(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143385
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】ソーラーパネル取付用構造体
(51)【国際特許分類】
H02S 20/23 20140101AFI20241003BHJP
E04B 1/343 20060101ALI20241003BHJP
E04B 7/00 20060101ALI20241003BHJP
E04H 6/02 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
H02S20/23 A
E04B1/343 V
E04B7/00 Z
E04H6/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023056032
(22)【出願日】2023-03-30
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和5年3月14日に三協立山株式会社三協アルミ社ホームページ(http://alumi.st-grp.co.jp/)内のデータダウンロードページ(https://apps.st-grp.co.jp/iportal/CatalogSearch.do?method=catalogSearchByAnyCategories&volumeID=STAWC001&categoryID=581310000&designID=WCAT001)にて公開
(71)【出願人】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136331
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 陽一
(72)【発明者】
【氏名】保坂 純平
(72)【発明者】
【氏名】宮川 鉄平
(57)【要約】
【課題】 ソーラーパネルの設置が容易に行えるソーラーパネル取付用構造体の提供。
【解決手段】 構造体1と取付材2,2,…とを備え、構造体1は、柱3に支持された複数の梁4,4と、梁4,4に支持された屋根5を有し、屋根5は、梁4,4の上面4aよりも低い位置にあり、取付材2,2,…は、ソーラーパネル6,6,…を取付けるためのものであり、屋根5の上面5aよりも上方に位置する複数の梁4,4の上面4aに架設してある。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造体と取付材とを備え、構造体は、柱に支持された複数の梁と、梁に支持された屋根を有し、屋根は、梁の上面よりも低い位置にあり、取付材は、ソーラーパネルを取付けるためのものであり、屋根の上面よりも上方に位置する複数の梁の上面に架設してあることを特徴とするソーラーパネル取付用構造体。
【請求項2】
構造体と取付材とを備え、構造体は、柱に支持された複数の梁と、梁に支持された屋根を有し、屋根は、梁の上面よりも低い位置にあり、アルミ形材で形成した屋根材の側縁部同士を互いに連結してあると共に、梁に連結してあり、取付材は、ソーラーパネルを取付けるためのものであり、屋根の上面よりも上方に位置する複数の梁の上面に架設してあることを特徴とするソーラーパネル取付用構造体。
【請求項3】
構造体と取付材とを備え、構造体は、柱に支持された複数の梁と、梁に支持された屋根を有し、屋根は、梁の上面よりも低い位置にあり、梁の下面に吊下げた複数の桁と、桁間に間隔をおいて架設した垂木と、垂木間に取付けた屋根材と、屋根材を押さえるパネル押えとを有し、取付材は、ソーラーパネルを取付けるためのものであり、屋根の上面よりも上方に位置する複数の梁の上面に架設してあることを特徴とするソーラーパネル取付用構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソーラーパネルの設置が容易に行えるソーラーパネル取付用構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