(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143715
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】電装品モジュール及び室外機
(51)【国際特許分類】
F24F 1/22 20110101AFI20241003BHJP
H05K 1/14 20060101ALN20241003BHJP
【FI】
F24F1/22
H05K1/14 E
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023056517
(22)【出願日】2023-03-30
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-07-09
(71)【出願人】
【識別番号】000006611
【氏名又は名称】株式会社富士通ゼネラル
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】淺野 慎
【テーマコード(参考)】
5E344
【Fターム(参考)】
5E344BB02
(57)【要約】
【課題】電源回路が発生する電磁ノイズの影響を通信ケーブル及び電源ケーブルが受けることを抑制する。
【解決手段】電装品モジュールは、第1電源回路を有する第1基板と、第2電源回路を有する第2基板と、第1電源回路に電力を供給する第1電源ケーブルと、第2電源回路に電力を供給する第2電源ケーブルと、第2基板と接続される通信ケーブルと、第1基板が固定される固定部材と、第1基板と並んで固定部材に配置された導電性を有する仕切り部材であって、この仕切り部材と固定部材との間に位置する下段部と、この仕切り部材に対して下段部の反対側に位置する上段部との2段構造を形成するように空間を上段部と下段部とに仕切る仕切り部材と、を備える。第2基板は、上段部と下段部の一方の段部に配置され、第1電源ケーブルは、他方の段部を通って第1電源回路に接続され、第2電源ケーブルは、他方の段部を通って第2電源回路に接続されている。通信ケーブルは、他方の段部を通って第2基板と接続されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気調和機が備える室外機に設けられる電装品モジュールであって、
前記室外機を制御する制御回路と、前記制御回路に電力を供給する第1電源回路と、を有する第1基板と、
前記室外機の外部と通信する通信回路と、前記通信回路に電力を供給する第2電源回路と、を有する第2基板と、
外部電源から前記第1基板の前記第1電源回路に電力を供給する第1電源ケーブルと、
前記外部電源から前記第2基板の前記第2電源回路に電力を供給する第2電源ケーブルと、
前記第2基板の前記通信回路と接続される通信ケーブルと、
前記第1基板が固定される固定部材と、
前記第1基板と並んで前記固定部材に配置された導電性を有する仕切り部材であって、当該仕切り部材と前記固定部材との間に位置する下段部と、当該仕切り部材に対して前記下段部の反対側に位置する上段部との2段構造を形成するように空間を前記上段部と前記下段部とに仕切る仕切り部材と、を備え、
前記第2基板は、前記上段部及び前記下段部の一方の段部に配置され、
前記第1電源ケーブルは、前記上段部及び前記下段部の他方の段部を通って前記第1基板の前記第1電源回路に接続され、
前記第2電源ケーブルは、前記他方の段部を通って前記第2基板の前記第2電源回路に接続され、
前記通信ケーブルは、前記他方の段部を通って前記第2基板の前記通信回路と接続されている、電装品モジュール。
【請求項2】
前記一方の段部は、前記上段部であり、
前記他方の段部は、前記下段部である、
請求項1に記載の電装品モジュール。
【請求項3】
前記通信ケーブルを中継する端子を有する通信端子台と、
前記第1電源ケーブル及び前記第2電源ケーブルを中継する端子を有する電源端子台と、を更に備え、
前記第2基板の前記第2電源回路は、1次側回路と2次側回路を有し、当該1次側回路と当該2次側回路が、前記第2基板の実装面に沿う第1方向に対して分かれて配置され、
前記電源端子台と前記通信端子台は、前記固定部材に設けられ、前記第1方向と直交し、かつ前記第1基板の実装面に沿う第2方向において前記第1基板と並ぶと共に、前記下段部における前記第1方向に並んで配置され、
前記電源端子台と前記第2基板の前記1次側回路は、前記第1方向における同じ側に配置され、
前記通信端子台と前記第2基板の前記2次側回路は、前記第1方向における同じ側に配置されている、
請求項2に記載の電装品モジュール。
【請求項4】
前記第1基板と前記第2基板は、前記第2方向に並んで配置され、
前記第1基板の前記第1電源回路は、1次側回路と2次側回路を有し、当該1次側回路と当該2次側回路が、前記第1基板の実装面に沿う前記第1方向に対して分かれて配置され、
前記第1基板の前記2次側回路と前記第2基板の前記2次側回路とが前記通信ケーブルによって接続され、
前記電源端子台と前記第1基板の前記1次側回路は、前記第1方向における同じ側に配置され、
前記通信端子台と前記第1基板の前記2次側回路は、前記第1方向における同じ側に配置されている、
請求項3に記載の電装品モジュール。
【請求項5】
前記仕切り部材は、前記第2基板を支持する支持面における前記第1基板側が、前記下段部を小さくする向きに傾斜して形成され、
前記第2基板は、前記支持面における前記第1基板側へ片寄って配置されている、
請求項2に記載の電装品モジュール。
【請求項6】
前記第2基板の、前記支持面とは反対側の実装面において、前記第1基板側の一端部に配置される電子部品群の実装面からの最大突出量は、前記第1基板側とは反対側の他端部に配置される電子部品群の実装面からの最大突出量よりも大きい、
請求項5に記載の電装品モジュール。
【請求項7】
