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特開2024-143543目地ガスケットおよび目地のシール構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143543
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】目地ガスケットおよび目地のシール構造
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/684 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
E04B1/684 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023056278
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000196107
【氏名又は名称】西川ゴム工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 崇
(72)【発明者】
【氏名】石丸 謙吾
(72)【発明者】
【氏名】園田 千絵
【テーマコード(参考)】
2E001
【Fターム(参考)】
2E001DA01
2E001FA04
2E001FA51
2E001GA64
2E001GA72
2E001GA77
2E001HB02
2E001HD11
2E001HE01
2E001HE02
2E001LA03
2E001LA09
2E001MA02
2E001MA04
(57)【要約】
【課題】挿入性を維持しつつ、保持性に優れた目地ガスケットを実現する。
【解決手段】目地ガスケット(10)は、互いに隣り合う2つの外壁パネル(100)の間の目地(M)に配置され、柱部(20)が、屋外側リップ(30)と屋内側リップ(50)とを有し、屋内側リップ(50)の本体部(57)に、溝(51)が少なくとも1つ以上形成されているとともに、屋内側リップ(50)の第2先端部(54)が屋外側に隆起している。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに隣り合う2つの外壁パネルの間の目地に配置される目地ガスケットであって、
前記目地の延伸方向に沿って延伸する柱部を備え、
前記柱部は、
当該柱部における屋外側の端部から前記2つの外壁パネルに向けて延伸する屋外側リップと、
前記屋外側リップよりも屋内側に位置し、かつ、前記2つの外壁パネルに向けて延伸する屋内側リップと、を有し、
前記屋内側リップにおける先端部以外の本体部に、前記目地の延伸方向に沿って延伸する溝が少なくとも1つ以上形成されているとともに、前記先端部が屋外側に隆起している、目地ガスケット。
【請求項2】
少なくとも1つ以上の前記溝が、前記本体部における屋外側の面に形成された、請求項1に記載の目地ガスケット。
【請求項3】
前記屋外側の面には、少なくとも1つ以上の前記溝として、第1溝と、前記第1溝よりも前記柱部側に位置する第2溝と、が形成されており、
前記先端部の先端が、発泡体で構成された、請求項2に記載の目地ガスケット。
【請求項4】
前記第1溝における前記先端部側の端部は、前記先端部と前記本体部との境界部分である、請求項3に記載の目地ガスケット。
【請求項5】
互いに隣り合う2つの外壁パネルと、
前記2つの外壁パネルの間の目地に配置される目地ガスケットと、を備え、
前記目地ガスケットは、前記目地の延伸方向に沿って延伸する柱部を備え、
前記柱部は、
当該柱部における屋外側の端部から前記2つの外壁パネルに向けて延伸する屋外側リップと、
前記屋外側リップよりも屋内側に位置し、かつ、前記2つの外壁パネルに向けて延伸する屋内側リップと、を有し、
前記屋内側リップにおける先端部以外の本体部に、前記目地の延伸方向に沿って延伸する溝が少なくとも1つ以上形成されているとともに、前記先端部が屋外側に隆起している、目地のシール構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目地ガスケットおよび目地のシール構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、互いに隣り合う2つの外壁パネルの間の目地から建物の内部に雨水等が浸入するのを防ぎ、かつ、建物の外観を良好に保つために、目地ガスケットが用いられている。目地ガスケットは、例えばゴムおよび樹脂等の水密性および弾性を有する材料で形成されており、目地幅よりもやや幅広な、かつ、目地に沿って延伸する長手形状である。目地ガスケットは、屋外側から目地に挿入されて当該目地に配置される。
【0003】
目地ガスケットは、複数のリップを有している。このリップは、目地を形成する外壁パネルの側面に接触して、雨水等が目地から建物の内部に浸入するのを防ぐ役割を果たす。しかしながら、従来のリップは、保持性が不十分であったことに加え、目地ガスケットを挿入するときの障害になって目地ガスケットの挿入性を低下させる一因となっていた。保持性とは、目地に配置された状態の目地ガスケットにおいて、目地に対する目地ガスケットの相対的位置が、目地ガスケットに作用する外力および時間経過によっても変位し難い程度のことである。
