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特開2024-143792複合材用原料、および、複合材の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143792
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】複合材用原料、および、複合材の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08G 18/64 20060101AFI20241003BHJP
   C08G 18/10 20060101ALI20241003BHJP
   C08G 18/18 20060101ALI20241003BHJP
   C08G 18/76 20060101ALI20241003BHJP
   B27N 3/00 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
C08G18/64 092
C08G18/10
C08G18/18
C08G18/76
B27N3/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023056673
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005887
【氏名又は名称】三井化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003812
【氏名又は名称】弁理士法人いくみ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 武志
(72)【発明者】
【氏名】金沢 優輝
【テーマコード(参考)】
2B260
4J034
【Fターム(参考)】
2B260AA03
2B260BA02
2B260BA03
2B260BA27
2B260CB01
2B260CD03
2B260CD04
2B260DA05
2B260DB21
2B260DC02
2B260EA04
2B260EB02
2B260EB06
2B260EB19
2B260EC08
4J034BA03
4J034BA08
4J034CA04
4J034CA05
4J034CB04
4J034CC03
4J034CC08
4J034DA01
4J034DB01
4J034DB03
4J034DB04
4J034DB05
4J034DB07
4J034DC50
4J034DF01
4J034DG03
4J034DG04
4J034DG06
4J034DG08
4J034DG09
4J034DG14
4J034DG23
4J034HA01
4J034HA06
4J034HA07
4J034HC12
4J034HC61
4J034HC64
4J034HC65
4J034HC67
4J034HC71
4J034JA01
4J034JA32
4J034JA33
4J034JA42
4J034KA01
4J034KB02
4J034KD07
4J034KD12
4J034KE02
4J034QA03
4J034QB13
4J034QB14
4J034QB17
4J034QC03
4J034RA08
4J034RA09
(57)【要約】
【課題】複合材の耐水性を向上させることができる複合材用原料、および、複合材の製造方法を提供する。
【解決手段】
リグノセルロースとウレタン樹脂との複合材を製造するための複合材用原料は、イソシアネート基と親水基とを有するプレポリマーであって、芳香族ポリイソシアネートと、マクロポリオールと、前記親水基を含有する化合物との反応生成物であるプレポリマーを含有するイソシアネート成分と、ポリオール成分と、アミン触媒とを含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リグノセルロースとウレタン樹脂との複合材を製造するための複合材用原料であって、
イソシアネート基と親水基とを有するプレポリマーであって、芳香族ポリイソシアネートと、マクロポリオールと、前記親水基を含有する化合物との反応生成物であるプレポリマーを含有するイソシアネート成分と、
ポリオール成分と、
アミン触媒と
を含む、複合材用原料。
【請求項2】
前記ポリオール成分は、
窒素原子を含有しない第1ポリオールと、
窒素原子を含有する第2ポリオールとを含有する、請求項1に記載の複合材用原料。
【請求項3】
前記第2ポリオールは、窒素原子を含有するポリエーテルポリオールである、請求項2に記載の複合材用原料。
【請求項4】
前記リグノセルロースの含水率は、30%以上である、請求項1に記載の複合材用原料。
【請求項5】
前記リグノセルロースは、杉のバーク材である、請求項1に記載の複合材用原料。
【請求項6】
前記イソシアネート成分を含有する第1剤と、
前記ポリオール成分と前記アミン触媒とを含有する第2剤と
を含む、請求項1に記載の複合材用原料。
【請求項7】
請求項1に記載の複合材用原料を用いた前記複合材の製造方法であって、
前記リグノセルロースと、前記イソシアネート成分と、前記ポリオール成分と、前記アミン触媒と、水とを混合し、複合材用組成物を調製する混合工程と、
前記複合材用組成物を硬化させる硬化工程と
を含む、複合材の製造方法。
【請求項8】
前記硬化工程において、前記複合材用組成物を施工面に散布し、散布された前記複合材用組成物を圧縮および硬化させる、請求項7に記載の複合材の製造方法。
