(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143383
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】小便器
(51)【国際特許分類】
E03D 13/00 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
E03D13/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023056030
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】南部 康夫
(72)【発明者】
【氏名】井手 亮我
(72)【発明者】
【氏名】福地 俊一
(72)【発明者】
【氏名】福岡 加菜子
(72)【発明者】
【氏名】島添 孝則
【テーマコード(参考)】
2D039
【Fターム(参考)】
2D039AA04
2D039AC01
2D039AD00
2D039DA00
2D039DB00
2D039DB04
(57)【要約】
【課題】洗浄性を向上させること。
【解決手段】実施形態に係る小便器は、本体部と、吐水装置とを備える。本体部は、正面において小便を受けるボウル面が内側に形成される。吐水装置は、ボウル面の上方領域の中央に設けられ、洗浄水をボウル面の左右方向に広がるように吐水する。ボウル面には、棚部が形成される。棚部は、ボウル面の左右両側に、前方側に向けて降下しながら延び、吐水装置から吐水された洗浄水の一部を、前方側に向けて導く。棚部の内側の高さが棚部の外側の高さ以下となる順傾斜エリアにおいて、棚部の外側交点と、棚部の内側交点との長さは一定である。外側交点は、棚部の平坦面の延長線と、棚部の外側端に接続するボウル面の第1側面の延長線との交点である。内側交点は、棚部の平坦面の延長線と、棚部の内側端に接続するボウル面の第2側面の延長線との交点である。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
正面において小便を受けるボウル面が内側に形成される本体部と、
前記ボウル面の上方領域の中央に設けられ、洗浄水を前記ボウル面の左右方向に広がるように吐水する吐水装置と
を備え、
前記ボウル面には、前記ボウル面の左右両側に、前方側に向けて降下しながら延び、前記吐水装置から吐水された前記洗浄水の一部を、前方側に向けて導く棚部が形成され、
前記棚部の内側の高さが前記棚部の外側の高さ以下となる順傾斜エリアにおいて、前記棚部の外側交点と、前記棚部の内側交点との長さは一定であり、
前記外側交点は、前記棚部の平坦面の延長線と、前記棚部の外側端に接続する前記ボウル面の第1側面の延長線との交点であり、
前記内側交点は、前記棚部の平坦面の延長線と、前記棚部の内側端に接続する前記ボウル面の第2側面の延長線との交点である、小便器。
【請求項2】
前記棚部は、前記棚部の平坦面と、前記ボウル面の前記第2側面とを接続する曲面部を備え、
前記曲面部の曲率は、前記順傾斜エリアにおいて一定である、請求項1に記載の小便器。
【請求項3】
前記棚部は、前記棚部の平坦面と、前記ボウル面の前記第2側面とを接続する曲面部を備え、
前記曲面部における前記棚部の平坦面側の端部と、前記曲面部における前記第2側面側の端部との距離は、一定である、請求項1に記載の小便器。
【請求項4】
前記棚部は、
前記順傾斜エリアと、
前記棚部の内側の高さが前記棚部の外側の高さよりも高い逆傾斜エリアと
を含み、
前記逆傾斜エリアは、前記順傾斜エリアよりも前記吐水装置側に形成される、請求項1に記載の小便器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、小便器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ボウル面の上方領域に設けられた吐水装置から、ボウル面の左右方向に広がるように洗浄水を吐水する小便器が知られている(例えば、特許文献1参照)。ボウル面には、洗浄水をボウル面の前方側まで誘導する棚部が設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記する小便器では、棚部によるボウル面の前方側への洗浄水の誘導、すなわち、洗浄性の向上について改善の余地がある。
