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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143745
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】ロボット
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20241003BHJP
   B25J 9/06 20060101ALI20241003BHJP
   B25J 9/10 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
H01L21/68 A
B25J9/06 D
B25J9/10 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023056568
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(74)【代理人】
【識別番号】100202728
【弁理士】
【氏名又は名称】三森 智裕
(72)【発明者】
【氏名】芝田 武士
(72)【発明者】
【氏名】室井 祐也
【テーマコード(参考)】
3C707
5F131
【Fターム(参考)】
3C707AS01
3C707AS25
3C707CT04
3C707CV07
3C707CW07
3C707CX01
3C707DS05
3C707HS27
3C707HT21
3C707LT11
3C707MS05
3C707NS12
5F131AA03
5F131AA32
5F131AA33
5F131BA00
5F131CA38
5F131CA39
5F131DA02
5F131DA22
5F131DA42
5F131DB02
5F131DB12
5F131DB22
5F131DB52
5F131DB62
5F131DB82
(57)【要約】
【課題】ワークが壁部に干渉することを回避して、ワークの搬送を円滑に行うことが可能なロボットを提供する。
【解決手段】このロボット23は、水平多関節型のロボットアーム23bと、ロボットアーム23bの先端に配置されるとともに、矩形板状の基板Sを保持するハンド23cと、複数の載置部30の間で基板Sを搬送するように、ハンド23cおよびロボットアーム23bの動作を制御する制御部23dと、を備える。ハンド23cおよびロボットアーム23bは、壁部21aで囲まれた搬送空間20aに配置されており、制御部23dは、基板Sが壁部21aに干渉しないように、ハンド23cの中央から基板Sの端面までの距離が不均等な状態で基板Sを搬送するように、ハンド23cおよびロボットアーム23bの動作を制御する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台と、
前記基台に接続される水平多関節型のロボットアームと、
前記ロボットアームの先端に配置されるとともに、矩形板状のワークを保持するハンドと、
複数の載置部の間で前記ワークを搬送するように、前記ハンドおよび前記ロボットアームの動作を制御する制御部と、を備え、
前記ハンドおよび前記ロボットアームは、壁部で囲まれた搬送空間に配置されており、
前記制御部は、前記ワークが前記壁部に干渉しないように、前記ハンドの中央から前記ワークの端面までの距離が不均等な状態で前記ワークを搬送するように、前記ハンドおよび前記ロボットアームの動作を制御する、ロボット。
【請求項2】
前記ハンドは、第1ハンドと、前記第1ハンドの上方に配置され、前記第1ハンドとは別個に動作する第2ハンドとを含み、
前記制御部は、前記第1ハンドおよび前記第2ハンドの一方としての進入ハンドが前記載置部に進入する場合、前記第1ハンドおよび前記第2ハンドの他方としての逃げハンドが前記載置部から逃げるように、前記ハンドの動作を制御し、
前記制御部は、前記逃げハンドが保持する前記ワークが前記壁部に干渉しないように、前記進入ハンドの中央に対して前記逃げハンドが前記載置部から逃げる方向側に所定の距離だけ前記ワークをずらすことにより前記ハンドの中央から前記ワークの端面までの距離が不均等な状態で前記ワークを搬送するように、前記ハンドおよび前記ロボットアームの動作を制御する、請求項1に記載のロボット。
【請求項3】
前記ロボットアームは、複数のリンクと、複数の関節とを含み、
前記複数の関節の各々は、モータと、ギアを含む減速機とを有する、請求項1に記載のロボット。
【請求項4】
前記複数のリンクは、前記基台に接続される第1リンクと、前記第1リンクに接続されるとともに前記ハンドに接続される第2リンクとを有し、
前記複数の関節は、前記第1リンクを駆動する第1関節と、前記第2リンクを駆動する第2関節と、前記ハンドを駆動する第3関節とを有し、
前記第1関節および前記第2関節の各々の前記モータおよび前記減速機は、前記第1リンク内に配置されており、
前記第3関節の前記モータおよび前記減速機は、前記第2リンク内に配置されている、請求項3に記載のロボット。
【請求項5】
前記第1関節の前記モータは、前記第1リンク内において前記第1リンクが延びる方向に沿った姿勢で基端側を向いて配置されており、
前記第2関節の前記モータは、前記第1リンク内において前記第1リンクが延びる方向に沿った姿勢で先端側を向いて配置されており、
前記第3関節の前記モータは、前記第2リンク内において前記第2リンクが延びる方向に沿った姿勢で先端側を向いて配置されている、請求項4に記載のロボット。
【請求項6】
前記ロボットアームは、複数のリンクを含み、
前記複数のリンクは、前記基台に接続される第1リンクと、前記第1リンクに接続されるとともに前記ハンドに接続される第2リンクとを有し、
