(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143422
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】配管構造及びプレハブ配管
(51)【国際特許分類】
F16L 23/18 20060101AFI20241003BHJP
F16L 23/04 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
F16L23/18
F16L23/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023056092
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】391033724
【氏名又は名称】シーケー金属株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【弁理士】
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】山本 誉大
(72)【発明者】
【氏名】大橋 一善
【テーマコード(参考)】
3H016
【Fターム(参考)】
3H016AA03
3H016AB02
3H016AC01
3H016AC04
3H016AD04
3H016CA01
(57)【要約】
【課題】過度に大型化することなくシール性能を安定的に確保可能な配管構造及びプレハブ配管の提供。
【解決手段】第1配管部材と、第1配管部材と連結する第2配管部材と、第1配管部材と第2配管部材とに液密に挟持される閉環状のシール部材と、を備え、第1配管部材及び第2配管部材の少なくとも一方は樹脂材料で形成され、第1配管部材は、両端が開口する管状の第1管状部と、第1管状部の一端に設けられた第1膨出部と、を有し、第2配管部材は、両端が開口する管状の第2管状部と、第2管状部の一端に設けられ第1膨出部と対向する第2膨出部と、を有し、第1膨出部は、第2膨出部と対向し第1管状部の開口部の周方向に形成された閉環状の凹条部を有し、第2膨出部は、第1膨出部と対向し第2管状部の開口部の周方向に形成され、凹条部に嵌合する閉環状の凸条部を有し、シール部材は、凹条部に収容され、凸条部と接する配管構造。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1配管部材と、
前記第1配管部材と連結する第2配管部材と、
前記第1配管部材と前記第2配管部材との連結箇所において、前記第1配管部材と前記第2配管部材とに液密に挟持される閉環状のシール部材と、を備え、
前記第1配管部材及び前記第2配管部材の少なくとも一方は樹脂材料で形成され、
前記第1配管部材は、両端が開口する管状の第1管状部と、
前記第1管状部の一端に設けられた第1膨出部と、を有し、
前記第2配管部材は、両端が開口する管状の第2管状部と、
前記第2管状部の一端に設けられ前記第1膨出部と対向する第2膨出部と、を有し、
前記第1膨出部は、前記第2膨出部と対向し前記第1管状部の開口部の周方向に形成された閉環状の凹条部を有し、
前記第2膨出部は、前記第1膨出部と対向し前記第2管状部の開口部の周方向に形成され、前記凹条部に嵌合する閉環状の凸条部を有し、
前記シール部材は、前記凹条部に収容され、前記凸条部と接する配管構造。
【請求項2】
前記凹条部の径方向内側は、前記第1管状部の開口部に露出している請求項1に記載の配管構造。
【請求項3】
前記シール部材は、内周側に開口し周方向に連続する溝を有する請求項2に記載の配管構造。
【請求項4】
前記第1管状部は、前記凹条部内に突出し前記シール部材を支持する第1支持突起を有する請求項2又は3に記載の配管構造。
【請求項5】
前記第2管状部は、前記凸条部の先端側端部に、前記シール部材を内周側から支持する第2支持突起を有する請求項2又は3に記載の配管構造。
【請求項6】
前前記凸条部の内周面は、記第2配管部材の内周面の最も内側に位置している請求項2又は3に記載の配管構造。
【請求項7】
前記連結箇所において、前記第1膨出部と前記第2膨出部とを外周側から包囲し固定する閉環状の接合部材を有する請求項1から3のいずれか1項に記載の配管構造。
【請求項8】
前記第1配管部材は、前記第1管状部の外周面に前記第1膨出部と隣り合い周方向に形成された第1凹部を有し、
前記第2配管部材は、前記第2管状部の外周面に前記第2膨出部と隣り合い周方向に形成された第2凹部を有し、
前記接合部材の内周側端部は、前記第1凹部及び前記第2凹部に挿入される請求項7に記載の配管構造。
【請求項9】
請求項1から3のいずれか1項に記載の配管構造を有し、
前記第1管状部の他端及び前記第2管状部の他端の少なくとも一方に、樹脂材料で形成された継手が接続されているプレハブ配管。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配管構造及びプレハブ配管に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、内部に流体を流動させる配管として、樹脂製の配管部材が用いられている。このような配管部材同士を連結する構造として、配管部材の端部にそれぞれ設けられたフランジを対向させ、フランジ間にパッキン(シール部材)を挟持させた状態で互いのフランジ同士を係合させる配管構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。配管構造の用途としては、給水用、給湯用、排水用、空調用、ガス用、燃料用の配管が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の配管構造では、連結した配管に外力(例えば曲げ応力)が加わった場合、配管部材同士の接続部であるフランジの近傍に応力が集中しやすい。また、樹脂製の配管部材は、金属製の配管部材と比べ、気温変化による熱膨張、熱収縮の影響が大きく、接続部に応力が加わりやすい。このように接続部に応力が加わると、フランジ間が離れ漏水するおそれがある。