前記通信ケーブルを中継する端子を有する通信端子台と、
前記第1電源ケーブル及び前記第2電源ケーブルを中継する端子を有する電源端子台と、を更に備え、
前記固定部材は、前記電源端子台及び前記通信端子台が配置される端子台支持面を有し、
前記端子台支持面は、前記端子台支持面の前記第1基板側が、前記仕切り部材の前記支持面から離れるように傾斜して形成されている、
請求項5または6に記載の電装品モジュール。
【請求項8】
前記電源端子台から延びて前記第2基板に接続される前記第2電源ケーブルを中継する中継端子台を更に備え、
前記中継端子台は、前記下段部の前記第1方向において、前記電源端子台と並んで配置され、
前記第2電源ケーブルは、前記中継端子台から前記電源端子台側へ向かって延ばされて、前記第2基板の実装面から見たときに前記第1方向に対する前記電源端子台の位置と同じ位置で前記第2基板の実装面に接続されている、
請求項3に記載の電装品モジュール。
【請求項9】
前記仕切り部材は、前記第2基板を支持する支持面における前記第1基板側の端部が、前記下段部側へ向かって延びている、
請求項2に記載の電装品モジュール。
【請求項10】
請求項4に記載の電装品モジュールと、
前記第1方向における内部の一端部に、前記電装品モジュールが前記第2方向に沿って配置された筐体と、
冷媒が流れる配管に設けられ、前記冷媒の温度を検出する温度センサと、
前記第1基板の前記2次側回路に接続され、前記温度センサまで延ばされたセンサケーブルと、を備え、
前記第1基板の前記1次側回路と前記第2基板の前記1次側回路は、前記第1方向における前記筐体の前記一端部側に配置され、
前記センサケーブルは、前記筐体の内部の前記第1方向において前記第1基板の前記2次側回路側から前記第2基板の前記2次側回路側を通り、前記温度センサまで延ばされている、室外機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電装品モジュール及び室外機に関する。
【背景技術】
【0002】
空気調和機における消費電力を制御するために、例えば、電力デマンド監視のためのデマンド信号、ホームエネルギーマネージメントシステム(HEMS)の制御信号等の信号を、室外機と室外機の外部との間で送受信する技術が知られている。この種の信号を送受信する機能は、室外機に拡張機能として付加される場合がある。この場合、室外機が備える電装品モジュールに、信号を送受信する通信回路を有する拡張基板が設けられる。この拡張基板は、室外機を制御する制御回路を有するメイン基板とは別に、独立した基板として設けられる。これにより、室外機に拡張機能が付加されるか否かによらず、室外機の各電装品モジュールにおいてメイン基板の共通化が図れる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した拡張基板は、通信回路に電力を供給する電源が、メイン基板における電源回路の1次側回路と絶縁され、かつ、メイン基板が有する他の回路とは独立した系統として設けられることが望ましい。すなわち、拡張基板の電源がメイン基板の電源回路と絶縁されることにより、拡張基板に接続されて室外機の外部と通信するための通信ケーブル等にユーザが触れた場合の安全性を確保できる。また、拡張基板の通信回路がメイン基板の制御回路とは独立した系統であることで、メイン基板で絶縁不良が生じた場合にその影響で拡張基板が絶縁不良となることを防ぎ、ユーザの安全性を確保できる。
【0005】
このため、メイン基板の電源回路とは別に、拡張基板にも電源回路を設けることが考えられる。しかし、例えば、スイッチング電源等の電源回路の1次側回路で発生する電磁ノイズがノイズ源となるため、メイン基板の電源回路と拡張基板の電源回路との双方のノイズ源によって、外部電源からメイン基板及び拡張基板の各々に電力を供給する電源ケーブルとしてのAC(Alternating Current)ケーブルや、拡張基板に接続された通信ケーブルに重畳する電磁ノイズが大きくなりやすいという問題がある。
【0006】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、電源回路が発生する電磁ノイズの影響を通信ケーブル及び電源ケーブルが受けることを抑制できる電装品モジュール及び室外機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の開示する電装品モジュールの一態様は、空気調和機が備える室外機に設けられる電装品モジュールであって、室外機を制御する制御回路と、制御回路に電力を供給する第1電源回路と、を有する第1基板と、室外機の外部と通信する通信回路と、通信回路に電力を供給する第2電源回路と、を有する第2基板と、外部電源から第1基板の第1電源回路に電力を供給する第1電源ケーブルと、外部電源から第2基板の第2電源回路に電力を供給する第2電源ケーブルと、第2基板の通信回路と接続される通信ケーブルと、第1基板が固定される固定部材と、第1基板と並んで固定部材に配置された導電性を有する仕切り部材であって、この仕切り部材と固定部材との間に位置する下段部と、この仕切り部材に対して下段部の反対側に位置する上段部との2段構造を形成するように空間を上段部と下段部とに仕切る仕切り部材と、を備える。第2基板は、上段部と下段部の一方の段部に配置され、第1電源ケーブルは、上段部と下段部の他方の段部を通って第1基板の第1電源回路に接続され、第2電源ケーブルは、他方の段部を通って第2基板の第2電源回路に接続されている。通信ケーブルは、他方の段部を通って第2基板の通信回路と接続されている。
【発明の効果】
【0008】
本願の開示する電装品モジュールの一態様によれば、電源回路が発生する電磁ノイズの影響を通信ケーブル及び電源ケーブルが受けることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施例の電装品モジュールを備える室外機を示す模式図である。
