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特開2024-143690情報端末、インターホンシステム、携帯端末、サーバ、管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143690
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】情報端末、インターホンシステム、携帯端末、サーバ、管理方法
(51)【国際特許分類】
   H04M 9/00 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
H04M9/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023056478
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123102
【弁理士】
【氏名又は名称】宗田 悟志
(72)【発明者】
【氏名】田中 敬一
(72)【発明者】
【氏名】山尾 勇二
(72)【発明者】
【氏名】岸上 翔
(72)【発明者】
【氏名】寺田 健吾
【テーマコード(参考)】
5K038
【Fターム(参考)】
5K038AA06
5K038CC12
5K038FF01
(57)【要約】
【課題】携帯端末において駆動させるアプリケーションによる消費電力の増加を抑制する技術を提供する。
【解決手段】通信部240は、常時駆動の第1アプリケーションと非常時駆動の第2アプリケーションとを有する携帯端末がサーバと通信することによってサーバが第1アプリケーションの利用期限を更新した場合、第1アプリケーションの利用期限の更新が示された期限更新通知をサーバから受信する。管理部252は、通信部240が受信した期限更新通知をもとに、第2アプリケーションの利用期限を更新する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
常時駆動の第1アプリケーションと非常時駆動の第2アプリケーションとを有する携帯端末がサーバと通信することによって前記サーバが前記第1アプリケーションの利用期限を更新した場合、前記第1アプリケーションの利用期限の更新が示された期限更新通知を前記サーバから受信する通信部と、
前記通信部が受信した前記期限更新通知をもとに、前記第2アプリケーションの利用期限を更新する管理部と、
を備える情報端末。
【請求項2】
前記通信部は、前記携帯端末の前記第1アプリケーションにより定期的に送信される探索信号を受信した場合、応答信号を送信し、
前記携帯端末は、前記応答信号を受信した場合に、前記第1アプリケーションの利用期限の更新を前記サーバに要求する請求項1に記載の情報端末。
【請求項3】
前記通信部は、前記携帯端末の前記第2アプリケーションが起動したときに送信された接続要求を受信し、
前記管理部は、前記通信部が前記接続要求を受信した場合に、前記第2アプリケーションの利用期限を確認する請求項1に記載の情報端末。
【請求項4】
前記管理部が前記第2アプリケーションの利用期限を確認した結果、前記第2アプリケーションの利用期限が経過していた場合、または前記第2アプリケーションの利用期限の一定期間前である場合、
前記通信部は、前記第1アプリケーションの利用期限を更新するための登録情報の提供を前記サーバに要求してから、前記登録情報を前記サーバから受信し、
本情報端末は、
前記通信部が受信した前記登録情報を報知する報知部をさらに備え、
前記通信部は、前記携帯端末が前記サーバに送信した前記登録情報をもとに前記サーバが前記第1アプリケーションの利用期限を更新した場合、前記期限更新通知を前記サーバから受信し、
前記管理部は、前記通信部が受信した前記期限更新通知をもとに、前記第2アプリケーションの利用期限を更新する請求項3に記載の情報端末。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報端末と、
前記情報端末と通信するインターホン装置と、
を備えるインターホンシステム。
【請求項6】
常時駆動の第1アプリケーションと非常時駆動の第2アプリケーションとを実行可能な制御部と、
情報端末とサーバと通信可能な通信部とを備え、
前記通信部は、前記制御部において実行される前記第1アプリケーションにより探索信号を定期的に送信し、前記探索信号を受信した前記情報端末から応答信号を受信し、
前記通信部は、前記応答信号を受信した場合、前記第1アプリケーションの利用期限の更新を前記サーバに要求し、
前記サーバが前記第1アプリケーションの利用期限を更新した場合、前記第1アプリケーションの利用期限の更新が示された期限更新通知を前記サーバが前記情報端末に送信し、
前記情報端末は、受信した前記期限更新通知をもとに、前記第2アプリケーションの利用期限を更新する携帯端末。
【請求項7】
常時駆動の第1アプリケーションと非常時駆動の第2アプリケーションとを有する携帯端末と、情報端末と通信可能な通信部と、
前記第1アプリケーションの利用権限を管理する管理部とを備え、
前記通信部は、前記第1アプリケーションの利用期限の更新の要求信号を前記携帯端末から受信し、
前記管理部は、前記通信部において受信された前記要求信号をもとに、前記第1アプリケーションの利用期限を更新し、
前記通信部は、前記第1アプリケーションの利用期限の更新が示された期限更新通知を前記情報端末に送信し、
前記情報端末は、受信した前記期限更新通知をもとに、前記第2アプリケーションの利用期限を更新するサーバ。
【請求項8】
情報端末において実行される管理方法であって、
常時駆動の第1アプリケーションと非常時駆動の第2アプリケーションとを有する携帯端末がサーバと通信することによって前記サーバが前記第1アプリケーションの利用期限を更新した場合、前記第1アプリケーションの利用期限の更新が示された期限更新通知を前記サーバから受信するステップと、
受信した前記期限更新通知をもとに、前記第2アプリケーションの利用期限を更新するステップと、
を備える管理方法。
【請求項9】
常時駆動の第1アプリケーションと非常時駆動の第2アプリケーションとを実行可能であるとともに、情報端末とサーバと通信可能である携帯端末において実行される管理方法であって、
前記第1アプリケーションにより探索信号を定期的に送信するステップと、
前記探索信号を受信した前記情報端末から応答信号を受信するステップと、
前記応答信号を受信した場合、前記第1アプリケーションの利用期限の更新を前記サーバに要求するステップとを備え、
前記サーバが前記第1アプリケーションの利用期限を更新した場合、前記第1アプリケーションの利用期限の更新が示された期限更新通知を前記サーバが前記情報端末に送信し、
前記情報端末は、受信した前記期限更新通知をもとに、前記第2アプリケーションの利用期限を更新する管理方法。
【請求項10】
常時駆動の第1アプリケーションと非常時駆動の第2アプリケーションとを有する携帯端末と、情報端末と通信可能であるとともに、前記第1アプリケーションの利用権限を管理するサーバにおいて実行される管理方法であって、
前記第1アプリケーションの利用期限の更新の要求信号を前記携帯端末から受信するステップと、
受信された前記要求信号をもとに、前記第1アプリケーションの利用期限を更新するステップと、
前記第1アプリケーションの利用期限の更新が示された期限更新通知を前記情報端末に送信するステップとを備え、
前記情報端末は、受信した前記期限更新通知をもとに、前記第2アプリケーションの利用期限を更新する管理方法。
【請求項11】
情報端末において実行されるプログラムであって、
常時駆動の第1アプリケーションと非常時駆動の第2アプリケーションとを有する携帯端末がサーバと通信することによって前記サーバが前記第1アプリケーションの利用期限を更新した場合、前記第1アプリケーションの利用期限の更新が示された期限更新通知を前記サーバから受信するステップと、
受信した前記期限更新通知をもとに、前記第2アプリケーションの利用期限を更新するステップとをコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項12】
常時駆動の第1アプリケーションと非常時駆動の第2アプリケーションとを実行可能であるとともに、情報端末とサーバと通信可能である携帯端末において実行されるプログラムであって、
前記第1アプリケーションにより探索信号を定期的に送信するステップと、
前記探索信号を受信した前記情報端末から応答信号を受信するステップと、
前記応答信号を受信した場合、前記第1アプリケーションの利用期限の更新を前記サーバに要求するステップとをコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項13】
常時駆動の第1アプリケーションと非常時駆動の第2アプリケーションとを有する携帯端末と、情報端末と通信可能であるとともに、前記第1アプリケーションの利用権限を管理するサーバにおいて実行されるプログラムであって、
前記第1アプリケーションの利用期限の更新の要求信号を前記携帯端末から受信するステップと、
受信された前記要求信号をもとに、前記第1アプリケーションの利用期限を更新するステップと、
