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特開2024-143719電話通信交換装置、電話通信交換方法、電話通信交換プログラム、および電話通信システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143719
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】電話通信交換装置、電話通信交換方法、電話通信交換プログラム、および電話通信システム
(51)【国際特許分類】
   H04M 3/58 20060101AFI20241003BHJP
   H04M 3/42 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
H04M3/58
H04M3/42 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023056525
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000204284
【氏名又は名称】太陽誘電株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池田 友浩
【テーマコード(参考)】
5K201
【Fターム(参考)】
5K201BC05
5K201BC08
5K201BC30
5K201CC04
5K201CC10
5K201EC06
(57)【要約】
【課題】呼出先ユーザが自身の管理する電話端末から離れた場所に位置する場合であっても、適切な着信処理を行う。
【解決手段】電話通信交換装置10は、受付部18Bと、判断部18Cと、着信制御部18Dと、を備える。受付部18Bは、呼出先ユーザの管理する電話端末の固有情報を含む呼出信号を呼出元の電話端末から受付ける。判断部18Cは、呼出信号を受付けたときに、該固有情報の割り当てられた呼出先ユーザの管理する電話端末である第1電話端末の位置と、呼出先ユーザの位置と、の距離が第1所定距離以下であるか否かを判断する。着信制御部18Dは、第1電話端末の位置と呼出先ユーザの位置との距離が第1所定距離を超える場合、呼出先ユーザの位置から第2所定距離以内に存在する他の電話端末である第2電話端末へ呼出元の電話端末から受付けた呼出信号を着信させる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼出先ユーザの管理する電話端末の固有情報を含む呼出信号を呼出元電話端末から受付ける受付部と、
前記呼出信号を受付けたときに、前記固有情報の割り当てられた前記呼出先ユーザの管理する電話端末である第1電話端末の位置と、前記呼出先ユーザの位置と、の距離が第1所定距離以下であるか否かを判断する判断部と、
前記第1電話端末の位置と前記呼出先ユーザの位置との距離が前記第1所定距離を超える場合、前記呼出先ユーザの位置から第2所定距離以内に存在する他の電話端末である第2電話端末へ前記呼出元電話端末から受付けた前記呼出信号を着信させる着信制御部と、
を備える電話通信交換装置。
【請求項2】
前記着信制御部は、
前記第2電話端末へ前記呼出信号を着信させる場合、
前記呼出先ユーザ宛ての呼出であることを表すメッセージを該第2電話端末へ通知する、
請求項1に記載の電話通信交換装置。
【請求項3】
前記着信制御部は、
前記第2電話端末へ前記呼出信号を着信させる場合、
前記呼出先ユーザが自身の管理する前記第1電話端末を所持していないことを表すメッセージを、前記呼出元電話端末へ通知する、
請求項2に記載の電話通信交換装置。
【請求項4】
前記着信制御部は、
前記第2電話端末へ前記呼出信号を着信させる場合、
前記呼出先ユーザの位置および前記呼出先ユーザの勤怠情報の少なくとも一方に応じて、
前記呼出先ユーザが前記第1電話端末を所持していないことを表す情報、前記呼出先ユーザが呼出禁止領域に存在することを表す情報、および、前記呼出先ユーザの休暇状況、の少なくとも1つを表すメッセージを、前記呼出元電話端末へ通知する、
請求項2に記載の電話通信交換装置。
【請求項5】
前記着信制御部は、
前記第1電話端末の位置と前記呼出先ユーザの位置との距離が前記第1所定距離を超える場合、前記呼出先ユーザの位置から前記第2所定距離以内に存在する前記第2電話端末の内、
前記第2電話端末の位置と前記第2電話端末を管理するユーザの位置との距離が前記第1所定距離以下の前記第2電話端末へ、前記呼出元電話端末からの前記呼出信号を着信させる、
請求項1に記載の電話通信交換装置。
【請求項6】
前記着信制御部は、
前記第1電話端末の位置と前記呼出先ユーザの位置とが前記第1所定距離を超え、前記呼出先ユーザの位置から前記第2所定距離以内に前記第2電話端末が存在しない場合、
通話可能な電話端末無を表すメッセージを前記呼出元電話端末へ通知し、前記呼出先ユーザの管理する前記第1電話端末の留守番電話サービスに前記呼出信号を着信させる、
請求項1に記載の電話通信交換装置。
【請求項7】
前記着信制御部は、
前記第1電話端末の位置と前記呼出先ユーザの位置との距離が前記第1所定距離を超える場合、
前記呼出先ユーザの位置から前記第2所定距離以内に存在し、且つ自身の管理する前記第2電話端末から前記第1所定距離以下の位置に存在するユーザに関する呼出可能候補一覧を前記呼出元電話端末へ通知し、
前記呼出可能候補一覧から選択されたユーザによって管理される前記第2電話端末へ、前記呼出信号を着信させる、
請求項1に記載の電話通信交換装置。
【請求項8】
呼出先ユーザの管理する電話端末の固有情報を含む呼出信号を呼出元電話端末から受付けるステップと、
前記呼出信号を受付けたときに、前記固有情報の割り当てられた前記呼出先ユーザの管理する電話端末である第1電話端末の位置と、前記呼出先ユーザの位置と、の距離が第1所定距離以下であるか否かを判断するステップと、
前記第1電話端末の位置と前記呼出先ユーザの位置との距離が前記第1所定距離を超える場合、前記呼出先ユーザの位置から第2所定距離以内に存在する他の電話端末である第2電話端末へ前記呼出元電話端末から受付けた前記呼出信号を着信させるステップと、
を含む電話通信交換方法。
【請求項9】
呼出先ユーザの管理する電話端末の固有情報を含む呼出信号を呼出元電話端末から受付けるステップと、
前記呼出信号を受付けたときに、前記固有情報の割り当てられた前記呼出先ユーザの管理する電話端末である第1電話端末の位置と、前記呼出先ユーザの位置と、の距離が第1所定距離以下であるか否かを判断するステップと、
前記第1電話端末の位置と前記呼出先ユーザの位置との距離が前記第1所定距離を超える場合、前記呼出先ユーザの位置から第2所定距離以内に存在する他の電話端末である第2電話端末へ前記呼出元電話端末から受付けた前記呼出信号を着信させるステップと、
コンピュータに実行させるための電話通信交換プログラム。
【請求項10】
電話端末と、前記電話端末と通信する電話通信交換装置と、を備える電話通信システムであって、
前記電話通信交換装置は、
呼出先ユーザの管理する前記電話端末の固有情報を含む呼出信号を呼出元の前記電話端末である呼出元電話端末から受付ける受付部と、
前記呼出信号を受付けたときに、前記固有情報の割り当てられた前記呼出先ユーザの管理する前記電話端末である第1電話端末の位置と、前記呼出先ユーザの位置と、の距離が第1所定距離以下であるか否かを判断する判断部と、
前記第1電話端末の位置と前記呼出先ユーザの位置との距離が前記第1所定距離を超える場合、前記呼出先ユーザの位置から第2所定距離以内に存在する他の前記電話端末である第2電話端末へ前記呼出元電話端末から受付けた前記呼出信号を着信させる着信制御部と、
を備える電話通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電話通信交換装置、電話通信交換方法、電話通信交換プログラム、および電話通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
企業や病院等の構内を利用するユーザの各々が電話端末を保持し、通話することが行われている。また、電話端末の紛失を通知するシステムや、複数の電話端末を同時に呼び出すシステムが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-72988号公報
【特許文献2】特開2014-68055号公報
【特許文献3】特開2008-294688号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来技術では、呼出先ユーザが自身の管理する電話端末から離れた場所に位置する場合、適切な着信処理を行うことは困難であった。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、呼出先ユーザが自身の管理する電話端末から離れた場所に位置する場合であっても、適切な着信処理を行うことができる、電話通信交換装置、電話通信交換方法、電話通信交換プログラム、および電話通信システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の電話通信交換装置は、受付部と、判断部と、着信制御部と、を備える。受付部は、呼出先ユーザの管理する電話端末の固有情報を含む呼出信号を呼出元電話端末から受付ける。判断部は、呼出信号を受付けたときに、前記固有情報の割り当てられた前記呼出先ユーザの管理する電話端末である第1電話端末の位置と、前記呼出先ユーザの位置と、の距離が第1所定距離以下であるか否かを判断する。着信制御部は、前記第1電話端末の位置と前記呼出先ユーザの位置との距離が前記第1所定距離を超える場合、前記呼出先ユーザの位置から第2所定距離以内に存在する他の電話端末である第2電話端末へ前記呼出元電話端末から受付けた前記呼出信号を着信させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、呼出先ユーザが自身の管理する電話端末から離れた場所に位置する場合であっても、適切な着信処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態の電話通信システムの一例を示す模式図である。
図2図2は、電話端末の一例の機能ブロック図である。
図3図3は、電話通信交換装置の一例の機能ブロック図である。
図4図4は、ユーザ管理DBのデータ構成の一例の模式図である。
図5図5は、エリア管理情報のデータ構成の一例の模式図である。
図6図6は、表示画面の一例の模式図である。
