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特開2024-143440プログラム、情報処理方法及び情報処理装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143440
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理方法及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20230101AFI20241003BHJP
【FI】
G06Q10/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023056123
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】523118417
【氏名又は名称】fuku株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】山田 涼太
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA11
5L049AA11
(57)【要約】
【課題】実験データ及びグラフに基づきレポートを生成することが可能なプログラム等を提供すること。
【解決手段】一つの側面に係るプログラムは、レポートの対象となる実験データファイルを受け付け、受け付けた実験データファイルに対し、統計処理を行うことによりグラフを生成し、前記実験データファイル内のデータ及び生成したグラフに基づき、予め定めたフォーマットに従いレポートを生成する処理をコンピュータに実行させる。
【選択図】図24
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レポートの対象となる実験データファイルを受け付け、
受け付けた実験データファイルに対し、統計処理を行うことによりグラフを生成し、
前記実験データファイル内のデータ及び生成したグラフに基づき、予め定めたフォーマットに従いレポートを生成する
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項2】
前記実験データファイルを受け付けるための入力ボックスを表示し、
前記入力ボックス内に、レポートの対象となる複数の前記実験データファイルを受け付ける
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
生成したレポート、及び前記レポートに関連する統計処理結果ファイルを含む出力ファイルの一覧を出力する
請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項4】
表紙、見出しまたはデザインを含む前記レポートのフォーマットの設定を受け付ける
請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項5】
前記実験データファイル内の実験データに対し、前記実験データの表示位置または表示順序を調整するための整形処理を行う
請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項6】
生成したレポートと、前記レポートに関連するグラフとを対応付けてデータベースに記憶する
請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項7】
第1方向及び第2方向に格子状に配置された試料を測定する実験装置から出力され、第1方向に配列された第1種の実験データと、該第1種の実験データに第2方向側に配列された第2種の実験データとを受け付け、
前記フォーマットに従い、第1方向及び第2方向の格子状の位置と前記実験データの位置とを対応付ける2次元の位置MAPを生成し、
前記フォーマットに従い、前記位置MAPの対応する位置に、前記第1種の実験データを割り当てた2次元の第1実験データMAPを生成し、
前記フォーマットに従い、前記位置MAPの対応する位置に、前記第2種の実験データを割り当てた2次元の第2実験データMAPを生成し、
前記フォーマットに従い、前記位置MAP、前記第1実験データMAP及び前記第2実験データMAPを含むレポートを生成する
請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項8】
ユーザの提案した前記レポートのフォーマットをプラットフォーム上に公開し、
公開した複数のレポートのフォーマットから、対象となるフォーマットの選択を受け付け、
受け付けたフォーマットに従い前記レポートを生成する
請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項9】
レポートの対象となる実験データファイルを受け付け、
受け付けた実験データファイルに対し、統計処理を行うことによりグラフを生成し、
前記実験データファイル内のデータ及び生成したグラフに基づき、予め定めたフォーマットに従いレポートを生成する
情報処理方法。
【請求項10】
制御部を備える情報処理装置であって、
前記制御部は、
レポートの対象となる実験データファイルを受け付け、
受け付けた実験データファイルに対し、統計処理を行うことによりグラフを生成し、
前記実験データファイル内のデータ及び生成したグラフに基づき、予め定めたフォーマットに従いレポートを生成する
情報処理装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報処理方法及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、実験データに対して解析及び処理等を行う技術の開発が盛んに進められている。例えば特許文献1には、測定内容から実験結果データとしてグラフを生成し、実験結果データと、予め設定された実験結果である模範実験結果データとの比較評価を行う実験データ処理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-139276号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に係る発明は、実験データ及びグラフに基づきレポートを生成することができないという問題がある。
【0005】
一つの側面では、実験データ及びグラフに基づきレポートを生成することが可能なプログラム等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの側面に係るプログラムは、レポートの対象となる実験データファイルを受け付け、受け付けた実験データファイルに対し、統計処理を行うことによりグラフを生成し、前記実験データファイル内のデータ及び生成したグラフに基づき、予め定めたフォーマットに従いレポートを生成する処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0007】
一つの側面では、実験データ及びグラフに基づきレポートを生成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】コンピュータの構成例を示すブロック図である。
図2】レポート管理DB及びフォーマットDBのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
図3】実験データファイルの受付画面の一例を示す説明図である。
図4】実験データに対する整形用フォーマットの一例を示す説明図である。
図5】実験データに対する整形用フォーマットの一例を示す説明図である。
図6】出力ファイルの一覧画面の一例を示す説明図である
図7】表紙及び細胞増殖のサンプル情報の一例を示す説明図である。
図8】7日間における細胞増殖のサンプルの計測値を示す説明図である。
図9】14日間における細胞増殖のサンプルの計測値を示す説明図である。
図10】29日間における細胞増殖のサンプルの計測値を示す説明図である。
図11】細胞増殖のサンプル毎の計測値を示すグラフの一例を示す説明図である。
図12】細胞増殖のサンプル毎の計測値を示すグラフの一例を示す説明図である。
図13】7日間における細胞の種類別に細胞増殖のサンプルの種類毎の統計情報を示す説明図である。
図14】14日間における細胞の種類別に細胞増殖のサンプルの種類毎の統計情報を示す説明図である。
