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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143380
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】減勢機能付きバルブ
(51)【国際特許分類】
   F15D 1/02 20060101AFI20241003BHJP
   F16K 47/02 20060101ALI20241003BHJP
   E02B 8/04 20060101ALI20241003BHJP
   F16K 1/12 20060101ALN20241003BHJP
【FI】
F15D1/02 C
F16K47/02 A
E02B8/04
F16K1/12 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023056026
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000142595
【氏名又は名称】株式会社栗本鐵工所
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松原 圭佑
【テーマコード(参考)】
2D019
3H052
3H066
【Fターム(参考)】
2D019FA01
3H052AA01
3H052BA11
3H052BA25
3H052CA01
3H052CC01
3H052EA02
3H052EA16
3H066AA01
3H066BA04
3H066BA05
3H066EA11
3H066EA32
3H066EA33
(57)【要約】
【課題】コンパクトな構成で、容易に設置することが可能な減勢機能付きバルブを提供すること。
【解決手段】軸方向の一端側の開口部に流入配管が接続された筒状の弁箱と、弁箱における軸方向の他端側の開口部に接続された流出配管と、弁箱内において他端側の開口部を開閉する弁体とを備える減勢機能付きバルブである。当該バルブは、他端側の開口部の開状態において、他端側の開口部から流出配管内に、流出配管の径方向における中心線に沿って、中心線を含む領域を流れる噴流が排出されるように構成され、当該バルブは、流出配管内において、他端側の開口部から中心線に沿って所定の距離離れた位置に配置され、中心線を中心として流出配管の径方向に広がる所定の領域に設けられた減勢部材を備え、減勢部材は、噴流が減勢部材に衝突することによって噴流の勢いを減じさせ、勢いの減じた噴流を流出配管の内周面に向かって拡散させるように構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向の一端側の開口部に流入配管が接続された筒状の弁箱と、
前記弁箱における前記軸方向の他端側の開口部に接続された流出配管と、
前記弁箱内において前記他端側の開口部を開閉する弁体と
を備える減勢機能付きバルブであって、
前記減勢機能付きバルブは、
前記他端側の開口部の開状態において、前記他端側の開口部から前記流出配管内に、前記流出配管の径方向における中心線に沿って、前記中心線を含む領域を流れる噴流が排出されるように構成され、
前記減勢機能付きバルブは、
前記流出配管内において、前記他端側の開口部から前記中心線に沿って所定の距離離れた位置に配置され、前記中心線を中心として前記流出配管の径方向に広がる所定の領域に設けられた減勢部材を備え、
前記減勢部材は、前記噴流が前記減勢部材に衝突することによって前記噴流の勢いを減じさせ、勢いの減じた噴流を前記流出配管の内周面に向かって拡散させるように構成されている、
減勢機能付きバルブ。
【請求項2】
前記減勢機能付きバルブは、前記流出配管の内周面において、前記減勢部材に対して前記他端側の開口部とは反対側の下流側に設けられた副減勢部材をさらに備え、
前記副減勢部材は、前記減勢部材に衝突して拡散して前記流出配管の内周面に沿って前記下流側へ流れる噴流が前記副減勢部材に衝突することにより、噴流の勢いをさらに減じさせるように構成されている、
請求項1に記載の減勢機能付きバルブ。
【請求項3】
前記減勢機能付きバルブは、前記流出配管内に空気を供給する給気管をさらに備え、
前記給気管は、前記流出配管において、前記弁箱の前記他端側の開口部と前記減勢部材との間の位置に接続されている、
請求項1に記載の減勢機能付きバルブ。
【請求項4】
前記流出配管の径は、前記他端側の開口部の径よりも大きい、
請求項1に記載の減勢機能付きバルブ。
【請求項5】
前減勢部材は、錐状に形成され、
前記減勢部材は、頂点が前記他端側の開口部へ向き、前記他端側の開口部から排出された噴流の径方向中心部が前記頂点に衝突するように配置されている、
