(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143373
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】服薬補助容器
(51)【国際特許分類】
A61J 7/00 20060101AFI20241003BHJP
B65D 83/00 20060101ALI20241003BHJP
B65D 47/20 20060101ALI20241003BHJP
B65D 51/24 20060101ALI20241003BHJP
B65D 47/34 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
A61J7/00 L
B65D83/00 G
B65D47/20 220
B65D51/24
B65D47/34 200
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023056016
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100154003
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 憲一郎
(72)【発明者】
【氏名】加瀬 舞
【テーマコード(参考)】
3E014
3E084
4C047
【Fターム(参考)】
3E014PA03
3E014PB03
3E014PD11
3E014PD30
3E014PE15
3E014PE17
3E014PE18
3E014PE23
3E084AA04
3E084AA12
3E084AB05
3E084BA02
3E084CA01
3E084CB02
3E084DA01
3E084DB12
3E084EA04
3E084GA04
3E084GB04
3E084JA07
3E084KB01
3E084LD03
3E084LD22
3E084LE09
3E084LE11
4C047CC09
4C047CC12
4C047CC14
4C047CC15
4C047CC16
4C047DD22
4C047NN07
(57)【要約】
【課題】薬剤を包むための流動性内容物を容易に取り出せるとともに、当該流動性内容物によって前記薬剤を容易に包むことができる、服薬補助容器を提供する。
【解決手段】服薬補助容器1Aは、流動性内容物Cを収容可能であるとともに当該流動性内容物Cを圧送可能な圧送容器部2と、圧送容器部2から圧送された流動性内容物Cを噴出可能な縦ノズル3cと、縦ノズル3cの噴出口A31から噴出させた流動性内容物Cを収容可能であるとともに薬剤Mを載置可能な凹部Dを備える受皿部材41と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流動性内容物を収容可能であるとともに当該流動性内容物を圧送可能な圧送容器部と、
前記圧送容器部から圧送された前記流動性内容物を噴出可能な縦ノズルと、
前記縦ノズルの噴出口から噴出させた前記流動性内容物を収容可能であるとともに薬剤を載置可能な凹部を備える受皿部材と、を備える、服薬補助容器。
【請求項2】
前記噴出口は、横向きに開口する開口部である、請求項1に記載された服薬補助容器。
【請求項3】
前記噴出口は、上向きに開口する開口部である、請求項1に記載された服薬補助容器。
【請求項4】
前記受皿部材に、押圧部をさらに備える、請求項3に記載された服薬補助容器。
【請求項5】
前記押圧部は、前記受皿部材に対して着脱可能である、請求項4に記載された服薬補助容器。
【請求項6】
前記押圧部は、前記噴出口を閉じる封鎖突起を備えている、請求項5に記載された服薬補助容器。
【請求項7】
前記押圧部は、前記受皿部材の上端に接触することによって当該押圧部が下方向に移動することを阻止するストッパを備えており、前記ストッパは、前記押圧部の回転によって前記受皿部材の上端との接触を解除可能な突出部である、請求項5に記載された服薬補助容器。
【請求項8】
前記受皿部材の前側部分は下側に下がっており、当該受皿部材の後側部分には把手が設けられている、請求項1に記載された服薬補助容器。
【請求項9】
前記受皿部材の前記凹部を開閉可能な蓋体をさらに備えており、前記蓋体は、前記縦ノズルの上端部を収容するとともに前記噴出口を閉じる閉鎖筒を備える、請求項1に記載された服薬補助容器。
【請求項10】
前記受皿部材は、前記圧送容器部に対して着脱可能である、請求項1に記載された服薬補助容器。
【請求項11】
前記圧送容器部は、流動性内容物を収容可能であるとともに変形及び復元可能な容器本体を備えており、
前記縦ノズルは、前記容器本体の口部と前記受皿部材とを接続可能なアダプタに設けられている、請求項1に記載された服薬補助容器。
【請求項12】
前記容器本体は、積層剥離容器である、請求項11に記載された服薬補助容器。
【請求項13】
前記圧送容器部は、流動性内容物を収容可能な容器本体と、前記容器本体に取り付けられるとともに前記流動性内容物を圧送可能なポンプと、を備えており、
前記縦ノズルは、前記ポンプと前記受皿部材とを接続可能なアダプタに設けられている、請求項1に記載された服薬補助容器。
【請求項14】
前記受皿部材は、前記縦ノズルを収容する保護筒を備えており、前記保護筒には、前記噴出口を外界に通じさせる噴出口が形成されている、請求項13に記載された服薬補助容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、服薬補助容器に関する。
【背景技術】
【0002】
服薬補助容器として使用可能な、従来の容器としては、ゼリー状の薬剤を収容したパウチ形態の包装体が知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、他の従来の容器としては、スパウトを備えたパウチ容器が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014‐162485号公報
【特許文献2】特開2017‐145029号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された包装体は、アルミニウム層等の金属層を含むため、当該包装体を押し潰すことによって内容物の取り出しが行われるときに、当該内容物の取り出し操作に不便さがある。また、特許文献2に記載されたパウチ容器は、当該パウチ容器を押し潰すことによってスパウトを通した内容物の取り出しが行われるため、当該内容物の取り出し操作にさらに不便さがある。
【0005】
加えて、服薬時において、薬剤の嚥下を補助するためには、当該薬剤をゼリー状の流動性内容物で包む場合がある。しかしながら、上記包装体又はパウチ容器を使用する場合、こうした包装体又はパウチ容器の他に、前記流動性内容物を取り出して当該流動性内容物で薬剤を包むために用いられる、他の部材(例えば、匙)が別途必要となる。
【0006】
本発明の目的は、薬剤を包むための流動性内容物を容易に取り出せるとともに、当該流動性内容物によって前記薬剤を容易に包むことができる、服薬補助容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明に係る、服薬補助容器は、流動性内容物を収容可能であるとともに当該流動性内容物を圧送可能な圧送容器部と、前記圧送容器部から圧送された前記流動性内容物を噴出可能な縦ノズルと、前記縦ノズルの噴出口から噴出させた前記流動性内容物を収容可能であるとともに薬剤を載置可能な凹部を備える受皿部材と、を備える。
