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特開2024-143718画像記録装置、及び、カッターユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143718
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】画像記録装置、及び、カッターユニット
(51)【国際特許分類】
   B41J 11/70 20060101AFI20241003BHJP
   B26D 1/20 20060101ALI20241003BHJP
   B26D 7/26 20060101ALI20241003BHJP
   B26D 1/14 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
B41J11/70
B26D1/20 A
B26D7/26
B26D1/14 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023056524
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】田村 光
(72)【発明者】
【氏名】吉宗 秀晃
(72)【発明者】
【氏名】山口 真誠
(72)【発明者】
【氏名】辻村 祐樹
【テーマコード(参考)】
2C058
3C021
3C027
【Fターム(参考)】
2C058AB07
2C058AB11
2C058AC07
2C058AD01
2C058AE02
2C058AE04
2C058AE09
2C058AF04
2C058AF06
2C058AF12
2C058AF15
2C058AF34
2C058AF51
2C058LA02
2C058LA08
2C058LA13
2C058LB10
2C058LB17
2C058LB19
2C058LB28
2C058LB36
2C058LC10
2C058LC15
3C021JA03
3C021JA10
3C027SS01
(57)【要約】
【課題】第2カッターが筐体に対して着脱可能な構成において、第2カッターが離脱状態から装着状態に至るときに第1カッター及び第2カッターの少なくとも一方が傷付くことを抑制する。
【解決手段】プリンタは、搬送機構によって搬送される用紙を切断するカッター60,70を備えている。カッター70はプリンタの筐体に支持されている一方、カッター60はプリンタの筐体に対して着脱可能である。カッター60は、筐体の装着位置に装着された装着状態と、装着位置から取り外された離脱状態とを取り得る。プリンタは、カッター60が離脱状態から前記装着状態に至るときに、カッター70とカッター60との間に介在するフィルム68をさらに備えている。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体を搬送する搬送機構と、
前記搬送機構によって搬送される記録媒体に画像を記録する記録部と、
前記搬送機構によって搬送される記録媒体を切断する第1カッター及び第2カッターと、
筐体と、を備え、
前記第1カッターは、前記筐体に支持され、
前記第2カッターは、前記筐体に対して着脱可能であり、前記筐体の装着位置に装着された装着状態と、前記装着位置から取り外された離脱状態とを取り得るものであり、
前記第2カッターが前記離脱状態から前記装着状態に至るときに、前記第1カッターと前記第2カッターとの間に介在する保護部材をさらに備えたことを特徴とする画像記録装置。
【請求項2】
前記保護部材は、前記第2カッターが前記装着状態にあるときに、前記装着位置から取り外し可能であることを特徴とする、請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項3】
前記保護部材は、前記装着位置から取り外し方向に取り外し可能であり、前記取り外し方向の下流端に把持部を有することを特徴とする、請求項2に記載の画像記録装置。
【請求項4】
前記把持部に、前記第2カッターが前記装着状態に至る前に前記保護部材を取り外さないように促す情報が表記されていることを特徴とする、請求項3に記載の画像記録装置。
【請求項5】
前記第2カッターと前記第2カッターを保持するホルダとを含み、前記筐体に対して着脱可能なカッターユニットをさらに備え、
前記保護部材は、前記カッターユニットに取り付けられたことを特徴とする、請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項6】
前記保護部材は、前記ホルダに取り付けられ、前記第2カッターが前記装着状態にあるときにおける前記第1カッターと前記第2カッターとの近接位置から延在方向に延び、前記ホルダに取り付けられた領域における前記延在方向と直交する幅方向の長さが、前記近接位置において最も長いことを特徴とする、請求項5に記載の画像記録装置。
【請求項7】
前記保護部材は、前記ホルダに取り付けられ、
前記カッターユニットは、前記保護部材を覆うように前記ホルダに固定された固定部材をさらに含むことを特徴とする、請求項5に記載の画像記録装置。
【請求項8】
前記筐体は、前記装着位置からの取り外し方向と交差する幅方向において前記保護部材を両側から挟持する一対のガイド部を有し、
前記保護部材は、前記取り外し方向の下流側に向かって前記幅方向の長さが漸進的に小さくなるテーパー形状であって、前記一対のガイド部に挟持される部分の幅が前記部分よりも前記取り外し方向上流側の部分の幅よりも小さいテーパー形状を有することを特徴とする、請求項2に記載の画像記録装置。