請求項1に記載の減勢機能付きバルブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、減勢機能付きバルブに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ダム等の設備から排出される水を河川等に放流する際に、当該設備から排出される高速の水流の勢いを減じる減勢工が知られている。減勢工によって水の勢いを減じてから河川等に放水することにより、放水による環境への影響を低減することができる。特許文献1には、このような減勢工の一例が記載されている。特許文献1に記載の減勢工は、ダムの下部に設けられた噴流排出口を開閉するバルブと、噴流排出口から排出された水が流入する箱型の減勢槽とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭59-187918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の減勢工は、大型の土木構造物である箱型の減勢槽を必要とするため、大掛かりな構造となる上に、減勢工の構築に多くの工程と期間を必要とする。
【0005】
そこで、本発明はかかる問題点に鑑みて、コンパクトな構成で、容易に設置することが可能な減勢機能付きバルブを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る減勢機能付きバルブは、軸方向の一端側の開口部に流入配管が接続された筒状の弁箱と、前記弁箱における前記軸方向の他端側の開口部に接続された流出配管と、前記弁箱内において前記他端側の開口部を開閉する弁体とを備える減勢機能付きバルブであって、前記減勢機能付きバルブは、前記他端側の開口部の開状態において、前記他端側の開口部から前記流出配管内に、前記流出配管の径方向における中心線に沿って、前記中心線を含む領域を流れる噴流が排出されるように構成され、前記減勢機能付きバルブは、前記流出配管内において、前記他端側の開口部から前記中心線に沿って所定の距離離れた位置に配置され、前記中心線を中心として前記流出配管の径方向に広がる所定の領域に設けられた減勢部材を備え、前記減勢部材は、前記噴流が前記減勢部材に衝突することによって前記噴流の勢いを減じさせ、勢いの減じた噴流を前記流出配管の内周面に向かって拡散させるように構成されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、コンパクトな構成で、容易に設置することが可能な減勢機能付きバルブを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る減勢機能付きバルブの一例を模式的に示す断面図である。
図2図1におけるA-A線断面図である。
図3図1におけるB-B線断面図である。
図4図1におけるC-C線断面図である。
図5】本発明の一実施形態に係る減勢機能付きバルブの他の例を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係る減勢機能付きバルブを説明する。なお、以下に示す実施形態はあくまで一例であり、本発明に係る減勢機能付きバルブは、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0010】
図1図4に示される、本実施形態に係る減勢機能付きバルブ1(以下、バルブ1とも称する)は、ダム、プラント等の設備から排出される液体(たとえば水)が河川等に放流される際に、減勢工として用いることが可能なバルブである。バルブ1は、上記設備から排出される高速の水流の流量を調節する機能と、当該水流の勢いを減じる(流速を低下させる)機能とを有する。
【0011】
バルブ1は、軸方向D1の一端側の開口部31に流入配管2が接続された筒状の弁箱3と、弁箱3における軸方向D1の他端側の開口部32に接続された流出配管4と、弁箱3内において他端側の開口部32を開閉する弁体5とを備えている。一端側の開口部31は、弁箱3において、液体の流れ方向における上流側の端部に位置する開口部である。他端側の開口部32は、弁箱3において、液体の流れ方向における下流側の端部に位置する開口部である。
【0012】
バルブ1は、他端側の開口部32の開状態において、他端側の開口部32から流出配管4内に、流出配管4の径方向における中心線41に沿って、中心線41を含む領域42を流れる噴流J1が排出されるように構成されている。中心線41は、流出配管4の径方向における中心を通り、かつ、軸方向D1に沿って延びる線である。なお、本実施形態では、流出配管4の軸方向は弁箱の軸方向D1と同方向であり、以下、流出配管4の軸方向についても参照符号D1を用いて説明する。同様に、流出配管4の径方向は弁箱の径方向D2と同方向であり、以下、流出配管4の径方向についても参照符号D2を用いて説明する。本明細書における「噴流J1」は、速度を持った液体(高速の液体)が他端側の開口部32から流出配管4内に一方向(軸方向D1に沿った下流側)に噴出する流れである。本実施形態では、「噴流J1」の断面(噴流J1における流れ方向(本実施形態では軸方向D1と同方向)と直交する方向に沿った断面)の径DM2は、他端側の開口部32の径DM1より小さい。
【0013】