、カーポートの屋根の上にソーラーパネルを設置することが行われており、ソーラーパネルの設置が容易に行えるものが求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は以上に述べた実情に鑑み、ソーラーパネルの設置が容易に行えるソーラーパネル取付用構造体の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の課題を達成するために請求項1記載の発明によるソーラーパネル取付用構造体は、構造体と取付材とを備え、構造体は、柱に支持された複数の梁と、梁に支持された屋根を有し、屋根は、梁の上面よりも低い位置にあり、取付材は、ソーラーパネルを取付けるためのものであり、屋根の上面よりも上方に位置する複数の梁の上面に架設してあることを特徴とする。
【0005】
請求項2記載の発明によるソーラーパネル取付用構造体は、構造体と取付材とを備え、構造体は、柱に支持された複数の梁と、梁に支持された屋根を有し、屋根は、梁の上面よりも低い位置にあり、アルミ形材で形成した屋根材の側縁部同士を互いに連結してあると共に、梁に連結してあり、取付材は、ソーラーパネルを取付けるためのものであり、屋根の上面よりも上方に位置する複数の梁の上面に架設してあることを特徴とする。
【0006】
請求項3記載の発明によるソーラーパネル取付用構造体は、構造体と取付材とを備え、構造体は、柱に支持された複数の梁と、梁に支持された屋根を有し、屋根は、梁の上面よりも低い位置にあり、梁の下面に吊下げた複数の桁と、桁間に間隔をおいて架設した垂木と、垂木間に取付けた屋根材と、屋根材を押さえるパネル押えとを有し、取付材は、ソーラーパネルを取付けるためのものであり、屋根の上面よりも上方に位置する複数の梁の上面に架設してあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1記載の発明によるソーラーパネル取付用構造体は、構造体と取付材とを備え、構造体は、柱に支持された複数の梁と、梁に支持された屋根を有し、屋根は、梁の上面よりも低い位置にあり、取付材は、ソーラーパネルを取付けるためのものであり、屋根の上面よりも上方に位置する複数の梁の上面に架設してあることで、ソーラーパネルの設置を屋根の施工と切り離して容易に行うことができる。
【0008】
請求項2記載の発明によるソーラーパネル取付用構造体は、構造体と取付材とを備え、構造体は、柱に支持された複数の梁と、梁に支持された屋根を有し、屋根は、梁の上面よりも低い位置にあり、アルミ形材で形成した屋根材の側縁部同士を互いに連結してあると共に、梁に連結してあり、取付材は、ソーラーパネルを取付けるためのものであり、屋根の上面よりも上方に位置する複数の梁の上面に架設してあることで、ソーラーパネルの設置を屋根の施工と切り離して容易に行うことができる。
【0009】
請求項3記載の発明によるソーラーパネル取付用構造体は、構造体と取付材とを備え、構造体は、柱に支持された複数の梁と、梁に支持された屋根を有し、屋根は、梁の上面よりも低い位置にあり、梁の下面に吊下げた複数の桁と、桁間に間隔をおいて架設した垂木と、垂木間に取付けた屋根材と、屋根材を押さえるパネル押えとを有し、取付材は、ソーラーパネルを取付けるためのものであり、屋根の上面よりも上方に位置する複数の梁の上面に架設してあることで、ソーラーパネルの設置を屋根の施工と切り離して容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明のソーラーパネル取付用構造体の第1実施形態を示す正面図である。
【
図2】同ソーラーパネル取付用構造体の平面図である。
【
図3】同ソーラーパネル取付用構造体の側面図である。
【
図9】本発明のソーラーパネル取付用構造体の第2実施形態を示す正面図である。
【
図10】同ソーラーパネル取付用構造体の平面図である。
【
図11】同ソーラーパネル取付用構造体の側面図である。
【
図13】本発明のソーラーパネル取付用構造体の第3実施形態を示す正面図である。
【
図14】同ソーラーパネル取付用構造体の平面図である。