【0004】
そこで、目地ガスケットの保持性および挿入性を向上させるために種々の研究開発が行われている。例えば、特許文献1には、目地をシールするためのシール部と、屋外から屋内への方向と平行な方向に複数設けられた1対のリップ部と、リップ部に形成された複数列の溝と、を備えた目地材が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-17748号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された目地材は、1対のリップ部のうち、特に屋外側リップ部の保持性について、未だ改善の余地があった。
【0007】
本発明の一態様は、前記の問題点に鑑みてなされたものであり、挿入性を維持しつつ、保持性に優れた目地ガスケットを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の課題を解決するために、本発明の態様1に係る目地ガスケットは、互いに隣り合う2つの外壁パネルの間の目地に配置される目地ガスケットであって、前記目地の延伸方向に沿って延伸する柱部を備え、前記柱部は、当該柱部における屋外側の端部から前記2つの外壁パネルに向けて延伸する屋外側リップと、前記屋外側リップよりも屋内側に位置し、かつ、前記2つの外壁パネルに向けて延伸する屋内側リップと、を有し、前記屋内側リップにおける先端部以外の本体部に、前記目地の延伸方向に沿って延伸する溝が少なくとも1つ以上形成されているとともに、前記先端部が屋外側に隆起している。
【0009】
前記構成によれば、目地の延伸方向に沿って延伸する溝が、屋内側リップの本体部に少なくとも1つ以上形成されている。そのため、挿入時に、屋内側リップが溝を基点に柱部に向けて屈曲し易くなることから、目地ガスケットは目地に挿入し易い。
【0010】
また、前記構成によれば、屋内側リップの先端部が屋外側に隆起している。そのため、先端部が屋外側に隆起していない場合に比べて、外壁パネルの側面(具体的には外壁面材の側面)に対する、先端部における屋外側の部分の接触面積が増加する。これにより、先端部における屋外側の部分と外壁パネルの側面との接触箇所に生じる摩擦抵抗が増加し、目地ガスケットの保持性が向上する。以上より、挿入性を維持しつつ、保持性に優れた目地ガスケットを実現できる。
【0011】
本発明の態様2に係る目地ガスケットは、少なくとも1つ以上の前記溝が、前記本体部における屋外側の面に形成されていてもよい。
【0012】
前記構成によれば、少なくとも1つ以上の溝が本体部における屋外側の面に形成されている。そのため、少なくとも1つ以上の溝が本体部における屋内側の面に形成されている場合に比べて、挿入時に、屋内側リップが溝を基点に柱部に向けてさらに屈曲し易くなる。以上より、挿入性を維持しつつ、保持性に優れた目地ガスケットを実現できる。
【0013】
本発明の態様3に係る目地ガスケットは、前記屋外側の面には、少なくとも1つ以上の前記溝として、第1溝と、前記第1溝よりも前記柱部側に位置する第2溝と、が形成されており、前記先端部の先端が、発泡体で構成されていてもよい。
【0014】
前記構成によれば、少なくとも1つ以上の溝として、本体部における屋外側の面に第1溝と第2溝とが形成されている。そのため、第1溝または第2溝のいずれか一方のみが形成されている場合に比べて、挿入時に屋内側リップが柱部に向けてさらに屈曲し易くなる。
【0015】
また、前記構成によれば、先端部の先端が、非発泡体に比べて相対的に柔軟性が高い発泡体で構成されている。そのため、外壁パネルの側面の形状如何に拘わらず、発泡体の優れた追従性によって外壁パネルの側面に対する先端部の先端の接触面積がより増加する。これにより、先端部における屋内側の部分と外壁パネルの側面との接触箇所に生じる摩擦抵抗がより増加し、目地ガスケットの保持性がさらに向上する。以上より、挿入性を維持しつつ、保持性により優れた目地ガスケットを実現できる。
【0016】
本発明の態様4に係る目地ガスケットは、前記第1溝における前記先端部側の端部は、前記先端部と前記本体部との境界部分であってもよい。
【0017】
前記構成によれば、屋内側リップの第1溝における先端部側の端部が、先端部と本体部との境界部分となる。そのため、挿入時に、先端部が第1溝を基点に柱部に向けてさらに大きく屈曲し易くなり、先端部が外壁パネルの側面に弾接し難くなる。これにより、挿入時に先端部と外壁パネルの側面との接触箇所に生じる摩擦抵抗を低減できることから、目地ガスケットの挿入性がさらに向上する。
【0018】
また、前記構成によれば、挿入後の目地ガスケットに対して、当該目地ガスケットが屋外側に抜け出す方向の外力が作用した場合に、先端部が第1溝を基点に反転する。これにより、先端部において外壁パネルの側面に接触する面積が増大するため、目地ガスケットの保持性がさらに向上する。以上より、挿入性を維持しつつ、保持性により優れた目地ガスケットを実現できる。
