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特開2024-143673化粧シート、化粧材および化粧材の補修方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143673
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】化粧シート、化粧材および化粧材の補修方法
(51)【国際特許分類】
   B32B 27/00 20060101AFI20241003BHJP
   B32B 27/10 20060101ALI20241003BHJP
   B32B 27/32 20060101ALI20241003BHJP
   B32B 29/00 20060101ALI20241003BHJP
   B32B 7/06 20190101ALI20241003BHJP
   B32B 7/12 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
B32B27/00 E
B32B27/00 L
B32B27/10
B32B27/32 E
B32B29/00
B32B7/06
B32B7/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023056457
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100120617
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 真理
(74)【代理人】
【識別番号】100183678
【弁理士】
【氏名又は名称】丸島 裕
(72)【発明者】
【氏名】関 将志
【テーマコード(参考)】
4F100
【Fターム(参考)】
4F100AK04
4F100AK07C
4F100AK07E
4F100AK25B
4F100AR00D
4F100BA05
4F100BA07
4F100BA10A
4F100BA10E
4F100CB05B
4F100DG10A
4F100EJ53
4F100EJ65
4F100GB07
4F100HB01D
4F100HB31D
4F100JA03A
4F100JA13
4F100JB16C
4F100JK02
4F100JL10
4F100JL13B
4F100JL14A
4F100JN01E
4F100YY00A
(57)【要約】
【課題】カールの発生を抑制できる化粧シートを提供する。
【解決手段】化粧シートであって、化粧シートは、剥離紙と、粘着剤層と、基材層としての熱可塑性樹脂シートと、意匠層と、透明性樹脂層と、をこの順に備え、剥離紙は、第1のポリオレフィン層と、紙層と、第2のポリオレフィン層と、をこの順に備え、剥離紙のJIS P8113:2006に準拠して測定される、縦方向(MD)の引張強さが8.0kN/m以上であり、横方向(TD)の引張強さが5.6kN/m以上である、化粧シート。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧シートであって、
前記化粧シートは、剥離紙と、粘着剤層と、基材層としての熱可塑性樹脂シートと、意匠層と、透明性樹脂層と、をこの順に備え、
前記剥離紙は、第1のポリオレフィン層と、紙層と、第2のポリオレフィン層と、をこの順に備え、前記剥離紙のJIS P8113:2006に準拠して測定される、縦方向(MD)の引張強さが8.0kN/m以上であり、横方向(TD)の引張強さが5.6kN/m以上である、
化粧シート。
【請求項2】
前記剥離紙のJIS K7133:1999に準拠して測定される、40℃で72時間保管した後の縦方向(MD)の加熱収縮率が-0.50%以上であり、横方向(TD)の加熱収縮率が-0.40%以上である、請求項1に記載の化粧シート。
【請求項3】
前記剥離紙が、第1のポリエチレン層と、紙層と、第2のポリエチレン層と、をこの順に備える、請求項1に記載の化粧シート。
【請求項4】
前記熱可塑性樹脂シートが、ポリプロピレンシートである、請求項1に記載の化粧シート。
【請求項5】
前記粘着剤層が、前記粘着剤層における前記剥離紙に向かう面に、空気抜きパターンを有する、請求項1に記載の化粧シート。
【請求項6】
前記化粧シートが、表面保護層をさらに備える、請求項1に記載の化粧シート。
【請求項7】
前記化粧シートが、前記透明性樹脂層と前記表面保護層との間に、プライマー層をさらに備える、請求項6に記載の化粧シート。
【請求項8】
前記化粧シートの坪量が、280g/m2以下である、請求項1に記載の化粧シート。
【請求項9】
化粧材の補修用シートである、請求項1に記載の化粧シート。
【請求項10】
外装材と、前記外装材の少なくとも一部の表面上に設けられた、請求項1~9のいずれか一項に記載の化粧シートと、を備える化粧材。
【請求項11】
補修対象である化粧材の一部を除去して、露出面を形成する第1工程と、
前記化粧材の前記露出面上にプライマー層を形成する第2工程と、
請求項1~9のいずれか一項に記載の化粧シートから剥離紙を剥離し、該シートの粘着剤層が前記プライマー層と接するように、前記化粧材に貼付する第3工程と、
を有する、化粧材の補修方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、化粧シート、化粧材および化粧材の補修方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建築物などの外装材の表面を装飾または保護するために、化粧シートが用いられている(例えば、特許文献1参照)。化粧シートは、例えば、粘着剤層と、基材層と、意匠層と、をこの順に備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-117905号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示者らは、従来の化粧シートについて検討したところ、従来の化粧シートはその保管時にカールが発生しやすいことを見出した。本開示の目的は、カールの発生を抑制できる化粧シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の化粧シートは、剥離紙と、粘着剤層と、基材層としての熱可塑性樹脂シートと、意匠層と、透明性樹脂層と、をこの順に備え、剥離紙は、第1のポリオレフィン層と、紙層と、第2のポリオレフィン層と、をこの順に備え、剥離紙のJIS P8113:2006に準拠して測定される、縦方向(MD)の引張強さが8.0kN/m以上であり、横方向(TD)の引張強さが5.6kN/m以上である。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、カールの発生を抑制できる化粧シートを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、化粧シートの一実施形態を示す模式断面図である。
図2図2は、化粧シートの一実施形態を示す模式断面図である。
図3図3は、補修対象である化粧材の一実施形態を示す模式断面図である。
図4図4は、補修された化粧材の一実施形態を示す模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書において、あるパラメータに関して複数の上限値の候補および複数の下限値の候補が挙げられている場合、そのパラメータの数値範囲は、任意の1つの上限値の候補と任意の1つの下限値の候補とを組み合わせることによって構成されてもよい。一例として、「パラメータBは、好ましくはA1以上、より好ましくはA2以上、さらに好ましくはA3以上であり、また、好ましくはA4以下、より好ましくはA5以下、さらに好ましくはA6以下である。」との記載について説明する。この例では、パラメータBの数値範囲は、A1以上A4以下でもよく、A1以上A5以下でもよく、A1以上A6以下でもよく、A2以上A4以下でもよく、A2以上A5以下でもよく、A2以上A6以下でもよく、A3以上A4以下でもよく、A3以上A5以下でもよく、A3以上A6以下でもよい。
【0009】
以下、本開示の実施形態について、詳細に説明する。本開示は多くの異なる形態で実施することが可能であり、以下に例示する実施形態の記載内容に限定して解釈されない。図面は、説明をより明確にするため、実施形態に比べ、各層の幅、厚さおよび形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定しない。本明細書と各図において、既出の図に関してすでに説明したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0010】
フィルムおよびシートは、相対的に厚さの薄いものから順にフィルム、シートと呼称される場合がある。しかしながら、本明細書においては、特に断りのない限り、シートは、フィルムを包含する。本明細書において表面および裏面の言葉を使用する場合があるが、表面および裏面の区別に技術的な意味は無く、シートの一方の面を表面としたときに、他方の面が裏面である。
【0011】
以下の説明において、登場する各成分(例えば、ポリオレフィンなどの樹脂成分、粘着剤、紫外線吸収剤、光安定剤、着色剤および添加剤)は、特に言及しない限り、それぞれ1種用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
【0012】
[化粧シート]