【0005】
そこで、上記配管構造では、金属配管に用いられるシール部材と比べ相対的に大きなシール部材を用い、漏水を抑制していた。
【0006】
しかし、大きいシール部材を用いてシール性能を向上しようとする場合、シール部材の大きさに合わせて、配管部材が有するフランジも大きくする必要がある。そのため、配管部材の最外寸が大きくなり、施工しにくくなるという課題が生じる。
【0007】
さらに、大きいシール部材を用いた場合、シール部材を圧縮しシール性能を生み出すための締付トルクも相対的に大きくなる。そのため、配管構造の組み立て時の作業効率が低下するおそれがある。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、過度に大型化することなくシール性能を安定的に確保可能な配管構造を提供することを目的とする。また、このような配管構造を備えたプレハブ配管を提供することを合わせて目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明の一態様は、以下の態様を包含する。
【0010】
[1]第1配管部材と、前記第1配管部材と連結する第2配管部材と、前記第1配管部材と前記第2配管部材との連結箇所において、前記第1配管部材と前記第2配管部材とに液密に挟持される閉環状のシール部材と、を備え、前記第1配管部材及び前記第2配管部材の少なくとも一方は樹脂材料で形成され、前記第1配管部材は、両端が開口する管状の第1管状部と、前記第1管状部の一端に設けられた第1膨出部と、を有し、前記第2配管部材は、両端が開口する管状の第2管状部と、前記第2管状部の一端に設けられ前記第1膨出部と対向する第2膨出部と、を有し、前記第1膨出部は、前記第2膨出部と対向し前記第1管状部の開口部の周方向に形成された閉環状の凹条部を有し、前記第2膨出部は、前記第1膨出部と対向し前記第2管状部の開口部の周方向に形成され、前記凹条部に嵌合する閉環状の凸条部を有し、前記シール部材は、前記凹条部に収容され、前記凸条部と接する配管構造。
【0011】
[2]前記凹条部の径方向内側は、前記第1管状部の開口部に露出している[1]に記載の配管構造。
【0012】
[3]前記シール部材は、内周側に開口し周方向に連続する溝を有する[2]に記載の配管構造。
【0013】
[4]前記第1管状部は、前記凹条部内に突出し前記シール部材を支持する第1支持突起を有する[2]又は[3]に記載の配管構造。
【0014】
[5]前記第2管状部は、前記凸条部の先端側端部に、前記シール部材を内周側から支持する第2支持突起を有する[2]から[4]のいずれか1項に記載の配管構造。
【0015】
[6]前前記凸条部の内周面は、記第2配管部材の内周面の最も内側に位置している[2]から[5]のいずれか1項に記載の配管構造。
【0016】
[7]前記連結箇所において、前記第1膨出部と前記第2膨出部とを外周側から包囲し固定する閉環状の接合部材を有する[1]から[6]のいずれか1項に記載の配管構造。
【0017】
[8]前記第1配管部材は、前記第1管状部の外周面に前記第1膨出部と隣り合い周方向に形成された第1凹部を有し、前記第2配管部材は、前記第2管状部の外周面に前記第2膨出部と隣り合い周方向に形成された第2凹部を有し、前記接合部材の内周側端部は、前記第1凹部及び前記第2凹部に挿入される[7]に記載の配管構造。
【0018】
[9][1]から[8]のいずれか1項に記載の配管構造を有し、前記第1管状部の他端及び前記第2管状部の他端の少なくとも一方に、樹脂材料で形成された継手が接続されているプレハブ配管。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、過度に大型化することなくシール性能を安定的に確保可能な配管構造を提供することができる。また、このような配管構造を備えたプレハブ配管を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、配管構造100を示す概略斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1の線分II-IIにおける矢視断面図である。
【
図3】
図3は、配管構造100の連結箇所における拡大端面図である。
【
図4】
図4は、配管構造100を説明する部分端面図である。
【
図5】
図5は、配管構造100を説明する部分端面図である。
【
図6】
図6は、配管構造100を説明する部分端面図である。
【
図7】
図7は、パッキンの脱落防止構造を示す端面図である。
【
図8】
図8は、パッキンの脱落防止構造を示す端面図である。
【
図9】
図9は、パッキンの脱落防止構造を示す端面図である。
【
図10】
図10は、パッキンの脱落防止構造を示す端面図である。
【
図11】
図11は、継手40を有する配管部材50の断面図である。
【
図12】
図12は、第1実施形態のプレハブ配管200の一例を示す断面図である。
【
図13】
図13は、第2実施形態に係る配管構造150の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[第1実施形態]
以下、
図1~
図12を参照しながら、本発明の第1実施形態に係る配管構造及びプレハブ配管について説明する。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率などは適宜異ならせてある。
【0022】
[配管構造]
図1は、配管構造100を示す概略斜視図である。
図2は、
図1の線分II-IIにおける矢視断面図である。
【0023】