【0019】
前記の課題を解決するために、本発明の態様5に係る目地のシール構造は、互いに隣り合う2つの外壁パネルと、前記2つの外壁パネルの間の目地に配置される目地ガスケットと、を備え、前記目地ガスケットは、前記目地の延伸方向に沿って延伸する柱部を備え、前記柱部は、当該柱部における屋外側の端部から前記2つの外壁パネルに向けて延伸する屋外側リップと、前記屋外側リップよりも屋内側に位置し、かつ、前記2つの外壁パネルに向けて延伸する屋内側リップと、を有し、前記屋内側リップにおける先端部以外の本体部に、前記目地の延伸方向に沿って延伸する溝が少なくとも1つ以上形成されているとともに、前記先端部が屋外側に隆起している。
【0020】
前記構成によれば、目地ガスケットの挿入性を維持しつつ、目地ガスケットの保持性に優れた、目地のシール構造を実現できる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の一態様によれば、挿入性を維持しつつ、保持性に優れた目地ガスケットを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態に係る目地ガスケットが目地に配置された状態における、目地のシール構造を示す断面図である。
図2図1の目地ガスケットの全体形状を示す断面図である。
図3】符号3001は、図1の目地ガスケットにおける第1発泡体および第2発泡体の詳細構造を示す断面図である。符号3002は、符号3001の図中の破線領域R1を拡大した拡大図である。符号3003は、符号3001の図中の破線領域R2を拡大した拡大図である。
図4】符号3001の図中の破線領域R3を拡大した拡大図である。
図5】符号5001は、目地ガスケットの保持力を測定する装置の構成を模式的に示す斜視図である。符号5002は、符号5001の図の装置に目地ガスケットがセットされた状態を模式的に示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態について、図1から図5を用いて詳細に説明する。なお、説明の便宜上、本実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、後掲の変形例では同じ符号を付記してその説明を繰り返さない。
【0024】
本明細書において、「平行」との文言は、基準方向や基準面に対して厳密に90°や180°の角度を成すことが必要な概念ではない。製品寸法のバラツキ、組み立て時に生じる誤差等に起因する多少の角度誤差を含んでいたとしても、実質的に「平行」と見做し得る範囲であればよい。また、本明細書において、「平面」との文言は厳密に平面であることが必要な概念ではない。成形時に生じる誤差等に起因する多少の凹凸等を含んでいたとしても、実質的に「平面」と見做し得る範囲であればよい。
【0025】
〔概要〕
図1を参照して、本発明の概要について説明する。本発明の一実施形態に係る目地ガスケット10は、目地Mから建物(不図示)の内部に雨水等(以下、「水」と略記)が浸入するのを防ぎ、かつ、建物の外観を良好に保つために、目地Mに配置される目地材である。目地Mは、図1に示すような、互いに隣り合う2つの外壁パネル100の間に形成された隙間である。本実施形態では、外壁パネル100は、外壁面材110と、下地材120と、を備えており、屋外側から順に、外壁面材110および下地材120が積層されている。また、下地材120は、互いに隣り合う2つの外壁面材110において共通(下地材120が2つに分離しておらず、一体物であること)しており、目地Mの屋内側を塞いでいる。さらに、目地Mの開口部が、互いに隣り合う2つの外壁面材110の屋外側傾斜面111で構成されている。
【0026】
図1に示すように、目地ガスケット10が目地Mに配置された状態では、目地ガスケット10および2つの外壁パネル100を構成要素とする目地Mのシール構造500が成立する。このシール構造500は、保持性および目地ガスケット10の挿入性の両方に優れる。
【0027】
〔目地ガスケット10の構成〕
図1から図4を参照して、目地ガスケット10の構成について説明する。図1に示すように、目地ガスケット10は、目地Mの延伸方向に沿って延伸する柱部20を備えている。本実施形態では、柱部20は、目地幅W方向が厚さ方向となる略平板形状であり、互いに隣り合う2つの外壁面材110の間の空間に配置される。
【0028】
また、本実施形態では、図2に示すように、屋外側の端部21における屋外側の面上に意匠部90が設けられている。屋外側の端部21は、柱部20を構成する各部分の中で最も屋外側に位置する部分である。意匠部90は、屋外側の端部21を屋外側から覆う被膜層である。
【0029】
