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特開2024-143739考査支援装置、考査支援方法及び考査支援プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143739
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】考査支援装置、考査支援方法及び考査支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0241 20230101AFI20241003BHJP
   G06Q 30/0242 20230101ALI20241003BHJP
【FI】
G06Q30/0241 444
G06Q30/0242
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023056560
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】521319487
【氏名又は名称】株式会社CARTA COMMUNICATIONS
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】千葉 亜紀
(72)【発明者】
【氏名】本橋 和樹
(72)【発明者】
【氏名】黒木 聡舜
(72)【発明者】
【氏名】山田 美聡
(72)【発明者】
【氏名】町田 哲生
(72)【発明者】
【氏名】清尾 つかさ
(72)【発明者】
【氏名】小泉 枝里子
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 悟
(72)【発明者】
【氏名】尾▲崎▼ 和音
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB08
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】考査業務を効率化することができる考査支援装置、考査支援方法及び考査支援プログラムを提供する。
【解決手段】本開示に係る考査支援装置1は、広告素材50に含まれた情報を取得する情報取得部10と、広告素材50が広告として適切か考査するための複数の考査項目にそれぞれ対応した複数の学習モデル41を用いて考査項目に対する情報の適否を判定する判定部20と、判定部20が判定した判定結果を出力する出力部30と、を備え、各学習モデル41は、各考査項目における複数の情報の判定結果を学習データとして学習しており、出力部30は、各考査項目に対する判定結果を出力する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
広告素材に含まれた情報を取得する情報取得手段と、
前記広告素材が広告として適切か考査するための複数の考査項目にそれぞれ対応した複数の学習モデルを用いて前記考査項目に対する前記情報の適否を判定する判定手段と、
前記判定手段が判定した判定結果を出力する出力手段と、
を備え、
各学習モデルは、各考査項目における複数の前記情報の前記判定結果を学習データとして学習しており、
前記出力手段は、各考査項目に対する前記判定結果を出力する、
考査支援装置。
【請求項2】
前記判定手段は、前記考査項目に対応したルールベースを用いて前記考査項目に対する前記情報の前記適否を判定し、
前記ルールベースは、前記考査項目に対する前記情報の前記適否を判定するルールを含む、
請求項1に記載の考査支援装置。
【請求項3】
前記考査項目は、広告主体者名、サービス名、商品名、ブランド名、最上級表現、総額表示、比較表現、アルコール飲料、及び、広告領域の明確化の少なくともいずれかを含む、
請求項1に記載の考査支援装置。
【請求項4】
前記考査項目は、前記広告素材に記載されたリンクから移動したリンク先のウェブページにおける広告主体者名及び広告主体者ロゴの少なくともいずれかを含む、
請求項1に記載の考査支援装置。
【請求項5】
前記広告素材に含まれた前記情報は、テキスト情報、画像情報、映像情報、及び、音声情報の少なくともいずれかを含み、
前記判定手段は、前記考査項目に対する前記テキスト情報の前記適否を判定するテキスト考査、前記考査項目に対する前記画像情報の前記適否を判定する画像考査、前記考査項目に対する前記映像情報の前記適否を判定する映像考査、及び、前記考査項目に対する前記音声情報の前記適否を判定する音声考査の少なくともいずれかを行う、
請求項1に記載の考査支援装置。
【請求項6】
前記判定手段は、前記テキスト考査による前記判定結果、前記画像考査による前記判定結果、前記映像考査による前記判定結果、及び、前記音声考査による前記判定結果の少なくともいずれか2つを組み合わせたセット考査を行う、
請求項5に記載の考査支援装置。
【請求項7】
前記広告素材が広告媒体に掲載する前記広告として適切かは、前記広告媒体の管理者によって判定され、
前記学習モデルは、前記管理者によって判定された前記広告素材の前記情報を学習データとして学習する、
請求項1に記載の考査支援装置。
【請求項8】
前記広告媒体は、第1の広告媒体、及び、前記第1の広告媒体と異なる第2の広告媒体を含み、
前記学習モデルは、第1の学習モデル、及び、第2の学習モデルを含み、
前記第1の学習モデルは、前記第1の広告媒体によって判定された前記広告素材の前記情報を学習データとして学習し、
前記第2の学習モデルは、前記第2の広告媒体によって判定された前記広告素材の前記情報を学習データとして学習し、
前記判定手段は、前記第1の広告媒体に出稿する前記広告素材を前記第1の学習モデルを用いて判定し、前記第2の広告媒体に出稿する前記広告素材を前記第2の学習モデルを用いて判定する、
請求項7に記載の考査支援装置。
【請求項9】
広告素材に含まれた情報を取得し、
前記広告素材が広告として適切か考査するための複数の考査項目にそれぞれ対応した複数の学習モデルを用いて前記考査項目に対する前記情報の適否を判定し、
判定した判定結果を出力し、
各学習モデルは、各考査項目における複数の前記情報の前記判定結果を学習データとして学習しており、
前記判定結果を出力する際に、各考査項目に対する前記判定結果を出力する、
考査支援方法。
【請求項10】
広告素材に含まれた情報を取得し、
前記広告素材が広告として適切か考査するための複数の考査項目にそれぞれ対応した複数の学習モデルを用いて前記考査項目に対する前記情報の適否を判定し、
判定した判定結果を出力することをコンピュータに実行させる考査支援プログラムであって、
各学習モデルは、各考査項目における複数の前記情報の前記判定結果を学習データとして学習しており、
前記判定結果を出力する際に、各考査項目に対する前記判定結果を出力する、
考査支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、考査支援装置、考査支援方法及び考査支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、第1コンテンツに対する審査の過去の実績に基づいて設定される実績情報を取得する取得部と、取得された実績情報に基づいて、配信後の第2コンテンツに審査基準を満たさないと推定される第3コンテンツが含まれる度合いを示す指標値を算出する算出部と、を備えた算出装置が開示されている。特許文献1の算出装置は、このような構成により、コンテンツの品質を定量的に判定している。
【0003】
特許文献2には、店内に掲示するPOP広告を管理するために用いられる各種データを関連付け、データベースとして記憶する広告管理DBと、撮影装置が店内を撮影して得た店内画像と広告管理DBとを突き合わせてPOP広告の一致及び不一致を確認する広告確認部と、を備えた情報処理装置が開示されている。特許文献2の情報処理装置は、このような構成により、掲示されるべき掲示物が掲示されるべき位置に掲示されているかどうかを把握している。
【0004】
特許文献3には、複数のルールそれぞれに対応する複数の学習モデルのうち少なくとも1つに基づき、映像に関する予備審査結果を生成する第1の映像審査部と、学習モデルの全てに基づき、予備審査済み映像に関する本審査結果を生成する第2の映像審査部と、を備えた広告審査システムが開示されている。特許文献3の広告審査システムは、このような構成により、広告用の映像の審査を効率化している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-154822号公報