【0005】
実施形態の一態様は、洗浄性を向上させる小便器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の一態様に係る小便器は、本体部と、吐水装置とを備える。本体部は、正面において小便を受けるボウル面が内側に形成される。吐水装置は、ボウル面の上方領域の中央に設けられ、洗浄水をボウル面の左右方向に広がるように吐水する。ボウル面には、棚部が形成される。棚部は、ボウル面の左右両側に、前方側に向けて降下しながら延び、吐水装置から吐水された洗浄水の一部を、前方側に向けて導く。棚部の内側の高さが棚部の外側の高さ以下となる順傾斜エリアにおいて、棚部の外側交点と、棚部の内側交点との長さは一定である。外側交点は、棚部の平坦面の延長線と、棚部の外側端に接続するボウル面の第1側面の延長線との交点である。内側交点は、棚部の平坦面の延長線と、棚部の内側端に接続するボウル面の第2側面の延長線との交点である。
【0007】
これにより、小便器は、吐水装置から吐水されて、棚部を流れる洗浄水が、ボウル面の前方側までが到達する量を多くすることができる。そのため、小便器は、ボウル面の前方側における洗浄性を向上させることができる。すなわち、小便器は、洗浄性を向上させることができる。また、小便器は、吐水装置から吐水される洗浄水の吐水量を少なくしつつ、ボウル面の洗浄性を向上させることができる。また、小便器は、たとえば、使用者の目線において、順傾斜エリアの棚部の幅を一定とすることができる。そのため、小便器は、意匠性を向上させることができる。
【0008】
また、棚部は、曲面部を備える。曲面部は、棚部の平坦面と、ボウル面の第2側面とを接続する。曲面部の曲率は、順傾斜エリアにおいて一定である。
【0009】
これにより、小便器は、使用者の目に触れやすい棚部の内側の曲率が、使用者の目線において、変化することを抑制し、意匠性を向上させることができる。
【0010】
また、棚部は、棚部の平坦面と、ボウル面の第2側面とを接続する曲面部を備える。曲面部における棚部の平坦面側の端部と、曲面部における第2側面側の端部との距離は、一定である。
【0011】
これにより、小便器は、使用者の目に触れやすい棚部の内側の曲面部の幅が、使用者の目線において、変化することを抑止し、意匠性を向上させることができる。
【0012】
また、棚部は、順傾斜エリアと、逆傾斜エリアとを含む。逆傾斜エリアは、棚部の内側の高さが棚部の外側の高さよりも高い。逆傾斜エリアは、順傾斜エリアよりも吐水装置側に形成される。
【0013】
これにより、小便器は、吐水装置から吐水され、順傾斜エリアまで到達する洗浄水の流量を多くすることができる。そのため、小便器は、洗浄性を向上させることができる。また、小便器は、吐水装置から吐水される洗浄水の吐水量を少なくしつつ、ボウル面の洗浄性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0014】
実施形態の一態様によれば、洗浄性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、実施形態に係る小便器の斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る小便器の正面図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る小便器の平面図である。
【
図4】
図4は、
図3のIV-IV断面における棚部を示す図である。
【
図5】
図5は、
図3のV-V断面における棚部を示す図である。
【
図6】
図6は、
図3のVI-VI断面における棚部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する小便器の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
