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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024014379
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】測定装置、及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/00 20060101AFI20240125BHJP
   G16H 40/00 20180101ALI20240125BHJP
【FI】
A61B5/00 C
G16H40/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022117161
(22)【出願日】2022-07-22
(71)【出願人】
【識別番号】503246015
【氏名又は名称】オムロンヘルスケア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】弁理士法人航栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】中脇 望
【テーマコード(参考)】
4C117
5L099
【Fターム(参考)】
4C117XB01
4C117XC13
4C117XC15
4C117XE13
4C117XE38
4C117XG05
4C117XH02
4C117XH16
4C117XJ13
4C117XJ42
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】ウェアラブルな測定装置におけるユーザの利便性を向上させるとともに、消費電力を抑制することが可能な測定装置、及びその制御プログラムを提供する。
【解決手段】本発明の一側面に係る測定装置は、ウェアラブルな活動量計1Aである。そして、情報端末5と無線通信を行う無線通信部と、活動量計1Aの静止を検知するセンサと、センサによって活動量計1A(ユーザW)の静止が検知された場合、無線通信部に対して、無線通信のためのアドバタイズ信号を送信させる制御部と、を備える。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェアラブルな測定装置であって、
情報端末と無線通信を行う無線通信部と、
前記測定装置の静止を検知する検知部と、
前記検知部によって前記静止が検知された場合、前記無線通信部に対して、前記無線通信のためのアドバタイズ信号を送信させる制御部と、
を備える測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の測定装置であって、
前記検知部は、前記測定装置を装着したユーザの活動停止による前記静止を検知する、
測定装置。
【請求項3】
請求項1に記載の測定装置であって、
前記検知部は、前記測定装置を装着したユーザが前記測定装置を取り外したことによる前記静止を検知する、
測定装置。
【請求項4】
請求項1に記載の測定装置であって、
前記測定装置を装着したユーザの活動を測定する測定部を備え、
前記静止は、前記活動の後の前記測定装置の静止である、
測定装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の測定装置であって、
前記制御部は、前記情報端末への送信データがない場合は、前記静止が検知された場合の前記アドバタイズ信号の送信を停止させる、
測定装置。
【請求項6】
情報端末と無線通信を行う無線通信部と、自装置の静止を検知する検知部と、を備えるウェアラブルな測定装置の制御プログラムであって、
前記測定装置のプロセッサに、
前記検知部によって前記静止が検知された場合、前記無線通信部に対して、前記無線通信のためのアドバタイズ信号を送信させる、
処理を実行させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定装置、及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外部端末との間においてブルートゥース(登録商標)による無線通信の通信リンクを形成し、測定部で測定した生体情報をこの通信リンクを介して外部端末に送信する生体情報測定装置が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-240530号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の生体情報測定装置によれば、血圧計等の測定部による生体情報の測定時には、通信リンクを一時解除することによって、通信リンクの周波数信号が測定部の測定に対してノイズとならないようにし、測定部の測定が終了した後には、通信リンクを再開させて、通信リンクを介して外部端末に測定データを送信する。
