(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143505
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】燃料電池モジュール及び燃料電池装置
(51)【国際特許分類】
H01M 8/04014 20160101AFI20241003BHJP
H01M 8/0612 20160101ALI20241003BHJP
H01M 8/04 20160101ALI20241003BHJP
【FI】
H01M8/04014
H01M8/0612
H01M8/04 Z
H01M8/04 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023056227
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100132045
【弁理士】
【氏名又は名称】坪内 伸
(72)【発明者】
【氏名】内 一隆
【テーマコード(参考)】
5H127
【Fターム(参考)】
5H127AC15
5H127BA05
5H127BA13
5H127BA32
5H127BA37
5H127BA43
5H127BA44
5H127BA47
5H127BB02
5H127BB12
5H127BB24
5H127BB27
5H127CC18
5H127EE02
5H127EE12
5H127EE15
5H127EE25
5H127EE29
(57)【要約】
【課題】エネルギー効率を向上する。
【解決手段】燃料電池モジュール10は燃料電池セルスタック11と燃焼器12と第1の流路13と第2の流路14とを有する。第1の流路13の第1の端を燃料電池セルスタック11の未反応の燃料ガスの排出口27に接続する。第2の流路14の第2の端を燃焼器12における未反応の燃料ガスの導入口に接続する。第1の流路13の一部及び第2の流路14の一部が熱交換部29を構成する。熱交換部29の少なくとも一部が燃料電池セルスタック11及び燃焼器12の間の第1の空間に位置する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料ガス及び酸化剤ガスの電気化学反応により発電する複数の燃料電池セルを有する燃料電池セルスタックと、
第1の方向から見て前記燃料電池セルスタックと少なくとも一部が重なるように位置し、該燃料電池セルスタックにおいて未反応の燃料ガスを燃焼させる燃焼器と、
前記燃料電池セルスタックにおける前記未反応の燃料ガスの排出口に第1の端が接続される第1の流路と、
前記燃焼器における前記未反応の燃料ガスの導入口に第2の端が接続される第2の流路と、を備え、
前記第1の流路の一部及び前記第2の流路の一部が、該第1の流路及び該第2の流路に流れる流体を熱交換させる熱交換部を構成し、
前記熱交換部の少なくとも一部が、前記燃料電池セルスタック及び前記燃焼器の間の第1の空間に位置する
燃料電池モジュール。
【請求項2】
請求項1に記載の燃料電池モジュールにおいて、
前記熱交換部における前記第1の端とは逆側の部分が前記第1の空間の外に位置する
燃料電池モジュール。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の燃料電池モジュールにおいて、
前記熱交換部を第1の方向から見て、前記燃焼器と重なり且つ前記第1の流路が露出する面積は、該燃焼器と重なり且つ第2の流路が露出する面積より広い
燃料電池モジュール。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の燃料電池モジュールにおいて、
前記熱交換部を第1の方向の逆方向から見て、前記燃料電池セルスタックと重なり且つ前記第2の流路が露出する面積は、前記燃料電池セルスタックと重なり且つ第1の流路が露出する面積より広い
燃料電池モジュール。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の燃料電池モジュールにおいて、
前記第2の流路の少なくとも一部は、前記第1の流路に挟まれる
燃料電池モジュール。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の燃料電池モジュールにおいて、
前記燃焼器及び前記熱交換部の間に一部が位置し、前記酸化剤ガスを前記燃料電池セルスタックに供給する第3の流路を、更に備える
燃料電池モジュール。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の燃料電池モジュールにおいて、
前記燃焼器の前記第1の方向側に位置し、前記燃焼器にて加熱される前記改質器を、更に備え、
前記改質器は、原燃料ガスを改質することにより前記燃料ガスを生成する改質部と前記改質部に水蒸気を供給するために水を気化する気化部とを、前記第1の方向に交差する第2の方向に並ぶように有し、
前記熱交換部は、前記第2の方向における前記改質部側に位置する
燃料電池モジュール。
【請求項8】
請求項1又は2に記載の燃料電池モジュールにおいて、
前記第1の流路から前記第2の流路に流れる流体を熱媒と熱交換させる熱交換器を、更に備える
燃料電池モジュール。
【請求項9】
請求項1又は2に記載の燃料電池モジュールと、
