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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143705
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】遊戯機
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/02 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
G06F3/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023056499
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】599064214
【氏名又は名称】株式会社セガフェイブ
(74)【代理人】
【識別番号】100176072
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 功
(72)【発明者】
【氏名】冨澤 宏次
(72)【発明者】
【氏名】久保田 咲耶
【テーマコード(参考)】
5B020
【Fターム(参考)】
5B020DD27
(57)【要約】
【課題】キーキャップの上面に印刷された情報をユーザが視認しやすくすることで、キーボード操作の学習効率を高めることができる遊戯機を提供する。
【解決手段】キーの操作に応じて表示制御を行う遊戯機1であって、発光キー11は、外側に向けて光を出射する発光素子25と、発光素子25の外側に設けられ、上面に印字されたキーキャップであり、透明樹脂及び顔料を材料として含み、当該材料全体に対する当該顔料の比率が0.32重量%以上である半透明キーキャップ22と、を有するものとする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キーの操作に応じて表示制御を行う遊戯機であって、
前記キーは、
外側に向けて光を出射する発光素子と、
前記発光素子の外側に設けられ、上面に印字されたキーキャップであり、透明樹脂及び顔料を材料として含み、当該材料全体に対する当該顔料の比率が0.32重量%以上であるキーキャップと、を有する、
遊戯機。
【請求項2】
前記キーキャップにおける前記比率が0.40重量%以上である、
請求項1に記載の遊戯機。
【請求項3】
前記キーキャップにおける前記比率が0.56重量%以下である、
請求項1又は2に記載の遊戯機。
【請求項4】
前記キーキャップにおける前記比率が0.48重量%以下である、
請求項3に記載の遊戯機。
【請求項5】
前記キーは、文字入力に対応するキーであり、
前記キーが複数配列されるとともに、当該キーとは異なるキーであり不透明なキーキャップを有する他のキーが配置される入力部を備える、
請求項1に記載の遊戯機。
【請求項6】
前記入力部は、前記他のキーが複数配列されており、
複数の前記他のキーは、前記キーキャップの色が、機能に応じて色分けされている、
請求項5に記載の遊戯機。
【請求項7】
文字入力に対応する複数の前記キーのうち、次に操作すべき当該キーの前記発光素子をオンとし、それ以外の当該キーの当該発光素子をオフとする遊戯機制御装置を更に備える、
請求項5又は6に記載の遊戯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊戯機に関する。
【背景技術】
【0002】
未就学児などのキーボード操作の初学者(以下、「ユーザ」と呼称する。)に対して、キーボード操作を学習させる遊戯機がある。このような遊戯機は一般的なPCを模した形状をしている。また、例えば下記特許文献1には、ユーザにキーボードのキーの位置を把握させるため、キーの上部を為すキーキャップ(キートップとも呼称される。)を内側から光らせる発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-162930号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
キーキャップを内側から外側に透過する光をユーザが視認しやすくするためには、キーキャップの透明度を上げる必要がある。しかしながら、この透明度を上げることで、キーキャップの上面に印刷されたキーに関する情報(例えば「A」、「ち」など)をユーザが視認しにくくなるという問題があった。
