(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143472
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】防災無線の親局、放送制御方法、及び、防災無線システム
(51)【国際特許分類】
H04H 20/59 20080101AFI20241003BHJP
H04H 20/61 20080101ALI20241003BHJP
【FI】
H04H20/59
H04H20/61
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023056181
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000006611
【氏名又は名称】株式会社富士通ゼネラル
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】為井 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】中谷 豊
(57)【要約】
【課題】既存の戸別受信機に対する機能を新たに付加することなく、利用者が録音後再生した際に、報知情報のみならず当該報知情報に関連する付加情報も把握することを可能とする。
【解決手段】スピーカ21を有する子局2、或いは、スピーカ3aと音声による報知情報に関する信号を受信して録音する録音機能3bとを有する戸別受信機3のいずれかに対して送信される音声による報知情報を録音する録音部12と、音声による報知情報に関連する付加情報を記憶する記憶部13と、録音された音声による報知情報、及び、音声による付加情報を結合して放送用音声を合成する音声合成部14と、子局2、及び、戸別受信機3に対して音声による報知情報に関する信号、或いは、放送用音声に関する信号を送信する無線制御部15と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スピーカを有する子局、或いは、スピーカと音声による報知情報に関する信号を受信して録音する録音機能とを有する戸別受信機のいずれかに対して送信される前記音声による報知情報を録音する録音部と、
前記音声による報知情報に関連する付加情報を記憶する記憶部と、
録音された前記音声による報知情報、及び、音声による前記付加情報を結合して放送用音声を合成する音声合成部と、
前記子局、及び、前記戸別受信機に対して前記音声による報知情報に関する信号、或いは、前記放送用音声に関する信号を送信する無線制御部と、
を備えることを特徴とする防災無線の親局。
【請求項2】
前記無線制御部は、
前記音声による報知情報に関する信号を送信する場合には、前記子局、及び、前記戸別受信機のスピーカをONとする制御信号、前記戸別受信機の前記録音機能をOFFとする制御信号のいずれか一方、或いは、その両方を送信し、
前記放送用音声に関する信号を送信する場合には、前記子局、及び、前記戸別受信機のスピーカをOFFとする制御信号、前記戸別受信機の前記録音機能をONとする制御信号のいずれか一方、或いは、その両方を送信することを特徴とする請求項1に記載の防災無線の親局。
【請求項3】
前記防災無線の親局は、制御部を備え、
前記制御部は、前記音声による報知情報に関する信号の送信完了後、前記無線制御部に対して引き続き前記放送用音声に関する信号の送信の実行を指示することを特徴とする請求項2に記載の防災無線の親局。
【請求項4】
前記付加情報は、少なくとも前記報知情報の前記音声による報知が行われた時刻に関する時刻情報であることを特徴とする請求項1に記載の防災無線の親局。
【請求項5】
スピーカを有する子局、或いは、スピーカと音声による報知情報に関する信号を受信して録音する録音機能とを有する戸別受信機のいずれかに対して、前記音声による報知情報に関する信号を送信する場合に、前記子局、及び、前記戸別受信機のスピーカをONとする制御信号、前記戸別受信機の前記録音機能をOFFとする制御信号のいずれか一方、或いは、その両方を送信するステップと、
前記音声による報知情報に関する信号の送信を前記子局、及び、前記戸別受信機に対して開始するステップと、
前記音声による報知情報に関する信号の送信完了後に、前記子局、及び、前記戸別受信機のスピーカをOFFとする制御信号、前記戸別受信機の前記録音機能をONとする制御信号のいずれか一方、或いは、その両方を送信するステップと、
事前に把握された前記音声による報知情報に関連する付加情報と録音された前記音声による報知情報とを結合して放送用音声を生成するステップと、
前記放送用音声に関する信号の送信を少なくとも前記戸別受信機に対して開始するステップと、
を備えることを特徴とする放送制御方法。
【請求項6】
前記付加情報は、少なくとも前記音声による報知情報に関する信号の送信が行われた時刻に関する時刻情報であることを特徴とする請求項5に記載の放送制御方法。
【請求項7】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の防災無線の親局と、
屋外に設置される子局と、
屋内に設置される戸別受信機と、