【特許文献2】特開2020-009216号公報
【特許文献3】特許第7122638号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
5G(5th Generation)の普及による通信の大容量化に伴い、ウェブ媒体への広告素材の出稿量が莫大な増加をすると予測されている。ウェブ媒体に限らず、広告媒体に出稿する広告素材に対する考査業務の人的工数削減及び効率化が必要とされている。
【0007】
本開示の目的の1つは、上記課題を解決するためになされたものであり、考査業務を効率化することができる考査支援装置、考査支援方法及び考査支援プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示にかかる考査支援装置は、広告素材に含まれた情報を取得する情報取得手段と、前記広告素材が広告として適切か考査するための複数の考査項目にそれぞれ対応した複数の学習モデルを用いて前記考査項目に対する前記情報の適否を判定する判定手段と、前記判定手段が判定した判定結果を出力する出力手段と、を備え、各学習モデルは、各考査項目における複数の前記情報の前記判定結果を学習データとして学習しており、前記出力手段は、各考査項目に対する前記判定結果を出力する。
【0009】
本開示にかかる考査支援方法は、広告素材に含まれた情報を取得し、前記広告素材が広告として適切か考査するための複数の考査項目にそれぞれ対応した複数の学習モデルを用いて前記考査項目に対する前記情報の適否を判定し、判定した判定結果を出力し、各学習モデルは、各考査項目における複数の前記情報の前記判定結果を学習データとして学習しており、前記判定結果を出力する際に、各考査項目に対する前記判定結果を出力する。
【0010】
本開示にかかる考査支援プログラムは、広告素材に含まれた情報を取得し、前記広告素材が広告として適切か考査するための複数の考査項目にそれぞれ対応した複数の学習モデルを用いて前記考査項目に対する前記情報の適否を判定し、判定した判定結果を出力することをコンピュータに実行させる考査支援プログラムであって、各学習モデルは、各考査項目における複数の前記情報の前記判定結果を学習データとして学習しており、前記判定結果を出力する際に、各考査項目に対する前記判定結果を出力する。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、考査業務を効率化することができる考査支援装置、考査支援方法及び考査支援プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態の概要に係る考査支援装置を例示したブロック図である。
図2】実施形態の概要に係る考査支援方法を例示したフローチャート図である。
図3】実施形態の概要に係る考査支援装置を例示したブロック図である。
図4】実施形態1に係る考査支援装置において、考査の対象となる広告素材を例示した図である。
図5】実施形態1に係る考査支援装置において、広告素材の考査項目を例示した図である。
図6】実施形態1に係る考査支援装置において、広告素材の考査項目を例示した図である。
図7】実施形態1に係る機械学習エンジン及びルールベースエンジンにおいて、広告素材の各種情報の事前学習を例示した図である。
図8】実施形態1に係る考査支援装置を例示した構成図である。
図9】実施形態1に係る考査支援装置において、学習モデルを用いたテキスト考査の対象とされる広告素材を例示した図である。
図10】実施形態1に係る考査支援装置において、学習モデルを用いたテキスト考査の対象とされる広告素材を例示した図である。
図11】実施形態1に係る考査支援装置において、ルールベースを用いたテキスト考査の対象とされる広告素材を例示した図である。
図12】実施形態1に係る考査支援装置において、ルールベースを用いたテキスト考査の対象とされる広告素材を例示した図である。
図13】実施形態1に係る考査支援装置において、広告素材の映像考査を例示した図である。
図14】実施形態1に係る考査支援装置において、広告素材の音声考査を例示した図である。
図15】実施形態1に係る考査支援装置において、複数形式のクリエイティブのセット考査の対象とされた広告素材を例示した図である。
図16】実施形態1に係る考査支援装置において、広告素材について実施された複数形式のクリエイティブのセット考査を例示した図である。
図17】実施形態1に係る考査支援装置において、DAMサービスにおける画像広告を含む広告素材に対する画像考査及びテキスト考査を例示した図である。
図18】実施形態1に係る考査支援装置において、画像広告を含む広告素材の考査フローを例示した図である。
図19】実施形態1に係る考査支援装置において、画像広告を含む広告素材の考査フローを例示した図である。
図20】実施形態1に係る考査支援装置において、画像広告を含む広告素材の考査フローを例示した図である。
図21】実施形態1に係る考査支援装置において、考査項目の振り分けフローを例示した図である。
図22】実施形態1に係る考査支援装置において、画像広告を含む広告素材の考査フローを例示した図である。
図23】実施形態1に係る考査支援装置において、DAMサービスにおける考査画面のイメージを例示した図である。
図24】実施形態1に係る考査支援装置において、DAMサービスにおける考査画面のイメージを例示した図である。
図25】実施形態1に係る考査支援装置において、DAMサービスにおける考査画面のイメージを例示した図である。
図26】実施形態1に係る考査支援装置において、DAMサービスにおける考査画面のイメージを例示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本開示の実施の形態について説明する。なお、以下の記載及び図面は、説明の明確化のため、適宜、省略及び簡略化がなされている。また、以下の各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
【0014】
(実施形態の概要)
実施形態の概要を説明する。本実施形態は、広告素材の考査を支援する考査支援装置、考査支援方法及び考査支援プログラムに関する。広告素材の考査は、広告素材をTV、ウェブ及び交通広告等の各種広告媒体へ広告出稿する際に、広告素材が法規制、業界団体自主規制、広告媒体規定等に準拠しているか、広告代理店、メディアレップ及び媒体社等が確認を行う業務を含んでいる。
【0015】
図1は、実施形態の概要に係る考査支援装置を例示したブロック図である。図1に示すように、考査支援装置1は、情報取得部10、判定部20、及び、出力部30を有している。情報取得部10、判定部20、及び、出力部30は、それぞれ、情報取得手段、判定手段、及び、出力手段の機能を有している。
【0016】
情報取得部10は、広告素材に含まれた情報を取得する。判定部20は、広告素材が広告として適切か考査するための複数の考査項目にそれぞれ対応した複数の学習モデル41a及び41b等を用いて考査項目に対する広告素材の情報の適否を判定する。出力部30は、判定部20が判定した判定結果を出力する。学習モデル41a及び41b等を総称して学習モデル41と呼ぶ。学習モデル41は、考査支援装置1とは別に設けられてもよいし、考査支援装置1の一部として設けられてもよい。ここで、各学習モデル41は、各考査項目における複数の広告素材の情報の判定結果を学習データとして学習している。出力部30は、各考査項目に対する判定結果を出力する。
【0017】
図2は、実施形態の概要に係る考査支援方法を例示したフローチャート図である。図2に示すように、本実施形態の考査支援方法は、情報取得ステップS11、判定ステップS12、及び、出力ステップS13を備えている。情報取得ステップS11は、広告素材に含まれた情報を取得するステップを含む。判定ステップS12は、広告素材が広告として適切か考査するための複数の考査項目にそれぞれ対応した複数の学習モデル41を用いて考査項目に対する広告素材の情報の適否を判定するステップを含む。出力ステップS13は、判定した判定結果を出力するステップを含む。出力ステップS13において、各考査項目に対する判定結果を出力する。
【0018】