前記燃料電池モジュールを動作させる補助機能を備える補機と、を備える
燃料電池装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、燃料電池モジュール及び燃料電池装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
改質器、燃焼器、及び燃料電池セルスタックを備える燃料電池モジュールが知られている。燃料電池モジュールでは、エネルギーを有効活用するために、高温化が必要な低温のガスを高温の排気ガスと熱交換させることが提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
燃料電池モジュールでは、更なるエネルギー効率の向上が求められている。
【0005】
従って、上記のような従来技術の問題点に鑑みてなされた本開示の目的は、本開示の構成を用いない場合と比べてエネルギー効率を向上する燃料電池モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した諸課題を解決すべく、第1の観点による燃料電池モジュールは、
燃料ガス及び酸化剤ガスの電気化学反応により発電する複数の燃料電池セルを有する燃料電池セルスタックと、
第1の方向から見て前記燃料電池セルスタックと少なくとも一部が重なるように位置し、該燃料電池セルスタックにおいて未反応の燃料ガスを燃焼させる燃焼器と、
前記燃料電池セルスタックにおける前記未反応の燃料ガスの排出口に第1の端が接続される第1の流路と、
前記燃焼器における前記未反応の燃料ガスの導入口に第2の端が接続される第2の流路と、を備え、
前記第1の流路の一部及び前記第2の流路の一部が、該第1の流路及び該第2の流路に流れる流体を熱交換させる熱交換部を構成し、
前記熱交換部の少なくとも一部が、前記燃料電池セルスタック及び前記燃焼器の間の第1の空間に位置する。
【0007】
第2の観点による燃料電池装置は、
燃料ガス及び酸化剤ガスの電気化学反応により発電する複数の燃料電池セルを有する燃料電池セルスタックと、第1の方向から見て前記燃料電池セルスタックと少なくとも一部が重なるように位置し、該燃料電池セルスタックにおいて未反応の燃料ガスを燃焼させる燃焼器と、前記燃料電池セルスタックにおける前記未反応の燃料ガスの排出口に第1の端が接続される第1の流路と、前記燃焼器における前記未反応の燃料ガスの導入口に第2の端が接続される第2の流路とを有し、前記第1の流路の一部及び前記第2の流路の一部が、該第1の流路及び該第2の流路に流れる流体を熱交換させる熱交換部を構成し、前記熱交換部の少なくとも一部が、前記燃料電池セルスタック及び前記燃焼器の間の第1の空間に位置する燃料電池セルスタックと、
前記燃料電池モジュールを動作させる補助機能を備える補機と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
上記のように構成された本開示に係る燃料電池モジュールによれば、エネルギー効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1の実施形態に係る燃料電池モジュールの内部構成図である。
【
図2】
図1における第1の流路及び第2の流路の外観斜視図である。
【
図3】
図1における第1の空間を説明するための外観斜視図である。
【
図4】
図1における熱交換部を第1の方向から見た図である。
【
図5】
図1における熱交換部を第1の方向の逆方向から見た図である。
【
図6】
図2の第1の扁平部及び第2の扁平部の屈曲箇所を展開した状態で並べた内部構造を説明するための図である。
【
図7】第2の実施形態に係る燃料電池モジュールの内部構成図である。
【
図8】
図7における第1の流路及び第2の流路の外観斜視図である。
【
図9】
図8における第1の流路の外観斜視図である。
【
図10】
図8における第2の流路の外観斜視図である。
【
図11】第3の実施形態に係る燃料電池モジュールの内部構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示を適用した燃料電池モジュールの実施形態について、図面を参照して説明する。
【0011】
図1に示すように、本開示の第1の実施形態に係る燃料電池モジュール10は、燃料電池セルスタック11、燃焼器12、第1の流路13、及び第2の流路14を含んで構成される。燃料電池モジュール10は、更に、改質器15、第3の流路16、第1の熱交換器17、第2の熱交換器18、気液分離器19、リサイクル流路20、及び筐体21を含んで構成されてよい。前述のように、第1の熱交換器17は、燃料電池モジュール10に含まれる構成であってよく、燃料電池モジュール10外に含まれる構成であってよい。
【0012】
燃料電池モジュール10を含む燃料電池装置では、設置時における地表に対する姿勢が定められている。本願明細書において、地表に対して定められた姿勢において鉛直上方となる燃料電池装置内の燃料電池モジュール10における方向を、第1の方向と呼ぶ。
【0013】
燃料電池モジュール10において、第1の方向に向かって、燃料電池セルスタック11、燃焼器12、及び改質器15が、並ぶように位置してよい。したがって、燃焼器12は燃料電池セルスタック11の第1の方向側に位置してよい。又、改質器15は、燃焼器12の第1の方向側に位置してよい。このような配置により、燃料電池セルスタック11、燃焼器12、及び改質器15は、第1の方向から見て、少なくとも一部が重なってよい。