本開示の化粧シートは、剥離紙と、粘着剤層と、基材層としての熱可塑性樹脂シートと、意匠層と、透明性樹脂層と、を厚さ方向にこの順に備える(以下「この順に備える」と記載する)。化粧シートは、意匠層と透明性樹脂層との間に、透明性接着剤層を備えてもよい。化粧シートは、該シートの一方の表層として、表面保護層を備えてもよい。化粧シートの表面、例えば化粧シートにおける表面保護層の表面、が観察面である。化粧シートは、透明性樹脂層と表面保護層との間に、プライマー層を備えてもよい。化粧シートは、粘着剤層と基材層との間に、裏面プライマー層を備えてもよい。剥離紙は、第1のポリオレフィン層と、紙層と、第2のポリオレフィン層と、をこの順に備える。
【0013】
化粧シートは、一実施形態において、剥離紙と、粘着剤層と、裏面プライマー層と、基材層と、意匠層と、透明性接着剤層と、透明性樹脂層と、プライマー層と、表面保護層と、をこの順に備える。
【0014】
本開示の化粧シートは、剥離紙と、粘着剤層と、化粧シート本体と、をこの順に備える。化粧シート本体は、例えば、所望により設けられる裏面プライマー層と、基材層と、意匠層と、所望により設けられる透明性接着剤層と、透明性樹脂層と、所望により設けられるプライマー層と、所望により設けられる表面保護層と、を備える。
【0015】
本開示の化粧シートは、一実施形態において、屋外での使用を想定した耐候性の高い化粧シートである。本開示の化粧シートは、一実施形態において、化粧材の補修用シートとして用いることができる。本開示の化粧シートは、一実施形態において、外装材用の化粧シートとして用いることができる。
【0016】
化粧シートの坪量は、好ましくは280g/m2以下、より好ましくは278g/m2以下、さらに好ましくは276g/m2以下、よりさらに好ましくは274g/m2以下、特に好ましくは272g/m2以下であり、好ましくは200g/m2以上、より好ましくは210g/m2以上、さらに好ましくは220g/m2以上、よりさらに好ましくは230g/m2以上、特に好ましくは240g/m2以上である。このような坪量の化粧シートは、軽量であり、運搬性に優れる。化粧シートの坪量には、剥離紙の坪量も含まれる。化粧シートの坪量は、例えば、基材層を構成する熱可塑性樹脂の種類(例えばポリプロピレンなどのポリオレフィン)、透明性樹脂層を構成する熱可塑性樹脂の種類を適切に選択すること、軽量化された剥離紙を適切に選択することにより、上述した範囲に調整できる。軽量化の観点から化粧シート本体の厚さまたは剥離紙の厚さを小さくしすぎると、化粧シートの全体的な剛性低下または各層の温度に対する物性の違いなどから、化粧シートの高温保管時にカールが発生することがある。本開示の化粧シートは、剥離紙が後述する引張強さを有することから、軽量である場合においてもカールの発生を抑制できる。化粧シートの坪量は、JIS P8124:2011に準拠して測定される。
【0017】
図1に、本開示の化粧シートの一実施形態に係る模式断面図を示す。化粧シート1は、化粧シート本体2と粘着剤層3と剥離紙S1とを備える。化粧シート本体2は、第1面11、および第1面11に対向する第2面12を含む基材層10と、基材層10の第1面11上に設けられた意匠層20と、意匠層20上に設けられた透明性樹脂層30と、をこの順に備える。すなわち、基材層10、意匠層20および透明性樹脂層30は、図1の紙面における上下方向となる厚さ方向に、重ねられている。粘着剤層3は、基材層10の第2面12上に設けられている。粘着剤層3における基材層10に向かう面とは反対の面上に、剥離紙S1が設けられている。剥離紙S1は、第1のポリオレフィン層S1aと、紙層S1bと、第2のポリオレフィン層S1cと、をこの順に備える。
【0018】
図2に、本開示の化粧シートの一実施形態に係る模式断面図を示す。化粧シート1が備える化粧シート本体2は、裏面プライマー層60と、基材層10と、意匠層20と、透明性接着剤層26と、透明性樹脂層30と、プライマー層40と、表面保護層50と、をこの順に備える。粘着剤層3における裏面プライマー層60に向かう面とは反対の面上に、剥離紙S1が設けられている。
【0019】
化粧シートは、その一方の表面(例えば表面保護層)において、エンボス加工等により形成された凹凸を有してもよい。このような化粧シートは、意匠層に係る絵柄のみの意匠に比べ、視覚的な凹凸感または触覚による凹凸感が付加されることにより、優れた意匠性を有する。この場合には、意匠層による絵柄と凹凸加工による凹凸とを同調させると、意匠性が一層向上するため好ましい。例えば、該シートを好ましくは80℃以上、より好ましくは100℃以上、さらに好ましくは120℃以上に、また好ましくは260℃以下、より好ましくは220℃以下、さらに好ましくは200℃以下に加熱し、該シートにエンボス版を押圧して、エンボス加工を行うことができる。エンボス版を押圧する箇所は、例えば化粧シートの表面保護層面とすることが好ましい。
【0020】
<基材層>
化粧シートは、基材層を備える。基材層は、化粧シートのベースとなる層であり、例えば、化粧シートの強度を担う、意匠層を形成するための被形成対象である、などの役目を果たす層である。
【0021】
基材層は、例えば、熱可塑性樹脂シートである。基材層は、単層でもよく、多層でもよい。基材層は、熱可塑性樹脂シートの積層体でもよい。積層体における各層は、接着剤または熱融着性樹脂などの公知の材料を介して積層されていてもよい。
【0022】
熱可塑性樹脂シートは、熱可塑性樹脂から構成されるシートである。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネートおよびアクリル樹脂が挙げられる。これらの中でも、化粧シートの軽量化の観点から、ポリオレフィンが好ましい。ポリオレフィンとしては、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンおよび直鎖状低密度ポリエチレンなどのポリエチレン、アイソタクチックポリプロピレンおよびシンジオタクチックポリプロピレンなどのポリプロピレン、ポリブテン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-プロピレン-ブテン共重合体ならびにオレフィン系熱可塑性エラストマーが挙げられる。ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレートが挙げられる。
【0023】
熱可塑性樹脂シートは、無色透明でもよく、着色透明でもよく、着色半透明でもよく、着色不透明でもよい。熱可塑性樹脂シートは、意匠性の向上を目的として、着色されていてもよい。
【0024】
熱可塑性樹脂シートの中でも、軽量化の観点から、ポリオレフィンシートが好ましく、着色または未着色の、ポリエチレンシートまたはポリプロピレンシートがより好ましく、ポリプロピレンシートがさらに好ましい。ポリオレフィンシートにおけるポリオレフィンの含有割合は、加工適性の観点から、ポリオレフィンシートの全樹脂成分に対して、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上、特に好ましくは80質量%以上である。
【0025】
基材層は、添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、耐摩耗性向上剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、充填剤、発泡剤、難燃剤、可塑剤、沈降防止剤、滑剤および着色剤が挙げられる。基材層は、耐候性を向上させる観点から、紫外線吸収剤、光安定剤および酸化防止剤などの耐候剤を含有してもよい。紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤およびヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤が挙げられる。光安定剤としては、例えば、ピペリジニルセバケート系光安定剤等のヒンダードアミン系光安定剤が挙げられる。
【0026】
基材層は、染料および顔料等の着色剤を含有してもよい。例えば、化粧シートが貼付される被着体の表面色相がばらついている場合に、表面色相を隠蔽し、意匠層の色調の安定性を向上させたい場合は、基材層は、着色剤を含有してもよい。顔料としては、例えば、亜鉛華、鉛白、リトポン、二酸化チタン、沈降性硫酸バリウムおよびバライト等の白色顔料;カーボンブラック等の黒色顔料;鉛丹および酸化鉄赤等の赤色顔料;黄鉛および亜鉛黄(亜鉛黄1種、亜鉛黄2種)等の黄色顔料;ウルトラマリン青およびプロシア青(フェロシアン化鉄カリ)等の青色顔料が挙げられる。着色剤の含有量は、基材層に含まれる熱可塑性樹脂100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上、さらに好ましくは5質量部以上であり、好ましくは50質量部以下、より好ましくは40質量部以下、さらに好ましくは30質量部以下である。
【0027】
基材層の厚さは、意匠性および加工適性のバランスの観点から、好ましくは20μm以上、より好ましくは30μm以上、さらに好ましくは40μm以上、よりさらに好ましくは50μm以上であり、好ましくは500μm以下、より好ましくは400μm以下、さらに好ましくは300μm以下、よりさらに好ましくは200μm以下である。
【0028】
基材層の片面または両面に、表面処理を施してもよい。表面処理としては、例えば、酸化法および凹凸化法等の物理的表面処理、ならびに化学的表面処理が挙げられる。酸化法としては、例えば、コロナ放電処理法、クロム酸化処理法、火炎処理法、熱風処理法およびオゾン-紫外線処理法が挙げられる。凹凸化法としては、例えば、サンドブラスト法および溶剤処理法が挙げられる。
【0029】
<意匠層>
