(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143762
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】駐車場管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20241003BHJP
G07B 15/00 20110101ALI20241003BHJP
【FI】
G06Q50/10
G07B15/00 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023056623
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000166247
【氏名又は名称】古野電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鷲田 健人
【テーマコード(参考)】
3E127
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
3E127AA18
3E127BA06
3E127CA17
3E127CA21
3E127CA61
3E127EA21
3E127EA42
3E127EA43
5L049CC13
5L050CC13
(57)【要約】
【課題】対象施設から遠い駐車場の利用率を高めることができる駐車場管理システムを提案すること。
【解決手段】駐車場管理システムは、路側装置と、情報処理装置とを備える。路側装置は、駐車場に車両が入場する際に車両から取得される識別情報に基づいて、車両が駐車場に入場したことを示す入場情報を生成する。情報処理装置は、路側装置から受信した入場情報に基づいて、車両の乗員の利用対象となる対象施設から所定距離離れた位置に駐車場が存在する場合に、乗員に対して駐車場に関するサービスを提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場に車両が入場する際に前記車両から取得される識別情報に基づいて、前記車両が前記駐車場に入場したことを示す入場情報を生成する路側装置と、
前記路側装置から受信した前記入場情報に基づいて、前記車両の乗員の利用対象となる対象施設から所定距離離れた位置に前記駐車場が存在する場合に、前記乗員に対して前記駐車場に関するサービスを提供する情報処理装置と
を備える駐車場管理システム。
【請求項2】
前記情報処理装置は、
前記サービスとして駐車料金の割引を行う割引サービスを提供する
請求項1に記載の駐車場管理システム。
【請求項3】
前記情報処理装置は、
前記乗員が前記対象施設に移動するまでの歩数の情報を取得し、前記歩数に応じた割引を行う
請求項2に記載の駐車場管理システム。
【請求項4】
前記情報処理装置は、
単位歩数あたりの割引額を設定し、前記歩数に前記単位歩数あたりの割引額を乗じた額を割引額とする
請求項3に記載の駐車場管理システム。
【請求項5】
前記情報処理装置は、
前記サービスとして前記乗員の荷物を前記対象施設から前記駐車場まで配送する配送サービスを提供する
請求項1に記載の駐車場管理システム。
【請求項6】
前記情報処理装置は、
前記対象施設から前記駐車場までの距離に基づいて前記配送サービスにおける配送料金を決定する
請求項5に記載の駐車場管理システム。
【請求項7】
前記情報処理装置は、
前記乗員のユーザ端末に、前記サービスを適用可能な前記対象施設の位置情報を表示する
請求項1に記載の駐車場管理システム。
【請求項8】
前記情報処理装置は、
表示された前記対象施設が選択された場合、現在地から前記対象施設までの経路案内を行う
請求項7に記載の駐車場管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、駐車場管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、駐車場の利用者に対して各種サービスを提供する技術がある(例えば、特許文献1参照)。例えば、この種のサービスとして、店舗を利用することで、駐車料金を割引するサービスがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、一般的に、駐車場が店舗から離れた位置にあるほど、駐車場の利用率は低下する。しかしながら、上記した従来技術を適用したとしても、店舗利用をトリガとして駐車料金を割引するため、遠方の駐車場の利用率改善には寄与しない。このように、従来は、遠方の駐車場の利用率を高める点で改善の余地があった。
【0005】
