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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143545
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】歩行型管理機
(51)【国際特許分類】
   A01B 33/16 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
A01B33/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023056280
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003834
【氏名又は名称】弁理士法人新大阪国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】富久 聡
(72)【発明者】
【氏名】宮内 正男
(72)【発明者】
【氏名】原 竜太郎
【テーマコード(参考)】
2B033
【Fターム(参考)】
2B033AA07
2B033AB01
2B033AB11
2B033ED11
(57)【要約】
【課題】従来、走行装置を駆動する電動モータと耕耘装置を駆動する電動モータに電力を供給するバッテリと制御装置を備える電動式の歩行型管理機がある。然しながら、電動モータの作動状況やバッテリの状況等を視覚的に作業者が確認するモニタが機体に設けられていなかった。そこで、各部の状況等を視覚的に確認するモニタを簡潔な構成で装備する歩行型管理機を提供する。
【解決手段】耕耘装置9を備えた機体の後部にループ形状の操縦ハンドル18を設けた歩行型管理機において、ループ形状の操縦ハンドル18の内側に各部の状況や情報を表示するモニタ19を支持するモニタステー20を配置し、該モニタステー20を操縦ハンドル18後部の左右方向に延びる部分と操縦ハンドル18左右部の前後方向に延びる部分で取付支持する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
耕耘装置(9)を備えた機体の後部にループ形状の操縦ハンドル(18)を設けた歩行型管理機において、ループ形状の操縦ハンドル(18)の内側に各部の状況や情報を表示するモニタ(19)を支持するモニタステー(20)を配置し、該モニタステー(20)を操縦ハンドル(18)後部の左右方向に延びる部分と操縦ハンドル(18)左右部の前後方向に延びる部分で取付支持したことを特徴とする歩行型管理機。
【請求項2】
ループ状の操縦ハンドル(18)後部のグリップ部上側に走行装置(5)及び/または耕耘装置(9)を作動及び停止させる操作レバー(30)をグリップ部に沿って左右方向に設け、操作レバー(30)にモニタステー(20)の後部組付け部(22b)を操縦ハンドル(18)に固定する部位を避けるように前方回避部(30b)を設け、モニタステー(20)の後部組付け部(22b)を操縦ハンドル(18)後部の下面側に設けたことを特徴とする請求項1に記載の歩行型管理機。
【請求項3】
モニタステー(20)が、操縦ハンドル(18)後部の左右方向に延びる部分に組付ける後部組付け部(22b)と操縦ハンドル(18)の前後方向に延びる部分の左右片方側に屈曲した前部組付け部(22a)を有する第1ステー部材(22)と、操縦ハンドル(18)の前後方向に延びる部分の左右他方側に屈曲した前部組付け部(23a)を有する第2ステー部材(23)と、左右間隔を空けて配置される第1ステー部材(22)と第2ステー部材(23)を連結する少なくとも1つ以上の第3ステー部材(24)で構成され、第1ステー部材(22)または第2ステー部材(23)に搭載するモニタ(19)の左右長さに合わせて位置調節が可能な第4ステー部材(25)を設け、第3ステー部材(24)に搭載するモニタ(19)の前後長さに合わせて位置調節が可能な第4ステー部材(25)を設けたことを特徴とする請求項1に記載の歩行型管理機。
【請求項4】
走行装置(5)及び/または耕耘装置(9)を駆動させる電動アクチュエータ(15,17)やモニタ(19)の電源となるバッテリ(14)を設け、操縦ハンドル(18)後部の下側に走行装置(5)を制動する駐車ブレーキ(40)を制動作動させる駐車ブレーキレバー(42)設けたことを特徴とする請求項1~請求項3の何れか1項に記載の歩行型管理機。