【請求項9】
前記複合材用組成物において、前記リグノセルロースの固形分100質量部に対して、前記イソシアネート成分、前記ポリオール成分および前記アミン触媒の総量は、5質量部以上、70質量部以下である、請求項7に記載の複合材の製造方法。
【請求項10】
前記ポリオール成分は、窒素原子を含有しない第1ポリオールと、窒素原子を含有する第2ポリオールとを含有し、
前記複合材用組成物において、前記イソシアネート成分100質量部に対する前記第2ポリオールの配合割合は、10質量部以上、20質量部以下である、請求項7に記載の複合材の製造方法。
【請求項11】
前記複合材用組成物において、前記イソシアネート成分100質量部に対する前記アミン触媒の配合割合は、0.01質量部以上、1.5質量部以下である、請求項7に記載の複合材の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合材用原料、および、複合材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ポリオールを含む第1剤と、イソシアネート化合物を含む第2剤との混合物である接着剤と、無機材料および/またはリグノセルロース材料との複合材料が知られている(例えば、下記特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-19120号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載されるような複合材料において、さらなる耐水性の向上が求められている。
【0005】
本発明の目的は、複合材の耐水性を向上させることができる複合材用原料、および、複合材の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明[1]は、リグノセルロースとウレタン樹脂との複合材を製造するための複合材用原料であって、イソシアネート基と親水基とを有するプレポリマーであって、芳香族ポリイソシアネートと、マクロポリオールと、前記親水基を含有する化合物との反応生成物であるプレポリマーを含有するイソシアネート成分と、ポリオール成分と、アミン触媒とを含む、複合材用原料を含む。
【0007】
本発明[2]は、前記ポリオール成分が、窒素原子を含有しない第1ポリオールと、窒素原子を含有する第2ポリオールとを含有する、上記[1]の複合材用原料を含む。
【0008】
本発明[3]は、前記第2ポリオールが、窒素原子を含有するポリエーテルポリオールである、上記[2]の複合材用原料を含む。
【0009】
本発明[4]は、前記リグノセルロースの含水率が、30%以上である、上記[1]から[3]のいずれか1つの複合材用原料を含む。
【0010】
本発明[5]は、前記リグノセルロースが、杉のバーク材である、上記[1]~[4]のいずれか1つの複合材用原料を含む。
【0011】
本発明[6]は、前記イソシアネート成分を含有する第1剤と、前記ポリオール成分と前記アミン触媒とを含有する第2剤とを含む、上記[1]~[5]のいずれか1つの複合材用原料を含む。
【0012】
本発明[7]は、上記[1]~[6]のいずれか1つの複合材用原料を用いた前記複合材の製造方法であって、前記リグノセルロースと、前記イソシアネート成分と、前記ポリオール成分と、前記アミン触媒と、水とを混合し、複合材用組成物を調製する混合工程と、前記複合材用組成物を硬化させる硬化工程とを含む、複合材の製造方法を含む。
【0013】
本発明[8]は、前記硬化工程において、前記複合材用組成物を施工面に散布し、散布された前記複合材用組成物を圧縮および硬化させる、上記[7]の複合材の製造方法を含む。
【0014】
本発明[9]は、前記複合材用組成物において、前記リグノセルロースの固形分100質量部に対して、前記イソシアネート成分、前記ポリオール成分および前記アミン触媒の総量が、5質量部以上、70質量部以下である、上記[7]または[8]の複合材の製造方法を含む。
【0015】
本発明[10]は、前記ポリオール成分が、窒素原子を含有しない第1ポリオールと、窒素原子を含有する第2ポリオールとを含有し、前記複合材用組成物において、前記イソシアネート成分100質量部に対する前記第2ポリオールの配合割合が、10質量部以上、20質量部以下である、上記[7]~[9]のいずれか1つの複合材の製造方法を含む。
【0016】
本発明[11]は、前記複合材用組成物において、前記イソシアネート成分100質量部に対する前記アミン触媒の配合割合が、0.01質量部以上、1.5質量部以下である、上記[7]~[10]のいずれか1つの複合材の製造方法を含む。
【発明の効果】
【0017】
本発明の複合材用原料によれば、プレポリマーが、芳香族ポリイソシアネートと、マクロポリオールと、親水基を含有する化合物との反応生成物であり、イソシアネート基と親水基とを有する。
【0018】
そのため、リグノセルロースとプレポリマーとを混合するときに、プレポリマーを水に分散させて、リグノセルロースとプレポリマーとを均一に混合できる。
【0019】
その結果、得られる複合材の耐水性を向上させることができる。
【0020】
また、本発明の複合材の製造方法によれば、混合工程において、プレポリマーを水に分散させて、リグノセルロースとプレポリマーとを均一に混合できる。
【0021】
その結果、得られる複合材の耐水性を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
