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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143563
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/00 20060101AFI20241003BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20241003BHJP
   G03G 15/20 20060101ALI20241003BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20241003BHJP
   H02M 7/00 20060101ALI20241003BHJP
   H02M 3/00 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
G03G15/00 680
G03G21/16 104
G03G21/16 152
G03G15/20 505
G03G21/00 398
G03G21/16 185
H02M7/00 Z
H02M3/00 Y
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023056309
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】辻本 嘉之
(72)【発明者】
【氏名】田中 伸征
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 泰弘
(72)【発明者】
【氏名】山口 渡
【テーマコード(参考)】
2H033
2H171
2H270
5H006
5H730
【Fターム(参考)】
2H033BA02
2H033BA03
2H033BA04
2H033BA25
2H033BA31
2H033CA02
2H033CA27
2H033CA44
2H171FA01
2H171FA02
2H171FA03
2H171FA05
2H171FA19
2H171FA28
2H171GA04
2H171HA11
2H171HA15
2H171HA22
2H171HA23
2H171HA37
2H171JA12
2H171JA15
2H171JA17
2H171JA48
2H171JA51
2H171JA52
2H171KA13
2H171KA17
2H171KA23
2H171KA27
2H171MA02
2H171MA03
2H171MA04
2H171MA07
2H171MA12
2H171MA13
2H171MA17
2H171NA01
2H171QA04
2H171QA08
2H171QB03
2H171QB15
2H171QB32
2H171QC03
2H171QC38
2H171SA10
2H171SA18
2H171SA22
2H171SA26
2H171WA11
2H171WA13
2H171WA16
2H171WA17
2H171WA18
2H270KA46
2H270LA25
2H270MA35
2H270MF02
2H270MG01
5H006DB01
5H006HA05
5H730AS05
5H730CC01
5H730ZZ01
5H730ZZ04
(57)【要約】
【課題】メイン基板とコネクタとを接続する、画像形成装置本体の一方の側面側から他方の側面側に横断するハーネスを省略することが可能となる技術を提供する。
【解決手段】定着コネクタ160は、定着装置9が本体筐体2に装着されたときに、右側面側に配置され、メイン基板100と高圧電源基板114とは、本体筐体2内の天井面側又は底面側に沿って配置された第1接続線により接続され、高圧電源基板114と本体コネクタ150とは、第2接続線CA2により接続され、メイン基板100は、第1接続線CA1と高圧電源基板114と第2接続線CA2と本体コネクタ150と定着コネクタ160とを経由して、定着装置9と接続される。
【選択図】 図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体筐体と、
シートに現像剤像を形成するプロセス部と、
前記本体筐体の一方の側面側に配置された本体コネクタと、
前記シートに形成された現像剤像を熱定着する、前記本体筐体に着脱可能な定着装置であって、ヒータを有する加熱部と、前記加熱部との間で前記シートを圧接する加圧部と、前記定着装置が前記本体筐体に装着されたときに前記本体コネクタと接続される定着コネクタと、を有する定着装置と、
前記プロセス部に印加する電圧を生成する電源基板であって、前記一方の側面側に、基板面と前記一方の側面とが平行になるように配置された電源基板と、
前記プロセス部を制御するコントローラを有するメイン基板であって、前記一方の側面と対向する他方の側面側に、基板面と前記他方の側面とが平行になるように配置されたメイン基板と、
を備え、
前記定着コネクタは、前記定着装置が前記本体筐体に装着されたときに、前記一方の側面側に配置され、
前記メイン基板と前記電源基板とは、前記本体筐体内の天井面側又は底面側に沿って配置された第1接続線により接続され、
前記電源基板と前記本体コネクタとは、第2接続線により接続され、
前記メイン基板は、前記第1接続線と前記電源基板と前記第2接続線と前記本体コネクタと前記定着コネクタとを経由して、前記定着装置と接続される、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記プロセス部は、
感光体ドラムと、
前記感光体ドラムを帯電させる帯電器と、
前記本体筐体内の前記天井面側に配置され、前記帯電器により帯電された前記感光体ドラムに静電潜像を形成する露光部と、
を有し、
前記第1接続線は、前記本体筐体内の前記プロセス部の上方に配置されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記シートを載置する供給トレイと、