図7図7は、実施形態の電話通信交換装置が実行する情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図8図8は、表示画面の一例の模式図である。
図9図9は、表示画面の一例の模式図である。
図10図10は、表示画面の一例の模式図である。
図11図11は、表示画面の一例の模式図である。
図12図12は、表示画面の一例の模式図である。
図13図13は、実施形態の電話通信交換装置が実行する情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図14図14は、ハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、電話通信交換装置、電話通信交換方法、電話通信交換プログラム、および電話通信システムの一の実施形態を詳細に説明する。
【0010】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態の電話通信システム1の一例を示す模式図である。
【0011】
本実施形態の電話通信システム1は、会社や病院等の建物内、工場内、ビル内、などの特定の構内に存在する複数のユーザUに対して、音声通話サービスを提供する。
【0012】
電話通信システム1のサービス提供エリアには、複数のエリアEが設定されている。例えば、複数のエリアEのそれぞれは、予め管理者等により設定される。本実施形態では、複数のエリアEが、ユーザUが食事等を行う食堂E1、配電設備が設置されている配電所E2、会議の行われる会議室E3、等を含む形態を一例として説明する。なお、エリアEは、これらのエリアEに限定されない。
【0013】
電話通信システム1は、電話通信交換装置10と、電話端末20と、ルータ30と、受信装置32と、タグTと、を備える。電話通信交換装置10と、電話端末20と、ルータ30と、タグTとは、無線または有線によりネットワークN1等を介して通信可能に接続されている。ルータ30と受信装置32とは有線または無線により通信可能に接続されている。複数の電話端末20の各々と電話通信交換装置10とは、通話用ネットワークN2等を介して通信可能に接続されている。通話用ネットワークN2は、一部に電話通信回線等を含んでもよい。
【0014】
電話通信交換装置10は、複数の電話端末20の各々に対して音声通話サービスを提供する。
【0015】
電話端末20は、ユーザUによって携帯可能な携帯電話端末であり、無線通信機能および音声通話機能を有する。電話端末20は、例えば、スマートフォン、タブレット端末等の可搬型のコンピュータ、ウェアラブルデバイス、PHS(Personal Handy-phone System)等である。例えば、電話端末20が可搬型のコンピュータである場合、該電話端末20には音声通話用のアプリケーションプログラムが予めインストールされている。この場合、電話端末20は、このアプリケーションプログラムを起動することにより、無線通信機能および音声通話機能を有する。
【0016】
本実施形態では、電話通信システム1は複数の電話端末20を備える。複数の電話端末20は、それぞれ、電話通信システム1を利用する複数のユーザUによってそれぞれ管理される。すなわち、複数の電話端末20の各々ごとに、電話端末20を管理するユーザUが予め定められている。本実施形態では、ユーザA~ユーザEの複数のユーザUが電話通信システム1によって提供される音声通話サービスを利用する場面を想定して説明する。このため、本実施形態では、ユーザA~ユーザEの各々によって管理される複数の電話端末20(電話端末20A~電話端末20E)を想定して説明する。
【0017】
ルータ30は、複数のエリアEの各々に配置され、各エリアE内に存在する電話端末20と通信する。通信には、音声通信およびデータ通信が含まれる。ルータ30と電話端末20との通信方式は、例えば、例えばWi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等であるが、これらに限定されない。
【0018】
なお、本実施形態では、複数のエリアEの各々のサイズは、例えば、エリアEに設置されたルータ30とエリアE内の電話端末20とが通信可能なサイズに予め調整されている。具体的には、ルータ30と電話端末20との通信可能な最大距離がNmであった場合を想定する(Nは0より大きい数値)。この場合、複数のエリアEの各々の最大距離は、Nm以下となるように予め調整されている。エリアEの最大距離とは、エリアE内における最も離れた2点間の距離である。また、本実施形態では、複数のエリアE間の距離は、該Nmを超える距離である場合を想定して説明する。以下、このエリアEの最大距離を、最大距離Nと称して説明する場合がある。また、本実施形態では、複数のエリアEの各々の最大距離Nは、Nm離れた位置に載置された電話端末20に着信があった場合に、該電話端末20を管理するユーザUが所定時間以内に該電話端末20に応答可能な距離であるものとする。この所定時間は、例えば、30秒、等であるが、この時間に限定されない。なお、上述したように、本実施形態では、各エリアEはエリアE内の電話端末20と通信可能なサイズである形態を一例として説明する。しかし、エリアEのサイズはエリアE内の電話端末20と通信可能なサイズに限定されない。エリアEは、予め管理者等により設定された範囲の領域であればよく、エリアE内の電話端末20からの電波をルータ30で受信可能な範囲に限定されない。
【0019】
タグTは、所定距離の範囲に無線による信号を発信するビーコンである。タグTは、予め付与されたタグID(identification)を含む信号を発信する。IDは識別情報である。受信装置32は、タグTから発信された信号の強度、受信時刻、およびタグTのタグIDを含むタグ検出結果をルータ30へ順次送信する。ルータ30は、受信したタグ検出結果を電話通信交換装置10へ順次送信する。
【0020】
複数のエリアEの各々には、各エリアE内のタグTの位置を検出可能となるように1または複数の受信装置32が予め設置されている。受信装置32は、検出したタグTのタグIDおよびタグTの位置を含むタグ検出結果を電話通信交換装置10へ送信する。タグTの位置は、実空間における位置座標であってもよいし、受信装置32の管理するエリアEの識別情報であってもよい。本実施形態では、タグの位置は、実空間における位置座標である場合を一例として説明する。
【0021】
また、本実施形態では、電話通信システム1は、複数のタグTを備える。複数のタグTは、ユーザタグUTと、端末タグSTと、に分類される。
【0022】
ユーザタグUTは、電話通信システム1を利用する複数のユーザUの各々によって携帯されるタグTでありユーザUの各々の位置特定に用いられる。上述したように、本実施形態では、ユーザA~ユーザEの複数のユーザUが電話通信システム1によって提供される音声通話サービスを利用する場面を想定して説明する。このため、本実施形態では、ユーザA~ユーザEには、ユーザタグUTa~ユーザタグUTeがそれぞれ保持されているものとして説明する。ユーザタグUTa~ユーザタグUTeは、ユーザタグUTの一例であり、ユーザA~ユーザEの各々によって携帯されるタグTである。本実施形態の電話通信システム1は、ユーザタグUTa~ユーザタグUTeの各々の位置を特定することで、これらのユーザタグUTをそれぞれ保持するユーザA~ユーザEの各々の位置を特定可能に構成されている。
【0023】
端末タグSTは、電話通信システム1を利用する複数の電話端末20の各々に予め付与されたタグTであり、複数の電話端末20の各々の位置特定に用いられる。上述したように、本実施形態では、電話端末20A~電話端末20Eをそれぞれ管理するユーザA~ユーザEの複数のユーザUが電話通信システム1によって提供される音声通話サービスを利用する場面を想定して説明する。このため、本実施形態では、複数の電話端末20A~電話端末20Eの各々には、それぞれ、端末タグSTa~端末タグSTeが予め付与されているものとして説明する。端末タグSTa~端末タグSTeは、端末タグSTの一例であり、電話端末20A~電話端末20Eにそれぞれ付与されたタグTである。本実施形態の電話通信システム1では、端末タグSTa~端末タグSTeの各々の位置を特定することで、これらの端末タグSTがそれぞれ付与された電話端末20A~電話端末20Eの各々の位置を特定可能に構成されている。
【0024】
次に、電話端末20の機能的構成について説明する。
【0025】
図2は、電話端末20の一例の機能ブロック図である。電話端末20は、通信部22と、UI(ユーザ・インターフェース)部24と、記憶部26と、制御部28と、を備える。通信部22、UI部24、記憶部26、および制御部28は、バス29等を介して通信可能に接続されている。
【0026】
通信部22は、ネットワークN1または通話用ネットワークN2等を介して電話通信交換装置10と通信する。UI部14は、ユーザUによる操作指示を受付ける受付機能と、各種の情報を表示する表示機能と、を有する。受付機能は、例えば、ボタン等の入力デバイスである。表示機能は、例えば、有機ELディスプレイ、液晶ディスプレイなどの表示デバイスである。なお、UI部14を、受付機能および表示機能が一体的に構成されたタッチパネルとして構成してもよい。制御部28は、電話端末20において情報処理を実行する。
【0027】
次に、電話通信交換装置10の機能的構成について説明する。
【0028】
図3は、電話通信交換装置10の一例の機能ブロック図である。
【0029】
電話通信交換装置10は、通信部12と、UI部14と、記憶部16と、制御部18と、を備える。通信部12、UI部14、記憶部16、および制御部18は、バス17等を介して通信可能に接続されている。
【0030】
通信部12は、ネットワークN1または通話用ネットワークN2等を介して複数の電話端末20の各々と通信する。また、通信部12は、ネットワークN1等を介してルータ30と通信し、ルータ30からタグ検出結果を受信する。
【0031】
UI部14は、ユーザによる操作指示を受付ける受付機能と、各種の情報を表示する表示機能と、を有する。受付機能は、例えば、キーボード、マウス、トラックボール等のポインティングデバイス、あるいはキーボード等の入力デバイスである。表示機能は、例えば、有機ELディスプレイ、液晶ディスプレイなどの表示デバイスである。なお、UI部14を、受付機能および表示機能が一体的に構成されたタッチパネルとして構成してもよい。
【0032】
