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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143482
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】商取引情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20241003BHJP
【FI】
G06Q30/0601
G06Q30/0601 340
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023056195
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】521352082
【氏名又は名称】株式会社ファーストクラス
(74)【代理人】
【識別番号】110000213
【氏名又は名称】弁理士法人プロスペック特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小笠原 慎
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB22
5L030BB66
5L049BB22
5L049BB66
(57)【要約】      (修正有)
【課題】廃棄される商品の量を低減させる商取引情報処理装置、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】商取引情報処理装置は、記憶装置(11)と接続されたECサーバ(10)を含む。ECサーバは、商品提供者サーバ(21)から電子商取引により販売可能な商品についての商品情報を受信し記憶装置に格納する。ECサーバは、消費者端末(31、41等)から入力されたログイン情報に含まれる法人コードが記憶装置に予め記憶されている契約法人コードと一致している場合、ECサーバが提供する販売サイトでの商品の購入を許可する。ECサーバは、消費者端末から、商品購入要求を受信したとき、当該商品購入要求のあった商品の会計処理を行うとともに当該商品購入要求のあった商品の販売価格のうちの一部を社会貢献ポイントとして自動的に計上し、その計上された社会貢献ポイントを含むデータを、記憶装置に、契約法人コード別に集計可能に記憶させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークと、情報を記憶する記憶装置と、に接続されたサーバを含む、電子商取引を行うための商取引情報処理装置であって、
前記サーバは、
商品提供者が管轄する商品提供情報装置から前記電子商取引により販売可能な商品についての情報である商品情報をネットワークを通して受信し、
消費者端末から法人コードを含むログイン情報をネットワークを通して受信し、
前記ログイン情報に含まれる前記法人コードが前記記憶装置に予め記憶されているログイン許可用の契約法人コードと一致しているか否かを判定し、
前記ログイン情報に含まれる前記法人コードが前記記憶装置に予め記憶されている前記ログイン許可用の契約法人コードと一致している場合、
前記受信した商品情報により特定される商品の少なくとも一部の商品を含む表示可能商品と当該表示可能商品の販売価格とを含む販売情報を、前記消費者端末のディスプレイに表示させるための提示商品情報として、前記消費者端末にネットワークを通して送信し、
前記消費者端末から、前記表示可能商品の一つに対する商品購入要求をネットワークを通して受信したとき、当該商品購入要求のあった商品の会計処理を行うとともに当該商品購入要求のあった商品の販売価格のうちの一部を社会貢献ポイントとして自動的に計上し、その計上された社会貢献ポイントを含むデータを、前記記憶装置に、前記ログイン許可用の契約法人コード別に集計可能に記憶させる、
処理を行うように構成された、商取引情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の商取引情報処理装置において、
前記サーバは、
前記契約法人コードに対応する契約法人情報装置から前記社会貢献ポイントの集計データについての集計データ要求があった場合、
前記契約法人コードに対応する前記社会貢献ポイントを前記記憶装置に記憶されているデータに基いて集計し、
前記集計されたデータを前記契約法人情報装置にネットワークを通して送信する、
処理を行うように構成された、商取引情報処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の商取引情報処理装置において、
前記サーバは、
前記契約法人コードに対応する契約法人情報装置から前記社会貢献ポイントの集計データについての集計データ要求があった場合、
前記契約法人コードに対応する前記社会貢献ポイントを前記記憶装置に記憶されているデータに基いて集計した第1集計データを生成し、
前記契約法人コードと社会貢献ポイントの集計データ要求上の特定の関係を有するように関連付けられた別の契約法人コードが前記記憶装置に予め記憶されている場合、前記別の契約法人コードに対応する前記社会貢献ポイントを、前記記憶装置に記憶されているデータに基いて集計した第2集計データを生成し、
前記第1集計データ及び前記第2集計データを前記契約法人情報装置にネットワークを通して送信する、
処理を行うように構成された、商取引情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク(例えば、インターネット)を用いて電子商取引を行うための、情報処理装置(商取引情報処理装置)、情報処理方法及びそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ネットワークを介して商品を販売する電子商取引(EC:Electronic Commerce)を行うための情報処理装置が多数知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4959817号公報
【特許文献2】特許第7212751号公報
【発明の概要】
【0004】
ところで、廃棄期限(例えば、賞味期限)までの期間が短くなった商品、型落ちとなった商品、及び、在庫過剰状態となっている商品等であって、廃棄せざるを得ない商品が一定数存在する。このような「廃棄される商品」の量を低減することが、SDGsの観点からも大いに求められている。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされた。即ち、本発明の目的の一つは、消費者が商品を購入することによって自動的に社会貢献をすることが可能となるようにして、上記のような商品の購入についてのインセンティブを消費者及びその消費者が属している団体に与えることができ、もって、上記のような廃棄される商品の量を低減することができる「商取引情報処理装置」を提供することにある。
【0006】
本発明の商取引情報処理装置は、電子商取引を行うための装置であり、ネットワーク(NW)と、情報を記憶する記憶装置(11)と、に接続されたサーバ(電子商取引サーバ10)を含む。
【0007】
前記サーバは、
商品提供者が管轄する商品提供情報装置から前記電子商取引により販売可能な商品についての情報である商品情報をネットワークを通して受信し、
消費者端末から法人コードを含むログイン情報をネットワークを通して受信し、
前記ログイン情報に含まれる前記法人コードが前記記憶装置に予め記憶されているログイン許可用の契約法人コードと一致しているか否かを判定し(ステップ505)、
前記ログイン情報に含まれる前記法人コードが前記記憶装置に予め記憶されている前記ログイン許可用の契約法人コードと一致している場合(ステップ505:Yes)、
前記受信した商品情報により特定される商品の少なくとも一部の商品を含む表示可能商品と当該表示可能商品の販売価格とを含む販売情報を、前記消費者端末のディスプレイに表示させるための提示商品情報として、前記消費者端末にネットワークを通して送信し(ステップ515)、
前記消費者端末から、前記表示可能商品の一つに対する商品購入要求をネットワークを通して受信したとき、当該商品購入要求のあった商品の会計処理を行うとともに当該商品購入要求のあった商品の販売価格のうちの一部を社会貢献ポイントとして自動的に計上し(ステップ540)、その計上された社会貢献ポイントを含むデータを、前記記憶装置に、前記ログイン許可用の契約法人コード別に集計可能に記憶させる(ステップ545)、
処理を行うように構成されている。
【0008】