を備えることを特徴とする防災無線システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施の形態は、防災無線の親局、放送制御方法、及び、防災無線システムに関する。
【背景技術】
【0002】
防災無線を通じて親局から住民へ報知される情報(以下、適宜「報知情報」と表す。)は、例えば、屋外に設置された子局に備え付けられたスピーカを介して放送される。住民は当該子局のスピーカから聞こえる音声を基にその内容を把握する。
【0003】
また、各家庭、或いは、公民館や集会所といった地域において住民等が集まる場所には、戸別受信機が屋内に設置されていることもある。親局から送信される報知情報は、このような戸別受信機で受信することができ、住民や避難者等の利用者は戸別受信機のスピーカから出力される音声を聞くことによって報知情報の内容を把握する。
【0004】
さらに、利用者が報知情報をリアルタイムに聞くことができない場合のために、戸別受信機には放送された報知情報を録音する録音機能が設けられていることもある。例えば、以下に示す特許文献1に開示されている戸別受信機には、このような録音機能が備えられている。
【0005】
このような録音機能が備えられている戸別受信機の場合、親局から送信された報知情報を録音することができるため、利用者は録音された報知情報を再生することによって、リアルタイムには聞くことができなかった報知情報を後から確認することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、戸別受信機で録音された報知情報を後から聞く場合、例えば、その報知情報がいつ放送されたものであるかについては不明である。すなわち、防災無線で親局から報知情報が放送される場合、冒頭に時刻の音声を入れると本文の伝達が遅れることも考えれば、即時性の観点から放送された時刻の情報まで流すことは少なく、そもそも住民がリアルタイムに当該放送を聞いているのであれば、時刻を放送する意味は少ない。
【0008】
一方で、このように報知情報には、時刻情報等の付加情報が追加されて放送されることがないことが、録音された報知情報を後から聞く場合の利便性を損なうことになりかねない場合もある。つまり、録音された報知情報を再生した場合に、当該報知情報がいつ放送されたものであるかを把握することが困難になる。
【0009】
また、特に災害等に関する報知情報の場合、複数の報知情報が続報という形で次々に放送されることも考えられ、このような場合には、後から録音された報知情報を聞く場合に、特に時刻情報等の付加情報についても同時に把握することができるとより有用である。
【0010】
但し、このような付加情報をも取得することができるように戸別受信機を開発することは、新たな機能の追加になるため、開発コストや販売価格が上昇する原因になる。また、これまで既に配布されている戸別受信機に対して新たな機能を付加するためには、これらの戸別受信機ごとの対応が必要となり、現実的ではない場合も多い。
【0011】
また、音声で報知情報を放送する際に付加情報を加えて伝えることも考えられるが、上述した防災無線の即時性の観点からはその実現が困難となることも多い。
【0012】
本発明は、既存の戸別受信機に対する機能を新たに付加することなく、利用者が録音後再生した際に、報知情報のみならず当該報知情報に関連する付加情報も把握することが可能な防災無線の親局、放送制御方法、及び、防災無線システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一態様に係る防災無線の親局は、スピーカを有する子局、或いは、スピーカと音声による報知情報に関する信号を受信して録音する録音機能とを有する戸別受信機のいずれかに対して送信される音声による報知情報を録音する録音部と、音声による報知情報に関連する付加情報を記憶する記憶部と、録音された音声による報知情報、及び、音声による付加情報を結合して放送用音声を合成する音声合成部と、子局、及び、戸別受信機に対して音声による報知情報に関する信号、或いは、放送用音声に関する信号を送信する無線制御部と、を備える。
【0014】
また、本発明の一態様に係る放送制御方法は、スピーカを有する子局、或いは、スピーカと音声による報知情報に関する信号を受信して録音する録音機能とを有する戸別受信機のいずれかに対して、音声による報知情報に関する信号を送信する場合に、子局、及び、戸別受信機のスピーカをONとする制御信号、戸別受信機の録音機能をOFFとする制御信号のいずれか一方、或いは、その両方を送信するステップと、音声による報知情報に関する信号の送信を子局、及び、戸別受信機に対して開始するステップと、音声による報知情報に関する信号の送信完了後に、子局、及び、戸別受信機のスピーカをOFFとする制御信号、戸別受信機の録音機能をONとする制御信号のいずれか一方、或いは、その両方を送信するステップと、事前に把握された音声による報知情報に関連する付加情報と録音された音声による報知情報とを結合して放送用音声を生成するステップと、放送用音声に関する信号の送信を少なくとも戸別受信機に対して開始するステップと、を備える。
【0015】