記憶部16は、各種の情報を記憶する。記憶部16は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等である。なお、記憶部16は、電話通信交換装置10の外部に設けられた記憶装置であってもよい。また、記憶部16は、記憶媒体であってもよい。具体的には、記憶媒体は、プログラムや各種情報を、LAN(Local Area Network)やインターネットなどを介してダウンロードして記憶または一時記憶したものであってもよい。また、記憶部16を、複数の記憶媒体から構成してもよい。
【0033】
本実施形態では、記憶部16は、ユーザ管理DB(データベース)16Aおよびエリア管理情報16Bを記憶する。
【0034】
図4は、ユーザ管理DB16Aのデータ構成の一例の模式図である。
【0035】
ユーザ管理DB16Aは、電話通信システム1を利用するユーザUに関する情報を管理するためのデータベースである。
【0036】
ユーザ管理DB16Aは、ユーザIDと、ユーザタグIDと、ユーザタグUTの位置と、電話端末IDと、端末タグIDと、端末タグSTの位置と、所属グループと、勤怠状況と、を対応付けたデータベースである。ユーザタグUTの位置は、ユーザタグUTの現在エリアおよびユーザタグUTの現在座標の少なくとも一方によって表される。端末タグSTの位置は、端末タグSTの現在エリアおよび端末タグSTの現在座標との少なくとも一方によって表される。ユーザ管理DB16Aのデータ形式は、データベースに限定されず、テーブル等であってもよい。
【0037】
ユーザIDは、電話通信システム1を利用するユーザUの識別情報である。図4には、ユーザA~ユーザEの各々の識別情報として、A~Eを一例として示す。ユーザタグIDは、対応するユーザIDによって識別されるユーザUに保持されたユーザタグUTのIDである。ユーザタグUTには、ユーザ管理DB16Aに登録されているユーザタグIDが予め記憶されているものとする。
【0038】
ユーザタグUTの位置は、ユーザタグUTの現在の位置を表す情報であり、例えば、ユーザタグUTの現在エリアおよびユーザタグUTの現在座標の少なくとも一方によって表される。ユーザタグUTの現在エリアは、ユーザタグUTが現在位置しているエリアEの名称である。ユーザタグUTの現在座標は、ユーザタグUTの現在位置している位置座標である。
【0039】
ユーザタグUTの現在エリアおよびユーザタグUTの現在座標は、制御部18による処理によって最新情報に逐次更新される。また、ユーザ管理DB16Aには、ユーザタグUTの位置として、ユーザタグUTの現在エリアおよびユーザタグUTの現在座標の何れか一方のみが登録された形態であってもよい。
【0040】
電話端末IDは、電話端末20の固有情報である。図4には、ユーザA~ユーザEの各々によって管理される電話端末20A~電話端末20Eの各々の電話番号が、電話端末20の固有情報として登録されている状態を一例として示す。すなわち、本実施形態では、電話端末20の固有情報が、電話端末20の電話番号である形態を一例として示す。
【0041】
なお、本実施形態では、電話端末20の固有情報が電話番号である形態を一例として説明するが、電話端末20の固有情報は、電話端末20の固有の識別情報であればよく、例えば、SID(Security Identifier)やIP(Internet Protocol)アドレス等であってもよい。
【0042】
端末タグIDは、電話端末20に付与された端末タグSTのIDである。端末タグSTには、ユーザ管理DB16Aに登録されている端末タグIDが予め記憶されているものとする。
【0043】
端末タグSTの位置は、端末タグSTの現在の位置を表す情報であり、例えば、端末タグSTの現在エリアおよび端末タグSTの現在座標の少なくとも一方によって表される。端末タグSTの現在エリアは、端末タグSTが現在位置しているエリアEの名称である。端末タグSTの現在座標は、端末タグSTの現在位置している位置座標である。
【0044】
端末タグSTの現在エリアおよび端末タグSTの現在座標は、制御部18による処理によって最新情報に逐次更新される。また、ユーザ管理DB16Aには、端末タグSTの位置として、端末タグSTの現在エリアおよび端末タグSTの現在座標の何れか一方のみが登録された形態であってもよい。
【0045】
所属グループは、対応するユーザIDによって識別されるユーザUの所属するグループである。例えば、電話通信システム1を利用する複数のユーザUは、予め定められた規則に沿って複数のグループに分類されている。同じグループに属する複数のユーザUは、例えば、業務や作業内容等が関連し、電話連絡があった場合に互いに代理で対応可能である。グループは、例えば、ユーザの所属する所属部署などである。
【0046】
勤怠状況は、対応するユーザIDによって識別されるユーザUの勤怠状況を表す情報である。勤怠状況は、例えば、出勤、休暇、等を表す情報である。勤怠状況は、別途管理されているユーザUの勤務状況管理サーバ等で管理されている情報を元に、制御部18によって最新の情報に逐次更新される。
【0047】
図5は、エリア管理情報16Bのデータ構成の一例の模式図である。エリア管理情報16Bは、電話通信システム1によって管理される複数のエリアEの各々の管理情報である。
【0048】
エリア管理情報16Bは、エリア名と、位置範囲情報と、着信禁止領域フラグと、を対応付けたデータベースである。エリア管理情報16Bのデータ形式は、テーブル等であってもよく、データベースに限定されない。
【0049】
エリア名は、電話通信システム1によって管理されるエリアEの識別情報である。本実施形態では、エリア管理情報16Bには、食堂E1、配電所E2、会議室E3、の各々のエリア名と、洗面所を表すエリア名と、が登録されている形態を一例として説明する。位置範囲情報は、対応するエリア名によって表されるエリアEの全領域の位置座標の群である。このため、タグTから受信したタグ検出結果に含まれるタグTの位置座標を含む位置範囲情報に対応するエリア名のエリアEに、該タグTは位置されていると判別可能となる。着信禁止領域フラグとは、対応するエリア名によって識別されるエリアEが着信禁止領域であるか否かを表すフラグである。図5には、着信禁止領域である場合には「禁止」を表す情報が対応付けられている形態を一例として示す。
【0050】
図3に戻り説明を続ける。
【0051】
制御部18は、電話通信交換装置10において情報処理を実行する。制御部18は、更新部18Aと、受付部18Bと、判断部18Cと、着信制御部18Dと、を含む。
【0052】
更新部18A、受付部18B、判断部18C、および着信制御部18Dは、例えば、1または複数のプロセッサにより実現される。例えば、これらの各部は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサにプログラムを実行させること、すなわちソフトウェアにより実現してもよい。上記各部は、専用のIC(Integrated Circuit)などのプロセッサ、すなわちハードウェアにより実現してもよい。上記各部は、ソフトウェアおよびハードウェアを併用して実現してもよい。複数のプロセッサを用いる場合、各プロセッサは、各部のうち1つを実現してもよいし、各部のうち2以上を実現してもよい。
【0053】
更新部18Aは、タグTの各々から受信装置32を介して受信したタグ検出結果に基づいて計算を行い、ユーザ管理DB16Aを更新する。
【0054】
詳細には、ユーザUに保有されたユーザタグUT、および電話端末20の各々に付与された端末タグSTであるタグTは、所定時間(例えば数秒)ごとに、タグIDを含む信号を発信する。各エリアEに設置された受信装置32は、タグTから発信された信号の強度、受信時刻、およびタグTのタグIDを含むタグ検出結果をルータ30へ順次送信する。ルータ30は、受信したタグ検出結果を電話通信交換装置10へ順次送信する。
【0055】
電話通信交換装置10の更新部18Aは、通信部12を介して受信装置32からタグ検出結果を受付けるごとに、タグ検出結果に含まれる信号の強度である電波強度と、信号の受信時刻と、を用いて、タグTの位置を計算する。詳細には、更新部18Aは、タグ検出結果に含まれる信号の強度である電波強度と、信号の受信時刻と、を用いて、タグTの位置座標を現在座標として計算する。信号の強度を用いたタグTの位置座標の計算には、ビーコンを用いた公知の位置測位技術を用いればよい。また、更新部18Aは、計算したタグTの現在座標とエリア管理情報16Bとを用いて、タグTの現在エリアを計算する。これらの処理により、更新部18Aは、タグTの位置を計算する。そして、更新部18Aは、タグ検出結果に含まれるタグIDであるユーザタグIDまたは端末タグIDに対応付けて、計算したタグTの位置をユーザ管理DB16Aに登録する。
【0056】
詳細には、更新部18Aは、ユーザタグUTのタグ検出結果を受付けた場合には、該タグ検出結果に含まれるユーザタグIDに対応付けて、該タグ検出結果を用いて計算したタグTの位置座標をユーザタグUTの現在座標としてユーザ管理DB16Aに登録する。また、更新部18Aは、該タグ検出結果を用いて計算したタグTの位置座標を位置範囲情報として含むエリア名をエリア管理情報16Bから特定し、特定したエリア名をユーザタグUTの現在エリアとしてユーザ管理DB16Aに登録する。
【0057】
また、更新部18Aは、端末タグSTのタグ検出結果を受付けた場合には、該タグ検出結果に含まれる端末タグIDに対応付けて、該タグ検出結果を用いて計算したタグTの位置座標を端末タグSTの現在座標としてユーザ管理DB16Aに登録する。また、更新部18Aは、該タグ検出結果を用いて計算したタグTの位置座標を位置範囲情報として含むエリア名をエリア管理情報16Bから特定し、特定したエリア名を端末タグSTの現在エリアとしてユーザ管理DB16Aに登録する。
【0058】
これらの処理により、更新部18Aは、端末タグSTの位置によって表される、端末タグSTを付与された電話端末20の位置である現在座標および現在エリアと、ユーザタグUTの位置によって表される、ユーザタグUTを保持したユーザUの位置である現在座標および現在エリアと、の最新情報を逐次ユーザ管理DB16Aに登録する。このため、これらの情報は、最新情報となるように逐次更新される。
【0059】
受付部18Bは、呼出先ユーザの管理する電話端末20の電話番号を含む呼出信号を呼出元の電話端末20から受付ける。呼出先ユーザとは、呼出元のユーザUである呼出元ユーザが通話のための呼出を希望する相手となるユーザUである。例えば、電話通信システム1を利用する何れかの電話端末20のユーザUが、自身の管理する電話端末20を用いて、呼出を希望する他のユーザUの管理する電話端末20の電話番号を入力または選択した場面を想定する。この場合、呼出元ユーザの電話端末20から、呼出先ユーザの管理する電話端末20の電話番号を含む呼出信号が発信される。この場合、受付部18Bは、通話用ネットワークN2を介して該呼出元の電話端末20から呼出信号を受付ける。
