(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143799
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】回路判定システム、回路遮断システム、及び分電盤
(51)【国際特許分類】
H02H 3/06 20060101AFI20241003BHJP
H02B 1/40 20060101ALI20241003BHJP
H02H 3/093 20060101ALI20241003BHJP
H02H 5/00 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
H02H3/06 A
H02B1/40 A
H02H3/093 D
H02H5/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023056689
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】塩川 明実
(72)【発明者】
【氏名】宮本 賢吾
【テーマコード(参考)】
5G004
5G142
5G211
【Fターム(参考)】
5G004AA01
5G004BA03
5G004BA04
5G004DC01
5G004DC07
5G004DC14
5G142HH02
5G142HH26
5G211AA07
5G211AA17
5G211CC10
5G211DD14
5G211DD15
5G211DD18
5G211DD27
5G211DD36
5G211DD37
5G211GG05
5G211GG06
5G211GG10
(57)【要約】
【課題】 スイッチの再投入によるトラブルを抑制することができる回路判定システム、回路遮断システム、及び分電盤を提供する。
【解決手段】 回路判定システム1は、電路Laを導通及び遮断するスイッチSWを制御する。回路判定システム1は、電流検出部11と、制御部13と、を備える。電流検出部11は、電路Laを流れる負荷電流I1を検出する。制御部13は、電路Laを遮断するオフ状態及び電路Laを導通させるオン状態のいずれかに切り替え可能にスイッチSWを制御する。制御部13は、スイッチSWをオン状態に切り替えてから予め決められた時間が経過してスイッチSWをオフ状態に切り替えるまでの期間を判定期間とする。制御部13は、判定期間において電流検出部11が検出した負荷電流I1の波形に基づいて、スイッチSWをオン状態に再度切り替えることの可否を判定する判定処理を行う。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電路を導通及び遮断するスイッチを制御する回路判定システムであって、
前記電路を流れる負荷電流を検出する電流検出部と、
前記電路を遮断するオフ状態及び前記電路を導通させるオン状態のいずれかに切り替え可能に前記スイッチを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記スイッチを前記オン状態に切り替えてから予め決められた時間が経過して前記スイッチを前記オフ状態に切り替えるまでの期間を判定期間とし、
前記判定期間において前記電流検出部が検出した前記負荷電流の波形に基づいて、前記スイッチを前記オン状態に再度切り替えることの可否を判定する判定処理を行う
回路判定システム。
【請求項2】
前記制御部は、
前記判定処理として、前記電路に過電流が発生する過電流事故が生じているか否かを判定し、
前記過電流事故が生じていなければ、前記スイッチを前記オン状態に再度切り替えることを許可し、
前記過電流事故が生じていれば、前記スイッチを前記オン状態に再度切り替えることを許可しない
請求項1記載の回路判定システム。
【請求項3】
前記電路に印加される交流電圧を検出する電圧検出部を更に備え、
前記制御部は、前記判定期間の開始タイミングを、前記交流電圧の位相が0度、90度、180度、及び360度となるタイミングとは異ならせる
請求項2記載の回路判定システム。
【請求項4】
前記制御部は、
前記判定処理を複数回繰り返し、
前記複数回の前記判定処理のそれぞれにおける前記判定期間の前記開始タイミングを互いに異ならせる
請求項3記載の回路判定システム。
【請求項5】
前記制御部は、
前記判定処理として、前記電路に接続されている負荷が動作時に熱を発する発熱負荷であるか否かを判定し、
前記負荷が前記発熱負荷でなければ、前記スイッチを前記オン状態に再度切り替えることを許可し、
前記負荷が前記発熱負荷であれば、前記スイッチを前記オン状態に再度切り替えることを許可しない
請求項1記載の回路判定システム。
【請求項6】
前記発熱負荷は、電気ストーブ又は電気ヒータである
請求項5の回路判定システム。
【請求項7】
前記発熱負荷は、抵抗負荷である
請求項5の回路判定システム。
【請求項8】
前記電路には交流電圧が印加され、
前記制御部は、前記判定処理として、
正弦波形に対する前記負荷電流の波形の歪み率を求め、
前記歪み率が閾値未満であれば、前記負荷は前記発熱負荷であると判定し、
前記歪み率が前記閾値以上であれば、前記負荷は前記発熱負荷でないと判定する
請求項5記載の回路判定システム。
【請求項9】
前記制御部は、前記負荷電流の波形が交流波形であるときに、前記判定処理を行う
請求項5記載の回路判定システム。
【請求項10】
前記スイッチは、半導体スイッチである
請求項1記載の回路判定システム。
【請求項11】
前記制御部は、
分電盤の内部に配置され、
前記分電盤の外部からの指示信号を受け取ったときに、前記判定処理を行う
請求項1記載の回路判定システム。
【請求項12】
前記スイッチを駆動する駆動部を更に備え、
前記制御部が前記スイッチを前記オン状態に再度切り替えることを許可すれば、前記駆動部は、前記スイッチを前記オン状態に再度切り替える
請求項1記載の回路判定システム。
【請求項13】
前記制御部は、感震センサが地震を検知した後、前記判定処理を行う
請求項1記載の回路判定システム。
【請求項14】
請求項1乃至13のいずれか1つの回路判定システムと、
前記スイッチと、を備える
回路遮断システム。
【請求項15】
請求項14の回路遮断システムと、
前記回路遮断システムを収納する筐体と、を備える
分電盤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、回路判定システム、回路遮断システム、及び分電盤に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の遮断システムは、取得部と、遮断制御部と、を備える。取得部は、系統電源で発生した停電の継続時間である停電継続時間の情報を取得する。遮断制御部は、停電継続時間が所定の閾値時間を超えると、系統電源に接続されているブレーカの接点部をオフさせる。遮断システムは、当該構成を備えることで、災害による停電発生後に、周囲に人がいない状況下でブレーカへの通電が再開される事態を抑制する。すなわち、ブレーカへの通電の再開時に発生し得るトラブルを、未然に防ぐことが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