【
図2】
図2は、実施例の電装品モジュールを示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施例の電装品モジュールを示す正面図である。
【
図4】
図4は、実施例の電装品モジュールにおける固定板の一部及び仕切り板を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、実施例の電装品モジュールにおける固定板の一部及び仕切り板を示す模式的な側面図である。
【
図6】
図6は、実施例の電装品モジュールにおける固定板の要部を示す斜視図である。
【
図7】
図7は、実施例の電装品モジュールの各ケーブルの配置を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願の開示する電装品モジュール及び室外機の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施例によって、本願の開示する電装品モジュール及び室外機が限定されるものではない。
【実施例0011】
(室外機)
図1は、実施例の電装品モジュールを備える室外機を示す模式図である。
図1において、室外機1の左右方向をX軸方向とし、室外機1の上下方向をY軸方向とし、室外機1の奥行方向をZ軸方向として示す。
図1以降の各図においても、
図1と同様にX軸、Y軸、Z軸を示す。
【0012】
実施例の室外機1は、空気調和機が備えるものであり、
図1に示すように、冷媒を圧縮する圧縮機(図示せず)と、圧縮機の駆動により流入した冷媒と外気との間で熱交換させる熱交換器(図示せず)と、熱交換器へ外気を送風するためのプロペラファン5と、プロペラファン5を回転させるファンモータ(図示せず)と、圧縮機及びファンモータ等を制御する電装品モジュール6と、これらの圧縮機、熱交換器、プロペラファン5、ファンモータ、電装品モジュール6が内部に収容される筐体7と、を備える。電装品モジュール6は、筐体7の内部の一端部に配置されている。筐体7の内部における電装品モジュール6の配置の詳細については後述する。
【0013】
(電装品モジュール)
図2は、実施例の電装品モジュール6を示すブロック図である。
図3は、実施例の電装品モジュール6を示す正面図であり、電装品モジュール6が筐体7の内部に配置された状態を示す。
図2及び
図3に示すように、電装品モジュール6は、第1基板としての制御基板11と、第2基板としての通信基板12と、を備える。
【0014】
制御基板11は、室外機1を制御する制御回路13と、制御回路13に電力を供給する第1電源回路14と、を有しており、室外機1の圧縮機及びファンモータ等を制御する、いわゆるメイン基板である。
【0015】
通信基板12は、室外機1の外部と通信する通信回路16と、通信回路16に電力を供給する第2電源回路17と、を有する。通信基板12は、例えば、空気調和機における電力デマンド監視のためのデマンド信号等の信号を、室外機1と室外機1の外部ネットワーク18との間で送受信するための基板であり、室外機1の制御基板11の機能を拡張するための拡張基板である。
【0016】
図3に示すように、制御基板11の第1電源回路14は、1次側回路14Aと2次側回路14Bを有しており、1次側回路14Aと2次側回路14Bが、制御基板11の実装面11aに沿う第1方向としてのX軸方向(以下、第1方向Xとも称する。)に対して、実装面11a上の境界線B1を挟んで分かれて配置されている。言い換えると、制御基板11において、第1電源回路14の1次側回路14Aが、第1方向Xにおける制御基板11の一端部側に位置しており、第1電源回路14の2次側回路14Bが、第1方向Xにおける制御基板11の他端部側に位置する。
【0017】
ここで、制御基板11の実装面11a(以下、表側の実装面11aとも称する。)は、後述する固定板21に対向する側とは反対側、すなわち室外機1の外側に向く実装面を指している。また、制御基板11には、固定板21に対向する実装面11b(以下、裏側の実装面11bとも称する。)にも、電子部品(図示せず)が実装されている。また、固定板21における制御基板11側とは反対側に、外部電源19から電力が入力されるフィルタ回路(図示せず)を有するフィルタ基板(図示せず)が設けられており、外部電源19からの電力はフィルタ回路を介して第1電源回路14の1次側回路14Aに送られる。実施例における制御基板11は、制御基板11の表面と裏面の両方に電子部品を実装する両面実装が行われているが、表側の実装面11aのみに電子部品を実装する片面実装が行われてもよい。また、
図3等には、制御基板11の実装面11aに沿う第1方向Xに直交し、かつ、実装面11aに沿うY軸方向を第2方向(以下、第2方向Yとも称する。)とし、X-Y平面に直交する制御基板11の厚さ方向であるZ軸方向を第3方向(以下、第3方向Zとも称する。)として示す。
【0018】
本実施例において第1方向Xは、電装品モジュール6における左右方向(水平方向)であるが、室外機1の筐体7の内部に配置される電装品モジュール6の姿勢に応じて第1方向をX軸方向(室外機1の左右方向)からY軸方向(室外機1の上下方向)に変えてもよい。第1電源回路14の一例としては、1次側回路14Aが交流回路であり、2次側回路14Bが直流回路であり、1次側回路14Aと2次側回路14Bとの間にスイッチング電源(図示せず)が構成された回路である。これに限定されず、第1電源回路14は、1次側回路14A及び2次側回路14Bの両方が直流回路であってもよく、これらの両方が交流回路であってもよい。また、第1電源回路14は、スイッチング電源の代わりに、例えば、トランス及びレギュレータを有する電源回路を構成するなど、1次側回路14Aと2次側回路14Bとを絶縁でき、1次側回路14Aから供給される電圧を変圧できる電源回路を構成していればよい。
