(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024014345
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】ウォーターサーバー
(51)【国際特許分類】
B67D 3/02 20060101AFI20240125BHJP
B67D 3/00 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
B67D3/02 A
B67D3/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022117107
(22)【出願日】2022-07-22
(71)【出願人】
【識別番号】316003276
【氏名又は名称】株式会社コスモライフ
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100127340
【弁理士】
【氏名又は名称】飛永 充啓
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(72)【発明者】
【氏名】荒川 眞吾
【テーマコード(参考)】
3E082
【Fターム(参考)】
3E082AA01
3E082BB01
3E082CC01
3E082EE01
3E082EE02
3E082FF09
(57)【要約】
【課題】冷水および温水の単位時間あたりの注出量を微調整することが容易なウォーターサーバーを提供する。
【解決手段】出水ダイヤル40と、出水ダイヤル40と一体に回動するカム部材41と、カム部材41の外周に対称に形成された冷水カム面46および温水カム面47と、冷水側てこレバー42と、温水側てこレバー43とを有し、冷水側てこレバー42のてこ支点48の近傍に冷水側弁棒30が連結され、温水側てこレバー43のてこ支点51の近傍に温水側弁棒34が連結されている。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体(1)と、
前記筐体(1)の内部に配置された冷水タンク(2)および温水タンク(3)と、
前記冷水タンク(2)から前記筐体(1)の外部に冷水を注出する冷水注出路(18)と、
前記冷水注出路(18)を閉鎖する閉弁位置と前記冷水注出路(18)を開放する開弁位置の間で移動可能に設けられた冷水側弁体(29)と、
前記冷水側弁体(29)と一体に移動するように前記冷水側弁体(29)に連結して設けられた冷水側弁棒(30)と、
前記温水タンク(3)から前記筐体(1)の外部に温水を注出する温水注出路(20)と、
前記温水注出路(20)を閉鎖する閉弁位置と前記温水注出路(20)を開放する開弁位置の間で移動可能に設けられた温水側弁体(33)と、
前記温水側弁体(33)と一体に移動するように前記温水側弁体(33)に連結して設けられた温水側弁棒(34)とを有するウォーターサーバーにおいて、
前記筐体(1)の前面側に配置され、前後方向に延びる回動軸(44)まわりに手動で回動操作される出水ダイヤル(40)と、
前記出水ダイヤル(40)と一体に回動するように前記出水ダイヤル(40)に連結して設けられたカム部材(41)と、
前記カム部材(41)の外周に対称に形成された冷水カム面(46)および温水カム面(47)と、
長手方向の一端がてこ支点(48)とされ、長手方向の他端が前記冷水カム面(46)に摺接して揺動する冷水側てこレバー(42)と、
長手方向の一端がてこ支点(51)とされ、長手方向の他端が前記温水カム面(47)に摺接して揺動する温水側てこレバー(43)と、を有し、
前記冷水側てこレバー(42)の前記てこ支点(48)の近傍に前記冷水側弁棒(30)が連結され、前記温水側てこレバー(43)の前記てこ支点(51)の近傍に前記温水側弁棒(34)が連結されていることを特徴とするウォーターサーバー。
【請求項2】
前記出水ダイヤル(40)は、前後方向に移動可能に支持され、
前記カム部材(41)は、前記出水ダイヤル(40)と一体に前後方向に移動するように前記出水ダイヤル(40)に連結されるとともに、前後方向の奥側に向けてオフセットスプリング(54)で付勢され、
前記カム部材(41)が前記オフセットスプリング(54)の付勢力に従って前後方向の奥側に移動した状態では、前記温水カム面(47)の前後方向の位置と前記温水側てこレバー(43)の前後方向の位置とがずれることで、前記温水カム面(47)が前記温水側てこレバー(43)に摺接しないオフセット状態となり、一方、前記カム部材(41)がオフセットスプリング(54)の付勢力に抗して前後方向の手前側に移動した状態では、前記温水カム面(47)の前後方向の位置と前記温水側てこレバー(43)の前後方向の位置とが合致することで、前記温水カム面(47)が前記温水側てこレバー(43)に摺接する非オフセット状態となる請求項1に記載のウォーターサーバー。
【請求項3】
前記出水ダイヤル(40)は、前後方向に移動可能に支持され、
前記カム部材(41)は、前記出水ダイヤル(40)と一体に前後方向に移動するように前記出水ダイヤル(40)に連結されるとともに、前後方向の奥側に向けてオフセットスプリング(54)で付勢され、
