(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143612
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】制御プログラムの更新判定装置、制御プログラムの更新判定方法及び制御プログラムの更新判定プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 8/65 20180101AFI20241003BHJP
【FI】
G06F8/65
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023056378
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000250502
【氏名又は名称】理想科学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100170575
【弁理士】
【氏名又は名称】森 太士
(72)【発明者】
【氏名】中台 綾
【テーマコード(参考)】
5B376
【Fターム(参考)】
5B376AB29
5B376CA36
5B376CA43
(57)【要約】
【課題】装置の制御プログラムの更新の必要性を適切に判断し、ユーザーに必要以上の手間をかけさせないようにする。
【解決手段】第1の情報取得部111は、制御プログラムにより制御されるプリンタ21の、更新プログラムによって更新される制御プログラムの項目毎の使用頻度情報を取得する。第1の判定部114は、項目毎の使用頻度情報のうち、制御プログラムの更新プログラムによる更新の対象となる項目の使用頻度情報に基づいて、プリンタ21の制御プログラムの更新を必要とするか否かを判定する。第1の判定部114は、プリンタ21の更新の対象となる項目の使用頻度情報が所定頻度以上の使用頻度である場合に、プリンタ21の制御プログラムの更新を必要とすると判定する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御プログラムにより制御される第1の装置の更新プログラムによって更新される前記制御プログラムの項目毎の使用頻度情報を取得する第1の情報取得部と、
前記項目毎の使用頻度情報のうち、前記制御プログラムの更新プログラムによる更新の対象となる項目の使用頻度情報に基づいて、前記第1の装置の前記制御プログラムの更新を必要とするか否かを判定する第1の判定部とを備え、
前記第1の判定部は、前記第1の装置の前記更新の対象となる項目の使用頻度情報が所定頻度以上の使用頻度である場合に、前記第1の装置の前記制御プログラムの更新を必要とすると判定する
ことを特徴とする制御プログラムの更新判定装置。
【請求項2】
前記第1の判定部は、前記第1の装置の前記更新の対象となる項目の使用頻度情報が前記所定頻度未満の使用頻度である第1の条件に該当する場合に、前記第1の装置の前記更新の対象となる項目の使用頻度による次の予想使用時期が、前記第1の装置の前記制御プログラムの前記更新プログラムによる次の更新時期よりも先に到来するか否かに基づいて、前記第1の装置の前記制御プログラムの更新を必要とするか否かを判定する第2の判定部をさらに備えており、
前記第2の判定部は、前記到来する場合に前記第1の装置の前記制御プログラムの更新を必要とすると判定することを特徴とする請求項1に記載の制御プログラムの更新判定装置。
【請求項3】
前記第1の装置、および、前記制御プログラムにより制御される1又は複数の第2の装置の使用環境情報を取得する使用環境取得部と、前記1又は複数の第2の装置のうち前記第1の装置と使用環境情報が共通する第2の装置の項目毎の使用頻度情報を取得する第2の情報取得部とをさらに備え、
前記第1の判定部は、前記第1の装置の前記更新の対象となる項目の使用頻度情報が前記所定頻度未満の使用頻度である第1の条件に該当する場合に、前記第1の装置と前記使用環境情報が共通する第2の装置の、前記更新の対象となる項目の使用頻度情報に基づいて、前記第1の装置の前記制御プログラムの更新を必要とするか否かを判定する第3の判定部を有しており、
前記第3の判定部は、前記第1の装置と使用環境情報が共通する前記第2の装置の、前記更新の対象となる項目の前記使用頻度情報が所定頻度以上の使用頻度であると、前記第1の装置の前記制御プログラムの更新を必要とすると判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の制御プログラムの更新判定装置。
【請求項4】
前記第3の判定部は、前記第1の装置と使用環境情報が共通する第2の装置の更新の対象となる項目の使用間隔が、前記第1の装置の前記制御プログラムの前記更新プログラムによる次の更新時期までの期間よりも短いか否かに基づいて、前記第1の装置の前記制御プログラムの更新を必要とするか否かを判定し、前記短い場合に、前記短い場合に、前記第1の装置と使用環境情報が共通する前記第2の装置の、前記更新の対象となる項目の前記使用頻度情報が所定頻度以上の使用頻度であると判定することを特徴とする請求項3に記載の制御プログラムの更新判定装置。
【請求項5】
前記第1の装置は画像形成装置であり、前記第2の装置は、前記第1の装置と共通のネットワークに接続された画像形成装置であることを特徴とする請求項3に記載の制御プログラムの更新判定装置。
【請求項6】
前記第1の装置は画像形成装置であり、前記更新プログラムは、前記制御プログラムのバージョンアッププログラムであることを特徴とする請求項1に記載の制御プログラムの更新判定装置。
【請求項7】
前記第1の判定部の判定結果を前記判定結果の根拠と共に前記第1の装置に報知する報知部と、前記報知に対する前記第1の装置の前記制御プログラムの更新を必要とするか否かの指示情報を取得する第3の情報取得部と、前記指示情報が前記制御プログラムの更新を必要とする内容である場合に、前記第1の装置に前記制御プログラムの前記更新プログラムを提供する提供部とをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の制御プログラムの更新判定装置。
【請求項8】
制御プログラムにより制御される第1の装置の更新プログラムによって更新される前記制御プログラムの項目毎の使用頻度情報をコンピュータが取得する第1のステップと、