【0008】
(2)上記(1)の服薬補助容器において、前記噴出口は、横向きに開口する開口部とすることができる。
【0009】
(3)上記(1)の服薬補助容器において、前記噴出口は、上向きに開口する開口部とすることができる。
【0010】
(4)上記(3)の服薬補助容器は、前記受皿部材に、押圧部をさらに備えるものとすることができる。
【0011】
(5)上記(4)の服薬補助容器において、前記押圧部は、前記受皿部材に対して着脱可能とすることができる。
【0012】
(6)上記(5)の服薬補助容器において、前記押圧部は、前記噴出口を閉じる封鎖突起を備えているものとすることができる。
【0013】
(7)上記(5)又は(6)の服薬補助容器において、前記押圧部は、前記受皿部材の上端に接触することによって当該押圧部が下方向に移動することを阻止するストッパを備えており、前記ストッパは、前記押圧部の回転によって前記受皿部材の上端との接触を解除可能な突出部とすることができる。
【0014】
(8)上記(1)~(7)のいずれか1つの服薬補助容器において、前記受皿部材の前側部分は下側に下がっており、当該受皿部材の後側部分には把手が設けられているものとすることができる。
【0015】
(9)上記(1)~(8)のいずれか1つの服薬補助容器は、前記受皿部材の前記凹部を開閉可能な蓋体をさらに備えており、前記蓋体は、前記縦ノズルの上端部を収容するとともに前記噴出口を閉じる閉鎖筒を備えるものとすることができる。
【0016】
(10)上記(1)~(9)のいずれか1つの服薬補助容器において、前記受皿部材は、前記圧送容器部に対して着脱可能であるものとすることができる。
【0017】
(11)上記(1)~(10)のいずれか1つの服薬補助容器において、前記圧送容器部は、流動性内容物を収容可能であるとともに変形及び復元可能な容器本体を備えており、前記縦ノズルは、前記容器本体の口部と前記受皿部材とを接続可能なアダプタに設けられているものとすることができる。
【0018】
(12)上記(11)の服薬補助容器において、前記容器本体は、積層剥離容器とすることができる。
【0019】
(13)上記(1)~(10)のいずれか1つの服薬補助容器において、前記圧送容器部は、流動性内容物を収容可能な容器本体と、前記容器本体に取り付けられるとともに前記流動性内容物を圧送可能なポンプと、を備えており、前記縦ノズルは、前記ポンプと前記受皿部材とを接続可能なアダプタに設けられているものとすることができる。
【0020】
(14)上記(13)の服薬補助容器において、前記受皿部材は、前記縦ノズルを収容する保護筒を備えており、前記保護筒には、前記噴出口を外界に通じさせる噴出口が形成されているものとすることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、薬剤を包むための流動性内容物を容易に取り出せるとともに、当該流動性内容物によって前記薬剤を容易に包むことができる、服薬補助容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る服薬補助容器を概略的に示す側面図であり、図中、服薬補助容器は使用前の初期状態で示されているとともに当該服薬補助容器の一部は断面で示されている。
【
図2】
図1の服薬補助容器を使用して薬剤を流動性内容物で包んだ後、当該流動性内容物に包まれた前記薬剤が取り出される直前の状態を概略的に示す側面図である。
【
図3】
図1の服薬補助容器から取り外された受皿ユニットを概略的に断面で示す断面図である。
【
図4】本発明の第2実施形態に係る服薬補助容器を概略的に示す平面図である。
【
図5】
図4の服薬補助容器の要部を概略的に示す側面図であり、図中、当該服薬補助容器の一部は、
図4のX-X断面で示されている。
【
図6】
図4の服薬補助容器を使用して薬剤を流動性内容物で包む方法のうちの、受皿部材に取り出された流動性内容物に薬剤を載せ置く方法の一例を説明する図であり、図中、当該薬剤は、流動性内容物に載せ置かれた状態で概略的に示されている。
【
図7】
図4の服薬補助容器を使用して薬剤を流動性内容物で包む方法のうちの、流動性内容物で薬剤を包む方法の一例を説明する図であり、図中、流動性内容物上の薬剤は、さらなる流動性内容物によって包まれた状態で概略的に示されている。
【
図8】
図4の服薬補助容器の受皿ユニットを使用して流動性内容物に包まれた薬剤を服用する方法の一例を説明する図であり、図中、受皿ユニットは、
図4のX-X断面相当で示されている。
【
図9】
図4の服薬補助容器を使用後に保管しておく方法の一例を説明する図であり、図中、アダプタを介して圧送容器部に取り付けられた部受皿ユニットは、噴出口がストッパによって閉じられた状態で概略的に示されている。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して、本発明の例示的な実施形態に係る服薬補助容器について、説明をする。
【0024】
服薬補助容器は、流動性内容物C(例えば、
図2参照。)を取り出すことができる。流動性内容物Cは、流動性を有する内容物である。流動性内容物Cとしては、例えば、ゼリー状の内容物等の、ゲル状の内容物が挙げられる。流動性内容物Cは、薬剤M(例えば、
図2参照。)の嚥下を容易にするために使用される。
【0025】
薬剤Mは、内服用薬剤である。薬剤Mとしては、例えば、カプセル剤、錠剤が挙げられる。ただし、薬剤Mは、粉末の薬剤であってもよい。
【0026】
図1は、本発明の第1実施形態に係る、服薬補助容器1Aを概略的に示す側面図である。
図1中、服薬補助容器1Aは、当該服薬補助容器1Aを使用する前の初期状態で示されている。服薬補助容器1Aの一部は断面で示されている。ここで、前記断面は、軸線Oを含んで前後方向に延在する断面である。
【0027】
服薬補助容器1Aは、流動性内容物Cを収容可能であるとともに当該流動性内容物Cを圧送可能な圧送容器部2と、圧送容器部2から圧送された流動性内容物Cを噴出可能な縦ノズル3cを備えるアダプタ3と、縦ノズル3cの噴出口A31から噴出させた流動性内容物Cを収容可能であるとともに薬剤Mを載置可能な受皿ユニット4と、を備えている。
【0028】
ここで、符号Oは、圧送容器部2の中心軸線である。以下の説明において、圧送容器部2の中心軸線O(以下、単に「軸線O」ともいう。)が延在する方向は、圧送容器部2を水平面に置いたときに鉛直方向に対して平行になるものとする。さらに、以下の説明において、「下」とは、服薬補助容器1Aにおいて圧送容器部2が配置される方向を意味し、また、「上」とは、服薬補助容器1Aにおいて受皿ユニット4が配置される方向を意味することがある。さらに、以下の説明において、軸線Oが延在する方向を「軸線方向」ともいう。本実施形態において、縦ノズル3cは、軸線方向に延在し、上向きに指向している。
【0029】
また、以下の説明において、横とは、軸線Oに対して直交する方向をいい、「横方向」又は「径方向」ともいう。また、以下の説明において、横方向は、圧送容器部2を水平面に置いたときに水平方向に対して平行になるものとする。さらに、以下の説明において、「前」とは、軸線Oを中心に流動性内容物Cを包んだ薬剤Mが取り出される方向をいい、「後」とは、軸線Oを挟んで「前」と反対の方向をいう。さらに、「右」及び「左」は、軸線Oを中心に「前」及び「後」を基準に規定するものとする。また、以下の説明において、「径方向内側」とは、径方向のうち、軸線Oに接近する方向をいい、「径方向外側」とは、軸線Oから遠ざかる方向をいう。
【0030】
