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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143800
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】分電盤
(51)【国際特許分類】
   H02B 1/40 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
H02B1/40 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023056690
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮本 賢吾
(72)【発明者】
【氏名】塩川 明実
【テーマコード(参考)】
5G211
【Fターム(参考)】
5G211AA05
5G211AA07
5G211CC10
5G211DD13
5G211DD14
5G211DD15
5G211DD16
5G211DD18
5G211DD20
5G211DD27
5G211DD37
5G211EE11
5G211GG08
5G211GG10
(57)【要約】
【課題】本開示の課題は、復電時のトラブルを抑制することである。
【解決手段】分電盤1は、主幹ブレーカ3と、複数の分岐ブレーカ4と、異常検知部5と、状態制御部241と、を備える。主幹ブレーカ3は、外部(例えば、電力系統PS)から電力が供給される。複数の分岐ブレーカ4は、主幹ブレーカ3から電力の供給がされ、電気的に接続された負荷LDへ電力を供給する。異常検知部5は、電力の供給に関する異常電力の供給に関する異常を検知する。状態制御部241は、複数の分岐ブレーカ4に対して、負荷LDとの間で電気的な接続がされるオン状態と、電気的な接続がされていないオフ状態とを切り替えるように接続状態を制御する。異常検知部5が異常を検知したことによる主幹ブレーカ3を介した電力供給の停止から電力供給が開始する復電時において、複数の分岐ブレーカ4の接続状態は、オフ状態となっている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から電力が供給される主幹ブレーカと、
前記主幹ブレーカから前記電力の供給がされ、電気的に接続された負荷へ前記電力を供給する複数の分岐ブレーカと、
前記電力の供給に関する異常又は設置環境に関する異常を検知する異常検知部と、
前記複数の分岐ブレーカに対して、前記負荷との間で電気的な接続がされるオン状態と、電気的な接続がされていないオフ状態とを切り替えるように接続状態を制御する状態制御部と、を備え、
前記異常検知部が前記異常を検知して前記主幹ブレーカを介した電力供給の停止から前記電力供給が開始する復電時において、前記複数の分岐ブレーカの前記接続状態は、前記オフ状態となっている、
分電盤。
【請求項2】
前記状態制御部は、前記復電時において、前記複数の分岐ブレーカのうち前記オフ状態から前記オン状態へと切り替える制御対象となる1つ以上の分岐ブレーカに対して、前記接続状態が前記オン状態となるよう順次制御する、
請求項1に記載の分電盤。
【請求項3】
前記複数の分岐ブレーカの各々について、当該分岐ブレーカの前記接続状態を表す状態情報を記憶する状態情報記憶部を更に備え、
前記状態制御部は、前記復電時において、前記状態情報記憶部で記憶されている前記複数の分岐ブレーカの各々の前記状態情報が表す前記接続状態に基づいて、前記複数の分岐ブレーカのうち前記異常が検知された際に前記オン状態であった1つ以上の分岐ブレーカを前記制御対象と特定する、
請求項2に記載の分電盤。
【請求項4】
前記異常検知部は、地震を検知する地震検知部を含み、
前記状態制御部は、前記地震検知部による前記地震の検知後の前記復電時において、前記複数の分岐ブレーカのうち所定の1つ以上の分岐ブレーカを前記制御対象とする、
請求項2又は3に記載の分電盤。
【請求項5】
前記異常検知部は、停電を検知する停電検知部を含み、
前記状態制御部は、前記停電検知部による前記停電の検知後の前記復電時において、前記複数の分岐ブレーカのうち所定の1つ以上の分岐ブレーカを前記制御対象とする、