前記供給トレイから前記シートを前記プロセス部に搬送する搬送部と、
をさらに備え、
前記第1接続線は、前記供給トレイと前記搬送部の下方に配置されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
商用電源から供給される交流電圧が入力され、前記ヒータに対して、前記本体コネクタと前記定着コネクタとを経由して前記交流電圧を出力する第2電源基板、
をさらに備え、
前記第2電源基板の基板面は、前記本体筐体の底面に対して平行に配置され、前記基板面の一方の側面側と前記本体コネクタとは第3接続線により接続される、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記メイン基板と前記第2電源基板とは、第4接続線により接続され、
前記第2電源基板は、前記交流電圧の出力をオン/オフするスイッチ部を有し、
前記メイン基板は、前記第4接続線を介して、前記スイッチ部のオン/オフを切り替える、
ことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記メイン基板と前記第2電源基板とは、第4接続線により接続され、
前記第2電源基板は、
前記交流電圧を直流電圧に変換するAC-DC変換回路、を有し、
前記本体筐体の前記一方の側面側に前記商用電源から前記交流電圧が入力され、前記直流電圧を前記本体筐体の前記他方の側面側に出力し、
前記直流電圧は、前記本体筐体の前記他方の側面側にある前記メイン基板に前記第4接続線により供給される、
ことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第1接続線は、複数の信号を送受信可能な第1ハーネスであり、
前記複数の信号は、前記コントローラが前記プロセス部を制御するための第1信号と、前記コントローラが前記定着装置を制御するための第2信号と、を少なくとも含み、
前記第2接続線は、前記第2信号を送受信可能な第2ハーネスであり、
前記メイン基板と前記定着装置とは、
前記第2信号を、前記定着コネクタと前記本体コネクタと前記第2ハーネスと前記電源基板と前記第1ハーネスとを経由して、送受信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記定着装置は、
前記加熱部の温度に応じた温度信号を出力する温度センサ、を有し、
前記温度センサから出力された温度信号は、前記定着コネクタと前記本体コネクタと前記第2ハーネスと前記電源基板と前記第1ハーネスとを経由して、前記メイン基板に伝達される、
ことを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記第1接続線は、フラットケーブルである、
ことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、シートに形成された現像剤像をシートに定着させる定着装置を着脱自在に装着可能な画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、着脱可能な定着装置の温度検知手段およびセット検知手段の信号線を画像形成装置本体と接続するドロワコネクタの接点に接触不良が発生した場合でも、検知信号を正しく伝達し、それに伴い発生する障害を防止可能な定着装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-113856号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、定着装置を接続するコネクタと、プロセス部に電圧を印加する電源基板とが画像形成装置本体の一方の側面側に配置され、メイン基板が画像形成装置本体の他方の側面側に配置されている場合、メイン基板と電源基板とは、画像形成装置本体の一方の側面側から他方の側面側に横断するハーネスを介して接続され、電源基板とコネクタとは、別のハーネスを介して接続され、メイン基板とコネクタとは、さらに別のハーネスであって、画像形成装置本体の一方の側面側から他方の側面側に横断するハーネスを介して接続される。
【0005】
本願は、メイン基板とコネクタとを接続する、画像形成装置本体の一方の側面側から他方の側面側に横断するハーネスを省略することが可能となる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本願の画像形成装置は、本体筐体と、シートに現像剤像を形成するプロセス部と、本体筐体の一方の側面側に配置された本体コネクタと、シートに形成された現像剤像を熱定着する、本体筐体に着脱可能な定着装置であって、ヒータを有する加熱部と、加熱部との間でシートを圧接する加圧部と、定着装置が本体筐体に装着されたときに本体コネクタと接続される定着コネクタと、を有する定着装置と、プロセス部に印加する電圧を生成する電源基板であって、一方の側面側に、基板面と一方の側面とが平行になるように配置された電源基板と、プロセス部を制御するコントローラを有するメイン基板であって、一方の側面と対向する他方の側面側に、基板面と他方の側面とが平行になるように配置されたメイン基板と、を備え、定着コネクタは、定着装置が本体筐体に装着されたときに、一方の側面側に配置され、メイン基板と電源基板とは、本体筐体内の天井面側又は底面側に沿って配置された第1接続線により接続され、電源基板と本体コネクタとは、第2接続線により接続され、メイン基板は、第1接続線と電源基板と第2接続線と本体コネクタと定着コネクタとを経由して、定着装置と接続される、ことを特徴とする。
【0007】
本願の画像形成装置によれば、メイン基板は、第1接続線と電源基板と第2接続線と本体コネクタと定着コネクタとを経由して定着装置と接続されるので、メイン基板と本体コネクタとを接続する接続線を省略することが可能となる。これにより、メイン基板と本体コネクタとを接続する接続線の経路が不要となるため、本体筐体を小型化することが可能となる。
【0008】