なお、本実施形態では、他端側の開口部32から流出配管4内に排出された噴流J1は、減勢部材6に衝突して拡散して流出配管4の内周面に沿って下流側へ流れる。本明細書においては、他端側の開口部32から流出配管4内に排出されて減勢部材6に衝突するまでの区間の噴流J1と、減勢部材6に衝突して拡散して下流側に流れる液体との双方を、便宜上、噴流J1と称するものとする。
【0014】
弁箱3および弁体5の構成は、他端側の開口部32を開閉可能であり、開状態において、弁箱3の他端側の開口部32から流出配管4内に噴流J1(流出配管4の径方向D2における中心線41に沿って、中心線41を含む領域42を流れる噴流J1)を排出できるのであれば、特に限定されない。本実施形態では、バルブ1は、筒状(たとえば円筒状)の弁箱3と、弁箱3内において軸方向D1に沿って移動可能な筒状(たとえば円筒状)の弁体5とを備えている。本実施形態では、弁箱3は、一端側の開口部31から軸方向D1で下流に向かって内径が大きくなり、他端側の開口部32に向かって内径が小さくなるように構成されている。
【0015】
本実施形態では、弁体5は、筒状の弁本体51と、弁本体51の上流側の端部を塞ぐ閉塞部材52とを備えている。本実施形態では、閉塞部材52は、弁箱3内に固定されている。弁本体51および閉塞部材52は、弁箱3の一端側の開口部31と他端側の開口部32とを結ぶ軸線33上に並ぶように配置されている。また、弁箱3の内周面と、弁本体51の外周面および閉塞部材52の外周面との間には、弁本体51および閉塞部材52の周方向全体にわたって液体が流れる流路が形成されている。
【0016】
閉塞部材52は、液体の流れを阻害しにくい形状に形成されている。閉塞部材52は、たとえば、軸方向D1に沿って延びる筒状部521と、筒状部521の上流側の端部を塞ぐ先端部522とを備えている。先端部522は、液体の流れを阻害しにくいように構成されていればよい。すなわち、先端部522は、液体から受ける抵抗が少なくなるような形状を有している。本実施形態では、先端部522は、筒状部521の上流側の端部から上流側へ錐状(たとえば円錐状)に突出するように形成されている。なお、先端部522は、筒状部521の上流側の端部から上流側へ半球状等の他の形状に突出するように形成されていてもよい。
【0017】
弁本体51は、閉塞部材52に対して軸方向D1に沿って移動可能に構成されている。具体的には、弁本体51は、その周面が閉塞部材52の筒状部521の周面に対して軸方向D1にスライドしながら移動可能に構成されている。弁本体51が閉塞部材52に対して移動するための構成は特に限定されない。本実施形態では、バルブ1は、閉塞部材52に対して弁本体51を軸方向D1に沿って移動させるためのリンク機構53を備えている。リンク機構53は、弁本体51が閉塞部材52に対して軸方向D1に沿って移動可能なように弁本体51と閉塞部材52とを連結している。リンク機構53をモータ等の回転型のアクチュエータ(図示せず)を用いて作動させることにより、弁本体51を閉塞部材52に対して軸方向D1に沿って移動させることができる。
【0018】
なお、ダムからの放流がなされる場合、発電時にはダムから管路(図示せず)を通過した水流の勢いにより水車(図示せず)を駆動させて発電が行われ、発電に寄与した水流は河川等に放流される。一方、発電機の不具合などで発電が緊急停止した時は、上記管路から上記水車をバイパスした別の管路(たとえば、流入配管2および流出配管4)を使用して水流をバルブ1によって減勢してから、水流が河川などに放流される。この緊急停止時において、リンク機構53を備えたバルブ1を使用して減勢すれば、弁体5による他端側の開口部32の開閉時間の設定の自由度が高くなり、素早くバルブ1が開閉動作を行うことができる。したがって、水車の入口弁や水車などとの連携が取りやすく、スムーズに維持放流(河川の流水の正常な機能の維持のための放流)を行うことが可能となる。
【0019】
弁本体51は、軸方向D1に沿って移動することにより、他端側の開口部32を通過する液体の流量を調節することができる。弁本体51は、軸方向D1に沿って移動することにより、他端側の開口部32を通過する液体の流量を調節することができれば、その形状は特に限定されない。本実施形態では、弁本体51は、弁本体51の下流側の端部511が、弁箱3の他端側の開口部32の内周面に対して接触および離間することにより、弁本体51の下流側の端部511と、弁箱3の他端側の開口部32の内周面との間の隙間の大きさを調節し、その隙間を通過する液体の量、すなわち、他端側の開口部32を通過する液体の流量を調節するように構成されている。このように、筒状の弁本体51が軸方向D1に沿って移動して流量を調節する場合、弁本体51の移動は液体の流れや圧力の影響を受けにくい。したがって、弁本体51をスムーズに移動させることができ、流量の調節を容易に行うことができるとともに、弁本体15の移動に必要なエネルギーの量を抑えることができる。
【0020】