過電流や停電などが発生した後、ブレーカ(スイッチ)を再投入する際に、再投入によるトラブルを抑制することが求められる。しかしながら、上述の特許文献1の遮断システムでは、停電発生時にブレーカの接点部をオフさせるものの、ブレーカ(スイッチ)の再投入によるトラブルを抑制することについては開示していない。
【0005】
そこで、本開示の目的は、スイッチの再投入によるトラブルを抑制することができる回路判定システム、回路遮断システム、及び分電盤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る回路判定システムは、電路を導通及び遮断するスイッチを制御する。前記回路判定システムは、電流検出部と、制御部と、を備える。前記電流検出部は、前記電路を流れる負荷電流を検出する。前記制御部は、前記電路を遮断するオフ状態及び前記電路を導通させるオン状態のいずれかに切り替え可能に前記スイッチを制御する。前記制御部は、前記スイッチを前記オン状態に切り替えてから予め決められた時間が経過して前記スイッチを前記オフ状態に切り替えるまでの期間を判定期間とする。前記制御部は、前記判定期間において前記電流検出部が検出した前記負荷電流の波形に基づいて、前記スイッチを前記オン状態に再度切り替えることの可否を判定する判定処理を行う。
【0007】
本開示の一態様に係る回路遮断システムは、上述の回路判定システムと、前記スイッチと、を備える。
【0008】
本開示の一態様に係る分電盤は、上述の回路遮断システムと、前記回路遮断システムを収納する筐体と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように、本開示は、スイッチの再投入によるトラブルを抑制することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施形態の回路判定システムを備える回路遮断システムを示すブロック図である。
【
図2】
図2は、同上の回路遮断システムを備える分電盤を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、同上の分電盤の筐体の前面図である。
【
図4】
図4Aは、事故点を完全に復旧させた後に再投入をしたときの波形図である。
図4Bは、事故点が完全に復旧されていないときに再投入をしたときの波形図である。
【
図5】
図5Aは、事故点が完全に復旧されていないときに第1検査投入をしたときの波形図である。
図5Bは、事故点を完全に復旧させた後に第1検査投入をしたときの波形図である。
【
図6】
図6は、交流電圧の位相と位相範囲との関係を示す波形図である。
【
図7】
図7は、第2検査投入をしたときの波形図である。
【
図8】
図8は、第1変形例の分電盤を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の実施形態は、一般に、回路判定システム、回路遮断システム、及び分電盤に関する。より詳細には、電路を導通及び遮断するスイッチを制御する回路判定システム、回路遮断システム、及び分電盤に関する。なお、以下の実施形態は、本開示の実施形態の一例にすぎない。本開示は、以下の実施形態に限定されず、本開示の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0012】
実施形態の直流機器の回路判定システム、回路遮断システム、及び分電盤は、主に、集合住宅、戸建住宅、オフィスビル、商業ビル、ホテル、工場、又は店舗などで用いられる。但し、実施形態の回路判定システム、回路遮断システム、及び分電盤は、上記以外の他の施設に用いられてもよく、設置場所も屋内及び屋内を問わない。
【0013】
(実施形態)
(1)回路判定システム、回路遮断システム、及び分電盤の概要
図1は、本実施形態の回路判定システム1の構成を示す。回路判定システム1は、電路Laを導通及び遮断するスイッチSWを制御する。回路判定システム1は、電流検出部11と、制御部13と、を備える。電流検出部11は、電路Laを流れる負荷電流I1を検出する。制御部13は、電路Laを遮断するオフ状態及び電路Laを導通させるオン状態のいずれかに切り替え可能にスイッチSWを制御する。制御部13は、スイッチSWをオン状態に切り替えてから予め決められた時間が経過してスイッチSWをオフ状態に切り替えるまでの期間を判定期間とする。そして、制御部13は、判定期間において電流検出部11が検出した負荷電流I1の波形に基づいて、スイッチSWをオン状態に再度切り替えることの可否を判定する判定処理を行う。
【0014】
回路遮断システム100は、
図1に示すように、回路判定システム1と、スイッチSWと、を備える。回路遮断システム100は、操作部15を更に備えることが好ましい。
【0015】
分電盤200は、
図2に示すように、回路遮断システム100と、回路遮断システム100を収容する筐体2と、を備える。
【0016】
上述の構成を備える回路判定システム1、回路遮断システム100、及び分電盤200は、スイッチSWを再投入する前の判定期間において、スイッチSWをオン状態に再度切り替えることの可否を判定する判定処理を行う。したがって、回路判定システム1は、スイッチSWの再投入によるトラブルを抑制することができる。
【0017】
(2)詳細
本実施形態の回路判定システム1は、
図2に示す分電盤200に用いられる。分電盤200は、戸建住宅、集合住宅、工場、店舗、事務所、オフィスビル、商用ビル、スタジアム、病院、及び学校などの需要家施設F1に設置される。そして、分電盤200は、商用の電力系統PSから供給される商用電力(交流電力)を、需要家施設F1の複数の負荷LDへ分配する。
【0018】
(2.1)分電盤
分電盤200は、矩形箱形状の筐体2を備える。筐体2は、主幹ブレーカ3、複数の分岐ブレーカ4、及び制御装置5を収容する。筐体2の前面には、矩形状の開口2aが形成されており、開口2aには図示しないカバーが開閉自在に取り付けられる。カバーは、開口2aを塞ぐ閉位置と、開口2aを前方へ露出させる開位置との間で移動可能である。筐体2は、例えば建物の壁、又は柱等に取り付けられる。
【0019】
筐体2の内部には、主幹ブレーカ3、複数の分岐ブレーカ4、及び制御装置5が収容される。主幹ブレーカ3、複数の分岐ブレーカ4、及び制御装置5は、筐体2の底板(開口2aに対向する板部材)に直接又は取付部材等を介して取り付けられている。なお、
図2は、筐体2の内部における主幹ブレーカ3、複数の分岐ブレーカ4、及び制御装置5の配置の一例を示す。なお、当該配置は適宜変更可能である。
【0020】
需要家施設F1の外部には、電力系統PSから商用電力を供給される給電路L0が敷設されており、給電路L0は、需要家施設F1において主幹電路L1に接続する。主幹電路L1は、筐体2内に引き込まれる。商用電力は、主幹電路L1から主幹ブレーカ3及び分岐ブレーカ4を介して、筐体2外の負荷LDに供給される。
【0021】
主幹ブレーカ3の一次端子は、筐体2内に引き込まれた主幹電路L1に接続する。主幹ブレーカ3の二次端子は、筐体2内の主幹電路L1に接続する。主幹電路L1は、バスバー、電線などで構成される。
【0022】