【0005】
このように、特許文献1の生体情報測定装置は、生体情報の測定時におけるノイズ対策の観点から通信リンクの状態を制御するものである。また、特許文献1の生体情報測定装置は、利用者の生体情報を測定するための非ウェアラブルな測定装置の制御に関するものである。したがって、特許文献1の生体情報測定装置には、ウェアラブルな測定装置の制御については記載されていない。
【0006】
本発明は、一側面では、このような実情を鑑みてなされたものであり、その目的は、ウェアラブルな測定装置におけるユーザの利便性を向上させるとともに、消費電力を抑制することが可能な測定装置、及び制御プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用する。
【0008】
(1)
ウェアラブルな測定装置であって、
情報端末と無線通信を行う無線通信部と、
前記測定装置の静止を検知する検知部と、
前記検知部によって前記静止が検知された場合、前記無線通信部に対して、前記無線通信のためのアドバタイズ信号を送信させる制御部と、
を備える測定装置。
【0009】
(1)によれば、測定装置の状態が静止状態になったと検出されると無線通信を開始するためのアドバタイズ信号が送信されるので、ユーザによる特定の操作を必要とすることなくアドバタイズ信号を送信することができ、利便性が向上する。また、測定装置が停止状態になっていないときにはアドバタイズ信号を送信しないので、消費電力を抑制することができる。
【0010】
(2)
(1)に記載の測定装置であって、
前記検知部は、前記測定装置を装着したユーザの活動停止による前記静止を検知する、
測定装置。
【0011】
(2)によれば、ユーザの活動停止時にアドバタイズ信号を送信することにより、ユーザの活動停止直後に行われることが多いデータ転送をスムーズに行うことができる。
【0012】
(3)
(1)又は(2)に記載の測定装置であって、
前記検知部は、前記測定装置を装着したユーザが前記測定装置を取り外したことによる前記静止を検知する、
測定装置。
【0013】
(3)によれば、ユーザからの測定装置の取り外し時にアドバタイズ信号を送信することにより、取り外し直後に行われることが多いデータ転送をスムーズに行うことができる。
【0014】
(4)
(1)から(3)のいずれかに記載の測定装置であって、
前記測定装置を装着したユーザの活動を測定する測定部を備え、
前記静止は、前記活動の後の前記測定装置の静止である、
測定装置。
【0015】
(4)によれば、ユーザの活動の後にアドバタイズ信号を送信することにより、活動の終了直後に行われることが多いデータ転送をスムーズに行うことができる。
【0016】
(5)
(1)から(4)のいずれかに記載の測定装置であって、
前記制御部は、前記情報端末への送信データがない場合は、前記静止が検知された場合の前記アドバタイズ信号の送信を停止させる、
測定装置。
【0017】
(5)によれば、アドバタイズ信号の送信期間を抑制でき、さらに消費電力の抑制を実現することができる。
【0018】
(6)
情報端末と無線通信を行う無線通信部と、自装置の静止を検知する検知部と、を備えるウェアラブルな測定装置の制御プログラムであって、
前記測定装置のプロセッサに、
前記検知部によって前記静止が検知された場合、前記無線通信部に対して、前記無線通信のためのアドバタイズ信号を送信させる、
処理を実行させるための制御プログラム。
【0019】
(6)によれば、測定装置の静止状態が検出された場合に無線通信を開始するためのアドバタイズ信号を送信させることができるため、ユーザによる特定の操作を必要とすることなくアドバタイズ信号を送信させることができ、利便性を向上させることができる。また、測定装置が停止状態になっていないときにはアドバタイズ信号を送信させないことで、消費電力を抑制することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ウェアラブルな測定装置におけるユーザの利便性を向上させるとともに、消費電力を抑制することが可能な測定装置、及び制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の測定装置1と、当該測定装置1と無線通信を行う情報端末5と、を含む情報管理システム100を示す図である。
図2】測定装置1の一例である活動量計1Aを示す図である。
図3】情報端末5がネットワーク接続される一例を示す図である。
図4】測定装置1の構成を示すブロック図である。
図5】情報端末5の構成を示すブロック図である。
図6】測定装置1のコントローラ18による処理手順を示すフローチャートである。
図7】情報管理システム100の動作例を示すシーケンス図である。