【0005】
上記問題に鑑み、本発明は、キーキャップの上面に印刷された情報をユーザが視認しやすくすることで、キーボード操作の学習効率を高めることができる遊戯機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の第一態様に係る遊戯機は、キーの操作に応じて表示制御を行う遊戯機であって、前記キーは、外側に向けて光を出射する発光素子と、前記発光素子の外側に設けられ、上面に印字されたキーキャップであり、透明樹脂及び顔料を材料として含み、当該材料全体に対する当該顔料の比率が0.32重量%以上であるキーキャップと、を有する。
【0007】
また、本発明の第二態様では、前記キーキャップにおける前記比率が0.40重量%以上である。
【0008】
また、本発明の第三態様では、前記キーキャップにおける前記比率が0.56重量%以下である。
【0009】
また、本発明の第四態様では、前記キーキャップにおける前記比率が0.48重量%以下である。
【0010】
また、本発明の第五態様では、前記キーは、文字入力に対応するキーであり、前記キーが複数配列されるとともに、当該キーとは異なるキーであり不透明なキーキャップを有する他のキーが配置される入力部を備える。
【0011】
また、本発明の第六態様では、前記入力部は、前記他のキーが複数配列されており、複数の前記他のキーは、前記キーキャップの色が、機能に応じて色分けされている。
【0012】
また、本発明の第七態様では、文字入力に対応する複数の前記キーのうち、次に操作すべき当該キーの前記発光素子をオンとし、それ以外の当該キーの当該発光素子をオフとする遊戯機制御装置を更に備える。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る遊戯機によれば、キーキャップの上面に印刷された情報をユーザが視認しやすくすることで、キーボード操作の学習効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態に係る遊戯機を概略的に示す斜視図である。
図2図1に示す遊戯機が折り畳まれた状態を概略的に示す正面図である。
図3図1に示す入力部を概略的に示す上面図である。
図4図3に示す一つの発光キーの概略的構造を示す側面図である。
図5図3に示す一つの通常キー及び一つの専用キーの概略的構造を示す側面図である。
図6】顔料の配合量がそれぞれ異なる四つの試料について視認性に関する試験を行った結果を示す表である。
図7図1に示す遊戯機制御装置のハードウェア構成の一例を概略的に示すブロック図である。
図8図1に示す遊戯機制御装置の機能的構成の一例を、図1に示す他の一部の構成とともに概略的に示すブロック図である。
図9図1に示す遊戯機の動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。なお、説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては極力同一の符号を付して、重複する説明は適宜省略する。
【0016】
===実施形態===
≪構成≫
図1は、本発明の実施形態(以下「本実施形態」と呼称する。)に係る遊戯機1を概略的に表す斜視図である。
図1に示すように、遊戯機1は、キー入力(後述するキー11,12の操作)に応じて表示制御を行うものであり、第一筐体2と、第二筐体3と、マウス4と、把手部5と、を主要部として備えている。
【0017】
第一筐体2は、キー入力を行う入力部6と、各種入力操作を行うタッチパッド7と、遊戯機制御装置10と、を備えている。このうち遊戯機制御装置10については後述する。また、マウス4は、ケーブル8によって第一筐体2に接続しており、各種入力操作を行う。
【0018】
第二筐体3は、第一筐体2に対して回転可能に接続され、表示部9を備えている。表示部9は、入力部6によるキー入力、タッチパッド7による各種入力操作、及び、マウス4による各種入力操作に応じて、画面表示を行う。また、把手部5は、第二筐体3に取り付けられており、ユーザの手で握ることができる形状、例えばバッグの把手のような形状である。
【0019】
図2は、図1に示す遊戯機1が折り畳まれた状態を示す正面図である。
