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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143393
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】積載ラック
(51)【国際特許分類】
   B65D 19/44 20060101AFI20241003BHJP
   E04G 21/16 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
B65D19/44 D
E04G21/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023056047
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088580
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 敦
(74)【代理人】
【識別番号】100195453
【弁理士】
【氏名又は名称】福士 智恵子
(74)【代理人】
【識別番号】100205501
【弁理士】
【氏名又は名称】角渕 由英
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 沙帆
(72)【発明者】
【氏名】松井 友香
(72)【発明者】
【氏名】南野 貴洋
(72)【発明者】
【氏名】林 哲平
【テーマコード(参考)】
2E174
3E063
【Fターム(参考)】
2E174AA04
2E174BA01
2E174CA03
2E174CA12
2E174EA02
3E063AA25
3E063BA01
3E063FF20
3E063GG10
(57)【要約】
【課題】建築用部材を効率良く積載し、安定して運搬可能な積載ラックを提供する。
【解決手段】積載ラック1は、枠状のベース部材と、ベース部材の少なくとも四隅に配置される複数の柱部材40とを備えている。ベース部材は、積載ラックの長さ方向に延びて、柱部材40同士を連結する一対の第1ベース部材10と、第1ベース部材の延出方向の一端部に連結される一対の延長ベース部材20と、延長ベース部材同士を連結する一対の第2ベース部材30とを備えている。積載ラック1は、第1ベース部材10の係合穴部12(被係合部)に延長ベース部材20の係合突出部22(係合部)を係合させたときに、その係合状態を保持する保持部材50をさらに備えている。保持部材50は、第1ベース部材10と延長ベース部材20の連結部分に設けられ、係合突出部22の係合方向において係合状態を保持する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築用部材を積載した状態で運搬可能な積載ラックであって、
前記積載ラックの土台となる枠状のベース部材と、
前記ベース部材の少なくとも四隅に配置され、前記ベース部材から上方へ延びている複数の柱部材と、を備え、
前記ベース部材は、
前記積載ラックの長さ方向及び幅方向のうち一方の方向に延びて、前記柱部材同士を連結するための一対の第1ベース部材と、
前記第1ベース部材の延出方向の端部に連結され、前記端部から前記第1ベース部材の延出方向に延びて、前記柱部材同士を連結するための一対の延長ベース部材と、を備え、
前記延長ベース部材は、該延長ベース部材の延出方向の一端部に形成され、前記第1ベース部材の延出方向の端部に設けられた被係合部に対して着脱可能に係合する係合部を有し、
前記積載ラックは、前記第1ベース部材の前記被係合部に前記係合部を係合させたときに、前記係合部の係合状態を保持する保持部材を有し、
前記保持部材は、前記第1ベース部材と前記延長ベース部材の連結部分に設けられ、前記係合部の係合方向において前記係合状態を保持することを特徴とする積載ラック。
【請求項2】
前記積載ラックは、全体長さ又は全体幅を延長可能なラックであって、吊り上げ装置によって吊り上げられ、
前記保持部材は、前記係合部の係合方向及び上下方向において前記係合状態を保持することを特徴とする請求項1に記載の積載ラック。
【請求項3】
前記延長ベース部材の前記係合部は、前記第1ベース部材の前記被係合部としてのベース係合穴部に水平方向に挿入されて係合する係合突出部であって、
前記係合突出部は、前記延長ベース部材の一端部から前記第1ベース部材に向かって突出している本体壁部と、前記本体壁部の幅方向の両端部からそれぞれ前記本体壁部の突出方向とは交差する方向に延びている一対の補強壁部と、を有していることを特徴とする請求項2に記載の積載ラック。
【請求項4】
前記ベース部材は、前記積載ラックの前記長さ方向及び幅方向のうち他方の方向に延びて、前記延長ベース部材同士を連結する第2ベース部材を備え、
前記延長ベース部材は、該延長ベース部材の延出方向の他端部に形成され、前記第2ベース部材の延出方向の端部に設けられた係合突出部に対し、水平方向に着脱可能に係合する係合穴部を有し、
前記積載ラックは、前記係合穴部に前記第2ベース部材の前記係合突出部を水平方向に係合させたときに、前記係合突出部の係合状態を保持する第2保持部材を有し、
前記第2保持部材は、前記延長ベース部材と前記第2ベース部材の連結部分に設けられ、前記係合突出部の係合方向において前記係合状態を保持することを特徴とする請求項2に記載の積載ラック。
【請求項5】
前記保持部材は、
前記柱部材の下端部に設けられる凸形状のロック部材と、
前記第1ベース部材の前記被係合部に形成されるキー溝と、
前記延長ベース部材の前記係合部に形成される第2キー溝と、を有し、
前記キー溝と前記第2キー溝とが重なるように配置され、