そこで、本開示では、対象施設から遠い駐車場の利用率を高めることができる駐車場管理システムを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本開示に係る駐車場管理システムは、路側装置と、情報処理装置とを備える。前記路側装置は、駐車場に車両が入場する際に前記車両から取得される識別情報に基づいて、前記車両が前記駐車場に入場したことを示す入場情報を生成する。前記情報処理装置は、前記路側装置から受信した前記入場情報に基づいて、前記車両の乗員の利用対象となる対象施設から所定距離離れた位置に前記駐車場が存在する場合に、前記乗員に対して前記駐車場に関するサービスを提供する。
【0007】
これにより、駐車場管理システムは、対象施設から遠い駐車場の利用率を高めることができる。
【0008】
また、本開示に係る前記情報処理装置は、前記サービスとして駐車料金の割引を行う割引サービスを提供する。
【0009】
これにより、駐車場管理システムは、割引サービスを目的として遠方の駐車場を利用するユーザが増えるため、遠方の駐車場の利用率を高めることができる。
【0010】
また、本開示に係る前記情報処理装置は、前記乗員が前記対象施設に移動するまでの歩数の情報を取得し、前記歩数に応じた割引を行う。
【0011】
これにより、駐車場管理システムは、対象施設から離れた駐車場になればなるほど割引額を多くできるため、遠方の駐車場の利用率を高めることができる。
【0012】
また、本開示に係る前記情報処理装置は、単位歩数あたりの割引額を設定し、前記歩数に前記単位歩数あたりの割引額を乗じた額を割引額とする。
【0013】
これにより、駐車場管理システムは、対象施設から離れた駐車場になればなるほど割引額を多くできるため、遠方の駐車場の利用率を高めることができる。
【0014】
また、本開示に係る前記情報処理装置は、前記サービスとして前記乗員の荷物を前記対象施設から前記駐車場まで配送する配送サービスを提供する。
【0015】
これにより、駐車場管理システムは、配送サービスを目的として遠方の駐車場を利用するユーザが増えるため、遠方の駐車場の利用率を高めることができる。
【0016】
また、本開示に係る前記情報処理装置は、前記対象施設から前記駐車場までの距離に基づいて前記配送サービスにおける配送料金を決定する。
【0017】
これにより、駐車場管理システムは、対象施設から離れた駐車場になればなるほど配送料金を安くできるため、遠方の駐車場の利用率を高めることができる。
【0018】
また、本開示に係る前記情報処理装置は、前記乗員のユーザ端末に、前記サービスを適用可能な前記対象施設の位置情報を表示する。
【0019】
これにより、駐車場管理システムは、ユーザがサービス適用可能な対象施設の存在や位置を容易に把握することができる。
【0020】
また、本開示に係る前記情報処理装置は、表示された前記対象施設が選択された場合、現在地から前記対象施設までの経路案内を行う。
【0021】
これにより、駐車場管理システムは、ユーザが現在地から対象施設までの経路を迷うことなく移動することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】実施形態に係る駐車場管理システムの全体構成を示す図である。
【
図2A】駐車場に関するサービスの提供例を示す図である。
【
図2B】駐車場に関するサービスの提供例を示す図である。
【
図3】実施形態に係る情報処理装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図6】実施形態に係る駐車場管理システムが実行する処理の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本開示の実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の各実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
【0024】
<全体構成>
図1は、実施形態に係る駐車場管理システムの全体構成を示す図である。
図1に示すように、駐車場管理システムSは、情報処理装置1と、ユーザ端末100と、施設端末200と、路側装置300と、検知装置400とを備える。駐車場管理システムSは、情報処理装置1と、ユーザ端末100と、施設端末200と、路側装置300とがネットワークNに対して有線又は無線により接続される。ネットワークNは、例えば、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)等のネットワークである。また、各路側装置300と、検知装置400とは、例えば、Wi-Fi(登録商標)等の近距離の無線通信あるいは有線等により接続される。
【0025】
情報処理装置1は、駐車場の管理に関する処理を行うサーバ装置である。情報処理装置1は、各ユーザ端末100および各施設端末200と連携し、各ユーザ端末100および各施設端末200に対して、各種アプリケーション(以下、アプリ)等に対するAPI(Application Programming Interface)サービス等や、各種データを提供する情報処理装置であり、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。