【0019】
制御基板11の第1電源回路14と同様に、通信基板12の第2電源回路17は、1次側回路17Aと2次側回路17Bを有しており、1次側回路17Aと2次側回路17Bが、通信基板12の実装面12aに沿う第1方向Xに対して、実装面12a上の境界線B2を挟んで分かれて配置されている。言い換えると、第2電源回路17の1次側回路17Aは、第1方向Xにおける通信基板12の一端部側に位置する。第2電源回路17の2次側回路17Bは、第1方向Xにおける通信基板12の他端部側に位置する。また、通信基板12の実装面12aには、外部電源19から電力が入力されるフィルタ回路(図示せず)が設けられている。ここで、通信基板12の実装面12aは、後述する固定板21側とは反対側、すなわち室外機1の筐体7の内面側に向き合う実装面を指している。実施例における通信基板12は、片面実装が行われているが、両面実装が行われてもよい。
【0020】
第1方向Xは、通信基板12の実装面12aに沿う方向であると共に、上述のように制御基板11の実装面11aに沿う方向である。第2電源回路17の一例としては、制御基板11の第1電源回路14と同様に、1次側回路17Aが交流回路であり、2次側回路17Bが直流回路であり、1次側回路17Aと2次側回路17Bの間にスイッチング電源(図示せず)が構成された回路である。これに限定されず、第2電源回路17は、1次側回路17A及び2次側回路17Bの両方が直流回路であってもよく、これらの両方が交流回路であってもよい。
【0021】
制御基板11と通信基板12は、第1方向Xと直交し、かつ制御基板11の実装面11a(11b)に沿う第2方向Yに並んで配置されている。また、実施例の電装品モジュール6は、室外機1の筐体7の内部における第1方向Xの一端に、第2方向Yに沿って配置されている(
図1参照)。
【0022】
また、電装品モジュール6は、
図3に示すように、制御基板11が固定される固定部材としての固定板21と、第2方向Yにおいて制御基板11と並んで固定板21に配置されて電装品モジュール6の内部空間を仕切る仕切り部材としての仕切り板22と、を有する。
【0023】
固定板21は、制御基板11及び通信基板12が配置される内部空間を有する凹状に形成されており、室外機1の筐体7に固定されている。固定板21には、第2方向Yにおける一端側(実施例における上端側)に制御基板11が配置されており、第2方向Yにおける他端側(実施例における下端側)に仕切り板22及び通信基板12が配置されている。
【0024】
図4は、実施例の電装品モジュール6における固定板21の一部及び仕切り板22を示す斜視図である。
図5は、実施例の電装品モジュール6における固定板21の一部及び仕切り板22を示す模式的な側面図である。
図6は、実施例の電装品モジュール6における固定板21の要部を示す斜視図である。
【0025】
図3、
図4及び
図5に示すように、仕切り板22は、仕切り板22と固定板21との間に位置する下段部23Lと、仕切り板22に対して下段部23Lの反対側に位置する上段部23Uとの2段構造を形成するように、電装品モジュール6の内部空間を上段部23Uと下段部23Lとに仕切る。仕切り板22は、第1方向Xにおける両端部が、ねじ止め等によって固定板21に固定されている。仕切り板22は、導電性を有する材料によって形成されており、電磁波を遮ることが可能となっている。
【0026】
仕切り板22は、通信基板12を支持する支持面22aを有しており、通信基板12が仕切り板22を介して固定板21に固定されている。仕切り板22の支持面22aは、支持面22aにおける制御基板11側が、第2方向Yに対して下段部23Lを小さくする向きに傾斜して形成されている。通信基板12は、実装面12aが仕切り板22の支持面22aに沿うように支持面22aに配置されている。このため、通信基板12の実装面12aは、X-Y平面に対して傾斜した姿勢で設けられている。また、通信基板12の第2電源回路17は、接地線(図示せず)によって仕切り板22に接続されている。
【0027】
また、通信基板12は、支持面22aにおける制御基板11側へ片寄って配置されている。これにより、通信基板12の実装面12aに実装された電子部品群24を、支持面22aにおいて制御基板11側へ寄せて配置することが可能になり、X-Y平面に直交する第3方向Zに対して電子部品群24が突出する突出量が抑えられる。このため、通信基板12の電子部品群24と筐体7の内面との間隔を大きく確保できるので、例えば、通信基板12の実装面12aの電子部品群24と筐体7との衝突を避けて通信基板12の損傷を防げる。
【0028】
図4及び
図5に示すように、通信基板12の、仕切り板22の支持面22aとは反対側の実装面12aにおいて、制御基板11側の一端部に配置される電子部品群24の実装面12aからの最大突出量H1は、制御基板11側とは反対側の他端部に配置される電子部品群24の実装面12aからの最大突出量H2よりも大きい。
【0029】
これにより、通信基板12の実装面12aにおいて、X-Y平面に直交する第3方向Zに対して突出する電子部品群24の突出量が更に抑えられる。このため、通信基板12の電子部品群24と筐体7の内面との間隔を更に大きく確保できるので、例えば、通信基板12の実装面12aの電子部品群24と筐体7との衝突を避けて通信基板12の損傷を防ぐ効果が高められる。
【0030】
ここで、通信基板12の実装面12aにおける制御基板11側の一端部と、この一端部と反対側の他端部との境界は、第2方向Y(上下方向)における中心線C(
図5参照)を境とする。言い換えると、実施例において上述の一端部と他端部との境界は、通信基板12の実装面12aの短辺方向の中心線Cを境とする。
【0031】