前記保持部材は、前記ロック部材が前記キー溝及び前記第2キー溝の双方に嵌まることで、前記係合状態を保持することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の積載ラック。
【請求項6】
前記キー溝は、前記第1ベース部材の前記被係合部の上端部から下方に向かって形成され、
前記第2キー溝は、前記延長ベース部材の前記係合部の上端部から下方に向かって形成され、
前記キー溝と前記第2キー溝とが、上面視において重なる位置に配置されることを特徴とする請求項5に記載の積載ラック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積載ラックに係り、特に、建築用部材を積載した状態で運搬可能な積載ラックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工場にて製造された建築用パネルや木製の施工用部材を運搬するために、これら建築用パネルや施工用部材を積載することが可能な積載ラックが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
具体的な積載、運搬方法について説明すると、まず工場の製造ラインから取り出された建築用パネルや施工用部材は、積載ラックに平積みされた状態で工場内に保管される。このとき、施工用部材は、パレット上に集積され、バンド等で固定された状態で平積みされることが多い。その後、トラック等によって、そのまま積載ラックに平積みされた状態で積み込まれ、施工現場に運搬される。
運搬された建築用パネルや施工用部材は、施工現場に据え付けられたレッカーやフォークリフト等によって積み下ろされ、施工現場に保管される。なお、積載ラックは、工場へ回収されても良いし、特許文献2のように保管ラックとして現場で利用されても良い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-89567号公報
【特許文献2】特開2020-105770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1、2のような積載ラックにおいて、建築用部材を効率良く積載し、運搬することが可能な積載ラックが求められていた。
例えば、様々な形状、大きさの建築用部材を積載して運搬できるように、積載ラックの全体長さ又は全体幅を延長することができ、建築用部材を安定して運搬することが可能な積載ラックが求められていた。
また、従来よりも強固に組み立てることが可能な積載ラックが求められていた。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、従来よりも建築用部材を効率良く積載し、安定して運搬することが可能な積載ラックを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、従来よりも強固に組み立てることが可能な積載ラックを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題は、本発明の積載ラックによれば、建築用部材を積載した状態で運搬可能な積載ラックであって、前記積載ラックの土台となる枠状のベース部材と、前記ベース部材の少なくとも四隅に配置され、前記ベース部材から上方へ延びている複数の柱部材と、を備え、前記ベース部材は、前記積載ラックの長さ方向及び幅方向のうち一方の方向に延びて、前記柱部材同士を連結するための一対の第1ベース部材と、前記第1ベース部材の延出方向の端部に連結され、前記端部から前記第1ベース部材の延出方向に延びて、前記柱部材同士を連結するための一対の延長ベース部材と、を備え、前記延長ベース部材は、該延長ベース部材の延出方向の一端部に形成され、前記第1ベース部材の延出方向の端部に設けられた被係合部に対して着脱可能に係合する係合部を有し、前記積載ラックは、前記第1ベース部材の前記被係合部に前記係合部を係合させたときに、前記係合部の係合状態を保持する保持部材を有し、前記保持部材は、前記第1ベース部材と前記延長ベース部材の連結部分に設けられ、前記係合部の係合方向において前記係合状態を保持すること、により解決される。
上記構成により、従来よりも建築用部材を効率良く積載し、安定して運搬することが可能な積載ラックを実現できる。
詳しく述べると、本発明の積載ラックでは、全体長さ又は全体幅を延長するための延長ベース部材を備えており、第1ベース部材(被係合部)に延長ベース部材(係合部)を係合させた係合状態を保持する保持部材をさらに備えている。そのため、建築用部材の形状、大きさに合わせて全体長さ又は全体幅を延長することができ、かつ、強固に組み立てることが可能な積載ラックを実現できる。
【0007】
このとき、前記積載ラックは、全体長さ又は全体幅を延長可能なラックであって、吊り上げ装置によって吊り上げられ、前記保持部材は、前記係合部の係合方向及び上下方向において前記係合状態を保持すると良い。
上記構成により、吊り上げ装置によって上方へ吊り上げられた場合であっても、積載ラックの延長ベース部材が上方に外れてしまう(抜けてしまう)ことを抑制できる。
【0008】
このとき、前記延長ベース部材の前記係合部は、前記第1ベース部材の前記被係合部としてのベース係合穴部に水平方向に挿入されて係合する係合突出部であって、前記係合突出部は、前記延長ベース部材の一端部から前記第1ベース部材に向かって突出している本体壁部と、前記本体壁部の幅方向の両端部からそれぞれ前記本体壁部の突出方向とは交差する方向に延びている一対の補強壁部と、を有していると良い。
上記構成により、第1ベース部材(係合穴部)に延長ベース部材(係合突出部)をより強固に組み付けることができる。
【0009】