主幹ブレーカ3の二次端子に接続した主幹電路L1は、筐体2内において複数の分岐電路L2に分岐する。複数の分岐電路L2には、複数の分岐ブレーカ4がそれぞれ接続される。分岐ブレーカ4は、当該分岐ブレーカ4が接続された分岐電路L2を導通、遮断する。具体的に、分岐ブレーカ4の一次端子は、主幹電路L1から分岐した分岐電路L2に接続する。分岐ブレーカ4の二次端子は、筐体2外に引き出される分岐電路L2に接続する。筐体2外に引き出された分岐電路L2には、需要家施設F1の負荷LDが接続される。分岐電路L2は、バスバー、電線などで構成される。
【0023】
負荷LDは、分岐電路L2に直接的に接続する電気機器、並びに分岐電路L2に接続したアウトレット(outlet)を介して分岐電路L2に間接的に接続する電気機器を含む。電気機器は、例えば暖房器具、調理器具、照明器具、及び空調機器などを含む。
【0024】
上述のように、商用電力は、給電路L0、主幹ブレーカ3、主幹電路L1、分岐電路L2、分岐ブレーカ4、及び分岐電路L2を介して、複数の負荷LDへそれぞれ供給される。
【0025】
(2.2.1)主幹ブレーカ
主幹ブレーカ3は、主幹ブレーカ3の一次端子と二次端子との間に電気的に接続された接点部3aを備える。本実施形態では、主幹ブレーカ3の接点部3aは、固定接点と可動接点とを有する機械接点である。主幹ブレーカ3は、接点部3aをオン又はオフにするためのハンドル3bを前面に備えている。ハンドル3bがオン操作されると、接点部3aはオンし、主幹ブレーカ3は主幹電路L1を導通させる。ハンドル3bがオフ操作されると、接点部3aはオフし、主幹ブレーカ3は主幹電路L1を遮断する。さらに、主幹ブレーカ3は、短絡電流又は過負荷電流等の過電流を検出する機能を有する。そして、主幹ブレーカ3は、短絡電流又は過負荷電流等の過電流を検出すると、接点部3aを強制開極させて、主幹電路L1を遮断する。
【0026】
(2.2.2)分岐ブレーカ
分岐ブレーカ4は、
図1に示す回路遮断システム100として機能する。すなわち、
図2に示す分岐ブレーカ4は、回路遮断システム100の回路判定システム1、スイッチSW、及び操作部15を備える。
【0027】
スイッチSWは、半導体スイッチであり、例えばFET(Field Effect Transistor)、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、バイポーラトランジスタ、又はソリッドステートリレー(SSR : Solid State Relay)を有する。本実施形態では、スイッチSWは、ノーマリオフ型の半導体スイッチであり、駆動信号Y1の電圧又は電流がゼロになればオフする。スイッチSWは、分岐ブレーカ4の一次端子と二次端子との間に接続される。すなわち、
図2の分岐電路L2は
図1の電路Laに相当する。そして、スイッチSWがオンすれば、分岐電路L2は導通し、スイッチSWがオフすれば、分岐電路L2は遮断される。スイッチSWは、回路判定システム1から駆動信号Y1(
図1参照)を受け取り、駆動信号Y1によってオン、オフを切り替えられる。駆動信号Y1の電圧又は電流の大きさを駆動信号Y1のレベルとすると、駆動信号Y1のレベルが閾値以上であれば、スイッチSWはオンし、駆動信号Y1のレベルが閾値未満であれば、スイッチSWはオフする。
【0028】
回路判定システム1は、
図1に示すように、回路ブロック10、電流検出部11、及び電圧検出部12を備える。
【0029】
回路ブロック10は、制御部13及び駆動部14を備える。制御部13及び駆動部14の各動作電源は、分岐ブレーカ4の一次側の分岐電路L2から供給される商用電力である。また、電流検出部11がCT(Current Transformer)などを備える場合、電流検出部11の動作電源も、分岐ブレーカ4の一次側の分岐電路L2から供給される商用電力になる。
【0030】
駆動部14は、制御部13からの指示に従って、スイッチSWをオンオフ駆動する。具体的に、駆動部14は、駆動信号Y1をスイッチSWへ出力し、駆動信号Y1によってスイッチSWをオンオフ駆動する。例えば、駆動部14は、駆動信号Y1をHレベル(例えば10V)とすることで、スイッチSWをオンする。駆動部14は、駆動信号Y1をLレベル(例えば0V)とすることで、スイッチSWをオフする。
【0031】
制御部13は、操作部15の操作、及び制御装置5の指示信号に応じて、スイッチSWをオンオフ制御する。具体的に、制御部13は、駆動部14を制御することで、スイッチSWをオンオフ制御する。すなわち、制御部13は、分岐電路L2を遮断するオフ状態及び分岐電路L2を導通させるオン状態のいずれかに切り替え可能にスイッチSWを制御する。
【0032】
操作部15は、スイッチSWをオン又はオフに手動切替するためのボタンなどであり、分岐ブレーカ4の前面に設けられている。制御部13は、操作部15の操作に応じて、駆動部14から出力する駆動信号Y1を制御する。操作部15がオン操作されると、制御部13は、駆動信号Y1をHレベルとして、スイッチSWをオンさせる。操作部15がオフ操作されると、制御部13は、駆動信号Y1をLレベルとして、スイッチSWをオフさせる。なお、本実施形態では、操作部15は、モーメンタリ動作を行うプッシュ式のボタンスイッチであるが、操作部15は他の構造を有していてもよい。
【0033】
また、制御部13は、制御装置5との間で通信線W1を介した通信を行い、制御装置5の指示信号に応じてスイッチSWをオンオフ制御することも可能である。制御部13は、制御装置5の指示信号に応じて、駆動部14から出力する駆動信号Y1を制御する。制御装置5からオン指示信号を受け取ると、制御部13は、駆動信号Y1をHレベルとして、スイッチSWをオンさせる。制御装置5からオフ指示信号を受け取ると、制御部13は、駆動信号Y1をLレベルとして、スイッチSWをオフさせる。また、制御部13は、スイッチSWの状態(オン状態又はオフ状態)を表す監視信号を制御装置5へ出力する。
【0034】
電流検出部11は、分岐電路L2を流れる負荷電流I1を検出する。電流検出部11は、CT、又はシャント抵抗などを有する。電流検出部11は、分岐ブレーカ4の一次側及び二次側のいずれに設けられてもよい。
図2では、電流検出部11は、分岐ブレーカ4の二次側に設けられる。電流検出部11は、負荷電流I1の検出結果として、負荷電流信号Y2を制御部13へ出力する。負荷電流信号Y2は、負荷電流I1の大きさ(電流値)を示す。制御部13は、負荷電流信号Y2に基づいて、短絡電流又は過負荷電流等の過電流を検出する機能を有する。そして、制御部13は、短絡電流又は過負荷電流等の過電流を検出すると、スイッチSWをオフさせて、分岐電路L2を遮断する。
【0035】
さらに、制御部13は、負荷電流信号Y2に基づいて、負荷電流I1の波形データ(電流波形データ)を生成する。制御部13は、後述の判定期間において、電流波形データに基づいて、スイッチSWをオン状態に再度切り替えることの可否を判定する判定処理を行う。判定処理の詳細については、後述する。
【0036】
電圧検出部12は、分岐ブレーカ4の一次側の分岐電路L2に印加されている交流電圧Viを検出する。電圧検出部12は、分圧抵抗などを有する。電圧検出部12は、交流電圧Viの検出結果として、電圧信号Y3を制御部13へ出力する。電圧信号Y3は、交流電圧Viの大きさ(電圧値)を示す。そして、制御部13は、電圧信号Y3に基づいて、交流電圧Viの位相を監視する。制御部13は、交流電圧Viの位相に基づいて、後述の判定処理を行うための判定期間の開始タイミングを設定する。判定期間の詳細については、後述する。