図8】測定装置1のコントローラ18による処理手順の変形例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一側面に係る実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【0023】
§1 適用例
<本発明を適用した情報管理システム100>
図1は、本発明の測定装置1と、当該測定装置1と無線通信を行う情報端末5と、を含む情報管理システム100である。
【0024】
測定装置1は、歩数、歩行距離、又は消費カロリー等の活動量を測定する活動量測定装置を含む。測定装置1には、測定対象量を測定するための測定用センサが含まれる。測定用センサの測定対象量には、測定装置1に応じて、歩数、走行距離、又は消費カロリー等の活動量が含まれる。また、測定装置1は、ウェアラブルな測定装置である。ウェアラブルな測定装置1とは、ユーザの身体への装着により携帯される活動量計などの測定装置である。ウェアラブルな測定装置に対して、ウェアラブルでない測定装置を非ウェアラブルな測定装置という。非ウェアラブルな測定装置は、地面や台の上に設置された状態で使用される測定装置(例えば、体重計、体組成計、血圧計など)である。測定装置1は、測定した活動量をユーザの管理測定情報として、無線通信により情報端末5に送信する。
【0025】
情報端末5は、測定装置1から受信した管理測定情報を情報端末5内のデータ記憶部に記憶する。また、情報端末5は、測定装置1以外の機器とも無線通信を行うことが可能であり、外部機器から取得した情報を情報端末5内のデータ記憶部に記憶する。情報端末5は、測定装置1及びその他の外部機器から取得した種々の情報を分析する情報処理装置である。情報端末5は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ノートパソコン、及びデスクトップパソコン、ウェアラブル端末等のディスプレイを有する端末である。情報端末5は、特定の測定装置1から管理測定情報を取得するように設定されていてもよい。管理測定情報を取得する特定の測定装置1は、情報端末5のデータ記憶部に予め登録されていてもよい。
【0026】
図2は、測定装置1の一例である活動量計1Aを示す図である。活動量計1Aは、活動量測定装置の一例であり、歩行、家事、デスクワーク等によるユーザの体の動きを測定し、その動きにより消費される1日の消費カロリーを数値で出力するとともに、その測定結果をユーザの管理測定情報として無線通信により情報端末5に送信する。活動量計1Aは、例えば、ユーザの目標消費カロリーと本日消費した総消費カロリーを画面に数値表示する。活動量計1Aは、ウェアラブルな測定装置であり、ユーザの身体活動によって発生する加速度信号を様々なノイズの中から抽出することが可能である。活動量計1Aは、ウォーキングやジョギングを識別する他、家事やデスクワークなどの日常的な動きを識別し、消費カロリーを測定する。また、活動量計1Aは、ユーザの心拍数や酸素摂取量等を測定することも可能である。活動量計1Aは、例えば、腕時計型デバイスであってもよい。
【0027】
図3は、情報端末5がネットワーク接続される一例を示す図である。図3に示すように、情報端末5は、インターネット等の広域ネットワークNを介してクラウドサーバ90に接続されてもよい。情報端末5は、自己が記憶する管理測定情報を、広域ネットワークNを介してクラウドサーバ90に送信し、クラウドサーバ90においてデータベースとしてユーザの管理測定情報を管理するようにしてもよい。また、情報端末5は、クラウドサーバ90において管理される管理測定情報を広域ネットワークNを介して取得し、取得した管理測定情報を利用するようにしてもよい。
【0028】
§2 構成例
<測定装置1の構成>
図4は、測定装置1の構成を示すブロック図である。測定装置1は、種々の情報を表示する表示部11と、ユーザが操作を行う操作部12と、活動量を測定する測定部13と、外部機器と通信を行うための無線通信部14と、測定装置1の静止状態を検知するセンサ15と、を備える。また、測定装置1は、情報を一時的に記憶するRAM16と、情報やプログラムを記憶するデータ記憶部17と、全体の動作を制御するコントローラ18と、を備える。コントローラ18は、本発明の制御部及びプロセッサの一例である。センサ15は、本発明の検知部の一例である。
【0029】
表示部11は、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイで構成される。操作部12は、ボタンやタッチパネルのようなユーザ操作を受け付けるユーザインタフェースである。ボタンは、測定装置1に物理的に設けられたボタンや表示部11に表示された仮想的なボタンを含む。
【0030】
測定部13は、歩数、歩行距離、消費カロリー等の活動量を測定する。何を測定するかは測定装置1の測定対象により異なる。