商品提供情報装置は、商品を提供することを目的とする団体或いは個人であって「当該団体に属する消費者(例えば、自社の従業員)」への販売を目的としていない団体が管轄する装置であってもよく、自社の従業員への商品の販売を目的としている契約法人が管轄する情報処理装置(即ち、前記記憶装置に予め記憶されている前記ログイン許可用の契約法人コードに対応する法人が管轄する契約法人情報処理装置)であってもよい。
【0009】
これによれば、消費者が消費者端末を用いて、記憶装置に予め記憶されている「ログイン許可用の契約法人コード」を用いて上記サーバが提供する販売サイトにログインした上で商品を購入すると、商品の販売価格のうちの一部が社会貢献ポイントとして自動的に計上される。社会貢献ポイントは、例えば、換金されて社会貢献活動を行っているNPOなどに寄付される。従って、消費者は、自分が商品を購入することによって社会貢献を行うことができることを予め理解できるので、積極的に商品を購入しようとする。一方、例えば、消費者(例えば、従業員)が属する法人(会社、NPO、商工会議所及び地方公共団体等、複数の消費者である個人ユーザと特定の関係を有する団体)は、ログイン許可用の契約法人コードを自身に属する消費者に通知することのみによって、その消費者に社会貢献させることが可能となる。更に、社会貢献ポイントは、その契約法人コード別に集計可能に記憶装置に記憶(保存)されるので、法人は当該法人に属する消費者によって、法人全体として行うことができた社会貢献の程度を別途簡単に知ることが可能となる。以上から、上述したような廃棄される商品を廃棄前により多く販売することができるので、廃棄される商品の量を低減することができる。
【0010】
本発明の一態様において、
前記サーバは、
前記契約法人コードに対応する契約法人情報装置から前記社会貢献ポイントの集計データについての集計データ要求があった場合(ステップ710)、
前記契約法人コードに対応する前記社会貢献ポイントを前記記憶装置に記憶されているデータに基いて集計し(ステップ720)、
前記集計されたデータを前記契約法人情報装置にネットワークを通して送信する(ステップ730)、
処理を行うように構成される。
【0011】
これによれば、法人は当該法人に属する消費者によって、当該法人全体として行うことができた社会貢献の程度を簡単に知ることができる。
【0012】
本発明の一態様において、
前記サーバは、
前記契約法人コードに対応する契約法人情報装置から前記社会貢献ポイントの集計データについての集計データ要求があった場合(ステップ710)、
前記契約法人コードに対応する前記社会貢献ポイントを前記記憶装置に記憶されているデータに基いて集計した第1集計データを生成し(ステップ720)、
前記契約法人コードと社会貢献ポイントの集計データ要求上の特定の関係を有するように関連付けられた別の契約法人コードが前記記憶装置に予め記憶されている場合(ステップ740:Yes)、前記別の契約法人コードに対応する前記社会貢献ポイントを前記記憶装置に記憶されているデータに基いて集計した第2集計データを生成し(ステップ750)、
前記第1集計データ及び前記第2集計データを前記契約法人情報装置にネットワークを通して送信する(ステップ730及びステップ760)、
処理を行うように構成される。
【0013】
例えば、販売代理店は、親代理店及び子代理店により構成されている場合がある。この場合、親代理店は子代理店による社会貢献の程度を把握したいという要望がある。その一方、子代理店が親代理店についての社会貢献に関する情報を把握することを禁止したいとの要望もある。そこで、子代理店を「親代理店と、社会貢献ポイントの集計データ要求上の特定の関係にある法人」として、子代理店の契約法人コードを親代理店の契約法人コードと上記「社会貢献ポイントの集計データ要求上の特定の関係」にある契約法人コードとして設定しておく。これにより、上記のように第1集計データ及び第2集計データを生成すれば、上記要望を簡単に満たすことができる。なお、社会貢献ポイントの集計データ要求上の特定の関係にある法人は、上記のような「親代理店及び子代理店の関係」に限定されることはなく、任意に設定することができる。
【0014】
上記説明においては、本発明の理解を助けるために、実施形態に対応する発明の構成要件に対して、実施形態で用いた符号を括弧書きで添えているが、発明の構成要件は、前記符号によって規定される実施形態に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明の実施形態に係る商取引情報処理装置を含む概略システム構成図である。
図2図2は、図1に示した電子商取引サーバが実行するルーチンを示したフローチャートである。
図3図3は、図1に示したデータベースが保有するデータテーブルである。
図4図4は、図1に示した電子商取引サーバが実行するルーチンを示したフローチャートである。
図5図5は、図1に示した電子商取引サーバが実行するルーチンを示したフローチャートである。
図6図6は、図1に示した電子商取引サーバが実行するサブルーチンを示したフローチャートである。
図7図7は、図1に示した電子商取引サーバが実行するルーチンを示したフローチャートである。
図8】本発明の実施形態の第1変形例に係る商取引情報処理装置の電子商取引サーバが実行するルーチンを示したフローチャートである。
図9】本発明の実施形態の第2変形例に係る商取引情報処理装置の電子商取引サーバが実行するルーチンを示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(構成)
図1に示したように、本発明の実施形態に係る「商取引情報処理装置」は、電子商取引サーバ10を含む。電子商取引サーバ10はECサーバ10と称呼され、会社FCにより管轄(管理・運営)されている。
【0017】
ECサーバ10は、ハードディスクなどのデータ記憶装置(以下、単に「データベース」と称呼する。)11と接続されていて、データベース11に情報を書き込み且つデータベース11から情報を読み出すことができる。ECサーバ10は、インターネットなどのネットワークNWに接続されている。なお、サーバは、他のコンピュータ(他のサーバ、汎用コンピュータ及び携帯端末等を含む。)から要求又は指示を受けて情報処理を行い、その情報処理の結果を返す役割を持つコンピュータであり、情報処理装置とも称呼される。
【0018】
本明細書において、法人は、会社のみならず、NPO、商工会議所及び地方公共団体等、複数の消費者(個人ユーザ)と特定の関係を有する団体を意味する。法人と特定の関係を有する消費者は、以下、説明を簡素化するために単に「従業員」と称呼される場合がある。商品提供者は、ECサーバ10により運用される販売サイトにおいて販売される商品(ECサーバ10で取り扱う商品)を提供する「生産者(法人を当然に含む。)、卸売り業者等の団体(法人を当然に含む。)及び個人事業主(個人)等」を意味する。消費者端末は、スマートフォン及びパーソナルコンピュータ等であって消費者に所有されている情報処理装置を意味する。
【0019】
図1に示したように、ネットワークNWには、以下に列挙する装置が接続されている。
商品提供者サーバ21:商品提供者サーバ21は商品提供者Xが管轄するサーバであり、商品提供者情報処理装置とも称呼される。
商品提供者サーバ22:商品提供者サーバ22は商品提供者Yが管轄するサーバであり、商品提供者情報処理装置とも称呼される。
契約法人サーバ30:契約法人サーバ30は法人Aが管轄するサーバであり、契約法人情報処理装置とも称呼される。契約法人サーバ30は通常のコンピュータであってもよい。
消費者端末31:消費者端末31は法人Aの従業員α1の端末(ユーザ情報処理装置)である。
消費者端末32:消費者端末32は法人Aの従業員α2の端末(ユーザ情報処理装置)である。
契約法人サーバ40:契約法人サーバ40は法人Bが管轄するサーバであり、契約法人情報処理装置とも称呼される。契約法人サーバ40は通常のコンピュータであってもよい。
消費者端末41:消費者端末41は法人Bの従業員β1の端末(ユーザ情報処理装置)である。
消費者端末42:消費者端末42は法人Bの従業員β2の端末(ユーザ情報処理装置)である。
【0020】
これらのサーバ、端末及びECサーバ10は、ネットワークNWを介して互いに情報(データ及び要求信号等)を送信したり受信したりすることが可能となっている。なお、説明を簡素化するため、図1ではそれぞれ所定数の「商品提供者サーバ、契約法人サーバ及び消費者端末」を図示しているが、これらの数に制限はない。
【0021】
