(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143492
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】ステージ
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20241003BHJP
C23C 14/50 20060101ALI20241003BHJP
C23C 14/34 20060101ALI20241003BHJP
C23C 14/24 20060101ALI20241003BHJP
C23C 16/46 20060101ALI20241003BHJP
H01L 21/3065 20060101ALN20241003BHJP
H01L 21/31 20060101ALN20241003BHJP
【FI】
H01L21/68 N
C23C14/50 E
C23C14/34 K
C23C14/24 K
C23C16/46
H01L21/302 101G
H01L21/31 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023056208
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】光田 拓史
(72)【発明者】
【氏名】金田 教良
(72)【発明者】
【氏名】荒木 良仁
【テーマコード(参考)】
4K029
4K030
5F004
5F045
5F131
【Fターム(参考)】
4K029CA01
4K029CA05
4K029JA01
4K030AA03
4K030AA04
4K030AA06
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4K030GA02
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5F131EB11
5F131EB24
5F131EB78
5F131EB79
5F131EB81
5F131EB82
(57)【要約】
【課題】外部へ放出されるパーティクルが抑制されたステージを提供すること。
【解決手段】ステージは、第1の金属プレートと、第1の金属プレートの下方に位置し、第1の金属プレートと接合する第2の金属プレートと、第2の金属プレートの下方に位置し、第2の金属プレートと接合する第3の金属プレートと、を含み、第1の金属プレートは、外部に露出される第1の溝部を含み、第2の金属プレートは、第1の金属プレートに覆われ、第1の溝部と連通している第2の溝部と、第3の金属プレートに覆われる第3の溝部と、を含み、第1の溝部および第2の溝部は、ガス流路であり、第3の溝部には、ヒータが配置される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の金属プレートと、
前記第1の金属プレートの下方に位置し、前記第1の金属プレートと接合する第2の金属プレートと、
前記第2の金属プレートの下方に位置し、前記第2の金属プレートと接合する第3の金属プレートと、を含み、
前記第1の金属プレートは、外部に露出される第1の溝部を含み、
前記第2の金属プレートは、
前記第1の金属プレートに覆われ、前記第1の溝部と連通している第2の溝部と、
前記第3の金属プレートに覆われる第3の溝部と、を含み、
前記第1の溝部および前記第2の溝部は、ガス流路であり、
前記第3の溝部には、ヒータが配置される、ステージ。
【請求項2】
前記ヒータの一部は、ろう材によって前記第3の溝部に固定されている、請求項1に記載のステージ。
【請求項3】
前記第3の溝部は、前記第1の溝部と連通していない、請求項1に記載のステージ。
【請求項4】
前記第1の金属プレートと前記第2の金属プレートとの間にはろう材が含まれない、請求項1に記載のステージ。
【請求項5】
前記第2の金属プレートと前記第3の金属プレートとの間にはろう材が含まれる、請求項4に記載のステージ。
【請求項6】
前記第2の金属プレートと前記第3の金属プレートとの間には、結晶粒に起因する凹凸を含む接合界面が観察される、請求項1に記載のステージ。
【請求項7】
前記第2の金属プレートは、前記第1の金属プレートと固相拡散接合によって接合され、
前記第3の金属プレートは、前記第2の金属プレートと液相拡散接合によって接合される、請求項1に記載のステージ。
【請求項8】
前記液相拡散接合は、ろう材を用いる接合である、請求項7に記載のステージ。
む、ステージ。
【請求項9】
前記第1の金属プレート、前記第2の金属プレート、および前記第3の金属プレートの各々は、マグネシウムを含むアルミニウム合金である、請求項1に記載のステージ。
【請求項10】
前記第1の金属プレート、前記第2の金属プレート、および前記第3の金属プレートの各々は、マンガンを含むアルミニウム合金である、請求項1に記載のステージ。
【請求項11】
さらに、前記第3の金属プレートの下方に位置し、前記第3の金属プレートと接合するシャフトを含み、
前記シャフト内には、前記ガス流路にガスを供給するガス導入管および前記ヒータが配置されている、請求項1に記載のステージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一実施形態は、半導体装置に設置されるステージに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子を製造する半導体装置には、ウェハを載置するステージが設置されている。ステージでは、載置されるウェハの温度を制御するため、ヒータなどが埋設されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-165085号公報
