(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143481
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】インク注入装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/175 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
B41J2/175 131
B41J2/175 167
B41J2/175 169
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023056192
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲宇▼津木 康
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EA20
2C056EB20
2C056EB45
2C056EC26
2C056KC00
2C056KD08
(57)【要約】
【課題】持続可能な開発目標(SDGs)の目標12に貢献する。
【解決手段】プリンターに設けられたインクタンクにインクを供給するためのインクボトルに対して、インクを注入するインク注入装置であって、接続部と、インクボトルが有する接続対象部と接続部とが嵌合した場合に限り、インクボトルへのインクの注入が可能となる注入部と、を備える、ことを特徴とするインク注入装置。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリンターに設けられたインクタンクにインクを供給するためのインクボトルに対して、
インクを注入するインク注入装置であって、
接続部と、
前記インクボトルが有する接続対象部と前記接続部とが嵌合した場合に限り、
前記インクボトルへのインクの注入が可能となる注入部と、
を備える、
ことを特徴とするインク注入装置。
【請求項2】
前記接続部は、
第1構造体と、第2構造体とを有し、
前記注入部は、
前記接続対象部と前記接続部とが嵌合した場合に、
インクを収容する収容部から前記インクボトルに対してインクを供給する供給流路を備え、
前記供給流路は、
前記第1構造体及び前記第2構造体の間に位置する、
ことを特徴とする、請求項1に記載のインク注入装置。
【請求項3】
前記接続部は、
環状の形状を有する環状構造体を有し、
前記注入部は、
前記接続対象部と前記接続部とが嵌合した場合に、
インクを収容する収容部から前記インクボトルに対してインクを供給する供給流路を備え、
前記供給流路は、
周囲が前記環状構造体に囲まれるように配置される、
ことを特徴とする、請求項1に記載のインク注入装置。
【請求項4】
前記インクボトルに設けられ前記インクボトルを識別する識別情報を記憶するメモリから、前記識別情報を取得する識別情報取得部と、
前記識別情報取得部の取得した前記識別情報に基づいて、
前記注入部から前記インクボトルに対するインクの注入の可否を判定する判定部と、
を備える、
ことを特徴とする、請求項1に記載のインク注入装置。
【請求項5】
情報を入力するための入力端子を備え、
前記識別情報取得部は、
前記インクボトルに設けられた出力端子と、前記出力端子に接続された前記入力端子と、を経由して前記識別情報を取得する、
ことを特徴とする、請求項4に記載のインク注入装置。
【請求項6】
通信を実行するための通信装置を備え、
前記識別情報取得部は、
前記インクボトルに設けられたボトル側通信装置と、前記通信装置と、を経由して、前記識別情報を取得する、
ことを特徴とする、請求項4に記載のインク注入装置。
【請求項7】
前記インク注入装置がインクを注入したインクボトルを識別する識別情報を、前記インク注入装置を管理する管理装置に供給する供給部を備える、
ことを特徴とする、請求項1に記載のインク注入装置。
【請求項8】
前記インク注入装置に収容されたインクに関連するインク関連情報を、前記インク注入装置を管理する管理装置に供給する供給部を備える、
ことを特徴とする、請求項1に記載のインク注入装置。
【請求項9】
ユーザの音声を取得する音声取得装置と、
前記音声取得装置が取得したユーザの音声に対する応答を、前記ユーザに通知する通知装置と、
を備える、
ことを特徴とする、請求項1に記載のインク注入装置。
【請求項10】
前記ユーザの音声を解析し当該解析結果に基づいて前記ユーザの音声に対する応答を示す応答情報を生成する管理装置に対して、前記音声取得装置が取得したユーザの音声を示す音声情報を供給する供給部と、
前記管理装置の生成した前記応答情報を前記管理装置から取得する応答情報取得部と、
を備え、
前記通知装置は、
前記応答情報取得部の取得した前記応答情報に基づく音声を前記ユーザに通知する、
ことを特徴とする、請求項9に記載のインク注入装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インク注入装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、特許文献1に示すように、プリンターに対してインクを供給するインクボトルが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術のように、インクボトルを用いてプリンターにインクを供給する場合、プリンターにインクを供給した後に空になったインクボトルが廃棄される場合があった。このため、従来の技術は、SDGs、すなわち、2015年9月25日に国連総会で採択された17個の持続可能な開発目標のうち、目標12「持続可能な生産消費形態を確保する」について、改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために、本発明に係るインク注入装置は、プリンターに設けられたインクタンクにインクを供給するためのインクボトルに対して、インクを注入するインク注入装置であって、接続部と、前記インクボトルが有する接続対象部と前記接続部とが嵌合した場合に限り、前記インクボトルへのインクの注入が可能となる注入部と、を備える、ことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明の実施形態に係るインク管理システムSysの構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】インク注入装置SV-q[m]の構造の一例を説明するための断面図である。
【
図3】接続注入部CS-q[m]の構造の一例を説明するための断面図である。
【
図4】インクボトルBT-q[m]の構造の一例を説明するための断面図である。
【
図5】接続注入部CB-q[m]の構造の一例を説明するための断面図である。
【
図6】インク注入装置SV-q[m]及びインクボトルBT-q[m]の接続を説明するための断面図である。
【
図7】制御装置SG-qの構成の一例を示すブロック図である。
【
図8】変形例1に係る接続注入部CS-q[m]の構造の一例を説明するための断面図である。
【