【請求項9】
前記保護部材は、前記筐体に支持されたことを特徴とする、請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項10】
前記保護部材は、前記第1カッターに取り付けられたことを特徴とする、請求項9に記載の画像記録装置。
【請求項11】
前記装着位置において前記筐体に支持され、前記第2カッターが前記装着状態にあることを検知する装着センサをさらに備え、
前記保護部材は、前記装着センサに取り付けられたことを特徴とする、請求項9に記載の画像記録装置。
【請求項12】
前記装着位置は、前記搬送機構によって記録媒体が搬送される搬送経路の外側にあり、
前記保護部材は、前記筐体における前記搬送経路の外側に取り付けられたことを特徴とする、請求項9に記載の画像記録装置。
【請求項13】
前記第1カッターは、第1方向に延び、第1基部と、前記第1基部の先端に設けられた第1刃部とを有し、
前記第2カッターは、前記装着状態にあるとき、前記第1方向と交差する第2方向に延び、第2基部と、前記第2基部の先端に設けられた第2刃部であって、前記第1刃部と近接する前記第2刃部とを有し、
前記保護部材は、第1部分と、第2部分と、前記第1部分と前記第2部分との境界にある屈曲部とを有し、
前記第2カッターが前記装着状態にあるとき、
前記第1部分及び前記屈曲部は、前記第1基部と前記第2基部とに挟まれた第1空間に配置され、
前記第2部分は、前記第1空間から、前記第1刃部と前記第2刃部との近接位置を通って、前記近接位置に対して前記第1空間と反対側の第2空間まで延びていることを特徴とする、請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項14】
前記第1カッター及び前記第2カッターの少なくとも一方は、円盤状の基部と、前記基部の周縁に設けられた刃部とを有し、
前記保護部材は、第1部分と、第2部分と、前記第1部分と前記第2部分との境界にある屈曲部とを有し、
前記第2カッターが前記装着状態にあるとき、前記第2部分は前記刃部と対向し、
前記第2部分は、前記第2部分から前記第1部分に向かう方向に延びるスリットを有することを特徴とする、請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項15】
前記保護部材は、前記スリットと交差した長穴であって、前記スリットが延びる方向の長さよりも前記延びる方向と交差する方向の長さが長い長穴をさらに有することを特徴とする、請求項14に記載の画像記録装置。
【請求項16】
前記長穴は、前記屈曲部に設けられたことを特徴とする、請求項15に記載の画像記録装置。
【請求項17】
前記保護部材は、前記第2カッターが前記装着状態にあるときに、前記装着位置から取り外し方向に取り外し可能であり、
前記取り外し方向は、前記第2部分から前記第1部分に向かう方向であることを特徴とする、請求項13に記載の画像記録装置。
【請求項18】
前記第1部分と前記第2部分とがなす交角が鈍角であることを特徴とする、請求項17に記載の画像記録装置。
【請求項19】
前記第1カッター及び前記第2カッターは金属材料からなることを特徴とする、請求項1~18のいずれか1項に記載の画像記録装置。
【請求項20】
搬送機構と前記搬送機構によって搬送される記録媒体に画像を記録する記録部とを有する画像記録装置に対して着脱可能なカッターユニットであって、
カッターと、
前記カッターを保持するホルダと、
前記カッターの刃部を覆うように前記ホルダに取り付けられた保護部材であって、前記刃部の硬度よりも小さい硬度を有する保護部材と、を備え、
前記保護部材は、前記ホルダから取り外し可能であることを特徴とするカッターユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筐体に支持された第1カッターと筐体に対して着脱可能な第2カッターとを備えた画像記録装置、及び、カッターユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1のプリンタ(画像記録装置)は、搬送機構と、記録部と、固定刃(第1カッター)及び回転刃(第2カッター)と、筐体と、筐体の開口を開閉可能なカバーと、を備えている。特許文献1には、カバーを開位置とすることで、回転刃を露出させ、トラブル時などに回転刃を手動で動かして修理や交換を行えることが示されている。つまり、固定刃(第1カッター)は筐体に支持されているのに対し、回転刃(第2カッター)は筐体に対して着脱可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-160193号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のように第2カッターが筐体に対して着脱可能な構成では、第2カッターが筐体から取り外された離脱状態から筐体に装着された装着状態に至るときに、第1カッターと第2カッターとが互いに接触し、第1カッター及び第2カッターの少なくとも一方が傷付いてしまう虞がある。カッターが傷付くと、記録媒体の切断に不具合が生じ得る。
【0005】