【特許文献2】特開2008-39255号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示されるように、ステージは複数のプレート部材を含み、複数のプレート部材の間に抵抗発熱体(ヒータ)が配置される。複数のプレート部材は、ろう付によって接合される。また、特許文献2には、ろう付接合、拡散接合、およびHIP接合の組み合わせによって複数の接合板(プレート部材)が接合された熱交換器が開示されている。
【0005】
ステージは、ウェハとの距離が近く、ステージからパーティクルが放出されると、ウェハに成膜される膜が汚染され、半導体素子の特性が低下する。そのため、ステージから放出されるパーティクルを抑制することが望まれている。
【0006】
本発明の一実施形態は、上記問題に鑑み、外部へ放出されるパーティクルが抑制されたステージを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係るステージは、第1の金属プレートと、第1の金属プレートの下方に位置し、第1の金属プレートと接合する第2の金属プレートと、第2の金属プレートの下方に位置し、第2の金属プレートと接合する第3の金属プレートと、を含み、第1の金属プレートは、外部に露出される第1の溝部を含み、第2の金属プレートは、第1の金属プレートに覆われ、第1の溝部と連通している第2の溝部と、第3の金属プレートに覆われる第3の溝部と、を含み、第1の溝部および第2の溝部は、ガス流路であり、第3の溝部には、ヒータが配置される。
【0008】
ヒータの一部は、ろう材によって第3の溝部に固定されていてもよい。
【0009】
第3の溝部は、第1の溝部と連通していなくてもよい。
【0010】
第1の金属プレートと第2の金属プレートとの間にはろう材が含まれなくてもよい。第2の金属プレートと第3の金属プレートとの間にはろう材が含まれていてもよい。
【0011】
第2の金属プレートと第3の金属プレートとの間には、結晶粒に起因する凹凸を含む接合界面が観察されてもよい。
【0012】
第2の金属プレートは、第1の金属プレートと固相拡散接合によって接合され、第3の金属プレートは、第2の金属プレートと液相拡散接合によって接合されてもよい。液相拡散接合は、ろう材を用いる接合であってもよい。
【0013】
第1の金属プレート、第2の金属プレート、および第3の金属プレートの各々は、マグネシウムを含むアルミニウム合金であってもよい。
【0014】
第1の金属プレート、第2の金属プレート、および第3の金属プレートの各々は、マンガンを含むアルミニウム合金であってもよい。
【0015】
ステージは、さらに、第3の金属プレートの下方に位置し、第3の金属プレートと接合するシャフトを含み、シャフト内には、ガス流路にガスを供給するガス導入管およびヒータが配置されていてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一実施形態に係るステージによれば、外部へ繋がるガス流路が固相拡散接合を用いて形成される。そのため、ガス流路にはパーティクルの要因となるろう材などが含まれない。したがって、ステージ10では、外部へ放出されるパーティクルを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態に係るステージの模式的な斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るステージの模式的な上面図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係るステージの模式的な断面図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係るステージの製造方法を説明するフローチャートである。
【
図5】本発明の一実施形態に係るステージの製造方法を説明する模式的な断面図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係るステージの製造方法を説明する模式的な断面図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係るステージの製造方法を説明する模式的な断面図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係るエッチング装置の構成を示す模式的な断面図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係るCVD装置の構成を示す模式的な断面図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係るスパッタリング装置の構成を示す模式的な断面図である。
【
図11】本発明の一実施形態に係る蒸着装置の構成を示す模式的な断面図である。
【
図12】実施例サンプルにおける第1の金属プレートと第2の金属プレートとの間の接合界面の断面SEM像である。
【
図13】実施例サンプルにおける第2の金属プレートと第3の金属プレートとの間の接合界面の断面SEM像である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本出願で開示される発明の各実施形態について、図面を参照し説明する。但し、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲において様々な形態で実施することができ、以下に例示する実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0019】