【0026】
ユーザ端末100は、駐車場を利用するユーザが所持する端末装置である。ユーザ端末100は、スマートフォン、デスクトップ型PC、ノート型PC、タブレット型PC等の任意のタイプの端末装置を用いることができる。ユーザ端末100は、情報処理装置1等へ各種情報を送信したり、情報処理装置1等から提供される情報を受信したりする。
【0027】
施設端末200は、ユーザの利用対象となる対象施設に設置された端末装置である。具体的には、施設端末200は、ショッピングモール等においては、各店舗や、サービスカウンター、受付等に設置される。施設端末200は、スマートフォン、デスクトップ型PC、ノート型PC、タブレット型PC等の任意のタイプの端末装置を用いることができる。施設端末200は、情報処理装置1等へ各種情報を送信したり、情報処理装置1等から提供される情報を受信したりする。
【0028】
路側装置300は、各駐車場に設置され、駐車場を利用する車両から車載器の識別情報を収集する。なお、識別情報は、ETC車載器がもつ固有のIDであるWCN(Wireless Call Number)である。具体的には、路側装置300は、車両が駐車場へ入場する際に検知装置400によって検知される識別情報を収集する。路側装置300は、入場する際に取得した識別情報と、入場時刻と、駐車場の位置情報とを含んだ入場情報を情報処理装置1へ送信する。また、路側装置300は、車両が駐車場から退場する際に検知装置400によって検知される識別情報を収集する。路側装置300は、退場する際に取得した識別情報と、退場時刻等を含んだ退場情報を情報処理装置1へ送信する。
【0029】
検知装置400は、アンテナを備え、車両が駐車場へ入場する際に車載器の識別情報を検知する。また、検知装置400は、車両が駐車場から退場する際に識別情報を検知する。なお、本開示では、路側装置300と検知装置400とが別構成である例を示しているが、路側装置300と検知装置400とが一体の構成であってもよい。
【0030】
上記した構成において、駐車場管理システムSは、入場した駐車場が対象施設から所定距離離れた位置に存在する場合に、車両の乗員に対して駐車場に関するサービスを提供する。つまり、駐車場管理システムSは、一般に利用率が低い遠方の駐車場を利用したユーザ限定で特定のサービスを提供する。これにより、当該サービス目的のユーザが遠方の駐車場に駐車するため、遠方の駐車場の利用率を高めることができる。
【0031】
ここで、
図2Aおよび
図2Bを用いて、駐車場に関するサービスの提供例について説明する。
図2Aおよび
図2Bは、駐車場に関するサービスの提供例を示す図である。駐車場に関するサービスとして、
図2Aでは、駐車料金の割引を行うサービスを示し、
図2Bでは、対象施設で購入した商品を駐車場まで配送(配達)するサービスを示す。
【0032】
まず、
図2Aを用いて、駐車料金の割引を行うサービスについて説明する。
図2Aでは、ショッピングモール等の複数の店舗が集約された対象施設500と、3つの駐車場600a,600b,600cとを示している。なお、駐車場600aは、対象施設500から所定距離未満の位置に存在する駐車場であり、例えば、対象施設500が管理する専用駐車場である。駐車場600b,600cは、対象施設500から所定距離以上の位置に存在する駐車場である。なお、駐車場600b,600cは、対象施設500と提携している駐車場であってもよく、対象施設500とは無関係の駐車場であってもよい。なお、以下では、3つの駐車場600a,600b,600cを特に区別しない場合、駐車場600と総称する。
【0033】
図2Aにおいて、まず、検知装置400は、駐車場600へ入場する車両から識別情報を取得し、路側装置300へ送信する。つづいて、路側装置300は、識別情報に基づいて、車両が駐車場600に入場したことを示す入場情報を生成し、情報処理装置1へ送信する。入場情報は、識別情報、入場時刻、駐車場の位置情報を含む。また、入場情報は、車両が駐車した駐車位置(駐車番号)の情報を含んでもよい。なお、駐車位置の情報は、例えば、駐車情報を撮影するカメラの画像に基づいて検出可能である。
【0034】
情報処理装置1は、取得した入場情報の識別情報に基づいてユーザを特定し、特定したユーザのユーザ端末100にインストールされたアプリを起動する。つづいて、ユーザ端末100は、アプリの歩数計測機能により、ユーザの歩数計測を開始する。つづいて、ユーザ端末100は、例えば、ユーザが施設端末200の例えばQRコード(登録商標)といった識別コードを読み取った場合、歩数計測を終了する。なお、QRコードには、例えば、対象施設500や、対象施設500に入っている店舗を識別する識別情報が含まれる。ユーザ端末100は、QRコードから読み取った識別情報と、計測した歩数の情報とを情報処理装置1へ送信する。