本発明の目的は、第2カッターが筐体に対して着脱可能な構成において、第2カッターが離脱状態から装着状態に至るときに第1カッター及び第2カッターの少なくとも一方が傷付くことを抑制できる、画像記録装置、及び、カッターユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る画像記録装置は、記録媒体を搬送する搬送機構と、前記搬送機構によって搬送される記録媒体に画像を記録する記録部と、前記搬送機構によって搬送される記録媒体を切断する第1カッター及び第2カッターと、筐体と、を備え、前記第1カッターは、前記筐体に支持され、前記第2カッターは、前記筐体に対して着脱可能であり、前記筐体の装着位置に装着された装着状態と、前記装着位置から取り外された離脱状態とを取り得るものであり、前記第2カッターが前記離脱状態から前記装着状態に至るときに、前記第1カッターと前記第2カッターとの間に介在する保護部材をさらに備えたことを特徴とする。
【0007】
本発明に係るカッターユニットは、搬送機構と前記搬送機構によって搬送される記録媒体に画像を記録する記録部とを有する画像記録装置に対して着脱可能なカッターユニットであって、カッターと、前記カッターを保持するホルダと、前記カッターの刃部を覆うように前記ホルダに取り付けられた保護部材であって、前記刃部の硬度よりも小さい硬度を有する保護部材と、を備え、前記保護部材は、前記ホルダから取り外し可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の画像記録装置によれば、第2カッターが離脱状態から装着状態に至るときに、第1カッターと第2カッターとの間に保護部材が介在する。これにより、第1カッターと第2カッターとが互いに接触せず、第1カッター及び第2カッターの少なくとも一方が傷付くことを抑制できる。
【0009】
本発明のカッターユニットによれば、保護部材が、カッターの刃部を覆うようにホルダに取り付けられており、かつ、ホルダから取り外し可能である。これにより、カッターユニットが画像記録装置に装着されるとき、保護部材によりカッターが傷付くことを抑制できると共に、カッターユニットが画像記録装置に装着された後、保護部材をホルダから取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1実施形態に係るプリンタの斜視図である。
図2】プリンタの内部構造を示す概略側面図である。
図3】プリンタに含まれる走査機構及びカッターユニットを示す斜視図である。
図4】フィルムが取り付けられたカッターユニットを斜め上方から見た斜視図である。
図5】フィルムが取り付けられたカッターユニットを斜め下方から見た斜視図である。
図6】フィルムが取り付けられたカッターユニットを下方から見た部分断面図である。
図7】カッターユニットが離脱状態から装着状態に至る過程を示す側断面図である。
図8】カッターユニットを前方から見た部分拡大図である。
図9】本発明の第2実施形態に係る図7(b)に対応する図である。
図10】本発明の第3実施形態に係る図7(b)に対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係るプリンタ1(画像記録装置)は、図1に示すように、筐体1aと、筐体1aに対して着脱可能な給紙トレイ10と、排紙トレイ90とを備えている。
【0012】
プリンタ1は、さらに、図2に示すように、搬送機構3と、ヘッド5と、カッターユニット6と、カッター70と、走査機構4と、フィルム68と、制御部100とを備えている。搬送機構3のうち後述のローラ51,52を除く要素と、ヘッド5と、カッターユニット6と、走査機構4と、制御部100とは、筐体1aに支持されている。ローラ51,52は、給紙トレイ10に支持されている。
【0013】
搬送機構3は、用紙Pを搬送経路Tに沿って搬送方向に搬送するように構成されており、ローラ51,52と、ローラ13及びアーム14と、ローラ対3a~3cと、分離部材3fと、一対のガイド部材3gと、上記各ローラを駆動するための搬送モータ(図示略)とを含む。
【0014】
搬送経路Tは、給紙トレイ10から一対のガイド部材3gの間を通り、ヘッド5の下方を通って排紙トレイ90へと向かう経路である。搬送経路Tは、ヘッド5に対して搬送方向の上流側に、U字状部を有する。U字状部に、分離部材3f、カッターユニット6、ローラ対3a及び一対のガイド部材3gが配置されている。カッターユニット6及びローラ対3aは、U字状部の底部Uxに配置されている。カッターユニット6は、分離部材3fに対して搬送方向の下流側かつローラ対3aに対して搬送方向の上流側に配置されている。
【0015】
給紙トレイ10は、ロール紙Rを収容可能なロール紙収容部11と、複数のカット紙(図示略)を上下方向に積層した状態で収容可能なカット紙収容部12とを含む。カット紙収容部12に収容されるカット紙は、給紙トレイ10の底板18に沿って配置された支持板19の上面に支持される。給紙トレイ10において、ロール紙Rを使用する場合はカット紙収容部12からカット紙が取り除かれ(図2参照)、カット紙を使用する場合はロール紙収容部11からロール紙Rが取り除かれる。
【0016】
用紙Pは、ロール紙Rから巻き解かれた用紙、及び、カット紙を総称したものであり、本発明の「記録媒体」に該当する。カット紙は、ロール紙Rを構成する用紙よりも搬送経路Tに沿った長さが短い用紙をいう。
【0017】
ロール紙Rは、円筒状の芯部材Rcの外周面に長尺の用紙Pがロール状に巻回されたものである。ロール紙Rは、その回転軸Rx(芯部材Rcの中心軸)が左右方向に沿った状態で、ロール紙収容部11に収容される。