【0037】
(2.2.3)制御装置
制御装置5は、複数の分岐ブレーカ4のそれぞれの監視、制御を行う。制御装置5は、オン指示信号を分岐ブレーカ4に出力することで、当該分岐ブレーカ4の駆動信号Y1をHレベルとして、スイッチSWをオンさせる。制御装置5は、オフ指示信号を分岐ブレーカ4に出力することで、当該分岐ブレーカ4の駆動信号Y1をLレベルとして、スイッチSWをオフさせる。また、分岐ブレーカ4は、当該分岐ブレーカ4のスイッチSWの状態(オン状態又はオフ状態)を示す監視信号を制御装置5へ出力する。制御装置5は、監視信号に基づいて、分岐ブレーカ4の状態を監視できる。
【0038】
さらに、制御装置5は、操作端末6との間で通信を行うことで、操作端末6による複数の分岐ブレーカ4のそれぞれの監視、制御を中継する。操作端末6は、複数の分岐ブレーカ4のうち少なくとも1つを制御対象として、制御対象とする分岐ブレーカ4の状態(オン状態又はオフ状態)を指示する指示信号(オン指示信号又はオフ指示信号)を制御装置5へ送信する。制御装置5は、操作端末6から受け取った指示信号を制御対象の分岐ブレーカ4へ出力する。制御対象の分岐ブレーカ4は、指示信号に応じて、スイッチSWをオン又はオフする。また、制御装置5は、複数の分岐ブレーカ4のそれぞれの状態を操作端末6へ通知することで、操作端末6は、複数の分岐ブレーカ4のそれぞれの状態を画面に表示することができる。操作端末6は、需要家施設F1のユーザが所有する例えばスマートフォン、タブレット端末、又はパーソナルコンピュータなどの情報端末であり、液晶画面、タッチパネル、マウス、キーボードなどの入出力デバイスを備える。
【0039】
制御装置5と操作端末6との間の通信は、無線通信及び有線通信のいずれであってもよい。無線通信は、例えばWi-Fi(登録商標)、携帯電話網、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)又は免許を必要としない小電力無線(特定小電力無線)等の規格に準拠した無線通信である。有線通信は、例えばツイストペアケーブル、専用通信線、またはLAN(Local Area Network)ケーブルなどを介した有線通信である。
【0040】
(3)通常時の動作
通常、電力系統PSは通電状態であり、主幹ブレーカ3及び分岐ブレーカ4はそれぞれオンしている。この場合、電力系統PSの商用電力は、給電路L0、主幹ブレーカ3、主幹電路L1、分岐電路L2、分岐ブレーカ4、及び分岐電路L2を介して、複数の負荷LDへそれぞれ供給される。
【0041】
そして、主幹ブレーカ3は、ハンドル3bの操作に応じて接点部3aをオンオフして、主幹電路L1の導通、遮断を切り替えることができる。また、主幹ブレーカ3は、過電流を検出すると、接点部3aを強制開極させて、主幹電路L1を遮断する。通常、主幹ブレーカ3の接点部3aはオンしており、主幹電路L1は導通している。
【0042】
分岐ブレーカ4は、操作部15の操作に応じてスイッチSWをオンオフして、分岐電路L2の導通、遮断を切り替えることができる。また、分岐ブレーカ4は、過電流を検出すると、スイッチSWをオフさせて、分岐電路L2を遮断する。通常、分岐ブレーカ4のスイッチSWはオンしており、分岐電路L2は導通している。
【0043】
(4)再投入時の動作
分岐ブレーカ4の制御部13は、オフ状態の分岐ブレーカ4を再びオン状態に切り替える再投入を行う際に、スイッチSWを判定期間だけオンさせる検査投入を行う。そして、制御部13は、判定期間において、再投入の可否を判定する判定処理を行う。このとき、スイッチSWが半導体スイッチであるので、判定期間の短時間化を容易に実現できる。
【0044】
また、本実施形態では、下記の第1判定処理又は第2判定処理を行うことで、電流波形を判別するために従来のディスアグリゲーション技術を用いるのに比べて、短時間での判定が可能になる。
【0045】
(4.1)過電流による遮断後の再投入
分岐ブレーカ4の制御部13は、負荷電流信号Y2に基づいて、短絡電流又は過負荷電流等の過電流を検出すると、スイッチSWをオフさせて、分岐電路L2を遮断する。そして、ユーザが過電流の原因となる事故点を復旧させた後、分岐ブレーカ4のスイッチSWを再度オン状態に切り替える再投入が必要となる。しかしながら、事故点が不明りょうであったり、複数の事故点の全てが復旧されていなければ、分岐ブレーカ4の再投入時に再び過電流が発生してしまう。
【0046】
図4Aは、事故点が完全に復旧した後に再投入をしたときの波形図であり、負荷LDを流れる負荷電流I1、及び負荷LDに印加される負荷電圧V1の各波形の一例を示す。なお、負荷電圧V1は、分岐ブレーカ4を介して負荷LDに印加される交流電圧Viに相当する。
図4Aでは、時間t1に負荷電流I1の過電流OC1が発生し、分岐ブレーカ4のスイッチSWがオフしている。そして、時間t2にスイッチSWを再度オン状態に切り替える再投入を行う。この場合、事故点は完全に復旧しており、時間t2以降において、負荷電流I1の過電流は発生しておらず、負荷LDに商用電力が供給される。
【0047】
図4Bは、事故点が完全に復旧していないときに再投入をしたときの波形図であり、負荷LDを流れる負荷電流I1、及び負荷LDに印加される負荷電圧V1の各波形の一例を示す。
図4Bでは、時間t11に負荷電流I1の過電流OC2が発生し、分岐ブレーカ4のスイッチSWがオフしている。そして、時間t12にスイッチSWを再度オン状態に切り替える再投入を行う。この場合、事故点が完全に復旧しておらず、時間t12に再投入しても、負荷電流I1の過電流OC3が発生し、分岐ブレーカ4のスイッチSWが再びオフしている。
【0048】
そこで、本実施形態の分岐ブレーカ4が備える回路判定システム1は、分岐ブレーカ4の再投入時に行う判定処理として、以下の第1判定処理を行う。第1判定処理は、分岐電路L2の短絡、又は負荷LDの故障などによって、分岐電路L2に過電流が発生する過電流事故が生じているか否かを判定する処理である。制御部13は、操作部15のオン操作を検知したり、分電盤200の外部からの指示信号を受け取ったりしたときに、第1判定処理を行う。
【0049】
(第1判定処理)
分岐ブレーカ4の再投入時には、需要家施設F1のユーザは、分岐ブレーカ4の操作部15をオン操作する、あるいは操作端末6を操作して、操作端末6からオン指示信号を送信させる。分岐ブレーカ4の制御部13は、過電流によってスイッチSWをオフさせた後に、操作部15のオン操作を検知したり、オン指示信号を受け取ったりすると、スイッチSWを第1判定期間Taだけオンさせる第1検査投入を行う。第1判定期間Taは、スイッチSWをオン状態に切り替えてから予め決められた時間が経過してスイッチSWをオフ状態に切り替えるまでの期間であり、上述の判定期間に相当する。第1判定期間Taは、例えば数十μsecである。
【0050】
そして、制御部13は、第1判定期間Taにおいて電流検出部11が検出した負荷電流I1の波形に基づいて、スイッチSWをオン状態に再度切り替えることの可否を判定する。
【0051】