このとき、前記ベース部材は、前記積載ラックの前記長さ方向及び幅方向のうち他方の方向に延びて、前記延長ベース部材同士を連結する第2ベース部材を備え、前記延長ベース部材は、該延長ベース部材の延出方向の他端部に形成され、前記第2ベース部材の延出方向の端部に設けられた係合突出部に対し、水平方向に着脱可能に係合する係合穴部を有し、前記積載ラックは、前記係合穴部に前記第2ベース部材の前記係合突出部を水平方向に係合させたときに、前記係合突出部の係合状態を保持する第2保持部材を有し、前記第2保持部材は、前記延長ベース部材と前記第2ベース部材の連結部分に設けられ、前記係合突出部の係合方向において前記係合状態を保持すると良い。
上記構成により、第2保持部材が、延長ベース部材(係合穴部)に第2ベース部材(係合突出部)を係合させたときに、その係合状態を好適に保持できる。そのため、積載ラックの延長ベース部材が上方に外れてしまうことをより一層抑制できる。
【0010】
このとき、前記保持部材は、前記柱部材の下端部に設けられる凸形状のロック部材と、前記第1ベース部材の前記被係合部に形成されるキー溝と、前記延長ベース部材の前記係合部に形成される第2キー溝と、を有し、前記キー溝と前記第2キー溝とが重なるように配置され、前記保持部材は、前記ロック部材が前記キー溝及び前記第2キー溝の双方に嵌まることで、前記係合状態を保持すると良い。
上記構成により、ロック部材が、重なり合ったキー溝及び第2キー溝の双方に嵌まることで、第1ベース部材、延長ベース部材及び柱部材をロックできる。そのため、より容易かつ強固に積載ラックを組み立てることができる。
【0011】
このとき、前記キー溝は、前記第1ベース部材の前記被係合部の上端部から下方に向かって形成され、前記第2キー溝は、前記延長ベース部材の前記係合部の上端部から下方に向かって形成され、前記キー溝と前記第2キー溝とが、上面視において重なる位置に配置されると良い。
上記構成により、第1ベース部材に延長ベース部材を水平方向に係合させた状態で支柱を上方から係合させることで、すなわち、キー溝に第2キー溝を重ねた状態でロック部材を上方から嵌めることで、これら構成部品を容易に組み立てることができる。また、強固に組み立てられる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の積載ラックによれば、従来よりも建築用部材を効率良く積載し、運搬することが可能となる。
また、従来よりも強固に組み立てることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1実施形態の積載ラックの斜視図である。
図2】第1ベース部材、延長ベース部材、柱部材の分解斜視図である。
図3図2の要部拡大図であって、保持部材(ロック部材、キー溝)を示す図である。
図4図3の組図である。
図5】延長ベース部材、第2ベース部材、柱部材の要部拡大図であって、第2保持部材(ロック部材、キー溝)を示す図である。
図6図5の組図である。
図7】ベース部材、柱部材、中間受け部材の分解斜視図である。
図8】柱部材、連結部材、受け部材の分解斜視図である。
図9】第2実施形態の積載ラックを示す図である。
図10】第3実施形態の積載ラックを示す図である。
図11】第4実施形態の積載ラックを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る実施形態について図1図11を参照して説明する。
本実施形態は、建築用部材を積載した状態で運搬可能な積載ラックであって、従来よりも建築用部材を効率良く積載し、安定して運搬することを可能とする「積載ラック」に関するものである。具体的には、建築用部材の形状、大きさに合わせて全体長さ(全体幅)を延長することができ、強固に組み立てることを可能とする「積載ラック」に関するものである。
【0015】
<第1実施形態の積載ラック>
第1実施形態の積載ラック1は、図1に示すように、板状の建築用部材2を複数積載した状態で建築用部材2を運搬することが可能なラック(延長ラック、拡張ラック)である。例えば、工場で建築用部材2を平積みし、工場から施工現場まで建築用部材2を平積みした状態でトラックによって運搬するために用いられる。
積載ラック1は、使用用途に応じて調達物流ラック、運搬ラック(現送品ラック)、保管ラック(木材ラック)などとも称される。積載ラック1は、各用途に対応して共通で用いられても良いし、各用途に限定して用いられても良い。
また、積載ラック1は、様々な形状、大きさの建築用部材2を積載して運搬できるように、積載ラックの全体長さを延長可能なラックであって、全体長さを延長した場合であっても、クレーン等の吊り上げ装置によって吊り上げ可能なラックである。
なお、積載ラック1は、全体長さを延長可能なラックであるが、特に限定されず、全体幅を延長可能なラックとしても良い。
【0016】
建築用部材2は、各種建物に用いられる板状の部材であって、外壁パネルや屋根パネル、腰壁パネル等の建築用パネルのほか、木製の施工用部材等を含むものである。建築用部材2は、現送品とも称される。
建築用部材2として建築用パネルを積載する場合には、その仕上げ面材を損傷させないように上下方向に所定の間隔を空けて載置され、木製の施工用部材を積載する場合には、パレット上に集積され、バンド等でパレットに固定される。
【0017】
積載ラック1は、図1に示すように、枠状のベース部材(一対の第1ベース部材10、一対の延長ベース部材20、一対の第2ベース部材30)と、ベース部材の少なくとも四隅に配置され、第1ベース部材10から上方へ延びている複数の柱部材40と、上記ベース部材の係合状態を保持する保持部材50、第2保持部材60と、を備えている。