前記出水ダイヤル(40)と前記カム部材(41)の間に、垂直なハウジング壁(45)が設けられ、
前記出水ダイヤル(40)の前記ハウジング壁(45)と対向する部分には、前記出水ダイヤル(40)が前記オフセットスプリング(54)の付勢力に従って前後方向の奥側に移動した状態では、前記ハウジング壁(45)に形成されたロック穴(56)に係合して前記出水ダイヤル(40)の回動を制限し、一方、前記出水ダイヤル(40)が前記オフセットスプリング(54)の付勢力に抗して前後方向の手前側に移動した状態では、前記ロック穴(56)から抜け出して前記出水ダイヤル(40)の回動を許容するロック爪(55)が設けられている請求項1または2に記載のウォーターサーバー。
【請求項4】
前記ロック爪(55)は、前記出水ダイヤル(40)の外周に開口するボタン収容孔(57)に前記出水ダイヤル(40)の径方向に移動可能に収容して設けたロック解除ボタン(58)に一体に形成され、
前記ロック解除ボタン(58)は、前記出水ダイヤル(40)の径方向外方にボタン付勢ばね(59)で付勢され、
前記ロック爪(55)には、前記ハウジング壁(45)の前後方向の奥側の面に係合するように前記出水ダイヤル(40)の径方向外方に突出する鍵部(60)が形成されている請求項3に記載のウォーターサーバー。
【請求項5】
前記ロック解除ボタン(58)および前記ロック爪(55)は、前記出水ダイヤル(40)の回動中心を間に挟んで互いに180°反対の位置関係となるようにそれぞれ一対設けられている請求項4に記載のウォーターサーバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ウォーターサーバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、主にオフィスや病院などでウォーターサーバーが利用されてきたが、近年、水の安全や健康への関心の高まりから、一般家庭にもウォーターサーバーが普及しつつある。ウォーターサーバーは、一般に、筐体と、筐体の内部に配置された冷水タンクおよび温水タンクと、冷水タンクから筐体の外部に冷水を注出する冷水注出路と、冷水注出路に設けられた冷水開閉弁と、温水タンクから筐体の外部に温水を注出する温水注出路と、温水注出路に設けられた温水開閉弁とを有する。そして、冷水開閉弁と温水開閉弁を選択的に開弁することで、いつでもすぐに美味しい冷水または温水を利用することができ、優れた利便性をもつ(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の発明者は、特許文献1のウォーターサーバーで冷水を注出するときに冷水開閉弁の開弁量を微調整したり、温水を注出するときに温水開閉弁の開弁量を微調整したりすることが難しいという課題に着眼した。
【0005】
すなわち、特許文献1のウォーターサーバーでは、冷水開閉弁が、冷水注出路を閉鎖する閉弁位置と冷水注出路を開放する開弁位置の間で移動可能に設けられた冷水側弁体と、冷水側弁体と一体に移動するように冷水側弁体に連結して設けられた冷水側弁棒と、冷水側弁棒に連結された冷水側てこレバーとで構成されている。冷水側てこレバーは、その長手方向の上端がてこ支点とされ、長手方向の下端が前後方向に揺動可能となっており、冷水を受け入れるカップ等で、冷水側てこレバーの下端を前後方向の奥側に押し動かすことで、冷水を注出することが可能となっている。
【0006】
同様に、特許文献1のウォーターサーバーでは、温水開閉弁が、温水注出路を閉鎖する閉弁位置と温水注出路を開放する開弁位置の間で移動可能に設けられた温水側弁体と、温水側弁体と一体に移動するように温水側弁体に連結して設けられた温水側弁棒と、温水側弁棒に連結された温水側てこレバーとで構成されている。温水側てこレバーは、その長手方向の上端がてこ支点とされ、長手方向の下端が前後方向に揺動可能となっており、温水を受け入れるカップ等で、温水側てこレバーの下端を前後方向の奥側に押し動かすことで、温水を注出することが可能となっている。
【0007】
ここで、冷水を受け入れるカップ等で、冷水側てこレバーの下端を前後方向の奥側に押し動かすとき、ユーザーから見て冷水側てこレバーがカップ等で隠れる位置関係となるため、冷水側てこレバーの操作量を視認することが難しい。そのため、冷水側てこレバーの操作で、冷水開閉弁を全閉から全開に切り替えることは容易であるが、冷水開閉弁の開弁量を微調整することは難しく、冷水の単位時間あたりの注出量を微調整することが難しかった。
【0008】
同様に、温水を受け入れるカップ等で、温水側てこレバーの下端を前後方向の奥側に押し動かすとき、ユーザーから見て温水側てこレバーがカップ等で隠れる位置関係となるため、温水側てこレバーの操作量を視認することが難しい。そのため、温水側てこレバーの操作で、温水開閉弁を全閉から全開に切り替えることは容易であるが、例えば、温水でコーヒーを淹れるときに、温水開閉弁の開弁量を微調整することが難しく、温水の単位時間あたりの注出量を微調整することが難しかった。