【0018】
ロール紙収容部11の底部に、ローラ51,52が配置されている。ローラ51,52は、左右方向に沿った軸を中心として回転可能である。ロール紙Rは、ロール紙収容部11に収容されたとき、その下側部分の外周面がローラ51,52に支持される。ロール紙Rをセットする際には、ロール紙Rを手動で図2の矢印方向Qに回転させ、ロール紙Rから用紙Pを巻き解く。そして用紙Pを支持板19の下面と底板18の上面との隙間に通し、用紙Pの先端をローラ13とコロ15との間に挟持させる。この状態で、制御部100の制御により搬送モータが駆動し、ローラ51,52,13が回転することで、ロール紙Rから巻き解かれた用紙Pが後方に給送される。
【0019】
ローラ13は、アーム14の一端14aに支持されており、左右方向に沿った軸13xを中心として回転可能である。アーム14の他端14bは、左右方向に沿った軸14xを介して、筐体1aに支持されている。アーム14は、他端14bを支点として、軸14xを中心として回動可能である。
【0020】
給紙トレイ10が筐体1aに装着された状態において、カット紙収容部12にカット紙が収容されていないとき、ローラ13は、支持板19の上面に接触する(図2参照)。給紙トレイ10が筐体1aに装着された状態において、カット紙収容部12にカット紙が収容されているとき、ローラ13は、カット紙収容部12に収容されたカット紙のうち最上層のカット紙と接触する。このとき、制御部100の制御により搬送モータが駆動し、ローラ13が回転することで、カット紙が後方に給送される。
【0021】
給紙トレイ10からローラ13により給送された用紙P(ロール紙収容部11に収容されたロール紙Rから巻き解かれた用紙、又は、カット紙収容部12に収容されたカット紙)は、分離部材3fと接触し、分離部材3fに沿って移動して、ローラ対3aへと案内される。
【0022】
分離部材3fは、ローラ13に対して後方に配置され、上下方向及び前後方向の双方と交差する斜め方向に延びている。分離部材3fの表面には、搬送経路Tに沿って繰り返す細かい凹凸が形成されている。当該凹凸により、重送(複数のカット紙が重なった状態で搬送される現象)が抑制される。即ち、分離部材3fは、ローラ13と接触するカット紙とそれ以外のカット紙とを分離する機能を有する。
【0023】
ヘッド5(本発明の「記録部」に該当する。)は、下面に形成された複数のノズル(図示略)と、ドライバIC(図示略)とを含む。搬送機構3によって搬送された用紙Pがヘッド5の下面と対向する位置を通過するときに、制御部100の制御によりドライバICが駆動されることで、ノズルからインクが吐出され、用紙Pにインクが着弾し、用紙Pに画像が記録される。なお、ヘッド5は、位置が固定された状態でノズルからインクを吐出するライン式、及び、左右方向に移動しつつノズルからインクを吐出するシリアル式のいずれでもよい。
【0024】
カッターユニット6は、搬送経路Tおける分離部材3fとローラ対3aとの間において、ロール紙Rから巻き解かれた用紙Pを切断するように構成されており、カッター60と、カッター60を保持するホルダ61とを含む。カッターユニット6は、筐体1aに支持されたキャリッジ8に対して、着脱可能に取り付けられている。
【0025】
キャリッジ8は、走査機構4により左右方向に往復動可能である。左右方向は、搬送経路Tに沿った用紙Pと平行でかつ搬送方向A(図2参照:カッターユニット6近傍における搬送方向)と交差する方向である。
【0026】
走査機構4は、図3に示すように、左右方向に延びるガイドレール4xと、左右方向に互いに離隔した一対のプーリ4a(図3には一対のプーリ4aの一方のみ示されている。)と、一対のプーリ4aに巻回されかつキャリッジ8が固定されたベルト4bと、切断モータとを含む。一対のプーリ4a及びベルト4bは、ガイドレール4xに取り付けられている。ガイドレール4xは、ベルト4bに固定されたキャリッジ8、及び、キャリッジ8に装着されたカッターユニット6を支持する。
【0027】
ガイドレール4xの前方であって、ガイドレール4xと搬送経路T(図2参照)を挟んで対向する位置に、別のガイドレール4yが配置されている。ガイドレール4yは、左右方向に延び、前後方向において若干の隙間を介してガイドレール4xから離隔している。当該隙間に、搬送経路Tが形成されている。
【0028】
ガイドレール4yには、別のカッター70が取り付けられている。
【0029】
カッター70は固定されているのに対し、カッター60は回転可能である。また、カッター70は筐体1aに支持されているのに対し、カッター60はホルダ61と共に筐体1a(キャリッジ8)に対して着脱可能である。カッター60及びこれを含むカッターユニット6は、筐体1aの装着位置Xに装着された装着状態(図3参照)と、装着位置Xから取り外された離脱状態とを取り得る。
【0030】
カッター70は本発明の「第1カッター」に該当し、カッター60は本発明の「第2カッター」に該当する。カッター60は、装着状態においてカッター70と協働し、搬送機構3によって搬送される用紙Pを切断する。カッター60,70は共に金属材料からなる。
【0031】
カッター60は、図4図6に示すように、円盤状の基部60aと、基部60aの周縁に設けられた刃部60bとを有する。
【0032】
カッター70は、図7に示すように、L字状であり、ガイドレール4yの下面を覆う部分71と、ガイドレール4yにおける搬送経路Tを画定する側面を覆う部分72とを有する。カッター70の部分72は、搬送経路Tに沿った第1方向D1延び、基部70aと、基部70aの先端に設けられた刃部70bとを有する。