また、積載ラック1は、一対の第1ベース部材10又は一対の延長ベース部材20に架け渡される中間受け部材70と、積載ラック1の長さ方向に延びて柱部材40同士を連結する一対の連結部材80と、積載ラック1の幅方向に延びて柱部材40同士を連結する一対の受け部材90と、を備えている。
上記「枠状のベース部材」は、一対の第1ベース部材10、一対の延長ベース部材20、一対の第2ベース部材30に相当する。
なお、延長ベース部材20、柱部材40、中間受け部材70、連結部材80、受け部材90の取り付け位置、取り付け本数については適宜変更可能である。例えば、建築用部材2の積載量に応じて変更可能である。
【0018】
<<第1ベース部材、延長ベース部材、第2ベース部材>>
第1ベース部材10、延長ベース部材20、第2ベース部材30は、図1図6に示すように、積載ラック1の土台となる部材であって、例えば金属材料の角パイプが加工された長尺体からなり、積載ラック1の剛性を確保するとともに、建築用部材2を上面に載置する受け部材としても機能する。
第1ベース部材10は、積載ラック1の長さ方向に長尺に延びており、柱部材40同士を連結している。
延長ベース部材20は、第1ベース部材10と同様に、積載ラック1の長さ方向に延びており、柱部材40同士を連結している。
第2ベース部材30は、積載ラック1の幅方向に長尺に延びており、第1ベース部材10同士又は延長ベース部材20同士を連結している。
【0019】
第1ベース部材10は、図1図4に示すように、ベース本体11と、ベース本体11の長さ方向の両端部にそれぞれ取り付けられ、ベース本体11から下方に延びている脚部15と、を備えている。
ベース本体11は、建築用部材2の受け部となる。
脚部15は、柱部材40を下方から支持する支持脚であって、ベース本体11の幅方向の外側面に取り付けられている。
【0020】
ベース本体11の両端部には、延長ベース部材20(係合突出部22)又は第2ベース部材30(係合突出部33)を水平方向に着脱可能に係合させるための係合穴部12(被係合部)が形成されている。
ベース本体11の上面には、中間受け部材70(固定凸部73)を固定するための固定穴部13が間隔を空けて形成されている。また、ベース本体11の底面には、吊り上げ装置のスリングを掛け止めるスリング掛け止め部14が間隔を空けて形成されている。
【0021】
脚部15の上端部(上方部分)には、柱部材40(柱係合凸部42)を上下方向に着脱可能に係合させるための柱係合凹部16(柱被係合部)と、支持突起43を挿通させるためのスリット状の支持溝17とが形成されている。
柱係合凹部16は、閉断面(矩形断面)構造を有している。支持溝17は、柱係合凹部16の内側面に形成され、上下方向に延びている溝である。
【0022】
図3に示すように、係合穴部12と柱係合凹部16の境界部の上端部には、係合穴部12及び柱係合凹部16に跨って設けられるキー溝52が形成されている。
キー溝52は、柱部材40の凸状のロック部材51を嵌めるためのスリット状の溝となっている。
【0023】
延長ベース部材20は、図1図6に示すように、第1ベース部材10と第2ベース部材30の間に介在し、積載ラック1の全体長さを延長する部材である。
延長ベース部材20の長さ方向の一端部は、第2ベース部材30の一端部と同様の形状(係合形状)を有しており、延長ベース部材20の他端部は、第1ベース部材10の他端部と同様の形状を有している。
延長ベース部材20は、ベース本体21と、ベース本体21の長さ方向の他端部に取り付けられ、ベース本体11から下方に延びている脚部25と、を備えている。
【0024】
ベース本体21の長さ方向の一端部には、第1ベース部材10(係合穴部12)に水平方向に着脱可能に係合する係合突出部22(係合部)が形成されている。
ベース本体21の長さ方向の他端部には、第2ベース部材30(係合突出部33)に水平方向に着脱可能に係合する係合穴部24が形成されている。
具体的には、係合突出部22は、縦断面略U字形状からなり、第1ベース部材10に向かって突出する本体壁部22aと、本体壁部22aの幅方向の両端部からそれぞれ本体壁部22aの突出方向とは交差する方向に延びる一対の補強壁部22bと、を有している。
なお、図3に示すように、係合突出部22の側部(外側部)には、第2キー溝53が形成されている。第2キー溝53は、柱部材40のロック部材51を嵌めるためのスリット状の溝となる。
【0025】
脚部25の上端部(上方部分)には、柱部材40(柱係合凸部42)を上下方向に着脱可能に係合させるための柱係合凹部26(柱被係合部)と、支持突起43を挿通させるためのスリット状の支持溝27とが形成されている。
なお、図5に示すように、係合穴部24と柱係合凹部26の境界部の上端部には、係合穴部24及び柱係合凹部26に跨って設けられるキー溝62が形成されている。
キー溝62は、柱部材40の凸状のロック部材61を嵌めるためのスリット状の溝となる。
【0026】
上記構成において、図3図4に示すように、延長ベース部材20が第1ベース部材10に組み付けられたとき、ベース本体21の長さ方向の端部(端面)が第1ベース部材10の側面に当接し、かつ、係合突出部22が係合穴部12に係合した状態となる。
そうすることで、ボルト締結を不要としながらも、積載ラック1の組み付け剛性を高めることができる。
【0027】
第2ベース部材30は、図1図2に示すように、一対の第1ベース部材10又は一対の延長ベース部材20に連結される部材である。
第2ベース部材30は、図5図6に示すように、第2ベース本体31と、第2ベース本体31の長さ方向の両端部の側面にそれぞれ取り付けられ、当該長さ方向の外側に延びている延出部32と、一対の延出部32の延出端部にそれぞれ形成され、延長ベース部材20(係合穴部24)又は第1ベース部材10(係合穴部12)に係合する係合突出部33と、を備えている。