図15】29日間における細胞の種類別に細胞増殖のサンプルの種類毎の統計情報を示す説明図である。
図16】細胞増殖のサンプル毎にpositiveとentireとの計測値の割合を示すグラフの一例を示す説明図である。
図17】細胞増殖のサンプル毎にpositiveとentireとの計測値の割合を示すグラフの一例を示す説明図である。
図18】7日間における細胞増殖のサンプル毎にpositiveとentireとの計測値の割合の統計情報を示す説明図である。
図19】14日間における細胞増殖のサンプル毎にpositiveとentireとの計測値の割合の統計情報を示す説明図である。
図20】29日間における細胞増殖のサンプル毎にpositiveとentireとの計測値の割合の統計情報を示す説明図である。
図21】entireにおける細胞増殖のサンプル毎に細胞増殖のサンプルの計測値の推移を示すグラフの一例を示す説明図である。
図22】positiveにおける細胞増殖のサンプル毎に細胞増殖のサンプルの計測値の推移を示すグラフの一例を示す説明図である。
図23】細胞増殖のサンプル毎に細胞増殖の効率(efficiency)の推移を示すグラフの一例を示す説明図である。
図24】実験データに基づきレポートを生成する際の処理手順を示すフローチャートである。
図25】実験データに対し整形処理を行う処理のサブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
図26】レポートのフォーマットを公開する際の処理手順を示すフローチャートである。
図27】実施形態2における実験データに基づきレポートを生成する際の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明をその実施形態を示す図面に基づいて詳述する。
【0010】
(実施形態1)
実施形態1は、実験データに基づきレポートを自動的に生成する形態に関する。本実施形態のシステムは、情報処理装置1を含む。実験データは、研究所等での研究により得られた実験結果データ、または、実験機器もしくはログの出力データ等である。
【0011】
情報処理装置1は、種々の情報に対する処理、記憶及び送受信を行う情報処理装置である。情報処理装置1は、実験データファイルの受付、グラフの生成及びレポートの生成等の処理を行う。情報処理装置1は、例えばサーバ装置、パーソナルコンピュータ、汎用のタブレットPC(パソコン)またはスマートフォン等である。本実施形態において、情報処理装置1は、パーソナルコンピュータであるものとし、以下では簡潔のためコンピュータ1と読み替える。
【0012】
通常、研究員等のレポート作成者が実験データに基づき統計処理を行い、統計処理により得られた統計値等をExcel(登録商標)ファイルに保存(記憶)することは、比較的大量の時間を要する。また、レポート作成者による統計処理のミス等を排除することができない問題がある。更にまた、レポート作成者毎に、異なるフォーマットに従いレポートを作成するため、レポートの閲覧、または複数のレポート間の比較等が難しくなる。本実施形態では、研究所等での研究により得られた実験結果を統一的なフォーマットでレポートを自動的に作成することができる。
【0013】
本実施形態に係るコンピュータ1は、レポートの対象となる実験データファイルを受け付ける。コンピュータ1は、受け付けた実験データファイルに対し、統計処理を行うことによりグラフを生成する。コンピュータ1は、実験データファイル内のデータ及び生成したグラフに基づき、予め定めたフォーマットに従いレポートを生成する。コンピュータ1は、生成したレポート、及び当該レポートに関連する統計処理結果ファイルを出力する。
【0014】
図1は、コンピュータ1の構成例を示すブロック図である。コンピュータ1は、制御部11、記憶部12、通信部13、入力部14、表示部15、読取部16及び大容量記憶部17を含む。各構成はバスBで接続されている。
【0015】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、DSP(Digital Signal Processor)、または量子プロセッサ等の演算処理装置を含む。制御部11は、記憶部12に記憶された制御プログラム1P(プログラム製品)を読み出して実行することにより、コンピュータ1に係る種々の情報処理または制御処理等を行う。
【0016】
なお、制御プログラム1Pは、単一のコンピュータ上で、または1つのサイトにおいて配置されるか、もしくは複数のサイトにわたって分散され、通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で実行されるように展開することができる。なお、図1では制御部11を単一のプロセッサであるものとして説明するが、マルチプロセッサであっても良い。
【0017】
記憶部12はRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ素子を含み、制御部11が処理を実行するために必要な制御プログラム1Pまたはデータ等を記憶している。また、記憶部12は、制御部11が演算処理を実行するために必要なデータ等を一時的に記憶する。通信部13は通信に関する処理を行うための通信モジュールであり、ネットワーク等を介して、外部の情報処理装置等との間で情報の送受信を行う。
【0018】
入力部14は、マウス、キーボード、タッチパネルまたはボタン等の入力デバイスであり、受け付けた操作情報を制御部11へ出力する。表示部15は、液晶ディスプレイまたは有機EL(electroluminescence)ディスプレイ等であり、制御部11の指示に従い各種情報を表示する。なお、入力部14は、キーボード、マウスまたは表示部15と一体化したタッチパネルでも良い。
【0019】
読取部16は、CD(Compact Disc)-ROMまたはDVD(Digital Versatile Disc)-ROMを含む可搬型記憶媒体1aを読み取る。制御部11が読取部16を介して、制御プログラム1Pを可搬型記憶媒体1aより読み取り、大容量記憶部17に記憶しても良い。また、ネットワーク等を介して他のコンピュータから制御部11が制御プログラム1Pをダウンロードし、大容量記憶部17に記憶しても良い。さらにまた、半導体メモリ1bから、制御部11が制御プログラム1Pを読み込んでも良い。
【0020】
大容量記憶部17は、例えばHDD(Hard disk drive)、またはSSD(Solid State Drive)等の記録媒体を備える。大容量記憶部17は、レポート管理DB171及びフォーマットDB172を含む。レポート管理DB171は、レポートに関する情報を記憶している。フォーマットDB172は、予め定めたレポートのフォーマットを記憶している。
【0021】
なお、本実施形態において記憶部12及び大容量記憶部17は一体の記憶装置として構成されていても良い。また、大容量記憶部17は複数の記憶装置により構成されていても良い。更にまた、大容量記憶部17はコンピュータ1に接続された外部記憶装置であっても良い。
【0022】
コンピュータ1は、種々の情報処理及び制御処理等をコンピュータ単体で実行しても良いし、複数のコンピュータで分散して実行しても良い。また、コンピュータ1は、1台のサーバ内に設けられた複数の仮想マシンによって実現されても良いし、クラウドサーバを用いて実現されても良い。
【0023】
図2は、レポート管理DB171及びフォーマットDB172のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
レポート管理DB171は、レポートID列、レポート列、フォーマットID列及びグラフ列を含む。レポートID列は、各レポートを識別するために、一意に特定されるレポートのIDを記憶している。レポート列は、レポートのデータまたはファイル等を記憶している。なお、レポート列には、レポートのファイルを記憶した場所、またはファイル名等が記憶されても良い。
【0024】
フォーマットID列は、レポートの作成時に使用されたレポートのフォーマットを特定するためのフォーマットIDを記憶している。グラフ列は、実験データファイルに対し統計処理を行うことにより生成されたグラフを記憶している。なお、グラフ列には、グラフを記憶した場所、またはグラフのファイル名等が記憶されても良い。
【0025】