【0009】
この発明が解決しようとする課題は、冷水および温水の単位時間あたりの注出量を微調整することが容易なウォーターサーバーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、この発明では、以下の構成のウォーターサーバーを提供する。
[構成1]
筐体と、
前記筐体の内部に配置された冷水タンクおよび温水タンクと、
前記冷水タンクから前記筐体の外部に冷水を注出する冷水注出路と、
前記冷水注出路を閉鎖する閉弁位置と前記冷水注出路を開放する開弁位置の間で移動可能に設けられた冷水側弁体と、
前記冷水側弁体と一体に移動するように前記冷水側弁体に連結して設けられた冷水側弁棒と、
前記温水タンクから前記筐体の外部に温水を注出する温水注出路と、
前記温水注出路を閉鎖する閉弁位置と前記温水注出路を開放する開弁位置の間で移動可能に設けられた温水側弁体と、
前記温水側弁体と一体に移動するように前記温水側弁体に連結して設けられた温水側弁棒とを有するウォーターサーバーにおいて、
前記筐体の前面側に配置され、前後方向に延びる回動軸まわりに手動で回動操作される出水ダイヤルと、
前記出水ダイヤルと一体に回動するように前記出水ダイヤルに連結して設けられたカム部材と、
前記カム部材の外周に対称に形成された冷水カム面および温水カム面と、
長手方向の一端がてこ支点とされ、長手方向の他端が前記冷水カム面に摺接して揺動する冷水側てこレバーと、
長手方向の一端がてこ支点とされ、長手方向の他端が前記温水カム面に摺接して揺動する温水側てこレバーと、を有し、
前記冷水側てこレバーの前記てこ支点の近傍に前記冷水側弁棒が連結され、前記温水側てこレバーの前記てこ支点の近傍に前記温水側弁棒が連結されていることを特徴とするウォーターサーバー。
【0011】
この構成を採用すると、筐体の前面側に出水ダイヤルが配置され、その出水ダイヤルを、前後方向に延びる回動軸まわりに手動で回動操作することで、冷水および温水を注出するので、冷水または温水を注出するときに、出水ダイヤルの回動操作量を視認しながら注出をすることができる。そのため、冷水開閉弁および温水開閉弁の開弁量を微調整することが容易であり、冷水および温水の単位時間あたりの注出量を微調整することが容易である。また、冷水を注出するための操作部材と、温水を注出するための操作部材とが、共通の出水ダイヤルなので、筐体の前面側の外観がシンプルとなり、すっきりとした美観を得ることが可能となる。
【0012】
[構成2]
前記出水ダイヤルは、前後方向に移動可能に支持され、
前記カム部材は、前記出水ダイヤルと一体に前後方向に移動するように前記出水ダイヤルに連結されるとともに、前後方向の奥側に向けてオフセットスプリングで付勢され、
前記カム部材が前記オフセットスプリングの付勢力に従って前後方向の奥側に移動した状態では、前記温水カム面の前後方向の位置と前記温水側てこレバーの前後方向の位置とがずれることで、前記温水カム面が前記温水側てこレバーに摺接しないオフセット状態となり、一方、前記カム部材がオフセットスプリングの付勢力に抗して前後方向の手前側に移動した状態では、前記温水カム面の前後方向の位置と前記温水側てこレバーの前後方向の位置とが合致することで、前記温水カム面が前記温水側てこレバーに摺接する非オフセット状態となる構成1に記載のウォーターサーバー。
【0013】
この構成を採用すると、幼児が操作して温水を注出する事態を、効果的に防止することが可能となる。すなわち、上記構成を採用した場合、温水を注出するには、手でつまんだ出水ダイヤルをオフセットスプリングの付勢力に抗して手前側に引き出すことでオフセット状態から非オフセット状態に切り替え、その出水ダイヤルをオフセットスプリングの付勢力に抗して手前側に引っ張りながら回動させる必要がある。一方、握力の弱い幼児にとって、手でつまんだ出水ダイヤルを、オフセットスプリングの付勢力に抗して手前側に引っ張りながら回動させる操作は、容易でない。さらに、出水ダイヤルを手前側に引き出す操作は、その動きが小さいため、幼児が見ても分かりにくく、幼児に真似されにくい。そのため、幼児が操作して温水を注出する事態を、効果的に防止することが可能である。
【0014】
[構成3]
前記出水ダイヤルは、前後方向に移動可能に支持され、
前記カム部材は、前記出水ダイヤルと一体に前後方向に移動するように前記出水ダイヤルに連結されるとともに、前後方向の奥側に向けてオフセットスプリングで付勢され、
前記出水ダイヤルと前記カム部材の間に、垂直なハウジング壁が設けられ、
前記出水ダイヤルの前記ハウジング壁と対向する部分には、前記出水ダイヤルが前記オフセットスプリングの付勢力に従って前後方向の奥側に移動した状態では、前記ハウジング壁に形成されたロック穴に係合して前記出水ダイヤルの回動を制限し、一方、前記出水ダイヤルが前記オフセットスプリングの付勢力に抗して前後方向の手前側に移動した状態では、前記ロック穴から抜け出して前記出水ダイヤルの回動を許容するロック爪が設けられている構成1または2に記載のウォーターサーバー。
【0015】