化粧シートは、意匠層を備える。意匠層は、例えば、基材層上に設けられている。言い換えると、この実施形態では、化粧シートは、基材層と厚さ方向に重ねられた意匠層を備える。基材層と意匠層とは接触していてもよく、基材層と意匠層との間に他の層が存在してもよい。
【0030】
意匠層は、化粧シートが表現する意匠を表示するために設けられている。意匠層は、例えば、絵柄を有する。絵柄としては、例えば、木材板表面における年輪または導管溝等を模した木目模様、大理石および花崗岩等の岩石の表面を模した石目模様、布目または布状の模様を模した布地模様、皮革表面を模した皮シボ模様、梨地模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、幾何学模様、ならびに文字、図形、記号、水玉および花柄等の抽象柄模様が挙げられる。絵柄は、単色無地(いわゆるベタ画像)でもよい。絵柄は、これらの2種以上を含む複合模様でもよい。意匠層の絵柄は、例えば、化粧シートの貼付対象である被着体の絵柄と同一もしくは類似の絵柄でもよく、または被着体の絵柄と同様の色調の絵柄でもよい。意匠層は、2以上の層を有してもよい。例えば、意匠層は、着色された第1層と、第1層上に設けられて絵柄を形成する第2層とを有してもよい。
【0031】
意匠層は、例えば、印刷方法または塗布方法によって形成できる。印刷方法としては、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、転写シートからの転写による印刷、およびインクジェット印刷が挙げられる。塗布方法としては、例えば、グラビアコート、グラビアリバースコート、グラビアオフセットコート、スピンナーコート、ロールコート、およびリバースロールコートが挙げられる。以下に説明する各層も、例えば、これらの方法によって形成できる。
【0032】
意匠層は、例えば、樹脂成分と着色剤とを含有する。
樹脂成分としては、例えば、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル-(メタ)アクリル共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ウレタン-(メタ)アクリル共重合体、アクリル樹脂、アクリルポリオール樹脂、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ブチラール樹脂、ニトロセルロースおよび酢酸セルロースが挙げられる。
【0033】
着色剤としては、例えば、顔料および染料が挙げられる。具体的には、カーボンブラック、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青およびコバルトブルー等の無機顔料;キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー、アゾメチンアゾブラックおよびニッケルアゾ錯体等の有機顔料または染料;アルミニウムおよび真鍮等の、鱗片状箔片からなる金属顔料;ならびに二酸化チタン被覆雲母および塩基性炭酸鉛等の、鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料が挙げられる。
【0034】
意匠層における着色剤の含有量は、意匠層に含まれる樹脂成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは15質量部以上、さらに好ましくは30質量部以上であり、好ましくは200質量部以下、より好ましくは150質量部以下、さらに好ましくは100質量部以下である。
【0035】
意匠層は、上記添加剤を含有してもよい。意匠層は、耐候性を向上させる観点から、紫外線吸収剤、光安定剤および酸化防止剤などの耐候剤を含有してもよい。
【0036】
意匠層の厚さは、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1μm以上、さらに好ましくは1.5μm以上であり、好ましくは20μm以下、より好ましくは15μm以下、さらに好ましくは10μm以下である。このような意匠層を備える化粧シートは、意匠性に優れる。
【0037】
意匠層は、金属薄膜を有してもよい。金属薄膜を構成する金属としては、例えば、スズ、インジウム、クロム、アルミニウム、ニッケル、鉄、コバルト、銅、銀、金、白金および亜鉛、ならびにこれらの金属から選択される少なくとも1種を含む合金が挙げられる。合金としては、例えば、真鍮、青銅およびステンレス鋼が挙げられる。金属薄膜の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法およびイオンプレーティング法が挙げられる。金属薄膜の厚さは、例えば、0.1μm以上1μm以下である。
【0038】
<透明性接着剤層>
化粧シートは、意匠層と透明性樹脂層との間に、両層の密着性を向上させるために透明性接着剤層を備えてもよい。透明性接着剤層は、透明性接着剤層よりも基材層側を視認できる程度に透明であればよく、無色透明の他、着色透明および半透明でもよい。
【0039】
透明性接着剤層は、例えば、透明な接着剤から構成される。接着剤としては、例えば、ウレタン樹脂系接着剤、アクリル樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤およびゴム系接着剤が挙げられる。これらの中でも、ウレタン樹脂系接着剤が接着力の観点から好ましい。ウレタン樹脂系接着剤としては、例えば、2液硬化型ウレタン樹脂系接着剤などがあり、具体的には、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールおよび(メタ)アクリルポリオール等の各種ポリオール化合物と、トリレンジイソシアネートおよびヘキサメチレンジイソシアネート等の各種イソシアネート化合物等の硬化剤とを含む2液硬化型ウレタン樹脂を利用した接着剤が挙げられる。
透明性接着剤層は、上記添加剤を含有してもよい。
【0040】
透明性接着剤層の厚さは、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは1μm以上、さらに好ましくは1.5μm以上であり、好ましくは20μm以下、より好ましくは15μm以下、さらに好ましくは10μm以下である。
【0041】
<透明性樹脂層>
化粧シートは、透明性樹脂層を備える。透明性樹脂層を設けることにより、例えば、化粧シートの強度を高めることができる。透明性樹脂層は、例えば、意匠層と表面保護層との間に位置する。
【0042】
透明性樹脂層は、例えば、透明な熱可塑性樹脂を含有する。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネートおよびアクリル樹脂が挙げられる。ポリオレフィンとしては、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンおよび直鎖状低密度ポリエチレンなどのポリエチレン、アイソタクチックポリプロピレンおよびシンジオタクチックポリプロピレンなどのポリプロピレン、ポリブテン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-プロピレン-ブテン共重合体ならびにオレフィン系熱可塑性エラストマーが挙げられる。ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレートが挙げられる。これらの中でも、化粧シートの軽量化の観点から、ポリオレフィンおよびポリ塩化ビニルが好ましく、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリ塩化ビニルがより好ましく、ポリプロピレンおよびポリ塩化ビニルがさらに好ましい。一実施形態において、透明性樹脂層に含まれるポリオレフィンと、基材層に含まれるポリオレフィンとは、同一でもよく、異なってもよい。透明性樹脂層中のポリオレフィンまたはポリ塩化ビニルの含有割合は、加工適性の観点から、透明性樹脂層の全樹脂成分に対して、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上、特に好ましくは80質量%以上である。
【0043】
透明性樹脂層は、上記添加剤を含有してもよい。
透明性樹脂層は、化粧シートの耐候性向上のために、紫外線吸収剤、光安定剤および酸化防止剤などの耐候剤を含有してもよい。一実施形態において、透明性樹脂層における紫外線吸収剤の含有量は、透明性樹脂層に含まれるポリオレフィン100質量部に対して、好ましくは0.05質量部以上、より好ましくは0.10質量部以上であり、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。一実施形態において、透明性樹脂層における光安定剤の含有量は、透明性樹脂層に含まれるポリオレフィン100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上であり、好ましくは10質量部以下、より好ましくは8質量部以下である。
【0044】
透明性樹脂層は、透明性樹脂層よりも基材層側を視認できる程度に透明であればよく、無色透明の他、着色透明および半透明でもよい。
【0045】
透明性樹脂層には、意匠層に調和した凹凸が設けられていてもよい。これにより、化粧シートに立体感を付与できる。意匠層の絵柄と透明性樹脂層の凹凸とが、同調または調和的である場合には、例えば高級感を表現することが可能である。例えば、意匠層が木目模様を有する場合であって、透明性樹脂層が木目模様に調和した形状の凹凸を有する場合は、木目の意匠性がより自然で立体的となる。凹凸は、例えば、透明性樹脂層の表面に対してエンボス加圧を施すことにより形成できる。