さらに、本発明の一態様に係る防災無線システムは、スピーカを有する子局、或いは、スピーカと音声による報知情報に関する信号を受信して録音する録音機能とを有する戸別受信機のいずれかに対して送信される音声による報知情報を録音する録音部と、音声による報知情報に関連する付加情報を記憶する記憶部と、録音された音声による報知情報、及び、音声による付加情報を結合して放送用音声を合成する音声合成部と、子局、及び、戸別受信機に対して音声による報知情報に関する信号、或いは、放送用音声に関する信号を送信する無線制御部と、を備える防災無線の親局と、屋外に設置される子局と、屋内に配置される戸別受信機と、を備える。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、既存の戸別受信機に対する機能を新たに付加することなく、利用者が録音後再生した際に、報知情報のみならず当該報知情報に関連する付加情報も把握することが可能な防災無線の親局、放送制御方法、及び、防災無線システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施の形態に係る防災無線システムの全体構成を示す図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係る親局の内部構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施の形態に係る子局、及び、戸別受信機に対する親局の放送制御の流れを示すシーケンス図である。
【
図4】本発明の実施の形態に係る子局、及び、戸別受信機に対する親局の放送制御の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る防災無線システムSの全体構成を示す図である。防災無線システムSは、親局1と、子局2と、戸別受信機3とから構成される。
【0019】
なお、
図1においては、防災無線システムSの構成として子局2は1つ、戸別受信機3を2つ(戸別受信機31,32)示しているが、子局2、及び、戸別受信機3の数については、単数であっても、複数であっても構わない。また、2つの戸別受信機31,32についてまとめて説明する場合には、「戸別受信機3」と表す。
【0020】
親局1は、後述する子局2や戸別受信機3を介して利用者へ報知情報を放送する。具体的には、利用者に報知するために、親局1において放送者の肉声によって報知情報が音声情報として取得されると、当該音声情報が報知情報に関する信号に変換される。そして当該報知情報に関する信号が親局1から子局2、戸別受信機3のいずれか一方、或いは、その両方に送信される。利用者は子局2、或いは、戸別受信機3で受信された当該報知情報に関する信号が音声情報に変換されて子局2のスピーカ、或いは、戸別受信機3のスピーカを介して流れた音声情報を聞くことで報知情報を取得する。
【0021】
このように、利用者は当該報知情報を音声情報で聞き取ることから、本発明の実施の形態における防災無線システムSによって音声情報として伝えられる報知情報については、以下、適宜「音声による報知情報」と表す。
【0022】
また親局1は、上述した報知情報に関する信号を子局2や戸別受信機3に送信する制御の他、子局2や戸別受信機3に対して制御信号を送ってスピーカのON、或いは、OFFを制御する。なお、親局1の内部構成については、後述する。
【0023】
ここで利用者に対して放送される「報知情報」とは、防災無線システムSを用いて放送者が利用者に対して伝えたい情報である。具体的には、緊急放送として流される、例えば、大雨警報や地震警報等といった各種警報が該当する。またこの他に、例えば、選挙日程のような広報に該当するお知らせや時刻といった情報も報知情報である。
【0024】
子局2は、屋外に設置され、スピーカ21を備えている。子局2は、親局1から送信される音声情報が変換された報知情報に関する信号を受信して、報知情報に関する信号を音声情報に変換する。そして変換された後の音声による報知情報をスピーカ21を介して放送することで子局2が設置されている場所の近隣住民に対して報知情報を伝える。
【0025】
戸別受信機3は、上述したように、例えば
図1に示すように、各家庭に設置されている。或いは、公民館や集会所といった地域において住民等の利用者が集まる場所に設置されている。戸別受信機3では、親局1において音声情報から報知情報に関する信号に変換され送信された報知情報に関する信号を受信し音声情報へと変換する。戸別受信機3の利用者は、変換後の音声による報知情報をスピーカ3aを介して聞く。
【0026】
また、戸別受信機3は、それぞれ戸別録音部3bを備えている。例えば、後述する放送用音声を受信した時に戸別録音部3bに録音する。この戸別録音部3bの録音機能により、利用者は音声による報知情報をリアルタイムに聞くことができない場合であっても、放送終了後任意の時に戸別受信機3の再生機能を使って後から報知情報の内容を聞くことができる。
【0027】
なお、
図1に示すように、戸別受信機31にはスピーカ31a、戸別録音部31bが、戸別受信機32にはスピーカ32a、戸別録音部32bが、それぞれ備えられている。但し、これらについてまとめて説明する場合には、上述したように、「スピーカ3a」、「戸別録音部3b」と表す。また、戸別受信機3に備えられている装置、機能については、スピーカ3a、戸別録音部3bのみを挙げているが、例えば、時刻を表示させる表示装置等、その他の装置、機能が備えられていても良い。
【0028】