1.複合材用原料
複合材用原料は、リグノセルロースとウレタン樹脂との複合材を製造するための原料である。複合材として、例えば、樹脂系混合物舗装の表層が挙げられる。
【0023】
(1)リグノセルロース
リグノセルロースとして、例えば、木材の粉砕物、バーク材の粉砕物、竹材の粉砕物が挙げられる。なお、「木材」とは、木部を指し、樹皮であるバーク材を含まない。木材の粉砕物として、例えば、ウッドチップが挙げられる。バーク材の粉砕物として、例えば、バークチップが挙げられる。竹材の粉砕物として、例えば、バンブーチップが挙げられる。木の種類は、限定されない。木は、針葉樹であってもよく、広葉樹であってもよい。針葉樹として、例えば、杉、ヒノキが挙げられる。広葉樹として、例えば、ブナ、ツゲが挙げられる。リグノセルロースとして、好ましくは、杉のバーク材が挙げられる。
【0024】
リグノセルロースが杉のバーク材であると、抗菌作用および除草効果を有する複合材を製造できる。製造された複合材は、例えば、地面舗装材、歩道、高速道路の壁面、家屋周辺、屋内の壁材、屋内の床材などに使用できる。
【0025】
リグノセルロースの含水率は、例えば、30%以上、好ましくは、40%以上である。リグノセルロースの含水率が上記下限値以上であると、比較的含水率が高いリグノセルロースを使用して複合材を製造できる。そのため、リグノセルロースを乾燥させる工程を省略または簡略化でき、複合材の製造工程の簡略化を図ることができる。
【0026】
リグノセルロースの含水率は、例えば、60%以下、好ましくは、50%以下である。リグノセルロースの含水率が上記上限値以下であると、成形時間(硬化時間)が長くなることを抑制し、生産効率の向上を図ることができる。
【0027】
(2)複合材用原料
複合材用原料は、第1剤と、第2剤とを含む。
【0028】
(2-1)第1剤
第1剤は、イソシアネート成分を含有する。言い換えると、複合材用原料は、イソシアネート成分を含む。
【0029】
イソシアネート成分は、プレポリマーを含有する。イソシアネート成分は、残存イソシアネートを含有してもよい。残存イソシアネートモノマーとは、プレポリマーの製造に用いられたイソシアネートモノマーのうち、反応せずに残存したイソシアネートモノマーである。好ましくは、イソシアネート成分は、プレポリマーのみからなる。
【0030】
第1剤中のプレポリマーの割合は、例えば、95質量%以上、好ましくは、99質量%以上である。
【0031】
プレポリマーは、イソシアネート基と親水基とを有する。プレポリマーが親水基を有することにより、リグノセルロースと第1剤と第2剤とを混合するときに、水を加えて、プレポリマーを水に乳化させることができる。これにより、リグノセルロースと第1剤と第2剤との混合物の粘度を低下させることができ、複合材の成形性を向上させることができる。
【0032】
プレポリマー中のイソシアネート基の含有割合(イソシアネート基含有率)は、例えば、5質量%以上、好ましくは、10質量%以上、より好ましくは、15質量%以上であり、例えば、30質量%以下、好ましくは、25質量%以下、より好ましくは、20質量%以下である。
【0033】
イソシアネート基含有率は、JIS K7301に記載のイソシアネート基含有率試験に準拠して、ジ-n-ブチルアミンによる滴定法により求められる。
【0034】
親水基は、イソシアネート基と反応しない親水基である。イソシアネート基と反応しない親水基として、例えば、ポリオキシエチレン基が挙げられる。
【0035】
プレポリマーは、芳香族ポリイソシアネートと、マクロポリオールと、親水基を含有する化合物との反応生成物である。
【0036】
(2-1-1)芳香族ポリイソシアネート
芳香族ポリイソシアネートとして、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、および、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)が挙げられる。
【0037】
トリレンジイソシアネートとして、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネートが挙げられる。トリレンジイソシアネートは、2,4-トリレンジイソシアネートと2,6-トリレンジイソシアネートとの混合物であってもよい。
【0038】
ジフェニルメタンジイソシアネートとして、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、および、2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネートが挙げられる。ジフェニルメタンジイソシアネートは、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートおよび2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネートの少なくとも2つの混合物であってもよい。また、ジフェニルメタンジイソシアネートは、ポリメリックMDIであってもよい。
【0039】
芳香族ポリイソシアネートとして、好ましくは、ジフェニルメタンジイソシアネート、より好ましくは、ポリメリックMDIが挙げられる。
【0040】
上記した芳香族ポリイソシアネートは、単独で使用されてもよく、2種以上併用されてもよい。
【0041】
(2-1-2)マクロポリオール