本実施形態において、圧送容器部2は、流動性内容物Cを収容可能であるとともに変形及び復元可能な容器本体5を備えている。
【0031】
本実施形態において、容器本体5は、いわゆる、スクイズ容器である。本実施形態において、容器本体5は、変形及び復元が可能なボトル容器である。本実施形態において、容器本体5は、口部5aに連なる首部5bと、首部5bに連なる肩部5cと、肩部5cに連なる胴部5dとを備えている。胴部5dの下端は、底部5eによって閉じられている。容器本体5の内部には、流動性内容物Cを収容する収容空間Sが形成されている。収容空間Sは、口部5aの上端に形成された開口部を通して外界に通じている。
【0032】
本実施形態において、容器本体5の胴部5dは可撓性を有している。容器本体5の胴部5dは、スクイズ(押圧)されることで弾性変形する。これによって、容器本体5の胴部5dは、径方向内側に向けて凹ませることができる。その一方で、容器本体5の胴部5dは、スクイズが解除されると、当該胴部5dの弾性力(復元力)によって、凹んだ状態から元の形状に自力で復元することができる。容器本体5は、胴部5dをスクイズにより弾性変形可能な構成としたことにより、収容空間Sの流動性内容物Cを、口部5aの開口部を通して外界に圧送させることができる。
【0033】
本実施形態において、容器本体5は、積層剥離容器とも呼ばれるものである。容器本体5は、外層体51と、外層体51の内側に収容された内層体52とを備えた二重構造を有している。内層体52は、口部5aを残して外層体51から剥離させることができる。外層体51には、口部5aに相当する位置に複数の外気導入口A5が形成されている。外気導入口A5は、外層体51を径方向に貫通する貫通孔である。外気導入口A5は、外層体51と内層体52との間に通じている。これによって、外層体51と内層体52との間には、外気導入口A5を通して外気を導入することができる。なお、外気導入口A5は、少なくとも1つ形成されていればよく、当該外気導入口A5の個数は、任意に設定することができる。
【0034】
本実施形態において、容器本体5は、流動性内容物Cの圧送後に胴部5dが元の形状に復元するときに、外気が外気導入口A5を通して外層体51と内層体52との間に確実に導入される。これによって、容器本体5は、積層剥離容器としての機能を確実に発揮することができる。
【0035】
さらに、本実施形態において、圧送容器部2は、容器本体5の口部5aに装着される中栓6を備えている。本実施形態において、中栓6は、後述する弁部材7を備えており、アダプタ3の内側に固定されている。
【0036】
中栓6は、容器本体5の口部5aを覆う隔壁6aを備えている。本実施形態において、隔壁6aの外周縁には、上方に向けて起立する円筒状の係合壁6bが一体に設けられている。本実施形態において、係合壁6bの上端は、アダプタ3の頂壁3aの下面に当接することで、中栓6とアダプタ3との間には所定の間隔が空けられている。
【0037】
中栓6には、流動性内容物Cを外界に圧送する流出孔A6が設けられている。流出孔A6は、隔壁6aに形成された貫通孔である。流出孔A6は、中栓6とアダプタ3との間の空間を介して縦ノズル3cに通じている。これによって、収容空間Sに収容されている流動性内容物Cは、流出孔A6を通して縦ノズル3cに向けて流出させることができる。
【0038】
中栓6は、弁部材7を備えている。弁部材7は、アダプタ3と中栓6との間に配置された、円筒状の環状壁7aを備えている。本実施形態において、環状壁7aは、アダプタ3と中栓6とに固定されている。また、弁部材7は、環状壁7aの内側に配置された第1弁体7bを備えている。本実施形態において、第1弁体7bは、板状(円板状)に形成されており、複数の弾性片7cを介して環状壁7aの内周面に固定されている。第1弁体7bは、中栓6の隔壁6aの上面に配置されて流出孔A6を閉塞している。第1弁体7bは、中栓6の隔壁6aの上面に対して接触及び離間することによって、流出孔A6を開閉する逆止弁として機能する。具体的には、第1弁体7bは、流動性内容物Cが収容空間Sから圧送されると、中栓6の隔壁6aから離間することによって、当該流動性内容物Cを縦ノズル3cに流出させることを許容する。その一方で、第1弁体7bは、流動性内容物Cが収容空間Sから圧送されなくなると、中栓6の隔壁6aに接触することによって、流動性内容物Cが収容空間Sに逆流することを阻止する。なお、本実施形態において、弁部材7は、環状壁7aの外周面には、アダプタ3に形成された通気口A32を開閉する空気用逆止弁7dが一体に設けられている。
【0039】
さらに、中栓6は、収容空間Sに向けて延在する円筒状の筒状壁6cを備えている。本実施形態において、筒状壁6cの下端は、下方に向かうに従って内径が狭まるように縮径している。筒状壁6cの内部には、鋼材や樹脂等により球状(ボール)に形成された第2弁体8が上下方向に移動可能に配置されている。第2弁体8は、縦ノズル3cからの液垂れを防止するためのサックバック機構として機能する。第2弁体8は、縦ノズル3cの内部の流動性内容物Cの残量を減らして、縦ノズル3cからの液垂れを防止することができる。
【0040】
本実施形態において、縦ノズル3cは、容器本体5の口部5aと受皿ユニット4とを接続可能なアダプタ3に設けられている。
【0041】
アダプタ3は、頂壁3aと、当該頂壁3aの外周縁に一体に連なる円筒状の側壁3bと、を備えた略有頂円筒状に形成されている。アダプタ3の側壁3bは、容器本体5の口部5aの外周を覆い、且つ、頂壁3aが容器本体5の口部5aの開口端を覆うように当該口部5aに装着されている。アダプタ3は、容器本体5の口部5aに対して着脱可能に取り付けられている。本実施形態において、アダプタ3の側壁3bは、容器本体5の口部5aに対して螺合させている。ただし、アダプタ3は、螺合以外の手段によって、容器本体5の口部5aに対して着脱可能に取り付けることができる。また、アダプタ3は、容器本体5の口部5aに対して、打栓等の手段によって容器本体5の口部5aに対して取り外し不能に取り付けることができる。
【0042】
本実施形態において、アダプタ3は、縦ノズル3cを備えている。縦ノズル3cは、頂壁3aに一体に設けられている。縦ノズル3cは、頂壁3aから上方向に延在している。縦ノズル3cの内側には、中栓6に形成された流出孔A6に通じる内部通路R3が形成されている。内部通路R3は、噴出口A31を通して外界に通じている。これによって、流動性内容物Cは、縦ノズル3cに形成された噴出口A31を通して外界に噴出させることができる。
【0043】
本実施形態において、噴出口A31は、横向きに開口する開口部である。容器本体5(内層体52)の収容空間Sに収容されている流動性内容物Cは、噴出口A31を通して受皿ユニット4の内部に噴出させることができる。本実施形態において、噴出口A31は、縦ノズル3cの周壁を前方向に貫通している。これによって、流動性内容物Cは、噴出口A31を通して、受皿部材41の周壁41bの前側内面側に向かって噴出させることができる。噴出口A31の形状、大きさ、位置は、流動性内容物C等に応じて種々に変更可能である。本実施形態において、噴出口A31は、
図1に示すように、縦ノズル3cの上端部3caの下面に隣接する位置に配置されている。
【0044】
受皿ユニット4は、受皿部材41を備えている。受皿部材41は、縦ノズル3cの噴出口A31から噴出させた流動性内容物Cを収容可能であるとともに薬剤Mを載置可能な凹部Dを備えている。
【0045】