例えば、商品提供者Xが特定の理由により一般市場で取引し難い特定商品x1(一種類の商品みでもよく、複数種類の商品でもよい。)を保有していてECサーバ10により運用される販売サイトでの販売を希望する場合、商品提供者Xは会社FCと契約を締結することができる。その場合、商品提供者サーバ21は、特定商品x1についての情報(以下、「商品情報」と称呼する。)をECサーバ10にネットワークNWを通して提供する。なお、商品提供者Xが一般市場で取引可能な商品を有している場合であって当該商品をECサーバ10により運用される販売サイトでの販売を希望する場合にも、商品提供者Xは同様に会社FCと契約することができる。
【0022】
<商品情報>
上述した商品情報は、商品名、商品コード、定価(又はメーカ希望販売価格)、会社FCへの卸値、商品のカテゴリー、ブランド名(製造者名及び販売者名等の商品の出所を特定する名称)、商品の提供期限、消費者端末に表示される購入可能商品選択画面への商品掲載期限、商品の提供個数、商品の発送方法、商品の在庫数及び商品の特徴等を含む。更に、商品に応じて設定される廃棄期限(例えば、商品が飲食物である場合、その商品の賞味期限)、及び/又は、商品の会社FCへの仕入れ日が商品情報に含まれてもよい。
【0023】
商品提供者Yも、商品提供者Xと同様に特定商品y1を保有している場合、商品提供者Yは会社FCと契約を締結することができる。その場合、商品提供者サーバ22は、特定商品y1についての商品情報をECサーバ10にネットワークNWを通して提供する。
【0024】
契約法人Aは、会社FCが提供するサービスを受けることを望む場合(即ち、ECサーバ10により運用される販売サイトの利用を希望する場合)、会社FCと契約を締結する。その場合、ECサーバ10は、契約法人Aを特定する法人コードである「契約法人コード」を決定し、その契約法人コードを契約法人サーバ30にネットワークNWを通して提供する。更に、ECサーバ10は、契約法人Aと契約法人Aの契約法人コードとを関連付けて(紐づけて)データベース11に保存する。なお、契約法人コードは所定の規則に従ってECサーバ10により付与されるものでもよく、会社FCの社員が付与してからECサーバ10に入力するものであってもよい。
【0025】
契約法人Aは、その従業員である「消費者α1及び消費者α2」に、ECサーバ10から受け取った契約法人Aを特定する法人コード(即ち、契約法人Aの契約法人コード)を通知する。具体的には、契約法人サーバ30は、消費者端末31及び消費者端末32に契約法人Aに対して付与された契約法人コードをネットワークNWを通して例えば電子メール等により通知する。
【0026】
契約法人Bも、契約法人Aと同様、会社FCが提供するサービスを受けることを望む場合、会社FCと契約を締結する。その場合、ECサーバ10は、契約法人Bを特定する「法人コード」である「契約法人Bの契約法人コード」を契約法人サーバ40にネットワークNWを通して提供するとともに、契約法人Bと契約法人Bの契約法人コードとを関連付けて(紐づけて)データベース11に保存する。
【0027】
契約法人Bは、その従業員である「消費者β1及び消費者β2」に、ECサーバ10から受け取った契約法人Bを特定する法人コード(即ち、契約法人Bの契約法人コード)を通知する。具体的には、契約法人サーバ40は、消費者端末41及び消費者端末42に約法人Bに対して付与された契約法人コードをネットワークNWを通して例えば電子メール等により通知する。
【0028】
なお、契約法人サーバ30の契約法人Aも商品提供者となることができる。その場合、契約法人サーバ30は、契約法人Aの特定商品a1についての商品情報をECサーバ10にネットワークNWを通して提供する。同様に、契約法人サーバ40の契約法人Bも商品提供者となることができる。その場合、契約法人サーバ40は、契約法人Bの特定商品b1についての商品情報をECサーバ10にネットワークNWを通して提供する。
【0029】
(指定商品の表示)
ところで、例えば、契約法人Aは自身の従業員に対して「特定の商品のみ(例えば、自社製品のみ)」を安価に販売することを望む場合がある。これは、所謂、社内販売を行いたい場合である。或いは、契約法人Aは、自社製品と全く競合しない商品のみを自身の従業員に対して安価に販売することを望む場合がある。
【0030】
このような場合、契約法人Aは、契約法人サーバ30から「契約法人Aの従業員に対する販売を望んでいる商品」についての情報をECサーバ10にネットワークNWを通して提供する。より具体的に述べると、契約法人サーバ30は、契約法人Aにより入力された下記の指定表示商品情報を「契約法人Aの契約法人コード」に紐付けてECサーバ10にネットワークNWを通して提供する。ECサーバ10は、指定表示商品情報と契約法人Aの契約法人コードとを関連付けてデータベース11に保存する。
【0031】
<指定表示商品情報>
指定表示商品情報は、以下に列挙する情報1A乃至情報1Fの少なくとも一つを含み、契約法人の従業員の消費者端末(この場合、例えば、消費者端末31及び消費者端末32のディスプレイ)の購入可能商品選択画面(商品リスト画面)に表示される商品を特定するための情報である。
【0032】
(情報1A)指定表示商品コード:指定表示商品コードは、購入可能商品選択画面に表示される商品を特定可能な「商品名又は商品コード」である。
(情報1B)指定表示商品ブラント:指定表示商品ブラントは、購入可能商品選択画面に表示される商品のブランド名である。
(情報1C)指定表示商品カテゴリー:指定表示商品カテゴリーは、購入可能商品選択画面に表示される商品のカテゴリー(例えば、食品、飲料水、文具及び衣類等)である。
【0033】
(情報1D)指定表示商品の提供者の業種:指定表示商品の提供者の業種は、購入可能商品選択画面に表示される商品を提供する商品提供者の業種である。この業種は、例えば、日本標準産業分類による業種であってもよいが、任意に定めることができる。更に、例えば、商品提供者の業種は、食料・飲料卸売業及び化学製品卸売業等のレベルで分類される業種、或いは、食料・飲料卸売業の中の、酒類卸売業、茶類卸売業及び牛乳・乳製品卸売業等で分類されるレベルで分類される業種であってもよい。
【0034】
(情報1E)指定表示商品の提供者のエリア:指定表示商品の提供者のエリアは、購入可能商品選択画面に表示される商品を提供する商品提供者の所在地が含まれる地域(例えば、県、郡、地方、市、町、村等)である。
(情報1F)指定表示商品の提供者の規模:指定表示商品の提供者の規模は、購入可能商品選択画面に表示される商品を提供する商品提供者の規模を特定する情報(例えば、従業員100人以上、従業員500人未満等)である。
【0035】
(指定商品の非表示)
更に、例えば、契約法人Aと契約法人Bとが競合関係にある場合、契約法人Aは「契約法人Bの商品」が契約法人Aの従業員に安価に販売されることを望まない場合がある。
【0036】
このような場合、契約法人Aは、契約法人サーバ30から「契約法人Aの従業員に対する販売を望んでいない商品」についての情報をECサーバ10にネットワークNWを通して提供する。より具体的に述べると、契約法人サーバ30は、契約法人Aにより入力された下記の非表示商品情報を「契約法人Aの契約法人コード」に紐付けてECサーバ10にネットワークNWを通して提供する。ECサーバ10は、非表示商品情報と契約法人Aの契約法人コードとを関連付けてデータベース11に保存する。
【0037】
<非表示商品情報>
非表示商品情報は、以下に列挙する情報2A乃至情報2Fの少なくとも一つを含み、契約法人の従業員の消費者端末(この場合、例えば、消費者端末31及び消費者端末32のディスプレイ)の購入可能商品選択画面に表示されることが禁止される商品(即ち、非表示となる商品)を特定するための情報である。
【0038】
(情報2A)非表示商品コード:非表示商品コードは、購入可能商品選択画面に表示されることが禁止される商品を特定可能な「商品名又は商品コード」である。
(情報2B)非表示商品ブラント:非表示商品ブラントは、購入可能商品選択画面に表示されることが禁止される商品のブランド名である。例えば、このブランド名が「競合会社」の名前であれば、競合会社の商品が自社の従業員の消費者端末のディスプレイに表示されない。
(情報2C)非表示商品カテゴリー:非表示商品カテゴリーは、購入可能商品選択画面に表示されることが禁止される商品のカテゴリー(例えば、食品、飲料水、文具及び衣類等)である。
【0039】
(情報2D)非表示商品の提供者の業種:非表示商品の提供者の業種は、購入可能商品選択画面に表示されることが禁止される商品を提供する商品提供者の業種である。この業種は、情報1Dと同様に設定されればよい。
