(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143564
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/00 20060101AFI20241003BHJP
G03G 21/16 20060101ALI20241003BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20241003BHJP
H02M 7/00 20060101ALI20241003BHJP
H02M 3/00 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
G03G15/00 680
G03G21/16 152
G03G21/16 104
G03G21/00 398
H02M7/00 Z
H02M3/00 Y
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023056310
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】辻本 嘉之
(72)【発明者】
【氏名】荒木 寿則
(72)【発明者】
【氏名】田中 伸征
【テーマコード(参考)】
2H171
2H270
5H006
5H730
【Fターム(参考)】
2H171FA01
2H171FA02
2H171FA03
2H171FA05
2H171FA19
2H171FA28
2H171GA23
2H171HA22
2H171HA37
2H171JA12
2H171JA15
2H171JA51
2H171KA13
2H171LA04
2H171MA02
2H171MA03
2H171MA04
2H171MA05
2H171MA07
2H171MA12
2H171MA13
2H171MA17
2H171MA18
2H171NA01
2H171QA04
2H171QA08
2H171QB03
2H171QB15
2H171QB32
2H171QC03
2H171QC38
2H171SA10
2H171SA13
2H171SA19
2H171WA13
2H171WA17
2H270KA46
2H270MF02
2H270MG01
5H006DB01
5H006HA05
5H730AS05
5H730CC01
5H730ZZ01
5H730ZZ04
(57)【要約】
【課題】DC-DCコンバータの発熱などの影響をコントローラに与えないようにすることができる技術を提供する。
【解決手段】プリンタ1は、画像形成部4と、商用電源が供給する交流電圧が入力され、その交流電圧を第1直流電圧に変換するAC-DCコンバータ112Aを有するAC-DC電源基板112と、画像形成部4を制御するASIC105を有するメイン基板と、第1直流電圧からASIC105が動作するための第2直流電圧に変換するDC-DCコンバータ113Aを有するDC-DC電源基板113と、を備えている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成部と、
商用電源が供給する交流電圧が入力され、その交流電圧を第1直流電圧に変換するAC-DCコンバータを有するAC-DC電源基板と、
前記画像形成部を制御するコントローラを有するメイン基板と、
前記第1直流電圧から前記コントローラが動作するための第2直流電圧に変換するDC-DCコンバータを有するDC-DC電源基板と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記AC-DC電源基板は、第1接続線によって前記DC-DC電源基板と接続され、
前記DC-DC電源基板は、第2接続線によって前記メイン基板と接続され、
前記AC-DCコンバータは、
前記第1直流電圧を、前記第1接続線を経由して前記DC-DCコンバータに出力し、
前記DC-DCコンバータは、
前記第2直流電圧を、前記第2接続線を経由して前記コントローラに出力する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
本体筐体、をさらに備え、
前記画像形成部は、
ヒータを有し、前記ヒータの加熱により現像剤像をシートに定着させる定着部、を有し、
前記メイン基板と前記DC-DC電源基板とは、その各基板面が前記本体筐体の一方の側の側面に対して平行に配置され、前記DC-DC電源基板は、前記メイン基板より下側に配置され、
前記AC-DC電源基板は、
前記定着部より下側に配置され、前記第1接続線によって前記DC-DC電源基板の下側と接続され、
前記DC-DC電源基板は、
前記第2接続線によって前記メイン基板の下側と接続され、前記第2接続線は、前記第1接続線より短い、
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記メイン基板は、前記第1直流電圧に基づいて前記画像形成部を駆動する駆動回路を有し、
前記AC-DC電源基板はさらに、第1駆動電圧線によって前記メイン基板と接続され、
前記AC-DCコンバータはさらに、前記第1直流電圧を、前記第1駆動電圧線を経由して前記駆動回路に出力する、
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記DC-DC電源基板は、第2接続線によって前記メイン基板と接続され、
前記AC-DC電源基板は、第3接続線によって前記メイン基板と接続され、
前記メイン基板は、第4接続線によって前記DC-DC電源基板と接続され、
前記メイン基板はさらに、前記第3接続線と前記第4接続線とを接続する第1中継配線を有し、
前記AC-DCコンバータは、
前記第1直流電圧を、前記第3接続線と、前記第1中継配線と、前記第4接続線とを経由して、前記DC-DCコンバータに出力し、
前記DC-DCコンバータは、
前記第2直流電圧を、前記第2接続線を経由して前記コントローラに出力する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記メイン基板は、前記第1直流電圧に基づいて前記画像形成部を駆動する駆動回路を有し、
前記AC-DC電源基板はさらに、第1駆動電圧線によって前記メイン基板と接続され、
前記AC-DCコンバータはさらに、前記第1直流電圧を、前記第1駆動電圧線を経由して前記駆動回路に出力し、
前記画像形成装置はさらに、
前記AC-DC電源基板と前記DC-DC電源基板とを接続する第1ハーネスであって、前記第3接続線と前記第1駆動電圧線とを合わせた第1ハーネスと、
前記DC-DC電源基板と前記メイン基板とを接続する第2ハーネスであって、前記第2接続線と前記第4接続線とを合わせた第2ハーネスと、
を備えたことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記DC-DC電源基板は、制御線によって前記メイン基板と接続され、