図1,2に示すように配管構造100は、第1配管部材10と、第2配管部材20と、パッキン(シール部材)30とを備える。配管構造100では、第1配管部材10と第2配管部材20とが連結されている。第1配管部材10と第2配管部材20との連結箇所には、パッキン30が挟持されている。
以下、順に説明する。
【0024】
《第1配管部材》
第1配管部材10は、内部空間10Sを有し、樹脂材料で形成された管材である。第1配管部材10を構成する樹脂材料としては熱可塑性樹脂を好適に用いることができる。熱可塑性樹脂としては、硬質塩化ビニル樹脂やABS、AES等、任意に設定することが可能であるが、例えば、耐震性や耐久性の観点から、ポリオレフィン系樹脂を用いることが好適である。
【0025】
ポリオレフィン系樹脂を材料とする配管部材(ポリオレフィン系樹脂管)は、硬質塩化ビニルを材料とする配管部材(硬質塩化ビニル系樹脂管)に比べてJIS K 6815-1、JIS K 6815-3に従って測定される引張破断伸びが高い。硬質塩化ビニル管の引張破断伸びが50~150%であるのに対し、ポリオレフィン系樹脂管の引張破断伸びは350%以上である。特に、ISO/TR9080に規定する外挿方法でPE100の高密度ポリエチレン管を用いた場合、引張破断伸びは500%以上となる。そのため、地震によって損傷するのを抑制することができる。
【0026】
また、ポリオレフィン系樹脂については特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン、ポリブテン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、アタクチックポリプロピレン、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、ポリαオレフィン等が好適である。
【0027】
熱可塑性樹脂のメルトマスフローレート(MFR)は、例えば、0.1~25g/10分が好ましく、0.1~10g/10分がより好ましく、0.29~0.45g/10分がさらに好ましくい。MFRが上記下限値以上であると、成型が容易となる。MFRが上記上限値以下であると、熱安定性をより高められる。
MFRは、JIS K 7210:1999に従い、試験温度220℃、試験荷重10kgで測定できる。
【0028】
熱可塑性樹脂の比重は、例えば、942~953kg/m3が好ましい。
熱可塑性樹脂の比熱は、例えば、1.9~2.3kJ/kg・Kが好ましい。
熱可塑性樹脂の熱伝導率は、例えば、0.46~0.5W/m・Kが好ましい。
【0029】
熱可塑性樹脂の融点(即ち、第1配管部材10の溶融温度)は、150℃~260℃が好ましく、180℃~240℃がより好ましい。
【0030】
上記樹脂材料は、熱可塑性樹脂の他、顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤等の公知の添加剤、フィラー等を含んでいてもよい。
【0031】
第1配管部材10は、単層管であってもよく、外周面及び内周面の少なくとも一方に表層を有する多層構造でもよい。表層は、例えば、無機繊維及び有機繊維の少なくとも一方を含んでもよい。無機繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、シリコン・チタン・炭素複合繊維、ボロン繊維、又は金属繊維等が挙げられる。有機繊維としては、例えば、アラミド繊維、ビニロン繊維、ポリエステル繊維、又はポリアミド繊維等が挙げられる。表層が、これらの繊維を含むと、第1配管部材10の引張強度を高め、熱膨張をより抑制できる。
【0032】
また、表層は、フッ素樹脂を含んでもよい。表層がフッ素を含むことで、酸やアルカリ等に対する耐性(耐薬品性)を高められる。
【0033】
また、上記表層と同様の層を第1配管部材10の壁内に設けてもよい。
【0034】
第1配管部材10は、中間層として金属層を含む3層以上の多層管であってもよい。金属層を構成する金属材料としては、例えば、鉄、真鍮(黄銅)、銅、ステンレス、アルミニウム、チタン、銀合金等が好適に用いられる。
【0035】
第1配管部材10は、両端が開口する管状の第1管状部11と、第1管状部11の一端11Eに設けられた第1膨出部12と、を有する。
【0036】
(第1管状部)
第1管状部11は、管本体111と、管本体111の一端の側で、管本体111の径方向内側に縮管した縮管部112と、を有する。すなわち、第1管状部11では、管本体111における内径W11は、縮管部112における最小径の箇所の内径W12よりも大きい(W11>W12)。
【0037】
第1管状部11の外周面(第1配管部材10の外周面10x)には、配管構造100の軸線(中心軸)Axと直交する視野において、縮管部112と重なる位置に第1膨出部12と隣り合う第1凹部10Cが形成されている。第1凹部10Cは、第1管状部11の周方向に無終端の閉環状に形成されている。
【0038】
第1管状部11の内周面(第1配管部材10の内周面10y)は、管本体111の内周面であり軸線Axに沿った面である面10y1、縮管部112の内周面であり軸線Axに沿った面である面10y2、面10y1と面10y2とを接続する傾斜面10y3で構成されている。
【0039】
(第1膨出部)
第1膨出部12は、縮管部112において第1配管部材10の径方向外側に円環状に張り出した構造を有する。第1膨出部12は、第2配管部材20が有する第2膨出部22(後述)と対向し、第2膨出部22との対向面においてパッキン30を挟持する。
【0040】
第1膨出部12は、第2膨出部22と対向する閉環状の凹条部101を有する。凹条部101は、第1管状部11の開口部11a(すなわち、第1配管部材10の開口部10a)の周方向に形成されており、パッキン30を収容する。
【0041】
凹条部101の径方向内側は、第1管状部11の開口部11aに露出している。凹条部101は、第2膨出部22と対向する円環状の対向面101aと、対向面101aと連続し軸線Axの方向に延びる筒状の側面101bとを有する。