【0014】
改質器15は、少なくとも改質部22を有する。改質器15は、燃焼器12にて加熱されてよい。改質器15は、更に気化部23を有してよい。改質部22及び気化部23は、第1の方向に交差する第2の方向に並んでよい。第2の方向は、例えば、第1の方向に垂直な方向である。
【0015】
改質部22は、改質触媒を収容する。改質部22は、原燃料ガスを、水蒸気を用いて改質することにより水素を含む燃料ガスを生成する。改質部22には、気化部23を介して原燃料ガス及び水蒸気が供給されてよい。気化部23は、改質部22に水蒸気を供給するために水を気化してよい。原燃料ガスは、例えば、都市ガス等の軽質炭化水素ガスである。原燃料ガスは、改質器15に供給される前に、脱硫器24により脱硫されてよい。
【0016】
燃料電池セルスタック11は、複数の燃料電池セルを含む。燃料電池セルは、燃料ガス及び酸化剤ガスの電気化学反応により発電する。燃料電池セルでは、供給される燃料ガスの全量及び酸化剤ガスの全量が電気化学反応を起こすわけではなく、未反応の燃料ガス及び酸化剤ガスを排出する。本願明細書において、未反応の燃料ガスを燃料オフガスと呼ぶこともある。又、本願明細書において未反応の酸化剤ガスを酸化剤オフガスと呼ぶこともある。
【0017】
燃料電池セルは扁平形状であってよい。扁平形状の燃料電池セルは、積層されていてよい。燃料電池セルスタック11において、燃料ガス導入口25、酸化剤ガス導入口26、燃料オフガス排出口27、及び酸化剤オフガス排出口28は積層方向における両端面の少なくとも一方に設けられていてよい。例えば、燃料ガス導入口25、酸化剤ガス導入口26、燃料オフガス排出口27、及び酸化剤オフガス排出口28は、第1の流路13、第2の流路14、及び第3の流路16の取付け作業を容易にするために、積層方向における一方の端面に設けられてよい。燃料ガス導入口25、酸化剤ガス導入口26、燃料オフガス排出口27、及び酸化剤オフガス排出口28は、第1の流路13、第2の流路14、及び第3の流路16同士の干渉を抑制するために、積層方向における両方の端面に設けられてよい。積層方向は、第1の方向に垂直であってよい。又は、積層方向は、第1の方向に平行であってよい。
【0018】
燃料ガス導入口25は、改質部22から供給される燃料ガスを各燃料電池セルに導入してよい。酸化剤ガス導入口26は、酸化剤ガスを各燃料電池セルに導入してよい。酸化剤ガスは、例えば、空気等の酸素含有ガスであり、ブロワ等を用いて燃料電池モジュール10内に導入されてよい。燃料オフガス排出口27は、各燃料電池セルにおける燃料オフガスを排出してよい。酸化剤オフガス排出口28は、各燃料電池セルにおける酸化剤オフガスを排出してよい。
【0019】
燃焼器12は、上述のように、第1の方向から見て、燃料電池セルスタック11と少なくとも一部が重なるように位置する。燃焼器12は、燃料電池セルスタック11から排出される燃料オフガスを、酸化剤オフガスを用いて燃焼させる。
【0020】
第1の流路13は、燃料オフガス排出口27に接続される第1の端を有する。第1の流路13は、第1の端の反対側の端において、後述するように、第1の熱交換器17に接続されてよい。第1の流路13は、内空を有する管であってよい。第1の流路13は、後述するように、内空を有する扁平な板状部分を有してよい。
【0021】
第2の流路14は、燃焼器12における燃料オフガスの導入口に接続される第2の端を有する。第2の流路14は、第2の端の反対側の端において、後述するように、気液分離器19に接続されてよい。第2の流路14は、内空を有する管であってよい。第2の流路14は、後述するように、内空を有する扁平な板状部分を有してよい。
【0022】
第1の流路13の一部及び第2の流路14の一部が、第1の流路13及び第2の流路14を流れる流体を熱交換させる熱交換部29を構成してよい。熱交換部29は、熱交換部29の構成範囲外の、第1の流路13及び第2の流路14の部分に比べて、熱交換させる熱量を増加させる構造を有してよい。
【0023】
例えば、熱交換部29は、
図2に示すように、第1の流路13の一部及び第2の流路14の一部で互いに対向する部分の面積を他の部分の面積より拡大させた構造を有してよい。具体的な構造を以下に説明する。
【0024】
第1の流路13は、第1の接続部30、第1の扁平部31、第2の接続部32を有してよい。第1の接続部30及び第2の接続部32は、円筒状であってよい。第1の扁平部31は、内空を有する扁平状であってよい。第1の扁平部31は屈曲していてよく、湾曲していてよく、折返していてよい。第1の実施形態において、第1の扁平部31は、なす角度が90度となるように屈曲された箇所を有する。第1の扁平部31の主面とは、第1の扁平部31における最大面積である面を意味する。第1の扁平部31の軸に対する主面の幅は、第1の接続部30及び第2の接続部32それぞれの軸に対する直径よりも長くてよい。
【0025】