【請求項5】
走行装置(5)を駆動させる電動アクチュエータ(15)の電源となるバッテリ(14)を設け、バッテリ(14)からの給電または回生エネルギーで給電される予備バッテリ(16a)の給電にて走行装置(5)を制動する駐車ブレーキ(40)を制動作動させる電動ブレーキ作動アクチュエータ(41)を設けたことを特徴とする請求項1~請求項3の何れか1項に記載の歩行型管理機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業者が歩行しながら耕耘等の農作業を行う歩行型管理機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、走行装置を駆動する電動モータと、耕耘装置を駆動する電動モータに電力を供給するバッテリと制御装置を備える電動式の歩行型管理機がある(特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許5785734号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電動モータの作動状況やバッテリの状況等を視覚的に作業者が確認するモニタが機体に設けられていなかった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、各部の状況等を視覚的に確認するモニタを簡潔な構成で装備する歩行型管理機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、耕耘装置9を備えた機体の後部にループ形状の操縦ハンドル18を設けた歩行型管理機において、ループ形状の操縦ハンドル18の内側に各部の状況や情報を表示するモニタ19を支持するモニタステー20を配置し、該モニタステー20を操縦ハンドル18後部の左右方向に延びる部分と操縦ハンドル18左右部の前後方向に延びる部分で取付支持した歩行型管理機である。
【0007】
請求項1記載の発明によれば、モニタ19を設けることにより、機体各部の状況を視覚情報として表示することができるので、各部の状況等を視覚的に確認して機体状況の判断が容易に行なえる。
【0008】
ループ形状の操縦ハンドル18の内側に各部の状況や情報を表示するモニタ19を支持するモニタステー20を配置し、該モニタステー20を操縦ハンドル18後部の左右方向に延びる部分と操縦ハンドル18左右部の前後方向に延びる部分で取付支持したので、ループ状の操縦ハンドル18内側の空きスペースを有効に活用してモニタ19を設けることができると共に、少ない取付支持箇所で強固に支持させることができる。
【0009】
請求項2記載の発明は、ループ状の操縦ハンドル18後部のグリップ部上側に走行装置5及び/または耕耘装置9を作動及び停止させる操作レバー30をグリップ部に沿って左右方向に設け、操作レバー30にモニタステー20の後部組付け部22bを操縦ハンドル18に固定する部位を避けるように前方回避部30bを設け、モニタステー20の後部組付け部22bを操縦ハンドル18後部の下面側に設けた請求項1に記載の歩行型管理機である。
【0010】
請求項2記載の発明によれば、ループ状の操縦ハンドル18後部のグリップ部上側に走行装置5及び/または耕耘装置9を作動及び停止させる操作レバー30をグリップ部に沿って左右方向に設けたので、機体の移動や耕耘動作を停止させたいときに直ぐに停止操作ができ、圃場を荒らしたりすることが防止される。
【0011】
また、操作レバー30にモニタステー20の後部組付け部22bを操縦ハンドル18に固定する部位を避けるように前方回避部30bを設けので、モニタステー20の後部組付け部22bに操作レバー30が干渉することを防止できる。
【0012】
また、モニタステー20の後部組付け部22bを操縦ハンドル18後部の下面側に設けたので、モニタステー20と操作レバー30の干渉が更に防止できる。
【0013】