マクロポリオールは、水酸基を2つ以上有し、数平均分子量が、400以上、10000以下の化合物である。マクロポリオールの数平均分子量は、好ましくは、500以上、より好ましくは、800以上である。また、マクロポリオールの数平均分子量は、好ましくは、5000以下である。
【0042】
数平均分子量は、マクロポリオールの水酸基の数、および、平均水酸基価から算出できる(以下同様)。
【0043】
マクロポリオールの平均水酸基価は、例えば、12mgKOH/g以上、好ましくは、25mgKOH/g以上、より好ましくは、50mgKOH/g以上であり、例えば、270mgKOH/g以下、好ましくは、200mgKOH/g未満である。
【0044】
平均水酸基価は、JIS K1557-1:2007に従って測定される(以下同様)。
【0045】
マクロポリオールは、窒素原子を含有しない。マクロポリオールとして、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールが挙げられる。マクロポリオールとして、好ましくは、ポリエーテルポリオールが挙げられる。
【0046】
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリオキシアルキレンポリオールが挙げられる。ポリオキシアルキレンポリオールとして、例えば、ポリアルキレンポリオール、ポリテトラメチレンエーテルポリオールが挙げられる。
【0047】
ポリアルキレンポリオールとして、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレンオキサイド-プロピレンオキサイド共重合体(ランダムおよび/またはブロック共重合体)が挙げられる。
【0048】
詳しくは、ポリアルキレンポリオールは、窒素原子を含有しない開始剤に炭素数2-3のアルキレンオキサイドを付加重合させることにより製造される。窒素原子を含有しない開始剤として、例えば、低分子量ジオール、低分子量トリオール、4価以上のポリオールが挙げられる。
【0049】
低分子量ジオールは、数平均分子量が400以下のジオールである。低分子量ジオールとして、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコールが挙げられる。
【0050】
低分子量トリオールは、数平均分子量が400以下のトリオールである。低分子量トリオールとして、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパンが挙げられる。
【0051】
4価以上のポリオールは、水酸基を4つ以上有し、数平均分子量が400以下のアルコールである。4価以上のポリオールとして、例えば、ペンタエリスリトール、ソルビトール、スクロースが挙げられる。
【0052】
窒素原子を含有しない開始剤として、好ましくは、低分子量ジオールおよび低分子量トリオールが挙げられる。
【0053】
アルキレンオキサイドとして、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドが挙げられる。
【0054】
ポリテトラメチレンエーテルポリオールとして、例えば、テトラヒドロフランのカチオン重合により得られる開環重合物、例えば、テトラヒドロフランの重合単位にジオールを共重合した非晶性ポリテトラメチレンエーテルグリコール、例えば、テトラヒドロフランの重合単位に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、エピクロヒドリンおよび/またはベンジルグリシジルエーテルなどを共重合した非晶性ポリテトラメチレンエーテルグリコールなどが挙げられる。
【0055】
ポリエーテルポリオールとして、好ましくは、ポリプロピレングリコールが挙げられる。ポリプロピレングリコールとして、例えば、プロピレングリコールにプロピレンオキサイドを付加した2官能ポリプロピレングリコール、グリセリンにプロピレンオキサイドを付加した3官能ポリプロピレングリコール、トリメチロールプロパンにプロピレンオキサイドを付加した3官能ポリプロピレングリコールが挙げられる。
【0056】
上記したマクロポリオールは、単独で使用されてもよく、2種以上併用されてもよい。
【0057】
(2-1-3)親水基を含有する化合物
親水基を含有する化合物は、上記した親水基と、窒素原子を含有しない活性水素基とを有する。窒素原子を含有しない活性水素基として、例えば、水酸基、カルボキシ基が挙げられる。活性水素基として、好ましくは、水酸基が挙げられる。
【0058】
親水基を含有する化合物として、例えば、上記した親水基を有するモノオール、および、上記した親水基を有するジオールが挙げられる。モノオールとして、例えば、メトキシポリエチレングリコールが挙げられる。ジオールとして、例えば、ポリエチレングリコールが挙げられる。
【0059】
親水基を含有する化合物として、好ましくは、上記した親水基を有するモノオールが挙げられ、より好ましくは、メトキシポリエチレングリコールが挙げられる。
【0060】
親水基を含有する化合物がメトキシポリエチレングリコールである場合、メトキシポリエチレングリコールの数平均分子量は、例えば、350以上、好ましくは、400以上である。メトキシポリエチレングリコールの数平均分子量は、例えば、2000以下、好ましくは、650以下である。
【0061】
(2-1-4)プレポリマーの製造方法