請求項2又は3に記載の分電盤。
【請求項6】
前記複数の分岐ブレーカにおいて、接続された前記負荷との間での短絡を検知する短絡検知部を更に備え、
前記異常検知部は、過電流を検知する過電流検知部を含み、
前記状態制御部は、
前記過電流検知部による前記過電流の検知後の前記復電時において、前記複数の分岐ブレーカのうち制御対象候補である1つ以上の分岐ブレーカに対して、所定期間において前記オン状態となるよう順次制御し、
前記所定期間において前記短絡検知部が前記短絡を検知しない場合には前記所定期間において前記オン状態となるよう制御された前記制御対象候補を前記制御対象として前記接続状態として前記オン状態を維持し、
前記所定期間において前記短絡検知部が前記短絡を検知した場合には前記所定期間において前記オン状態となるよう制御された前記制御対象候補を前記制御対象でないとして前記接続状態を前記オフ状態とする、
請求項2又は3に記載の分電盤。
【請求項7】
前記異常検知部は、漏電を検知する漏電検知部を含み、
前記状態制御部は、
前記漏電検知部が前記漏電を検知した場合、前記複数の分岐ブレーカのうち前記漏電が発生している異常分岐ブレーカを特定し、
前記復電時において、前記複数の分岐ブレーカのうち前記異常分岐ブレーカとは異なる分岐ブレーカを前記制御対象とする、
請求項2又は3に記載の分電盤。
【請求項8】
前記状態制御部は、
前記複数の分岐ブレーカのうち制御対象候補である1つ以上の分岐ブレーカに対して前記オン状態となるよう順次制御し、前記漏電検知部が前記漏電を検知した際に前記オン状態となるよう制御された前記制御対象候補である分岐ブレーカを前記異常分岐ブレーカとして特定する、
請求項7に記載の分電盤。
【請求項9】
前記状態制御部は、前記制御対象である前記1つ以上の分岐ブレーカのうち消費電力が少ない分岐ブレーカから順次、前記接続状態を前記オフ状態から前記オン状態へと切り替える、
請求項2又は3に記載の分電盤。
【請求項10】
前記複数の分岐ブレーカごとに、当該分岐ブレーカに接続された前記負荷の消費電力に関する負荷情報を記憶する負荷情報記憶部を更に備え、
前記状態制御部は、前記負荷情報記憶部で記憶されている前記負荷情報に基づいて、前記制御対象である前記1つ以上の分岐ブレーカについて前記接続状態を前記オフ状態から前記オン状態へと切り替える順序を決定する、
請求項9に記載の分電盤。
【請求項11】
前記複数の分岐ブレーカは、前記主幹ブレーカと前記負荷との間で電気的な接続及び非接続を切り替えるスイッチを有し、
前記状態制御部は、前記復電時には、前記制御対象である分岐ブレーカが有する前記スイッチを制御することで、前記接続状態を前記オフ状態から前記オン状態へと切り替える、
請求項2に記載の分電盤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に分電盤に関し、より詳細には主幹ブレーカと複数の分岐ブレーカとを備える分電盤に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の遮断システムは、取得部と、遮断制御部と、を備える。取得部は、系統電源で発生した停電の継続時間である停電継続時間の情報を取得する。遮断制御部は、停電継続時間が所定の閾値時間を超えると、系統電源に接続されているブレーカ(主幹ブレーカ)の接点部をオフさせる。遮断システムは、当該構成を備えることで、災害による停電発生後に、周囲に人がいない状況下でブレーカへの通電が再開される事態を抑制する。すなわち、ブレーカへの通電の再開時に発生し得るトラブルを、未然に防ぐことが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-53304号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
過電流や停電などが発生した後、主幹ブレーカを介した給電を再開する際(復電時)に、復電時によるトラブルを抑制することが求められる。しかしながら、上述の特許文献1の遮断システムでは、停電発生時にブレーカの接点部をオフさせるものの、復電時のトラブルを抑制することについては開示していない。