第1の接続部30は、互いの内空が連通するように第1の扁平部31に接続されてよい。第1の接続部30における、第1の扁平部31と接続する端の反対の端が、第1の流路13全体における第1の端であってよい。第2の接続部32は、第1の接続部30とは離れた位置で、互いの内空が連通するように、第1の扁平部31に接続されてよい。第2の接続部32における、第1の扁平部31に接続される端とは反対の端が、第1の流路13全体における第1の端の反対の端であってよい。
【0026】
第2の流路14は、第3の接続部33、第2の扁平部34、第4の接続部35を有してよい。第3の接続部33及び第4の接続部35は、円筒状であってよい。第2の扁平部34は、内空を有する扁平状であってよい。第2の扁平部34は屈曲していてよく、湾曲していてよく、折返していてよい。第1の実施形態において、第2の扁平部34は、なす角度が90度となるように屈曲された箇所を有する。第2の扁平部34の軸に対する主面の幅は、第3の接続部33及び第4の接続部35それぞれの軸に対する直径よりも長くてよい。第2の扁平部34の主面とは、第2の扁平部34における最大面積である面を意味する。
【0027】
第3の接続部33は、互いの内空が連通するように第2の扁平部34に接続されてよい。第3の接続部33における、第2の扁平部34と接続する端の反対の端が、第2の流路14全体における第2の端であってよい。第4の接続部35は、第3の接続部33とは離れた位置で、互いの内空が連通するように、第2の扁平部34に接続されてよい。第4の接続部35における、第2の扁平部34に接続される端とは反対の端が、第2の流路14全体における第2の端の反対の端であってよい。
【0028】
第1の扁平部31の及び第2の扁平部34は、互いの主面が平行且つ対向するように位置してよい。第1の扁平部31及び第2の扁平部34は、面接触していてよい。又は、第1の扁平部31及び第2の扁平部34の間には、隙間が設けられてもよい。又は、第1の扁平部31及び第2の扁平部34は、熱交換部29が隔壁方式の熱交換器又はプレート式熱交換器を構成するように形成されてよい。更に、第1の扁平部31及び第2の扁平部34には、内部及び外部の少なくとも一方に伝熱用のプレートフィンが設けられてよい。
【0029】
熱交換部29の構成範囲外の第1の流路13及び第2の流路14の部分に比べて、熱交換させる熱量を増加させる構造は、上述の構造に限定されず他の構造であってよい。熱交換部29は、第1の流路13の一部及び第2の流路14の一部を他の部分よりも近接させたり、互いに対向する部分の面積を他の部分より拡大させた構造を有してよい。
【0030】
図1に示すように、熱交換部29の少なくとも一部が、燃料電池セルスタック11及び燃焼器12の間の第1の空間に位置してよい。
図3に示すように、第1の空間s1は、燃料電池セルスタック11及び燃焼器12の間において、第1の方向から見て燃料電池セルスタック11及び燃焼器12が互いに重複する領域により構成される空間である。
図1に示すように、熱交換部29の第1の端とは逆側の部分、言換えると、熱交換部29における第2の接続部32及び第4の接続部35側の部分が、第1の空間s1の外に位置してよい。熱交換部29は、第2の方向における改質部22側に位置してよい。
【0031】
図4に示すように、熱交換部29を第1の方向から見て、燃焼器12と重なり且つ第1の流路13が露出する面積s11は、燃焼器12と重なり且つ第2の流路14が露出する面積s12より広くてよい。
図5に示すように、熱交換部29を第1の方向の逆方向から見て、燃料電池セルスタック11と重なり且つ第2の流路14が露出する面積s22は、燃料電池セルスタック11と重なり且つ第1の流路13が露出する面積s21より広くてよい。
【0032】
図6に示すように、第1の扁平部31及び第2の扁平部34の内部には、流路を長くするように仕切板36が設けられてよい。仕切板36は、第1の扁平部31及び第2の扁平部34の主面に垂直な方向から見て、第1の扁平部31及び第2の扁平部34内の同じ位置に設けられてよい。
【0033】
図1に示すように、第3の流路16は、燃料電池セルスタック11の酸化剤ガス導入口26に接続されてよい。第3の流路16は、酸化剤ガスを燃料電池セルスタック11に供給してよい。
【0034】
第1の熱交換器(熱交換器)17は、第1の流路13から第2の流路14に流れる流体、具体的には、燃料オフガスを熱媒と熱交換させてよい。熱媒は、例えば、水である。第1の熱交換器17は、気液分離器19を介して第2の流路14に接続されてよい。
【0035】
第2の熱交換器18は、第3の流路16に流れる流体、具体的には酸化剤ガスと、燃焼器12から排出される排ガスとを熱交換させてよい。
【0036】
気液分離器19は、第1の熱交換器17において冷却されることにより液化した液体を燃料オフガスから分離してよい。燃料オフガスには水蒸気が含まれており、冷却することにより液化した液体は、例えば水である。
【0037】
リサイクル流路20は、第2の流路14を燃料ガスの供給経路のいずこかに接続してよい。燃料ガスの供給経路は、脱硫器24の上流側の経路から改質器15を介して燃料ガス導入口25に接続するまでの経路を意味する。したがって、リサイクル流路20は、脱硫器24の上流に接続されてよく、下流に接続されてよい。
【0038】