前記コントローラは、前記制御線を経由して前記DC-DCコンバータに対して、前記DC-DCコンバータをオン/オフ制御するオン/オフ信号を出力し、
前記第2ハーネスは、
前記第2接続線と前記第4接続線と前記制御線とを合わせている、
ことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記メイン基板は、前記画像形成部に対して前記第1直流電圧を出力し、前記第1直流電圧に基づいて前記画像形成部を駆動する駆動回路を有し、
前記AC-DC電源基板は、第1接続線によって前記DC-DC電源基板と接続され、
前記DC-DC電源基板は、第2接続線と、第2駆動電圧線と、によってそれぞれ前記メイン基板と接続され、
前記AC-DCコンバータは、
前記第1直流電圧を、前記第1接続線を経由して前記DC-DCコンバータに出力し、
前記DC-DCコンバータは、
前記第2直流電圧を、前記第2接続線を経由して前記コントローラに出力し、
前記DC-DC電源基板はさらに、
前記第1接続線と前記第2駆動電圧線とを接続する第2中継配線を有し、
前記AC-DCコンバータは、
前記第1接続線と、前記第2中継配線と、前記第2駆動電圧線とを経由して、前記駆動回路に対して前記第1直流電圧を出力する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項9】
本体筐体、をさらに備え、
前記画像形成部は、
ヒータを有し、前記ヒータの加熱により現像剤像をシートに定着させる定着部、を有し、
前記メイン基板と前記DC-DC電源基板とは、その各基板面が前記本体筐体の一方の側の側面に対して平行に配置され、前記DC-DC電源基板は、前記メイン基板より下側に配置され、
前記AC-DC電源基板は、
前記定着部より下側に配置され、第1接続線によって前記DC-DC電源基板の下側と接続されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記メイン基板と前記DC-DC電源基板の各基板面に対して平行に配置され、接地されている金属フレーム、をさらに備え、
前記メイン基板と前記DC-DC電源基板とは、前記金属フレームに取り付けられている、
ことを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記DC-DC電源基板を前記金属フレームに接地させるための接続は、前記DC-DC電源基板の中心位置でなされる、
ことを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、DC-DCコンバータを有する画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、低圧電源基板と、DC-DCコンバータ及び主制御回路を搭載したメイン基板とを備えた画像形成装置が記載されている。この画像形成装置では、低圧電源基板は、商用電源から供給された交流電圧を24Vの直流電圧に変換し、メイン基板に出力する。メイン基板のDC-DCコンバータは、低圧電源基板からの24Vの直流電圧を3.3Vの直流電圧に変換し、主制御回路に供給する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の画像形成装置では、DC-DCコンバータとコントローラとが同じメイン基板に搭載されているので、DC-DCコンバータの発熱がコントローラに影響を与える可能性があった。
【0005】
本願は、DC-DCコンバータの発熱などの影響をコントローラに与えないようにすることができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本願の画像形成装置は、画像形成部と、商用電源が供給する交流電圧が入力され、その交流電圧を第1直流電圧に変換するAC-DCコンバータを有するAC-DC電源基板と、画像形成部を制御するコントローラを有するメイン基板と、第1直流電圧からコントローラが動作するための第2直流電圧に変換するDC-DCコンバータを有するDC-DC電源基板と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
本願の画像形成装置によれば、メイン基板と独立したDC-DC電源基板を備えるようにしたので、DC-DCコンバータの発熱などの影響をコントローラに与えないようにすることができる。
【0008】
また、AC-DC電源基板は、第1接続線によってDC-DC電源基板と接続され、DC-DC電源基板は、第2接続線によってメイン基板と接続され、AC-DCコンバータは、第1直流電圧を、第1接続線を経由してDC-DCコンバータに出力し、DC-DCコンバータは、第2直流電圧を、第2接続線を経由してコントローラに出力する、ことを特徴とする。
【0009】
これにより、AC-DC電源基板もメイン基板と独立するようにしたので、DC-DCコンバータに加え、AC-DCコンバータの発熱などの影響をコントローラに与えないようにすることができる。
【0010】
また、本願の画像形成装置は、本体筐体、をさらに備え、画像形成部は、ヒータを有し、ヒータの加熱により現像剤像をシートに定着させる定着部、を有し、メイン基板とDC-DC電源基板とは、その各基板面が本体筐体の一方の側の側面に対して平行に配置され、DC-DC電源基板は、メイン基板より下側に配置され、AC-DC電源基板は、定着部より下側に配置され、第1接続線によってDC-DC電源基板の下側と接続され、DC-DC電源基板は、第2接続線によってメイン基板の下側と接続され、第2接続線は、第1接続線より短い、ことを特徴とする。
【0011】
このように、電流値の高い電流が流れる第2接続線の長さを短くしたので、第2接続線周辺の電子部品に与えるノイズを低減させることが可能となる。
【0012】
また、メイン基板は、第1直流電圧に基づいて画像形成部を駆動する駆動回路を有し、AC-DC電源基板はさらに、第1駆動電圧線によってメイン基板と接続され、AC-DCコンバータはさらに、第1直流電圧を、第1駆動電圧線を経由して駆動回路に出力する、ことを特徴とする。
【0013】
これにより、AC-DC電源基板から駆動回路に直接、第1直流電圧を出力することが可能となる。
【0014】
また、DC-DC電源基板は、第2接続線によってメイン基板と接続され、AC-DC電源基板は、第3接続線によってメイン基板と接続され、メイン基板は、第4接続線によってDC-DC電源基板と接続され、メイン基板はさらに、第3接続線と第4接続線とを接続する第1中継配線を有し、AC-DCコンバータは、第1直流電圧を、第3接続線と、第1中継配線と、第4接続線とを経由して、DC-DCコンバータに出力し、DC-DCコンバータは、第2直流電圧を、第2接続線を経由してコントローラに出力する、ことを特徴とする。