【0035】
つづいて、情報処理装置1は、ユーザ端末100から取得した識別情報が駐車料金の割引サービスの対象であるか否かを判定し、対象である場合には、歩数に応じた割引額を算出する。具体的には、情報処理装置1は、識別情報に対応する対象施設500と駐車場との距離が所定距離以上離れている場合に、割引サービスの対象であると判定する。すなわち、
図2Aにおいては、駐車場600b,600cは割引サービスの対象であり、駐車場600aは割引サービスの対象外である。そして、情報処理装置1は、ユーザが駐車場を退場時に、正規の駐車料金から割引額を引いた料金を請求する。料金の請求は、例えば、事前に登録された電子マネーの口座から自動で引き落としてもよく、駐車場に設置された精算機により請求してもよい。なお、情報処理装置1は、識別情報が駐車料金の割引サービスの対象でない場合には、正規の駐車料金を請求する。
【0036】
このように、情報処理装置1は、対象施設500から所定距離離れた駐車場を利用したユーザに限定して割引サービスを提供することで、対象施設500から所定距離離れた遠方の駐車場の利用率を高めることができる。
【0037】
なお、
図2Aでは、対象施設500から所定距離未満の駐車場については割引サービスの対象外とし、所定距離未満の駐車場を割引サービスの対象としたがこれに限られるものではない。例えば、情報処理装置1は、所定距離未満の駐車場と、所定距離以上の駐車場とで割引額を異ならせてもよい。例えば、情報処理装置1は、歩数に対して所定の係数(<1)を掛けて割引額を算出する場合には、かかる係数の値を所定距離未満の駐車場の方が所定距離以上の駐車場よりも小さくしてもよい。
【0038】
次に、
図2Bを用いて、配送サービスについて説明する。
図2Bでは、対象施設500においてユーザが購入した商品を駐車場まで配送するサービスを示している。
【0039】
具体的には、まず、検知装置400は、駐車場600へ入場する車両から識別情報を取得し、路側装置300へ送信する。つづいて、路側装置300は、識別情報に基づいて、車両が駐車場600に入場したことを示す入場情報を生成し、情報処理装置1へ送信する。入場情報は、識別情報、入場時刻、駐車場の位置情報を含む。また、入場情報は、車両が駐車した駐車位置(駐車番号)の情報を含んでもよい。なお、駐車位置の情報は、例えば、駐車情報を撮影するカメラの画像に基づいて検出可能である。
【0040】
つづいて、情報処理装置1は、取得した入場情報の識別情報に基づいてユーザを特定し、特定したユーザのユーザ端末100に入場情報を送信する。つづいて、ユーザ端末100は、ユーザが施設端末200のQRコードを読み取った場合、QRコードから読み取った識別情報を情報処理装置1へ送信する。
【0041】
つづいて、情報処理装置1は、ユーザ端末100から取得した識別情報が配送サービスの対象であるか否かを判定し、判定結果をユーザ端末100へ通知する。ユーザ端末100は、配送サービスの対象である場合、ユーザが対象施設500の店舗で買物をした後に、施設端末200に入場情報を提供する。入場情報の提供方法は、例えば、入場情報を含ませたQRコードを情報処理装置1またはユーザ端末100が生成し、施設端末200がQRコードを読み取ることで提供される。
【0042】
つづいて、施設端末200は、入場情報に基づいて配送事業者へ配送依頼を行う。つづいて、ユーザ端末100は、配送完了後、例えば、配送事業者端末から配送完了通知を受信する。配送完了通知には、商品を入れた配送ボックスのボックス番号や、パスコード等が含まれる。そして、情報処理装置1は、ユーザが駐車場を退場時に、駐車料金および配送料を合計した料金を請求する。
【0043】
このように、情報処理装置1は、対象施設500から所定距離離れた駐車場を利用したユーザに限定して配送サービスを提供することで、対象施設500から所定距離離れた遠方の駐車場の利用率を高めることができる。
【0044】
なお、
図2Aおよび
図2Bで説明したサービスに関して、例えば、情報処理装置1は、サービス適用が可能な対象施設500の位置情報をアプリを介して表示してもよい。また、情報処理装置1は、表示した対象施設500が選択された場合、現在地から対象施設500までの経路案内を行ってもよい。
【0045】
次に、
図3を用いて、実施形態に係る情報処理装置1の構成例について説明する。
図3は、実施形態に係る情報処理装置1の機能構成を示すブロック図である。
図3に示すように、情報処理装置1は、通信部2と、制御部3と、記憶部4とを備える。記憶部4は、ユーザ情報41と、駐車場情報42とを記憶する。
【0046】