前記第1リンクおよび前記第2リンクの各々は、前記ハンドが前記壁部に干渉しないように、互いに異なる軸間距離を有する、請求項1に記載のロボット。
【請求項7】
前記第2リンクは、前記ハンドが前記壁部に干渉しないように、前記第1リンクよりも大きい軸間距離を有する、請求項6に記載のロボット。
【請求項8】
前記基台は、前記搬送空間の中心線からずれた位置に配置されている、請求項1に記載のロボット。
【請求項9】
前記ハンドは、第1ハンドと、前記第1ハンドの上方に配置され、前記第1ハンドとは別個に動作する第2ハンドとを含む、請求項1に記載のロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ロボットアームを備えるロボットが知られている。特許文献1には、ガラス基板を搬送する基板搬送ロボットが開示されている。この基板搬送ロボットは、ハンドが先端に設けられる伸縮アーム部と、伸縮アーム部を走行軸に沿って走行させる走行台車とを備えている。この基板搬送ロボットは、伸縮アーム部の伸縮動作、および、走行台車の走行軸動作などの各種の動作を行うことにより、ガラス基板をカセットから所定の搬送箇所に搬送する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-103156号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載されたような基板搬送ロボットでは、ロボットアームおよびハンドが壁部に囲まれた空間に配置されている場合がある。この場合、ロボットアームおよびハンドによるガラス基板の搬送中に、ガラス基板が壁部に干渉すると、ガラス基板の搬送を円滑に行うことができないという問題点がある。
【0005】
この開示は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この開示の1つの目的は、ワークが壁部に干渉することを回避して、ワークの搬送を円滑に行うことが可能なロボットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この開示の一の局面によるロボットは、基台と、基台に接続される水平多関節型のロボットアームと、ロボットアームの先端に配置されるとともに、矩形板状のワークを保持するハンドと、複数の載置部の間でワークを搬送するように、ハンドおよびロボットアームの動作を制御する制御部と、を備え、ハンドおよびロボットアームは、壁部で囲まれた搬送空間に配置されており、制御部は、ワークが壁部に干渉しないように、ハンドの中央からワークの端面までの距離が不均等な状態でワークを搬送するように、ハンドおよびロボットアームの動作を制御する。
【0007】
この開示の一の局面によるロボットでは、上記のように、制御部は、ワークが壁部に干渉しないように、ハンドの中央からワークの端面までの距離が不均等な状態でワークを搬送するように、ハンドおよびロボットアームの動作を制御する。これにより、ハンドの中央にワークを配置した状態でワークを搬送するとワークが壁部に干渉する場合にも、ハンドの中央からワークの端面までの距離が不均等な状態でワークを搬送することにより、ワークが壁部に干渉することを回避することができる。その結果、ワークの搬送を円滑に行うことができる。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、ワークが壁部に干渉することを回避して、ワークの搬送を円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態による基板処理システムの構成を示す模式図である。
図2】一実施形態によるロボットを示す模式的な側面図である。
図3】一実施形態によるロボットを示す模式的な平面図である。
図4】ハンドの中央に基板を配置した状態で基板を搬送する例を説明するための模式図である。
図5】一実施形態によるロボットの基板の搬送を説明するための模式図である。
図6】アームの軸間距離が等しい例を説明するための模式図である。
図7】一実施形態によるアームの軸間距離を説明するための模式図である。
図8】一実施形態の変形例による基板処理システムの構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示を具体化した本開示の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本願明細書において、上下方向をZ方向と呼ぶ。上方側をZ1側と呼び、下方側をZ2側と呼ぶ。Z方向に直交する方向をX方向と呼ぶ。X方向の一方側をX1側と呼び、他方側をX2側と呼ぶ。Z方向およびX方向に直交する方向をY方向と呼ぶ。Y方向の一方側をY1側と呼び、他方側をY2側と呼ぶ。
【0011】
(基板処理システムの構成)
図1に示すように、基板処理システム100は、矩形板状の基板Sを搬送するとともに、搬送した基板Sに対して所定の処理を行うシステムである。基板処理システム100は、基板処理装置10と、基板搬送装置20とを備えている。基板Sは、ワークの一例である。
【0012】
基板処理装置10は、予め雰囲気が調整された処理空間10a内において基板Sに対して所定の処理を行う装置である。処理空間10aは、たとえば、所定のクリーン度の雰囲気に予め調整される。所定のクリーン度として、たとえば、国際標準化機構(ISO:International Organization for Standardization)に規定されるCLASS1が採用されてもよい。
【0013】
