち、仕分け機システム400は、仕分け機100へのコンテナCTの入出庫よりも後に行われる後工程も含めて一連のコンテナCTの出庫順を適正化できる。
【0056】
また、本実施形態の出庫順決定部215は、後工程が終了するまでの時間を作業指標とする目的関数を最小化することにより、一連のコンテナCTの出庫順をそれぞれ決定する。そのため、上記式(1)に示される目的関数を最小化する又は最大化することにより、後工程としての積荷作業が終了するまでの時間が短くなるコンテナCTの出庫順をそれぞれ決定できる。
【0057】
また、本実施形態では、仕分け機100の出庫後に行われる後工程は、コンテナCTをトラックT1~T3に積荷する積荷作業であるため、積荷作業が適正化されたコンテナCTの出庫順をそれぞれ決定できる。
【0058】
また、本実施形態の目的関数は、積荷作業を行う作業者WK1~WK3の手待ち時間(コンテナ待ち時間)をパラメータとして含んでいるため、作業者WK1~WK3の総手待ち時間twaitが適正化されたコンテナCTの出庫順をそれぞれ決定できる。
【0059】
また、本実施形態の出庫順決定部215は、遺伝的アルゴリズムを用いて目的関数の解候補を探索して出庫順を決定するため、効率的に最適化されたコンテナCTの出庫順をそれぞれ決定できる。
【0060】
また、本実施形態の予測部214は、仕分け機100から出庫されるコンテナCTの出庫時刻を予測する。出庫順決定部215は、行き先別のトラックT1~T3にコンテナCTが到着する間隔taijの時間を用いて、全コンテナCTに対して行われる積荷作業が完了するまでの時間が短くなるように、一連のコンテナCTの出庫順をそれぞれ決定する。そのため、本実施形態では、出庫順決定部215が、予測されたコンテナCTの出庫時間を用いて算出した時間の間隔taijを用いて、コンテナCTの出庫順をそれぞれ決定する。これにより、本実施形態では、作業者WK1~WK3の作業対象であるコンテナCTが仕分け機100から出庫されて作業者WK1~WK3の作業スペースまで送られてくるまでの総手待ち時間twaitを短縮できる。この結果、全てのコンテナCTに対する積荷作業が完了するまでの時間を短縮できる。
【0061】
また、
図3に示されるように、本実施形態の後工程コンベア300は、仕分け機100から出庫されたコンテナCTを、行き先に応じて、後工程としての積荷作業が行われる別々の場所へと送るために分岐している。そのため、後工程コンベア300は、行き先別に応じて、積荷作業が行われる異なる場所へと各コンテナCTを自動的に送ることができる。
【0062】
<第2実施形態>
第2実施形態では、出庫順決定部215が、第1実施形態とは異なる下記式(3)で示される実施例2の目的関数Iを最小化することにより、コンテナCTの出庫順をそれぞれ決定している。実施例2の目的関数Iは、総手待ち時間twaitと、作業残存時間関数Cmaxと、重みα(0<α<1)とを用いて算出される。
【0063】
【0064】
作業時間残存関数Cmaxは、任意時刻における各作業車WK1~WK3の作業残存時間tremainと、実施例1の目的関数で用いられた作業時間tworkingとを用いて、下記式(4)から算出される数値である。作業残存時間tremainは、作業待ちのコンテナCTに対する処理が完了するまでの時間である。
【0065】
【0066】
図13は、実施例2の作業残存時間関数C
maxの説明図である。作業時間残存関数C
maxは、作業残存時間t
remainと作業時間t
workingとの関数であるため、第1実施形態の
図9から
図11に示される作業待ちコンテナ数の関数であるとも換言できる。例えば、作業時間残存関数C
maxが「1」,「2」,「3」である場合には、作業待ちコンテナ数がそれぞれ1個,2個,3個であることを表している。一方で、作業時間残存関数C
maxは、作業時間t
workingで除した値であるため、
図9~11に示される整数で表される作業待ちコンテナ数と異なり、小数の値を取り得る。
【0067】
図13では、第1実施形態の
図9~11のように、3台のトラックT1~T3のそれぞれに50個のコンテナCTが積荷される場合の出庫順に応じて変化する作業時間残存関数C
maxの時間推移が示されている。
図13では、トラックT1の作業時間残存関数C
maxの時間推移が実線の折れ線L021で示されている。トラックT2の作業時間残存関数C
maxの時間推移が破線の折れ線L022で示されている。トラックT3の作業時間残存関数C
maxの時間推移が一点鎖線の折れ線L023で示されている。実施例2では、トラックT2およびトラックT3における作業時間残存関数C
maxの最大値が「3」である。換言すると、実施例2の作業待ちコンテナ数の最大値は、実施例1の5(個)よりも少ない3(個)である。すなわち、実施例2では、実施例1よりも各トラックT1~T3に積荷されるコンテナCTを細かく入れ替えるように最適化されている。このように、コンテナCTの出庫順を最適化するために定義される目的関数については、変形可能である。