【0060】
判断部18Cは、呼出信号を受付けたときに、呼出信号に含まれる電話番号の割り当てられた呼出先ユーザの管理する電話端末20の位置と、呼出先ユーザの位置と、の距離が第1所定距離以下であるか否かを判断する。呼出先ユーザの管理する電話端末20は、第1電話端末に相当する。
【0061】
判断部18Cは、呼出信号に含まれる電話番号に対応する端末タグSTの位置およびエリアEを、ユーザ管理DB16Aから特定する。判断部18Cは、ユーザ管理DB16Aにおける、呼出信号に含まれる電話番号に対応する端末タグSTの現在座標および端末タグSTの現在エリアを特定することで、呼出信号に含まれる電話番号に対応する端末タグSTの位置を特定する。すなわち、この特定処理により、判断部18Cは、呼出先ユーザの管理する電話端末20の位置を特定する。
【0062】
上述したように、ユーザ管理DB16Aにおける端末タグSTの現在エリアおよび端末タグSTの現在座標は、更新部18Aによって逐次最新の情報に更新されている。このため、判断部18Cは、ユーザ管理DB16Aを用いることによって、呼出先ユーザの管理する電話端末20の位置を特定することができる。
【0063】
また、判断部18Cは、呼出信号に含まれる電話番号に対応するユーザタグUTの位置およびエリアEをユーザ管理DB16Aから特定する。判断部18Cは、ユーザ管理DB16Aにおける、呼出信号に含まれる電話番号に対応するユーザタグUTの現在座標およびユーザタグUTの現在エリアを特定することで、呼出信号に含まれる電話番号に対応するユーザタグUTの位置を特定する。すなわち、この特定処理により、判断部18Cは、ユーザタグUTを保持する呼出先ユーザの位置を特定する。
【0064】
上述したように、ユーザ管理DB16AにおけるユーザタグUTの現在エリアおよびユーザタグUTの現在座標は、更新部18Aによって逐次最新の情報に更新されている。このため、判断部18Cは、ユーザ管理DB16Aを用いることによって、呼出先ユーザの位置を特定することができる。
【0065】
判断部18Cは、呼出先ユーザの管理する電話端末20の位置と、呼出先ユーザの位置と、の距離が第1所定距離以下であるか否かを判断する。
【0066】
第1所定距離は、電話端末20を管理するユーザUが所定時間以内に該電話端末20に応答可能な距離であればよい。この所定時間は、例えば、30秒などであるが、この時間に限定されない。判断部18Cは、特定したユーザタグUTの位置に含まれるユーザタグUTの現在座標と、特定した端末タグSTの位置に含まれる端末タグSTの現在座標と、の距離が第1所定距離以下であるか否かを判断すればよい。
【0067】
なお、本実施形態では、第1所定距離は、電話通信システム1の管理する複数のエリアEの各々の最大距離Nである場合を一例として説明する。このため、電話端末20とユーザUとが同じエリアEに位置されている場合、該電話端末20の位置と該ユーザUの位置とは、第1所定距離以下の位置に配置されていることを意味する。このため、本実施形態では、ユーザタグUTの現在エリアと端末タグSTの現在エリアとが一致するか否かを判別することで、ユーザタグUTを保持したユーザUの位置と、端末タグSTを付与された電話端末20の位置と、の距離が第1所定距離以下であるか否かを判断する。
【0068】
呼出先ユーザの管理する電話端末20の位置と呼出先ユーザの位置との距離が第1所定距離以下、すなわち呼出先ユーザの電話端末20と呼出先ユーザとが同じエリアE内に位置していた場合を想定する。
【0069】
この場合、着信制御部18Dは、呼出先ユーザの管理する電話端末20に呼出信号を着信させる。すなわち、着信制御部18Dは、呼出先ユーザと該呼出先ユーザの管理する電話端末20とが第1所定距離以下に位置されている場合、該電話端末20に呼出信号を着信させる。本実施形態では、着信制御部18Dは、呼出先ユーザと該呼出先ユーザの管理する電話端末20とが同じエリアE内に位置されている場合、該電話端末20に呼出信号を着信させる。
【0070】
一方、呼出先ユーザの管理する電話端末20の位置と呼出先ユーザの位置との距離が第1所定距離を超える、すなわち呼出先ユーザの電話端末20と呼出先ユーザとが異なるエリアEに位置していた場合を想定する。
【0071】
この場合、着信制御部18Dは、呼出先ユーザの位置から第2所定距離以内に存在する他の電話端末20である第2電話端末へ、呼出元の電話端末20から受付けた呼出信号を着信させる。
【0072】
第2所定距離は、電話端末20を管理するユーザUが所定時間以内に他の電話端末20に応答可能な距離であればよい。この所定時間は、例えば、30秒などであるが、この時間に限定されない。第2所定距離は、上記第1距離と同じ距離であってもよく、異なる距離であってもよい。異なる距離である場合、第1距離は、第2距離より長い距離であることが好ましい。本実施形態では、第1所定距離と第2所定距離とが同じ距離である場合を想定して説明する。
【0073】
着信制御部18Dは、呼出信号に含まれる電話番号に対応するユーザタグUTの位置をユーザ管理DB16Aから特定する。着信制御部18Dは、ユーザ管理DB16Aにおける、呼出信号に含まれる電話番号に対応するユーザタグUTの現在座標およびユーザタグUTの現在エリアを特定することで、呼出信号に含まれる電話番号に対応するユーザタグUTの位置を特定する。なお、着信制御部18Dは、判断部18Cが判断に用いる際に特定した呼出先ユーザの現在座標および現在エリアを該判断部18Cから取得してもよい。
【0074】
そして、着信制御部18Dは、呼出先ユーザの位置から第2所定距離以内に存在する電話端末20をユーザ管理DB16Aから特定する。詳細には、着信制御部18Dは、ユーザ管理DB16Aに登録されている複数の端末タグSTの各々の位置を読取り、特定した呼出先ユーザの位置から第2所定距離以下に位置している端末タグSTの端末タグIDに対応する電話番号(電話端末ID)によって識別される電話端末20を特定する。
【0075】
そして、着信制御部18Dは、呼出先ユーザの位置から第2所定距離以内に存在する他の電話端末20である第2電話端末へ、呼出元の電話端末20から受付けた呼出信号を着信させる。
【0076】
本実施形態では、第2所定距離は、第1所定距離と同じ距離である場合を一例として説明する。このため、本実施形態では、着信制御部18Dは、呼出先ユーザと同じエリアEに位置する電話端末20をユーザ管理DB16Aから特定する。詳細には、着信制御部18Dは、ユーザ管理DB16Aに登録されている複数の端末タグSTの各々の現在エリアを検索し、特定した呼出先ユーザと同じエリアEに位置している端末タグSTの端末タグIDに対応する電話番号(電話端末ID)によって識別される電話端末20を特定する。
【0077】
そして、着信制御部18Dは、呼出先ユーザと同じエリアEに位置している、他のユーザUによって管理される他の電話端末20である第2電話端末へ、呼出元の電話端末20から受付けた呼出信号を着信させる。
【0078】
また、着信制御部18Dは、他のユーザUによって管理される他の電話端末20である第2電話端末へ呼出信号を着信させる場合、呼出先ユーザ宛ての呼出であることを表すメッセージを該第2電話端末へ通知してもよい。
【0079】
図6は、他のユーザUによって管理される他の電話端末20のUI部24に表示された表示画面25Aの一例の模式図である。表示画面25Aは、UI部24に表示される表示画面25の一例である。
【0080】
例えば、呼出先ユーザであるユーザA宛ての呼出信号を、該ユーザAと同じエリアEに存在する他のユーザDによって管理される電話端末20Dへ着信させた場面を想定する。この場合、該電話端末20Dの表示画面25Aには、ユーザA宛ての呼出であることを表すメッセージが表示される。例えば、該電話端末20Dを管理するユーザDは、表示画面25Aを視認し、表示されたメッセージに同意して電話応答する場合には了解ボタンを操作することで、該着信信号に電話応答することが可能となる。また、例えば、該電話端末20Dを管理するユーザDは、表示画面25Aを視認し、表示されたメッセージに同意せず電話応答を拒否する場合には拒否ボタンを操作することで、該着信信号に対する電話応答を拒否することが可能となる。
【0081】
図3に戻り説明を続ける。着信制御部18Dは、呼出先ユーザの管理する電話端末20の位置と、呼出先ユーザの位置と、の距離が第1所定距離以上、すなわち異なるエリアEに位置していた場合、呼出先ユーザと同じエリアEに存在する他の電話端末20である第2電話端末の内、第2電話端末の位置と第2電話端末を管理するユーザUの位置との距離が第1所定距離以下の第2電話端末へ、呼出信号を優先的に着信させることが好ましい。
【0082】
詳細には、着信制御部18Dは、呼出先ユーザと同じエリアEに存在する他の電話端末20を、ユーザ管理DB16Aを用いて特定する。そして、着信制御部18Dは、特定した他の電話端末20の内、該電話端末20の位置と、該電話端末20を管理するユーザUの位置と、の距離が第1所定距離以下の電話端末20を、上記と同様にしてユーザ管理DB16Aを用いて特定する。そして、着信制御部18Dは、呼出先ユーザと同じエリアEに存在する他の電話端末20の内、該電話端末20を管理するユーザUが第1所定距離以下の位置に位置されている電話端末20に、呼出信号を着信させる。
【0083】
また、着信制御部18Dは、呼出先ユーザと同じエリアEに存在する他の電話端末20の位置と、該電話端末20を管理するユーザUの位置と、の距離が第1所定距離を超える場合には、該電話端末20に呼出信号を着信させてもよい。すなわち、着信制御部18Dは、呼出先ユーザと同じエリアEに存在する他の電話端末20を管理するユーザUが該電話端末20の近くに存在しない場合であっても、呼出先ユーザと同じエリアEにある該電話端末20へ呼出信号を着信させてもよい。
【0084】
一方、呼出先ユーザの管理する電話端末20の位置と呼出先ユーザの位置との距離が第1所定距離以上、すなわち呼出先ユーザの電話端末20と呼出先ユーザとが異なるエリアE内に位置していた場合を想定する。また、呼出先ユーザの位置から第2所定距離以内に他の電話端末20が存在しない場合を想定する。
【0085】
この場合、着信制御部18Dは、通話可能な電話端末無を表すメッセージを呼出元の電話端末20へ通知し、呼出先ユーザの管理する電話端末20の留守番電話サービスに呼出信号を着信させればよい。
【0086】
次に、本実施形態の電話通信交換装置10が実行する情報処理の流れの一例を説明する。なお、更新部18Aは、上記更新処理を逐次行っているものとする。