前記第1アプリケーションの利用期限の更新が示された期限更新通知を前記情報端末に送信するステップとをコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御技術に関し、特にアプリケーションを制御する情報端末、インターホンシステム、携帯端末、サーバ、管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インターホンシステムにおいて、玄関子機からの呼び出しに対して携帯情報端末による応答を可能にするために、インターネットを利用してSIP(Session Initiation Protocol)通信機能を備えた携帯情報端末との間で呼出/応答がなされる。このような呼出/応答を実現するために、携帯情報端末は定期的に自身のIPアドレスを、施設内の装置へ通知して登録する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-176005号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
インターホンシステムでは施設内に居室親機が設置され、居室親機がサーバに接続されることによって、玄関子機と携帯情報端末との間の通信が可能にされている。このような構成において携帯情報端末において来客応答用アプリケーションが実行されると、ユーザは、携帯情報端末を使用しながら、玄関子機を使用する来客と通話可能である。また、施設内に設置された機器が機器制御装置に接続され、機器制御装置がサーバに接続される場合、携帯情報端末において機器制御用アプリケーションが実行されると、携帯情報端末から機器の状態を確認したり、機器を操作したりすることが可能になる。
【0005】
ユーザが退去した後でもこれらのアプリケーションによる遠隔制御が可能であれば、システムのセキュリティとして好ましくない。システムのセキュリティを向上するために、定期的な退去判定がなされる。例えば、携帯情報端末の各アプリケーションは、同一のWifi(登録商標)内に居室親機が存在するかを定期的に確認し、居室親機が存在しなければ退去を決定する。このような退去判定では、居室親機の存在を定期的に確認するために、アプリケーションを常時駆動させる必要がある。特に、複数のアプリケーションを常時駆動させる場合、消費電力が増加し、携帯情報端末のバッテリ消費が早くなる。
【0006】
本開示はこうした状況に鑑みなされたものであり、その目的は、携帯端末において駆動させるアプリケーションによる消費電力の増加を抑制する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示のある態様の情報端末は、常時駆動の第1アプリケーションと非常時駆動の第2アプリケーションとを有する携帯端末がサーバと通信することによってサーバが第1アプリケーションの利用期限を更新した場合、第1アプリケーションの利用期限の更新が示された期限更新通知をサーバから受信する通信部と、通信部が受信した期限更新通知をもとに、第2アプリケーションの利用期限を更新する管理部と、を備える。
【0008】
本開示の別の態様は、携帯端末である。この携帯端末は、常時駆動の第1アプリケーションと非常時駆動の第2アプリケーションとを実行可能な制御部と、情報端末とサーバと通信可能な通信部とを備える。通信部は、制御部において実行される第1アプリケーションにより探索信号を定期的に送信し、探索信号を受信した情報端末から応答信号を受信し、通信部は、応答信号を受信した場合、第1アプリケーションの利用期限の更新をサーバに要求し、サーバが第1アプリケーションの利用期限を更新した場合、第1アプリケーションの利用期限の更新が示された期限更新通知をサーバが情報端末に送信し、情報端末は、受信した期限更新通知をもとに、第2アプリケーションの利用期限を更新する。
【0009】
本開示のさらに別の態様は、サーバである。このサーバは、常時駆動の第1アプリケーションと非常時駆動の第2アプリケーションとを有する携帯端末と、情報端末と通信可能な通信部と、第1アプリケーションの利用権限を管理する管理部とを備える。通信部は、第1アプリケーションの利用期限の更新の要求信号を携帯端末から受信し、管理部は、通信部において受信された要求信号をもとに、第1アプリケーションの利用期限を更新し、通信部は、第1アプリケーションの利用期限の更新が示された期限更新通知を情報端末に送信し、情報端末は、受信した期限更新通知をもとに、第2アプリケーションの利用期限を更新する。
【0010】
本開示のさらに別の態様は、管理方法である。この方法は、情報端末において実行される管理方法であって、常時駆動の第1アプリケーションと非常時駆動の第2アプリケーションとを有する携帯端末がサーバと通信することによってサーバが第1アプリケーションの利用期限を更新した場合、第1アプリケーションの利用期限の更新が示された期限更新通知をサーバから受信するステップと、受信した期限更新通知をもとに、第2アプリケーションの利用期限を更新するステップと、を備える。
【0011】
本開示のさらに別の態様もまた、管理方法である。この方法は、常時駆動の第1アプリケーションと非常時駆動の第2アプリケーションとを実行可能であるとともに、情報端末とサーバと通信可能である携帯端末において実行される管理方法であって、第1アプリケーションにより探索信号を定期的に送信するステップと、探索信号を受信した情報端末から応答信号を受信するステップと、応答信号を受信した場合、第1アプリケーションの利用期限の更新をサーバに要求するステップとを備える。サーバが第1アプリケーションの利用期限を更新した場合、第1アプリケーションの利用期限の更新が示された期限更新通知をサーバが情報端末に送信し、情報端末は、受信した期限更新通知をもとに、第2アプリケーションの利用期限を更新する。
【0012】
本開示のさらに別の態様もまた、管理方法である。この方法は、常時駆動の第1アプリケーションと非常時駆動の第2アプリケーションとを有する携帯端末と、情報端末と通信可能であるとともに、第1アプリケーションの利用権限を管理するサーバにおいて実行される管理方法であって、第1アプリケーションの利用期限の更新の要求信号を携帯端末から受信するステップと、受信された要求信号をもとに、第1アプリケーションの利用期限を更新するステップと、第1アプリケーションの利用期限の更新が示された期限更新通知を情報端末に送信するステップとを備える。情報端末は、受信した期限更新通知をもとに、第2アプリケーションの利用期限を更新する。
【0013】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本開示の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本開示の態様として有効である。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、携帯端末において駆動させるアプリケーションによる消費電力の増加を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1(a)-(b)は、実施例に係る通信システムの構成を示す図である。
図2図1(a)-(b)の玄関子機、居室親機、通信装置の構成を示す図である。
図3図1(a)-(b)の携帯情報端末の構成を示す図である。
図4図1(a)-(b)の利用期限管理サーバの構成を示す図である。
図5図5(a)-(b)は、実施例に係る通信システムの別の構成を示す図である。
図6図2のモニタに表示される画面を示す図である。
図7図3のモニタに表示される画面を示す図である。
図8】本実施例に係る通信システムによる利用期限更新手順を示すシーケンス図である。
図9】本実施例に係る通信システムによる利用期限確認手順を示すシーケンス図である。
図10】本実施例に係る通信システムによる別の利用期限更新手順を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示を具体的に説明する前に、概要を述べる。実施例は、集合住宅、戸建住宅等の施設に設置されたインターホンシステムにおける玄関子機から居室親機への呼出要求に応じて、玄関子機と携帯情報端末との通信を実行させる通信システムに関する。また、通信システムには、施設内の家電機器、設備機器等の機器が接続された機器制御装置が含まれる。そのため、通信システムは、携帯情報端末から機器の状態を確認したり、機器を操作したりすることも可能にする。携帯情報端末には、例えば、来客応答用アプリケーションと機器制御用アプリケーションがインストールされている。来客応答用アプリケーションが実行されることによって、携帯情報端末と玄関子機との通話が実行される。機器制御用アプリケーションが実行されることによって、携帯情報端末から機器の状態の確認、機器の操作が可能になる。
【0017】
前述のごとく、通信システムのセキュリティを向上するために、定期的な退去判定がなされる。来客応答用アプリケーションと機器制御用アプリケーションのような複数のアプリケーションが携帯情報端末にインストールされている場合、複数のアプリケーションを常時駆動させる必要がある。これにより、携帯情報端末の消費電力が増加し、携帯情報端末のバッテリ消費が早くなる。
【0018】
本実施例では、携帯情報端末にインストールされた複数のアプリケーションのうちの1つ(以下、「第1アプリケーション」という)だけが常時駆動されており、第1アプリケーションだけが退去判定を実行する。一方、第1アプリケーション以外のアプリケーション(以下、「第2アプリケーション」という)は、常時駆動せず、起動時に居室親機において利用期限を判定してもらう。
【0019】