なお、係合突出部33の側部(外側部)には、第2キー溝63が形成されている。第2キー溝63は、柱部材40のロック部材61を嵌めるためのスリット状の溝となる。
【0028】
第2ベース本体31は、建築用部材2の受け部となる。
延出部32は、建築用部材2との干渉を避けるべく、第2ベース本体31の外側面に取り付けられ、第2ベース本体31よりも上方に張り出さないように配置されている。
係合突出部33は、延出部32から側方に突出しており、係合穴部24(係合穴部12)に対し水平方向から着脱可能に係合する。
具体的には、係合突出部33は、縦断面略U字形状からなり、延出部32から延長ベース部材20に向かって突出する本体壁部33aと、本体壁部33aの幅方向の両端部から延びる一対の補強壁部33bと、を有している。
【0029】
上記構成において、図5図6に示すように、第2ベース部材30が延長ベース部材20に組み付けられたとき、第2ベース本体31の長さ方向の端部(端面)が延長ベース部材20の側面に当接し、かつ、延出部32の側面が延長ベース部材20の端部(端面)に当接し、かつ、係合突出部33が係合穴部24に係合した状態となる。
そうすることで、ボルト締結を不要としながらも、積載ラック1の組み付け剛性を高めることができる。
【0030】
<<柱部材>>
柱部材40は、図1図6に示すように、積載ラック1の支柱となる部材であって、例えば角パイプが加工された長尺体からなり、積載ラック1の四隅と、中間部とに配置され、合計六本となるように設けられている。
具体的には、柱部材40は、上下方向に長尺な横断面矩形状の柱本体41と、柱本体41の下端部(下方部分)に形成され、第1ベース部材10(柱係合凹部16)に係合する柱係合凸部42と、柱本体41の内側面から突出する支持突起43と、柱本体41の外側面から突出する挟持部45と、を備えている。
柱部材40(柱本体41)の内側面には、図3図4図5図6に示すように、凸状のロック部材51、61が形成されている。
また、柱部材40は、図8に示すように、柱本体41の上方部分に設けられ、柱本体41の側面から互いに反対側に突出し、連結部材80(嵌合凸部82)又は受け部材90(第2嵌合凸部93)に係合する嵌合穴部46及び第2嵌合穴部47を備えている。
【0031】
柱係合凸部42は、図3図4に示すように、閉断面(矩形断面)を有している。
支持突起43は、柱係合凸部42の内側面から突出し、上下方向に延びている。
柱部材40は、柱係合凸部42が柱係合凹部16の内部に嵌まることで、上下方向において第1ベース部材10(脚部15)に組み付けられる。
このとき、支持突起43が支持溝17の内部に挿通され、支持溝17によって保持される。そのため、第1ベース部材10に対し柱部材40を組み付けるときに、柱部材40の位置決めがし易くなる。また、第1ベース部材10と柱部材40の組み付け剛性を高めることができる。
【0032】
なお、柱係合凸部42が複数の支持突起43を有し、柱係合凹部16が複数の支持溝17を有しても良い。その場合には、複数の支持突起43が、それぞれ柱係合凸部42の外側面において異なる面に形成されると良い。支持溝17についても同様である。
また、柱係合凸部42が支持突起43を有しておらず、柱係合凹部16が支持溝17を有していなくても良い。その場合であっても、後述のロック部材51がキー溝52に嵌まることで、第1ベース部材10に対する柱部材40の組み付け剛性を確保できる。
【0033】
挟持部45は、柱係合凸部42の外側面から突出している屈曲形状の挟持部材(押さえ部材)であって、支持突起43とは反対側に形成されている。
挟持部45は、第1ベース部材10の柱係合凹部16を柱係合凸部42とで挟み込むことができる。そのため、第1ベース部材10に対して柱部材40をより安定して組み付けることができる。
【0034】
嵌合穴部46、第2嵌合穴部47は、図8に示すように、上下方向に所定の間隔を空けて複数形成され、互いに共通の嵌合方式を有している。嵌合穴部46(第2嵌合穴部47)は嵌合ポケットとも称される。
嵌合穴部46は、積載ラック1の長さ方向において柱部材40の内側面に配置され、第2嵌合穴部47は、柱部材40の外側面に配置されている。
なお、嵌合穴部46は、連結部材80(嵌合凸部82)と嵌合し、第2嵌合穴部47は、受け部材90(第2嵌合凸部93)と嵌合するが、特に限定されない。例えば、嵌合穴部46が第2嵌合凸部93と嵌合し、第2嵌合穴部47が嵌合凸部82と嵌合しても良い。
【0035】
<<保持部材、第2保持部材>>
保持部材50は、図3図4に示すように、第1ベース部材10(係合穴部12)に延長ベース部材20(係合突出部22)を水平方向に係合させたときに、その係合状態を保持する部材である。
詳しく述べると、保持部材50は、第1ベース部材10と延長ベース部材20の連結部分又はその周辺部分に設けられ、係合方向(積載ラック1の長さ方向)及び上下方向において係合状態を保持する。
保持部材50は、柱部材40の下端部(柱係合凸部42)に設けられる凸形状のロック部材51と、第1ベース部材10の係合穴部12に形成されるキー溝52と、延長ベース部材20の係合突出部22に形成される第2キー溝53と、を有している。
【0036】
ロック部材51は、柱係合凸部42の内側面から突出している部材であって、支持突起43に隣接して形成され、支持突起43よりも外側に突出している。
ロック部材51は、重なり合ったキー溝52及び第2キー溝53の双方に嵌まることで、第1ベース部材10と、延長ベース部材20と、柱部材40とを係合ロックする。
【0037】