【0017】
実施形態に係る小便器1について、
図1~
図3を参照し説明する。
図1は、実施形態に係る小便器1の斜視図である。
図2は、実施形態に係る小便器1の正面図である。
図3は、実施形態に係る小便器1の平面図である。
【0018】
小便器1は、壁掛け式の小便器である。小便器1は、本体部2と、吐水装置3とを備える。本体部2は、陶器製である。本体部2は、鉛直方向に延びる壁面に取り付けられる。本体部2は、床面に載置されてもよく、床面から離れて設けられてもよい。
【0019】
以下では、小便器1を使用する使用者の側を前方とし、および、本体部2が取り付けられる壁面側を後方とする。また、鉛直方向を下方、および、鉛直方向とは逆方向を上方とする。また、小便器1に向かい合った使用者の右手側を右方、および、使用者の左手側を左方とする。
【0020】
本体部2には、ボウル面5が形成される。ボウル面5は、本体部2の内側に形成される。ボウル面5は、正面において排尿(小便)を受けるように形成される。ボウル面5の外周縁は、開口部6を形成する。開口部6は、たとえば、斜め上方を向くように形成される。
【0021】
ボウル面5の底部には、排水口7が形成される。ボウル面5で受けられた排尿は、吐水装置3から吐水される洗浄水とともに、排水口7から排出される。
【0022】
ボウル面5には、棚部8が形成される。棚部8は、ボウル面5の左右両側にそれぞれ形成される。棚部8は、ボウル面5の左右両側に、前方側に向けて降下しながら延び、吐水装置3から吐水された洗浄水の一部を、前方側に向けて導く。
【0023】
吐水装置3は、ボウル面5の上方領域の中央に設けられる。吐水装置3は、スプレッダであり、洗浄水をボウル面5の左右方向に広がるように吐水する。
【0024】
吐水装置3から吐水された洗浄水の一部は、吐水装置3から下方に向けて流れる。また、吐水装置3から吐水された洗浄水の一部は、棚部8に沿ってボウル面5の前方側に流れ、ボウル面5の前方側から排水口7に向けて流れる。
【0025】
棚部8によって洗浄水の一部を前方側に向けて導くことで、洗浄水によってボウル面5の前方側を洗浄することができ、ボウル面5の洗浄性が向上される。
【0026】
次に、棚部8の構成について
図4~
図6を参照し説明する。
図4は、
図1のIV-IV断面における棚部8を示す図である。
図5は、
図1のV-V断面における棚部8を示す図である。
図6は、
図1のVI-VI断面における棚部8を示す図である。
図4~
図6は、棚部8の第2曲面12の法線方向における断面である。
【0027】
棚部8は、平坦面10と、第1曲面11と、第2曲面12(曲面部)とを含む。平坦面10は、第1曲面11と第2曲面12との間の面である。
【0028】
第1曲面11は、平坦面10の外側端と、棚部8の外側に形成されるボウル面5の第1側面5aとを接続する面である。第1曲面11の外側端は、棚部8の外側端である。第1側面5aは、棚部8の外側端に接続する面である。第1曲面11は、曲率を有する面である。
【0029】
第2曲面12は、平坦面10の内側端と、棚部8の内側に形成されるボウル面5の第2側面5bとを接続する面である。第2曲面12の内側端は、棚部8の内側端である。第2側面5bは、棚部8の内側端に接続する面である。第2曲面12は、曲率を有する面である。第2曲面12は、複数の曲面が接続されることで、平坦面10の内側端と、ボウル面5の第2側面5bとに接続されてもよい。たとえば、第2曲面12は、第2曲面12の法線方向における断面において、複数の曲率の曲面が接続されることで、平坦面10の内側端にスムーズに接続される。第2曲面12は、第2曲面12の法線方向における断面において、複数の曲率の曲面が接続されることで、ボウル面5の第2側面5bにスムーズに接続される。
【0030】
棚部8は、逆傾斜エリアA1と、順傾斜エリアA2とを含む。
【0031】
逆傾斜エリアA1は、順傾斜エリアA2よりも吐水装置3側に形成される。すなわち、逆傾斜エリアA1は、順傾斜エリアA2よりも上方に形成される。逆傾斜エリアA1は、