【0046】
透明性樹脂層の厚さは、耐擦傷性、加工適正および耐候性のバランスの観点から、好ましくは20μm以上、より好ましくは30μm以上、さらに好ましくは40μm以上、よりさらに好ましくは50μm以上であり、好ましくは400μm以下、より好ましくは300μm以下、さらに好ましくは200μm以下、よりさらに好ましくは150μm以下である。透明性樹脂層の厚さは、意匠層を保護しかつ優れた耐擦傷性を得る観点から、基材層の厚さよりも大きいことが好ましい。
【0047】
<プライマー層>
化粧シートは、透明性樹脂層と表面保護層との間に、プライマー層を備えてもよい。プライマー層は、透明性樹脂層と表面保護層との密着性を向上させること等を目的として、必要に応じて設けられる。
【0048】
プライマー層は、一実施形態において、樹脂成分を含有する。
樹脂成分としては、例えば、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル-(メタ)アクリル共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ウレタン-(メタ)アクリル共重合体、アクリル樹脂、アクリルポリオール樹脂、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ブチラール樹脂、ニトロセルロースおよび酢酸セルロースが挙げられる。樹脂成分は、硬化剤による、これらの樹脂の架橋硬化物でもよい。樹脂成分は、例えば、後述する2液硬化型ウレタン樹脂の硬化物でもよい。
【0049】
プライマー層は、上記添加剤を含有してもよい。プライマー層は、耐候性を向上させる観点から、紫外線吸収剤、光安定剤および酸化防止剤などの耐候剤を含有してもよい。プライマー層が紫外線吸収剤を含有する場合、プライマー層における紫外線吸収剤の含有量は、プライマー層に含まれる樹脂成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは5質量部以上であり、好ましくは40質量部以下、より好ましくは30質量部以下である。プライマー層が光安定剤を含有する場合、プライマー層における光安定剤の含有量は、プライマー層に含まれる樹脂成分100質量部に対して、好ましくは0.1量部以上、より好ましくは0.5質量部以上であり、好ましくは10質量部以下、より好ましくは8質量部以下である。
【0050】
プライマー層の厚さは、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.5μm以上、さらに好ましくは1μm以上であり、好ましくは10μm以下、より好ましくは8μm以下、さらに好ましくは6μm以下である。
【0051】
<表面保護層>
化粧シートは、表面保護層を備えてもよい。表面保護層は、例えば、透明性樹脂層上に設けられている。言い換えると、表面保護層は、透明性樹脂層と厚さ方向に重ねられている。一実施形態において、表面保護層は、透明性樹脂層の全面上に設けられている。表面保護層は、一実施形態において、化粧シートの一方の表層を構成する。表面保護層を備える化粧シートは、耐熱性、耐擦傷性、耐摩耗性および耐汚染性に優れる。
【0052】
意匠層に係る意匠を化粧シートの観察面(表面保護層)側から良好に視認できるよう、表面保護層は無色透明であることが好ましい。しかしながら、これに限らず、表面保護層は、有色透明または半透明でもよい。
【0053】
表面保護層は、硬化樹脂を含有する。
硬化樹脂は、例えば、表面保護層におけるバインダーとして機能する。硬化樹脂としては、例えば、硬化性化合物の硬化物が挙げられる。硬化性化合物の硬化物としては、例えば、電離放射線硬化性化合物の硬化物、および熱硬化性樹脂の硬化物が挙げられる。表面保護層は、これらの硬化樹脂を2種以上含有してもよい。
【0054】
熱硬化性樹脂としては、例えば、不飽和基含有(メタ)アクリル樹脂、不飽和ポリエステル、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アミノアルキッド樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、メラミン-尿素共縮合樹脂、グアナミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂およびシリコーン樹脂が挙げられる。
【0055】
熱硬化性樹脂とともに、必要に応じて硬化剤が用いられる。不飽和基含有(メタ)アクリル樹脂および不飽和ポリエステルの場合は、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物、またはアゾイソブチルニトリル等のラジカル開始剤が用いられる。ウレタン樹脂の場合は、例えば、イソシアネート系硬化剤が用いられる。エポキシ樹脂の場合は、例えば、有機アミン系硬化剤が用いられる。
【0056】
熱硬化性樹脂としては、例えば、ポリオールを主剤とし、イソシアネート化合物を硬化剤とする2液硬化型ウレタン樹脂が挙げられる。ポリオールとしては、例えば、(メタ)アクリルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールが挙げられる。イソシアネート化合物は、2個以上のイソシアネート基を有する多価イソシアネートであり、例えば、4,4-ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネートおよび水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族(または脂環族)イソシアネートが挙げられる。
【0057】
表面保護層は、一実施形態において、硬化樹脂として熱硬化性樹脂の硬化物を含有し、例えば、イソシアネート系硬化剤による(メタ)アクリルポリオールの架橋硬化物を含有する。
【0058】
電離放射線硬化性化合物は、電離放射線を照射することにより、架橋および硬化する化合物を意味し、電離放射線硬化性官能基を有する。電離放射線硬化性官能基とは、電離放射線の照射によって架橋する基であり、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基およびアリル基などのエチレン性二重結合を有する官能基(エチレン性不飽和基)が挙げられる。電離放射線とは、電磁波または荷電粒子線のうち、分子を重合または架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味する。電離放射線としては、例えば、電子線(EB)および紫外線(UV)が挙げられ、X線およびγ線などの電磁波;α線およびイオン線などの荷電粒子線も挙げられる。表面保護層に紫外線吸収剤を含ませるという観点から、電離放射線としては電子線が好ましい。
【0059】
電離放射線硬化性化合物としては、例えば、電離放射線硬化性化合物として従来慣用されている、重合性モノマーおよび重合性オリゴマーが挙げられる。
重合性モノマーとしては、分子中に(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートモノマーが好ましく、分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートモノマーがより好ましい。多官能(メタ)アクリレートモノマーにおける(メタ)アクリロイル基数は、2以上であり、好ましくは8以下、より好ましくは6以下である。
【0060】
重合性モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエトキシジ(メタ)アクリレートおよびビスフェノールAテトラプロポキシジ(メタ)アクリレート等の二官能(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートおよびジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の三官能以上の(メタ)アクリレート;ならびにこれらの(メタ)アクリレートの、エチレンオキシド変性物、プロピレンオキシド変性物、カプロラクトン変性物、イソシアヌル酸変性物またはプロピオン酸変性物が挙げられる。
【0061】
重合性オリゴマーとしては、例えば、分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートオリゴマーが挙げられる。(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリカーボネート(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトンウレタン(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトンジオールウレタン(メタ)アクリレートおよびアクリル(メタ)アクリレートが挙げられる。重合性オリゴマーにおける(メタ)アクリロイル基数は、2以上であり、好ましくは8以下、より好ましくは6以下である。
【0062】
重合性オリゴマーとしては、その他、ポリブタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する疎水性の高いポリブタジエン(メタ)アクリレート系オリゴマー、および主鎖にポリシロキサン結合を有するシリコーン(メタ)アクリレート系オリゴマーも挙げられる。
【0063】