筐体21は、少なくとも燃料電池セルスタック11、燃焼器12、第1の流路13、及び第2の流路14を収容してよい。第1の実施形態において、筐体21は、更に、改質器15、第3の流路16、第2の熱交換器18、及びリサイクル流路20を収容してよい。筐体21は、第1の熱交換器17を収容しなくてよい。言換えると、第1の熱交換器17は、筐体21の外部に設けられてよい。筐体21内壁前面に亘って断熱材が設けられてよい。
【0039】
以上のような構成の第1の実施形態の燃料電池モジュール10は、燃料電池セルスタック11、第1の方向から見て燃料電池セルスタック11と少なくとも一部が重なる燃焼器12、燃料電池セルスタック11における未反応の燃料ガスの排出口に第1の端が接続される第1の流路13、燃焼器12における未反応の燃料ガスの導入口に第2の端が接続される第2の流路14とを備え、第1の流路13の一部及び第2の流路14の一部が当該第1の流路13及び当該第2の流路14に流れる流体を熱交換させる熱交換部29を構成し、熱交換部29の少なくとも一部が燃料電池セルスタック11及び燃焼器12の間の第1の空間s1に位置する。このような構成により、燃料電池モジュール10は、燃料電池セルスタック11及び燃焼器12における熱により、熱交換部29の放熱による熱損失を低減させ得る。
【0040】
又、燃料電池モジュール10では、熱交換部29における第1の端とは逆側の部分が第1の空間s1の外に位置する。このような構成により、燃料電池モジュール10は、熱交換部29における第1の熱交換器17に接続される側の部分を燃焼器12から離し得る。したがって、燃料電池モジュール10は、第1の流路13から第1の熱交換器17に流入する流体の温度を、熱交換部29全体が第1の空間s1に位置する構成に比べて、低下させ得る。その結果、燃料電池モジュール10は、第1の熱交換器17における熱媒の突沸を抑制し得る。又、上記構成により、熱交換部29を大型化、言換えると、第1の扁平部31及び第2の扁平部34が互いに対向する面積を拡大し得る。
【0041】
又、燃料電池モジュール10では、熱交換部29を第1の方向から見て、燃焼器12と重なり且つ第1の流路13が露出する面積s11は、当該燃焼器12と重なり且つ第2の流路14が露出する面積s12より広い。このような構成により、燃料電池モジュール10は、燃料電池セルスタック11のジュール熱より高温の燃焼器12に、第1の流路13を第2の流路14よりも加熱させ得る。したがって、燃料電池モジュール10は、熱交換部29の第1の流路13における放熱による熱損失を低減させ得る。
【0042】
又、燃料電池モジュール10では、熱交換部29を第1の方向の逆方向から見て、燃料電池セルスタック11と重なり且つ第2の流路14が露出する面積s22は、燃料電池セルスタック11と重なり且つ第1の流路13が露出する面積s21より広い。このような構成により、燃料電池モジュール10は、燃料電池セルスタック11のジュール熱により、熱交換部29の第2の流路14における放熱による熱損失を低減させ得る。又、このような構成により、燃料電池モジュール10は、熱交換部29の第1の流路13における燃料電池セルスタック11のジュール熱の影響を低減させるので、第1の流路13から第1の熱交換器17に流入する流体の温度を、低下させ得る。その結果、燃料電池モジュール10は、第1の熱交換器17における熱媒の突沸を更に抑制し得る。
【0043】
又、燃料電池モジュール10は、燃焼器12の第1の方向側に位置し、燃焼器12にて加熱される改質器15を備え、改質器15は改質部22と気化部23とを第1の方向に交差する第2の方向に並ぶように有し、熱交換部29は第2の方向における改質部22側に位置する。このような構成により、燃料電池モジュール10は、吸熱による温度低下が気化部23より小さな改質部22側に熱交換部29が位置するので、気化部23側に位置する構成に比べて熱交換部29からの熱損失をより低減させ得る。
【0044】
又、燃料電池モジュール10は、第1の流路13から第2の流路14に流れる流体を熱媒と熱交換させる第1の熱交換器17を備える。このような構成により、燃料電池モジュール10は、熱媒を用いて高温で熱回収させ得る。
【0045】
次に、本開示の第2の実施形態を説明する。第2の実施形態では、熱交換部の構造が第1の実施形態と異なっている。以下に、第1の実施形態と異なる点を中心に第2の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と同じ構成を有する部位には同じ符号を付す。
【0046】
図7に示すように、第2の実施形態に係る燃料電池モジュール100は、燃料電池セルスタック11、燃焼器12、第1の流路130、及び第2の流路140を含んで構成される。燃料電池モジュール100は、更に、改質器15、第3の流路16、第1の熱交換器17、第2の熱交換器18、気液分離器19、リサイクル流路20、及び筐体21を含んで構成されてよい。第2の実施形態において、燃料電池セルスタック11、燃焼器12、改質器15、第3の流路16、第1の熱交換器17、第2の熱交換器18、気液分離器19、リサイクル流路20、及び筐体21の構造及び機能は、第1の実施形態と同じである。
【0047】
第1の流路130は、第1の実施形態と類似して、燃料オフガス排出口27に接続される第1の端を有する。第1の流路130は、第1の実施形態と類似して、第1の端の反対側の端において、第1の熱交換器17に接続されてよい。
【0048】