また、プロセス部は、感光体ドラムと、感光体ドラムを帯電させる帯電器と、本体筐体内の天井面側に配置され、帯電器により帯電された感光体ドラムに静電潜像を形成する露光部と、を有し、第1接続線は、本体筐体内のプロセス部の上方に配置されている、ことを特徴とする。
【0009】
これにより、第1接続線を本体筐体内の空き空間に配置したので、本体筐体の大きさが拡大することを抑制することが可能となる。
【0010】
また、シートを載置する供給トレイと、供給トレイからシートをプロセス部に搬送する搬送部と、をさらに備え、第1接続線は、供給トレイと搬送部の下方に配置されている、ことを特徴とする。
【0011】
これにより、第1接続線を本体筐体内の空き空間に配置したので、本体筐体の大きさが拡大することを抑制することが可能となる。
【0012】
また、商用電源から供給される交流電圧が入力され、ヒータに対して、本体コネクタと定着コネクタとを経由して交流電圧を出力する第2電源基板、をさらに備え、第2電源基板の基板面は、本体筐体の底面に対して平行に配置され、基板面の一方の側面側と本体コネクタとは第3接続線により接続される、ことを特徴とする。
【0013】
これにより、第3接続線の長さを短くすることができる。
【0014】
また、メイン基板と第2電源基板とは、第4接続線により接続され、第2電源基板は、交流電圧の出力をオン/オフするスイッチ部を有し、メイン基板は、第4接続線を介して、スイッチ部のオン/オフを切り替える、ことを特徴とする。
【0015】
これにより、第4接続線の中に、スイッチ部のオン/オフを切り替える信号を含ませることが可能になる。
【0016】
また、メイン基板と第2電源基板とは、第4接続線により接続され、第2電源基板は、交流電圧を直流電圧に変換するAC-DC変換回路、を有し、本体筐体の一方の側面側に商用電源から交流電圧が入力され、直流電圧を本体筐体の他方の側面側に出力し、直流電圧は、本体筐体の他方の側面側にあるメイン基板に第4接続線により供給される、ことを特徴とする。
【0017】
これにより、 これにより、第4接続線の長さを短くすることができる。
【0018】
また、第1接続線は、複数の信号を送受信可能な第1ハーネスであり、複数の信号は、コントローラがプロセス部を制御するための第1信号と、コントローラが定着装置を制御するための第2信号と、を少なくとも含み、第2接続線は、第2信号を送受信可能な第2ハーネスであり、メイン基板と定着装置とは、第2信号を、定着コネクタと本体コネクタと第2ハーネスと電源基板と第1ハーネスとを経由して、送受信する、ことを特徴とする。
【0019】
これにより、1本の第1ハーネスに第1信号と第2信号とを含む複数の信号を含ませることができるとともに、1本の第2ハーネスに第2信号を含む複数の信号を含ませることができるので、ハーネスの本数を削減することができる。
【0020】
また、定着装置は、加熱部の温度に応じた温度信号を出力する温度センサ、を有し、温度センサから出力された温度信号は、定着コネクタと本体コネクタと第2ハーネスと電源基板と第1ハーネスとを経由して、メイン基板に伝達される、ことを特徴とする。
【0021】
これにより、メイン基板と本体コネクタとを接続する接続線の経路が不要となるため、本体筐体を小型化することが可能となる。
【0022】
また、第1接続線は、フラットケーブルである、ことを特徴とする。
【0023】
これにより、ケーブルの通り道の体積を可及的に減少させて、定着筐体の大きさを抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本願の一実施形態に係るカラーレーザプリンタの概略構成を示す断面図である。
図2図1のカラーレーザプリンタのリアカバーを開けた状態を示す斜視図である。
図3図2の状態から定着装置を引き出した状態を示す斜視図である。
図4】本体コネクタの拡大斜視図である。
図5図1のカラーレーザプリンタの内部構成を模式的に示す上面図である。
図6】本体フレームの概略構成を模式的に示す斜視図である。
図7】本体筐体内の第1接続線の配置の一例を示す斜視図である。
図8】本体筐体内の基板と定着装置内の基板との間の電源電圧を含む一部信号の伝達経路を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0026】
図1は、本願の一実施形態に係るカラーレーザプリンタ1の概略構成を示す断面図である。カラーレーザプリンタ1は、画像形成装置の一例である。以下、カラーレーザプリンタ1をプリンタ1と略して言う。プリンタ1は、本体筐体2と、搬送部3と、プロセス部4と、定着装置9とを備えている。以下、説明の便宜上、図1の矢印で示されるように、プリンタ1の上下方向、及び前後方向を定義する。また、紙面のこちら側を右と、紙面の向こう側を左と定義する。
【0027】
本体筐体2は、フロントカバー21と、リアカバー12と、供給トレイ31と、排出トレイ22と、第1~第3搬送経路25~27とを有している。フロントカバー21は、本体筐体2の前部に設けられたフロント開口2Aを開閉するカバーであり、本体筐体2の前面に開閉可能な状態で取り付けられている。リアカバー12は、本体筐体2の後部に設けられたリア開口2Bを開閉するカバーであり、本体筐体2の後面に開閉可能な状態で取り付けられている。供給トレイ31は、本体筐体2の下部に着脱可能な状態で取り付けられている。供給トレイ31には、シートSが載置される。シートSは、A4サイズ等の定型シートである。シートSは、例えば、普通紙、厚紙等の紙媒体であるが、これに限らず、OHPフィルムであってもよい。排出トレイ22は、本体筐体2の上部に設けられ、排出トレイ22には、画像が形成されたシートSが載置される。
【0028】
搬送部3は、ピックアップローラ33、分離ローラ34、レジストレーションローラ35、第1搬送ローラ36、第2搬送ローラ37、第1スイッチバックローラ38、第2スイッチバックローラ39、複数の第3搬送ローラ40、フラッパ30、及びメインモータ106(図6参照)を有している。第2搬送経路26の一部は、閉じた状態のリアカバー12によって形成されている。