【0068】
<実施形態の変形例>
本発明は上記実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。また、上記実施形態において、ハードウェアによって実現されるとした構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されるとした構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。
【0069】
<変形例1>
上記第1実施形態の仕分け機システム400は一例であって、仕分け機システム400が備える構成および実行する制御については、変形可能である。仕分け機システム400は、入庫位置テーブルと、後工程に関する情報とを用いて、後工程が終了するまでの時間が短くなるように一連のコンテナCTの出庫順をそれぞれ決定する範囲で、変形できる。例えば、出庫順決定部215は、目的関数を用いずにコンテナCTの出庫順を決定してもよい。出庫順決定部215は、上記式(2)に示される総手待ち時間twaitを短くする出庫順を決定してもよい。入庫位置テーブルは、コンテナCTの出庫順ごとに仕分け機100内における各コンテナCTの入庫位置が定められる範囲で変形可能であり、テーブル以外の態様であってもよい。
【0070】
また、出庫順決定部215は、上記第1実施形態において式(1)で定義された目的関数や第2実施形態において式(3)で定義された目的関数Iと異なる目的関数を最大化することにより、コンテナCTの出庫順を決定してもよい。例えば、出庫順決定部215は、総手待ち時間twaitと、積荷作業を行う作業者の数と、積荷作業のための積荷スペースの位置または大きさとをパラメータとして含んだ作業効率を表す目的関数を最大化することにより、コンテナCTの出庫順を決定してもよい。目的関数は、パラメータとして、トラックT1~T3の発車時刻と、トラックT1~T3の停車時間との少なくとも一方を含んでいてもよい。また、目的関数は、総手待ち時間twaitや作業待ちコンテナ数のパラメータを含んでいなくてもよい。目的関数が含むパラメータについては、周知技術の範囲で選択されてよい。目的関数の解の探索方法として、遺伝的アルゴリズム以外の方法が用いられてもよい。
【0071】
また、仕分け機100から出庫されたコンテナCTに対して行われる後工程としては、積荷作業と、各コンテナCTの検品作業と、各コンテナCTの梱包作業と、コンテナCTを更に仕分ける仕分け作業との少なくとも1つが含まれていればよい。
【0072】
出庫順決定部215は、予測部214により予測されたコンテナCTが到着する時間の間隔taijを用いて、積荷作業が終了するまでの時間が短くなる出庫順を決定したが、予測部214の予測結果を用いずに出庫順を決定してもよい。出庫順決定部215は、予測部214の予測結果を用いて、コンテナCTが到着する時間の間隔taijを算出せずに、出庫順を決定してもよい。制御装置200は、予測部214として機能してなくてもよい。
【0073】
<変形例2>
上記第1実施形態では、入庫位置決定部212が仕分け機100内に入庫する各コンテナCTの入庫位置を決定したが、仕分け機システム400は、入庫位置を決定しなくてもよい。例えば、入庫位置についての情報を他の装置から取得して、入庫指示部213が入庫指示を行ってもよい。
【0074】
図14は、変形例の仕分け方法のフローチャートである。変形例の仕分け方法では、仕分け機システム400は、既に仕分け機100に入庫済のコンテナCTに対して、後工程が終了するまでの時間が短くなるように、コンテナCTの出庫順を決定する。変形例の仕分けフローでは、
図14に示されるように、初めに、情報取得部211が、入庫位置テーブルと、後工程に関する情報とを取得する取得工程が行われる(ステップS21)。出庫順決定部215は、取得された入庫位置テーブルと、後工程に関する情報とを用いて、出庫順決定工程を行う(ステップS22)。出庫順決定工程では、後工程が終了するまでの時間が短くなるように、仕分け機100に入庫する一連のコンテナCTの出庫順がそれぞれ決定される。出庫順決定工程では、後工程が終了するまでの時間が短くなるように、目的関数などが用いられて一連のコンテナCTの出庫順が最適化されてもよい。出庫順決定工程の後に、入庫位置決定部212は、入庫位置テーブルにおいて、前記出庫順決定工程により決定された出庫順に対応付けられている入庫位置を取得することで、一連のコンテナCTの入庫位置をそれぞれ決定する入庫位置決定工程を行い(ステップS23)、仕分けフローが終了する。
【0075】