図9】変形例1に係る接続注入部CB-q[m]の構造の一例を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。ただし、各図において、各部の寸法及び縮尺は、実際のものと適宜に異ならせてある。また、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
【0008】
<<A.実施形態>>
本実施形態では、インクIKを吐出して記録用紙に画像を形成するインクジェットプリンターPRに対するインクIKの供給状況を管理する、インク管理システムSysを例示して説明する。
【0009】
<<1.インク管理システムの概要>>
以下、
図1を参照しつつ、本実施形態に係るインク管理システムSysの構成の一例について説明する。
【0010】
図1は、インク管理システムSysの構成の一例を示すブロック図である。
【0011】
図1に示すように、インク管理システムSysは、複数のインクジェットプリンターPRと、当該複数のインクジェットプリンターPRに対して供給されるインクIKを保管する複数のインク保管装置Sと、当該複数のインク保管装置Sの保管するインクIKをインクジェットプリンターPRに対して移送するための複数のインクボトルBTと、当該複数のインク保管装置SにおけるインクIKの保管状況を管理する管理サーバKSと、を備える。なお、本実施形態において、複数のインク保管装置Sの各々は、有線及び無線の一方または両方を含むネットワークNWを介して、管理サーバKSと通信可能である。
【0012】
本実施形態では、インク管理システムSysが具備する複数のインクジェットプリンターPRが、複数の施設FCで利用される場合を想定する。ここで、施設FCとは、例えば、オフィス及び工場等のビジネス施設、学校及び公民館等の公共施設、並びに、住宅等の私有施設といった、インクジェットプリンターPRを利用可能な施設である。
【0013】
より具体的には、本実施形態では、インク管理システムSysに含まれる複数のインクジェットプリンターPRが、Q個の施設FC-1~FC-Qで利用される場合を想定する。ここで、値Qは、Q≧1を満たす自然数である。また、以下では、Q個の施設FC-1~FC-Qのうち、q番目の施設FCを、施設FC-qと称する。ここで、変数qは、1≦q≦Qを満たす自然数である。
【0014】
以下では、施設FC-qに設けられたインク保管装置Sを、インク保管装置S-qと称し、施設FC-qに設けられたインクジェットプリンターPRを、インクジェットプリンターPR-qと称する。なお、施設FC-qに複数のインクジェットプリンターPR-qが設けられている場合には、インクジェットプリンターPR-q(1)、インクジェットプリンターPR-q(2)等、添え字を付して記載する。
図1に示す例では、施設FC-qにおいて、インクジェットプリンターPR-q(1)、及び、インクジェットプリンターPR-q(2)の、2台のインクジェットプリンターPR-qが設けられている場合を例示している。本実施形態において、インクジェットプリンターPR-qは「プリンター」の一例である。
【0015】
また、本実施形態では、インクジェットプリンターPRが、M種類のインクIKを吐出可能な場合を想定する。ここで、値Mは、M≧1を満たす自然数である。本実施形態では、一例として、インクジェットプリンターPRが、シアン、マゼンタ、イエロー、及び、ブラックに対応する4種類のインクIKを貯蔵する場合を想定する。すなわち、本実施形態では、一例として、「M=4」の場合を想定する。
【0016】
また、本実施形態では、インクジェットプリンターPRが、M種類のインクIKを収容するための、M個のインクタンクTKを備える場合を想定する。
【0017】
以下では、インクジェットプリンターPR-qに設けられた各インクタンクTKを、インクタンクTK-qと称する。また、インクジェットプリンターPR-qに設けられたM個のインクタンクTK-qのうち、m番目のインクタンクTKを、インクタンクTK-q[m]と称する。ここで、変数mは、1≦m≦Mを満たす自然数である。
【0018】
また、本実施形態では、インク保管装置Sが、M種類のインクIKに1対1に対応する、M個のインク注入装置SVを備える場合を想定する。各インク注入装置SVは、当該インク注入装置SVに対応する種類のインクIKを収容する。
【0019】
以下では、インク保管装置S-qに設けられた各インク注入装置SVを、インク注入装置SV-qと称する。また、インク保管装置S-qに設けられたM個のインク注入装置SV-qのうち、m番目のインク注入装置SVを、インク注入装置SV-q[m]と称する。
【0020】
また、本実施形態では、施設FC-qにおいて、M種類のインクIKに1対1に対応する、M個のインクボトルBTが配置されている場合を想定する。各インクボトルBTは、当該インクボトルBTに対応するインクIKを収容する。
【0021】
以下では、施設FC-qに配置された各インクボトルBTを、インクボトルBT-qと称する。また、施設FC-qに配置されたM個のインクボトルBTのうち、m番目のインクボトルBTを、インクボトルBT-q[m]と称する。
【0022】
本実施形態において、施設FC-qにおけるインクジェットプリンターPR-qのユーザU-qは、インクジェットプリンターPR-qに設けられたM個のインクタンクTK-q[1]~TK-q[M]のうち、インクタンクTK-q[m]に収容されたインクIKの残量が少なくなった場合、まず、インク注入装置SV-q[m]からインクボトルBT-q[m]にインクIKを補充し、次に、インクボトルBT-q[m]からインクタンクTK-q[m]にインクIKを補充する。なお、インク注入装置SV-q[m]からインクボトルBT-q[m]にインクIKを補充する場合、インク注入装置SV-q[m]が有する接続注入部CS-q[m]と、インクボトルBT-q[m]が有する接続注入部CB-q[m]とを接続させることで、インク注入装置SV-q[m]からインクボトルBT-q[m]へとインクを注入する。また、インクボトルBT-q[m]からインクタンクTK-q[m]にインクIKを補充する場合、インクボトルBT-q[m]が有する接続注入部CB-q[m]と、インクタンクTK-q[m]が有する接続注入部CP-q[m]とを接続させることで、インクボトルBT-q[m]からインクタンクTK-q[m]へとインクIKを注入する。
【0023】
なお、以下では、インクIKが落下する重力加速度方向を、Z1方向と称する。また、Z1方向と、Z1方向とは反対のZ2方向とを、Z軸方向と総称し、Z軸方向に直交するX1方向と、X1方向とは反対のX2方向とを、X軸方向と総称し、Z軸方向及びX軸方向に直交するY1方向と、Y1方向とは反対のY2方向とを、Y軸方向と総称する。本実施形態では、一例として、X軸方向、Y軸方向、及び、Z軸方向が、互いに直交する方向である場合を想定する。但し、本発明はこのような態様に限定されるものではない。X軸方向、Y軸方向、及び、Z軸方向は、互いに交差する方向であればよい。
【0024】