第二筐体3を第一筐体2に対して回転させて閉じることで、図2に示すように、遊戯機1を折り畳むことができる。この状態において、マウス4は、第二筐体3の外面に固定することができる。なお、これは、マウス4側と第二筐体3外面側に、それぞれ磁石や磁性体(共に図示略)を設ける、あるいは係止部(図示略)を設けることで実現される。そして、遊戯機1を持ち運ぶ際には、遊戯機1を図2に示す状態として、ユーザが把手部5を握ることで持ち運びやすくなる。
【0020】
図3は、図1に示す入力部6を概略的に示す上面図である。
図3に示すように、入力部6は、PC用のキーボードに対応した形状である。また入力部6には、複数の発光キー11と、複数の通常キー12Aと、複数の専用キー12Bと、電源ボタン13とが、配列されている。
【0021】
複数の発光キー11は、文字入力に対応するキーである。複数の発光キー11の配列は、PC用のキーボードと同じである。また各発光キー11は、上面に印字された半透明キーキャップ22を有している。なお、この半透明キーキャップ22については後述する。
【0022】
複数の通常キー12Aは、PC用のキーボードに設けられた(文字入力以外の)キーと同様の機能を有するキーである。複数の通常キー12Aは、具体的には、スペースキー、シフトキー、エンターキー、かなキー等を含む。また各通常キー12Aは、上面に印字された不透明キーキャップ26を有する。なお、この不透明キーキャップ26については後述する。
【0023】
複数の専用キー12Bは、PC用のキーボードに設けられたキーにはないオリジナルの機能を有するキーである。複数の専用キー12Bは、例えば、タイピング、国語、算数など、遊戯機1のモードを変更する機能を有している。また各専用キー12Bも、上面に印字された不透明キーキャップ26を有する。なお、図3では、複数の専用キー12Bが、PC用のキーボードにおける各ファンクションキーに相当する位置にそれぞれ設けられている。
【0024】
電源ボタン13は、遊戯機1の電源のオン、オフを切り替えるボタンである。
【0025】
図4は、図3に示す一つの発光キー11の概略的構造を示す側面図である。
図4に示すように、発光キー11は、メンブレンスイッチ21と、半透明キーキャップ22と、ラバードーム23と、パンタグラフ24と、発光素子25と、を備えている。
【0026】
メンブレンスイッチ21は、シート状の回路であるメンブレン回路20に内蔵されている。また、メンブレンスイッチ21は、上下一対のスイッチ片21Aとスイッチ片21Bとが所定の間隔を有して対向するように配置されており、スイッチ片21Aとスイッチ片21Bとが接触することでキー入力が行われる。
【0027】
半透明キーキャップ22は、発光キー11の上部を為すようにして配され、ユーザの手指によって押下可能となっているキーキャップであり、半透明のものである。なお、半透明キーキャップ22は、発光素子25の外側に設けられている。
【0028】
また、半透明キーキャップ22の上面には印字がされている。すなわち、半透明キーキャップ22の上面には情報22A,22Bが印刷されている。情報22A,22Bは、発光キー11に関する情報である(例えば、情報22Aが「A」、情報22Bが「ち」など)。
【0029】
ラバードーム23は、メンブレン回路20と半透明キーキャップ22との間に設けられた略半球状のものである。ラバードーム23は、半透明キーキャップ22が押下されることで、上下方向に縮み、メンブレンスイッチ21を上方から押すことができる。これによりスイッチ片21Aとスイッチ片21Bとが接触する。
【0030】
パンタグラフ24は、メンブレン回路20の上面に配置され、半透明キーキャップ22を支持するものである。パンタグラフ24は、半透明キーキャップ22が押下されることで、上下方向に縮む。パンタグラフ24が半透明キーキャップ22を支持することによって、半透明キーキャップ22が上下方向に移動する際の位置及び角度が安定する。
【0031】
発光素子25は、メンブレン回路20の上面に配置され、半透明キーキャップ22の内側から外側に向けて、つまり半透明キーキャップ22の下方側から上方側に向けて、光を出射する素子である。半透明キーキャップ22が半透明であるため、発光素子25から出射された光は半透明キーキャップ22を透過し、ユーザはこの光を視認することができる。
【0032】
