(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143515
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】建物用シャッター装置における中柱支持装置
(51)【国際特許分類】
E06B 9/58 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
E06B9/58 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023056239
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】307038540
【氏名又は名称】三和シヤッター工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085394
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 哲夫
(74)【代理人】
【識別番号】100128392
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 秀一
(74)【代理人】
【識別番号】100165456
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 佑子
(72)【発明者】
【氏名】香西 統太
(72)【発明者】
【氏名】岩階 章
【テーマコード(参考)】
2E042
【Fターム(参考)】
2E042AA01
2E042DA01
2E042DA09
(57)【要約】
【課題】中柱3の下端部に設けたロッド体8の下端部を床面Fに設けたロッド受け部10i嵌入組み込みすることで中柱3の下端部を支持するものにおいて、ロッド受け部10の上端開口10dを、不用意に位置ずれすることがない状態で蓋体11を介して覆蓋する。
【解決手段】蓋体11の裏面に、覆蓋状態でロッド受け部10の側片部10bに当接または近接対向する脚片部12を設けることで、蓋体11が不用意に移動しないようにする。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の出入り口等の開口部に設けられる案内レール、該案内レールに案内されて開口部の開閉をするシャッターカーテン、開口部の上方に配され、シャッターカーテンが巻装される巻き取り体が備えられ、
前記案内レールとして、開口部の左右両端部に設けられるガイドレールと、開口部の左右方向中間部に設けられる中柱とが備えられ、
該中柱の下端部に上げ落とし操作ができるよう設けたロッド体の下端部を、床面に設けた凹嵌状のロッド受け部に嵌入組み込みすることで床面に支持するよう構成してなる建物用シャッター装置において、
前記ロッド受け部の上端開口部を覆蓋する蓋体を着脱自在に設けるにあたり、
該蓋体の裏面には、ロッド受け部に嵌入して該ロッド受け部の側面に当接または近接対向することで蓋体の覆蓋姿勢を維持するための脚片部が設けられていることを特徴とする建物用シャッター装置における中柱支持装置。
【請求項2】
脚片部の先端部には、下端部がロッド受け部に嵌入組み込みされた下動姿勢のロッド体に対して係脱自在に係止する係止部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の建物用シャッター装置における中柱支持装置。
【請求項3】
ロッド体は、棒状のロッド部が左右に配された冂字形をし、脚片部は、蓋体の左右に一対が設けられ、該左右の脚片部に形成される係止部が、前記左右のロッド部に係脱自在に係止することで、左右横向き姿勢の蓋体を保持できるように構成されることを特徴とする請求項2記載の建物用シャッター装置における中柱支持装置。
【請求項4】
ロッド体は、中柱下端部の前後方向一方側面部に設けたロッドケース部を上下に貫通する状態で設けられ、脚片部に形成される係止部は、ロッドケース部から上方に延出する部位のロッド部に係脱自在に係止することを特徴とする請求項3記載の建物用シャッター装置における中柱支持装置。
【請求項5】