以下では、(1)通信システム1000の基本構成、(2)インターホンシステム10の基本動作、(3)第1アプリケーションにおける退去判定と利用期限更新、(4)携帯情報端末500と機器制御装置800との通信動作、(5)第2アプリケーションにおける利用期限確認と利用期限更新、(6)玄関子機100と施設20外の携帯情報端末500との通信動作の順に説明する。
【0020】
(1)通信システム1000の基本構成
図1(a)-(b)は、通信システム1000の構成を示す。通信システム1000は、インターホンシステム10、機器管理システム30、ルータ400、アクセスポイント410、ネットワーク420、利用期限管理サーバ430(サーバ)、基地局装置440、P2Pサーバ450、携帯情報端末500(携帯端末)を含む。インターホンシステム10は、玄関子機100、居室親機200、通信装置300を含む。ここでは、居室親機200と通信装置300が別の装置として示されるが、居室親機200が通信装置300を含むことによって、これらは一体化されてもよい。このような居室親機200と通信装置300は施設内システム700(情報端末)としてまとめられる。
【0021】
機器管理システム30は、機器制御装置800、機器810と総称される第1機器810a、第2機器810bを含む。機器制御装置800に接続される機器810の数は「2」に限定されない。インターホンシステム10、機器管理システム30、ルータ400、アクセスポイント410は、施設20に設置され、ネットワーク420、利用期限管理サーバ430、基地局装置440、P2Pサーバ450は、施設20の外部に設置される。施設20は、例えば戸建住宅、マンション等の集合住宅、オフィスや工場等の建物である。
【0022】
玄関子機100は、施設20の入口の外側に設置されたインターホンである。玄関子機100は、例えば、戸建住宅の玄関先(住宅の外側)に設置される。また、玄関子機100は、集合住宅におけるロビーインターホンあるいはドアホン子機であってもよい。玄関子機100に備えられた呼出ボタンは、来訪者が来訪した際に押し下げられる。玄関子機100は、有線あるいは無線の専用回線によって居室親機200に接続される。
【0023】
居室親機200は、施設20内に設置される。居室親機200は住宅情報盤とも呼ばれる。居室親機200は、専用回線経由で玄関子機100を接続するとともに、通信装置300を接続する。玄関子機100からの呼出に応じて、居住者等のユーザが居室親機200の応答ボタンを押し下げると、玄関子機100と居室親機200との間において来訪者とユーザの会話が可能になる。本実施例におけるユーザは、玄関子機100からの呼出に応答するために、携帯情報端末500も使用可能である。
【0024】
携帯情報端末500は、例えば、スマートフォン、タブレット端末であり、ユーザに携帯されて施設20の内外を移動可能である。また、携帯情報端末500は、第1通信方式と第2通信方式に対応する無線通信機能を有する。第1通信方式は、例えば、LTE(Long Term Evolution)等の携帯電話システム、無線MAN(Metropolitan Area Network)であり、第2通信方式は、例えば、無線LAN(Local Area Network)である。ここでは、第1通信方式は施設20の内でも外でも使用可能であるが、第2通信方式は施設20内において使用可能であり、施設20外において使用不可能であることを想定する。さらに、携帯情報端末500は、インターホンシステム10における呼出に応答するための来客応答用アプリケーションを実行可能であるとともに、機器810を制御するための機器制御用アプリケーションを実行可能である。ここでは、例えば、機器制御用アプリケーションが第1アプリケーションであり、来客応答用アプリケーションが第2アプリケーションである。
【0025】
携帯情報端末500と玄関子機100との通信を可能にするために、居室親機200には通信装置300が接続され、通信装置300にはルータ400が接続される。通信装置300は、居室親機200側の通信インターフェースと、ルータ400側の通信インターフェースとの間の変換を実行する。ルータ400は、施設20内のアクセスポイント410を接続するとともに、施設20外のネットワーク420も接続する。アクセスポイント410は、第2通信方式による通信を実行することによって、施設20内において携帯情報端末500と通信可能な無線装置である。ここで、アクセスポイント410との間で第2通信方式による通信が可能な領域を第1領域と呼ぶ場合、インターホンシステム10が設置される施設20は第2領域と呼ばれる。本実施例において第1領域と第2領域とは一致しているとするが、これらは少なくとも一部が重複していればよい。
【0026】
ネットワーク420は、有線あるいは無線あるいはそれらの組合せにより形成されており、例えば、インターネットである。ネットワーク420には、利用期限管理サーバ430、基地局装置440、P2Pサーバ450が接続される。基地局装置440は、第1通信方式による通信を実行することによって、施設20の内外において携帯情報端末500と通信可能な無線装置である。
【0027】
利用期限管理サーバ430は、携帯情報端末500における第1アプリケーションの利用期限を管理するためのサーバである。利用期限管理サーバ430は、第1アプリケーションの利用期限の更新も実行する。
【0028】
P2Pサーバ450は、携帯情報端末500におけるアプリケーションを外部から起動させるためのサーバである。P2Pサーバ450は、例えばAPNS(Apple Push Notification Service)あるいはFCM(Firebase Cloud Messaging)の機能を有する。また、P2Pサーバ450は、居室親機200と携帯情報端末500との間でセッションを確立したり、あるいは切断したりする機能も有する。P2Pサーバ450は、例えば、SIPサーバでもある。P2Pサーバ450は、SIPの他にWebRTC(Web Real-Time Communication)を実行してもよい。このようなP2Pサーバ450は、施設内システム700と携帯情報端末500と通信可能であるといえる。
【0029】
各機器810は、例えば、照明装置、エアーコンディショナである。各機器810は、HAN(Home Area Network)により機器制御装置800に接続される。機器制御装置800は、例えば、HEMS(Home Energy Management System)コントローラとしての機能を有し、機器810の動作を制御する。機器制御装置800は、1つの装置であってもよいし、複数の装置の接続であってもよい。機器制御装置800は、ルータ400、ネットワーク420を介してP2Pサーバ450に接続される。P2Pサーバ450は、ネットワーク420、基地局装置440を介して携帯情報端末500と通信可能である。P2Pサーバ450は、携帯情報端末500のアプリケーションに対して、携帯情報端末500から機器810の状態を確認したり、携帯情報端末500から機器810を操作したりする機能を提供する。
【0030】
(2)インターホンシステム10の基本動作
図2は、玄関子機100、居室親機200、通信装置300の構成を示す。玄関子機100は、処理部110、操作部130、通信部140を含み、処理部110は、撮像部112、マイク114、スピーカ116、モニタ118、IF部120を含む。居室親機200は、処理部210、操作部230、通信部240、制御部250を含み、処理部210は、マイク214、スピーカ216、モニタ218、IF部220を含み、制御部250は、管理部252を含む。通信装置300は、第1通信部340、第2通信部342、制御部350、記憶部360を含む。居室親機200が通信装置300を含むことによってこれらが一体化されている場合、通信部240と第1通信部340は共通であってもよく、制御部250と制御部350も共通であってもよい。
【0031】
玄関子機100の操作部130は、来訪者の操作を受けつけるためのユーザインターフェースであり、例えば呼出ボタンである。操作部130が来訪者によって押し下げられると、操作部130は、呼出要求を通信部140に出力する。また、操作部130が来訪者によって押し下げられると、処理部110が動作する。
【0032】
撮像部112は、来訪者を撮影するためのものであり、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等の固体撮像素子を備える。当該固体撮像素子は光電変換した映像信号をIF部120に出力する。IF部120は、撮像部112からの映像信号に対して種々の信号処理を実行する。種々の信号処理には公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。IF部120は、信号処理を実行した映像信号(以下、これもまた「映像信号」という)を通信部140に出力する。
【0033】
マイク114とスピーカ116は、来訪者が居住者と通話するためのユーザインターフェースである。マイク114は来訪者の声を集音し、電気信号に変換してIF部120に出力する。スピーカ116は、IF部120からの電気信号を再生して音声出力する。IF部120は、マイク114からの電気信号を受けつけ、これを伝送するための形式の信号(以下、「音声信号」という)に変換する。IF部120は、音声信号を通信部140に出力する。一方、IF部120は、通信部140から音声信号を入力し、音声信号を電気信号に変換する。IF部120は、電気信号をスピーカ116に出力する。
【0034】
