(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024014357
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】タブリードの収納容器、およびタブリードと収納容器との組合せ
(51)【国際特許分類】
B65D 85/86 20060101AFI20240125BHJP
B65D 71/70 20060101ALI20240125BHJP
H01M 50/531 20210101ALN20240125BHJP
【FI】
B65D85/86 100
B65D71/70
H01M50/531
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022117124
(22)【出願日】2022-07-22
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】大中 希
(72)【発明者】
【氏名】阿部 矩明
【テーマコード(参考)】
3E067
3E096
5H043
【Fターム(参考)】
3E067AA12
3E067AB99
3E067AC03
3E067AC12
3E067BA05A
3E067BB14A
3E067BC06A
3E067EC35
3E067FA01
3E067FC01
3E067GD03
3E067GD10
3E096AA08
3E096BA01
3E096BB03
3E096CA02
3E096CB03
3E096DA01
3E096EA02X
3E096FA09
3E096FA10
3E096GA03
3E096GA09
5H043AA19
5H043EA01
5H043KA45
(57)【要約】
【課題】複数のタブリードを容器に収納して持ち運びを行う際において、タブリードに傷または破損等が生じることを防ぐ。
【解決手段】矩形の導体と、導体の幅方向の両端から露出する絶縁フィルムとを含むタブリードの収納容器であって、本体部の凹部は、底面および4つの側面を有し、かつ上端における開口部が底面よりも面積の大きい逆四角錐台形状を有し、底面の幅は、タブリードの導体の幅と方向および長さが一致し、側面は、左側面、右側面、前側面および後側面を含み、前側面は、凹部に複数のタブリードが収納された状態において直近のタブリードの絶縁フィルムと接触し、後側面は、上記状態において直近のタブリードの絶縁フィルムと接触し、左側面および右側面は、底辺が上辺より短く、底辺と側辺がなす内角はいずれも鈍角であり、凹部は、上記状態において複数のタブリードによって占有される領域の体積が、凹部の容積の70%から90%の範囲に含まれる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のタブリードを収納する本体部と、
前記本体部を覆う蓋部とを備え、
前記タブリードは、
主面が矩形である箔である導体と、前記導体の一部を覆い、かつ前記導体の幅方向の両端から露出する絶縁フィルムとを含み、
前記本体部は、凹部を有し、
前記凹部は、底面および4つの側面を有し、かつ前記凹部の上端における開口部の面積が前記底面の面積よりも大きい逆四角錐台形状を有し、
前記底面の幅は、前記タブリードの前記導体の幅と方向および長さが一致し、
4つの前記側面は、前記底面の幅方向に沿う直線と交差する左側面および右側面、ならびに前記直線と平行な前側面および後側面を含み、
前記左側面および前記右側面は、前記凹部に複数の前記タブリードが収納された状態において、各前記タブリードの前記絶縁フィルムと接触せず、
前記前側面は、前記状態において前記前側面に直近の前記タブリードの前記絶縁フィルムと接触し、
前記後側面は、前記状態において前記後側面に直近の前記タブリードの前記絶縁フィルムと接触し、
前記左側面および前記右側面は、台形であり、底辺が上辺より短く、底辺と側辺がなす台形の内角はいずれも鈍角であり、
前記凹部は、前記凹部に複数の前記タブリードが収納された状態において複数の前記タブリードの前記絶縁フィルムより下の部分によって占有される領域の体積が、前記凹部の容積の70%から90%の範囲に含まれる、タブリードの収納容器。
【請求項2】
前記前側面および前記後側面の各々の上端には切り欠きが形成され、
前記凹部に複数の前記タブリードが収納された状態において、前記切り欠きから前記タブリードの前記導体の一部および前記絶縁フィルムの一部が露出し、
前記側面同士の連結部分には切り欠きが形成されていない、請求項1に記載のタブリードの収納容器。
【請求項3】
前記本体部には、前後方向に沿って複数の前記凹部が形成されている、請求項1または請求項2に記載のタブリードの収納容器。
【請求項4】
前記本体部には、左右方向に沿って複数の前記凹部が形成されている、請求項1または請求項2に記載のタブリードの収納容器。