【0005】
本開示は上記課題に鑑みてなされ、復電時のトラブルを抑制することができる分電盤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る分電盤は、主幹ブレーカと、複数の分岐ブレーカと、異常検知部と、状態制御部と、を備える。前記主幹ブレーカは、外部から電力が供給される。前記複数の分岐ブレーカは、前記主幹ブレーカから前記電力の供給がされ、電気的に接続された負荷へ前記電力を供給する。前記異常検知部は、前記電力の供給に関する異常又は設置環境に関する異常を検知する。前記状態制御部は、前記複数の分岐ブレーカに対して、前記負荷との間で電気的な接続がされるオン状態と、電気的な接続がされていないオフ状態とを切り替えるように接続状態を制御する。前記異常検知部が前記異常を検知したことによる前記主幹ブレーカを介した電力供給の停止から前記電力供給が開始する復電時において、前記複数の分岐ブレーカの前記接続状態は、前記オフ状態となっている。
【発明の効果】
【0007】
本開示によると、復電時のトラブルを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、一実施形態に係る分電盤の構成を示すブロック図である。
図2図2は、同上の分電盤の筐体の前面図である。
図3図3は、同上の分電盤が備える制御装置の構成を示すブロック図である。
図4図4は、同上の制御装置が行う全体動作を示す流れ図である。
図5図5は、同上の制御装置が行う第1復電処理を示す流れ図である。
図6図6は、同上の制御装置が行う第2復電処理を示す流れ図である。
図7図7は、同上の制御装置が行う第3復電処理を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に説明する実施形態及び変形例は、本開示の一例に過ぎず、本開示は、実施形態及び変形例に限定されない。以下の実施形態及び変形例以外であっても、本開示に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0010】
(実施形態)
以下、本実施形態に係る分電盤1について、図1図7を用いて説明する。
【0011】
(1)概要
本実施形態に係る分電盤1は、図1に示すように、主幹ブレーカ3と、複数(図示例では、3つ)の分岐ブレーカ4と、異常検知部5と、状態制御部241と、を備える。主幹ブレーカ3は、外部(例えば、電力系統PS)から電力が供給される。複数の分岐ブレーカ4は、主幹ブレーカ3から電力の供給がされ、電気的に接続された負荷LDへ電力を供給する。異常検知部5は、電力の供給に関する異常又は設置環境に関する異常を検知する。状態制御部241は、複数の分岐ブレーカ4に対して、負荷LDとの間で電気的な接続がされるオン状態と、電気的な接続がされていないオフ状態とを切り替えるように接続状態を制御する。異常検知部5が異常を検知したことによる主幹ブレーカ3を介した電力供給の停止から電力供給が開始する復電時において、複数の分岐ブレーカ4の接続状態は、オフ状態となっている。ここで、電力系統PSは、例えば商用電源である。
【0012】
この構成によると、復電時のトラブルを抑制することができる。例えば、復電時に分岐ブレーカ4の接続状態がオン状態となっている場合、復電と同時に電力の供給が開始されると、トラブルが発生する原因となる可能性が高くなる。そこで、復電時において複数の分岐ブレーカ4の接続状態がオフ状態となっていることで、復電と同時に複数の分岐ブレーカ4への電力の供給が開始されない。その結果、復電時のトラブルを抑制することができる。
【0013】
(2)構成
分電盤1は、戸建住宅、集合住宅、工場、店舗、事務所、オフィスビル、商用ビル、スタジアム、病院、及び学校などの需要家施設に設置される。そして、分電盤1は、商用の電力系統PSから供給される商用電力(交流電力)を、需要家施設の複数の負荷LDへ分配する。
【0014】
分電盤1は、図2に示すように、矩形箱形状の筐体10を備える。筐体10は、主幹ブレーカ3、複数の分岐ブレーカ4、及び制御装置20を収容する。筐体10の前面には、矩形状の開口10aが形成されており、開口10aには図示しないカバーが開閉自在に取り付けられる。カバーは、開口10aを塞ぐ閉位置と、開口10aを前方へ露出させる開位置との間で移動可能である。筐体10は、例えば建物の壁、又は柱等に取り付けられる。