重合性オリゴマーの重量平均分子量は、好ましくは500以上、より好ましくは1,000以上、さらに好ましくは2,000以上であり、好ましくは10,000以下、より好ましくは8,000以下、さらに好ましくは6,000以下である。重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)分析によって測定され、かつ標準ポリスチレンで換算された平均分子量である。
【0064】
電離放射線硬化性化合物としては、多官能(メタ)アクリレートとともに、塗工時における硬化性組成物の粘度を低下させるなどの目的で、単官能(メタ)アクリレートを適宜併用してもよい。単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートおよびイソボルニル(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0065】
電離放射線硬化性化合物が紫外線硬化性化合物である場合は、紫外線硬化性化合物とともに、光重合開始剤および光重合促進剤から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。
【0066】
表面保護層は、耐熱性、耐擦傷性および耐汚染性に優れるという観点から、硬化性化合物の硬化物を含有することが好ましく、電離放射線硬化性化合物の硬化物を含有することがより好ましい。電離放射線硬化性化合物の中でも、電子線硬化性化合物は、無溶剤化が可能であり、光重合開始剤を必要とせず、安定な硬化特性が得られることから、表面保護層を形成する成分として好ましい。電離放射線硬化性化合物の中でも、重合性オリゴマーが好ましく、分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートオリゴマーがより好ましく、ウレタン(メタ)アクリレートがさらに好ましい。表面保護層は、ウレタン(メタ)アクリレート系電子線硬化性化合物の硬化物を含有することがさらに好ましい
【0067】
表面保護層に含まれる全樹脂成分に対して、硬化樹脂の含有割合は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましく80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上である。
【0068】
表面保護層は、電離放射線硬化性樹脂の電離放射線の照射による硬化を阻害しない範囲内で、熱可塑性樹脂を含有してもよい。熱可塑性樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂およびスチレン樹脂が挙げられる。
【0069】
表面保護層は、添加剤を含有してもよい、添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、光安定剤および酸化防止剤などの耐候剤、耐摩耗性向上剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、消泡剤、難燃剤、可塑剤、粒子ならびにブロッキング防止剤が挙げられる。表面保護層は、耐候性の観点から、紫外線吸収剤、光安定剤および酸化防止剤などの耐候剤を含有してもよい。
【0070】
表面保護層は、耐候性の観点から、紫外線吸収剤を含有してもよい。
紫外線吸収剤としては、例えば、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤およびベンゾフェノン系紫外線吸収剤が挙げられ、耐候性に優れていることから、トリアジン系紫外線吸収剤が好ましい。トリアジン系紫外線吸収剤の中でも、耐候性の観点から、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤が好ましい。トリアジン系紫外線吸収剤の中でも、トリアジン環に、ヒドロキシフェニル基、アルコキシフェニル基およびこれらの基を含む有機基から選ばれる少なくとも一つの有機基が三つ連結したヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤がより好ましい。ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤は、分岐構造を有するため、表面保護層からブリードアウトしにくくなることが期待され、より長期的に優れた耐候性が得られる。また、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性二重結合を有する紫外線吸収剤は、ブリードアウトを抑制しやすい点で好ましい。
【0071】
表面保護層において、硬化樹脂100質量部に対する紫外線吸収剤の含有量は、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上、さらに好ましくは2質量部以上であり、好ましくは10質量部以下、より好ましくは8質量部以下、さらに好ましくは6質量部以下である。紫外線吸収剤の含有量が下限値以上であると、化粧シートの耐候性を向上できる傾向にある。紫外線吸収剤の含有量が上限値以下であると、紫外線吸収剤のブリードアウトを抑制できる傾向にある。
【0072】
表面保護層は、耐候性の観点から、光安定剤を含有してもよい。
光安定剤としては、例えば、芳香族系光安定剤、アミン系光安定剤、有機酸系光安定剤、カテキン系光安定剤およびヒンダードアミン系光安定剤が挙げられ、これらの中でもヒンダードアミン系光安定剤が好ましい。ヒンダードアミン系光安定剤とは、例えば、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン骨格を分子内に含む構造を有する化合物である。
【0073】
光安定剤としては、例えば、表面保護層の硬化樹脂を形成しえる硬化性化合物と重合可能なエチレン性二重結合を有する反応性光安定剤、および、該硬化性化合物と重合可能なエチレン性二重結合を有さない非反応性光安定剤が挙げられる。エチレン性二重結合は、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基およびアリル基などの官能基が有している。表面保護層は、反応性光安定剤および非反応性光安定剤から選択される少なくとも1種を含有してもよく、反応性光安定剤および非反応性光安定剤を含有してもよい。
【0074】
反応性光安定剤は、通常、表面保護層形成時に硬化樹脂系に組み込まれ、固定化されていることから、長期的な効果を発揮できる。非反応性光安定剤は、表面保護層中で移動できることから、即効性を発揮できる。反応性光安定剤中のエチレン性二重結合の数は、1つでもよく、2以上でもよい。
【0075】
表面保護層において、硬化樹脂100質量部に対する光安定剤の含有量は、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上、さらに好ましくは1.5質量部以上であり、好ましくは10質量部以下、より好ましくは8質量部以下、さらに好ましくは6質量部以下である。
【0076】
表面保護層は、上記反応性光安定剤と上記非反応性光安定剤とを含有することが好ましい。表面保護層における上記反応性光安定剤と上記非反応性光安定剤との質量基準による配合比(反応性光安定剤:非反応性光安定剤)は、8:2~0:10であることが好ましい。
【0077】
表面保護層は、一実施形態において、硬化性組成物を調製し、該組成物を透明性樹脂層またはプライマー層等に塗布して未硬化樹脂層を形成し、該未硬化樹脂層を架橋硬化することにより形成できる。架橋硬化の態様は、例えば、熱硬化性樹脂を用いる場合は加熱処理による硬化であり、電離放射線硬化性化合物を用いる場合は電子線および紫外線等の電離放射線の照射による硬化である。
【0078】
電離放射線として電子線を用いる場合、照射線量は、好ましくは5kGy以上(0.5Mrad以上)、より好ましくは10kGy以上(1Mrad以上)であり、好ましくは300kGy以下(30Mrad以下)、より好ましくは100kGy以下(10Mrad以下)である。電離放射線として紫外線を用いる場合は、波長190nm以上380nm以下の紫外線を含む光線を放射してもよい。
【0079】
表面保護層の厚さは、加工性、耐擦傷性および耐候性のバランスの観点から、好ましくは1μm以上、より好ましくは1.5μm以上、さらに好ましくは2μm以上であり、好ましくは30μm以下、より好ましくは20μm以下、さらに好ましくは15μm以下、特に好ましくは10μm以下である。
【0080】
<裏面プライマー層>
化粧シートは、基材層における意匠層が設けられている面とは反対の面上に、裏面プライマー層を備えてもよい。裏面プライマー層は、基材層と粘着剤層との密着性を高めることを目的として必要に応じて設けられる。
【0081】
裏面プライマー層は、例えば、接着剤から構成される。接着剤としては、例えば、アクリル樹脂、アクリル変性ポリオレフィン、塩素化ポリオレフィン、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、スチレン-(メタ)アクリル共重合体、ポリエステル、ポリウレタンおよびポリアミドが挙げられる。イソシアネート化合物等を硬化剤とする、2液硬化型のポリウレタン系接着剤またはポリエステル系接着剤も適用し得る。接着剤としては、アクリル系、ウレタン系、シリコーン系またはゴム系の粘着剤(感圧接着剤)も挙げられる。
【0082】
裏面プライマー層の厚さは、優れた密着性を得るという観点から、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.5μm以上、さらに好ましくは1μm以上であり、好ましくは10μm以下、より好ましく6μm以下、さらに好ましく4μm以下である。
【0083】
<粘着剤層>