【0033】
カッター60は、図7(b)に示すように、装着状態にあるとき、第1方向D1と交差する第2方向D2に延び、刃部60bが刃部70bと近接するように配置される。
【0034】
基部70aが本発明の「第1基部」に該当し、刃部70bが本発明の「第1刃部」に該当する。基部60aが本発明の「第2基部」に該当し、刃部60bが本発明の「第2刃部」に該当する。
【0035】
制御部100の制御により切断モータが駆動されると、ベルト4bが左右方向に走行し、キャリッジ8及びキャリッジ8に装着されたカッターユニット6が、搬送経路T外の装着位置Xから、搬送経路T内へと移動される(図3参照)。またこのとき、切断モータの駆動により、カッター60が回転する。ロール紙Rから巻き解かれた用紙Pは、固定されたカッター70と、左右方向に移動しながら回転するカッター60とにより、用紙Pの幅方向に切断される。
【0036】
装着位置Xは、ガイドレール4x,4yの左端にあり、上記のようにキャリッジ8の移動のホームポジションであると共に、カッターユニット6をキャリッジ8に対して着脱するための位置でもある。装着位置Xには、装着センサSが設けられている。装着センサSは、制御部100と電気的に接続されており、装着位置Xにおいてカッターユニット6がキャリッジ8に装着されたときにカッターユニット6と接触することでON信号を制御部100に出力し、装着位置Xにおいてカッターユニット6がキャリッジ8から取り外されたときにカッターユニット6から離隔することでOFF信号を制御部100に出力する。即ち、装着センサSは、カッターユニット6が装着状態にあることを検知する。ロール紙Rを用いた記録を行う場合、制御部100は、装着センサSからON信号を受信したときに、搬送モータ、ドライバIC及び切断モータを制御して、用紙Pに画像を記録する記録処理を実行する。
【0037】
筐体1aの後壁には、開口1x(図2参照)が形成されている。開口1xを介して、筐体1a内の装着位置Xを含む部分(装着位置Xにあるキャリッジ8)が筐体1aの外部に露出される。開口1xは、筐体1aにおける上述したU字状部の底部Uxと対向する部分に形成されている。
【0038】
筐体1aの後壁には、開口1xを覆うカバー20が取り付けられている。カバー20は、開口1xの下端に設けられた左右方向に沿った軸20xを中心として回動可能であり、軸20xを中心として回動することで、開口1xを閉じる閉位置(図2の実線参照)と、開口1xを開ける開位置(図2の破線参照)とを選択的に取り得る。
【0039】
カバー20を開位置(図2の破線参照)に配置することで、開口1xを介して、装着位置Xにおいてキャリッジ8に対するカッターユニット6の着脱を行うことができる。
【0040】
キャリッジ8は、底壁8t(図7参照)と、左右方向に互いに離隔した一対の側壁8s(図3には一対の側壁8sの一方のみ示されている。)とを有する。一対の側壁8sの間にカッターユニット6が配置され、底壁8tの上面である支持面8a(図7参照)にカッターユニット6が支持される。支持面8aには、板ばね31が取り付けられている。カッターユニット6は、板ばね31による上方に向かう付勢力が付与された状態で、支持面8aに支持される。
【0041】
キャリッジ8には、図3に示すように、レバー9が取り付けられている。レバー9は、左右方向に沿った軸9cを有し、軸9cを中心としてキャリッジ8に対して回動可能である。軸9cは、キャリッジ8の側壁8sに形成された穴8cに挿入されている。
【0042】
レバー9は、軸9cを中心として回動することにより、カッターユニット6のキャリッジ8に対する固定を解除する解除位置(図7(a)参照)と、カッターユニット6をキャリッジ8に対して固定する固定位置(図7(b)参照)とを選択的に取り得る。
【0043】
カッターユニット6をキャリッジ8に装着する際、ユーザは、レバー9が解除位置(図7(a)参照)にある状態で、ホルダ61の後端に設けられた取っ手61zを把持しながら、カッターユニット6を前方に移動させてキャリッジ8の一対の側壁8s(図3参照)の間に挿入する。これにより、一対の側壁8sによって、キャリッジ8に対してカッターユニット6を左右方向に仮位置決めする。このとき、ホルダ61の後端に設けられた凸部61xが、キャリッジ8の凹部8x内に配置されている。また、カッターユニット6の前端部が板ばね31の付勢力により上方に持ち上げられており、刃部60b,70bは互いに離隔している。またこのとき、レバー9の前端9aは、ホルダ61の上面61aと前面61bとの境界に形成された斜面61cと接触している。
【0044】
その後、レバー9の後端9bを押し下げることで、レバー9を解除位置(図7(a)参照)から固定位置(図7(b)参照)に移動させる。このとき、レバー9の前端9aは、ホルダ61の斜面61cに沿って移動し、ホルダ61の上面61aに到達する。これに伴い、レバー9の前端9aがホルダ61の上面61aを押圧し、板ばね31の付勢力に抗して、カッターユニット6が支持面8aに向けて押圧される。これにより、カッターユニット6がキャリッジ8に対して固定される。このとき、刃部60b,70bの間隔は、レバー9が解除位置(図7(a)参照)にあるときの当該間隔よりも小さく、用紙Pを切断するのに適した所定の間隔となる。
【0045】