プレポリマーを製造するには、芳香族ポリイソシアネートと、マクロポリオールと、親水基を含有する化合物とを、イソシアネートインデックス(マクロポリオールおよび親水基を含有する化合物の活性水素基濃度に対する、ポリイソシアネートのイソシアネート基濃度(NCO濃度)の比に100を乗じた値、NCO濃度/活性水素基濃度×100)が、例えば、100より大きくなる割合、好ましくは、105以上、例えば、600以下、好ましくは、450以下となるように混合して、それらを、所定のイソシアネート基含有率になるまで反応させる。
【0062】
また、この反応において、必要に応じて、ウレタン化触媒を添加することもできる。
【0063】
なお、上記反応の後、必要により、公知の蒸留方法などを用いて残存モノマー(具体的には、未反応のポリイソシアネート)を取り除く。
【0064】
これにより、分子末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを得ることができる。
【0065】
(3)第2剤
第2剤は、ポリオール成分と、アミン触媒とを含有する。言い換えると、複合材用原料は、ポリオール成分と、アミン触媒とを含む。第2剤は、ポリオール成分と、アミン触媒との混合物である。複合材用原料は、金属触媒を含有しない。
【0066】
(3-1)ポリオール成分
ポリオール成分は、第1ポリオールと、第2ポリオールとを含有する。
【0067】
(3-1-1)第1ポリオール
第1ポリオールは、窒素原子を含有しない。第1ポリオールは、水酸基を2つ以上有する。第1ポリオールの数平均分子量は、62以上、1000以下である。第1ポリオールの数平均分子量は、好ましくは、800未満である。
【0068】
第1ポリオールの平均水酸基価は、例えば、200mgKOH/g以上、好ましくは、300mgKOH/g以上であり、例えば、2000mgKOH/g以下である。
【0069】
第1ポリオールとして、例えば、低分子量ジオール、低分子量トリオール、ポリエーテルポリオールが挙げられる。
【0070】
第1ポリオールとしての低分子量ジオールとして、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールが挙げられる。
【0071】
第1ポリオールとしての低分子量トリオールとして、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパンが挙げられる。
【0072】
第1ポリオールとしてのポリエーテルポリオールとして、例えば、プロピレングリコールにプロピレンオキサイドを付加した2官能ポリプロピレングリコール、グリセリンにプロピレンオキサイドを付加した3官能ポリプロピレングリコール、トリメチロールプロパンにプロピレンオキサイドを付加した3官能ポリプロピレングリコールが挙げられる。
【0073】
第2剤中の第1ポリオールの割合は、例えば、1質量%以上、好ましくは、3質量%以上、より好ましくは、10質量%以上、好ましくは、15質量%以上であり、例えば、35質量%以下、好ましくは、30質量%以下、より好ましくは、25質量%以下、好ましくは、20質量%以下である。
【0074】
第2剤中の第1ポリオールの割合が上記下限値以上、上記上限値以下であると、後述する複合材用組成物の硬化時間を適度な範囲に調整でき、作業性および生産性の向上を図ることができる。また、複合材の耐水性および物理的強度を確保できる。
【0075】
第2剤において、第2ポリオール100質量部に対する第1ポリオールの配合割合は、例えば、1質量部以上、好ましくは、3質量部以上、より好ましくは、10質量部以上、より好ましくは、15質量部以上であり、例えば、45質量部以下、好ましくは、40質量部以下、より好ましくは、30質量部以下、より好ましくは、20質量部以下である。
【0076】
第2ポリオール100質量部に対する第1ポリオールの配合割合が上記下限値以上、上記上限値以下であると、後述する複合材用組成物の硬化時間を適度な範囲に調整でき、作業性および生産性の向上を図ることができる。また、複合材の耐水性および物理的強度を確保できる。
【0077】
(3-1-2)第2ポリオール
第2ポリオールは、窒素原子を含有し、水酸基を2つ以上有し、数平均分子量が、200以上、1000以下の化合物である。第2ポリオールの数平均分子量は、好ましくは、800未満である。
【0078】
第2ポリオールの平均水酸基価は、例えば、200mgKOH/g以上、好ましくは、250mgKOH/g以上であり、例えば、1000mgKOH/g以下、好ましくは、900mgKOH/g以下である。
【0079】
より具体的には、第2ポリオールは、窒素原子を含有するポリエーテルポリオールである。窒素原子を含有するポリエーテルポリオールは、例えば、窒素原子を含有する開始剤にアルキレンオキサイドを付加重合させることにより製造される。窒素原子を含有する開始剤として、例えば、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミンが挙げられる。
【0080】
窒素原子を含有するポリエーテルポリオールは、例えば、トリエタノールアミンにプロピレンオキサイドを付加した3官能ポリプロピレングリコール、エチレンジアミンにプロピレンオキサイドを付加した4官能ポリプロピレングリコールが挙げられる。
【0081】
第2剤中の第2ポリオールの割合は、例えば、65質量%以上、好ましくは、69質量%以上、好ましくは、75質量%以上であり、例えば、95質量%以下、好ましくは、90質量%以下、好ましくは、85質量%以下である。