図5は、図3に示す一つの通常キー12Aの概略的構造を示す側面図である。
図5に示すように、通常キー12Aは、メンブレンスイッチ21と、不透明キーキャップ26と、ラバードーム23と、パンタグラフ24と、を備えている。また、通常キー12Aは、図4に示す発光素子25を備えていない。
なお、メンブレンスイッチ21、ラバードーム23、パンタグラフ24については、すでに説明した為、以下では説明を省略する。
【0033】
不透明キーキャップ26は、通常キー12Aの上部を為すようにして配され、ユーザの手指によって押下可能となっているキーキャップであり、不透明のものである。
【0034】
また、不透明キーキャップ26の上面には印字がされている。すなわち、不透明キーキャップ26の上面には情報26Aが印刷されている。情報26Aは、通常キー12Aに関する情報である(例えば、エンターキーであれば「Enter」など)。
【0035】
なお、専用キー12Bについても図5に示す通常キー12Aと同一構造である。ただし、専用キー12Bにおいては、情報26Aの内容が、(PC用のキーボードにはない)専用キー12Bに関する情報となる(例えば、国語モードに変更する専用キー12Bであれば「こくご」など)。なお、以下では、通常キー12A及び専用キー12Bを纏めて単に「キー12」と呼称する場合もある。
【0036】
また、図示していないが、通常キー12Aの不透明キーキャップ26と、専用キー12Bの不透明キーキャップ26とは、互いに異なる色とするのが好ましい。例えば、通常キー12Aが赤色、専用キー12Bが青色としてもよい。すなわち、複数のキー12は、不透明キーキャップ26の色が、機能に応じて(具体的には、PC用のキーボードに対応した機能か否かに応じて)色分けされているものとするのが好ましい。
【0037】
なお、図4には、二つの情報22A,22Bを示しているが、この情報は、二つに限らず、一つ、あるいは三つ以上の場合もある。同じように、図5には、一つの情報26Aを示しているが、この情報は、一つに限らず、二つ以上の場合もある。これらの点はPC用キーボードと同じである。
【0038】
また、キー11,12は、図4,5に示した構造に限らず、パンタグラフがない構造、共通するメンブレン回路を有さず個別に独立したキー構造であるメカニカル型、あるいは、静電容量を利用した静電容量無接点型などとしてもよい。ただし、いずれの構造においても、発光キー11は半透明キーキャップ22及び発光素子25を備えており、キー12は不透明キーキャップ26を備えているものとする。
【0039】
なお、図示していないが、電源ボタン13についても図5に示す通常キー12Aと同一構造としてもよい。あるいは、図4に示す発光キー11と同一構造であるものとしてもよい。いずれの場合においても、情報26A(22A,22B)の内容が、電源ボタンであることを示す情報となる。
【0040】
ここで、本実施形態においては、発光キー11の半透明キーキャップ22は、透明樹脂及び顔料を材料として含んでいる。この透明樹脂は透明ABSであるものとする。
【0041】
さらに、本発明者は、鋭意検討の結果、半透明キーキャップ22の上面に印字された情報22A,22Bの視認性(以下、「情報の視認性」と呼称する。)と、発光素子25から出射され半透明キーキャップ22を透過した透過光の視認性(以下、「透過光の視認性」と呼称する。)と、を向上させる配合を見出した。
【0042】
図6は、顔料の配合量がそれぞれ異なる試料A~Dについて、各視認性に関する試験を行った結果を示す表である。なお、図6中において、〇は良好、△は問題なしを示している。
【0043】
図6に示すとおり、上記材料全体に対する顔料の比率が0.56重量%の試料Aは、情報の視認性が良く、透過光の視認性にも問題はない。顔料の比率が0.48重量%の試料Bは、情報の視認性が良く、透過光の視認性にも問題はない。顔料の比率が0.40重量%の試料Cは、情報の視認性が良く、透過光の視認性も良い。顔料の比率が0.32重量%の試料Dは、情報の視認性には問題がなく、透過光の視認性は良い。
【0044】
なお、図6には記載していないが、顔料の比率が0.56重量%より多い試料については、情報22A,22Bの視認性は良いが、透過光の視認性が悪かった。また、顔料の比率が0.32重量%未満の試料については、透過光の視認性は良いが、情報の視認性が悪かった。
【0045】