【0042】
すなわち、第1配管部材10の端面は、凹条部101(対向面101a、側面101b)と、側面101bと連続する膨出部端面12aとで構成されている。
【0043】
《第2配管部材》
第2配管部材20は、内部空間20Sを有し、樹脂材料で形成された管材である。第2配管部材20は、第1配管部材10と同じ材料で形成することができる。
【0044】
第2配管部材20は、両端が開口する管状の第2管状部21と、第2管状部21の一端21Eに設けられた第2膨出部22と、を有する。
【0045】
(第2管状部)
第2管状部21は、管本体211と、管本体211の一端の側で、管本体211の径方向内側に縮管した縮管部212と、を有する。すなわち、第2管状部21では、管本体211における内径W21は、縮管部212における最小径の箇所の内径W22よりも大きい(W21>W22)。
【0046】
第2管状部21の外周面(第2配管部材20の外周面20x)には、軸線Axと直交する視野において、縮管部212と重なる位置に第2膨出部22と隣り合う第2凹部20Cが形成されている。第2凹部20Cは、第2管状部21の周方向に無終端の閉環状に形成されている。
【0047】
第2管状部21の内周面(第2配管部材20の内周面20y)は、管本体211の内周面であり軸線Axに沿った面である面20y1、縮管部212の内周面であり軸線Axに沿った面である面20y2、面20y1と面20y2とを接続する傾斜面20y3で構成されている。
【0048】
(第2膨出部)
第2膨出部22は、縮管部212において第2配管部材20の径方向外側に円環状に張り出した構造を有する。第2膨出部22は、第1膨出部12と対向する閉環状の凸条部201を有する。凸条部201は、軸線Axに沿った視野において、第1配管部材10の凹条部101に嵌合する。
【0049】
凸条部201は、第2管状部21の開口部21a(すなわち、第2配管部材20の開口部20a)の周方向に形成されている。凸条部201の外径W23は、凹条部101に嵌合可能な大きさに形成されており、凹条部101の外径W13よりも小さい。これにより、凸条部201は凹条部101に嵌合する。凸条部201は、第1配管部材10と第2配管部材20との連結箇所においてパッキン30と接し、パッキン30を軸線Axに平行な方向に押圧する。
【0050】
凸条部201の内径W24は、第2管状部21の開口径(縮管部212における内径W22)と一致している(W22=W24)。凸条部201は、第2膨出部22と対向する円環状の対向面201aと、対向面201aと連続し軸線Axに沿った筒状の側面201bとを有する。
【0051】
すなわち、第2配管部材20の端面は、凸条部201(対向面201a、側面201b)と、側面201bと連続する膨出部端面22aとで構成されている。
【0052】
なお、
図2では、凸条部201の断面視形状を略矩形として示しているが、これに限らず、例えば半円状、半楕円状であってもよい。
【0053】
《パッキン(シール部材)》
パッキン30は、第1配管部材10と第2配管部材20との連結箇所において、凹条部101に収容され、凸条部201から押圧されることにより、液密に挟持されている。
【0054】
パッキン30の外径は、凹状部101の外周側の径よりも大きい方が望ましい。詳しくは、パッキン30の外径は、凹状部101の外周側の径の101%以上110%以下であると好ましく、103%以上105%以下であるとより好ましい。
【0055】
パッキン30の外径が上記大きさで有ることにより、パッキン30を凹状部101に収容した状態では、パッキン30から凹状部101の内壁に対して径方向外側に広がる方向に応力が加わる。これにより、施工時や使用時に、パッキン30が管内側に脱落したり、膨出部端面22aから離脱したりする不具合を抑制できる。
【0056】
パッキン30は、パッキンの材料として通常用いられる樹脂材料を用いて製造することができる。パッキン30の材料としては、エチレン-プロピレンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、クロロスルフォン化ゴム、ニトリルゴム、スチレンブタジエンゴム、塩素化ポリエチレン、フッ素ゴム、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエンゴム)などが挙げられる。
【0057】
また、パッキン30には、ポリアミドやナイロン(登録商標)製の補強布がインサートされていてもよい。
【0058】
パッキン30は、公知の種々の形状のものを採用することができる。中でもパッキン30としては、JIS B 0116に規定するリップパッキン(Vパッキン、Uパッキン、Lパッキン、Jパッキンなど)や、スクィーズパッキン(Oリング、Xリング、Dリング)が好ましい。中でも、パッキン30としては、Xパッキンが好ましい。
図2には、パッキン30としてXパッキンを用いることして示している。
【0059】
図3は、配管構造100の連結箇所における拡大端面図である。
図3では、第1配管部材10と第2配管部材20とによりパッキン30を挟持した様子を示している。
【0060】
図3に示すように、Xパッキンであるパッキン30は、内周側に開口し周方向に連続する溝301を有する。
図3の断面視において、溝301の両側には、一対のリブ302が形成されている。凹条部101に収容されたパッキン30は、配管構造100の内部空間に露出するとともに、溝301を内部空間に露出させている。
【0061】
このような配管構造100では、内部空間に通水した場合、パッキン30が水圧による負荷を受ける(符号F1)。このとき、内部空間の水は、パッキン30の溝301に入り込み、パッキン30に対して等方的に負荷を加える。そのため、パッキン30は、凹条部101において径方向外側に負荷を受けて押し込まれる(符号F2)。
【0062】
さらに、内部空間の水は、リブ302を広げ、第1膨出部12及び第2膨出部22に押し付ける方向に負荷を加える(符号F3)。