また、本実施形態において、インク保管装置S-qは、インク保管装置S-qの各部を制御する制御装置SG-qを備える。制御装置SG-qは、管理サーバKSに対して、インク注入装置SV-q[1]~SV-q[M]から、インクボトルBT-q[1]~BT-q[M]に対するインクIKの供給の履歴を示す、インク供給履歴情報DRを供給する。このため、管理サーバKSは、インク保管装置S-qに収容されるM種類のインクIKの各々の残量を把握することができる。なお、管理サーバKSは「管理装置」の一例である。
【0025】
<<2.インク注入装置及びインクボトルの概要>>
以下、
図2乃至
図6を参照しつつ、本実施形態に係るインク注入装置SV-q[m]及びインクボトルBT-q[m]の構成の一例について説明する。
【0026】
図2は、インク注入装置SV-q[m]の構成の一例を示す断面図である。具体的には、
図2は、Y軸方向を法線方向とする平面によりインク注入装置SV-q[m]を切断した場合の、インク注入装置SV-q[m]の断面図である。
【0027】
図2に示すように、インク注入装置SV-q[m]は、インク収容部10と、接続注入部CS-q[m]と、入力端子35と、を備える。
【0028】
インク収容部10は、インクIKを収容する。なお、インク収容部10は「収容部」の一例である。
接続注入部CS-q[m]は、インク収容部10から見てZ1方向に設けられ、インク注入部20と、接続部30-q[m]と、を備える。
【0029】
接続部30-q[m]は、接続構造体31-q[m]と、接続構造体32-q[m]と、を備える。
【0030】
インク注入部20は、インク供給流路21と、インク注入弁22と、ロック機構23と、を備え、接続部30-q[m]がインクボトルBT-q[m]と接続した場合に、インク収容部10に収容されているインクIKをインクボトルBT-q[m]に対して注入する。なお、インク注入部20は「注入部」の一例である。
【0031】
インク供給流路21は、流路構造体25により形成されたZ1方向に延在する流路であって、インク収容部10に収容されているインクIKを、Z1方向の端部に設けられたインク注入口26を介して、インクボトルBT-q[m]に供給するための流路である。本実施形態において、インク供給流路21は、接続構造体31-q[m]と接続構造体32-q[m]との間に設けられる。なお、本実施形態において、インク供給流路21は「供給流路」の一例であり、接続構造体31-q[m]は「第1構造体」の一例であり、接続構造体32-q[m]は「第2構造体」の一例である。
【0032】
インク注入弁22は、インク供給流路21内におけるインクIKの流れを制限するための機構である。本実施形態において、インク注入弁22は、インク注入スイッチ221が押下されていない場合に、インク供給流路21を閉塞し、インク供給流路21内のインクIKのZ1方向への流れを停止させる。また、インク注入弁22は、インク注入スイッチ221が押下されている場合に、インク供給流路21の閉塞を解除し、インク供給流路21内のインクIKがZ1方向に流れることを可能な状態にする。なお、
図2では、インク注入スイッチ221が押下されておらず、インク注入弁22がインク供給流路21を閉塞している場合を例示している。
【0033】
ロック機構23は、インク注入弁22をロックするための機構である。ロック機構23は、接続部30-q[m]に対してインクボトルBT-q[m]が接続していない場合に、インク注入スイッチ221の押下ができないように、インク注入弁22をロックする。このため、本実施形態では、接続部30-q[m]に対してインクボトルBT-q[m]が接続していない場合に、インク供給流路21がインク注入弁22により閉塞され、インク供給流路21内のインクIKのZ1方向への流れが停止される。また、ロック機構23は、接続部30-q[m]に対してインクボトルBT-q[m]が接続している場合に、インク注入弁22のロックを解除し、インク注入スイッチ221の押下が可能な状態にする。このため、本実施形態では、接続部30-q[m]に対してインクボトルBT-q[m]が接続している場合に、インク注入スイッチ221が押下されることで、インク注入弁22によるインク供給流路21の閉塞が解除され、インク供給流路21内のインクIKがZ1方向へ流れることが可能となる。
【0034】
入力端子35は、接続部30-q[m]に対してインクボトルBT-q[m]が接続している場合に、インクボトルBT-q[m]が備える出力端子55と電気的に接続する。そして、接続部30-q[m]に対してインクボトルBT-q[m]が接続している場合、入力端子35には、出力端子55から電気信号が入力される。
【0035】
図3は、
図2におけるE-e線を通りZ軸方向を法線方向とする平面により接続注入部CS-q[m]を切断した場合の、接続注入部CS-q[m]の断面図である。
【0036】
上述のとおり、接続注入部CS-q[m]は、インク供給流路21が設けられた流路構造体25と、接続構造体31-q[m]と、接続構造体32-q[m]と、を有する。
【0037】
図3に示すように、接続構造体31-q[m]は、接続注入部CS-q[m]をZ2方向に平面視した場合に、曲線VC1及び曲線VC2の間の領域であって、直線VL1よりもY2方向で且つ直線VL2よりもY1方向の領域と、曲線VC3及び曲線VC4の間の領域であって、直線VL1よりもY2方向で且つ直線VL2よりもY1方向の領域と、に設けられる。
【0038】
ここで、曲線VC1は、接続注入部CS-q[m]をZ2方向に平面視した場合に、流路構造体25の外側に位置する円形の仮想的な曲線である。また、曲線VC2は、接続注入部CS-q[m]をZ2方向に平面視した場合に、流路構造体25と曲線VC1との間に位置する円形の仮想的な曲線である。また、曲線VC3は、接続注入部CS-q[m]をZ2方向に平面視した場合に、流路構造体25と曲線VC2との間に位置する円形の仮想的な曲線である。また、曲線VC4は、接続注入部CS-q[m]をZ2方向に平面視した場合に、流路構造体25と曲線VC3との間に位置する円形の仮想的な曲線である。
また、直線VL1は、接続注入部CS-q[m]をZ2方向に平面視した場合に、インク供給流路21と重なる位置を通過し、X1方向及びY2方向の間の方向に延在する仮想的な直線である。また、直線VL2は、接続注入部CS-q[m]をZ2方向に平面視した場合に、インク供給流路21と重なる位置を通過し、X1方向及びY1方向の間の方向に延在する仮想的な直線である。
【0039】
また、接続構造体32-q[m]は、接続注入部CS-q[m]をZ2方向に平面視した場合に、曲線VC1及び曲線VC2の間の領域であって、直線VL1よりもY1方向で且つ直線VL2よりもY2方向の領域と、曲線VC3及び曲線VC4の間の領域であって、直線VL1よりもY1方向で且つ直線VL2よりもY2方向の領域と、に設けられる。
【0040】
図4は、インクボトルBT-q[m]の構成の一例を示す断面図である。具体的には、
図4は、接続注入部CB-q[m]がZ2方向を向くように配置されたインクボトルBT-q[m]を、Y軸方向を法線方向とする平面により切断した場合の、インクボトルBT-q[m]の断面図である。
【0041】
図4に示すように、インクボトルBT-q[m]は、インク収容部60と、接続注入部CB-q[m]と、出力端子55と、メモリ56と、を備える。