前記項目毎の使用頻度情報のうち、前記制御プログラムの更新プログラムによる更新の対象となる項目の使用頻度情報に基づいて、前記第1の装置の前記制御プログラムの更新を必要とするか否かを前記コンピュータが判定する第2のステップとを含み、
前記第2のステップにおいて、前記第1の装置の前記更新の対象となる項目の使用頻度情報が所定頻度以上の使用頻度である場合に、前記第1の装置の前記制御プログラムの更新を必要とすると前記コンピュータが判定する
ことを特徴とする制御プログラムの更新判定方法。
【請求項9】
制御プログラムにより制御される第1の装置の更新プログラムによって更新される前記制御プログラムの項目毎の使用頻度情報を取得する第1のステップと、
前記項目毎の使用頻度情報のうち、前記制御プログラムの更新プログラムによる更新の対象となる項目の使用頻度情報に基づいて、前記第1の装置の前記制御プログラムの更新を必要とするか否かを判定し、前記第1の装置の前記更新の対象となる項目の使用頻度情報が所定頻度以上の使用頻度である場合に、前記第1の装置の前記制御プログラムの更新を必要とすると判定する第2のステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする制御プログラムの更新判定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御プログラムの更新判定装置、制御プログラムの更新判定方法及び制御プログラムの更新判定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、プログラマブル・ロジック・コントローラの実行環境をバージョンアップする方法が記載されている。特許文献1の方法では、コントローラのオペレーティングシステムのバージョン情報に対応するバージョンアップ情報をサーバから読み出す。読み出したバージョンアップ情報のバージョンアップ命令一覧と、コントローラのユーザーによって使用される命令との間に重複があると、バージョンアップの必要性があると判断する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術を、装置の制御プログラムを新しいバージョンの更新プログラムに更新する場合に応用すると、例えば、ユーザーが過去に使用した装置の機能を更新対象に含む更新プログラムは、一義的に更新の必要性があると判断される。更新の必要性がむやみにあると判断されると、例えば、判断に基づいて不要な場合に制御プログラムが更新されてしまい、ユーザーが更新の手間を必要以上に費やしてしまうことがある。そのようなユーザーが、逆に更新の必要性がある場合に制御プログラムの更新を自己判断で取り止めてしまう可能性がある。
【0005】
本発明は、前記事情に鑑みなされたもので、本発明の目的は、装置の制御プログラムの更新の必要性を適切に判断し、ユーザーに必要以上の手間をかけさせないようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一つの態様による制御プログラムの更新判定装置は、
制御プログラムにより制御される第1の装置の更新プログラムによって更新される前記制御プログラムの項目毎の使用頻度情報を取得する第1の情報取得部と、
前記項目毎の使用頻度情報のうち、前記制御プログラムの更新プログラムによる更新の対象となる項目の使用頻度情報に基づいて、前記第1の装置の前記制御プログラムの更新を必要とするか否かを判定する第1の判定部とを備え、
前記第1の判定部は、前記第1の装置の前記更新の対象となる項目の使用頻度情報が所定頻度以上の使用頻度である場合に、前記第1の装置の前記制御プログラムの更新を必要とすると判定する
ことを特徴とする。
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の他の一つの態様による制御プログラムの更新判定方法は、
制御プログラムにより制御される第1の装置の更新プログラムによって更新される前記制御プログラムの項目毎の使用頻度情報をコンピュータが取得する第1のステップと、
前記項目毎の使用頻度情報のうち、前記制御プログラムの更新プログラムによる更新の対象となる項目の使用頻度情報に基づいて、前記第1の装置の前記制御プログラムの更新を必要とするか否かを前記コントローラが判定する第2のステップとを含み、
前記第2のステップにおいて、前記第1の装置の前記更新の対象となる項目の使用頻度情報が所定頻度以上の使用頻度である場合に、前記第1の装置の前記制御プログラムの更新を必要とすると前記コンピュータが判定する
ことを特徴とする。
【0008】
上記目的を達成するために、本発明のさらに他の一つの態様による制御プログラムの更新判定プログラムは、
制御プログラムにより制御される第1の装置の更新プログラムによって更新される前記制御プログラムの項目毎の使用頻度情報を取得する第1のステップと、
前記項目毎の使用頻度情報のうち、前記制御プログラムの更新プログラムによる更新の対象となる項目の使用頻度情報に基づいて、前記第1の装置の前記制御プログラムの更新を必要とするか否かを判定し、前記第1の装置の前記更新の対象となる項目の使用頻度情報が所定頻度以上の使用頻度である場合に、前記第1の装置の前記制御プログラムの更新を必要とすると判定する第2のステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、装置の制御プログラムの更新の必要性を適切に判断し、ユーザーに必要以上の手間をかけさせないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施形態に係る制御プログラムの更新判定装置を有するネットワークプリンタシステムの概略構成を示す説明図である。
【
図2】
図2は、
図1のプリントコントローラの概略構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、
図1のプリンタの概略構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、
図2のマイクロコントローラのCPUが、メモリに記憶させた制御プログラムを実行することで行う処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、