なお、弁体5の構成は図示した構成に限定されず、他端側の開口部32を開閉可能な他の構造を有する弁体が用いられてもよい。たとえば、弁本体が筒状に形成されている場合、弁本体は、その周壁に流体が通過することが可能な貫通孔(図示せず)が形成されてもよい。この場合、弁本体は、弁本体の外周面が閉塞部材の内周面および他端側の開口部32の内周面に対してスライドしながら軸方向D1に沿って移動可能に構成され、弁本体の移動に応じて閉塞部材が上記貫通孔を塞ぐ面積が調節されるように構成される。このような弁体では、上記貫通孔を通じて弁本体内に液体が流入し、弁本体内に流入した液体は、弁本体の下流側の端部から流出配管4内に噴流J1として流出する。また、弁本体の移動に応じて、閉塞部材が上記貫通孔を塞ぐ量が調節されるため、貫通孔を通じて弁本体内に流入する液体の流量が調節され、流出配管4内への流量が調節される。この場合においても、筒状の弁本体が軸方向D1に沿って移動することによって流量が調節されるため、弁本体の移動が液体の流れや圧力の影響を受けにくい。したがって、弁本体をスムーズに移動させることができ、流量の調節を容易に行うことができるとともに、弁本体の移動に必要なエネルギーの量を抑えることができる。
【0021】
流出配管4は、弁箱3の他端側の開口部32から流入した噴流J1を下流側へ案内する管である。流出配管4内には、後述のように、噴流J1の勢いを減じさせる減勢部材6が配置されている。また、流出配管4内には、後述のように、減勢部材6によって勢いが減じられた噴流J1の勢いをさらに減じさせる副減勢部材8が配置されている。流出配管4の材質は、噴流J1の搬送に耐えることができるとともに、減勢部材6を固定することができるのであれば、特に限定されない。本実施形態では、たとえば、流出配管4は、鋼材等の金属材料により構成されている。
【0022】
流出配管4の形状および大きさは、流出配管4内に減勢部材6を配置した状態で、噴流J1を下流側へ案内することができるのであれば、特に限定されない。本実施形態では、流出配管4の径DM3は、他端側の開口部32の径DM1よりも大きい。上述のように、本実施形態では、噴流J1の径DM2は、他端側の開口部32の径DM1より小さい(図1参照)。したがって、流出配管4の径DM3が他端側の開口部32の径DM1よりも大きい構成により、他端側の開口部32から排出された噴流J1は、流出配管4の内周面43との間に隙間を有する。このため、減勢部材6に衝突した噴流J1は、流出配管4の内周面43に向かって拡散しやすく、下流側へ流れやすい。したがって、流出配管4の内周面43への噴流J1の拡散性を高めて、噴流J1の勢いを流出配管4の内周面43において減じる効率を高めながら、噴流J1の逆流による抵抗の増加を抑え、流量の減少を抑えることができる。なお、流出配管4の内周面43への噴流J1の拡散性を確保できるのであれば、流出配管4の径DM3が他端側の開口部32の径DM1に対してどの程度大きいかは特に限定されない。本実施形態では、流出配管4の径DM3は、たとえば、他端側の開口部32の径DM1の2~3倍である。
【0023】
また、本実施形態では、流出配管4の径DM3は、流出配管4の中心線41に沿って一定であってもよいし、異なっていてもよい。本実施形態では、流出配管4の径DM3は、他端側の開口部32付近から下流側に向かって次第に大きくなり、減勢部材6に対応する位置または減勢部材6に対応する位置のやや上流側の位置から、下流側に向かって一定となっている。このような構成により、噴流J1が減勢部材6に衝突するまでの区間、すなわち、流出配管4の径方向D2において、噴流J1の存在領域が小さい区間では、流出配管4の径DM3を小さくして、流出配管4をコンパクトに構成することができる。
【0024】
また、本実施形態では、流出配管4の径DM3は、減勢部材6に衝突した噴流J1が流出配管4の内周面に向かって拡散しやすいような径である。具体的には、流出配管4の径DM3は、減勢部材6と衝突して流出配管4の内周面に向かって拡散する噴流J1が、流出配管4の内周面と減勢部材6との間の隙間から下流側へ流れるような径である。流出配管4の径がこのような径である構成により、減勢部材6と衝突して流出配管4の内周面に向かって拡散する噴流J1が、流出配管4の内周面と減勢部材6との間の隙間から下流側へ流れることができる。これにより、流出配管4の内周面への噴流J1の拡散性を高めて、噴流J1の勢いを流出配管4の内周面において減じる効率を高めながら、噴流J1の逆流による抵抗の増加を抑え、流量の減少を抑えることができる。
【0025】
バルブ1は、流出配管4内において、減勢部材6を備えている。減勢部材6は、流出配管4内に流入した液体の流れ(噴流J1)の勢いを減じる部材である。すなわち、減勢部材6は、噴流J1の勢いを減じる機能(以下、減勢機能とも称する)を有している。減勢部材6は、自己に衝突する噴流J1に対して反力および摩擦力を与えることにより、噴流J1の勢いを減じることができる。減勢部材6は、弁箱3の他端側の開口部32から流出配管4の中心線41に沿って所定の距離L離れた位置に配置されている。所定の距離Lは、減勢部材6が他端側の開口部32からの噴流J1の排出を阻害せず、かつ、噴流J1が減勢部材6に衝突できる距離であれば、特に限定されない。すなわち、所定の距離Lは、減勢部材6が他端側の開口部32に近づき過ぎて他端側の開口部32からの噴流J1の排出を阻害するという不都合が生じず、かつ、噴流J1が減勢部材6から離れすぎて噴流J1が減勢部材6に衝突しにくくなるという不都合が生じないような距離であれば、特に限定されない。所定の距離Lがこのような距離であることにより、噴流J1を減勢部材6に衝突させて、噴流J1の勢いを減じることができるとともに、他端側の開口部32からの噴流J1の排出がスムーズに行われ得る。