【0063】
以上のように、パッキン30には、内部空間の水から内圧が負荷された時に、符号F2、F3で示す矢印のように面圧が発生し、シール効果が得られる。以下の説明では、このような内部空間の水から受ける面圧を利用したシールを、「セルフシール」と称することがある。
【0064】
また、
図3のように凹条部101に凸条部201が嵌合するこのような構成では、凸条部201とパッキン30との隙間、凹条部101よりも外側の第1膨出部12と第2膨出部22との隙間、詳しくは側面101bと側面201bとの隙間、膨出部端面12aと膨出部端面22aとの隙間に、曲がりくねった経路、いわゆるラビリンス構造が形成される。そのため、
図3に示すような構成では、凹条部、凸条部が形成されていない平坦面同士を付き合わせる場合と比べ、シール効果の向上が期待できる。
【0065】
以上のように、パッキン30は、第1配管部材10と第2配管部材20とで締めこんだ際に得られる面圧と、内部空間の水から内圧が負荷された時に発生する面圧(セルフシール)との双方の面圧力を得られる。これらにより、パッキン30は、凹条部101及び凸条部201で囲まれた空間において壁面に押し付けられ、コンパクトな配管構造で、高いシール効果を奏する。
【0066】
上述の効果は、内周側に開口する溝を有する種々のパッキンを用いた場合にも奏する。すなわち、上述のリップパッキン、スクィーズパッキンを用いた場合でも、パッキンが有する溝が配管構造100の内部空間に露出するならば、同様のシール効果を期待できる。
【0067】
《接合部材》
図1、2に示すように、配管構造100は、連結箇所において、第1膨出部12と第2膨出部22とを外周側から包囲し固定する閉環状の接合部材90を有していてもよい。
【0068】
接合部材90は、半円弧状に形成された一対の分割部材91,92と、分割部材91,92を固定する固定具93とを有する。
【0069】
分割部材91は、略円弧状に形成され内周側に収容空間を有する収容部911と、収容部911の端部に設けられた一対の結合部912と、を有する。
【0070】
分割部材92は、略円弧状に形成され内周側に収容空間を有する収容部921と、収容部921の端部に設けられた一対の結合部922と、を有する。分割部材91、92は、同じ形状であってもよい。
【0071】
固定具93は、ボルト931とナット932とを有する。
【0072】
このような接合部材90では、分割部材91,92により第1膨出部12,第2膨出部22を挟み込み、ボルト931を結合部912の貫通孔912a、結合部922の貫通孔922aに挿通させ、ナット932で係止することにより、膨出部を外周から包囲する。
【0073】
このとき、
図2に示すように、接合部材90の内周側端部(分割部材91の端部91a、分割部材92の端部92a)は、第1凹部10C及び第2凹部20Cに挿入される。これにより、接合部材90の位置ずれが抑制される。
【0074】
さらに、第1凹部10Cにおいて第1膨出部12と当節する接合部材90は、固定具93で締め付けることにより、膨出部と分割部材との接触箇所において軸線Ax方向の分力を生じさせ、第1膨出部12を第2配管部材20側に押し付ける。同様に、第2凹部20Cにおいて第2膨出部22と当節する接合部材90は、第2膨出部22を第1配管部材10側に押し付ける。これにより、第1配管部材10と第2配管部材20とが相互に押し付けられ、強く連結される。
【0075】
なお、接合部材90は、分割部材91,92に分離することとして示したが、これに限らない。分割部材91,92は、一方の結合部912,913においてヒンジ接続され、他方の結合部912,913においてのみ、固定具93で固定される構成であってもよい。
【0076】
以下、
図4~10を用いて、配管構造100の詳細な形状、構成について説明する。
図4~10は、配管構造100を説明する部分端面図である。
【0077】
なお、第1配管部材10と、第2配管部材20とは、凹条部101及び凸条部201の構成の他は同じ形状であることとしている。そのため、以下の説明において、第1配管部材10、第2配管部材20に共通する構成について説明する場合、一方の構成(例えば第1配管部材10)の説明を他方の構成(例えば第2配管部材20)の説明に置き換えて理解することができる。
【0078】
(膨出部の厚さ)
図4に示すように、配管構造100では、軸線Ax(
図2参照)と同方向の第1膨出部12の厚さA1と、第2膨出部22の厚さA2とが等しい(A1=A2)。厚さA1、A2は、例えば10mm以上であってもよく、15mm以上であってもよく、20mm以上であってもよい。
【0079】
第1膨出部12の厚さA1と、第2膨出部22の厚さA2とが上述の関係である場合、接合部材90の形状を軸線Axと直交する仮想面に対して面対称とすることができ、接合部材90による応力のかかり方もバランスがよくなる。
【0080】
なお、これに限らず、
図5の端面図のように、第1膨出部12の厚さA1が、第2膨出部22の厚さA2よりも厚くてもよい(A1>A2)。このとき、凹条部101及び凸条部201の形状を調整し、配管構造の内部において、パッキン30が第1膨出部12及び第2膨出部22の中央に位置するように設定してもよい(A3=A4)。
【0081】
(凹部の厚さ)
また、
図4に示すように、第1凹部10Cの位置の第1管状部11(縮管部112)の厚さB1は、管本体111の厚さB2と同等以上であるとよい(B1≧B2)。このような関係にあることで、縮管部112における強度低下を抑制することができる。
【0082】
(凹部の傾斜)
また、
図4に示すように、第1凹部10Cの底面10C1と、底面10C1から連続する第1膨出部12の側面121とは、直交していてもよく、成す角θが30°以上80°以下であってもよい。角θは、30°以上70°以下であってもよく、30°以上60°以下であってもよい。
【0083】