請求項3記載の発明は、モニタステー20が、操縦ハンドル18後部の左右方向に延びる部分に組付ける後部組付け部22bと操縦ハンドル18の前後方向に延びる部分の左右片方側に屈曲した前部組付け部22aを有する第1ステー部材22と、操縦ハンドル18の前後方向に延びる部分の左右他方側に屈曲した前部組付け部23aを有する第2ステー部材23と、左右間隔を空けて配置される第1ステー部材22と第2ステー部材23を連結する少なくとも1つ以上の第3ステー部材24で構成され、第1ステー部材22または第2ステー部材23に搭載するモニタ19の左右長さに合わせて位置調節が可能な第4ステー部材25を設け、第3ステー部材24に搭載するモニタ19の前後長さに合わせて位置調節が可能な第4ステー部材25を設けた請求項1に記載の歩行型管理機である。
【0014】
請求項3記載の発明によれば、モニタステー20が、操縦ハンドル18後部の左右方向に延びる部分に組付ける後部組付け部22bと操縦ハンドル18の前後方向に延びる部分の左右片方側に屈曲した前部組付け部22aを有する第1ステー部材22と、操縦ハンドル18の前後方向に延びる部分の左右他方側に屈曲した前部組付け部23aを有する第2ステー部材23と、左右間隔を空けて配置される第1ステー部材22と第2ステー部材23を連結する少なくとも1つ以上の第3ステー部材24で構成されているので、モニタステー20が簡潔な構成で部品重量の軽減が図れると共に、操縦ハンドル18に適切に固定できる。
【0015】
第1ステー部材22または第2ステー部材23に搭載するモニタ19の左右長さに合わせて位置調節が可能な第4ステー部材25を設け、第3ステー部材24に搭載するモニタ19の前後長さに合わせて位置調節が可能な第4ステー部材25を設けたので、搭載したモニタ19が振動で脱落して落下したり、作業者が視認しにくい姿勢になったりすることを防止できる。
【0016】
請求項4記載の発明は、走行装置5及び/または耕耘装置9を駆動させる電動アクチュエータ15,17やモニタ19の電源となるバッテリ14を設け、操縦ハンドル18後部の下側に走行装置5を制動する駐車ブレーキ40を制動作動させる駐車ブレーキレバー42設けた請求項1~請求項3の何れか1項に記載の歩行型管理機である。
【0017】
請求項4記載の発明によれば、操縦ハンドル18後部の下側に走行装置5を制動する駐車ブレーキ40を制動作動させる駐車ブレーキレバー42設けたので、操縦ハンドル18の上側に設けた操作レバー30の操作と異なる操作となって、誤操作が防止できる。
【0018】
請求項5記載の発明は、走行装置5を駆動させる電動アクチュエータ15の電源となるバッテリ14を設け、バッテリ14からの給電または回生エネルギーで給電される予備バッテリ16aの給電にて走行装置5を制動する駐車ブレーキ40を制動作動させる電動ブレーキ作動アクチュエータ41を設けた請求項1~請求項3の何れか1項に記載の歩行型管理機である。
【0019】
請求項5記載の発明によれば、走行装置5を駆動させる電動アクチュエータ15の電源となるバッテリ14を設け、バッテリ14からの給電または回生エネルギーで給電される予備バッテリ16aの給電にて走行装置5を制動する駐車ブレーキ40を制動作動させる電動ブレーキ作動アクチュエータ41を設けたので、バッテリ14の電力が切れて走行装置5が遊転状態になっても、予備バッテリ16aにて電動ブレーキ作動アクチュエータ41を作動させて適切に駐車ブレーキ40を制動作動して走行装置5が制動され、不用意に機体が移動するような事態を適切に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施形態にかかる歩行型管理機の概略斜視図である。
図2】同上管理機の操縦ハンドルの平面図である。
図3】同上管理機の操縦ハンドルの斜視図である。
図4】(a)、(b)、(c)、(d)、(e)同上管理機の第1ステー部材~第5ステー部材の斜視図である。
図5】同上管理機の電気配線を示す概略図である。
図6】本発明の他の実施形態の電気配線を示す概略図である。
図7】フードステーの側面図である。
図8】フードステーの平面図である。
図9】(A)、(B)、(C)耕耘装置の逆転規制装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明を歩行型管理機に適用した例を図面に基づいて説明する。なお、機体の前進方向に向かって左右方向をそれぞれ左、右といい、前進方向を前、後進方向を後というが、本発明の構成を限定するものではない。
【0022】
<歩行型管理機の全体構成>