図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して説明したものと同様の機能を備えた要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略することがある。また、説明の便宜上、上方または下方という語句を用いて説明するが、上方または下方はそれぞれステージの使用時(ウェハ載置時)における向きを示す。
【0020】
本明細書および図面において、同一または類似する複数の構成を総じて表記する際には同一の符号を用い、これら複数の構成のそれぞれを区別して表記する際には、さらに大文字のアルファベットを添えて表記する。一つの構成のうちの複数の部分をそれぞれ区別して表記する際には、同一の符号を用い、さらにハイフンと自然数を用いる。
【0021】
<第1実施形態>
図1~
図3を参照して、本発明の一実施形態に係るステージ10について説明する。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態に係るステージ10の模式的な斜視図である。
図2は、本発明の一実施形態に係るステージ10の模式的な上面図である。
図3は、本発明の一実施形態に係るステージ10の模式的な断面図である。具体的には、
図3は、
図2に示すA1-A2線に沿って切断されたステージ10の断面図である。
【0023】
図1に示すように、ステージ10は、プレート部100およびシャフト部200を含むステージ10において、ウェハは、プレート部100の第1の面100aに載置される。シャフト部200は、プレート部100の第1の面100aと反対の第2の面100bに接続されている。例えば、シャフト部200は、ろう付によってプレート部100と接合されるが、これに限られない。
【0024】
ステージ10に載置されるウェハは、例えば、シリコン(Si)、シリコンカーバイド(SiC)、サファイア、石英、ガラス、リン化ガリウム(GaP)、ヒ化ガリウム(GaAs)、リン化インジウム(InP)、または窒化ガリウム(GaN)などであるが、これらに限られない。上述したように、ウェハはプレート部100の第1の面100aに載置されるため、第1の面100aは平坦面であることが好ましい。
【0025】
図3に示すように、プレート部100は、第1の金属プレート110、第2の金属プレート120、および第3の金属プレート130を含む。第1の金属プレート110~第3の金属プレート130は、この順に積層されている。すなわち、第2の金属プレート120は第1の金属プレート110の下方に位置し、第3の金属プレート130は第2の金属プレート120の下方に位置している。また、プレート部100の第1の面100aは第1の金属プレート110の上面に対応し、プレート部100の第2の面100bは第3の金属プレート130の下面に対応する。シャフト部200は、第3の金属プレート130に接続されている。
【0026】
第1の金属プレート110~第3の金属プレート130の各々の板厚は、特に限定されない。第1の金属プレート110~第3の金属プレート130の板厚は、同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0027】
図2に示すように、上面視において、第1の金属プレート110は、円形状を有する。第1の金属プレート110と重畳する第2の金属プレート120および第3の金属プレート130も、円形状を有する。但し、第1の金属プレート110~第3の金属プレート130の形状は、円形状に限られない。第1の金属プレート110~第3の金属プレート130の形状はウェハの形状に合わせて適宜決定されればよく、第1の金属プレート110~第3の金属プレート130は、楕円状または多角形状を有していてもよい。
【0028】
第1の金属プレート110、第2の金属プレート120、および第3の金属プレート130の各々の材質は、アルミニウム合金である。例えば、アルミニウム合金は、銅およびマグネシウムを含むアルミニウム合金(2000系)、マンガンを含むアルミニウム合金(3000系)、シリコンを含む(4000系)、マグネシウムを含むアルミニウム合金(5000系)、マグネシウムおよびシリコンを含むアルミニウム合金(6000系)、および亜鉛およびマグネシウムを含むアルミニウム合金(7000系)である。半導体装置に用いられるステージ10では、特に、マンガンを含むアルミニウム合金(3000系)およびマグネシウムおよびシリコンを含むアルミニウム合金(6000系)が用いられる。具体的には、第1の金属プレート110、第2の金属プレート120、および第3の金属プレート130の各々の材質は、JIS規格のA6061またはA3003である。A6061は、耐食性に優れる。A3003は、純アルミニウムと同等の加工性および腐食性を有する。
【0029】
なお、第1の金属プレート110、第2の金属プレート120、および第3の金属プレート130の各々の材質は、上述したアルミニウム合金に限られない。また、第1の金属プレート110、第2の金属プレート120、および第3の金属プレート130は、同じ材質であってもよく、異なる材質であってもよい。
【0030】