なお、カッター60は、図8に示すように、左右方向に平行ではなく、右斜め下方向に傾斜した姿勢で、ホルダ61に取り付けられている。そのため、カッター60は、装着状態にあるとき、右端部においてカッター70の刃部70bと近接する。
【0046】
カッターユニット6をキャリッジ8から取り外す際、ユーザは、レバー9の後端9bを持ち上げることで、レバー9を固定位置(図7(b)参照)から解除位置(図7(a)参照)に移動させる。このとき、レバー9の前端9aは、ホルダ61の上面61aから斜面61cへと移動する。これに伴い、レバー9の前端9aによる押圧が解除され、カッターユニット6は、凸部61xが凹部8xに配置された状態で、前端部が板ばね31の付勢力により上方に移動する。このとき、刃部60b,70bの間隔は、レバー9が固定位置(図7(b)参照)にあるときの当該間隔よりも大きくなる。
【0047】
その後、ユーザは、レバー9が解除位置(図7(a)参照)にある状態で、ホルダ61の後端に設けられた取っ手61zを把持しながら、カッターユニット6を後方に移動させてキャリッジ8の一対の側壁8s(図6参照)から引き抜く。これにより、カッターユニット6がキャリッジ8から取り外される。
【0048】
ここで、カッターユニット6が離脱状態(図7(a)参照)から装着状態(図7(b)参照)に至るときに、カッター60とカッター70とが互いに接触すると、カッター60及びカッター70の少なくとも一方が傷付いてしまう虞がある。本実施形態では、カッターユニット6が離脱状態から装着状態に至るときにカッター60とカッター70とが互いに接触しないよう、フィルム68(本発明の「保護部材」に該当する。)が設けられている。
【0049】
フィルム68は、図4及び図5に示すように、カッターユニット6に取り付けられている。フィルム68は、例えば、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂材料からなる薄膜部材である。フィルム68の硬度は、カッター60,70の硬度よりも小さい。フィルム68の厚みは、0.5~1.0mm程度である。
【0050】
フィルム68は、カッター60の前端の刃部60bを覆うようにホルダ61に取り付けられており、刃部60bの近傍に設けられた屈曲部68cと、屈曲部68cに対して後方の第1部分68aと、屈曲部68cに対して前方の第2部分68bとを有する。換言すると、フィルム68は、第1部分68aと、第2部分68bと、第1部分68aと第2部分68bとの境界にある屈曲部68cとを有する。
【0051】
フィルム68は、第1部分68aがホルダ61の底面に両面テープ等で固定されることで、ホルダ61に取り付けられている。また、カッターユニット6は、図5に示すように、フィルム68を下方から覆うようにホルダ61に固定されたU字状の固定部材65を含む。固定部材65は、左右方向に延びる底部と、当該底部の左右両端から上方に突出した一対の側部とを有する。一対の側部は、ホルダ61の側面に両面テープ等で固定されている。
【0052】
カッターユニット6は、フィルム68が取り付けられた状態で、キャリッジ8に装着される(図7(a),(b)参照)。カッターユニット6が装着状態に至った後、フィルム68は、カッターユニット6が装着状態にあるときに、装着位置Xから後方(取り外し方向)に取り外し可能である。取り外し方向は、第2部分68bから第1部分68aに向かう方向であり、かつ、カッターユニット6が装着状態にあるときにおけるカッター60とカッター70との近接位置Mからフィルム68が延びる延在方向でもある。
【0053】
フィルム68は、その後端(取り外し方向の下流端)に把持部68zを有する。把持部68zは、左右方向(取り外し方向と交差する幅方向)の長さ(幅)が他の部分よりも大きく、フィルム68の取り外し作業の際にユーザが把持し易い形状を有する。把持部68zの表面には、ラベル69が貼付されている。ラベル69には、カッターユニット6が装着状態に至る前にフィルム68を取り外さないように促す情報が表記されている。把持部68zは、カバー20を開位置(図2の破線参照)に配置してキャリッジ8にカッターユニット6を装着する作業中、開口1xを介して筐体1aの外部に突出している。
【0054】
キャリッジ8は、図6に示すように、左右方向においてフィルム68を両側から挟持する一対のガイド部8gを有する。フィルム68におけるホルダ61に取り付けられた領域(前部分)は、後方に向かって左右方向の長さ(幅)が漸進的に小さくなるテーパー形状を有する。フィルム68の当該領域における幅は、前端(近接位置M)において最も長く(幅W1)、一対のガイド部8gに挟持される部分において最も短い(幅W2)。
【0055】
フィルム68には、図5に示すように、第2部分68bと第1部分68aの前端部とに亘って、後方(取り外し方向)に延びるスリット68sが形成されている。さらに、フィルム68の屈曲部68cには、長穴68tが形成されている。長穴68tは、スリット68sと交差しており、前後方向(スリット68sが延びる方向)の長さよりも左右方向(スリット68sが延びる方向と交差する方向)の長さが長い。
【0056】
カッターユニット6が離脱状態から装着状態に至るときに、フィルム68は、カッター70とカッター60との間に介在する(図7(a),(b)参照)。フィルム68において、第1部分68aと第2部分68bとがなす交角θは、鈍角である。
【0057】
カッターユニット6が装着状態にあるとき、フィルム68の第2部分68bはカッター60の刃部60bと対向する(図7(b)参照)。
【0058】