図1に示すように、歩行型管理機1は、機体フレーム2の後部に固設した左右伝動ケース3,3下部に設けた左右車軸4,4に走行装置としての左右車輪5,5を装着し、左右伝動ケース3,3上部に基部が固定された作業用伝動ケース6後側下部に耕耘軸7を突設して耕耘爪を設けて耕耘装置9を構成する。
【0023】
耕耘装置9の上面はロータリカバー10で覆う構成であり、後面は上下回動自在の後部カバー11で覆う構成としている。
【0024】
耕耘装置9の後端側には支持柱12を介して尾輪を上下高さ調節自在に設けている。
【0025】
機体フレーム2には、前側からバッテリ14、左右車輪5,5を各々駆動する電動モータよりなる左右電動走行アクチュエータ15,15、予備バッテリ16aを装備した制御装置16を設けている。
【0026】
左右電動走行アクチュエータ15,15は、各々左右伝動ケース3,3を介して左右車輪5,5を駆動回転する。
【0027】
なお、左右伝動ケース3,3に変速機構を設けて、副変速レバーにて高速の移動速と低速の作業速に切り換える構成としても良い。
【0028】
バッテリ14は、機体への脱着が容易に行えるワンタッチ着脱式の固定具にて装着されており、また、バッテリソケットを装備している。
【0029】
従って、歩行型管理機1をトラック等に積載して圃場間移動する際にバッテリ14を機体から取り外してトラック等のシガーソケットからバッテリソケットにて充電できる。
【0030】
また、バッテリ14は、車軸管理機、管理機及び耕耘機に共用できる構造になっており、機体の必要電力に応じて1個または2個以上の複数個を搭載して、共用化によりコスト削減を図っている。
【0031】
また、作業用伝動ケース6前側部には、耕耘装置9の耕耘爪を駆動する電動モータよりなる電動作業アクチュエータ17を設けている。
【0032】
作業用伝動ケース6前部に基部が固定されたループ状の操縦ハンドル18は、後方斜め上方に向けて延びている。
【0033】
ループ状の操縦ハンドル18上部の内側には、中央部にモニタ19を搭載するモニタステー20が固定され、右側には操作カバー21が固定されている。
【0034】
図4に示すように、モニタステー20は、ステンレス製の平板にて形成された第1ステー部材22、第2ステー部材23、第3ステー部材24、第4ステー部材25及び第5ステー部材26にて構成される。
【0035】
第1ステー部材22と第2ステー部材23に3つの第3ステー部材24を等間隔に配置してその両側を溶接固定して、第1ステー部材22と第2ステー部材23を縦辺として3つの第3ステー部材24を横辺として枠状のステーを構成する。
【0036】
第1ステー部材22は、モニタステー20をループ状の操縦ハンドル18内側に固定した時に、操縦ハンドル18内側の右側に設けられた操作カバー21を迂回するように前部が右外向きのL型に構成された右前部組付け部22aと後部が上方に折れ曲がったクランク状とした後部組付け部22bに各々取付け孔22cが設けられている。
【0037】
また、第1ステー部材22の中途部に上方に折れ曲がった右部受面22dを設け、後部の上方に折れ曲がったクランク状部に後部受面22eを設けている。
【0038】
第2ステー部材23は、モニタステー20をループ状の操縦ハンドル18内側に固定した時に、前部が左外向きのL型に構成された左前部組付け部23aに取付け孔23bが設けられている。
【0039】
また、第2ステー部材23の中途部には、外側に延びる凸辺23cを設け、該凸辺23cに取付け孔23dが設けられている。
【0040】
第3ステー部材24は、直線状で中途部に取付け孔24aが設けられている。
【0041】
第4ステー部材25は、L型に構成され取付け片25aと受面25bを有し、取付け片25aに2つの平行な取付け長孔25cが設けられている。
【0042】
第5ステー部材26は、中途部に円弧状部26aを設け、その両端にナット付き取付け孔26bが設けられている。なお、円弧状部26aは、鉄製の丸パイプ材よりなる操縦ハンドル18に外篏する円弧である。
【0043】
従って、モニタステー20は、第1ステー部材22と第2ステー部材23と3つの第3ステー部材24にて構成される枠状部にモニタ19を搭載することができる。
【0044】