以上の結果から、本実施形態においては、半透明キーキャップ22の上記材料全体に対する顔料の比率は0.32重量%以上とされている。また、半透明キーキャップ22の上記材料全体に対する顔料の比率は0.40重量%以上とされていることが好ましい。さらには、当該比率は0.56重量%以下とされていることが好ましい。さらには、当該比率は0.48重量%以下とされていることが好ましい。
【0046】
ところで、図7は、図1に示す遊戯機制御装置10のハードウェア構成の一例を概略的に示すブロック図である。
図7に示すように、遊戯機制御装置10は、記憶装置31と、制御装置32と、を主要部として備えている。
【0047】
記憶装置31は、遊戯機制御装置10の内部に配置されたハードディスク等によって構成される補助記憶装置である。この記憶装置31は、制御装置32における処理の実行に必要な各種プログラム、各種の情報、及び、処理結果の情報を記憶する。
【0048】
制御装置32は、CPU33(Central Processing Unit)、及び、メモリ34(主記憶装置)を主に備えて主要部が構成される。CPU33は、遊戯機制御装置10の各種構成を動作制御する。メモリ34は、例えば制御装置32における処理の実行に必要な各種プログラム等を記憶する。
【0049】
また、制御装置32は、CPU33が記憶装置31あるいはメモリ34等に格納された所定のプログラムを実行することにより、各種の機能構成として機能する。この機能構成の詳細については後述する。当該プログラムは、記憶装置31に記憶されてもよく、遊戯機制御装置10の外部の記憶装置等に記憶されてもよい。
【0050】
なお、図7は遊戯機制御装置10が有する主要なハードウェア構成の一部を示しているに過ぎず、遊戯機制御装置10は、コンピュータが一般的に備える他の構成を備えることができる。
【0051】
図8は、図1に示す遊戯機制御装置10の機能的構成の一例を、図1に示す他の一部の構成とともに概略的に示すブロック図である(図1のマウス4、把手部5、タッチパッド7については省略している)。なお、入力部6は、発光キー11、通常キー12A、専用キー12Bがそれぞれ複数ずつ配列されているが、図8ではそれぞれ一つずつのみを表している。
【0052】
図8に示すように、遊戯機制御装置10は、記憶部40と、受付部41と、制御部42と、送信部43と、を機能的構成の主要部として備えている。
【0053】
記憶部40は、複数種類の文字列データを記憶する。当該文字列は、ユーザにキー入力させる文字列である。
【0054】
受付部41は、ユーザが、入力部6の発光キー11、通常キー12A、及び、専用キー12Bを操作(キー入力)した情報を受け付ける。また受付部41は、電源ボタン13を操作した情報も受け付ける。
【0055】
制御部42は、表示部9に表示させる文字列を、記憶部40に記憶された文字列の中から決定する。また制御部42は、受付部41が受け付けた情報に基づいて、各発光素子25のオン、オフを決定する。さらに制御部42は、表示部9に表示された文字列を全てユーザがキー入力したか否かを判定する。
【0056】
送信部43は、制御部42が決定した文字列を表示する指示を表示部9に送信する。また送信部43は、制御部42が決定したオン、オフの動作指示を各発光素子25に送信する。
【0057】
表示部9は、送信部43から受信した表示指示に基づき文字列の表示を行う。
【0058】
発光素子25は、送信部43から受信した動作指示に基づきオン、オフが切り替えられる。
【0059】
遊戯機制御装置10による処理の一例として、まず、表示部9に、ユーザに入力させる文字列の表示指示を行う。そして遊戯機制御装置10は、表示部9に表示された文字列の先頭の文字の入力に対応する発光キー11の発光素子25にオンの動作指示を送信する。なお、それ以外の発光素子25は予めオフになっている。ユーザがオンの発光素子25の発光キー11を操作(押下)すると、その情報に基づき、次に操作すべき発光キー11の発光素子25にオンの動作指示を行う。
【0060】
すなわち、遊戯機制御装置10は、ユーザが次に操作すべき発光キー11の発光素子25をオンとし、それ以外の発光キー11の発光素子25をオフとする。
以上が、本実施形態に係る遊戯機1の構成についての説明である。
【0061】
≪動作≫
以下では、図9のフローチャートを用いて、キーボード操作をユーザが学習する際の遊戯機1の動作の一例について詳述する。また、下記ステップは一例であり、その順番及び内容は適宜変更することができる。