化粧シートは、化粧シートにおける基材層または裏面プライマー層の面上に、粘着剤層を備える。粘着剤層は、化粧シートの施工時に、化粧シートを被着体(例えば外装材または化粧材)に密着させ固定する層である。粘着剤層は、例えば、基材層における意匠層に向かう面とは反対の面上に設けられている。
【0084】
粘着剤層は、例えば、粘着剤から構成される。粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤およびゴム系粘着剤が挙げられる。これらの中でも、アクリル系粘着剤が好ましく、2液硬化型アクリル系粘着剤がより好ましい。粘着剤は、例えば、エマルジョン型、溶剤型および無溶剤型のいずれでもよい。
【0085】
粘着剤層は、化粧シート本体に向かう面とは反対の面に、すなわち化粧シートの貼付時に被着体と接する面に、空気抜きパターンを有してもよい。空気抜きパターンは、通常は溝であり、溝は格子状に形成されていることが好ましい。化粧シートの施工時に、溝に沿って空気が逃げ出すことができるため、化粧シートの粘着剤層と被着体(例えば外装材または化粧材)との間に空気が挟み込まれてしまうこと、すなわち気泡の噛み込みを抑制できる。溝の幅は、好ましくは0.5mm以上20mm以下であり、溝のピッチは、好ましくは1mm以上100mm以下である。空気抜きパターンは、例えば、該パターンに相補的なパターンを有する剥離紙を用いることにより形成できる。
【0086】
粘着剤層の厚さは、好ましくは1μm以上、より好ましくは5μm以上、さらに好ましくは10μm以上であり、好ましくは100μm以下、より好ましくは80μm以下、さらに好ましくは60μm以下である。
【0087】
<剥離紙>
化粧シートは、粘着剤層における化粧シート本体に向かう面とは反対の面上に、剥離紙を備える。このような化粧シートは、粘着性を有する粘着剤層が露出していないことから、施工前のハンドリング性に優れる。
【0088】
剥離紙の縦方向(MD)の引張強さは、8.0kN/m以上であり、好ましくは8.2kN/m以上、より好ましくは8.4kN/m以上、さらに好ましくは8.6kN/m以上、よりさらに好ましくは8.8kN/m以上、特に好ましくは9.0kN/m以上である。剥離紙の縦方向(MD)の引張強さは、例えば15kN/m以下でもよく、14kN/m以下でもよく、13kN/m以下でもよい。
剥離紙の横方向(TD)の引張強さは、5.6kN/m以上であり、好ましくは5.8kN/m以上、より好ましくは6.0kN/m以上である。剥離紙の横方向(TD)の引張強さは、例えば12kN/m以下でもよく、11kN/m以下でもよく、10kN/m以下でもよい。
引張強さは、JIS P8113:2006に準拠して測定され、測定条件の詳細は実施例欄に記載する。引張強さが小さい剥離紙を備える化粧シートは、カールが発生しやすい。引張強さが上記下限値以上の剥離紙を備える化粧シートは、カールの発生を抑制でき、またはカールの高さを低減できる。
【0089】
本開示では、上述した引張強さを有する剥離紙を選択して用いる。軽量化の観点から化粧シート本体の厚さまたは剥離紙の厚さを小さくしすぎると、化粧シートの全体的な剛性低下または各層の温度に対する物性の違いなどから、化粧シートの高温保管時にカールが発生することがある。本開示の化粧シートでは、剥離紙が上述した引張強さを有することから、軽量である場合においてもカールの発生を抑制でき、またはカールの高さを低減できる。
なお、剥離紙の縦方向(MD)および横方向(TD)は、例えば、化粧シートの意匠層において設けられた意匠の方向から判別することができる。あるいは、化粧シートがロール巻きの形態である場合、当該シートをロール巻きから引き出す方向が縦方向である。
【0090】
剥離紙を40℃で72時間保管した後の該剥離紙の縦方向(MD)の加熱収縮率は、好ましくは-0.50%以上、より好ましくは-0.45%以上、さらに好ましくは-0.40%以上である。剥離紙の縦方向(MD)の上記加熱収縮率は、例えば0.00%以下でもよく、-0.05%以下でもよく、-0.10%以下でもよく、-0.15%以下でもよく、-0.20%以下でもよい。
剥離紙を40℃で72時間保管した後の該剥離紙の横方向(TD)の加熱収縮率は、好ましくは-0.40%以上、より好ましくは-0.35%以上、さらに好ましくは-0.30%以上である。剥離紙の横方向(TD)の上記加熱収縮率は、例えば0.00%以下でもよく、-0.05%以下でもよく、-0.10%以下でもよい。
加熱収縮率は、JIS K7133:1999に準拠して測定され、測定条件の詳細は実施例欄に記載する。加熱収縮率がこのような範囲にある剥離紙を備える化粧シートは、カールの発生をより抑制できる傾向にある。
【0091】
剥離紙は、第1のポリオレフィン層と、紙層と、第2のポリオレフィン層と、をこの順に備える。紙層の片面上のみにポリオレフィン層を備える剥離紙を備える化粧シートは、大きなカールを発生する傾向にある。紙層の両面上にポリオレフィン層を備える剥離紙を備える化粧シートは、このようなカールの発生を抑制でき、またはカールの高さを低減できる。ポリオレフィン層は、例えば、塗布法、押出コートまたはラミネート法によって形成できる。
【0092】
上記ポリオレフィン層は、ポリオレフィンを主成分として含有する。ポリオレフィンとしては、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンおよび直鎖状低密度ポリエチレンなどのポリエチレン、アイソタクチックポリプロピレンおよびシンジオタクチックポリプロピレンなどのポリプロピレン、ポリブテン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-プロピレン-ブテン共重合体ならびにオレフィン系熱可塑性エラストマーが挙げられる。これらの中でも、引張強さおよび加熱収縮率を上述した範囲に調整しやすいという観点から、ポリエチレンおよびポリプロピレンが好ましく、ポリエチレンがより好ましい。剥離紙は、一実施形態において、第1のポリエチレン層と、紙層と、第2のポリエチレン層と、をこの順に備える。
【0093】
上記ポリオレフィン層におけるポリオレフィンの含有割合は、ポリオレフィン層の全樹脂成分に対して、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上、特に好ましくは80質量%以上である。
【0094】
第1のポリオレフィン層および第2のポリオレフィン層の厚さは、それぞれ独立して、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは1μm以上、さらに好ましくは5μm以上であり、好ましくは40μm以下、より好ましくは35μm以下、さらに好ましくは30μm以下である。
【0095】
紙層は、例えば、上質紙、中質紙、コート紙、クレーコート紙、キャストコート紙、アート紙、含浸紙、クラフト紙、純白ロール紙、グラシン紙、ケント紙、加工原紙、板紙または合成紙である。紙層の坪量は、化粧シートの軽量化の観点から、好ましくは140g/m2以下、より好ましくは125g/m2以下、さらに好ましくは110g/m2以下、よりさらに好ましくは100g/m2以下、特に好ましくは90g/m2以下または85g/m2以下であり、化粧シートの強度の観点から、好ましくは20g/m2以上、より好ましくは35g/m2以上、さらに好ましくは50g/m2以上、よりさらに好ましくは55g/m2以上、特に好ましくは60g/m2以上である。紙層の坪量は、JIS P8124:2011に準拠して測定される。
【0096】
剥離紙は、第1のポリオレフィン層上に離型層を備えてもよい。第1のポリオレフィン層上に離型層を備える剥離紙は、粘着剤層からの剥離性に優れる。剥離紙は、第2のポリオレフィン層上に離型層を備えてもよい。剥離紙は、離型層と、第1のポリオレフィン層と、紙層と、第2のポリオレフィン層と、をこの順に備えてもよく、第1のポリオレフィン層と、紙層と、第2のポリオレフィン層と、離型層と、をこの順に備えてもよく、離型層と、第1のポリオレフィン層と、紙層と、第2のポリオレフィン層と、離型層と、をこの順に備えてもよい。
【0097】
離型層を形成する材料としては、例えば、シリコーン樹脂、有機樹脂変性シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アミノアルキド樹脂、メラミン系樹脂、アクリル系樹脂およびポリエステルが挙げられる。これらの樹脂は、例えば、エマルジョン型、溶剤型および無溶剤型のいずれでもよい。
【0098】
剥離紙の坪量は、化粧シートの軽量化の観点から、好ましくは200g/m2以下、より好ましくは180g/m2以下、さらに好ましくは160g/m2以下、よりさらに好ましくは140g/m2以下、特に好ましくは130g/m2以下または120g/m2以下であり、化粧シートの強度の観点から、好ましくは30g/m2以上、より好ましくは50g/m2以上、さらに好ましくは70g/m2以上、よりさらに好ましくは80g/m2以上、特に好ましくは90g/m2以上である。剥離紙の坪量は、JIS P8124:2011に準拠して測定される。剥離紙の厚さは、好ましくは220μm以下、より好ましくは200μm以下、さらに好ましくは180μm以下、よりさらに好ましくは160μm以下、特に好ましくは150μm以下または140μm以下であり、好ましくは40μm以上、より好ましくは60μm以上、さらに好ましくは80μm以上、よりさらに好ましくは90μm以上、特に好ましくは100μm以上である。剥離紙の厚さは、JIS P8118:2014に準拠して測定される。
【0099】
[化粧材の補修方法]