【0026】
なお、バルブ1が後述の給気管7(図1参照)を備えている場合には、所定の距離Lは、減勢部材6が給気管7よりも下流側に位置するような距離であることが好ましい。所定の距離Lがこのような距離であることにより、減勢部材6に衝突して向きを変えた噴流J1が、給気管7内に侵入するのを抑制することができる。これにより、給気管7からの給気が、給気管7への噴流の侵入によって阻害されるのを防止することができる。
【0027】
また、減勢部材6は、流出配管4の中心線41を中心として流出配管4の径方向D2に広がる所定の領域42に設けられている。本明細書において、「所定の領域42」とは、流出配管4内の空間において、流出配管4の中心線41を中心として流出配管4の径方向D2に広がる範囲(空間的な広がり)であって、その範囲に減勢部材6が設けられることにより、中心線41を含む領域42を流れる噴流J1が減勢部材6に衝突して、噴流J1の勢いを減じることができる範囲である。所定の領域42は、噴流J1が減勢部材6に衝突することにより、噴流J1の勢いを減じることができるのであれば、その大きさや形状は特に限定されない。本実施形態では、「所定の領域42」は、減勢部材6に衝突する直前の噴流J1の断面(噴流J1における流れ方向(本実施形態では軸方向D1と同方向)と直交する方向に沿った断面)の大きさに応じた大きさを有する。具体的には、所定の領域42の大きさは、中心線41を含む領域42を流れる噴流J1の断面全体が減勢部材6に衝突するような大きさである。本実施形態では、所定の領域42の大きさは、減勢部材6に衝突する直前の噴流J1の断面の大きさよりも大きい。所定の領域42がそのような大きさを有することにより、噴流J1の勢いを減じる効率を高めることができる。また、減勢部材6が設けられる所定の領域42は、たとえば、他端側の開口部32の径DM1に対応した大きさ(たとえば、所定の領域42の径が、他端側の開口部32の径DM1の0.9~1.5倍、好ましくは1.0~1.4倍、より好ましくは1.1~1.3倍)であることが好ましい。減勢部材6が設けられる領域42がこのような領域であることにより、噴流J1(本実施形態では、中心線41を含む領域42を流れる噴流J1)を減勢部材6に衝突させて、噴流J1の勢いを効率よく減じることができる。本実施形態では、減勢部材6の材質は、噴流J1の衝突に耐えることができるのであれば、特に限定されない。本実施形態では、たとえば、減勢部材6は、鋼材等の金属材料により構成されている。
【0028】
本実施形態では、減勢部材6は、錐状に形成されている。具体的には、減勢部材6は、頂点61が他端側の開口部32へ向き、他端側の開口部32から排出された噴流J1の径方向中心部が頂点61に衝突するように配置されている。減勢部材6が錐状に形成されることにより、減勢部材6への衝突によって噴流J1の勢いを減じながら、減勢部材6に衝突した噴流J1を、下流側に向けて、かつ、流出配管4の中心線41に対して傾斜した方向に流動させることができる。これにより、減勢部材6は、噴流J1の勢いを減じながら、減勢部材6に衝突した噴流J1の逆流(上流側への流動)を抑制することができる。したがって、噴流J1の逆流による抵抗の増加を抑え、流量の減少を抑制することができる。
【0029】
本実施形態では、減勢部材6は、円錐状に形成されている。減勢部材6をこのような形状に構成することにより、噴流J1を減勢部材6に対して、中心線41の周りに均等に衝突させることができる。したがって、噴流J1の勢いを中心線41の周りに均等に減じることができる。また、噴流J1が減勢部材6へ衝突することによって、後述のように、流出配管4の内周面43に向かって拡散される際に、流出配管4の内周面43に対して、噴流J1を周方向に均等に拡散させることができる。したがって、噴流J1が流出配管4の内周面43へ衝突した後、噴流J1と流出配管4の内周面43との摩擦による減勢効果と、噴流J1と後述の副減勢部材8との衝突による減勢効果とを、流出配管4の周方向において均等に奏することができる。これにより、流出配管4の周方向における減勢効果の偏りを低減し、減勢効果をより高めることができる。
【0030】