【
図15】同ソーラーパネル取付用構造体の側面図である。
【
図16】本発明のソーラーパネル取付用構造体の第4実施形態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1~8は、本発明のソーラーパネル取付用構造体の第1実施形態であって、ソーラーパネル6を取付けた状態を示している。本ソーラーパネル取付用構造体は、
図1~3に示すように、構造体1と、ソーラーパネル6を取付けるための取付材2とを備えている。
構造体1は、住宅の敷地に設置される乗用車1台用のカーポートとなっており、
図1~3に示すように、正面から見て左側に前後方向に間隔をあけて立設した2本の柱3,3と、各柱3,3の上端部にそれぞれ支持された2本の梁4,4と、梁4,4に支持された屋根5とを備えている。屋根5は、
図1に示すように、梁4,4の上面4aよりも低い位置にあり、柱3のある左側が低くなるように傾斜している。
取付材2は、屋根5の上面5aよりも上方に位置する前後の梁4,4の上面4aに、左右方向に間隔をおいて複数(図示のものは4本)架設してある。
【0012】
柱3は、アルミニウム合金の押出形材で形成したものであり、
図6に示すように、略矩形断面の中空状に形成されている。柱3は、前後の見付面3a,3bが外側(左側)の見込面3cよりも外側に張り出しており、その端縁部間に目板12を嵌合取付けすることで、屋根5の雨水を地上に流すためのたて樋13が柱3と一体で形成されている。
柱3は、
図1に示すように、下部を地面に形成した基礎穴14に挿入し、柱3の周りをコンクリート15で固めてある。
梁4も、
図5に示すように、アルミニウム合金の押出形材で略矩形断面の中空状に形成してある。
柱3と梁4は、
図4に示すように、柱3と梁4の中空部内にL字形の柱梁連結金具16を挿入してボルト17で固定することで、柱3と梁4が連結されている。梁4は、水下側(左側)端が柱3よりも外側に飛び出している。
【0013】
屋根5は、
図2に示すように、前枠18と後枠19と左右の側枠20a,20bとを矩形に枠組みした屋根枠21と、屋根枠21の内側に左右方向の向きで配置され、前後方向に並べて取付けた複数の屋根材7,7,…とを有している。
水上側に位置する右側の側枠20aは、
図4に示すように、前後の梁4,4の水上側端部にL形の金具23で固定して取付けてある。水上側の側枠20aは、アルミニウム合金の押出形材で形成したものであり、上面が屋根の外周側に向かって下向きに傾斜した略直角三角形状の断面になっている。
【0014】
前枠18と後枠19は、
図5に示すように、水上側の側枠20aとほぼ同じ略直角三角形断面のアルミ形材で形成してある。水上側の側枠20aの長手方向の両端部、前枠18及び後枠19の水上側端部は、
図2に示すように、それぞれ斜め45°に切断され、斜めに切断された小口同士を突き合せて連結してある。
【0015】
水下側に位置する左側の側枠20bは、
図4に示すように、前後の梁4,4の水下側端部にL形の金具23で固定して取付けてある。水下側の側枠20bは、アルミニウム合金の押出形材で形成したものであり、梁4,4と金具23で連結された略矩形断面の本体部24と、本体部24の外周側面の下部にねじ止めして取付けた樋25を有している。柱3は、前後の見付面3a,3bの見込面3cから張り出した部分の上端部が切り欠かれており、樋25はその切欠き26に呑み込ませてあって、柱3側の側面が柱3の見込面3cに当接している。したがって水下側の側枠20bは、本体部24と樋25を含めた全体が柱3の見込面3cより外側に位置している。
樋25は、
図4に示すように、柱3の切欠き26に呑み込ませた部分に排水孔27が形成してあり、樋25に入った雨水はその排水孔27から柱3の外側に設けられたたて樋13へと流れ、たて樋13の下端部に外側に向けて開口して設けた排水口28(
図1参照)より地上へと排水される。
【0016】
屋根材7は、
図2,5に示すように、アルミニウム合金の押出形材で板状に形成してあり、前枠18と梁4の間と、梁4,4同士の間と、梁4と後枠19の間とに前後方向に並べて取付けてある。隣り合う屋根材7,7は、