また、モニタステー20は、第1ステー部材22と第2ステー部材23と3つの第3ステー部材24にて構成される枠状部から第1ステー部材22の右前部組付け部22aと後部組付け部22b及び第2ステー部材23の左前部組付け部23aが突出し、枠状部よりも高い位置になる構成となっている。
【0045】
次に、図1図3に基づいて、モニタステー20をループ状の操縦ハンドル18の内側に固定し、モニタステー20にモニタ19を搭載する詳細構成を説明する。
【0046】
モニタステー20をループ状の操縦ハンドル18の内側に位置させて、後部組付け部22bをループ状の操縦ハンドル18後部の作業者が把持するグリップ部である左右方向に延びる部分の下面に接当させ、操縦ハンドル18上方から第5ステー部材26の円弧状部26aを外篏させて後部組付け部22b下面側から取付け孔22cを挿通させてボルトを第5ステー部材26両端のナット付き取付け孔26bに通して締付けると、モニタステー20の後部組付け部22bがループ状の操縦ハンドル18後部の左右方向に延びる部分に固定される。
【0047】
なお、第5ステー部材26の円弧状部26a内面と操縦ハンドル18の間にはゴム製のインシュレータを挟み込んで固定する。
【0048】
そして、右前部組付け部22a及び左前部組付け部23aをループ状の操縦ハンドル18左右部の前後方向に延びる部分の上面に接当させ、操縦ハンドル18下方から第5ステー部材26の円弧状部26aを外篏させて右前部組付け部22a及び左前部組付け部23aの上面側から取付け孔22c・取付け孔23bを挿通させてボルトを第5ステー部材26両端のナット付き取付け孔26bに通して締付けると、モニタステー20の右前部組付け部22a及び左前部組付け部23aがループ状の操縦ハンドル18左右部の前後方向に延びる部分に各々固定される。
【0049】
なお、第5ステー部材26の円弧状部26a内面と操縦ハンドル18の間にはゴム製のインシュレータを挟み込んで固定する。
【0050】
従って、モニタステー20は、ループ状の操縦ハンドル18の内側に配置して、後部組付け部22bを操縦ハンドル18後部の左右方向に延びる部分に固定し、右前部組付け部22a及び左前部組付け部23aをループ状の操縦ハンドル18左右部の前後方向に延びる部分に固定したので、ループ状の操縦ハンドル18内側の空きスペースを有効に活用することができると共に、後部及び左右前部の少ない取付支持箇所で強固に支持させることができる。
【0051】
そして、モニタステー20の第2ステー部材23の凸辺23c上に第4ステー部材25の取付け片25aを載せて、ボルトを取付け片25aの2つの平行な取付け長孔25cの各々に上方から挿し込んで凸辺23cの取付け孔23dを通して下方からナットを螺合させて締付ける。
【0052】
同様に、モニタステー20の最前部の第3ステー部材24上に第4ステー部材25の取付け片25aを載せて、ボルトを取付け片25aの2つの平行な取付け長孔25cの各々に上方から挿し込んで第3ステー部材24の取付け孔24aを通して下方からナットを螺合させて締付ける。
【0053】
そして、モニタステー20の枠状部の上にモニタ19を載置し、モニタ19右側面及び後側面を第1ステー部材22の右部受面22d及び後部受面22eに各々接当させて、モニタ19左側面及び前側面に各第4ステー部材25の各受面25bが接当するように各第4ステー部材25を取付け長孔25cにて位置調節してボルト・ナットにて各第4ステー部材25を固定すると、モニタ19をモニタステー20上に搭載できる。
【0054】
なお、モニタ19を載置するモニタステー20の枠状部の上面、第1ステー部材22の右部受面22d及び後部受面22e及び第4ステー部材25の受面25bには、ゴム等よりなるクッション材を添着してモニタ19に傷がつかないようにしている。
【0055】
また、第4ステー部材25は、受面25bの高さが異なるものを用意しておけば、種類により高さが異なるモニタ19にも対応できる。
【0056】
モニタ19は、専用モニタにしても良いし、汎用のタブレットをモニタとして使用しても良く、制御装置16と通信し(または、通信ケーブルで接続し)、バッテリ14及び予備バッテリ16aの蓄電量と温度や左右電動走行アクチュエータ15,15及び電動作業アクチュエータ17の作動状態や作業継続時間等を表示する。
【0057】
従って、モニタ19を設けることにより、機体各部の動作を視覚情報として表示することができるので、動作の適否や作業継続時間などが判断しやすくなる。