この構成を採用すると、幼児が操作して温水を注出する事態を、効果的に防止することが可能となる。すなわち、上記構成を採用した場合、温水を注出するには、手でつまんだ出水ダイヤルをオフセットスプリングの付勢力に抗して手前側に引き出すことで、ロック爪をハウジング壁のロック穴から抜き出し、その出水ダイヤルをオフセットスプリングの付勢力に抗して手前側に引っ張りながら回動させる必要がある。一方、握力の弱い幼児にとって、手でつまんだ出水ダイヤルを、オフセットスプリングの付勢力に抗して手前側に引っ張りながら回動させる操作は、容易でない。さらに、出水ダイヤルを手前側に引き出す操作は、その動きが小さいため、幼児が見ても分かりにくく、幼児に真似されにくい。そのため、幼児が操作して温水を注出する事態を、効果的に防止することが可能である。
【0016】
[構成4]
前記ロック爪は、前記出水ダイヤルの外周に開口するボタン収容孔に前記出水ダイヤルの径方向に移動可能に収容して設けたロック解除ボタンに一体に形成され、
前記ロック解除ボタンは、前記出水ダイヤルの径方向外方にボタン付勢ばねで付勢され、
前記ロック爪には、前記ハウジング壁の前後方向の奥側の面に係合するように前記出水ダイヤルの径方向外方に突出する鍵部が形成されている構成3に記載のウォーターサーバー。
【0017】
この構成を採用すると、ロック爪に形成された径方向外方に突出する鍵部が、ハウジング壁の前後方向の奥側の面に係合しているので、単に出水ダイヤルをつまんで前後方向の手前側に引っ張っただけでは、出水ダイヤルを手前側に引き出すことができない。ここで、出水ダイヤルを前後方向の手前側に引き出すには、出水ダイヤルを手でつまむときに、出水ダイヤルの外周に開口するボタン収容孔に収容されたロック解除ボタンを、ボタン付勢ばねの付勢力に抗して径方向内方に押し込むことで、ロック爪を径方向内方に移動させる必要がある。そのため、幼児が操作して温水を注出する事態を、特に効果的に防止することが可能となる。
【0018】
[構成5]
前記ロック解除ボタンおよび前記ロック爪は、前記出水ダイヤルの回動中心を間に挟んで互いに180°反対の位置関係となるようにそれぞれ一対設けられている構成4に記載のウォーターサーバー。
【0019】
この構成を採用すると、一対のロック解除ボタンを同時に径方向内方に押し込まないと、出水ダイヤルを手前側に引き出すことができない。そのため、幼児が操作して温水を注出する事態を、特に効果的に防止することが可能となる。
【発明の効果】
【0020】
この発明のウォーターサーバーは、筐体の前面側に出水ダイヤルが配置され、その出水ダイヤルを、前後方向に延びる回動軸まわりに手動で回動操作することで、冷水および温水を注出するので、冷水または温水を注出するときに、出水ダイヤルの回動操作量を視認しながら注出をすることができる。そのため、冷水開閉弁および温水開閉弁の開弁量を微調整することが容易であり、冷水および温水の単位時間あたりの注出量を微調整することが容易である。また、冷水を注出するための操作部材と、温水を注出するための操作部材とが、共通の出水ダイヤルなので、筐体の前面側の外観がシンプルとなり、すっきりとした美観を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】この発明の実施形態のウォーターサーバーを左側から見た断面図
【
図2】
図1のウォーターサーバーを前側から見た正面図
【
図8】
図4のロック解除ボタンを押し込んだ状態を示す出水ダイヤルの近傍の拡大断面図
【
図10】
図4のロック解除ボタンを押し込んだ後、出水ダイヤルを前後方向の手前側に引き出した状態を示す断面図
【
図11】
図7に示す出水ダイヤルを反時計回りに回動して冷水開閉弁を開弁した状態を示す部分断面図
【
図12】
図7に示す出水ダイヤルを時計回りに回動して温水開閉弁を開弁した状態を示す部分断面図
【
図13】
図8、
図9に示す出水ダイヤルの一対のロック解除ボタンのうち、一方のロック解除ボタンの近傍の分解斜視図
【
図14】
図8、
図9に示す出水ダイヤルの一対のロック解除ボタンのうち、他方のロック解除ボタンの近傍の分解斜視図
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1、
図2に、この発明の実施形態のウォーターサーバーを示す。このウォーターサーバーは、筐体1と、筐体1の内部に配置された冷水タンク2および温水タンク3と、筐体1の前面側に設けられた出水操作部4と、出水操作部4の操作に応じて冷水と温水とを選択的に出水する出水口5とを有する。
【0023】
図1に示すように、筐体1は、左右に対向する一対の側板6(
図2参照)と、一対の側板6の上端に固定された天板7と、一対の側板6の下端に固定された底板8と、一対の側板6の前端同士を連結する前面パネル9と、一対の側板6の後端同士を連結する背面板10と、筐体1の内部を上下に仕切るように一対の側板6に水平に固定されたタンク固定板11と、タンク固定板11の前端に沿って鉛直に固定された出水操作部取り付け板12とを有する。
【0024】