図2のバージョンアップ情報データベースのバージョンアップ情報の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、
図2のバージョンアップ情報データベースのバージョンアップ情報の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、
図2のバージョンアップ情報データベースのバージョンアップ情報の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、
図3の記憶部に記憶されたプリンタの使用状況情報の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、
図3の記憶部に記憶されたプリンタの使用環境情報の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、本発明の第1実施形態の変形例に係り、
図2のマイクロコントローラのCPUが、メモリに記憶させた制御プログラムを実行することで行う追加の処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、本発明の第1実施形態の変形例に係り、
図3の表示/操作部に表示されるバージョンアップの判定結果の報知画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一もしくは同等の部位や構成要素には、同一もしくは同等の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0012】
また、以下に示す実施形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0013】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る制御プログラムの更新判定装置を有するネットワークプリンタシステムの概略構成を示す説明図である。本実施形態のネットワークプリンタシステムは、プリントコントローラ10と、画像形成装置としての複数台のプリンタ21~2nと、プリントコントローラ10及びプリンタ21~2nを通信可能に接続するネットワーク30とを有している。ネットワーク30は、例えば、イーサネット等のLAN(Local Area Network)であってもよい。本実施形態では、制御プログラムの更新判定装置がプリントコントローラ10に設けられる。
【0014】
複数台のプリンタ21~2nは、共通の制御プログラムにより制御される画像形成装置とすることができる。プリントコントローラ10は、例えば、外部ネットワーク40を介してインターネット上のデータサーバ50に接続されている。データサーバ50は、例えば、汎用のマイクロコントローラを有している。汎用のマイクロコントローラは、CPU(Central Processing Unit )及びメモリを備える。メモリは、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を含む。データサーバ50のマイクロコントローラは、メモリに記憶させた制御プログラムをCPUが実行することで、複数の情報処理回路を仮想的に構築することができる。
【0015】
データサーバ50は、プリンタ21~2nの制御プログラムがバージョンアップされた場合に、外部ネットワーク40を介してプリントコントローラ10に、制御プログラムの更新プログラムを供給することができる。プリントコントローラ10は、データサーバ50から供給された更新プログラムによって制御プログラムを更新するか否かを判定する。プリントコントローラ10は、更新すると判定したプリンタ21~2nに、制御プログラムの更新プログラムを供給することができる。
【0016】
図2は、プリントコントローラ10の概略構成を示すブロック図である。プリントコントローラ10は、マイクロコントローラ110及びデータベース部120を有している。コンピュータに当たるマイクロコントローラ110は、例えば、汎用のマイクロコントローラを有している。汎用のマイクロコントローラは、CPU及びメモリを備える。メモリは、ROM及びRAMを含む。本実施形態のマイクロコントローラ110は、メモリに記憶させた制御プログラムをCPUが実行することで、複数の情報処理回路を仮想的に構築することができる。制御プログラムは、コンピュータによって読み書き可能な記録媒体に格納されるものであってもよいし、ネットワーク30を通して提供されるものであってもよい。
【0017】
複数の情報処理回路は、プリンタ21~2nの制御プログラムを更新するか否かを判定するための、第1~第3の情報取得部111~113と、第1及び第2の判定部114、115と、報知部116と、提供部117とを構成することができる。これらの各部111~117が構築されるマイクロコントローラ110は、本実施形態の制御プログラムの更新判定装置を構成し、本実施形態の制御プログラムの更新判定方法を実行するコンピュータとして機能することができる。各部111~117は、個別の情報処理回路で構成してもよく、1つの情報処理回路で構成してもよい。
【0018】
本実施形態では、マイクロコントローラ110に構築される複数の情報処理回路をソフトウェアによって実現する例を示す。情報処理回路は、専用のハードウェアを用いて構成してもよい。専用のハードウェアは、各部111~117の後述する情報処理を実行する。1つのハードウェアで複数の情報処理回路を構成してもよく、1つのハードウェアで1つの情報処理回路を構成してもよい。専用のハードウェアは、各部111~117の機能を実行するようにアレンジされた特定用途向け集積回路(ASIC;Application Specific Integrated Circuit )、従来型の回路部品のような装置を含む。
【0019】
第1の情報取得部111は、第1の装置の更新プログラムによって更新される制御プログラムの項目毎の使用頻度情報を取得する。第1の装置とは、制御プログラムを更新するか否かを判定する対象の装置である。本実施形態では、プリンタ21~2nのうちの1つを、第1の装置とすることができる。第1の情報取得部は、第1の装置の使用環境情報をさらに取得してもよい。使用頻度情報及び使用環境情報は、例えば、第1の装置から取得することができる。
【0020】