通信部2は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。通信部2は、有線または無線によりネットワークNと接続される。
【0047】
制御部3は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサによって、情報処理装置1内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例に相当)がRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部3は、コントローラ(controller)であり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、GPGPU(General Purpose Graphic Processing Unit)等の集積回路により実現されてもよい。
【0048】
記憶部4は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
【0049】
記憶部4に記憶されるユーザ情報41は、駐車場を利用する車両の乗員であるユーザに関する情報である。
図4は、ユーザ情報41の一例を示す図である。
図4に示すユーザ情報41は、例えば、ユーザによって事前に登録される。
図4に示すように、ユーザ情報41は、「ユーザID」、「ユーザ情報」、「車両番号」および「識別情報」といった項目を有する。
【0050】
「ユーザID」は、ユーザを識別する識別情報である。「ユーザ情報」は、ユーザに関する情報であり、例えば、サイコグラフィック属性や、デモグラフィック属性等の属性情報や、ユーザ端末100の連絡情報(電話番号、メールアドレス等)を含む。「車両番号」は、ユーザが所有する車両の車両番号(ナンバープレート番号)である。「識別情報」は、車載器の識別情報であり、例えば、WCNである。
【0051】
次に、駐車場情報42は、駐車場に関する情報である。
図5は、駐車場情報の一例を示す図である。
図5に示すように、駐車場情報42は、「駐車場ID」、「駐車場情報」および「駐車中ユーザ」といった項目を有する。
【0052】
「駐車場ID」は、駐車場を識別する識別情報である。「駐車場情報」は、駐車場に関する情報であり、駐車場の位置情報や、駐車可能台数、駐車料金等の情報が含まれる。「駐車中ユーザ」は、駐車場に駐車しているユーザを示す情報であり、
図4で示したユーザ情報41におけるユーザIDが入力される。
【0053】
次に、制御部3の機能について説明する。
【0054】
制御部3は、駐車料金に関する決済処理と、駐車場に関するサービスの提供処理とを行う。駐車場に関するサービスは、例えば、駐車料金の割引サービスと、駐車場への配送サービスとがある。
【0055】
<決済処理について>
制御部3は、路側装置300から取得した入場情報における入場時刻と、退場情報における退場時刻とに基づいて入場してから退場するまでの経過時間を算出し、経過時間に基づいて請求する駐車料金を算出する。なお、退場時刻は、例えば、対象施設500等に設置された精算機への操作時間であってもよい。
【0056】
また、制御部3は、算出した駐車料金に対して後述する割引サービスを適用する場合、割引後の駐車料金を確定額とする。また、制御部3は、ユーザが後述する配送サービスを利用した場合、配送料金と駐車料金とを合算した額を確定額とする。
【0057】
制御部3は、上記した確定額を、対象施設500や、駐車場の退場口に設置された精算機を介して請求し、かかる精算機により決済を行う。あるいは、制御部3は、駐車料金決済用のアプリ(専用アプリであってもよく、既存の他社決済アプリであってもよい)を介して電子マネーにより決済(自動引き落とし)を行ってもよい。
【0058】
<サービス提供処理について>
制御部3は、路側装置300から取得した入場情報に基づいて、車両の乗員の利用対象となる対象施設500から所定距離離れた位置に車両が駐車された駐車情報が存在する場合に、乗員に対して駐車場に関するサービスを提供する。
【0059】
具体的には、制御部3は、入場情報に含まれる駐車場の位置情報に基づいて、車両が駐車した駐車情報の位置を特定する。続いて、制御部3は、乗員が対象施設500に移動したことを示す情報を乗員のユーザ端末100から取得する。具体的には、制御部3は、対象施設500に設置されたQRコードをユーザ端末100によって読み取り、ユーザ端末100からQRコードに含まれる対象施設500の識別情報を取得する。そして、制御部3は、かかる識別情報に基づいて、対象施設500がサービスの適用対象であるか否かを判定する。サービスの適用対象の有無は、例えば、対象施設500の管理者からサービス適用可能の有無を受け付けることで判定される。
【0060】