なお、減勢部材6の形状は、錐状以外の形状であってもよい。たとえば、図5に示されるように、閉塞部材52は、板状に形成されてもよい。具体的には、閉塞部材52は、円板状に形成されてもよい。減勢部材6が板状に構成されている場合、減勢部材6は、一方の面62が上流側を向き、かつ、一方の面62が流出配管4の中心線41に対して直交するように配置される。一方の面62が流出配管4の中心線41に対して直交するように配置される構成により、減勢部材6は、一方の面62が流出配管4の中心線41に対して傾斜するように配置される場合と比べて、噴流J1との衝突の際に噴流J1に与える反力を大きくすることができる。したがって、噴流J1の勢いを減じる効率を高めることができる。また、板状の減勢部材6は、一方の面62の中心が、流出配管4の中心線41上に位置するように配置される。一方の面62の中心が、流出配管4の中心線41上に位置する構成により、噴流J1の断面に対して中心線41周りに均等に反力を与えることができる。したがって、噴流J1の勢いを、中心線41周りに均等に減じることができる。
【0031】
減勢部材6を流出配管4内に設ける方法は、特に限定されない。減勢部材6は、たとえば、流出配管4と溶接等により一体的に構成されていてもよいし、流出配管4に対してボルト接合等により着脱可能に構成されていてもよい。本実施形態では、減勢部材6は、噴流J1に衝突して噴流J1の勢いを減じる本体63と、本体63を支持する支持部64とを備えている。減勢部材6が有する上述の減勢機能は、本体63が有する。本実施形態では、支持部64は、本体63を流出配管4の内面に固定する機能を有する。支持部64は、本体63を支持するとともに、液体の下流側への流れを阻害しにくいように構成されている。本実施形態では、支持部64は、たとえば、流出配管4の中心線41に沿って配置された1または複数の板状部材641により構成されている。板状の支持部64は、流出配管4の内周面43に溶接等の公知の固定方法により固定されている。また、支持部64には、本体63が、溶接またはボルト接合等の公知の固定方法により固定されている。本実施形態では、支持部64は、流出配管4の中心線41上で交差するように配置された複数(たとえば2つ)の板状部材641により構成されている。そして、支持部64は、複数の板状部材641の交差箇所が、流出配管4の径方向D2における本体63の中心と一致するように配置されている。複数の板状部材の交差箇所が、本体63の中心と一致するように配置される構成により、本体63の支持力を高めることができる。
【0032】
減勢部材6は、噴流J1が減勢部材6に衝突することによって噴流J1の勢いを減じさせ、勢いの減じた噴流J1を流出配管4の内周面43に向かって拡散させるように構成されている。減勢部材6に対して噴流J1を衝突させて噴流J1の勢いを減じることより、他端側の開口部32から排出された直後の噴流J1の勢いを、流出配管4の径方向D2の中央部において集中的に減じることができ、排出配管4の上流側の端部に近い位置において噴流J1の勢いを大きく減じることができる。また、減勢部材6への衝突によって勢いの減じた噴流J1を流出配管4の内周面43に向かって拡散させることにより、拡散された噴流J1と流出配管4の内周面43との摩擦によって、噴流J1の勢いをさらに減じることができる。減勢部材6は、自己に衝突した噴流J1を流出配管4の内周面43に向かって拡散させることができるのであれば、その構成は特に限定されない。本実施形態では、減勢部材6は、錐状に形成されている。減勢部材6をこのような形状に構成することにより、拡散された噴流J1と流出配管4の内周面43との摩擦によって、噴流J1の勢いをさらに減じることができるとともに、噴流J1の逆流によって液体の下流側への流量が減少するのを抑制することができる。
【0033】
本実施形態では、バルブ1は、流出配管4の内周面において、減勢部材6に対して他端側の開口部32とは反対側の下流側に設けられた副減勢部材8をさらに備えている。副減勢部材8は、減勢部材6によって勢いを減じられた噴流J1の勢いを、さらに減じるための部材である。副減勢部材8は、減勢部材6に衝突して拡散して流出配管4の内周面に沿って下流側へ流れる噴流J1が副減勢部材8に衝突することにより、噴流J1の勢いをさらに減じさせるように構成されている。副減勢部材8は、自己に衝突する噴流J1に対して反力および摩擦力を与えることにより、噴流J1の勢いを減じることができる。副減勢部材8の材質は、噴流J1の衝突に耐えることができるのであれば、特に限定されない。本実施形態では、たとえば、副減勢部材8は、鋼材等の金属材料により構成されている。副減勢部材8は、流出配管4と溶接等により一体的に構成されていてもよいし、流出配管4に対してボルト接合等により着脱可能に構成されていてもよい。
【0034】
副減勢部材8は、減勢部材6によって勢いを減じられた噴流J1の勢いを、さらに減じることができれば、その構成は特に限定されない。本実施形態では、副減勢部材8は、流出配管4の内周面から流出配管4の径方向の内側に突出するように設けられている。副減勢部材8は、流出配管4の内周面から流出配管4の径方向の内側に突出するように設けられる構成により、減勢部材6によって勢いを減じられた噴流J1を自己に衝突させて、噴流J1の勢いをさらに減じることができる。
【0035】