第2の情報取得部112は、1又は複数の第2の装置の使用状況情報を取得する。使用状況情報は、1又は複数の第2の装置の、使用環境情報と、項目毎の使用頻度情報又は更新履歴情報とを含む。第2の装置とは、第1の装置と同じ制御プログラムにより制御される1又は複数の装置である。本実施形態では、プリンタ21~2nのうち第1の装置とする1つを除いた残りを、第2の装置とすることができる。第1の装置及び第2の装置を通じて、使用頻度情報、使用履歴情報及び使用環境情報の詳細は後述する。
【0021】
第3の情報取得部113は、後述する報知部116が第1の装置に第1の判定部114の判定結果を報知した場合に、その報知に対する、第1の装置の制御プログラムの更新を必要とするか否かの指示情報を取得する。指示情報は、例えば、第1の装置から取得することができる。
【0022】
第1の判定部114は、第1の装置の項目毎の使用頻度情報のうち、制御プログラムの更新プログラムによる更新の対象となる項目の使用頻度情報に基づいて、第1の装置の制御プログラムの更新を必要とするか否かを判定する。第2の判定部115は、第1の装置の制御プログラムの更新プログラムによる次の更新時期が、第1の装置の更新の対象となる項目の使用頻度による次の予想使用時期よりも先に到来するか否かを判定する。
【0023】
報知部116は、上述したように、第1の判定部114の判定結果を判定結果の根拠と共に第1の装置に報知する。提供部117は、第3の情報取得部113が取得した指示情報が制御プログラムの更新を必要とする内容である場合に、第1の装置に制御プログラムの更新プログラムを提供する。
【0024】
データベース部120は、例えば、SSD(Solid State Drive )又はHDD(Hard Disk Drive )等の記憶装置によって構成することができる。データベース部120には、バージョンアップ情報、使用頻度及び使用環境の各データベース121~123が構築されている。
【0025】
バージョンアップ情報データベース121には、データサーバ50がプリントコントローラ10に供給した更新プログラムが、バージョンアップ情報と共に記憶される。第2の情報取得部112が取得した第1の装置及び第2の装置の機能の使用履歴情報は、例えば、バージョンアップ情報データベース121に項目毎に記憶させることができる。使用頻度データベース122には、第2の情報取得部112が取得した第1の装置及び第2の装置の機能の使用頻度情報が、項目毎に記憶される。使用環境データベース123には、第2の情報取得部112が取得した第1の装置及び第2の装置の使用環境情報が記憶される。
【0026】
図3は、
図1のプリンタ21~2nの概略構成を示すブロック図である。プリンタ21~2nは、共通の構成を有している。
図3には、
図1のプリンタ21~2nに共通する構成を抜き出して示している。以後の説明で、プリンタ21~2nを区別する必要がない場合は、プリンタ21~2nを総称してプリンタ20と呼ぶ。
【0027】
プリンタ20は、表示/操作部210、スキャナ部220、印刷部230、通信部240、記憶部250及びコントローラ260を有している。
【0028】
表示/操作部210は、例えば、操作画面とこれを覆うタッチパネルとで構成することができる。表示/操作部210は、プリンタ20で実行される処理機能に対する操作情報を表示し、印刷動作に関する命令を含むユーザーの操作を受け付ける。スキャナ部220は、原稿上の画像情報を印刷画像として読み取って画像信号を出力する。印刷部230は、スキャナ部220から出力された画像信号、或いは不図示のクライアント端末から送信された印刷ジョブに基づいて、プリントエンジンにより用紙の片面又は両面に印刷画像を印刷する。プリントエンジンは、例えば、インクジェット、孔版印刷、電子写真等の各方式のものを用いることができる。通信部240は、ネットワーク30を介してプリントコントローラ10と通信することができる。
【0029】
記憶部250は、例えば、例えば、SSD又はHDD等の記憶装置によって構成することができる。記憶部250には、バージョンアップ情報、使用頻度及び使用環境の各データベース251~253が構築されている。
【0030】
バージョンアップ情報データベース251には、例えば、プリントコントローラ10から供給された更新プログラムを記憶することができる。更新プログラムによってプリンタ20が制御プログラムを更新した履歴は、更新履歴情報として、例えば、バージョンアップ情報データベース251に記憶させることができる。更新履歴情報は、更新した制御プログラムの機能の項目毎に、バージョンアップ情報データベース251に記憶させることができる。使用頻度データベース252には、ユーザーが使用したプリンタ20の機能の使用頻度情報が項目毎に記憶されている。使用環境データベース253には、プリンタ20の使用環境情報が記憶される。
【0031】
記憶部250のバージョンアップ情報、使用頻度及び使用環境の各データベース251~253は、例えば、プリンタ20のログ情報として1つの記憶領域にまとめて発生順に記憶されていてもよく、別々の記憶領域に仕分けて記憶されていてもよい。プリンタ20の使用状況情報は、使用環境データベース253の使用環境情報とバージョンアップ情報データベース251の更新履歴情報とを含み、又は、使用環境情報と使用頻度データベース252の使用頻度情報とを含む。
【0032】
コントローラ260は、例えば、汎用のマイクロコントローラを有している。汎用のマイクロコントローラは、CPU及びメモリを備える。メモリは、ROM及びRAMを含む。コントローラ260のマイクロコントローラは、メモリに記憶させた制御プログラムをCPUが実行することで、複数の情報処理回路を仮想的に構築することができる。
【0033】
図4は、プリントコントローラ10のマイクロコントローラ110のCPUが、メモリに記憶させた制御プログラムを実行することで行う処理の手順の一例を示すフローチャートである。以後、制御プログラムを更新するか否かを判定する対象の第1の装置をプリンタ21とし、第2の装置をプリンタ22~2nとした場合について説明する。
【0034】
マイクロコントローラ110は、データサーバ50から更新プログラムを受け取ると、受け取った更新プログラムによるバージョンアップで改善される制御プログラムの内容を確認する(ステップS1)。改善される内容とは、制御プログラムの更新により改善される機能の項目である。改善される内容は、データサーバ50から受け取る更新プログラムのバージョンアップ情報によって確認することができる。