基板処理装置10は、処理空間10aを有する筐体11と、複数の載置部とを含んでいる。複数の載置部の各々は、筐体11内の処理空間10aに配置されている。また、複数の載置部の各々には、基板搬送装置20の後述するロボット23により基板Sが搬送されて載置される。そして、載置部の各々に載置された後、処理空間10a内において基板Sに対して所定の処理が行われる。
【0014】
基板搬送装置20は、予め雰囲気が調整された搬送空間20aを経由して基板Sを搬送する装置である。搬送空間20aは、たとえば、所定のクリーン度の雰囲気に予め調整される。所定のクリーン度として、たとえば、国際標準化機構に規定されるCLASS1が採用されてもよい。基板搬送装置20は、フロントエンドモジュール(EFEM:Equipment Front End Module)とも呼ばれる。基板搬送装置20の後述する筐体21のY1側に基板処理装置10が配置され、筐体21のY2側に複数の載置部30a、30bおよび30cが配置される。複数の載置部30a、30bおよび30cの各々は、基板収容容器である。基板収容容器は、複数の基板Sを収容する。
【0015】
基板搬送装置20は、搬送空間20aを有する筐体21と、複数の支持部22と、ロボット23と、載置部30dとを含んでいる。なお、基板搬送装置20には、基台23aを走行駆動するための走行手段は設けられていない。
【0016】
筐体21は、搬送空間20aを形成する壁部21aを有している。壁部21aは、Z方向に沿って延びる側壁部であり、ロボット23および載置部30dの各々の四方を囲んでいる。すなわち、壁部21aは、Y1側の壁部21aaと、Y2側の壁部21abと、X1側の壁部21acと、X2側の壁部21adとを有している。壁部21aは、平面視において矩形形状を有している。
【0017】
基板処理装置10に面する壁部21aaには、処理空間10aと搬送空間20aとの間で基板Sを搬送するための複数の開口部21aeが形成されている。複数の開口部21aeの各々は、処理空間10aと搬送空間20aとを連通しており、基板Sを挿抜することが可能な大きさを有している。また、複数の開口部21aeの各々は、基板処理装置10の複数の載置部の各々に対応して設けられている。
【0018】
複数の載置部30a、30bおよび30cの各々に面する壁部21abには、基板収容容器内の空間と搬送空間20aとの間で基板Sを搬送するための複数の開口部21afが形成されている。複数の開口部21afの各々は、基板収容容器内の空間と搬送空間20aとを連通しており、基板Sを挿抜することが可能な大きさを有している。また、複数の開口部21afの各々は、複数の載置部30a、30bおよび30cの各々に対応して設けられている。
【0019】
支持部22は、基板収容容器を下方から支持する台である。すなわち、複数の支持部22の各々は、複数の載置部30a、30bおよび30cの各々を下方から支持する。複数の支持部22の各々は、3つの開口部21afの各々に対応して設けられている。また、複数の支持部22と、複数の載置部30a、30bおよび30cとの各々は、筐体21外に配置されている。
【0020】
また、ロボット23および載置部30dの各々は、筐体21内の搬送空間20aに配置されている。具体的には、ロボット23および載置部30dの各々は、筐体21を構成する壁部21aに囲まれて配置されている。また、載置部30dには、ロボット23により基板Sが搬送されて載置される。載置部30dは、載置された基板Sの向きを揃えるなどの基板Sのアライメントを行うアライメント装置である。なお、以下では、載置部30a、30b、30cおよび30dと、基板処理装置10の複数の載置部とを総称して、載置部30と呼ぶことがある。
【0021】
ロボット23は、搬送空間20aを経由して複数の載置部30の間で基板Sを搬送する基板搬送ロボットである。たとえば、ロボット23は、基板収容容器としての複数の載置部30a、30bおよび30cのいずれかから基板Sを取得し、取得した基板Sをアライメント装置としての載置部30dに搬送する。また、たとえば、ロボット23は、載置部30dからアライメントされた基板Sを取得し、取得した基板Sを、基板処理装置10の複数の載置部のいずれかに搬送する。
【0022】
図1図3に示すように、ロボット23は、基台23aと、ロボットアーム23bと、ハンド23cと、制御部23dとを有している。
【0023】
基台23aは、ロボットアーム23bを支持する台である。基台23aは、床面などの設置面上に設置されている。また、基台23aは、搬送空間20aの中心線Cからずれた位置に配置されている。基台23aは、Y1側の壁部21aaに寄せて、壁部21aaの近傍に配置されている。また、基台23aには、ロボットアーム23bを昇降する昇降機構23aaが配置されている。昇降機構23aaは、駆動源としてモータを含み、基台23aに対してロボットアーム23bをZ方向に昇降する。
【0024】
ロボットアーム23bは、水平多関節型である。ロボットアーム23bの基端は、基台23aに回転可能に接続されている。なお、ロボットアーム23bの詳細な構成については、後述する。
【0025】
ハンド23cは、矩形形状を有する基板Sを保持する。ハンド23cは、ロボットアーム23bの先端に配置されている。また、ハンド23cは、第1ハンド23caと、第1ハンド23caの上方に配置され、第1ハンド23caとは別個に動作する第2ハンド23cbとを含んでいる。第1ハンド23caは、基板Sを下方から支持する支持部23ccを有している。同様に、第2ハンド23cbは、基板Sを下方から支持する支持部23cdを有している。支持部23ccおよび23cdの各々は、基板Sを下方から支持する薄板状の支持板である。支持部23ccおよび23cdの各々に、1つずつ基板Sを支持可能である。
【0026】