【0040】
(情報2E)非表示商品の提供者のエリア:非表示商品の提供者のエリアは、購入可能商品選択画面に表示されることが禁止される商品を提供する商品提供者の所在地が含まれる地域(例えば、県、郡、地方、市、町、村等)である。
(情報2F)非表示商品の提供者の規模:非表示商品の提供者の規模は、購入可能商品選択画面に表示されることが禁止される商品を提供する商品提供者の規模を特定する情報(例えば、従業員100人以上、500人未満等)である。
【0041】
加えて、例えば、契約法人Aと契約法人Bとが競合関係にある場合、契約法人Aは、契約法人Bの従業員に「契約法人Aの商品が安価に販売されていること」を知られたくないと考える場合がある。
【0042】
このような場合、契約法人Aは、契約法人サーバ30から「契約法人Bの従業員に対する販売を望んでいない商品」についての情報をECサーバ10にネットワークNWを通して提供する。より具体的に述べると、契約法人サーバ30は、契約法人Aにより入力された非表示商品情報を「契約法人Bの名称(販売禁止対象法人)」に紐付けてECサーバ10にネットワークNWを通して提供する。ECサーバ10は、非表示商品情報と契約法人Bの契約法人コード(又は販売禁止対象法人を特定する情報)とを関連付けてデータベース11に保存する。
【0043】
なお、契約法人サーバ40も契約法人サーバ30と同様の情報をECサーバ10にネットワークNWを通して提供することができる。
【0044】
更に、商品提供者サーバ21及び商品提供者サーバ22のそれぞれも、契約法人サーバ30と同様の情報(指定表示商品情報及び/又は非表示商品情報)をECサーバ10にネットワークNWを通して提供することができる。ただし、商品提供者サーバが、指定表示商品情報又は非表示商品情報をECサーバ10に送信する際には、それらの情報が適用されるべき契約法人を特定する情報(即ち、「対象となる法人を特定する情報」であって、その法人の名称(又は、その法人の法人コード)、その法人の業種、その法人が所在するエリア及びその法人の規模等の何れか)が含まれる。
【0045】
(具体的作動)
<指定表示商品情報及び非表示商品情報の登録>
ECサーバ10は、図2にフローチャートにより示したルーチンを所定時間が経過する毎に実行する。従って、適当な時点が到来すると、ECサーバ10は図2のステップ200から処理を開始してステップ210に進む。
【0046】
ステップ210にて、ECサーバ10は契約法人サーバ(図1の例では、契約法人サーバ30又は40)から指定表示商品情報を受信したか否かを判定する。ECサーバ10は契約法人サーバから指定表示商品情報を受信していない場合、ステップ210にて「No」と判定し、ステップ230に直接進む。これに対し、ECサーバ10は契約法人サーバから指定表示商品情報を受信していた場合、ステップ210にて「Yes」と判定してステップ220に進む。
【0047】
ステップ220にて、ECサーバ10は、受信した指定表示商品情報を、その指定表示商品情報を送信してきた契約法人サーバの契約法人コード(便宜上、「第1特定情報」とも称呼される。)と紐づけてデータベース11に保存(登録)する。なお、指定表示商品情報が文字列で送信されてきた場合、ECサーバ10はその文字列をデータベース11に格納してあるコード変換表を用いてコードに変換してから、データベース11に保存する。
【0048】
より具体的に述べると、データベース11は、図3に一例として示したデータテーブル300を契約法人毎に準備している。そして、ECサーバ10は、指定表示商品情報を送信してきた契約法人サーバの契約法人コードに対するデータテーブルを選択する。更に、ECサーバ10は、その選択したデータテーブルの「送信されてきた指定表示商品情報」の種類に該当する領域に指定表示商品情報を保存する。例えば、指定表示商品情報を送信してきた契約法人サーバの契約法人コードが「ABCD0123」であり、受信した指定表示商品情報の種類が指定表示商品コードであり、且つ、そのコードが「D112233」であるとき、ECサーバ10は図3に示したデータテーブル300の枠301にD112233を保存(記憶、格納、登録)する。その後、ECサーバ10はステップ230に進む。なお、図3において、上述した情報1D、1E、1F、2D、2E、2Fは省略されている。
【0049】
ステップ230にて、ECサーバ10は契約法人サーバ(図1の例では、契約法人サーバ30又は40)から非表示商品情報を受信したか否かを判定する。ECサーバ10は契約法人サーバから非表示商品情報を受信していない場合、ステップ230にて「No」と判定し、ステップ295に進んで本ルーチンを一旦終了する。これに対し、ECサーバ10は契約法人サーバから非表示商品情報を受信していた場合、ステップ230にて「Yes」と判定してステップ240に進む。
【0050】
ステップ240にて、ECサーバ10は、受信した非表示商品情報を、その非表示商品情報を送信してきた契約法人サーバの契約法人コード(便宜上、「第2特定情報」とも称呼される。)と紐づけてデータベース11に保存する。なお、非表示商品情報が文字列で送信されてきた場合、ECサーバ10はその文字列をデータベース11に格納してあるコード変換表を用いてコードに変換してから、データベース11に保存する。
【0051】
より具体的に述べると、ECサーバ10は、非表示商品情報を送信してきた契約法人サーバの契約法人コードに対するデータテーブルを選択する。更に、ECサーバ10は、その選択したデータテーブルの「送信されてきた非表示商品情報」の種類に該当する領域に非表示商品情報を保存する。例えば、非表示商品情報を送信してきた契約法人サーバの契約法人コードが「ABCD0123」であり、受信した非表示商品情報の種類が非表示商品ブランドであり、且つ、そのコードが「E445566」であるとき、ECサーバ10は図3に示したデータテーブル300の枠302にE445566を記憶(格納、登録)する。その後、ECサーバ10はステップ295に進んで本ルーチンを一旦終了する。
【0052】
このようにして、契約法人サーバから送信されてくる「指定表示商品情報及び非表示商品情報」がその契約法人サーバを管轄する法人の契約法人コードと紐づけられて(関連付けられて)データベース11に登録される。
【0053】
商品提供者サーバからECサーバ10に「指定表示商品情報及び非表示商品情報」が送信される場合にも、ECサーバ10は実質的に同様に作動する。
【0054】
より具体的に述べると、ECサーバ10は、図4にフローチャートにより示したルーチンを所定時間が経過する毎に実行する。従って、適当な時点が到来すると、ECサーバ10は図4のステップ400から処理を開始してステップ410に進む。
【0055】
ステップ410にて、ECサーバ10は商品提供者サーバ(図1の例では、商品提供者サーバ21又は22)から指定表示商品情報を受信したか否かを判定する。ECサーバ10は商品提供者サーバから指定表示商品情報を受信していない場合、ステップ410にて「No」と判定し、ステップ430に直接進む。これに対し、ECサーバ10は商品提供者サーバから指定表示商品情報を受信していた場合、ステップ410にて「Yes」と判定してステップ420に進む。
【0056】
ステップ420にて、ECサーバ10は、受信した指定表示商品情報を、その指定表示商品情報とともに商品提供者サーバから送信されてきた「対象となる法人を特定する情報(便宜上、「第1特定情報」とも称呼される。)」により特定される法人の契約法人コードと紐づけてデータベース11に保存(登録)する。なお、ECサーバ10は、対象となる法人を特定する情報(第1特定情報)に基いて、対象となる法人の契約法人コードを決定する。その後、ECサーバ10はステップ430に進む。この場合においても、指定表示商品情報が文字列で送信されてきた場合、ECサーバ10はその文字列をデータベース11に格納してあるコード変換表を用いてコードに変換してから、データベース11に保存する。
【0057】
ステップ430にて、ECサーバ10は商品提供者サーバ(図1の例では、商品提供者サーバ21又は22)から非表示商品情報を受信したか否かを判定する。ECサーバ10は商品提供者サーバから非表示商品情報を受信していない場合、ステップ430にて「No」と判定し、ステップ495に進んで本ルーチンを一旦終了する。これに対し、ECサーバ10は商品提供者サーバから非表示商品情報を受信していた場合、ステップ430にて「Yes」と判定してステップ440に進む。
【0058】