モニタ118は、メッセージ等を表示する。メッセージは、LED(Light Emitting Diode)等で表示されてもよい。例えば、予めメッセージ毎にLED等の発光部が配置されており、いずれかが点灯することによって、メッセージが伝えられる。IF部120は、通信部140からメッセージ信号を入力し、メッセージ信号をモニタ118に出力する。メッセージ信号は、玄関子機100において生成されてもよい。通信部140は、専用回線による通信機能を有し、居室親機200との間の通信を実行する。具体的に説明すると、通信部140は、前述の呼出要求、映像信号、音声信号、メッセージ信号を居室親機200との間で送受信するが、送受信される信号はこれらに限定されない。
【0035】
居室親機200の通信部240は、専用回線による通信機能を有し、玄関子機100の通信部140との間の通信を実行する。また、通信部240は、通信装置300の第1通信部340との間の通信も実行する。そのため、通信部240は、玄関子機100と通信装置300との間の通信を中継可能である。通信部240には制御部250が接続され、制御部250は居室親機200の動作を制御する。制御部250にはIF部220、操作部230が接続され、IF部220にはマイク214、スピーカ216、モニタ218が接続される。ここで、マイク214、スピーカ216、IF部220、操作部230は、マイク114、スピーカ116、IF部120、操作部130と同様に構成される。モニタ218は、玄関子機100の撮像部112において撮像された映像を表示する。
【0036】
制御部250は、通信部240を介して玄関子機100からの呼出要求、映像信号、音声信号を受けつける。制御部250は、呼出要求を受けつけると、IF部220を介してスピーカ216から呼出音を出力させる。これに続いて、制御部250は、IF部220を介してモニタ218に、映像信号を再生した映像を表示させるとともに、IF部220を介してスピーカ216から、音声信号を再生した音声を出力させる。呼出音を聞いたユーザが操作部230を操作することによって呼出に応答した場合、制御部250は、通信部240に対して、玄関子機100との間の通信を実行させる。その結果、通信部140と通信部240との間で、映像信号、音声信号が通信されることによって、玄関子機100を操作する来訪者と、居室親機200を操作するユーザとの間の通話が実行される。
【0037】
(3)第1アプリケーションにおける退去判定と利用期限更新
図3は、携帯情報端末500の構成を示す。携帯情報端末500は、処理部510、第1通信方式通信部540、第2通信方式通信部542、制御部550、記憶部560を含み、処理部510は、撮像部512、マイク514、スピーカ516、モニタ518、IF部520、操作部530を含む。第1通信方式通信部540は、第1通信方式による通信を実行し、図1(a)の基地局装置440と通信可能である。第2通信方式通信部542は、第2通信方式による通信を実行し、図1(a)のアクセスポイント410と通信可能である。
【0038】
第1通信方式通信部540と第2通信方式通信部542には制御部550が接続され、制御部550は携帯情報端末500の動作を制御する。制御部550にはIF部520と記憶部560が接続され、IF部520には撮像部512、マイク514、スピーカ516、モニタ518、操作部530が接続される。ここで、マイク514、スピーカ516、IF部520は、マイク114、スピーカ116、IF部120と同様に構成される。モニタ518と操作部530は、例えば、タッチパネルディスプレイとして一体的に構成されてもよい。
【0039】
制御部550は、記憶部560に記憶された第1アプリケーション(機器制御用アプリケーション)または第2アプリケーション(来客応答用アプリケーション)を実行可能である。前述のごとく、第1アプリケーションは常時駆動であり、第2アプリケーションは非常時駆動である。また、システムのセキュリティを向上するために、第1アプリケーションと第2アプリケーションのそれぞれには利用期限が設定されており、継続して使用するためには利用期限の更新が必要とされる。
【0040】
制御部550は、第1アプリケーションを常時駆動している状況下において、通信装置300を探索するための探索信号を生成する。探索信号は、例えば、UPnP(Universal Plug and Play)の機器発見コマンド(M-Search Request)である。M-Search Requestのヘッダには、探索対象となる装置を指定するためのSTが含まれており、制御部550は、STに通信装置300の識別情報、例えば通信装置300のUUID(Universally Unique IDentifier)を設定する。第2通信方式通信部542は、第2通信方式により探索信号を定期的にマルチキャスト送信する。探索信号は、サブネット内のみに伝送されるので、図1(a)の経路P1に沿って、アクセスポイント410、ルータ400を介して通信装置300に送られる。
【0041】
通信装置300の第1通信部340は、居室親機200の通信部240と通信可能である。第1通信部340は制御部350に接続されており、制御部350には第2通信部342も接続される。第2通信部342は図1(a)のルータ400と通信可能であるとともに、ルータ400を介して、アクセスポイント410、ネットワーク420とも通信可能である。第2通信部342は探索信号を受信する。第2通信部342は探索信号を制御部350に出力する。制御部350は、通信装置300の動作を制御するとともに、第1通信部340と第2通信部342との間において信号のフォーマットを変換する。制御部350は、探索信号に含まれたSTの内容を確認する。STが通信装置300のUUIDを示しているので、制御部350は探索信号に対する応答信号を生成する。探索信号がM-Search Requestである場合、応答信号はM-Search Responseである。応答信号の宛先は携帯情報端末500である。制御部350は応答信号を第2通信部342に出力する。第2通信部342は、応答信号をユニキャスト送信する。ここで、サブネット内に通信装置300とは別の装置が接続されている場合、当該装置も携帯情報端末500からの探索信号を受信するが、探索信号内のSTが自身のUUIDとは異なるので、当該装置は応答信号を携帯情報端末500に送信しない。
【0042】
応答信号は、図1(a)の経路P2に沿って、ルータ400、アクセスポイント410を介して携帯情報端末500に送られる。図3の携帯情報端末500の第2通信方式通信部542は、探索信号を受信した通信装置300からの応答信号を第2通信方式により受信する。第2通信方式通信部542は応答信号を制御部550に出力する。制御部550は、探索信号に対する応答信号を受信した場合、探索対象となる通信装置300が、第2通信方式通信部542が接続されるサブネット内に存在することを確認する。これは、通信装置300と携帯情報端末500とが同一のサブネットに接続されることに相当するが、サブネットは施設20内に設けられるので、携帯情報端末500が施設20内に存在することにも相当する。つまり、携帯情報端末500が施設20内に存在する場合、図1(a)のように、携帯情報端末500における探索信号の送信と応答信号の受信とが定期的になされる。
【0043】
一方、携帯情報端末500が施設20内に存在しない場合、携帯情報端末500からの探索信号は通信装置300に受信されず、通信装置300は応答信号を送信しないので、第2通信方式通信部542は応答信号を受信しない。つまり、携帯情報端末500が施設20内に存在しない場合、制御部550は、探索信号に対する応答信号を第2通信方式通信部542から受けつけない。これを利用して、制御部550は、通信装置300との通信、つまり探索信号の送信と応答信号の受信が所定の条件を満たした場合、携帯情報端末500のユーザの施設20からの退去を推定する。ここで、所定の条件の一例は、通信装置300との通信が所定期間にわたってなされていないことである。具体的には、通信装置300から応答信号を所定期間にわたって受信しない場合に、制御部550は退去を推定する。所定期間は、例えば、1ヶ月以上のように設定される。また、所定の条件の別の一例は、通信装置300との通信が所定回数失敗になることである。具体的には、探索信号に対する応答信号を通信装置300から所定回数受信しない場合に、制御部550は退去を推定する。所定回数は、例えば、1ヶ月以上の期間において探索信号を送信する回数をもとに設定される。
【0044】
また、探索信号の送信は、定期的に送信する形態以外の例として、携帯情報端末500が接続されている無線通信方式に変化があった場合に探索信号を送信しても良い。例えば接続されている無線通信方式がLTE等の携帯電話システムの通信から無線LAN通信に変化した場合に探索信号を送信する。通信装置300は施設20内のサブネット内に存在するため、携帯電話システムの通信で探索信号を送信しても発見はできない。よって、携帯情報端末500がLTE等の携帯電話システムに接続されている場合は探索信号を送信せず、無線LAN通信への変化を契機に探索信号を送信することで、不要な探索信号の送信を回避することができる。
【0045】
また、携帯情報端末500がインターホンシステム10に登録された際の無線LANアクセスポイント名を保存しておき、上記無線LANアクセスポイント名に再接続された場合に探索信号を送信しても良い。施設20内の無線LANアクセスポイント以外で探索信号を送信しても通信装置300は発見できないため、施設20以外での無線LANアクセスポイントでは探索信号を送信せず、施設20内の無線LANアクセスポイントでのみ探索信号を送信するとしても良い。