本開示の化粧シートを用いた化粧材の補修方法について説明する。該補修方法で用いる化粧シートを「化粧材の補修用シート」ともいう。該補修方法は、一実施形態において、本開示の化粧材の補修用シートを補修対象である化粧材に貼付する工程を有する。該補修方法は、一実施形態において、補修対象である化粧材の一部を除去して、露出面を形成する第1工程と、化粧材の露出面上にプライマー層を形成する第2工程と、本開示の化粧材の補修用シートから剥離紙を剥離し、該シートの粘着剤層がプライマー層と接するように、補修対象である化粧材に貼付する第3工程と、を有する。
【0100】
補修対象である化粧材は、例えば屋外で用いられる部材である。
補修対象である化粧材は、一実施形態において、外装材と、外装材の少なくとも一部の表面上に設けられた化粧シートと、を備える。化粧材は、外装材と化粧シートとの間に、粘着剤層を備えてもよい。ここでの化粧シートは、本開示の化粧シートに限られず、従来公知の化粧シートでもよい。
【0101】
図3に、補修対象である化粧材の一実施形態に係る模式断面図を示す。化粧材100は、外装材101と、粘着剤層102と、化粧シート103と、をこの順に備える。すなわち、外装材101、粘着剤層102および化粧シート103は、図3の紙面における上下方向となる厚さ方向に、重ねられている。化粧シート103の面が観察面である。図3において、化粧シート103の層構成の詳細は省略されている。化粧材100は、例えば、外装材101の装飾を要する面と、化粧シート103の図示せぬ基材層側の面とを対向させて積層することにより得られている。
【0102】
外装材は、屋外で用いられる成形体、例えば日々直射日光に晒される成形体である。外装材の形状は特に限定されず、例えば、平板および曲面板等の板材、立体形状物品、シートまたはフィルムが挙げられる。外装材としては、例えば、樹脂部材、木質部材および無機部材が挙げられる。
【0103】
樹脂部材としては、例えば、ポリオレフィン、塩化ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、セルロース樹脂、フェノール樹脂、ゴム等から構成される、シート、板材または立体形状物品が挙げられる。
【0104】
木質部材としては、例えば、木材単板、木材合板、パーティクルボード、中密度繊維板(MDF)および集成材等の木質繊維板等から構成される、板材または立体形状物品が挙げられる。化粧材は、一実施形態において、外装材が木質部材である化粧板である。
【0105】
無機部材としては、例えば、金属部材および他の無機部材が挙げられる。金属部材としては、例えば、鉄、アルミニウム、銅、錫、チタニウム、これらの金属を少なくとも1種含む合金(例えば、炭素鋼、ステンレス鋼、ジュラルミン、真鍮および青銅)等から構成される、シート、板材または立体形状物品が挙げられる。他の無機部材としては、例えば、ガラス、陶磁器等のセラミックス、石膏等の非セメント窯業系材料、軽量気泡コンクリート(ALC)板等から構成される、板材または立体形状物品が挙げられる。
【0106】
外装材としては、例えば、建築構造物の外装材、車両、船舶および航空機の外装材、ならびに産業用機械の外装材が挙げられる。建築構造物の外装材(建材)としては、例えば、外壁、屋根、軒天井、床、柵、柱、門柱、玄関ドアおよび門扉等の各種扉、窓材、手すり、バルコニーの仕切り板、テラスまたはカーポートにおける屋根部材、フェンス、ルーフデッキまたはウッドデッキにおける骨格部分、農業用ハウス、一般道路および高速道路等における防音壁または風防壁が挙げられる。車両の外装材としては、例えば、サイドウインドウ、リアウインドウ、ルーフウインドウ、フロントウインドウおよびクォーターウインドウなどの窓材;ヘッドライトカバー、ウインカーランプレンズ、リフレクター;ならびにピラーが挙げられる。車両としては、例えば、自動車、鉄道車両、建設機械、およびゴルフカートなどの軽車両が挙げられる。
【0107】
外装材の厚さは、用途および材料に応じて適宜選択すればよく、一実施形態において、0.1mm以上でもよく、0.3mm以上でもよく、0.5mm以上でもよく、10mm以下でもよく、5mm以下でもよく、3mm以下でもよい。
【0108】
外装材101は、補修対象である化粧材100の骨格をなす部分である。
補修対象である化粧材100が備える化粧シート103は、一実施形態において、上述した本開示の化粧シートが備える化粧シート本体と同様に屋外での使用に耐えうる耐候性の高い化粧シートである。化粧シート103は、上述した化粧シートにおいて説明した層を備えてもよい。化粧シート103は、基材層および意匠層を備え、透明性樹脂層および/または表面保護層をさらに備えてもよく、透明性接着剤層、プライマー層および裏面プライマー層から選択される少なくとも1つの層をさらに備えてもよい。これらの層の詳細については上述したとおりであり、ここでの説明は省略する。
粘着剤層102は、化粧シート103を外装材101に貼り付けるための層である。粘着剤層102の詳細については上述した粘着剤層と同様であるため、ここでの説明は省略する
【0109】
<第1工程>
第1工程では、補修対象である化粧材の一部を除去して、露出面を形成する。第1工程では、例えば、補修対象である化粧材が備える化粧シートについて、その観察面からその厚さ方向の途中まで一部を除去する。化粧シートを除去する深さは、例えば、表面保護層と透明性樹脂層の大半とが除去される深さであることが好ましい。換言すれば、表面保護層が消滅する深さ以上に化粧シートの一部を除去することが好ましい。屋外において使用される化粧シートの表面保護層および透明性樹脂層には、添加剤として耐候剤が含まれることが一般的である。化粧シートは、補修を要する程度に経年劣化していることから、表面保護層および透明性樹脂層については、耐候剤などの添加剤のブリードアウトが進行していることがある。ブリードアウトした添加剤が補修用シートの密着性等に影響を及ぼすことがある。表面保護層と透明性樹脂層の大半とを除去することにより、その影響を軽減できる。
【0110】
化粧材の一部を除去する方法としては、例えば、サンドペーパー(例えば、紙やすり、研磨紙)を用いる方法、具体的には、サンドペーパーを化粧シートの表面に対し手で往復運動させることで化粧シートの表面を除去する方法や、サンドペーパーを取り付けた電動サンダー(電動やすり)を用いて化粧シートの表面を除去する方法が挙げられ、これらを組み合わせてもよい。
【0111】
<第2工程>
第2工程では、第1工程において一部が除去された化粧材の露出面に、プライマー層を形成する。第2工程では、例えば、第1工程において一部が除去された化粧シートの露出面上に、プライマー層を形成する。プライマー層を形成することにより、次の第3工程において、化粧材に対する補修用シートの密着性が向上する。
【0112】
プライマー層を形成するための材料としては、例えば、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、アクリルポリオール樹脂、セルロース樹脂、ポリエステル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル-(メタ)アクリル共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレンが挙げられる。プライマー層の形成方法としては、例えば、液状のプライマー材料を上記露出面に塗布する方法が挙げられる。塗布する方法としては、例えば、施工現場において作業者が液状のプライマー材料を刷毛またはバーコーター(塗工バー)を用いて手塗りする方法が挙げられる。
【0113】
<第3工程>
第3工程では、本開示の化粧材の補修用シートを、該シートの粘着剤層がプライマー層と接するように、補修対象である化粧材に貼付する。化粧材の補修用シートは、施工前、すなわち第3工程前までは、粘着剤層の表面に剥離紙を備える。施工時に、剥離紙を粘着剤層から剥離して除去することで、粘着剤層を露出させる。剥離紙の剥離作業は、例えば、手または現場の剥離機材を用いて行われる。
【0114】
補修用シートの粘着剤層を化粧材上に設けられたプライマー層に対向させ、補修用シートを化粧材に押し当て、空気を逃がしながら化粧材に補修用シートを貼り付ける。粘着剤層が空気抜きパターンを有する場合は、補修用シートの粘着剤層と化粧材上に設けられたプライマー層との間に空気が挟み込まれてしまうことを抑制できる。化粧材に対する補修用シートの粘着力が、所定の粘着力で安定するまでには、施工完了後24時間以上経過していることが好ましい。
【0115】
補修用シートを化粧材に押し当てる際に用いる道具としては、例えば、ヘラ、スキージ、撫で刷毛およびローラーが挙げられ、また、道具を用いずに手で補修用シートを化粧材に押し当ててもよい。
【0116】
本開示の補修方法によれば、補修対象である化粧材が備える劣化した化粧シートの少なくとも一部を、補修用シートに係る新たな化粧シートに容易に更新できる。それにより化粧材の外観について、退色劣化のほとんどない状態に容易に更新できる。
【0117】
図4に、補修された化粧材の一実施形態に係る模式断面図を示す。補修された化粧材は、化粧材100と、プライマー層110と、補修用シート1と、をこの順に備える。補修された化粧材は、具体的には、外装材101と、粘着剤層102と、一部が除去された化粧シート103’と、プライマー層110と、粘着剤層3と、化粧シート本体2と、をこの順に備える。図4において、化粧シート本体2および化粧シート103’の層構成の詳細は省略されている。
【0118】
[化粧材]
本開示の化粧材は、一実施形態において、外装材と、外装材の少なくとも一部の表面上に設けられた本開示の化粧シートと、を備える。一実施形態において、本開示の化粧シートの粘着剤層と、外装材の表面と、が接触している。本開示の化粧シートおよび外装材の詳細については上述したとおりであり、本欄での説明は省略する。