図5に示すように、側縁部同士が互いに連結されており、屋根材7同士の連結部には、略矩形断面の中空部29が形成されており、これにより屋根5に強度を持たせている。また、梁4に隣接する位置に配置される屋根材7は、梁4側の側縁部が梁4と連結してあり、屋根材7と梁4との連結部にも中空部29が形成されている。
各屋根材7は、
図4に示すように、水上側の端部を水上側の側枠20aに金具30で連結し、水下側の端部を水下側の側枠20bに金具30で連結して、両側枠20a,20b間に架設してある。屋根材7の水下側の端部は、柱3の見込面3cよりも外側までのび、水下側の側枠20bに呑み込ませてあって、屋根材7の上面を伝って流下した雨水は側枠20bの樋25に落ちるようになっている。
図4,5に示すように、屋根材7,7,…は、前枠18、後枠19及び水上側の側枠20aと、下面が同面になっている。また、梁4の下面には、梁下カバー31が取付けてあり、梁下カバー31の下面と屋根材7,7,…の下面が同面になっている。これにより本構造体1は、屋根5の下面がフラットに形成されている。
【0017】
図4,5,7,8に示すように、梁4の上面4aには取付材2を取付けるためのレール32が梁4の長手方向に沿って取付けてある。レール32は、アルミニウム合金の押出形材で形成したものであり、上面が開放した略C字形断面の溝33を長手方向に有している(
図7,8参照)。なお、梁4の上面4aに別体のレール32を取付ける代わりに、梁4の上面4aに溝33を一体に形成することもできる。
取付材2は、
図4,7に示すように、アルミニウム合金の押出形材で形成した略矩形断面の長尺材となっており、左右の側面と上面とに略C字型断面の溝34a,34bを長手方向に有している。
【0018】
取付材2の取付け方を説明すると、取付材2を前後の梁4,4の上面4aに跨って梁4,4と交差する向きで載置し、
図7に示すように、梁上面4aに取付けたレール32の溝33と取付材2の側面の溝34aとに裏板35a,35bをそれぞれ小口から挿入し、裏板35a,35bを梁4と取付材2が交差する付近までスライドさせる。
次に、レール32の上面と取付材2の側面に跨ってL形の固定金具36を当てがい、固定金具36の横壁に挿通したボルト37aをレール32の溝33に保持した裏板35aの雌ねじ孔に螺入し、固定金具36の縦壁に挿通したボルト37bを取付材2の側面の溝34aに保持した裏板35bの雌ねじ孔に螺入し、各ボルト37a,37bを締め付けることで取付材2が梁上面4aに固定される(
図4参照)。その際、固定金具36の横壁に挿通したボルト37aを仮締めの状態とすることで、取付材2を梁4の長手方向にスライドさせることができ、取付けるソーラーパネル6の大きさや設置する位置に応じて取付材2の位置を梁4の長手方向に調整し、適当な位置でボルト37aを締め付けて取付材2を梁4上に固定する。
なお、取付材2を取付ける作業は、屋根5の施工が完了した後に行われる。
【0019】
ソーラーパネル6は、
図2に示すように、右側2本、左側2本の取付材2の上に、前後方向に並べて3枚ずつ配置され、各ソーラーパネル6は、
図4,5に示すように、前後の縁部を固定金具38により取付材2に固定して取付けてある。
固定金具38は、
図4,5,7に示すように、取付材2の上面の溝34bにスライド可能に保持されるベース金具39と、ベース金具39に上方に突出して設けたボルト40に挿通してナット41で固定される押え金具42とで構成されている。押え金具42は、前後に隣り合うソーラーパネル6,6の押え部43を一体に有しており、
図5に示すように、前後に隣り合うソラーパネル6,6の隙間に突出させたボルト40に押え金具42を通し、ナット41をボルト40に螺合して締め付けることで、一つの押え金具42で前後に隣り合うソーラーパネル6,6の縁部を取付材2に押し付けて固定することができる。
ソーラーパネル6の取付けは、取付材2の長手方向の一方側のものから他方側に向かって順次行う。取付材2の取付位置を梁4の長手方向に調整自在であることに加え、ソーラーパネル6の固定金具38が取付材2の長手方向にスライド自在に設けてあることで、メーカーの違いによるソーラーパネル6の大きさの違いにも柔軟に対応することができる。
