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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143542
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】漏洩補修装置
(51)【国際特許分類】
   F16L 55/18 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
F16L55/18 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023056275
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126561
【弁理士】
【氏名又は名称】原嶋 成時郎
(72)【発明者】
【氏名】鶴川 斉之
(72)【発明者】
【氏名】山田 強
(72)【発明者】
【氏名】上田 哲平
(72)【発明者】
【氏名】西原 裕人
(57)【要約】
【課題】作業足場などを仮設することなく、高所の配管の漏洩箇所を補修できるようにする。
【解決手段】第1の挟持部2と、第1の挟持部2と対向して配設される第2の挟持部3と、第1の挟持部2を固定し、第2の挟持部3を第1の挟持部2側に進動可能に支持するフレーム4と、フレーム4を貫通して、一端側が第2の挟持部3に連結されたネジ棒5と、を備え、第1の挟持部2および第2の挟持部3の少なくとも一方を配管100の漏洩箇所101に対向させた状態で、ネジ棒5を回転させて第2の挟持部3を進動させることで、第1の挟持部2と第2の挟持部3とで配管100を挟持する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の挟持部と、
前記第1の挟持部と対向して配設される第2の挟持部と、
前記第1の挟持部を固定し、前記第2の挟持部を前記第1の挟持部側に進動可能に支持するフレームと、
前記フレームを貫通して、一端側が前記第2の挟持部に連結されたネジ棒と、
を備え、前記第1の挟持部および前記第2の挟持部の少なくとも一方を配管の漏洩箇所に対向させた状態で、前記ネジ棒を回転させて前記第2の挟持部を進動させることで、前記第1の挟持部と前記第2の挟持部とで前記配管を挟持する、
ことを特徴とする漏洩補修装置。
【請求項2】
前記ネジ棒の他端側に棒状体を連結するための連結部が設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の漏洩補修装置。
【請求項3】
前記配管の漏洩箇所に対向する前記第1の挟持部および前記第2の挟持部の少なくとも一方の内面に、前記漏洩箇所を封止する封止材が設けられている、
ことを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の漏洩補修装置。
【請求項4】
前記第2の挟持部が前記第1の挟持部から退動可能に前記フレームに支持され、
前記第1の挟持部の内面に仮止めされ、第1の結合部を有する第1のカバーと、
前記第2の挟持部の内面に仮止めされ、第2の結合部を有する第2のカバーと、
を備え、前記第1のカバーおよび前記第2のカバーの少なくとも一方を前記配管の漏洩箇所に対向させた状態で、前記ネジ棒を一方に回転させて前記第2の挟持部を進動させることで、前記第1の結合部と前記第2の結合部とが結合して、前記第1のカバーと前記第2のカバーとが前記配管を挟持した状態で連結し、前記ネジ棒を他方に回転させて前記第2の挟持部を退動させることで、前記第1のカバーが前記第1の挟持部から離脱し、前記第2のカバーが前記第2の挟持部から離脱する、
ことを特徴とする請求項1に記載の漏洩補修装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配管の漏洩箇所を補修するための漏洩補修装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、発電所の高所に配設されている配管が腐食し、ピンホールなどが生じて配管内の流体が漏洩・漏液した場合、作業足場やローリングタワーなどを仮設して配管の取り替えや配管の補修・修理を行っていた。
【0003】