例えば、制御部13は、多数の負荷電流I1の波形データを教師データとして用いるディープラーニング(Deep Learning)などの機械学習によって作成された学習モデルを備えることが好ましい。学習モデルは、例えばCNN(Convolutional Neural Network)、又はFCN(Fully Convolutional Networks)などを用いたディープラーニングによって構築される。そして、学習モデルは、負荷電流I1の波形データを入力されて、過電流事故の有無を判定する。なお、制御部13が実行するアルゴリズムは、特定のアルゴリズムに限定されない。学習モデルは、重回帰分析、サポートベクターマシン(Support Vector Machine)などの他のアルゴリズムを用いたモデルであってもよい。制御部13は、第1判定期間Taにおける負荷電流I1の波形が許可可能な波形でなければ(又は、許可不可能な波形であれば)、過電流事故が発生していると判定して、スイッチSWをオン状態に再度切り替えることを許可しない。制御部13は、第1判定期間Taにおける負荷電流I1の波形が許可可能な波形であれば(又は、許可不可能な波形でなければ)、過電流事故が発生していないと判定して、スイッチSWをオン状態に再度切り替えることを許可する。
【0052】
また、制御部13は、第1判定期間Taにおける負荷電流I1の上昇速度(単位時間当たりの増加量)に基づいて、スイッチSWをオン状態に再度切り替えることの可否を判定してもよい。制御部13は、第1判定期間Taにおける負荷電流I1の上昇速度が第1閾値以上であれば、過電流事故が発生していると判定して、スイッチSWをオン状態に再度切り替えることを許可しない。制御部13は、第1判定期間Taにおける負荷電流I1の上昇速度が第1閾値未満であれば、過電流事故が発生していないと判定して、スイッチSWをオン状態に再度切り替えることを許可する。
【0053】
また、制御部13は、第1判定期間Taにおける負荷電流I1の絶対値に基づいて、スイッチSWをオン状態に再度切り替えることの可否を判定してもよい。制御部13は、第1判定期間Taにおける負荷電流I1の絶対値が第2閾値以上になれば、過電流事故が発生していると判定して、スイッチSWをオン状態に再度切り替えることを許可しない。制御部13は、第1判定期間Taにおける負荷電流I1の絶対値が第2閾値未満を維持すれば、過電流事故が発生していないと判定して、スイッチSWをオン状態に再度切り替えることを許可する。
【0054】
図5Aは、事故点が完全に復旧していないときに第1検査投入をし、第1判定処理を行ったときの波形図であり、負荷LDを流れる負荷電流I1、及び負荷LDに印加される負荷電圧V1の各波形の一例を示す。
図5Aでは、時間t21に負荷電流I1の過電流OC11が発生し、分岐ブレーカ4のスイッチSWがオフしている。そして、制御部13は、時間t22にスイッチSWをオン状態に切り替え、第1判定期間Taに亘ってスイッチSWをオン状態に維持する第1検査投入を行う。制御部13は、第1判定期間Taにおいて第1判定処理を行った結果、過電流事故が発生していると判定して、スイッチSWをオン状態に再度切り替えることを許可しない。
【0055】
図5Bは、事故点が完全に復旧した後に第1検査投入をし、第1判定処理を行ったときの波形図であり、負荷LDを流れる負荷電流I1、及び負荷LDに印加される負荷電圧V1の各波形の一例を示す。
図5Bでは、時間t31に負荷電流I1の過電流OC21が発生し、分岐ブレーカ4のスイッチSWがオフしている。そして、制御部13は、時間t32にスイッチSWをオン状態に切り替え、第1判定期間Taに亘ってスイッチSWをオン状態に維持する第1検査投入を行う。制御部13は、第1判定期間Taにおいて第1判定処理を行った結果、過電流事故が発生していないと判定して、スイッチSWをオン状態に再度切り替えることを許可する。そして、制御部13は、スイッチSWをオン状態に再度切り替えることを許可すれば、第1判定期間Taが終了してから一定時間が経過した時間t33において、駆動部14を制御して駆動信号Y1をLレベルからHレベルに切り替えて、スイッチSWをオンさせる。すなわち、制御部13がスイッチSWをオン状態に再度切り替えることを許可すれば、駆動部14は、スイッチSWをオン状態に再度切り替える。
【0056】
上述のように、回路判定システム1は、第1判定処理を行うことで、分岐電路L2に負荷LDを接続しながら、分岐電路L2に過電流が発生する過電流事故が生じているか否かを判定する。そして、回路判定システム1は、第1判定処理の判定結果に基づいて、スイッチSWの再投入を制御する。この結果、回路判定システム1は、過電流事故発生後のスイッチSWの再投入によるトラブルを抑制することができる。
【0057】
制御部13は、判定期間Taの開始タイミングtaを、交流電圧Viの位相が0度、90度、180度、及び360度となるタイミングとは異ならせることが好ましい。判定期間Taの開始タイミングtaは、上記の時間t22(
図5A参照)、t32(
図5B参照)に相当する。
【0058】
図6は、交流電圧Viの波形を示す。交流電圧Viの大きさは、位相0度、180度、360度のときに0になり、位相90度、270度のときにピーク値になる。したがって、判定期間Taの開始タイミングtaが交流電圧Viの位相90度又は270度に一致すると、過電流事故が発生していれば、第1判定期間Taにおける負荷電流I1が大きくなり過ぎてしまう。また、判定期間Taの開始タイミングtaが交流電圧Viの位相0度、180度又は360度に一致すると、過電流事故が発生していても、第1判定期間Taに負荷電流I1が流れ難くなって、過電流事故の発生の有無を正確に判定できない可能性がある。
【0059】
そこで、制御部13は、電圧検出部12が出力する電圧信号Y3に基づいて、交流電圧Viの位相を監視する。そして、制御部13は、判定期間Taの開始タイミングtaを、交流電圧Viの位相が0度、90度、180度、及び360度となるタイミングとは異ならせる。例えば、判定期間Taの開始タイミングtaは、第1判定期間Taにおける負荷電流I1が大きくなり過ぎず、かつ、過電流事故の発生の有無を正確に判定可能な交流電圧Viの位相範囲内に設定される。具体的に、判定期間Taの開始タイミングtaは、交流電圧Viの位相30度以上、60度以下の位相範囲G1(
図6参照)内に設定される。この場合、回路判定システム1は、第1判定処理の精度を向上させることができる。
【0060】
また、制御部13は、第1判定処理を複数回繰り返し、複数回の第1判定処理のそれぞれにおける判定期間Taの開始タイミングは互いに異なることが好ましい。この場合、回路判定システム1は、第1判定処理の精度を更に向上させることができる。
【0061】
例えば、制御部13は、第1判定処理を4回繰り返し行うとする。この場合、制御部13は、4回の第1判定処理のそれぞれにおける判定期間Taの開始タイミングを、交流電圧Viの位相範囲G1(