制御部23dは、プログラムを実行するCPUなどのプロセッサと、プログラムが格納されたメモリなどの記憶部とを含み、ロボット23の動作を制御する。具体的には、制御部23dは、基台23aが水平方向に移動することなく、搬送空間20aを経由して複数の載置部30の間で基板Sを搬送するように、ハンド23cおよびロボットアーム23bの動作を制御する。より具体的には、制御部23dは、ロボットアーム23bの後述する複数の関節23bc、23bdおよび23beを制御することにより、ハンド23cおよびロボットアーム23bの動作を制御する。
【0027】
また、図5に示すように、制御部23dは、第1ハンド23caおよび第2ハンド23cbの一方としての進入ハンドが載置部30に進入する場合、第1ハンド23caおよび第2ハンド23cbの他方としての逃げハンドが載置部30から逃げるように、ハンド23cの動作を制御する。この際、制御部23dは、進入ハンドに対して所定の角度θだけ逃げハンドを回転させることにより、進入ハンドが進入する載置部30から逃げハンドを逃げさせる。なお、図5では、第2ハンド23cbが進入ハンドであり、第1ハンド23caが逃げハンドである例を示しているが、第1ハンド23caが進入ハンドであり、第2ハンドが23cbが逃げハンドである場合も同様の動作である。また、進入ハンドが載置部30dに進入する例を示しているが、進入ハンドが載置部30d以外の他の載置部30に進入する場合も同様の動作である。
【0028】
(ロボットアームの詳細な構成)
図2および図3に示すように、ロボットアーム23bは、複数のリンク23baおよび23bbと、複数の関節23bc、23bdおよび23beとを含んでいる。
【0029】
複数のリンク23baおよび23bbは、第1リンク23baと、第2リンク23bbとを有している。第1リンク23baの基端側は、Z方向に延びる回転軸線A1周りに回転可能に基台23aに接続されている。第1リンク23baは、360度の範囲で回転するのではなく、180度の範囲で回転軸線A1周りに回転する。また、第1リンク23baの先端側には、Z方向に延びる回転軸線A2周りに回転可能に第2リンク23bbの基端側が接続されている。また、第2リンク23bbの先端側には、Z方向に延びる回転軸線A3周りに回転可能にハンド23cが接続されている。
【0030】
複数の関節23bc、23bdおよび23beは、第1関節23bcと、第2関節23bdと、第3関節23beとを有している。第1関節23bcは、第1リンク23baを駆動する肩関節であり、第1リンク23baの基端側と基台23aとの連結部に設けられている。第2関節23bdは、第2リンク23bbを駆動する肘関節であり、第1リンク23baの先端側と第2リンク23bbの基端側との連結部に設けられている。第3関節23beは、ハンド23cを駆動する手首関節であり、第2リンク23bbの先端側とハンド23cの基端側との連結部に設けられている。
【0031】
第1実施形態では、複数の関節23bc、23bdおよび23beの各々は、モータと、ギアを含む減速機とを有している。具体的には、第1関節23bcは、モータ41と、ギアを含む減速機42とを有している。第2関節23bdは、モータ51と、ギアを含む減速機52とを有している。第3関節23beは、複数のモータ61および62と、各々がギアを含む複数の減速機63および64とを有している。減速機42、52、63および64の各々のギアは、所定の減速比を有する複数のギアからなるギア列として設けられている。
【0032】
第1関節23bcの減速機42は、ギア列の最終ギアを介して、第1リンク23baを回転軸線A1周りに回転する回転軸43に接続されている。第1関節23bcは、モータ41の駆動力を減速機42を介して回転軸43に伝達する。これにより、第1関節23bcは、回転軸43を回転軸線A1周りに回転するとともに、第1リンク23baを回転軸線A1周りに回転する。
【0033】
第2関節23bdの減速機52は、ギア列の最終ギアを介して、第2リンク23bbを回転軸線A2周りに回転する回転軸53に接続されている。第2関節23bdは、モータ51の駆動力を減速機52を介して回転軸53に伝達する。これにより、第2関節23bdは、回転軸53を回転軸線A2周りに回転するとともに、第2リンク23bbを回転軸線A2周りに回転する。
【0034】
第3関節23beの減速機63は、ギア列の最終ギアを介して、第1ハンド23caを回転軸線A3周りに回転する回転軸65に接続されている。第3関節23beは、モータ61の駆動力を減速機63を介して回転軸65に伝達する。これにより、第3関節23beは、回転軸65を回転軸線A3周りに回転するとともに、第1ハンド23caを回転軸線A3周りに回転する。
【0035】
また、第3関節23beの減速機64は、ギア列の最終ギアを介して、第2ハンド23cbを回転軸線A3周りに回転する、回転軸65と同軸に配置された回転軸66に接続されている。第3関節23beは、モータ62の駆動力を減速機64を介して回転軸66に伝達する。これにより、第3関節23beは、回転軸66を回転軸線A3周りに回転するとともに、第2ハンド23cbを回転軸線A3周りに回転する。
【0036】
これらのように、複数の関節23bc、23bdおよび23beにより、第1リンク23ba、第2リンク23bb、第1ハンド23caおよび第2ハンド23cbを互いに独立して動作させることが可能である。
【0037】