上述した考査支援装置1は、例えば、マイクロコンピュータ、パーソナルコンピュータ、及び、サーバ等の情報処理装置でもよい。図3は、実施形態の概要に係る考査支援装置1を例示したブロック図である。図3に示すように、考査支援装置1は、プロセッサPRC、メモリMMR、記憶装置STR、及び、ユーザインターフェースUIをさらに備えてもよい。記憶装置STRは、考査支援装置1の各構成が実行する処理をプログラムにして記憶する。また、プロセッサPRCは、記憶装置STRからプログラムをメモリMMRへ読み込ませ、当該プログラムを実行する。これにより、プロセッサPRCは、情報取得部10、判定部20及び出力部30等の考査支援装置1における各構成の機能を実現する。ユーザインターフェースUIは、キーボード、マウス、撮像装置等の入力装置、及び、ディスプレイ、プリンター、スピーカ等の出力装置を含んでもよい。
【0019】
考査支援装置1が有する各構成は、それぞれが専用のハードウェアで実現されてもよい。また、各構成要素の一部又は全部は、汎用または専用の回路(Circuitry)、プロセッサPRC等やこれらの組合せによって実現されてもよい。これらは、単一のチップによって構成されてもよいし、バスを介して接続される複数のチップによって構成されてもよい。各構成要素の一部又は全部は、上述した回路等とプログラムとの組合せによって実現されてもよい。また、プロセッサPRCとして、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(Field-programmable Gate Array)、量子プロセッサ(量子コンピュータ制御チップ)等を用いることができる。
【0020】
また、考査支援装置1の各構成要素の一部または全部が複数の情報処理装置や回路等により実現される場合には、複数の情報処理装置や回路等は、集中配置されてもよいし、分散配置されてもよい。例えば、情報処理装置や回路等は、クライアントサーバシステム、クラウドコンピューティングシステム等により、各々が通信ネットワークを介して接続される形態として実現されてもよい。また、考査支援装置1の機能がSaaS(Software as a Service)形式で提供されてもよい。
【0021】
本実施形態の考査支援装置1、考査支援方法及び考査支援プログラムは、広告素材が広告として適切か考査するための複数の考査項目にそれぞれ対応した複数の学習モデルやルールベースを用いて考査項目に対する広告素材の情報の適否を判定する。各学習モデルは、各考査項目における複数の広告素材の情報の判定結果を学習データとして学習している。よって、考査業務を効率化することができる
【0022】
(実施形態1)
次に、実施形態1に係る考査支援装置1の詳細を説明する。考査支援装置1を説明する前に、<広告素材>、<考査項目>及び<事前学習>を説明する。
【0023】
<広告素材>
図4は、実施形態1に係る考査支援装置1において、考査の対象となる広告素材50を例示した図である。図4に示すように、広告素材50は、TV、ウェブ、交通広告等の各種広告媒体へ広告出稿される素材である。広告素材は、例えば、テレビCM、CM映像、バナー素材、テキスト素材、及び、紙面記事広告等を含んでいる。広告素材50は、例えば、テキスト情報61の要素、及び、画像情報71の要素を含んでもよい。なお、広告素材50は、映像情報の要素、及び、音声情報の要素を含んでもよい。このように、広告素材50に含まれた情報は、テキスト情報、画像情報、映像情報、及び、音声情報の少なくともいずれかを含む。
【0024】
図4に示すように、広告素材50は、テキスト情報61の要素として、「AAAでレッツゴー」、「チェックして」、「NEW WAGON」、「120万円」及び「詳しくはこちら」等を含んでいる。また、広告素材50は、画像情報71の要素として、「ロゴ」の画像、「自動車の色」の画像、「背景色」の画像を含んでもよい。
【0025】
広告素材50を考査する場合において、考査対象の広告素材50は、広告素材50内の要素を分解され、メタ情報化される。例えば、各種のOCR(Optical Character Recognition)エンジン60は、考査対象とされた広告素材50内のテキスト情報61を抽出して、メタ情報化する。具体的には、各種のOCRエンジン60は、広告素材50内における「AAAでレッツゴー」、「チェックして」、「NEW WAGON」、「120万円」及び「詳しくはこちら」等のテキスト情報61を分解及び抽出し、メタ情報化する。また、各種の画像認識エンジン70は、考査対象とされた広告素材50内の画像情報71を抽出して、メタ情報化する。具体的には、各種の画像認識エンジン70は、広告素材50内における「ロゴ」の画像、「自動車の色」の画像及び「背景色」の画像等の画像情報71を分解及び抽出し、メタ情報化する。
【0026】
<考査項目>
次に、考査項目を説明する。図5及び図6は、実施形態1に係る考査支援装置1において、広告素材50の考査項目を例示した図である。図5及び図6に示すように、広告素材50の考査項目は、大項目の考査項目及び小項目の考査項目を含む。考査項目は、広告素材50が各種広告媒体へ広告出稿する際の法規制、業界団体自主規制及び媒体規制を含む広告素材の規制に基づいている。
【0027】
大項目の考査項目は、広告表示責任を明確化するための広告主体者の明示、各種法規の広告関連表現規制、広告主業種や商品特性から法律または自主的に規制された広告表現、公序良俗に反し社会通念上不適切な表現、広告視聴者に不快感を与える表現、広告視聴者に誤認識を与える表現、他社の権利を侵害する恐れのある表現、及び、広告からクリックまたはタップして遷移したウェブページと表示された広告の不整合が生じる表現を含んでもよい。なお、大項目の考査項目は、これら以外の項目を含んでもよい。
【0028】
小項目の考査項目は、広告主名(広告主体者名)、サービス名、商品名、ブランド名、最上級表現、総額表示、比較表現、アルコール飲料、パチンコ・マージャン、消費者金融、不動産、犯罪行為の助長、青少年育成に悪影響がある表現、射幸心を煽る表現、過度な露出、コンプレックス強調、過度な点滅表現、コントラストの強い色の反転表現、画像の粗さ、映像ノイズ、音声ノイズ、その他不快な表現、広告領域の明確化(枠線)、その他ユーザが誤認する表現、広告主体者ロゴを含んでもよい。なお、小項目の考査項目は、これら以外の項目を含んでもよい。
【0029】
広告主名、サービス名、商品名、及び、ブランド名の考査項目は、広告表示責任を明確化するための広告主体者の明示の大項目に属してもよい。最上級表現、総額表示、及び、比較表現の考査項目は、各種法規の広告関連表現規制の大項目に属してもよい。アルコール飲料、パチンコ・マージャン、消費者金融、及び、不動産の考査項目は、広告主業種や商品特性から法律または自主的に規制された広告表現の大項目に属してもよい。犯罪行為の助長、青少年育成に悪影響がある表現、及び、射幸心を煽る表現の考査項目は、公序良俗に反し社会通念上不適切な表現の大項目に属してもよい。過度な露出、コンプレックス強調、過度な点滅表現、コントラストの強い色の反転表現、画像の粗さ、映像ノイズ、音声ノイズ、及び、その他不快な表現の考査項目は、広告視聴者に不快感を与える表現の大項目に属してもよい。広告領域の明確化(枠線)、及び、その他ユーザが誤認する表現は、広告視聴者に誤認識を与える表現の大項目に属してもよい。広告主体者名、及び、広告主体者ロゴの考査項目は、広告からクリックまたはタップして遷移したウェブページと表示された広告の不整合が生じる表現の大項目に属してもよい。この場合には、考査項目は、広告素材50に記載されたリンクから移動したリンク先のウェブページにおける広告主体者名及び広告主体者ロゴの少なくともいずれかを含む。
【0030】
小項目のうち、NO1~NO8及びNO23の広告主体者名、サービス名、商品名、ブランド名、最上級表現、総額表示、比較表現、アルコール飲料、及び、広告領域の明確化(枠線)は、広告素材の考査の業務上頻出項目とされている。したがって、考査項目は、広告主体者名、サービス名、商品名、ブランド名、最上級表現、総額表示、比較表現、アルコール、及び、広告領域の明確化の少なくともいずれか、また、NO1~NO27の少なくともいずれかを含む。
【0031】
また、小項目のうち、NO1~NO8、及び、NO20~NO24の広告主名、サービス名、商品名、ブランド名、最上級表現、総額表示、比較表現、映像ノイズ、音声ノイズ、その他不快な表現、広告領域の明確化(枠線)、及び、その他ユーザが誤認する表現は、考査で必須の考査項目とされてもよい。そして、これら以外の考査項目は、対象ジャンルにあった場合、及び、必要と認められた場合に考査及び判定を行われてもよい。
【0032】
各考査項目は、テキスト(ОCR)情報、画像情報、映像情報、及び、音声情報を含む4つの考査元のデータ種別に基づいて判定が行われる。判定は、例えば、内容判定及び仕様判定を含んでもよい。
【0033】