【0015】
この構成によっても、メイン基板からDC-DC電源基板を独立させているので、DC-DC電源基板の発熱などの影響をコントローラに与えないようにすることができる。
【0016】
また、メイン基板は、第1直流電圧に基づいて画像形成部を駆動する駆動回路を有し、AC-DC電源基板はさらに、第1駆動電圧線によってメイン基板と接続され、AC-DCコンバータはさらに、第1直流電圧を、第1駆動電圧線を経由して駆動回路に出力し、画像形成装置はさらに、AC-DC電源基板とDC-DC電源基板とを接続する第1ハーネスであって、第3接続線と第1駆動電圧線とを合わせた第1ハーネスと、DC-DC電源基板とメイン基板とを接続する第2ハーネスであって、第2接続線と第4接続線とを合わせた第2ハーネスと、を備えたことを特徴とする。
【0017】
これにより、AC-DC電源基板から駆動回路に直接、第1直流電圧を出力することが可能となる。さらに、AC-DC電源基板とDC-DC電源基板との間の複数の信号線を、1つの第1ハーネスに纏めることができるとともに、DC-DC電源基板とメイン基板との間の複数の信号線を、1つの第2ハーネスに纏めることができる。
【0018】
また、DC-DC電源基板は、制御線によってメイン基板と接続され、コントローラは、制御線を経由してDC-DCコンバータに対して、DC-DCコンバータをオン/オフ制御するオン/オフ信号を出力し、第2ハーネスは、第2接続線と第4接続線と制御線とを合わせている、ことを特徴とする。
【0019】
これにより、制御線も第2ハーネスの中に含めることができる。
【0020】
また、メイン基板は、画像形成部に対して第1直流電圧を出力し、第1直流電圧に基づいて画像形成部を駆動する駆動回路を有し、AC-DC電源基板は、第1接続線によってDC-DC電源基板と接続され、DC-DC電源基板は、第2接続線と、第2駆動電圧線と、によってそれぞれメイン基板と接続され、AC-DCコンバータは、第1直流電圧を、第1接続線を経由してDC-DCコンバータに出力し、DC-DCコンバータは、第2直流電圧を、第2接続線を経由してコントローラに出力し、DC-DC電源基板はさらに、第1接続線と第2駆動電圧線とを接続する第2中継配線を有し、AC-DCコンバータは、第1接続線と、第2中継配線と、第2駆動電圧線とを経由して、駆動回路に対して第1直流電圧を出力する、ことを特徴とする。
【0021】
これにより、AC-DC電源基板からDC-DC電源基板を経由して、駆動回路に第1直流電圧を出力することが可能となる。
【0022】
また、本願の画像形成装置は、本体筐体、をさらに備え、画像形成部は、ヒータを有し、ヒータの加熱により現像剤像をシートに定着させる定着部、を有し、メイン基板とDC-DC電源基板とは、その各基板面が本体筐体の一方の側の側面に対して平行に配置され、DC-DC電源基板は、メイン基板より下側に配置され、AC-DC電源基板は、定着部より下側に配置され、第1接続線によってDC-DC電源基板の下側と接続されている、ことを特徴とする。
【0023】
これにより、DC-DC電源基板とAC-DC電源基板の発熱などの影響をさらに一層、コントローラに与えないようにすることができる。
【0024】
また、本願の画像形成装置は、メイン基板とDC-DC電源基板の各基板面に対して平行に配置され、接地されている金属フレーム、をさらに備え、メイン基板とDC-DC電源基板とは、金属フレームに取り付けられている、ことを特徴とする。
【0025】
これにより、メイン基板から接地地点までの長さも、DC-DC電源基板から接地地点までの長さも、短く取ることができるので、メイン基板もDC-DC電源基板もノイズの影響を受け難くすることが可能となる。
【0026】
また、DC-DC電源基板を金属フレームに接地させるための接続は、DC-DC電源基板の中心位置でなされる、ことを特徴とする。
【0027】
これにより、DC-DCコンバータの動作時に発生した熱は、DC-DC電源基板の中心に集まり、その中心位置での接地のための接続を介して金属フレームに直ちに伝導するので、DC-DCコンバータに対する冷却効果を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本願の第1実施形態に係るカラーレーザプリンタの概略構成を示す断面図である。
【
図2】
図1のカラーレーザプリンタの内部構成を模式的に示す上面図である。
【
図3】本体フレームの概略構成を模式的に示す斜視図である。
【
図4】
図1のカラーレーザプリンタの制御構成を示すブロック図である。
【
図5】本願の第2実施形態に係るカラーレーザプリンタにおける本体フレームの概略構成を模式的に示す斜視図である。
【
図6】本願の第2実施形態に係るカラーレーザプリンタの制御構成を示すブロック図である。
【
図7】本願の第3実施形態に係るカラーレーザプリンタの制御構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0030】
(第1実施形態)
図1は、本願の第1実施形態に係るカラーレーザプリンタ1の概略構成を示す断面図である。カラーレーザプリンタ1は、画像形成装置の一例である。以下、カラーレーザプリンタ1をプリンタ1と略して言う。プリンタ1は、本体筐体2と、搬送部3と、画像形成部4と、定着部9とを備えている。以下、説明の便宜上、
図1の矢印で示されるように、プリンタ1の上下方向、及び前後方向を定義する。また、紙面のこちら側を右と、紙面の向こう側を左と定義する。
【0031】
本体筐体2は、フロントカバー21と、リアカバー12と、供給トレイ31と、排出トレイ22と、第1~第3搬送経路25~27とを有している。フロントカバー21は、本体筐体2の前部に設けられたフロント開口2Aを開閉するカバーであり、本体筐体2の前面に開閉可能な状態で取り付けられている。リアカバー12は、本体筐体2の後部に設けられたリア開口2Bを開閉するカバーであり、本体筐体2の後面に開閉可能な状態で取り付けられている。供給トレイ31は、本体筐体2の下部に着脱可能な状態で取り付けられている。供給トレイ31には、シートSが載置される。シートSは、A4サイズ等の定型シートである。シートSは、例えば、普通紙、厚紙等の紙媒体であるが、これに限らず、OHPフィルムであってもよい。排出トレイ22は、本体筐体2の上部に設けられ、排出トレイ22には、画像が形成されたシートSが載置される。
【0032】
搬送部3は、ピックアップローラ33、分離ローラ34、レジストレーションローラ35、第1搬送ローラ36、第2搬送ローラ37、第1スイッチバックローラ38、第2スイッチバックローラ39、複数の第3搬送ローラ40、フラッパ30、及びメインモータ106(
図4参照)を有している。第2搬送経路26の一部は、閉じた状態のリアカバー12によって形成されている。
【0033】