また、カッターユニット6が装着状態にあるとき、フィルム68の第1部分68a及び屈曲部68cは、カッター70の基部70aとカッター60の基部60aとに挟まれた第1空間V1に配置される。フィルム68の第2部分68bは、第1空間V1から、近接位置Mを通って、近接位置Mに対して第1空間V1と反対側の第2空間V2まで延びている。
【0059】
以上に述べたとおり、本実施形態によれば、カッター60が離脱状態から装着状態に至るときに、カッター70とカッター60との間にフィルム68が介在する(図7(a),(b)参照)。これにより、カッター70とカッター60とが互いに接触せず、カッター70及びカッター60の少なくとも一方が傷付くことを抑制できる。
【0060】
フィルム68は、カッター60が装着状態にあるときに、装着位置Xから取り外し可能である。フィルム68が装着位置Xから取り外し不能である場合、カッター70とカッター60との間にフィルム68が介在した状態で切断動作が行われることで、用紙Pの切断に不具合が生じ得る。この点、本実施形態では、当該問題を抑制できる。
【0061】
フィルム68は、取り外し方向の下流端(後端)に把持部68zを有する(図4参照)。この場合、ユーザが把持部68zを把持してフィルム68を容易に取り外すことができる。
【0062】
把持部68zに、カッター60が装着状態に至る前にフィルム68を取り外さないように促す情報が表記されている(図4参照)。この場合、カッター60が装着状態に至る前にユーザが誤ってフィルム68を取り外すことを防止できる。
【0063】
フィルム68は、カッターユニット6に取り付けられている(図4及び図5参照)。フィルム68がカッターユニット6ではなく筐体1aに取り付けられた場合、カッターユニット6の交換時に再度フィルム68を筐体1aに取り付ける必要が生じ得る。これに対し、本構成では、再度フィルム68を筐体1aに取り付ける必要がなく、ユーザに煩雑な作業を要しない。
【0064】
フィルム68は、カッターユニット6のホルダ61に取り付けられている(図4及び図5参照)。フィルム68におけるホルダ61に取り付けられた領域(前部分)における幅は、近接位置M(前端)において最も長い(幅W1:図6参照)。この場合、フィルム68が幅方向(左右方向)に位置ズレしたとしても、カッター70とカッター60との間にフィルム68を介在させることができる。
【0065】
カッターユニット6は、フィルム68を覆うようにホルダ61に固定された固定部材65をさらに含む(図5参照)。この場合、固定部材65によってフィルム68がホルダ61から外れることを防止できる。
【0066】
フィルム68は、取り外し方向の下流側(後方)に向かって幅が漸進的に小さくなるテーパー形状であって、一対のガイド部8gに挟持される部分の幅W2が当該部分よりも取り外し方向上流側(前方)の部分の幅W1よりも小さいテーパー形状を有する(図6参照)。 フィルム68が、上記のようなテーパー形状を有さず、一対のガイド部8gに挟持される部分において局所的に幅が小さくなる形状を有する場合、フィルム68が取り外されるときに、フィルム68が一対のガイド部8gに引っ掛かって破損し得る。これに対し、本構成では、フィルム68が上記のようなテーパー形状を有するため、フィルム68が取り外されるときに、フィルム68が一対のガイド部8gに引っ掛からず、フィルム68を破損させずにスムーズに取り外すことができる。
【0067】
カッターユニット6が装着状態にあるとき、フィルム68の屈曲部68cは、近接位置Mに配置されず、第1空間V1(カッター70の基部70aとカッター60の基部60aとに挟まれた空間)に配置される(図7(b)参照)。屈曲部68cが近接位置Mに配置されると、刃部70b,60bとの摩擦によってフィルム68が破断し易い。これに対し、本構成では、屈曲部68cが近接位置Mに配置されないため、フィルム68の破断を抑制できる。
【0068】
フィルム68の第2部分68b(前端部)は、第2部分68bから第1部分68aに向かう方向(後方)に延びるスリット68sを有する(図5参照)。この場合、刃部70b,60bからの力が左右方向に逃げることで、刃部70b,60bによって第2部分68bが破断することを防止できる。
【0069】
フィルム68は、スリット68sと交差した長穴68tを有する(図5参照)。この場合、刃部70b,60bからの力が、左右方向により一層逃げ易くなり、刃部70b,60bによって第2部分68bが破断することをより確実に防止できる。
【0070】
長穴68tは、屈曲部68cに設けられている(図5参照)。この場合、破断し易い屈曲部68cに長穴68tを設けたことで、屈曲部68cの破断を防止できる。
【0071】
フィルム68は、カッター60が装着状態にあるときに、第2部分68bから第1部分68aに向かう方向(後方)に取り外し可能である。特にフィルム68を取り外すときに、上記のようなフィルム68の破断が生じ易いが、屈曲部68cの配置、スリット68s、長穴68t等によって、フィルム68の破断を抑制できる。
【0072】
フィルム68において、第1部分68aと第2部分68bとがなす交角θは、鈍角である。この場合、フィルム68を取り外すときに、フィルム68が刃部70b,60bに引っ掛からず、取り外し作業を容易に行える。
【0073】
カッター60,70は金属材料からなる。この場合、特に、カッターユニット6が離脱状態(図7(a)参照)から装着状態(図7(b)参照)に至るときにカッター60とカッター70とが互いに接触することで、カッター60及びカッター70の少なくとも一方が傷付き易い。このような場合にフィルム68を設けたことで、傷付きを効果的に防止できる。