また、第1実施形態では、第1関節23bcおよび第2関節23bdの各々のモータ41、51および減速機42、52は、第1リンク23ba内に配置されている。具体的には、第1関節23bcのモータ41は、第1リンク23ba内において第1リンク23baが延びるA4方向に沿った姿勢で基端側を向いて配置されている。すなわち、第1関節23bcのモータ41は、出力軸が第1リンク23baが延びるA4方向に沿ってかつ基端側を向いて配置されている。また、第2関節23bdのモータ51は、第1リンク23ba内において第1リンク23baが延びるA4方向に沿った姿勢で先端側を向いて配置されている。すなわち、第2関節23bdのモータ51は、出力軸が第1リンク23baが延びるA4方向に沿ってかつ先端側を向いて配置されている。第1関節23bcのモータ41および第2関節23bdのモータ51は、第1リンク23ba内において互いに逆向きになるように配置されている。
【0038】
また、第1関節23bcのモータ41および減速機42は、第1リンク23ba内において基端側に配置されている。また、第2関節23bdのモータ51および減速機52は、第1リンク23ba内において先端側に配置されている。また、第1関節23bcのモータ41および第2関節23bdのモータ51は、第1リンク23baが延びるA4方向およびZ方向の両方に直交するA5方向において、一方側および他方側にそれぞれ配置されている。第1リンク23ba内において第1関節23bcのモータ41および第2関節23bdのモータ51を極力離間して設けることができるので、第1リンク23ba内において各モータを配置するスペースを容易に確保することが可能である。
【0039】
また、第1実施形態では、第3関節23beのモータ61、62および減速機63、64は、第2リンク23bb内に配置されている。具体的には、第3関節23beのモータ61、62は、第2リンク23bb内において第2リンク23bbが延びるA6方向に沿った姿勢で先端側を向いて配置されている。すなわち、第3関節23beのモータ61、62は、出力軸が第2リンク23bbが延びるA6方向に沿ってかつ先端側を向いて配置されている。また、第3関節23beのモータ61、62および減速機63、64は、第2リンク23bb内において先端側に配置されている。また、第3関節23beのモータ61、62は、第2リンク23bbが延びるA6方向およびZ方向の両方に直交するA7方向において、一方側および他方側にそれぞれ配置されている。
【0040】
(基板搬送制御)
ここで、図4に示すように、ハンド23cの中央に基板Sを配置した状態で基板Sを搬送すると基板Sが壁部21aに干渉する場合がある。具体的には、進入ハンドの中央に基板Sを配置した状態で基板Sを搬送すると、壁部21aと進入ハンドとの間の距離D1を十分に取れないため、逃げハンドが逃げた際に逃げハンドが保持する基板Sが壁部21aに干渉する場合がある。
【0041】
そこで、図5に示すように、第1実施形態では、制御部23dは、基板Sが壁部21aに干渉しないように、ハンド23cの中央から基板Sの端面までの距離が不均等な状態で基板Sを搬送するように、ハンド23cおよびロボットアーム23bの動作を制御する。具体的には、制御部23dは、逃げハンドが保持する基板Sが壁部21aに干渉しないように、進入ハンドの中央に対して逃げハンドが載置部30から逃げる方向側に所定の距離D2だけ基板Sをずらすことによりハンド23cの中央から基板Sの端面までの距離が不均等な状態で基板Sを搬送するように、ハンド23cおよびロボットアーム23bの動作を制御する。これにより、壁部21aと進入ハンドとの間の距離D1を十分に取れるため、逃げハンドが逃げた際に逃げハンドが保持する基板Sが壁部21aに干渉することを回避することが可能である。なお、逃げハンドが載置部30から逃げる方向側とは、逃げハンドが回転する側であり、図5ではY2側である。
【0042】
たとえば、制御部23dは、基板収容容器としての複数の載置部30a、30bおよび30cのいずれかから、第1ハンド23caおよび第2ハンド23cbの各々により、所定の距離D1だけ基板Sをずらした状態で基板Sを取得する。そして、制御部23dは、第1ハンド23caおよび第2ハンド23cbの各々により、所定の距離D1だけ基板Sをずらした状態で、アライメント装置としての載置部30dや、基板処理装置10の載置部に基板Sを搬送する。
【0043】
また、所定の距離D2は、壁部21aと基板Sとの干渉の程度に基づいて設定されている。具体的には、所定の距離D2は、壁部21aの内周部と、ハンド23cの中央に配置した場合に干渉する基板Sの部分との間の距離D3(図4参照)よりも大きくなるように設定されている。より具体的には、所定の距離D2は、距離D3に、余裕分を加えた値に設定されている。これにより、基板Sが壁部21aに干渉することを確実に回避することが可能である。
【0044】
また、ハンド23cの中央に対して基板Sをずらした状態で基板Sを搬送する場合、ハンド23cの中央に基板Sを配置した状態で基板Sを搬送する場合に比べて、より遠い位置までハンド23cを移動させる必要がある。すなわち、X1側の載置部30aにハンド23cを移動させる場合には、よりX1側までハンド23cを移動させる必要があるし、X2側の載置部30bにハンド23cを移動させる場合には、よりX2側までハンド23cを移動させる必要がある。一方、ハンド23cが移動可能な範囲は予め決まっているため、所定の距離D2の上限は、ハンド23cの中央に対して基板Sをずらしても、載置部30にハンド23cがアクセスできる範囲に設定する必要がある。
【0045】
(リンクの軸間距離)
ここで、図6に示すように、第1リンク23baおよび第2リンク23bbの各々が同じ軸間距離D4を有すると、ハンド23cが壁部21aに干渉する場合がある。具体的には、第1リンク23baおよび第2リンク23bbの各々が同じ軸間距離D4を有する場合、ハンド23cの旋回半径Rが大きいと、ロボット23が寄せられたY1側の壁部21aaとは反対のY2側の壁部21abに、ハンド23cが干渉する場合がある。
【0046】