【0015】
筐体10の内部には、主幹ブレーカ3、複数の分岐ブレーカ4、及び制御装置20が収容される。主幹ブレーカ3、複数の分岐ブレーカ4、及び制御装置20は、筐体10の底板(開口10aに対向する板部材)に直接又は取付部材等を介して取り付けられている。なお、図2は、筐体10の内部における主幹ブレーカ3、複数の分岐ブレーカ4、及び制御装置20の配置の一例を示す。なお、当該配置は適宜変更可能である。
【0016】
電力系統PSは、主幹電路L1を介して主幹ブレーカ3と接続されている。電力系統PSから供給される商用電力は、主幹電路L1から主幹ブレーカ3及び分岐ブレーカ4を介して、筐体10外の負荷LDに供給される。
【0017】
主幹ブレーカ3の一次端子は、主幹電路L1に接続する。主幹ブレーカ3の二次端子は、筐体10内の主幹電路L1に接続する。主幹電路L1は、バスバー、電線などで構成される。
【0018】
主幹ブレーカ3の二次端子に接続した主幹電路L1は、筐体10内において複数の分岐電路L2に分岐する。複数の分岐電路L2には、複数の分岐ブレーカ4がそれぞれ接続される。分岐ブレーカ4は、当該分岐ブレーカ4が接続された分岐電路L2を導通、遮断する。具体的に、分岐ブレーカ4の一次端子は、主幹電路L1から分岐した分岐電路L2に接続する。分岐ブレーカ4の二次端子は、筐体10外に引き出される分岐電路L2に接続する。筐体10外に引き出された分岐電路L2には、需要家施設の負荷LDが接続される。分岐電路L2は、バスバー、電線などで構成される。
【0019】
負荷LDは、分岐電路L2に直接的に接続する電気機器、並びに分岐電路L2に接続したアウトレット(outlet)を介して分岐電路L2に間接的に接続する電気機器を含む。電気機器は、例えば暖房器具、調理器具、照明器具、及び空調機器などを含む。
【0020】
上述のように、商用電力は、主幹電路L1、主幹ブレーカ3、分岐電路L2、分岐ブレーカ4、及び分岐電路L2を介して、複数の負荷LDへそれぞれ供給される。
【0021】
(2.1)主幹ブレーカ
主幹ブレーカ3は、外部(ここでは、電力系統PS)から電力が供給される。主幹ブレーカ3は、主幹ブレーカ3の一次端子と二次端子との間に電気的に接続された接点部3aを備える。
【0022】
本実施形態では、主幹ブレーカ3の接点部3aは、固定接点と可動接点とを有する機械接点である。主幹ブレーカ3は、接点部3aをオン又はオフにするためのハンドル3bを前面に備えている。ハンドル3bがオン操作されると、接点部3aはオンし、主幹ブレーカ3は主幹電路L1を導通させる。ハンドル3bがオフ操作されると、接点部3aはオフし、主幹ブレーカ3は主幹電路L1を遮断する。
【0023】
さらに、主幹ブレーカ3は、電力の供給に関する異常又は設置環境に関する異常を検知する異常検知部5を更に備える。異常検知部5は、漏電検知部31及び過電流検知部32を含む。すなわち、主幹ブレーカ3は、電力の供給に関する異常を検出する異常検知部5として漏電検知部31及び過電流検知部32を備える。
【0024】
漏電検知部31は、電力系統PSから負荷LDへ流れる電流と負荷LDから電力系統PSへ流れる電流を用いて、分岐電路L2及び負荷LDの漏電の有無を検知する。漏電検知部31は、漏電を検知した場合、漏電を検知した旨の検知結果を、通信線W2を介して制御装置20に出力する。
【0025】
過電流検知部32は、電力系統PSから負荷LDへ流れる電流を基に、短絡電流又は過負荷電流等の過電流を検知する。過電流検知部32は、過電流を検知した場合、過電流を検知した旨の検知結果を、通信線W2を介して制御装置20に出力する。
【0026】
漏電検知部31が漏電を検知すると、主幹ブレーカ3は、接点部3aを強制開極させて主幹電路L1を遮断する。過電流検知部32が過電流を検知すると、主幹ブレーカ3は、接点部3aを強制開極させて、主幹電路L1を遮断する。さらに、主幹ブレーカ3は、制御装置20が備える異常検知部5が異常(例えば、地震、停電)を検知した場合でも、接点部3aを強制開極させて、主幹電路L1を遮断する。すなわち、異常検知部5が異常(例えば漏電、過電流、地震、停電)を検知すると、主幹ブレーカ3は、接点部3aを強制開極させて、主幹電路L1を遮断する。このとき、分電盤1は、異常検知部5が異常を検知して主幹ブレーカ3を介して複数の分岐ブレーカ4へ電力の供給が停止している状態となっている。