【0020】
このように本ソーラーパネル取付用構造体は、ソーラーパネル6を屋根5の上面5aに取付けるのではなく、屋根5の上面5aよりも上方に位置する梁4,4の上面4aに取付材2,2,…を架設して、その取付材2,2,…にソーラーパネル6,6,…を取付けるようにしたことで(
図1参照)、ソーラーパネル6,6,…の取付け作業を屋根5の施工を済ませた後に、屋根5の施工と切り離して行うことができ、ソーラーパネル6,6,…の設置が容易に行える。ソーラーパネル6,6,…を、屋根5の上面5aよりも上方に位置する梁上面4aに架設した取付材2に取付けたことで、ソーラーパネル6,6,…が屋根5の水密性に何ら影響を及ぼすことがない。また、ソーラーパネル6,6,…と屋根5の上面5aとの間に空間ができるため(
図5参照)、ソーラーパネル6,6,…の配線もしやすい(後述する第2,3,4実施形態についても同様)。
また、本ソーラーパネル取付用構造体は、
図5に示すように、アルミ形材で形成した屋根材7,7,…を梁4,4と平行な向きで配置し、屋根材7,7,…の側縁部同士を互いに連結するとともに、梁4に隣接する屋根材7の側縁部を梁4に連結することで屋根5を構成したので、屋根5の施工を簡略化することができる。さらに、屋根材7,7,…の下面と梁4,4の下面(厳密には、梁4の下面に取付けた梁下カバー31の下面)とが同面になっていることで、梁4が目立たないとともに、梁4を含めた屋根5の厚みを薄くすることができる。
さらに本ソーラーパネル取付用構造体は、
図1,4に示すように、正面から見て屋根5が柱3よりも外側までのばしてあるので、梁4の下に屋根5を吊り下げる場合と比べ、屋根5を敷地の境界ぎりぎりまで設けることができ、屋根5でカバーされる面積を大きくできる。
【0021】
図9~12は、本発明のソーラーパネル取付用構造体の第2実施形態を示している。本ソーラーパネル取付用構造体は、屋根付きの構造体1と、構造体1の梁4上に架設した取付材2とを備えている。構造体1は、第1実施形態と同様に、乗用車1台用のカーポートに適用したものであり、屋根5の構造が第1実施形態と異なっている。
本構造体1は、
図9,10に示すように、屋根5が正面から見て右側が低くなるように傾斜しており、前枠18と後枠19と左右の側枠20a,20bとで屋根枠21が構成され、屋根枠21の内側にアルミニウム合金の押出形材よりなる複数の屋根材7,7,…が前後方向に延びる向きで配置され、左右方向に並べて取付けられている。
【0022】
屋根材7は、
図12に示すように、アルミニウム合金の押出形材で、中空部を有する板状に形成されている。屋根材7は、水下側端部の屋根材7aを除き、前後の梁4,4の下面に取付けてある。水下側端部の屋根材7aは、
図10に示すように、前側の柱3より前側と、前後の柱3同士の間と、後側の柱3より後側の3つの部分に分割され、柱3の前後の見付面に金具(図示省略)で取付けられている。
【0023】
図9,10に示すように、屋根5の上面5aよりも上方に位置する前後の梁4,4の上面4aには、第1実施形態と同様に、取付材2,2,…が左右方向に間隔をおいて複数架設してあり、取付材2,2,…上にソーラーパネル6,6,…が複数取付けてある。取付材2及びソーラーパネル6の取付け方は、第1実施形態と同様である。
【0024】
第2実施形態のソーラーパネル取付用構造体は、第1実施形態と同様に、屋根5の上面5aよりも上方に位置する梁4,4の上面4aに、ソーラーパネル6,6,…を取付けるための取付材2,2,…を架設してあることで(
図9参照)、ソーラーパネル6,6,…の設置が容易に行える。屋根5は、屋根材7,7,…を前後方向の向きで左右方向に並べて配置したことで、屋根材7,7,…を左右方向の向きで配置した場合よりも屋根材7の枚数を少なくすることができるので、屋根5の施工を簡略化できる。
【0025】
図13~15は、本発明のソーラーパネル取付用構造体の第3実施形態を示している。本ソーラーパネル取付用構造体は、屋根付きの構造体1と、構造体1の梁4上に架設した取付材2とを備えている。