上記通信方式の変化を契機に探索信号を送信するという形態以外の例として、第1アプリケーション(機器制御用アプリケーション)の起動時に探索信号を送信するとしても良い。第1アプリケーション(機器制御用アプリケーション)は照明装置やエアーコンディショナなどの制御に利用するため、施設20の内外問わず日常的に利用するアプリケーションである。一方、第2アプリケーション(来客応答用アプリケーション)は、来客がなければ起動されないアプリケーションであり、日中は施設20の外にいることが多い生活スタイルの場合は、施設20内で第2アプリケーションが起動される頻度が低くなる。よって、施設20内外問わず日常的に利用される第1アプリケーション(機器制御用アプリケーション)の起動時に探索信号を送信することで、定期的な探索信号送信の代替としても良い。
【0046】
また、無線LANアクセスポイント名の保存と上記第1アプリケーション起動時の探索信号の送信を組み合わせても良い。第1アプリケーション起動時に携帯情報端末500がインターホンシステム10に登録された際の無線LANアクセスポイント名の無線LANに接続されている場合のみ探索信号を送信することで、不要な探索信号の送信を回避することができる。
【0047】
第2通信方式通信部542が応答信号を受信した場合、制御部550は、第1アプリケーションの利用期限の更新を要求するための信号(以下、「利用期限更新要求」という)を生成する。利用期限更新要求には、携帯情報端末500の識別情報、第1アプリケーションの識別情報が含まれる。利用期限更新要求に第2アプリケーションの識別情報が含まれてもよい。第1通信方式通信部540は、図1(a)の経路P3に沿って、基地局装置440、ネットワーク420を介して利用期限管理サーバ430に利用期限更新要求を送信する。
【0048】
図4は、利用期限管理サーバ430の構成を示す。利用期限管理サーバ430は、通信部432、制御部434、記憶部436を含み、制御部434は、管理部438を含む。通信部432は、ネットワーク420に接続され、ルータ400を介して通信装置300と通信可能であるとともに、基地局装置440を介して携帯情報端末500と通信可能である。
【0049】
通信部432は、利用期限更新要求を携帯情報端末500から受信する。管理部438は、第1アプリケーションの利用権限を管理しており、通信部432において受信した利用期限更新要求に含まれた携帯情報端末500の識別情報、第1アプリケーションの識別情報を取得する。記憶部436には、携帯情報端末500の識別情報、第1アプリケーションの識別情報の組合せに対応した利用期限が記憶される。管理部438は、携帯情報端末500の識別情報、第1アプリケーションの識別情報の組合せに対応した第1アプリケーションの利用期限を更新し、更新した利用期限を記憶部436に記憶する。
【0050】
制御部434は、管理部438が利用期限を更新した場合、第1アプリケーションの利用期限の更新が示された期限更新通知を生成する。期限更新通知には、携帯情報端末500の識別情報が含まれる。期限更新通知に第2アプリケーションの識別情報が含まれてもよい。通信部432は、図1(a)の経路P4に沿って、ネットワーク420、ルータ400を介して期限更新通知を通信装置300に送信する。
【0051】
通信装置300の第2通信部342は、利用期限管理サーバ430からの期限更新通知を受信する。第2通信部342は、期限更新通知を制御部350に出力し、制御部350は、期限更新通知を第1通信部340に出力する。第1通信部340は、期限更新通知を居室親機200に送信する。
【0052】
居室親機200の通信部240は、期限更新通知を通信装置300から受信する。管理部252は、通信部240において受信した期限更新通知に含まれた携帯情報端末500の識別情報を取得する。また、管理部252は、期限更新通知に含まれた第2アプリケーションの識別情報を取得してもよい。管理部252は、携帯情報端末500の識別情報、第2アプリケーションの識別情報の組合せに対応した利用期限を管理する。管理部252は、携帯情報端末500の識別情報、第2アプリケーションの識別情報の組合せに対応した第2アプリケーションの利用期限を更新し、更新した利用期限を管理する。
【0053】
(4)携帯情報端末500と機器制御装置800との通信動作
図1(a)-(b)の機器制御装置800は、機器810の動作の指示をユーザから受けつけ、受けつけた指示をもとに、機器810の動作を指示するための制御コマンドを生成する。ユーザからの指示は、例えばユーザインターフェース(図示せず)を介して受けられる。機器制御装置800は、機器810に対して制御コマンドを送信する。機器810は、機器制御装置800からの制御コマンドを受信すると、制御コマンドに応じた動作を実行する。例えば、制御コマンドに応じて機器810は電源オンされたり、電源オフされたりする。
【0054】
また、機器制御装置800は、スマートメータ(図示せず)に接続され、施設20において消費された電力を示す電力情報を受信してもよい。機器制御装置800は、受信した電力情報をもとに制御コマンドを生成する。例えば、電力がしきい値よりも大きくなった場合に、エアーコンディショナにおける冷房時の設定温度を高くするような制御コマンドが生成される。機器制御装置800は、機器810に対して制御コマンドを送信する。機器810は、機器制御装置800からの制御コマンドを受信すると、制御コマンドに応じた動作、例えば、冷房時の設定温度を高くする動作を実行する。
【0055】
携帯情報端末500の制御部550において実行される第1アプリケーション(機器制御用アプリケーション)は、機器810に対する操作を受けつけたり、機器810の状態を確認したりするための機能を有する。制御部550は、第1アプリケーションを実行することによって、機器810に対する操作を受けつける操作画面をモニタ518に表示する。操作部530は、モニタ518に表示した操作画面に対するユーザの指示を受けつける。操作部530は、受けつけた指示を制御部550に出力する。
【0056】
制御部550は、操作部530から受けつけた指示をもとに、機器810の動作を指示するための指示信号を生成する。制御部550は、指示信号を第1通信方式通信部540に出力する。第1通信方式通信部540は、図1(b)の経路P1に沿って、基地局装置440、ネットワーク420を介して利用期限管理サーバ430に指示信号を送信する。指示信号には、携帯情報端末500の識別情報、第1アプリケーションの識別情報が含まれる。利用期限管理サーバ430の通信部432は指示信号を受信すると、管理部438は、指示信号に含まれた携帯情報端末500の識別情報、第1アプリケーションの識別情報の組合せをもとに、記憶部436に記憶された利用期限を確認する。利用期限を経過していない場合、通信部432は、機器制御装置800に指示信号を送信する。指示信号は、図1(b)の経路P2に沿って、ネットワーク420を介してルータ400に受信され、ルータ400は指示信号を機器制御装置800に送信する。一方、利用期限を経過していない場合、通信部432は、機器制御装置800に指示信号を送信しない。
【0057】
機器制御装置800は、指示信号を受信する。機器制御装置800は、指示信号に含まれた指示をもとに、機器810の動作を指示するための制御コマンドを生成する。これに続く処理はこれまでと同様であり、携帯情報端末500からの制御によって機器810が動作する。
【0058】
(5)第2アプリケーションにおける利用期限確認と利用期限更新
前述のごとく、第2アプリケーション(来客応答用アプリケーション)は非常時駆動であるので、携帯情報端末500における第2アプリケーションの起動から利用期限確認等の処理が開始される。図5(a)-(b)は、通信システム1000の別の構成を示す。図5(a)において、携帯情報端末500の操作部530は、ユーザから第2アプリケーションの起動の指示を受けつける。制御部550は、第2アプリケーションの起動の指示を操作部530から受けつけると、記憶部560に記憶された第2アプリケーションを起動するとともに、接続要求を生成する。接続要求には、携帯情報端末500の識別情報、第2アプリケーションの識別情報が含まれ、接続要求の最終的な宛先は通信装置300とされる。第1通信方式通信部540は、図5(a)の経路P1に沿って、基地局装置440、ネットワーク420を介してP2Pサーバ450に接続要求を送信する。P2Pサーバ450は、接続要求を受信すると、図5(a)の経路P2を介して、ネットワーク420、ルータ400を介して通信装置300に接続要求を送信する。
【0059】
通信装置300の第2通信部342は、接続要求を受信する。制御部350は、第2通信部342において受信した接続要求を第1通信部340に出力する。第1通信部340は接続要求を居室親機200に送信する。居室親機200の通信部240は、通信装置300からの接続要求を受信する。管理部252は、通信部240において受信した接続要求から携帯情報端末500の識別情報と第2アプリケーションの識別情報を取得する。また、管理部252は、前述のごとく、携帯情報端末500の識別情報、第2アプリケーションの識別情報の組合せに対応した利用期限を管理しており、取得した携帯情報端末500の識別情報、第2アプリケーションの識別情報の組合せに対応した利用期限を確認する。
【0060】