テキスト(ОCR)考査は、広告素材50に記載・表示されているテキスト情報の内容に基づいて、考査判定を行うものを含む。考査項目によって、特定の表現がない場合に「ないとNG」の判定を行い、特定の表現がある場合に「あるとNG」の判定を行う。テキスト考査は、映像をフレーム単位で画像化した上でOCRによるテキスト情報化を行い、考査するものも含む。テキスト考査は、映像・音声内で流れた音声を音声認識でテキスト情報化を行い、考査するものも含む。
【0034】
画像考査は、広告素材50内の図画・形体等の画像情報に基づいて、考査判定を行うものを含む。考査項目によって、特定の表現がない場合に「ないとNG」の判定を行い、特定の表現がある場合に「あるとNG」の判定を行う。また、画像考査は、「視認性があるか」及び「規定に沿っているか」の考査するものも含む。さらに、画像考査は、「特定の表現に関する、特定の判断基準閾値を超過しているか」の判定を行うものを含む。画像考査は、映像をフレーム単位で画像化した上で、考査するものも含む。
【0035】
映像考査は、映像の動作、品質に対し、考査判定を行うものを含む。映像考査は、「アニメーション表現が規定に沿っているか」及び「映像ノイズ・音声ノイズが許容値内か」の判定を行うものを含む。
【0036】
音声考査は、音声の動作、品質に対し、考査判定を行うものを含む。音声考査は、「音声ノイズが許容値内か」の判定を行うものを含む。
【0037】
広告素材50が広告として適切かどうかの適切性は、各考査項目について判定される。具体的には、判定部20は、考査項目に対するテキスト情報の適否を判定するテキスト考査、考査項目に対する画像情報の適否を判定する画像考査、考査項目に対する映像情報の適否を判定する映像考査、及び、考査項目に対する音声情報の前適否を判定する音声考査の少なくともいずれかを行う。
【0038】
例えば、NO1の広告主名(広告主体者名)の考査項目、NO2のサービス名の考査項目は、NO3の商品名の考査項目、及び、NO4のブランド名の考査項目は、テキスト考査及び画像考査によって判定されてもよい。例えば、判定部20は、考査項目に応じて、広告素材50に、広告主名、サービス名、商品名、及び、ブランド名があるか判定してもよい。また、判定部20は、考査項目に応じて、広告素材50に記載された広告主名、サービス名、商品名、及び、ブランド名が広告として適切か判定してもよい。
【0039】
NO5の最上級表現の考査項目は、テキスト考査によって判定されてもよい。広告素材50に最上級の表現があるか判定する。例えば、最上級の表現がある場合に条件によっては「あるとNG」の判定が行われる。NO6の総額表示の考査項目は、テキスト考査によって判定されてもよい。例えば、広告素材に表示された金額が総額表示になっているか判定する。NO7の比較表現の考査項目は、テキスト考査によって判定されてもよい。広告素材に表示された表現が他の商品等との比較表現になっているか判定する。例えば、比較表現がある場合に条件によっては「あるとNG」の判定が行われる。
【0040】
上述したテキスト情報の「AAAでレッツゴー」は、各考査項目の観点で広告としての適切性を判定される。例えば、「AAA」は、NO1の広告主名の考査項目において、テキスト考査されてもよい。広告素材50に「AAA」の広告主がある場合には「あるとOK」の判定が行われる。また、例えば、上述したテキスト情報の「120万円」は、NO6の総額表示の考査項目において、総額表示であれば、「OK」の判定となり、総額表示でないならば、「NG」の判定となる。
【0041】
一部またはすべての考査項目は、後述する画像識別、学習モデル41(機械学習)、及び、ルールベースの少なくともいずれかを用いて検証されてもよい。すなわち、画像識別、機械学習及びルールベースは、それぞれ、広告素材50が広告として適切か考査するための複数の考査項目と対応させて用いられてもよい。例えば、NO1~NO4の考査項目は、画像識別、機械学習及びルールベースの少なくともいずれかを用いて検証されてもよい。NO5~NO7の考査項目は、機械学習及びルールベースの少なくともいずれかを用いて検証されてもよい。
【0042】
<事前学習>
図7は、実施形態1に係る機械学習エンジン40及びルールベースエンジン80において、広告素材50の各種情報の事前学習を例示した図である。図7に示すように、機械学習エンジン40における学習モデル41は、広告素材50における各種情報と、判定結果とを学習データとして、あらかじめ学習されている。具体的には、例えば、学習モデル41は、テキスト情報61及び画像情報71と、判定結果90とを学習データとして、あらかじめ学習されている。
【0043】
広告素材50は、学習モデル41の学習データとして用いられる際に、各種のOCRエンジン60及び各種の画像認識エンジン70によって、テキスト情報61及び画像情報71にメタ情報化されている。そして、テキスト情報61及び画像情報71を含むメタ情報と、判定結果90と、を学習データとして学習モデル41に投入することにより、学習モデル41は機械学習されている。学習モデル41は、広告素材50が広告として適切か考査するための各考査項目において、複数のテキスト情報61及び画像情報71の判定結果を学習データとして学習する。
【0044】
ルールベースエンジン80は、複数のルールベース81a及び81b等を含む。複数のルールベース81a及び81b等を総称してルールベース81と呼ぶ。ルールベース81を含むルールベースエンジン80は、考査支援装置1とは別に設けられてもよいし、考査支援装置1の一部として設けられてもよい。ルールベース81は、広告素材50が広告として適切か考査するための考査項目に対する広告素材50の情報の適否を判定するルールを含む。ルールを考査判定式と呼んでもよい。よって、ルールベース81は、考査判定基準に基づいて構築された考査判定式を含む。判定部20は、考査項目に対応したルールベース81を用いて考査項目に対する広告素材50の情報の適否を判定する。なお、ルールベース81は、ルールベースエンジン80において、各考査項目における複数の広告素材50の情報の判定結果を学習データとして学習してもよい。
【0045】
<考査支援装置>
図8は、実施形態1に係る考査支援装置1を例示した構成図である。図8は、考査支援装置1に入力及び出力される情報も示している。図8に示すように、考査支援装置1は、広告素材50のメタ情報に基づいて、学習済み学習モデル41及びルールベース81を用いて、各考査項目に対して考査及び判定を行う。判定結果90は、広告素材50が広告として適切か考査するための複数の考査項目に対して出力される。
【0046】
情報取得部10は、広告素材50におけるテキスト情報61及び画像情報71を含むメタ情報を取得する。情報取得部10は、広告素材50をあらかじめ各種のOCRエンジン60及び各種の画像認識エンジン70によってメタ情報化されたメタ情報を取得する。
【0047】
判定部20は、広告素材50が広告として適切か考査するための複数の考査項目にそれぞれ対応した複数の学習モデル41を用いて考査項目に対する広告素材50の情報の適否を判定する。また、判定部20は、考査項目に対応したルールベース81を用いて広告素材50が広告として適切か考査するための複数の考査項目に対する広告素材50の情報の適否を判定する。このように、学習モデル41及びルールベース81は、広告素材50の複数の考査項目と対応させて用いられる。つまり、各考査項目に対して、各学習モデル41及び各ルールベース81が用いられる。
【0048】
出力部30は、判定部20が各考査項目について広告素材50のメタ情報を判定した判定結果を出力する。出力部30は、広告素材50の適切性に問題がないと判定された考査項目を出力する。また、広告素材50の情報の適切性に問題があると判定部20によって判定された場合には、出力部30は、問題があると判定された考査項目を出力する。
【0049】
以下で、考査支援装置1が行う考査として、<テキスト考査>、<画像考査>、<映像考査>、<音声考査>及び<複数形式クリエイティブのセット考査>を説明する。
【0050】
<テキスト考査>
テキスト考査は、各考査項目に関して、テキスト情報61におけるテキスト内容から考査可否を判定される。この場合には、テキスト考査は、内容判定を含む。なお、テキスト考査は、仕様判定を含んでもよい。テキスト考査は、学習モデル41により実施されてもよいし、ルールベース81により実施されてもよい。
【0051】