また、仕切り板22は、通信基板12を支持する支持面22aにおける制御基板11側の端部が、第1方向Xの全体にわたって、下段部23L側へ向かって延びている。すなわち、仕切り板22は、X-Y平面に直交する第3方向Zに延びる延長片22bを有する。このため、延長片22bによって、特に制御基板11の第1電源回路14が発生する電磁ノイズが、下段部23Lにおける制御基板11側から下段部23L内に進入することが抑えられるので、制御基板11からの電磁ノイズが、下段部23Lに配置された後述する第1電源ケーブル26、第2電源ケーブル27及び通信ケーブル28に重畳することを抑制できる。
【0032】
図2及び
図3に示すように、電装品モジュール6は、外部電源19から制御基板11の第1電源回路14に電力を供給する第1電源ケーブル26と、外部電源19から通信基板12の第2電源回路17に電力を供給する第2電源ケーブル27と、通信基板12の通信回路16と接続される通信ケーブル28と、を備える。第1電源ケーブル26及び第2電源ケーブル27は、例えば、ACケーブルであるが、これに限定されない。第1電源ケーブル26、第2電源ケーブル27及び通信ケーブル28の各々の配線の詳細については後述する。
【0033】
また、
図3、
図4及び
図6に示すように、電装品モジュール6は、第1電源ケーブル26及び第2電源ケーブル27を中継する端子を有する電源端子台31と、電源端子台31から延びて通信基板12に接続される第2電源ケーブル27を中継する中継端子台32と、通信ケーブル28を中継する端子を有する通信端子台33と、を有する。電装品モジュール6では、通信端子台33と、通信基板12、仕切り板22、第2電源ケーブル27(後述する連絡ケーブル27C)、通信ケーブル28(後述する連絡ケーブル28B、28C)が、任意に追加される拡張部品(オプション部品)として取り扱われる。
【0034】
電源端子台31、中継端子台32、通信端子台33は、固定板21の端子台支持面21a上に設けられており、仕切り板22と固定板21との間に位置する下段部23Lに配置されている。また、電源端子台31、中継端子台32及び通信端子台33の各々が有する接続端子は、仕切り板22で覆われない位置に配置されており、ケーブル接続時の作業性が確保されている。
【0035】
実施例では、下段部23Lにおける第1方向Xにおいて、通信基板12の1次側回路17A側から、電源端子台31、中継端子台32、通信端子台33の順に並んで配置されている。したがって、中継端子台32は、下段部23Lの第1方向Xにおいて、電源端子台31と並んで配置されている。実施例では、第1方向Xにおいて中継端子台32と電源端子台31とが隣り合って配置されている。電装品モジュール6は、中継端子台32を有することで、通信基板12を電装品モジュール6に追加する際、第1電源ケーブル26(後述する連絡ケーブル26B)を電源端子台31からいったん取り外して、第1電源ケーブル26と第2電源ケーブル27を共締めする必要がなく、第2電源ケーブル27(後述する連絡ケーブル27C)を中継端子台32に接続するだけで第2電源ケーブル27を接続する作業を完了することができ、通信基板12を後付けするときの作業性を高められる。
【0036】
図3及び
図6に示すように、電源端子台31と通信基板12の1次側回路17Aは、第1方向Xにおける同じ側(
図3の右側)に配置されている。通信端子台33と通信基板12の2次側回路17Bは、第1方向Xにおける同じ側(
図3の左側)に配置されている。
【0037】
これにより、通信基板12にそれぞれ接続される第2電源ケーブル27と通信ケーブル28が、仕切り板22における下段部23Lで互いに交差するように配線されることが避けられ、第2電源ケーブル27と通信ケーブル28の各配線経路が互い離れるように第2電源ケーブル27及び通信ケーブル28を配線することが可能になる。このため、例えば、室外機1の外部からの電磁ノイズが重畳されるおそれがある第2電源ケーブル27に、通信ケーブル28が交差することを避けて、第2電源ケーブル27からの電磁ノイズが通信ケーブル28に重畳されることを抑制できる。その結果、電磁ノイズによる電装品モジュール6の誤作動を防げる。
【0038】
また、制御基板11の2次側回路14Bと通信基板12の2次側回路17Bとが、通信ケーブル28の連絡ケーブル28Cによって接続されている。電源端子台31と制御基板11の1次側回路14Aは、第1方向Xにおける同じ側(
図3の右側)に配置されている。通信端子台33と制御基板11の2次側回路14Bは、第1方向Xにおける同じ側(
図3の左側)に配置されている。
【0039】
これにより、制御基板11にそれぞれ接続される第1電源ケーブル26と通信ケーブル28が、仕切り板22における下段部23Lや、通信基板12と制御基板11との間で互いに交差するように配線されることが避けられ、第1電源ケーブル26と通信ケーブル28の各配線経路が互い離れるように第1電源ケーブル26及び通信ケーブル28を配線することが可能になる。このため、第1電源ケーブル26からの電磁ノイズが通信ケーブル28に重畳されることを抑制できる。その結果、電磁ノイズによる電装品モジュール6の誤作動を防げる。
【0040】
図3、
図4及び
図6に示すように、固定板21は、電源端子台31、中継端子台32及び通信端子台33が配置される端子台支持面21aを有する。固定板21の端子台支持面21aは、端子台支持面21aの制御基板11側が、第2方向Yに対して下段部23Lを大きくする向きに傾斜して形成されている。言い換えると、固定板21の端子台支持面21aは、上述のように傾斜した仕切り板22の支持面22aに沿って傾斜している。これにより、端子台支持面21aと仕切り板22との間の下段部23Lをなす空間が確保されるので、仕切り板22の支持面22aの傾斜に伴って仕切り板22の下段部23Lが狭くなることが避けられ、下段部23Lに配置される第1電源ケーブル26、第2電源ケーブル27、通信ケーブル28を下段部23Lにおいて容易に配線することができる。
【0041】
(各ケーブルの配線)