構造体1は、乗用車2台用のカーポートに適用したものであり、これまでに説明した1台用のカーポートと比べ梁4の長さが長くなっており、梁4の長手方向の両端部を柱3で支持してある(
図13参照)。
前後の梁4,4の上面4aにソーラーパネル6,6,…を取付けるための取付材2,2,…が架設してあり、取付材2,2,…上にソーラーパネル6,6,…が取り付けてある点は、第1,2実施形態と同様である。
【0026】
屋根5は、
図14に示すように、第2実施形態と同様に、前枠18と後枠19と左右の側枠20a,20bで形成した屋根枠21の内側に、屋根材7,7,…を前後方向の向きで左右方向に並べて配置してある。屋根材7は、左右両端の屋根材7aを除き、梁4,4の下面に取付けてある。左右両端の屋根材7aは、前側の柱3より前側と、前後の柱3同士の間と、後側の柱3より後側の3つの部分に分割され、柱3の前後の見付面に金具(図示省略)で取付けられている。
また屋根5は、
図15に示すように、後側が低くなるように傾斜しており、後枠19が水下側に位置し、後枠19に樋25が設けてある。左右の側枠20a,20bは、
図13に示すように、柱3の見込面3cに取付けてあって、全体が柱3の見込面3cよりも外側に位置している。
【0027】
第3実施形態のソーラーパネル取付用構造体は、第1,2実施形態と同様に、屋根5の上面5aよりも上方に位置する梁4,4の上面4aに、ソーラーパネル6,6,…を取付けるための取付材2,2,…を架設してあることで(
図15参照)、ソーラーパネル6,6,…の設置が容易に行える。屋根5は、屋根材7,7,…を前後方向の向きで左右方向に並べて配置したことで、屋根材7,7,…を左右方向の向きで配置した場合よりも屋根材7の枚数を少なくすることができるので、屋根5の施工を簡略化できる。
【0028】
図16~20は、本発明のソーラーパネル取付用構造体の第4実施形態を示している。本ソーラーパネル取付用構造体は、屋根付きの構造体1と、構造体1の梁4上に架設した取付材2とを備えている。
構造体1は、第3実施形態と同様に、乗用車2台用のカーポートに適用したものであり、1台用のカーポートと比べ梁4の長さが長くなっており、梁4の長手方向の両端部を柱3で支持してある(
図17参照)。なお梁4は、屋根5を支持するだけであれば前後2本で十分であるが、本構造体1は梁4上にソーラーパネル6を設置するために、梁4を前後方向に間隔をおいて3本設けてある(
図16,19参照)。
【0029】
屋根5は、
図16,17に示すように、左右に二分割して構成されており、各屋根5は梁4の下面に吊り金具44で吊り下げて設けてある。
各屋根5は、
図16~20に示すように、左右両側に桁8,8を有し、左右の桁8,8間に複数の垂木9,9,…を前後方向に間隔をおいて取付け、垂木9同士の間に樹脂製の屋根材7を載せ、各垂木9上にパネル押え11を取付けて構成してある。垂木9は、
図17に示すように、長手方向の両端部が低くなるようにR状に湾曲して傾斜している。
図18,20に示すように、左右の桁8,8の外側には桁破風45が、端部の垂木9の外側には妻破風46がそれぞれ取付けてあり、周囲から見ると屋根5がこれらの破風45,46に隠れて見えないようになっている。
【0030】
図18,20に示すように、梁4の上面には取付材2を取付けるためのレール32が梁4の長手方向に沿って取付けてあり、該レール32上に取付材2がL型の固定金具36を介して梁4の長手方向に位置調整可能に設けてある。本実施形態では、
図17に示すように、梁4上に6本の取付材2が架設してある。
そして、
図16に示すように、2本ずつの取付材2上に跨るようにソーラーパネル6を横長の向きで前後方向に並べて配置し、各取付材2の上面にスライド可能に設けた固定金具38により、各ソーラーパネル6を取付材2に固定している。なお、梁4上への取付材2の取付け方、取付材2へのソーラーパネル6の取付け方は、第1実施形態と同様である。
【0031】