本実施形態において、受皿部材41は、底壁41aと周壁41bとを備えている。本実施形態において、受皿部材41の底壁41aは、平らに構成されている。本実施形態において、底壁41aは、服薬補助容器1Aを水平面に配置したときに水平方向に延在している。本実施形態において、周壁41bの下端は、底壁41aの外縁部に連なっている。本実施形態において、凹部Dは、底壁41aの底面(上面)と周壁41bの内周面とによって区画形成されている。本実施形態において、周壁41bの下端部は、下側に向かうにしたがって先細りしている。本実施形態において、周壁41bの下端部のうち、前側の下端部41ba(以下、「周壁41bの前側下端部41ba」ともいう。)は、下側に向かうにしたがって先細るすり鉢状の形状を有している。
図1を参照すれば、周壁41bの前側下端部41baは、軸線Oを含む断面において、外向きに凸の曲線によって構成されている。
【0046】
凹部Dの上端開口部は、受皿部材41の上端41eの内側に形成されている。本実施形態において、受皿部材41の上端41eは、周壁41bの上端である。本実施形態において、縦ノズル3cの噴出口A31は、受皿部材41の上端41eよりも下側の位置に配置されている。これによって、噴出口A31から噴出させた流動性内容物Cは、周壁41bの前側下端部41baの内面に沿って底壁41aの底面(上面)に取り出される。
【0047】
本実施形態において、受皿ユニット4は、圧送容器部2に対して着脱可能である。
【0048】
本実施形態において、受皿部材41は、圧送容器部2に装着されたアダプタ3に対して着脱可能である。本実施形態において、受皿部材41は、アダプタ3の頂壁3aの外縁部に対して着脱可能な装着筒41cを備えている。本実施形態において、装着筒41cの内側には、軸線Oの周りを周方向に環状に延在する環状の嵌合溝41dが形成されている。また、本実施形態において、アダプタ3の頂壁3aの外周縁部には、軸線Oの周りを周方向に環状に延在する環状の嵌合凸部3dが形成されている。本実施形態において、受皿部材41は、当該受皿部材41の装着筒41cに形成された嵌合溝41dをアダプタ3の嵌合凸部3dに解除可能に嵌合させることができる。これによって、本実施形態において、受皿部材41は、アダプタ3に対して取り外し可能に装着することができる。これによって、受皿部材41、ひいては、受皿ユニット4は、アダプタ3に対して着脱させることができる。
【0049】
さらに、本実施形態において、受皿部材41の底壁41aには、縦ノズル3cを貫通させる貫通孔A4が形成されている。本実施形態において、貫通孔A4は、受皿部材41の底壁41aに設けられた筒状壁41fの内部に形成されている。本実施形態において、縦ノズル3cは、筒状壁41fに形成された貫通孔A4に液密の状態で貫通させることができる。これによって、縦ノズル3cは、受皿ユニット4をアダプタ3に取り付けた状態で、受皿部材41の凹部Dに露出させることができる。
図3には、服薬補助容器1Aから取り外された受皿ユニット4が概略的に断面で示されている。
【0050】
さらに、服薬補助容器1Aは、受皿部材41の凹部Dを開閉可能な蓋体42をさらに備えている。
【0051】
本実施形態において、蓋体42は、受皿部材41の上端41eを覆う天壁42aと、当該天壁42aの外縁部から下方向に延在する周壁42bと、を備えている。蓋体42は、受皿部材41の凹部Dの上端開口部を閉じることによって、受皿ユニット4の内部に、流動性内容物C及び薬剤Mを収容する閉空間を形成する。なお、本実施形態において、蓋体42には、周壁42bの前側に、蓋体42を開けるためのツマミ42dが設けられている。
【0052】
また、
図1に示すように、本実施形態において、蓋体42は、当該蓋体42を閉じたときに、縦ノズル3cの上端部を収容するとともに噴出口A31を閉じる閉鎖筒42cを備えている。閉鎖筒42cは、天壁42aの下面から下方向に延在している。本実施形態によれば、閉鎖筒42cは、蓋体42を閉じることによって、縦ノズル3cの噴出口A31を閉じる。閉鎖筒42cによれば、蓋体42を閉じた状態においても、流動性内容物Cが噴出口A31から誤って噴出することを防止することができる。
【0053】
さらに本実施形態において、受皿部材41と蓋体42とは、ヒンジ43によって接続されている。これによって、蓋体42は、ヒンジ43を基点として開閉することができる。本実施形態において、蓋体42の前側にはツマミ42dが設けられており、当該蓋体42の後側にはヒンジ43が設けられている。このため、使用者は、ツマミ42dを指に掛けて蓋体42を持ち上げることによって、当該蓋体42をヒンジ43を基点に容易に開くことができる。
【0054】
ここで、服薬補助容器1Aを使用して薬剤Mを流動性内容物Cで包む方法の一例について説明する。
【0055】
図1には、服薬補助容器1Aが当該服薬補助容器1Aを使用する前の初期状態で示されている。
【0056】
使用者は、薬剤Mを服薬するに際し、
図1に示す初期状態から
図2に示すように、蓋体42を、ヒンジ43を基点として受皿部材41から開く。次いで、使用者は、容器本体5の胴部5dを径方向内側に向けて押し潰す。これによって、容器本体5の流動性内容物C(C1)は、縦ノズル3cの噴出口A31を通して、受皿部材41の凹部Dに取り出される。本実施形態において、縦ノズル3cの噴出口A31は、前方向に指向している。このため、流動性内容物C(C1)は、受皿部材41の周壁41bの前側下端部41baの内面に沿って底壁41aの底面(上面)に取り出される。
【0057】
服薬補助容器1Aにおいて、流動性内容物Cを取り出す際には、容器本体5の胴部5dを押し潰している。この場合、収容空間Sにおいて、流動性内容物Cに含まれた水分が当該流動性内容物Cから分離していても、当該水分は、容器本体5の押し潰しによって攪拌される。したがって、服薬補助容器1Aによれば、流動性内容物Cは、縦ノズル3cの噴出口A31を通して、流動性内容物Cの水分と当該流動性内容物Cの残部とともに、ゼリー状に攪拌された内容物として取り出される。
【0058】
また、服薬補助容器1Aによれば、流動性内容物Cから分離した水分が容器本体5の収容空間Sで、当該流動性内容物Cの上層部に溜まっている状態にあっても、流動性内容物Cの水分と当該流動性内容物Cの残部は、容器本体5の押し潰しによって攪拌されるため、服薬補助容器1Aの使用前に、流動性内容物Cから分離した水分(液体)を捨てる必要が無い。
【0059】
空っぽであった受皿部材41にゼリー状の流動性内容物C(C1)を取り出したのち、容器本体5の胴部5dの押し潰しを解除すれば、当該胴部5dの形状は、当該容器本体5の弾性力(復元力)によって、元の形状に復元される。これによって、容器本体5の形状は、初期状態に復帰する。
【0060】
次いで、使用者は、受皿部材41の凹部Dの上端開口部を通して、当該凹部Dに取り出された流動性内容物C(C1)上に薬剤Mを載せ置くことができる。
【0061】
その後、使用者が再び、容器本体5の胴部5dを押し潰せば、収容空間Sの流動性内容物Cは、縦ノズル3cの噴出口A31を通して、再び、受皿部材41の凹部Dに取り出される。これによって、使用者は、
図2に示すように、流動性内容物C(C1)上の薬剤Mに、縦ノズル3cから取り出されたさらなる流動性内容物C(C2)を載せ置くことができる。これによって、薬剤Mは、
図2に示すように、流動性内容物Cに包まれた状態となる。
【0062】
上述のとおり、服薬補助容器1Aを用いた一連の操作によれば、使用者は、簡略化された方法によって容易に、流動性内容物Cから分離した水分を捨てることなく、当該流動性内容物Cで薬剤Mを包むことができる。したがって、服薬補助容器1Aによれば、薬剤Mを包むための流動性内容物Cを容易に取り出せるとともに、当該流動性内容物Cによって薬剤Mを容易に包むことができる。