そこで、図7に示すように、第1実施形態では、第1リンク23baおよび第2リンク23bbの各々は、ハンド23cが壁部21abに干渉しないように、互いに異なる軸間距離D5およびD6を有している。具体的には、第2リンク23bbは、ハンド23cが壁部21abに干渉しないように、第1リンク23baの軸間距離D5よりも大きい軸間距離D6を有している。これにより、干渉する壁部21abとは反対の壁部21aa側にハンド23cを寄せられるため、ハンド23cの旋回半径Rが大きくても、壁部21abにハンド23cが干渉することを回避することが可能である。なお、軸間距離D5は、回転軸線A1と回転軸線A2との間の距離である。また、軸間距離D6は、回転軸線A2と回転軸線A3との間の距離である。また、旋回半径Rは、回転軸線A3とハンド23cの先端との間の距離である。
【0047】
回転軸線A3は、第1リンク23ba、第2リンク23bbおよびハンド23cが折り畳まれてZ方向に重なった状態において、回転軸線A1よりも、干渉する壁部21abとは反対の壁部21aa側に配置されている。
【0048】
[本実施形態の効果]
本実施形態では、上記のように、基板Sが壁部に干渉しないように、ハンド23cの中央から基板Sの端面までの距離が不均等な状態で基板Sを搬送するように、ハンド23cおよびロボットアームの動作を制御する。これにより、ハンド23cの中央に基板Sを配置した状態で基板Sを搬送すると基板Sが壁部21aに干渉する場合にも、ハンド23cの中央から基板Sの端面までの距離が不均等な状態で基板Sを搬送することにより、基板Sが壁部21aに干渉することを回避することができる。その結果、基板Sの搬送を円滑に行うことができる。
【0049】
また、本実施形態では、上記のように、ハンド23cは、第1ハンド23caと、第1ハンド23caの上方に配置され、第1ハンド23caとは別個に動作する第2ハンド23cbとを含み、制御部23dは、第1ハンド23caおよび第2ハンド23cbの一方としての進入ハンドが載置部30に進入する場合、第1ハンド23caおよび第2ハンド23cbの他方としての逃げハンドが載置部30から逃げるように、ハンド23cの動作を制御し、制御部23dは、逃げハンドが保持する基板Sが壁部21aに干渉しないように、進入ハンドの中央に対して逃げハンドが載置部30から逃げる方向側に所定の距離だけ基板Sをずらすことによりハンド23cの中央から基板Sの端面までの距離が不均等な状態で基板Sを搬送するように、ハンド23cおよびロボットアーム23bの動作を制御する。これにより、進入ハンドの中央に基板Sを配置した状態で基板Sを搬送すると、逃げハンドが逃げた際に逃げハンドが保持する基板Sが壁部21aに干渉する場合にも、進入ハンドの中央に対して逃げハンドが載置部30から逃げる方向側に基板Sをずらすことによりハンド23cの中央から基板Sの端面までの距離が不均等な状態で基板Sを搬送することにより、逃げハンドが保持する基板Sが壁部21aに干渉することを効果的に回避することができる。
【0050】
本実施形態では、上記のように、ロボットアーム23bは、複数のリンク23baおよび23bbと、複数の関節23bc、23bdおよび23beとを含み、複数の関節23bc、23bdおよび23beの各々は、モータと、ギアを含む減速機とを有する。これにより、複数のリンク23baおよび23bbとハンド23cとを互いに独立して動作させることができるので、複数のリンク23baおよび23bbを連動させてロボットアーム23bを伸縮動作させる場合と異なり、基台23aを走行駆動するための走行手段を設けなくても、基板Sの搬送の自由度を確保することができる。その結果、走行手段を削減することができるので、走行手段を設ける場合に比べて、構造の複雑化を抑制しながら、複数の載置部30の間で基板Sを搬送することができる。
【0051】
また、走行手段を設けない場合、基板Sの搬送を広範囲に行うためには、比較的長いロボットアーム23bが必要になるが、その場合、複数のリンク23baおよび23bbとハンド23cとの各々を駆動するためのトルクが増大する。これに対して、複数の関節23bc、23bdおよび23beの各々がギアを含む減速機を有することにより、大きなトルクを伝達することに適したギアによりモータの駆動力を伝達することができるので、複数のリンク23baおよび23bbの各々を容易に駆動することができる。また、矩形形状を有する大型の基板Sを搬送する場合、複数のリンク23baおよび23bbの各々を駆動するためのトルクが増大しやすいため、大きなトルクを伝達することに適したギアによりモータの駆動力を伝達することができることは、非常に効果的である。
【0052】
また、本実施形態では、上記のように、複数のリンク23baおよび23bbは、基台23aに接続される第1リンク23baと、第1リンク23baに接続されるとともにハンド23cに接続される第2リンク23bbとを有し、複数の関節23bc、23bdおよび23beは、第1リンク23baを駆動する第1関節23bcと、第2リンク23bbを駆動する第2関節23bdと、ハンド23cを駆動する第3関節23beとを有し、第1関節23bcおよび第2関節23bdの各々のモータ41、51および減速機42、52は、第1リンク23ba内に配置されており、第3関節23beのモータ41および減速機42は、第2リンク23bb内に配置されている。これにより、第2リンク23bb内に第2関節23bdのモータ51および減速機52を配置するスペースを確保する必要がないので、第2リンク23bbの大型化を抑制することができる。その結果、第2リンク23bbの大型化に起因して第2リンク23bbの重量が増大することを抑制することができるので、第2リンク23bbの重量の増大に起因して第2関節23bdのモータ51の容量が増大することを抑制することができる。