【請求項5】
前記本体部には、前後方向に沿って、2以上の自然数であるm個の前記凹部が形成され、かつ前記前後方向に直交する左右方向に沿って、2以上の自然数であるn個の前記凹部が形成されている、請求項1または請求項2に記載のタブリードの収納容器。
【請求項6】
複数のタブリードと、
複数の前記タブリードを収納する収納容器とを備え、
前記収納容器は、
本体部と、前記本体部を覆う蓋部とを含み、
前記タブリードは、
主面が矩形である箔である導体と、前記導体の一部を覆い、かつ前記導体の幅方向の両端から露出する絶縁フィルムとを含み、
前記本体部は、凹部を有し、
前記凹部は、底面および4つの側面を有し、かつ前記凹部の上端における開口部の面積が前記底面の面積よりも大きい逆四角錐台形状を有し、
前記底面の幅は、前記タブリードの前記導体の幅と方向および長さが一致し、
4つの前記側面は、前記底面の幅方向に沿う直線と交差する左側面および右側面、ならびに前記直線と平行な前側面および後側面を含み、
前記左側面および前記右側面は、前記凹部に複数の前記タブリードが収納された状態において、各前記タブリードの前記絶縁フィルムと接触せず、
前記前側面は、前記状態において前記前側面に直近の前記タブリードの前記絶縁フィルムと接触し、
前記後側面は、前記状態において前記後側面に直近の前記タブリードの前記絶縁フィルムと接触し、
前記左側面および前記右側面は、台形であり、底辺が上辺より短く、底辺と側辺がなす台形の内角はいずれも鈍角であり、
前記凹部は、前記凹部に複数の前記タブリードが収納された状態において複数の前記タブリードの前記絶縁フィルムより下の部分によって占有される領域の体積が、前記凹部の容積の70%から90%の範囲に含まれる、タブリードと収納容器との組合せ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、タブリードの収納容器、およびタブリードと収納容器との組合せに関する。
【0002】
従来、電池から電気を取り出す端子として用いられるタブリードが開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、複数のタブリードなどの金属端子を容器に収納して持ち運びを行う際、振動によって金属端子が容器内で移動して、傷付いたり破損したりすることを防ぐことが望まれる。
【0005】
本開示は、複数のタブリードを容器に収納して持ち運びを行う際において、タブリードに傷または破損等が生じることを防ぐことのできるタブリードの収納容器、およびタブリードと収納容器との組合せを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のタブリードの収納容器は、複数のタブリードを収納する本体部と、前記本体部を覆う蓋部とを備え、前記タブリードは、主面が矩形である箔である導体と、前記導体の一部を覆い、かつ前記導体の幅方向の両端から露出する絶縁フィルムとを含み、前記本体部は、凹部を有し、前記凹部は、底面および4つの側面を有し、かつ前記凹部の上端における開口部の面積が前記底面の面積よりも大きい逆四角錐台形状を有し、前記底面の幅は、前記タブリードの前記導体の幅と方向および長さが一致し、4つの前記側面は、前記底面の幅方向に沿う直線と交差する左側面および右側面、ならびに前記直線と平行な前側面および後側面を含み、前記左側面および前記右側面は、前記凹部に複数の前記タブリードが収納された状態において、各前記タブリードの前記絶縁フィルムと接触せず、前記前側面は、前記状態において前記前側面に直近の前記タブリードの前記絶縁フィルムと接触し、前記後側面は、前記状態において前記後側面に直近の前記タブリードの前記絶縁フィルムと接触し、前記左側面および前記右側面は、台形であり、底辺が上辺より短く、底辺と側辺がなす台形の内角はいずれも鈍角であり、前記凹部は、前記凹部に複数の前記タブリードが収納された状態において複数の前記タブリードの前記絶縁フィルムより下の部分によって占有される領域の体積が、前記凹部の容積の70%から90%の範囲に含まれる。
【0007】
本開示のタブリードと収納容器との組合せは、複数のタブリードと、複数の前記タブリードを収納する収納容器とを備え、前記収納容器は、本体部と、前記本体部を覆う蓋部とを含み、前記タブリードは、主面が矩形である箔である導体と、前記導体の一部を覆い、かつ前記導体の幅方向の両端から露出する絶縁フィルムとを含み、前記本体部は、凹部を有し、前記凹部は、底面および4つの側面を有し、かつ前記凹部の上端における開口部の面積が前記底面の面積よりも大きい逆四角錐台形状を有し、前記底面の幅は、前記タブリードの前記導体の幅と方向および長さが一致し、4つの前記側面は、前記底面の幅方向に沿う直線と交差する左側面および右側面、ならびに前記直線と平行な前側面および後側面を含み、前記左側面および前記右側面は、前記凹部に複数の前記タブリードが収納された状態において、各前記タブリードの前記絶縁フィルムの一部と接触せず、前記前側面は、前記状態において前記前側面に直近の前記タブリードの前記絶縁フィルムと接触し、前記後側面は、前記状態において前記後側面に直近の前記タブリードの前記絶縁フィルムと接触し、前記左側面および前記右側面は、台形であり、底辺が上辺より短く、底辺と側辺がなす台形の内角はいずれも鈍角であり、前記凹部は、前記凹部に複数の前記タブリードが収納された状態において複数の前記タブリードの前記絶縁フィルムより下の部分によって占有される領域の体積が、前記凹部の容積の70%から90%の範囲に含まれる。