図6参照)に設定する。そして、制御部13は、1回目の第1判定処理における判定期間Taの開始タイミングを、交流電圧Viの位相が30度となるタイミングに設定する。制御部13は、2回目の第1判定処理における判定期間Taの開始タイミングを、交流電圧Viの位相が40度となるタイミングに設定する。制御部13は、3回目の第1判定処理における判定期間Taの開始タイミングを、交流電圧Viの位相が50度となるタイミングに設定する。制御部13は、4回目の第1判定処理における判定期間Taの開始タイミングを、交流電圧Viの位相が60度となるタイミングに設定する。すなわち、制御部13は、第1判定処理の回数が増えるにつれて、判定期間Taの開始タイミングに一致する交流電圧Viの位相を30度から60度に向かって徐々に遅らせていく。なお、1~4回の第1判定処理は、交流電圧Viの同一周期内で行われてもよいし、交流電圧Viの複数周期(例えば4周期)に亘って行われてもよい。
【0062】
(4.2)停電による遮断後の再投入
電力系統PSが停電すると、需要家施設F1では、分電盤200から負荷LDへの商用電力の供給が停止する。分電盤200では、分岐ブレーカ4の制御部13及び駆動部14の各動作電源は、分岐ブレーカ4の一次側の分岐電路L2から供給される商用電力である。したがって、電力系統PSの停電時には、制御部13及び駆動部14が動作を停止するので、スイッチSWを駆動するための駆動信号Y1は0V(Lレベル)になり、スイッチSWはオフする。すなわち、電力系統PSが停電すると、分岐電路L2は遮断される。
【0063】
そして、電力系統PSが復電して、電力系統PSが通電すると、電力系統PSの商用電力は、給電路L0、主幹ブレーカ3、主幹電路L1に供給されるが、停電によってオフした分岐ブレーカ4のスイッチSWは復電後もオフ状態を維持している。すなわち、復電直後では、負荷LDへの商用電力の供給が停止している。そこで、電力系統PSの復電後に負荷LDへ商用電力を供給するには、分岐ブレーカ4のスイッチSWを再度オン状態に切り替える再投入が必要となる。
【0064】
しかしながら、需要家施設F1内にある複数の負荷LDの中には、動作時に熱を発する発熱負荷LDb(
図2参照)が含まれていることがある。本実施形態の発熱負荷LDbは、例えば電気ストーブ、電気ヒータなどの抵抗負荷であることを想定する。地震、火災、土砂崩れなどの災害によって停電が発生した後では、発熱負荷LDbを動作させると、火災などの二次災害が発生する危険がある。
【0065】
そこで、本実施形態の分岐ブレーカ4が備える回路判定システム1は、分岐ブレーカ4の再投入時に行う判定処理として、以下の第2判定処理を行う。第2判定処理は、分岐電路L2に接続されている負荷LDが動作時に熱を発する発熱負荷LDbであるか否かを判定する処理である。制御部13は、操作部15のオン操作を検知したり、分電盤200の外部からの指示信号を受け取ったりしたときに、第2判定処理を行う。
【0066】
(第2判定処理)
分岐ブレーカ4の再投入時には、需要家施設F1のユーザは、分岐ブレーカ4の操作部15をオン操作する、あるいは操作端末6を操作して、操作端末6からオン指示信号を送信させる。分岐ブレーカ4の制御部13は、停電によってスイッチSWがオフした後に、操作部15のオン操作を検知したり、オン指示信号を受け取ったりすると、スイッチSWを第2判定期間Tbだけオンさせる第2検査投入を行う。第2判定期間Tbは、スイッチSWをオン状態に切り替えてから予め決められた時間が経過してスイッチSWをオフ状態に切り替えるまでの期間であり、上述の判定期間に相当する。第2判定期間Tbは、例えば交流電圧Viの2周期に相当する期間であることが好ましい。例えば、電力系統PSの周波数が50Hzであれば、第2判定期間Tbは40msecであり、電力系統PSの周波数が60Hzであれば、第2判定期間Tbは33.3msecである。
【0067】
図7は、第2検査投入をし、第2判定処理を行ったときの波形図であり、負荷LDを流れる負荷電流I1、及び負荷LDに印加される負荷電圧V1の各波形の一例を示す。
図7では、時間t41に停電が発生し、分岐ブレーカ4のスイッチSWがオフしている。そして、制御部13は、時間t42にスイッチSWをオン状態に切り替え、第2判定期間Tbに亘ってスイッチSWをオン状態に維持する第2検査投入を行う。制御部13は、第2判定期間Tbにおいて電流検出部11が検出した負荷電流I1の波形に基づいて、スイッチSWをオン状態に再度切り替えることの可否を判定する第2判定処理を行う。そして、制御部13は、第2判定期間Tbにおいて第2判定処理を行った結果、負荷LDが発熱負荷LDbでなければ、スイッチSWをオン状態に再度切り替えることを許可する。制御部13は、第2判定期間Tbにおいて第2判定処理を行った結果、負荷LDが発熱負荷LDbであれば、スイッチSWをオン状態に再度切り替えることを許可しない。
【0068】
本実施形態では、発熱負荷LDbは電気ストーブ、電気ヒータなどの抵抗負荷であり、負荷電流I1の波形は正弦波(又はほぼ正弦波)となる。そこで、制御部13は、負荷電流I1の波形が正弦波であるか否かを判別するために、正弦波に対する負荷電流I1の波形の歪み率を用いる。
【0069】
具体的に、制御部13は、第2判定処理として、正弦波形に対する負荷電流I1の波形の歪み率を求め、歪み率が第3閾値未満であれば、負荷LDは発熱負荷LDbであると判定し、歪み率が第3閾値以上であれば、負荷LDは発熱負荷LDbでないと判定する、ことが好ましい。本実施形態では、発熱負荷LDbが抵抗負荷であることを想定しており、負荷電圧V1を印加された発熱負荷LDbを流れる負荷電流I1は正弦波形となる。すなわち、負荷LDを流れる負荷電流I1が正弦波形、又は正弦波形に近い波形であれば、当該負荷LDは発熱負荷LDbである可能性が高い。制御部13は、負荷電流I1の波形との比較対象である正弦波の波形データを予め保持している。
【0070】
歪み率と比較される第3閾値は、例えば5%に設定される。理想的な抵抗負荷である発熱負荷LDbを流れる負荷電流I1の波形の第3歪み率は0%である。しかしながら、実際の発熱負荷LDbを流れる負荷電流I1に、5次高調波が10%程度含まれることを想定すると、第3閾値を5%(あるいは5%程度)に設定することが好ましい。
【0071】
制御部13は、第2判定期間Tbにおける負荷電流I1の波形の歪み率が第3閾値以上であり、負荷LDは発熱負荷LDbでないと判定すると、スイッチSWをオン状態に再度切り替えることを許可する。制御部13は、第2判定期間Tbにおける負荷電流I1の波形の歪み率が第3閾値未満であり、負荷LDは発熱負荷LDbであると判定すると、スイッチSWをオン状態に再度切り替えることを許可しない。
【0072】
そして、制御部13は、スイッチSWをオン状態に再度切り替えることを許可すれば、第2判定期間Tbが終了してから一定時間が経過した時間t43において、駆動部14を制御して駆動信号Y1をLレベルからHレベルに切り替えて、スイッチSWをオンさせる。すなわち、制御部13がスイッチSWをオン状態に再度切り替えることを許可すれば、駆動部14は、スイッチSWをオン状態に再度切り替える。
【0073】
上述のように、回路判定システム1は、第2判定処理を行うことで、分岐電路L2に負荷LDを接続しながら、分岐電路L2に接続されている負荷LDが発熱負荷LDbであるか否かを判定する。そして、回路判定システム1は、第2判定処理の判定結果に基づいて、スイッチSWの再投入を制御する。この結果、回路判定システム1は、停電後の復電時に再動作する発熱負荷LDbによるトラブルを抑制することができる。