図4に示すように、棚部8の内側の高さが棚部8の外側の高さよりも高いエリアである。具体的には、逆傾斜エリアA1は、左右方向において、棚部8の平坦面10の内側端の高さが、棚部8の平坦面10の外側端の高さよりも高いエリアである。
【0032】
順傾斜エリアA2は、
図5、および、
図6に示すように、棚部8の内側の高さが棚部8の外側の高さ以下となるエリアである。具体的には、順傾斜エリアA2は、左右方向において、棚部8の平坦面10の内側端の高さが、棚部8の平坦面10の外側端の高さ以下となるエリアである。
【0033】
順傾斜エリアA2では、棚部8の外側交点P1と、棚部8の内側交点P2との長さL1は、一定である。具体的には、順傾斜エリアA2では、左右方向において、棚部8の外側交点P1と、棚部8の内側交点P2との長さL1は、一定である。長さL1は、棚部8の平坦面10に沿った長さである。
【0034】
棚部8の外側交点P1は、棚部8の平坦面10の延長線Q1と、棚部8の外側端に接続するボウル面5の第1側面5aの延長線Q2との交点である。
【0035】
棚部8の内側交点P2は、棚部8の平坦面10の延長線Q1と、棚部8の内側端に接続するボウル面5の第2側面5bの延長線Q3との交点である。
【0036】
順傾斜エリアA2では、第2曲面12の曲率は、一定である。詳しくは、順傾斜エリアA2における第2曲面12の曲率は、曲率が最大となる箇所、具体的には、第2曲面12の突出端(先端)となる箇所の曲率が、断面によらず一定である。複数の曲面が接続されて第2曲面12が形成される場合、第2曲面12は、曲率が最大となる箇所から、曲率が異なる曲面によって、棚部8の平坦面10、および、ボウル面5の第2側面5bにスムーズに接続される。
【0037】
順傾斜エリアA2では、第2曲面12における棚部8の平坦面10側の端部12aと、第2曲面12における第2側面5b側の端部12bとの距離L2は、一定である。具体的には、順傾斜エリアA2では、左右方向において、第2曲面12における棚部8の平坦面10側の端部12aと、第2曲面12における第2側面5b側の端部12bとの距離L2は、一定である。距離L2は、第2曲面12における棚部8の平坦面10側の端部12aと、第2曲面12における第2側面5b側の端部12bとを結ぶ直線上の距離である。
【0038】
なお、順傾斜エリアA2は、収束エリアを含んでもよい。収束エリアは、ボウル面5の前端側、すなわち、順傾斜エリアA2の下端側のエリアである。収束エリアでは、棚部8の外側交点P1と、棚部8の内側交点P2との長さL1が、順傾斜エリアA2の下端となるにつれて短くなる。収束エリアでは、第2曲面12における棚部8の平坦面10側の端部12aと、第2曲面12における第2側面5b側の端部12bとの距離L2が順傾斜エリアA2の下端となるにつれて短くなってもよい。収束エリアでは、第2曲面12の曲率が、変化してもよい。
【0039】
また、逆傾斜エリアA1、および、順傾斜エリアA2は、前後方向に直交する断面、または、棚部8の平坦面10に直交する断面における、棚部8の平坦面10の内側端の高さと、棚部8の平坦面10の外側端の高さとの関係によって定義されてもよい。たとえば、逆傾斜エリアA1は、棚部8の平坦面10に直交する断面において、棚部8の平坦面10の内側端の高さが、棚部8の平坦面10の外側端の高さよりも高いエリアであってもよい。順傾斜エリアA2は、棚部8の平坦面10に直交する断面において、棚部8の平坦面10の内側端の高さが、棚部8の平坦面10の外側端の高さ以下となるエリアであってもよい。また、長さL1、第2曲面12の曲率、および、距離L2についても、前後方向に直交する断面、または、棚部8の平坦面10に直交する断面において定義されてもよい。
【0040】
吐水装置3から吐水された洗浄水の一部は、棚部8に沿って流れる。棚部8には、吐水装置3側に逆傾斜エリアA1が設けられることで、逆傾斜エリアA1から、ボウル面5の第2側面5b側に洗浄水が流れることが抑制される。
【0041】
また、順傾斜エリアA2では、洗浄水の一部は、棚部8からボウル面5の第2側面5b側に流れ、ボウル面5の第2側面5bを洗浄する。また、棚部8の前端まで流れた洗浄水は、ボウル面5の前方側から排水口7に向けて流れ、ボウル面5の前方側を洗浄する。