角θが30°未満の場合、接合部材90を用いて第1配管部材10と第2配管部材20とを接合する際、収容部921が第1膨出部12に引っかかりにくくなる。そのため、例えば、第1配管部材10を軸線Ax方向に引き離す応力が発生した場合、引抜力(第1配管部材10を接合部材90から引き抜くために要する力)が低下する。
【0084】
角θが80°を超える場合、上述の引抜力が発生した場合に応力が集中し、発生した応力を分散しにくく、強度低下が起きるおそれがある。
【0085】
なお、角θは、
図4の断面において軸線Axと平行であり底面10C1と接する仮想線L1と、側面121の中央における接線L2とが成す角として定義することができる。側面121は、
図4の断面において形成される輪郭線が直線であってもよく、曲線であってもよい。
【0086】
角θが上記値であることにより、第1凹部10Cと第1膨出部12との交差箇所Rに応力が集中しにくくなり、破損を抑制できる。
【0087】
(凹部の深さ)
また、管本体211の内周面から縮管部212の内周面までの径方向の高さZ1は、管本体111の外周面から第2凹部20Cの底面20C1までの径方向の高さZ2と同等、または高さZ2よりも大きいとよい(Z1≧Z2)。これにより、第2凹部20Cの位置における強度低下を抑制できる。
【0088】
(凹条部の位置)
凹条部101は、軸線Axに沿った視野において第1凹部10Cと干渉しない(重ならない)ことが好ましい。
【0089】
(凹条部の深さ、凸条部の突出量)
凹条部101の軸線Axと同方向の長さ(軸線Axと同方向における対向面101aから膨出部端面12aまでの長さ)C1は、凸条部201の軸線Axと同方向の長さ(軸線Axと同方向における対向面201aから膨出部端面22aまでの長さ)C2よりも大きい(C1>C2)。凹条部101と凸条部201とで液密に挟持した状態のパッキン30の厚さを考慮して、長さC1、C2を設定するとよい。
【0090】
図3において示したように、パッキン30が内周側に溝301を有すると、セルフシールの効果が得られる。このとき、凸条部201により一対のリブ302が接触するほど押しつぶされると、溝301の内部からリブ302を広げる方向に内水圧が加わりにくく、セルフシールができないおそれがある。そのため、長さC1,C2は、一対のリブ302同士を接触させない長さであるとよい。
【0091】
(凹条部の位置)
図6に示すように、凹条部105は、第1配管部材10の内周側に露出することなく、第1膨出部12に設けられていてもよい。この場合、凹条部105と配管構造の内部空間との間には、壁部106が形成されることとなる。パッキン31は、配管構造の内部空間に露出することなく、凹条部105に収容され保持される。この場合、使用するパッキン31としてはOリングが望ましい。
【0092】
また、このとき、凸条部201の内径は、凹条部105の内径より大きく、凸条部201の外径は、凹条部105の外径よりも小さい。これにより、凸条部201は凹条部105に嵌合する。凸条部201は、第1配管部材10と第2配管部材20との連結箇所においてパッキン31を軸線Axに平行な方向に押圧する。
【0093】
このような構成では、壁部106と凸条部201との隙間、凸条部201とパッキン30との隙間、凹条部101よりも外側の第1膨出部12と第2膨出部22との隙間に、曲がりくねった経路、いわゆるラビリンス構造が形成される。そのため、
図6に示すような構成でも、高いシール効果が期待できる。
【0094】
(膨出部の突出量)
第1配管部材10及び第2配管部材20は、いずれも縮管部112,212に膨出部(第1膨出部12,第2膨出部22)を有する構成としている。膨出部の径方向外側への突出量は、管本体211の外表面から、第2膨出部22の径方向最外部までの距離(符号X)である。
【0095】
一方、縮管部を有さない管状部(第1管状部11,第2管状部21)に膨出部を設ける場合の膨出部の突出量は、第2凹部20Cの底部から第2膨出部22の径方向最外部までの距離Yに該当する。
【0096】
すなわち、配管構造100においては、縮管部を有する管状部に膨出部を設けることにより、膨出部の突出量Xを抑制できる。これにより、配管構造において、大きいシール部材を用いてシール性能を向上しようとする場合、シール部材の大きさに合わせて、配管部材が有する膨出部も大きくしたとしても、配管部材の最外寸を抑制し、作業効率の低下を抑制することができる。
【0097】
(パッキンの脱落防止構造)
図7~10は、パッキンの脱落防止構造を示す端面図である。上述した凹条部101のように、凹条部101が第1管状部11の内周側に露出している場合、第1管状部11の内周側からパッキン30を支持する構成が無いため、パッキン30が位置ずれや脱落を生じ安い。そのため、第1配管部材10、第2配管部材20は、以下の
図7~10に示すような構成であってもよい。
【0098】
図7に示すように、第1配管部材10は、凹条部101の外周側の隅部に、パッキン30の一部が挿入されシール部材を支持する支持凹部102を有していてもよい。支持凹部102は、凹条部101の隅部に沿って第1配管部材10の周方向に設けられている。
【0099】
支持凹部102は、第1配管部材10の周方向の全周に設けられていてもよく、第1配管部材10の周方向において等間隔に複数点在させてもよい。支持凹部102を複数点在させて形成する場合、複数の支持凹部102は同じ大きさであってもよく、異なる大きさとしてもよい。
【0100】
この場合、支持凹部102に挿入されるパッキン30の一部30aは、支持凹部102の断面形状と同型状に成型されていることが望ましい。
【0101】
また、
図8に示すように、第1配管部材10は、凹条部101の内周側端部(凹条部101における軸線Ax側の端部)に、凹条部101の内部に突出しパッキン30を支持する第1支持突起103を有していてもよい。
【0102】
同様に、