図2は、本発明の実施の形態に係る親局1の内部構成を示すブロック図である。親局1は、計時部11と、録音部12と、記憶部13と、音声合成部14と、無線制御部15と、制御部16と、を備えている。これら各部は、それぞれがバスBに接続されており、互いに情報のやり取りを行っている。
【0029】
計時部11は、いわゆる時計の機能を果たす。そして、例えば、親局1が子局2や戸別受信機3に対して音声による報知情報について放送した際の時刻を特定し、その時間を記憶部13に記憶させる。
【0030】
録音部12は、子局2、或いは、戸別受信機3のいずれかを介して放送される音声による報知情報を録音する。すなわち、防災無線システムSを介して利用者に対して音声による報知情報を伝える際には、
図1においては図示しない、親局1に設けられているマイク等の入力装置を使って放送者が原稿を読み上げること等により報知情報が音声情報として入力される。入力された音声情報は報知情報に関する情報に変換され、当該信号は無線で子局2や戸別受信機3に送信される。子局2、或いは、戸別受信機3では親局1から受信した報知情報に関する信号を音声情報へと変換する。利用者は子局2のスピーカ21や戸別受信機3のスピーカ3aを介して流れる音声による報知情報を取得する。録音部12は、親局1から送信された報知情報に関する信号を受信し、録音する。
【0031】
記憶部13は、例えばHDD(ハードディスク)で構成されており、例えば、音声による報知情報に関連する付加情報を記憶する。ここで音声による報知情報に関連する付加情報とは、放送内容に関連し、放送内容の有用性を向上させる情報である。
【0032】
報知情報に関連する付加情報については、例えば、付加情報として計時部11において把握された、少なくとも報知情報の音声による報知が行われた時刻に関する時刻情報が含まれる。具体的には、親局1において放送者が入力装置を介して音声情報の入力を開始した時刻を挙げることができる。そこで、以下においては付加情報の一例として上記時刻に関する情報を時刻情報とし、当該時刻情報を例に挙げて説明する。
【0033】
ところで、放送者が音声情報である音声による報知情報を子局2のスピーカ21や戸別受信機3のスピーカ3aを介して放送した際に、利用者でもリアルタイムに放送を聞いていなかったり、或いは、リアルタイムの放送を聞き逃したりする場合が考えられる。このような場合のために戸別受信機3の戸別録音部3bにおいてリアルタイムの放送を録音し、利用者の都合の良いときに録音された音声による報知情報を聞いてその内容を把握することができる。
【0034】
但し、この録音された音声による報知情報には時刻に関する情報が含まれていないことから、利用者が録音された音声による報知情報を再生して聞く場合に、この音声による報知情報がいつ放送されたものであるかを確認するのは容易ではない。
【0035】
また、例えば緊急放送の場合、次々に情報が更新されることが考えられ、音声による報知情報の放送も複数回にわたる可能性がある。このような場合、戸別受信機3の戸別録音部3bにおいてこれら複数回にわたる音声による報知情報が録音されても時刻に関する情報が付加されていないと、利用者において聞いている報知情報がいつの情報であるかわからなくなってしまう。
【0036】
一方で放送者が音声による報知情報を子局2のスピーカ21や戸別受信機3のスピーカ3aを介して放送する際に、当該報知情報をリアルタイムで聞く利用者においては、放送された時刻については把握している。従ってこのような利用者にとって時刻に関する情報は不要な情報と言える。
【0037】
また、音声による報知情報が放送される際には、特に緊急放送の場合は即時性が求められることから、要件のみを簡潔に伝えることが求められる。このような場面において、例えば本文の前に、時刻に関する情報といった付加的な情報を追加して放送することは利用者に対する情報の伝達に遅れが生じることにもなりかねない。そのため、音声による報知情報の放送が行われる際には、時刻に関する情報といった付加的な情報は追加されず必要な情報のみが放送される。
【0038】
そこで本発明の実施の形態における防災無線システムSにおける放送制御方法では、親局1が戸別録音部3bに録音するための音声による報知情報を放送するに当たって、当該音声による報知情報の放送が開始された時刻に関する情報(時刻情報)の信号を付加情報として報知情報に関する信号に結合して、放送用音声に関する信号を生成する。すなわち、音声合成部14は、計時部11において特定された時刻情報を録音用時刻情報として生成する。
【0039】
具体的に音声合成部14では、上述した親局1において放送者が入力装置を介して音声情報の入力を開始した時刻として記憶部13に記憶されている時刻情報を取得する。そしてこの時刻情報を、例えば、「〇月〇日〇時〇分の放送です」といった音声情報を生成し、録音用時刻情報の信号へと変換する。
【0040】
また音声合成部14は、事前に放送されて録音部12によって録音された音声による報知情報に関する信号を録音部12から取得する。これは、子局2のスピーカ21や戸別受信機3のスピーカ3aを介して利用者が聞くことができるように放送された音声による報知情報を録音したものである。その上で音声合成部14は、取得された当該音声による報知情報に関する信号に、録音用時刻情報の信号といった、付加情報に関する信号を結合する。