【0029】
ピックアップローラ33は、シート押圧板32により上方に押し上げられた供給トレイ31内のシートSをピックアップして、第1搬送経路25に向けて搬送する。分離ローラ34は、ピックアップローラ33がピックアップしたシートSを1枚ずつ分離する。
【0030】
レジストレーションローラ35は、第1搬送経路25においてプロセス部4よりも上流側に配置されている。レジストレーションローラ35は、シートSの前端の方向を揃えた後、シートSをプロセス部4へ向けて搬送する。このレジストレーションローラ35がシートを搬送する搬送方向は、前方から後方に向かう方向である。
【0031】
搬送部3は、シートSを本体筐体2外に搬送する場合において、リアカバー12が閉じられている場合、プロセス部4から搬送されるシートSを第1搬送ローラ36によって搬送し、フラッパ30(30A)によって第1搬送経路25に案内する。その後、搬送部3は、第1搬送経路25に案内されたシートSを第2搬送ローラ37及び第1スイッチバックローラ38によって搬送し、排出トレイ22上に排出する。
【0032】
また、搬送部3は、シートSを本体筐体2外に搬送する場合において、リアカバー12が開かれている場合、プロセス部4から搬送されるシートSを第1搬送ローラ36によって搬送し、仮想線で示す位置に揺動したフラッパ30(30B)によって後方に向けて案内し、リア開口2Bを通して開いた状態のリアカバー12上に排出する。プリンタ1は、リアカバー12が開いた状態でもシートSへの画像形成が可能であり、リアカバー12は、開いた状態で、画像が形成されたシートSをリア開口2Bから排出可能とするカバーである。
【0033】
また、搬送部3は、シートSを再びプロセス部4に搬送する場合、プロセス部4から搬送されるシートSを第1搬送ローラ36によって搬送し、フラッパ30によって第1搬送経路25又は第2搬送経路26に案内する。シートSを第1搬送経路25に案内した場合、搬送部3は、第1搬送経路25内のシートSを第2搬送ローラ37及び第1スイッチバックローラ38によって第3搬送経路27に搬送する。また、シートSを第2搬送経路26に案内した場合、搬送部3は、第2搬送経路26内のシートSを第2スイッチバックローラ39によって第3搬送経路27に搬送する。
【0034】
第3搬送経路27に搬送されたシートSは、第3搬送ローラ40及びレジストレーションローラ35等によって再びプロセス部4に供給される。その後、シートSは、プロセス部4で画像が形成された後、搬送部3によって排出トレイ22上に排出される。
【0035】
プロセス部4は、シートSに画像を形成する機能を有し、トナー像をシートSに転写する。プロセス部4は、露光部5と、ドラムユニット6と、4つの現像カートリッジ7Y,7M,7C,7Kと、転写ユニット8とを備えている。
【0036】
露光部5は、本体筐体2内の上部に配置され、図示しない光源、ポリゴンミラー、レンズ、反射鏡などを備えている。露光部5は、一点鎖線で示す光ビームを感光体ドラム61の表面に出射することで、感光体ドラム61の表面を露光する。
【0037】
ドラムユニット6は、本体筐体2内において供給トレイ31と露光部5との間に配置され、4つの感光体ドラム61と、4つの帯電器62と、ピンチローラ64と、感光体ドラム61などを支持する支持フレーム65とを備えている。ドラムユニット6は、フロントカバー11が開いた状態で、本体筐体2に対してフロント開口2Aを通して着脱可能である。ピンチローラ64は、レジストレーションローラ35と対向している。ピンチローラ64は、レジストレーションローラ35の回転に従動して回転し、レジストレーションローラ35とともにシートSを搬送する。
【0038】
現像カートリッジ7Y,7M,7C,7Kは、それぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色に対応し、プリンタ1の前方から後方に向かってこの順序で、ドラムユニット6に着脱可能に装着されている。現像カートリッジ7Y,7M,7C,7Kは、それぞれ、現像ローラ71と、供給ローラ72と、トナー収容部73とを備えている。なお、各現像カートリッジ7Y,7M,7C,7Kは、トナーの色は異なるものの、その他の構成は同じであるので、以下、いずれか1つを代表させて、現像カートリッジ7と表記する場合もある。
【0039】
転写ユニット8は、本体筐体2内において供給トレイ31とドラムユニット6との間に配置され、駆動ローラ81と、従動ローラ82と、搬送ベルト83と、4つの転写ローラ84とを備えている。搬送ベルト83は、駆動ローラ81と従動ローラ82との間に架け渡されており、上側の面が感光体ドラム61と接触している。4つの転写ローラ84は、搬送ベルト83の内側において、対応する感光体ドラム61との間で搬送ベルト83を挟むように配置されている。
【0040】
定着装置9は、本体筐体2内においてプロセス部4の後方に配置されている。詳細には、定着装置9は、閉じた状態のリアカバー12とプロセス部4との間に配置されている。定着装置9は、シートSを加熱する加熱ローラ91と、加熱ローラ91との間でシートSを挟む加圧部92とを有している。本実施形態では、加熱ローラ91は、その内部に加熱ローラ91を加熱するヒータ93を有している。加圧部92は、符号を省略して示すエンドレスベルト、加熱ローラ91との間でエンドレスベルトを挟む押圧パッド、押圧パッドを支持するホルダ、ベルトガイドなどを有している。
【0041】
プロセス部4は、帯電器62によって感光体ドラム61の表面を一様に帯電し、露光部5によって感光体ドラム61の表面を露光することで、感光体ドラム61の表面に静電潜像を形成する。また、プロセス部4は、トナー収容部73内のトナーを供給ローラ72に供給し、供給ローラ72から現像ローラ71に供給する。現像ローラ71に供給されたトナーは、現像ローラ71の回転に伴って現像ローラ71上に担持される。
【0042】