【0031】
無線通信部14は、近距離無線通信を行う通信部、例えば、BLE(Bluetooth Low Energy(登録商標))規格にしたがい通信を行うための回路(モジュール)である。無線通信部14は、無線通信を行うためのアドバタイズ信号をブロードキャスト通信により不特定多数の外部機器に所定の発信周期で送信する。無線通信部14は、アドバタイズ信号に、例えば、測定装置1の名前や属性情報を含めて送信する。無線通信部14が行うBLE通信は、例えば2.4GHz周波数を利用する通信である。無線通信部14は、測定部13で測定された活動量等の管理測定情報を、BLE通信により情報端末5に送信する。
【0032】
センサ15は、例えば、加速度センサである。センサ15は、測定装置1を装着して活動しているユーザがその活動を停止した際の活動停止による測定装置1(自装置)の静止を検知する。また、センサ15は、測定装置1を装着しているユーザがその測定装置1をユーザの身体から取り外し、デスク等に置いたことによる測定装置1の静止を検知する。
【0033】
RAM16は、例えば、DRAMやSRAM等の半導体デバイスで構成され、情報を一時的に記憶するとともに、コントローラ18の作業エリアとなる。
【0034】
データ記憶部17は、所定の処理を実現するために必要なパラメータ、制御プログラム、及び管理測定情報等を記憶する記録媒体である。データ記憶部17は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)や半導体記憶装置(SSD)で構成される。
【0035】
コントローラ18は、制御プログラムを実行することで所定の処理を実現する。なお、本実施形態では、データ記憶部17に制御プログラムとして、例えば、測定装置用の健康管理アプリケーションソフトが予めインストールされており、コントローラ18はこの健康管理アプリケーションソフトを実行することにより所定の処理を実現する。
【0036】
例えば、コントローラ18は、センサ15によって測定装置1の静止が検知された場合に、無線通信部14に対して、無線通信(BLE通信)のためのアドバタイズ信号を送信させるように制御する。具体的には、コントローラ18は、測定装置1を装着したユーザの活動停止による測定装置1の静止を検知した場合に、無線通信部14に対して、アドバタイズ信号を送信させるように制御する。ユーザの活動停止には、例えば、ユーザの歩行、家事、デスクワーク等による体の動きの停止が含まれる。また、コントローラ18は、測定装置1を装着したユーザが測定装置1を取り外したことによる測定装置1の静止を検知した場合に、無線通信部14に対して、アドバタイズ信号を送信させるように制御する。一方、コントローラ18は、情報端末5へ送信する送信データがない場合には、測定装置1の静止が検知された場合であってもアドバタイズ信号の送信を停止させるように無線通信部14を制御する。
【0037】
<情報端末5の構成>
図5は、情報端末5の構成を示すブロック図である。情報端末5は、種々の情報を表示する表示部51と、ユーザが操作を行う操作部52と、外部機器と通信を行うための第1無線通信部53及び第2無線通信部54と、を備える。また、情報端末5は、情報を一時的に記憶するRAM55と、情報やプログラムを記憶するデータ記憶部56と、全体の動作を制御するコントローラ57と、を備える。
【0038】
表示部51は、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイで構成される。操作部52は、ボタンやタッチパネルのようなユーザ操作を受け付けるユーザインタフェースである。ボタンは、情報端末5に物理的に設けられたボタンや表示部51に表示された仮想的なボタンを含む。
【0039】
第1無線通信部53は、セルラ通信を行う通信部、例えば、4G、5G、LTE(Long Term Evolution:登録商標)等の規格にしたがい通信を行うための回路(モジュール)である。また、第1無線通信部53は、無線LAN通信を行う通信部、例えば、Wi-Fi(登録商標)等の規格にしたがい通信を行うための回路(モジュール)である。第2無線通信部54は、近距離無線通信を行う通信部、例えば、BLE規格にしたがい通信を行うための回路(モジュール)である。
【0040】
第2無線通信部54は、例えば、測定装置1の無線通信部14とBLE通信を行うことにより、測定装置1で測定されたユーザの管理測定情報を取得する。第2無線通信部54は、スキャンすることで、測定装置1の無線通信部14から送信されているアドバタイズ信号を受信する。第2無線通信部54は、受信したアドバタイズ信号から測定装置1を認識し、通信接続したい場合に接続要求を測定装置1に対して送信する。なお、測定装置1は、アドバタイズ信号を発信した後に、所定時間、接続要求を待ち、所定時間内に接続要求を受信するとアドバタイズ信号の発信を停止し、接続要求相手との1対1の接続通信に切り替える。