意匠部90における屋外側の面は、塗装または着色材料による被覆によって調色されており、目地ガスケット10の意匠面をなす。すなわち、外壁面材110の屋外側面114に対して目地ガスケット10の違和感が少なくなるように、意匠部90における屋外側の面が形成されている。屋外側面114は、外壁面材110における屋外側の面である。また、意匠部90は、屋外側の端部21よりも着色が容易な異材質にすることが可能である。このような意匠部90を設けることにより、目地ガスケット10における屋外側の面を外壁面材110の色に近い色にすることができ、建物の外観をより向上させることができる。なお、意匠部90に関するこれらの言及は、後述の屋外側意匠部32にも当てはまる。
【0030】
柱部20には、芯金22が埋設されている。本実施形態では、芯金22は、目地Mの延伸方向に沿って延伸する平板形状のばね鋼製部材となっている。このような形状および配置の芯金22は、目地ガスケット10の挿入方向の外力に対して優れた撓み強度を有するとともに、目地幅W方向の外力に対して優れた柔軟性を有する。また、芯金22はばね鋼製であることから、硬さおよび引張強度がステンレス鋼製の芯金の3倍以上となり、優れた復元力を有するとともに変形し難い。したがって、柱部20に芯金22を埋設することで、目地ガスケット10の運搬時、挿入時等において芯金22ひいては柱部20の意図せぬ変形が低減され、目地ガスケット10の挿入性が向上する。
【0031】
図1に示すように、柱部20における屋内側の端部は、互いに隣り合う2つの外壁面材110における屋内側傾斜面113の間の空間に位置している。また、柱部20における屋内側の端部の端面(屋内側の面)は、下地材120における屋外側の面である屋外側面121と対向している。
【0032】
ただし、柱部20の形状および内部構成を本実施形態のように設計することは、必須ではない。例えば、本実施形態の柱部20は、後述する中間リップ40をはさんで屋外側の部分と屋内側の部分とで厚さが同じになっているが(図2および図3参照)、これらの厚さに差を設けてもよい。ここで、本明細書における「厚さ」は、柱部20を構成する各部分のそれぞれにおける、目地幅W方向の幅のことを指す。また、芯金22は金属製でなくてもよく、柱部20に芯金22が埋設されていなくてもよい。さらには、芯金22の形状および大きさも任意に設計変更してよい。
【0033】
図2に示すように、柱部20は、屋外側リップ30と、中間リップ40と、屋内側リップ50と、を有している。なお、柱部20は、屋外側リップ30と、屋内側リップ50と、を有していればよく、中間リップ40は必須の構成要素ではない。一方、柱部20は、屋内外方向に複数の中間リップ40を有していてもよい。
【0034】
屋外側リップ30は、屋外側の端部21から互いに隣り合う2つの外壁パネル100に向けて延伸するリップである。本実施形態では、屋外側リップ30は、互いに隣り合う2つの外壁面材110に向けて延伸している。また、本実施形態では、屋外側リップ30は、屋内側本体部31、屋外側意匠部32および第1根元部33を有している。
【0035】
屋内側本体部31は、屋外側リップ30における、屋外側意匠部32および第1根元部33を除いた残りのうちの屋内側の部分である。屋外側意匠部32は、屋内側本体部31および第1根元部33を屋外側から覆う被膜層であり、屋外側意匠部32の先端部は、屋外側リップ30の先端部を成している。また、屋外側意匠部32は、意匠部90と連なって形成されており、屋外側意匠部32における屋外側の面と意匠部90における屋外側の面とが面一になっている。つまり、屋外側意匠部32も、意匠部90と同様に目地ガスケット10の意匠面を成す。
【0036】
図1に示すように、屋内側本体部31の先端部と屋外側意匠部32の先端部とは、目地ガスケット10が目地Mに配置された状態において、外壁面材110の側面112における屋外側の端面に面接触するように撓む。
【0037】
屋外側意匠部32の形成材料は、目地ガスケット10の挿入時における屋外側リップ30の撓みを阻害しない範囲で、目地ガスケット10の形成材料と異なっていてもよい。勿論、目地ガスケット10の形成材料と同一の形成材料であってもよい。また、外観向上の観点から、屋外側意匠部32の形成材料は、意匠部90の形成材料と同一であることが勿論好ましい。
【0038】
第1根元部33は、屋外側の端部21における外壁面材110側の側面から、外壁面材110に向けて突出した部分であり、屋内側本体部31と連なって形成されている。本実施形態では、第1根元部33は、屋内側に隆起している。具体的には、図3の符号3002に示すように、第1仮想平面SUF1と境界線S2との最短距離D1がD1>0となっており、このD1>0の状態が「第1根元部33が屋内側に隆起している」ことを意味する。第1仮想平面SUF1は、境界線S1を含む、目地幅W方向と平行の仮想的な平面である。境界線S1は、屋内側本体部31と第1根元部33との2つの境界線のうち、屋内側の境界線である。境界線S2は、柱部20と第1根元部33との2つの境界線のうち、屋内側の境界線である。
【0039】
また、本実施形態では、図3の符号3001に示すように、第1根元部33において第1仮想平面SUF1から屋内側に隆起している部分の表面331は、平面形状であり、かつ、屋外側に向かうにつれて外壁面材110に近づく傾斜面となっている。
【0040】