テキスト考査に用いられるテキスト情報61は、OCRエンジン60で抽出されてもよい。OCRエンジン60は、広告素材50に含まれるテキスト情報61を画像から抽出する。OCRエンジン60は、例えば、外部クラウドに配置されたものでもよいし、考査支援装置1に配置されたものでもよい。
【0052】
<テキスト考査:機械学習>
テキスト考査は、学習モデル41を含む機械学習エンジン40を用いて実施されてもよい。学習モデル41を用いたテキスト考査は、第1ステップとして、学習モデル41の事前学習を実施し、第2ステップとして、学習モデル41を考査に用いる。第1ステップの事前学習として、学習モデル41は、判定結果90が付与された広告素材50の情報を学習データとして学習し、判定可否の分類モデルを確立させてもよい。そして、第2ステップの考査において、学習モデル41に考査対象の広告素材50を投入することにより、考査判定を行う。
【0053】
図9及び図10は、実施形態1に係る考査支援装置1において、学習モデル41、42等を用いたテキスト考査の対象とされる広告素材51及び広告素材52を例示した図である。図9に示すように、広告素材51は、テキスト情報として、「妊娠中や授乳期の飲酒はやめましょう」及び「のんだあとはリサイクル」を有している。図10に示すように、広告素材52は、テキスト情報として、「ストップ!20歳未満飲酒・飲酒運転」、「ほどよく、楽しく、いいお酒」及び「のんだあとはリサイクル」を有している。
【0054】
広告素材51及び広告素材52をアルコール飲料の考査項目において考査した場合に、広告素材51は、「お酒は20歳から」に該当する表現を含んでいない。このため、広告素材51は、アルコール飲料の考査項目においてNG判定となる。一方、広告素材52は、「お酒は20歳から」に該当する表現を含んでいる。このため、広告素材52は、アルコール飲料の考査項目においてOK判定となる。
【0055】
なお、「妊婦・授乳期への注意喚起」、「リサイクル推進」、「飲酒運転への注意喚起」「飲みすぎへの注意喚起」等は、あってもなくてもよい。
【0056】
このように、考査項目におけるOK判定の広告素材52及びNG判定の広告素材51が十分な数含まれた学習データを学習データとして学習モデル41を構築し、考査判定に利用する。
【0057】
テキスト考査においては、学習モデル41による考査に適している考査項目について、学習モデル41に学習データを学習させ、分類モデルを構築させることが好ましい。
【0058】
<テキスト考査:ルールベース>
テキスト考査は、ルールベース81を用いて実施されてもよい。ルールベース81を用いたテキスト考査は、第1ステップとして、ルール(考査判定式)を構築し、第2ステップとして、ルールベース81を考査に用いる。第1ステップのルールの構築では、考査判定基準に基づいてルールを構築する。第2ステップの考査において、考査用の広告素材50を投入し、考査判定を行う。
【0059】
図11及び図12は、実施形態1に係る考査支援装置1において、ルールベース81を用いたテキスト考査の対象とされる広告素材53及び広告素材54を例示した図である。図11に示すように、広告素材53は、テキスト情報61として、「お正月は豪華に今なら間に合う」、「12/10迄のご入金で」、「特産品ランキング」、「牛肉、米、新鮮野菜など特産品多数」、及び、「ふるさと応援はABC市へ」を有している。図12に示すように、広告素材54は、広告素材53に記載のテキスト情報61に加えて、「提供:ABC市」を有している。
【0060】
広告素材53及び広告素材54は、「提供」または「PR」等で、主体者を明確に表記する必要がある。広告素材53及び広告素材54を広告主名の考査項目において判定する場合に、主体者を明確に表記しているか判定するルールを含むルールベース81を用いて判定する。そうすると、広告素材53は、ABC市が広告の主体者である表記がない。つまり、「ふるさと応援はABC市へ」では、主体者表記として認められない。このため、広告素材53は、広告主名の考査項目においてNG判定となる。一方、広告素材54は、ABC市が広告の主体者である表記「提供:ABC市」の表記を含む。このため、広告素材54は、広告主名の考査項目においてOK判定となる。
【0061】
このように、ルールベース81を用いたテキスト考査では、考査判定基準に基づいて、ルールを構築し、考査及び判定に利用してもよい。
【0062】
テキスト考査においては、ルールベース81による考査に適している考査項目について、ルールを構築し、ルールを用いた考査及び判定を行う。
【0063】
<画像考査>
画像考査は、画像情報から考査可否を判定する。画像考査は、内容判定及び仕様判定を含んでもよい。判定方法は、画像認識エンジン70及び機械学習エンジン40を用いる方法(画像認識×機械学習と呼ぶ。)、画像認識エンジン70及び画像識別を用いる方法(画像認識×画像識別と呼ぶ。)、及び、画像認識エンジン70及びルールベースエンジン80を用いる方法(画像認識×ルールベースと呼ぶ。)の3通りを含んでもよい。
【0064】
<画像考査:画像認識×機械学習>
画像認識エンジン70及び機械学習エンジン40を用いる画像考査は、第1ステップとして、画像認識エンジン70及び機械学習エンジン40における学習モデル41の事前学習を実施し、第2ステップとして、画像認識エンジン70及び機械学習エンジン40を考査に用いる。第1ステップの事前学習として、判定結果が付与された広告素材50の情報を学習データとして学習し、判定可否の学習モデル41を確立させてもよい。そして、第2ステップの考査において、考査用の広告素材50を投入し、考査及び判定を行う。
【0065】
画像考査においては、画像認識エンジン70及び機械学習エンジン40を用いた考査に適している考査項目について、画像認識エンジン70及び機械学習エンジン40を各考査項目について学習させ、学習モデル41を構築させることが好ましい。
【0066】
<画像考査:画像認識×画像識別>
画像認識エンジン70及び画像識別を用いる画像考査は、第1ステップとして、マスタ整備を実施し、第2ステップとして、画像認識エンジン70及び画像識別を画像考査に用いる。第1ステップのマスタ整備は、考査用画像のマスタデータを整備する。マスタデータは、記憶部等に適宜保存させる。そして、第2ステップの考査において、画像考査用の広告素材50を投入し、マスタデータに合致した画像を検出する。マスタデータは、合致した場合にOKと判定されるものでもよいし、合致した場合にNGと判定されるものでもよい。マスタデータを検出することにより考査及び判定を行う。
【0067】
画像考査においては、画像識別を用いた考査に適している考査項目について、考査項目毎にマスタデータを整備させる。
【0068】
<画像考査:画像認識×ルールベース>
画像識別及びルールベースエンジン80を用いる画像考査は、第1ステップとして、ルールを構築し、第2ステップとして、画像識別及びルールベース81を画像考査に用いる。第1ステップの判定式の構築では、考査判定基準に基づいて、ルールを構築する。第2ステップの画像考査において、考査用の広告素材50を投入し、考査及び判定を行う。
【0069】
画像考査においては、ルールベースエンジン80を用いた考査に適している考査項目について、考査項目毎にルールを構築する。
【0070】
<映像考査>
映像考査は、映像情報から考査可否を判定する。映像考査は、仕様判定を含む。なお、映像考査におけるテキスト考査及び画像考査に分解される部分は、内容判定を含んでもよい。映像考査は、テキスト考査、画像考査及び映像考査を組み合わせて実施してもよい。
【0071】
図13は、実施形態1に係る考査支援装置1において、広告素材55の映像考査を例示した図である。図13に示すように、映像としての広告素材55は、画像情報、テキスト情報及び楽曲情報等の各要素に分解される。
【0072】
分解された画像情報は、画像考査される。具体的には、映像をシーンごとに画像に分解し、さらに、シーン画像毎に、画像とテキストに分解される。分解された画像情報は、画像考査され、分解されたテキスト情報は、テキスト考査される。
【0073】
また、映像としての広告素材55は、音声認識ソフト等で音声内容をテキスト化され、テキスト考査される。
【0074】
映像ファイル自体については、映像考査として、映像の仕様及びファイル仕様に関する考査を実施する。具体的には、映像としての広告素材55は、映像ファイルの仕様及びクオリティを確認され、ファイルのフォーマットを確認される。フォーマットは、画角、ファイルサイズ、アスペクト比及び再生時間等を含む。クオリティは、点滅、映像ノイズ、音声ノイズ等を含む。これにより、仕様判定が実施される。映像としての広告素材55に使用されている楽曲情報については、楽曲使用に関する権利確認に利用される。