制御装置200は、操作部230と、出力部240とを備えていなくてもよい。制御装置200のCPU210は、入庫指示部213、予測部214として機能しなくてもよい。制御装置200は、記憶部220を備えていなくてもよい。この場合に、情報取得部211は、仕分け機システム400の構成とは異なるサーバや他の装置から、コンテナCTの入庫位置と、後工程に関する情報を取得してもよい。
【0076】
仕分け機システム400は、複数の仕分け機100を備えていてもよい。仕分け機システム400が複数の仕分け機を備える場合、各仕分け機は、異なる構造および容量の仕分け機であってもよい。例えば、1つの仕分け機100が4階の保管棚40a~40dを備え、異なる仕分け機が1階のみ保管棚を備えていてもよい。仕分け機100の1階の保管棚40aに保管可能なコンテナ数と、異なる仕分け機の1階の保管棚に保管可能なコンテナ数とが異なっていてもよい。コンテナCTの入庫位置は、必ずしも仕分け機100内の保管棚40a~40dの階数でなくてもよい。例えば、入庫位置として、特定の位置が指定されてもよい。また、コンテナCTに応じて、入庫位置が、保管棚40a~40dの階数であってもよいし、特定の位置であってもよい。
【0077】
<変形例3>
図15は、変形例の仕分け機システム400aの概略ブロック図である。変形例の仕分け機システム400aでは、上記第1実施形態の仕分け機システム400に対して後工程コンベア300aのみが異なる。そのため、後工程コンベア300aについて説明し、他の構成についての説明を省略する。
【0078】
図15に示される変形例では、後工程コンベア300aは、仕分け機100の出口から入口へと周回しているメインコンベア310と、行き先別のトラックT1~T3へのそれぞれと送るサブコンベア301~303と、を備えている。
図15に示されるように、変形例では、トラックT2のように後工程の積荷作業でコンテナCTに所定数の待ちが発生している場合に、後工程コンベア300aのメインコンベア310は、トラックT2に積荷されるコンテナCTを周回させる。メインコンベア310は、仕分け機100から出庫されたコンテナCTを、仕分け機100の出口から入口へと送り、再度仕分け機100内へと周回させる。
【0079】
そのため、変形例の仕分け機システム400aでは、後工程の積荷作業において待ちが発生しているコンテナCTを周回させることにより、周回したコンテナCTの後から流れてくるコンテナCTを先に行き先に対応したトラックに送る。これにより、仕分け機システム400aでは、後工程コンベア300aに送られているコンテナCTに対して待ちを発生させずに済む。すなわち、仕分け機システム400aは、待ちが発生しているコンテナCTを周回させることにより、待ちが発生しないコンテナCTに対して、効率的に積荷作業を行わせることができる。
【0080】
以上、実施形態、変形例に基づき本態様について説明してきたが、上記した態様の実施の形態は、本態様の理解を容易にするためのものであり、本態様を限定するものではない。本態様は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本態様にはその等価物が含まれる。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することができる。
【0081】
本発明は、以下の形態としても実現することが可能である。
[適用例1]
仕分け機システムであって、
行き先が異なる複数のコンテナがそれぞれ入庫すると共に、入庫したコンテナを前記行き先別に並べ替えてそれぞれ出庫する仕分け機と、
コンテナの出庫順ごとに前記仕分け機内における各コンテナの入庫位置が定められた入庫位置情報と、前記仕分け機よりコンテナが出庫された後から前記行き先への輸送が完了するまでの工程である後工程に関する情報と、を取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記入庫位置情報と前記後工程に関する情報とを用いて、前記後工程が終了するまでの時間が短くなるように、前記仕分け機に入庫する一連のコンテナの出庫順をそれぞれ決定する出庫順決定部と、
前記入庫位置情報において、前記出庫順決定部により決定された出庫順に対応付けられている前記入庫位置を取得することで、前記一連のコンテナの入庫位置をそれぞれ決定する入庫位置決定部と、
を備える、仕分け機システム。
[適用例2]
適用例1に記載の仕分け機システムであって、
前記出庫順決定部は、前記後工程が終了するまでの時間を作業指標とする目的関数を最小化または最大化することにより、前記一連のコンテナの出庫順をそれぞれ決定する、仕分け機システム。
[適用例3]
適用例1または適用例2に記載の仕分け機システムであって、
前記後工程は、
前記仕分け機より出庫されたコンテナを輸送機に積荷する積荷作業と、
前記仕分け機より出庫された各コンテナの検品作業と、
前記仕分け機より出庫された各コンテナの梱包作業と、