フォーマットDB172は、フォーマットID列及びフォーマット列を含む。フォーマットID列は、各レポートのフォーマットを識別するために、一意に特定されるレポートのフォーマットIDを記憶している。
【0026】
フォーマット列は、表紙列、見出し列、本文列、表列、グラフ列及びデザイン列を含む。表紙列は、レポートの表紙のフォーマット(項目及びレイアウト等)を記憶している。見出し列は、見出しのフォーマット(フォント及びフォントサイズ等)を記憶している。本文列は、本文のフォーマット(フォントサイズ等)を記憶している。表列は、表の表現形式、行または列等を含むフォーマットを記憶している。
【0027】
グラフ列は、グラフの種類、またはグラフの作成時に利用される実験データの統計値等を含むフォーマットを記憶している。デザイン列は、レポートのデザイン(上下左右の余白等)、テキスト、表またはグラフの表示位置(ページ)等を記憶している。なお、フォーマットに関しては後述する。
【0028】
なお、上述した各DBの記憶形態は一例であり、データ間の関係が維持されていれば、他の記憶形態であっても良い。
【0029】
続けて、実験データに基づき、レポートを自動的に生成する処理を説明する。以下では、細胞増殖の実験データの例を説明するが、他の種類の実験データにも同様に適用することができる。
【0030】
まず、コンピュータ1は、実験データファイルの受付画面(後述の図3)を通じて、レポートの対象となる実験データファイルを受け付ける。
【0031】
図3は、実験データファイルの受付画面の一例を示す説明図である。
図3Aは、入力ボックス(フォルダ)の表示画面の一例を示す説明図である。コンピュータ1は、実験データファイルを受け付けるための入力ボックス(フォルダ)を画面に表示する。コンピュータ1は、表示した入力ボックス内に、レポート作成者等によるレポートの対象となる複数の実験データファイルの選択を受け付ける。なお、コンピュータ1は、レポート作成者のドラッグアンドドロップの操作により、複数の実験データファイルを受け付けても良い。
【0032】
図示のように、3つの実験データファイル及び1つの設定ファイルが受け付けられる。実験データファイルは、例えば、「1回目 day7 InCell解析生データ.***」、「1回目 day14 InCell解析生データ.***」及び「1回目 day29 InCell解析生データ.***」を含む。なお、実験データファイルは、例えば、試料(例えば、細胞増殖のサンプル)を測定する実験装置(例えば、細胞増殖測定機器)、試料の温度を測定する実験装置、細胞の生存率を測定する実験装置、または各種細胞を用いたアポトーシス(apoptosis)誘導試験を行う実験装置等により得られたファイルであっても良い。
【0033】
設定ファイルには、レポートの生成時に必要な設定情報が記述される。例えば、設定ファイルには、レポートの名称、レポート作成者、作成日付、レポートに対する説明、実験オペレーター(実験者)の名前、データ種類(例えば、生データ、実験機器から出力されたデータ、または、実験のログデータ)、実験データファイルの名称、または実験データに関する情報(細胞の種類、細胞の採取日、実験の日数または値の説明等)等が記述される。なお、設定ファイルに記述された情報は、レポート作成者等により手入力で受け付けられても良い。
【0034】
図3Bは、実験データの一例を示す説明図である。コンピュータ1は、第1方向(例えば、縦方向)及び第2方向(例えば、横方向)に格子状に配置された実験装置から出力され実験データファイルを受け付ける。図示のように、受け付けられた実験データファイルは、「1回目 day7 InCell解析生データ.***」である。
【0035】
コンピュータ1は、受け付けた実験データファイルから、第1方向(例えば、縦方向)に配列された第1種の実験データと、該第1種の実験データに第2方向(例えば、横方向)側に配列された第2種の実験データとを取得する。第1種の実験データは、細胞の種類がentireである細胞増殖のサンプルの計測値である。第2種の実験データは、細胞の種類がpositiveである細胞増殖のサンプルの計測値である。
【0036】
図示のように、実験データファイルには、実際の細胞培養用のウェルプレートの位置(Section)、統計値を算出するための関数(例えば、Summary)、細胞の種類、細胞の種類に対応するチャンネル情報(ch1及びch2)、及び細胞増殖のサンプルの計測値(Count)等が含まれる。細胞の種類は、陽性(positive)、陰性(negative)または全体(entire)等を含む。なお、図3Bで示されている実験データには、陽性(positive)及び全体(entire)が含まれる。
【0037】
Summaryは、細胞増殖のサンプルの計測値から、最大値、最小値、平均値または中央値等の統計値を算出する関数である。ch1は、細胞の種類がentireである細胞増殖のサンプルに対応するチャンネルであり、ch2は、細胞の種類がpositiveである細胞増殖のサンプルに対応するチャンネルである。
【0038】
なお、本実施形態では、実験データが表の形式で表現されたが、これに限るものではない。例えば、バイナリデータ、XML(拡張マークアップ言語)、またはJSON(JavaScript(登録商標) Object Notation)等の構文解析される記述等の形式で、実験データを表現しても良い。
【0039】
次に、コンピュータ1は、受け付けた実験データファイル内の実験データに対し、レポート作成者によるレポートのフォーマットの設定を受け付ける。レポートのフォーマットは、表紙、見出し、本文、表、グラフ及びデザイン等を作成するためのルールを記述したフォーマットである。
【0040】
表紙は、例えば、表紙に記述すべきである項目(レポートの名称、レポート作成者、作成日付、実験オペレーター、またはレポートに対する説明等)、及び各項目の記述順番、項目の表現形式(表またはテキスト等)、項目のフォントまたはフォントサイズ等を含む。
【0041】
本文は、細胞増殖のサンプル情報を記述するためのサンプル用フォーマット、実験データに対する整形処理を行うための整形用フォーマット、テキストのフォントまたはフォントサイズ等を含む。
【0042】
サンプル用フォーマットは、細胞増殖のサンプル情報に含まれる項目(実験の日数、サンプルの種類、細胞の周期、細胞の種類または細胞の数量等)、各項目の記述順番、項目の表現形式(表またはテキスト等)、項目のフォントまたはフォントサイズ等を含む。整形用フォーマットは、実験データの表示位置または表示順序を調整するため、予め決められたフォーマットである。なお、整形用フォーマットは後述する。
【0043】
表は、表の種類、統計処理により得られた統計値の種類(平均値または中央値等)、行、列、フォントまたはフォントサイズ等を含む。グラフは、グラフの種類、またはグラフの生成時に使用される統計値の種類等を含む。デザインは、フォント、フォントサイズ、テキスト、表またはグラフ等の記述順番及びレイアウト(表示位置等)等を含む。
【0044】
コンピュータ1は、受け付けたレポートのフォーマットに対し、フォーマットIDを割り振る。コンピュータ1は、割り振ったフォーマットIDに対応付けて、表紙、見出し、本文、表、グラフ及びデザインのフォーマットをフォーマットDB172に記憶する。
【0045】
なお、コンピュータ1は、レポート作成者によるレポートのフォーマットIDの入力を受け付けても良い。この場合、コンピュータ1は、受け付けたフォーマットIDに基づき、該当するレポートのフォーマットをフォーマットDB172から取得する。
【0046】
コンピュータ1は、受け付けたレポートのフォーマットに従い、受け付けた実験データファイルの縦方向及び横方向の格子状の位置と、当該実験データファイル内の実験データの位置とを対応付ける2次元の位置MAP(後述する図4A)を生成する。
【0047】
コンピュータ1は、当該レポートのフォーマットに従い、生成した2次元の位置MAPの対応する位置に、細胞増殖のサンプルの名称を割り当てた2次元のサンプル名称MAP(後述する図4B)を生成する。
【0048】
コンピュータ1は、当該レポートのフォーマットに従い、生成した2次元の位置MAPの対応する位置に、細胞の種類がentireである細胞増殖のサンプルの計測値(第1種の実験データ)を割り当てた2次元の第1実験データMAP(後述する図5A)を生成する。
【0049】