【0074】
なお、上述の第2判定期間Tbは、負荷電流I1の歪み率を求めることができる期間であればよいので、少なくとも交流電圧Viの半周期以上の時間長さがあればよい。しかしながら、第2判定期間Tbにおいて負荷電流I1の検出を開始するまでに要する時間などの設計上の制約がある上で、歪み率を精度よく求めるためには、第2判定期間Tbは、交流電圧Viの2周期に相当する期間であることが好ましい。
【0075】
また、第2判定期間Tbの開始タイミングtb(
図7の時間t42に相当)は、交流電圧Viのゼロクロス(交流電圧Viの位相0度、180度、360度)に設定されることが好ましい。そして、制御部13は、負荷電流I1の波形の比較対象となる正弦波の位相を交流電圧Viと同相に設定する。この場合、制御部13は、容量負荷又は誘導負荷である負荷LD(負荷電流I1の位相が交流電圧Viの位相からずれる負荷)と、抵抗負荷である発熱負荷LDbと、を精度よく切り分けることができる。この結果、発熱負荷LDbの判別精度が向上する。
【0076】
なお、制御部13は、上述の第1判定処理及び第2判定処理のうち、第1判定処理のみを行う構成、及び第2判定処理のみを行う構成のいずれであってもよい。また、制御部13は、第1判定処理を行った後に第2判定処理を行う構成、又は第2判定処理を行った後に第1判定処理を行う構成であってもよい。
【0077】
(5)第1変形例
制御部13は、感震センサが地震を検知した後、第1判定処理及び第2判定処理の少なくとも一方を行うことが好ましい。
図8に示す分電盤200は、感震センサ7を更に備える。感震センサ7は、地震動を感知して、設定値以上の地震が発生すると、地震信号を通信線W2を介して制御部13へ出力する。制御部13は、感震センサ7が出力する地震信号に基づいて、地震の発生の有無を判定する。
【0078】
例えば、制御部13は、地震が発生したと判定した後に過電流を検出し、スイッチSWをオフさせて、分岐電路L2を遮断したとする。この場合、ユーザが過電流の原因となる事故点を復旧させた後、分岐ブレーカ4のスイッチSWを再度オン状態に切り替える再投入時において、上述の第1判定処理を実行する。すなわち、制御部13は、地震による過電流発生後、事故点が完全に復旧していなければ分岐ブレーカ4を再投入しないように制御する。したがって、地震によって過電流事故が発生したときに、再投入による火災などの二次災害の発生を抑制することができる。
【0079】
また、制御部13は、地震が発生したと判定した後に停電すれば、上述の第2判定処理を実行する。すなわち、制御部13は、地震による停電発生後には、発熱負荷LDbに接続された分岐ブレーカ4を再投入しないように制御する。したがって、地震によって、電気ストーブ、電気ヒータなどの発熱負荷LDbが転倒したり、毛布などの可燃性のものが発熱負荷LDbを覆ったりしたときに、再投入による火災などの二次災害の発生を抑制することができる。
【0080】
なお、感震センサ7は、回路判定システム1、主幹ブレーカ3、分岐ブレーカ4、制御装置5のいずれかに設けられてもよい。また、感震センサ7は、分電盤200の外部に設けられて、無線通信又は有線通信によって分電盤200内の制御部13へ地震信号を送信してもよい。
【0081】
(6)第2変形例
制御部13は、負荷電流I1の波形(電流波形)が交流波形であるときに、第2判定処理を行うことが好ましい。
【0082】
この場合、制御部13は、第2判定処理を行う前に、電流検出部11が検出した負荷電流I1の波形が交流波形であるか否かを判定する。そして、制御部13は、負荷電流I1の波形が交流波形であれば、第2判定処理を実行する。一方、制御部13は、負荷電流I1の波形が交流波形でなければ、負荷LDは発熱負荷LDbではないと判定する。すなわち、制御部13は、複数の負荷LDから第2判定処理の対象とする負荷LDを絞ることができる。
【0083】
(7)第3変形例
制御部13は、負荷電流I1の波形を漏電時の波形と比較することで、分岐電路L2及び負荷LDの漏電の有無を判定してもよい。この場合、制御部13は、漏電時における負荷電流I1の波形データを予め保持している。
【0084】
(8)第4変形例
回路判定システム1は、報知部を備えていてもよい。報知部は、上述の判定処理によって、スイッチSWをオン状態に再度切り替えることを許可されなければ、許可されない旨をユーザへ報知する。報知部は、視覚的にユーザに報知する画面、聴覚的にユーザに報知するスピーカ、又はユーザが所持する情報端末に報知内容を含む信号を送信する通信装置の少なくとも1つを備える。
【0085】
回路判定システム1は、分岐ブレーカ4の外部に設けられてもよい。この場合、回路判定システム1は、分電盤200の内部、及び分電盤200の外部のいずれに設けられてもよい。
【0086】
制御部13は、コンピュータシステムを備えることが好ましい。すなわち、制御部13では、CPU(Central Processing Unit)、又はMPU(Micro Processing Unit)などのプロセッサがメモリに記憶されているプログラムを読み出して実行することによって、制御部13の一部又は全部の機能が実現される。制御部13は、プログラムに従って動作するプロセッサを主なハードウェア構成として備える。プロセッサは、プログラムを実行することによって機能を実現することができれば、その種類は問わない。プロセッサは、半導体集積回路(IC)、又はLSI(Large Scale Integration)を含む一つ又は複数の電子回路で構成される。ここでは、ICやLSIと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、若しくはULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれるものであってもよい。LSIの製造後にプログラムされる、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、又はLSI内部の接合関係の再構成又はLSI内部の回路区画のセットアップができる再構成可能な論理デバイスも同じ目的で使うことができる。複数の電子回路は、一つのチップに集積されてもよいし、複数のチップに設けられてもよい。複数のチップは集約して配置されてもよいし、分散して配置されてもよい。
【0087】
制御部13は、1台のコンピュータ装置に限らず、互いに連携した複数台のコンピュータ装置で実現されていてもよい。また、制御部13は、クラウドコンピューティングシステムとして構築されていてもよい。
【0088】
スイッチSWは、半導体スイッチに限定されない。スイッチSWは、ノーマリオフ型のスイッチであればよく、半導体スイッチ以外に、機械式接点を備える機械式リレーなどであってもよい。
【0089】
また、回路判定システム1、回路遮断システム100、及び分電盤200は、上述の実施形態及び各変形例を適宜組み合わせて構成されてもよい。
【0090】
(9)まとめ