【0087】
図7は、本実施形態の電話通信交換装置10が実行する情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0088】
受付部18Bは、呼出信号を呼出元の電話端末20から受付ける(ステップS100)。
【0089】
判断部18Cは、ステップS100で受付けた呼出信号に含まれる電話番号の割り当てられた呼出先ユーザの管理する電話端末20の位置と、呼出先ユーザの位置と、をユーザ管理DB16Aから取得する(ステップS102)。
【0090】
判断部18Cは、ステップS102で取得した呼出先ユーザの管理する電話端末20の位置と呼出先ユーザの位置とが第1所定距離以下であるか否かを判断する(ステップS104)。本実施形態では、判断部18Cは、呼出先ユーザの管理する電話端末20と呼出先ユーザとが同じエリアE内に位置しているか否かを判別することで、ステップS104の判断を行う。
【0091】
ステップS104で肯定判断すると(ステップS104:Yes)、ステップS106へ進む。ステップS106では、着信制御部18Dは、ステップS100で受付けた呼出信号に含まれる電話番号の割り当てられた、呼出先ユーザの管理する電話端末20に、呼出信号を着信させる(ステップS106)。そして、本ルーチンを終了する。
【0092】
ステップS104で否定判断すると(ステップS104:No)、ステップS108へ進む。ステップS108では、着信制御部18Dは、ステップS102で取得した呼出先ユーザの位置から第2所定距離以内に他の電話端末20が存在するか否かを判断する(ステップS108)。本実施形態では、着信制御部18Dは、呼出先ユーザと同じエリアEに他の電話端末20が存在するか否かを判別することによってステップS108の判断を行う。
【0093】
ステップS108で肯定判断すると(ステップS108:Yes)、ステップS110へ進む。ステップS110では、着信制御部18Dは、呼出先ユーザと同じエリアEに存在する他の電話端末20から第1所定距離以内に該電話端末20を管理するユーザUが存在するか否かを判断する(ステップS110)。
【0094】
ステップS110で肯定判断すると(ステップS110:Yes)、ステップS112へ進む。ステップS112では、着信制御部18Dは、呼出先ユーザと同じエリアEに存在する他の電話端末20であって、該電話端末20から第1所定距離以内に該電話端末20を管理するユーザUが存在する電話端末20へ、ステップS100で受付けた呼出信号を着信させる(ステップS112)。そして、本ルーチンを終了する。
【0095】
ステップS110で否定判断すると(ステップS110:No)、ステップS114へ進む。ステップS114では、着信制御部18Dは、呼出先ユーザと同じエリアEに存在する他の電話端末20であって、該電話端末20から第1所定距離以内に該電話端末20を管理するユーザUが存在しない電話端末20へ、ステップS100で受付けた呼出信号を着信させる(ステップS114)。そして、本ルーチンを終了する。
【0096】
一方、ステップS108で否定判断すると(ステップS108:No)、ステップS116へ進む。ステップS116では、着信制御部18Dは、通話可能な電話端末無を表すメッセージを呼出元の電話端末20へ通知し(ステップS116)、呼出先ユーザの管理する電話端末20の留守番電話サービスに呼出信号を着信させる(ステップS118)。そして、本ルーチンを終了する。
【0097】
次に、本実施形態の電話通信交換装置10が上記情報処理を実行することによる具体例を説明する。
【0098】
例えば、図1に示すように、各エリアEに、図1に示す配置でユーザUおよび電話端末20が位置されていた場面を想定する。詳細には、食堂E1には、ユーザA、ユーザD、ユーザDの管理する電話端末20D、ユーザCの管理する電話端末20Cが位置されている。また、配電所E2には、ユーザBの管理する電話端末20Bが位置されている。また、会議室E3には、ユーザBと、ユーザAによって管理される電話端末20Aと、ユーザEと、が位置されている。ユーザCは、エリアEの外に位置しており、ユーザEによって管理される電話端末20EもエリアEの外に位置している。
【0099】
このような配置にある場面において、電話通信交換装置10の受付部18Bが、呼出元の電話端末20からユーザAによって管理される電話端末20Aの電話番号を含む呼出信号を受付けた場面を想定する。
【0100】
この場合、ユーザAは食堂E1に位置し、ユーザAによって管理される電話端末20Aは会議室E3に位置し、互いに異なるエリアEすなわち第1距離以上離れた位置に存在する。また、ユーザAの存在する食堂E1には、ユーザDおよびユーザDによって管理される電話端末20D、並びに電話端末20Cが位置している。
【0101】
この場合、判断部18Cおよび着信制御部18Dは、上記処理を行うことで、ユーザA宛ての呼出信号を、ユーザAと同じエリアEである食堂E1に存在する電話端末20Dまたは電話端末20Cに着信させる。また、この場合、電話端末20Dと電話端末20Dを管理するユーザDとは同じエリアEに存在し、電話端末20Cと電話端末20Cを管理するユーザCとは異なるエリアEに存在する。このため、着信制御部18Dは、ユーザA宛ての呼出信号を、ユーザAと同じエリアEである食堂E1にユーザDおよび電話端末20Dの双方の存在する該電話端末20Dに優先的に着信させる。
【0102】
このように、この場合、ユーザA宛ての呼出信号が、ユーザAと同じエリアEに存在する他のユーザUであるユーザDによって管理される電話端末20Dに着信される。このため、電話端末20Dへの着信に対してユーザDが応答し、ユーザDが電話端末20Dを同じエリアEにいるユーザAへ渡すことで、ユーザAが容易にユーザA宛ての呼出信号に対して電話応答することが可能となる。このため、呼出元の電話端末20を操作する呼出元ユーザと呼出先ユーザであるユーザAとの通話機会の損失を抑制することができる。また、呼出元の電話端末20を操作する呼出元ユーザは、通話を所望する相手であるユーザAに対する伝言等をいつユーザAが確認可能か不明な状態が抑制され、ユーザAへの取次機会の向上を図ることができる。
【0103】
また、ユーザA宛ての呼出信号が、ユーザAと同じエリアEに存在する他のユーザUであるユーザDによって管理される電話端末20Dに着信されるため、ユーザAへの電話取次作業の軽減を図ることができ、作業中断およびストレスの軽減を図ることができる。また、ユーザAは、自身の管理する電話端末20Aを他のエリアEに置き忘れていることを容易に認識することが可能となる。
【0104】
また、ユーザA宛ての呼出信号が、ユーザAと同じエリアEに存在する他のユーザUであるユーザDによって管理される電話端末20Dに着信されるため、ユーザAが自身の管理する電話端末20Aの置忘れに気が付いたが電話端末20AのあるエリアEへの移動が困難である場合であっても、ユーザAの不安軽減を図ることができる。
【0105】
また、ユーザAとは異なるエリアEに位置されている、ユーザAによって管理される電話端末20Aへの着信が抑制されるため、他のエリアEに存在する電話端末20Aの呼出音や呼出振動が継続されることによる騒音の軽減を図ることができる。
【0106】
次に、電話通信交換装置10の受付部18Bが、呼出元の電話端末20からユーザBによって管理される電話端末20Bの電話番号を含む呼出信号を受付けた場面を想定する。
【0107】
この場合、ユーザBは会議室E3に位置し、ユーザBによって管理される電話端末20Bは配電所E2に位置し、互いに異なるエリアEすなわち第1距離以上離れた位置に存在する。また、ユーザBの存在する会議室E3には、ユーザEおよびユーザAによって管理される電話端末20Aが位置している。
【0108】
この場合、判断部18Cおよび着信制御部18Dは、上記処理を行うことで、ユーザB宛ての呼出信号を、ユーザBと同じエリアEである会議室E3に存在する電話端末20Aに着信させる。また、上述したように、電話端末20Aには、ユーザB宛ての呼出信号であることを表すメッセージが表示される。このため、ユーザBが、電話端末20Aに対して応答することで、呼出信号に対して電話応答することが可能となる。
【0109】
このため、ユーザA宛ての呼出信号を受付けた場合と同様に、呼出元の電話端末20を操作する呼出元ユーザと、呼出先ユーザであるユーザBとの通話機会の損失を抑制することができる。また、呼出元の電話端末20を操作する呼出元ユーザは、通話を希望する相手であるユーザBに対する伝言等をいつ確認可能か不明な状態が抑制され、ユーザBへの取次機会の低下が抑制される。また、ユーザBへの電話取次作業の軽減を図ることができ、作業中断およびストレスの軽減を図ることができる。また、ユーザBは、自身の管理する電話端末20Bを他のエリアEに置き忘れていることを容易に認識することが可能となる。また、他のエリアEに存在する電話端末20Bの呼出音や呼出振動が継続されることによる騒音の軽減を図ることができる。
【0110】
次に、電話通信交換装置10の受付部18Bが、呼出元の電話端末20からユーザCによって管理される電話端末20Cの電話番号を含む呼出信号を受付けた場面を想定する。
【0111】
この場合、ユーザCはエリアE外に位置し、ユーザCによって管理される電話端末20Cは食堂E1に位置し、互いに異なるエリアEすなわち第1距離以上離れた位置に存在する。また、ユーザCから第2距離以内に電話端末20が存在しない。
【0112】
このため、この場合、判断部18Cおよび着信制御部18Dは、上記処理を行うことで、通話可能な電話端末無を表すメッセージを呼出元の電話端末20へ通知する。また、着信制御部18Dは、上記処理を行うことで、ユーザCの管理する電話端末20Cの留守番電話サービスに呼出信号を着信させる。
【0113】
このため、ユーザCへの電話取次作業の軽減を図ることができ、作業中断およびストレスの軽減を図ることができる。
【0114】
次に、電話通信交換装置10の受付部18Bが、呼出元の電話端末20からユーザDによって管理される電話端末20Dの電話番号を含む呼出信号を受付けた場面を想定する。
【0115】
この場合、ユーザDは食堂E1に位置し、ユーザDによって管理される電話端末20Dも食堂E1に位置し、同じエリアEすなわち第1所定距離以下の位置に存在する。
【0116】
この場合、判断部18Cおよび着信制御部18Dは、上記処理を行うことで、ユーザD宛ての呼出信号を、ユーザDの管理する電話端末20Dに着信させる。このため、ユーザDは、電話端末20Dに対して応答することで、呼出信号に対して電話応答することが可能となる。
【0117】