【0041】
音声合成部14は、録音された音声による報知情報に関する信号に、録音用時刻情報の信号を結合して放送用音声に関する信号を合成する。本発明の実施の形態においては、子局2や戸別受信機3のスピーカを介した音声による報知情報の放送が行われた後に、引き続き戸別受信機3の戸別録音部3bが報知情報を録音するための放送を行う。
【0042】
つまり音声合成部14によって合成された放送用音声に関する信号が、親局1から戸別受信機3へ送信される。戸別受信機3では、この放送用音声に関する信号を受信するとともに、受信された放送用音声に関する信号を音声情報へと変換して戸別録音部3bに録音する。利用者は録音された音声情報を再生することで、スピーカ3aから流れる音声による報知情報の音声情報と時刻情報の音声情報を聞き、報知情報と時刻情報とを把握する。
【0043】
このことによって、利用者が録音された音声による報知情報を聞く際に、併せて音声情報として時刻情報も聞くため、当該報知情報がいつ放送されたものであるかを把握することができるようになる。
【0044】
なお、これまでも出てきているように、録音された音声による報知情報に関する信号に、録音用時刻情報の信号が結合されて合成された信号を、「放送用音声に関する信号」と表す。また、当該「放送用音声に関する信号」を親局1から受信して戸別受信機3を介して利用者が音声情報として把握する音声を「放送用音声」と表す。
【0045】
無線制御部15は、後述する制御部16の指示に従い、子局2や戸別受信機3に対して制御信号を送信する。また無線制御部15は、子局2、及び、戸別受信機3に対して音声による報知情報に関する信号、或いは、放送用音声に関する信号を送信する。このようにして送信された信号を、子局2や戸別受信機3において音声に変換して子局2のスピーカ21や戸別受信機3のスピーカ3aを介して放送する。
【0046】
また、放送用音声に関する信号を受信した戸別受信機3の戸別録音部3bでは、受信した放送用音声に関する信号を音声情報に変換して録音する。このように戸別録音部3bに放送用音声の音声情報が録音され、適宜利用者によって再生されることによって、利用者がリアルタイムに音声による報知情報を聞くことができなかった場合であっても、後から音声による報知情報の放送時刻とともにその報知情報を取得することができる。
【0047】
より具体的には、無線制御部15は以下のように子局2や戸別受信機3に対して制御信号を送信する。まず、音声による報知情報に関する信号を送信する場合には、子局2のスピーカ21、及び、戸別受信機3のスピーカ3aをONとする制御信号、戸別受信機3の録音機能(戸別録音部3b)をOFFとする制御信号を送信する。
【0048】
なお、子局2のスピーカ21、及び、戸別受信機3のスピーカ3aをONとする制御信号、戸別受信機3の録音機能(戸別録音部3b)をOFFとする制御信号については、両者をまとめて親局1から子局2、或いは、戸別受信機3に送信しても良い。或いは、両者を別々に送信することとしても良い。
【0049】
無線制御部15がこのような制御信号を子局2、或いは、戸別受信機3に送信することによって、子局2のスピーカ21、及び、戸別受信機3のスピーカ3aがONとなるので、利用者はこれらスピーカからの音声による報知情報の放送を聞くことができ、報知情報を取得することができる。また、戸別受信機3の戸別録音部3bは、親局1から当該戸別録音部3bをOFFとする制御信号を受信していることから、この放送された音声による報知情報は録音されない。従って、音声による報知情報は戸別受信機3の録音部3bには録音されず、戸別受信機3からはそのスピーカ3aを介して音声による報知情報が流れるだけである。
【0050】
そしてこの音声による報知情報の放送が行われた後、引き続いて放送用音声に関する信号が親局1から子局2、戸別受信機3に対して送信される。すなわち、無線制御部15は、子局2、或いは、戸別受信機3に上述した放送用音声に関する信号を送信する場合に、子局2のスピーカ21、及び、戸別受信機3のスピーカ3aをOFFとする制御信号、戸別受信機3の録音機能(戸別録音部3b)をONとする制御信号を送信する。つまり、戸別受信機3の戸別録音部3bに放送用音声を録音させるために行われる放送である。
【0051】
なお、このような子局2のスピーカ21、及び、戸別受信機3のスピーカ3aをOFFとする制御信号、戸別受信機3の録音機能(戸別録音部3b)をONとする制御信号については、両者をまとめて親局1から子局2、或いは、戸別受信機3に送信しても良い。或いは、両者を別々に送信することとしても良い。
【0052】
上述したように、親局1の音声合成部14において、録音された音声による報知情報に関する信号に録音用時刻情報の信号が結合されて放送用音声に関する信号が合成され、親局1から戸別受信機3へ送信される。戸別受信機3では、この放送用音声に関する信号を受信し、受信された放送用音声に関する信号を音声情報へと変換して戸別録音部3bに録音する。利用者は録音された音声情報を再生することで、スピーカ3aから流れる音声による報知情報と時刻情報の音声情報を聞き、報知情報と時刻情報とを把握する。
【0053】