ピックアップローラ33は、シート押圧板32により上方に押し上げられた供給トレイ31内のシートSをピックアップして、第1搬送経路25に向けて搬送する。分離ローラ34は、ピックアップローラ33がピックアップしたシートSを1枚ずつ分離する。
【0034】
レジストレーションローラ35は、第1搬送経路25において画像形成部4よりも上流側に配置されている。レジストレーションローラ35は、シートSの前端の方向を揃えた後、シートSを画像形成部4へ向けて搬送する。このレジストレーションローラ35がシートを搬送する搬送方向は、前方から後方に向かう方向である。
【0035】
搬送部3は、シートSを本体筐体2外に搬送する場合において、リアカバー12が閉じられている場合、画像形成部4から搬送されるシートSを第1搬送ローラ36によって搬送し、フラッパ30(30A)によって第1搬送経路25に案内する。その後、搬送部3は、第1搬送経路25に案内されたシートSを第2搬送ローラ37及び第1スイッチバックローラ38によって搬送し、排出トレイ22上に排出する。
【0036】
また、搬送部3は、シートSを本体筐体2外に搬送する場合において、リアカバー12が開かれている場合、画像形成部4から搬送されるシートSを第1搬送ローラ36によって搬送し、仮想線で示す位置に揺動したフラッパ30(30B)によって後方に向けて案内し、リア開口2Bを通して開いた状態のリアカバー12上に排出する。プリンタ1は、リアカバー12が開いた状態でもシートSへの画像形成が可能であり、リアカバー12は、開いた状態で、画像が形成されたシートSをリア開口2Bから排出可能とするカバーである。
【0037】
また、搬送部3は、シートSを再び画像形成部4に搬送する場合、画像形成部4から搬送されるシートSを第1搬送ローラ36によって搬送し、フラッパ30によって第1搬送経路25又は第2搬送経路26に案内する。シートSを第1搬送経路25に案内した場合、搬送部3は、第1搬送経路25内のシートSを第2搬送ローラ37及び第1スイッチバックローラ38によって第3搬送経路27に搬送する。また、シートSを第2搬送経路26に案内した場合、搬送部3は、第2搬送経路26内のシートSを第2スイッチバックローラ39によって第3搬送経路27に搬送する。
【0038】
第3搬送経路27に搬送されたシートSは、第3搬送ローラ40及びレジストレーションローラ35等によって再び画像形成部4に供給される。その後、シートSは、画像形成部4で画像が形成された後、搬送部3によって排出トレイ22上に排出される。
【0039】
画像形成部4は、シートSに画像を形成する機能を有し、トナー像をシートSに転写する。画像形成部4は、露光ユニット5と、ドラムユニット6と、4つの現像カートリッジ7Y,7M,7C,7Kと、転写ユニット8とを備えている。
【0040】
露光ユニット5は、本体筐体2内の上部に配置され、図示しない光源、ポリゴンミラー、レンズ、反射鏡などを備えている。露光ユニット5は、一点鎖線で示す光ビームを感光体ドラム61の表面に出射することで、感光体ドラム61の表面を露光する。
【0041】
ドラムユニット6は、本体筐体2内において供給トレイ31と露光ユニット5との間に配置され、4つの感光体ドラム61と、4つの帯電器62と、ピンチローラ64と、感光体ドラム61などを支持する支持フレーム65とを備えている。ドラムユニット6は、フロントカバー11が開いた状態で、本体筐体2に対してフロント開口2Aを通して着脱可能である。ピンチローラ64は、レジストレーションローラ35と対向している。ピンチローラ64は、レジストレーションローラ35の回転に従動して回転し、レジストレーションローラ35とともにシートSを搬送する。
【0042】
現像カートリッジ7Y,7M,7C,7Kは、それぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色に対応し、プリンタ1の前方から後方に向かってこの順序で、ドラムユニット6に着脱可能に装着されている。現像カートリッジ7Y,7M,7C,7Kは、それぞれ、現像ローラ71と、供給ローラ72と、トナー収容部73とを備えている。なお、各現像カートリッジ7Y,7M,7C,7Kは、トナーの色は異なるものの、その他の構成は同じであるので、以下、いずれか1つを代表させて、現像カートリッジ7と表記する場合もある。
【0043】
転写ユニット8は、本体筐体2内において供給トレイ31とドラムユニット6との間に配置され、駆動ローラ81と、従動ローラ82と、搬送ベルト83と、4つの転写ローラ84とを備えている。搬送ベルト83は、駆動ローラ81と従動ローラ82との間に架け渡されており、上側の面が感光体ドラム61と接触している。4つの転写ローラ84は、搬送ベルト83の内側において、対応する感光体ドラム61との間で搬送ベルト83を挟むように配置されている。
【0044】
定着部9は、本体筐体2内において画像形成部4の後方に配置されている。詳細には、定着部9は、閉じた状態のリアカバー12と画像形成部4との間に配置されている。定着部9は、シートSを加熱する加熱ローラ91と、加熱ローラ91との間でシートSを挟む加圧部92とを有している。本実施形態では、加熱ローラ91は、その内部に加熱ローラ91を加熱するヒータ93を有している。加圧部92は、符号を省略して示すエンドレスベルト、加熱ローラ91との間でエンドレスベルトを挟む押圧パッド、押圧パッドを支持するホルダ、ベルトガイドなどを有している。
【0045】
画像形成部4は、帯電器62によって感光体ドラム61の表面を一様に帯電し、露光ユニット5によって感光体ドラム61の表面を露光することで、感光体ドラム61の表面に静電潜像を形成する。また、画像形成部4は、トナー収容部73内のトナーを供給ローラ72に供給し、供給ローラ72から現像ローラ71に供給する。現像ローラ71に供給されたトナーは、現像ローラ71の回転に伴って現像ローラ71上に担持される。
【0046】
画像形成部4は、現像ローラ71上に担持されたトナーを感光体ドラム61上に形成された静電潜像に供給することで、感光体ドラム61の表面にトナー像を形成する。その後、画像形成部4は、搬送部3により供給トレイ31から供給されたシートSを感光体ドラム61と搬送ベルト83との間で搬送することで感光体ドラム61上のトナー像をシートSに転写する。その後、画像形成部4は、シートSを定着部9に搬送する。
【0047】
定着部9は、加熱ローラ91と加圧部92との間でシートSを搬送することでシートSに転写されたトナー像をシートSに定着してシートSに画像を形成する。
【0048】
プリンタ1は、本体筐体2内に、定着ファン13と、定着温度センサTH2とをさらに備えている。
【0049】
定着ファン13は、駆動したときに本体筐体2内の空気を本体筐体2外に排出するように設けられている。
【0050】