【0075】
<音声考査>
音声考査は、音声情報から考査可否を判定する。音声考査は、仕様判定を含む。なお、音声考査におけるテキスト考査に分解される部分は、内容判定を含んでもよい。音声考査は、テキスト考査及び音声考査を組み合わせて実施してもよい。
【0076】
図14は、実施形態1に係る考査支援装置1において、広告素材56の音声考査を例示した図である。図14に示すように、音声としての広告素材56は、テキスト情報及び楽曲情報等の各要素に分解される。
【0077】
音声としての広告素材56は、音声認識ソフト等で音声内容を分解及びテキスト化されることにより、テキスト考査される。
【0078】
音声ファイル自体については、音声考査として、音声の仕様及びファイル仕様に関する考査を実施する。具体的には、音声としての広告素材56は、音声ファイルの仕様及びクオリティを確認され、ファイルのフォーマットを確認される。フォーマットは、ファイルサイズ及び再生時間等を含む。クオリティは、音声ノイズ等を含む。これにより、使用判定が実施される。音声内に使用されている楽曲情報については、楽曲使用に関する権利確認に利用される。
【0079】
<複数形式クリエイティブのセット考査>
「画像+テキスト」「画像+映像+テキスト」等、複数形式のクリエイティブをセットとみなして、1つの「広告素材」とみなす場合がある。この場合は、画像情報、映像情報及びテキスト情報等を含む複数形式のクリエイティブ毎に考査を行い、最終的にセットで判定する。具体的には、判定部20は、テキスト考査による判定結果、画像考査による判定結果、映像考査による判定結果、及び、音声考査による判定結果の少なくともいずれか2つを組み合わせたセット考査を行う。
【0080】
図15は、実施形態1に係る考査支援装置1において、複数形式のクリエイティブのセット考査の対象とされた広告素材57を例示した図である。図16は、実施形態1に係る考査支援装置1において、広告素材57について実施された複数形式のクリエイティブのセット考査を例示した図である。
【0081】
図15に示すように、広告素材57は、画像情報及びテキスト情報が組み合わされた複数形式のクリエイティブとなっている。
【0082】
図16に示すように、広告素材57は、画像情報及びテキスト情報の各要素に分解される。考査支援装置1は、分解された画像情報に対して画像考査を実施し、各考査項目についての判定結果を出力する。また、考査支援装置1は、分解されたテキスト情報に対してテキスト考査を実施し、各考査項目についての判定結果を出力する。そして、考査支援装置1は、画像考査の判定結果とテキスト考査の判定結果とを組み合わせたセット考査を実施する。例えば、画像考査で主体者表記の考査項目においてNG判定でも、テキスト考査で主体者表記の考査項目においてOK判定なので、セット考査でOK判定となる。セット考査は、ルールベース81に基づいて実施されてもよいし、学習モデル41に基づいて実施されてもよい。
【0083】
<DAMサービスにおける考査フロー>
次に、デジタルアセットマネジメント(Digital Asset Management、以下、DAMと呼ぶ。)サービスにおける考査システムの考査フローを説明する。本考査システムでの対象となる広告素材50は、例えば、画像広告、映像広告、音声広告、テキスト広告、及び、組み合わせ広告の5種類を含んでもよい。画像広告は、広告バナーとして掲載される画像を含む。映像広告は、テレビCMとして放送される映像、及び、ウェブCMとして放送される映像を含む。音声広告は、ラジオCMとして放送される音声を含む。テキスト広告は、テキスト広告として掲載されるテキストを含む。組み合わせ広告は、上述した画像広告、映像広告、音声広告、及び、テキスト広告を組み合わせた広告を含む。以下では、広告バナーとして掲載される画像を含む画像広告の考査フローを説明する。
【0084】
画像広告の考査では、各考査項目に、複数の考査方式を組み合わせることが必要な場合がある。例えば、主体者名の考査項目の場合には、ロゴが抽出された場合のロゴの画像情報に基づいて考査する「画像考査」と、テキストが抽出された場合のテキスト情報に基づいて考査する「テキスト考査」とを組み合わせる。
【0085】
図17は、実施形態1に係る考査支援装置1において、DAMサービスにおける画像広告を含む広告素材58に対する画像考査及びテキスト考査を例示した図である。図17に示すように、画像考査は、例えば、画像認識及び画像識別により実施される。テキスト考査は、例えば、ルールベース81により実施される。
【0086】
ステップS20に示すように、広告主体名をA社として登録する。次に、ステップS21に示すように、広告素材58内にA社のロゴがあるか判定する。A社のロゴの有無の判定は、例えば、広告素材58から画像認識により抽出された画像を画像識別することにより行われる。広告素材58内にA社のロゴがある場合(ステップS21のYES)には、ステップS21aに示すように、考査はOK判定となる。
【0087】
一方、広告素材58内にA社のロゴがない場合(ステップS21のNO)には、ステップS22に示すように、広告素材58内にA社のロゴに変わるブランドロゴがあるか判定する。A社のブランドロゴの有無の判定も、ステップS21と同様に、画像認識及び画像識別により行われる。広告素材58内にA社のブランドロゴがある場合(ステップS22のYES)には、ステップS22aに示すように、考査はOK判定となる。
【0088】
一方、広告素材58内にA社のブランドロゴがない場合(ステップS22のNO)には、ステップS23に示すように、広告素材58内にA社というテキスト情報があるか判定する。広告素材58内にA社というテキスト情報がない場合(ステップS23のNO)には、ステップS23aに示すように、考査はNG判定となる。
【0089】
一方、広告素材58内にA社というテキスト情報がある場合(ステップS23のYES)には、ステップS24に示すように、広告素材58内に提供A社という主体者表記があるか判定する。広告素材58内に提供A社という主体者表記がある場合(ステップS23のYES)には、ステップS24aに示すように、考査はOK判定となる。
【0090】
一方、広告素材58内に提供A社という主体者表記がない場合(ステップS24のNO)には、ステップS25に示すように、広告素材58内にPR A社という主体者表記があるか判定する。広告素材58内にPR A社という主体者表記がある場合(ステップS25のYES)には、ステップS25aに示すように、考査はOK判定となる。
【0091】
一方、広告素材58内にPR A社という主体者表記がない場合(ステップS25のNO)には、ステップS26に示すように、考査はNGの可能性有りと判定される。
【0092】
次に、DAMサービス及び外部サービス・エンジンとの関係を説明する。図18図20は、実施形態1に係る考査支援装置1において、画像広告を含む広告素材59の考査フローを例示した図である。
【0093】
<I.アップロード>
図18のステップS31に示すように、考査対象の広告素材59をDAMサービス2にアップロードする。そうすると、図19及び図20に示すように、登録された広告素材59は、外部サービス・エンジン3におけるOCRエンジン60及び画像認識エンジン70に送信される。OCRエンジン60及び画像認識エンジン70は、広告素材59からテキスト情報61及び画像情報71を抽出する。また、登録された広告素材59は、外部サービス・エンジン3における画像認識エンジン70b及び画像識別エンジン70cに送信される。画像認識エンジン70b及び画像識別エンジン70cは、広告素材59から画像認識結果及び画像識別結果を取得する。なお、図中のa~i等は、接続先を示している。
【0094】
<II.登録>
次に、図18のステップS32に示すように、考査対象の広告素材59のメタ情報をDAMサービス2に登録する。登録するメタ情報は、例えば、広告素材名、広告主体名及び広告ジャンルを含んでもよい。DAMサービス2において、登録された広告素材59のメタ情報にコンテンツIDが付与されてもよい。
【0095】
<III.画像仕様取得>
図19に示すように、画像仕様取得エンジン70aは、画像仕様を取得する。画像仕様は、画像のフォーマット、容量、ピクセルサイズ及び画角を含んでもよい。画像仕様取得エンジン70aは、取得した画像仕様を情報取得部10に出力する。
【0096】
<IV.テキスト情報及び画像情報の取得>