図7は、実施例の電装品モジュール6の各ケーブル26、27、28の配置を説明するための模式図である。
図7に示すように、実施例における第1電源ケーブル26と第2電源ケーブル27は、外部電源19から電源端子台31まで延びるケーブル部分が共通しており、同一ケーブル部分である共通ケーブル26A(27A)を含んでいる。
【0042】
第1電源ケーブル26は、外部電源19から延ばされて電源端子台31に接続された共通ケーブル26A(27A)と、電源端子台31から延ばされてフィルタ基板(図示せず)のフィルタ回路に接続された連絡ケーブル26Bと、フィルタ基板のフィルタ回路から延ばされて表側の実装面11aに接続された連絡ケーブル26Cと、を含んでいる。
【0043】
第2電源ケーブル27は、外部電源19から延ばされて電源端子台31に接続された共通ケーブル27A(26A)と、電源端子台31から延ばされて中継端子台32に接続された連絡ケーブル27Bと、中継端子台32から延ばされて通信基板12の実装面12aに接続された連絡ケーブル27Cと、を含んでいる。
【0044】
通信ケーブル28は、外部ネットワーク18から延ばされて通信端子台33に接続された連絡ケーブル28Aと、通信端子台33から延ばされて通信基板12の実装面12aに接続された連絡ケーブル28Bと、通信基板12の実装面12aから延ばされて制御基板11の表側の実装面11aに接続された連絡ケーブル28Cと、を含んでいる。通信ケーブル28は、連絡ケーブル28Bによって通信基板12と制御基板と11を接続することで、外部ネットワーク18から受信した信号が連絡ケーブル28Cを介して制御基板11の制御回路13に送信される。通信ケーブル28は複数のケーブルの束である。すなわち、連絡ケーブル28A、連絡ケーブル28B及び連絡ケーブル28Cのそれぞれも複数のケーブルの束である。一例として実施例では、通信ケーブル28が4本のケーブルを含んでおり、3本が信号線、1本が接地線として用いられている。3本の信号線のいずれかを接地線と電気的に接続する組み合わせによって、外部ネットワーク18から通信基板12の通信回路16へとデマンド信号が送信される。
【0045】
第1電源ケーブル26は、外部電源19から延ばされた共通ケーブル26Aと、電源端子台31とフィルタ基板とを接続する連絡ケーブル26Bが、仕切り板22と固定板21との間に位置する下段部23Lに配置された電源端子台31に接続されている。したがって、第1電源ケーブル26は、下段部23Lを通って制御基板11の第1電源回路14に接続されている。
【0046】
第2電源ケーブル27は、外部電源19から延ばされた共通ケーブル27Aと、電源端子台31と中継端子台32とを接続する連絡ケーブル27Bと、中継端子台32と通信基板12とを接続する連絡ケーブル27Cとが、仕切り板22と固定板21との間に位置する下段部23Lに配置された電源端子台31に接続されている。連絡ケーブル27Cは、下段部23Lから上段部23Uに引き出されて通信基板12の実装面12aに接続されている。したがって、第2電源ケーブル27は、下段部23Lを通って通信基板12の第2電源回路17に接続されている、
【0047】
通信ケーブル28は、通信端子台33から延ばされた連絡ケーブル28Bが、下段部23Lから上段部23Uに引き出されて通信基板12の実装面12aに接続されている。したがって、通信ケーブル28は、下段部23Lを通って通信基板12の通信回路16に接続されている、
【0048】
このように、電装品モジュール6では、第1電源ケーブル26、第2電源ケーブル27及び通信ケーブル28が、仕切り板22と固定板21との間に位置する下段部23Lに配置されると共に、上述のように通信基板12が、仕切り板22に対して下段部23Lの反対側に位置する上段部23Uに配置される。これにより、仕切り板22が導電性を有することで仕切り板22によって電磁ノイズが遮られるので、制御基板11の第1電源回路14と、上段部23Uに配置された通信基板12の第2電源回路17との双方が発生する電磁ノイズが、下段部23Lに配置された第1電源ケーブル26、第2電源ケーブル27及び通信ケーブル28に重畳することが、仕切り板22によって抑制される。また、このように第1電源ケーブル26及び第2電源ケーブル27に電磁ノイズが重畳することが抑制されることで、図示しないフィルタ回路(フィルタ基板や通信基板12のフィルタ回路)で電磁ノイズが除去された後の電力を送る第1電源ケーブル26(26A、26B)、第2電源ケーブル27(27A~27C)に電磁ノイズが重畳した場合に室外機1の外部へ電磁ノイズが流出し、室外機1の外部の電子機器に悪影響を及ぼすことを抑制できる。
【0049】
なお、実施例の構造に限定されず、第1電源ケーブル26、第2電源ケーブル27及び通信ケーブル28が上段部23Uに配置され、通信基板12が下段部23Lに配置されてもよい。しかし、仕切り板22によって第1電源ケーブル26、第2電源ケーブル27及び通信ケーブル28を覆うことで制御基板11の第1電源回路14及び通信基板12の第2電源回路17からの電磁ノイズが第1電源ケーブル26、第2電源ケーブル27及び通信ケーブル28に重畳する電磁ノイズを遮る作用を高める点や、電装品モジュール6に通信基板12を後付けで追加する場合の取り付け作業が容易になる点では、実施例の構造が望ましい。
【0050】
また、第2電源ケーブル27の連絡ケーブル27Cは、第1方向Xにおいて中継端子台32から電源端子台31側へ向かって延ばされており、通信基板12の実装面12aから見たときに、第1方向Xにおける電源端子台31の位置と同じ位置で通信基板12の実装面12aに接続されている。言い換えると、例えば、第3方向Zから通信基板12の実装面12aを見たときに、通信基板12の実装面12aにおける第2電源ケーブル27の接続位置は、第2方向Yである上下方向において、電源端子台31の位置と並んでいる。
【0051】