このことによって、利用者が周知情報を取得するために放送用音声を再生した場合であっても、放送用音声には音声による周知情報のみならず、上述した時刻情報が付加情報として合成されている。従って利用者は、周知情報の内容とともに、当該音声による報知情報について、親局1において放送者によって入力装置を介して音声情報の入力を開始した時刻である時刻情報も把握することができる。
【0054】
制御部16は、親局1を構成する各部を制御する。また音声による報知情報に関する信号の送信完了後、無線制御部15に対して引き続き放送用音声に関する信号の送信の実行を指示する。
【0055】
このように本発明の実施の形態における放送制御方法は、防災無線システムSの子局2や戸別受信機3を介して報知情報を放送するに当たって、連続して2つの放送が行われる。まず、親局1は、放送者によって入力された音声情報としての報知情報を報知情報に関する信号に変換し、子局2、戸別受信機3に送信する。子局2、戸別受信機3では、それぞれのスピーカがONとなる制御をされており、報知情報に関する信号を受信して音声情報に変換してスピーカ21、スピーカ3aから流す。利用者はスピーカから流れる音声による報知情報をリアルタイムに取得する(聞く)。
【0056】
音声による報知情報の放送が終了すると、引き続き放送用音声の放送が行われる。すなわち、親局1は、音声情報としての報知情報に関する信号に録音用時刻情報の信号を結合して放送用音声に関する信号を生成し、子局2、戸別受信機3に送信する。この際、子局2のスピーカ21、と戸別受信機3のスピーカ3aはOFFとされ、戸別録音部3bがONとなる。そこで戸別受信機3で受信された放送用音声に関する信号を放送用音声に変換して、戸別録音部3bに録音する。利用者はこの戸別録音部3bに録音された報知情報を再生することで報知情報と時刻情報とを併せて取得する。
【0057】
このように本発明の実施の形態における放送制御方法では、音声による報知情報の放送と放送用音声の放送とが1組となって放送される。
【0058】
[動作]
次に、上述した防災無線システムSにおける放送制御の流れについて、
図3及び
図4を用いて説明する。
図3及び
図4は、本発明の実施の形態に係る子局2、及び、戸別受信機3に対する親局1の放送制御の流れを示すシーケンス図である。
【0059】
図3及び
図4においては、左から「親局1」、「子局2」、及び、「戸別受信機3」の順に並び、上から下に向けて制御の内容が時系列に並んでいる。また、子局2、及び、戸別受信機3に対しては親局1からの制御指示等が出されるが、この制御指示等については右向きの矢印で示している。
【0060】
制御部16は、音声による報知情報の放送の準備を行うべく、無線制御部15に対して指示を出す。具体的には、音声による報知情報の放送であるので、子局2、及び、戸別受信機3が報知情報を音声情報として流すために、子局2、及び、戸別受信機3に対して、子局2のスピーカ21、及び、戸別受信機3のスピーカ3aをONとする制御信号、戸別受信機3の録音機能(戸別録音部3b)をOFFとする制御信号を送信するよう指示する。
【0061】
無線制御部15では、制御部16の指示に従い、上述した制御信号を子局2、及び、戸別受信機3に対して送信する(ST1)。
図3では、この状態が親局1から子局2、或いは、戸別受信機3に対して伸びる実線の矢印で示されている。
【0062】
親局1からの制御信号を受信して、子局2のスピーカ21はONとなる(ST2)。同様に、戸別受信機3においても親局1からの制御信号を受信して、スピーカ3aがONとなる。さらに戸別受信機3では、録音機能をOFFとする制御信号も受信しているので、戸別録音部3bの録音機能がOFFとなる(ST3)。
【0063】
これで音声による報知情報の放送の準備が整ったので、音声による報知情報の放送が開始される(ST4)。これは、人の肉声によるリアルタイムの放送である。また、音声による報知情報の放送と放送用音声による放送とが連続して行われる最初の放送である。そのため、
図3では「1回目の放送(肉声での放送)開始」と示されている。
【0064】
また、このように、親局1において放送者が入力装置を介して音声情報の入力が開始されると、この開始した時刻(
図3では「放送開始時刻」としている)を時刻情報として記録する(ST5)。当該時刻情報は、放送用音声に関する信号を合成する際に利用される。
【0065】
具体的には、放送者による音声情報が入力されると、音声による報知情報に関する信号へと変換され、子局2、及び、戸別受信機3に送信される。そして当該信号を受信した子局2では音声情報に変換してスピーカ21を介して音声による報知情報を流す。また、戸別受信機3においても当該信号を受信して音声情報に変換してスピーカ3aを介して音声による報知情報を流す。これにより利用者は報知情報を取得する(聞く)。
【0066】
なお、戸別受信機3における戸別録音部3bの録音機能は親局1(無線制御部15)から送信された制御信号によりOFFに制御されていることから、受信した音声による報知情報に関する信号は戸別録音部3bにおいて録音されない。従って、利用者は戸別受信機3のスピーカ3aを介して音声で流れる報知情報を聞くことができるだけで、音声による報知情報は録音されない。従ってこの時点では、リアルタイムに聞いている音声による報知情報を再生して聞くことはできない。
【0067】