定着温度センサTH2は、定着部9、詳しくは、加熱ローラ91の温度に応じた信号を出力する温度センサである。定着温度センサTH2は、定着部9に設けられ、加熱ローラ91と非接触の状態で対向して配置されている。定着温度センサTH2としては、例えば、非接触式のサーミスタなどを用いることができる。
【0051】
次に、
図2及び
図3を用いて、プリンタ1の内部構成について説明する。なお、
図2及び
図3では、本実施形態を説明する上で必要となる構成部品を主として記載することとし、プリンタ1のその他の構成部品は省略されている。
【0052】
図2に示すように、プリンタ1は、本体筐体2の内部に、金属フレーム48と、第1樹脂フレーム49Aと、第2樹脂フレーム49Bとを備えている。
【0053】
図3に示すように、第1樹脂フレーム49Aと第2樹脂フレーム49Bと支持フレーム49Cとは、本体フレーム49を構成する。そして、第1樹脂フレーム49Aと第2樹脂フレーム49Bとは、支持フレーム49Cを介して連結されている。ここで、対向する第1樹脂フレーム49A及び第2樹脂フレーム49Bの各頂点同士を結ぶと直方体形状となっている。以下、この直方体形状の内部を本体フレーム49の内部と言い、この直方体形状の外部を本体フレーム49の外部と言う。なお、金属フレーム48は、接地されている。また、第1樹脂フレーム49A、第2樹脂フレーム49B及び支持フレーム49Cは、樹脂製であるが、樹脂製ではなく、例えば金属製等の他の素材であってもよい。
【0054】
本体フレーム49の内部には、
図2に示すように、現像ローラ71Y~71K、感光体ドラム61Y~61K、定着部9、及びAC-DC電源基板112が配置されている。
【0055】
第1樹脂フレーム49Aには、感光体ドラム61Y~61Kのそれぞれに対応したギア50Y~50Kが設けられている。ギア50Y~50Kのそれぞれは、軸51Y~51Kを有している。各軸51Y~51Kは、左右方向に第1樹脂フレーム49Aに挿通されており、その各先端が感光体ドラム61Y~61Kに取り付けられている。
【0056】
AC-DC電源基板112は、本体フレーム49の内部の底面側の後方であって、定着部9の下に、底面と平行かつ左右方向に横たわって配置されている。AC-DC電源基板112は、AC-DCコンバータ112A(
図6参照)を有し、商用電源が供給する交流電圧、例えばAC100Vが入力され、入力されるAC100VをAC-DCコンバータ112Aにより直流電圧、例えばDC24V(「第1直流電圧」に対応)に変換する。AC-DC電源基板112は、
図3に示すように、第1接続線CA1を介してDC-DC電源基板113と接続され、生成したDC24VをDC-DC電源基板113に出力する。
【0057】
DC-DC電源基板113は、DC-DCコンバータ113A(
図6参照)を有し、AC-DC電源基板112からのDC24VをDC-DCコンバータ113Aにより、例えばDC3.3V(「第2直流電圧」に対応)に変換する。DC-DC電源基板113は、第2接続線CA2(
図4参照)を介してメイン基板100と接続され、生成したDC3.3Vをメイン基板100に出力する。このDC3.3Vは、メイン基板100に搭載されている各種電子部品を駆動するための電圧である。ただし、他の直流電圧値、例えばDC5V等で駆動される電子部品がある場合には、DC-DCコンバータを複数設け、DC3.3Vに加えて、DC5V等を生成するようにしてもよい。
【0058】
金属フレーム48の左側面には、メイン基板100、DC-DC電源基板113、メインモータ106及びプロセスモータ107が配置されている。つまり、メイン基板100、DC-DC電源基板113、メインモータ106及びプロセスモータ107は、本体フレーム49の外部における左側に配置されている。なお、メインモータ106は、メインモータ基板106A上に搭載され、プロセスモータ107は、プロセスモータ基板107A上に搭載されている。
【0059】
また、メイン基板100とDC-DC電源基板113とは、金属フレーム48上、上下に並んで配置されている。さらに、DC-DC電源基板113を金属フレーム48に接地させるための接続は、DC-DC電源基板113の中心位置で、例えば金属製のネジ113Bによりなされている。これにより、DC-DCコンバータ113Aが動作時に発生した熱は、中心に集まり、ネジ113Bを介して金属フレーム48に直ちに伝導するので、DC-DCコンバータ113Aに対する冷却効果を向上させることが可能となる。
【0060】
図2に示すように、プロセスモータ107は、金属フレーム48に設けられたプロセスモータ軸52を回転させて、プロセスモータ107の駆動力をギア50に伝達する。ギア50が駆動すると軸51が回転し、軸51の回転に従って感光体ドラム61及び現像ローラ71が回転する。
【0061】
第2樹脂フレーム49Bには、定着ファン13が配置され、第2樹脂フレーム49Bの右側面には、高圧電源基板114が配置されている。すなわち、定着ファン13及び高圧電源基板114は、本体フレーム49における右側に配置されている。高圧電源基板114は、画像形成部4に現像電圧や帯電電圧等の高電圧を供給する。
【0062】
次に、プリンタ1の制御構成について、
図4を参照して説明する。
図4に示すように、プリンタ1は、ASIC105と、ROM102と、RAM103と、NVRAM104と、I/F群110と、センサ群111とをさらに備えている。そして、メイン基板100に、ASIC105、ROM102、RAM103、NVRAM104、I/F群110、モータ駆動回路MD1、及びモータ駆動回路MD2が搭載されている。
【0063】
ASIC105には、CPU101が搭載されている。CPU101は、プリンタ1の各部に対する全般的な制御を行う。ASIC105は、ROM102、RAM103、NVRAM104、I/F群110、センサ群111、モータ駆動回路MD1、モータ駆動回路MD2、及び定着ファン13と電気的に接続されている。また、ASIC105は、制御線CLを介してDC-DC電源基板113と接続されている。制御線CLは、DC-DC電源基板113のDC-DCコンバータ113Aをオン/オフ制御するオン/オフ信号を伝送するための信号線である。ASIC105は、DC-DCコンバータ113Aに対してオン信号を出力すると、DC-DCコンバータ113AはDC-DC変換を開始し、オフ信号を出力すると、DC-DCコンバータ113AはDC-DC変換を停止する。
【0064】
ROM102には、プリンタ1を制御するための各種制御プログラムや各種設定等が記憶されている。
【0065】
RAM103は、各種制御プログラムが読み出される作業領域、及びジョブに含まれる画像データを一時的に記憶する記憶領域として利用される。CPU101は、ROM102から読み出した制御プログラムや、各種センサから出力される信号に従って、その処理結果をRAM103またはNVRAM104に記憶させながら、プリンタ1の各部を制御する。
【0066】