ステップ440にて、ECサーバ10は、受信した非表示商品情報を、その非表示商品情報とともに商品提供者サーバから送信されてきた「対象となる法人を特定する情報(便宜上、「第2特定情報」とも称呼される。)」により特定される法人の契約法人コードと紐づけてデータベース11に保存(登録)する。この場合においても、非表示商品情報が文字列で送信されてきた場合、ECサーバ10はその文字列をデータベース11に格納してあるコード変換表を用いてコードに変換してから、データベース11に保存する。また、ECサーバ10は、対象となる法人を特定する情報(第2特定情報)に基いて、対象となる法人の契約法人コードを決定する。その後、ECサーバ10はステップ495に進んで本ルーチンを一旦終了する。
【0059】
このようにして、商品提供者サーバから送信されてくる「指定表示商品情報及び非表示商品情報」が契約法人コードと紐づけられて(関連付けられて)登録される。なお、契約法人サーバも、商品提供者サーバと同様、指定表示商品情報が適用される自身以外の法人(例えば、競合他社)及び/又は非表示商品情報が適用される自身以外の法人(例えば、競合他社)を特定することができる。この場合、契約法人は、指定表示商品情報及び/又は非表示商品情報が適用される法人を特定する情報(即ち、「対象となる法人を特定する情報」)をECサーバ10に送信する。そして、ECサーバ10は、図4の「商品提供者サーバ」を「契約法人サーバ」と置き換えた図示しないルーチンを実行するようになっている。
【0060】
<消費者による商品購入時>
ECサーバ10は、図5にフローチャートにより示したルーチンを所定時間が経過する毎に実行する。従って、適当な時点が到来すると、ECサーバ10は図5のステップ500から処理を開始してステップ505に進む。
【0061】
ECサーバ10は、ステップ505にて任意の消費者(従業員)が消費者端末を用いてECサーバ10により運用される販売サイト(以下、「特定販売サイト」と称呼する。)にログインしたか否かを判定する。消費者は自身が特定の関係を有する法人(例えば、消費者が勤務する法人)から予め通知されている契約法人コード、登録済みメールアドレス及び登録済みパスワードを用いて特定販売サイトへのログインを行う。ECサーバ10は、消費者端末から入力された法人コードが、データベース11に予め登録(保存)されているログイン許可用の契約法人コードと一致するか否かを判定し、一致する場合にその消費者端末のログインを許可する。従って、ログイン許可用の契約法人コードを知らない消費者は特定販売サイトにログインすることができない。
【0062】
なお、契約法人コードを用いてログインを試みた消費者が会員登録を完了していない場合、ECサーバ10は所定の会員登録必要情報(氏名、住所、メールアドレス、パスワード、電話番号及び性別等)の入力を消費者端末に要求する。ECサーバ10が会員登録必要情報を消費者端末から受信すると、ECサーバ10はそれらを紐づけてデータベース11に保存する。従って、上述したように、会員登録済みの消費者は次回から「契約法人コード、登録済みメールアドレス及び登録済みパスワード」のみを用いてログインを行うことができる。以下において、ログインを行った消費者が入力した契約法人コードは、単に「ログイン法人コード」と称呼される場合がある。
【0063】
消費者がログインしていない場合、ECサーバ10はステップ505にて「No」と判定し、ステップ595に進んで本ルーチンを一旦終了する。これに対し、消費者がログインした場合、ECサーバ10はステップ505にて「Yes」と判定してステップ510に進み、ログイン法人コードに基きログイン中の消費者端末(正確には、消費者端末のディスプレイ)に表示される購入可能商品選択画面に提示(表示)される商品を選択する。換言すると、ECサーバ10は、ログインした消費者が購入可能な商品を選択する。
【0064】
より具体的に述べると、ECサーバ10は、ステップ510に進んだとき、図6にフローチャートにより示した「表示可能商品選択サブルーチン」の処理をステップ600から開始し、以下に述べる「ステップ610及びステップ620の処理」を行う。
【0065】
ステップ610:ECサーバ10は、ログイン法人コードに基き、当該ログイン法人コードと同じコードである契約法人コードに紐づけされて保存(登録)されている「指定表示商品情報(指定表示商品コード、指定表示商品ブラント及び指定表示商品カテゴリー等)」をデータベース11から読み出す。
【0066】
ステップ620:ECサーバ10は、ログイン法人コードに基き、当該ログイン法人コードと同じコードである契約法人コードに紐づけされて保存(登録)されている「非表示商品情報(非表示商品コード、非表示商品ブラント及び非表示商品カテゴリー等)」をデータベース11から読み出す。
【0067】
次に、ECサーバ10はステップ630に進み、ステップ610にて読み出しを試みた指定表示商品情報が存在するか否かを判定する。指定表示商品情報が存在する場合、ECサーバ10はステップ630にて「Yes」と判定してステップ640に進む。
【0068】
ステップ640にて、ECサーバ10は、全登録商品の中から「ステップ610にて取得した指定表示商品情報」で特定される商品を「表示可能商品」として決定する。ここで、全登録商品とは、商品提供者サーバ及び/又は契約法人サーバから予め送信され且つデータベース11に登録(記憶)されている商品情報により特定される商品の総てである。その後、ECサーバ10はステップ695を通して、図5のステップ515に進む。
【0069】
これに対し、ECサーバ10が図6のステップ630に進んだとき、ステップ610にて読み出しを試みた指定表示商品情報が存在していない場合、ECサーバ10はステップ630にて「No」と判定してステップ650に進む。
【0070】
ECサーバ10はステップ650にて、ステップ620にて読み出しを試みた非表示商品情報が存在するか否かを判定する。非表示商品情報が存在する場合、ECサーバ10はステップ650にて「Yes」と判定してステップ660に進む。
【0071】
ステップ660にて、ECサーバ10は、「全登録商品から、ステップ620にて取得した非表示商品情報で特定される商品を除いた商品」を「表示可能商品」として決定する。その後、ECサーバ10はステップ695を通して、図5のステップ515に進む。
【0072】
更に、ECサーバ10が図6のステップ650に進んだとき、ステップ620にて読み出しを試みた非表示商品情報が存在していない場合、ECサーバ10はステップ650にて「No」と判定してステップ670に進む。
【0073】
ステップ670にて、ECサーバ10は、「全登録商品」を「表示可能商品」として決定する。その後、ECサーバ10はステップ695を通して、図5のステップ515に進む。
【0074】
なお、ECサーバ10は、ステップ630にて「Yes」と判定してステップ640の処理を行った後にステップ650と同じ処理を行い、非表示商品情報がある場合には、指定表示商品情報で特定された商品から非表示商品情報で特定される商品を除いた商品を、表示可能商品として決定し、その後、ステップ695を通して、図5のステップ515に進んでもよい。
【0075】
ECサーバ10は図5のステップ515にて、図6のサブルーチンによって決定された表示可能商品の情報(表示可能商品を特定する情報、表示可能商品の販売価格、割引率、消費期限及び社会貢献ポイント等を含む販売情報)をログインしている消費者端末に送信する。この結果、ログインしている消費者の消費者端末のディスプレイには「表示可能商品のみを表示する購入可能商品選択画面」が表示される。
【0076】
次に、ECサーバ10はステップ520に進み、消費者が消費者端末を用いて商品を購入したか否かを判定する。消費者が消費者端末を用いて商品を購入する操作を行った場合、ECサーバ10はステップ520にて「Yes」と判定し、以下に述べる「ステップ525乃至ステップ545の処理」を行い、その後、ステップ550に進む。なお、ステップ525乃至ステップ535までの処理は通常の電子商取引において行われている周知の処理である。
【0077】
ステップ525:ECサーバ10は、ログインしている消費者の消費者端末から受け取った商品の購入情報を取得する。
ステップ530:ECサーバ10は、商品の購入情報に基いて決済処理を行う。
ステップ535:ECサーバ10は、商品の購入情報に基いて商品発送に必要な処理を行う。ステップ530及びステップ535の処理は、まとめて「会計処理又は販売処理」と称呼することができる。
【0078】