次に、電話通信交換装置10の受付部18Bが、呼出元の電話端末20からユーザEによって管理される電話端末20Eの電話番号を含む呼出信号を受付けた場面を想定する。
【0118】
この場合、ユーザEは会議室E3に位置し、ユーザEによって管理される電話端末20EはエリアE外に位置し、互いに異なるエリアEすなわち第1距離以上離れた位置に存在する。また、ユーザEの存在する会議室E3には、ユーザBおよびユーザAによって管理される電話端末20Aが位置している。
【0119】
この場合、判断部18Cおよび着信制御部18Dは、上記処理を行うことで、ユーザE宛ての呼出信号を、ユーザEと同じエリアEである会議室E3に存在する電話端末20Aに着信させる。また、上述したように、電話端末20Aには、ユーザE宛ての呼出信号であることを表すメッセージが表示される。このため、ユーザEは、電話端末20Aに対して応答することで、呼出信号に対して電話応答することが可能となる。
【0120】
また、ユーザA宛ての呼出信号を受付けた場合と同様に、呼出元の電話端末20を操作する呼出元ユーザと、呼出先ユーザであるユーザEとの通話機会の損失を抑制することができる。また、呼出元の電話端末20を操作する呼出元ユーザは、通話を所望する相手であるユーザEに対する伝言等をいつ確認可能か不明な状態が抑制され、ユーザEへの取次機会の低下が抑制される。また、ユーザEへの電話取次作業の軽減を図ることができ、作業中断およびストレスの軽減を図ることができる。また、ユーザEは、自身の管理する電話端末20Eを他のエリアEに置き忘れていることを容易に認識することが可能となる。また、他のエリアEに存在する電話端末20Eの呼出音や呼出振動が継続されることによる騒音の軽減を図ることができる。
【0121】
以上説明したように、本実施形態の電話通信交換装置10は、受付部18Bと、判断部18Cと、着信制御部18Dと、を備える。受付部18Bは、呼出先ユーザの管理する電話端末20の電話番号を含む呼出信号を呼出元の電話端末20から受付ける。判断部18Cは、呼出信号を受付けたときに、該電話番号の割り当てられた呼出先ユーザの管理する電話端末20である第1電話端末の位置と、呼出先ユーザの位置と、の距離が第1所定距離以下であるか否かを判断する。着信制御部18Dは、第1電話端末(呼出先ユーザの管理する電話端末20)の位置と呼出先ユーザの位置との距離が第1所定距離を超える場合、呼出先ユーザの位置から第2所定距離以内に存在する他の電話端末20である第2電話端末へ呼出元の電話端末20から受付けた呼出信号を着信させる。
【0122】
ここで、従来、企業や病院等の構内を利用するユーザの各々が電話端末を保持し、通話することが行われている。また、電話端末の紛失を通知するシステムや、複数の電話端末20を同時に呼び出すシステムが知られている。
【0123】
しかし、ユーザUが電話端末20を置き忘れて移動してしまう場合がある。このため、呼出先ユーザが電話端末20を座席等に置いたまま移動した場合、呼出元ユーザと呼出先ユーザとの通話が困難となる場合がある。また、座席などに置かれたままの電話端末20に呼出信号が着信されると、該電話端末20を管理するユーザUまたは他のユーザUが該電話端末に応答するまで、呼出音または呼出振動が継続されてしまう場合があり、迷惑となる場合がある。また、呼出元ユーザ側では、呼出先ユーザの状態が分からず用件を伝えることが困難となる場合がある。従来では、このような呼出先ユーザが自身の管理する電話端末20から離れた場所に位置する状況では、呼出信号の着信した電話端末20の周囲のユーザUが応答し、呼出元ユーザと交渉し取次対応を行う等の作業が必要であった。
【0124】
すなわち、従来技術では、呼出先ユーザが自身の管理する電話端末20から離れた場所に位置する場合、適切な着信処理を行うことは困難であった。
【0125】
一方、本実施形態の電話通信交換装置10では、判断部18Cは、呼出信号を受付けたときに、該電話番号の割り当てられた呼出先ユーザの管理する電話端末20である第1電話端末の位置と、呼出先ユーザの位置と、の距離が第1所定距離以下であるか否かを判断する。着信制御部18Dは、第1電話端末である呼出先ユーザの管理する電話端末20の位置と呼出先ユーザの位置との距離が第1所定距離を超える場合、呼出先ユーザの位置から第2所定距離以内に存在する他の電話端末20である第2電話端末へ呼出元の電話端末20から受付けた呼出信号を着信させる。
【0126】
このため、本実施形態の電話通信交換装置10は、呼出先ユーザを呼び出すために最適な電話端末20へ該呼出先ユーザ宛ての呼出信号を着信させることができる。
【0127】
従って、本実施形態の電話通信交換装置10は、呼出先ユーザが自身の管理する電話端末20から離れた場所に位置する場合であっても、適切な着信処理を行うことができる。
【0128】
(第2の実施形態)
本実施形態では、呼出元の電話端末20に呼出可能候補一覧を通知し、該一覧から選択された電話端末20へ呼出信号を着信させる形態を説明する。
【0129】
なお、本実施形態では、上記実施形態と同様に、ユーザタグUTの現在位置しているエリアEと端末タグSTの現在位置しているエリアEとが一致するか否かを判別することで、ユーザタグUTを保持したユーザUの位置と、端末タグSTを付与された電話端末20の位置と、の距離が第1所定距離以下であるか否かを判断する形態を説明する。
【0130】
図1は、本実施形態の電話通信システム1Bの一例を示す模式図である。
【0131】
電話通信システム1Bは、電話通信交換装置10に替えて電話通信交換装置11を備える点以外は、上記実施形態の電話通信システム1と同様である。
【0132】
図3は、電話通信交換装置11の一例の機能ブロック図である。
【0133】
電話通信交換装置11は、制御部18に替えて制御部19を備える点以外は、上記実施形態の電話通信交換装置10と同様である。
【0134】
制御部19は、電話通信交換装置11において情報処理を実行する。制御部19は、更新部18Aと、受付部19Bと、判断部19Cと、着信制御部19Dと、を含む。
【0135】
更新部18A、受付部19B、判断部19C、および着信制御部19Dは、例えば、1または複数のプロセッサにより実現される。例えば、これらの各部は、CPUなどのプロセッサにプログラムを実行させること、すなわちソフトウェアにより実現してもよい。上記各部は、専用のICなどのプロセッサ、すなわちハードウェアにより実現してもよい。上記各部は、ソフトウェアおよびハードウェアを併用して実現してもよい。複数のプロセッサを用いる場合、各プロセッサは、各部のうち1つを実現してもよいし、各部のうち2以上を実現してもよい。
【0136】
更新部18Aは、上記実施形態の更新部18Aと同様である。すなわち、更新部18Aは、更新部18Aは、タグTの各々から受信装置32を介して受信したタグ検出結果に基づいて計算を行い、ユーザタグUTの位置および端末タグSTの位置が最新の状態となるようにユーザ管理DB16Aを更新する。
【0137】
受付部19Bは、受付部18Bと同様に、呼出先ユーザの管理する電話端末20の電話番号を含む呼出信号を呼出元の電話端末20から受付ける。
【0138】
本実施形態では、受付部19Bは、呼出元の電話端末20を操作する呼出元ユーザによるUI部24の操作指示によって、音声通話サービスを実行するためのアプリケーションプログラムの起動または音声通話サービスの開始が指示されたときに、該電話端末20へ一覧画面を通知する。
【0139】
一覧画面とは、呼出可能、呼出不可能、および対象範囲外、の各々のユーザUの一覧を表す表示画面である。
【0140】
受付部18Bは、電話端末20から音声通話サービスを実行するためのアプリケーションプログラムの起動を表す起動指示信号または音声通話サービスの開始指示信号を受付けたときに、一覧画面を生成する。
【0141】
詳細には、受付部19Bは、ユーザ管理DB16Aに登録されているユーザタグUTの現在座標、ユーザタグUTの現在エリア、端末タグSTの現在座標、および端末タグSTの現在エリアの各々を読取る。
【0142】
そして、受付部19Bは、ユーザ管理DB16Aに登録されている複数のユーザIDの各々によって特定されるユーザUの内、ユーザUに保持されたユーザタグUTの現在座標またはユーザタグUTの現在エリアと、ユーザUによって管理される電話端末20に付与された端末タグSTの現在座標または端末タグSTの現在エリアと、の双方が特定されているユーザUを、呼出可能なユーザUとして特定する。本実施形態では、受付部19Bは、ユーザ管理DB16Aに登録されている複数のユーザIDの各々によって特定されるユーザUの内、ユーザUに保持されたユーザタグUTの現在エリアである何れかのエリアEと、ユーザUによって管理されている電話端末20に付与された端末タグSTの現在エリアである何れかのエリアEと、の双方がユーザ管理DB16Aに登録されているユーザUを、呼出可能なユーザUとして特定する。
【0143】
また、受付部19Bは、ユーザ管理DB16Aに登録されている複数のユーザIDの各々によって特定されるユーザUの内、ユーザUに保持されたユーザタグUTの現在エリアである何れかのエリアEがユーザ管理DB16Aに登録されていないユーザUを、呼出不可能なユーザUとして特定する。
【0144】
また、受付部19Bは、ユーザ管理DB16Aに登録されている複数のユーザIDの各々によって特定されるユーザUの内、ユーザUによって管理されている電話端末20に付与された端末タグSTの現在エリアである何れかのエリアEがユーザ管理DB16Aに登録されていないユーザUを、対象範囲外のユーザUとして特定する。
【0145】
具体的には、各ユーザUおよび電話端末20の位置が図1に示す状態であり、ユーザ管理DB16Aに図4に示すデータが登録されている場面を想定する。
【0146】
この場合、受付部19Bは、ユーザA、ユーザB、およびユーザDを、呼出可能なユーザUとして特定する。また、受付部19Bは、ユーザタグUTの現在エリアとして何れかのエリアEではない「構内」の登録されているユーザCを、呼出不可能なユーザUとして特定する。また、受付部19Bは、端末タグSTの現在エリアの登録されていないユーザEを、対象範囲外のユーザUとして特定する。
【0147】
そして、受付部19Bは、特定した、呼出可能、呼出不可能、および対象範囲外、の各々のユーザUの一覧を表す一覧画面を、上記起動指示信号または上記開始指示信号の送信元の電話端末20へ送信する。一覧画面を受信した電話端末20は、受信した該一覧画面の表示画面25をUI部24へ表示する。
【0148】
図8は、呼出元の電話端末20のUI部24に表示された表示画面25Bの一例の模式図である。表示画面25Bは、表示画面25の一例である。