【0082】
第2剤中の第2ポリオールの割合が上記下限値以上、上記上限値以下であると、後述する複合材用組成物の硬化時間を適度な範囲に調整でき、作業性の向上を図ることができる。また、複合材の耐水性および物理的強度を確保できる。
【0083】
(3-2)アミン触媒
アミン触媒としては、例えば、3級アミンが挙げられる。3級アミンとして、例えば、ジメチルシクロヘキシルアミン(DMCHA)、ジメチルエタノールアミン(DMEA)、トリエタノールアミン(TEA)、トリエチレンジアミンが挙げられる。
【0084】
第2剤中のアミン触媒の割合は、例えば、0.1質量%以上、好ましくは、0.5質量%以上、好ましくは、1質量%以上であり、例えば、10質量%以下、好ましくは、7質量%以下、より好ましくは、5質量%以下である。
【0085】
第2剤中のアミン触媒の割合が上記下限値以上、上記上限値以下であると、後述する複合材用組成物の硬化時間を適度な範囲に調整でき、作業性および生産性の向上を図ることができる。また、複合材の耐水性および物理的強度を確保できる。
【0086】
第2剤において、第2ポリオール100質量部に対するアミン触媒の配合割合は、例えば、0.1質量部以上、好ましくは、0.5質量部以上、より好ましくは、1質量部以上であり、例えば、10質量部以下、好ましくは、8質量部以下、より好ましくは、5質量部以下である。
【0087】
第2ポリオール100質量部に対するアミン触媒の配合割合が上記下限値以上、上記上限値以下であると、後述する複合材用組成物の硬化時間を適度な範囲に調整でき、作業性および生産性の向上を図ることができる。また、複合材の耐水性および物理的強度を確保できる。
【0088】
2.複合材の製造方法
複合材の製造方法は、上記した複合材用原料を用いる。複合材の製造方法は、混合工程と、硬化工程とを含む。
【0089】
(1)混合工程
混合工程では、リグノセルロースと、第1剤と、第2剤と、水とを混合し、複合材用組成物を調製する。言い換えると、混合工程では、リグノセルロースと、イソシアネート成分と、ポリオール成分と、アミン触媒と、水とを混合し、複合材用組成物を調製する。複合材用組成物中のイソシアネート成分、ポリオール成分およびアミン触媒を、バインダー成分と定義する。
【0090】
リグノセルロースと、第1剤と、第2剤と、水とを混合する方法は、限定されない。例えば、第1剤と水とを混合して第1混合液を調製し、第2剤と水とを混合して第2混合液を調製し、第1混合液と第2混合液とをリグノセルロースと混合して複合材用組成物を調製する。また、例えば、第1剤と第2剤と水とを混合して混合液を調製し、得られた混合液をリグノセルロースと混合してもよい。複合材が複数の層から構成される場合、複数の層のそれぞれを製造するための複合材用組成物を、個別に調製してもよい。
【0091】
複合材用組成物において、リグノセルロースの固形分100質量部に対するバインダー成分(イソシアネート成分、ポリオール成分およびアミン触媒の総量)の割合は、例えば、5質量部以上、好ましくは、10質量部以上であり、例えば、70質量部以下、好ましくは、60質量部以下である。
【0092】
複合材用組成物において、リグノセルロースの固形分100質量部に対するバインダー成分の割合が上記下限値以上であれば、樹脂系混合物舗装の表層の硬さを確保できる。また、複合材用組成物において、リグノセルロースの固形分100質量部に対するバインダー成分の割合が上記上限値以下であれば、複合材用組成物を散布し、圧縮および硬化させることで容易に複合材を得ることができる。
【0093】
複合材用組成物において、イソシアネート成分100質量部に対する第1ポリオールの配合割合は、例えば、0.1質量部以上、好ましくは、0.3質量部以上であり、例えば、5質量部以下、好ましくは、4.7質量部以下である。
【0094】
イソシアネート成分100質量部に対する第1ポリオールの配合割合が上記範囲内であると、20℃吸水厚さ膨張率の増大を抑制できる。
【0095】
複合材用組成物において、イソシアネート成分100質量部に対する第2ポリオールの配合割合は、例えば、10質量部以上、好ましくは、11質量部以上であり、例えば、20質量部以下、好ましくは、15質量部以下である。
【0096】
イソシアネート成分100質量部に対する第2ポリオールの配合割合が上記範囲内であると、20℃吸水厚さ膨張率の増大を抑制できる。
【0097】
複合材用組成物において、イソシアネート成分100質量部に対するアミン触媒の配合割合は、例えば、0.01質量部以上、好ましくは、0.1質量部以上であり、例えば、1.5質量部以下、好ましくは、1質量部以下である。
【0098】
イソシアネート成分100質量部に対するアミン触媒の配合割合が上記範囲内であると、20℃吸水厚さ膨張率の増大を抑制できる。
【0099】
なお、複合材は、1つの層のみから構成されてもよいし、複数の層から構成されてもよい。複合材が複数の層から構成される場合、複合材は、少なくとも、第1層と、第2層とを有する。第1層は、複合材の最表層であってもよい。第1層が複合材の最表層である場合、第1層は、上記した複合材用組成物から製造される。
【0100】
第2層は、第1層と施工面との間に配置される。第2層を製造するための複合材用組成物(第2複合材用組成物)は、第1層を製造するための複合材用組成物(第1複合材用組成物)とは別に調製される。
【0101】