プロセス部4は、現像ローラ71上に担持されたトナーを感光体ドラム61上に形成された静電潜像に供給することで、感光体ドラム61の表面にトナー像を形成する。その後、プロセス部4は、搬送部3により供給トレイ31から供給されたシートSを感光体ドラム61と搬送ベルト83との間で搬送することで感光体ドラム61上のトナー像をシートSに転写する。その後、プロセス部4は、シートSを定着装置9に搬送する。
【0043】
定着装置9は、加熱ローラ91と加圧部92との間でシートSを搬送することでシートSに転写されたトナー像をシートSに定着してシートSに画像を形成する。
【0044】
プリンタ1は、本体筐体2内に、定着ファン13と、定着温度センサTHとをさらに備えている。
【0045】
定着ファン13は、駆動したときに本体筐体2内の空気を本体筐体2外に排出するように設けられている。
【0046】
定着温度センサTHは、定着装置9、詳しくは、加熱ローラ91の温度に応じた信号を出力する温度センサである。定着温度センサTHは、定着装置9に設けられ、加熱ローラ91と非接触の状態で対向して配置されている。定着温度センサTHとしては、例えば、非接触式のサーミスタなどを用いることができる。
【0047】
定着装置9は、リアカバー12を開くことで開放される本体筐体2のリア開口2Bを通して、本体筐体2に着脱できるようになっている。図2は、リアカバー12を開いた状態を示している。図2に示すように、定着装置9は、定着筐体120と、固定ハンドル130と、レバー140とを備えている。固定ハンドル130は、定着筐体120の左右両端部にそれぞれ設けられ、各固定ハンドル130にレバー140が取り付けられている。
【0048】
ユーザは、各レバー140を把持しつつ、各固定ハンドル130を後方に引くと、図3に示すように、定着装置9を本体筐体2から離脱させることができる。このとき、定着装置9に設けられた定着コネクタ160も、本体筐体2に設けられた本体コネクタ150から離脱する。つまり、定着コネクタ160と本体コネクタ150とは、定着装置9が本体筐体2に装着されると接続され、定着装置9が本体筐体2から離脱すると離脱する。
【0049】
図4は、図3における本体筐体2の右側面側に配置された本体コネクタ150の拡大斜視図である。図4に示すように、本体コネクタ150は、上下に並んで配置された位置決めピン151A,151Bと、複数のコンタクト152を備えたソケット部153とにより構成されている。一方、定着コネクタ160は、その詳しい構成は図示しないが、位置決めピン151A,151Bが挿入される凹部と、各コンタクト152と接触するコンタクトを備えたプラグ部とにより構成されている。
【0050】
次に、図5及び図6を用いて、プリンタ1の内部構成について説明する。なお、図5及び図6では、本実施形態を説明する上で必要となる構成部品を主として記載することとし、プリンタ1のその他の構成部品は省略されている。
【0051】
図5に示すように、プリンタ1は、本体筐体2の内部に、金属フレーム48と、第1樹脂フレーム49Aと、第2樹脂フレーム49Bとを備えている。
【0052】
図6に示すように、第1樹脂フレーム49Aと第2樹脂フレーム49Bと支持フレーム49Cとは、本体フレーム49を構成する。そして、第1樹脂フレーム49Aと第2樹脂フレーム49Bとは、支持フレーム49Cを介して連結されている。ここで、対向する第1樹脂フレーム49A及び第2樹脂フレーム49Bの各頂点同士を結ぶと直方体形状となっている。以下、この直方体形状の内部を本体フレーム49の内部と言い、この直方体形状の外部を本体フレーム49の外部と言う。なお、金属フレーム48は、接地されている。また、第1樹脂フレーム49A、第2樹脂フレーム49B及び支持フレーム49Cは、樹脂製であるが、樹脂製ではなく、例えば金属製等の他の素材で製造されていてもよい。
【0053】
本体フレーム49の内部には、図5に示すように、現像ローラ71Y~71K、感光体ドラム61Y~61K、定着装置9、及びAC-DC電源基板112が配置されている。
【0054】
第1樹脂フレーム49Aには、感光体ドラム61Y~61Kのそれぞれに対応したギア50Y~50Kが設けられている。ギア50Y~50Kのそれぞれは、軸51Y~51Kを有している。各軸51Y~51Kは、左右方向に第1樹脂フレーム49Aに挿通されており、その各先端が感光体ドラム61Y~61Kに取り付けられている。
【0055】
金属フレーム48の左側面には、図6に示すように、メイン基板100、メインモータ106及びプロセスモータ107が配置されている。つまり、メイン基板100、メインモータ106及びプロセスモータ107は、本体フレーム49の外部における左側に配置されている。なお、メインモータ106は、メインモータ基板106A上に搭載され、プロセスモータ107は、プロセスモータ基板107A上に搭載されている。また、メイン基板100とメインモータ基板106Aとは、第1モータハーネスMHR1を介して接続され、メイン基板100とプロセスモータ基板107Aとは、第2モータハーネスMHR2を介して接続されている。
【0056】
図5に示すように、プロセスモータ107は、金属フレーム48に設けられたプロセスモータ軸52を回転させて、プロセスモータ107の駆動力をギア50に伝達する。ギア50が駆動すると軸51が回転し、軸51の回転に従って感光体ドラム61及び現像ローラ71が回転する。
【0057】
第2樹脂フレーム49Bには、定着ファン13が配置され、第2樹脂フレーム49Bの右側面には、高圧電源基板114が配置されている。つまり、定着ファン13及び高圧電源基板114は、本体フレーム49における右側に配置されている。高圧電源基板114は、プロセス部4に現像電圧や帯電電圧等の高電圧を供給する。
【0058】