第2の流路140は、第1の実施形態と類似して、燃焼器12における燃料オフガスの導入口に接続される第2の端を有する。第2の流路140は、第1の実施形態と類似して、第2の端の反対側の端において、気液分離器19に接続されてよい。第2の流路14の少なくとも一部は、第1の実施形態と異なり、第1の流路13に挟まれてよい。第2の流路14の少なくとも一部が第1の流路13に挟まれる構成の具体例は、後に説明される。
【0049】
第1の流路130の一部及び第2の流路140の一部が、第1の実施形態と類似して、第1の流路130及び第2の流路140を流れる流体を熱交換させる熱交換部290を構成してよい。例えば、熱交換部290は、
図8に示すように、第1の流路130の一部及び第2の流路140の一部で互いに対向する部分の面積を他の部分の面積より拡大させた構造を有してよい。具体的な構造を以下に説明する。
【0050】
図9に示すように、第1の流路130は、第1の接続部30、第1の扁平部310、第2の接続部32を有してよい。第2の実施形態において、第1の扁平部310は、なす角度が90度となるように屈曲された箇所と、折返し箇所とを有する。より具体的には、第1の扁平部310は、主面の垂直な方向から見てU字形状になるように折返し、2本の脚部の一方を他方より突出させた形状で、当該一方を他方側に向けて直角に屈曲させた構造である。
【0051】
図10に示すように、第2の流路140は、第3の接続部33、第2の扁平部340、第4の接続部35を有してよい。第2の実施形態において、第2の扁平部340は、なす角度が90度となるように屈曲された箇所を有する。第2の扁平部340の一部は、第1の実施形態と異なり、第1の扁平部310における折返し箇所に挟まれていてよい。
【0052】
図8に示すように、第1の扁平部310及び第2の扁平部340は、互いの主面が平行且つ対向するように位置してよい。上述のように、折返し箇所を有する第1の扁平部310は、折返しにより重なる部分において第2の扁平部340を挟んでよい。このように、第2の流路140の少なくとも一部である第2の扁平部340の一部は、第1の流路130である第1の扁平部310の一部により挟まれてよい。
【0053】
以上のような構成の第2の実施形態の燃料電池モジュール100も、燃料電池セルスタック11、第1の方向から見て燃料電池セルスタック11と少なくとも一部が重なる燃焼器12、燃料電池セルスタック11における未反応の燃料ガスの排出口に第1の端が接続される第1の流路130、燃焼器12における未反応の燃料ガスの導入口に第2の端が接続される第2の流路140とを備え、第1の流路130の一部及び第2の流路140の一部が当該第1の流路130及び当該第2の流路140に流れる流体を熱交換させる熱交換部29を構成し、熱交換部29の少なくとも一部が燃料電池セルスタック11及び燃焼器12の間の第1の空間s1に位置する。このような構成により、燃料電池モジュール100も、第1の実施形態に類似して、燃料電池セルスタック11及び燃焼器12における熱により、熱交換部29の放熱による熱損失を低減させ得る。
【0054】
又、燃料電池モジュール100でも、熱交換部29における第1の端とは逆側の部分が第1の空間s1の外に位置する。したがって、燃料電池モジュール100も、第1の実施形態に類似して、第1の熱交換器17における熱媒の突沸を抑制し得る。又、燃料電池モジュール100も、第1の実施形態に類似して、熱交換部29を大型化させ得る。
【0055】
又、燃料電池モジュール100でも、熱交換部290を第1の方向から見て、燃焼器12と重なり且つ第1の流路130が露出する面積s11は、当該燃焼器12と重なり且つ第2の流路140が露出する面積s12より広い。したがって、燃料電池モジュール100も、第1の実施形態に類似して、熱交換部290の第1の流路13における放熱による熱損失を低減させ得る。
【0056】
又、燃料電池モジュール100でも、熱交換部290は第2の方向における改質部22側に位置する。このような構成により、燃料電池モジュール100も、第1の実施形態に類似して、熱交換部290が第2の方向において気化部23側に位置する構成に比べて熱交換部290の熱損失をより低減させ得る。
【0057】
又、燃料電池モジュール100も、第1の流路130から第2の流路140に流れる流体を熱媒と熱交換させる第1の熱交換器17を備える。このような構成により、燃料電池モジュール100も、第1の実施形態に類似して、熱媒を用いて高温で熱回収させ得る。
【0058】
又、燃料電池モジュール100では、第2の流路140の少なくとも一部は、第1の流路130に挟まれる。このような構成により、燃料電池モジュール100は、第1の実施形態に比べて、第1の流路130を流動する流体の熱を更に、第2の流路140に伝熱し得る。
【0059】
次に、本開示の第3の実施形態を説明する。第3の実施形態では、第3の流路の構造が第1の実施形態と異なっている。以下に、第1の実施形態と異なる点を中心に第3の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と同じ構成を有する部位には同じ符号を付す。
【0060】
