(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143400
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】ダクト式空調システム
(51)【国際特許分類】
F24F 7/007 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
F24F7/007 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023056058
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】弁理士法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】熊埜御堂 令
(72)【発明者】
【氏名】田中 宏典
(72)【発明者】
【氏名】夜久 幸希
(72)【発明者】
【氏名】能登谷 美和子
【テーマコード(参考)】
3L056
【Fターム(参考)】
3L056BD02
3L056BE02
(57)【要約】
【課題】簡易な構成で、居室だけでなく非居室の温度環境を改善することが可能なダクト式空調システムを提供すること。
【解決手段】ダクト式空調システム(1)は、居室(111)に設けられる空調機(20)と、空調機(20)によって空調された空気を案内するダクト(40)と、ダクト(40)の途中位置に設けられる送風機(20)と、吸込口(71)と送風機(20)の間に設けられ、ダクト(40)内の空気の温度を測定するための温度センサ(30)と、温度センサ(30)により測定された温度に応じて送風機(20)の運転を制御する制御手段とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
居室および非居室を有する建物の天井空間に設けられるダクト式空調システムにおいて、
前記居室に設けられる空調機と、
前記居室に吸込口が設けられ、前記非居室に排気口が設けられ、前記空調機によって空調された空気を案内するダクトと、
前記ダクトの途中位置に設けられ、前記居室に送り出された前記空調機の空気を、前記吸込口から吸引し、前記非居室内に送り込むための送風機と、
前記吸込口と前記送風機の間に設けられ、前記ダクト内の空気の温度を測定するための温度センサと、
前記温度センサにより測定された温度に応じて前記送風機の運転を制御する制御手段とを備えることを特徴とする、ダクト式空調システム。
【請求項2】
前記温度センサは、前記送風機に隣接して設けられる、請求項1に記載のダクト式空調システム。
【請求項3】
前記建物は、複数の非居室を備え、
前記ダクトの排気口は、前記複数の非居室にそれぞれ設けられる、請求項1または2に記載のダクト式空調システム。
【請求項4】
前記制御手段は、前記温度センサにより測定された温度が所定温度未満の場合に、前記送風機を強運転する、請求項1または2に記載のダクト式空調システム。
【請求項5】
前記制御手段は、前記温度センサにより測定された温度が所定温度のままで安定し、一定時間経過した後において、前記送風機を強運転にする、請求項1または2に記載のダクト式空調システム。
【請求項6】
前記制御手段は、前記送風機を強運転にした後に、前記温度センサにより測定された温度が安定している場合は、前記送風機を弱運転にする、請求項5に記載のダクト式空調システム。
【請求項7】
前記制御手段は、前記送風機を強運転にした後に、前記温度センサにより測定された温度が所定温度未満の場合に、前記送風機の強運転を継続する、請求項5に記載のダクト式空調システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ダクト式空調システムに関し、特に、居室および非居室を有する建物の天井空間に設けられるダクト式空調システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、ダクト式空調システムは、複数の部屋を空調する全館空調方式を採用することが多く、たとえば省エネ性を高めるために、ダクト経路の途中位置に送風機を設置して、一方の部屋から他方の部屋に空気を送ることで、他方の部屋の温度を調節することが知られている。
【0003】
たとえば、特開2019-158179号公報(特許文献1)には、ダクト内に設けられる循環ファンを通じて、冬季は南側居室空間の空気を北側居室空間へ送気し、夏期は北側居室空間の空気を南側居室空間へ送気することで、両室の温度環境を向上させることが可能な空調システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の空調システムでは、ダクトで空気が送り込まれる空間はいずれも居室であり、居室内の温度環境を向上させることは可能であるが、非居室の温度環境まで考慮した全館空調を行うことはできない。
【0006】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであって、その目的は簡易な構成で、居室だけでなく非居室の温度環境を改善することが可能なダクト式空調システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係るダクト式空調システムは、建物の天井空間に設けられるダクト式空調システムにおいて、居室に設けられる空調機と、居室に吸込口が設けられ、非居室に排気口が設けられ、空調機によって空調された空気を案内するダクトと、ダクトの途中位置に設けられ、居室に送り出された空調機の空気を、吸込口から吸引し、非居室内に送り込むための送風機と、吸込口と送風機の間に設けられ、ダクト内の空気の温度を測定するための温度センサと、温度センサにより測定された温度に応じて送風機の運転を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