【0149】
すなわち、呼出元の電話端末20のUI部24には、図8に示す表示画面25Bによって表される一覧画面が表示される。呼出元の電話端末20を操作する呼出元ユーザは、表示画面25Bを視認しながら呼出可能なユーザUの中から所望のユーザUを選択する。この選択操作によって、選択されたユーザUによって管理される電話端末20の電話番号を含む呼出信号が電話通信交換装置11へ発信される。
【0150】
図1に戻り説明を続ける。受付部19Bは、受付部18Bと同様に、呼出元の電話端末20から呼出信号を受付ける。
【0151】
判断部19Cは、判断部18Cと同様の処理を実行する。詳細には、判断部19Cは、呼出信号を受付けたときに、呼出信号に含まれる電話番号の割り当てられた呼出先ユーザの管理する電話端末20の位置と、呼出先ユーザの位置と、の距離が第1所定距離以下であるか否かを判断する。上記実施形態と同様に、判断部19Cは、ユーザ管理DB16Aを用いることによって、呼出先ユーザに保持されたユーザタグUTの現在エリアと、呼出先ユーザの管理する電話端末20に付与された端末タグSTの現在エリアと、が一致するか否かを判別することで、呼出先ユーザの位置と、呼出先ユーザの管理する電話端末20の位置と、の距離が第1所定距離以下であるか否かを判断する。
【0152】
着信制御部19Dは、着信制御部18Dと同様に、呼出先ユーザの管理する電話端末20の位置と、呼出先ユーザの位置との距離が第1所定距離以下である場合、該呼出先ユーザの管理する電話端末20へ呼出信号を着信させる。このとき、着信制御部19Dは、呼出元の電話端末20へ、呼出信号に含まれる電話番号の割り当てられた電話端末20を管理するユーザUである呼出先ユーザのユーザ名を、呼出可能候補として更に通知してもよい。
【0153】
また、着信制御部19Dは、着信制御部18Dと同様に、呼出先ユーザの管理する電話端末20の位置と、呼出先ユーザの位置との距離が第1所定距離を超える場合、呼出先ユーザの位置から第2所定距離以内に存在する他の電話端末20である第2電話端末へ呼出元の電話端末20から受付けた呼出信号を着信させる。
【0154】
本実施形態では、着信制御部19Dは、呼出先ユーザの管理する電話端末20の位置と、呼出先ユーザの位置との距離が第1所定距離を超える場合、呼出先ユーザの位置から第2所定距離以内に存在し、且つ自身の管理する第2電話端末から第1所定距離以下の位置に存在するユーザUに関する呼出可能候補一覧を呼出元の電話端末20へ通知する。そして、着信制御部19Dは、呼出可能候補一覧から選択されたユーザUによって管理される第2電話端末へ、呼出信号を着信させる。
【0155】
詳細には、呼出先ユーザの管理する電話端末20の位置と、呼出先ユーザの位置と、の距離が第1所定距離を超える、すなわち異なるエリアEに位置していた場合を想定する。
【0156】
この場合、着信制御部19Dは、着信制御部18Dと同様に、呼出信号に含まれる電話番号に対応するユーザタグUTの位置およびエリアEをユーザ管理DB16Aから特定する。この特定処理により、着信制御部18Dは、呼出先ユーザの位置を特定する。また、着信制御部19Dは、着信制御部18Dと同様に、呼出信号に含まれる電話番号に対応する端末タグSTの位置およびエリアEをユーザ管理DB16Aから特定する。この特定処理により、着信制御部18Dは、呼出先ユーザによって管理される電話端末20の位置を特定する。
【0157】
そして、着信制御部19Dは、呼出先ユーザと同じエリアEに位置している、他のユーザUによって管理される他の電話端末20を特定する。このとき、着信制御部19Dは、着信制御部18Dと同様に、呼出先ユーザと同じエリアEに存在する他の電話端末20である第2電話端末の内、第2電話端末の位置と第2電話端末を管理するユーザUの位置との距離が第1所定距離以下の第2電話端末を管理するユーザUを、呼出可能候補一覧として特定する。そして、着信制御部19Dは、特定した呼出可能候補一覧を呼出元の電話端末20へ通知する。また、着信制御部19Dは、呼出先ユーザが自身の管理する電話端末20を所持していないことを表すメッセージを、呼出元の電話端末20へ更に通知してよい。
【0158】
図9は、呼出元の電話端末20のUI部24に表示される表示画面25Cの一例の模式図である。表示画面25Cは、表示画面25の一例である。
【0159】
例えば、各ユーザUおよび電話端末20の位置が図1に示す状態であり、ユーザ管理DB16Aに図4に示すデータが登録されている場面を想定する。また、図8に示す表示画面25Bを介して、呼出元ユーザによって呼出先としてユーザAが選択され、ユーザAの電話端末20Aの電話番号を含む呼出信号を受付部19Bが受信した場面を想定する。
【0160】
この場合、着信制御部19Dは、ユーザAが電話端末20を所持していないことを表すメッセージと、呼出可能候補一覧としてユーザDのユーザ名と、を含む表示画面25Cを呼出元の電話端末20へ通知する。このため、呼出元の電話端末20には、例えば、図9に示す表示画面25Cが表示される。呼出元の電話端末20を操作する呼出元ユーザは、該電話端末20を操作することで、表示画面25Cに呼出可能候補一覧として表示されているDさんの表示領域を操作する。この操作を受付けることで、呼出元の電話端末20は、ユーザDによって管理される電話端末20Dの電話番号を含む呼出信号を電話通信交換装置11へ送信する。
【0161】
着信制御部19Dは、呼出元の電話端末20において呼出可能候補一覧から選択されたユーザUによって管理される第2電話端末である電話端末20へ、呼出信号を着信させる。
【0162】
図1に戻り説明を続ける。呼出先ユーザと同じエリアEに存在する他の電話端末20である第2電話端末の内、第2電話端末の位置と第2電話端末を管理するユーザUの位置との距離が第1所定距離以下の第2電話端末が無い場合がある。この場合、着信制御部19Dは、呼出候補なしを表すメッセージを、呼出可能候補一覧として生成する。そして、着信制御部19Dは、生成した呼出可能候補一覧を呼出元の電話端末20へ通知する。また、着信制御部19Dは、呼出先ユーザが自身の管理する電話端末20を所持していないことを表すメッセージを、呼出元の電話端末20へ更に通知してよい。
【0163】
図10は、呼出元の電話端末20のUI部24に表示される表示画面25Dの一例の模式図である。表示画面25Dは、表示画面25の一例である。
【0164】
例えば、各ユーザUおよび電話端末20の位置が図1に示す状態であり、ユーザ管理DB16Aに図4に示すデータが登録されている場面を想定する。また、図8に示す表示画面25Bを介して、呼出元ユーザによって呼出先としてユーザCが選択され、ユーザCの電話端末20Cの電話番号を含む呼出信号を受付部19Bが受信した場面を想定する。
【0165】
この場合、着信制御部19Dは、ユーザCが電話端末20を所持していないことを表すメッセージと、呼出可能候補一覧として呼出候補なしを表すメッセージと、を含む表示画面25Dを呼出元の電話端末20へ通知する。このため、呼出元の電話端末20には、例えば、図10に示す表示画面25Cが表示される。
【0166】
図1に戻り説明を続ける。なお、着信制御部19Dは、呼出先ユーザの現在位置しているエリアEと、呼出先ユーザの管理する電話端末20に現在位置しているエリアEと、が異なり、且つ、呼出先ユーザの位置から第2所定距離内の他の電話端末20に呼出信号を着信させる場合、呼出先ユーザが電話端末20を所持していないことを表す情報、呼出先ユーザが呼出禁止領域に存在することを表す情報、および、呼出先ユーザの休暇状況、の少なくとも1つを表すメッセージを、呼出元の電話端末20へ通知してよい。
【0167】
また、着信制御部19Dは、呼出先ユーザの存在するエリアEと、呼出先ユーザによって管理される電話端末20の存在するエリアEと、が異なる場合、呼出先ユーザと同じグループに属する他のユーザUを呼出可能候補一覧として呼出元の電話端末20へ通知してもよい。
【0168】
図11は、呼出元の電話端末20のUI部24に表示される表示画面25Eの一例の模式図である。表示画面25Eは、表示画面25の一例である。
【0169】
例えば、図1に示す状態において、ユーザAが自身の管理する電話端末20Aを会議室E3に置いたまま、エリア管理情報16Bに登録されている着信禁止領域フラグの付与されたエリアEである洗面所に位置していた場面を想定する(図5も参照)。また、図8に示す表示画面25Bを介して、呼出元ユーザによって呼出先ユーザとしてユーザAが選択され、ユーザAの電話端末20Aの電話番号を含む呼出信号を受付部19Bが受信した場面を想定する。
【0170】
この場合、着信制御部19Dは、ユーザAが電話端末20を所持していないことを表すメッセージと、呼出可能候補一覧としてユーザAと同じグループに属するユーザBのユーザ名(図4のユーザ管理DB16A参照)と、を含む表示画面25Eを呼出元の電話端末20へ通知する。着信制御部19Dは、ユーザ管理DB16Aを用いて、ユーザAと同じグループに属するユーザBを特定すればよい。この場合、呼出元の電話端末20には、例えば、図11に示す表示画面25Eが表示される。呼出元の電話端末20を操作する呼出元ユーザは、該電話端末20を操作することで、表示画面25Cに呼出可能候補一覧として表示されているBさんの表示領域を操作する。この操作を受付けることで、呼出元の電話端末20は、ユーザBによって管理される電話端末20Bの電話番号を含む呼出信号を電話通信交換装置11へ送信する。着信制御部19Dは、呼出元の電話端末20において呼出可能候補一覧から選択されたユーザBによって管理される電話端末20Bへ、呼出信号を着信させる。
【0171】
図12は、呼出元の電話端末20のUI部24に表示される表示画面25Fの一例の模式図である。表示画面25Fは、表示画面25の一例である。
【0172】
例えば、図1に示す状態において、ユーザCが自身の管理する電話端末20Cを食堂E1に置いたまま、エリアE外に存在し且つ休暇中であった場面を想定する(図4も参照)。また、図8に示す表示画面25Bを介して、呼出元ユーザによって呼出先としてユーザCが選択され、ユーザCの電話端末20Cの電話番号を含む呼出信号を受付部19Bが受信した場面を想定する。
【0173】