上端開口部を覆蓋する蓋体を、蓋体の前後幅が上端開口部の前後幅よりも幅狭で、左右長さが上端開口部の左右長さよりも長く設定されることで、蓋体の左右両端縁部が上端開口部の左右方向両外側の床面部位に支持される構成にして、上端開口部から取り外した状態の蓋体の左右方向一端部を、上端開口部からロッド受け部内に挿入して該ロッド受け部内に堆積した夾雑物の掻き出しができるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1記載の建物用シャッター装置における中柱支持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビルや住宅等の建物に設けられる出入り口等の開口部に取り付けられる建物用シャッター装置における中柱支持装置の技術分野に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、ビルや住宅等の建物に設けられる出入り口等の開口部を開閉するため、該開口部に、開口部の開閉をするシャッターカーテン、該シャッターカーテンの開閉案内をする案内レール、開口部の上方に配され、シャッターカーテンが巻装される巻き取り体を備えて構成される建物用のシャッター装置が設けられることがあるが、このようなシャッター装置において、開口部が左右幅広である場合、案内レールとして、開口部の左右両側に設けられるガイドレールのほかに、左右方向中間部に中柱を設けるようにしている。
そしてこのように中柱が設けられたシャッター装置では、該中柱は、開口部の開放時に取り外されたものを、閉鎖時に開口部に起立状に設置できるようにしている。この場合に、中柱の下端部に、中柱固定用のロッド体(上げ落とし、固定用ロッド)が上下動操作(上げ落とし操作)ができるようにして設けられたものとし、そして該ロッド体の下端部を、床面に埋設した凹嵌状のロッド受け部(受け皿)に嵌入組み込みすることで、シャッターカーテンが強風を受けたような場合に中柱の下端部が位置ずれしないように支持する構成にしている(例えば特許文献1、2参照)。
ところで前記ロッド受け部は、床面に対して凹嵌状に形成されていて上端の上端開口部が開口したままの状態にした場合、上端開口部から泥砂や小石等の夾雑物が入って溝浅になりやすく、この溝浅状態でロッド体をロッド受け部に嵌入組み込みした場合に、嵌入量が浅くなって中柱を確実に支持できなくなる惧れがあるという問題が生じる。そこでロッド受け部に蓋体を着脱自在に設けて覆蓋することが提唱される(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-55258号公報
【特許文献2】特許第6735141号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そしてロッド受け部の上端開口部を覆蓋するため蓋体を設けることで、開口部の開放時において泥砂等の夾雑物がロッド受け部に入り込むことを防止できることになるが、前記従来の蓋体は、単純にロッド受け部の上端開口部を覆蓋するだけのものであるから、人が踏んだりした場合に外れやすいという問題があり、これを避けるため前記従来のものでは錠装置が設けられたものとしているが、この様にしたものでは中柱の設置、取り外しをする際に鍵による施錠、開錠操作が必要になって作業性が悪い等の問題があり、これらに本発明の解決すべき課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、建物の出入り口等の開口部に設けられる案内レール、該案内レールに案内されて開口部の開閉をするシャッターカーテン、開口部の上方に配され、シャッターカーテンが巻装される巻き取り体が備えられ、前記案内レールとして、開口部の左右両端部に設けられるガイドレールと、開口部の左右方向中間部に設けられる中柱とが備えられ、該中柱の下端部に上げ落とし操作ができるよう設けたロッド体の下端部を、床面に設けた凹嵌状のロッド受け部に嵌入組み込みすることで床面に支持するよう構成してなる建物用シャッター装置において、前記ロッド受け部の上端開口部を覆蓋する蓋体を着脱自在に設けるにあたり、該蓋体の裏面には、ロッド受け部に嵌入して該ロッド受け部の側面に当接または近接対向することで蓋体の覆蓋姿勢を維持するための脚片部が設けられていることを特徴とする建物用シャッター装置における中柱支持装置である。