好ましくは、温度センサは、送風機に隣接して設けられる。
【0009】
好ましくは、建物は、複数の非居室を備え、ダクトの排気口は、複数の非居室にそれぞれ設けられる。
【0010】
好ましくは、制御手段は、温度センサにより測定された温度が所定温度未満の場合に、送風機を強運転する。
【0011】
好ましくは、制御手段は、温度センサにより測定された温度が所定温度のままで安定し、一定時間経過した後において、送風機を強運転にする。
【0012】
好ましくは、制御手段は、送風機を強運転にした後に、温度センサにより測定された温度が安定している場合は、送風機を弱運転にする。
【0013】
好ましくは、制御手段は、送風機を強運転にした後に、温度センサにより測定された温度が所定温度未満の場合に、送風機の強運転を継続する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、簡易な構成で、居室だけでなく非居室の温度環境を改善することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施の形態に係るダクト式空調システムが用いられた建物を示す模式図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係るダクト式空調システムが用いられた建物の間取りを示す図である。
【
図3】本発明の実施の形態に係るダクト式空調システムの概略図である。
【
図4】暖房稼働時における温度センサでの測定温度の時間変化を示すグラフである。
【
図5】
図4に対応する図であり、居室および非居室の温度環境を示す図である。
【
図6】パトロール運転時における温度センサでの測定温度の時間変化を示すグラフである。
【
図7】
図6に対応する図であり、居室および非居室の温度環境を示す図である。
【
図8】パトロール運転時における温度センサでの測定温度の時間変化を示すグラフである。
【
図9】
図8に対応する図であり、居室および非居室の温度環境を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0017】
<概要について>
本実施の形態に係るダクト式空調システム1は、複数の部屋を空調する全館空調方式を採用している。はじめに、
図1を参照しながら、全館空調形式を採用した建物100について説明する。
【0018】
建物100は、たとえば2階建ての住宅であり、屋内空間には複数の部屋が配置されている。住宅100の1階に、居室111および非居室112,113が配置されている。居室111は、たとえばリビングである。非居室112は、たとえば玄関ホールであり、非居室113は、たとえば脱衣所などである。住宅100の2階(すなわち最上階)には、複数の居室115および非居室116,117が配置されている。居室115は、たとえば寝室などの個室である。非居室116は、たとえば廊下であり、非居室117は、たとえばトイレなどである。
【0019】
なお、本実施の形態において「部屋」とは、居室および非居室を含み、「居室」とは、居住、作業、娯楽などの目的のために継続的に使用する室をいい、「非居室」とは、居室以外の室であり、トイレや脱衣所などの衛生室なども含む。
【0020】
住宅100の1階と2階の間には、1階の天井空間120が形成され、2階と屋根の間には2階の天井空間121が形成されている。1階の屋内空間(居室111、非居室112,113)と天井空間120とは、天井仕切り部123により仕切られている。また、2階の屋内空間(居室115、非居室116、117)と天井空間121とは、天井仕切り部124により仕切られている。この天井空間120,121には、ダクト式空調システム1がそれぞれ設けられている。以下、ダクト式空調システム1について説明する。
【0021】
<ダクト式空調システムについて>
図2および
図3をさらに参照してダクト式空調システム1について詳細に説明する。
図2には、建物の1階の間取り例が示されており、
図3には、ダクト式空調システムの概略図が示されている。なお、
図2では、廊下の非居室114に設けられる排気口83に繋がるダクト42を図示しているが、
図1,3については図示していない。以下において、1階と2階の間に設けられる天井空間120のダクト式空調システム1について説明するが、2階と天井の間に設けられる天井空間121のダクト式空調システム1についても同様である。
【0022】
本実施の形態に係るダクト式空調システム1は、空調機10から排出された空気を、ダクト40を介して住宅100内の複数の部屋間で循環させるものである。本実施の形態に係るダクト式空調システム1は、概略として、たとえば居室111に設けられる空調機10と、天井空間120に設けられる送風機20および温度センサ30とを備える。また、ダクト式空調システム1は、これらの空調機10と送風機20とを連結するものとして、天井空間120にダクト40を備える。
【0023】
図1および