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、複数のタブリードを容器に収納して持ち運びを行う際において、タブリードに傷または破損等が生じることを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本開示の実施の形態に係るタブリードの収納容器の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す収納容器に収納されるタブリードを示す斜視図である。
【
図4】
図4は、
図1に示す収納容器における凹部の構成を示す上面図である。
【
図5】
図5は、
図4に示す凹部に複数のタブリードが収納されることを説明するための図である。
【
図6】
図6は、
図4に示す凹部に複数のタブリードが収納された状態を右側方から見た図である。
【
図7】
図7は、
図4に示す凹部に複数のタブリードが収納された状態を後方側から見た図である。
【
図8】
図8は、
図4に示す凹部に複数のタブリードを収納する作業を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施形態を列記して説明する。
(1)本開示の実施の形態に係るタブリードの収納容器は、複数のタブリードを収納する本体部と、前記本体部を覆う蓋部とを備え、前記タブリードは、主面が矩形である箔である導体と、前記導体の一部を覆い、かつ前記導体の幅方向の両端から露出する絶縁フィルムとを含み、前記本体部は、凹部を有し、前記凹部は、底面および4つの側面を有し、かつ前記凹部の上端における開口部の面積が前記底面の面積よりも大きい逆四角錐台形状を有し、前記底面の幅は、前記タブリードの前記導体の幅と方向および長さが一致し、4つの前記側面は、前記底面の幅方向に沿う直線と交差する左側面および右側面、ならびに前記直線と平行な前側面および後側面を含み、前記左側面および前記右側面は、前記凹部に複数の前記タブリードが収納された状態において、各前記タブリードの前記絶縁フィルムと接触せず、前記前側面は、前記状態において前記前側面に直近の前記タブリードの前記絶縁フィルムと接触し、前記後側面は、前記状態において前記後側面に直近の前記タブリードの前記絶縁フィルムと接触し、前記左側面および前記右側面は、台形であり、底辺が上辺より短く、底辺と側辺がなす台形の内角はいずれも鈍角であり、前記凹部は、前記凹部に複数の前記タブリードが収納された状態において複数の前記タブリードの前記絶縁フィルムより下の部分によって占有される領域の体積が、前記凹部の容積の70%から90%の範囲に含まれる。
【0011】
このような構成により、複数のタブリードを収納容器に収納して持ち運びを行う際、収納容器内でタブリードが移動することなくタブリードを保持することができる。これにより、タブリードに傷または破損等が生じることを防ぐことができる。また、収納されるタブリードの絶縁フィルムより下の部分によって占有される領域の体積が凹部の容積の70%から90%の範囲に含まれる構成により、凹部とタブリードとの間で適度な空間があり、収納容器に対するタブリードの束の出し入れを容易に行うことができる。
【0012】
(2)上記(1)のタブリードの収納容器において、前記前側面および前記後側面の各々の上端には切り欠きが形成され、前記凹部に複数の前記タブリードが収納された状態において、前記切り欠きから前記タブリードの前記導体の一部および前記絶縁フィルムの一部が露出し、前記側面同士の連結部分には切り欠きが形成されていない。
【0013】
このように、凹部の前側面および後側面に切り欠きが形成されている構成により、収納容器に対するタブリードの束を出し入れする際、作業者の指が収納容器に接触することを防ぎ、作業をより容易に行うことができる。また、凹部の側面同士の連結部分には切り欠きが形成されていない構成により、凹部の強度を高めて、収納容器の破損を防ぐことができる。
【0014】
(3)上記(1)または(2)のタブリードの収納容器において、前記本体部には、前後方向に沿って複数の前記凹部が形成されている。
【0015】