ステップ540:ECサーバ10は、商品の購入情報に基いて社会貢献ポイントを付与する。即ち、ECサーバ19は、商品が購入(販売)されたとき、その商品の購入(販売)に対する社会貢献ポイントを自動的に計上する。ここでは、社会貢献ポイントは、購入された商品の実際の販売価格(商品の購入価格)の所定パーセントである。この所定パーセントは、社会貢献ポイント付与率Cとも称呼される。社会貢献ポイント付与率Cは、一定の値(例えば、1%)でもよく、後述するように、変動する値であってもよい。なお、このステップにて付与された社会貢献ポイントは所定の変換率(例えば、1ポイント=1円)にて金額に変換され、その金額の寄付金が別途行われる処理によって、特定の団体(例えば、子供の権利を推進し、貧困や差別のない社会を実現するための国際NGO、及び、被災地に対する寄付団体等)に自動的に寄付される。
【0079】
ステップ545:ECサーバ10は、ステップ525乃至ステップ540で扱った情報を、商品販売日(ユーザの商品購入日)、ログイン法人コードに相当する契約法人コード及び商品を購入したユーザ等と紐付けて情報処理可能(データ集計可能)な体系にてデータベース11に格納する。
【0080】
これに対し、ECサーバ10がステップ520に進んだとき、消費者が消費者端末を用いて商品を購入していなければ、ECサーバ10はステップ550に直接進む。
【0081】
ECサーバ10はステップ550にて消費者が消費者端末を用いてログアウトしたか否かを判定する。消費者がログアウトしていなければ、ECサーバ10はステップ550にて「No」と判定し、ステップ520に戻る。消費者がログアウトしている場合、ECサーバ10はステップ550にて「Yes」と判定し、ステップ595に進んで本ルーチンを一旦終了する。
【0082】
<社会貢献ポイントの集計>
ECサーバ10は、図7にフローチャートにより示したルーチンを所定時間が経過する毎に実行する。従って、適当な時点が到来すると、ECサーバ10は図7のステップ700から処理を開始してステップ710に進む。
【0083】
ECサーバ10は、ステップ710にて、何れかの法人契約サーバから「社会貢献ポイントの集計データの要求(以下、単に「集計要求」とも称呼する。)があったか否かを判定する。集計要求がなかった場合、ECサーバ10はステップ710にて「No」と判定し、ステップ795に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。
【0084】
これに対し、集計要求があった場合、ECサーバ10はステップ710にて「Yes」と判定し、以下に述べる「ステップ720及びステップ730の処理」を行ってからステップ740に進む。
【0085】
ステップ720:ECサーバ10は、「集計要求を送信してきた契約法人サーバの契約法人コードに対応する契約法人」の従業員(契約法人と特定の関係にある消費者)の社会貢献ポイントを集計要求の内容に基いてデータベース11に保存されているデータを用いて計算する。例えば、集計要求の内容が、ある期間の合計値を求めるという内容であると、ECサーバ10はその期間における該当する契約法人(集計要求を送信してきた契約法人サーバの契約法人コードに対応する契約法人)の総ての従業員の社会貢献ポイントの合計値を計算する。即ち、ECサーバ10は第1集計データを生成する。
【0086】
ステップ730:ECサーバ10は、ステップ720にて集計したデータ(第1集計データ)を、集計要求を送信してきた契約法人サーバに送信する。その結果、集計要求を送信してきた契約法人サーバの契約法人は、自社の従業員がどのくらい社会貢献をすることができたかを(例えば、期間別に)確認することができる。
【0087】
ECサーバ10は、ステップ740にて、集計要求を送信してきた契約法人サーバの契約法人コードと「集計要求上(集計データ要求上)の特定の関係にある契約法人コード」がデータベース11に保存(登録)されているか否かを判定する。
【0088】
集計要求を送信してきた契約法人サーバの契約法人コードと「社会貢献ポイントの集計要求上の特定の関係にある契約法人コード」は、例えば、集計要求を送信してきた契約法人サーバの法人コードを有する法人が親代理店であって、その親代理店の子代理店に付与される契約法人コードである。この場合、親代理店は子代理店の従業員がどのくらい社会貢献をすることができたかも確認することができる。なお、親代理店は、その子代理店と集計要求上の特定の関係を有する法人と認定されないように契約法人コード間の関係を取り決めておけば、子代理店の法人サーバが集計要求を送信してきた場合に子代理店は親代理店の従業員がどのくらい社会貢献をすることができたかを知ることができないようにすることができる。
【0089】
集計要求を送信してきた契約法人サーバの法人コードと集計要求上の特定の関係にある契約法人コードがデータベース11に登録されていない場合、ECサーバ10はステップ740にて「No」と判定し、ステップ795に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。
【0090】
これに対し、集計要求を送信してきた契約法人サーバの法人コードと集計要求上の特定の関係にある契約法人コードがデータベース11に登録されている場合、ECサーバ10はステップ740にて「Yes」と判定し、以下に述べる「ステップ750及びステップ760の処理」を行ってからステップ795に進む。
【0091】
ステップ750:ECサーバ10は、集計要求を送信してきた契約法人サーバの契約法人コードと集計要求上の特定の関係にある契約法人コードに対応する契約法人の従業員の社会貢献ポイントを集計要求の内容に基いてデータベース11に保存されているデータを用いて計算する。例えば、集計要求の内容が、ある期間の合計値を求めるという内容であると、ECサーバ10はその期間における「集計要求を送信してきた契約法人サーバの契約法人コードと集計要求上の特定の関係にある契約法人コードを有する契約法人」の総ての従業員の社会貢献ポイントの合計値を計算する。即ち、ECサーバ10は第2集計データを生成する。
【0092】
ステップ760:ECサーバ10は、ステップ750にて集計したデータ(第2集計データ)を、集計要求を送信してきた契約法人サーバに送信する。その結果、集計要求を送信してきた契約法人サーバの契約法人は、自社と特定の関係を有する法人(例えば、子代理店、子会社)の従業員がどのくらい社会貢献をすることができたかを確認することができる。
【0093】
以上、本発明の商取引情報処理装置の実施形態について説明したが、本発明の商取引情報処理装置は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、ECサーバ10はデータベース(記憶装置)11と直接接続されているが、ECサーバ10はネットワークNWを介してデータベース(記憶装置)11と情報(データ)交換可能に接続されていてもよい。更に、本発明の商取引情報処理装置は、例えば、以下に述べる第1及び第2変形例等を含むことができる。
【0094】
(第1変形例)
第1変形例は、割引率及び社会貢献ポイント付与率を商品の廃棄期限までの残日数に基いて自動的に計算する。より具体的に述べると、第1変形例に係るECサーバ10は、図8にフローチャートにより示したルーチンを所定時間(例えば、24時間)が経過する毎に実行する。従って、適当な時点が到来すると、ECサーバ10は図8のステップ800から処理を開始し、以下に述べる「ステップ810乃至ステップ870の処理」を行い、ステップ880に進む。
【0095】
ステップ810:ECサーバ10は、商品情報に基いて、全登録商品から廃棄期限付きの商品を抽出する。廃棄期限は、例えば、商品が食品・飲料水などである場合には賞味期限であり、商品が紙製品或いは化学製品などである場合にはその商品の廃棄期限である。
ステップ820:ECサーバ10は、ステップ810にて抽出された商品の中の一つを選択する。
ステップ830:ECサーバ10は、ステップ820にて選択した商品の残日数を現時点の日付と廃棄期限の日付とから算出する。
【0096】
ステップ840:ECサーバ10は、ステップ820にて選択した商品の割引率Rを残日数に基いて決定する。より具体的に述べると、ECサーバ10は、ステップ830にて算出した残日数を「図8のブロックB1内に示した、残日数と割引率Rとの関係を規定したルックアップテーブル」に適用することにより、ステップ820にて選択した商品の割引率Rを取得する。このルックアップテーブルは商品毎に予め設定され、データベース11に格納されている。このルックアップテーブルによれば、残日数が短いほど割引率Rが高くなる。残日数が所定日数以上であれば、割引率Rは一定値になる。例えば、商品が商品Aであり且つ残日数が1週間以上且つ2週間未満であれば、割引率Rはr12(%)として決定される。なお、このルックアップテーブルは、商品毎ではなく、商品のカテゴリー毎或いは商品のブランド名毎に設けられていてもよく、更には、商品のカテゴリー及びブランド名を一つの組とする組毎等、任意のグループ毎に設けられていていもよい。なお、ECサーバ10は、商品及び商品のカテゴリー等毎に予め定められた「残日数と割引率との関係を定める関数」により割引率Rを算出してもよい。