I/F群110には、例えば、USBI/F、有線LANI/F、無線LANI/F(ともに図示せず)等が含まれる。
【0067】
センサ群111には、例えば、供給センサSE1(
図1参照)、レジ前センサSE2(
図1参照)及びレジ後センサSE3(
図1参照)等が含まれる。
【0068】
供給センサSE1は、第1搬送経路25においてピックアップローラ33よりも上流側に配置され、シートSが通過することを検知するセンサである。供給センサSE1としては、シートSが当接することで揺動するアクチュエータを有するセンサや、光センサ等を用いることができる。供給センサSE1は、シートSが通過している状態でオン信号を出力し、シートSが通過していない状態でオフ信号を出力する。供給センサSE1による検知信号は、CPU101へ出力される。
【0069】
レジ前センサSE2は、第1搬送経路25においてレジストレーションローラ35よりも上流側に配置され、シートSが通過することを検知するセンサである。レジ前センサSE2は、供給センサSE1と同様の構成である。レジ前センサSE2による検知信号は、CPU101へ出力される。
【0070】
レジ後センサSE3は、第1搬送経路25において定着部9よりも上流側、具体的には、レジストレーションローラ35と転写ローラ53との間に配置され、シートSが通過することを検知するセンサである。レジ後センサSE3は、供給センサSE1と同様の構成である。レジ後センサSE3による検知信号は、CPU101へ出力される。
【0071】
モータ駆動回路MD1には、第1駆動電圧線DL1を介してAC-DC電源基板112からDC24Vが供給され、ASIC105から制御信号が供給される。モータ駆動回路MD1は、モータハーネスMHR1(
図3参照)を介してメインモータ106と接続されている。モータ駆動回路MD1は、ASIC105からの制御信号に基づいて駆動電圧を制御し、その駆動電圧をメインモータ106に出力して、メインモータ106の駆動を制御する。モータハーネスMHR1は、制御信号を伝送する信号線と、駆動電圧を伝送する電源線とを合わせている。メインモータ106は、定着部9の加熱ローラ91、及びローラ群120を駆動する。ローラ群120には、ピックアップローラ33、分離ローラ34、レジストレーションローラ35、第1搬送ローラ36、第2搬送ローラ37、第1スイッチバックローラ38、第2スイッチバックローラ39、及び複数の第3搬送ローラ40等が含まれる。
【0072】
モータ駆動回路MD2にも、第1駆動電圧線DL1を介してAC-DC電源基板112からDC24Vが供給され、ASIC105から制御信号が供給される。モータ駆動回路MD2は、モータハーネスMHR2(
図3参照)を介してプロセスモータ107と接続されている。モータ駆動回路MD2は、ASIC105からの制御信号に基づいて駆動電圧を制御し、その駆動電圧をプロセスモータ107に出力して、プロセスモータ107の駆動を制御する。モータハーネスMHR2は、制御信号を伝送する信号線と、駆動電圧を伝送する電源線とを合わせている。プロセスモータ107は、4つの現像ローラ71及び4つの感光体ドラム61を駆動する。
【0073】
上述のように、メイン基板100は、第2接続線CA2を介してDC-DC電源基板113と接続され、DC-DC電源基板113は、第1接続線CA1を介してAC-DC電源基板112と接続されている。そして、上述のように、AC-DC電源基板112は、AC100VをDC24Vに変換してDC-DC電源基板113に出力し、DC-DC電源基板113は、DC24VをDC3.3Vに変換してメイン基板100に出力する。メイン基板100に供給されたDC3.3Vは、ASIC105、I/F群110、センサ群111、ROM102、RAM103、及びNVRAM104等に供給される。
【0074】
DC-DC電源基板113がメイン基板100に出力するDC3.3Vは、電圧値は低いものの、電流値は高いので、第2接続線CA2周辺の電子部品にノイズを与える虞がある。このため、上述のように、DC-DC電源基板113とメイン基板100とを上下に並べて配置し、第2接続線CA2の長さを可及的に短くするようにしている。したがって、第2接続線CA2の長さは、第1接続線CA1の長さより短くなっている。
【0075】
以上説明したように、本実施形態のプリンタ1は、画像形成部4と、商用電源が供給する交流電圧が入力され、その交流電圧を第1直流電圧に変換するAC-DCコンバータ112Aを有するAC-DC電源基板112と、画像形成部4を制御するASIC105を有するメイン基板100と、第1直流電圧からASIC105が動作するための第2直流電圧に変換するDC-DCコンバータ113Aを有するDC-DC電源基板113と、を備えたことを特徴とする。
【0076】
このように、本実施形態のプリンタ1では、メイン基板100と独立したDC-DC電源基板113を備えるようにしたので、DC-DC電源基板113の発熱などの影響をASIC105に与えないようにすることができる。
【0077】
また、AC-DC電源基板112は、第1接続線CA1によってDC-DC電源基板113と接続され、DC-DC電源基板113は、第2接続線CA2によってメイン基板100と接続され、AC-DCコンバータ112Aは、第1直流電圧を、第1接続線CA1を経由してDC-DCコンバータ113Aに出力し、DC-DCコンバータ113Aは、第2直流電圧を、第2接続線CA2を経由してASIC105に出力する、ことを特徴とする。
【0078】
これにより、AC-DC電源基板112もメイン基板100と独立するようにしたので、DC-DCコンバータ113Aに加え、AC-DCコンバータ112Aの発熱などの影響をASIC105に与えないようにすることができる。
【0079】
また、プリンタ1は、本体筐体2、をさらに備え、画像形成部4は、ヒータ93を有し、ヒータ93の加熱により現像剤像をシートSに定着させる定着部9、を有し、メイン基板100とDC-DC電源基板113とは、その各基板面が本体筐体2の一方の側の側面に対して平行に配置され、DC-DC電源基板113は、メイン基板100より下側に配置され、AC-DC電源基板112は、定着部9より下側に配置され、第1接続線CA1によってDC-DC電源基板113の下側と接続され、DC-DC電源基板113は、第2接続線CA2によってメイン基板100の下側と接続され、第2接続線CA2は、第1接続線CA1より短い、ことを特徴とする。
【0080】
このように、電流値の高い電流が流れる第2接続線CA2の長さを短くしたので、第2接続線CA2周辺の電子部品に与えるノイズを低減させることが可能となる。
【0081】