管理部252は、第2アプリケーションの利用期限を確認した結果、第2アプリケーションの利用期限が経過していない場合、第2アプリケーションの利用期限が経過していないことをモニタ218に表示させる。また、第2アプリケーションの利用期限が経過していないことを示した情報がP2Pサーバ450、アクセスポイント410経由で携帯情報端末500に送信されてもよい。
【0061】
管理部252は、第2アプリケーションの利用期限を確認した結果、第2アプリケーションの利用期限が経過していた場合、第1アプリケーションの利用期限を更新するための登録情報の提供を要求するための登録情報要求を生成する。管理部252は、第2アプリケーションの利用期限を確認した結果、第2アプリケーションの利用期限の一定期間前、例えば14日前である場合にも登録情報要求を生成してもよい。登録情報要求には、携帯情報端末500の識別情報が含まれる。通信部240は、図5(a)の経路P3に沿って、通信装置300、ルータ400、ネットワーク420経由で登録情報要求を利用期限管理サーバ430に送信する。
【0062】
利用期限管理サーバ430の通信部432が登録情報要求を受信すると、管理部438は、登録情報を生成する。通信部432は、図5(a)の経路P4に沿って、ネットワーク420、ルータ400、通信装置300を介して居室親機200に登録情報を送信する。居室親機200の第1通信部340が登録情報を受信すると、管理部252は登録情報を取得し、制御部250は登録情報をモニタ218に表示(報知)する。図6は、モニタ218に表示される画面を示す。登録情報はQRコード(登録商標)として表示される。図5(a)に戻る。
【0063】
ユーザは、図5(a)の経路P5に沿って、携帯情報端末500の撮像部512により、モニタ218に表示された登録情報を撮像することによって、制御部550は登録情報を取得する。第1通信方式通信部540は、図5(a)の経路P6に沿って、アクセスポイント410、ネットワーク420を介して利用期限管理サーバ430に登録情報を送信する。登録情報には、携帯情報端末500の識別情報、第1アプリケーションの識別情報が含まれる。
【0064】
利用期限管理サーバ430の通信部432は、登録情報を携帯情報端末500から受信する。管理部438は、通信部432において受信した登録情報と、生成した登録情報とが一致する場合に、携帯情報端末500の識別情報、第1アプリケーションの識別情報の組合せに対応した第1アプリケーションの利用期限を更新し、更新した利用期限を記憶部436に記憶する。
【0065】
制御部434は、管理部438が利用期限を更新した場合、第1アプリケーションの利用期限の更新が示された期限更新通知を生成する。通信部432は、図5(a)の経路P7に沿って、ネットワーク420、ルータ400、通信装置300を介して期限更新通知を居室親機200に送信する。
【0066】
居室親機200の通信部240は、期限更新通知を利用期限管理サーバ430から受信する。管理部252は、通信部240において受信した期限更新通知に含まれた携帯情報端末500の識別情報を取得する。また、管理部252は、期限更新通知に含まれた第2アプリケーションの識別情報を取得してもよい。管理部252は、携帯情報端末500の識別情報、第2アプリケーションの識別情報の組合せに対応した第2アプリケーションの利用期限を更新し、更新した利用期限を管理する。
【0067】
(6)玄関子機100と施設20外の携帯情報端末500との通信動作
第2アプリケーション(来客応答用アプリケーション)を使用することによって、ユーザは携帯情報端末500を操作して、玄関子機100からの呼出に応答することが可能である。居室親機200の通信部240は、玄関子機100からの呼出要求、映像信号、音声信号を受信する。管理部252は、通信部240が呼出要求を受信すると、第2アプリケーションの有効期限を確認する。第2アプリケーションの有効期限が経過していない場合、制御部250は、通信部240を介して通信装置300に呼出要求を送信させる。
【0068】
通信装置300の第1通信部340は、呼出要求を通信部240から受信する。これは、玄関子機100からの呼出要求を受信することに相当する。制御部350は、第1通信部340から呼出要求を受けつけると、携帯情報端末500において実行される第2アプリケーションの起動を要求するための信号(以下、「起動要求」という)を生成する。起動要求には、通信装置300の識別情報が含まれるとともに、第2アプリケーションの識別情報が含まれる。また、起動要求の宛先は、P2Pサーバ450に設定される。ここで、識別情報、宛先とされるP2Pサーバ450の情報は、記憶部360に記憶される。制御部350は、起動要求を第2通信部342に出力し、第2通信部342は、制御部350から受けつけた起動要求を送信する。
【0069】
起動要求は、図5(b)の経路P1に沿って、ルータ400、ネットワーク420を経由してP2Pサーバ450に送られる。P2Pサーバ450は、通信装置300からの起動要求を受信する。P2Pサーバ450は、PUSHサーバの機能(以下、「第1機能」という)を有するとともに、APNSあるいはFCMの機能(以下、「第2機能」という)を有する。P2Pサーバ450は、機能毎に別のサーバであってもよいし、1つのサーバであってもよい。
【0070】
P2Pサーバ450は、第1機能として、通信装置300の識別情報と携帯情報端末500の識別情報との対応関係が示されたテーブルを有する。これは、施設20に設置された通信装置300と、呼出の転送対象となる携帯情報端末500との対応関係が示されたテーブルといえる。テーブルでは、1つの通信装置300の識別情報に対して、複数の携帯情報端末500の識別情報が対応づけられてもよい。P2Pサーバ450は、起動要求から、通信装置300の識別情報を抽出し、テーブルを参照することによって、通信装置300の識別情報に対応づけられた携帯情報端末500の識別情報を取得する。
【0071】
P2Pサーバ450は、第2機能として、起動要求から、アプリケーションの識別情報を抽出する。P2Pサーバ450は、第1機能において取得した識別情報の携帯情報端末500における第2アプリケーションを起動させるための信号(以下、これもまた「起動要求」という)を送信する。起動要求は、インターホンシステム10における呼出に応じて第2アプリケーションを起動させるための信号であり、起動要求には、第2アプリケーションの識別情報が含まれる。起動要求は、図5(b)の経路P2に沿って、ネットワーク420、基地局装置440を介して携帯情報端末500に送られる。
【0072】
携帯情報端末500の第1通信方式通信部540は、第1通信方式によりP2Pサーバ450からの起動要求を受信する。制御部550は、第1通信方式通信部540から起動要求を受けつけると、起動要求に含まれた第2アプリケーションの識別情報を抽出する。制御部550は、第2アプリケーションの識別情報をもとに、記憶部560に記憶された第2アプリケーションを起動させる。制御部550において実行される第2アプリケーションは、携帯情報端末500をP2Pサーバ450に登録させるための信号(以下、「SIP登録信号」という)を第1通信方式通信部540から送信させる。SIP登録信号には、携帯情報端末500の識別情報と、携帯情報端末500のアドレスとが含まれる。アドレスの一例はIP(Internet Protocol)アドレスである。SIP登録信号は、図5(b)の経路P3に沿って、基地局装置440、ネットワーク420を介してP2Pサーバ450に送られる。
【0073】
P2Pサーバ450は、携帯情報端末500からのSIP登録信号を受信する。P2Pサーバ450は、SIP登録信号をもとに、P2Pサーバ450により第2アプリケーションが起動された携帯情報端末500を登録する。その際、P2Pサーバ450は、例えば、SIP登録信号に含まれた携帯情報端末500の識別情報と携帯情報端末500のアドレスとの組合せを記憶する。
【0074】
通信装置300の制御部350は、携帯情報端末500を呼び出すための信号(以下、「呼出信号」という)を生成する。呼出信号には、携帯情報端末500の識別情報が含まれる。また、呼出信号の宛先は、P2Pサーバ450に設定される。制御部350は、呼出信号を第2通信部342に出力し、第2通信部342は、制御部350から受けつけた呼出信号を送信する。呼出信号は、図5(b)の経路P4に沿って、ルータ400、ネットワーク420を介してP2Pサーバ450に送られる。
【0075】
図5(b)のP2Pサーバ450は、通信装置300からの呼出信号を受信する。P2Pサーバ450は、受信した呼出信号から携帯情報端末500の識別情報を抽出する。P2Pサーバ450は、記憶した組合せから、抽出した携帯情報端末500の識別情報に対応した携帯情報端末500のアドレスを取得する。P2Pサーバ450は、取得したアドレスを宛先として、呼出信号を携帯情報端末500に転送する。呼出信号には、通信装置300の識別情報、通信装置300のアドレスが含まれる。呼出信号は、図5(b)の経路P5に沿ってネットワーク420、基地局装置440を介して携帯情報端末500に送られる。
【0076】
携帯情報端末500の第1通信方式通信部540は、P2Pサーバ450からの呼出信号を受信する。制御部550は、第1通信方式通信部540から呼出信号を受けつけると、呼出信号に含まれた通信装置300の識別情報、通信装置300のアドレスを抽出する。制御部550において実行されるアプリケーションは、通信装置300からの呼出をユーザに知らせるための画面を生成し、画面をモニタ518に表示させる。
【0077】