【0097】
ステップ850:ECサーバ10は、ステップ840にて取得した割引率Rと、ステップ820にて選択した商品の定価と、に基いて、当該商品の販売価格(売値)を算出・決定する。より具体的に述べると、ECサーバ10は次の式(1)に基いて販売価格を計算する。なお、商品毎に販売価格の最低販売価格が定められていてもよい。この場合、式(1)にて計算された販売価格が最低販売価格未満になれば、その商品の販売価格は最低販売価格に設定される。決定された販売価格は商品コードと関連付けてデータベース11に保存される。

販売価格=定価・(1-R/100) ・・・(1)
【0098】
ステップ860:ECサーバ10は、ステップ820にて選択した商品の社会貢献ポイント付与率Cをステップ830にて求めた残日数に基いて決定する。より具体的に述べると、ECサーバ10は、ステップ830にて算出した残日数を「図8のブロックB2内に示した、残日数と社会貢献ポイント付与率Cとの関係を規定したルックアップテーブル」に適用することにより、ステップ820にて選択した商品の社会貢献ポイント付与率Cを取得する。このルックアップテーブルは商品毎に予め設定され、データベース11に格納されている。このルックアップテーブルによれば、残日数が短いほど社会貢献ポイント付与率Cが高くなる。残日数が所定日数以上であれば、社会貢献ポイント付与率Cは一定値になる。例えば、商品が商品Aであり且つ残日数が1週間以上且つ2週間未満であれば、社会貢献ポイント付与率Cはc12(%)として決定される。なお、このルックアップテーブルも、商品毎ではなく、商品のカテゴリー毎或いは商品のブランド名毎に設けられていてもよく、更には、商品のカテゴリー及びブランド名を一つの組とする組毎等、任意のグループ毎に設けられていていもよい。なお、ECサーバ10は、商品及び商品のカテゴリー等毎に予め定められた「残日数と社会貢献ポイント付与率との関係を定める関数」により社会貢献ポイント付与率Cを算出してもよい。加えて、ECサーバ10は、社会貢献ポイント付与率Cを、割引率Rと残日数との組み合わせに基いて変更してもよい。
【0099】
ステップ870:ECサーバ10は、ステップ860にて取得した社会貢献ポイント付与率Cと、ステップ850にて求めた商品の販売価格と、に基いて、当該商品の社会貢献ポイントを算出する。より具体的に述べると、ECサーバ10は次の式(2)に基いて社会貢献ポイントを計算する。計算された社会貢献ポイントは商品コードと関連付けてデータベース11に保存される。

社会貢献ポイント=販売価格・(C/100) ・・・(2)
【0100】
ECサーバ10は、ステップ880に進むと、ステップ810にて抽出した商品の総てがステップ820にて選択されたか否かを判定する。ステップ810にて抽出した商品の総てがステップ820にて選択されていない場合、ECサーバ10はステップ880にて「No」と判定してステップ820に戻り、未選択の商品のうちの一つを選択する。
【0101】
これに対し、ステップ810にて抽出した商品の総てがステップ820にて選択された場合、ECサーバ10はステップ880にて「Yes」と判定し、ステップ895に進んで本ルーチンを一旦終了する。
【0102】
なお、ECサーバ10は、販売価格及び社会貢献ポイントの何れか一方のみを、残日数に基いて自動的に計算してもよい。
【0103】
(第2変形例)
第2変形例は、割引率及び社会貢献ポイント付与率を会社FCへの仕入れ日からの経過日数に基いて自動的に計算する。より具体的に述べると、第2変形例に係るECサーバ10は、図9にフローチャートにより示したルーチンを所定時間(例えば、24時間)が経過する毎に実行する。従って、適当な時点が到来すると、ECサーバ10は図9のステップ900から処理を開始し、以下に述べる「ステップ910乃至ステップ970の処理」を行い、ステップ980に進む。
【0104】
ステップ910:ECサーバ10は、商品情報に基いて、全登録商品から、仕入れ日が商品情報として登録されている商品を抽出する。
ステップ920:ECサーバ10は、ステップ910にて抽出された商品の中の一つを選択する。
ステップ930:ECサーバ10は、ステップ920にて選択した商品の経過日数(会社FCが在庫として所有している日数)を現時点の日付と仕入れ日とから算出する。
【0105】
ステップ940:ECサーバ10は、ステップ920にて選択した商品の割引率Rを経過日数に基いて決定する。より具体的に述べると、ECサーバ10は、ステップ930にて算出した経過日数を「図9のブロックB3内に示した、経過日数と割引率Rとの関係を規定したルックアップテーブル」に適用することにより、ステップ920にて選択した商品の割引率Rを取得する。このルックアップテーブルは商品毎に予め設定され、データベース11に格納されている。このルックアップテーブルによれば、経過日数が長いほど割引率Rが高くなる。経過日数が所定日数以上であれば割引率Rは一定値になる。例えば、商品が商品Aであり且つ経過日数が1週間以上且つ2週間未満であれば、割引率Rはr22(%)として決定される。このルックアップテーブルは、商品毎ではなく、商品のカテゴリー毎或いは商品のブランド名毎に設けられていてもよく、更には、商品のカテゴリー及びブランド名を一つの組とする組毎等、任意のグループ毎に設けられていていもよい。なお、ECサーバ10は、商品及び商品のカテゴリー等毎に予め定められた「経過日数と割引率との関係を定める関数」により割引率Rを算出してもよい。
【0106】
ステップ950:ECサーバ10は、ステップ940にて取得した割引率Rと、ステップ920にて選択した商品の定価と、に基いて、当該商品の販売価格(売値)を算出・決定する。より具体的に述べると、ECサーバ10は上記式(1)に基いて販売価格を計算する。この場合にも、式(1)にて計算された販売価格が、その商品毎に設定されている最低販売価格未満になれば、その商品の販売価格は最低販売価格に設定される。決定された販売価格は商品コードと関連付けてデータベース11に保存される。
【0107】
ステップ960:ECサーバ10は、ステップ920にて選択した商品の社会貢献ポイント付与率Cをステップ930にて求めた経過日数に基いて決定する。より具体的に述べると、ECサーバ10は、ステップ930にて算出した経過日数を「図8のブロックB4内に示した、経過日数と社会貢献ポイント付与率Cとの関係を規定したルックアップテーブル」に適用することにより、ステップ920にて選択した商品の社会貢献ポイント付与率Cを取得する。このルックアップテーブルは商品毎に予め設定され、データベース11に格納されている。このルックアップテーブルによれば、経過日数が長いほど社会貢献ポイント付与率Cが高くなる。経過日数が所定日数以上であれば社会貢献ポイント付与率Cは一定値になる。例えば、商品が商品Aであり且つ残日数が1週間以上且つ2週間未満であれば、社会貢献ポイント付与率Cはc22(%)として決定される。このルックアップテーブルも、商品毎ではなく、商品のカテゴリー毎或いは商品のブランド名毎に設けられていてもよく、更には、商品のカテゴリー及びブランド名を一つの組とする組毎等、任意のグループ毎に設けられていていもよい。なお、ECサーバ10は、商品及び商品のカテゴリー等毎に予め定められた「経過日数と社会貢献ポイント付与率との関係を定める関数」により社会貢献ポイント付与率Cを算出してもよい。加えて、ECサーバ10は、社会貢献ポイント付与率Cを、割引率Rと経過日数との組み合わせに基いて変更してもよい。
【0108】
ステップ970:ECサーバ10は、ステップ960にて取得した社会貢献ポイント付与率Cと、ステップ950にて求めた商品の販売価格と、に基いて、当該商品の社会貢献ポイントを算出する。より具体的に述べると、ECサーバ10は上記の式(2)に基いて社会貢献ポイントを計算する。計算された社会貢献ポイントは商品コードと関連付けてデータベース11に保存される。
【0109】
ECサーバ10は、ステップ980に進むと、ステップ910にて抽出した商品の総てがステップ920にて選択されたか否かを判定する。ステップ910にて抽出した商品の総てがステップ920にて選択されていない場合、ECサーバ10はステップ980にて「No」と判定してステップ920に戻り、未選択の商品のうちの一つを選択する。