これにより、中継端子台32から通信基板12の実装面12aまで延びる第2電源ケーブル27の連絡ケーブル27Cは、仕切り板22と固定板21との間に位置する下段部23Lにおいて、電源端子台31から中継端子台32まで延びる第2電源ケーブル27の連絡ケーブル27Bと隣り合って配置される部分が生じる。このため、第2電源ケーブル27における連絡ケーブル27Bと連絡ケーブル27Cは、隣り合って配置される部分において双方の連絡ケーブル27B、27Cに重畳した電磁ノイズを互いに打ち消すことが可能になり、第2電源ケーブル27に重畳した電磁ノイズを低減できる。
【0052】
(室外機の要部)
また、実施例の室外機1は、
図3及び
図7に示すように、空気調和機において循環する冷媒が流れる配管37を備える。配管37は、圧縮機及び熱交換器と接続されている。
図1及び
図3に示すように、実施例の電装品モジュール6は、室外機1の筐体7の内部における第1方向Xの一端部に、第2方向Yに沿って配置されている。また、電装品モジュール6は、
図3及び
図7に示すように、筐体7の内部における配管37の外周面に設けられて冷媒の温度を検出する温度センサ38と、制御基板11の第1電源回路14の2次側回路14Bに接続されて温度センサ42まで延ばされたセンサケーブル39と、を備える。
【0053】
図3に示すように、制御基板11の第1電源回路14の1次側回路14Aと通信基板12の第2電源回路17の1次側回路17Aは、第1方向Xにおける筐体7の内部の一端部側に配置されている。センサケーブル39は、筐体7の内部の第1方向Xにおいて制御基板11の2次側回路14B側から通信基板12の2次側回路17B側を通り、温度センサ38まで延ばされている。
【0054】
このようにセンサケーブル39が配置されることで、ノイズ源となる制御基板11の1次側回路14A及び通信基板12の1次側回路17Aからセンサケーブル39が離されるので、制御基板11の第1電源回路14及び通信基板12の第2電源回路17の双方が発生する電磁ノイズが、センサケーブル39に重畳することが抑えられる。その結果、温度センサ38による検出精度が高められ、温度センサ38の検出結果に基づいて電装品モジュール6によって空気調和機を適切に制御できる。
【0055】
(実施例の効果)
上述したように実施例の電装品モジュール6は、制御回路13及び第1電源回路14を有する制御基板11と、通信回路16及び第2電源回路17を有する通信基板12と、制御基板11の第1電源回路14に電力を供給する第1電源ケーブル26と、通信基板12の第2電源回路17に電力を供給する第2電源ケーブル27と、通信基板12の通信回路16と接続される通信ケーブル28と、制御基板11が固定される固定板21と、制御基板11と並んで固定板21に配置されて電装品モジュール6の内部空間を上段部23Uと下段部23Lとに仕切る仕切り板22と、を備える。そして、電装品モジュール6では、通信基板12が、上段部23U及び下段部23Lの一方の段部(上段部23U)に配置されており、第1電源ケーブル26が、他方の段部(下段部23L)を通って制御基板11の第1電源回路14に接続されており、第2電源ケーブル27が、他方の段部(下段部23L)を通って通信基板12の第2電源回路17に接続され、通信ケーブル28が、他方の段部(下段部23L)を通って通信基板12の通信回路16と接続されている。
【0056】
このように実施例の電装品モジュール6は、制御基板11の第1電源回路14と通信基板12の第2電源回路17の双方から電磁ノイズが発生するので、電磁ノイズが第1電源ケーブル26、第2電源ケーブル27及び通信ケーブル28に重畳されやすい、すなわち、重畳される電磁ノイズが大きくなりやすい構造である。このような構造あっても、電装品モジュール6は、導電性を有する仕切り板22によって、第1電源ケーブル26、第2電源ケーブル27及び通信ケーブル28に重畳する電磁ノイズが遮られるので、各ケーブル26、27、28が電磁ノイズの影響を受けることを抑制できる。その結果、実施例によれば、電磁ノイズによる電装品モジュール6の誤作動を防げる。また、実施例によれば、第1電源ケーブル26及び第2電源ケーブル27に重畳した電磁ノイズが、室外機1の外部へ流出することを抑え、室外機1の外部の電子機器に悪影響を及ぼすことを抑制できる。
【0057】
また、実施例の電装品モジュール6において、仕切り板22における一方の段部が上段部23Uであり、仕切り板22における他方の段部が下段部23Lである。つまり、電装品モジュール6において、第1電源ケーブル26、第2電源ケーブル27及び通信ケーブル28が下段部23Lに配置されており、通信基板12が上段部23Uに配置されている。これにより、制御基板11の第1電源回路14と、上段部23Uに配置された通信基板12の第2電源回路17との双方が発生する電磁ノイズが、下段部23Lに配置された第1電源ケーブル26、第2電源ケーブル27及び通信ケーブル28に重畳することが、導電性を有する仕切り板22によって適切に抑制できる。また、電装品モジュール6に通信基板12を後付けで追加する場合の取り付け作業を容易にできる。
【0058】
また、実施例の電装品モジュール6において、電源端子台31と通信端子台33は、固定板21に設けられており、第2方向Yにおいて制御基板11と並ぶと共に、下段部23Lにおける第1方向Xに並んで配置される。通信基板12の第2電源回路17の1次側回路17Aと2次側回路17Bは、通信基板12の実装面12aに沿う第1方向Xに対して分かれて配置されている。そして、電装品モジュール6では、電源端子台31と通信基板12の1次側回路17Aが、第1方向Xにおける同じ側に配置されており、通信端子台33と通信基板12の2次側回路17Bが、第1方向Xにおける同じ側に配置されている。これにより、通信基板12にそれぞれ接続される第2電源ケーブル27と通信ケーブル28が、仕切り板22における下段部23Lで互いに交差するように配線されることが避けられるので、例えば、室外機1の外部からの電磁ノイズが重畳されるおそれがある第2電源ケーブル27に、通信ケーブル28が交差することを避けて、第2電源ケーブル27からの電磁ノイズが通信ケーブル28に重畳されることを抑制できる。その結果、電磁ノイズによる電装品モジュール6の誤作動を防げる。