タンク固定板11には、冷水タンク2および温水タンク3が固定して取り付けられている。出水操作部取り付け板12には、出水操作部4が取り付けられている。タンク固定板11と出水操作部取り付け板12は、両者を別体に形成し、それを互いに接続固定するようにしてもよく、単一の板部材を折り曲げることで両者を一体に形成してもよい。
【0025】
前面パネル9と底板8の間には、筐体1の前面下部を開閉する前面扉13が取り付けられ、この前面扉13を開閉することで、筐体1の下部に収容された水ボトル14の交換作業をすることが可能となっている。
【0026】
筐体1の内部には、水ボトル14から冷水タンク2および温水タンク3に飲料水を汲み上げるポンプ15が組み込まれている。水ボトル14と冷水タンク2の間は、ポンプ15を介して原水汲み上げ管(図示せず)で接続されている。
【0027】
冷水タンク2には、水ボトル14から導入した飲料水を冷却する冷却装置16が取り付けられている。冷水タンク2に収容した冷水は、冷却装置16で所定の低温(例えば10℃以下)に保たれている。
【0028】
温水タンク3には、水ボトル14から導入した飲料水を加熱する加熱装置17が取り付けられている。温水タンク3内に収容した温水は、加熱装置17で所定の高温(例えば80℃以上)に保たれている。
【0029】
図5、
図7に示すように、このウォーターサーバーは、冷水タンク2(
図1参照)から筐体1の外部に冷水を注出する冷水注出路18と、冷水注出路18に設けられた冷水開閉弁19と、温水タンク3(
図1参照)から筐体1の外部に温水を注出する温水注出路20と、温水注出路20に設けられた温水開閉弁21とを有する。冷水注出路18と温水注出路20は合流部22で合流し、その合流部22から下方に延びて共通の出水口5(
図7参照)に開放している。冷水注出路18と温水注出路20は、合流させずにそれぞれ下方に延びて開放するように設けることも可能である。
【0030】
図5に示すように、冷水注出路18は、合流部22の直前に水平に延びて合流部22に接続する冷水水平流路23と、合流部22から下方に延びる出水流路24と、冷水タンク2(
図1参照)から延び出して冷水水平流路23に接続する冷水タンク接続流路25とで構成されている。冷水タンク接続流路25の冷水水平流路23に対する接続部分は、その流路方向が前後方向(図の上下方向)となるように設けられている。冷水水平流路23は、その流路方向が左右方向となるように設けられている。出水流路24は、その流路方向が上下方向となるように設けられている。
【0031】
同様に、温水注出路20は、合流部22の直前に水平に延びて合流部22に接続する温水水平流路26と、合流部22から下方に延びる出水流路24と、温水タンク3(
図1参照)から延び出して温水水平流路26に接続する温水タンク接続流路27とで構成されている。温水タンク接続流路27の温水水平流路26に対する接続部分は、その流路方向が前後方向(図の上下方向)となるように設けられている。温水水平流路26は、その流路方向が左右方向となるように設けられている。温水水平流路26は、冷水水平流路23に対して合流部22を間に挟んで左右方向の反対側に配置されている。
【0032】
冷水開閉弁19は、冷水水平流路23を囲む環状の冷水側弁座28と、冷水側弁座28に着座して冷水水平流路23を閉鎖する閉弁位置(
図7に示す位置)と冷水側弁座28から離反して冷水水平流路23を開放する開弁位置(
図11に示す位置)との間で水平に移動可能に設けられた冷水側弁体29と、冷水側弁体29と一体に水平に移動するように冷水側弁体29に連結して設けられた冷水側弁棒30と、冷水側弁体29を開弁位置から閉弁位置に向けて移動させるように冷水側弁棒30を付勢する冷水側バルブスプリング31とを有する。
【0033】
同様に、温水開閉弁21は、温水水平流路26を囲む環状の温水側弁座32と、温水側弁座32に着座して温水水平流路26を閉鎖する閉弁位置(
図7に示す位置)と温水側弁座32から離反して温水水平流路26を開放する開弁位置(
図12に示す位置)との間で水平に移動可能に設けられた温水側弁体33と、温水側弁体33と一体に水平に移動するように温水側弁体33に連結して設けられた温水側弁棒34と、温水側弁体33を開弁位置から閉弁位置に向けて移動させるように温水側弁棒34を付勢する温水側バルブスプリング35とを有する。
【0034】
冷水側弁体29と温水側弁体33は、合流部22を間に挟んで左右に対向配置され、冷水側弁体29と温水側弁体33は、左右方向のうち、合流部22に近づく方向が閉弁方向となり、合流部22から遠ざかる方向が開弁方向となるように配置されている。
【0035】
図7に示すように、出水操作部4は、手動で回動操作される出水ダイヤル40(
図3参照)と、出水ダイヤル40と一体に回動するように出水ダイヤル40に連結されたカム部材41と、カム部材41の一方向の回動(ここでは反時計回りの回動)を冷水側弁棒30の水平移動に変換して伝達する冷水側てこレバー42と、カム部材41の他方向の回動(ここでは時計回りの回動)を温水側弁棒34の水平移動に変換して伝達する温水側てこレバー43とを有する。
【0036】
図2に示すように、出水ダイヤル40は、筐体1の前面側に配置された円筒状のつまみである。