上記構成において、図3図4に示すように、第1ベース部材10(係合穴部12)に延長ベース部材20(係合突出部22)が水平方向に係合した状態で、柱部材40(柱係合凸部42)が第1ベース部材10(柱係合凹部16)に上方から係合したときに、ロック部材51が、第1ベース部材10と延長ベース部材20と柱部材40とをロック(係合ロック)する。
具体的には、第1ベース部材10のキー溝52と、延長ベース部材20の第2キー溝53とが重なるように配置され、ロック部材51がキー溝52及び第2キー溝53の双方に嵌まる。そうすることで、第1ベース部材10と延長ベース部材20と柱部材40とがロックされる。
このように保持部材50を備えることで、容易かつ強固に積載ラック1を組み立てることができる。
【0038】
また上記構成において、図3図4に示すように、キー溝52は、係合穴部12と柱係合凹部16の境界部の上端部から下方に向かって形成されている。第2キー溝53は、係合突出部22の外側部の上端部から下方に向かって形成されている。
そして、キー溝52と第2キー溝53とが、上面視で重なる位置に配置されている。
そのため、第1ベース部材10、延長ベース部材20及び柱部材40を一層容易に組み立てることができる。また、より強固に組み立てられる。
【0039】
第2保持部材60は、図5図6に示すように、延長ベース部材20(係合穴部24)に第2ベース部材30(係合突出部33)を水平方向に係合させたときに、その係合状態を保持する部材である。
詳しく述べると、第2保持部材60は、延長ベース部材20と第2ベース部材30の連結部分又はその周辺部分に設けられ、係合方向(積載ラック1の長さ方向)及び上下方向において係合状態を保持する。
なお、第2保持部材60は、保持部材50と同様の構成となっている。
【0040】
第2保持部材60は、柱部材40の下端部(柱係合凸部42)に設けられる凸形状のロック部材61と、延長ベース部材20の係合穴部24に形成されるキー溝62と、第2ベース部材30の係合突出部33に形成される第2キー溝63と、を有している。
【0041】
上記構成において、図5図6に示すように、延長ベース部材20(係合穴部24)に第2ベース部材30(係合突出部33)が水平方向に係合した状態で、柱部材40(係合凸部42)が延長ベース部材20(柱係合凹部26)に上方から係合したときに、ロック部材61が、延長ベース部材20と第2ベース部材30と柱部材40とをロック(係合ロック)する。
このようにロック部材61及びキー溝62、63の構成とすることで、容易かつ強固に積載ラック1を組み立てることができる。
【0042】
<<中間受け部材>>
中間受け部材70は、図1図7に示すように、一対の第1ベース部材10、一対の延長ベース部材20又は一対の連結部材80に架け渡される部材であって、例えば角パイプが加工された長尺体からなり、建築用部材2を載置する受け部材として機能する。
具体的には、中間受け部材70は、積載ラック1の幅方向に長尺な受け本体71と、受け本体71の長さ方向の両端部にそれぞれ形成され、ベース本体11(ベース本体21、連結本体81)を挟持する(把持する)取り付け部72と、取り付け部72の内面に設けられ、取り付け部72の内面からベース本体11の上面に向かって突出する固定凸部73と、を備えている。
【0043】
取り付け部72は、ベース本体11(ベース本体21、連結本体81)に対して上方から着脱可能に取り付けられ、ベース本体11を囲むように挟持する。
具体的には、取り付け部72は、所定の間隔を空けて設けられ、ベース本体11を水平方向において挟み込む一対の側壁部72aと、一対の側壁部72aの上端部を連結する連結壁部72bと、を有している。
固定凸部73は、取り付け部72(連結壁部72b)の底面から下方に突出し、ベース本体11の上面に設けられた固定穴部13に着脱可能に固定される。
【0044】
上記のように、中間受け部材70が取り付け部72、固定凸部73を備えることで、ボルト締結を不要としながらも、積載ラック1の組み付け剛性を高めることができる。
また、中間受け部材70が水平方向で移動規制された状態で第1ベース部材10(延長ベース部材20、連結部材80)に組み付けられる。そのため、中間受け部材70によって建築用部材2をより安定して積載できる。
【0045】
<<連結部材、受け部材>>
連結部材80は、図1図8に示すように、積載ラック1の長さ方向に並ぶ柱部材40を連結する部材であって、積載ラック1の剛性を付与する部材として機能する。
具体的には、連結部材80は、長尺な連結本体81と、連結本体81の長さ方向の両端部にそれぞれ形成され、柱部材40(嵌合穴部46)に嵌合する嵌合凸部82と、を有している。
嵌合凸部82は、連結本体81の長さ方向の端面に取り付けられ、連結本体81から下方に突出しており、嵌合穴部46に対し上方から着脱可能に嵌合する。つまりは、嵌合凸部82は、くさび方式によって嵌合穴部46に嵌合する。
【0046】
上記構成において、図8に示すように、連結部材80が柱部材40に組み付けられたとき、嵌合凸部82の端部(端面)が柱部材40の側面に当接し、かつ、嵌合凸部82が嵌合穴部46に嵌合した状態となる。
そうすることで、ボルト締結を不要としながらも(ボルトレス化を図りながらも)、積載ラック1の組み付け剛性を高めることができる。
【0047】
受け部材90は、図1図8に示すように、積載ラック1の幅方向に並ぶ柱部材40を連結する部材であって、積載ラック1の剛性を付与するほか、建築用部材2を載置する受け部材としても機能する。
具体的には、受け部材90は、長尺な受け本体91と、受け本体91の長さ方向の両端部の側面にそれぞれ取り付けられ、当該長さ方向の外側に延びている延出部92と、一対の延出部92の延出端部にそれぞれ形成され、柱部材40(第2嵌合穴部47)に嵌合するする第2嵌合凸部93と、を有している。
第2嵌合凸部93は、くさび方式によって第2嵌合穴部47に嵌合する。