【0053】
また、本実施形態では、上記のように、第1関節23bcのモータ41は、第1リンク23ba内において第1リンク23baが延びるA4方向に沿った姿勢で基端側を向いて配置されており、第2関節23bdのモータ51は、第1リンク23ba内において第1リンク23baが延びるA4方向に沿った姿勢で先端側を向いて配置されており、第3関節23beのモータ61および62は、第2リンク23bb内において第2リンク23bbが延びるA6方向に沿った姿勢で先端側を向いて配置されている。これにより、第1関節23bc、第2関節23bdおよび第3関節23beの各々のモータが、各リンクが延びる方向に直交する厚み方向に沿った姿勢で配置されている場合と異なり、各リンクが厚み方向に大型化することを抑制することができる。
【0054】
また、本実施形態では、上記のように、複数のリンク23baおよび23bbは、基台23aに接続される第1リンク23baと、第1リンク23baに接続されるとともにハンド23cに接続される第2リンク23bbとを有し、第1リンク23baおよび第2リンク23bbの各々は、ハンド23cが壁部21aに干渉しないように、互いに異なる軸間距離D5およびD6を有する。これにより、第1リンク23baおよび第2リンク23bbの各々が同じ軸間距離D4を有すると、ハンド23cが壁部21aに干渉する場合にも、第1リンク23baおよび第2リンク23bbの各々が互いに異なる軸間距離D5およびD6を有することにより、ハンド23cが壁部21aに干渉することを回避することができる。
【0055】
また、本実施形態では、上記のように、第2リンク23bbは、ハンド23cが壁部21aに干渉しないように、第1リンク23baよりも大きい軸間距離D6を有する。これにより、ハンド23cに接続される第2リンク23bbの軸間距離D6を大きくすることにより、干渉する壁部21aとは反対の壁部21a側に寄せてハンド23cを配置することができるので、ハンド23cが壁部21aに干渉することを効果的に回避することができる。
【0056】
また、本実施形態では、上記のように、基台23aは、搬送空間20aの中心線Cからずれた位置に配置されている。これにより、ロボットアーム23bを長くすることができるので、基台23aを走行駆動するための走行手段を設けない場合にも、複数の載置部30の間で基板Sを容易に搬送することができる。
【0057】
また、本実施形態では、上記のように、ハンド23cは、第1ハンド23caと、第1ハンド23caの上方に配置され、第1ハンド23caとは別個に動作する第2ハンド23cbとを含む。これにより、第1ハンド23caと第2ハンド23cbとの2つのハンドにより、基板Sを搬送することができるので、基板Sの搬送の効率を向上させることができる。
【0058】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0059】
たとえば、上記実施形態では、ロボットアームが2つのリンクを有している例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、ロボットアームが3つ以上のリンクを有していてもよい。
【0060】
また、上記実施形態では、ロボットアームの先端に2つのハンドが設けられている例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、ロボットアームの先端に1つまたは3つ以上のハンドが設けられていてもよい。
【0061】
また、上記実施形態では、第2関節のモータおよび減速機が、第1リンク内に配置されている例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、第2関節のモータおよび減速機が、第2リンク内に配置されていてもよい。
【0062】
また、上記実施形態では、逃げハンドが載置部から逃げる際に逃げハンドが保持する基板が壁部と干渉する場合に、基板が壁部に干渉しないように、ハンドの中央に対して基板をずらした状態で基板を搬送する例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、逃げハンドに限られず、基板の搬送中のいずれかのタイミングでハンドが保持する基板が壁部と干渉する場合に、基板が壁部に干渉しないように、ハンドの中央から基板の端面までの距離が不均等な状態で基板を搬送してもよい。
【0063】
また、上記実施形態では、第1リンクおよび第2リンクの各々が互いに異なる軸間距離を有する例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、壁部とハンドとが干渉しない場合には、第1リンクおよび第2リンクの各々が互いに同じ軸間距離を有していてもよい。また、第1リンクの軸間距離が、第2リンクの軸間距離よりも大きくてもよい。
【0064】
また、上記実施形態の載置部の配置および数は、あくまでも一例であり、特に限定されない。図8に示す変形例では、基板収容容器として、2つの載置部130aおよび130bが設けられている。
【0065】
また、上記実施形態では、搬送空間が、所定のクリーン度の雰囲気に予め調整される例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、搬送区間が、ガスパージにより所定のガス雰囲気に予め調整されてもよいし、減圧することにより真空雰囲気に予め調整されてもよい。
【0066】
また、上記実施形態では、基台を走行駆動するための走行手段が設けられていない例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、基台を走行駆動するための走行手段が設けられていてもよい。