また、漏れ流出物の確認や回収を簡易に行える、という配管用カバーが知られている(例えば、特許文献1参照。)。この配管用カバーは、透視性の優れた部材で構成され、一対のカバーで継手部を覆い、この一対のカバーを接合することにより形成される空間内に継手部を収容するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000-230690号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来、高所の配管の漏洩箇所を補修などするために、作業足場やローリングタワーなどを仮設しなければならないため、時間と労力を要するばかりでなく、費用がかさむ要因となっていた。また、特許文献1の配管用カバーでは、漏れ流出物の確認などは行えるが、配管が高所にある場合、取り付けるのに作業足場やローリングタワーなどを仮設しなければならず、同様の問題が生じる。
【0006】
そこで本発明は、作業足場などを仮設することなく、高所の配管の漏洩箇所を補修可能な漏洩補修装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、第1の挟持部と、前記第1の挟持部と対向して配設される第2の挟持部と、前記第1の挟持部を固定し、前記第2の挟持部を前記第1の挟持部側に進動可能に支持するフレームと、前記フレームを貫通して、一端側が前記第2の挟持部に連結されたネジ棒と、を備え、前記第1の挟持部および前記第2の挟持部の少なくとも一方を配管の漏洩箇所に対向させた状態で、前記ネジ棒を回転させて前記第2の挟持部を進動させることで、前記第1の挟持部と前記第2の挟持部とで前記配管を挟持する、ことを特徴とする漏洩補修装置である。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載の漏洩補修装置において、前記ネジ棒の他端側に棒状体を連結するための連結部が設けられている、ことを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の漏洩補修装置において、前記配管の漏洩箇所に対向する前記第1の挟持部および前記第2の挟持部の少なくとも一方の内面に、前記漏洩箇所を封止する封止材が設けられている、ことを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1に記載の漏洩補修装置において、前記第2の挟持部が前記第1の挟持部から退動可能に前記フレームに支持され、前記第1の挟持部の内面に仮止めされ、第1の結合部を有する第1のカバーと、前記第2の挟持部の内面に仮止めされ、第2の結合部を有する第2のカバーと、を備え、前記第1のカバーおよび前記第2のカバーの少なくとも一方を前記配管の漏洩箇所に対向させた状態で、前記ネジ棒を一方に回転させて前記第2の挟持部を進動させることで、前記第1の結合部と前記第2の結合部とが結合して、前記第1のカバーと前記第2のカバーとが前記配管を挟持した状態で連結し、前記ネジ棒を他方に回転させて前記第2の挟持部を退動させることで、前記第1のカバーが前記第1の挟持部から離脱し、前記第2のカバーが前記第2の挟持部から離脱する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、ネジ棒を回転させるだけで、配管の漏洩箇所を第1の挟持部と第2の挟持部とで挟持することができる。従って、人の手が届くようにネジ棒を長くすることで、作業足場などを仮設することなく、高所の配管の漏洩箇所を低費用、安全かつ容易に補修することが可能となる。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、連結部を介してネジ棒に棒状体を連結することで、ネジ棒が短くても人が手で棒状体を回転させて、高所の配管の漏洩箇所を安全かつ容易に補修することが可能となる。換言すると、配管に配設しておくネジ棒を短くして、配管にかかる重量・負荷を軽減することが可能となる。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、第1の挟持部や第2の挟持部の内面に封止材が設けられているため、配管を第1の挟持部と第2の挟持部で挟持するだけでは漏洩箇所を封止(漏洩停止)できない場合でも、漏洩箇所を封止することが可能となる。しかも、第1の挟持部や第2の挟持部の内面に封止材が予め設けられているため、わざわざ作業者が封止材を配設する必要がなく、配管の漏洩箇所を適正かつ容易に補修することが可能となる。