制御部3は、対象施設500がサービスの適用対象である場合、駐車場から対象施設500までの移動に伴う歩数をユーザ端末100から取得する。そして、制御部3は、歩数に応じた割引額を割り引いた駐車料金を確定額とする。具体的には、制御部3は、単位歩数(例えば、1歩)あたりの割引額を設定し、かかる割引額に歩数を掛けた額を割引額とする。
【0061】
なお、単位歩数あたりの割引額は、予め定められた額であってもよく、各種情報によって変動させてもよい。例えば、単位歩数あたりの割引額は、利用当日の他の駐車場の利用率に応じて変動させる。例えば、制御部3は、対象施設500近くの専用駐車場の利用率が閾値以上である場合には、単位歩数あたりの割引額を大きくする。これにより、専用駐車場の空き待ちで並ぶ車両を減らすことができるため、対象施設500周辺の混雑を緩和することができる。また、制御部3は、例えば、当日の天気が雨である場合には、晴れ(あるいは曇り)の場合に比べて割引額を大きくしてもよい。
【0062】
また、制御部3は、対象施設500がサービスの適用対象である場合に、駐車場まで荷物(例えば、対象施設で購入等したに商品や、その他ユーザに関連する荷物など)を配送する配送サービスを提供してもよい。具体的には、制御部3は、対象施設500に設置された施設端末200あるいはユーザ端末100により配送要求を受け付けた場合に、配送事業者へ配送依頼を行う。配送要求では、例えば、配送する荷物量、配送時間の指定、冷蔵(冷凍)品の有無を示す情報を含む。
【0063】
制御部3は、駐車場へ配送が完了したことを示す完了通知を配送事業者から受け付けた場合に、ユーザ端末100に対して配送完了通知を行う。配送完了通知では、例えば、駐車場に設置された配送ボックスの番号やパスコードの情報等を通知する。
【0064】
そして、制御部3は、配送料金を駐車料金と合算して請求する。なお、配送料金は、例えば、対象施設500での利用料金が所定額以上である場合には無料(あるいは減額)してもよい。
【0065】
次に、
図6を用いて、実施形態に係る駐車場管理システムSが実行する処理の処理手順について説明する。
図6は、実施形態に係る駐車場管理システムSが実行する処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0066】
図6に示すように、検知装置400は、駐車場への車両の入場を検出し(ステップS101)、当該車両の車載器から識別情報を取得する(ステップS102)。
【0067】
つづいて、路側装置300は、検知装置400から識別情報を取得し、識別情報を含む入場情報を生成する(ステップS103)。
【0068】
つづいて、情報処理装置1は、対象施設500でのユーザ端末100の受付を検出する(ステップS104)。具体的には、情報処理装置1は、ユーザ端末100が施設端末200のQRコードから読み取った識別情報を取得する。
【0069】
つづいて、情報処理装置1は、識別情報に基づいて、ユーザが駐車した駐車場600が対象施設500から所定距離以上離れた位置であるか否かを判定する(ステップS105)。
【0070】
情報処理装置1は、駐車場600が対象施設500から所定距離以上離れた位置である場合(ステップS105:Yes)、駐車場に関するサービスを提供し(ステップS106)、処理を終了する。なお、情報処理装置1は、駐車場600が対象施設500から所定距離未満離れた位置である場合(ステップS105:No)、処理を終了する。すなわち、駐車場に関するサービスを提供しない。
【0071】
以上説明したように、本開示の一実施形態によれば、駐車場管理システムSは、路側装置300と、情報処理装置1とを備える。路側装置300は、駐車場に車両が入場する際に車両から取得される識別情報に基づいて、車両が駐車場に入場したことを示す入場情報を生成する。情報処理装置1は、路側装置300から受信した入場情報に基づいて、車両の乗員の利用対象となる対象施設500から所定距離離れた位置に駐車場が存在する場合に、乗員に対して駐車場に関するサービスを提供する。これにより、対象施設500から遠い駐車場の利用率を高めることができる。これに伴い、一般ユーザや高齢者等の利便性を高め、それにより、駐車場事業者や宅配事業者等による事業投資の効率化も図ることができる。さらには、車両の利用者を増加させることもできるので、自動車業界の活性化に寄与する。
【0072】
また、本発明は上記実施形態に係る限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。例えば、内容を矛盾させない領域で上述の実施形態を適宜組み合わせて得られる形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0073】
1 情報処理装置
2 通信部
3 制御部
4 記憶部
41 ユーザ情報
42 駐車場情報
100 ユーザ端末
200 施設端末
300 路側装置
400 検知装置
500 対象施設
600 駐車場
N ネットワーク
S 駐車場管理システム