【0067】
本明細書で開示する要素の機能は、開示された機能を実行するよう構成またはプログラムされた汎用プロセッサ、専用プロセッサ、集積回路、ASIC(Application Specific Integrated Circuits)、従来の回路、および/または、それらの組み合わせ、を含む回路または処理回路を使用して実行できる。プロセッサは、トランジスタやその他の回路を含むため、処理回路または回路と見なされる。本開示において、回路、ユニット、または手段は、列挙された機能を実行するハードウェアであるか、または、列挙された機能を実行するようにプログラムされたハードウェアである。ハードウェアは、本明細書に開示されているハードウェアであってもよいし、あるいは、列挙された機能を実行するようにプログラムまたは構成されているその他の既知のハードウェアであってもよい。ハードウェアが回路の一種と考えられるプロセッサである場合、回路、手段、またはユニットはハードウェアとソフトウェアの組み合わせであり、ソフトウェアはハードウェアおよび/またはプロセッサの構成に用いられる。
【0068】
[態様]
上記した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0069】
(項目1)
基台と、
前記基台に接続される水平多関節型のロボットアームと、
前記ロボットアームの先端に配置されるとともに、矩形板状のワークを保持するハンドと、
複数の載置部の間で前記ワークを搬送するように、前記ハンドおよび前記ロボットアームの動作を制御する制御部と、を備え、
前記ハンドおよび前記ロボットアームは、壁部で囲まれた搬送空間に配置されており、
前記制御部は、前記ワークが前記壁部に干渉しないように、前記ハンドの中央から前記ワークの端面までの距離が不均等な状態で前記ワークを搬送するように、前記ハンドおよび前記ロボットアームの動作を制御する、ロボット。
【0070】
(項目2)
前記ハンドは、第1ハンドと、前記第1ハンドの上方に配置され、前記第1ハンドとは別個に動作する第2ハンドとを含み、
前記制御部は、前記第1ハンドおよび前記第2ハンドの一方としての進入ハンドが前記載置部に進入する場合、前記第1ハンドおよび前記第2ハンドの他方としての逃げハンドが前記載置部から逃げるように、前記ハンドの動作を制御し、
前記制御部は、前記逃げハンドが保持する前記ワークが前記壁部に干渉しないように、前記進入ハンドの中央に対して前記逃げハンドが前記載置部から逃げる方向側に所定の距離だけ前記ワークをずらすことにより前記ハンドの中央から前記ワークの端面までの距離が不均等な状態で前記ワークを搬送するように、前記ハンドおよび前記ロボットアームの動作を制御する、項目1に記載のロボット。
【0071】
(項目3)
前記ロボットアームは、複数のリンクと、複数の関節とを含み、
前記複数の関節の各々は、モータと、ギアを含む減速機とを有する、項目1または2に記載のロボット。
【0072】
(項目4)
前記複数のリンクは、前記基台に接続される第1リンクと、前記第1リンクに接続されるとともに前記ハンドに接続される第2リンクとを有し、
前記複数の関節は、前記第1リンクを駆動する第1関節と、前記第2リンクを駆動する第2関節と、前記ハンドを駆動する第3関節とを有し、
前記第1関節および前記第2関節の各々の前記モータおよび前記減速機は、前記第1リンク内に配置されており、
前記第3関節の前記モータおよび前記減速機は、前記第2リンク内に配置されている、項目3に記載のロボット。
【0073】
(項目5)
前記第1関節の前記モータは、前記第1リンク内において前記第1リンクが延びる方向に沿った姿勢で基端側を向いて配置されており、
前記第2関節の前記モータは、前記第1リンク内において前記第1リンクが延びる方向に沿った姿勢で先端側を向いて配置されており、
前記第3関節の前記モータは、前記第2リンク内において前記第2リンクが延びる方向に沿った姿勢で先端側を向いて配置されている、項目4に記載のロボット。
【0074】
(項目6)
前記ロボットアームは、複数のリンクを含み、
前記複数のリンクは、前記基台に接続される第1リンクと、前記第1リンクに接続されるとともに前記ハンドに接続される第2リンクとを有し、
前記第1リンクおよび前記第2リンクの各々は、前記ハンドが前記壁部に干渉しないように、互いに異なる軸間距離を有する、項目1から項目5のいずれか1項に記載のロボット。
【0075】
(項目7)
前記第2リンクは、前記ハンドが前記壁部に干渉しないように、前記第1リンクよりも大きい軸間距離を有する、項目6に記載のロボット。
【0076】
(項目8)
前記基台は、前記搬送空間の中心線からずれた位置に配置されている、項目1から項目7のいずれか1項に記載のロボット。
【0077】
(項目9)
前記ハンドは、第1ハンドと、前記第1ハンドの上方に配置され、前記第1ハンドとは別個に動作する第2ハンドとを含む、項目1から項目8のいずれか1項に記載のロボット。
【符号の説明】
【0078】
20a 搬送空間
21 筐体
21a 壁部
23 ロボット
23a 基台
23b ロボットアーム
23ba 第1リンク(リンク)
23bb 第2リンク(リンク)
23bc 第1関節(関節)
23bd 第2関節(関節)
23be 第3関節(関節)
23c ハンド
23ca 第1ハンド
23cb 第2ハンド
23d 制御部
30、30a、30b、30c、30d、130a、130b 載置部
41、51、61、62 モータ
42、52、63、64 減速機
C 中心線
D2 所定の距離
D5、D6 軸間距離
S 基板(ワーク)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8