副減勢部材8は、図1図3および図4に示されるように、たとえば、流出配管4の内周面から流出配管4の径方向D2の内側に突出するように設けられた複数の突部81により構成されている。複数の突部81は、流出配管4の周方向に沿って、互いに間隔をあけて並ぶように設けられている。突部81の突出長さ(流出配管4の径方向D2における内側への突出長さ)は、流出配管4の内周面43上を流れる噴流J1の勢いを減じることが可能な長さである。たとえば、突部81の突出長さは、流出配管4の内周面上を流れる噴流J1の深さと同程度か、噴流J1の深さよりも長い。突部81の突出長さを、このような長さとすることにより、噴流J1を突部81に衝突させて、噴流J1の勢いを減じることができる。突部81に衝突して勢いを減じられた噴流J1は、突部81を下流側へ乗り越えるか、または、突部81同士の間の隙間を通じて下流側へ流れる。突部81に衝突して勢いを減じられた噴流J1は、流出配管4の内周面43との摩擦によって、勢いをさらに減じられる。
【0036】
なお、本実施形態では、図1に示されるように、複数(本実施形態では4つ)の突部81が、流出配管4の周方向に沿って、互いに間隔をあけて並ぶように設けられることにより構成される突部群(図1では、上流側および下流側にそれぞれ突部群がある)が構成されるとともに、複数の突部群が、流出配管4の長手方向に沿って(中心線41に沿って)、互いに間隔をあけて並ぶように設けられている(本実施形態では、軸方向D1に沿って2セットの突部群が設けられている)。複数の突部群が、流出配管4の長手方向に沿って、互いに間隔をあけて並ぶように設けられる構成により、噴流J1を流出配管4の長手方向における複数個所で突部群に衝突させることができる。これにより、噴流J1の勢いを複数の突部群によってさらに減じることができる。
【0037】
また、本実施形態では、複数の突部群が、流出配管4の長手方向に沿って、互いに間隔をあけて並ぶように設けられている場合に、周方向における突部81同士の間の隙間の位置が、突部群の間で異なっている。すなわち、一の突部群における突部81は、流出配管4の長手方向において、他の突部群のいずれかにおける突部81同士の間の隙間に対応する位置に配置されている(図1参照)。このような構成により、一の突部群における突部81同士の間の隙間を通過した噴流J1は、下流側へ流れて他の突部群のいずれかにおける突部81に衝突しやすくなる。これにより、複数の突部群による噴流J1の勢いの低減を、より確実に行うことができる。
【0038】
本実施形態では、バルブ1は、流出配管4内に空気を供給する給気管7をさらに備えている。給気管7は、流出配管4内に空気を供給することにより、流出配管4内の圧力が低くなることを抑制し、流出配管4内の液体(主として噴流J1の液体)中に気泡が発生(キャビテーションが発生)するのを抑制する機能を有する。給気管7は、流出配管4において、弁箱3の他端側の開口部32と減勢部材6との間の位置に接続されている。給気管7をこのような位置に接続することにより、給気管7からの空気を、他端側の開口部32と減勢部材6との間に供給することができる。これにより、キャビテーションの発生を、減勢部材6よりも上流側において抑制することができる。キャビテーションの発生を減勢部材6よりも上流側において抑制することにより、キャビテーションによって発生する気泡が減勢部材6、流出配管4および副減勢部材8を劣化させるのを抑制することができる。
【0039】
また、給気管7は、流出配管4内に空気を供給することにより、流出配管4内の圧力を高めて、噴流J1の断面形状を維持しやすくすることができる。これにより、他端側の開口部32から排出された噴流J1が減勢部材6に衝突するまでの間、噴流J1の断面形状を一定に維持することができる。したがって、噴流J1の勢いを、減勢部材6によって集中的に減じることができ、減勢部材6による噴流J1の減勢効果を高めることができる。
【0040】
また、給気管7が、流出配管4において、弁箱3の他端側の開口部32と減勢部材6との間の位置に接続されることにより、減勢部材6に衝突した噴流J1が給気管7内に侵入するのを抑制することができる。これにより、噴流J1が給気管7に侵入することによって給気管7からの空気の供給が阻害されるのを抑制することができる。
【0041】
次に、バルブ1の使用方法の一例について、図1を参照しつつ説明する。図1に示される例では、弁体5が弁箱3の他端側の開口部32に対して上流側に後退しており、他端側の開口部32が開いた状態にある。このような状態において、まず、流入配管2から、一端側の開口部31を通じて水等の液体が弁箱3内に流入する。
【0042】
弁箱3内に流入した液体は、弁箱3の内周面と、閉塞部材52の外周面および弁体5の外周面との間の隙間を下流側へ流れ、他端側の開口部32から、流出配管4内へ噴流J1として排出される。他端側の開口部32から流出配管4内へ流入した噴流J1は、減勢部材6に衝突する。減勢部材6は、自己に衝突した噴流J1に対して反力および摩擦力を与えて、噴流J1の勢いを減じさせながら、流出配管4の内周面43に向かって噴流J1を拡散させる。
【0043】