請求項2の発明は、脚片部の先端部には、下端部がロッド受け部に嵌入組み込みされた下動姿勢のロッド体に対して係脱自在に係止する係止部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の建物用シャッター装置における中柱支持装置である。
請求項3の発明は、ロッド体は、棒状のロッド部が左右に配された冂字形をし、脚片部は、蓋体の左右に一対が設けられ、該左右の脚片部に形成される係止部が、前記左右のロッド部に係脱自在に係止することで、左右横向き姿勢の蓋体を保持できるように構成されることを特徴とする請求項2記載の建物用シャッター装置における中柱支持装置である。
請求項4の発明は、ロッド体は、中柱下端部の前後方向一方側面部に設けたロッドケース部を上下に貫通する状態で設けられ、脚片部に形成される係止部は、ロッドケース部から上方に延出する部位のロッド部に係脱自在に係止することを特徴とする請求項3記載の建物用シャッター装置における中柱支持装置である。
請求項5の発明は、上端開口部を覆蓋する蓋体を、蓋体の前後幅が上端開口部の前後幅よりも幅狭で、左右長さが上端開口部の左右長さよりも長く設定されることで、蓋体の左右両端縁部が上端開口部の左右方向両外側の床面部位に支持される構成にして、上端開口部から取り外した状態の蓋体の左右方向一端部を、上端開口部からロッド受け部内に挿入して該ロッド受け部内に堆積した夾雑物の掻き出しができるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1記載の建物用シャッター装置における中柱支持装置である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明とすることにより、中柱の下端部を床面に支持するため設けられるロッド受け部の上端開口部を覆蓋するための蓋体は、該蓋体の裏面に設けた脚片部が、ロッド受け部に嵌入して該ロッド受け部の側面に当接または近接対向することで覆蓋姿勢が維持されることになって、蓋体が不用意に外れたりすることを回避できることになる。
請求項2の発明とすることにより、上端開口部から取り外された不使用状態の蓋体を、脚片部の先端部に形成された係止部を下動姿勢のロッド体に対して係脱自在に係止することで、ロッド受け部の近傍にロッド体を有効利用してコンパクトに収納できることになって利便性の高いものにできる。
請求項3の発明とすることにより、ロッド体が、冂字形をしていて左右に棒状のロッド部を備え、該左右のロッド部に、蓋体側に設けた左右の係止部が係止することで、蓋体が、左右横向き姿勢でロッド体に保持できる結果、蓋体は、左右が係止された安定状態で保持できることになって、不用意に外れて紛失してしまうような不具合から回避されることになる。
請求項4の発明とすることにより、ロッド体が、中柱に設けたロッドケース部を上下に貫通する状態で設けられ、そして蓋体側の係止部が、ロッドケース部から上方に延出する部位のロッド部に係脱自在に係止することになる結果、係止部は、ロッドケース部の上側に係止保持できることになって、蓋体のロッド体に対する着脱操作が容易になる。
請求項5の発明とすることにより、蓋体が、前後幅が上端開口部の前後幅よりも幅狭で、左右長さが上端開口部の左右長さよりも長い設定になっている結果、上端開口部から取り外した蓋体の左右方向一端部を、上端開口部からロッド受け部内に挿入して該ロッド受け部内に堆積した夾雑物の掻き出しができることになって、蓋体を夾雑物の掻き出し用具として有効利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図3】(A)(B)(C)は中柱の下端部が床面に支持された状態の下端部部位の正面図、側面図、平面図である。
【
図4】(A)(B)(C)は蓋体がロッド受け部から取り外されて中柱の下端部を床面に配した状態の中柱下端部部位の正面図、側面図、平面図である。
【
図5】(A)(B)(C)はロッド受け部が蓋体によって覆蓋された状態の平面図、正面図、側面図である。
【
図6】(A)(B)(C)はロッド受け部の平面図、縦断面正面図、縦断面側面図である。
【
図7】(A)(B)(C)は蓋体の平面図、正面図、側面図である。