【0074】
<第2実施形態>
続いて、図9を参照し、本発明の第2実施形態に係るプリンタについて説明する。
【0075】
第1実施形態(図4及び図5参照)では、フィルム68が、カッターユニット6に取り付けられている。これに対し、第2実施形態(図9参照)では、フィルム268が、筐体1aに支持されたカッター70に取り付けられている。フィルム268は、装着位置X(図3参照)において、カッター70の刃部70bを覆うように部分72に固定されている。
【0076】
本実施形態によれば、フィルム268が筐体1aに支持されたことで、筐体1aに対してフィルム268を精確に位置決めできる。
【0077】
また、フィルム268がカッター70に取り付けられたことで、カッター70に対してフィルム268を精確に位置決めできる。
【0078】
さらに、フィルム268は、装着位置X(筐体1aにおける搬送経路Tの外側)に取り付けられている(図3参照)。この場合、フィルム268によって用紙Pの搬送動作が妨げられない。
【0079】
<第3実施形態>
続いて、図10を参照し、本発明の第3実施形態に係るプリンタについて説明する。
【0080】
第1実施形態(図4及び図5参照)では、フィルム68が、カッターユニット6に取り付けられている。これに対し、第3実施形態(図10参照)では、フィルム368が、筐体1aの装着位置X(図3参照)に支持された装着センサSに取り付けられている。フィルム368は、装着位置Xにおいて、カッター70の刃部70bを覆うように装着センサSに取り付けられている。
【0081】
本実施形態によれば、フィルム368が筐体1aに支持されたことで、筐体1aに対してフィルム368を精確に位置決めできる。
【0082】
また、フィルム368が装着センサSに取り付けられたことで、装着位置Xに対してフィルム368を精確に位置決めできる。
【0083】
さらに、フィルム368は、装着位置X(筐体1aにおける搬送経路Tの外側)に取り付けられている(図3参照)。この場合、フィルム368によって用紙Pの搬送動作が妨げられない。
【0084】
<変形例>
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。
【0085】
カッターユニットに含まれるカッターは、上述の実施形態では円盤状で回転するが、これに限定されず、カッター70のように固定されたものであってもよい。
【0086】
画像記録装置の筐体に支持された第1カッターは、上述の実施形態では固定されているが、カッター60のように円盤状で回転するものであってもよい。
【0087】
カッターは、金属材料からなることに限定されず、例えばプラスチック材料からなってもよい。
【0088】
保護部材は、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂材料からなることに限定されず、任意の材料(例えば、シリコンゴム、ウレタンゴム、テフロン(登録商標)等)からなってよい。保護部材がゴム材料からなる場合、保護部材の引張強度(引張力に対する強度)が高く、保護部材を筐体から取り外すときに保護部材が破損するのを防止できる。保護部材がテフロン(登録商標)からなる場合、保護部材とカッターとの摩擦係数が小さく、保護部材を筐体から取り外すときの引張荷重を低減できる。
【0089】
保護部材の厚みは、1mm以上であってもよい。
【0090】
保護部材に形成されるスリットは、上述の実施形態(図5参照)のような直線状に限定されない。例えば、スリットは、図5のスリット68sよりも幅が大きい溝状であってよく、さらに、溝の形状は、U字状(取外し方向に沿って幅が一定の形状)、V字状(取外し方向の下流側に向かって幅が漸進的に小さくなる形状)等であってよい。スリットの形状に応じて、長穴68tを省略してよい。
【0091】
保護部材は、装着位置から取り外し不能であってもよい。この場合、切断動作に伴って保護部材が破断されてもよい。
【0092】
記録媒体は、紙に限定されず、布やプラスチックフィルムであってもよい。即ち、記録媒体は、任意の材料で構成されてよい。また、記録媒体は、シート状に限定されない。
【0093】
記録部は、インク以外の液体(例えば、インク中の成分を凝集又は析出させる処理液等)を吐出してもよい。また、記録部は、液体吐出方式に限定されず、レーザー方式、熱転写方式等であってもよい。
【0094】
本発明は、プリンタに限定されず、ファクシミリ、コピー機、複合機等にも適用可能である。
【符号の説明】
【0095】
1 プリンタ(画像記録装置)
1a 筐体
3 搬送機構
5 ヘッド(記録部)
6 カッターユニット
60 カッター(第2カッター)
60a 基部(第2基部)
60b 刃部(第2刃部)
61 ホルダ
65 固定部材
68;268;368 フィルム(保護部材)
68a 第1部分
68b 第2部分
68c 屈曲部
68s スリット
68t 長穴
68z 把持部
69 ラベル
70 カッター(第1カッター)
70a 基部(第1基部)
70b 刃部(第1刃部)
8 キャリッジ
8g ガイド部
D1 第1方向
D2 第2方向
M 近接位置
P 用紙(記録媒体)
S 装着センサ
V1 第1空間
V2 第2空間
X 装着位置
θ 交角

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10