【0035】
図5~
図7は、プリントコントローラ10のバージョンアップ情報データベース121のバージョンアップ情報の例を示す図である。バージョンアップ情報は、機能、ユニット、消耗品、印刷枚数、ユーザーの各分類についての、制御プログラムの更新プログラムによる更新でバージョンアップされる項目の情報を含んでいる。
【0036】
図5のバージョンアップ情報は、バージョンアップで改善される制御プログラムの項目が、スタンプの機能である場合を示している。このバージョンアップでは、スタンプ印字の機能が改善される。
図6のバージョンアップ情報は、バージョンアップで改善される制御プログラムの項目が、用紙の反転経路の動作に関するユニット、及び、消耗品として使用する長尺用紙に関する場合を示している。このバージョンアップでは、ユニットの補足情報に長尺用紙の反転機能が改善されることを示しており、用紙の反転経路の動作であっても長尺用紙以外は含まれないことを示している。
図7のバージョンアップ情報は、バージョンアップで改善される制御プログラムの項目が、手差しトレイの動作に関するユニットである場合を示している。このバージョンアップでは、手差しトレイの給紙機能が改善される。
【0037】
図4に示すように、第1の情報取得部111が、改善される項目の機能をプリンタ21において過去に使用した履歴を示す使用履歴情報を、プリンタ21の使用頻度データベース252から取得する。第1の情報取得部111は、使用履歴情報を、ステップS1よりも早い時点で取得してもよく、例えば、一定時間間隔毎に定期的に取得する等、
図4のフローチャートとは別の処理の手順において取得してもよい。
【0038】
図8は、プリンタ20の記憶部250の使用頻度データベース252に記憶されたプリンタ21の使用頻度情報の一例を示す図である。使用頻度情報は、機能、ユニット、消耗品、印刷枚数、ユーザーの各分類についての、項目毎の使用頻度の情報を含んでいる。
【0039】
図4に示すように、マイクロコントローラ110は、第1の情報取得部111が取得した使用頻度情報から、改善される項目の機能をプリンタ21において過去に使用した履歴があるか否かを確認する(ステップS3)。過去に使用した履歴がない場合は(ステップS3でNO)、後述するステップS9に処理を移行する。
【0040】
改善される項目の機能を過去に使用した履歴がある場合は(ステップS3でYES)、第1の判定部114は、制御プログラムの更新で改善される機能と同じ項目の使用頻度が所定頻度以上であるか否かを確認する(ステップS5)。所定頻度は、全項目に共通としてもよく、項目別に定めてもよい。第1の判定部114は、使用頻度が所定頻度以上であるか否かを、第1の情報取得部111が取得したプリンタ21の使用頻度情報を用いて確認することができる。使用頻度が所定頻度以上である場合は(ステップS5で「高」)、後述するステップS15に処理を移行する。
【0041】
使用頻度が所定頻度未満である場合は(ステップS5で「低」)、第2の判定部115が、更新対象の項目の機能をプリンタ21で次に使用する予想使用時期が、更新プログラムの次の更新時期よりも先に到来するか否かを判定する(ステップS7)。プリンタ21の次の予想使用時期は、プリンタ21の更新の対象となる項目の機能の使用頻度によって特定することができる。また、使用頻度は使用間隔に対応するため、予想使用時期は、現時点から使用頻度に対応する使用間隔だけ経過した時期となる。したがって、現在から、プリンタ21の制御プログラムが次の更新プログラムによりバージョンアップされる更新時期までの期間と、更新対象の項目の機能に関するプリンタ21の使用間隔とを比較することは、上述したステップS7の説明の処理と同義である。更新プログラムによる制御プログラムの次の更新時期は、例えば、更新プログラムと共にデータサーバ50から提供されてもよく、予め定められていてもよい。
【0042】
更新対象の項目の機能をプリンタ21で次に使用する予想使用時期が、制御プログラムの次の更新時期よりも先に到来する場合は(ステップS7でYES)、ステップS15に処理を移行する。プリンタ21の予想使用時期が次の更新時期までに到来しない場合は(ステップS7でNO)、ステップS9に処理を移行する。
【0043】
ステップS9では、第2の情報取得部112が、プリンタ21及びプリンタ22~2nの使用状況情報のうち、少なくとも使用環境情報を取得し、マイクロコントローラ110が、プリンタ21と使用環境が共通するプリンタ22~2nの有無を確認する。第2の情報取得部112は、プリンタ21~2nの使用環境情報を、ステップS9よりも早い時点で取得してもよく、例えば、一定時間間隔毎に定期的に取得する等、
図4のフローチャートとは別の処理の手順において取得してもよい。
【0044】
図9は、プリンタ20の記憶部250の使用環境データベース253に記憶されたプリンタの使用環境情報の一例を示す図である。使用環境情報は、業種、プリンタ21の設置環境の気温及び湿度の各分類についての、種類毎の使用環境の情報を含んでいる。
図2のマイクロコントローラ110は、例えば、プリンタ21とプリンタ22~2nとの各使用環境情報中に、同じ使用環境の種類が1つでもある場合に、互いの使用環境が共通すると判断することができる。互いの使用環境が共通すると判断する使用環境の種類は、2以上の複数としてもよい。
【0045】
図4に示すように、プリンタ21と使用環境が共通するプリンタ22~2nがない場合は(ステップS9でNO)、後述するステップS17に処理を移行する。使用環境が共通するプリンタ22~2nがある場合は(ステップS9でYES)、ステップS11の処理を実行する。ステップS11では、第1の判定部114が、使用環境が共通するプリンタ22~2nにおいて、制御プログラムの更新で改善される機能と同じ項目の使用頻度が所定頻度以上であるか否かを確認する。
【0046】
第1の判定部114は、使用環境がプリンタ21と共通するプリンタ22~2nにおいて、使用頻度が所定頻度以上であるか否かを、第2の情報取得部112が取得したプリンタ22~2nの使用頻度情報を用いて確認することができる。使用頻度が所定頻度以上である場合は(ステップS11で「高」)、ステップS15に処理を移行する。使用頻度が所定頻度未満である場合は(ステップS11で「低」)、ステップS13の処理を実行する。
【0047】