図2に示すように、空調機10は、たとえばリビングなどの居室111に設けられる。空調機10は、熱交換機を有するものであり、少なくとも暖房、冷房のいずれか一方が可能であり、居室111内の空気を空調するものである。空調機10は、たとえば家庭用の壁掛けエアコンであり、リビングの側壁に壁掛けて配置されている。
【0024】
特に
図2に示すように、送風機20は、天井空間120に配置され、居室111に送り出された空調機10の空気を非居室112,113,114内に送り込むためのものである。送風機20は、たとえば送風用ファンである。送風機20は、少なくとも強運転と弱運転の2パターンに風量を変更することができる。たとえば、送風機20の設定が「強運転」の場合は、たとえば500m
3/hであり、「弱運転」の場合は、たとえば150m
3/hである。強運転と弱運転の差は、たとえば3.5倍以上である。送風機20の設定を弱運転にすることで、強運転の場合と比較して消費電力を小さくすることができる。送風機20の強運転・弱運転の変更は、後述する制御部により行われる。
【0025】
図3を参照して、送風機20には、分岐チャンバ60が取り付けられており、送風機20から送られてくる空気を2つ以上に分岐することができる。分岐チャンバ60は、分岐する非居室の数だけ複数設置される。分岐チャンバ60は、その内部において、空気の風量を調節するためのダンパが取り付けられていてもよい。
【0026】
送風機20は、ダクト40の途中位置に設けられる。ダクト40は、吸込口(RAグリル)71と送風機20とを連結する第1ダクト41と、送風機20に取り付けられている分岐チャンバ60と排気口(SAグリル)81,82とを連結する第2ダクト42とを含む。
図1に示すように、居室111の吸込口(RAグリル)71は、天井仕切り部123に設けられ、吸込口71は、空調機10の吹出口近傍に設けられる。これにより、第1ダクト41内には、空調機10により空調された空気が送り込まれる。また、排気口(SAグリル)81,82は、非居室112,113の天井仕切り部123に設けられる。
【0027】
このように、本実施の形態のダクト式空調システム1は、第1ダクト41から送られてきた居室111の空気を分岐して非居室112,113内に送り込むことで全館空調を行うことができる。
【0028】
図3に示すように、第1ダクト41の途中位置には、空気清浄装置50が設けられている。空気清浄装置50は、典型的には電気集塵フィルタである。空気清浄装置50を第1ダクト41の途中位置に配置することで、居室111からの空気を洗浄して非居室111,112,113に送り込むことができる。
【0029】
温度センサ30は、ダクト40内の空気の温度を測定するためのものである。温度センサ30は、吸込口71と送風機20の間に設けられる。温度センサ30は、送風機20に隣接して設けられることが好ましい。本実施の形態の温度センサ30は、送風機20に設置されている。これにより、温度センサ30でした測定温度は、居室111の室温に近い温度で測定することができる。
【0030】
このようなダクト式空調システム1は、温度センサ30により測定された温度に応じて送風機20の運転を制御する制御部を備える。ダクト式空調システム1の制御部の動作について詳細に説明する。
【0031】
図4は、暖房稼働時における温度センサでの測定温度の時間変化を示すグラフである。
図5(A)は、
図4の時間帯(A)に対応する居室および非居室の温度環境を示す図であり、
図5(B)は、
図4の時間帯(B)に対応し、
図5(C)は、
図4の時間帯(C)に対応する。以下の説明では、冬季において空調機10を暖房の設定にし、自動運転している場合について説明する。なお、
図4において、空調機10の設定温度は、20℃であり、破線で示している。なお、自動運転とは、設定した温度になるように、空調機が自動で風量を調節したり、室外機の運転をオフ(サーモオフ)にしたりする機能である。
【0032】
図5(A)に示すように、空調機10の暖房のスイッチをオンにした暖房立上り時は、居室も非居室も低温であり、いずれの室も寒い状態である。空調機10は、20℃の自動運転に設定されているため、居室の室温を設定温度にまで上げるために過剰に稼働する。また、温度センサ30は、空調機10が設置されている居室から吸い込んだ空気の温度を測定する。そのため、
図4のR1に示すように、温度センサ30の測定温度は、たとえば40℃と過剰に高くなる。
【0033】
空調機10が過剰に稼働した状態のまま一定期間が過ぎると、空調機10は、居室の室温が設定温度に上がったと判断して、サーモオフし、エコ運転となる(
図4にて「空調機オフ」)。空調機10がエコ運転になると、時間が経過するにつれ、
図4のR2に示すように、温度センサ30の測定温度も徐々に下がっていく。さらに、温度センサ30の測定温度と送風機20の設定温度との差はほぼ同じ温度で推移するようになる。
図5(B)に示すように、居室が適温になり、居室の暖かい空気が送られた非居室も低温から若干低温になる。この状態は、暖房が安定している状態である。
【0034】
本実施の形態の非居室には、温度センサ30を設置していない。そのため、居室が適温であっても、非居室がどのような温度か分からない。そのため、送風機20を強運転にする(
図4にて「送風機強」)。具体的には、温度センサ30の測定温度と空調機10の設定温度が約2℃以内で一定期間(約10分)推移した後に、送風機20を強運転にする。居室の空調機10はエコ運転をしているため、非居室が若干低温の場合は、その若干低温の空気が居室に入る。そのため、