コンピュータ1は、当該レポートのフォーマットに従い、2次元の位置MAPの対応する位置に、細胞の種類がpositiveである細胞増殖のサンプルの計測値(第2種の実験データ)を割り当てた2次元の第2実験データMAP(後述する図5B)を生成する。
【0050】
図4及び図5は、実験データに対する整形用フォーマットの一例を示す説明図である。
図4Aは、2次元の位置MAPの一例を示す説明図である。2次元の位置MAPは、ウェルプレートの位置を示すフォーマットである。コンピュータ1は、実際の細胞培養用のウェルプレートの位置に対応する、当該ウェルプレートの位置を示す名称を並べ替える。図示のように、実際の細胞培養用のウェルプレートは8×12の位置(穴)を有する。実験データファイルに記述されたそれぞれの位置の名称(A-1、A-2、B-1またはB-2等)は、それぞれの穴の実際の位置に対応付けて並べ替える。
【0051】
図4Bは、2次元のサンプル名称MAPの一例を示す説明図である。2次元のサンプル名称MAPは、図4Aに示されている2次元の位置MAPの対応する位置に、細胞増殖のサンプルの名称を割り当てたフォーマットである。
【0052】
本実施形態では、細胞増殖のサンプルの実験対象が、Ctrl(Control)及びMut(Mutation)となる。Ctrlは野生型の細胞株を指し、Mutは(遺伝子)変異型の細胞株を指す。細胞増殖のサンプルの実験において、3つの野生型の細胞株(Ctrl 1、Ctrl 2及びCtrl 3)と、2つの変異型の細胞株(Mut 1及びMut 2)との合計での5つの細胞株を実験対象とし、細部株毎に12のサンプル(標本)が得られる。
【0053】
このように、得られたサンプルの名称は、Ctrl 1/1、Ctrl 1/2、…、Ctrl 1/12、Ctrl 2/1、Ctrl 2/2、…、Ctrl 2/12、Ctrl 3/1、Ctrl 3/2、…、Ctrl 3/12、Mut 1/1、Mut 1/2、…、Mut 1/12、Mut 2/1、Mut 2/2、…、Mut 2/12を含む。例えば、Ctrl 1/1は、1つ目の野生型細胞株のサンプルであり、番号が1番である。Mut 2/12は、2つ目の変異型細胞株のサンプルであり、番号が12番である。
【0054】
図4Aに示されているウェルプレートの各位置(穴)に、細胞増殖のサンプルの名称が対応付けられる。図示のように、「B-2」である位置に対応付けられた細胞増殖のサンプルの名称が「Ctrl 1/1」であり、「B-3」である位置に対応付けられた細胞増殖のサンプルの名称が「Ctrl 1/2」である。
【0055】
コンピュータ1は、受け付けた実験データファイル内の実験データに対し、当該実験データの表示位置または表示順序を調整するための整形処理を行う。具体的には、コンピュータ1は、受け付けた実験データファイルから、実際の細胞培養用のウェルプレートの位置(Section)に対応する、細胞の種類が陽性(positive)である実験データ、及び細胞の種類が全体(entire)である実験データをそれぞれ抽出する。
【0056】
例えば、コンピュータ1は、「B-2」であるウェルプレートの位置に対応する、細胞の種類がpositiveである細胞増殖のサンプルの計測値(290)、及び細胞の種類がentireである細胞増殖のサンプルの計測値(386)を抽出する。コンピュータ1は、フォーマットIDに基づき、該当するレポートのフォーマットをフォーマットDB172から取得する。コンピュータ1は、抽出した実験データに対し、取得したレポートのフォーマットに含まれる、ウェルプレートの位置に対応する細胞増殖のサンプルの名称のフォーマットに基づき、細胞増殖のサンプルの計測値に対する整形処理を行う。
【0057】
図5Aは、2次元の第1実験データMAPの一例を示す説明図である。2次元の第1実験データMAPは、細胞の種類がentireである細胞増殖のサンプルの計測値を示すフォーマットである。図示のように、図4Bに示されている細胞増殖のサンプルの名称に対応付けて、細胞の種類がentireである細胞増殖のサンプルの計測値が列挙される。図示のように、細胞の種類がentireである細胞増殖のサンプルに対し、図4Bに示されている「Ctrl 1/1」である細胞増殖のサンプルの名称に対応する計測値は「386」である。
【0058】
図5Bは、2次元の第2実験データMAPの一例を示す説明図である。2次元の第2実験データMAPは、細胞の種類がpositiveである細胞増殖のサンプルの計測値を示すフォーマットである。図示のように、図4Bに示されている細胞増殖のサンプルの名称に対応付けて、細胞の種類がpositiveである細胞増殖のサンプルの計測値が列挙される。図示のように、細胞の種類がpositiveである細胞増殖のサンプルに対し、図4Bに示されている「Ctrl 1/1」である細胞増殖のサンプルの名称に対応する計測値は「290」である。
【0059】
次に、コンピュータ1は、整形処理を行った実験データに基づき、フォーマットDB172から取得されたレポートのフォーマットに含まれるグラフのフォーマット(グラフの種類、または統計値の種類等)に基づき、統計処理を行うことによりグラフを生成する。
【0060】
グラフは、例えば、細胞増殖のサンプル毎の計測値を示すグラフ(後述する図11及び図12)、細胞増殖のサンプル毎に平均計測値を示すグラフ(後述する図13~15)、細胞増殖のサンプル毎にpositiveとentireとの計測値の割合を示すグラフ(後述する図16及び図17)、細胞増殖のサンプル毎にpositiveとentireとの計測値の割合の平均値を示すグラフ(後述する図18~20)、entireにおける細胞増殖のサンプル毎に細胞増殖のサンプルの計測値の推移を示すグラフ(後述する図21)、positiveにおける細胞増殖のサンプル毎に細胞増殖のサンプルの計測値の推移を示すグラフ(後述する図22)、または、細胞増殖のサンプル毎に細胞増殖の効率の推移を示すグラフ(後述する図23)等を含む。
【0061】
コンピュータ1は、受け付けたレポートのフォーマットに従い、2次元の位置MAP、サンプル名称MAP、第1実験データMAP及び第2実験データMAP、並びに、生成したグラフを含むレポートを生成する。具体的には、コンピュータ1は、受け付けたフォーマットに含まれる表紙のフォーマットに基づき、受け付けた設定ファイルから、表紙を生成するための項目を読み出す。コンピュータ1は、表紙のフォーマットに従って、読み出した項目に基づき表紙を生成する。
【0062】
コンピュータ1は、本文に含まれる細胞増殖のサンプル用フォーマットに基づき、受け付けた設定ファイルから、細胞増殖のサンプル情報を生成するための項目を読み出す。コンピュータ1は、細胞増殖のサンプル用フォーマットに従って、読み出した項目に基づき細胞増殖のサンプル情報を生成する。
【0063】
コンピュータ1は、本文に含まれる整形用フォーマット(2次元の位置MAP、サンプル名称MAP、第1実験データMAP及び第2実験データMAP等)に基づき、ウェルプレートの位置、各位置に対応する細胞増殖のサンプルの名称、細胞の種類別に細胞増殖のサンプルの名称に対応する計測値を含む細胞レイアウト(Well layout)情報を生成する。
【0064】
コンピュータ1は、本文に含まれる表のフォーマット(表の種類、統計値の種類、行、列、フォントまたはフォントサイズ等)に基づき、実験データから細胞増殖のサンプルの計測値の統計に関する表を生成する。細胞増殖のサンプルの計測値の統計に関する表は、例えば、細胞の種類別に細胞増殖のサンプルの種類毎の統計情報を示す表(後述する図13~15)、または、細胞増殖のサンプル毎にpositiveとentireとの計測値の割合の統計情報を示す表(後述する図18~20)等を含む。
【0065】
コンピュータ1は、受け付けたレポートのフォーマットに含まれるデザインのフォーマット(上下左右の余白、テキスト、表またはグラフの表示位置等)に基づき、生成した表紙、細胞増殖のサンプル情報、細胞レイアウト情報、細胞増殖のサンプルの計測値の統計に関する表及びグラフ等を含むレポートを生成する。
【0066】
コンピュータ1は、生成したレポートと、当該レポートに関連するグラフとを対応付けてレポート管理DB171に記憶する。具体的には、コンピュータ1は、生成したレポートに対しレポートIDを割り振る。コンピュータ1は、割り振ったレポートIDに対応付けて、レポートのファイル、レポートのフォーマットID、及び生成したグラフをレポート管理DB171に記憶する。
【0067】