ステップS13では、第1の判定部114が、使用環境がプリンタ21と共通するプリンタ22~2nにおいて、更新対象の項目の機能を次に使用する予想使用時期が、プリンタ21における制御プログラムの次の更新時期よりも先に到来するか否かを判定する。使用環境がプリンタ21と共通するプリンタ22~2nの予想使用時期が、プリンタ21における制御プログラムの次の更新時期よりも先に到来する場合は(ステップS13でYES)、ステップS15に処理を移行する。使用環境がプリンタ21と共通するプリンタ22~2nの予想使用時期が、プリンタ21における制御プログラムの次の更新時期までに到来しない場合は(ステップS13でNO)、ステップS17に処理を移行する。
【0048】
ステップS15では、第1の判定部114が、制御プログラムを更新プログラムで更新してバージョンアップすることが必要であると判断する。ステップS17では、第1の判定部114が、制御プログラムを更新プログラムで更新してバージョンアップすることが不要であると判断する。以上で、一連の処理を終了する。
【0049】
なお、ステップS5において、第1の判定部114が、制御プログラムの更新で改善される機能と同じ項目の使用頻度が所定頻度未満である(「低」)と判定した場合に、ステップS7の処理をスキップしてステップS9の処理を行ってもよい。また、所定頻度は製品の特長や使われ方に応じて適度な頻度としてもよく、例えば1ヶ月未満は「高」、1ヶ月以上は「低」などとしてもよい。
【0050】
以上に説明した第1実施形態のプリントコントローラ10では、更新プログラムによって更新される制御プログラムの項目が、更新対象のプリンタ21において使用頻度の高い項目である場合に、制御プログラムの更新が必要であると判断される。更新プログラムによって更新される制御プログラムの項目が、更新対象のプリンタ21における使用履歴がある項目であっても、プリンタ21における使用頻度が低ければ、むやみに更新が必要であるとは判断されない。
【0051】
マイクロコントローラ110は、
図4で説明した処理では、
図5、
図6、
図7で示したバージョンアップ情報に含まれる項目と、
図8に示した使用頻度情報に含まれる項目毎の使用頻度の情報とを比較し、バージョンアップの要否を判断する。例えば、
図5はスタンプの機能に関するバージョンアップであるが、
図8の使用頻度情報によると、プリンタ21におけるスタンプの機能の使用頻度は年に1回である。例えば、スタンプの機能に関する所定頻度が1年以下である場合、マイクロコントローラ110は、ステップS5において、スタンプの機能の使用頻度が低いと判断する。また、スタンプの機能の使用頻度が年に1回であるため、次のバージョンアップまでの期間が1年を上回る場合、マイクロコントローラ110は、ステップS7において、制御プログラムの次の更新時期よりも先に予想使用時期が到来すると判断する(YES)。この場合、マイクロコントローラ110は、ステップS15において、バージョンアップが必要と判断する。
【0052】
なお、プリンタ21における次のバージョンアップまでの期間が1年未満である場合、マイクロコントローラ110は、ステップS7において、制御プログラムの次の更新時期までに予想使用時期が到来しないと判断する(NO)。この場合、ステップS9へ進む。ステップS9において、プリンタ21と似た環境に設置された他のプリンタ22~2nがあれば(ステップS9でYES)、マイクロコントローラ110は、プリンタ21と類似した環境のプリンタ22~2nについて、ステップS7と同様の処理を実施する。同様に、更新される制御プログラムの項目が、
図6の用紙の反転経路の動作に関するユニットにおける、長尺用紙の反転の改善であれば、マイクロコントローラ110は、用紙反転経路や長尺用紙についての使用頻度情報に基づきバージョンアップの要否を判断する。更新される制御プログラムの項目が、
図7の手差しトレイの動作に関するユニットであれば、マイクロコントローラ110は、手差しトレイについての使用頻度情報に基づきバージョンアップの要否を判断する。
【0053】
よって、プリンタ21の制御プログラムの更新の必要性を適切に判断し、ユーザーに必要以上の手間をかけさせないようにすることができる。そして、更新の要否の判断に基づいて必要以上に制御プログラムが更新されて、更新の手間を必要以上に費やしたユーザーが、更新の必要性がある場合に制御プログラムの更新を自己判断で取り止めてしまう状況が発生するのを抑制することができる。
【0054】
[第1実施形態の変形例]
第1実施形態では、更新対象のプリンタ21における制御プログラムの更新の要否を判断したが、以下に説明する変形例のように、判断結果をプリンタ21のユーザーに報知し更新の要否に関するユーザーの指示を要求してもよい。本変形例でも、第1実施形態と同様に、制御プログラムの更新判定装置はプリントコントローラ10に設けられる。本変形例でも、プリントコントローラ10のマイクロコントローラ110は、本実施形態の制御プログラムの更新判定装置を構成し、制御プログラムの更新判定方法を実行するコンピュータとして機能することができる。
【0055】
図10は、本発明の第1実施形態の変形例に係り、プリントコントローラ10のマイクロコントローラのCPUが、メモリに記憶させた制御プログラムを実行することで行う追加の処理の手順の一例を示すフローチャートである。この変形例でも、制御プログラムを更新するか否かを判定する対象の第1の装置をプリンタ21とし、第2の装置をプリンタ22~2nとした場合について説明する。
【0056】
マイクロコントローラ110の報知部116は、
図4のステップS15又はステップS17で第1の判定部114が判定した制御プログラムのバージョンアップの要否の判定結果を、判定結果の根拠と共にプリンタ21に報知する(ステップS19)。報知した判定結果及び根拠は、例えば、プリンタ21の表示/操作部210において、画面によりユーザーに報知することができる。
【0057】
図11は、本発明の第1実施形態の変形例に係り、表示/操作部210に表示されるバージョンアップの判定結果の報知画面の一例を示す図である。
図11には、第1の判定部114が制御プログラムのバージョンアップを必要と判定した場合の報知画面の例を示している。第1の判定部114が制御プログラムのバージョンアップを不要と判定した場合は、例えば、報知画面の「バージョンアップしようとしているファームウェアでは、」のメッセージを変更してもよい。変更する場合のメッセージは、例えば、「バージョンアップをキャンセルしようとしているファームウェアでは、」とすることができる。