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、ネジ棒を一方および他方に回転させることで、配管の漏洩箇所を第1のカバーと第2のカバーとで挟持して、第1の挟持部と第2の挟持部を取り外すことができる。つまり、第1の挟持部、第2の挟持部、フレームおよびネジ棒を配管に配設しておく必要がなく、第1のカバーと第2のカバーだけを配管に配設しておけばよい。このため、配管にかかる重量・負荷を軽減したり、第1の挟持部、第2の挟持部、フレームおよびネジ棒を再利用したりすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】この発明の実施の形態1に係る漏洩補修装置と操作棒を示す正面図である。
図2図1の漏洩補修装置と操作棒の使用状態を示す図であり、漏洩補修装置で配管を挟持する前の状態を示す図(a)と、漏洩補修装置で配管を挟持した状態を示す図(b)と、漏洩補修装置から操作棒を外した状態を示す図(c)である。
図3】この発明の実施の形態2に係る漏洩補修装置を示す正面図である。
図4図3の漏洩補修装置で配管を挟持した状態を示す図である。
図5図4の状態から第1のカバーと第2のカバーのみで配管を挟持した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
【0017】
(実施の形態1)
図1は、この実施の形態に係る漏洩補修装置1と操作棒(棒状体)6を示す正面図である。この漏洩補修装置1は、配管100の漏洩箇所101を補修するための装置であり、この実施の形態では、発電所の高所に配設され液体を流す配管100で漏液・漏洩が生じた場合について説明するが、気体を流す配管やダクトなどにも適用できることは勿論である。
【0018】
漏洩補修装置1は、主として、第1の挟持部2と、第2の挟持部3と、フレーム4と、ネジ棒5と、を備える。これらは、所定の強度・剛性や耐候性などを有する材料、例えば、アルミ合金や鉄鋼、硬質プラスチックなどで構成されている。
【0019】
第1の挟持部2は、後述するようにして配管100を挟持する部材であり、この実施の形態では、半円弧状に形成され、内径が配管100の外径と略同径に形成されている。この第1の挟持部2の幅、つまり、円弧の軸方向の長さは、一般的に生じる漏洩箇所101の周辺を十分に覆うように設定されている。
【0020】
また、第1の挟持部2の内面(内径側の面)には、漏洩箇所101を封止する封止材21が設けられ(貼り付けられ)ている。この封止材21は、漏洩箇所101からの漏液を止められればどのようなものであってもよいが、例えば、シール性・防水性が高いゴム製のシートが挙げられる。
【0021】
第2の挟持部3は、第1の挟持部2と対向して配設され、後述するようにして配管100を挟持する部材である。すなわち、半円弧状で、内径が配管100の外径と略同径に形成され、内面(内径側の面)が第1の挟持部2の内面と対向するように配設されている。この第2の挟持部3の幅、つまり、円弧の軸方向の長さは、一般的に生じる漏洩箇所101の周辺を十分に覆うように設定されている。さらに、第2の挟持部3の一端部(円弧の一端部)には、後述するフレーム4の案内部43に嵌合・係合する被案内部32が設けられている。
【0022】
また、第2の挟持部3の内面には、漏洩箇所101を封止する、封止材21と同様な封止材31が設けられている。このように、この実施の形態では、第1の挟持部2と第2の挟持部3の双方の内面に予め封止材21、31が設けられている。これに対して、予め配管100の漏洩箇所101の位置がわかっている場合には、漏洩箇所101に対向する第1の挟持部2または第2の挟持部3の一方の内面のみに、封止材21、31を設けてもよい。
【0023】
フレーム4は、第1の挟持部2を固定し、第2の挟持部3を第1の挟持部2に対して進退動可能に支持する支持部材である。すなわち、全体が略J字状で、真っ直ぐに延びる垂直部41と、この垂直部41の下端から垂直部41に対して略直交して延びる水平部42と、を備え、垂直部41の上端に第1の挟持部2の一端縁(円弧の一端縁)が一体的に固定されている。このように、この実施の形態では、第1の挟持部2とフレーム4が一体となっているが、第1の挟持部2とフレーム4を別体にして連結・固定するようにしてもよい。