図7は、モニタ518に表示される画面を示す。表示領域600には、例えば、「呼出がありました」のような呼出を知らせるためのメッセージが表示される。また、表示領域600の下方には、通話ボタン610と終了ボタン620が示される。通話ボタン610は、通話を開始する場合にユーザが選択すべきボタンであり、終了ボタン620は、通話を開始しない場合あるいは通話を終了する場合にユーザが選択すべきボタンである。ユーザが通話ボタン610あるいは終了ボタン620に触れることによって、操作部530は、ユーザからの指示を受けつける。具体的に説明すると、操作部530は、通話ボタン610が触れられた場合に呼出に対する応答の指示を受けつけ、終了ボタン620が触れられた場合に呼出に対する応答拒否の指示を受けつける。操作部530は、受けつけた指示を制御部550に出力する。
【0078】
制御部550は、応答の指示を受けつけた場合、応答信号を生成する。応答信号の宛先は、P2Pサーバ450に設定される。制御部550は応答信号を第1通信方式通信部540に出力し、第1通信方式通信部540は応答信号を送信する。応答信号は、図5(b)の経路P6に沿って基地局装置440、ネットワーク420を介してP2Pサーバ450に送られる。図5(b)のP2Pサーバ450は、携帯情報端末500からの応答信号を受信すると、応答信号を通信装置300に送信する。その際、応答信号には携帯情報端末500のアドレスが含まれる。応答信号は、図5(b)の経路P7に沿ってネットワーク420、ルータ400を介して通信装置300に送られる。
【0079】
通信装置300の第2通信部342は、P2Pサーバ450からの応答信号を受信する。第2通信部342は、応答信号を制御部350に出力する。制御部350は、第2通信部342から応答信号を受けつけると、応答信号から携帯情報端末500のアドレスを抽出する。その結果、通信装置300と携帯情報端末500は互いのアドレスを取得するので、制御部350は、携帯情報端末500との接続が完了したと判定する。制御部350は、携帯情報端末500との接続完了を知らせるための通知(以下、「完了通知」という)を第1通信部340から居室親機200に送信させる。
【0080】
居室親機200の通信部240は、通信装置300からの完了通知を受信する。通信部240は、完了通知を制御部250に出力する。制御部250は、通信部240からの完了通知を受けつけると、居室親機200と携帯情報端末500との接続完了を認識する。制御部250は、接続完了を認識した後、通信部240に対して、玄関子機100からの映像信号、音声信号を通信装置300へ送信させるとともに、通信装置300からの音声信号を玄関子機100へ送信させる。つまり、制御部250は、通信部240に対して、玄関子機100と通信装置300との間の中継処理を実行させる。
【0081】
これに続いて、通信装置300の制御部350は、第2通信部342と携帯情報端末500との間で、ルータ400、ネットワーク420、基地局装置440を経由する経路を設定する。つまり、制御部350は、玄関子機100と携帯情報端末500との通信に第1通信方式を使用させる。図5(b)のように、玄関子機100からの音声信号、映像信号は、経路P8に沿って、居室親機200、通信装置300、ルータ400、ネットワーク420、基地局装置440を介して携帯情報端末500に送られる。また、携帯情報端末500からの音声信号は、図5(b)の経路P8に沿って、基地局装置440、ネットワーク420、ルータ400、通信装置300、居室親機200を介して玄関子機100に送られる。その結果、玄関子機100を操作する来訪者と、携帯情報端末500を操作するユーザとの第1通信方式を使用した通信が可能になる。
【0082】
本開示における装置、システム、または方法の主体は、コンピュータを備えている。このコンピュータがプログラムを実行することによって、本開示における装置、システム、または方法の主体の機能が実現される。コンピュータは、プログラムにしたがって動作するプロセッサを主なハードウェア構成として備える。プロセッサは、プログラムを実行することによって機能を実現することができれば、その種類は問わない。プロセッサは、半導体集積回路(IC)、またはLSI(Large Scale Integration)を含む1つまたは複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集積されてもよいし、複数のチップに設けられてもよい。複数のチップは1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に備えられていてもよい。プログラムは、コンピュータが読み取り可能なROM、光ディスク、ハードディスクドライブなどの非一時的記録媒体に記録される。プログラムは、記録媒体に予め格納されていてもよいし、インターネット等を含む広域通信網を介して記録媒体に供給されてもよい。
【0083】
以上の構成による通信システム1000の動作を説明する。図8は、通信システム1000による利用期限更新手順を示すシーケンス図である。携帯情報端末500における第1アプリケーションは探索信号を定期的に送信する(S10、S12、S14)。居室親機200(通信装置300)は、受信した探索信号に対する応答信号を送信する(S16)。携帯情報端末500は、利用期限更新要求を送信する(S18)。利用期限管理サーバ430は、利用期限更新要求をもとに第1アプリケーションの利用期限を更新する(S20)。利用期限管理サーバ430は期限更新通知を送信する(S22)。居室親機200は、期限更新通知をもとに第2アプリケーションの利用期限を更新する(S24)。
【0084】
図9は、通信システム1000による利用期限確認手順を示すシーケンス図である。携帯情報端末500において第2アプリケーションが起動される(S50)と、携帯情報端末500は接続要求を送信する(S52)。P2Pサーバ450は、接続要求を受信すると、接続要求を送信する(S54)。居室親機200は、接続要求を受信すると、第2アプリケーションの利用期限を確認する(S56)。居室親機200は、利用期限が経過していない場合、その旨を表示する(S58)。
【0085】
図10は、通信システム1000による別の利用期限更新手順を示すシーケンス図である。携帯情報端末500において第2アプリケーションが起動される(S100)と、携帯情報端末500は接続要求を送信する(S102)。P2Pサーバ450は、接続要求を受信すると、接続要求を送信する(S104)。居室親機200は、接続要求を受信すると、第2アプリケーションの利用期限を確認する(S106)。居室親機200は、利用期限が経過している場合、登録情報要求を送信する(S108)。利用期限管理サーバ430は、登録情報要求に対して登録情報に送信する(S110)。居室親機200は登録情報を表示する(S112)。携帯情報端末500は、表示された登録情報を撮像により読み取る(S114)。携帯情報端末500は登録情報を送信する(S116)。利用期限管理サーバ430は、受信した登録情報をもとに第1アプリケーションの利用期限を更新する(S118)。利用期限管理サーバ430は期限更新通知を表示する(S120)。居室親機200は、期限更新通知をもとに第2アプリケーションの利用期限を更新する(S122)。
【0086】
本実施例によれば、第1アプリケーションの利用期限の更新が示されると、それをもとに第2アプリケーションの利用期限を更新するので、第1アプリケーションを常時駆動にして、第2アプリケーションを非常時駆動にできる。また、第1アプリケーションが常時駆動であり、第2アプリケーションが非常時駆動であるので、携帯情報端末500において駆動させるアプリケーションによる消費電力の増加を抑制できる。また、第1アプリケーションにより定期的に送信される探索信号を受信した場合、応答信号を送信するので、携帯情報端末500において退去を判定させることができる。また、携帯情報端末500は、応答信号を受信した場合に、第1アプリケーションの利用期限の更新を要求するので、退去していない場合に第1アプリケーションの利用期限を更新できる。
【0087】
また、第2アプリケーションが起動したときに送信された接続要求を受信した場合に、第2アプリケーションの利用期限を確認するので、第2アプリケーションを非常時駆動にできる。第2アプリケーションの利用期限が経過していた場合、または第2アプリケーションの利用期限の一定期間前である場合、居室親機200に表示された情報をもとに第2アプリケーションの利用期限が更新されるので、退去していない場合に第2アプリケーションの利用期限を更新できる。
【0088】
本開示の一態様の概要は、次の通りである。
(項目1)
常時駆動の第1アプリケーションと非常時駆動の第2アプリケーションとを有する携帯端末(500)がサーバ(430)と通信することによって前記サーバ(430)が前記第1アプリケーションの利用期限を更新した場合、前記第1アプリケーションの利用期限の更新が示された期限更新通知を前記サーバ(430)から受信する通信部(240、342)と、
前記通信部(240、342)が受信した前記期限更新通知をもとに、前記第2アプリケーションの利用期限を更新する管理部(252)と、
を備える情報端末(200、700)。
【0089】
(項目2)
前記通信部(240、342)は、前記携帯端末(500)の前記第1アプリケーションにより定期的に送信される探索信号を受信した場合、応答信号を送信し、