第4実施形態のソーラーパネル取付用構造体は、第1,2,3実施形態と同様に、屋根5の上面5aよりも上方に位置する梁4,4,4の上面4aに、ソーラーパネル6,6,…を取付けるための取付材2,2,…を架設してあることで(
図17参照)、ソーラーパネル6,6,…の設置が容易に行える。屋根5は、梁4,4,4の下面に吊下げた複数の桁8,8と、桁8,8間に間隔をおいて架設した垂木9,9,…と、垂木9,9,…間に取付けた屋根材7,7,…と、屋根材7,7,…を押さえるパネル押え11,11,…とで構成したので、屋根5の施工が容易に行える。ソーラーパネル6,6,…を横長の向きで配置することで、ソーラーパネル6,6,…の設置枚数を多くすることができる。
【0032】
以上に述べたように本ソーラーパネル取付用構造体(第1,2,3,4実施形態)は、構造体1と取付材2,2,…とを備え、構造体1は、柱3に支持された複数の梁4と、梁4に支持された屋根5を有し、屋根5は、梁4の上面4aよりも低い位置にあり、取付材2,2,…は、ソーラーパネル6,6,…を取付けるためのものであり、屋根5の上面5aよりも上方に位置する複数の梁4の上面4aに架設してあることで(
図1,9,15,17参照)、ソーラーパネル6,6,…の設置を屋根5の施工と切り離して容易に行うことができる。また、ソーラーパネル6,6,…を、屋根5の上面5aよりも上方に位置する梁上面4aに架設した取付材2,2,…に取付けたことで、ソーラーパネル6,6,…が屋根5の水密性に何ら影響を及ぼすことがない。さらに、ソーラーパネル6,6,…と屋根5の上面5aとの間に空間ができるため(
図5参照)、ソーラーパネル6,6,…の配線もしやすい。
本ソーラーパネル取付用構造体(第1実施形態)は、構造体1と取付材2,2,…とを備え、構造体1は、柱3に支持された複数の梁4と、梁4に支持された屋根5を有し、屋根5は、梁4の上面4aよりも低い位置にあり、アルミ形材で形成した屋根材7,7,…の側縁部同士を互いに連結してあると共に、梁4に連結してあり、取付材2,2,…は、ソーラーパネル6,6,…を取付けるためのものであり、屋根5の上面5aよりも上方に位置する複数の梁4の上面4aに架設してあることで(
図5参照)、ソーラーパネル6,6,…の設置を屋根5の施工と切り離して容易に行うことができる。屋根5は、アルミ形材で形成した屋根材7,7,…の側縁部同士を互いに連結すると共に、梁4に連結して構成したので、屋根5の施工を簡略化することができる。
本ソーラーパネル取付用構造体(第4実施形態)は、構造体1と取付材2,2,…とを備え、構造体1は、柱3に支持された複数の梁4と、梁4に支持された屋根5を有し、屋根5は、梁4の上面4aよりも低い位置にあり、梁4の下面に吊下げた複数の桁8,8と、桁8,8間に間隔をおいて架設した垂木9,9,…と、垂木9,9,…間に取付けた屋根材7,7,…と、屋根材7,7,…を押さえるパネル押え11,11,…とを有し、取付材2,2,…は、ソーラーパネル6,6,…を取付けるためのものであり、屋根5の上面5aよりも上方に位置する複数の梁4の上面4aに架設してあることで(
図17参照)、ソーラーパネル6,6,…の設置を屋根5の施工と切り離して容易に行うことができる。屋根5は、梁4の下面に吊下げた複数の桁8,8と、桁8,8間に間隔をおいて架設した垂木9,9,…と、垂木9,9,…間に取付けた屋根材7,7,…と、屋根材7,7,…を押さえるパネル押え11,11,…とで構成したので、屋根の施工が容易に行える。
本ソーラーパネル取付用構造体(第1,2,3,4実施形態)は、取付材2は、梁4の長手方向に取付位置を調整自在であるため(
図4参照)、ソーラーパネル6の大きさや配置の変更にも容易に対応できる。
【0033】
本発明は以上に述べた実施形態に限定されない。取付材の断面形状や材質、梁への取付け方は、適宜変更することができる。屋根は、梁の上面より低い位置に設けてあればよく、屋根の具体的な構造は問わない。本発明は、カーポートに限らず、ガーデンルーム、通路用シェルター等、屋根を有するあらゆる構造体に適用することができる。
【符号の説明】
【0034】
1 構造体
2 取付材
3 柱
4 梁
5 屋根
6 ソーラーパネル
7 屋根材
8 桁
9 垂木
11 パネル押え