図2に示すように、中間リップ40は、屋外側リップ30よりも屋内側に位置し、かつ、互いに隣り合う2つの外壁パネル100に向けて延伸するリップである。本実施形態では、中間リップ40は、互いに隣り合う2つの外壁面材110に向けて延伸している。また、本実施形態では、中間リップ40は、第1本体部41、第2根元部45および第1先端部47を有している。
【0041】
第1本体部41は、中間リップ40における、第2根元部45および第1先端部47を除いた残りの部分である。第2根元部45は、柱部20における屋内外方向の中央部分の側面から、外壁面材110に向けて突出した部分であり、第1本体部41と連なって形成されている。
【0042】
本実施形態では、第2根元部45は、屋外側に隆起している。具体的には、図3の符号3003に示すように、第2仮想平面SUF2と境界線S4との最短距離D2がD2>0となっており、このD2>0の状態が「第2根元部45が屋外側に隆起している」ことを意味する。第2仮想平面SUF2は、境界線S3を含む、目地幅W方向と平行の仮想的な平面である。境界線S3は、第1本体部41と第2根元部45との2つの境界線のうち、屋外側の境界線である。境界線S4は、柱部20と第2根元部45との2つの境界線のうち、屋外側の境界線である。
【0043】
また、本実施形態では、図3の符号3001に示すように、第2根元部45において第2仮想平面SUF2から屋外側に隆起している部分の表面451は、平面形状であり、かつ、屋外側に向かうにつれて柱部20に近づく傾斜面となっている。
【0044】
図2に示すように、第1先端部47には第1発泡体42が設けられている。第1発泡体42は、第1面411と、第2面412と、第3面413と、を覆う発泡体であり、柔軟性が高い高発泡スポンジ等で構成される。第1面411は、第1先端部47における屋外側の面である。第2面412は、第1先端部47における外壁面材110側の面である。第3面413は、第1先端部47における屋内側の面である。
【0045】
第1発泡体42は、第1面411および第2面412を覆う屋外側発泡体43と、第3面413を覆う屋内側発泡体44と、を有している。図3の符号3001に示すように、本実施形態では、第1中心軸48から屋外側発泡体43における屋外側の頂部431までの高さbが、第1中心軸48から屋内側発泡体44における屋内側の頂部441までの高さaよりも高くなっている。第1中心軸48は、中間リップ40における、当該中間リップ40が外壁面材110に向けて延伸する方向の中心軸である。具体的には、第1中心軸48は、中間リップ40における後述の屈曲部46の中心点P1と、最大点P2と、を結んだ仮想線である。最大点P2は、中心点P1から中間リップ40における第1先端部47までの距離が最大となる、第1先端部47における第2面412上の点である。また、本実施形態では、屋外側発泡体43の突出量および屋内側発泡体44の突出量が、ともにcとなっている。この場合の突出量とは、具体的には第1中心軸48の延伸方向への突出量を指す。
【0046】
さらに、本実施形態では、中間リップ40における第2根元部45と第1本体部41との境界部分(境界線S3を含む)が、当該第1本体部41よりも屈曲し易い屈曲部46となっている。つまり、屈曲部46を境目にして中間リップ40の剛性が変化するため、目地ガスケット10の挿入時に、第2根元部45よりも剛性が低い第1本体部41の方が、屈曲部46を基点に柱部20側に向けて屈曲する。
【0047】
以上のような目地ガスケット10の構成によれば、目地ガスケット10が目地Mに配置された状態において、第1発泡体42の屋内側発泡体44が、外壁面材110の側面112に弾接する。第1発泡体42は非発泡体に比べて相対的に柔軟性が高いことから、屋内側発泡体44の弾接部分が側面112に密着して水の浸入の低減効果が高まる。また、側面112に凹凸または段差があったとしても、第1発泡体42の優れた追従性によって屋内側発泡体44の弾接部分の止水性を担保できる。
【0048】
また、以上のような目地ガスケット10の構成によれば、第1発泡体42が中間リップ40の第1先端部47に設けられている。そのため、第1発泡体42が、第1先端部47のみならず、中間リップ40における第1先端部47以外の他の部分にまで設けられている場合に比べて、目地ガスケット10の挿入時の摩擦抵抗が少なくなって挿入性が向上する。
【0049】
また、以上のような目地ガスケット10の構成によれば、第1根元部33が屋内側に隆起している。そのため、第1根元部33が屋内側に隆起していない場合に比べて、目地ガスケット10が目地Mに配置された状態における、第1発泡体42の屋外側発泡体43と第1根元部33との密着性が高まる。これにより、柱部20と中間リップ40と第1発泡体42とで取り囲まれた空間の体積を減少させることができ、かつ、屋外側発泡体43と第1根元部33との弾接箇所から前述の空間内に水が浸入するのを低減できる。
【0050】
また、以上のような目地ガスケット10の構成によれば、中間リップ40が屈曲部46を有している。そのため、目地ガスケット10の挿入時に、中間リップ40が屈曲部46を基点に柱部20に向けて屈曲し易くなる。さらには、目地ガスケット10が目地Mに配置された状態において、第1発泡体42の屋内側発泡体44の圧縮量が増加し、屋内側発泡体44と外壁面材110の側面112との密着性が高まる。