このような構成により、多くのタブリードを収納して運ぶことができる。多くのタブリードを収納するためには、凹部の前後方向の長さを長くすることも考えられる。しかしながら、凹部の前後方向の長さを長くする構成と比較して、複数の凹部を設ける構成である方が、一度に掴める枚数のタブリードを一つの凹部に収納することにより作業が行い易い。凹部間の前後の壁の繋ぎ部分を面とすると収納容器の強度を強くすることができる。
【0016】
(4)上記(1)から(3)のいずれか1つのタブリードの収納容器において、前記本体部には、左右方向に沿って複数の前記凹部が形成されている。
【0017】
このような構成により、多くのタブリードを収納して運ぶことができる。多くのタブリードを収納するためには、凹部の前後方向の長さを長くする構成よりも、複数の凹部を設ける構成である方が、一度に掴める枚数のタブリードを一つの凹部に収納することにより作業が行い易い。凹部間の左右の壁の繋ぎ部分を面とすると収納容器の強度を強くすることができる。
【0018】
(5)上記(1)から(4)のいずれか1つのタブリードの収納容器において、前記本体部には、前後方向に沿って、2以上の自然数であるm個の前記凹部が形成され、かつ前記前後方向に直交する左右方向に沿って、2以上の自然数であるn個の前記凹部が形成されている。
【0019】
このような構成により、多くのタブリードを収納して運ぶことができる。また、前後方向および左右方向のいずれにおいても複数の凹部が設けられる構成により、収納容器が細長い形状となることを避けて、持ち上げる際に収納容器が撓むことを防ぐことができ、扱いをより容易にすることができる。
【0020】
(6)本開示の実施の形態に係るタブリードと収納容器との組合せは、複数のタブリードと、複数の前記タブリードを収納する収納容器とを備え、前記収納容器は、本体部と、前記本体部を覆う蓋部とを含み、前記タブリードは、主面が矩形である箔である導体と、前記導体の一部を覆い、かつ前記導体の幅方向の両端から露出する絶縁フィルムとを含み、前記本体部は、凹部を有し、前記凹部は、底面および4つの側面を有し、かつ前記凹部の上端における開口部の面積が前記底面の面積よりも大きい逆四角錐台形状を有し、前記底面の幅は、前記タブリードの前記導体の幅と方向および長さが一致し、4つの前記側面は、前記底面の幅方向に沿う直線と交差する左側面および右側面、ならびに前記直線と平行な前側面および後側面を含み、前記左側面および前記右側面は、前記凹部に複数の前記タブリードが収納された状態において、各前記タブリードの前記絶縁フィルムと接触せず、前記前側面は、前記状態において前記前側面に直近の前記タブリードの前記絶縁フィルムと接触し、前記後側面は、前記状態において前記後側面に直近の前記タブリードの前記絶縁フィルムと接触し、前記左側面および前記右側面は、台形であり、底辺が上辺より短く、底辺と側辺がなす台形の内角はいずれも鈍角であり、前記凹部は、前記凹部に複数の前記タブリードが収納された状態において複数の前記タブリードの前記絶縁フィルムより下の部分によって占有される領域の体積が、前記凹部の容積の70%から90%の範囲に含まれる。
【0021】
このような構成により、複数のタブリードを収納容器に収納して持ち運びを行う際、収納容器内でタブリードが移動することなくタブリードを保持することができる。これにより、タブリードに傷または破損等が生じることを防ぐことができる。また、収納されるタブリードの絶縁フィルムより下の部分によって占有される領域の体積が凹部の容積の70%から90%の範囲に含まれる構成により、凹部とタブリードとの間で適度な空間があり、収納容器に対するタブリードの束の出し入れを容易に行うことができる。
【0022】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示のタブリードの収納容器の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0023】
(収納容器の全体構成)
図1は、本開示の実施の形態に係るタブリードの収納容器の一例を示す図である。
図1を参照して、本開示の実施の形態に係るタブリードの収納容器100は、本体部10と、本体部10を覆う蓋部11とを備える。本体部10は、後述するタブリード1が収納される凹部21を有する。本体部10および蓋部11は、樹脂により形成されている。
【0024】
本体部10や蓋部11を構成する樹脂は、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene terephthalate(PET))、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプルピレンなどを使用することができる。成形性や耐久性の面で、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