【0062】
(ステップSP1)
遊戯機1の停止状態においてユーザが電源ボタン13を押すことで、遊戯機1が起動する。その後、処理はステップSP2へ移行する。
【0063】
(ステップSP2)
制御部42が、記憶部40に記憶された複数の文字列の中から、ユーザに入力させる文字列を決定し、送信部43が、表示部9に対して当該文字列の表示指示を行う。その後、処理はステップSP3へ移行する。
【0064】
(ステップSP3)
表示部9が、送信部43から受信した表示指示に基づき、制御部42が決定した文字列を表示する。その後、処理はステップSP4へ移行する。
【0065】
(ステップSP4)
制御部42が、表示部9に表示された文字列の先頭の文字に対応する一つの発光キー11の発光素子25をオンにすると決定し、送信部43が、当該発光素子25にオンの動作指示を送信する。なお、当該発光キー11以外の発光キー11に備わる発光素子25はオフとする。
【0066】
(ステップSP5)
各発光素子25が、送信部43から受信した動作指示に基づき、オンオフの動作を行う。オンとなった発光素子25は、光を半透明キーキャップ22(図4)に向けて出射する。これにより当該発光素子25を備える発光キー11が発光する。その後、処理はステップSP6へ移行する。
【0067】
なお、ステップSP2の次にステップSP4を行い、ステップSP3とステップSP5とを同時に行うものとしてもよい。
【0068】
(ステップSP6)
ユーザが、オン状態の発光素子25を有する発光キー11、すなわち発光している発光キー11を操作する。その後、処理はステップSP7へ移行する。
【0069】
(ステップSP7)
受付部41が、ユーザによる発光キー11の操作、すなわちキー入力を受け付ける。そして、制御部42が、受付部41が受け付けた情報に基づき、表示部9に表示した文字列の全ての文字をキー入力したか否かを判定する。
【0070】
制御部42は、文字列の全ての文字をキー入力したと判定(肯定判定)した場合、処理はステップSP9へ移行する。全ての文字をキー入力していないと判定(否定判定)した場合、処理はステップSP8へ移行する。
【0071】
(ステップSP8)
制御部42が、受付部41が受け付けた情報に基づき、ユーザが前回操作した発光キー11の(オン状態の)発光素子25をオフにすると決定するとともに、ユーザが次に操作すべき一つの発光キー11の発光素子25をオンにすると決定する。送信部43は、当該決定に基づき、各発光素子25にオンオフの動作指示を行う。その後、処理はステップSP5へ移行する。
【0072】
なお、「ユーザが次に操作すべき一つの発光キー11」とは、表示部9に表示された文字列の文字を順に入力するにあたり、次に操作すべき発光キー11という意味である。
【0073】
(ステップSP9)
制御部42が、ユーザが前回操作した発光キー11の(オン状態の)発光素子25をオフにすると決定し、送信部43が、当該発光素子25にオフの動作指示を送信する。そして当該発光素子25がオフとなる。これにより全ての発光素子25が一旦オフとなる。その後処理はステップSP10へ移行する。
【0074】
(ステップSP10)
制御部42が、全ての文字列に対してキー入力が終了したか否かを判定する。全ての文字列に対してキー入力が終了したと判定(肯定判定)した場合、処理は終了する。全ての文字列に対してキー入力が終了していないと判定(否定判定)した場合、処理はステップSP11へ移行する。
【0075】
(ステップSP11)
制御部42は、記憶部40に記憶された複数の文字列の中から、前回と異なる文字列を決定し、送信部43が、表示部9に対して当該文字列の表示指示を行う。その後、処理はステップSP3へ移行する。
以上が本実施形態に係る遊戯機1の処理の説明である。
【0076】
≪作用効果≫
本実施形態に係る遊戯機1は、キー(発光キー11)の操作に応じて表示制御を行う遊戯機1であって、キー(発光キー11)は、外側に向けて光を出射する発光素子25と、発光素子25の外側に設けられ、上面に印字されたキーキャップであり、透明樹脂及び顔料を材料として含み、当該材料全体に対する当該顔料の比率が0.32重量%以上であるキーキャップ(半透明キーキャップ22)と、を有する。