また、プリンタ1は、本体筐体2、をさらに備え、画像形成部4は、ヒータ93を有し、ヒータ93の加熱により現像剤像をシートに定着させる定着部9、を有し、メイン基板100とDC-DC電源基板113とは、その各基板面が本体筐体2の一方の側の側面に対して平行に配置され、DC-DC電源基板113は、メイン基板100より下側に配置され、AC-DC電源基板112は、定着部9より下側に配置され、第1接続線CA1によってDC-DC電源基板113の下側と接続されている、ことを特徴とする。
【0082】
これにより、DC-DC電源基板113とAC-DC電源基板112の発熱などの影響をさらに一層、ASIC105に与えないようにすることができる。
【0083】
また、プリンタ1は、メイン基板100とDC-DC電源基板113の各基板面に対して平行に配置され、接地されている金属フレーム48、をさらに備え、メイン基板100とDC-DC電源基板113とは、金属フレーム48に取り付けられている、ことを特徴とする。
【0084】
これにより、メイン基板100から接地地点までの長さも、DC-DC電源基板113から接地地点までの長さも、短く取ることができるので、メイン基板100もDC-DC電源基板113もノイズの影響を受け難くすることが可能となる。
【0085】
また、DC-DC電源基板113を金属フレーム48に接地させるための接続は、DC-DC電源基板113の中心位置でなされる、ことを特徴とする。
【0086】
これにより、DC-DCコンバータ113Aの動作時に発生した熱は、DC-DC電源基板113の中心に集まり、その中心位置での接地のための接続を介して金属フレーム48に直ちに伝導するので、DC-DCコンバータ113Aに対する冷却効果を向上させることが可能となる。
【0087】
(第2実施形態)
次に、本願の第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対して、AC-DC電源基板112が生成したDC24Vをメイン基板100を経由してDC-DC電源基板113に出力する点が異なっている。したがって、変更した部分を中心に説明し、それ以外の部分の説明は適宜省略する。また、
図1及び
図2に記載のハードウェアをそのまま用いるものとする。
【0088】
図5は、本実施形態における本体フレームの概略構成を模式的に示しており、第1実施形態における
図3に対応するものである。
図5と
図3とを見比べれば分かるように、
図5では、AC-DC電源基板112とメイン基板100とが、第3接続線CA3を介して接続され、AC-DC電源基板112とDC-DC電源基板113とは、接続されていない。
【0089】
図6は、本実施形態におけるプリンタ1の制御構成を示すブロック図であり、第1実施形態における
図4に対応するものである。ただし、
図6では、
図4と比較して、説明の都合上、省略部分が多くなっている。
【0090】
図6に示すように、AC-DC電源基板112とメイン基板100とは、第3接続線CA3を介して接続されている。そして、DC-DC電源基板113とメイン基板100とは、第1実施形態で説明した第2接続線CA2と、新たに追加する第4接続線CA4とを介して接続されている。さらに、メイン基板100上には、第3接続線CA3と第4接続線CA4とを中継する第1中継配線RL1が形成されている。
【0091】
なお、AC-DC電源基板112が、生成したDC24Vをモータ駆動回路MD1,MD2に出力する点は、第1実施形態と異ならない。ただし、
図4では、モータ106,107を別々のブロックで示すとともに、モータ駆動回路MD1,MD2も別々のブロックで示していたのを、
図6では、それぞれ1つのブロックで示している点が異なっている。これは、形式的な差異に過ぎず、実質的には異ならない。
【0092】
AC-DC電源基板112は、生成したDC24Vを、第3接続線CA3と第1中継配線RL1と第4接続線CA4とを経由して、DC-DC電源基板113のDC-DCコンバータ113Aに出力する。DC-DCコンバータ113Aは、このDC24VをDC3.3Vに変換し、第1実施形態で上述したように、第2接続線CA2を介してメイン基板100に出力する。
【0093】
このように、AC-DC電源基板112とメイン基板100とは、複数の信号線、具体的には、第3接続線CA3と第1駆動電圧線DL1を介して接続されているので、第1ハーネスHR1に第3接続線CA3と第1駆動電圧線DL1とを合わせ、第1ハーネスHR1を介して接続するようにしている。同様に、メイン基板100とDC-DC電源基板113とは、複数の信号線、具体的には、第2接続線CA2、第4接続線CA4及び制御線CLを介して接続されているので、第2ハーネスHR2に第2接続線CA2、第4接続線CA4及び制御線CLを合わせ、第2ハーネスHR2を介して接続するようにしている。
【0094】
以上説明したように、本実施形態のプリンタ1は、画像形成部4と、商用電源が供給する交流電圧が入力され、その交流電圧を第1直流電圧に変換するAC-DCコンバータ112Aを有するAC-DC電源基板112と、画像形成部4を制御するASIC105を有するメイン基板100と、第1直流電圧からASIC105が動作するための第2直流電圧に変換するDC-DCコンバータ113Aを有するDC-DC電源基板113と、を備えたことを特徴とする。
【0095】
このように、本実施形態のプリンタ1では、メイン基板100と独立したDC-DC電源基板113を備えるようにしたので、DC-DC電源基板113の発熱などの影響をASIC105に与えないようにすることができる。
【0096】
また、DC-DC電源基板113は、第2接続線CA2によってメイン基板100と接続され、AC-DC電源基板112は、第3接続線CA3によってメイン基板100と接続され、メイン基板100は、第4接続線CA4によってDC-DC電源基板113と接続され、メイン基板100はさらに、第3接続線CA3と第4接続線CA4とを接続する第1中継配線RL1を有し、AC-DCコンバータ112Aは、第1直流電圧を、第3接続線CA3と、第1中継配線RL1と、第4接続線CA4とを経由して、DC-DCコンバータ113Aに出力し、DC-DCコンバータ113Aは、第2直流電圧を、第2接続線CA2を経由してASIC105に出力する、ことを特徴とする。
【0097】
本実施形態の構成によっても、メイン基板100からDC-DC電源基板113を独立させているので、DC-DC電源基板113の発熱などの影響をASIC105に与えないようにすることができる。
【0098】
また、メイン基板100は、第1直流電圧に基づいて画像形成部4を駆動するモータ駆動回路MD1,MD2を有し、AC-DC電源基板112はさらに、第1駆動電圧線DL1によってメイン基板100と接続され、AC-DCコンバータ112Aはさらに、第1直流電圧を、第1駆動電圧線DL1を経由してモータ駆動回路MD1,MD2に出力し、プリンタ1はさらに、AC-DC電源基板112とDC-DC電源基板113とを接続する第1ハーネスHR1であって、第3接続線CA3と第1駆動電圧線DL1とを合わせた第1ハーネスHR1と、DC-DC電源基板113とメイン基板100とを接続する第2ハーネスHR2であって、第2接続線CA2と第4接続線CA4とを合わせた第2ハーネスHR2と、を備えたことを特徴とする。