【0048】
上記構成において、図8に示すように、受け部材90が柱部材40に組み付けられたとき、受け本体91の長さ方向の端部(端面)が柱部材40の側面に当接し、かつ、延出部92が柱部材40の外側面に当接し、かつ、第2嵌合凸部93が第2嵌合穴部47に嵌合した状態となる。
そうすることで、ボルト締結を不要としながらも、積載ラック1の組み付け剛性を高めることができる。
【0049】
また上記構成において、図8に示すように、連結部材80(嵌合凸部82)が柱部材40(嵌合穴部46)に嵌合し、受け部材90(第2嵌合凸部93)が柱部材40(第2嵌合穴部47)に嵌合している。
そして、柱部材40が、連結部材80と受け部材90(受け本体91)と延出部92とによって囲まれている。
そうすることで、連結部材80及び受け部材90の干渉を避けながらも、積載ラック1の組み付け剛性を高められる。
【0050】
以上の構成により、従来よりも建築用部材2を効率良く積載し、運搬することが可能な積載ラック1を実現できる。また、強固に組み立てることが可能な積載ラック1を実現できる。
特に、上記のような延長ベース部材20、保持部材50、第2保持部材60を備えることで、様々な形状、大きさの建築用部材2を積載して運搬できるように、積載ラック1の全体長さを延長することができる。
【0051】
<第2実施形態の積載ラック>
次に、第2実施形態の積載ラック101について図9に基づいて説明する。
積載ラック101は、上述した積載ラック1と比較して、保持部材の形状、構成が異なっている。なお、積載ラック1と重複する内容については説明を省略する。
【0052】
積載ラック101は、第1ベース部材110と延長ベース部材120の連結部分に設けられ、第1ベース部材110(係合穴部112)と延長ベース部材120(係合突出部122)の係合状態を保持する保持部材150を備えている。
保持部材150は、係合方向(積載ラック101の長さ方向)及び上下方向において係合状態を保持する。
【0053】
保持部材150は、延長ベース部材120の延出方向の一端部の側面に設けられるロック部材151と、第1ベース部材110の延出方向の他端部の側面に設けられ、ロック部材151に着脱可能に係合する係合フック152(係合部)と、を備えている。
保持部材150は、例えばスプリング式のエビ型カンヌキとも称されるものである。
【0054】
ロック部材151は、延長ベース部材120の一端部の側面に設けられるブラケット151aと、ブラケット151aに軸支される回動軸151bと、回動軸151bに沿って回動する操作レバー151cと、操作レバー151cに軸支される第2回動軸151dと、第2回動軸151dに沿って回動する回転体151e及び係合穴部151fと、を有している。
係合フック152に係合穴部151fを水平方向に係合させた状態で、操作レバー151cが回動操作されることで、回転体151eは操作レバー151cによって締め付けられる固定される。そうすることで、ロック部材151は、「ロック解除状態」と図9に示す「ロック状態」との間で切り替わる。
ロック部材151が「ロック状態」にいるとき、保持部材150は、第1ベース部材110及び延長ベース部材120の係合状態を係合方向及び上下方向において保持する。
【0055】
上記のような保持部材150を備えることで、積載ラック101の全体長さを延長することができる。また、吊り上げ装置によって上方へ吊り上げられた場合であっても、延長ベース部材120が外れてしまうことを抑制できる。
【0056】
<第3実施形態の積載ラック>
次に、第3実施形態の積載ラック201について図10に基づいて説明する。
積載ラック201は、上述した積載ラック1と比較して、保持部材の形状、構成が異なっている。
【0057】
積載ラック201は、第1ベース部材210と延長ベース部材220の連結部分に設けられ、第1ベース部材210(係合ポケット212)と延長ベース部材220(係合突出部222)の係合状態を保持する保持部材250を備えている。
保持部材250は、係合方向(積載ラック201の幅方向)及び上下方向において係合状態を保持する。
【0058】
係合ポケット212は、第1ベース部材210の脚部215の幅方向の側面から外側に突出している。
係合突出部222は、延長ベース部材220の一端部の側面に設けられ、係合ポケット212に水平方向から着脱可能に係合する。
保持部材250は、延長ベース部材220に上方から取り付けられ、延長ベース部材220を保持する。
なお、本実施形態では、保持部材250は、中間受け部材270に相当する。
【0059】
第1ベース部材210(係合ポケット212)に対し延長ベース部材220(係合突出部222)を積載ラック1の幅方向の内側から係合させた後、保持部材250を上方から取り付けることで、保持部材250が係合状態を保持する。
係合突出部222が図10に示す「係合ロック状態」にいるとき、保持部材250は、第1ベース部材210及び延長ベース部材220の係合状態を係合方向及び上下方向において保持する。
【0060】
上記のような保持部材250を備えることで、積載ラック201の全体長さを延長できる。また、吊り上げ装置によって上方へ吊り上げられた場合であっても、延長ベース部材220が外れてしまうことを抑制できる。
【0061】
<第4実施形態の積載ラック>
次に、第4実施形態の積載ラック301について図11に基づいて説明する。
積載ラック301は、上述した積載ラック1と比較して、保持部材の形状、構成が異なっている。
【0062】
積載ラック301は、第1ベース部材310と延長ベース部材320の連結部分に設けられ、第1ベース部材310(係合ポケット312)と延長ベース部材320(係合突出部322)の係合状態を保持する保持部材350を備えている。