図3に示すように、第1の金属プレート110は、第1の溝部112を含む。第1の溝部112は、第1の金属プレート110の上面(すなわち、プレート部100の第1の面100a)に設けられている。第1の溝部112は、ステージ10の外部に露出されている。第2の金属プレート120は、第2の溝部122および第3の溝部124を含む。第2の溝部122は、第2の金属プレート120の上面に設けられ、第1の金属プレート110によって覆われている。第3の溝部124は、第2の金属プレート120の下面に設けられ、第3の金属プレート130によって覆われている。
【0031】
図2に示すように、平面視において、第1の溝部112は、円周状に設けられていてもよく、直線状に設けられていてもよい。第1の溝部112は、複数設けられていてもよい。複数の第1の溝部112は、互いに交差していてもよい。
【0032】
図2および
図3に示すように、第2の溝部122は、第1の金属プレート110に設けられた貫通孔114を介して、第1の溝部112と接続されている。換言すると、第2の溝部122は、貫通孔114を介して、第1の溝部と連通している。なお、貫通孔114は、第1の溝部112の一部に設けられていればよい。また、貫通孔114の数は、1つであってもよく、複数であってもよい。
【0033】
第1の溝部112および第2の溝部122は、ガス流路である。シャフト部200には、ガス導入管210が配置され、ガス導入管210の端部は、第2の溝部122と接続されている。ガス導入管210から第2の溝部122に供給されたガスは、第2の溝部122および第1の溝部112を流れ、第1の溝部112からステージ10の外部へ放出される。例えば、ガスは、ウェハ上に膜を形成するためのプロセスガスであるが、これに限られない。例えば、ガスは、成膜そのものに寄与するのではなく、ステージ10の温度を均熱化するために流されるガスであってもよい。
【0034】
第2の溝部122の平面形状は、特に限定されない。第2の溝部122は、第1の溝部112と同様の平面形状を有していてもよい。第2の溝部122は、ガス導入管210から供給されたガスを第1の溝部112に流すことができる平面形状を有していればよく、第2の溝部122の平面形状は特に限定されない。なお、第1の溝部112に供給されたガスは、ステージ10の外部に放出される。
【0035】
例えば、第1の溝部112および第2の溝部122の断面形状の各々は、矩形状であるが、これに限られない。第1の溝部112および第2の溝部122の断面形状は、例えば、半円状または半楕円状であってもよい。また、第1の溝部112の断面形状と第2の溝部122とは、同じ断面形状を有してもよく、異なる断面形状を有してもよい。
【0036】
第3の溝部124には、ヒータ220が配置され、ヒータ220の端子220aが、シャフト部200に収容されている。ヒータ220は、端子220aから電流が供給されることにより発熱し、ステージ10を加熱する。端子220aに供給する電流量を調整することにより、ステージ10の温度を制御することができる。例えば、ヒータ220は、シースヒータであるが、これに限られない。また、第3の溝部124に配置されるヒータの数は、1つであってもよく、複数であってもよい。
【0037】
第3の溝部124の平面形状は、ヒータ220の配置形状と対応している。ヒータ220は、ステージ10の温度が均一化されるような配置形状であることが好ましい。そのため、第3の溝部124の平面形状は、ヒータ220の数および配置形状に合わせて、適宜決定される。
【0038】
例えば、第3の溝部124の断面形状は、矩形状であるが、これに限られない。第3の溝部124の断面形状は、例えば、半円状または半楕円状であってもよい。
【0039】
なお、図示しないが、プレート部100には、冷却媒体を流す還流路が設けられていてもよい。ヒータ220による加熱だけでなく、還流路を流れる冷却媒体による冷却を利用することにより、ステージ10の精密な温度制御が可能となる。
【0040】
第1の金属プレート110は、第2の金属プレート120と接合されている。また、第2の金属プレート120は、第3の金属プレート130と接合されている。ここで、第1の金属プレート110と第2の金属プレート120との接合、および第2の金属プレート120と第3の金属プレート130との接合について説明する。なお、接合方法の詳細については、第2実施形態において説明する。
【0041】
第1の金属プレート110と第2の金属プレート120との接合は、固相拡散接合である。すなわち、第1の金属プレート110と第2の金属プレート120とは、加熱および加圧を用いて、溶融されることなく、直接接合されている。したがって、第1の金属プレート110と第2の金属プレート120との間の接合界面近傍には、第1の金属プレート110および第2の金属プレート120の材質に含まれる金属元素以外の金属元素が存在しない。また、第1の金属プレート110および第2の金属プレート120が溶融しないため、第1の金属プレート110と第2の金属プレート120との間の接合界面における平坦性が高く、接合界面には溶解・凝固によって形成される結晶粒に起因する凹凸が見られない。
【0042】
第2の金属プレート120と第3の金属プレート130との接合は、液相拡散接合である。例えば、液相拡散接合は、ろう材を用いたろう付である。第2の金属プレート120と第3の金属プレート130とは、ろう材を介して接合されている。したがって、第2の金属プレート120と第3の金属プレート130との間の接合界面近傍には、ろう材に含まれる金属元素が存在する。また、ろう材が溶融するため、第2の金属プレート120と第3の金属プレート130との間の接合界面近傍には、ろう材の溶融・凝固によって形成される結晶粒に起因する凹凸が見られる。
【0043】