図9に示すように、第1配管部材10は、凹条部101の先端側端部(凹条部101における膨出部端面22a側の端部)に、凹条部101内に突出しパッキン30を支持する第1支持突起104を有していてもよい。
【0103】
第1支持突起103,104は、第1配管部材10の周方向の全周に設けられていてもよく、離散的に設けられていてもよい。また、凹条部101には、これら第1支持突起103,104が両方形成されていてもよい。
【0104】
さらに、
図10に示すように、第2管状部21は、凸条部201の先端側端部、詳細には第2支持突起202が凸条部201の内周側の端部にパッキン30を内周側から支持する第2支持突起202を有していてもよい。
【0105】
第2支持突起202は、第2管状部21の周方向の全周に設けられていてもよく、第2配管部材20の周方向において等間隔に複数点在させてもよい。第2支持突起202を複数点在させて形成する場合、複数の第2支持突起202は同じ大きさであってもよく、異なる大きさとしてもよい。
【0106】
第1配管部材10、第2配管部材20がこれらの脱落防止構造を有することにより、パッキン30の位置ずれを抑制し、作業効率が向上する。
【0107】
[プレハブ配管]
図11,12は、上述の配管構造を有するプレハブ配管の一例の説明図である。
【0108】
図11は、継手40を有する配管部材50の断面図である。配管部材50は、上述の第1配管部材10と、継手40と、配管部材41と、受口部42とを有し、軸線方向にこの順に接続されている。継手40は、第1配管部材10と配管部材41とを接続している。受口部42は、配管部材41の端部に位置している。
【0109】
配管部材50を構成する第1配管部材10は、第1管状部11の一端11E1に凹条部101を有する第1膨出部12が設けられ、第1管状部11の他端11E2において、継手40と接続している。第1管状部11と継手40との接続方法は、融着、接着等、第1管状部11と継手40との材料の特性に応じて選択することができる。
【0110】
継手40は、樹脂材料で形成された配管部材(管継手)であり、配管部材を意図した経路に引き回すために第1配管部材10に接続される。継手40の材料としては、第1配管部材10の材料として上述した樹脂材料を用いることができる。
【0111】
配管部材41は、樹脂材料で形成された直管である。配管部材41の材料としては、第1配管部材10の材料として上述した樹脂材料を用いることができる。
【0112】
受口部42は、いわゆる電気融着継手であり、内部に電熱線を有している。受口部42は、電熱線と接続された端子42xを有する。受口部42は、配管部材41と接続している。
【0113】
配管部材50において、第1配管部材10の内部空間と、継手40の内部空間と、配管部材41の内部空間と、受口部42の内部空間とは連続し、第1配管部材10の端部の開口部10aから受口部42の端部の開口部42aまで連通している。
【0114】
なお、
図11では、継手として湾曲した管を示しているが、公知の種々の継手を採用可能である。
【0115】
第1配管部材10と継手40との接続箇所、継手40と配管部材41との接続箇所には、管の内周面及び外周面の周方向に連続して、溶融した樹脂が盛り上がるビードBが形成される。第1管状部11の内周側において、管本体111の内周面から縮管部112の内周面までの径方向の高さZ1は、ビードBの高さZ3と一致、又はビードBよりも低いことが好ましい。これにより、縮管部112による圧力損失を抑制することができる。
【0116】
図12は、本実施形態のプレハブ配管200の一例を示す断面図である。プレハブ配管200においては、上述の配管構造100が有する第1配管部材10に継手40が接続され、第2配管部材20にチーズ60が接続されている。第2配管部材20とチーズ60との接続箇所には、ビードBが形成されている。
【0117】
チーズ60は、樹脂材料で形成された配管部材(管継手)であり、配管部材を意図した経路に分岐するために第2配管部材20に接続される。チーズ60は、主管61と、主管61と接続し主管61と連通する枝管62とを有する。
【0118】
図に示すプレハブ配管200は一例であり、継手として公知の種々の構成を採用することができる。また、継手の端部には、配管に接続される公知の構成が接続されていてもよい。
【0119】
プレハブ配管200では、例えば、施工現場に設けられた設備(例えば、ポンプ、給湯器、他のプレハブ配管等)に上記第1配管部材を設け、接続する配管部材を上記第2配管部材とし、第1膨出部12と第2膨出部22とを突き合わせて固定することで、施工現場で容易に配管作業を行える。
【0120】
加えて、施工現場にて膨出部を作製する必要がないため、施工現場でのバット溶接を不要にできる。このため、プレハブ配管の膨出部近傍には、バット溶接に伴うビードが形成されない。
【0121】
以上のような構成の配管構造では、過度に大型化することなくシール性能を安定的に確保することができる。
【0122】
また、以上のような構成のプレハブ配管では、上述の配管構造を備えるため、施工時のとり回しが容易であり、シール性能を安定的に確保することができる。
【0123】
なお、本実施形態においては、第1配管部材10と第2配管部材20との両方が樹脂材料で形成されていることとしたが、これに限らない。第1配管部材10と第2配管部材20とは、少なくとも一方が樹脂材料で形成され、他方が金属材料で形成された金属管であり、異種接続される構成であってもよい。
【0124】
上記金属材料としては、例えば、鉄、真鍮(黄銅)、銅、ステンレス、アルミニウム、チタン、銀合金等が挙げられる。また、金属管の内面は、フッ素樹脂などの樹脂材料によりライニング加工されていてもよい。
【0125】
また、本実施形態においては、第1管状部11が縮管部112を有し、第1配管部材10の内周面10yが、面10y1、面10y2、傾斜面10y3で構成されていることとしたが、これに限らない。第1配管部材10が縮管部112を有すること無く、第1配管部材10の内周面10yが、第1凹部10Cの位置と第1凹部10Cが形成されていない位置とで同径であってもよい。