【0024】
また、垂直部41には、垂直部41の長手方向に延びる案内部(溝状または凸状のガイドレール)43が設けられている。この案内部43に第2の挟持部3の被案内部32が嵌合・係合され、これにより、案内部43に沿って第2の挟持部3が、第1の挟持部2側に進んだり第1の挟持部2から離れたりできるようになっている。
【0025】
このように、この実施の形態では、第2の挟持部3が進退動可能になっているが、配管100を挟持するだけであり、第2の挟持部3を退動させて漏洩補修装置1を取り外す必要がない場合には、第2の挟持部3を進動だけできるようにしてもよい。例えば、被案内部32と案内部43をラチェット機構とし、第2の挟持部3が退動しないようにしてもよい。
【0026】
また、フレーム4の水平部42には、ネジ穴(図示せず)が形成され、このネジ穴にネジ棒5が螺合されることで、ネジ棒5がフレーム4を貫通している。
【0027】
このネジ棒5の一端側が第2の挟持部3に連結されている。すなわち、ネジ棒5が軸心周りに回転可能に、ネジ棒5の一端側が第2の挟持部3に接続されている。ここで、上記のように、第2の挟持部3を退動させる必要がない場合には、ネジ棒5で第2の挟持部3を第1の挟持部2側に押せるように、ネジ棒5の一端側が第2の挟持部3に接触・当接して連結されてもよい。
【0028】
また、ネジ棒5の他端側には、長尺棒である操作棒6を連結・接続するための連結部51が設けられている。この連結部51は、円筒状で、側面にT字状の切り欠き52が、対向して1対形成されている。
【0029】
一方、操作棒6の先端部には、操作棒6に対して直交する係止バー61が、操作棒6を貫通して取り付けられている。そして、係止バー61を切り欠き52に挿入して、操作棒6を左右どちらか一方に回すことで、係止バー61と切り欠き52とが係合し、ネジ棒5と操作棒6とが連結されるようになっている。また、操作棒6の他端側(手元側)には、操作棒6を回すための棒状のハンドル62が、操作棒6に対して直交して貫通するように取り付けられている。ここで、操作棒6を伸縮自在にしたり、ハンドル62を着脱自在にしたりしてもよい。
【0030】
次に、このような構成の漏洩補修装置1の使用方法などについて説明する。
【0031】
まず、上記のようにして、ネジ棒5に操作棒6を連結し、図2(a)に示すように、第1の挟持部2と第2の挟持部3とを離した状態で、第1の挟持部2および第2の挟持部3の少なくとも一方を配管100の漏洩箇所101に対向させる。この図では、第2の挟持部3を漏洩箇所101に対向させているが、漏洩箇所101が複数ある場合に、第1の挟持部2と第2の挟持部3の双方を漏洩箇所101に対向させてもよい。この際、第1の挟持部2が上側で第2の挟持部3とネジ棒5が下側(地面側)に位置するようにする。
【0032】
次に、この状態で、図2(b)に示すように、操作棒6を一方(例えば、時計回り)に回転させることで、ネジ棒5も一方に回転させて前進させ、第2の挟持部3を第1の挟持部2側に進動・前進させる。そして、操作棒6を回し続けることで、第1の挟持部2と第2の挟持部3とで配管100を挟持する。
【0033】
続いて、図2(c)に示すように、操作棒6を他方(例えば、反時計回り)に少し回転させて、係止バー61を切り欠き52から抜き出すことで、ネジ棒5から操作棒6を取り外す(連結を解除する)。これにより、第1の挟持部2と第2の挟持部3とで漏洩箇所101の周囲を挟持した状態で、漏洩補修装置1が配管100に取り付けられ、漏洩箇所101からの漏液が補修される。
【0034】
以上のように、この漏洩補修装置1によれば、ネジ棒5を回転させるだけで、配管100の漏洩箇所101を第1の挟持部2と第2の挟持部3とで挟持することができる。従って、人の手が届くようにネジ棒5を長くすることで、作業足場などを仮設することなく、高所の配管100の漏洩箇所101を安全かつ容易に補修することが可能となる。
【0035】
しかも、連結部51を介してネジ棒5に操作棒6を連結することで、ネジ棒5が短くても人が手で操作棒6を回転させて、高所の配管100の漏洩箇所101を安全かつ容易に補修することが可能となる。換言すると、配管100に配設しておくネジ棒5を短くして、配管100にかかる重量・負荷を軽減することが可能となる。
【0036】