例えば、ろう材として、銀、銅、および亜鉛を含む合金、銅および亜鉛を含む合金、リンを微量含む銅、アルミニウムを含む合金、チタン、銅、およびニッケルを含む合金、チタン、ジルコニウム、および銅を含む合金、またはチタン、ジルコニウム、銅、およびニッケルを含む合金などを用いることができる。
【0044】
上述したように、第1の金属プレート110と第2の金属プレート120との接合は、第2の金属プレート120と第3の金属プレート130との接合と異なる。第2の金属プレート120と第3の金属プレート130との接合は液相拡散接合である。そのため、第2の金属プレート120と第3の金属プレート130との間の接合界面では、結晶粒の凝固に起因する凹凸が形成される。換言すると、第2の金属プレート120と第3の金属プレート130との間の接合界面は、第1の金属プレート110と第2の金属プレート120との間の接合界面よりも平坦性が低い。
【0045】
接合界面近傍の金属元素、結晶粒の結晶粒界、および界面の凹凸は、断面SEMおよびEDXを用いて観察することができる。
【0046】
ステージ10は、第1の金属プレート110に設けられる第1の溝部112および第2の金属プレート120に設けられる第2の溝部122によって形成されるカス流路を含む。第1の金属プレート110と第2の金属プレート120との接合は固相拡散接合であるため、ステージ10のガス流路にはろう材などが含まれない。したがって、ステージ10では、ガス流路を流れるガスとともにろう材に起因するパーティクルが外部に放出されない。すなわち、ステージ10では、外部へ放出されるパーティクルを抑制することができる。
【0047】
本実施形態では、ステージ10が3つの金属プレートを含む構成を示したが、ステージ10に含まれる金属プレートの数は3つに限られない。ステージ10に含まれる金属プレートの数は、2つであってもよく、4つ以上であってもよい。また、ステージ10では、溝部およびヒータの位置および数は、特に限定されない。ステージ10では、ステージ10の外部と接続される流路を形成するときにおける2つの金属プレートの接合には、固相拡散接合が用いられる。なお、ステージ10では、ステージ10の外部と接続される流路を形成するときの金属プレート間における接合に、少なくとも固相拡散接合が用いられればよく、液相拡散接合の代わりに固相拡散接合を用いることもできる。
【0048】
<第2実施形態>
図4~
図7を参照して、本発明の一実施形態に係るステージ10の製造方法について説明する。
【0049】
図4は、本発明の一実施形態に係るステージ10の製造方法を説明するフローチャートである。また、
図4~
図7は、本発明の一実施形態に係るステージ10の製造方法を説明する模式的な断面図である。
【0050】
図4のフローチャートは、ステージ10のプレート部100の製造工程を示し、ステップS110~ステップS140を含む。以下、ステップS110~ステップS140について、順に説明する。
【0051】
ステップS110では、第1の金属プレート110および第2の金属プレート120平坦化加工を行う(
図5参照)。平坦化加工は、固相拡散接合が行われる面に対して行われる。すなわち、第1の金属プレート110の下面(プレート部100の第1の面100aと反対の面)、および第2の金属プレート120の上面(第1の金属プレート110の下面と対向する面)に対して平坦化加工が行われる。
【0052】
ステップS120では、第1の金属プレート110、第2の金属プレート120、および第3の金属プレート130の位置合わせを行う(
図6参照)。また、このとき、第2の金属プレート120の第2の溝部122にガス導入管が接続され、第2の金属プレート120の第3の溝部124にヒータ220が配置される。
図6に示すように、第1の金属プレート110~第3の金属プレート130を順に積層し、第1の金属プレート110~第3の金属プレート130の位置合わせを行う。本実施形態では、固相拡散接合および液相拡散接合が同時に行われる。そのため、ステップS120では、第1の金属プレート110~第3の金属プレート130のうちの2つの金属プレートの位置合わせではなく、第1の金属プレート110~第3の金属プレート130の3つの金属プレートの位置合わせが行われる。
【0053】
なお、以下では、便宜上、第1の金属プレート110~第3の金属プレート130が積層され、位置合わせが行われた構造(すなわち、接合前の構造)を、金属プレート積層構造体105という。
【0054】
ステップS130では、金属プレート積層構造体105を加熱しながら、加圧する(
図7参照)。加圧は、第1の金属プレート110から第3の金属プレート130に向かう方向で行われてもよく、第3の金属プレート130から第1の金属プレート110に向かう方向で行われてもよい。また、加熱および加圧された金属プレート積層構造体105は、所定の時間保持される。これにより、第1の金属プレート110と第2の金属プレート120との間で固相拡散接合が行われ、第1の金属プレート110と第2の金属プレート120とが接合される。
【0055】
金属プレート積層構造体105の加熱温度の下限は、400℃以上、好ましくは500℃以上である。また、金属プレート積層構造体105の加熱温度の上限は、第1の金属プレート110および第2の金属プレート120の材質の融点未満である。加熱温度が低すぎると、十分な固相拡散接合が行われない。また、加熱温度が高すぎると、金属プレートが溶融してしまう。
【0056】
金属プレート積層構造体105の加圧の荷重は、0.5MPa以上8MPa以下、好ましくは1.0MPa以上4MPa以下である。加圧による荷重が低すぎると、第1の金属プレート110と第2の金属プレート120との間で面接触が起きにくい。また、加圧による荷重が高すぎると、金属プレート積層構造体105の変形が生じてしまう。