このように、本体フレーム49における左側は、モータ106,107やギア50等の駆動系が配置されているので、混雑している。しかし、メイン基板100は、モータ106,107の近くに配置する必要があるので、本体フレーム49における左側に配置せざるを得ない。これに対して、本体フレーム49における右側は、高圧電源基板114が配置されているものの、比較的余裕がある。このため、本体コネクタ150は、本体フレーム49の右側、つまり、本体筐体2の右側面側に配置している。これにより、定着コネクタ160の位置も必然的に決まり、定着装置9を本体筐体2に装着したときに、本体コネクタ150と嵌合する位置に配置される。つまり、定着コネクタ160は、図3における定着筐体120の右端部に配置される。
【0059】
図6に示すように、メイン基板100と高圧電源基板114とは、第1接続線CA1を介して接続されている。メイン基板100に搭載されたコントローラ101(図8参照)は、高圧電源基板114を制御するため、メイン基板100と高圧電源基板114との間で制御信号のやりとりをする必要がある。第1接続線CA1は、この制御信号を伝達するためのものである。制御信号は複数あるので、その複数の制御信号を伝達する信号線も複数ある。したがって、第1接続線CA1は、複数の信号線を束にしたハーネスにより構成されている。さらに、ケーブル形状として、フラットケーブルを採用している。フラットケーブルを採用したのは、ケーブルの通り道の容積を可及的に減少させて、定着筐体120の大きさを抑制するためである。
【0060】
なお、上述のように、メイン基板100は、本体フレーム49における左側に配置され、高圧電源基板114は、本体フレーム49における右側に配置されているので、メイン基板100と高圧電源基板114とを接続する第1接続線CA1は、本体フレーム49を左右に横断させる必要がある。
【0061】
図7は、第1接続線CA1を、本体筐体2内のどの位置を通って本体フレーム49の左右を横断させているかの一例を示している。図7の例では、第1接続線CA1を、本体筐体2内の天井面側に沿って、より詳しくは、本体筐体2内のプロセス部4の上方に配置させている。なお、第1接続線CA1の配置はこれに限らず、第1接続線CA1を、本体筐体2内の底面側に沿って、より詳しくは、供給トレイ31と搬送部3の下方に配置させるようにしてもよい。
【0062】
AC-DC電源基板112は、図6に示すように、本体フレーム49の内部の底面側の後方であって、定着装置9の下に、本体フレーム49の底面と平行かつ左右方向に横たわって配置している。AC-DC電源基板112は、AC-DC変換回路(図示せず)を有し、商用電源が供給する交流電圧、例えばAC100Vが入力され、このAC100VをAC-DC変換回路により直流電圧、例えばDC24Vに変換する。AC-DC電源基板112は、第4接続線CA4を介してメイン基板100と接続され、生成したDC24Vをメイン基板100に出力する。
【0063】
メイン基板100は、DC-DC変換回路(図示せず)を有し、AC-DC電源基板112からのDC24VをDC-DC変換回路により、例えばDC3.3Vに変換する。このDC3.3Vは、メイン基板100に搭載されている各種電子部品を駆動するための電圧である。ただし、他の直流電圧値、例えばDC5V等で駆動される電子部品がある場合には、DC-DC変換回路を複数設け、DC3.3Vに加えて、DC5V等を生成するようにしてもよい。
【0064】
また、AC-DC電源基板112は、本体コネクタ150と第3接続線CA3を介して接続され、インレット200(図8参照)と第5接続線CA5を介して接続されている。第3接続線CA3を介して、AC-DC電源基板112から定着装置9へ、商用電圧が供給される。インレット200は、商用電圧を入力するためのものであり、第5接続線CA5を介して、インレット200からAC-DC電源基板112へ商用電圧が入力される。なお、インレット200は、第2樹脂フレーム49Bの後端部に設けられている。したがって、AC-DC電源基板112には、本体筐体2の右側面側に商用電源から交流電圧が入力され、直流電圧を本体筐体2の左側面側に出力し、直流電圧は、本体筐体2の左側面側にあるメイン基板100に第4接続線CA4により供給される。メイン基板100は、供給される直流電圧によって駆動する。
【0065】
図8は、定着装置9内の定着中継基板115と、本体筐体2内の各種基板100,112及び114との間の一部信号の伝達経路を示している。
【0066】
図8に示すように、メイン基板100には、コントローラ101が搭載されている。コントローラ101は、例えば、CPU、ROM、RAM及び入出力回路等を有し、ROM等に記憶されたプログラムやデータに基づいて各種演算処理を行うことによって、プロセス部4を含む装置全体の制御を実行する。
【0067】
メイン基板100は、高圧電源基板114と、メイン基板100側のコネクタ100A、第1接続線CA1及び高圧電源基板114側のコネクタ114Aを介して接続されている。高圧電源基板114は、本体コネクタ150と、高圧電源基板114側のコネクタ114B及び第2接続線CA2を介して接続されている。さらに、メイン基板100は、メイン基板100側のコネクタ100B、第4接続線CA4及びAC-DC電源基板112側のコネクタ112Cを介して接続されている。
【0068】
本体筐体2は、インレット200を備え、インレット200から供給された商用電圧は、AC-DC電源基板112側のコネクタ112Aを介して、AC-DC電源基板112に入力される。AC-DC電源基板112は、本体コネクタ150と、AC-DC電源基板112側のコネクタ112B及び第3接続線CA3を介して接続されている。
【0069】
本体コネクタ150は、定着コネクタ160と接続されている。定着コネクタ160は、定着中継基板115と、定着中継基板115側のコネクタ115Aを介して接続されている。定着装置9は、上述のように、ヒータ93を備えている。ヒータ93は、図8の例では、2本のヒータ93A,93Bにより構成されている。各ヒータ93A,93Bには、インレット200から供給された商用電圧、例えばAC100Vが、AC-DC電源基板112、第3接続線CA3、本体コネクタ150及び定着コネクタ160を経由して供給される。
【0070】