図4に示すように、出水ダイヤル40には、出水ダイヤル40と一体に回動するように回動軸44が固定して設けられ、その回動軸44が、出水ダイヤル40とカム部材41の間に設けた垂直なハウジング壁45で回動可能に支持されている。回動軸44は、前後方向(図では上下方向)に延びる軸体である。
【0037】
図7に示すように、カム部材41の外周には、冷水カム面46および温水カム面47とが左右対称に形成されている。冷水カム面46は、出水ダイヤル40の回動中心からの距離が出水ダイヤル40の下端から回動方向の一方(図では時計回り方向)に向かって次第に大きくなる面であり、例えば、出水ダイヤル40の回動中心から上方に偏心した位置に中心をもつ円筒面である。温水カム面47は、出水ダイヤル40の回動中心からの距離が出水ダイヤル40の下端から回動方向の他方(図では反時計回り方向)に向かって次第に大きくなる面であり、例えば、出水ダイヤル40の回動中心から上方に偏心した位置に中心をもつ円筒面である。
【0038】
冷水側てこレバー42は、長手方向の下端をてこ支点48とし、長手方向の上端を冷水カム面46に摺接して左右に揺動する揺動端部49とするように上下に延びる部材である。冷水側てこレバー42のてこ支点48の近傍(揺動端部49とてこ支点48の間のてこ支点48寄りの位置)には、冷水側連結ピン50が設けられ、この冷水側連結ピン50を介して冷水側てこレバー42に冷水側弁棒30が連結されている。
【0039】
温水側てこレバー43は、長手方向の下端をてこ支点51とし、長手方向の上端を温水カム面47に摺接して左右に揺動する揺動端部52とするように上下に延びる部材である。温水側てこレバー43のてこ支点51の近傍(揺動端部52とてこ支点51の間のてこ支点51寄りの位置)には、温水側連結ピン53が設けられ、この温水側連結ピン53を介して温水側てこレバー43に温水側弁棒34が連結されている。
【0040】
図4、
図10に示すように、出水ダイヤル40は、ハウジング壁45に対して前後方向に移動可能に支持され、その出水ダイヤル40と一体に前後方向に移動するように、カム部材41が回動軸44を介して出水ダイヤル40に連結されている。また、カム部材41は、前後方向の奥側に向けてオフセットスプリング54で付勢され、カム部材41に連結された出水ダイヤル40も、カム部材41を介してオフセットスプリング54で前後方向の奥側に向けて付勢されている。ここでは、カム部材41を直接付勢するようにオフセットスプリング54を組み込んだが、出水ダイヤル40とハウジング壁45の間にオフセットスプリング54を組み込み、そのオフセットスプリング54で出水ダイヤル40を前後方向の奥側に向けて付勢し、その出水ダイヤル40を介してカム部材41を付勢するようにすることも可能である。
【0041】
ここで、
図4、
図6に示すように、カム部材41が、オフセットスプリング54の付勢力に従って前後方向の奥側に移動した状態では、
図4に示すように、冷水カム面46および温水カム面47の前後方向の位置と、冷水側てこレバー42および温水側てこレバー43の前後方向の位置とがずれたオフセット状態となる。このオフセット状態では、カム部材41が回動しても、カム部材41の外周の冷水カム面46および温水カム面47は、冷水側てこレバー42の揺動端部49および温水側てこレバー43の揺動端部52に摺接せず、冷水開閉弁19および温水開閉弁21はいずれも開弁しない。
【0042】
一方、
図10に示すように、カム部材41がオフセットスプリング54の付勢力に抗して前後方向の手前側に移動した状態では、冷水カム面46および温水カム面47の前後方向の位置と、冷水側てこレバー42および温水側てこレバー43の前後方向の位置とが合致する非オフセット状態となる。この非オフセット状態では、カム部材41が回動したときに、カム部材41の外周の冷水カム面46および温水カム面47が、冷水側てこレバー42の揺動端部49および温水側てこレバー43の揺動端部52に摺接し、冷水開閉弁19および温水開閉弁21の開弁操作が可能となる。
【0043】
また、
図4に示すように、出水ダイヤル40のハウジング壁45と対向する部分には、ハウジング壁45に向かって突出するロック爪55が設けられている。また、ハウジング壁45には、ロック爪55が挿入されるロック穴56が形成されている。
図8、
図9、
図13、
図14に示すように、ロック爪55は、出水ダイヤル40の外周に開口するボタン収容孔57に出水ダイヤル40の径方向に移動可能に収容されたロック解除ボタン58に一体に形成されている。ロック解除ボタン58およびロック爪55は、出水ダイヤル40の回動中心を間に挟んで互いに180°反対の位置関係となるようにそれぞれ一対設けられている。ロック解除ボタン58は、出水ダイヤル40に設けたボタン付勢ばね59で出水ダイヤル40の径方向外方に付勢されている。
【0044】
図4に示すように、ロック爪55には、ロック解除ボタン58がボタン付勢ばね59の付勢力に従って径方向外方に移動した状態で、ハウジング壁45の前後方向の奥側の面(ロック穴56の縁)に係合するように出水ダイヤル40の径方向外方に突出する鍵部60が形成されている。また、鍵部60は、