【0057】
加熱および加圧の保持時間は、0.1時間以上10時間以下、好ましくは0.5時間以上8時間以下である。保持時間が短すぎると、十分な固相拡散接合が行われない。また、保持時間が長すぎると、ステージ10の製造タクトが低下してしまう。
【0058】
なお、3000系のアルミニウム合金は、6000系のアルミニウムと比べると、変形しにくい。そのため、第1の金属プレート110および第2の金属プレートの材質が3000系のアルミニウム合金であるとき、加熱温度をより高く、加圧による荷重をより高く、または加熱および加圧の保持時間をより長くすることが好ましい。
【0059】
ステップS140では、ステップS130による加熱および加圧が行われながら、第2の金属プレート120と第3の金属プレート130との間に対してろう付が行われる。これにより、第2の金属プレート120と第3の金属プレート130との間で液相拡散接合が行われ、第2の金属プレート120と第3の金属プレート130とが接合される。なお、ろう付で用いられたろう材は、第3の溝部124まで流入するように調整してもよい。この場合、第3の溝部124に配置されたヒータ220の一部は、ろう材によって第3の溝部に固定される。
【0060】
ろう付のろう材は、ステップS120の位置合わせの際に、第2の金属プレート120と第3の金属プレート130との間に予め配置されていてもよく、ステップS140において、第2の金属プレート120と第3の金属プレート130との間にろう材を侵入させてもよい。
【0061】
金属プレート積層構造体に対する加熱および加圧の解除により、ステージ10のプレート部100の製造工程は終了する。本製造工程により、第1の金属プレート110と第2の金属プレート120とが固相拡散接合によって接合され、ろう材を含まないガス流路が形成される。また、第2の金属プレート120と第3の金属プレート130とが液相拡散接合によって接合される。本製造工程では、固相拡散接合および液相拡散接合が同時行われるため、プレート部100の製造タクトが向上し、ステージ10の製造コストを抑制することができる。
【0062】
ステージ10の製造方法によれば、第1の金属プレート110と第2の金属プレート120との接合は固相拡散接合であるため、ステージ10のガス流路にはろう材などが含まれない。したがって、ステージ10では、ガス流路を流れるガスとともにろう材に起因するパーティクルが外部に放出されない。すなわち、ステージ10では、外部へ放出されるパーティクルを抑制することができる。
【0063】
<第3実施形態>
図8を参照して、本発明の一実施形態に係るエッチング装置50について説明する。エッチング装置50は、ステージ10を含む。そのため、以下では、第1実施形態で説明したステージ10の構成と同一または類似の構成の説明を省略する場合がある。
【0064】
図8は、本発明の一実施形態に係るエッチング装置50の構成を示す模式的な断面図である。
【0065】
エッチング装置50は、種々の膜に対してドライエッチングを行うことができる。エッチング装置50は、チャンバ502を有している。チャンバ502は、ウェハ上に形成された導電体、絶縁体、または半導体などの膜に対してエッチングを行う空間を提供する。
【0066】
チャンバ502には排気装置504が接続され、これにより、チャンバ502内を減圧雰囲気に設定することができる。チャンバ502には、さらに反応ガスを導入するための導入管506が設けられ、バルブ508を介してチャンバ502内にエッチング用の反応ガスが導入される。反応ガスとしては、例えば、四フッ化炭素(CF4)、オクタフルオロシクロブタン(c-C4F8)、デカフルオロシクロペンタン(c-C5F10)、またはヘキサフルオロブタジエン(C4F6)などの含フッ素有機化合物を用いることができる。
【0067】
チャンバ502上部には導波管510を介してマイクロ波源512を設けることができる。マイクロ波源512はマイクロ波を供給するためのアンテナなどを有しており、例えば2.45GHzのマイクロ波や、13.56MHzのラジオ波(RF)といった高周波数のマイクロ波を出力する。マイクロ波源512で発生したマイクロ波は導波管510によってチャンバ502の上部へ伝播し、石英またはセラミックなどを含む窓514を介してチャンバ502内へ導入される。マイクロ波によって反応ガスがプラズマ化し、プラズマに含まれる電子、イオン、またはラジカルによって膜のエッチングが進行する。
【0068】
チャンバ502下部には、ウェハを載置するためのステージ10が設けられる。ステージ10には電源524が接続され、高周波電力がステージ10に与えられ、マイクロ波による電界がステージ10の表面、ウェハ表面に対して垂直な方向に形成される。チャンバ502の上部および側面には、さらに磁石516、磁石518、および磁石520を設けることができる。磁石516、磁石518、および磁石520は、永久磁石でもよく、電磁コイルを有する電磁石でもよい。磁石516、磁石518、および磁石520により、ステージ10およびウェハ表面に平行な磁界が生成される。磁界とマイクロ波による電界との連携により、プラズマ中の電子は、ローレンツ力を受けて共鳴し、ステージ10およびウェハ表面に束縛される。その結果、高い密度のプラズマをウェハ表面に発生させることができる。
【0069】
ステージ10には、さらに、ステージ10に設けられるヒータ220を制御するヒータ電源530が接続される。ステージ10には、さらに、任意の構成として、ウェハをステージ10に固定するための静電チャック用の電源526、ステージ10の内部に環流される媒体の温度制御を行う温度コントローラ528、およびステージ10を回転させるための回転制御装置(図示せず)が接続されてもよい。