【0025】
本体部10の厚さを0.4mm以上とすると、タブリード1などの金属端子を入れて持ち運んだ時に本体部10の撓みや捻じれがほとんど生じず、強度の点で好ましい。一方で、本体部10が厚くなるほど資材費が上がるため、本体部10の厚さは2mmまでとすることが好ましい。本体部10と蓋部11は、溶融した樹脂を金型に入れる射出成型や真空成型で作ることができる。
【0026】
以下、
図1に示すX軸の正の方向を右方向とし、X軸の負の方向を左方向とする。また、
図1に示すY軸の正の方向を前方向とし、Y軸の負の方向を後方向とする。
図1に示すZ軸の正の方向を上方向とし、Z軸の負の方向を下方向とする。
【0027】
本体部10には、例えば、前後方向に沿って、2以上の自然数であるm個の凹部21が形成され、かつ左右方向に沿って、2以上の自然数であるn個の凹部21が形成されている。mとnとは、互いに異なる数であってもよいし、同じ数であってもよい。
図1に示す例では、本体部10には、前後方向に沿って5個の凹部21が形成され、かつ左右方向に沿って4個の凹部21が形成されており、上面視において略正方形状を有している。
【0028】
左右方向に並ぶ凹部21同士の間には、前後方向に延びる第1の繋ぎ部12が設けられている。また、前後方向に並ぶ凹部21同士の間には、左右方向に延びる第2の繋ぎ部13が設けられている。
【0029】
なお、凹部21は、前後方向および左右方向のいずれの方向においても複数設けられる構成に限定されず、例えば、前後方向に沿って1個、かつ左右方向に沿ってn個形成されてもよいし、前後方向に沿ってm個、かつ左右方向に沿って1個形成されてもよい。また、本体部10に形成される凹部21は1つであってもよい。
【0030】
本体部10および蓋部11は、蓋部11が本体部10を覆う状態において互いに嵌合するロック機構を有する。より詳細には、本体部10は、4つの側面15である左側面15A,右側面15B,後側面15C,前側面15Dを有する。各側面15の延在方向における両端部には、窪んだ第1の嵌合部16が形成されている。
【0031】
蓋部11は、4つの側面18である左側面18A,右側面18B,後側面18C,前側面18Dを有する。各側面18の延在方向における両端部には、本体部10に形成された複数の第1の嵌合部16にそれぞれ対応する位置に、窪んだ第2の嵌合部17が形成されている。そして、蓋部11が本体部10を覆う状態において、蓋部11における複数の第2の嵌合部17が、それぞれ対応する複数の第1の嵌合部16と嵌合することにより、本体部10に対して蓋部11が固定される。
【0032】
なお、第1の嵌合部16および第2の嵌合部17の形状は、楕円形状に限らず、長方形や角の取れた長方形状などであってもよい。また、第1の嵌合部16は、4つの側面15のすべてに形成される構成に限定されず、例えば、左側面15Aおよび右側面15Bのみに形成されてもよい。
【0033】
蓋部11における各側面18の上下方向における長さは、本体部10における各側面15の上下方向における長さと略同一の長さであることが好ましい。このような構成により、蓋部11における各側面18の面積を大きくすることができる。したがって、本体部10に複数のタブリード1を収納して蓋部11で覆った状態において、蓋部11および本体部10を一体として持ち上げた場合、蓋部11の上面が撓んだり捻じれたりすることを防ぐことができる。
【0034】
(タブリードの構成)
図2は、
図1に示す収納容器に収納されるタブリードを示す斜視図である。
図3は、
図2に示すタブリードの側面図である。
図2および
図3を参照して、タブリード1は、電池から電気を取り出す端子であり、主面が矩形であり、縦方向において第1端2aおよび第2端2bを有する導体2と、導体2の一部を覆う絶縁フィルム3とを含む。絶縁フィルム3は、導体2の縦方向の中央よりも第1端2a側に設けられる。
【0035】
より詳細には、導体2は、アルミニウムまたは銅などの金属で構成された箔である。例えば、導体2は、縦方向の長さL1=20mm~90mmであり、横方向の幅d=10mm~80mmであり、厚さt1=0.1mm~3mmである。縦方向の長さL1と比較して、横方向の幅dの方が長くてもよい。
【0036】
絶縁フィルム3は、各々が内層および外層を有する2枚の第1のフィルム3Aおよび第2のフィルム3Bで構成されている。絶縁フィルム3の幅Wは、導体2の幅dより長く、当該導体2の幅方向の両端から絶縁フィルム3が露出する。例えば、絶縁フィルム3は、縦方向の長さL2=5mm~20mmであり、幅W=20mm~110mmであり、厚さt2=0.4mm~0.7mmである。
【0037】
タブリード1の製造時においては、第1のフィルム3Aおよび第2のフィルム3Bの各々の内層側で導体2を挟んだ状態で、第1のフィルム3Aおよび第2のフィルム3Bの内層同士を相互に接着させる。