【0027】
(2.2)分岐ブレーカ
複数の分岐ブレーカ4は、主幹ブレーカ3から電力の供給がされ、電気的に接続された負荷LDへ電力を供給する。複数の分岐ブレーカ4は、図1に示すように、スイッチSW、制御部41、操作部42、電流検知部43及び電圧検知部44を備える。
【0028】
スイッチSWは、主幹ブレーカ3と負荷LDとの間で電気的な接続及び非接続を切り替える。スイッチSWは、半導体スイッチであり、例えばFET(Field Effect Transistor)、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、バイポーラトランジスタ、又はソリッドステートリレー(SSR :Solid State Relay)を有する。本実施形態では、スイッチSWは、ノーマリオフ型の半導体スイッチであり、駆動信号の電圧又は電流がゼロになればオフする。スイッチSWは、分岐ブレーカ4の一次端子と二次端子との間に接続される。スイッチSWがオンすれば、分岐電路L2は導通し、スイッチSWがオフすれば、分岐電路L2は遮断される。スイッチSWは、制御部41から駆動信号を受け取り、駆動信号によってオン、オフを切り替えられる。駆動信号の電圧又は電流の大きさを駆動信号のレベルとすると、駆動信号のレベルが閾値以上であれば、スイッチSWはオンし、駆動信号のレベルが閾値未満であれば、スイッチSWはオフする。
【0029】
制御部41の動作電源は、分岐ブレーカ4の一次側の分岐電路L2から供給される商用電力である。また、電流検知部43がCT(Current Transformer)などを備える場合、電流検知部43の動作電源も、分岐ブレーカ4の一次側の分岐電路L2から供給される商用電力になる。
【0030】
制御部41は、操作部42の操作、及び制御装置20からの指示に従って、スイッチSWをオンオフ駆動する。すなわち、制御部41は、分岐電路L2を遮断するオフ状態及び分岐電路L2を導通させるオン状態のいずれかに切り替え可能にスイッチSWを制御する。言い換えると、制御部41は、当該制御部41を備える分岐ブレーカ4と負荷LDとの間で電気的な接続がされるオン状態と、電気的な接続がされていないオフ状態とを切り替える。具体的に、制御部41は、駆動信号をスイッチSWへ出力し、駆動信号によってスイッチSWをオンオフ駆動する。例えば、制御部41は、駆動信号をHレベル(例えば10V)とすることで、スイッチSWをオンする。制御部41は、駆動信号をLレベル(例えば0V)とすることで、スイッチSWをオフする。ここで、異常検知部5が異常を検知したことによる主幹ブレーカ3を介した電力供給の停止から電力供給が開始する復電時において、複数の分岐ブレーカ4の接続状態は、オフ状態となっている。
【0031】
操作部42は、スイッチSWをオン又はオフに手動切替するためのボタンなどであり、分岐ブレーカ4の前面に設けられている(図2参照)。制御部41は、操作部42の操作に応じて、駆動信号を出力する。操作部42がオン操作されると、制御部41は、駆動信号をHレベルとして、スイッチSWをオンさせる。操作部42がオフ操作されると、制御部41は、駆動信号をLレベルとして、スイッチSWをオフさせる。なお、本実施形態では、操作部42は、モーメンタリ動作を行うプッシュ式のボタンスイッチであるが、操作部42は他の構造を有していてもよい。
【0032】
また、制御部41は、制御装置20との間で通信線W1を介した通信を行い、制御装置20の指示信号に応じてスイッチSWをオンオフ制御することも可能である。制御部41は、制御装置20の指示信号に応じて、駆動信号を出力する。制御装置20からオン指示信号を受け取ると、制御部41は、駆動信号をHレベルとして、スイッチSWをオンさせる。制御装置20からオフ指示信号を受け取ると、制御部41は、駆動信号をLレベルとして、スイッチSWをオフさせる。また、制御部41は、スイッチSWの状態(オン状態又はオフ状態)を表す監視信号を制御装置20へ出力する。