図19及び図20に示すように、DAMサービス2において、情報取得部10は、外部サービス・エンジン3におけるOCRエンジン60及び画像認識エンジン70から、抽出されたテキスト情報61及び画像情報71を受信する。
【0097】
<V.考査指示>
次に、図18のステップS33に示すように、実施する考査項目を選択し、考査を実行するように考査指示を行う。考査指示は、広告素材名、広告主体者名、広告ジャンル及び追加実施項目を含んでもよい。図19に示すように、考査機能を有する判定部20は、考査項目毎のルールベース81、考査項目毎の学習モデル41、及び、考査項目毎のマスタデータを含んでいる。また、判定部20は、考査項目を、考査項目毎のルールベース81、考査項目毎の学習モデル41、及び、考査項目毎のマスタデータを用いた考査に振り分ける考査項目振り分け部21を含んでもよい。考査項目振り分け部21は、考査項目振り分け手段としての機能を有している。
【0098】
<VI.考査元データ要求>
図19に示すように、判定部20は、考査の対象となるテキスト情報61及び画像情報71等の考査元データを情報取得部10に要求する。
【0099】
<VII.考査元データ>
図19に示すように、判定部20は、情報取得部10から考査の対象となるテキスト情報61及び画像情報71等の考査元データを取得し、考査を実行する。また、判定部20は、画像認識エンジン70b及び画像識別エンジン70cから画像認識結果及び画像識別結果を考査元データとして取得し、考査を実行する。なお、画像認識エンジン70b及び画像識別エンジン70cは、DAMサービス2に組み込んでもよい。
【0100】
<VIII.判定結果>
図19に示すように、出力部30は、判定結果を取得し、出力する。
【0101】
次に、考査項目の振り分けフローを説明する。図21は、実施形態1に係る考査支援装置1において、考査項目の振り分けフローを例示した図である。図21に示すように、考査項目振り分け部21は、考査指示を受け取ると、実施する考査項目を振り分ける。例えば、考査指示が広告主体者名としてCCビールを含み、広告ジャンルとしてアルコールを含む場合には、考査項目振り分け部21は、考査項目として、必須考査項目及びアルコール飲料の考査項目に振り分ける。考査項目振り分け部21は、消費者金融の考査項目等、考査指示に関係しない考査項目に振り分けない。考査項目振り分け部21は、登録された広告メタ情報及び考査指示から振り分ける考査項目を選択してもよい。
【0102】
必須考査項目における考査においては、主体者表記ロゴ判定モデル、主体者表記テキスト判定モデル、景表法最上級判定モデル、及び、景表法二重価格判定モデルを用いてもよい。主体者表記ロゴ判定モデルは、主体者ロゴマスターデータを用いてもよい。景表法最上級判定モデルは、景表法最上級表現マスタデータを用いてもよい。景表法二重価格判定モデルは、景表法二重価格表現マスタデータを用いてもよい。アルコールの考査項目における考査においては、アルコール注意記載判定モデルを用いてもよい。
【0103】
図22は、実施形態1に係る考査支援装置1において、画像広告を含む広告素材59の考査フローを例示した図である。図22に示すように、考査対象の広告素材59についての考査指示及びオプション考査項目の指定を行う。そうすると、判定部20における考査項目振り分け部21は、考査指示、オプション考査項目及び登録された広告素材59のメタ情報に基づいて、必須考査項目に加えて、ジャンル別考査項目及びオプション考査項目を振り分ける。そして、各考査項目について考査を実行する。必須考査項目、ジャンル別考査項目及びオプション考査項目の各考査項目の考査は、並列処理で実行してもよいし、順処理で実行してもよい。考査支援装置1から出力された各考査項目の効果結果を元にして、最終判定結果を判断する。
【0104】
<DAM考査画面>
次に、DAMサービス2における考査画面のイメージを説明する。図23図26は、実施形態1に係る考査支援装置1において、DAMサービス2における考査画面のイメージを例示した図である。
【0105】
図23に示すように、考査支援装置1を含むDAMサービス2に考査対象の広告素材59をアップロードする場合には、まず、コンテンツアップロード画面11において、広告素材59のファイルを選択する。そして、選択されたファイルをアップロードする際に、OCRエンジン60及び画像認識エンジン70で広告素材59をメタ情報化する。このようにして取得したメタ情報を、「考査メタ」として格納する。
【0106】
また、既存のアップロード済の広告素材59がある場合には、図24に示すように、コンテンツ詳細画面12において、メニューから「考査メタ取得」を選択する。選択されたファイルをOCRエンジン60及び画像認識エンジン70で広告素材59をメタ情報化する。このようにして取得したメタ情報を、「考査メタ」として格納する。
【0107】
図25に示すように、取得された考査メタ情報は、広告素材59を登録したコンテンツ詳細画面12上に表示される。コンテンツ詳細画面12では、クリエイティブタブにおけるテキスト情報タブからテキスト情報をマニュアルで入力をすることができる。例えば、テキスト情報に誤りがある場合に、テキスト情報をマニュアルで入力する。また、クリエイティブタブにおける広告ジャンルタブから広告ジャンルをマニュアルで入力することができる。例えば、広告ジャンルに誤りがある場合に、広告ジャンルをマニュアルで入力する。
【0108】
OCRタブには、取得されたテキスト情報が表示される。オブジェクトタブには、画像認識エンジン70によってオブジェクトとして認識された画像情報が表示される。人物タブには、画像認識エンジン70によって人物として認識された画像情報が表示される。コンテンツメタ情報タブには、キャンペーン情報等の登録された情報が表示される。
【0109】
図26に示すように、コンテンツ詳細画面12では、考査タブにおける考査実施項目タブから考査項目をマニュアルで入力をすることができる。広告ジャンルで指定される考査項目は、クリエイティブタブ内の考査メタ情報の広告ジャンル情報を元に選択することができる。例えば、必須考査項目以外の考査項目を考査項目リストからマニュアルで選択することができる。また、考査項目に誤りがある場合に、考査項目をマニュアルで入力することができる。
【0110】
考査実行タブ内で「考査実行」ボタンを押すと、コンテンツメタ情報、考査メタ情報及び考査実施項目に基づいて、考査が実行される。判定結果は、考査実行後に、判定結果タブに表示される。
【0111】
<広告媒体における広告としての適否>
次に、広告媒体における広告としての適否について説明する。広告素材50が広告媒体に広告として掲載されるためには、一例として、下記の2つの考査を経る。順序は、2.の考査→1.の考査の順である。
1.広告媒体における考査(例えば、NO1~NO27の考査項目+自媒体の掲載基準の確認)
2.広告代理店、メディアレップ等の広告出稿運用担当者における普遍的な考査(例えば、NO1~NO27の考査項目)
上記2.の考査において、OKの判定を得られたとしても、ある広告媒体に対しては、掲載がNGになる場合がある。つまり、広告素材50が広告媒体に掲載する広告として適切かは、広告媒体を管理する管理者によって最終的に判定される。つまり、広告媒体の管理者は、考査支援装置1によって広告として適切と判定された広告素材50を、自媒体に掲載する広告として不適切と判定することもある。そこで、考査支援装置1は、広告媒体の管理者の意向を学習した学習モデル41を用いて、広告素材50の適否を判定することが好ましい。この場合の学習モデル41は、広告媒体の管理者によって判定された広告素材50の情報を学習データとして学習している。学習モデル41は、考査項目毎に学習したものでもよい。このような学習モデル41を用いることにより、考査支援装置1において適切と判定した広告素材50が、最終的に広告媒体における広告として採用される精度を向上させることができる。
【0112】
<複数の広告媒体における判定結果の比較>
複数の広告媒体に広告素材50を出稿した場合に、一方の広告媒体の管理者は、広告素材50を広告として適切と判定し、他方の広告媒体の管理者は、広告素材50を広告として不適切と判定する場合がある。このように、同じ広告素材50でも、広告媒体によって判定が異なる場合がある。
【0113】
そこで、広告媒体Aに広告素材50を出稿する場合には、考査支援装置1は、広告媒体Aの管理者によって判定された広告素材50の情報を学習データとして学習した学習モデル41を用いる。また、広告媒体Bに広告素材50を出稿する場合には、考査支援装置1は、広告媒体Bの管理者によって判定された広告素材50の情報を学習データとして学習した学習モデル41を用いる。