【0058】
プリンタ21のユーザー(図示せず)は、報知画面中の「はい」又は「いいえ」のボタン表示をタッチすることで、バージョンアップの必要又は不要を指示することができる。プリンタ21のコントローラ260は、ユーザーがタッチしたボタン表示に対応する指示情報を、ネットワーク30を介してプリントコントローラ10に送信することができる。
【0059】
図10に示すように、マイクロコントローラ110は、第3の情報取得部113がプリンタ21から取得した指示情報が、バージョンアップが必要であることを選択する内容であるか否かを確認する(ステップS21)。バージョンアップを選択する内容である場合は(ステップS21でYES)、提供部117は、バージョンアップ処理を実行し、プリンタ21に制御プログラムの更新プログラムを提供する。バージョンアップを選択しない内容である場合は(ステップS21でNO)、マイクロコントローラ110は、バージョンアップ処理を実行せず、プリンタ21に制御プログラムの更新プログラムを提供しない。以上で、一連の処理を終了する。
【0060】
以上に説明した第1実施形態の変形例のプリントコントローラ10でも、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第1実施形態の変形例のプリントコントローラ10では、第1の判定部114の判定結果をプリンタ21のユーザーに報知しユーザーの指示を確認するので、ユーザーの意向を反映した制御プログラムの更新判定を実現することができる。
【0061】
[第2実施形態とその変形例]
第1実施形態及びその変形例では、制御プログラムの更新判定装置をプリントコントローラ10に設けて、マイクロコントローラ110により構成した。本発明の制御プログラムの更新判定装置は、例えば、各プリンタ20に設けて、例えば、
図3に示すコントローラ260により構成することもできる。制御プログラムの更新判定装置を各プリンタ20に設ける場合は、コントローラ260に仮想的に構築される情報処理回路によって、
図2の各部111~117に相当する情報処理回路を構成することができる。
図2の各部111~117に相当する情報処理回路が構築されるコントローラ260は、第2実施形態とその変形例に係る制御プログラムの更新判定装置を構成することができる。また、コントローラ260は、第2実施形態とその変形例に係る制御プログラムの更新判定方法を実行するコンピュータとして機能することができる。
【0062】
マイクロコントローラ260に構築される複数の情報処理回路は、ソフトウェアによって実現する代わりに、専用のハードウェアを用いて構成してもよい。専用のハードウェアは、各部111~117に相当する情報処理回路の情報処理を実行する。1つのハードウェアで複数の情報処理回路を構成してもよく、1つのハードウェアで1つの情報処理回路を構成してもよい。専用のハードウェアは、各部111~117に相当する情報処理回路の機能を実行するようにアレンジされた特定用途向け集積回路、従来型の回路部品のような装置を含む。
【0063】
制御プログラムを更新するか否かを判定する対象の第1の装置をプリンタ21とし、第2の装置をプリンタ22~2nとする場合は、プリンタ21のコントローラ260の情報処理回路が、
図2の各部111~117に相当する情報処理回路を構成する。プリンタ21のコントローラ260の情報処理回路は、プリンタ21の使用環境情報と、使用履歴情報及び使用環境情報を含む使用状況情報とを、記憶部250のバージョンアップ情報、使用頻度及び使用環境の各データベース251~253から取得する。プリンタ22~2nの各情報は、ネットワーク30を介してプリンタ22~2nの各データベース251~253から取得する。
【0064】
このように構成することで、第2実施形態とその変形例に係る制御プログラムの更新判定装置を、制御プログラムの更新対象のプリンタ20に設け、コントローラ260に、
図4の処理、又は、
図4及び
図10の処理を実行させることができる。第2実施形態とその変形例に係る制御プログラムの更新判定装置でも、第1実施形態及びその変形例と同様の効果を得ることができる。
【0065】
[第3実施形態とその変形例]
本発明の制御プログラムの更新判定装置は、例えば、データサーバ50に設けて、例えば、データサーバ50のマイクロコントローラ(図示せず)により構成することもできる。制御プログラムの更新判定装置をデータサーバ50に設ける場合は、データサーバ50のマイクロコントローラに仮想的に構築される情報処理回路によって、
図2の各部111~117に相当する情報処理回路を構成することができる。
図2の各部111~117に相当する情報処理回路が構築されるデータサーバ50のマイクロコントローラは、第3実施形態とその変形例に係る制御プログラムの更新判定装置を構成することができる。また、データサーバ50のマイクロコントローラは、第3実施形態とその変形例に係る制御プログラムの更新判定方法を実行するコンピュータとして機能することができる。
【0066】
各部111~117に相当するデータサーバ50の情報処理回路は、各プリンタ21~2nから、使用環境情報と、使用履歴情報及び使用環境情報を含む使用状況情報とを、例えば、プリントサーバ10及び外部ネットワーク40を介して取得することができる。
【0067】
このように構成することで、第3実施形態とその変形例に係る制御プログラムの更新判定装置をデータサーバ50に設けることができる。第3実施形態とその変形例に係る制御プログラムの更新判定装置でも、第1実施形態及びその変形例と同様の効果を得ることができる。
【0068】
なお、第1~第3実施形態及びそれらの変形例では、第1の装置及び第2の装置を画像形成装置であるプリンタ21~2nとしたが、第1の装置及び第2の装置は画像形成装置に限定されない。また、第1の装置及び第2の装置が画像形成装置以外の装置である場合、制御プログラムの更新判定は、プリントコントローラ10以外のコンピュータで行うことができる。
【0069】
本発明は上記の実施形態及び変形例のままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記の実施形態及び変形例に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態及び変形例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