図4のR3に示すように、温度センサ30の測定温度が空調機10の設定温度より低くなり、居室も若干低温になる(
図5(C))。空調機10は、設定温度20℃の設定がなされているため、温度センサ30の測定温度が空調機10の設定温度より低くなると、エコ運転を停止し、通常運転を開始する(
図4にて「空調機オン」)。
【0035】
このように、本実施の形態のダクト式空調システム1は、温度センサ30を居室、非居室に設置するのではなく、居室と非居室を繋ぐダクト40に設置しているため、1つの温度センサ30で非居室と居室の温度環境を把握することができ、簡易な構成で、居室だけでなく非居室の温度環境を改善することができる。また、非居室の室温に応じて送風機20の運転を強運転または弱運転にすることができるため、送風機20の運転量を最小限にすることができ、省エネを達成することができる。
【0036】
さらに、建物100内には複数の非居室が設けられ、それらの非居室に空調機が設けられないため、一つの非居室が寒く、他の非居室がやや寒い場合がある。本実施の形態のダクト式空調システム1は、複数の非居室の空気がミキシングされて居室に流れ込むため、それぞれの非居室の温度格差を是正することができ、建物100全体として効率的な全館空調を行うことができる。非居室は、住人が常に滞在するスペースでないが、居室から非居室に移動した場合に、不快にならないレベルでその温度環境を向上させることが可能となる。
【0037】
送風機20を常に弱運転で稼働させれば省エネを達成することができるが、非居室の室温が低下し、非居室の温度環境が損なわれる場合が起こり得る。その問題を解決するために、制御部は、一定期間経過した後に、送風機20を強運転にするという「パトロール運転」を行う。以下、パトロール運転について詳細に説明する。
【0038】
図6および
図8は、暖房稼働時における温度センサでの測定温度の時間変化を示すグラフである。
図7(A)は、
図6の時間帯(A)に対応する居室および非居室の温度環境を示す図であり、
図7(B)は、
図6の時間帯(B)に対応する。
図9(A)は、
図8の時間帯(A)に対応する居室および非居室の温度環境を示す図であり、
図9(B)は、
図8の時間帯(B)に対応する。以下の説明においても、冬季において空調機10を暖房の設定にし、自動運転している場合について説明する。なお、
図6および
図8においても、空調機10の設定温度は、20℃であり、破線で示している。
【0039】
上述したように、居室の室温が設定温度に上がると、空調機はサーモオフし、エコ運転となる(空調機オフ)。居室の暖かい空気がダクト40を介して非居室に送り込まれるため、
図7(A)に示すように、いずれの室も適温になる。居室は空調機10が設置されているため、快適な環境が保たれやすいが、非居室には空調機10が設置されていないし、温度センサも設置されていないため、非居室の環境悪化を把握することが難しい。
【0040】
そのため、送風機20を強運転にし、非居室の空気を居室に誘引する。具体的には、温度センサ30の測定温度と空調機10の設定温度が約2℃以内で一定期間(約10分)推移した後に送風機20の風量を強運転にする(
図6にて「送風機強」)。
【0041】
図7(B)に示すように、非居室の温度が適温であれば、居室に誘引される空気も適温である。そのため、
図6に示すように、温度センサ30の測定温度は変化しない。具体的には、一定期間(たとえば10分)温度センサ30の測定温度が0.5℃以上変化しなければ、送風機20の強運転を終了し、弱運転にする(
図6にて「送風機強終了」)。
【0042】
一方で、
図9(A)に示すように、居室が適温であっても、非居室の温度が若干低温の場合がある。この場合、送風機20を強運転にすると(
図8にて「送風機強」)、非居室から居室に誘引される空気の温度が若干低温になり、
図8のR4に示すように、温度センサ30の測定温度が空調機10の設定温度より低くなり、居室まで若干低温になる(
図9(B))。空調機10は、設定温度20℃の設定がなされているため、温度センサ30の測定温度が空調機10の設定温度より低くなると、エコ運転を停止し、通常運転を開始する(
図8にて「空調機オン」)。
【0043】
本実施の形態のダクト式空調システム1は、パトロール運転を行うことで、エアコンや温度センサが設置されていない非居室の状態を簡単にチェックすることができる。さらに、このパトロール運転は、単に送風機20の運転を強運転にするか、弱運転にするかだけであるため、非常に簡易な構成である。
【0044】
なお、本実施の形態のダクト式空調システムは、1つの居室と複数の非居室とをダクトを介して接続するものであったが、複数の居室と1つの非居室を接続するものであってもよいし、複数の居室と複数の非居室とを接続するものであってもよい。
【0045】
以上、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明したが、この発明は、図示した実施の形態のものに限定されない。図示した実施の形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0046】
1 ダクト式空調システム、10 空調機、20 送風機、30 温度センサ、40 ダクト、71 吸込口、81,82 排気口、100 建物(住宅)、111,115 居室、111,112,113,116,117 非居室。