【0038】
(収納容器における凹部の詳細な構成)
図4は、
図1に示す収納容器における凹部の構成を示す上面図である。
図4を参照して、凹部21は、底面31、ならびに4つの側面を有する。4つの側面には、底面31の幅方向、すなわち左右方向に沿う直線と交差する左側面32および右側面33、ならびに当該直線と平行な後側面34および前側面35が含まれる。
【0039】
また、凹部21の上端には開口部41が形成されている。すなわち、各側面の上端により開口部41が形成されている。凹部21は、開口部41の面積が底面31の面積よりも大きい逆四角錐台形状を有する。上面視において、底面31が開口部41の中に完全に入り込んで見える。左側面32および右側面33は台形を逆さにした形状である。すなわち、左側面32および右側面33は、底辺が上辺より短く、底辺と両側辺が作る台形の内角θはいずれも鈍角である形状を有する。この台形は、等脚台形であることが好ましい。本願明細書および特許請求の範囲で台形というのは、底辺と側辺のつながり部分が曲線であるものを含む。
【0040】
左側面32、右側面33、後側面34および前側面35は、開口部41の面積が底面31の面積よりも大きくなるように、底面31に対して傾いている。より詳細には、左側面32および右側面33は、凹部21に複数のタブリード1が収納された状態(以下、「収納状態」と称する。)において、各タブリード1の絶縁フィルム3との間でわずかな隙間が空くように、傾いている。
【0041】
後側面34および前側面35は、後述するように、収納状態において、収納される複数のタブリード1の束のうち、絶縁フィルム3より下の部分によって占有される領域の体積が、凹部21の容積の70%から90%の範囲に含まれるように、傾いている。
【0042】
左側面32、右側面33、後側面34および前側面35は、上下方向における高さが互いに同じ長さであってもよいし、互いに異なる長さであってもよい。
【0043】
凹部21と、左右方向において当該凹部21の隣の他の凹部21との間が第1の繋ぎ部12である。第1の繋ぎ部12は、当該凹部21の右側面33の上端と、隣の他の凹部21の左側面32の上端とを連結する面であると、本体部10が撓みにくく好ましい。
【0044】
また、凹部21と、前後方向において当該凹部21の隣の他の凹部21との間が第2の繋ぎ部13である。第2の繋ぎ部13は、当該凹部21の前側面35の上端と、隣の他の凹部21の後側面34の上端とを連結する面であると、本体部10が撓みにくく好ましい。
【0045】
各凹部21の後側面34および前側面35の各々の上端には切り欠き42が形成されており、側面同士の連結部分には切り欠きが形成されていない。切り欠き42は、例えば、U字形状を有し、人の指が挿入可能な大きさである。
【0046】
第2の繋ぎ部13は、凹部21の前側面35の上端と、隣の他の凹部21の後側面34の上端とを連結することに加えて、さらに、当該凹部21の前側面35の切り欠き42と、当該他の凹部21の後側面34の切り欠き42とを連結する。
【0047】
なお、凹部21は、後側面34および前側面35の両方に切り欠き42が形成される構成に限定されず、後側面34および前側面35の少なくとも一方に切り欠き42が形成されていなくてもよい。
【0048】
(タブリードの収納状態の説明)
図5は、
図4に示す凹部に複数のタブリードが収納される状態を説明するための図である。
図5では、説明を分かりやすくするため、複数のタブリード1の束および凹部21の形状を簡略化している。また、
図6は、
図4に示す凹部に複数のタブリードが収納された状態を右側方から見た図である。
【0049】
図5および
図6を参照して、1つの凹部21には、例えば50枚のタブリード1の束が収納される。タブリード1では、上述のとおり、導体2の縦方向の中央よりも第1端2a側に絶縁フィルム3が設けられる。このため、複数のタブリード1を束状にした場合、
図6に示すように、導体2の第2端2bでは導体2同士が接触するのに対して、導体2の第1端2a側は、絶縁フィルム3の厚みによって導体2同士の間隔が広くなる。これにより、複数のタブリード1の束は、
図5に示すように、およそ逆四角錐台形状となる。
【0050】
より詳細には、絶縁フィルム3同士を隙間なく重ねると、互いに隣接するタブリード1が絶縁フィルム3の部分では密着するが、互いに隣接する導体2の第1端2aおよび第2端2bは、絶縁フィルム3の厚さt2と導体2の厚さt1との差だけ隙間ができる。絶縁フィルム3同士を隙間なく重ね、かつ導体2の第2端2b同士を隙間なく重ねると、
図6に示すように、側面視において複数のタブリード1の束は上方に向けて広がる扇形になる。
【0051】
凹部21は、絶縁フィルム3に対応する部分の前後方向の長さが、タブリード1の束における絶縁フィルム3の部分の前後方向の長さと略同一となるように形成されている。このため、タブリード1の束を凹部21に収納した場合、