なお、親局1から子局2、及び、戸別受信機3に送信される音声による報知情報に関する信号については、
図3及び
図4において破線で示している。すなわち、子局2や戸別受信機3のスピーカのON、OFFを切り替えるといった、上述した制御信号とは別に表している。
【0068】
一方、親局1では、上述したように音声による報知情報に関する信号を子局2、及び、戸別受信機3に送信するとともに、制御部16は音声情報である報知情報を録音するよう録音部12に指示する。録音部12では、当該指示に基づいて録音を行う(ST6)。
【0069】
そして音声による報知情報の放送(音声による報知情報に関する信号の送信)が終了すると(ST7)、自動的に録音部12による録音も終了する(ST8)。以上により、音声による報知情報の放送が完了する。そこで次に、制御部16は引き続き行われる放送用音声による放送を開始するための準備を行う。
【0070】
具体的には、放送用音声に関する信号を送信するために、子局2、或いは、戸別受信機3に対して、子局2のスピーカ21、及び、戸別受信機3のスピーカ3aをOFFとする制御信号、戸別受信機3の録音機能(戸別録音部3b)をONとする制御信号を送信するよう指示する。そして無線制御部15では、制御部16の指示に従い、上述した制御信号を子局2、及び、戸別受信機3に対して送信する(ST9)。
【0071】
制御部16は、併せて、音声合成部14に対して計時部11において特定された時刻情報を録音用時刻情報として生成する指示を出す。音声合成部14では当該指示を受けて、上述した記憶部13に記憶されている時刻情報から音声情報を生成し、録音用時刻情報の信号へと変換して録音用時刻情報を生成する(
図4のST10)。
【0072】
録音用時刻情報の生成が完了すると、音声合成部14では、次に、録音部12において録音されている音声による報知情報を音声による報知情報に関する信号へと変換する。その上で、生成した録音用時刻情報の信号と音声による報知情報関する信号とを結合する処理を実行する(ST11)。例えば、冒頭に録音用時刻情報が放送されるようにし、この録音用時刻情報に続いて音声による報知情報が放送されるように音声による報知情報に関する信号と録音用時刻情報の信号とを結合する。このようにして結合された音声が放送用音声である。なお、合成された放送用音声に関する信号については、例えば、記憶部13に記憶されても良い。
【0073】
音声合成部14での放送用音声に関する信号の合成が完了すると、制御部16は無線制御部15に対して当該放送用音声に関する信号を子局2、及び、戸別受信機3に対して送信する指示を出す。無線制御部15では制御部16からの指示に基づいて放送用音声に関する信号を子局2、及び、戸別受信機3送信する(ST12)。
図4のシーケンス図では、「2回目の放送(録音での放送)開始」と表されている。
【0074】
ここで子局2では、スピーカ21をOFFとする制御信号を親局1から受信していることから、当該放送用音声に関する信号を受信しても、音声情報に変換しない。従って子局2では放送用音声に関する信号を受信するだけで、スピーカ21から音声情報として放送用音声を流すことはない。また、戸別受信機3に対しても同じくスピーカ3aをOFFとする制御信号が送信されていることから、当該放送用音声に関する信号を受信しても、スピーカ3aから音声情報として放送用音声が流れることはない。
【0075】
一方で、戸別受信機3は、その戸別録音部3bの録音機能がONとなる制御信号を親局1から受信している。そのため、親局1から放送用音声に関する信号が送信されると、当該信号を受信し、音声情報に変換される。戸別録音部3bは変換された音声情報の録音を開始する(ST13)。そして、親局1による放送用音声に関する信号の送信が終了すると(「2回目の放送(録音での放送)終了」)(ST14)、戸別録音部3bにおいても音声情報の録音が終了する(ST15)。
【0076】
このようにして戸別受信機3では放送用音声に関する信号を受信し、変換された音声情報を録音するので、利用者はたとえリアルタイムでの音声による報知情報の放送を聞き逃したとしても、録音された放送用音声を再生することによって、報知情報を取得することができる。また、当該放送用音声は、例えば冒頭に録音用時刻情報が付加情報として付加されており、当該録音用時刻情報についても音声情報に変換されることから、取得する報知情報がいつ放送されたものであるかも併せて把握することができる。
【0077】
以上説明したように、本発明の実施の形態における防災無線システムSでは、音声による報知情報の信号を送信した後、引き続き録音された音声による報知情報に時刻情報等の付加情報を結合させた放送用音声に関する信号を子局、戸別受信機に対して送信する。このような放送制御を行うことで、既存の戸別受信機に対する機能を新たに付加することなく、利用者が受信した放送用音声に関する信号が変換されて録音された音声情報を再生した際に、報知情報のみならず当該報知情報に関連する付加情報も把握することが可能な防災無線の親局、放送制御方法、及び、防災無線システムを提供することができる。
【0078】
つまり、このような放送制御を行うことによって、既に設置されている戸別受信機に対する改めて新たな機能の追加を行う必要もないことから、開発コストや販売価格の上昇を回避することができる。
【0079】