図8に示すように、ロック解除ボタン58をボタン付勢ばね59の付勢力に抗して径方向内方に押し込むと、ハウジング壁45の前後方向の奥側の面(ロック穴56の縁)に対する鍵部60の係合が解除されるようになっている。
【0045】
図4に示すように、ロック爪55は、出水ダイヤル40がオフセットスプリング54の付勢力に従って前後方向の奥側に移動した状態では、ハウジング壁45に形成されたロック穴56に係合して出水ダイヤル40の回動を制限し、一方、
図10に示すように、出水ダイヤル40がオフセットスプリング54の付勢力に抗して前後方向の手前側に移動した状態では、ロック穴56から抜け出して出水ダイヤル40の回動を許容する前後方向の長さを有する。
【0046】
図8に示すように、鍵部60の前後方向の奥側(図では上側)の径方向外端には、前後方向の手前側から奥側に向かうにしたがって径方向内側に変位するように傾斜した爪側傾斜面61が設けられている。また、ロック穴56の前後方向の手前側(図では下側)の開口縁の径方向外側の部分には、前後方向の手前側から奥側に向かうにしたがって径方向内側に変位するように傾斜した穴側傾斜面62が設けられている。
【0047】
このウォーターサーバーで冷水を注出する操作例を説明する。まず、
図3に示す出水ダイヤル40を手でつまむ。このとき、
図8、
図9に示すように、出水ダイヤル40の外周に位置するロック解除ボタン58を、ボタン付勢ばね59の付勢力に抗して径方向内方に押し込むことで、ロック爪55を径方向内方に移動させる。次に、
図10に示すように、ロック解除ボタン58を径方向内方に押し込んだ状態のまま、出水ダイヤル40を、オフセットスプリング54の付勢力に抗して前後方向の手前側に引き出し、ロック爪55をロック穴56から抜き出すとともに、冷水カム面46の前後方向の位置と冷水側てこレバー42の前後方向の位置とを合致させる。続けて、出水ダイヤル40をオフセットスプリング54の付勢力に抗して手前側に引き出した状態のまま、
図11に示すように、出水ダイヤル40を一方向(反時計回り)に手動で回動させると、出水ダイヤル40と一体にカム部材41が回動し、そのカム部材41の外周の冷水カム面46が、冷水側てこレバー42の揺動端部49を押し動かす。このとき、てこの原理により、冷水側てこレバー42に冷水側連結ピン50を介して連結された冷水側弁棒30が冷水側バルブスプリング31の付勢力に抗して開弁方向に動かされ、冷水側弁体29が冷水側弁座28から離反し、冷水開閉弁19が開弁する。冷水開閉弁19が開弁すると、冷水タンク2(
図1参照)内の冷水が、冷水注出路18を通って出水口5から注出される。その後、ユーザーが出水ダイヤル40から手を離すと、冷水側バルブスプリング31の付勢力により、冷水側弁体29が冷水側弁座28に着座し、冷水開閉弁19が閉弁し、冷水の注出が停止する。このとき、出水ダイヤル40は、冷水側バルブスプリング31から冷水側弁棒30と冷水側連結ピン50と冷水側てこレバー42とカム部材41とを順に介して伝達する力により逆方向(時計回り)に回動し、さらに、
図4に示すように、出水ダイヤル40およびカム部材41が、オフセットスプリング54の付勢力によって前後方向の奥側に移動する。ここで、出水ダイヤル40がオフセットスプリング54の付勢力によって前後方向の奥側に引き込まれる際、
図8に示すロック爪55の爪側傾斜面61がロック穴56の穴側傾斜面62を摺動することで、ロック爪55がボタン付勢ばね59の付勢力に抗して径方向内方に移動し、鍵部60がロック穴56を通過する。その後、ロック爪55がボタン付勢ばね59の付勢力によって径方向外方に移動し、鍵部60が、ロック穴56の前後方向の奥側(図では上側)の開口縁の径方向外側の部分に係合する。
【0048】
温水を注出するときも同様に、まず、
図3に示す出水ダイヤル40を手でつまむ。このとき、
図8、
図9に示すように、出水ダイヤル40の外周に位置するロック解除ボタン58を、ボタン付勢ばね59の付勢力に抗して径方向内方に押し込むことで、ロック爪55を径方向内方に移動させる。次に、
図10に示すように、ロック解除ボタン58を径方向内方に押し込んだ状態のまま、出水ダイヤル40を、オフセットスプリング54の付勢力に抗して前後方向の手前側に引き出し、ロック爪55をロック穴56から抜き出すとともに、温水カム面47の前後方向の位置と温水側てこレバー43の前後方向の位置とを合致させる。続けて、出水ダイヤル40をオフセットスプリング54の付勢力に抗して手前側に引き出した状態のまま、
図12に示すように、出水ダイヤル40を他方向(時計回り)に手動で回動させると、出水ダイヤル40と一体にカム部材41が回動し、そのカム部材41の外周の温水カム面47が、温水側てこレバー43の揺動端部52を押し動かす。このとき、てこの原理により、温水側てこレバー43に温水側連結ピン53を介して連結された温水側弁棒34が温水側バルブスプリング35の付勢力に抗して開弁方向に動かされ、温水側弁体33が温水側弁座32から離反し、温水開閉弁21が開弁する。温水開閉弁21が開弁すると、温水タンク3(