前記携帯端末(500)は、前記応答信号を受信した場合に、前記第1アプリケーションの利用期限の更新を前記サーバ(430)に要求する項目1に記載の情報端末(200、700)。
【0090】
(項目3)
前記通信部(240、342)は、前記携帯端末(500)の前記第2アプリケーションが起動したときに送信された接続要求を受信し、
前記管理部(252)は、前記通信部(240、342)が前記接続要求を受信した場合に、前記第2アプリケーションの利用期限を確認する項目1に記載の情報端末(200、700)。
【0091】
(項目4)
前記管理部(252)が前記第2アプリケーションの利用期限を確認した結果、前記第2アプリケーションの利用期限が経過していた場合、または前記第2アプリケーションの利用期限の一定期間前である場合、
前記通信部(240、342)は、前記第1アプリケーションの利用期限を更新するための登録情報の提供を前記サーバ(430)に要求してから、前記登録情報を前記サーバ(430)から受信し、
本情報端末(200、700)は、
前記通信部(240、342)が受信した前記登録情報を報知する報知部(218)をさらに備え、
前記通信部(240、342)は、前記携帯端末(500)が前記サーバ(430)に送信した前記登録情報をもとに前記サーバ(430)が前記第1アプリケーションの利用期限を更新した場合、前記期限更新通知を前記サーバ(430)から受信し、
前記管理部(252)は、前記通信部(240、342)が受信した前記期限更新通知をもとに、前記第2アプリケーションの利用期限を更新する項目3に記載の情報端末(200、700)。
【0092】
(項目5)
項目1から4のいずれか1項に記載の情報端末(200、700)と、
前記情報端末(200、700)と通信するインターホン装置(100)と、
を備えるインターホンシステム(10)。
【0093】
(項目6)
常時駆動の第1アプリケーションと非常時駆動の第2アプリケーションとを実行可能な制御部(550)と、
情報端末(200、700)とサーバ(430)と通信可能な通信部(540、542)とを備え、
前記通信部(540、542)は、前記制御部(550)において実行される前記第1アプリケーションにより探索信号を定期的に送信し、前記探索信号を受信した前記情報端末(200、700)から応答信号を受信し、
前記通信部(540、542)は、前記応答信号を受信した場合、前記第1アプリケーションの利用期限の更新を前記サーバ(430)に要求し、
前記サーバ(430)が前記第1アプリケーションの利用期限を更新した場合、前記第1アプリケーションの利用期限の更新が示された期限更新通知を前記サーバ(430)が前記情報端末(200、700)に送信し、
前記情報端末(200、700)は、受信した前記期限更新通知をもとに、前記第2アプリケーションの利用期限を更新する携帯端末(500)。
【0094】
(項目7)
常時駆動の第1アプリケーションと非常時駆動の第2アプリケーションとを有する携帯端末(500)と、情報端末(200、700)と通信可能な通信部(432)と、
前記第1アプリケーションの利用権限を管理する管理部(438)とを備え、
前記通信部(432)は、前記第1アプリケーションの利用期限の更新の要求信号を前記携帯端末(500)から受信し、
前記管理部(438)は、前記通信部(432)において受信された前記要求信号をもとに、前記第1アプリケーションの利用期限を更新し、
前記通信部(432)は、前記第1アプリケーションの利用期限の更新が示された期限更新通知を前記情報端末(200、700)に送信し、
前記情報端末(200、700)は、受信した前記期限更新通知をもとに、前記第2アプリケーションの利用期限を更新するサーバ(430)。
【0095】
(項目8)
情報端末(200、700)において実行される管理方法であって、
常時駆動の第1アプリケーションと非常時駆動の第2アプリケーションとを有する携帯端末(500)がサーバ(430)と通信することによって前記サーバ(430)が前記第1アプリケーションの利用期限を更新した場合、前記第1アプリケーションの利用期限の更新が示された期限更新通知を前記サーバ(430)から受信する受信するステップと、
受信した前記期限更新通知をもとに、前記第2アプリケーションの利用期限を更新するステップと、
を備える管理方法。
【0096】
(項目9)
常時駆動の第1アプリケーションと非常時駆動の第2アプリケーションとを実行可能であるとともに、情報端末(200、700)とサーバ(430)と通信可能である携帯端末(500)において実行される管理方法であって、
前記第1アプリケーションにより探索信号を定期的に送信するステップと、
前記探索信号を受信した前記情報端末(200、700)から応答信号を受信するステップと、
前記応答信号を受信した場合、前記第1アプリケーションの利用期限の更新を前記サーバ(430)に要求するステップとを備え、
前記サーバ(430)が前記第1アプリケーションの利用期限を更新した場合、前記第1アプリケーションの利用期限の更新が示された期限更新通知を前記サーバ(430)が前記情報端末(200、700)に送信し、
前記情報端末(200、700)は、受信した前記期限更新通知をもとに、前記第2アプリケーションの利用期限を更新する管理方法。
【0097】
(項目10)
常時駆動の第1アプリケーションと非常時駆動の第2アプリケーションとを有する携帯端末(500)と、情報端末(200、700)と通信可能であるとともに、前記第1アプリケーションの利用権限を管理するサーバ(430)において実行される管理方法であって、
前記第1アプリケーションの利用期限の更新の要求信号を前記携帯端末(500)から受信するステップと、
受信された前記要求信号をもとに、前記第1アプリケーションの利用期限を更新するステップと、
前記第1アプリケーションの利用期限の更新が示された期限更新通知を前記情報端末(200、700)に送信するステップとを備え、
前記情報端末(200、700)は、受信した前記期限更新通知をもとに、前記第2アプリケーションの利用期限を更新する管理方法。
【0098】
(項目11)
情報端末(200、700)において実行されるプログラムであって、
常時駆動の第1アプリケーションと非常時駆動の第2アプリケーションとを有する携帯端末(500)がサーバ(430)と通信することによって前記サーバ(430)が前記第1アプリケーションの利用期限を更新した場合、前記第1アプリケーションの利用期限の更新が示された期限更新通知を前記サーバ(430)から受信するステップと、
受信した前記期限更新通知をもとに、前記第2アプリケーションの利用期限を更新するステップとをコンピュータに実行させるプログラム。
【0099】
(項目12)
常時駆動の第1アプリケーションと非常時駆動の第2アプリケーションとを実行可能であるとともに、情報端末(200、700)とサーバ(430)と通信可能である携帯端末(500)において実行されるプログラムであって、
前記第1アプリケーションにより探索信号を定期的に送信するステップと、
前記探索信号を受信した前記情報端末(200、700)から応答信号を受信するステップと、
前記応答信号を受信した場合、前記第1アプリケーションの利用期限の更新を前記サーバ(430)に要求するステップとをコンピュータに実行させるプログラム。
【0100】
(項目13)
常時駆動の第1アプリケーションと非常時駆動の第2アプリケーションとを有する携帯端末(500)と、情報端末(200、700)と通信可能であるとともに、前記第1アプリケーションの利用権限を管理するサーバ(430)において実行されるプログラムであって、
前記第1アプリケーションの利用期限の更新の要求信号を前記携帯端末(500)から受信するステップと、
受信された前記要求信号をもとに、前記第1アプリケーションの利用期限を更新するステップと、
前記第1アプリケーションの利用期限の更新が示された期限更新通知を前記情報端末(200、700)に送信するステップとをコンピュータに実行させるプログラム。
【0101】
以上、本開示を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【符号の説明】
【0102】
10 インターホンシステム、 20 施設、 30 機器管理システム、 100 玄関子機、 110 処理部、 112 撮像部、 114 マイク、 116 スピーカ、 118 モニタ、 120 IF部、 130 操作部、 140 通信部、 200 居室親機、 210 処理部、 214 マイク、 216 スピーカ、 218 モニタ、 220 IF部、 230 操作部、 240 通信部、 250 制御部、 252 管理部、 300 通信装置、 340 第1通信部、 342 第2通信部、 350 制御部、 360 記憶部、 400 ルータ、 410 アクセスポイント、 420 ネットワーク、 430 利用期限管理サーバ、 432 通信部、 434 制御部、 436 記憶部、 438 管理部、 440 基地局装置、 450 P2Pサーバ、 500 携帯情報端末、 510 処理部、 512 撮像部、 514 マイク、 516 スピーカ、 518 モニタ、 520 IF部、 530 操作部、 540 第1通信方式通信部、 542 第2通信方式通信部、 550 制御部、 560 記憶部、 600 表示領域、 610 通話ボタン、 620 終了ボタン、 700 施設内システム、 800 機器制御装置、 810 機器、 1000 通信システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10