前記仕分け機より出庫されたコンテナを更に仕分ける仕分け作業と、
の少なくとも1つを含む、仕分け機システム。
[適用例4]
適用例1から適用例3までのいずれか一項に記載の仕分け機システムであって、
前記目的関数は、
前記積荷作業を行う作業者のコンテナ待ち時間と、
前記作業者の人数と、
前記積荷作業のための積荷スペースの位置または大きさと、
前記輸送機の発車時刻と、
前記輸送機の停車時間と、
の少なくとも1つをパラメータとして含む、仕分け機システム。
[適用例5]
適用例1から適用例4までのいずれか一項に記載の仕分け機システムであって、
前記出庫順決定部は、前記目的関数に対して遺伝的アルゴリズムを用いることにより前記一連のコンテナの出庫順をそれぞれ決定する、仕分け機システム。
[適用例6]
適用例1から適用例5までのいずれか一項に記載の仕分け機システムであって、さらに、
前記仕分け機から出庫されるコンテナの出庫時刻を予測する予測部を備え、
前記出庫順決定部は、予測されたコンテナの前記出庫時刻を用いて前記後工程にコンテナが到着する時間の間隔を算出し、全コンテナに対して行われる前記後工程が終了するまでの時間が短くなるように、算出された前記間隔を用いて前記一連のコンテナの出庫順をそれぞれ決定する、仕分け機システム。
[適用例7]
適用例1から適用例6までのいずれか一項に記載の仕分け機システムであって、さらに、
前記仕分け機から出庫されたコンテナを、前記行き先に応じて、前記後工程が行われる別々の場所へと送るために分岐しているコンベアを備える、仕分け機システム。
[適用例8]
適用例1から適用例7までのいずれか一項に記載の仕分け機システムであって、さらに、
前記仕分け機から出庫されたコンテナの前記後工程においてコンテナに待ちが発生している場合に、前記仕分け機から出庫されたコンテナを前記仕分け機の出口から前記仕分け機内へと周回させるコンベアを備える、仕分け機システム。
[適用例9]
仕分け方法であって、コンピュータが、
行き先が異なる複数のコンテナがそれぞれ入庫すると共に、入庫したコンテナを前記行き先別に並べ替えてそれぞれ出庫する仕分け機内において、コンテナの出庫順ごとに各コンテナの入庫位置が定められた入庫位置情報と、前記仕分け機よりコンテナが出庫された後から前記行き先への輸送が完了するまでの工程である後工程に関する情報と、を取得する取得工程と、
取得された前記入庫位置情報と前記後工程に関する情報とを用いて、前記後工程が終了するまでの時間が短くなるように、前記仕分け機に入庫する一連のコンテナの出庫順をそれぞれ決定する出庫順決定工程と、
前記入庫位置情報において、前記出庫順決定工程により決定された出庫順に対応付けられている前記入庫位置を取得することで、前記一連のコンテナの入庫位置をそれぞれ決定する入庫位置決定工程と、
を実行する、仕分け方法。
[適用例10]
コンピュータプログラムであって、
行き先が異なる複数のコンテナがそれぞれ入庫すると共に、入庫したコンテナを前記行き先別に並べ替えてそれぞれ出庫する仕分け機内において、コンテナの出庫順ごとに各コンテナの入庫位置が定められた入庫位置情報と、前記仕分け機よりコンテナが出庫された後から前記行き先への輸送が完了するまでの工程である後工程に関する情報と、を取得する取得機能と、
取得された前記入庫位置情報と前記後工程に関する情報とを用いて、前記後工程が終了するまでの時間が短くなるように、前記仕分け機に入庫する一連のコンテナの出庫順をそれぞれ決定する出庫順決定機能と、
前記入庫位置情報において、前記出庫順決定機能により決定された出庫順に対応付けられている前記入庫位置を取得することで、前記一連のコンテナの入庫位置をそれぞれ決定する入庫位置決定機能と、
をコンピュータに実行させる、コンピュータプログラム。
【符号の説明】
【0082】
10…入庫側コンベア
20…入庫側昇降機
30…分岐装置
40a~40d…保管棚
41d…コンベア
42d…右棚
43d…左棚
44d…プッシャ
50…出庫側昇降機
60…出庫側コンベア
70…識別部
100…仕分け機
200…制御装置
210…CPU
211…情報取得部(取得部)
212…入庫位置決定部
213…入庫指示部
214…予測部
215…出庫順決定部
220…記憶部
221…出庫計画データベース
222…入庫位置テーブルデータベース
223…昇降機最適化データベース
224…後工程情報データベース
225…目的関数データベース
226…出庫順データベース
230…操作部
240…出力部
300,300a…後工程コンベア(コンベア)
301~303…サブコンベア
310…メインコンベア
400,400a…仕分け機システム
CT…コンテナ
Cmax…作業残存時間関数
I…目的関数
T1~T3…トラック
WK1~WK3…作業者
taij…コンテナが到着するまでの間隔
tremain…作業残存時間
tworking…積荷作業時間
twij…作業待ち時間