【0070】
<第4実施形態>
図9を参照して、本発明の一実施形態に係るCVD装置60について説明する。CVD装置60は、ステージ10を含む。そのため、以下では、第1実施形態で説明したステージ10の構成と同一または類似の構成の説明を省略する場合がある。
【0071】
図9は、本発明の一実施形態に係るCVD装置60の構成を示す模式的な断面図である。
【0072】
CVD装置60はチャンバ602を有している。CVD装置60は、反応ガスを化学的に反応させ、種々の膜をウェハ上に化学的に形成する場を提供する。
【0073】
チャンバ602には排気装置604が接続され、チャンバ602内の圧力を低減することができる。チャンバ602にはさらに反応ガスを導入するための導入管606が設けられ、バルブ608を介してチャンバ602内に成膜用の反応ガスが導入される。反応ガスとしては、作製する膜に依存して種々のガスを用いることができる。ガスは、常温で液体でもよい。例えば、シラン、ジクロロシラン、またはテトラエトキシシランなどを用いることでシリコン、酸化ケイ素、または窒化ケイ素などの薄膜を形成することができる。また、フッ化タングステンまたはトリメチルアルミニウムなどを用いることで、タングステンまたはアルミニウムなどの金属薄膜を形成することができる。
【0074】
エッチング装置50と同様、チャンバ602上部には導波管610を介してマイクロ波源612を設けてもよい。マイクロ波源612で発生したマイクロ波は導波管610によってチャンバ602内部へ導入される。マイクロ波によって反応ガスがプラズマ化し、プラズマに含まれる種々の活性種によってガスの化学反応が促進され、化学反応によって得られる生成物がウェハ上に堆積し、薄膜が形成される。任意の構成として、プラズマの密度を増大させるための磁石644をチャンバ602内に設けることができる。チャンバ602の下部には、ステージ10が設けられ、ウェハがステージ10上に載置された状態で薄膜の堆積を行うことができる。エッチング装置50と同様、チャンバ602の側面にはさらに磁石616および磁石618を設けてもよい。
【0075】
ステージ10には、さらに、ステージ10に設けられるヒータ220を制御するヒータ電源630が接続される。ステージ10には、さらに、任意の構成として、高周波電力をステージ10に供給するための電源624、静電チャック用の電源626、ステージ10の内部に環流される冷却媒体の温度制御を行う温度コントローラ628、およびステージ10を回転させるための回転制御装置(図示しない)が接続されてもよい。
【0076】
<第5実施形態>
図10を参照して、本発明の一実施形態に係るスパッタリング装置70について説明する。スパッタリング装置70は、ステージ10を含む。そのため、以下では、第1実施形態で説明したステージ10の構成と同一または類似の構成の説明を省略する場合がある。
【0077】
図10は、本発明の一実施形態に係るスパッタリング装置70の構成を示す模式的な断面図である。
【0078】
スパッタリング装置70はチャンバ702を有する。スパッタリング装置70は、高速のイオンとターゲットの衝突、およびその際に発生するターゲット原子をウェハ上に堆積させるための場を提供する。
【0079】
チャンバ702にはチャンバ702内を減圧にするための排気装置704が接続される。チャンバ702にはアルゴンなどのスパッタリングガスをチャンバ702へ導入するための導入管706およびバルブ708が設けられる。
【0080】
チャンバ702の下部には、成膜する材料を含むターゲットを保持し、かつ陰極として機能するターゲットステージ710が設けられ、その上にターゲット712が設置される。ターゲットステージ710には高周波電源714が接続され、高周波電源714によってチャンバ702内にプラズマを発生することができる。
【0081】
チャンバ702の上部には、ステージ10を設けることができる。この場合、ウェハがステージ10の下に設置された状態で薄膜の形成が進行する。エッチング装置50やCVD装置60と同様、ステージ10にはヒータ電源730が接続される。ステージ10には、さらに、高周波電力をステージ10に供給するための電源724、静電チャック用の電源726、温度コントローラ728、およびステージ10を回転させるための回転制御装置(図示せず)が接続されてもよい。
【0082】
チャンバ702内で発生したプラズマによって加速されたアルゴンイオンは、ターゲット712に衝突し、ターゲット712の原子が弾き出される。弾き出された原子は、シャッター716が開放されている間、ステージ10の下に設置されるウェハへ飛翔し、堆積する。
【0083】
図10には、ステージ10がチャンバ702の上部に、ターゲットステージ710がチャンバ702の下部に設置される構成が図示されているが、スパッタリング装置70の構成はこれに限られず、ターゲット712がステージ10の上に位置するような構成であってもよい。あるいは、ウェハの主面が水平面に対して垂直に配置されるようにステージ10を設置し、それに対向するようにターゲットステージ710を設ける構成であってもよい。
【0084】
<第6実施形態>
図11を参照して、本発明の一実施形態に係る蒸着装置80について説明する。蒸着装置80は、ステージ10を含む。そのため、以下では、第1実施形態で説明したステージ10の構成と同一または類似の構成の説明を省略する場合がある。
【0085】