【0063】
また、服薬補助容器1Aによれば、縦ノズル3cの噴出口A31を通して流動性内容物Cを取り出すことができる。
【0064】
本実施形態において、受皿部材41の凹部Dで流動性内容物Cに包まれた薬剤Mは、服薬補助容器1Aを前側下方に傾けることによって、使用者の口に入れることができる。これによって、使用者は、流動性内容物Cに包まれた薬剤Mの嚥下を容易に行うことができる。
【0065】
加えて、服薬補助容器1Aによれば、受皿ユニット4(受皿部材41)を圧送容器部2に対して取り外すことができる。
図3に示すように、本実施形態において、受皿ユニット4(受皿部材41)は、アダプタ3から取り外すことができる。これによって、使用者は、受皿ユニット4(受皿部材41)を使用した後には、当該受皿ユニット4を取り外して洗浄することができる。
【0066】
本実施形態において、噴出口A31は、
図2に示すように、横向きに開口する開口部である。この場合、流動性内容物Cは、横方向の所望の位置(軸線Oの周りで周方向の所望の位置)を狙って取り出すことができる。
【0067】
また、服薬補助容器1Aは、受皿部材41の凹部Dを開閉可能な蓋体42をさらに備えている。これによって、服薬補助容器1Aを使用しないときには、蓋体42を閉じておくことによって、受皿部材41の凹部Dが外気に触れる機会を必要最小限に抑えることができる。
【0068】
さらに本実施形態において、受皿部材41と蓋体42とは、ヒンジ43によって接続されている。この場合、蓋体42は、受皿部材41に対して容易に開閉することができる。また、蓋体42がヒンジ43によって受皿部材41に接続されているため、蓋体42の紛失を防止することができる。
【0069】
また、本実施形態において、圧送容器部2は、流動性内容物Cを収容可能であるとともに変形及び復元可能な容器本体5を備えており、縦ノズル3cは、
図1に示すように、容器本体5の口部5aと受皿ユニット4(受皿部材41)とを接続可能なアダプタ3に設けられている。この場合、流動性内容物Cの取り出しを容器本体5の押し潰しという簡易な方法で実現することができる。また、この場合、流動性内容物Cから水分が分離しても当該水分を捨てることなく、使用することができる。さらに、この場合、圧送容器部2の一部(容器本体5、弁部材7を備える中栓6)として、既存の容器又は弁部材を流用することができる。
【0070】
本実施形態において、容器本体5は、積層剥離容器である。積層剥離容器によれば、内層体52に収容されている流動性内容物Cを外気と置換させることなく圧送させることができる。これによって、内層体52の内部に残った流動性内容物Cを空気と接触し難くし、その劣化や変質を抑制することができる。また、積層剥離容器によれば、内層体52が外層体51から剥離することによって、流動性内容物Cを圧送させることから、外層体51の外観形状を維持したまま、流動性内容物Cを効率的に圧送させることができる。特に、本実施形態によれば、ゲル状の流動性内容物Cの場合、当該流動性内容物Cの圧送に有効である。
【0071】
図4は、本発明の第2実施形態に係る服薬補助容器1Bを概略的に示す平面図である。
図5は、服薬補助容器1Bの要部を概略的に示す側面図である。
図5中、服薬補助容器1Bの一部は、
図4のX-X断面で示されている。ここで、X-X断面は、軸線Oを含んで前後方向に延在する断面である。
【0072】
服薬補助容器1Bは、服薬補助容器1Aと同様に、流動性内容物Cを収容可能であるとともに当該流動性内容物Cを圧送可能な圧送容器部2と、圧送容器部2から圧送された流動性内容物Cを噴出可能な縦ノズル3cを備えるアダプタ3と、縦ノズル3cの噴出口A31から噴出させた流動性内容物Cを収容可能であるとともに薬剤Mを載置可能な受皿ユニット4と、を備えている。
【0073】
図4に示すように、本実施形態において、圧送容器部2は、流動性内容物Cを収容可能な容器本体10と、容器本体10に取り付けられるとともに流動性内容物Cを圧送可能なポンプ11と、を備えている。また、
図5に示すように、本実施形態において、縦ノズル3cは、ポンプ11と受皿ユニット4とを接続可能なアダプタ3に設けられている。
【0074】
図6を参照すれば、容器本体10の口部(図示省略。)には、ポンプ11の装着キャップ12が装着されている。本実施形態において、容器本体10は、剛性の高い既存のボトル容器である。本実施形態において、容器本体10は、前記口部に連なる首部10cと、首部10cに連なる肩部10bと、肩部10bに連なる胴部10aとを備えている。胴部10aの下端は、底部(図示省略。)によって閉じられている。容器本体10の内部には、流動性内容物Cを収容する収容空間(図示省略。)が形成されている。前記収容空間は、前記口部の上端に形成された開口部(図示省略。)を通して外界に通じている。
【0075】
ポンプ11もまた、既存の容器用のポンプである。ポンプ11は、容器本体10の前記収容空間に配置可能なシリンダ(図示省略。)と、前記シリンダの内部に摺動可能に配置されたピストン(図示省略。)と、を備えている。ポンプ11は、前記ピストンと前記シリンダとの間に形成されたポンプ室を拡大及び縮小させることによって、容器本体5の流動性内容物Cを吸入し、その吸入された当該流動性内容物Cを外界に圧送させることができる。
【0076】
ポンプ11は、上述のとおり、装着キャップ12を備えている。本実施形態において、装着キャップ12は、大径筒12aと当該大径筒12aよりも直径の小さい小径筒12bとを備えている。本実施形態において、装着キャップ12は、大径筒12a及び小径筒12bが一体に形成された筒状部材である。本実施形態において、ポンプ11は、装着キャップ12の大径筒12aを介して、容器本体10の前記口部に装着されている。また、ポンプ11は、装着キャップ12に対して上下動可能なステム13を備えている。ステム13は、前記ピストンに連なっている。これによって、ポンプ11は、ステム13を装着キャップ12に対して上下動させることによって、容器本体10の流動性内容物Cを前記ポンプ室に吸入し、当該ポンプ室に吸入された流動性内容物Cを外界に圧送させることができる。ステム13の内部には、前記ポンプ室に通じる内部通路R13が形成されている。内部通路R13は、ステム13の上端に形成された流出口A13を通して外界に通じている。これによって、ステム13の内部通路R13に圧送された流動性内容物Cは、流出口A13を通して外界に流出させることができる。
【0077】
アダプタ3は、頂壁3aと、当該頂壁3aの外周縁に一体に連なる円筒状の外側壁3eと、当該外側壁3eの径方向内側に配置されているとともに頂壁3aの下面に一体に連なる円筒状の内側壁3fとを備えた、略有頂同心二重円筒状に形成されている。
【0078】
アダプタ3の内側壁3fは、ポンプ11のステム13の外周を覆い、且つ、頂壁3aがステム13の流出口A13を覆うように当該ステム13に装着されている。本実施形態において、アダプタ3は、ポンプ11のステム13の外周面に内側壁3fの内周面を嵌合させることによって、取り付けられている。本実施形態において、アダプタ3は、ステム13に対して着脱可能とすることができる。また、本実施形態において、アダプタ3は、ステム13に対して着脱不能に固定することもできる。その一方で、アダプタ3の外側壁3eは、当該アダプタ3をステム13とともに下方向に押し込んだときに、ポンプ11の装着キャップ12の小径筒12bの外周を覆うように構成されている。これによって、本実施形態において、アダプタ3は、ステム13とともに装着キャップ12に対して上下動させることができる。