【
図8】(A)(B)(C)は蓋体をロッド体に取り付ける一態様の手順を示した作用説明図である。
【
図9】(A)(B)(C)は蓋体をロッド体に取り付ける他の一態様の手順を示した作用説明図である。
【
図10】(A)ロッド受け部に夾雑物が堆積している状態の作用説明図、(B)は蓋体を用いてロッド受け部内の夾雑物を掻き出す状態の作用説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図面において、1はビルや住宅等の建物の出入り口等の開口部Eに建て付けられる建物用のシャッター装置であって、該シャッター装置1は、開口部Eの左右両端部および左右方向中間部に設けられる案内レールとしてのガイドレール2、中柱3、これらガイドレール2、中柱3に案内されて開口部Eの開閉をするシャッターカーテン4、開口部Eの上方に配され、シャッターカーテン4が巻装される巻き取り体5等の各種の部材装置を備えて構成されることは何れも従来通りである。
【0009】
前記中柱3は、左右に配されたシャッターカーテン4の互いに対向する端縁部を開閉案内するためのガイド溝3aが左右両側に設けられたものであって、開口部Eをシャッターカーテン4で閉鎖する場合に、開口部Eの左右方向中間部において、上端部を天井部側に配されるガイド部6に着脱自在に組み込み、下端部を床面(床部)Fに着脱自在に組み込むことで、床面Fとガイド部6とのあいだに起立状に取り付け支持されることになるが、中柱3の上端部の支持構造は従来公知のものが採用され、下端部の支持構造について本発明が実施されたものとなっており、そこで以下、中柱3の下端部の支持構造について詳述する。
【0010】
前記中柱3の前後方向一方側面(一般には屋内側の面(正面、前面))3bの下端部には、箱状になったロッドケース部7が該一方側面3bから突出する状態で設けられるが、該ロッドケース部7は、下端縁部7aが床面Fに対して間隙Sを存する構成になっている。
前記ロッドケース部7には、上下に貫通する状態でロッド体8が設けられるが、該ロッド体8は、上側の跨部(操作部)8aと左右一対の脚部を構成する棒状のロッド部(棒部)8bとを備えた冂字形をしたものであって、跨部8aがロッドケース部7の上端縁部7bよりも上方に配されたものになっており、そしてロッド体8は、ロッド部8bがロッドケース部7を上下に貫通する状態で該ロッドケース部7に対して上下方向移動自在に設けられている。
【0011】
前記ロッド体8は、ロッドケース部7内に設けた復帰弾機(図示せず)によって下端部がロッド受け部10から抜け出た上動位置に位置するよう付勢されている。そして中柱3の下端部を、所定の設置位置に操作した状態で、跨部8aを下方に押し操作することで、ロッド体8は、前記復帰弾機の付勢力に抗して下動して下端部がロッド受け部10に嵌入する下動姿勢(下動位置)に保持され、これによって、中柱3の下端部が床面F側に支持される。
これに対し、シャッターカーテン4を開放した後、ロッド体8をロッド受け部10から抜き出して中柱3を取り外す場合、ロッドケース部7の正面板7cに設けた操作体9を操作することで、ロッド体8の前記下動姿勢の保持が解除され、これによってロッド体8は、前記復帰弾機の付勢力を受けて下端部が床面Fから上昇した上動姿勢に自動的に変姿することになり、斯かる上動姿勢に移動した場合には、ロッド部8bが後述するロッド受け部10から抜け出た状態になり、この状態にすることで、中柱3の下端部を床面Fに対して自由移動ができる構成となり、このようにしてロッド体8の上げ落とし操作ができるように構成されている。
因みにロッド体8の前記操作体9を備えた上げ落とし構造については、従来公知の技術を採用しており、その詳細については本発明の構成とは直接関係がないので省略する。
【0012】
前記床面Fには、前述したようにロッド体8を下動姿勢に操作した場合にロッド部8bの先端部(下端部)が嵌入するロッド受け部(受け皿)10が埋設されているが、該ロッド受け部10は、前後左右の側片部10a、10bと底片部10cとを備え、上端開口部10dが開口した凹嵌形状となっているが、本実施の形態のロッド受け部10は、左右側片部10bが床面Fに対して略垂直面になっているのに対し、前後側片部10aは、底片部10c側(下側)ほど対向間隔が前後幅広となる傾斜面となっている。