【0126】
同様に、第2管状部21が縮管部212を有し、第2配管部材20の内周面20yが、面20y1、面20y2、傾斜面20y3で構成されていることとしたが、これに限らない。第2配管部材20が縮管部212を有すること無く、第2配管部材20の内周面20yは、第2凹部20Cの位置と第2凹部20Cが形成されていない位置とで同径であってもよい。
【0127】
[第2実施形態]
図13は、本発明の第2実施形態に係る配管構造150の概略斜視図であり、
図2に対応する断面図である。本実施形態において第1実施形態と共通する構成要素については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0128】
図13に示すように、配管構造150は、第1配管部材70と、第2配管部材80と、パッキン(シール部材)30とを備える。配管構造150では、第1配管部材70と第2配管部材80とが、接合部材95により連結されている。第1配管部材70と第2配管部材80との連結箇所には、パッキン30が挟持されている。
【0129】
《第1配管部材》
第1配管部材70は、内部空間70Sを有し、樹脂材料で形成された管材である。第1配管部材70は、上述の第1配管部材10と同じ材料で形成することができる。第1配管部材70は、両端が開口する管状の第1管状部71と、第1管状部71の一端に設けられた第1スタブ部72と、を有する。第1スタブ部72は、本発明における「第1膨出部」に該当する。
【0130】
(第1スタブ部)
第1スタブ部72は、第1配管部材70の径方向外側に円環状に張り出した構造を有する。第1スタブ部72は、第2配管部材80が有する第2スタブ部82(後述)と対向し、第2スタブ部82との対向面においてパッキン30を挟持する。
【0131】
第1スタブ部72は、第2スタブ部82と対向する閉環状の凹条部701を有する。凹条部701は、上述の凹条部101と同様の構成を採用できる。
【0132】
《第2配管部材》
第2配管部材80は、内部空間70Sを有し、樹脂材料で形成された管材である。第2配管部材80は、第1配管部材70と同じ材料で形成することができる。第2配管部材80は、両端が開口する管状の第2管状部81と、第2管状部81の一端に設けられた第2スタブ部82と、を有する。第2スタブ部82は、本発明における「第2膨出部」に該当する。
【0133】
(第2スタブ部)
第2スタブ部82は、第2配管部材80の径方向外側に円環状に張り出した構造を有する。第2スタブ部82は、第1スタブ部72と対向する閉環状の凸条部801を有する。凸条部801は、上述の凸条部201と同様の構成を採用できる。すなわち、凸条部801は凹条部701に嵌合し、第1配管部材70と第2配管部材80との連結箇所においてパッキン30を軸線Axと平行な方向に押圧する。
【0134】
《接合部材》
配管構造150は、連結箇所において、第1スタブ部72と第2スタブ部82とを軸線Ax方向の両側から挟み込み第1配管部材70と第2配管部材80とを連結する接合部材95を有する。
【0135】
接合部材95は、一対のフランジ96,97と、フランジ96,97を固定する固定具98とを有する。
【0136】
フランジ96は、円環状に形成され、中心に厚さ方向に貫通する貫通孔96aを有する遊合形フランジである。フランジ96は、公知の板フランジであってもよく、ハブフランジであってもよい。
【0137】
貫通孔96aには第1配管部材70の第1管状部71が挿通される。貫通孔96aの外径は、第1スタブ部72の外径よりも小さい。
【0138】
また、フランジ96は、厚さ方向に貫通する複数の貫通孔96bを有する。複数の貫通孔96bは、周方向に等間隔に配列している。
【0139】
フランジ97は、フランジ96と同様に形成され、中心に厚さ方向に貫通する貫通孔97a、及び厚さ方向に貫通する複数の貫通孔97bを有する。複数の貫通孔97bは、周方向に等間隔に配列している。
【0140】
貫通孔97aには第2配管部材80の第2管状部81が挿通される。貫通孔97aの外径は、第2スタブ部82の外径よりも小さい。
【0141】
固定具98は、ボルト981とナット982とを有する。固定具98は、フランジ96の貫通孔96b及びフランジ97の貫通孔97bにボルト981が挿通され、ナット982を用いて締結される。これにより、第1配管部材70と第2配管部材80とが相互に押し付けられ、強く連結される。
【0142】
以上のような構成の配管構造150であっても、パッキン30を凹状部601、凸条部801で挟持することにより高いシール性能を示す。そのため、以上のような構成の配管構造150では、過度に大型化することなくシール性能を安定的に確保することができる。
【0143】
また、以上のような構成の配管構造150を備えるプレハブ配管では、施工時のとり回しが容易であり、シール性能を安定的に確保することができる。
【0144】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計、仕様等に基づき種々変更可能である。
【符号の説明】
【0145】
10,70…第1配管部材、10a,11a,20a,21a,40a…開口部、10x,20x…外周面、10C…第1凹部、11,71…第1管状部、12…第1膨出部、20,80…第2配管部材、20C…第2凹部、21,81…第2管状部、22…第2膨出部、30…パッキン(シール部材)、30a…一部、40…継手、50…配管部材、91a,92a…端部、100…配管構造、101,105,701…凹条部、102…支持凹部、103,104…第1支持突起、11E2…他端、200…プレハブ配管、201,801…凸条部、202…第2支持突起、301…溝、302…リブ、W11,W12,W21,W22,W23…内径