【0114】
このように、広告媒体が、広告媒体A、及び、広告媒体Aと異なる広告媒体Bを含む場合に、学習モデル41は、学習モデル41a、及び、学習モデル41bを含むようにする。そして、学習モデル41aは、広告媒体Aによって判定された広告素材50の情報を学習データとして学習する。学習モデル41bは、広告媒体Bによって判定された広告素材50の情報を学習データとして学習する。この場合に、判定部20は、広告媒体Aに出稿する広告素材50を、学習モデル41aを用いて判定する。また、判定部20は、広告媒体Bに出稿する広告素材50を、学習モデル41bを用いて判定する。
【0115】
このような構成とすることにより、考査支援装置1において適切と判定した広告素材50が、異なる複数の広告媒体A及びBにおいて、広告として採用される精度を向上させることができる。また、考査支援装置1は、考査項目毎に判定結果を出力するので、広告媒体Aに関して、各考査項目の判定の難易度及び傾向を取得し、広告媒体Bに関して、各考査項目の判定の難易度及び傾向を取得することができる。よって、広告媒体Aと広告媒体Bとの考査項目毎の差異を取得することができる。
【0116】
なお、本開示は、上記実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、実施形態の概要及び実施形態1の各構成を組み合わせたものも本開示の技術思想の範囲である。
【0117】
プログラムは、コンピュータを含む考査支援装置1に読み込まれた場合に、実施形態で説明される1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
【0118】
また、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0119】
(付記A1)
広告素材に含まれた情報を取得し、
前記広告素材が広告として適切か考査するための複数の考査項目にそれぞれ対応した複数の学習モデルを用いて前記考査項目に対する前記情報の適否を判定し、
判定した判定結果を出力し、
各学習モデルは、各考査項目における複数の前記情報の前記判定結果を学習データとして学習しており、
前記判定結果を出力する際に、各考査項目に対する前記判定結果を出力する、
考査支援方法。
(付記A2)
前記前記情報の適否を判定する際に、
前記考査項目に対応したルールベースを用いて前記考査項目に対する前記情報の前記適否を判定し、
前記ルールベースは、前記考査項目に対する前記情報の前記適否を判定するルールを含む、
付記A1に記載の考査支援方法。
(付記A3)
前記考査項目は、広告主体者名、サービス名、商品名、ブランド名、最上級表現、総額表示、比較表現、アルコール、及び、広告領域の明確化の少なくともいずれかを含む、
付記A1に記載の考査支援方法。
(付記A4)
前記考査項目は、前記広告素材に記載されたリンクから移動したリンク先のウェブページにおける広告主体者名及び広告主体者ロゴの少なくともいずれかを含む、
付記A1に記載の考査支援方法。
(付記A5)
前記広告素材に含まれた前記情報は、テキスト情報、画像情報、映像情報、及び、音声情報の少なくともいずれかを含み、
前記前記情報の適否を判定する際に、
前記考査項目に対する前記テキスト情報の前記適否を判定するテキスト考査、前記考査項目に対する前記画像情報の前記適否を判定する画像考査、前記考査項目に対する前記映像情報の前記適否を判定する映像考査、及び、前記考査項目に対する前記音声情報の前記適否を判定する音声考査の少なくともいずれかを行う、
付記A1に記載の考査支援方法。
(付記A6)
前記前記情報の適否を判定する際に、
前記テキスト考査による前記判定結果、前記画像考査による前記判定結果、前記映像考査による前記判定結果、及び、前記音声考査による前記判定結果の少なくともいずれか2つを組み合わせたセット考査を行う、
付記A5に記載の考査支援方法。
(付記A7)
前記広告素材が広告媒体に掲載する前記広告として適切かは、前記広告媒体の管理者によって判定され、
前記学習モデルは、前記管理者によって判定された前記広告素材の前記情報を学習データとして学習する、
付記A1に記載の考査支援方法。
(付記A8)
前記広告媒体は、第1の広告媒体、及び、前記第1の広告媒体と異なる第2の広告媒体を含み、
前記学習モデルは、第1の学習モデル、及び、第2の学習モデルを含み、
前記第1の学習モデルは、前記第1の広告媒体によって判定された前記広告素材の前記情報を学習データとして学習し、
前記第2の学習モデルは、前記第2の広告媒体によって判定された前記広告素材の前記情報を学習データとして学習する、
付記A7に記載の考査支援方法。
(付記B1)
広告素材に含まれた情報を取得し、
前記広告素材が広告として適切か考査するための複数の考査項目にそれぞれ対応した複数の学習モデルを用いて前記考査項目に対する前記情報の適否を判定し、
判定した判定結果を出力することをコンピュータに実行させる考査支援プログラムであって、
各学習モデルは、各考査項目における複数の前記情報の前記判定結果を学習データとして学習しており、
前記判定結果を出力する際に、各考査項目に対する前記判定結果を出力する、
考査支援プログラム。
(付記B2)
前記前記情報の適否を判定する際に、
前記考査項目に対応したルールベースを用いて前記考査項目に対する前記情報の前記適否を判定し、
前記ルールベースは、前記考査項目に対する前記情報の前記適否を判定するルールを含む、
付記B1に記載の考査支援プログラム。
(付記B3)
前記考査項目は、広告主体者名、サービス名、商品名、ブランド名、最上級表現、総額表示、比較表現、アルコール、及び、広告領域の明確化の少なくともいずれかを含む、
付記B1に記載の考査支援プログラム。
(付記B4)
前記考査項目は、前記広告素材に記載されたリンクから移動したリンク先のウェブページにおける広告主体者名及び広告主体者ロゴの少なくともいずれかを含む、
付記B1に記載の考査支援プログラム。
(付記B5)
前記広告素材に含まれた前記情報は、テキスト情報、画像情報、映像情報、及び、音声情報の少なくともいずれかを含み、
前記前記情報の適否を判定する際に、
前記考査項目に対する前記テキスト情報の前記適否を判定するテキスト考査、前記考査項目に対する前記画像情報の前記適否を判定する画像考査、前記考査項目に対する前記映像情報の前記適否を判定する映像考査、及び、前記考査項目に対する前記音声情報の前記適否を判定する音声考査の少なくともいずれかを行う、
付記B1に記載の考査支援プログラム。
(付記B6)
前記前記情報の適否を判定する際に、
前記テキスト考査による前記判定結果、前記画像考査による前記判定結果、前記映像考査による前記判定結果、及び、前記音声考査による前記判定結果の少なくともいずれか2つを組み合わせたセット考査を行う、
付記B5に記載の考査支援プログラム。
(付記B7)
前記広告素材が広告媒体に掲載する前記広告として適切かは、前記広告媒体の管理者によって判定され、
前記学習モデルは、前記管理者によって判定された前記広告素材の前記情報を学習データとして学習する、
付記B1に記載の考査支援プログラム。
(付記B8)
前記広告媒体は、第1の広告媒体、及び、前記第1の広告媒体と異なる第2の広告媒体を含み、
前記学習モデルは、第1の学習モデル、及び、第2の学習モデルを含み、
前記第1の学習モデルは、前記第1の広告媒体によって判定された前記広告素材の前記情報を学習データとして学習し、
前記第2の学習モデルは、前記第2の広告媒体によって判定された前記広告素材の前記情報を学習データとして学習する、
付記B7に記載の考査支援プログラム。
【符号の説明】
【0120】
1 考査支援装置
2 DAMサービス
3 外部サービス・エンジン
10 情報取得部
11 コンテンツアップロード画面
12 コンテンツ詳細画面
20 判定部
21 考査項目振り分け部
30 出力部
40 機械学習エンジン
41、41a、41b 学習モデル
50、51、52、53、54、55、56、57、58、59 広告素材
60 OCRエンジン
61 テキスト情報
70 画像認識エンジン
70a 画像仕様取得エンジン
70b 画像認識エンジン
70c 画像識別エンジン
71 画像情報
80 ルールベースエンジン
81、81a、81b ルールベース
90 判定結果
UI ユーザインターフェース
MMR メモリ
PRC プロセッサ
STR 記憶装置
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