【0033】
電流検知部43は、分岐電路L2を流れる負荷電流I1を検知する。電流検知部43は、CT、又はシャント抵抗などを有する。電流検知部43は、分岐ブレーカ4の一次側及び二次側のいずれに設けられてもよい。本実施形態では、電流検知部43は、分岐ブレーカ4の二次側に設けられる。電流検知部43は、負荷電流I1の検知結果として、負荷電流信号を制御装置20へ出力する。
【0034】
電圧検知部44は、分岐ブレーカ4の一次側の分岐電路L2に印加されている交流電圧を検知する。電圧検知部44は、分圧抵抗などを有する。電圧検知部44は、交流電圧の検知結果として、電圧信号を制御装置20へ出力する。
【0035】
(2.3)制御装置
制御装置20は、複数の分岐ブレーカ4のそれぞれの監視、制御を行う。制御装置20は、オン指示信号を分岐ブレーカ4に出力することで、当該分岐ブレーカ4の駆動信号をHレベルとして、スイッチSWをオンさせる。制御装置20は、オフ指示信号を分岐ブレーカ4に出力することで、当該分岐ブレーカ4の駆動信号をLレベルとして、スイッチSWをオフさせる。また、分岐ブレーカ4は、当該分岐ブレーカ4のスイッチSWの状態(オン状態又はオフ状態)を示す監視信号を制御装置20へ出力する。制御装置20は、監視信号に基づいて、分岐ブレーカ4の状態を監視できる。
【0036】
制御装置20は、図3に示すように、記憶部21と、設置環境の異常を検出する異常検知部5としての地震検知部22及び電力の供給に関する異常を検出する異常検知部5として停電検知部23と、制御部24と、を備える。
【0037】
制御装置20は、例えばプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを有している。そして、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御部24として機能する。プロセッサが実行するプログラムは、ここではコンピュータシステムのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
【0038】
記憶部21は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等から選択されるデバイスで構成される。記憶部21は、図3に示すように、状態情報記憶部211及び負荷情報記憶部212を含む。
【0039】
状態情報記憶部211は、分岐ブレーカ4ごとに、状態情報を記憶する。状態情報は、分岐ブレーカ4から出力された監視信号を基に、当該分岐ブレーカ4と負荷LDとが電気的に接続された状態であるか、電気的に非接続状態であるか表す。すなわち、状態情報記憶部211は、複数の分岐ブレーカ4の各々について、当該分岐ブレーカの接続状態を表す状態情報を記憶する。
【0040】
負荷情報記憶部212は、分岐ブレーカ4ごとに、当該分岐ブレーカ4に接続された負荷LDの消費電力に関する負荷情報を記憶する。負荷情報は、例えば負荷LDの消費電力を含む。
【0041】
異常検知部5としての地震検知部22は、地震を検知する。具体的には、地震動を感知する感震センサを含む。感震センサで感知した地震動が第1所定値以上である場合、地震が発生したことを検知する。地震検知部22は、地震(地震の発生)を検知すると、接点部3aを強制開極させて主幹電路L1を遮断するように主幹ブレーカ3を制御する。
【0042】
異常検知部5としての停電検知部23は、停電を検知する。例えば、停電検知部23は、電力系統PSから供給される電力が第2所定値以下となった場合、停電が発生したことを検知する。停電検知部23は、停電を検知すると、接点部3aを強制開極させて主幹電路L1を遮断するように主幹ブレーカ3を制御する。
【0043】
制御部24は、図3に示すように、状態制御部241と、短絡検知部242と、を含む。
【0044】
状態制御部241は、複数の分岐ブレーカ4に対して、負荷LDとの間で電気的な接続がされるオン状態と、電気的な接続がされていないオフ状態とを切り替えるように接続状態を制御する。
【0045】