【0051】
また、以上のような目地ガスケット10の構成によれば、中間リップ40の第1中心軸48から屋外側発泡体43における屋外側の頂部431までの高さbが、中間リップ40の第1中心軸48から屋内側発泡体44における屋内側の頂部441の高さaよりも高い。そのため、高さaを不変として、高さbが高さa以下の場合に比べて、目地ガスケット10が目地Mに配置された状態における、第1発泡体42の屋外側発泡体43と第1根元部33との密着性がより高まる。これにより、柱部20と中間リップ40と第1発泡体42とで取り囲まれた空間の体積をさらに減少させることができ、かつ、第1発泡体42と第1根元部33との弾接箇所から前述の空間内に水が浸入するのをさらに低減できる。
【0052】
ただし、前述した目地ガスケット10の構成において、第1根元部33および第2根元部45のそれぞれが所定方向に隆起していることは必須ではない。また、第1発泡体42において屋外側の頂部431の高さbが屋内側の頂部441の高さaよりも高いこと、および中間リップ40が屈曲部46を有していることも必須ではない。さらには、第1先端部47に第1発泡体42が設けられていなくてもよい。
【0053】
図2に示すように、屋内側リップ50は、屋外側リップ30よりも屋内側に位置し、かつ、互いに隣り合う2つの外壁パネル100に向けて延伸するリップである。本実施形態では、屋内側リップ50は、中間リップ40よりも屋内側に位置し、かつ、互いに隣り合う2つの外壁面材110に向けて延伸している。屋内側リップ50は、第2先端部54(先端部)と、第2本体部57(本体部)と、を有している。
【0054】
第2本体部57は、屋内側リップ50における第2先端部54以外の部分であり、屋内側リップ50の根元部を含んでいる。第2本体部57には、目地Mの延伸方向に沿って延伸する溝51が少なくとも1つ以上形成されている。本実施形態では、少なくとも1つ以上の溝51が、第2本体部57の第4面58に形成されている。第4面48は、第2本体部57における屋外側の面である。また、少なくとも1つ以上の溝51として、先端側溝52(第1溝)と、先端側溝52よりも柱部20側に位置する根元側溝53(第2溝)と、が第4面58に形成されている。さらに、図3の符号3001に示すように、先端側溝52の先端側端部59が、第2先端部54と第2本体部57との境界部分になっている。先端側端部59は、先端側溝52における第2先端部54側の端部である。
【0055】
このように、第2本体部57に少なくとも1つ以上の溝51が形成されていることから、目地ガスケット10の挿入時に、屋内側リップ50が溝51を基点に柱部20に向けて屈曲し易くなる。また、少なくとも1つ以上の溝51が第4面58に形成されていることから、第2本体部57における屋内側の面に形成されている場合に比べて、目地ガスケット10の挿入時に、屋内側リップ50が溝51を基点に柱部20に向けてさらに屈曲し易くなる。また、少なくとも1つ以上の溝51として先端側溝52および根元側溝53が形成されていることから、これらの溝のいずれか一方のみが形成されている場合に比べて、目地ガスケット10の挿入時に屋内側リップ50が柱部20に向けてさらに屈曲し易くなる。
【0056】
さらには、先端側溝52の先端側端部59が第2先端部54と第2本体部57との境界部分となっている。そのため、目地ガスケット10の挿入時に、第2先端部54が先端側溝52を基点に柱部20に向けてさらに大きく屈曲し易くなり、第2先端部54が外壁面材110の側面112に弾接し難くなる。これにより、目地ガスケット10の挿入時に第2先端部54と側面112との接触箇所に生じる摩擦抵抗を低減できることから、目地ガスケット10の挿入性がさらに向上する。また、挿入後の目地ガスケット10に対して、当該目地ガスケット10が屋外側に抜け出す方向の外力が作用した場合に、第2先端部54が先端側溝52を基点に反転する。これにより、第2先端部54において側面112に接触する面積が増大するため、目地ガスケット10の保持性がさらに向上する。
【0057】
図2に示すように、本実施形態では、先端側溝52の溝幅L3と根元側溝53の溝幅L4とが略同一となっており、先端側溝52の深さL5と根元側溝53の深さL6とが略同一となっている。このような構成を採用することで、屋内側リップ50における先端側溝52の形成箇所と根元側溝53の形成箇所とで、剛性が略同一となる。これにより、目地ガスケット10の挿入時に、屋内側リップ50が先端側溝52および根元側溝53のそれぞれを基点として同程度に屈曲することから、目地ガスケット10の挿入性がさらに向上する。
【0058】
ただし、第2本体部57に少なくとも1つ以上形成される溝51の態様は、本実施形態の例に限定されない。例えば、第2本体部57における屋内側の面に少なくとも1つ以上溝51が形成されていてもよい。また、溝51の個数、大きさ、形状および形成位置を任意に設計変更してもよい。