【0041】
RAM55は、例えば、DRAMやSRAM等の半導体デバイスで構成され、情報を一時的に記憶するとともに、コントローラ57の作業エリアとなる。
【0042】
データ記憶部56は、所定の処理を実現するために必要なパラメータ、制御プログラム、及び測定装置1から取得した管理測定情報等を記憶する記録媒体である。データ記憶部56は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)や半導体記憶装置(SSD)で構成される。
【0043】
コントローラ57は、制御プログラムを実行することで所定の処理を実現する。なお、本実施形態では、データ記憶部56に制御プログラムとして、例えば、情報端末用の健康管理アプリケーションソフトが予めインストールされており、コントローラ57はこの健康管理アプリケーションソフトを実行することにより所定の処理を実現する。例えば、コントローラ57は、情報端末用の健康管理アプリケーションソフトが立ち上げられると、スキャンすることでアドバタイズ信号を受信するように第2無線通信部54を制御する。コントローラ57は、測定装置1からのアドバタイズ信号が受信されると、測定装置1に接続要求を送信し、測定装置1から管理測定情報を取得するように第2無線通信部54を制御する。
【0044】
§3 動作例
<測定装置1の動作>
次に、図6を参照して、測定装置1の動作例を説明する。図6は、測定装置1のコントローラ18による処理手順を示すフローチャートである。本例では、測定装置1を活動量計1Aとして以下に説明する。本処理は、活動量計1Aの電源がオンされると開始される。
【0045】
活動量計1Aのコントローラ18は、センサ15によって収集されるセンシングデータをセンサ15から取得する(ステップS11)。
【0046】
コントローラ18は、センサ15により取得されたセンシングデータに基づいて、ユーザの有する活動量計1Aが静止状態であるか、そして、その静止状態が所定時間以上継続しているか否かを判定する(ステップS12)。活動量計1Aの静止には、上述したように、活動量計1Aを装着したユーザの活動停止による静止や、活動量計1Aを装着したユーザがその活動量計1Aを取り外したことによる静止等が含まれる。
【0047】
ステップS12において、活動量計1Aの静止状態が所定時間以上継続していない場合(ステップS12:No)には、コントローラ18は、ステップS11に戻って各処理を繰り返す。
【0048】
ステップS12において、活動量計1Aの静止状態が所定時間以上継続した場合(ステップS12:Yes)には、コントローラ18は、アドバタイズ信号の送信を開始するように無線通信部14を制御する(ステップS13)。
【0049】
次に、コントローラ18は、アドバタイズ信号の送信後に、外部機器からの活動量計1Aに対する接続要求を受信したか否かを判定する(ステップS14)。
【0050】
ステップS14において、接続要求を受信していない場合(ステップS14:No)には、コントローラ18は、接続要求を受信する時間として設定された一定時間が経過したか否かを判定する(ステップS15)。
【0051】
ステップS15において、一定時間が経過していない場合(ステップS15:No)には、コントローラ18は、ステップS14に戻って各処理を繰り返す。
【0052】
ステップS15において、一定時間が経過した場合(ステップS15:Yes)、すなわち一定時間内に外部機器から接続要求がなかった場合には、コントローラ18は、アドバタイズ信号の送信を停止するように無線通信部14を制御する(ステップS16)。コントローラ18は、アドバタイズ信号の送信を停止させた後、ステップS11に戻って各処理を繰り返す。すなわち、コントローラ18は、所定時間以上継続する活動量計1Aの静止状態を検知してアドバタイズ信号の送信を開始した場合であっても、一定時間内に外部機器から接続要求がなかった場合には、アドバタイズ信号の送信を停止させて、センサ15による活動量計1Aの静止をセンシングする処理へと戻る。なお、コントローラ18は、ステップS16の後に、図6の処理を開始してから一定時間が経過している場合や、ステップS16の実行回数が一定回数を超えている場合は、ステップS11へ戻らずに、図6の一連の処理を終了するようにしてもよい。これにより、接続要求が無い場合にアドバタイズ信号の送信が無限に繰り返されることを防止することができる。
【0053】
一方、ステップS14において、接続要求を受信した場合(ステップS14:Yes)には、コントローラ18は、アドバタイズ信号の送信を停止して、接続要求の信号を送信した外部機器とBLE接続による通信を開始する(ステップS17)。接続要求する外部機器は、活動量計1Aからのアドバタイズ信号を受信した機器であり、活動量計1AとBLE通信可能な機器であって、活動量計1Aの周囲にある複数の外部機器であってよい。