【0099】
これにより、AC-DC電源基板112からモータ駆動回路MD1,MD2に直接、第1直流電圧を出力することが可能となる。さらに、AC-DC電源基板112とDC-DC電源基板113との間の複数の信号線を、1つの第1ハーネスHR1に纏めることができるとともに、DC-DC電源基板113とメイン基板100との間の複数の信号線を、1つの第2ハーネスHR2に纏めることができる。
【0100】
また、DC-DC電源基板113は、制御線CLによってメイン基板100と接続され、ASIC105は、制御線CLを経由してDC-DCコンバータ113Aに対して、DC-DCコンバータ113Aをオン/オフ制御するオン/オフ信号を出力し、第2ハーネスHR2は、第2接続線CA2と第4接続線CA4と制御線CLとを合わせている、ことを特徴とする。
【0101】
これにより、制御線CLも第2ハーネスHR2の中に含めることができる。
【0102】
(第3実施形態)
次に、本願の第3実施形態について説明する。第1及び第2実施形態では、AC-DCコンバータ112Aが生成したDC24Vを、メイン基板100上のモータ駆動回路MD1,MD2に直接出力していたのに対して、本実施形態では、DC-DC電源基板113上に形成した第2中継配線RL2を経由してモータ駆動回路MD1,MD2に出力する点が異なっている。さらに、AC-DCコンバータ112Aが生成したDC24Vを、メイン基板100の第1中継配線RL1を経由せずに直接、DC-DCコンバータ113Aに出力する点も異なっている。この点は、第1実施形態と同様である。本実施形態においても、変更した部分を中心に説明し、それ以外の部分の説明は適宜省略する。また、
図1及び
図2に記載のハードウェアをそのまま用いるものとする。
【0103】
図7は、本実施形態におけるプリンタ1の制御構成を示すブロック図であり、第2実施形態における
図6に対応するものである。
図7と
図6とを見比べれば分かるように、
図7では、AC-DCコンバータ112Aは、生成したDC24Vを、第1接続線CA1を介してDC-DC電源基板113に出力している。この点は、第1実施形態の
図4と同様である。また、
図7では、DC-DC電源基板113上に第2中継配線RL2が形成され、第2中継配線RL2の出力側は、第2駆動電圧線DL2と接続されている。そして、第2駆動電圧線DL2は、モータ駆動回路MD1,MD2に接続されている。したがって、AC-DCコンバータ112Aは、生成したDC24Vを、第1接続線CA1と第2中継配線RL2と第2駆動電圧線DL2を経由してモータ駆動回路MD1,MD2に出力する。そして、モータ駆動回路MD1,MD2はそれぞれ、DC24Vに基づいた駆動電圧を制御信号により制御してモータ106,107に出力し、モータ106,107の駆動を制御する。
【0104】
以上説明したように、本実施形態のプリンタ1は、画像形成部4と、商用電源が供給する交流電圧が入力され、その交流電圧を第1直流電圧に変換するAC-DCコンバータ112Aを有するAC-DC電源基板112と、画像形成部4を制御するASIC105を有するメイン基板と、第1直流電圧からASIC105が動作するための第2直流電圧に変換するDC-DCコンバータ113Aを有するDC-DC電源基板113と、を備えたことを特徴とする。
【0105】
このように、本実施形態のプリンタ1では、メイン基板100と独立したDC-DC電源基板113を備えるようにしたので、DC-DC電源基板113の発熱などの影響をASIC105に与えないようにすることができる。
【0106】
また、メイン基板100は、画像形成部4に対して第1直流電圧を出力し、第1直流電圧に基づいて画像形成部4を駆動する駆動回路を有し、AC-DC電源基板112は、第1接続線CA1によってDC-DC電源基板113と接続され、DC-DC電源基板113は、第2接続線CA2と、第2駆動電圧線DL2と、によってそれぞれメイン基板100と接続され、AC-DCコンバータ112Aは、第1直流電圧を、第1接続線CA1を経由してDC-DCコンバータ113Aに出力し、DC-DCコンバータ113Aは、第2直流電圧を、第2接続線CA2を経由してASIC105に出力し、DC-DC電源基板113はさらに、第1接続線CA1と第2駆動電圧線DL2とを接続する第2中継配線RL2を有し、AC-DCコンバータ112Aは、第1接続線CA1と、第2中継配線RL2と、第2駆動電圧線DL2とを経由して、モータ駆動回路MD1,MD2に対して第1直流電圧を出力する、ことを特徴とする。
【0107】
これにより、AC-DC電源基板112からDC-DC電源基板113を経由して、モータ駆動回路MD1,MD2に第1直流電圧を出力することが可能となる。
【0108】
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0109】
(1)上記各実施形態では、画像形成装置の一例として、カラーレーザプリンタ1を挙げて説明したが、これに限らず、モノクロレーザプリンタであってもよい。また、プリンタに限らず、複合機やコピー機であってもよい。
【0110】
(2)上記各実施形態では、DC-DC電源基板113に搭載されているDC-DCコンバータ113Aは、1つのみとしたが、これに限らず、複数搭載してもよい。この場合、複数のDC-DCコンバータで、異なる電圧値の直流電圧を生成するようにしてもよいし、同じ電圧値の直流電圧を生成するようにしてもよい。
【0111】
(3)上記各実施形態では、モータとして、メインモータ106とプロセスモータ107を例に挙げて説明したが、他のモータを含むようにしてもよいし、プロセスモータ107の機能もメインモータ106が行うようにして、プロセスモータ107を省略するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0112】
1…カラーレーザプリンタ(画像形成装置)、2…本体筐体、3…搬送部、4…画像形成部、9…定着部、13…定着ファン、48…金属フレーム、49…本体フレーム、49A…第1樹脂フレーム、49B…第2樹脂フレーム、49C…支持フレーム、93…ヒータ、100…メイン基板、105…ASIC、106…メインモータ、107…プロセスモータ、112…AC-DC電源基板、112A…AC-DCコンバータ、113…DC-DC電源基板、113A…DC-DCコンバータ、CA1…第1接続線、CA2…第2接続線、CA3…第3接続線、CA4…第4接続線、CL…制御線、DL1…第1駆動電圧線、DL2…第2駆動電圧線、HR1…第1ハーネス、HR2…第2ハーネス、MD1,MD2…モータ駆動回路、RL1…第1中継配線、RL2…第2中継配線。