この場合、着信制御部19Dは、ユーザCが休暇中であることを表すメッセージと、呼出可能候補一覧としてユーザCと同じグループに属するユーザBのユーザ名(図4のユーザ管理DB16A参照)と、を含む表示画面25Fを呼出元の電話端末20へ通知する。着信制御部19Dは、ユーザ管理DB16Aにおける、ユーザCの勤怠状況を特定することで、ユーザCが休暇中であることを特定すればよい。この場合、呼出元の電話端末20には、例えば、図12に示す表示画面25Fが表示される。呼出元の電話端末20を操作するユーザUは、該電話端末20を操作することで、表示画面25Cに呼出可能候補一覧として表示されているBさんの表示領域を操作する。この操作を受付けることで、呼出元の電話端末20は、ユーザBによって管理される電話端末20Bの電話番号を含む呼出信号を電話通信交換装置11へ送信する。着信制御部19Dは、呼出元の電話端末20において呼出可能候補一覧から選択されたユーザBによって管理される電話端末20Bへ、呼出信号を着信させる。
【0174】
次に、本実施形態の電話通信交換装置11が実行する情報処理の流れの一例を説明する。なお、更新部18Aは、上記更新処理を逐次行っているものとする。
【0175】
図13は、本実施形態の電話通信交換装置11が実行する情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0176】
受付部19Bは、ユーザ管理DB16Aを用いて、呼出可能、呼出不可能、および対象範囲外、の各々のユーザUの一覧を表す一覧画面を生成し、音声通話サービスを実行するためのアプリケーションプログラムの起動を表す起動指示信号または音声通話サービスの開始指示信号の送信元の電話端末20へ送信する(ステップS200)。
【0177】
一覧画面を受信した電話端末20は、受信した該一覧画面の表示画面25をUI部24へ表示する。例えば、図8に示す表示画面25Bが電話端末20のUI部24に表示される。呼出元の電話端末20を操作する呼出元ユーザは、表示画面25Bを視認しながらUI部24を操作することで、呼出可能なユーザUの中から所望のユーザUを選択する。この選択操作によって、選択されたユーザUによって管理される電話端末20の電話番号を含む呼出信号が電話通信交換装置11へ発信される。
【0178】
受付部19Bは、呼出先ユーザの管理する電話端末20の電話番号を含む呼出信号を呼出元の電話端末20から受付ける(ステップS202)。
【0179】
判断部19Cは、ステップS202で受付けた呼出信号に含まれる電話番号の割り当てられた呼出先ユーザの管理する電話端末20の位置と、呼出先ユーザの位置と、をユーザ管理DB16Aから取得する(ステップS204)。
【0180】
判断部19Cは、ステップS204で取得した呼出先ユーザの管理する電話端末20の位置と呼出先ユーザの位置とが第1所定距離以下であるか否かを判断する(ステップS206)。本実施形態では、判断部19Cは、呼出先ユーザの管理する電話端末20と呼出先ユーザとが同じエリアE内に位置しているか否かを判別することで、ステップS206の判断を行う。
【0181】
ステップS206で肯定判断すると(ステップS206:Yes)、ステップS208へ進む。ステップS208では、着信制御部19Dは、ステップS202で受付けた呼出信号の呼出元の電話端末20へ、呼出信号に含まれる電話番号の割り当てられた電話端末20を管理するユーザUである呼出先ユーザのユーザ名を、呼出可能候補として通知する(ステップS208)。
【0182】
そして、着信制御部19Dは、ステップS202で受付けた呼出信号に含まれる電話番号の割り当てられた、呼出先ユーザの管理する電話端末20に、呼出信号を着信させる(ステップS210)。そして、本ルーチンを終了する。
【0183】
ステップS206で否定判断すると(ステップS206:No)、ステップS212へ進む。ステップS212では、着信制御部19Dは、ステップS204で取得した呼出先ユーザの位置から第2所定距離以内に他の電話端末20が存在するか否かを判断する(ステップS212)。本実施形態では、上記実施形態と同様に、着信制御部19Dは、呼出先ユーザと同じエリアEに他の電話端末20が存在するか否かを判別することによってステップS212の判断を行う。
【0184】
ステップS212で肯定判断すると(ステップS212:Yes)、ステップS214へ進む。ステップS214では、着信制御部19Dは、呼出先ユーザと同じエリアEに存在する他の電話端末20から第1所定距離以内に該電話端末20を管理するユーザUが存在するか否かを判断する(ステップS214)。
【0185】
ステップS214で肯定判断すると(ステップS214:Yes)、ステップS216へ進む。ステップS216では、着信制御部18Dは、呼出先ユーザの位置から第2所定距離以内に存在し、且つ自身の管理する電話端末20から第1所定距離以下の位置に存在するユーザUに関する呼出可能候補一覧を呼出元の電話端末20へ通知する(ステップS216)。ここでは、呼出元ユーザによって該呼出可能候補一覧から呼出先ユーザが選択された場面を想定し説明を続ける。
【0186】
着信制御部19Dは、呼出先ユーザと同じエリアEに存在する他の電話端末20であって、該電話端末20から第1所定距離以内に該電話端末20を管理するユーザUが存在する電話端末20であり、且つ、呼出元ユーザによって選択されたユーザUによって管理される電話端末20へ、ステップS202で受付けた呼出信号を着信させる(ステップS218)。そして、本ルーチンを終了する。
【0187】
ステップS214で否定判断すると(ステップS214:No)、ステップS220へ進む。ステップS220では、着信制御部19Dは、呼出先ユーザと同じエリアEに存在する他の電話端末20であって、該電話端末20から第1所定距離以内に該電話端末20を管理するユーザUが存在しない電話端末20を管理するユーザUに関する呼出可能候補一覧を、呼出元の電話端末20へ通知する(ステップS220)。ここでは、呼出元ユーザによって該呼出可能候補一覧から呼出先ユーザが選択された場面を想定し説明を続ける。
【0188】
着信制御部18Dは、呼出先ユーザと同じエリアEに存在する他の電話端末20であって、該電話端末20から第1所定距離以内に該電話端末20を管理するユーザUが存在せず、且つ、呼出元ユーザによって選択されたユーザUによって管理される電話端末20へ、ステップS202で受付けた呼出信号を着信させる(ステップS222)。そして、本ルーチンを終了する。
【0189】
一方、ステップS212で否定判断すると(ステップS212:No)、ステップS224へ進む。ステップS224では、着信制御部18Dは、通話可能な電話端末無を表すメッセージを呼出元の電話端末20へ通知し(ステップS224)、呼出先ユーザの管理する電話端末20の留守番電話サービスに呼出信号を着信させる(ステップS226)。そして、本ルーチンを終了する。
【0190】
以上説明したように、本実施形態の電話通信交換装置11では、着信制御部19Dは、呼出先ユーザの管理する電話端末20である第1電話端末の位置と呼出先ユーザの位置との距離が第1所定距離を超える場合、呼出先ユーザの位置から第2所定距離以内に存在し、且つ自身の管理する第2電話端末である電話端末20から第1所定距離以下の位置に存在するユーザUに関する呼出可能候補一覧を呼出元の電話端末20へ通知する。そして、着信制御部19Dは、呼出可能候補一覧から選択されたユーザUによって管理される電話端末20である第2電話端末へ、呼出信号を着信させる。
【0191】
このため、本実施形態の電話通信交換装置11は、呼出先ユーザが自身の管理する電話端末20から離れた場所に位置する場合であっても、呼出元ユーザの希望に応じた適切な着信処理を行うことができる。
【0192】
また、本実施形態の電話通信交換装置11では、上記実施形態と同様に、呼出元ユーザと呼出先ユーザとの通話機会損失の可能性の軽減を図ることができる。
【0193】
次に、上記実施形態の電話通信交換装置10および電話通信交換装置11の、ハードウェア構成の一例を説明する。
【0194】
図14は、上記実施形態の電話通信交換装置10および電話通信交換装置11の一例のハードウェア構成図である。
【0195】
上記実施形態の電話通信交換装置10および電話通信交換装置11は、CPU40Aなどの制御装置と、ROM(Read Only Memory)40BやRAM(Random Access Memory)40CやHDD(ハードディスクドライブ)などの記憶装置と、各種機器とのインターフェースである通信I/F部40Dと、各部を接続するバス40Eとを備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
【0196】
上記実施形態の電話通信交換装置10および電話通信交換装置11では、CPU40Aが、ROM40BからプログラムをRAM40C上に読み出して実行することにより、上記各機能がコンピュータ上で実現される。
【0197】
なお、上記実施形態の電話通信交換装置10および電話通信交換装置11で実行される上記各処理を実行するためのプログラムは、HDDに記憶されていてもよい。また、上記実施形態の電話通信交換装置10および電話通信交換装置11で実行される上記各処理を実行するためのプログラムは、ROM40Bに予め組み込まれて提供されていてもよい。
【0198】
また、上記実施形態の電話通信交換装置10および電話通信交換装置11で実行される上記処理を実行するためのプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、メモリカード、DVD(Digital Versatile Disk)、フレキシブルディスク(FD)等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶されてコンピュータプログラムプロダクトとして提供されるようにしてもよい。また、上記実施形態の電話通信交換装置10および電話通信交換装置11で実行される上記処理を実行するためのプログラムを、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するようにしてもよい。また、上記実施形態の電話通信交換装置10および電話通信交換装置11で実行される上記処理を実行するためのプログラムを、インターネットなどのネットワーク経由で提供または配布するようにしてもよい。
【0199】
なお、上記には、本発明の実施形態および変形例を説明したが、上記実施形態および変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態および変形例やこれらの変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0200】
1 電話通信システム
10、11 電話通信交換装置
20、20A~20E 電話端末
18B、19B 受付部
18C、19C 判断部
18D、19D 着信制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14