【0079】
なお、
図5に示すように、本実施形態において、アダプタ3とポンプ11との間には、ポンプ11の誤操作を防止するためのポンプ誤操作防止部材30が配置されている。本実施形態において、ポンプ誤操作防止部材30は、装着キャップ12の小径筒12bの外周面に取り外し可能に嵌合する、C字状のストッパである。ポンプ誤操作防止部材30は、装着キャップ12の小径筒12bに取り付けられることによって、装着キャップ12の大径筒12a上に配置されるとともにアダプタ3の外側壁3eの真下の位置に配置される。これによって、ポンプ誤操作防止部材30は、装着キャップ12に取り付けられたときには、アダプタ3(ステム13)の押下げを防止する一方で、装着キャップ12から取り出されたときには、アダプタ3(ステム13)の押下げを可能にする。
【0080】
本実施形態において、アダプタ3は、縦ノズル3cを備えている。縦ノズル3cは、頂壁3aに一体に設けられている。縦ノズル3cは、頂壁3aから上方向に延在している。縦ノズル3cの内側には、ステム13に形成された内部通路R13に通じる内部通路R3が形成されている。内部通路R3は、噴出口A31を通して外界に通じている。これによって、流動性内容物Cは、縦ノズル3cに形成された噴出口A31を通して外界に噴出させることができる。
【0081】
本実施形態において、噴出口A31は、上向きに開口する開口部である。容器本体10に収容されている流動性内容物Cは、噴出口A31を通して受皿ユニット4の内部に噴出させることができる。噴出口A31は、縦ノズル3cに形成された内部通路R3の上端開口部である。これによって、流動性内容物Cは、噴出口A31を通して、受皿ユニット4に噴出させることができる。
【0082】
受皿ユニット4は、受皿部材41を備えている。受皿部材41は、縦ノズル3cの噴出口A31から噴出させた流動性内容物Cを収容可能であるとともに薬剤Mを載置可能な凹部Dを備えている。
【0083】
本実施形態において、受皿部材41は、底壁41aと周壁41bとを備えている。本実施形態において、周壁41bの下端は、底壁41aの外縁部に連なっている。即ち、本実施形態において、受皿部材41の凹部Dは、底壁41aの底面(上面)と、周壁41bの内周面と、によって区画形成されている。
【0084】
本実施形態において、受皿部材41の前側部分は下側に下がっており、当該受皿部材41の後側部分には把手41gが設けられている。
【0085】
本実施形態において、受皿部材41の底壁41aは、服薬補助容器1Aを水平面に配置したときに、前側に向かうにしたがって下方向に下がるように傾斜している。即ち、本実施形態において、底壁41aの底面(上面)は、前側に向かうにしたがって下方向に下がるように傾斜している。加えて、本実施形態において、底壁41aの最深部41amは、受皿部材41の前側部分に位置し、下方向に凸のすり鉢状の形状に構成されている。即ち、本実施形態において、底壁41aの最深部41amの底面(上面)は、下方向に凸のすり鉢状の形状に構成されている。これによって、受皿部材41の凹部Dに取り出された流動性内容物Cは、底壁41aに沿って当該底壁41aの最深部41amに溜められる。
【0086】
また、
図4に示すように、本実施形態において、受皿部材41の先端部分41hは、先細りした案内口Daに形成されている。本実施形態において、受皿部材41の先端部分41hは、受皿部材41の周壁41bのうちの、当該周壁41bの前側先端部分である。
図4に示すように、受皿部材41の先端部分41hは、前側に向かうしたがって左右方向の幅が狭まるように先細りしている。また、
図5に示すように、受皿部材41の先端部分41hは、周壁41bの前側先端部分の上端部分である。受皿部材41の先端部分41hは、
図5に示すように、前側に向かうしたがって受皿部材41の上端41eに近づくように先細りしている。これによって、受皿部材41の凹部Dに収容された流動性内容物C及び薬剤Mは、案内口Daを通して、凹部Dから容易に取り出すことができる。
【0087】
本実施形態において、受皿ユニット4もまた、圧送容器部2に対して着脱可能である。本実施形態において、受皿ユニット4は、受皿部材41と、押圧部材(押圧部)20と、を備えている。
【0088】
本実施形態において、受皿部材41は、圧送容器部2に対して着脱可能である。本実施形態において、受皿部材41は、アダプタ3の外側壁3eに対して着脱可能な装着筒41cを備えている。本実施形態において、受皿部材41は、当該受皿部材41の装着筒41cの内周面をアダプタ3の外側壁3eの外周面に解除可能に嵌合させることができる。これによって、受皿部材41は、アダプタ3に対して取り外し可能に装着することができる。これによって、受皿部材41、ひいては、受皿ユニット4は、アダプタ3に対して着脱させることができる。
【0089】
さらに、本実施形態において、受皿部材41は、縦ノズル3cを収容する保護筒41kを備えている。本実施形態において、受皿部材41の底壁41aには、縦ノズル3cを貫通させる貫通孔A41が形成されている。本実施形態において、貫通孔A41は、受皿部材41の底壁41aに設けられた保護筒41kの内部に形成されている。本実施形態において、保護筒41kは、底壁41aから上方向に延在することによって、受皿部材41の凹部Dに配置されている。本実施形態において、縦ノズル3cは、保護筒41kの内側に液密の状態で貫通させることができる。これによって、縦ノズル3cは、受皿ユニット4をアダプタ3に取り付けた状態で、受皿部材41の凹部Dに配置することができる。加えて、保護筒41kには、縦ノズル3cの噴出口A31を外界に通じさせる噴出口A42が形成されている、噴出口A42は、保護筒41kの内部に形成された貫通孔A41を外界に通じさせる、当該保護筒41kの上端に形成された開口部である。これによって、縦ノズル3cの噴出口A31から噴出させた流動性内容物Cは、保護筒41kの上端に形成された噴出口A42を通して、凹部Dに噴出させることができる。
【0090】
加えて、服薬補助容器1は、受皿ユニット4に、押圧部材(押圧部)20をさらに備えている。押圧部材20は、受皿ユニット4(受皿部材41)を下方向に押し込むために、使用者が押圧する部材(部分)である。本実施形態において、押圧部材20は、縦ノズル3cの真上の位置に配置されている。
【0091】
本実施形態において、押圧部材20は、保護筒41kを真上から覆うことができる天壁21と、天壁21の外周縁から下方向に延在する周壁22とを備えている。本実施形態において、使用者は、押圧部材20の天壁21を下方向に押し込むことができる。受皿ユニット4は、下方向に押し込むことによって、アダプタ3を介してポンプ11のステム13を下方向に押し込む。これによって、ポンプ11は、受皿ユニット4の押し込みによって動作させることができる。
【0092】
また、押圧部材20は、例えば、流動性内容物Cが噴出口A42を通して凹部Dに噴出されたとき、当該流動性内容物Cを押圧部材20の天壁21の下面に衝突させることができる。これによって、流動性内容物Cが勢いよく上向きに噴出する場合でも、受皿部材41の底壁41aに向かって下側に跳ね返させることができる。この場合、噴出口A42(A31)から噴出させた流動性内容物Cを受皿部材41の底壁41aに確実に取り出すことができる。加えて、押圧部材20の周壁22の内周面は、天壁21の下面で跳ね返った流動性内容物Cが保護筒41k(縦ノズル3c)の周りに拡散することを抑制するように、当該流動性内容物Cを下方向に案内することができる。