流出配管4の内周面43に向かって噴流J1を拡散した噴流J1は、流出配管4の内周面43に衝突する。流出配管4の内周面43は、自己に衝突した噴流J1に対して摩擦力を与えて、噴流J1の勢いをさらに減じさせながら、噴流J1を流出配管4の内周面43上で下流側へ案内する。
【0044】
流出配管4の内周面43上を下流側へ流れる噴流J1は、副減勢部材8に衝突する。副減勢部材8は、自己に衝突した噴流J1に対して反力および摩擦力を与えて、噴流J1の勢いをさらに減じさせながら、噴流J1を下流側へ案内する。
【0045】
以上説明したように、本実施形態に係るバルブ1は、弁箱3に接続された流出配管4内に、減勢部材6を配置するだけで構成することができる。したがって、特許文献1に記載の技術のように、減勢工を土木構造物のような大掛かりな構造とすることなく、容易かつコンパクトに構成することができる。
【0046】
また、バルブ1は、弁箱3の下流側の開口部32から流出配管4内に排出された噴流J1を減勢部材6に衝突させる構成により、減勢部材6が噴流J1に与える反力および摩擦力によって噴流J1の勢いを減じながら、噴流J1を流出配管4の内周面に向かって拡散させることができる。さらに、バルブ1は、流出配管4の内周面に噴流J1を拡散状態で衝突させる構成により、流出配管4の内周面が噴流J1に与える反力および摩擦力によって噴流J1の勢いをさらに減じながら下流側へ案内することができる。したがって、本実施形態によれば、噴流J1の勢いを減勢することができるバルブ1を、コンパクトな構成で容易に設置することができる。
【0047】
また、本実施形態に係るバルブ1は、流出配管4の内周面において、減勢部材6よりも下流側に副減勢部材8が設けられる構成により、流出配管4の内周面は、流出配管4の内周面上を流れる噴流J1を副減勢部材8へ案内し、副減勢部材8に衝突させることができる。バルブ1は、流出配管4の内周面上を流れる噴流J1を副減勢部材8に衝突させる構成により、副減勢部材8が噴流J1に与える反力および摩擦力によって噴流J1の勢いをさらに減じながら、噴流J1を下流側へ案内することができる。
【0048】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されない。なお、上記した実施形態は、以下の構成を有する発明を主に説明するものである。
【0049】
(1)軸方向の一端側の開口部に流入配管が接続された筒状の弁箱と、
前記弁箱における前記軸方向の他端側の開口部に接続された流出配管と、
前記弁箱内において前記他端側の開口部を開閉する弁体と
を備える減勢機能付きバルブであって、
前記減勢機能付きバルブは、
前記他端側の開口部の開状態において、前記他端側の開口部から前記流出配管内に、前記流出配管の径方向における中心線に沿って、前記中心線を含む領域を流れる噴流が排出されるように構成され、
前記減勢機能付きバルブは、
前記流出配管内において、前記他端側の開口部から前記中心線に沿って所定の距離離れた位置に配置され、前記中心線を中心として前記流出配管の径方向に広がる所定の領域に設けられた減勢部材を備え、
前記減勢部材は、前記噴流が前記減勢部材に衝突することによって前記噴流の勢いを減じさせ、勢いの減じた噴流を前記流出配管の内周面に向かって拡散させるように構成されている、
減勢機能付きバルブ。
【0050】
(2)前記減勢機能付きバルブは、前記流出配管の内周面において、前記減勢部材に対して前記他端側の開口部とは反対側の下流側に設けられた副減勢部材をさらに備え、
前記副減勢部材は、前記減勢部材に衝突して拡散して前記流出配管の内周面に沿って前記下流側へ流れる噴流が前記副減勢部材に衝突することにより、噴流の勢いをさらに減じさせるように構成されている、
(1)に記載の減勢機能付きバルブ。
【0051】
(3)前記減勢機能付きバルブは、前記流出配管内に空気を供給する給気管をさらに備え、
前記給気管は、前記流出配管において、前記弁箱の前記他端側の開口部と前記減勢部材との間の位置に接続されている、
(1)または(2)に記載の減勢機能付きバルブ。
【0052】
(4)前記流出配管の径は、前記他端側の開口部の径よりも大きい、
(1)~(3)のいずれか1つに記載の減勢機能付きバルブ。
【0053】
(5)前減勢部材は、錐状に形成され、
前記減勢部材は、頂点が前記他端側の開口部へ向き、前記他端側の開口部から排出された噴流の径方向中心部が前記頂点に衝突するように配置されている、
(1)~(4)のいずれか1つに記載の減勢機能付きバルブ。
【符号の説明】
【0054】
1 減勢機能付きバルブ
2 流入配管
3 弁箱
31 一端側の開口部
32 他端側の開口部
33 軸線
4 流出配管
41 中心線
42 所定の領域
43 内周面
5 弁体
51 弁本体
511 下流側の端部
52 閉塞部材
521 筒状部
522 先端部
53 リンク機構
6 減勢部材
61 頂点
62 一方の面
63 本体
64 支持部
641 板状部材
7 給気管
8 副減勢部材
81 突部
D1 弁箱の軸方向
D2 弁箱の径方向
DM1 他端側の開口部の径
DM2 噴流の径
DM3 流出配管の径
J1 噴流
L 所定の距離
図1
図2
図3
図4
図5