【0042】
インク収容部60は、インクIKを収容する。
接続注入部CB-q[m]は、インク収容部60から見てZ2方向に設けられ、接続対象部40-q[m]と、インク注入流路51と、を備える。
【0043】
接続対象部40-q[m]は、接続構造体41-q[m]と、接続構造体42-q[m]と、を備える。本実施形態では、接続対象部40-q[m]を接続部30-q[m]に嵌合させることで、インクボトルBT-q[m]をインク注入装置SV-q[m]に接続させる。具体的には、接続構造体41-q[m]を接続構造体31-q[m]に嵌合させ、また、接続構造体42-q[m]を接続構造体32-q[m]に嵌合させることで、インクボトルBT-q[m]をインク注入装置SV-q[m]に接続させる。
【0044】
インク注入流路51は、Z1方向に延在する流路であって、インク注入装置SV-q[m]から注入されるインクIKをインク収容部60に供給する。具体的には、インク注入流路51は、インクボトルBT-q[m]がインク注入装置SV-q[m]に接続され、Z2方向の端部に設けられたインク注入口52とインク注入口26とが接続した場合に、インク注入口26からインク注入口52に対して注入されるインクIKをインク収容部60に供給する。
【0045】
メモリ56は、ボトル識別情報DBIを記憶している。ここで、ボトル識別情報DBIとは、インク管理システムSysが備える複数のインクボトルBTの中から、各インクボトルBT-q[m]を識別するための情報である。本実施形態において、ボトル識別情報DBIは「識別情報」の一例である。
【0046】
出力端子55は、インクボトルBT-q[m]がインク注入装置SV-q[m]に接続している場合に、入力端子35と電気的に接続し、メモリ56が記憶しているボトル識別情報DBIを示す電気信号を、入力端子35に対して出力する。
【0047】
図5は、
図4におけるE-e線を通りZ軸方向を法線方向とする平面により接続注入部CB-q[m]を切断した場合の、接続注入部CB-q[m]の断面図である。
【0048】
上述のとおり、接続注入部CB-q[m]は、接続構造体41-q[m]と、接続構造体42-q[m]と、を有する。
【0049】
図5に示すように、接続構造体41-q[m]は、接続注入部CB-q[m]をZ2方向に平面視した場合に、曲線VC2及び曲線VC3の間の領域であって、直線VL1よりもY2方向で且つ直線VL2よりもY1方向の領域である左中央領域と、曲線VC1及び曲線VC3の間の領域であって、左中央領域に接続し、直線VL1よりもY1方向の領域と、曲線VC1及び曲線VC3の間の領域であって、左中央領域に接続し、直線VL2よりもY2方向の領域と、に設けられる。
【0050】
また、接続構造体42-q[m]は、接続注入部CB-q[m]をZ2方向に平面視した場合に、曲線VC2及び曲線VC3の間の領域であって、直線VL1よりもY1方向で且つ直線VL2よりもY2方向の領域である右中央領域と、曲線VC1及び曲線VC3の間の領域であって、右中央領域に接続し、直線VL2よりもY1方向の領域と、曲線VC1及び曲線VC3の間の領域であって、右中央領域に接続し、直線VL1よりもY2方向の領域と、に設けられる。
【0051】
図6は、インク注入装置SV-q[m]とインクボトルBT-q[m]とが接続している場合に、インク注入装置SV-q[m]及びインクボトルBT-q[m]を、Y軸方向を法線方向とする平面により切断したときの、インク注入装置SV-q[m]及びインクボトルBT-q[m]の断面図である。
【0052】
図6に示すように、接続構造体31-q[m]と接続構造体41-q[m]とが嵌合し、接続構造体32-q[m]と接続構造体42-q[m]とが嵌合することで、インク注入装置SV-q[m]とインクボトルBT-q[m]とが接続した場合に、ロック機構23によるインク注入弁22のロックが解除され、インク注入スイッチ221を押下することが可能となる。そして、インク注入スイッチ221が押下され、インク注入弁22によるインク供給流路21の閉塞が解除される場合に、インク供給流路21とインク注入流路51とが接続し、インク供給流路21及びインク注入流路51を介して、インク収容部10からインク収容部60へとインクIKが注入される。
【0053】
また、インク注入装置SV-q[m]とインクボトルBT-q[m]とが接続した場合、入力端子35及び出力端子55が電気的に接続する。そして、インク注入装置SV-q[m]とインクボトルBT-q[m]とが接続した場合、入力端子35には、出力端子55を介して、メモリ56が記憶しているボトル識別情報DBIを示す電気信号が入力される。
【0054】
なお、
図2乃至
図6で説明した接続部30-q[m]の形状は、インク管理システムSysに含まれる複数のインク注入装置SVのうち、インク注入装置SV-q[m]にユニークな形状である。つまり、インク管理システムSysに含まれる複数のインク注入装置SVのうち、インク注入装置SV-q[m]とは異なるインク注入装置SVに設けられた接続部30は、接続部30-q[m]とは異なる形状を有する。
【0055】
具体的には、インク保管装置S-qに設けられたM個のインク注入装置SVのうち、m1番目のインクIKに対応するインク注入装置SV-q[m1]に設けられた接続部30-q[m1]と、m2番目のインクIKに対応するインク注入装置SV-q[m2]に設けられた接続部30-q[m2]とは、異なる形状を有する。ここで、変数m1は、1≦m1≦Mを満たす自然数であり、変数m2は、1≦m2≦Mを満たす変数m1とは異なる自然数である。換言すれば、同一のインク保管装置S-qに設けられたM個の接続部30-q[1]~30-q[M]は互いに異なる形状を有する。
また、インク保管装置S-q1に設けられたインク注入装置SV-q1[m1]が具備する接続部30-q1[m1]と、インク保管装置S-q2に設けられたインク注入装置SV-q2[m1]が具備する接続部30-q2[m1]とは、異なる形状を有する。ここで、変数q1は、1≦q1≦Qを満たす自然数であり、変数q2は、1≦q2≦Qを満たす変数q1とは異なる自然数である。換言すれば、異なる施設FCに配置された複数の接続部30は互いに異なる形状を有する。
【0056】
また、
図2乃至
図6で説明した接続対象部40-q[m]の形状は、インク管理システムSysに含まれる複数のインクボトルBTのうち、インクボトルBT-q[m]にユニークな形状である。つまり、インク管理システムSysに含まれる複数のインクボトルBTのうち、インクボトルBT-q[m]とは異なるインクボトルBTに設けられた接続対象部40は、接続対象部40-q[m]とは異なる形状を有する。
【0057】
具体的には、施設FC-qに設けられたM個のインクボトルBTのうち、m1番目のインクIKに対応するインクボトルBT-q[m1]に設けられた接続対象部40-q[m1]と、m2番目のインクIKに対応するインクボトルBT-q[m2]に設けられた接続対象部40-q[m2]とは、異なる形状を有する。換言すれば、同一の施設FC-qに設けられたM個の接続対象部40-q[1]~40-q[M]は互いに異なる形状を有する。