図6に示すように、後側面34に直近のタブリード1の絶縁フィルム3が後側面34と接触し、前側面35に直近のタブリード1の絶縁フィルム3が前側面35と接触する。
【0052】
また、凹部21の底面31の前後方向における長さ(奥行)bは、タブリード1の束における導体2の第2端2b側の前後方向における長さTbよりもわずかに長く形成されている。すなわち、底面31の奥行は、タブリード1の導体2の厚さt1に、収納されるタブリード1の枚数を乗じた値よりもわずかに大きい値となるように形成されている。このため、収納状態において、後側面34に直近のタブリード1の導体2の第2端2bと後側面34との間、および前側面35に直近のタブリード1の導体2の第2端2bと前側面35との間には、わずかな隙間が形成される。
【0053】
なお、収納状態において、各導体2の第2端2b同士にわずかな隙間ができてもよい。この場合、互いに隣接する導体2の第1端2a同士の距離は、各導体2の第2端2b同士に隙間が形成されない場合と比較して、短くなる。
【0054】
図7は、
図4に示す凹部に複数のタブリードが収納された状態を後方側から見た図である。
図7を参照して、収納状態において、左側面32および右側面33は、各タブリード1の絶縁フィルム3と接触せず、絶縁フィルム3の下端との間でわずかな隙間が形成される。
【0055】
また、収納状態において、後側面34に形成された切り欠き42から、後側面34に直近のタブリード1の導体2の一部および絶縁フィルム3の一部が露出する。また、前側面35側においても同様に、収納状態において、前側面35に形成された切り欠き42から、前側面35に直近のタブリード1の導体2の一部および絶縁フィルム3の一部が露出する。
【0056】
再び
図5を参照して、凹部21は、収納状態において、収納される複数のタブリード1の束のうち、絶縁フィルム3より下の部分によって占有される領域の体積が、当該凹部21の容積の70%から90%の範囲に含まれるように形成されている。
【0057】
例えば、
図5に示すように50枚のタブリード1の束が、1つの凹部21への収納対象であるとする。凹部21に収納される50枚のタブリード1の束によって占有される領域の体積Vtは、当該束により形成される逆四角錐台の体積の算出方法を用いて求めることができる。具体的には、タブリード1の束の絶縁フィルム3より下の部分の縦方向の長さが(L1-S)であり、導体2の幅がdであり、絶縁フィルムの幅がWであり、第1端2a側の前後方向における厚さがTaであり、第2端2b側の前後方向における厚さがTbであるとする。Sは、絶縁フィルム3の上端から導体2の第1端2aまでの長さである。
【0058】
この場合、タブリード1の束により形成される逆四角錐台形状の体積、すなわち凹部21のうちタブリード1の束によって占有される領域の体積Vtは、式(1)により算出される。
Vt=(L1-S)×{d・Ta+W・Tb+2(W・Ta+d・Tb)}/6 ・・・(1)
【0059】
このようなタブリード1の束が収納対象である場合、Vtが凹部21の容積Vpの70%~90%となるように、凹部21の底面31の大きさ、ならびに各側面の傾斜角度および大きさが設定される。
【0060】
例えば、底面31の左右方向における幅aは、
図2に示すタブリード1の導体2の幅dと方向および長さが一致するように設定される。ここで、幅aと幅dとの長さの差が微差である場合であっても「一致」に含まれることとする。微差は、例えば0.01mm~0.3mmの範囲内である。
【0061】
具体的には、底面31の幅aは、例えば、導体2の第2端2b側の左右方向における両端が、それぞれ凹部21の左側面32および右側面33との間でわずかに隙間が空くように、a=45.2mmに設定される。また、凹部21の縦方向の長さhは、タブリード1の導体2の長さL1よりもわずかに長くなるように設定される。
【0062】
凹部21の左側面32および右側面33は、上述のとおり、タブリード1の絶縁フィルム3との間でわずかな隙間が空くように、底面31に対する傾斜角度が設定される。これにより、例えば、凹部21の上端における開口部41の左右方向における幅A=61mmに設定される。
【0063】
図6を参照して、凹部21の底面31における前後方向における厚さbは、式(2)により算出される。式(2)において、Ntは絶縁フィルム3の下端側の厚さであり、絶縁フィルム3の下端側の厚さNtは、
図3に示す絶縁フィルム3の厚さt2に、1つの凹部21に収納されるタブリード1の枚数Nを乗じた値に相当する(Nt=t2×N)。
b=Nt-2×sinθ×(L1-S-L2) ・・・(2)
【0064】
式(2)により算出される凹部21の底面31における前後方向における厚さbを、