しかもロッド受け部10の上端開口部10dは、前後方向よりも左右方向が長い長方形状になっているが、前後、左右の側片部10a、10bの上端縁部(上端開口部10d)からは、床面Fに沿う状態で鍔状となった外側片部10eが延出形成されたものとなっている。
そして前記ロッド体8を下動姿勢に操作した場合に、ロッド受け部10に嵌入する左右のロッド部8bは、上端開口部10dの前後両側の開口端縁部10daに対して近接対向する(僅かな隙間を存する)状態で嵌入するのに対し、左右端縁部10dbに対しては左右方向外側においてだけ近接対向する状態で嵌入することになり、このようにロッド体8がロッド受け部10に嵌入組み込みされることによって、中柱3の下端部は、前後左右方向が略位置決めされた状態で床面Fに組み込み支持される構成になっている。
【0013】
このように構成されるロッド受け部10には、上端開口部10dを着脱自在に覆蓋するための蓋体11が設けられたものになっている。
前記蓋体11は、左右方向に長い長方体形状をした板状体を用いて形成されているが、該蓋体11の左右長さは、上端開口部10dの左右長さよりも長いのに対し、前後幅は上端開口部10dの前後幅よりも狭いものとなるよう構成されており、このように構成されることにより蓋体11は、左右両端縁部11aが外側片部10eの左右両端部に載置する状態で上端開口部10dにセットされることで、該上端開口部10dの覆蓋ができるように構成されている。
【0014】
さらに蓋体11の裏面には、前記上端開口部10dを覆蓋した状態でロッド受け部10内に嵌入する脚片部12が設けられているが、該脚片部12は、ビス12aを介して蓋体11に固定される上片部12bと、該上片部12bの左右両端縁から下方に向けて折曲される左右の下片部12cとを備えて構成され、前述したように蓋体11でロッド受け部10の上端開口部10dを覆蓋した場合に、左右の下片部12cがロッド受け部10の左右側片部10bに当接または近接対向する状態で嵌入するようになっており、このようにして蓋体11がロッド受け部10に組み込まれることで、該蓋体11による上端開口部10dの覆蓋姿勢が保持(維持)されるように構成されている。
【0015】
さらに蓋体11に設けられる脚片部12には、ロッド部8bに係脱自在に係止するための係止部12dが下片部12cから延出する状態で形成されている。前記係止部12dは、下片部12cの下端縁から左右方向内方に向けて折曲したものが左右方向外方かつ下方に向けて折り返し形成されることで、左右方向外方側が開口した⊂字形状に形成されている。
そして蓋体11によって上端開口部10dを覆蓋した状態でロッド受け部10に嵌入する係止部12dは、下端部12daがロッド受け部10の左右側片部10bおよび底片部10cからは間隙を存して離間した状態となるよう構成されている。
これに対し蓋体11は、前後幅が上端開口部10cの前後の開口幅よりも幅狭であることから、左右方向何れか一端部11aをロッド受け部10の底片部10cにまで至るよう挿入することができる。この結果、ロッド受け部10の底片部10cに泥砂等の夾雑物Dが堆積したような場合、底片部10c部位まで一端部11aが挿入された蓋体11を用い、
図10に示すように、挿入した一端部11aによって底片部10c部位を掻き移動する等の操作をすることで、底片部10cに堆積した泥砂等の夾雑物Dを掻き取って外部に排出することができるように構成される。
【0016】
さらにロッド受け部10の上端開口部10dを開口するため取り外された状態の蓋体11は、脚片部12に形成される係止部12dをロッド部8bに係脱自在に係止できるよう構成されている。
前述したように蓋体11に設けられる脚片部12の左右下片部12cの先端部には⊂字形の係止部12dが形成されるが、該左右の係止部12dは、対向間隔が左右一対のロッド部8bに対応して設けられている。
そしてロッド体8を下動姿勢にした中柱3の支持状態で、ロッド部8bに蓋体11を係脱自在に取り付けることができるが、この場合の操作としては、