図11に示すように、第3の実施形態に係る燃料電池モジュール101は、燃料電池セルスタック11、燃焼器12、第1の流路13、及び第2の流路14を含んで構成される。燃料電池モジュール101は、更に、改質器15、第3の流路161、第1の熱交換器17、気液分離器19、リサイクル流路20、及び筐体21を含んで構成されてよい。第3の実施形態において、燃料電池セルスタック11、燃焼器12、第1の流路13、及び第2の流路14、改質器15、第1の熱交換器17、気液分離器19、リサイクル流路20、及び筐体21の構造及び機能は、第1の実施形態と同じである。
【0061】
第3の流路161は、第1の実施形態に類似して、燃料電池セルスタック11の酸化剤ガス導入口26に接続されてよい。第3の流路161は、第1の実施形態に類似して、酸化剤ガスを燃料電池セルスタック11に供給してよい。第3の流路161は、第1の実施形態と異なり、一部が燃焼器12及び熱交換部29の間に位置してよい。具体的には、
図11、12に示すように、第3の流路161は、第1の方向側から筐体21内に貫通する流路部分と、第2の方向から見て、改質器15及び燃焼器12の周囲を囲繞する流路部分と、燃料電池セルスタック11に接続する流路部分とを有してよい。当該囲繞する流路部分が燃焼器12及び熱交換部29の間に位置してよい。
【0062】
以上のような構成の第3の実施形態の燃料電池モジュール101も、燃料電池セルスタック11、第1の方向から見て燃料電池セルスタック11と少なくとも一部が重なる燃焼器12、燃料電池セルスタック11における未反応の燃料ガスの排出口に第1の端が接続される第1の流路13、燃焼器12における未反応の燃料ガスの導入口に第2の端が接続される第2の流路14とを備え、第1の流路13の一部及び第2の流路14の一部が当該第1の流路13及び当該第2の流路14に流れる流体を熱交換させる熱交換部29を構成し、熱交換部29の少なくとも一部が燃料電池セルスタック11及び燃焼器12の間の第1の空間s1に位置する。このような構成により、燃料電池モジュール101も、第1の実施形態に類似して、燃料電池セルスタック11及び燃焼器12における熱により、熱交換部29の放熱による熱損失を低減させ得る。
【0063】
又、燃料電池モジュール101でも、熱交換部29における第1の端とは逆側の部分が第1の空間s1の外に位置する。したがって、燃料電池モジュール101も、第1の実施形態に類似して、第1の熱交換器17における熱媒の突沸を抑制し得る。又、燃料電池モジュール101も、第1の実施形態に類似して、熱交換部29を大型化させ得る。
【0064】
又、燃料電池モジュール101でも、熱交換部29を第1の方向から見て、燃焼器12と重なり且つ第1の流路13が露出する面積s11は、当該燃焼器12と重なり且つ第2の流路14が露出する面積s12より広い。したがって、燃料電池モジュール101も、第1の実施形態に類似して、熱交換部29の第1の流路13における放熱による熱損失を低減させ得る。
【0065】
又、燃料電池モジュール101でも、熱交換部29を第1の方向の逆方向から見て、燃料電池セルスタック11と重なり且つ第2の流路14が露出する面積s22は、燃料電池セルスタック11と重なり且つ第1の流路13が露出する面積s21より広い。燃料電池モジュール101も、第1の実施形態に類似して、第1の熱交換器17における熱媒の突沸を更に抑制し得る。
【0066】
又、燃料電池モジュール101でも、熱交換部29は第2の方向における改質部22側に位置する。このような構成により、燃料電池モジュール101も、第1の実施形態に類似して、熱交換部29が第2の方向において気化部23側に位置する構成に比べて熱交換部29の熱損失をより低減させ得る。
【0067】
又、燃料電池モジュール101も、第1の流路13から第2の流路14に流れる流体を熱媒と熱交換させる第1の熱交換器17を備える。このような構成により、燃料電池モジュール101も、第1の実施形態に類似して、熱媒を用いて高温で熱回収させ得る。
【0068】
又、燃料電池モジュール101は、燃焼器12及び熱交換部29の間に一部が位置し、酸化剤ガスを燃料電池セルスタック11に供給する第3の流路161を備える。このような構成により、燃料電池モジュール10は、燃料電池セルスタック11に供給する酸化剤ガスを、燃料電池セルスタック11から流出させた直後の燃料オフガスを用いて加熱し得る。
【0069】
又、上記の燃料電池モジュール100、101は、燃料電池モジュール100、101を動作させる補助機能を備える補機と、ともに、燃料電池装置を構成してよい。補機は、燃料電池モジュール100、101の動作の開始及び停止を指示するプロセッサを含んで構成されてよい。
【0070】
一実施形態において、(1)燃料電池モジュールは、
燃料ガス及び酸化剤ガスの電気化学反応により発電する複数の燃料電池セルを有する燃料電池セルスタックと、
第1の方向から見て前記燃料電池セルスタックと少なくとも一部が重なるように位置し、該燃料電池セルスタックにおいて未反応の燃料ガスを燃焼させる燃焼器と、
前記燃料電池セルスタックにおける前記未反応の燃料ガスの排出口に第1の端が接続される第1の流路と、
前記燃焼器における前記未反応の燃料ガスの導入口に第2の端が接続される第2の流路と、を備え、
前記第1の流路の一部及び前記第2の流路の一部が、該第1の流路及び該第2の流路に流れる流体を熱交換させる熱交換部を構成し、
前記熱交換部の少なくとも一部が、前記燃料電池セルスタック及び前記燃焼器の間の第1の空間に位置する。