【0042】
順傾斜エリアA2では、棚部8の外側交点P1と、棚部8の内側交点P2との長さL1は一定である。そのため、順傾斜エリアA2では、たとえば、洗浄水の流れの乱れが抑制され、棚部8からボウル面5の第2側面5b側へ落ちる洗浄水の流量が抑制される。従って、棚部8に沿って下方側まで流れる洗浄水、すなわち、ボウル面5の前方側まで流れる洗浄水の流量が多くなる。
【0043】
小便器1は、本体部2と、吐水装置3とを備える。本体部2は、正面において小便を受けるボウル面5が内側に形成される。吐水装置3は、ボウル面5の上方領域の中央に設けられ、洗浄水をボウル面5の左右方向に広がるように吐水する。ボウル面5には、棚部8が形成される。棚部8は、ボウル面5の左右両側に、前方側に向けて降下しながら延び、吐水装置3から吐水された洗浄水の一部を、前方側に向けて導く。棚部8の内側の高さが棚部8の外側の高さ以下となる順傾斜エリアA2において、棚部8の外側交点P1と、棚部8の内側交点P2との長さL1は一定である。外側交点P1は、棚部8の平坦面10の延長線Q1と、棚部8の外側端に接続するボウル面5の第1側面5aの延長線Q2との交点である。内側交点P2は、棚部8の平坦面10の延長線Q1と、棚部8の内側端に接続するボウル面5の第2側面5bの延長線Q3との交点である。
【0044】
これにより、小便器1は、吐水装置3から吐水されて、棚部8を流れる洗浄水が、ボウル面5の前方側までが到達する量を多くすることができる。そのため、小便器1は、ボウル面5の前方側における洗浄性を向上させることができる。すなわち、小便器1は、洗浄性を向上させることができる。また、小便器1は、吐水装置3から吐水される洗浄水の吐水量を少なくしつつ、ボウル面5の洗浄性を向上させることができる。また、小便器1は、たとえば、使用者の目線において、順傾斜エリアA2の棚部8の幅を一定とすることができる。そのため、小便器1は、意匠性を向上させることができる。
【0045】
また、棚部8は、第2曲面12を備える。第2曲面12は、棚部8の平坦面10と、ボウル面5の第2側面5bとを接続する。第2曲面12の曲率は、順傾斜エリアA2において一定である。具体的には、順傾斜エリアA2における第2曲面12の曲率は、曲率が最大となる箇所の曲率が、断面によらず一定である。
【0046】
これにより、小便器1は、使用者の目に触れやすい棚部8の内側の曲率が、使用者の目線において、変化することを抑制し、意匠性を向上させることができる。
【0047】
また、棚部8は、棚部8の平坦面10と、ボウル面5の第2側面5bとを接続する第2曲面12を備える。第2曲面12における棚部8の平坦面10側の端部12aと、第2曲面12における第2側面5b側の端部12bとの距離L2は、一定である。
【0048】
これにより、小便器1は、使用者の目に触れやすい棚部8の内側の曲面部の幅が、使用者の目線において、変化することを抑止し、意匠性を向上させることができる。
【0049】
また、棚部8は、順傾斜エリアA2と、逆傾斜エリアA1とを含む。逆傾斜エリアA1は、棚部8の内側の高さが棚部8の外側の高さよりも高い。逆傾斜エリアA1は、順傾斜エリアA2よりも吐水装置3側に形成される。
【0050】
これにより、小便器1は、吐水装置3から吐水され、順傾斜エリアA2まで到達する洗浄水の流量を多くすることができる。そのため、小便器1は、洗浄性を向上させることができる。また、小便器1は、吐水装置3から吐水される洗浄水の吐水量を少なくしつつ、ボウル面5の洗浄性を向上させることができる。
【0051】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0052】
1 小便器
2 本体部
3 吐水装置
5 ボウル面
5a 第1側面
5b 第2側面
8 棚部
10 平坦面
11 第1曲面
12 第2曲面(曲面部)
12a 端部
12b 端部
A1 逆傾斜エリア
A2 順傾斜エリア
P1 外側交点
P2 内側交点
Q1 延長線
Q2 延長線
Q3 延長線