また、施設FC-q1に設けられたインクボトルBT-q1[m1]が具備する接続対象部40-q1[m1]と、施設FC-q2に設けられたインクボトルBT-q2[m1]が具備する接続対象部40-q2[m1]とは、異なる形状を有する。換言すれば、異なる施設FCに設けられた複数の接続対象部40は互いに異なる形状を有する。
【0058】
そして、本実施形態において、インク注入装置SV-q[m]に設けられた接続部30-q[m]は、インク管理システムSysに含まれる複数のインクボトルBTのうち、インクボトルBT-q[m]に設けられた接続対象部40-q[m]とのみ嵌合することが可能であり、インク管理システムSysに含まれる複数のインクボトルBT-q[m]のうち、インクボトルBT-q[m]以外のインクボトルBTに設けられた接続対象部40とは嵌合できない。
【0059】
具体的には、インク保管装置S-qに設けられたM個のインク注入装置SVのうち、m1番目のインクIKに対応するインク注入装置SV-q[m1]に設けられた接続部30-q[m1]は、施設FC-qに設けられたM個のインクボトルBTのうち、m1番目のインクIKに対応するインクボトルBT-q[m1]に設けられた接続対象部40-q[m1]と嵌合することが可能であるが、施設FC-qに設けられたM個のインクボトルBTのうち、m2番目のインクIKに対応するインクボトルBT-q[m2]に設けられた接続対象部40-q[m2]と嵌合することはできない。
また、施設FC-q1に設けられたM個のインク注入装置SVのうち、m1番目のインクIKに対応するインク注入装置SV-q1[m1]に設けられた接続部30-q1[m1]は、施設FC-q1に設けられたM個のインクボトルBTのうち、m1番目のインクIKに対応するインクボトルBT-q1[m1]に設けられた接続対象部40-q1[m1]と嵌合することが可能であるが、施設FC-q2に設けられたM個のインクボトルBTのうち、m1番目のインクIKに対応するインクボトルBT-q2[m1]に設けられた接続対象部40-q2[m1]と嵌合することはできない。
【0060】
また、本実施形態において、接続注入部CP-q[m]の形状は、インク管理システムSysに含まれる複数のインクタンクTKのうち、インクタンクTK-q[m]にユニークな形状である。そして、本実施形態において、インクボトルBT-q[m]に設けられた接続注入部CB-q[m]は、インク管理システムSysに含まれる複数のインクタンクTKのうち、インクタンクTK-q[m]に設けられた接続注入部CP-q[m]とのみ接続することが可能であり、インク管理システムSysに含まれる複数のインクタンクTKのうち、インクタンクTK-q[m]以外のインクタンクTKに設けられた接続注入部CPとは接続できない。
【0061】
なお、本実施形態において、施設FC-qに設けられた複数のインクジェットプリンターPR-qが備える複数のインクタンクTKのうち、m番目のインクIKに対応する複数のインクタンクTK-q[m]が具備する複数の接続注入部CP-q[m]は、互いに共通の形状を有する。具体的には、インクジェットプリンターPR-q(1)が具備するインクタンクTK-q[m]に設けられた接続注入部CP-q[m]と、インクジェットプリンターPR-q(2)が具備するインクタンクTK-q[m]に設けられた接続注入部CP-q[m]とは、共通の形状を具備する。すなわち、本実施形態において、インクボトルBT-q[m]に設けられた接続注入部CB-q[m]は、インク管理システムSysに含まれる複数のインクタンクTKのうち、インクジェットプリンターPR-q(1)が具備するインクタンクTK-q[m]に設けられた接続注入部CP-q[m]と、インクジェットプリンターPR-q(2)が具備するインクタンクTK-q[m]に設けられた接続注入部CP-q[m]と、の両方に接続することが可能である。
【0062】
<<3.制御装置の概要>>
以下、
図7を参照しつつ、本実施形態に係る制御装置SG-qの構成の一例について説明する。
【0063】
図7は、制御装置SG-qの構成の一例を示すブロック図である。
【0064】
図7に示すように、制御装置SG-qは、処理装置71と、記憶装置72と、通信装置73と、音声取得装置74と、通知装置75と、を備える。
【0065】
通信装置73は、ネットワークNWを介して、制御装置SG-qの外部に存在する管理サーバKS等の外部装置と通信するためのハードウェアである。
【0066】
記憶装置72は、例えば、処理装置71の作業領域として機能するRAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリと、各種情報を記憶するEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の不揮発性メモリとの、一方または双方を含んで構成される。
【0067】
記憶装置72は、装置識別情報DIと、インク供給履歴情報DRと、インク保管装置S-qの制御プログラムPGと、を記憶している。
【0068】
装置識別情報DIは、インク保管装置S-qが備えるインク注入装置SV-q[m]に接続することが可能なインクボトルBT-q[m]を示す情報である。具体的には、装置識別情報DIは、インク保管装置S-qが備えるM個のインク注入装置SV-q[1]~SV-q[M]に対応するM個の注入装置識別情報DSIと、当該M個のインク注入装置SV-q[1]~SV-q[M]に接続可能なM個のインクボトルBT-q[1]~BT-q[M]に対応するM個のボトル識別情報DBIと、を1対1に対応付けた情報である。ここで、注入装置識別情報DSIとは、インク管理システムSysが備える複数のインク注入装置SVの中から、各インク注入装置SV-q[m]を識別するための情報である。
【0069】
インク供給履歴情報DRは、インク保管装置S-qが備えるM個のインク注入装置SV-q[1]~SV-q[M]の各々による、インクIKの供給の履歴を示す情報である。具体的には、インク供給履歴情報DRは、インク保管装置S-qが備えるM個のインク注入装置SV-q[1]~SV-q[M]のうち、インクIKを供給したインク注入装置SV-q[m]に対応する注入装置識別情報DSIと、インク注入装置SV-q[m]からインクIKの供給を受けたインクボトルBT-q[m]に対応するボトル識別情報DBIと、インク注入装置SV-q[m]によるインクIKの供給日時を示す情報と、インク注入装置SV-q[m]によるインクIKの供給量を示す情報と、を含む情報である。なお、インク供給履歴情報DRは「インク関連情報」の一例である。
【0070】
処理装置71は、プロセッサを含んで構成され、インク保管装置S-qの各部を制御する。処理装置71に設けられたプロセッサは、例えば、1または複数のCPU(Central Processing Unit)を含んで構成される。但し、処理装置71に設けられたプロセッサは、1または複数のCPUに加え、または、1または複数のCPUのうち一部または全部に替えて、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、または、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の、ハードウェアを含んで構成されるものであってもよい。