第2複合材用組成物における「リグノセルロースの固形分100質量部に対するバインダー成分の割合」は、第1複合材用組成物における「リグノセルロースの固形分100質量部に対するバインダー成分の割合」よりも少ない。第2複合材用組成物において、リグノセルロースの固形分100質量部に対するバインダー成分の割合は、例えば、5質量部以上、好ましくは、15質量部以上であり、例えば、25質量部以下、好ましくは、20質量部以上である。
【0102】
第2複合材用組成物において、リグノセルロースの固形分100質量部に対するバインダー成分の割合が上記下限値以上であれば、複合材の第2層を、第1層よりも柔軟に構成できる。その結果、樹脂系混合物舗装にクッション性を付与できる。
【0103】
(2)硬化工程
次に、硬化工程では、複合材用組成物を硬化させる。硬化工程では、複合材用組成物を施工面に散布し、散布された複合材用組成物を圧縮および硬化させる。
【0104】
詳しくは、複合材用組成物を施工面に散布し、例えば、1MPa以上、10MPa以下の圧力で、加熱せずに、例えば、1分以上、10分以下、加圧する。その後、圧縮された複合材用組成物をそのまま養生して、複合材用組成物を硬化させる。なお、硬化を促進するために、必要により、圧縮された複合材用組成物を加熱してもよい。
【0105】
これにより、複合材用組成物の硬化物として、複合材を得ることができる。
【0106】
なお、複合材が第1層と第2層とを有する場合、まず、上記した第2複合材用組成物を施工面に散布し、散布された第2複合材用組成物を圧縮および硬化させる。
【0107】
次に、上記した第1複合材用組成物を、圧縮された第2複合材用組成物の上に散布し、散布された第1複合材用組成物を圧縮および硬化させる。
【0108】
3.複合材の物性
次に、得られた複合材の物性について説明する。
【0109】
(1)複合材の厚み
複合材の厚みは、限定されない。複合材の厚みは、例えば、14.5mm以上、好ましくは、15.0mm以上であり、例えば、17.0mm以下、好ましくは、17.5mm以下である。
【0110】
複合材の厚みは、JIS A5908:2015(パーティクルボード)に規定の寸法の測定方法に従って測定される。
【0111】
複合材の厚みを上記範囲内に調整するには、例えば、リグノセルロースの固形分100質量部に対するバインダー成分の割合を、上記下限値以上、上記上限値以下に調整する。
【0112】
(2)複合材の密度
複合材の密度は、限定されない。複合材の密度は、例えば、300kg/m以上、好ましくは、320kg/m以上であり、例えば、400kg/m以下、好ましくは、360kg/m以下である。
【0113】
複合材の密度は、JIS A5908:2015(パーティクルボード)に規定の密度試験により測定される。
【0114】
複合材の密度を上記範囲内に調整するには、例えば、上記した複合材用組成物を施工する部分の体積から散布する重量を算出し、調整する。
【0115】
(3)複合材の20℃吸水厚さ膨張率
複合材の20℃吸水厚さ膨張率は、例えば、10.0%以下、好ましくは、9.0%以下、より好ましくは、7.0%以下、より好ましくは、5.0%以下であり、例えば、1.0%以上である。
【0116】
複合材の20℃吸水厚さ膨張率は、JIS A5908:2015(パーティクルボード)の吸水厚さ膨張率試験により測定される。
【0117】
複合材の20℃吸水厚さ膨張率を上記範囲内に調整するには、例えば、リグノセルロースの固形分100質量部に対するバインダー成分の割合を、上記下限値以上、上記上限値以下に調整する。
【0118】
4.作用効果
(1)複合材用原料によれば、プレポリマーが、芳香族ポリイソシアネートと、マクロポリオールと、親水基を含有する化合物との反応生成物であり、イソシアネート基と親水基とを有する。
【0119】
そのため、リグノセルロースとプレポリマーとを混合するときに、プレポリマーを水に分散させて、リグノセルロースとプレポリマーとを均一に混合できる。
【0120】
その結果、得られる複合材の耐水性を向上させることができる。
【0121】
(2)複合材の製造方法によれば、混合工程において、プレポリマーを水に分散させて、リグノセルロースとプレポリマーとを均一に混合できる。
【0122】
その結果、得られる複合材の耐水性を向上させることができる。
【実施例0123】
次に、本発明を、実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明は、下記の実施例によって限定されるものではない。なお、「部」および「%」は、特に言及がない限り、質量基準である。また、以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。
【0124】
1.複合材原料
(1)芳香族イソシアネート
PH(モノメリックMDI、NCO%:33.6、分子量:250.25)
PI(モノメリックMDI、NCO%:33.6、分子量:250.25)
M-200(ポリメリックMDI、NCO%:30.8~31.8)
(2)マクロポリオール
製造例1(プロピレングリコールにプロピレンオキサイドを付加して得られたポリエーテルポリオール、平均水酸基価:112mgKOH/g、数平均分子量:1000)
製造例2(プロピレングリコールにプロピレンオキサイドを付加して得られたポリエーテルポリオール、平均水酸基価:56mgKOH/g、数平均分子量:2000)
製造例3(グリセリンにプロピレンオキサイドを付加して得られたポリエーテルポリオール、平均水酸基価:168mgKOH/g、数平均分子量:1000)