【0093】
加えて、本実施形態において、押圧部材20は、受皿部材41に対して着脱可能である。
【0094】
図4に示すように、本実施形態において、押圧部材20の周壁22の外周面は、受皿部材41の周壁41bの後側の内周面に沿った形状を有している。これによって、押圧部材20は、受皿部材41の周壁41bの内周面に取り外し可能に嵌合させることができる。また、
図5に示すように、受皿部材41の周壁41bの後側の内周面は、軸線方向に延在している。これによって、押圧部材20は、受皿部材41の周壁41bに沿って上下方向に移動させることができる。
【0095】
加えて、本実施形態において、押圧部材20は、当該押圧部材20を下方向に移動させた状態で、噴出口A31を閉じる封鎖突起23を備えている。
【0096】
本実施形態において、封鎖突起23は、天壁21の下面から下方向に延在している。
図5に示すように、本実施形態において、封鎖突起23の中心軸線は、縦ノズル3cの中心軸線とともに軸線Oである。即ち、本実施形態において、封鎖突起23は、縦ノズル3c噴出口A31と同軸上に配置されている。また、封鎖突起23は、縦ノズル3cの噴出口A31を通して当該縦ノズル3cの内側に形成された内部通路R3に対して抜き差し可能に挿入させることができる。これによって、
図5に示すように、押圧部材20を上方向に移動させた状態では、縦ノズル3cの噴出口A31からの流動性内容物Cの取り出しが可能である一方で、
図9に示すように、押圧部材20を下方向に移動させた状態では、押圧部材20の封鎖突起23が噴出口A31を通して縦ノズル3cの内側に嵌合する。これによって、封鎖突起23は、押圧部材20を下方向に移動させた状態で、噴出口A31を封鎖することができる。
【0097】
加えて、本実施形態において、押圧部材20は、受皿部材41の上端41eに接触することによって当該押圧部材20が下方向に移動することを阻止するストッパ24を備えている。ストッパ24は、押圧部材20の回転によって受皿部材41の上端41eとの接触を解除可能な突出部である。
【0098】
本実施形態において、押圧部材20は、受皿部材41に対して着脱可能である。
図4を参照すれば、ストッパ24は、押圧部材20の周壁22の一部から径方向外側に部分的に突出したフランジである。
図4に示すように、ストッパ24の一部は、受皿部材41の上端41eに載せ置くことができる。押圧部材20は、ストッパ24が受皿部材41の上端41eと接触するとき、下方向に移動することができない。これによって、ストッパ24は、使用者が押圧部材20を押下げた際に、当該押圧部材20が受皿部材41の凹部Dに落下することを防止する。その一方で、ストッパ24の一部は、
図4に示すように、受皿部材41の周壁41bよりも外側にはみ出させている。ストッパ24のはみ出し部分は、指に引っ掛けることができる。このため、使用者は、ストッパ24のはみ出し部分を指に引っ掛けて、当該ストッパ24を引き上げれば、押圧部材20を受皿部材41から容易に取り外すことができる。
【0099】
押圧部材20を下方向に移動させるときは、ストッパ24が前側に向くように押圧部材20を回転させる。これによって、押圧部材20のストッパ24は、受皿部材41の上端41eと接触することがない。したがって、受皿部材41から取り外した押圧部材20をストッパ24が前側に向くように回転させたのちに当該押圧部材20を下方向に押し込めば、
図9に示すように、当該押圧部材20の封鎖突起23を縦ノズル3cの内側に嵌合させることができる。これによって、縦ノズル3cの内部通路R3は、押圧部材20の封鎖突起23によって封鎖される。
【0100】
ここで、服薬補助容器1Bを使用して薬剤Mを流動性内容物Cで包む方法の一例について説明する。
【0101】
図4,5には、服薬補助容器1Bが当該服薬補助容器1Bを使用する前の初期状態で示されている。
図5に示すように、服薬補助容器1Bの初期状態において、受皿ユニット4は、ポンプ誤操作防止部材30によって、ポンプ11の装着キャップ12に対して押し下げられない状態になっている。したがって、服薬補助容器1Bの使用に際してはまず、ポンプ11からポンプ誤操作防止部材30を取り除く。これによって、ポンプ11は、受皿ユニット4の下方向への押し込み及び当該押し込みの解除によってポンプ動作が惹起される。
【0102】
次いで、使用者は、薬剤Mを服薬するに際し、
図6に示すように、押圧部材20を用いることによって、受皿ユニット4を下方向に押し込む。これによって、容器本体10の流動性内容物Cは、縦ノズル3cの噴出口A31から、受皿部材41の保護筒41kの噴出口A42を通して、受皿部材41の凹部Dに取り出される。本実施形態において、受皿ユニット4の押し込みは、押圧部材20によって行う。これによって、縦ノズル3cの噴出口A31からの流動性内容物Cを保護筒41kの噴出口A42を通して容易に取り出すことができる。
【0103】
特に、本実施形態において、受皿部材41の底壁41aは、前側に向かうにしたがって下方向に下がるように傾斜し、当該底壁41aの最深部41amは、受皿部材41の前側部分に位置している。このため、流動性内容物Cは、
図6に示すように、受皿部材41の前側部分に位置する最深部41amに溜まるように取り出される。
【0104】
服薬補助容器1Bにおいて、流動性内容物Cの取り出しには、前記シリンダ及び前記ピストンを備えるポンプ11を使用している。この場合、流動性内容物Cに含まれた水分が当該流動性内容物Cから分離していても、当該水分は、流動性内容物Cの残部とともに、ポンプ11を通過することによって攪拌される。したがって、服薬補助容器1Bによれば、流動性内容物Cは、縦ノズル3cの噴出口A31を経た後、保護筒41kの噴出口A42を通して、流動性内容物Cの水分と当該流動性内容物Cの残部とともに、ゼリー状に攪拌された流動性内容物Cとして取り出される。
【0105】
また、服薬補助容器1Bによれば、流動性内容物Cから分離した水分が容器本体10の前記収容空間で、当該流動性内容物Cの上層部に溜まっている状態にあっても、ポンプ11の前記シリンダに通じるパイプ(図示省略。)によって、保護筒41kの噴出口A42(縦ノズル3cの噴出口A31)からは、分離した水分を含まない流動性内容物Cの下層部が優先的に取り出される。したがって、本実施形態によれば、服薬補助容器1の使用前に、流動性内容物Cから分離した液体を捨てる必要が無い。
【0106】
次いで、使用者は、
図6に示すように、受皿部材41の上から、薬剤Mを受皿部材41の凹部Dに取り出された流動性内容物C上に載せ置く。この例では、流動性内容物Cを取り出したのち、受皿ユニット4を押し込んだ状態のままで、薬剤Mを流動性内容物C上に載せ置いている。ただし、薬剤Mは、受皿ユニット4の押し込みを解除したのちに流動性内容物C上に載せ置くことができる。
【0107】
服薬補助容器1Bによれば、受皿ユニット4の押し込みを解除したのち、当該受皿ユニット4(ステム13)は、既存のポンプの押圧ヘッドと同様に、ばね等の弾性部材(図示省略。)の付勢力(復元力)によって上昇する。これによって、受皿ユニット4(ステム13)は、
図5に示す初期状態の位置に復帰することができる。
【0108】
次いで、使用者は、再び、受皿ユニット4を下方向に押し込む。受皿ユニット4を再び押し込めば、容器本体5の流動性内容物Cは、縦ノズル3cの噴出口A31を経たのち、保護筒41kの噴出口A42を通して、受皿部材41の凹部Dに取り出される。これによって、使用者は、
図6に示す流動性内容物C上の薬剤Mに、