【0054】
なお、図6に示す処理手順では、活動量計1Aの静止状態が検知された場合にアドバタイズ信号の送信を開始する例について説明したが、例えば、活動量計1Aの静止状態が検知されていない場合においても所定の条件に基づいて活動量計1Aはアドバタイズ信号を送信してもよい。具体的には、活動量計1Aに設けられている通信ボタンが長押し(例えば2秒押し)された際に、上述したステップS13の処理に移行してアドバタイズ信号の送信を開始し、それ以降の各処理を実行してもよい。
【0055】
<情報管理システム100の動作>
次に、図7を参照して、情報管理システム100の動作例を説明する。図7は、情報管理システム100における測定装置1と情報端末5の動作を示すシーケンス図である。本例においても、測定装置1を活動量計1Aとして以下に説明する。
【0056】
活動量計1Aを装着したユーザWが、例えば、ジョギング中であるとする。活動量計1Aは、ジョギングによるユーザWの活動量データを測定部13により測定するとともに、測定した活動データを管理測定情報としてデータ記憶部17に記憶する。
【0057】
活動量計1Aは、センサ15により取得されるセンシングデータに基づいて活動量計1Aの静止状態を検知し、活動量計1Aの静止状態に基づいて当該活動量計1Aを装着するユーザWのジョギング停止を検知する(ステップS21)。活動量計1Aは、ユーザWのジョギング停止状態が所定時間継続したか否か判定し、停止状態が所定時間継続したと判定した場合に、アドバタイズ信号の送信を開始する(ステップS22)。
【0058】
情報端末5は、健康管理アプリケーションが立ち上げられると、スキャンすることにより、活動量計1Aからのアドバタイズ信号を受信する。情報端末5は、活動量計1Aからのアドバタイズ信号を受信すると、活動量計1Aに対して通信の接続を要求する接続要求信号を送信する(ステップS23)。
【0059】
活動量計1Aは、情報端末5からの接続要求を受信するとアドバタイズ信号の送信を停止して、情報端末5との間の1対1の接続通信に切り替える。これにより、活動量計1Aと情報端末5とがBLE接続された状態となる。活動量計1Aは、測定したユーザWの管理測定情報をBLE通信により情報端末5へデータ転送する(ステップS24)。
【0060】
情報端末5は、管理測定情報を受信し終えると、活動量計1Aに対してBLE通信の切断を要求する切断要求信号を送信する(ステップS25)。切断要求を受信した活動量計1Aが情報端末5との間のBLE接続を切断することで両者間の通信が終了する。
【0061】
<測定装置1の変形動作例>
次に、図8のフローチャートを参照して、測定装置1の変形動作例を説明する。本例においても測定装置1を活動量計1Aとして以下に説明する。本例における処理も、上述した図6の処理と同様に活動量計1Aの電源がオンされると開始される。
【0062】
活動量計1Aのコントローラ18は、未送信データがあるか否か、すなわち測定した活動量データがまだ送信されないでデータ記憶部17に記憶されているか否かを判定する(ステップS31)。未送信データがない場合(ステップS31:No)には、コントローラ18は、ステップS31の処理を繰り返しながら待機する。
【0063】
ステップS31において、未送信データがある場合(ステップS31:Yes)には、コントローラ18は、センサ15によって収集されるセンシングデータをセンサ15から取得する(ステップS32)。
【0064】
図8に示すように、活動量計1Aの変形動作例において、ステップS32からステップS38までの各処理は、図6に示す動作例のステップS11からステップS17までの各処理と同様の処理であるため、これらのステップの処理については説明を省略する。なお、コントローラ18は、ステップS37の後に、図8の処理を開始してから一定時間が経過している場合や、ステップS37の実行回数が一定回数を超えている場合は、ステップS31へ戻らずに、図8の一連の処理を終了するようにしてもよい。これにより、接続要求が無い場合にアドバタイズ信号の送信が無限に繰り返されることを防止することができる。
【0065】
このように、活動量計1Aのコントローラ18は、未送信のデータが活動量計1Aにない場合には、ユーザの活動量計1Aが静止状態になってもアドバタイズ信号を送信しないように制御する。
【0066】
以上説明したように、測定装置1は、センサ15によって測定装置1の静止状態が検知された場合に、コントローラ18によって、無線通信部14に対して、無線通信(BLE通信)のためのアドバタイズ信号を送信させる。これにより、測定装置1の状態が静止状態になったと検出されると自動的にBLE通信を開始するためのアドバタイズ信号が送信されるので、ユーザによる特定の操作(例えば通信ボタンの長押し操作)を必要とすることなくアドバタイズ信号を送信することができ、利便性が向上する。また、測定装置1が停止状態になっていないときにはアドバタイズ信号を送信せず、センサ15により測定装置1の状態を検知するだけでよいので、アドバタイズ信号の送信期間を減少でき消費電力を抑制することができる。