このように、半透明キーキャップ22の顔料の比率を0.32重量%以上とすることで、半透明キーキャップ22の曇り度(Haze)が高くなるので、半透明キーキャップ22上面の印字、すなわち情報22A,22Bを、ユーザが視認しやすくなる。よって、キーボード操作の学習効率を高めることができる。
【0077】
また本実施形態では、キーキャップ(半透明キーキャップ22)における比率(顔料の比率)が0.40重量%以上である。
このように、半透明キーキャップ22の顔料の比率を0.40重量%以上とすることで、半透明キーキャップ22の曇り度(Haze)が更に高くなるので、半透明キーキャップ22上面の印字、すなわち情報22A,22Bを、ユーザが更に視認しやすくなる。よって、キーボード操作の学習効率を更に高めることができる。
【0078】
また本実施形態では、キーキャップ(半透明キーキャップ22)における比率(顔料の比率)が0.56重量%以下である。
このように、半透明キーキャップ22の顔料の比率を0.56重量%以下とすることで、半透明キーキャップ22の光の透過率(T)が高くなるので、発光素子25から出射され半透明キーキャップ22を透過した光を、ユーザが視認しやすい。よって、キーボード操作の学習効率を更に高めることができる。
【0079】
また本実施形態では、キーキャップ(半透明キーキャップ22)における比率(顔料の比率)が0.48重量%以下である。
このように、半透明キーキャップ22の顔料の比率を0.48重量%以下とすることで、半透明キーキャップ22の光の透過率(T)が更に高くなるので、発光素子25から出射され半透明キーキャップ22を透過した光を、ユーザが更に視認しやすくなる。よって、キーボード操作の学習効率を更に高めることができる。
【0080】
また本実施形態では、キー(発光キー11)は、文字入力に対応するキーであり、キー(発光キー11)が複数配列されるとともに、当該キー(発光キー11)とは異なるキーであり不透明なキーキャップ(不透明キーキャップ26)を有する他のキー12が配置される入力部6を備える。
このように、キーボード操作の初学者にとって重要な文字入力に対応するキーのみを光らせることで、キーボード操作の学習効率を高めつつ省コストで製造することができる。
【0081】
また本実施形態では、入力部6は、他のキー12が複数配列されており、複数の他のキー12は、キーキャップ(不透明キーキャップ26)の色が、機能に応じて色分けされている。
このように、不透明キーキャップ26がキー12の機能に応じて色分けされている、すなわち、通常キー12Aと専用キー12Bとで不透明キーキャップ26の色が異なるものとすることで、キーボード操作の学習効率が更に向上する。
【0082】
また本実施形態では、文字入力に対応する複数のキー(発光キー11)のうち、次に操作すべきキー(発光キー11)の発光素子25をオンとし、それ以外のキー(発光キー11)の発光素子25をオフとする遊戯機制御装置10を更に備える。
このように、複数の発光キー11のうちユーザに操作させるキーのみを光らせることで、ユーザが操作すべきキーを認識しやすくなり、キーボード操作の学習効率が更に向上する。
【0083】
===変形例===
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。すなわち、上述した具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。また、上記実施形態及び下記変形例が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【0084】
例えば、上記実施形態では、入力部6における複数のキーのうち、文字入力に対応する発光キー11が、図4に示すような半透明キーキャップ22及び発光素子25を備える構成とし、それ以外のキー12は図5に示す不透明キーキャップ26を備える構成とした。しかしながら、キー12についても、一部又は全部を、発光キー11と同様の構成、すなわち、半透明キーキャップ22及び発光素子25を備える構成としてもよい。
【符号の説明】
【0085】
1:遊戯機、6:入力部、9:表示部、10:遊戯機制御装置、22:半透明キーキャップ、22A,22B:情報、26:不透明キーキャップ、26A:情報
図1
図2
図3
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図9