また、これまで行われてきた音声による報知情報に対して付加情報を追加するわけではなく、音声情報として報知情報を放送することとは別に、音声による報知情報に付加情報を合成し放送用音声に関する信号を親局から戸別受信機に対して送信する。そのため、音声による報知情報の放送についてはこれまで通り行われることから、音声による報知情報の放送において求められる即時性は担保される。
【0080】
なお、この発明は、上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、本発明の一例を示したものである。実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化でき、また、上記実施の形態には種々の変更又は改良を加えることが可能である。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより種々の発明を形成できる。
【0081】
例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施の形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよく、その様な変更又は改良を加えた形態も本発明に含まれ得る。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0082】
なお、本発明の実施の形態においては録音部12と記憶部13とを別の構成としたが、両者を併せて1つの機能として把握しても良い。
【0083】
なお計時部11による放送開始時刻の特定、記録については、放送開始のシーケンスが開始されてすぐに実行される例を挙げて説明したが、例えば、無線制御部15による子局2、或いは、戸別受信機3への制御信号の送信後に実行されても良い。
【0084】
また、上述した放送制御方法では、2回目の放送が終了した後は待機とし、改めて音声による報知情報の放送を行う際にステップST2で説明したように、子局2や戸別受信機3に対して制御信号を送信することとしている。
【0085】
しかしながらこのような放送制御とはせず、2回目の放送、すなわち、放送用音声の放送が終了した後、制御部16は無線制御部15に対して、子局2、及び、戸別受信機3に対して、子局2のスピーカ21、及び、戸別受信機3のスピーカ3aをONとする制御信号、戸別受信機3の録音機能(戸別録音部3b)をOFFとする制御信号を送信するよう指示することとしても良い。
【0086】
上述した音声による報知情報に関連する付加情報には、例に挙げた放送時間の他、例えば、放送の対象となる地域や災害が生じた際における、例えば,避難所に関する情報が含まれる。また、報知情報の詳細な情報についても付加情報としうる。
【0087】
なお、本発明の実施の形態において説明した技術については、以下のような構成を採用することもできる。
(1)スピーカを有する子局、或いは、スピーカと音声による報知情報に関する信号を受信して録音する録音機能とを有する戸別受信機のいずれかに対して送信される前記音声による報知情報を録音する録音部と、
前記音声による報知情報に関連する付加情報を記憶する記憶部と、
録音された前記音声による報知情報、及び、音声による前記付加情報を結合して放送用音声を合成する音声合成部と、
前記子局、及び、前記戸別受信機に対して前記音声による報知情報に関する信号、或いは、前記放送用音声に関する信号を送信する無線制御部と、
を備えることを特徴とする防災無線の親局。
(2)前記無線制御部は、
前記音声による報知情報に関する信号を送信する場合には、前記子局、及び、前記戸別受信機のスピーカをONとする制御信号、前記戸別受信機の前記録音機能をOFFとする制御信号のいずれか一方、或いは、その両方を送信し、
前記放送用音声に関する信号を送信する場合には、前記子局、及び、前記戸別受信機のスピーカをOFFとする制御信号、前記戸別受信機の前記録音機能をONとする制御信号のいずれか一方、或いは、その両方を送信することを特徴とする上記(1)に記載の防災無線の親局。
(3)前記防災無線の親局は、制御部を備え、
前記制御部は、前記音声による報知情報に関する信号の送信完了後、前記無線制御部に対して引き続き前記放送用音声に関する信号の送信の実行を指示することを特徴とする上記(1)または(2)に記載の防災無線の親局。
(4)前記付加情報は、少なくとも前記報知情報の前記音声による報知が行われた時刻に関する時刻情報であることを特徴とする上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の防災無線の親局。
(5)上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の防災無線の親局と、
屋外に設置される子局と、
屋内に設置される戸別受信機と、
を備えることを特徴とする防災無線システム。
【符号の説明】
【0088】
1・・・親局、2・・・子局、3・・・戸別受信機、11・・・計時部、12・・・録音部、13・・・記憶部、14・・・音声合成部、15・・・無線制御部、16・・・制御部、21・・・スピーカ、31・・・戸別受信機、31a・・・スピーカ、31b・・・戸別録音部、32・・・戸別受信機、32a・・・スピーカ、32b・・・戸別録音部