【0119】
本開示は、例えば以下の[1]~[11]に関する。
[1]化粧シートであって、前記化粧シートは、剥離紙と、粘着剤層と、基材層としての熱可塑性樹脂シートと、意匠層と、透明性樹脂層と、をこの順に備え、前記剥離紙は、第1のポリオレフィン層と、紙層と、第2のポリオレフィン層と、をこの順に備え、前記剥離紙のJIS P8113:2006に準拠して測定される、縦方向(MD)の引張強さが8.0kN/m以上であり、横方向(TD)の引張強さが5.6kN/m以上である、化粧シート。
[2]前記剥離紙のJIS K7133:1999に準拠して測定される、40℃で72時間保管した後の縦方向(MD)の加熱収縮率が-0.50%以上であり、横方向(TD)の加熱収縮率が-0.40%以上である、前記[1]に記載の化粧シート。
[3]前記剥離紙が、第1のポリエチレン層と、紙層と、第2のポリエチレン層と、をこの順に備える、前記[1]または[2]に記載の化粧シート。
[4]前記熱可塑性樹脂シートが、ポリプロピレンシートである、前記[1]~[3]のいずれか一項に記載の化粧シート。
[5]前記粘着剤層が、前記粘着剤層における前記剥離紙に向かう面に、空気抜きパターンを有する、前記[1]~[4]のいずれか一項に記載の化粧シート。
[6]前記化粧シートが、表面保護層をさらに備える、前記[1]~[5]のいずれか一項に記載の化粧シート。
[7]前記化粧シートが、前記透明性樹脂層と前記表面保護層との間に、プライマー層をさらに備える、前記[6]に記載の化粧シート。
[8]前記化粧シートの坪量が、280g/m2以下である、前記[1]~[7]のいずれか一項に記載の化粧シート。
[9]化粧材の補修用シートである、前記[1]~[8]のいずれか一項に記載の化粧シート。
[10]外装材と、前記外装材の少なくとも一部の表面上に設けられた、前記[1]~[9]のいずれか一項に記載の化粧シートと、を備える化粧材。
[11]補修対象である化粧材の一部を除去して、露出面を形成する第1工程と、前記化粧材の前記露出面上にプライマー層を形成する第2工程と、前記[1]~[9]のいずれか一項に記載の化粧シートから剥離紙を剥離し、該シートの粘着剤層が前記プライマー層と接するように、前記化粧材に貼付する第3工程と、を有する、化粧材の補修方法。
【実施例0120】
以下、実施例に基づき本開示の化粧シートをより詳細に説明するが、本開示の化粧シートは実施例により何ら限定されない。
【0121】
[実施例1]
熱可塑性樹脂シートとして厚さ60μmの着色ポリプロピレンシートを準備した。熱可塑性樹脂シートの一方の面に、厚さ2μmの裏面プライマー層を形成した。熱可塑性樹脂シートの他方の面に、厚さ2μmとなるように木目模様の意匠層をグラビア印刷により形成した。意匠層上に、ウレタン樹脂系接着剤を用いて厚さ2μmの透明性接着剤層を形成した。透明性接着剤層上に、透明ポリプロピレン系樹脂を押出しラミネート方式で積層して、厚さ80μmの透明性樹脂層を形成した。透明性樹脂層の表面にコロナ放電処理を施した後、2液硬化型ウレタン樹脂を塗工することにより、厚さ2μmのプライマー層を形成した。プライマー層の表面に、ウレタンアクリレート系電子線硬化性樹脂(EB樹脂)を塗工した後、電子線照射装置を用いて加速電圧175KeV、5Mradの条件で電子線を照射して電子線硬化性樹脂を硬化させることで、厚さ5μmの表面保護層を形成した。このようにして、化粧シート本体を作製した。
次に、シリコーン塗工された、両面ポリエチレンラミネート仕様の剥離紙(上質紙ベース、総厚さ:127μm、坪量:110g/m2、引張強さ(MD):9.1kN/m、引張強さ(TD):7.2kN/m、日榮新化株式会社製)を準備した。該剥離紙のシリコーン塗工面に2液硬化型アクリル系粘着剤(NT-138、日榮新化株式会社)を塗布した後、乾燥させることによって、厚さ30μmの粘着剤層を形成し、該粘着剤層の面に、化粧シート本体の裏面プライマー層面に貼り合わせることで、実施例1の化粧シートを得た。
化粧シートの層構成は、以下のとおりである:剥離紙(127μm)/粘着剤層(30μm)/裏面プライマー層(2μm)/熱可塑性樹脂シート(60μm)/意匠層(2μm)/透明性接着剤層(2μm)/透明性樹脂層(80μm)/プライマー層(2μm)/表面保護層(5μm)
【0122】
[実施例2]
剥離紙をSLK-80WK(住化加工紙株式会社製)に、粘着剤層をMold Fit 50(日榮新化株式会社製、基材レス両面粘着シート)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、化粧シートを得た。
[比較例1]
剥離紙をSSP-73A(シノムラ化学工業株式会社製)に、粘着剤層をMold Fit 50(日榮新化株式会社製、基材レス両面粘着シート)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、化粧シートを得た。
[比較例2]
剥離紙をSSP-70SBX(シノムラ化学工業株式会社製)に、粘着剤層をMold Fit 50(日榮新化株式会社製、基材レス両面粘着シート)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、化粧シートを得た。
[比較例3]
剥離紙をSSP-64BOB(シノムラ化学工業株式会社製)に、粘着剤層をMold Fit 50(日榮新化株式会社製、基材レス両面粘着シート)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、化粧シートを得た。
[比較例4]
剥離紙を両面ポリエチレンラミネート仕様の剥離紙(上質紙ベース、総厚さ:154μm、坪量:132g/m2、引張強さ(MD):7.3kN/m、引張強さ(TD):4.9kN/m、日榮新化株式会社製)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、化粧シートを得た。
[比較例5]
剥離紙を両面ポリエチレンラミネート仕様の剥離紙(上質紙ベース、総厚さ:152μm、坪量:130g/m2、引張強さ(MD):7.5kN/m、引張強さ(TD):5.3kN/m、日榮新化株式会社製)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、化粧シートを得た。
[比較例6]
剥離紙をSLK-80WY2(住化加工紙株式会社製)に、粘着剤層をMold Fit 50(日榮新化株式会社製、基材レス両面粘着シート)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、化粧シートを得た。
【0123】
[評価]
<坪量および厚さ>
実施例および比較例で作製した化粧シートまたは実施例および比較例で用いた剥離紙を100mm×100mmの寸法で切断して、坪量測定用の試験片を作製した。JIS P8124:2011に準拠して、電子天秤を用いて試験片の質量を計測し、該寸法に基づき、試験片の坪量(g/m2)を得た。JIS P8118:2014に準拠して、試験片の厚さ(μm)を測定した。
【0124】
<引張強さ>
剥離紙の引張強さは、JIS P8113:2006に準拠して測定した。具体的には、剥離紙を幅15mm、長さ200mm(縦方向(MD))の寸法で切断して、縦方向(MD)の引張強さ測定用の試験片を作製し、幅15mm、長さ200mm(横方向(TD))の寸法で切断して、横方向(TD)の引張強さ測定用の試験片を作製した。20℃の温度条件下にて、引張速度20mm/min、チャック間距離180mmの条件で、引張試験(使用機械:ORIENTEC製、テンシロン万能材料試験機、RTC-1250A)を用いて、試験片を引っ張り、破断するまでの最大引張荷重を幅1m当たりに換算した値として引張強さ(kN/m)を計測した。
【0125】
<加熱収縮率>
剥離紙の加熱収縮率は、JIS K7133:1999に準拠して測定した。具体的には、剥離紙を120mm×120mmの寸法で切断して、加熱収縮率測定用の試験片を作製した。試験片の縦方向(MD)および横方向(TD)に印した二つの標線の試験前の標線間距離を測定した。次いで、試験片を温度40℃のオーブンに入れて72時間養生した。オーブンから試験片を取り出して冷却した後、試験片の縦方向および横方向における標線間距離を測定した。加熱前後における、縦方向および横方向における標線間の寸法変化である収縮率(%)を求めた。
下記式で加熱収縮率を計算した。
ΔL = {(L-L0)/L0}×100
0:加熱前の標線間距離(mm)
L:加熱後の標線間距離(mm)
負の値は試験片の収縮、正の値は試験片の伸びに相当する。
【0126】
<カール判定>
実施例および比較例で作製した化粧シートを100mm×100mmの寸法で切断して、カール判定用の試験片を作製した。試験片を温度40℃のオーブンに入れて72時間養生した。オーブンから試験片を取り出した後、試験片のカール判定を以下の基準に基づいて行った。
A:試験片の端部の反りの高さ(4隅の平均)が2mm以下である。
B:試験片の端部の反りの高さ(4隅の平均)が2mm超である。
【0127】
【表1】
【符号の説明】
【0128】
1・・・化粧材の補修用シート
2・・・化粧シート本体
3・・・粘着剤層
10・・・基材層
20・・・意匠層
26・・・透明性接着剤層
30・・・透明性樹脂層
40・・・プライマー層
50・・・表面保護層
60・・・裏面プライマー層
S1・・・剥離紙
S1a・・・第1のポリオレフィン層
S1b・・・紙層
S1c・・・第2のポリオレフィン層
100・・・化粧材
101・・・外装材
102・・・粘着剤層
103・・・化粧シート
110・・・プライマー層
図1
図2
図3
図4