【0059】
図2および図3に示すように、第2先端部54は、屋外側に隆起している。具体的には、図4に示すように、第2中心軸60から第2先端部54における屋外側の頂部541までの高さdが、第2中心軸60から境界線S5までの高さeよりも高くなっており、このd>eの状態が「第2先端部54が屋外側に隆起している」ことを意味する。第2中心軸60は、屋内側リップ50における、当該屋内側リップ50が外壁面材110に向けて延伸する方向の中心軸である。具体的には、第2中心軸60は、屋内側リップ50における根元部の中心点P3と、最大点P4と、を結んだ仮想線である。最大点P4は、中心点P3から屋内側リップ50における第2先端部54の非発泡部56までの距離が最大となる、第2先端部54の非発泡部56における外壁面材110側の点である。境界線S5は、仮想面SUF3と第2先端部54との境界線である。仮想面SUF3は、後述の第4面58を含む仮想的な面である。
【0060】
第2先端部54がこのような形状になっていることで、第2先端部54が屋外側に隆起していない場合に比べて、外壁面材110の側面112に対する、第2先端部54における屋外側の部分の接触面積が増加する。これにより、第2先端部54における屋外側の部分と側面112との接触箇所に生じる摩擦抵抗が増加し、目地ガスケット10の保持性が向上する。
【0061】
図2に示すように、本実施形態では、第2先端部54は、その先端が第2発泡体55(発泡体)で構成されており、当該第2先端部54における第2発泡体55よりも柱部20側の部分が非発泡部56となっている。第2発泡体55は、第1発泡体42と同一の発泡材で構成されているが、第1発泡体42と異なる発泡材で構成されていてもよい。非発泡部56は、非発泡材で形成されている。
【0062】
また、図3の符号3001に示すように、第2発泡体55の厚さL7と非発泡部56の厚さL8とが略同一となっている。第2発泡体55の厚さL7は、当該第2発泡体55における外壁面材110側の面の頂点の接線を含む仮想平面(不図示)から、第2発泡体55と非発泡部56との境界面(不図示)までの最短距離である。非発泡部56の厚さL8は、第2発泡体55と非発泡部56との境界面から、非発泡部56と先端側溝52の先端側端部59との境界面(不図示)までの最短距離である。
【0063】
このような構成を採用することで、厚さL7よりも厚さL8の方が厚い場合に比べて第2先端部54の先端の撓み変形量が増加し、当該先端の外壁面材110の側面112に対する接触面積が増加する。また、厚さL7よりも厚さL8の方が薄い場合に比べて、非発泡部56が側面112を押圧する力が強くなる。これらのことから、目地ガスケット10の保持性がさらに向上する。
【0064】
ただし、第2先端部54の態様は、屋外側に隆起していること以外は本実施形態の例に限定されない。例えば、第2先端部54のすべてが第2発泡体55で構成されていてもよいし、非発泡部56で形成されていてもよい。また、第2発泡体55および非発泡部56のそれぞれについて、大きさ、形状および配置を任意に設計変更してもよい。
【0065】
ここで、第1発泡体42および第2発泡体55は主に、EPDM等の合成ゴムにより形成されていることが好ましい。また、第1発泡体42および第2発泡体55は、目地ガスケット10と同様の材料により形成されていてもよいが、その場合はソリッド状ではなく、発泡したスポンジ状に形成されている必要がある。例えば、第1発泡体42および第2発泡体55は、EPDMからなる高発泡ゴムにより形成されていることが特に好ましい。この高発泡ゴムの比重としては、例えば0.05~0.30程度が好ましい。
【0066】
柱部20および各リップの形成材料としては、合成ゴムまたはTPE(熱可塑性エラストマー)等のゴム様弾性体が挙げられる。合成ゴムではEPDM等が挙げられ、TPEではTPO(オレフィン系熱可塑性エラストマー)またはTPS(スチレン系熱可塑性エラストマー)等が挙げられるが、これらの形成材料に限定されない。また、ゴム様弾性体は、発泡材でもよいし、非発泡材でもよい。本実施形態では、柱部20および各リップの形成材料は、非発泡部56と同一の非発泡材となっている。
【0067】
〔保持力試験の実施〕
従来の目地ガスケットおよび目地ガスケット10のそれぞれについて、保持力の良否を確認する保持力試験を行った。従来の目地ガスケットも、図示しないものの、柱部20と略同一形状の柱部を備えており、この柱部には芯金が埋設されている。また、従来の目地ガスケットは、柱部から、第1フィン、第2フィンおよび第3フィンが目地幅方向両側に延伸している。これら3つのフィンは、屋外側から、第1フィン、第2フィンおよび第3フィンの順に位置している。
【0068】
従来の目地ガスケットの全体形状等については、特開2016-132953号公報の図2および図3等を参照されたい。この公開特許公報に開示されている第6フィンが従来のガスケットの第1フィンに相当し、この公開特許公報に開示されている第5フィンが従来のガスケットの第2フィンに相当し、この公開特許公報に開示されている第4フィンが従来のガスケットの第3フィンに相当する。また、この公開特許公報に開示されている芯部のうち、互いに隣り合う2つの外壁面材の間の空間に位置する部分が、従来の目地ガスケットの柱部に相当する。さらに、この公開特許公報に開示されている芯部に埋設された芯金が、従来の目地ガスケットの柱部に埋設された芯金に相当する。