【0071】
(2)上記(1)の燃料電池モジュールでは、
前記熱交換部における前記第1の端とは逆側の部分が前記第1の空間の外に位置する。
【0072】
(3)上記(1)又は(2)の燃料電池モジュールでは、
前記熱交換部を第1の方向から見て、前記燃焼器と重なり且つ前記第1の流路が露出する面積は、該燃焼器と重なり且つ第2の流路が露出する面積より広い。
【0073】
(4)上記(1)乃至(3)の燃料電池モジュールでは、
前記熱交換部を第1の方向の逆方向から見て、前記燃料電池セルスタックと重なり且つ前記第2の流路が露出する面積は、前記燃料電池セルスタックと重なり且つ第1の流路が露出する面積より広い。
【0074】
(5)上記(1)乃至(4)の燃料電池モジュールでは、
前記第2の流路の少なくとも一部は、前記第1の流路に挟まれる。
【0075】
(6)上記(1)乃至(5)の燃料電池モジュールは、
前記燃焼器及び前記熱交換部の間に一部が位置し、前記酸化剤ガスを前記燃料電池セルスタックに供給する第3の流路を、更に備える。
【0076】
(7)上記(1)乃至(6)の燃料電池モジュールは、
前記燃焼器の前記第1の方向側に位置し、前記燃焼器にて加熱される前記改質器を、更に備え、
前記改質器は、原燃料ガスを改質することにより前記燃料ガスを生成する改質部と前記改質部に水蒸気を供給するために水を気化する気化部とを、前記第1の方向に交差する第2の方向に並ぶように有し、
前記熱交換部は、前記第2の方向における前記改質部側に位置する。
【0077】
(8)上記(1)乃至(7)の燃料電池モジュールでは、
前記第1の流路から前記第2の流路に流れる流体を熱媒と熱交換させる熱交換器を、更に備える。
【0078】
(9)燃料電池装置は、上記(1)乃至(8)のいずれかに記載の燃料電池モジュールと、
前記燃料電池モジュールを動作させる補助機能を備える補機と、
を備える。
【0079】
本開示に係る実施形態について説明する図は模式的なものである。図面上の寸法比率等は、現実のものとは必ずしも一致していない。
【0080】
本開示に係る実施形態について、諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形又は改変を行うことが可能であることに注意されたい。従って、これらの変形又は改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0081】
例えば、第1の実施形態、第2の実施形態、及び第3の実施形態において、燃料電池モジュール10、100、101に、リサイクル流路20が設けられなくてよい。又、第1の実施形態、第2の実施形態、及び第3の実施形態において、改質器15に気化部23を設けずに、改質器15とは別に気化器が設けられてよい。当該気化器は改質器15より第1の方向側に設けられてよい。気化器を改質器15より第1の方向側に設けることにより、気化部23を設ける構成に比べて第2の方向における温度差が低減するので、熱交換部29、290の放熱による熱損失の低減の確実性を向上させ得る。
【0082】
本開示に記載された構成要件の全て、及び/又は、開示された全ての方法、又は、処理の全てのステップについては、これらの特徴が相互に排他的である組合せを除き、任意の組合せで組み合わせることができる。又、本開示に記載された特徴の各々は、明示的に否定されない限り、同一の目的、同等の目的、又は類似する目的のために働く代替の特徴に置換することができる。したがって、明示的に否定されない限り、開示された特徴の各々は、包括的な一連の同一、又は、均等となる特徴の一例にすぎない。
【0083】
さらに、本開示に係る実施形態は、上述した実施形態のいずれの具体的構成にも制限されるものではない。本開示に係る実施形態は、本開示に記載された全ての新規な特徴、又は、それらの組合せ、あるいは記載された全ての新規な方法、又は、処理のステップ、又は、それらの組合せに拡張することができる。
【0084】
本開示において「第1」及び「第2」等の記載は、当該構成を区別するための識別子である。本開示における「第1」及び「第2」等の記載で区別された構成は、当該構成における番号を交換することができる。例えば、第1の流路は、第2の流路と識別子である「第1」と「第2」とを交換することができる。識別子の交換は同時に行われる。識別子の交換後も当該構成は区別される。識別子は削除してよい。識別子を削除した構成は、符号で区別される。本開示における「第1」及び「第2」等の識別子の記載のみに基づいて、当該構成の順序の解釈、小さい番号の識別子が存在することの根拠に利用してはならない。
【符号の説明】
【0085】
10、100、101 燃料電池モジュール
11 燃料電池セルスタック
12 燃焼器
13、130 第1の流路
14、140 第2の流路
15 改質器
16 第3の流路
17 第1の熱交換器
18 第2の熱交換器
19 気液分離器
20 リサイクル流路
21 筐体
22 改質部
23 気化部
24 脱硫器
25 燃料ガス導入口
26 酸化剤ガス導入口
27 燃料オフガス排出口
28 酸化剤オフガス排出口
29、290 熱交換部
30 第1の接続部
31、310 第1の扁平部
32 第2の接続部
33 第3の接続部
34、340 第2の扁平部
35 第4の接続部
36 仕切板
s1 第1の空間