各ヒータ93A,93Bは、このようにして供給されたAC100Vにより加熱される。なお、AC100Vが各ヒータ93A,93Bに供給される経路には、各ヒータ93A,93Bが過加熱防止用のサーモスタット94が設けられている。各ヒータ93A,93BにAC100Vが供給されているとき、コントローラ101は、各ヒータ93A,93Bに供給されるAC100Vのオン/オフタイミングを制御することで、各ヒータ93A,93Bの加熱温度を制御する。そして、この加熱温度を制御するために、上述のように定着温度センサTHが設けられている。定着温度センサTHは、図8の例では、3つの温度センサTH1~TH3により構成されている。温度センサTH1~TH3はそれぞれ、左右方向に長い加熱ローラ91の左端部、中央部及び右端部の温度を検出できる位置に配置されている。
【0071】
加熱ローラ91の左右両端部の温度を検出する温度センサTH1,TH2には、定着中継基板115からDC3.3Vが供給され、温度センサTH1,TH2は、このDC3.3Vで動作する。一方、加熱ローラ91の中央部の温度を検出する温度センサTH2には、DC1.8Vが供給され、温度センサTH2は、このDC1.8Vで動作する。このように、温度センサTH1~TH3として、動作電圧の異なるものを用いた一つの理由は、プリンタ1の動作モードがスリープモードに移ると、DC3.3Vの供給は停止されるのに対して、DC1.8Vの供給は維持されるので、スリープモードに移ったときでも、一部の温度センサTH2を動作させておきたいからである。
【0072】
上述のように、メイン基板100のコントローラ101が、各ヒータ93A,93Bの加熱温度の制御を行う。このため、温度センサTH1~TH3がそれぞれ検出した温度に係る信号THM1~THM3、つまり、定着装置9内で検出した信号THM1~THM3を、定着装置9からメイン基板100に伝達する必要がある。この場合、[発明が解決しようとする課題]の欄で上述したように、本体コネクタ150とメイン基板100とを接続する接続線を新設する必要がある。しかし、本体コネクタ150は、本体筐体2の右側面側に配置され、メイン基板100は、本体筐体2の左側面側に配置されているので、新設する接続線は、第1接続線CA1と同様に、本体フレーム49を左右に横断させるものである必要がある。しかし、第1接続線CA1に加えて、同様の接続線を配置する余裕が本体筐体2内には乏しい。そこで、第1接続線CA1内に、定着装置9内で検出した信号THM1~THM3を伝達する信号線を含めるようにした。これにより、本体コネクタ150と、本体コネクタ150の近くに配置されている高圧電源基板114とを接続する短い接続線、つまり第2接続線CA2を新設するだけで、定着装置9内で検出した信号THM1~THM3をメイン基板100に伝達することが可能になる。
【0073】
図8に示すように、信号THM1~THM3は、定着中継基板115、定着コネクタ160、本体コネクタ150、第2接続線CA2、高圧電源基板114及び第1接続線CA1を経由して、メイン基板100に伝達される。メイン基板100のコントローラ101は、温度センサTH1~TH3からの信号THM1~THM3に基づいて、各ヒータ93A,93Bに供給するAC100Vのオン/オフタイミングを制御する。なお、第2接続線CA2にも、第1接続線CA1と同様に、複数の信号線により複数の信号が伝達されるので、第2接続線CA2も、第1接続線CA1と同様に、複数の信号線を束にしたハーネスにより構成されている。
【0074】
AC-DC電源基板112には、各ヒータ93A,93Bに供給するAC100Vのオン/オフを実行するオン/オフ回路、具体的には、トライアック(図示せず)等を含む回路が設けられている。また、AC-DC電源基板112には、AC100Vの入力をオン/オフさせるリレー(図示せず)も設けられている。そして、オン/オフ回路の制御もリレーの制御も、コントローラ101が実行する。このため、オン/オフ回路及びリレーの各制御信号を伝達する制御線は、メイン基板100とAC-DC電源基板112とを接続する第4接続線CA4に含まれる。さらに、AC-DC電源基板112は、上述のように、生成したDC24Vをメイン基板100に伝達するので、その電源線も、第4接続線CA4に含まれる。
【0075】
なお、図8では、温度センサTH1~TH3がそれぞれ検出した温度に係る信号THM1~THM3を定着装置9とメイン基板100との間で伝達することを中心に説明したので、第1接続線CA1を流れる信号としては、信号THM1~THM3(「第2信号」に対応)と電源電圧のみを例に挙げたが、第1接続線CA1を流れる信号には、この他に、プロセス部4を制御するための信号(「第1信号」に対応)も流れることは言うまでもない。
【0076】
以上説明したように、本実施形態のプリンタ1は、本体筐体2と、シートSに現像剤像を形成するプロセス部4と、本体筐体2の右側面側に配置された本体コネクタ150と、シートSに形成された現像剤像を熱定着する、本体筐体2に着脱可能な定着装置9であって、ヒータ93を有する加熱ローラ91と、加熱ローラ91との間でシートSを圧接する加圧部92と、定着装置9が本体筐体2に装着されたときに本体コネクタ150と接続される定着コネクタ160と、を有する定着装置9と、プロセス部4に印加する電圧を生成する高圧電源基板114であって、右側面側に、基板面と右側面とが平行になるように配置された高圧電源基板114と、プロセス部4を制御するコントローラ101を有するメイン基板100であって、右側面と対向する左側面側に、基板面と左側面とが平行になるように配置されたメイン基板100と、を備えている。
【0077】
そして、定着コネクタ160は、定着装置9が本体筐体2に装着されたときに、右側面側に配置され、メイン基板100と高圧電源基板114とは、本体筐体2内の天井面側又は底面側に沿って配置された第1接続線により接続され、高圧電源基板114と本体コネクタ150とは、第2接続線CA2により接続され、メイン基板100は、第1接続線CA1と高圧電源基板114と第2接続線CA2と本体コネクタ150と定着コネクタ160とを経由して、定着装置9と接続される、ことを特徴とする。