図5に示す、50枚のタブリード1の束の第2端2b側の前後方向における厚さTbよりもわずかに長くする。
【0065】
凹部21の開口部41の前後方向における厚さBは、式(3)により算出される。
B=b+2×h×tanθ ・・・(3)
このように設定されたA、B、a、bおよびhを用いて、逆四角錐台の体積の算出方法により、凹部21の容積Vpを算出することができる。
【0066】
そして、複数のタブリード1の束のうち、絶縁フィルム3より下の部分によって占有される領域の体積Vtが、凹部21の容積Vpの70%から90%の範囲に含まれるように、bおよびhの値を調整がされる。このように調整されたbおよびhを用いると、凹部21の容積Vpは、式(4)となる。
Vp=h×{a・B+A・b+2(A・B+a・b)}/6・・・(4)
【0067】
(i)例1
具体的には、50枚のタブリード1の束の各寸法を、
絶縁フィルム3より下の部分の縦方向の長さL1-S=36.5mm、
導体2の幅d=45mm、
絶縁フィルム3の幅W=55mm、
第1端2a側の前後方向における厚さTa=36.8mm、
第2端2b側の前後方向における厚さTb=30mm、
とする。この場合、体積Vt=61161.8mm3となる。
【0068】
また、凹部21の各寸法を、
凹部21の高さh=45.5mm、
凹部21の上面の幅A=61mm、
凹部21の下面の幅a=45mm、
凹部21の上面の奥行B=38mm、
凹部21の下面の奥行b=30.7mm、
とする。この場合、凹部21の容積Vp=79157.1mm3となり、Vt/Vp=77%となる。
【0069】
(ii)例2
また、50枚のタブリード1の束の各寸法を、
絶縁フィルム3より下の部分の縦方向の長さL1-S=41.5mm、
導体2の幅d=45mm、
絶縁フィルムの幅W=55mm、
第1端2a側の前後方向における厚さTa=37.7mm、
第2端2b側の前後方向における厚さTb=30mm、
とする。この場合、タブリードの体積Vt=70505.0mm3となる。
【0070】
また、凹部21の各寸法を、上記の例1と同様にする。この場合、Vt/Vp=89%となる。
【0071】
(タブリードの収納作業)
図8は、
図4に示す凹部に複数のタブリードを収納する作業を説明するための図である。
図8は、複数のタブリード1の束を凹部21に収納する途中の状態、すなわちタブリード1の束の下端が凹部21の底面31よりも上方にある状態を示している。
図8を参照して、例えば50枚のタブリード1の束を1つの凹部21に収納する場合、作業者は、これら50枚のタブリード1の束を掴み、凹部21に挿入する。このとき、作業者は、複数のタブリード1が並ぶ向きが前後方向に沿うように、当該束の向きを調整する。
【0072】
また、このとき、後側面34および前側面35に形成された切り欠き42により、作業者の指が収納容器100の本体部10に接触することを避けることができる。これにより、作業者は、タブリード1の第2端2bが凹部21の底面31に到達するまで、当該タブリード1の束を指で保持することができる。
【0073】
このようにして、各凹部21にタブリード1の束を収納した後、作業者は、例えば、各束の上にクッション材を載せ、さらに、本体部10の上方から蓋部11を被せる。このとき、作業者は、蓋部11が本体部10の上端に当接するまで、蓋部11を下方へ押圧する。蓋部11が下方へ押圧されて、蓋部11における第2の嵌合部17が本体部10における第1の嵌合部16に到達すると、複数の第2の嵌合部17がそれぞれ対応する複数の第1の嵌合部16と嵌合し、本体部10に対して蓋部11が固定される。蓋部11が本体部10に被せられて固定された状態で、蓋部11の下面と本体部10に収容されたタブリード1との間に空間がある場合には、その空間に緩衝材を入れることが好ましい。
【0074】
なお、1つの凹部21に収納されるタブリード1の枚数は50枚に限らず、25枚など他の枚数であってもよい。凹部21の形状、すなわち底面31の大きさ、ならびに各側面の傾斜角度および大きさは、収納されるタブリード1の形状および枚数に応じて適切に設定される。
【0075】
以上、特定の実施形態に基づいて本開示を説明したが、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0076】
1 タブリード
2 導体
2a 第1端
2b 第2端
3 絶縁フィルム
3A 第1のフィルム
3B 第2のフィルム
10 本体部
11 蓋部
12 第1の繋ぎ部
13 第2の繋ぎ部
15 側面
15A 左側面
15B 右側面
15C 後側面
15D 前側面
16 第1の嵌合部
17 第2の嵌合部
18 側面
18A 左側面
18B 右側面
18C 後側面
18D 前側面
21 凹部
31 底面
32 左側面
33 右側面
34 後側面
35 前側面
41 開口部
42 切り欠き
100 収納容器