保持部材350は、係合方向(上下方向)において係合状態を保持する。
【0063】
係合ポケット312は、第1ベース部材310の脚部315の幅方向の側面から外側に突出している。
係合突出部322は、延長ベース部材320の外側面から外側に延出し、当該延出端部から下方に突出している。
保持部材350は、L字形状の保持ボルトであって、延長ベース部材320の底面に取り付けられ、第1ベース部材310の底面に当接する。
【0064】
保持部材350は、延長ベース部材320に対して上下方向に沿った軸周りに回転し、第1ベース部材310に接触していない「非接触状態」と、第1ベース部材310に接触している「接触状態」との間で切り替わる。
【0065】
第1ベース部材310(係合ポケット312)に対し延長ベース部材320(係合突出部322)を上方から係合させた後、保持部材350を回転させて図11に示す「接触状態」に切り替えることで、保持部材350が係合状態を保持する。
図11に示すように、係合突出部322が「係合ロック状態」にいて、保持部材350が「接触状態」にいるとき、保持部材350は、第1ベース部材310及び延長ベース部材320の係合状態を係合方向(上下方向)において保持する。
【0066】
上記のような保持部材350を備えることで、積載ラック301の全体長さを延長できる。また、吊り上げ装置によって上方へ吊り上げられた場合であっても、延長ベース部材320が外れてしまうことを抑制できる。
【0067】
<その他の実施形態>
上記実施形態では、図1に示すように、積載ラック1が、二本の第1ベース部材10と、四本の延長ベース部材20と、二本の第2ベース部材30と、八本の柱部材40と、六本の中間受け部材70と、六本の連結部材80と、二本の受け部材90と、から構成されているが、各構成部品の部品数については特に限定されず変更可能である。
例えば、積載ラック1の剛性を確保できれば、中間受け部材70、連結部材80又は受け部材90の本数を減らしても良い。
あるいは、積載ラック1の剛性を高めるために、建築用部材2を好適に積載するために、中間受け部材70、連結部材80、受け部材90の本数を追加しても良い。
あるいは、柱部材40を上下方向に並べて連結させることで、積載ラック1の高さを高くしても良い。その場合には、高さの異なる柱部材40を用意しておくと良い。
【0068】
上記実施形態では、図1に示すように、連結部材80が積載ラック1の長さ方向に延びており、受け部材90が積載ラック1の幅方向に延びているが、特に限定されない。
逆に、連結部材80が積載ラック1の幅方向に延びており、受け部材90が積載ラック1の長さ方向に延びていても良い。
【0069】
上記実施形態では、図3に示すように、第1ベース部材10が凹状の係合穴部12を有し、延長ベース部材20が凸状の係合突出部22を有しているが、逆の構成であっても良い。つまりは、第1ベース部材10が凸状の被係合部を有し、延長ベース部材20が凹状の係合部を有しても良い。
【0070】
上記実施形態では、図3図9図11に示すように、第1~第4実施形態の保持部材について説明した。このように、保持部材の構成は適宜変更可能である。保持部材が、第1ベース部材(被係合部)に延長ベース部材(係合部)を係合させたときに、その係合状態を保持できるものであれば良い。
【0071】
上記実施形態では、主として本発明に係る積載ラックに関して説明した。
ただし、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
特に、上記の実施形態にて説明したものは、あくまで一例に過ぎず本発明を限定するものではない。
【符号の説明】
【0072】
1 積載ラック
2 建築用部材
10 第1ベース部材(ベース部材)
11 ベース本体
12 係合穴部(被係合部)
13 固定穴部
14 スリング掛け止め部
15 脚部
16 柱係合凹部(柱被係合部)
17 支持溝
20 延長ベース部材(ベース部材)
21 ベース本体
22 係合突出部(係合部)
22a 本体壁部
22b 補強壁部
23 固定穴部
24 係合穴部
25 脚部
26 柱係合凹部(柱被係合部)
27 支持溝
30 第2ベース部材(ベース部材)
31 第2ベース本体
32 延出部
33 係合突出部
33a 本体壁部
33b 補強壁部
40 柱部材
41 柱本体
42 柱係合凸部(柱係合部)
43 支持突起
45 挟持部
46 嵌合穴部
47 第2嵌合穴部
50 保持部材
51 ロック部材
52 キー溝
53 第2キー溝
60 第2保持部材
61 ロック部材
62 キー溝
63 第2キー溝
70 中間受け部材(受け部材)
71 受け本体
72 取り付け部
72a 側壁部
72b 連結壁部
73 固定凸部
80 連結部材(横架部材)
81 連結本体
82 嵌合凸部(嵌合部)
90 受け部材
91 受け本体
92 延出部
93 第2嵌合凸部
101 積載ラック
110 第1ベース部材
112 係合穴部(被係合部)
120 延長ベース部材
122 係合突出部(係合部)
150 保持部材
151 ロック部材
151a ブラケット
151b 回動軸
151c 操作レバー
151d 第2回動軸
151e 回転体
151f 係合穴部
152 係合フック
201 積載ラック
210 第1ベース部材
212 係合ポケット(被係合部)
215 脚部
220 延長ベース部材
222 係合突出部(係合部)
250 保持部材
270 中間受け部材
301 積載ラック
310 第1ベース部材
312 係合ポケット(被係合部)
315 脚部
320 延長ベース部材
322 係合突出部(係合部)
350 保持部材(保持ボルト)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11