【0078】
このように、本実施形態のプリンタ1では、メイン基板100は、第1接続線CA1と高圧電源基板114と第2接続線CA2と本体コネクタ150と定着コネクタ160とを経由して定着装置9と接続されるので、メイン基板100と本体コネクタ150とを接続する接続線を省略することが可能となる。これにより、メイン基板100と本体コネクタ150とを接続する接続線の経路が不要となるため、本体筐体を小型化することが可能となる。
【0079】
また、プロセス部4は、感光体ドラム61と、感光体ドラム61を帯電させる帯電器62と、本体筐体2内の天井面側に配置され、帯電器62により帯電された感光体ドラム61に静電潜像を形成する露光部5と、を有し、第1接続線CA1は、本体筐体2内のプロセス部4の上方に配置されている、ことを特徴とする。
【0080】
これにより、第1接続線CA1を本体筐体2内の空き空間に配置したので、本体筐体2の大きさが拡大することを抑制することが可能となる。
【0081】
また、プリンタ1は、シートSを載置する供給トレイ31と、供給トレイ31からシートSをプロセス部4に搬送する搬送部3と、をさらに備え、第1接続線CA1は、供給トレイ31と搬送部3の下方に配置されている、ことを特徴とする。
【0082】
これにより、第1接続線CA1を本体筐体2内の空き空間に配置したので、本体筐体2の大きさが拡大することを抑制することが可能となる。
【0083】
また、プリンタ1は、商用電源から供給される交流電圧が入力され、ヒータ93に対して、本体コネクタ150と定着コネクタ160とを経由して交流電圧を出力するAC-DC電源基板112、をさらに備え、AC-DC電源基板112の基板面は、本体筐体2の底面に対して平行に配置され、基板面の一方の側面側と本体コネクタ150とは第3接続線により接続される、ことを特徴とする。
【0084】
これにより、第3接続線CA3の長さを短くすることができる。
【0085】
また、メイン基板100とAC-DC電源基板112とは、第4接続線CA4により接続され、AC-DC電源基板112は、交流電圧の出力をオン/オフするスイッチ部を有し、メイン基板100は、第4接続線CA4を介して、スイッチ部のオン/オフを切り替える、ことを特徴とする。
【0086】
これにより、第4接続線CA4の中に、スイッチ部のオン/オフを切り替える信号を含ませることが可能になる。ちなみに、トライアックとリレーは、「スイッチ部」の一例である。
【0087】
また、メイン基板100とAC-DC電源基板112とは、第4接続線CA4により接続され、AC-DC電源基板112は、交流電圧を直流電圧に変換するAC-DC変換回路、を有し、本体筐体2の右側面側に商用電源から交流電圧が入力され、直流電圧を本体筐体2の左側面側に出力し、直流電圧は、本体筐体2の左側面側にあるメイン基板100に第4接続線CA4により供給される、ことを特徴とする。
【0088】
これにより、第4接続線CA4の長さを短くすることができる。
【0089】
また、第1接続線CA1は、複数の信号を送受信可能な第1ハーネスであり、複数の信号は、コントローラ101がプロセス部4を制御するための第1信号と、コントローラ101が定着装置9を制御するための第2信号と、を少なくとも含み、第2接続線CA2は、第2信号を送受信可能な第2ハーネスであり、メイン基板100と定着装置9とは、第2信号を、定着コネクタ160と本体コネクタ150と第2ハーネスと高圧電源基板114と第1ハーネスとを経由して、送受信する、ことを特徴とする。
【0090】
これにより、1本の第1ハーネスに第1信号と第2信号とを含む複数の信号を含ませることができるとともに、1本の第2ハーネスに第2信号を含む複数の信号を含ませることができるので、ハーネスの本数を削減することができる。
【0091】
また、定着装置9は、加熱ローラ91の温度に応じた温度信号を出力する定着温度センサTH、を有し、定着温度センサTHから出力された温度信号は、定着コネクタ160と本体コネクタ150と第2ハーネスと高圧電源基板114と第1ハーネスとを経由して、メイン基板100に伝達される、ことを特徴とする。
【0092】
これにより、メイン基板100と本体コネクタ150とを接続する接続線の経路が不要となるため、本体筐体を小型化することが可能となる。
【0093】
また、第1接続線CA1は、フラットケーブルである、ことを特徴とする。
【0094】
これにより、ケーブルの通り道の体積を可及的に減少させて、定着筐体120の大きさを抑制することが可能となる。
【0095】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0096】
(1)上記実施形態では、画像形成装置の一例として、カラーレーザプリンタ1を挙げて説明したが、これに限らず、モノクロレーザプリンタであってもよい。また、プリンタに限らず、複合機やコピー機であってもよい。
【0097】
(2)上記実施形態では、本体筐体2の一方の側面側として、「右側面側」を例に挙げたが、これは、本体コネクタ150と定着コネクタ160を配置する余裕のある側面側が右側面側であるためにそのようにしたに過ぎない。つまり、本体コネクタ150と定着コネクタ160を配置する余裕のある側面側が左側面側であれば、本体筐体2の一方の側面側を「左側面側」とすればよい。
【符号の説明】
【0098】
1…カラーレーザプリンタ(画像形成装置)、2…本体筐体、3…搬送部、4プロセス部、5…露光部、9…定着装置、12…リアカバー、2B…リア開口、31…供給トレイ、61…感光体ドラム、62…帯電器、91…加熱ローラ(加熱部)、92…加圧部、93…ヒータ、100…メイン基板、101…コントローラ、112…AC-DC電源基板(第2電源基板)、114…高圧電源基板(電源基板)、CA1~CA5…第1~第5接続線、TH…定着温度センサ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8