コンピュータ1は、生成したレポート、及び当該レポートに関連する統計処理結果ファイルを画面に表示(出力)する。統計処理結果ファイルは、レポート内の表またはグラフ等の生成時に利用された、統計処理により得られた統計ファイルであっても良い。または、統計処理結果ファイルは、表またはグラフのファイルのそのものであっても良い。なお、統計処理結果ファイルには、レポートを生成するための実験データファイル(生データファイル)が含まれても良い。
【0068】
図6は、出力ファイルの一覧画面の一例を示す説明図である。出力ファイルの一覧は、生成したレポート、及び当該レポートに関連する統計処理結果ファイルを含む。図示のように、生成されたレポート(例えば、20220920_report.pdf)、及び、当該レポートに関連する統計処理結果ファイルを含む出力ファイルの一覧が画面に表示される。統計処理結果ファイルには、レポートの生成時に用いられた実験データファイル(例えば、raw_stats_7.xlsx)、レポート内の表の生成時に利用された統計ファイル(例えば、percent_stats_7.xlsx)、及びレポート内のグラフのファイル(例えば、percent_plot_7.svg)等が含まれる。
【0069】
図7図23は、レポートの一例を示す説明図である。
図7は、表紙及び細胞増殖のサンプル情報の一例を示す説明図である。図7Aは、表紙の一例を示す説明図である。コンピュータ1は、入力ボックスの表示画面(図3A)で受け付けられた設定ファイルを読み込む。コンピュータ1は、読み込んだ設定ファイルから、表紙を生成するための項目を読み出す。コンピュータ1は、表紙のフォーマットに従って、読み出した項目に基づき表紙を生成する。
【0070】
図示のように、表紙には、レポートの名称(name)、レポート作成者(reporter)、作成日付、実験オペレーター(operator)、レポートの格納場所(exp.note)、バージョン情報(git.head.top.ten)、及びレポートに対するコメント(comment)が含まれる。なお、表紙に記述された項目は、上述した項目に限らず、レポート作成者により設定された任意の項目であっても良い。
【0071】
図7Bは、細胞増殖のサンプル情報の一例を示す説明図である。コンピュータ1は、入力ボックスの表示画面(図3A)で受け付けられた設定ファイルを読み込む。コンピュータ1は、読み込んだ設定ファイルから細胞増殖のサンプル情報を抽出する。コンピュータ1は、フォーマットDB172に記憶されたレポートのフォーマットに含まれる細胞増殖のサンプル用フォーマットに基づき、抽出した細胞増殖のサンプル情報の表を生成する。
【0072】
図示のように、細胞増殖のサンプル情報の表には、実験の日数、細胞増殖のサンプルの種類(Ctrl1、Ctrl2、Ctrl3、Mut1またはMut2等)、細胞が増殖する際にはある決められたサイクルである細胞周期(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11及び12)、細胞の種類(例えば、entire及びpositive)及び細胞の数量等が含まれる。
【0073】
図8は、7日間における細胞増殖のサンプルの計測値を示す説明図である。コンピュータ1は、実験の日数が7日間である実験データファイルを受け付ける。コンピュータ1は、受け付けた実験データファイル内の実験データに対し、フォーマットDB172に記憶されたレポートのフォーマットに含まれる整形用フォーマット(2次元の位置MAP、サンプル名称MAP、第1実験データMAP及び第2実験データMAP等)に基づき、当該実験データの表示位置または表示順序を調整するための整形処理を行う。コンピュータ1は、整形処理を行うことにより、図8に示されている表11a、表11b、表11c及び表11dを得る。
【0074】
表11aは、図4Aに示されている2次元の位置MAPにより得られ、実際の細胞培養用のウェルプレートの位置を示す表である。また、図4Aに示されている2次元の位置MAPにより得られた表11aは、当該レポートに貼り付けられる。図示のように、実際の細胞培養用のウェルプレートは8×12の位置(穴)を有する。実験データファイルに記述されたそれぞれの位置の名称は、図4Aに示されている2次元の位置MAPと同様に、「A-1」~「A-12」、「B-1」~「B-12」、「C-1」~「C-12」、「D-1」~「D-12」、「E-1」~「E-12」、「F-1」~「F-12」、「G-1」~「G-12」、及び「H-1」~「H-12」である。実際の細胞培養用のウェルプレートの位置に対応付けて、各位置の名称は表11aに設定される。
【0075】
表11bは、図4Bに示されている2次元のサンプル名称MAPにより得られ、ウェルプレートの位置に対応する細胞増殖のサンプルの名称を示す表である。また、図4Bに示されている2次元のサンプル名称MAPにより得られた表11bは、当該レポートに貼り付けられる。例えば、表11aの「B-2」であるウェルプレート位置に対応付けられた表11bのサンプルの名称が「Ctrl 1/1」であり、表11aの「B-3」であるウェルプレート位置に対応付けられた表11bのサンプルの名称が「Ctrl 1/2」である。
【0076】
なお、実際の細胞培養用のウェルプレートの位置に細胞増殖のサンプルがない場合、サンプルの名称は空欄または「‐」に設定されても良い。図示のように、表11aの「A-1」であるウェルプレート位置に細胞増殖のサンプルがないため、表11bのサンプルの名称は空欄に設定される。
【0077】
表11cは、表11bに示されている細胞増殖のサンプルの名称に対応付けて、細胞種類がentireである細胞増殖のサンプルの計測値を示す表である。表11cは、2次元の第1実験データMAP(図5A)に基づき作成され、当該レポートに貼り付けられる。図示のように、「Ctrl 1/1」である表11bのサンプルの名称に対応付けて、細胞種類がentireである細胞増殖のサンプルの計測値が「386」である。
【0078】
表11dは、表11bに示されている細胞増殖のサンプルの名称に対応付けて、細胞種類がpositiveである細胞増殖のサンプルの計測値を示す表である。表11cは、2次元の第2実験データMAP(図5B)に基づき作成され、当該レポートに貼り付けられる。図示のように、「Ctrl 1/1」である表11bのサンプルの名称に対応付けて、細胞種類がpositiveである細胞増殖のサンプルの計測値が「290」である。
【0079】
図9は、14日間における細胞増殖のサンプルの計測値を示す説明図である。コンピュータ1は、実験の日数が14日間である実験データファイルを受け付ける。コンピュータ1は、受け付けた実験データファイルに含まれる実験データに対し、整形用フォーマット(2次元の位置MAP、サンプル名称MAP、第1実験データMAP及び第2実験データMAP等)に基づき、当該実験データの表示位置または表示順序を調整するための整形処理を行う。コンピュータ1は、整形処理を行うことにより、図9に示されている表12a、表12b、表12c及び表12dを得る。なお、表12a、表12b、表12c及び表12dに関しては、表11a、表11b、表11c及び表11dと同様であるため、説明を省略する。
【0080】
図10は、29日間における細胞増殖のサンプルの計測値を示す説明図である。コンピュータ1は、実験の日数が29日間である実験データファイルを受け付ける。コンピュータ1は、受け付けた実験データファイルに含まれる実験データに対し、整形用フォーマット(2次元の位置MAP、サンプル名称MAP、第1実験データMAP及び第2実験データMAP等)に基づき、当該実験データの表示位置または表示順序を調整するための整形処理を行う。コンピュータ1は、整形処理を行うことにより、図10に示されている表13a、表13b、表13c及び表13dを得る。なお、表13a、表13b、表13c及び表13dに関しては、表11a、表11b、表11c及び表11dと同様であるため、説明を省略する。
【0081】
図11及び図12は、細胞増殖のサンプル毎の計測値を示すグラフの一例を示す説明図である。コンピュータ1は、フォーマットDB172に記憶されたレポートのフォーマットに含まれるグラフのフォーマットに応じて、実験の日数が7日間である実験データに基づき統計処理を行う。コンピュータ1は、統計処理を行うことにより、7日間における細胞増殖のサンプル毎の計測値を示すグラフ14aを生成する。
【0082】