【0058】
ループ状の操縦ハンドル18後部の上側には、左右車輪5,5を駆動する左右電動走行アクチュエータ15,15及び耕耘装置9を駆動する電動作業アクチュエータ17を作動及び停止させる操作レバーとしてのデッドマンレバー30が設けられている。
【0059】
なお、デッドマンレバー30は、左右車輪5,5を駆動する左右電動走行アクチュエータ15,15または耕耘装置9を駆動する電動作業アクチュエータ17の何れか一方を作動及び停止する構成でも良い。
【0060】
デッドマンレバー30は、一般的な管理機のデッドマンクラッチレバーと同様の働きをし、ループ状の操縦ハンドル18後部のグリップ部である左右方向に延びる部分の上方に沿って設けてあり、左右前部が操縦ハンドル18左右部の前後方向に延びる部分に左右方向の枢支軸30aにて枢支され、バネにて後部が上方に向けて付勢された状態で設けられている。
【0061】
そして、左右枢支軸30aの何れかにリミットスイッチが設けられており、ループ状の操縦ハンドル18後部のグリップ部を把持している作業者がデッドマンレバー30をグリップ部と共に把持してバネの付勢力に抗して下方に向けて操作すると、リミットスイッチがオンになり、制御装置16がスイッチS1及びS2をオンにして左右電動走行アクチュエータ15,15及び電動作業アクチュエータ17を作動させて、左右車輪5,5が駆動回転して機体は前進しながら耕耘装置9が駆動されて耕耘作業を行なう。
【0062】
そして、ループ状の操縦ハンドル18後部のグリップ部を把持している作業者がデッドマンレバー30を離すと、バネの付勢力によりデッドマンレバー30が上方に向けて回動してリミットスイッチがオフになり、制御装置16がスイッチS1及びS2をオフにして左右電動走行アクチュエータ15,15及び電動作業アクチュエータ17を停止させて、機体は停止し耕耘装置9も停止する。
【0063】
従って、作業者がデッドマンレバー30をグリップ部と共に把持してバネの付勢力に抗して下方に向けて操作して前進しながら耕耘作業を行なっている際に、作業者が転倒等の不測の事態になっても、グリップ部から手が離れるので、デッドマンレバー30が上方に向けて回動してリミットスイッチがオフになり、制御装置16がスイッチS1及びS2をオフにして左右電動走行アクチュエータ15,15及び電動作業アクチュエータ17を停止させて機体の進行及び耕耘装置9が停止し安全である。
【0064】
また、デッドマンレバー30後部は、ループ状の操縦ハンドル18後部のグリップ部に沿って左右方向に設けられているが、デッドマンレバー30後部の右側部は、モニタステー20の後部組付け部22bが操縦ハンドル18後部の左右方向に延びる部分に固定される部位を避けるように前方回避部30bとなっている。
【0065】
従って、デッドマンレバー30の右側部(後部組付け部22bが左側にあれば左側部、即ち、左右一側部)に前方回避部30bを設けたので、モニタステー20の後部組付け部22bにデッドマンレバー30が干渉することを防止できる。
【0066】
また、モニタステー20の後部組付け部22bをループ状の操縦ハンドル18後部の下面側に設けたので、デッドマンレバー30との干渉が更に防止できる。
【0067】
図5に示すように、操縦ハンドル18後部の下側には、左右車輪5,5を制動する駐車ブレーキ40を制動作動させる電動モータよりなる電動ブレーキ作動アクチュエータ41を起動させる駐車ブレーキレバー42が設けられている。
【0068】
駐車ブレーキレバー42は、ループ状の操縦ハンドル18後部のグリップ部である左右方向に延びる部分の下方に設けてあり、左右前部が操縦ハンドル18左右部の前後方向に延びる部分に左右方向の枢支軸42aにて枢支され、バネの支点越えによる付勢力にて後部が後方に位置する状態と前方に位置する状態に姿勢が保持される。
【0069】
そして、左右枢支軸42aの何れかにリミットスイッチ42bが設けられており、駐車ブレーキレバー42を前方に位置する状態に操作すると、リミットスイッチ42bがオンになって電動ブレーキ作動アクチュエータ41が起動して駐車ブレーキ40を制動作動して左右車輪5,5が制動される。
【0070】