【0067】
例えば、測定装置1のコントローラ18は、測定装置1を装着したユーザの活動停止による測定装置1の静止を検知した場合や、測定装置1を装着したユーザが測定装置1を取り外したことによる測定装置1の静止を検知した場合に、アドバタイズ信号を送信させる。これにより、測定装置1と情報端末5との間をBLE通信の接続状態にしておくことができるので、ユーザの活動停止時やユーザからの取り外し時に行われることが多い測定データの転送をスムーズに行うことができる。
【0068】
また、測定装置1のコントローラ18は、情報端末5へ送信する送信データがない場合には、測定装置1の停止状態が検知された場合でもアドバタイズ信号の送信を停止させる。これにより、測定装置1から送信されるアドバタイズ信号の送信期間を減少させることができ、消費電力を抑制することができる。
【0069】
§4 変形例
測定装置1のコントローラ18は、測定装置1を装着したユーザの活動停止による測定装置1の静止や、測定装置1を装着したユーザが測定装置1を取り外したことによる測定装置1の静止を、これらの状況に特有のセンサ15のセンシングパターンに基づいて検知するようにしてもよい。これにより、測定装置1を装着したユーザの活動停止による測定装置1の静止や、測定装置1を装着したユーザが測定装置1を取り外したことによる測定装置1の静止を精度よく検知することができる。
【0070】
例えば、データ記憶部17には、測定装置1を装着したユーザの活動停止により測定装置1の静止する場合のセンサ15のセンシングパターン(例えば、ジョギング等のユーザの活動に特有のセンシングパターンの直後に静止するパターン)が記憶されている。このセンシングパターンは、測定装置1の製造時に予めデータ記憶部17に記憶されてもよいし、測定装置1の製造後にユーザに合わせて生成されてデータ記憶部17に記憶されてもよい。そして、コントローラ18は、データ記憶部17に記憶されたセンシングパターンと、センサ15により得られたセンシングパターンとを比較することにより、測定装置1を装着したユーザの活動停止による測定装置1の静止を検出する。
【0071】
また、データ記憶部17には、測定装置1を装着したユーザが測定装置1を取り外したことにより測定装置1の静止する場合のセンサ15のセンシングパターン(例えば、測定装置1の取り外し時に特有のセンシングパターンの直後に静止するパターン)が記憶されている。このセンシングパターンは、測定装置1の製造時に予めデータ記憶部17に記憶されてもよいし、測定装置1の製造後にユーザに合わせて生成されてデータ記憶部17に記憶されてもよい。そして、コントローラ18は、データ記憶部17に記憶されたセンシングパターンと、センサ15により得られたセンシングパターンとを比較することにより、測定装置1を装着したユーザが測定装置1を取り外したことによる測定装置1の静止を検出する。
【0072】
§5 プログラム
なお、前述した実施形態で説明した測定装置1の制御方法は、予め用意された制御プログラムをコンピュータで実行することにより実現できる。本制御プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録され、記憶媒体から読み出されることによって実行される。また、本制御プログラムは、フラッシュメモリ等の非一過性の記憶媒体に記憶された形で提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介して提供されてもよい。本制御プログラムを実行するコンピュータは、測定装置1に含まれるものであってもよいし、測定装置1と通信可能なスマートフォン、タブレット端末、又はパーソナルコンピュータ等の電子機器に含まれるものでもあってもよいし、これら測定装置1及び電子機器と通信可能なサーバ装置に含まれるものであってもよい。
【0073】
以上、本発明の実施の形態を詳細に説明したが、上記の説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができる。
【符号の説明】
【0074】
1 測定装置
1A 活動量計
5 情報端末
13 測定部
14 無線通信部
15 センサ(検知部)
18コントローラ(制御部、プロセッサ)
53 第1無線通信部
54 第2無線通信部
57 コントローラ
90 クラウドサーバ
100 情報管理システム
N 広域ネットワーク
図1
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図8