グラフ14aの横軸は、細胞増殖のサンプルの名称(Ctrl 1/1、Ctrl 1/2またはCtrl 1/3等)を示し、縦軸は細胞増殖のサンプルの計測値を示す。白丸は、細胞の種類がentireである細胞増殖のサンプルの計測値を示す。黒丸は、細胞の種類がpositiveである細胞増殖のサンプルの計測値を示す。
【0083】
また、コンピュータ1は、グラフのフォーマットに応じて、実験の日数が14日間である実験データに基づき統計処理を行う。コンピュータ1は、統計処理を行うことにより、14日間における細胞増殖のサンプル毎の計測値を示すグラフ14bを生成する。コンピュータ1は、グラフのフォーマットに応じて、実験の日数が29日間である実験データに基づき統計処理を行う。コンピュータ1は、統計処理を行うことにより、29日間における細胞増殖のサンプル毎の計測値を示すグラフ14cを生成する。なお、グラフ14b及びグラフ14cに関しては、グラフ13aと同様であるため、説明を省略する。
【0084】
図13は、7日間における細胞の種類別に細胞増殖のサンプルの種類毎の統計情報を示す説明図である。統計情報は、例えば、細胞増殖のサンプルの計測値の平均計測値、標準偏差(SD:Standard Deviation)または変動係数(CV:Coefficient of Variation)等を含む。変動係数は、平均に対する、データのばらつきの大きさの比率である。また、変動係数を「標準偏差/平均値」である計算式から求めることができる。
【0085】
コンピュータ1は、フォーマットDB172に記憶されたレポートのフォーマットに含まれる表のフォーマットに応じて、実験の日数が7日間である実験データに基づき、細胞の種類別に細胞増殖のサンプルの種類毎の統計情報を示す表15aを生成する。図示のように、表15aには、細胞の種類(entire及びpositive)別に、細胞増殖のサンプルの種類(Ctrl1、Ctrl2、Ctrl3、Mut1及びMut2)毎に、各種類のサンプルの細胞増殖(replicate)の番号に対応する計測値が表示される。また、表15aには、細胞増殖のサンプルの種類毎に、細胞増殖のサンプルの計測値の平均計測値(Mean)、標準偏差(S.D.)及び変動係数(C.V.)が表示される。
【0086】
コンピュータ1は、グラフのフォーマットに応じて、実験の日数が7日間である実験データに基づき、細胞増殖のサンプル毎に平均計測値を示すグラフ15bを生成する。グラフ15bの横軸は、細胞の種類と細胞増殖のサンプルの種類との組み合わせ項目(Ctrl 1/entire、Ctrl 1/positive、Ctrl 2/entireまたはCtrl 2/positive等)を示す。グラフ15bの縦軸は、細胞増殖のサンプルの計測値(Count)を示す。細胞の種類がentireである場合、細胞増殖のサンプル毎の平均計測値は白い菱形で示される。細胞の種類がpositiveである場合、細胞増殖のサンプル毎の平均計測値は黒い菱形で示される。
【0087】
図14は、14日間における細胞の種類別に細胞増殖のサンプルの種類毎の統計情報を示す説明図である。コンピュータ1は、表のフォーマットに応じて、実験の日数が14日間である実験データに基づき、細胞の種類別に細胞増殖のサンプルの種類毎の統計情報を示す表15cを生成する。コンピュータ1は、グラフのフォーマットに応じて、実験の日数が14日間である実験データに基づき、細胞増殖のサンプル毎に平均計測値を示すグラフ15dを生成する。なお、表15c及びグラフ15dに関しては、表15a及びグラフ15bと同様であるため、説明を省略する。
【0088】
図15は、29日間における細胞の種類別に細胞増殖のサンプルの種類毎の統計情報を示す説明図である。コンピュータ1は、表のフォーマットに応じて、実験の日数が29日間である実験データに基づき、細胞の種類別に細胞増殖のサンプルの種類毎の統計情報を示す表15eを生成する。コンピュータ1は、グラフのフォーマットに応じて、実験の日数が29日間である実験データに基づき、細胞増殖のサンプル毎に平均計測値を示すグラフ15fを生成する。なお、表15e及びグラフ15fに関しては、表15a及びグラフ15bと同様であるため、説明を省略する。
【0089】
図16及び図17は、細胞増殖のサンプル毎にpositiveとentireとの計測値の割合を示すグラフの一例を示す説明図である。コンピュータ1は、グラフのフォーマットに応じて、実験の日数が7日間である実験データに基づき統計処理を行う。コンピュータ1は、統計処理を行うことにより、細胞増殖のサンプル毎にpositiveとentireとの計測値の割合を示すグラフ16aを生成する。
【0090】
実験データは、細胞の種類別に各種の細胞増殖のサンプルの計測値を含む。グラフ16aの横軸は、細胞増殖のサンプルの名称(Ctrl 1/1、Ctrl 1/2またはCtrl 1/3等)を示し、縦軸は、positiveとentireとの計測値の割合を示す。また、計測値の割合は黒い菱形で示される。
【0091】
コンピュータ1は、グラフのフォーマットに応じて、実験の日数が14日間である実験データに基づき統計処理を行う。コンピュータ1は、統計処理を行うことにより、細胞増殖のサンプル毎にpositiveとentireとの計測値の割合を示すグラフ16bを生成する。
【0092】
コンピュータ1は、グラフのフォーマットに応じて、実験の日数が29日間である実験データに基づき統計処理を行う。コンピュータ1は、統計処理を行うことにより、細胞増殖のサンプル毎にpositiveとentireとの計測値の割合を示すグラフ16cを生成する。なお、グラフ16b及びグラフ16cに関しては、グラフ16aと同様であるため、説明を省略する。
【0093】
図18は、7日間における細胞増殖のサンプル毎にpositiveとentireとの計測値の割合の統計情報を示す説明図である。統計情報は、例えば、positiveとentireとの計測値の割合に対し、平均計測値、標準偏差(S.D.)または変動係数(C.V.)等を含む。
【0094】
コンピュータ1は、表のフォーマットに応じて、実験の日数が7日間である実験データに基づき、細胞増殖のサンプル毎にpositiveとentireとの計測値の割合の統計情報を示す表17aを生成する。
【0095】
図示のように、表17aには、サンプルの種類(Ctrl1、Ctrl2、Ctrl3、Mut1及びMut2)毎に、各種類のサンプルの細胞増殖(replicate)の番号に対応する、positiveとentireとの計測値の割合が表示される。また、表17aには、細胞増殖のサンプルの種類毎に、positiveとentireとの計測値の割合の平均計測値(Mean)、標準偏差(S.D.)及び変動係数(C.V.)が表示される。
【0096】
コンピュータ1は、グラフのフォーマットに応じて、実験の日数が7日間である実験データに基づき、細胞増殖のサンプル毎にpositiveとentireとの計測値の割合の平均値を示すグラフ17bを生成する。グラフ17bの横軸は、細胞増殖のサンプルの種類(Ctrl 1、Ctrl 2、Ctrl 3、Mut1及びMut2)を示す。グラフ17bの縦軸は、positiveとentireとの計測値の割合の平均値を示す。また、positiveとentireとの計測値の割合の平均値は黒い菱形で示される。
【0097】
図19は、14日間における細胞増殖のサンプル毎にpositiveとentireとの計測値の割合の統計情報を示す説明図である。コンピュータ1は、表のフォーマットに応じて、実験の日数が14日間である実験データに基づき、細胞増殖のサンプル毎にpositiveとentireとの計測値の割合の統計情報を示す表17cを生成する。コンピュータ1は、グラフのフォーマットに応じて、実験の日数が14日間である実験データに基づき、細胞増殖のサンプル毎にpositiveとentireとの計測値の割合の平均値を示すグラフ17dを生成する。なお、表17c及びグラフ17dに関しては、表17a及びグラフ17bと同様であるため、説明を省略する。
【0098】
図20は、29日間における細胞増殖のサンプル毎にpositiveとentireとの計測値の割合の統計情報を示す説明図である。コンピュータ1は、表のフォーマットに応じて、実験の日数が29日間である実験データに基づき、細胞増殖のサンプル毎にpositiveとentireとの計測値の割合の統計情報を示す表17eを生成する。コンピュータ1は、グラフのフォーマットに応じて、実験の日数が29日間である実験データに基づき、細胞増殖のサンプル毎にpositiveとentireとの計測値の割合の平均値を示すグラフ17fを生成する。なお、表17e及びグラフ17fに関しては、表17a及びグラフ17bと同様であるため、説明を省略する。