また、駐車ブレーキレバー42を後方に位置する状態に操作すると、リミットスイッチ42bがオフになって電動ブレーキ作動アクチュエータ41が非作動状態になって駐車ブレーキ40が非制動状態となり左右車輪5,5の制動が解除される。
【0071】
従って、操縦ハンドル18の下側に駐車ブレーキレバー42を設けたことにより、操縦ハンドル18の上側に設けたデッドマンレバー30の操作と異なる操作となって、誤操作が防止できる。
【0072】
また、駐車ブレーキレバー42後部は、左右幅が広くて操縦ハンドル18の下方に位置するので、作業者が誤って機体を後進操作した際に駐車ブレーキレバー42が作業者の身体に接当して前方に操作され駐車ブレーキ40が制動作動して左右車輪5,5が制動されて機体が停止するので、安全である。
【0073】
ここで、図5に基づいて、バッテリ14、予備バッテリ16a、左右電動走行アクチュエータ15,15、電動作業アクチュエータ17、リミットスイッチ42b及び電動ブレーキ作動アクチュエータ41の電気配線について説明する。
【0074】
充電したバッテリ14を機体に搭載してメインスイッチMSをオンにすると、バッテリ14にて予備バッテリ16aが充電される。なお、予備バッテリ16aが回生エネルギーにより充電されるようにすると更に良い。
【0075】
従って、左右電動走行アクチュエータ15,15及び電動作業アクチュエータ17は、バッテリ14にて駆動されるが、バッテリ14の電力が切れると数分間は予備バッテリ16aにて駆動されるので、バッテリ14の電力切れ時に緊急で機体を進行させることができる。
【0076】
また、バッテリ14の電力が切れても駐車ブレーキレバー42を操作して予備バッテリ16aにて電動ブレーキ作動アクチュエータ41が作動して適切に駐車ブレーキ40を制動作動して左右車輪5,5が制動されるので、左右車輪5,5が遊転状態になって不用意に機体が移動するような事態を適切に防止できる。
【0077】
また、バッテリ14から予備バッテリ16aを充電する電気配線45をバッテリ14から予備バッテリ16aへの一方向にのみ電流が流れる配線とすれば、左右電動走行アクチュエータ15,15及び電動作業アクチュエータ17はバッテリ14にて駆動され、電動ブレーキ作動アクチュエータ41は予備バッテリ16aにて駆動される。
【0078】
従って、バッテリ14の電力が切れて左右車輪5,5が遊転状態になっても、駐車ブレーキレバー42を操作すれば予備バッテリ16aにて電動ブレーキ作動アクチュエータ41が作動して適切に駐車ブレーキ40を制動作動して左右車輪5,5が制動されるので、不用意に機体が移動するような事態を適切に防止できる。
【0079】
図6は、駐車ブレーキ40を作動させる他の実施形態を示す。
【0080】
即ち、駐車ブレーキ40をバネ47にて常時制動状態になるように構成し、作業者が作業開始時に機体のメインスイッチMSをオンすると電動ブレーキ作動アクチュエータ41が作動して駐車ブレーキ40をバネ47の付勢力に抗して非制動状態にする。
【0081】
従って、機体が進行中にバッテリ14及び予備バッテリ16aの電力が切れた場合に、電動ブレーキ作動アクチュエータ41が電力の供給がなくなって非作動状態になって駐車ブレーキ40がバネ47の付勢力にて制動作動して左右車輪5,5が制動されるので、左右車輪5,5が遊転状態になって不用意に機体が移動するような事態を適切に防止できる。
【0082】
この例では、駐車ブレーキレバー42を前方に位置する状態に操作すると、リミットスイッチ42bがオフになって電動ブレーキ作動アクチュエータ41が非作動状態になって駐車ブレーキ40がバネ47の付勢力にて制動作動して左右車輪5,5が制動される。
【0083】
また、駐車ブレーキレバー42を後方に位置する状態に操作すると、リミットスイッチ42bがオンになって電動ブレーキ作動アクチュエータ41が起動して駐車ブレーキ40をバネ47の付勢力に抗して非制動状態にして左右車輪5,5の制動が解除される。
【0084】
なお、当然のことながら、非作業時にメインスイッチMSをオフにすると、電動ブレーキ作動アクチュエータ41が電力の供給がなくなるので非作動状態になって駐車ブレーキ40がバネ47の付勢力にて制動作動して左右車輪5,5が制動される。
【0085】
更に他の実施形態として、操縦ハンドル18部に緊急停止スイッチを設けて、該緊急停止スイッチを操作すると、電動ブレーキ作動アクチュエータ41が起動して駐車ブレーキ40が制動作動して左右車輪5,5が制動される構成としても良い。