図1参照)内の温水が、温水注出路20を通って出水口5から注出される。その後、ユーザーが出水ダイヤル40から手を離すと、温水側バルブスプリング35の付勢力により、温水側弁体33が温水側弁座32に着座し、温水開閉弁21が閉弁し、温水の注出が停止する。このとき、出水ダイヤル40は、温水側バルブスプリング35から温水側弁棒34と温水側連結ピン53と温水側てこレバー43とカム部材41とを順に介して伝達する力により逆方向(反時計回り)に回動し、さらに、
図4に示すように、出水ダイヤル40およびカム部材41が、オフセットスプリング54の付勢力によって前後方向の奥側に移動する。このとき、冷水を注出するときと同様、
図8に示すロック爪55の爪側傾斜面61がロック穴56の穴側傾斜面62を摺動することで、ロック爪55がボタン付勢ばね59の付勢力に抗して径方向内方に移動し、鍵部60がロック穴56を通過する。その後、ロック爪55がボタン付勢ばね59の付勢力によって径方向外方に移動し、鍵部60が、ロック穴56の前後方向の奥側(図では上側)の開口縁の径方向外側の部分に係合する。
【0049】
このウォーターサーバーは、
図2に示すように、筐体1の前面側に出水ダイヤル40が配置され、その出水ダイヤル40を、前後方向に延びる回動軸44まわりに手動で回動操作することで、冷水および温水を注出するので、冷水または温水を注出するときに、出水ダイヤル40の回動操作量を視認しながら注出をすることができる。そのため、
図7に示す冷水開閉弁19および温水開閉弁21の開弁量を微調整することが容易であり、冷水および温水の単位時間あたりの注出量を微調整することが容易である。
【0050】
また、このウォーターサーバーは、
図2に示すように、冷水を注出するための操作部材と、温水を注出するための操作部材とが、共通の出水ダイヤル40なので、筐体1の前面側の外観がシンプルであり、すっきりとした美観を得ることができる。
【0051】
また、このウォーターサーバーにおいて、温水を注出するには、
図4、
図10に示すように、手でつまんだ出水ダイヤル40をオフセットスプリング54の付勢力に抗して手前側に引き出すことで、ロック爪55をロック穴56から抜き出すとともに、温水カム面47の前後方向の位置と温水側てこレバー43の前後方向の位置とを合致させ、その出水ダイヤル40をオフセットスプリング54の付勢力に抗して手前側に引っ張りながら回動させる必要がある。一方、握力の弱い幼児にとって、手でつまんだ出水ダイヤル40を、オフセットスプリング54の付勢力に抗して手前側に引っ張りながら回動させる操作は、容易でない。さらに、出水ダイヤル40を手前側に引き出す操作は、その動きが小さいため、幼児が見ても分かりにくく、幼児に真似されにくい。そのため、このウォーターサーバーは、幼児が操作して温水を注出する事態を、効果的に防止することが可能である。
【0052】
また、このウォーターサーバーは、
図4に示すように、ロック爪55に形成された径方向外方に突出する鍵部60が、ハウジング壁45の前後方向の奥側の面に係合しているので、単に出水ダイヤル40をつまんで前後方向の手前側に引っ張っただけでは、出水ダイヤル40を手前側に引き出すことができない。ここで、出水ダイヤル40を前後方向の手前側に引き出すには、
図8、
図9に示すように、出水ダイヤル40を手でつまむときに、出水ダイヤル40の外周に開口するボタン収容孔57に収容されたロック解除ボタン58を、ボタン付勢ばね59の付勢力に抗して径方向内方に押し込むことで、ロック爪55を径方向内方に移動させる必要がある。そのため、幼児が操作して温水を注出する事態を、特に効果的に防止することが可能である。
【0053】
また、このウォーターサーバーは、
図9に示すように、一対のロック解除ボタン58を同時に径方向内方に押し込まないと、出水ダイヤル40を手前側に引き出すことができない。そのため、幼児が操作して温水を注出する事態を、特に効果的に防止することが可能である。
【0054】
上記実施形態では、筐体1の下部に交換式の水ボトル14を設置するタイプのウォーターサーバーを例に挙げて説明したが、この発明は、筐体1の上部(例えば、天板7の上面)に交換式の水ボトル14を設置するタイプのウォーターサーバーに同様に適用することも可能である。さらに、この発明は、交換式の水ボトル14に代えて、家庭の水道水を収容する原水タンクを有し、その原水タンクの水を筐体1の内部に配置した浄水カートリッジで濾過し、その濾過後の浄水を冷水タンク2および温水タンク3に収容するタイプの浄水式ウォーターサーバーに適用してもよい。
【符号の説明】
【0055】
1 筐体
2 冷水タンク
3 温水タンク
18 冷水注出路
20 温水注出路
29 冷水側弁体
30 冷水側弁棒
33 温水側弁体
34 温水側弁棒
40 出水ダイヤル
41 カム部材
42 冷水側てこレバー
43 温水側てこレバー
44 回動軸
45 ハウジング壁
46 冷水カム面
47 温水カム面
48,51 てこ支点
54 オフセットスプリング
55 ロック爪
56 ロック穴
57 ボタン収容孔
58 ロック解除ボタン
59 ボタン付勢ばね
60 鍵部