【0070】
[付記]
本出願は、以下の発明を開示する。
【0071】
(付記1)
制御プログラムにより制御される第1の装置の更新プログラムによって更新される前記制御プログラムの項目毎の使用頻度情報を取得する第1の情報取得部と、
前記項目毎の使用頻度情報のうち、前記制御プログラムの更新プログラムによる更新の対象となる項目の使用頻度情報に基づいて、前記第1の装置の前記制御プログラムの更新を必要とするか否かを判定する第1の判定部とを備え、
前記第1の判定部は、前記第1の装置の前記更新の対象となる項目の使用頻度情報が所定頻度以上の使用頻度である場合に、前記第1の装置の前記制御プログラムの更新を必要とすると判定する
ことを特徴とする制御プログラムの更新判定装置。
【0072】
(付記2)
前記第1の判定部は、前記第1の装置の前記更新の対象となる項目の使用頻度情報が前記所定頻度未満の使用頻度である第1の条件に該当する場合に、前記第1の装置の前記更新の対象となる項目の使用頻度による次の予想使用時期が、前記第1の装置の前記制御プログラムの前記更新プログラムによる次の更新時期よりも先に到来するか否かに基づいて、前記第1の装置の前記制御プログラムの更新を必要とするか否かを判定する第2の判定部をさらに備えており、
前記第2の判定部は、前記到来する場合に前記第1の装置の前記制御プログラムの更新を必要とすると判定することを特徴とする付記1に記載の制御プログラムの更新判定装置。
【0073】
(付記3)
前記第1の装置、および、前記制御プログラムにより制御される1又は複数の第2の装置の使用環境情報を取得する使用環境取得部と、前記1又は複数の第2の装置のうち前記第1の装置と使用環境情報が共通する第2の装置の項目毎の使用頻度情報を取得する第2の情報取得部とをさらに備え、
前記第1の判定部は、前記第1の装置の前記更新の対象となる項目の使用頻度情報が前記所定頻度未満の使用頻度である第1の条件に該当する場合に、前記第1の装置と前記使用環境情報が共通する第2の装置の、前記更新の対象となる項目の使用頻度情報に基づいて、前記第1の装置の前記制御プログラムの更新を必要とするか否かを判定する第3の判定部を有しており、
前記第3の判定部は、前記第1の装置と使用環境情報が共通する前記第2の装置の、前記更新の対象となる項目の前記使用頻度情報が所定頻度以上の使用頻度であると、前記第1の装置の前記制御プログラムの更新を必要とすると判定する
ことを特徴とする付記1又は2に記載の制御プログラムの更新判定装置。
【0074】
(付記4)
前記第3の判定部は、前記第1の装置と使用環境情報が共通する第2の装置の更新の対象となる項目の使用間隔が、前記第1の装置の前記制御プログラムの前記更新プログラムによる次の更新時期までの期間よりも短いか否かに基づいて、前記第1の装置の前記制御プログラムの更新を必要とするか否かを判定し、前記短い場合に、前記第1の装置と使用環境情報が共通する前記第2の装置の、前記更新の対象となる項目の前記使用頻度情報が所定頻度以上の使用頻度であると判定することを特徴とする付記3に記載の制御プログラムの更新判定装置。
【0075】
(付記5)
前記第1の装置は画像形成装置であり、前記第2の装置は、前記第1の装置と共通のネットワークに接続された画像形成装置であることを特徴とする付記3又は4に記載の制御プログラムの更新判定装置。
【0076】
(付記6)
前記第1の装置は画像形成装置であり、前記更新プログラムは、前記制御プログラムのバージョンアッププログラムであることを特徴とする付記1~5のいずれか1つに記載の制御プログラムの更新判定装置。
【0077】
(付記7)
前記第1の判定部の判定結果を前記判定結果の根拠と共に前記第1の装置に報知する報知部と、前記報知に対する前記第1の装置の前記制御プログラムの更新を必要とするか否かの指示情報を取得する第3の情報取得部と、前記指示情報が前記制御プログラムの更新を必要とする内容である場合に、前記第1の装置に前記制御プログラムの前記更新プログラムを提供する提供部とをさらに備えることを特徴とする付記1~6のいずれか1つに記載の制御プログラムの更新判定装置。
【0078】
(付記8)
制御プログラムにより制御される第1の装置の更新プログラムによって更新される前記制御プログラムの項目毎の使用頻度情報をコンピュータが取得する第1のステップと、
前記項目毎の使用頻度情報のうち、前記制御プログラムの更新プログラムによる更新の対象となる項目の使用頻度情報に基づいて、前記第1の装置の前記制御プログラムの更新を必要とするか否かを前記コンピュータが判定する第2のステップとを含み、
前記第2のステップにおいて、前記第1の装置の前記更新の対象となる項目の使用頻度情報が所定頻度以上の使用頻度である場合に、前記第1の装置の前記制御プログラムの更新を必要とすると前記コンピュータが判定する
ことを特徴とする制御プログラムの更新判定方法。
【0079】
(付記9)
制御プログラムにより制御される第1の装置の更新プログラムによって更新される前記制御プログラムの項目毎の使用頻度情報を取得する第1のステップと、
前記項目毎の使用頻度情報のうち、前記制御プログラムの更新プログラムによる更新の対象となる項目の使用頻度情報に基づいて、前記第1の装置の前記制御プログラムの更新を必要とするか否かを判定し、前記第1の装置の前記更新の対象となる項目の使用頻度情報が所定頻度以上の使用頻度である場合に、前記第1の装置の前記制御プログラムの更新を必要とすると判定する第2のステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする制御プログラムの更新判定プログラム。
【符号の説明】
【0080】
10 プリントコントローラ(コンピュータ)
21 プリンタ(第1の装置)
22~2n プリンタ(第2の装置)
50 データサーバ(コンピュータ、制御プログラムの更新判定装置)
110 マイクロコントローラ(制御プログラムの更新判定装置)
111 第1の情報取得部
112 第2の情報取得部
113 第3の情報取得部
114 第1の判定部
115 第2の判定部
116 報知部
117 提供部
260 コントローラ(コンピュータ、制御プログラムの更新判定装置)