【0086】
また、操縦ハンドル18部に設けた主クラッチ操作具(主クラッチ操作スイッチ)にて入り切りできる主クラッチを設けた場合には、主クラッチ操作具の主クラッチ切操作にて電動ブレーキ作動アクチュエータ41を起動させて駐車ブレーキ40が制動作動して左右車輪5,5が制動される構成としても良い。
【0087】
図7及び図8は、機体の上方を覆うフード50の前部を支持するフードステー51を示す。
【0088】
フードステー51は、フード50の前部を載置する載置面部52前側の左右両側部を下方に折り曲げて形成した前支持脚53F,53Fと後側の右側部を下方に折り曲げて形成した右後支持脚53Rを鉄製の平板から一体形成している。
【0089】
そして、フードステー51は、該左右前支持脚53F,53F及び右後支持脚53Rの下端部に設けられた取付け孔54と機体フレーム2前部の左右側面に設けられた取付け孔55にボルトを挿通してナットを締付けて、機体フレーム2前部に固定されている。
【0090】
載置面部52は、平面状のフード50前部を載置して支持する支持面52aとその前部から斜め下方に向かう傾斜面52bと傾斜面52b下端から前方に向かう平面52cで構成され、平面52cは支持面52aよりも低い位置となっている。
【0091】
支持面52a前端部と傾斜面52bと平面52c後端部の左右中央部には、平面視でH状の切り欠き60を設けている。
【0092】
そして、載置面部52の支持面52a上にフード50前部を前方にやや突出するように載置して後方に引くと、フード50前部の下側左右中央部に設けたフード係止金具61がH状の切り欠き60に前方から係合して、フード50前部が載置面部52の支持面52a上に載置された状態で固定できる。
【0093】
また、符号70は、載置面部52の右側部を上方に折り曲げて形成したマフラーカバーステーであり、エンジンを搭載した管理機の場合にマフラーカバーの取付けを行なう。
【0094】
従って、フードステー51は、板金の折り曲げで一体形成しているので、簡潔で安価な構成となる。
【0095】
なお、フード50後部は、作業用伝動ケース6上面に固定する。
【0096】
また、別実施形態として、左右車輪5,5を設けない車軸管理機を構成する場合は、電動モータよりなる電動作業アクチュエータ17にて耕耘装置9の耕耘爪が装着された耕耘軸7を駆動して、耕耘作業を行ないながら耕耘装置9の回転にて機体が前進する。
【0097】
図9に示すように、耕耘装置9の耕耘軸7に一体に回転する回転体80(耕耘軸7に設けた歯車やスプロケット等の駆動体でも良い)を設け、該回転体80の左右両側に機体に固定されたロック板81,81を設ける。
【0098】
そして、回転体80には、カム82を形成した穴82’内にスチールボール83を設けている。
【0099】
耕耘軸7が正転する時は、回転体80も正転するのでスチールボール83が穴82’内に収納した状態となり耕耘軸7は適正に正転して機体が前進しながら耕耘作業が行なえる(図9(A)参照)。
【0100】
耕耘軸7が逆転する時は、回転体80も逆転するのでスチールボール83がカム82により穴82’から外側方に突出するように押し出されてロック板81,81に圧接した状態となり、耕耘軸7は逆転が規制される(図9(B)参照)。
【0101】
従って、バッテリ14(及び予備バッテリ16a)の電力が登り坂で切れた場合に、耕耘装置9の逆転が規制されるので機体が登り坂を転がり落ちるような事態を回避できる。
【符号の説明】
【0102】
5 走行装置(左右車輪)
9 耕耘装置
14 バッテリ
15 電動アクチュエータ(左右電動走行アクチュエータ)
16a 予備バッテリ
17 電動アクチュエータ(電動作業アクチュエータ)
18 操縦ハンドル
19 モニタ
20 モニタステー
22 第1ステー部材
22a 前部組付け部(右前部組付け部)
22b 後部組付け部
23 第2ステー部材
23a 前部組付け部(左前部組付け部)
24 第3ステー部材
25 第4ステー部材
30 操作レバー(デッドマンレバー)
30b 前方回避部
40 駐車ブレーキ
41 電動ブレーキ作動アクチュエータ
42 駐車ブレーキレバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9