図8に示すように、蓋体11を傾斜状態にして脚片部12の係止部12dを左右のロッド部8b間に位置するよう挿入した後、蓋体11を水平姿勢となるよう回し操作することで、左右の係止部12dがロッド部8bに係止した取り付け姿勢に簡単にすることができ、このようにすることで蓋体11は、ロッドケース部7の上側に取り付け収納できることになる。
因みに脚片部12がバネ弾性を有する素材で構成されている場合には、
図9に示すように、一方の係止部12dを、該一方のロッド部8bに係止した状態で、該側の脚片部12dを弾性変形させた状態にして他方の係止部12dを他方のロッド部8bに係止することで蓋体11をロッド部8bに取り付けることができ、この様に構成することもできる。そしてこの様にした場合、蓋体11は、ロッドケース部7の上側だけでなく下側に取り付けたものとすることもできる。
【0017】
叙述の如く構成された本実施の形態において、左右幅広の開口部Eにおいて設けられる案内レールの一つとしての中柱3は、下端部に設けたロッド体8を床面Fに設けたロッド受け部10に嵌入組み込みすることで該床面Fに支持されたものとなるが、ロッド受け部10の上端開口部10dは、開口部Eが開放されて中柱3が取り外された状態では蓋体11によって覆蓋されたものにでき、ロッド受け部10に泥砂等の夾雑物が侵入することを防止できる。
この場合に前記覆蓋状態の蓋体11は、該蓋体11の裏面に設けられていてロッド受け部10に嵌入している脚片部12が、該ロッド受け部10の左右側片部10bに当接または近接対向する状態になっているため、蓋体11は、上端開口部10dに対する覆蓋姿勢が維持されることになって、蓋体11が不用意に外れたりすることを回避できることになる。
【0018】
一方、上端開口部10dから取り外された不使用状態の蓋体11は、脚片部12の先端部に形成された係止部12dを、ロッド受け部10に嵌入組み込みされた下動姿勢のロッド体8に係止しておくことで、ロッド受け部10の近傍に配されるロッド体8を有効利用してコンパクトに収納できることになって利便性の高いものにできる。
しかもこの場合、ロッド体8が冂字形をしていて左右に棒状のロッド部8bを備えたものとして構成され、そして該左右のロッド部8bに左右の係止部12dを係止せしめることで、蓋体は、左右横向き姿勢でロッド体8に保持できることになる結果、蓋体11は、左右が係止された安定状態で保持できることになって、不用意にロッド体8から外れて紛失してしまうような不具合を回避できる。
【0019】
さらにこのものではロッド体8が、中柱3の下端部に設けたロッドケース部7を上下に貫通する状態で設けられ、そして蓋体11に形成される係止部12dが、ロッド体8の下動姿勢の状態でロッドケース部7から上方に延出する部位のロッド部8bに係脱自在に係止することになる結果、蓋体のロッド体に対する着脱操作が容易になる。
因みに蓋体11としては、前述したように脚片部12の弾性変形を利用した取り付けをすることができ、このように弾性変形を利用して蓋体11をロッド体8に取り付ける操作としては、ロッドケース部7の上側に突出しているロッド部8bに取り付けるだけでなく、ロッドケース部7と床面(F)とのあいだのロッド部8bに取り付けることもでき、このようにして蓋体11をロッド体8に取り付けしてもよい。
【0020】
また蓋体11が、前後幅が上端開口部10dの前後幅よりも幅狭で、左右長さが上端開口部10dの左右長さよりも長い設定になっている結果、上端開口部10dから取り外した蓋体11の左右方向一端部を、上端開口部10dからロッド受け部10内に挿入し、そして該ロッド受け部10内の底片部10cに堆積した夾雑物Dの掻き出し作業ができることになって、蓋体11を斯かる夾雑物Dの掻き出し用具として有効利用することができ、利便性の高いものとなる。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明は、ビルや住宅等の建物に設けられる出入り口等の開口部に取り付けられる建物用シャッター装置における中柱支持装置として利用することができる。
【符号の説明】
【0022】
1 シャッター装置
2 ガイドレール
3 中柱
4 シャッターカーテン
5 巻き取り体
7 ロッドケース部
8 ロッド体
8a 跨部
8b ロッド部
10 ロッド受け部
10d 上端開口部
11 蓋体
11a 左右両端縁部
12 脚片部
12d 係止部
D 夾雑物
E 開口部
F 床面