【0071】
処理装置71に設けられたプロセッサは、記憶装置72に記憶された制御プログラムPGを実行し、当該制御プログラムPGに従って動作することで、識別情報取得部711、インク供給判定部712、応答情報取得部713、及び、管理情報供給部714として機能することができる。
【0072】
識別情報取得部711は、インク注入装置SV-q[m]にインクボトルBT-q[m]が接続された場合、インク注入装置SV-q[m]が備える入力端子35と、インクボトルBT-q[m]が備える出力端子55と、を介して、インクボトルBT-q[m]が備えるメモリ56から、インクボトルBT-q[m]を識別するためのボトル識別情報DBIを取得する。
【0073】
インク供給判定部712は、識別情報取得部711が取得したボトル識別情報DBIと、記憶装置72に記憶されている装置識別情報DIとに基づいて、インク注入装置SV-q[m]に接続したインクボトルBTが、インク注入装置SV-q[m]に対応するインクボトルBT-q[m]であるか否かを判定する。つまり、インク供給判定部712は、インク注入装置SV-q[m]に接続したインクボトルBTから取得したボトル識別情報DBIが、インク注入装置SV-q[m]を識別する注入装置識別情報DSIに対応するボトル識別情報DBIであるか否かを判定する。なお、インク供給判定部712は「判定部」の一例である。
【0074】
そして、処理装置71は、インク供給判定部712による判定の結果が肯定の場合、ロック機構23によるインク注入弁22のロックの解除が可能となるように、ロック機構23を制御する。また、処理装置71は、インク供給判定部712による判定の結果が否定の場合、ロック機構23によりインク注入弁22がロックされるように、ロック機構23を制御する。
【0075】
管理情報供給部714は、管理サーバKSに対して、ボトル識別情報DBIを含むインク供給履歴情報DR等の情報を供給する。なお、管理情報供給部714は「供給部」の一例である。
【0076】
音声取得装置74は、例えばマイクロフォンであり、ユーザU-qの音声を取得する。
管理情報供給部714は、管理サーバKSに対して、音声取得装置74の取得したユーザU-qの音声を示す音声情報DUSを供給する。
【0077】
本実施形態において、管理サーバKSは、ユーザU-qの音声を解析する音声解析機能と、音声解析機能による解析結果に基づいて、ユーザU-qの音声に対する応答を示す応答情報DUOを生成する応答機能と、を備える。
応答情報取得部713は、管理サーバKSから、応答情報DUOを取得する。
【0078】
通知装置75は、例えばスピーカーであり、応答情報取得部713の取得した応答情報DUOの示す応答内容を表す音声を出力する。
【0079】
なお、本実施形態では、一例として、音声解析機能及び応答機能が管理サーバKSに設けられる態様を例示しているが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。音声解析機能及び応答機能の一方または両方は、制御装置SG-qに設けられてもよい。
【0080】
また、本実施形態では、一例として、インク保管装置S-qが、M個のインク注入装置SV-q[1]~SV-q[M]と、1個の制御装置SG-qと、を備える態様を例示しているが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。制御装置SG-qは、各インク注入装置SV-q[m]に設けられてもよい。
【0081】
<<4.実施形態の結び>>
以上のように、本実施形態に係るインク注入装置SV-q[m]は、インクジェットプリンターPR-qに設けられたインクタンクTK-q[m]にインクIKを供給するためのインクボトルBT-q[m]に対して、インクIKを注入するインク注入装置SV-q[m]であって、接続部30-q[m]と、インクボトルBT-q[m]が有する接続対象部40-q[m]と接続部30-q[m]とが嵌合した場合に限り、インクボトルBT-q[m]へのインクIKの注入が可能となるインク注入部20と、を備える、ことを特徴とする。
【0082】
このように、本実施形態によれば、インク注入装置SV-q[m]がインクIKを注入可能なインクボトルBTが、インク注入装置SV-q[m]が具備する接続部30-q[m]に対応する接続対象部40-q[m]を有するインクボトルBT-q[m]に限られるため、ユーザU-qは、インクボトルBT-q[m]を再利用することになる。つまり、本実施形態によれば、インク注入装置SV-q[m]が任意のインクボトルBTに対してインクIKを注入可能な態様と比較して、インクボトルBTが破棄される可能性を低減することができる。このため、本実施形態によれば、インク注入装置SV-q[m]が任意のインクボトルBTに対してインクIKを注入可能な態様と比較して、SDGsのターゲット「12.5」に記載のように、インクボトルBTが廃棄物となる可能性を低減させ、廃棄物の発生防止、削減、及び、再利用により廃棄物の発生を大幅に削減することへの貢献が可能となる。
また、本実施形態によれば、インク注入装置SV-q[m]がインクIKを注入可能なインクボトルBTがインクボトルBT-q[m]に限られるため、インク注入装置SV-q[m]が任意のインクボトルBTに対してインクIKを注入可能な態様と比較して、インクボトルBTの廃棄に伴い、インクボトルBT内に残存するインクIKが廃棄される可能性も低減することができる。このため、本実施形態によれば、インク注入装置SV-q[m]が任意のインクボトルBTに対してインクIKを注入可能な態様と比較して、SDGsのターゲット「12.4」に記載のよう、インクIKが廃棄物となる可能性を低減させ、廃棄物の管理を実現し、廃棄物に含まれる化学物質等の大気、水、及び、土壌への放出を大幅に削減することへの貢献が可能となる。
以上のように、本実施形態によれば、インク注入装置SV-q[m]が任意のインクボトルBTに対してインクIKを注入可能な態様と比較して、SDGsの目標12「持続可能な生産消費形態を確保する」こと、に対して大きく貢献することができる。
【0083】
また、本実施形態によれば、インク注入装置SV-q[m]がインクIKを注入可能なインクボトルBTがインクボトルBT-q[m]に限られるため、インク注入装置SV-q[m]が任意のインクボトルBTに対してインクIKを注入可能な態様と比較して、インクボトルBTの廃棄に伴う、インクボトルBT内のインクIKが廃棄される可能性を低減することができる。つまり、本実施形態によれば、インク注入装置SV-q[m]が任意のインクボトルBTに対してインクIKを注入可能な態様と比較して、SDGsのターゲット「3.9」に記載のように、インクIKが廃棄物となる可能性を低減させ、化学物質等の廃棄物による大気、水、及び、土壌の汚染による死亡及び疾病の件数の大幅に削減することへの貢献が可能となる。
以上のように、本実施形態によれば、インク注入装置SV-q[m]が任意のインクボトルBTに対してインクIKを注入可能な態様と比較して、SDGsの目標3「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する」こと、に対して大きく貢献することができる。