図11は、本発明の一実施形態に係る蒸着装置80の構成を示す模式的な断面図である。
【0086】
蒸着装置80はチャンバ802を有する。蒸着装置80は、蒸着源810における材料の蒸発、ならびに蒸発した材料をウェハ上へ堆積させるための空間が提供される。
【0087】
チャンバ802にはチャンバ802内を高真空にするための排気装置504が接続される。チャンバ802には、チャンバ802を大気圧に戻すための導入管806が設けられ、バルブ808を介して窒素またはアルゴンなどの不活性ガスがチャンバ802内に導入される。
【0088】
チャンバ802の上部には、ステージ10を設けることができる。ウェハがステージ10の下に設置された状態で材料の堆積が進行する。エッチング装置50、CVD装置60、およびスパッタリング装置70と同様、ステージ10には、さらに、ヒータ電源828が接続される。ステージ10には、さらに、任意の構成として、静電チャック用の電源824、温度コントローラ826、およびステージ10を回転させるための回転制御装置830が接続されてもよい。ステージ10は、さらに、ウェハと蒸着源810の間にメタルマスクを固定するためのマスクホルダ816を有してもよい。これにより、材料を堆積する領域にメタルマスクの開口部が重なるように、ウェハ近傍にメタルマスクを配置することができる。
【0089】
蒸着源810がチャンバの下側に設けられ、蒸着する材料が蒸着源810に充填される。蒸着源810には材料を加熱するためのヒータが設けられており、ヒータは制御装置812によって制御される。排気装置804を用いてチャンバ802内を高真空にし、蒸着源810を加熱して材料を気化させることで蒸着が開始される。蒸着の速度が一定になった時にシャッター814を開放することで、ウェハ上において材料の堆積が開始される。
【0090】
以上、第3実施形態~第6実施形態において説明したエッチング装置50、CVD装置60、スパッタリング装置70、および蒸着装置80には、ステージ10が用いられる。ステージ10では、ガス流路の形成においてろう材が用いられていないため、ガス流路を流れるガスとともにろう材に起因するパーティクルが外部に放出されない。そのため、ステージ10を用いることで、ガス流路からチャンバ内に放出されるパーティクルを抑制することができる。
【実施例0091】
実施例に基づき、第1実施形態において説明したステージ10について、さらに詳細に説明する。第1の金属プレート110~第3の金属プレート130の材質として、A3003のアルミニウム合金を用い、第2実施形態で説明したプロセスにしたがって実施例サンプルを作製した。
【0092】
図12は、実施例サンプルにおける第1の金属プレート110と第2の金属プレート120との間の接合界面の断面SEM像である。
図13は、実施例サンプルにおける第2の金属プレート120と第3の金属プレート130との間の接合界面の断面SEM像である。
【0093】
図12および
図13に示すように、いずれの接合界面においても欠陥は確認されなかった。第1の金属プレート110と第2の金属プレート120とは、固相拡散接合によって接合されている。
図12に示すように、接合界面において凹凸は見られず、平坦性の高い接合界面が確認された。一方、第2の金属プレート120と第3の金属プレート130とは、ろう付によって接合されている。
図13に示すように、接合界面において、結晶粒の凝固に起因する凹凸が形成されていることが確認された。
【0094】
本発明の実施形態として上述した各実施形態は、相互に矛盾しない限りにおいて、適宜組み合わせて実施することができる。また、各実施形態を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0095】
また、上述した各実施形態によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、または、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと理解される。
10:ステージ、 100:プレート部、 100a:第1の面、 100b:第2の面、 105:金属プレート積層構造体、 110:第1の金属プレート、 112:第1の溝部、 114:貫通孔、 120:第2の金属プレート、 122:第2の溝部、 124:第3の溝部、 130:第3の金属プレート、 200:シャフト部、 210:ガス導入管、 220:ヒータ、 220a:端子、
50:エッチング装置、 502:チャンバ、 504:排気装置、 506:導入管、 508:バルブ、 510:導波管、 512:マイクロ波源、 514:窓、 516、518、520:磁石、 524、526:電源、 528:温度コントローラ、
530:ヒータ電源、
60:CVD装置、 602:チャンバ、 604:排気装置、 606:導入管、 608:バルブ、 610:導波管、 612:マイクロ波源、 616、618:磁石、 624、626:電源、 628:温度コントローラ、 630:ヒータ電源、 644:磁石、
70:スパッタリング装置、 702:チャンバ、 704:排気装置、 706:導入管、 708:バルブ、 710:ターゲットステージ、 712:ターゲット、 714:高周波電源、 716:シャッター、 724、726:電源、 728:温度コントローラ、 730:ヒータ電源、
80:蒸着装置、 802:チャンバ、 804:排気装置、 806:導入管、 808:バルブ、 810:蒸着源、 812:制御装置、 814:シャッター、 816:マスクホルダ、 824:電源、 826:温度コントローラ、 828:ヒータ電源、 830:回転制御装置