また、第1の挟持部2と第2の挟持部3の内面に封止材21、31が設けられているため、配管100を第1の挟持部2と第2の挟持部3で挟持するだけでは漏洩箇所101を封止(漏洩停止)できない場合でも、漏洩箇所101を封止することが可能となる。しかも、第1の挟持部2と第2の挟持部3の内面に封止材21、31が予め設けられているため、わざわざ作業者が封止材21、31を配設する必要がなく、配管100の漏洩箇所101を適正かつ容易に補修することが可能となる。
【0037】
(実施の形態2)
図3は、この実施の形態に係る漏洩補修装置10を示す正面図である。この実施の形態では、第1のカバー7と第2のカバー8を備える点で実施の形態1と構成が異なり、実施の形態1と同等の構成については、同一符号を付することでその説明を省略する。ここで、この実施の形態では、第1の挟持部2と第2の挟持部3の内面に封止材21、31が設けられていない。
【0038】
第1のカバー7と第2のカバー8は、所定の強度や弾性、耐候性などを有し軽量な材料、例えば、硬質プラスチックなどで構成され、半円弧状で、内径が配管100の外径と略同径で、外径が第1の挟持部2および第2の挟持部3の内径と略同径に形成されている。ここで、この実施の形態では、第1の挟持部2と第2の挟持部3の内径は、配管100の外径よりも大きく(カバー7、8の肉厚分だけ大きく)形成されている。
【0039】
また、第1のカバー7の両端(円弧の両端)には、外側に突出するフランジ部71が形成され、このフランジ部71に鉤穴状の被係止部(第1の結合部)72が形成されている。同様に、第2のカバー8の両端には、外側に突出するフランジ部81が形成され、このフランジ部81に鉤状の係止部(第2の結合部)82が形成されている。
【0040】
そして、第1の挟持部2の内面に第1のカバー7が仮止めされ、第2の挟持部3の内面に第2のカバー8が仮止めされている。ここで、仮止めの方法は、後述する離脱ができればどのようなものでもよく、例えば、?がれやすいテープや接着剤などで仮止めされる。また、第1のカバー7と第2のカバー8の内面に封止材を設けてもよい。
【0041】
次に、このような構成の漏洩補修装置10の使用方法などについて説明する。
【0042】
まず、図3に示すように、第1のカバー7および第2のカバー8の少なくとも一方を配管100の漏洩箇所101に対向させた状態で、実施の形態1と同様に、ネジ棒5(操作棒6)を一方(例えば、時計回り)に回転させて第2の挟持部3を第1の挟持部2側に進動・前進させる。これにより、図4に示すように、係止部82が被係止部72に係止、結合して、第1のカバー7と第2のカバー8とが配管100を挟持した状態で連結される。続いて、ネジ棒5を他方(例えば、反時計回り)に回転させて第2の挟持部3を退動・後退させることで、第1のカバー7が第1の挟持部2から離脱し、第2のカバー8が第2の挟持部3から離脱する。そして、フレーム4をカバー7、8から取り外すことで、図5に示すように、第1のカバー7と第2のカバー8だけが配管100に取り付けられた状態となる。
【0043】
このような実施の形態によれば、ネジ棒5を一方および他方に回転させることで、配管100の漏洩箇所101を第1のカバー7と第2のカバー8とで挟持して、第1の挟持部2や第2の挟持部3などを取り外すことができる。つまり、第1の挟持部2、第2の挟持部3、フレーム4およびネジ棒5を配管100に配設しておく必要がなく、第1のカバー7と第2のカバー8だけを配管100に配設しておけばよい。このため、配管100にかかる重量・負荷を軽減したり、第1の挟持部2、第2の挟持部3、フレーム4およびネジ棒5を再利用したりすることが可能となる。
【0044】
以上、この発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、上記の実施の形態では、第1の挟持部2と第2の挟持部3がともに半円弧状に形成されているが、配管100を挟持して漏洩箇所101を封止できれば、一方または両方をその他の形状(例えば、略フラット)に形成してもよい。
【符号の説明】
【0045】
1、10 漏洩補修装置
2 第1の挟持部
21 封止材
3 第2の挟持部
31 封止材
4 フレーム
5 ネジ棒
51 連結部
52 切り欠き
6 操作棒(棒状体)
61 係止バー
7 第1のカバー
72 被係止部(第1の結合部)
8 第2のカバー
82 係止部(第2の結合部)
100 配管
101 漏洩箇所
図1
図2
図3
図4
図5