状態制御部241は、異常検知部5により異常が検知された後、復電が開始された否かを監視する。例えば、状態制御部241は、主幹ブレーカ3の接点部3aが閉極し、主幹電路L1が導通した場合に復電が開始されたと判断する。より詳細には、主幹ブレーカ3の二次端子が接続された主幹電路L1に交流電圧が印加されたこと検知した場合に復電が開始されたと判断する。
【0046】
ここで、異常が検知されてから復電が開始されるまでの間、制御装置20に電力が供給されなくなる。そこで、制御装置20は、補助電源を有しており、主幹電路L1が遮断され、制御装置20に電力が供給されなくなった場合には、補助電源で動作するよう構成されている。
【0047】
状態制御部241は、復電時において、複数の分岐ブレーカ4のうちオフ状態からオン状態へと切り替える制御対象となる1つ以上の分岐ブレーカに対して、接続状態がオン状態となるよう順次制御する。例えば、状態制御部241は、復電時において、状態情報記憶部211で記憶されている複数の分岐ブレーカの各々の状態情報が表す接続状態に基づいて、複数の分岐ブレーカ4のうち異常が検知された際にオン状態であった1つ以上の分岐ブレーカを制御対象とする。なお、状態制御部241は、復電時において、すべての分岐ブレーカ4を制御対象としてもよい。
【0048】
状態制御部241は、復電時には、制御対象である分岐ブレーカ4が有するスイッチSWを制御することで、接続状態をオフ状態からオン状態へと切り替える。具体的には、状態制御部241は、制御対象である分岐ブレーカ4にオン指示信号を出力してスイッチSWを制御し、接続状態をオフ状態からオン状態へと切り替える。
【0049】
状態制御部241は、地震検知部22による地震の検知後の復電時において、複数の分岐ブレーカ4のうち所定の1つ以上の分岐ブレーカ4を制御対象とする。例えば、所定の1つ以上の分岐ブレーカ4は、地震検知部22によって地震が検知された際にオン状態であった分岐ブレーカ4である。また、状態制御部241は、地震の検知後の復電時において、すべての分岐ブレーカ4を制御対象としてもよい。
【0050】
状態制御部241は、停電検知部23による停電の検知後の復電時において、複数の分岐ブレーカ4のうち所定の1つ以上の分岐ブレーカ4を制御対象とする。例えば、所定の1つ以上の分岐ブレーカ4は、停電検知部23によって停電が検知された際にオン状態であった分岐ブレーカ4である。また、状態制御部241は、停電の検知後の復電時において、すべての分岐ブレーカ4を制御対象としてもよい。
【0051】
状態制御部241は、過電流検知部32による過電流の検知後の復電時において、複数の分岐ブレーカ4のうち制御対象候補である1つ以上の分岐ブレーカ4に対して、所定期間においてオン状態となるよう順次制御する。ここで、所定時間は、例えば数十μsecである。
【0052】
例えば、状態制御部241は、複数の分岐ブレーカ4のそれぞれを制御対象候補とし、複数の制御対象候補ごとに、所定期間においてオン状態となるよう順次制御する。状態制御部241は、所定期間においてオン状態となるように制御した制御対象候補(分岐ブレーカ4)において短絡検知部242が短絡を検知しない場合には所定期間においてオン状態となるよう制御された制御対象候補を制御対象として接続状態としてオン状態を維持するよう当該制御対象候補を制御する。このとき、状態制御部241は、制御対象である分岐ブレーカ4にオン指示信号を出力してスイッチSWを制御し、接続状態がオン状態となるよう制御する。状態制御部241は、所定期間においてオン状態となるように制御した制御対象候補(分岐ブレーカ4)において短絡検知部242が短絡を検知した場合には所定期間においてオン状態となるよう制御された制御対象候補を制御対象でないとして接続状態をオフ状態とするよう当該制御対象候補を制御する。このとき、状態制御部241は、制御対象である分岐ブレーカ4にオフ指示信号を出力してスイッチSWを制御し、接続状態がオフ状態となるよう制御する。なお、状態制御部241は、複数の分岐ブレーカ4のうち過電流検知部32によって過電流が検知された際にオン状態であった1つ以上の分岐ブレーカ4をそれぞれ制御対象候補としてもよい。
【0053】