【0069】
本明細書における「保持力」は、目地ガスケットが目地に配置された状態における、各リップ(各フィン)が外壁パネルの側面を押圧する力と、各リップ(各フィン)と外壁パネルの側面との接触箇所に生じる摩擦力との総和である。
【0070】
従来の目地ガスケット、目地ガスケット10(以下、「保持力試験用の目地ガスケット」と総称)ともに、長さ50mmで目地幅10mmから12mmの目地に収まる程度の大きさのサンプルを試験用サンプルとして用いた。また、保持力試験には、図5の符号5001に示すような保持力試験用装置200を用いた。保持力試験用装置200は、引張用治具201と、引張板202と、取付用治具203と、不図示のオートグラフと、を備えている。
【0071】
引張用治具201は、保持力試験用の目地ガスケットが固定される厚さ6mm×長さ50mmの固定部分と、引張板202に嵌合される被嵌合部と、を有している。引張板202は、両端が引張用治具201の被嵌合部を嵌合する嵌合部となっており、オートグラフと接続される。
【0072】
オートグラフは、試験対象物(サンプル)の機械的強度特性を測定するための装置である。保持力試験では、オートグラフが、保持力試験用の目地ガスケットを固定済の引張用治具201が嵌合固定された引張板202を介して、保持力試験用の目地ガスケットを引っ張る。取付用治具203は、凹形状の目地が形成された長さ120mmの治具であり、この目地に保持力試験用の目地ガスケットが取り付けられる。引張用治具201および取付用治具203は、ともにアルミニウム製であり、取付用治具203の目地には放電加工処理が施されている。
【0073】
図5の符号5002に示すように、引張用治具201の固定部分に固定された保持力試験用の目地ガスケットを取付用治具203の目地に挿入し、取り付けた。その後、オートグラフで保持力試験用の目地ガスケットを、目地の外部に向けて引張速度20mm/minで引っ張った。引張速度は、保持力試験用の目地ガスケットがオートグラフによって引っ張られたときの、1min当たりの変位量である。そして、オートグラフが引張板202に加えた引張力を測定し、測定の結果得られた引張力を目地ガスケットの保持力をした。この試験方法を、目地幅10mm、11mmおよび12mmの3種類の取付用治具203について行った。
【0074】
前述の方法で保持力試験を行った結果、目地幅10mmの取付用治具203を用いた場合では、従来の目地ガスケットの保持力が76.9Nとなり、目地ガスケット10の保持力が87.4Nとなった。目地幅11mmの取付用治具203を用いた場合では、従来の目地ガスケットの保持力が62.0Nとなり、目地ガスケット10の保持力が78.8Nとなった。目地幅12mmの取付用治具203を用いた場合では、従来の目地ガスケットの保持力が43.5Nとなり、目地ガスケット10の保持力が48.9Nとなった。
【0075】
これらの試験結果を総合的に評価すると、従来の目地ガスケットに比べて、目地ガスケット10の方が優れた保持力、つまり保持性を発揮することが判明した。すなわち、屋内側リップ50の第2先端部54に第2発泡体55を有する目地ガスケット10が、優れた保持力、つまり保持性を発揮することが判明した。
【0076】
〔付記事項〕
本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0077】
10 目地ガスケット
20 柱部
30 屋外側リップ
31 屋内側本体部
32 屋外側意匠部
33 第1根元部
40 中間リップ
41 第1本体部
42 第1発泡体
43 屋外側発泡体
44 屋内側発泡体
45 第2根元部
46 屈曲部
47 第1先端部
48 第1中心軸
50 屋内側リップ
51 溝
52 先端側溝(第1溝)
53 根元側溝(第2溝)
54 第2先端部(先端部)
55 第2発泡体(発泡体)
56 非発泡部
57 第2本体部(本体部)
58 第4面(屋外側の面)
59 先端側端部(第1溝における先端部側の端部)
60 第2中心軸
90 意匠部
100 外壁パネル
110 外壁面材
111 屋外側傾斜面
112 側面
113 屋内側傾斜面
120 下地材
114、121 屋外側面
200 保持力試験用装置
201 引張用治具
202 引張板
203 取付用治具
331、451 表面
411 第1面
412 第2面
413 第3面
431、541 屋外側の頂部
441 屋内側の頂部
500 シール構造
a、b、d、e 高さ
c 突出量
D1、D2 最短距離
L3、L4 溝幅
L5、L6 深さ
L7、L8 厚さ
P1、P3 中心点
P2、P4 最大点
R1、R2、R3 破線領域
S1、S2、S3、S4、S5 境界線
M 目地
W 目地幅
SUF1 第1仮想平面
SUF2 第2仮想平面
SUF3 仮想面
図1
図2
図3
図4
図5