【0110】
これに対し、ステップ910にて抽出した商品の総てがステップ920にて選択された場合、ECサーバ10はステップ980にて「Yes」と判定し、ステップ995に進んで本ルーチンを一旦終了する。
【0111】
なお、ECサーバ10は、販売価格及び社会貢献ポイントの何れか一方のみを、経過日数に基いて自動的に計算してもよい。
【0112】
以上、説明したように、上記実施形態に係る商取引情報処理装置は、ネットワークNWと、情報を記憶する記憶装置11と、に接続されたECサーバ10を含む。「ECサーバ10が提供する販売サイト」を利用して商品を自身の従業員に販売することを望む法人は、ECサーバ10を管轄する会社FCと所定の契約を結ぶ。その場合、ECサーバ10は、当該契約を結んだ法人を特定する契約法人コードを記憶装置11に当該法人と関連付けて記憶させておく。
【0113】
そして、消費者が消費者端末を用いて、記憶装置に予め記憶されている契約法人コードを入力することにより上記ECサーバ10が提供する販売サイトにログインすると、消費者はECサーバ10が提供する販売サイトを利用して商品を購入することが可能となる。
【0114】
消費者がECサーバ10が提供する販売サイトを利用して商品を購入すると、ECサーバ10は、商品の販売価格のうちの一部を社会貢献ポイントとして自動的に計上する。従って、消費者は、自分が商品を購入することによって社会貢献を行うことができるので、積極的に商品を購入しようとする。
【0115】
更に、ECサーバ10は、その自動的に計上された社会貢献ポイントを含むデータを、記憶装置11に「消費者が上記販売サイトにログインする際に用いた契約法人コード」別に集計可能に記憶させる。よって、法人は当該法人に属する消費者によって、法人全体として行うことができた社会貢献の程度を別途簡単に知ることが可能となる。以上から、通常であれば廃棄されていた商品を廃棄前により多く販売することができるので、廃棄される商品の量を低減することができる。
【0116】
更に、ECサーバ10は、
商品提供情報装置(30、40、21、22)から、所定の契約法人と所定の関係を有する消費者の消費者端末(31、32、41、42)のディスプレイに表示させるべき商品を特定するための指定表示商品情報と、当該所定の契約法人を特定する情報と、をネットワークを通して受信したとき、当該所定の契約法人に対応する契約法人コードと当該指定表示商品情報とを関連付けて前記記憶装置(11)に記憶させ、
前記所定の契約法人と前記所定の関係を有する前記消費者の前記消費者端末に、当該消費者端末(消費者端末のディスプレイ)に表示される商品の情報である提示商品情報として、前記指定表示商品情報により特定される商品のみについての販売情報(商品、販売価格、割引率及び社会貢献ポイント等を含む情報)をネットワークを通して送信する、
処理を行うように構成されている。
【0117】
これによれば、所定の契約法人と所定の関係を有する消費者の消費者端末のディスプレイには指定表示商品情報により特定される商品のみが販売可能に表示される。従って、例えば、契約法人(A)は、所定の契約法人を自身(契約法人(A))とし、指定表示商品として当該契約法人(A)の商品を指定することにより、所謂「社内販売」を容易に行いながら社会に貢献することができる。
【0118】
加えて、ECサーバ10は、
前記商品提供情報装置から、所定の契約法人と所定の関係を有する消費者の消費者端末のディスプレイに表示させることが禁止される商品を特定するための非表示商品情報と、当該所定の契約法人を特定する情報と、をネットワークを通して受信したとき、当該所定の契約法人に対応する契約法人コードと当該非表示商品情報とを関連付けて前記記憶装置に記憶させ、
前記所定の契約法人と前記所定の関係を有する前記消費者の前記消費者端末に、前記提示商品情報として、商品情報により特定される商品の全体から前記非表示商品情報により特定される商品を除外した商品についての販売情報をネットワークを通して送信する、
処理を行うように構成されている。
【0119】
この場合においても、商品提供情報装置は、商品を提供することを目的とする団体或いは個人であって「当該団体に属する消費者(例えば、自社の従業員)」への販売を目的としていない団体が管轄する装置であってもよく、自社の従業員への商品の販売を目的としている契約法人が管轄する情報処理装置(即ち、前記記憶装置に予め記憶されている前記ログイン許可用の契約法人コードに対応する法人が管轄する契約法人情報処理装置)であってもよい。
【0120】
これによれば、所定の契約法人と所定の関係を有する消費者の消費者端末のディスプレイには非表示商品情報により特定される商品は表示されない。従って、例えば、商品提供情報装置が自社の従業員への商品の販売を目的としている契約法人により管轄される情報処理装置であって、当該自社が「当該自社と競合関係にある他社」の従業員へ自社商品の販売を行うことを望んでいない場合、その他社の契約法人コードに関連付けて自社商品を非表示商品情報により特定される商品とすることができる。これによれば、競合他社に自社の実情を知らせたくないとの要望も満たすことができる。
【0121】
更に、ECサーバ10は、
商品情報に、前記商品情報により特定される商品の廃棄期限についての情報が含まれている場合、前記廃棄期限までの残日数に基いて、前記社会貢献ポイントを決定する処理を行うように構成される。
【0122】
これによれば、廃棄期限が短くなっている商品に対する社会貢献ポイントを容易に高くすることが可能である。よって、消費者の当該商品への購買意欲を高めることができるので、廃棄される商品の量をより少なくすることができる。
【0123】
更に、ECサーバ10は、
商品情報に、前記商品情報により特定される商品の廃棄期限についての情報が含まれている場合、前記廃棄期限までの残日数に基いて、前記商品の販売価格を決定する処理を行うように構成される。
【0124】
これによれば、廃棄期限が短くなっている商品に対する販売価格を容易に値下げすることが可能であるので、消費者の当該商品への購買意欲を高めることができる。よって、廃棄される商品の量をより少なくすることができる。
【0125】
更に、ECサーバ10は、
商品情報により特定される商品の会社FCへの仕入れ日からの経過日数に基いて、前記社会貢献ポイントを決定する処理を行うように構成される。
【0126】
更に、ECサーバ10は、
商品情報により特定される商品の会社FCへの仕入れ日からの経過日数に基いて、前記商品の販売価格を決定する処理を行うように構成される。
【0127】
これらによれば、経過日数が長くなっている商品に対する社会貢献ポイント及び/又は割引料を容易に高くすることが可能であるので、消費者の当該商品への購買意欲を高めることができる。よって、廃棄される商品の量をより少なくすることができる。
【0128】
更に、指定表示商品情報及び非表示商品情報のうちの指定表示商品情報のみの機能が使用可能に構成されていてもよい。この場合、例えば、図2のステップ230及びステップ240、図4のステップ430及びステップ440、図6のステップ620、ステップ650及びステップ660が省略され、ステップ630で「No」と判定された場合にステップ670に進むように構成されればよい。同様に、指定表示商品情報及び非表示商品情報のうちの非表示商品情報のみの機能が使用可能に構成されていてもよい。この場合、例えば、図2のステップ210及びステップ220、図4のステップ410及びステップ420、図6のステップ610、ステップ630及びステップ640が省略され、ステップ620の後にステップ650に進むように構成さればよい。
【0129】
本発明は、ECサーバ10(コンピュータ)に上述したECサーバ10の処理を実行させるプログラム、上述したECサーバ10が実行する処理を行う情報処理方法、及び、図1に示した装置(ECサーバ、データベース、契約法人サーバ、消費者端末、商品提供者サーバ、及び、ネットワーク)を含むシステムのぞれぞれにも及ぶ。
【符号の説明】
【0130】
10…電子商取引サーバ(ECサーバ)
11…記憶装置(データベース)
21、22…商品提供者サーバ
30、40…契約法人サーバ
31、32、41、42…消費者端末
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
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図9