【0084】
また、本実施形態によれば、インク注入装置SV-q[m]がインクIKを注入可能なインクボトルBTがインクボトルBT-q[m]に限られるため、インク注入装置SV-q[m]が任意のインクボトルBTに対してインクIKを注入可能な態様と比較して、インクボトルBT及びインクボトルBT内のインクIKが安易に廃棄される可能性を低減することができる。つまり、本実施形態によれば、インク注入装置SV-q[m]が任意のインクボトルBTに対してインクIKを注入可能な態様と比較して、SDGsのターゲット「11.6」に記載のように、インクボトルBT及びインクIKが廃棄物となる可能性を低減させ、廃棄物の管理に特別な注意を払うことを可能とし、都市の一人当たりの環境上の悪影響を軽減することができる。
以上のように、本実施形態によれば、インク注入装置SV-q[m]が任意のインクボトルBTに対してインクIKを注入可能な態様と比較して、SDGsの目標11「包摂的で安全かつ強靱で持続可能な都市及び人間居住を実現する」こと、に対して大きく貢献することができる。
【0085】
また、本実施形態によれば、インク注入装置SV-q[m]がインクIKを注入可能なインクボトルBTがインクボトルBT-q[m]に限られるため、インク注入装置SV-q[m]が任意のインクボトルBTに対してインクIKを注入可能な態様と比較して、視力の低いユーザU-qまたは指を自由に動かすことのできないユーザU-q等、障がい者及び高齢者が、本来注入すべきでないインクボトルBTにインクIKを誤注入してしまう可能性を低減することができる。つまり、本実施形態によれば、インク注入装置SV-q[m]が任意のインクボトルBTに対してインクIKを注入可能な態様と比較して、SDGsのターゲット「10.2」に記載のように、年齢、性別、障がい、人種、民族、出自、宗教、あるいは、経済的地位その他の状況に関わりなく、すべての人々が社会的、経済的、及び、政治的に取り残されないようにすることができる。
以上のように、本実施形態によれば、インク注入装置SV-q[m]が任意のインクボトルBTに対してインクIKを注入可能な態様と比較して、SDGsの目標10「各国内及び各国間の不平等を是正する」こと、に対して大きく貢献することができる。
【0086】
また、本実施形態において、接続部30-q[m]は、接続構造体31-q[m]と、接続構造体32-q[m]と、を有し、インク注入部20は、接続部30-q[m]と接続対象部40-q[m]とが嵌合した場合に、インクIKを収容するインク収容部10からインクボトルBT-q[m]に対してインクIKを供給するインク供給流路21を備え、インク供給流路21は、接続構造体31-q[m]及び接続構造体32-q[m]の間に位置する、ことを特徴とする。
【0087】
このように、本実施形態によれば、インク供給流路21が接続構造体31-q[m]及び接続構造体32-q[m]の間に設けられるため、インク供給流路21の周囲に接続構造体31-q[m]及び接続構造体32-q[m]が設けられていない態様と比較して、視力の低いユーザU-qまたは指を自由に動かすことのできないユーザU-qが、インク供給流路21に触れてしまうリスクを低減することができる。すなわち、本実施形態によれば、インク供給流路21の周囲に接続構造体31-q[m]及び接続構造体32-q[m]が設けられていない態様と比較して、障がい者及び高齢者が、インクIKに触れて指先を汚してしまうリスクを低減することができる。つまり、本実施形態によれば、インク供給流路21の周囲に接続構造体31-q[m]及び接続構造体32-q[m]が設けられていない態様と比較して、SDGsのターゲット「10.2」に記載のように、年齢、性別、障がい、人種、民族、出自、宗教、あるいは、経済的地位その他の状況に関わりなく、すべての人々が社会的、経済的、及び、政治的に取り残されないようにすることができる。
以上のように、本実施形態によれば、インク供給流路21の周囲に接続構造体31-q[m]及び接続構造体32-q[m]が設けられていない態様と比較して、SDGsの目標10「各国内及び各国間の不平等を是正する」こと、に対して大きく貢献することができる。
【0088】
また、本実施形態において、インク注入装置SV-q[m]は、インクボトルBT-q[m]に設けられインクボトルBT-q[m]を識別するボトル識別情報DBIを記憶するメモリ56から、ボトル識別情報DBIを取得する識別情報取得部711と、識別情報取得部711の取得したボトル識別情報DBIに基づいて、インク注入部20からインクボトルBT-q[m]に対するインクIKの注入の可否を判定するインク供給判定部712と、を備える、ことを特徴としてもよい。
【0089】
このため、本実施形態によれば、例えば、接続部30-q[m]を破壊する等して、インク注入装置SV-q[m]に対してインクボトルBT-q[m]以外のインクボトルBTが強引に接続された場合に、当該インクボトルBTに対してインク注入装置SV-q[m]からインクIKが注入されることを防止することができる。
【0090】
また、本実施形態において、インク注入装置SV-q[m]は、情報を入力するための入力端子35を備え、識別情報取得部711は、インクボトルBT-q[m]に設けられた出力端子55と、出力端子55に接続された入力端子35と、を経由して、ボトル識別情報DBIを取得する、ことを特徴としてもよい。
【0091】
なお、本実施形態において、インク注入装置SV-q[m]に設けられた識別情報取得部711は、入力端子35及び出力端子55を経由して、インクボトルBT-q[m]に設けられたメモリ56からボトル識別情報DBIを取得するが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、インク注入装置SV-q[m]に設けられた識別情報取得部711は、通信装置73を介した通信により、インクボトルBT-q[m]に設けられたメモリ56からボトル識別情報DBIを取得してもよい。この場合、インクボトルBT-q[m]は、通信を実行するための通信装置である、ボトル側通信装置が設けられてもよい。すなわち、インク注入装置SV-q[m]に設けられた識別情報取得部711は、インクボトルBT-q[m]に設けられたボトル側通信装置と、通信装置73とを経由して、ボトル識別情報DBIを取得する、ことを特徴としてもよい。
【0092】
また、本実施形態において、インク注入装置SV-q[m]は、インク注入装置SV-q[m]がインクIKを注入したインクボトルBT-q[m]を識別するボトル識別情報DBIを、インク注入装置SV-q[m]を管理する管理サーバKSに供給する管理情報供給部714を備えてもよい。
【0093】
このため、本実施形態によれば、インク管理システムSysにおいて使用されているインクボトルBTの状況を把握することが可能となる。
【0094】
また、本実施形態において、インク注入装置SV-q[m]は、インク注入装置SV-q[m]に収容されたインクIKに関連するインク供給履歴情報DRを、インク注入装置SV-q[m]を管理する管理サーバKSに供給する管理情報供給部714を備えてもよい。
【0095】