【0059】
また、実施例の電装品モジュール6において、制御基板11と通信基板12は、第1方向Xと直交する第2方向Yに並んで配置されている。制御基板11の第1電源回路14の1次側回路14Aと2次側回路14Bが、制御基板11の実装面11a(11b)に沿う第1方向Xに対して分かれて配置されている。そして、電装品モジュール6では、制御基板11の2次側回路14Bと通信基板12の2次側回路17Bとが通信ケーブル28によって接続されており、電源端子台31と制御基板11の1次側回路14Aが、第1方向Xにおける同じ側に配置され、通信端子台33と制御基板11の2次側回路14Bが、第1方向Xにおける同じ側に配置されている。これにより、制御基板11にそれぞれ接続される第1電源ケーブル26と通信ケーブル28が、仕切り板22における下段部23Lや、通信基板12と制御基板11との間で互いに交差するように配線されることが避けられるので、第1電源ケーブル26からの電磁ノイズが通信ケーブル28に重畳されることを抑制できる。その結果、電磁ノイズによる電装品モジュールの誤作動を防げる。
【0060】
また、実施例の電装品モジュール6の仕切り板22は、通信基板12を支持する支持面22aにおける制御基板11側が、第2方向Yに対して下段部23Lを小さくする向きに傾斜して形成されており、通信基板12が、支持面22aにおける制御基板11側へ片寄って配置されている。これにより、通信基板12の実装面12aに実装された電子部品群24を、支持面22aにおいて制御基板11側へ寄せて配置することが可能になり、X-Y平面に直交する第3方向Z方向に対して電子部品群24が突出する突出量が抑えられる。このため、通信基板12の電子部品群24と筐体7の内面との間隔を大きく確保できるので、例えば、電子部品群24と筐体7との衝突を避けて通信基板12の損傷を防げる。
【0061】
また、実施例の電装品モジュール6は、通信基板12の、仕切り板22の支持面22aとは反対側の実装面12aにおいて、制御基板11側の一端部に配置される電子部品群24の実装面12aからの最大突出量H1は、制御基板11側とは反対側の他端部に配置される電子部品群24の実装面12aからの最大突出量H2よりも大きい。これにより、通信基板12の実装面12aにおいて、X-Y平面に直交する第3方向Z方向に対して突出する電子部品群24の突出量が更に抑えられるので、電子部品群24と筐体7の内面との間隔を更に大きく確保できる、このため、例えば、電子部品群24と筐体7との衝突を避けて通信基板12の損傷を防ぐ効果が高められる。
【0062】
また、実施例の電装品モジュール6の固定板21において、電源端子台31及び通信端子台33が配置される端子台支持面21aは、端子台支持面21aの制御基板11側が、仕切り板22の支持面22aから離れるように傾斜して形成されている。これにより、端子台支持面21aと仕切り板22との間の下段部23Lをなす空間が確保されるので、仕切り板22の支持面22aの傾斜に伴って下段部23Lが狭くなることが避けられ、第1電源ケーブル26、第2電源ケーブル27、通信ケーブル28を下段部23Lにおいて容易に配線することができる。
【0063】
また、実施例の電装品モジュール6の中継端子台32は、下段部23Lの第1方向Xにおいて、電源端子台31と並んで配置されており、第2電源ケーブル27が、中継端子台32から電源端子台31側へ向かって延ばされて、通信基板12の実装面12aから見たときに、第1方向Xに対する電源端子台31の位置と同じ位置で通信基板12の実装面12aに接続されている。これにより、中継端子台32から通信基板12の実装面12aまで延びる第2電源ケーブル27(連絡ケーブル27C)と、電源端子台31から中継端子台32まで延びる第2電源ケーブル27(連絡ケーブル27B)とが隣り合って配置される部分が生じる。このため、隣り合って配置される部分において第2電源ケーブル27に重畳した電磁ノイズを互いに打ち消すことが可能になり、第2電源ケーブル27に重畳した電磁ノイズを低減できる。
【0064】
また、実施例の電装品モジュール6の仕切り板22は、通信基板12を支持する支持面22aにおける制御基板11側の端部が、下段部23L側へ向かって延びている。これにより、特に制御基板11の第1電源回路14が発生させる電磁ノイズが、下段部23Lにおける制御基板11側から下段部23L内に進入することが抑えられるので、制御基板11からの電磁ノイズが、下段部23Lに配置された第1電源ケーブル26、第2電源ケーブル27及び通信ケーブル28に重畳することを抑制できる。
【0065】
また、実施例の室外機1は、第1方向Xにおける内部の一端部に、電装品モジュール6が第2方向Yに沿って配置された筐体7を備える。室外機1において、制御基板11の1次側回路14Aと通信基板12の1次側回路17Aが、第1方向Xにおける筐体7の一端部側に配置されており、センサケーブル39が、筐体7の内部の第1方向Xにおいて制御基板11の2次側回路14B側から通信基板12の2次側回路17B側を通り、温度センサ38まで延ばされている。これにより、ノイズ源となる制御基板11の1次側回路14A及び通信基板12の1次側回路17Aからセンサケーブル39が離されるので、制御基板11の第1電源回路14及び通信基板12の第2電源回路17の双方が発生する電磁ノイズが、センサケーブル39に重畳することが抑えられる。その結果、温度センサ38による検出精度が高められ、温度センサ38の検出結果に基づいて電装品モジュール6によって空気調和機を適切に制御できる。