以上のように、実施形態に係る第1の態様の回路判定システム(1)は、電路(La、L2)を導通及び遮断するスイッチ(SW)を制御する。回路判定システム(1)は、電流検出部(11)と、制御部(13)と、を備える。電流検出部(11)は、電路(La、L2)を流れる負荷電流(I1)を検出する。制御部(13)は、電路(La、L2)を遮断するオフ状態及び電路(La、L2)を導通させるオン状態のいずれかに切り替え可能にスイッチ(SW)を制御する。制御部(13)は、スイッチ(SW)をオン状態に切り替えてから予め決められた時間が経過してスイッチ(SW)をオフ状態に切り替えるまでの期間を判定期間(Ta、Tb)とする。制御部(13)は、判定期間(Ta、Tb)において電流検出部(11)が検出した負荷電流(I1)の波形に基づいて、スイッチ(SW)をオン状態に再度切り替えることの可否を判定する判定処理を行う。
【0091】
上述の回路判定システム(1)は、スイッチ(SW)の再投入によるトラブルを抑制することができる。
【0092】
実施形態に係る第2の態様の回路判定システム(1)では、第1の態様において、制御部(13)は、判定処理として、電路(La、L2)に過電流が発生する過電流事故が生じているか否かを判定することが好ましい。制御部(13)は、過電流事故が生じていなければ、スイッチ(SW)をオン状態に再度切り替えることを許可する。制御部(13)は、過電流事故が生じていれば、スイッチ(SW)をオン状態に再度切り替えることを許可しない。
【0093】
上述の回路判定システム(1)は、過電流事故発生後のスイッチ(SW)の再投入によるトラブルを抑制することができる。
【0094】
実施形態に係る第3の態様の回路判定システム(1)は、第2の態様において、電路(La、L2)に印加される交流電圧(Vi)を検出する電圧検出部(12)を更に備えることが好ましい。制御部(13)は、判定期間(Ta)の開始タイミング(ta)を、交流電圧(Vi)の位相が0度、90度、180度、及び360度となるとなるタイミングとは異ならせる。
【0095】
上述の回路判定システム(1)は、第1判定処理の精度を向上させることができる。
【0096】
実施形態に係る第4の態様の回路判定システム(1)では、第3の態様において、制御部(13)は、判定処理を複数回繰り返すことが好ましい。制御部(13)は、複数回の判定処理のそれぞれにおける判定期間(Ta)の開始タイミングを互いに異ならせる。
【0097】
上述の回路判定システム(1)は、第1判定処理の精度を更に向上させることができる。
【0098】
実施形態に係る第5の態様の回路判定システム(1)では、第1の態様において、制御部(13)は、判定処理として、電路(La、L2)に接続されている負荷(LD)が動作時に熱を発する発熱負荷(LDb)であるか否かを判定することが好ましい。制御部(13)は、負荷(LD)が発熱負荷(LDb)でなければ、スイッチ(SW)をオン状態に再度切り替えることを許可する。制御部(13)は、負荷(LD)が発熱負荷(LDb)であれば、スイッチ(SW)をオン状態に再度切り替えることを許可しない。
【0099】
上述の回路判定システム(1)は、スイッチ(SW)の再投入によって再動作する発熱負荷(LDb)によるトラブルを抑制することができる。
【0100】
実施形態に係る第6の態様の回路判定システム(1)では、第5の態様において、発熱負荷(LDb)は、電気ストーブ又は電気ヒータであることが好ましい。
【0101】
上述の回路判定システム(1)は、スイッチ(SW)の再投入によって再動作する電気ストーブ又は電気ヒータによるトラブルを抑制することができる。
【0102】
実施形態に係る第7の態様の回路判定システム(1)では、第5又は第6の態様において、発熱負荷(LDb)は、抵抗負荷であることが好ましい。
【0103】
上述の回路判定システム(1)は、負荷電流(I1)の波形に基づいて、負荷(LD)が発熱負荷(LDb)であるか否かを容易に判定できる。
【0104】
実施形態に係る第8の態様の回路判定システム(1)では、第5乃至第7の態様のいずれか1つにおいて、電路(La、L2)には交流電圧(Vi)が印加される。そして、制御部(13)は、判定処理として、正弦波形に対する負荷電流(I1)の波形の歪み率を求めることが好ましい。制御部(13)は、歪み率が閾値未満であれば、負荷(LD)は発熱負荷(LDb)であると判定し、歪み率が閾値以上であれば、負荷(LD)は発熱負荷(LDb)でないと判定する。
【0105】
上述の回路判定システム(1)は、第2判定処理の精度を向上させることができる。
【0106】
実施形態に係る第9の態様の回路判定システム(1)では、第5乃至8のいずれか1つの態様において、制御部(13)は、負荷電流(I1)の波形が交流波形であるときに、第2判定処理を行うことが好ましい。
【0107】
上述の回路判定システム(1)は、複数の負荷(LD)から第2判定処理の対象とする負荷(LD)を絞ることができる。
【0108】
実施形態に係る第10の態様の回路判定システム(1)では、第1乃至第9の態様のいずれか1つにおいて、スイッチ(SW)は、半導体スイッチであることが好ましい。
【0109】
上述の回路判定システム(1)は、判定期間(Ta、Tb)の短時間化を容易に実現できる。
【0110】
実施形態に係る第11の態様の回路判定システム(1)では、第1乃至第10の態様のいずれか1つにおいて、制御部(13)は、分電盤(200)の内部に配置され、分電盤(200)の外部からの指示信号を受け取ったときに、判定処理を行うことが好ましい。
【0111】
上述の回路判定システム(1)は、判定処理の実行を遠隔から指示できる。
【0112】
実施形態に係る第12の態様の回路判定システム(1)は、第1乃至第11の態様のいずれか1つにおいて、スイッチ(SW)を駆動する駆動部(14)を更に備えることが好ましい。制御部(13)がスイッチ(SW)をオン状態に再度切り替えることを許可すれば、駆動部(14)は、スイッチ(SW)をオン状態に再度切り替える。
【0113】
上述の回路判定システム(1)は、判定処理の結果に基づくスイッチ(SW)のオン、オフ制御を行うことができるので、判定処理から再投入までを実行できる。
【0114】
実施形態に係る第13の態様の回路判定システム(1)では、第1乃至第12の態様のいずれか1つにおいて、制御部(13)は、感震センサ(7)が地震を検知した後、判定処理を行うことが好ましい。
【0115】
上述の回路判定システム(1)は、地震後の二次災害の発生を抑制できる。
【0116】
実施形態に係る第14の態様の回路遮断システム(100)は、第1乃至第13の態様のいずれか1つの回路判定システム(1)と、スイッチ(SW)と、を備える。
【0117】
上述の回路遮断システム(100)は、スイッチ(SW)の再投入によるトラブルを抑制することができる。
【0118】
実施形態に係る第15の態様の分電盤(200)、第14の態様の回路遮断システム(100)と、回路遮断システム(100)を収納する筐体(2)と、を備える。
【0119】
上述の分電盤(200)は、スイッチ(SW)の再投入によるトラブルを抑制することができる。
【符号の説明】
【0120】
200 分電盤
100 回路遮断システム
1 回路判定システム
11 電流検出部
12 電圧検出部
13 制御部
14 駆動部
7 感震センサ
La 電路
L2 分岐電路(電路)
SW スイッチ
I1 負荷電流
Vi 交流電圧
Ta 第1判定期間(判定期間)
Tb 第2判定期間(判定期間)
ta 開始タイミング
LD 負荷
LDb 発熱負荷