【0099】
図21は、entireにおける細胞増殖のサンプル毎に細胞増殖のサンプルの計測値の推移を示すグラフの一例を示す説明図である。コンピュータ1は、グラフのフォーマットに応じて、細胞の種類がentireである29日間の実験データに基づき、細胞増殖のサンプルの種類毎に細胞増殖のサンプルの計測値の推移を示す折れ線グラフ18aを生成する。コンピュータ1は、各細胞増殖のサンプルの種類に対応付けて、生成した折れ線グラフ18aを表示する。
【0100】
折れ線グラフ18aの横軸は、細胞増殖のサンプルの実験の日数(例えば、7日→29日)を示し、縦軸は、細胞増殖のサンプルの計測値(Count)を示す。折れ線グラフ18aには、折れ線18a_1、折れ線18a_2、折れ線18a_3、折れ線18a_4及び折れ線18a_5が含まれる。
【0101】
折れ線18a_1は、細胞の種類がentireであり、且つ、細胞増殖のサンプルの種類が「Ctrl 1」である細胞増殖のサンプルの計測値の推移を示し、カラー(例えば、赤色)、パターン(例えば、点線)またはハイライト等で強調表示される。折れ線18a_2は、細胞の種類がentireであり、且つ、細胞増殖のサンプルの種類が「Ctrl 2」である細胞増殖のサンプルの計測値の推移を示し、カラー、パターンまたはハイライト等で強調表示される。
【0102】
折れ線18a_3は、細胞の種類がentireであり、且つ、細胞増殖のサンプルの種類が「Ctrl 3」である細胞増殖のサンプルの計測値の推移を示し、カラー、パターンまたはハイライト等で強調表示される。折れ線18a_4は、細胞の種類がentireであり、且つ、細胞増殖のサンプルの種類が「Mut 1」である細胞増殖のサンプルの計測値の推移を示し、カラー、パターンまたはハイライト等で強調表示される。
【0103】
折れ線18a_5は、細胞の種類がentireであり、且つ、細胞増殖のサンプルの種類が「Mut 2」である細胞増殖のサンプルの計測値の推移を示し、カラー、パターンまたはハイライト等で強調表示される。
【0104】
図22は、positiveにおける細胞増殖のサンプル毎に細胞増殖のサンプルの計測値の推移を示すグラフの一例を示す説明図である。コンピュータ1は、グラフのフォーマットに応じて、細胞の種類がpositiveである29日間の実験データに基づき、細胞増殖のサンプルの計測値の推移を示す折れ線グラフ18bを生成する。コンピュータ1は、各細胞増殖のサンプルの種類に対応付けて、生成した折れ線グラフ18bを表示する。
【0105】
折れ線グラフ18bの横軸は、細胞増殖のサンプルの実験の日数を示し、縦軸は、細胞増殖のサンプルの計測値を示す。折れ線グラフ18bには、折れ線18b_1、折れ線18b_2、折れ線18b_3、折れ線18b_4及び折れ線18b_5が含まれる。
【0106】
折れ線18b_1は、細胞の種類がpositiveであり、且つ、細胞増殖のサンプルの種類が「Ctrl 1」である細胞増殖のサンプルの計測値の推移を示し、カラー、パターンまたはハイライト等で強調表示される。折れ線18b_2は、細胞の種類がpositiveであり、且つ、細胞増殖のサンプルの種類が「Ctrl 2」である細胞増殖のサンプルの計測値の推移を示し、カラー、パターンまたはハイライト等で強調表示される。
【0107】
折れ線18b_3は、細胞の種類がpositiveであり、且つ、細胞増殖のサンプルの種類が「Ctrl 3」である細胞増殖のサンプルの計測値の推移を示し、カラー、パターンまたはハイライト等で強調表示される。折れ線18b_4は、細胞の種類がpositiveであり、且つ、細胞増殖のサンプルの種類が「Mut 1」である細胞増殖のサンプルの計測値の推移を示し、カラー、パターンまたはハイライト等で強調表示される。
【0108】
折れ線18b_5は、細胞の種類がpositiveであり、且つ、細胞増殖のサンプルの種類が「Mut 2」である細胞増殖のサンプルの計測値の推移を示し、カラー、パターンまたはハイライト等で強調表示される。
【0109】
図23は、細胞増殖のサンプル毎に細胞増殖の効率(efficiency)の推移を示すグラフの一例を示す説明図である。コンピュータ1は、グラフのフォーマットに応じて、entireである細胞の種類及びpositiveである細胞の種類を含む29日間の実験データに基づき、細胞増殖のサンプルの種類毎に細胞増殖の効率の推移を示す折れ線グラフ18cを生成する。
【0110】
折れ線グラフ18cの横軸は、細胞増殖のサンプルの実験の日数を示し、縦軸は、positiveとentireとの計測値の割合(percent)を示す。折れ線グラフ18cには、折れ線18c_1、折れ線18c_2、折れ線18c_3、折れ線18c_4及び折れ線18c_5が含まれる。
【0111】
折れ線18c_1は、細胞増殖のサンプルの種類が「Ctrl 1」である効率の推移を示し、カラー、パターンまたはハイライト等で強調表示される。折れ線18c_2は、細胞増殖のサンプルの種類が「Ctrl 2」である効率の推移を示し、カラー、パターンまたはハイライト等で強調表示される。折れ線18c_3は、細胞増殖のサンプルの種類が「Ctrl 3」である効率の推移を示し、カラー、パターンまたはハイライト等で強調表示される。
【0112】
折れ線18c_4は、細胞増殖のサンプルの種類が「Mut 1」である効率の推移を示し、カラー、パターンまたはハイライト等で強調表示される。折れ線18c_5は、細胞増殖のサンプルの種類が「Mut 2」である効率の推移を示し、カラー、パターンまたはハイライト等で強調表示される。
【0113】
なお、上述したグラフの表現形式は限定されるものではない。実験データに応じて、任意の表現形式でのグラフを作成しても良い。
【0114】
図24は、実験データに基づきレポートを生成する際の処理手順を示すフローチャートである。コンピュータ1の制御部11は、実験データファイルを受け付けるための入力ボックス(フォルダ)を表示部15により表示する(ステップS101)。制御部11は、表示した入力ボックス内に、レポート作成者等によるレポートの対象となる複数の実験データファイルの選択を入力部14により受け付ける(ステップS102)。
【0115】
制御部11は、レポート作成者によるレポートのフォーマットの設定を入力部14により受け付ける(ステップS103)。レポートのフォーマットは、表紙、見出し、本文、表、グラフ及びデザイン等を含む。制御部11は、受け付けたレポートのフォーマットを大容量記憶部17のフォーマットDB172に記憶する(ステップS104)。具体的には、制御部11は、受け付けたレポートのフォーマットに対し、フォーマットIDを割り振る。制御部11は、割り振ったフォーマットIDに対応付けて、表紙、見出し、本文、表、グラフ及びデザインのフォーマットを一つのレコードとしてフォーマットDB172に記憶する。
【0116】
なお、ステップS103~S104の処理は必須ではなく、省略しても良い。
【0117】
制御部11は、受け付けたレポートのフォーマットに基づき、実験データファイル内の実験データに対し、当該実験データの表示位置または表示順序を調整するための整形処理を行う処理のサブルーチンを実行する(ステップS105)。なお、整形処理のサブルーチンに関しては後述する。
【0118】
制御部11は、受け付けたレポートのフォーマットに含まれるグラフのフォーマットに応じて、ステップS102の処理により受け付けられた実験データファイル内の実験データに基づき、統計処理を行うことによりグラフを生成する(ステップS106)。グラフは、例えば、細胞の種類別に細胞増殖のサンプル毎の計測値を示すグラフ、細胞増殖のサンプル毎の平均計測値を示すグラフ、または、細胞増殖のサンプル毎にpositiveとentireとの計測値の割合を示すグラフ等を含む。
【0119】
制御部11は、実験データファイル内のデータ及び生成したグラフに基づき、受け付けたフォーマットに従いレポートを生成する(ステップS107)。制御部11は、生成したレポートと、当該レポートに関連するグラフとを対応付けて大容量記憶部17のレポート管理DB171に記憶する(ステップS108)。具体的には、制御部11は、生成したレポートに対しレポートIDを割り振る。制御部11は、割り振ったレポートIDに対応付けて、レポートのファイル、レポートのフォーマットID、及び生成したグラフをレポート管理DB171に記憶する。