図7に示すように、保護筒41kの噴出口A42(縦ノズル3cの噴出口A31)から取り出されたさらなる流動性内容物Cを載せ置くことができる。
【0109】
上述のとおり、服薬補助容器1Bを用いた一連の操作によれば、使用者は、簡略化された方法によって容易に、流動性内容物Cから分離した水分を捨てることなく、当該流動性内容物Cで薬剤Mを包むことができる。したがって、服薬補助容器1Bによれば、薬剤Mを包むための流動性内容物Cを容易に取り出せるとともに、当該流動性内容物Cによって薬剤Mを容易に包むことができる。
【0110】
また、服薬補助容器1Bによれば、縦ノズル3cの噴出口A31を通して流動性内容物Cを取り出すことができる。
【0111】
本実施形態において、受皿部材41には、押圧部材20が設けられている。これによって、使用者は、受皿ユニット4(受皿部材41)を容易に下方向に押し込むことができる。
【0112】
加えて、服薬補助容器1Bによれば、受皿ユニット4(受皿部材41)を圧送容器部2に対して取り外すことができる。使用者は、例えば、把手41gを使用することによって、受皿ユニット4をアダプタ3から容易に取り外すことができる。
図8に示すように、アダプタ3から取り出された受皿ユニット4は、スプーンのような匙部材として使用することができる。これによって、使用者は、流動性内容物Cに包まれた薬剤Mの嚥下を容易に行うことができる。さらに、受皿ユニット4がアダプタ3から取り外せることによって、当該受皿ユニット4を取り外して洗浄することができる。
【0113】
加えて、本実施形態において、押圧部材20は、受皿部材41に対して着脱可能である。この場合、押圧部材20が受皿部材41から取り外せることによって、押圧部材20及び受皿部材41を個別に取り外して洗浄することができる。
【0114】
また、本実施形態において、受皿部材41の先端部分41hは、先細りした案内口Daに形成されている。この場合、受皿部材41の凹部Dに収容された流動性内容物C及び薬剤Mは、案内口Daを通して、凹部Dから容易に取り出すことができる。例えば、受皿部材41をアダプタ3から取り外して匙部材として使用する場合、使用者は、受皿部材41の凹部Dに収容された流動性内容物C及び薬剤Mを、案内口Daを通して、容易に口に入れることができる。
【0115】
また、本実施形態において、受皿部材41の前側部分は下側に下がっており、当該受皿部材41の後側部分には把手41gが設けられている。この場合、使用者は、受皿部材41の前側に位置する底壁41aの最深部41amに溜まった流動性内容物C及び薬剤Mを、把手41gを持って、容易に口に入れることができる。
【0116】
また、服薬補助容器1Bの使用後は、受皿ユニット4を再度、アダプタ3に取り付ければ、再び、服薬補助容器1Bを使用することができる。
【0117】
その一方で、服薬補助容器1Bの使用を終了するときは、受皿ユニット4を再度、アダプタ3に取り付けたのち、受皿部材41から押圧部材20を取り外す。取り外された押圧部材20は、当該押圧部材20のストッパ24が前側に向くように回転させる。これによって、押圧部材20を下方向に移動させれば、押圧部材20の封鎖突起23を、保護筒41kの噴出口A42を通して、縦ノズル3cの噴出口A31に挿入することができる。本実施形態によれば、縦ノズル3cの噴出口A31を閉じることによって、流動性内容物Cが噴出口A31から誤って噴出することを防止することができる。また、本実施形態によれば、服薬補助容器1Bを再度使用するまで、押圧部材20によって、保護筒41kの噴出口A42(縦ノズル3cの噴出口A31)を保護することができる。
【0118】
また、本実施形態において、押圧部材20は、上述のとおり、受皿部材41の上端41eに接触することによって当該押圧部材20が下方向に移動することを阻止するストッパ24を備えており、当該ストッパ24は、押圧部材20の回転によって受皿部材41の上端41eとの接触を解除可能な突出部である。この場合、使用者が押し込む押圧部材としての機能と、縦ノズル3cの噴出口A31を封鎖する栓としての機能との両立を簡易な構成で実現することができる。
【0119】
また、本実施形態において、圧送容器部2は、流動性内容物Cを収容可能な容器本体10と、容器本体10に取り付けられるとともに流動性内容物Cを圧送可能なポンプ11と、を備えており、縦ノズル3cは、ポンプ11と受皿部材41とを接続可能なアダプタ3に設けられている。この場合、流動性内容物Cの取り出しを受皿ユニット4の押し込み(押し下げ)という簡易な方法で実現することができる。また、この場合、流動性内容物Cから水分が分離しても当該水分を捨てることなく、使用することができる。さらに、この場合、圧送容器部2として、既存のポンプ容器を流用することができる。
【0120】
ところで、受皿部材41は、縦ノズル3cを収容する保護筒41kを備えており、当該保護筒41kには、縦ノズル3cの噴出口A31を外界に通じさせる噴出口A42が形成されている。この場合、縦ノズル3cの耐久性を向上させることができる。また、保護筒41kは、受皿部材41をアダプタ3に取り付けるときの案内筒としても機能させることができる。
【0121】
以上、本発明の例示的な実施形態に係る、繰出し容器について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものでなく、特許請求の範囲に記載された範囲内で、様々に変更することができる。例えば、また、上述の各実施形態に用いられる構成(要素)は、互いに付加し、置き換えることができる。
【符号の説明】
【0122】
1A:服薬補助容器(第1実施形態),1B:服薬補助容器(第2実施形態), 2:圧送容器部, 3:アダプタ, 3a:アダプタ3の頂壁, 3b:アダプタの側壁, 3c:縦ノズル, 4:受皿ユニット,41:受皿部材, 41a:受皿部材の底壁, 41am:底壁の最深部, 41b:受皿部材の周壁, 41ba:受皿部材の周壁の前側下端部(受皿部材の周壁の下端部のうち、前側の下端部), 41c:装着筒, 41d:装着筒の内側に形成された環状の嵌合溝, 41e:受皿部材の上端(受皿部材の周壁の上端), 41f:受皿部材の筒状壁(受皿部材の底壁に設けられた筒状壁), 41g:受皿部材の把手, 41h:受皿部材の先端部分, 41k:保護筒, 42:蓋体, 42a:蓋体の天壁, 42b:蓋体の周壁, 42c:封鎖筒, 43:ヒンジ, 5:容器本体(スクイズ容器), 5a:容器本体の口部, 5b:容器本体の首部, 5c:容器本体の肩部, 5d:容器本体の胴部, 5e:容器本体の底部, 51:,外層体, 52:内層体, 6:中栓, 6a:中栓の隔壁, 6b:中栓の係合壁, 6c:中栓の筒状壁, 7:弁部材, 7a:弁部材の環状壁, 7b:第1弁体, 7c:弁部材の弾性片, 7d:弁部材の空気用逆止弁, 8:第2弁体, 10:容器本体, 11:ポンプ, 12:装着キャップ, 12a:装着キャップの大径筒, 12b:装着キャップの小径筒, 13:ステム, 20:押圧部材(押圧部), 21:押圧部材の天壁, 22:押圧部材の周壁, 23:押圧部材の封鎖突起, 24:押圧部材のストッパ, A31:縦ノズルの噴出口(縦ノズルに形成された噴出口), A32:アダプタに形成された通気口, A41:保護筒の内部に形成された貫通孔, A42:保護筒の噴出口(保護筒の上端に形成された噴出口),A5:外気導入口,A6:中栓の流出孔(中栓の隔壁に形成された流出孔), C:流動性内容物, D:受皿部材の凹部, Da:受皿部材の凹部の案内口, C,C1,C2:流動性内容物, M:薬剤, S:容器本体の収容空間