製造例4(グリセリンにプロピレンオキサイドを付加して得られたポリエーテルポリオール、平均水酸基価:56mgKOH/g、数平均分子量:3000)
(3)親水基を含有する化合物
M-400(ユニオックスM-400、メトキシポリエチレングリコール、官能基数:1、平均水酸基価:140.3mgKOH/g、数平均分子量:400、日油社製)
MPEG500(メトキシポリエチレングリコール、官能基数:1、平均水酸基価:112mgKOH/g、数平均分子量:500、佳化化学社製(Jiahua Chemical CO.,LTD))
M-550(ユニオックスM-550、メトキシポリエチレングリコール、官能基数:1、平均水酸基価:102mgKOH/g、数平均分子量:550、日油社製)
MPEG600(メトキシポリエチレングリコール、官能基数:1、平均水酸基価:93.5mgKOH/g、数平均分子量:600、佳化化学社製(Jiahua Chemical CO.,LTD))
(4)第1ポリオール
DPG(ジプロピレングリコール、官能基数:2、水酸基価:836.25mgKOH/g、分子量:134.17、ADEKA社製)
製造例5(プロピレングリコールにプロピレンオキサイドを付加して得られたポリエーテルポリオール、平均水酸基価:400mgKOH/g、数平均分子量:280)
Gly(グリセリン、官能基数:3、水酸基価:1827.56mgKOH/g、分子量:92.09、日油社製)
製造例6(プロピレングリコールにプロピレンオキサイドを付加して得られたポリエーテルポリオール、平均水酸基価:280mgKOH/g、数平均分子量:400)
製造例7(グリセリンにプロピレンオキサイドを付加して得られたポリエーテルポリオール、平均水酸基価:420mgKOH/g、数平均分子量:400)
製造例8(グリセリンにプロピレンオキサイドを付加して得られたポリエーテルポリオール、平均水酸基価:240mgKOH/g、数平均分子量:700)
(5)第2ポリオール
製造例9(トリエタノールアミンにプロピレンオキサイドを付加して得られたポリエーテルポリオール、平均水酸基価:350mgKOH/g、数平均分子量:480)
製造例10(エチレンジアミンにプロピレンオキサイドを付加して得られたポリエーテルポリオール、平均水酸基価:305mgKOH/g、数平均分子量:740)
製造例11(エチレンジアミンにプロピレンオキサイドを付加して得られたポリエーテルポリオール、平均水酸基価:820mgKOH/g、数平均分子量:270)
製造例12(エチレンジアミンにプロピレンオキサイドを付加して得られたポリエーテルポリオール、平均水酸基価:450mgKOH/g、数平均分子量:500)
(6)アミン触媒
DMCHA(ジメチルシクロヘキシルアミン)
DMEA(ジメチルエタノールアミン)
TEA(トリエタノールアミン)
(7)金属触媒
ネオスタンU-100(ジブチルスズジラウレート、日東化成社製)
2.プレポリマーの製造
表1に示す処方により、プレポリマーA~Gを得た。
【0125】
詳しくは、プレポリマーA~D、FおよびGについては、まず、窒素雰囲気下の容器内で、常温で固体であるPHをM-200と混合し、40℃で撹拌しながらPHを溶解させて、PHとM-200との混合液を得た。次に、得られた混合液にマクロポリオールと、必要により親水基含有化合物とを添加し、撹拌しながら80℃に昇温した後、80℃で3時間反応させて、プレポリマーを得た。その後、得られたプレポリマーを40℃以下に冷却した。
【0126】
プレポリマーEについては、窒素雰囲気下の容器内で、PIにマクロポリオールと親水基含有化合物とを添加し、撹拌しながら80℃に昇温した後、80℃で3時間反応させて、プレポリマーを得た。その後、得られたプレポリマーを40℃以下に冷却した。
【0127】
【表1】
【0128】
3.複合材の製造
表2~表6に示す処方により、第1剤と水とを混合して第1混合物を調製し、第2剤と水とを混合して第2混合液を調製した。
【0129】
次に、第1混合液と第2混合液とをリグノセルロースと混合して、複合材用組成物を調製した。表2~表6に、「リグノセルロースの固形分100質量部に対するバインダー成分の割合」を示す。
【0130】
次に、複合材用組成物を型枠内に散布し、25℃で90分圧縮し、硬化させた。
【0131】
以上により、各実施例および各比較例の複合材を得た。
【0132】
なお、比較例2では、第1剤として、プレポリマーを使用せず、PH(モノメリックMDI)243.11質量部とM-200(ポリメリックMDI)756.89質量部との混合物を、18質量部使用した。
【0133】
【表2】
【0134】
【表3】
【0135】
【表4】
【0136】
【表5】
【0137】
【表6】
【0138】
4.複合材の物性
JIS A5908:2015(パーティクルボード)に従って、複合材の厚み、密度、および、20℃吸水厚さ膨張率を測定した。結果を表2~6に示す。
【0139】
また、JIS A5908:2015(パーティクルボード)に規定のPタイプに適合する耐水性を有するか否か、下記の基準により評価した。
○:JIS A5908:2015(パーティクルボード)に規定のPタイプに適合する耐水性を有する。
△:JIS A5908:2015(パーティクルボード)に規定のPタイプに適合する耐水性を有するが、20℃吸水厚さ膨張率が9.0%を超過している。
×:JIS A5908:2015(パーティクルボード)に規定のPタイプに適合する耐水性を有さない。