【0120】
制御部11は、表示部15を介して、生成したレポート、及び当該レポートに関連する統計処理結果ファイルを含む出力ファイルの一覧を所定の出力ボックス(フォルダ)に出力する(ステップS109)。なお、出力ボックスは、レポート作成者により指定されても良い。統計処理結果ファイルは、レポート内の表またはグラフ等の生成時に利用された統計ファイル、または、実験データファイル等を含む。制御部11は、処理を終了する。また、制御部11は、レポート、または統計処理結果ファイルのタッチ(クリック)操作を受け付けた場合、該当するファイルを読み込んで表示する。
【0121】
図25は、実験データに対し整形処理を行う処理のサブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。コンピュータ1の制御部11は、実験データファイルから、細胞の種類がpositiveである実験データ、及び細胞の種類がentireである実験データをそれぞれ抽出する(ステップS01)。制御部11は、整形用フォーマット(2次元の位置MAP、サンプル名称MAP、第1実験データMAP及び第2実験データMAP等)に基づき、抽出した実験データに対し、ウェルプレートの位置の表示順序を調整する(ステップS02)。
【0122】
制御部11は、調整した表示順序に基づき、ウェルプレートの表示位置を設定する(ステップS03)。制御部11は、当該整形用フォーマットに基づき、設定したウェルプレートの表示位置に対応付けて、細胞増殖のサンプルの名称(Ctrl 1/1、Ctrl 1/2またはCtrl 1/3等)を設定する(ステップS04)。
【0123】
制御部11は、細胞の種類がpositiveである実験データから、細胞増殖のサンプルの名称に対応する細胞増殖のサンプルの計測値を抽出する(ステップS05)。制御部11は、当該整形用フォーマットに基づき、細胞増殖のサンプルの名称に対応付けて、抽出した細胞の種類がpositiveである細胞増殖のサンプルの計測値を設定する(ステップS06)。
【0124】
制御部11は、細胞の種類がentireである実験データから、細胞増殖のサンプルの名称に対応する細胞増殖のサンプルの計測値を抽出する(ステップS07)。制御部11は、当該整形用フォーマットに基づき、細胞増殖のサンプルの名称に対応付けて、抽出した細胞の種類がentireである細胞増殖のサンプルの計測値を設定する(ステップS08)。制御部11は、実験データに対する整形処理のサブルーチンを終了してリターンする。
【0125】
本実施形態によると、レポートの対象となる実験データファイルに対し、統計処理を行うことによりグラフを生成することが可能となる。
【0126】
本実施形態によると、実験データファイル内のデータ及び生成されたグラフに基づき、予め定めたフォーマットに従いレポートを生成することが可能となる。
【0127】
本実施形態によると、レポートを自動的に生成することにより、統計処理のミスを排除し、業務の正確性を向上することが可能となる。
【0128】
本実施形態によると、レポートを自動的に生成することにより、業務の効率化を図ることが可能となる。
【0129】
(実施形態2)
実施形態2は、ユーザの提案したレポートのフォーマットをプラットフォーム上に公開する形態に関する。なお、実施形態1と重複する内容については説明を省略する。
【0130】
ユーザの提案したレポートのフォーマットをプラットフォーム上に公開することができる。プラットフォームは、レポートのフォーマットの公開及び管理等のサービスを提供するシステム等であっても良い。レポートのフォーマットは、表紙、見出し、デザイン、本文の項目またはレイアウト等を含む。表紙は、例えば、レポートの名称、レポート作成者、作成日付、実験オペレーター、またはレポートに対する説明等を含む。
【0131】
細胞増殖実験を一例とし、ユーザにより異なる細胞増殖実験のレポートのフォーマットを提案することができる。例えば、表紙に記述される項目、実験の日数(例えば、21日間)における細胞増殖のサンプルの計測値を示す表、または、グラフの種類(例えば、細胞増殖のサンプル毎の中央計測値を示すグラフ)等に対するユーザの設定に基づき、異なるレポートのフォーマットを作成しても良い。
【0132】
このように、研究員等のレポート作成者によるレポートの作成時に、プラットフォーム上に公開された、各ユーザの提案したレポートのフォーマットから、適切なレポートのフォーマットを選択することができる。
【0133】
具体的には、コンピュータ1は、ユーザの提案したレポートのフォーマットを受け付ける。なお、コンピュータ1は、ユーザの提案したレポートのフォーマットがフォーマットDB172に記憶された場合、フォーマットDB172から該当するレポートのフォーマットを取得しても良い。コンピュータ1は、受け付けたレポートのフォーマットをプラットフォームに送信することにより、当該プラットフォーム上に公開する。
【0134】
コンピュータ1は、レポートを生成した場合、プラットフォーム上に公開された複数のレポートのフォーマットから、レポート作成者による対象となるフォーマットの選択を受け付ける。コンピュータ1は、実験データファイル内のデータ及び生成したグラフに基づき、受け付けたフォーマットに従いレポートを生成する。
【0135】
図26は、レポートのフォーマットを公開する際の処理手順を示すフローチャートである。コンピュータ1の制御部11は、ユーザの提案したレポートのフォーマットを入力部14により受け付ける(ステップS111)。制御部11は、受け付けたレポートのフォーマットを通信部13によりプラットフォームに送信する(ステップS112)。
【0136】
プラットフォームは、コンピュータ1から送信されたレポートのフォーマットを受信する(ステップS211)。プラットフォームは、受信したレポートのフォーマットを記憶部に記憶する(ステップS212)。プラットフォームは、受信したレポートのフォーマットを公開に設定し(ステップS213)、処理を終了する。
【0137】
図27は、実施形態2における実験データに基づきレポートを生成する際の処理手順を示すフローチャートである。なお、図24と重複する内容については同一の符号を付して説明を省略する。コンピュータ1の制御部11は、プラットフォーム上に公開された複数のレポートのフォーマットを通信部13により取得する(ステップS121)。
【0138】
制御部11は、取得した複数のレポートのフォーマットを表示部15により表示する(ステップS122)。制御部11は、複数のレポートのフォーマットから、レポート作成者による対象となるフォーマットの選択を入力部14により受け付ける(ステップS123)。制御部11は、ステップS101の処理を実行する。
【0139】
本実施形態によると、ユーザの提案したレポートのフォーマットをプラットフォーム上に公開することが可能となる。
【0140】
本実施形態によると、プラットフォーム上に公開されたレポートのフォーマットに従いレポートを生成することが可能となる。
【0141】
なお、上述した各実施形態では、実験データに基づきレポートを生成した例を説明したが、実験データに限るものではない。実験データの他に、例えば、金融データ、財務データ、または市場分析データ等の統計処理用データにも同様に適用することができる。
【0142】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0143】
各実施形態に記載した事項は相互に組み合わせることが可能である。また、特許請求の範囲に記載した独立請求項及び従属請求項は、引用形式に関わらず全てのあらゆる組み合わせにおいて、相互に組み合わせることが可能である。さらに、特許請求の範囲には他の2以上のクレームを引用するクレームを記載する形式(マルチクレーム形式)を用いているが、これに限るものではない。
【符号の説明】
【0144】
1 情報処理装置(コンピュータ)
11 制御部
12 記憶部
13 通信部
14 入力部
15 表示部
16 読取部
17 大容量記憶部
171 レポート管理DB
172 フォーマットDB
1a 可搬型記憶媒体
1b 半導体メモリ
1P 制御プログラム
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