このため、本実施形態によれば、インク注入装置SV-q[m]に収容されたインクIKの使用状況、及び、インク注入装置SV-q[m]に収容されたインクIKの残量を把握することが可能となる。
【0096】
また、本実施形態において、インク注入装置SV-q[m]は、ユーザU-qの音声を取得する音声取得装置74と、音声取得装置74が取得したユーザU-qの音声に対する応答をユーザU-qに通知する通知装置75と、を備えてもよい。
【0097】
このため、本実施形態によれば、インク注入装置SV-q[m]が音声取得装置74及び通知装置75を備えない態様と比較して、ユーザU-qの利便性が向上する。
【0098】
また、本実施形態において、インク注入装置SV-q[m]は、ユーザU-qの音声を解析し、当該解析結果に基づいてユーザU-qの音声に対する応答を示す応答情報DUOを生成する管理サーバKSに対して、音声取得装置74が取得したユーザU-qの音声を示す音声情報DUSを供給する管理情報供給部714と、管理サーバKSの生成した応答情報DUOを管理サーバKSから取得する応答情報取得部713と、を備え、通知装置75は、応答情報取得部713の取得した応答情報DUOに基づく音声をユーザU-qに通知する、ことを特徴としてもよい。
【0099】
<<B.変形例>>
以上の各形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲内で適宜に併合され得る。なお、以下に例示する変形例において作用や機能が実施形態と同等である要素については、以上の説明で参照した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0100】
<<変形例1>>
上述した実施形態では、接続部30-q[m]が接続構造体31-q[m]と接続構造体32-q[m]とを備える態様を例示して説明したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。また、上述した実施形態では、接続対象部40-q[m]が接続構造体41-q[m]と接続構造体42-q[m]とを備える態様を例示して説明したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。
【0101】
図8は、
図2におけるE-e線を通りZ軸方向を法線方向とする平面により接続注入部CS-q[m]を切断した場合の、接続注入部CS-q[m]の断面図である。
【0102】
図8に示すように、本変形例において、接続注入部CS-q[m]に設けられた接続部30-q[m]は、インク供給流路21を形成する流路構造体25の周囲を取り囲むように設けられた環状構造体310-q[m]と、流路構造体25及び環状構造体310-q[m]の間に設けられた接続構造体311-q[m]、接続構造体312-q[m]、接続構造体313-q[m]、及び、接続構造体314-q[m]と、を備える。
【0103】
図9は、
図4におけるE-e線を通りZ軸方向を法線方向とする平面により接続注入部CB-q[m]を切断した場合の、接続注入部CB-q[m]の断面図である。
【0104】
図9に示すように、本変形例において、接続注入部CB-q[m]に設けられた接続対象部40-q[m]は、接続部30-q[m]と嵌合可能な形状を有する環状構造体410-q[m]を備える。環状構造体410-q[m]は、インクボトルBT-q[m]がインク注入装置SV-q[m]に接続した場合に、インク供給流路21を形成する流路構造体25の周囲を取り囲む。
【0105】
以上のように、本変形例に係るインク注入装置SV-q[m]において、接続部30-q[m]は、環状の形状を有する環状構造体310-q[m]を有し、インク注入部20は、接続部30-q[m]と接続対象部40-q[m]とが嵌合した場合に、インクIKを収容するインク収容部10からインクボトルBT-q[m]に対してインクIKを供給するインク供給流路21を備え、インク供給流路21は、周囲が環状構造体310-q[m]に囲まれるように配置される、ことを特徴とする。
【0106】
このように、本変形例によれば、インク供給流路21が環状構造体310-q[m]に囲まれるため、インク供給流路21の周囲に環状構造体310-q[m]が設けられていない態様と比較して、ユーザU-qがインク供給流路21に触れてしまうリスクを低減することができる。すなわち、本変形例によれば、インク供給流路21の周囲に環状構造体310-q[m]が設けられていない態様と比較して、障がい者及び高齢者が、インクIKに触れて指先を汚してしまうリスクを低減することができる。つまり、本変形例によれば、インク供給流路21の周囲に環状構造体310-q[m]が設けられていない態様と比較して、SDGsのターゲット「10.2」に記載のように、年齢、性別、障がい、人種、民族、出自、宗教、あるいは、経済的地位その他の状況に関わりなく、すべての人々が社会的、経済的、及び、政治的に取り残されないようにすることができる。
以上のように、本変形例によれば、インク供給流路21の周囲に環状構造体310-q[m]が設けられていない態様と比較して、SDGsの目標10「各国内及び各国間の不平等を是正する」こと、に対して大きく貢献することができる。
【0107】
<<変形例2>>
上述した実施形態及び変形例1では、インク管理システムSysが管理サーバKSを備える態様を例示して説明したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。インク管理システムSysは管理サーバKSを備えなくてもよい。この場合、制御装置SG-qは通信装置73を備えなくてもよい。
【0108】
<<変形例3>>
上述した実施形態並びに変形例1及び2では、インク保管装置S-qが制御装置SG-qを備える態様を例示して説明したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。インク保管装置S-qは制御装置SG-qを備えなくてもよい。
【0109】
また、上述した実施形態並びに変形例1及び2では、インク注入装置SV-q[m]が入力端子35を備える態様を例示して説明したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。インク注入装置SV-q[m]は入力端子35を備えなくてもよい。
【0110】
また、上述した実施形態並びに変形例1及び2では、インクボトルBT-q[m]が出力端子55及びメモリ56を備える態様を例示して説明したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。インクボトルBT-q[m]は出力端子55及びメモリ56を備えなくてもよい。
【符号の説明】
【0111】
10…インク収容部、20…インク注入部、21…インク供給流路、22…インク注入弁、23…ロック機構、30-q[m]…接続部、31-q[m]…接続構造体、32-q[m]…接続構造体、40-q[m]…接続対象部、41-q[m]…接続構造体、42-q[m]…接続構造体、BT-q[m]…インクボトル、CB-q[m]…接続注入部、CS-q[m]…接続注入部、SV-q[m]…インク注入装置。