また、状態制御部241は、電圧検知部44から受け取った電圧信号を基に、所定期間の開始タイミングを決定する。状態制御部241は、電圧検知部44が出力する電圧信号に基づいて、交流電圧の位相を監視する。そして、状態制御部241は、所定期間の開始タイミングを、交流電圧の位相が0度、90度、180度、及び360度となるタイミング以外とする。例えば、所定期間の開始タイミングは、所定期間における負荷電流I1が大きくなり過ぎず、かつ、短絡の発生の有無を正確に判定可能な交流電圧の位相範囲内に設定される。具体的に、所定期間の開始タイミングは、交流電圧の位相30度以上、60度以下の位相範囲内に設定される。
【0054】
状態制御部241は、漏電検知部31が漏電を検知した場合、複数の分岐ブレーカ4のうち漏電が発生している異常分岐ブレーカを特定する。状態制御部241は、復電時において、複数の分岐ブレーカ4のうち異常分岐ブレーカとは異なる分岐ブレーカ4を制御対象とする。具体的には、状態制御部241は、複数の分岐ブレーカ4のうち制御対象候補である1つ以上の分岐ブレーカ4に対してオン状態となるよう順次制御する。状態制御部241は、漏電検知部31が漏電を検知した際にオン状態となるよう制御された制御対象候補である分岐ブレーカ4を異常分岐ブレーカとして特定する。例えば、状態制御部241は、複数の分岐ブレーカ4のすべてを制御対象候補とし、オン状態となるよう順次制御する。状態制御部241は、漏電検知部31が漏電を検知した際にオン状態となるよう制御された制御対象候補である分岐ブレーカ4を異常分岐ブレーカとして特定する。
【0055】
異常分岐ブレーカが特定された場合では漏電検知部31が漏電を検知しているので、主幹ブレーカ3の接点部3aが開極されている。すなわち、異常分岐ブレーカが特定された場合、複数の分岐ブレーカ4のそれぞれは、再度オフ状態となっている。そのため、状態制御部241は、制御対象候補である1つ以上の分岐ブレーカ4に対してオン状態となるよう順次制御する。このとき、状態制御部241は、異常分岐ブレーカとして特定された制御対象候補である分岐ブレーカ4に対してはオン状態としない。すなわち、状態制御部241は、異常分岐ブレーカとして特定された制御対象候補である分岐ブレーカ4をオフ状態とする。
【0056】
制御対象である分岐ブレーカ4を順次オン状態と制御する際、状態制御部241は、制御対象である1つ以上の分岐ブレーカ4のうち消費電力が少ない分岐ブレーカ4から順次、接続状態をオフ状態からオン状態へと切り替える。例えば、状態制御部241は、負荷情報記憶部212で記憶されている負荷情報に基づいて、制御対象である1つ以上の分岐ブレーカ4について接続状態をオフ状態からオン状態へと切り替える順序を決定する。すなわち、状態制御部241は、負荷情報記憶部212で記憶されている負荷情報に含まれる負荷LDの消費電力に基づいて、制御対象である1つ以上の分岐ブレーカ4について接続状態をオフ状態からオン状態へと切り替える順序を決定する。
【0057】
短絡検知部242は、複数の分岐ブレーカ4において、接続された負荷LDとの間での短絡を検知する。
【0058】
短絡検知部242は、状態制御部241が所定期間において制御対象候補である分岐ブレーカ4に対してオン状態となるよう制御した場合に電流検知部43が検知した負荷電流I1の波形に基づいて、短絡発生の有無を検知する。
【0059】
例えば、短絡検知部242は、多数の負荷電流I1の波形データを教師データとして用いるディープラーニング(Deep Learning)などの機械学習によって作成された学習モデルを備えることが好ましい。学習モデルは、例えばCNN(Convolutional Neural Network)、又はFCN(Fully Convolutional Networks)などを用いたディープラーニングによって構築される。そして、学習モデルは、負荷電流I1の波形データを入力されて、短絡発生の有無を検知する。なお、短絡検知部242が実行するアルゴリズムは、特定のアルゴリズムに限定されない。学習モデルは、重回帰分析、サポートベクターマシン(Support Vector Machine)などの他のアルゴリズムを用いたモデルであってもよい。短絡検知部242は、所定期間における負荷電流I1の波形が許可可能な波形でなければ(又は、許可不可能な波形であれば)、短絡が発生していることを検知する。短絡検知部242は、所定期間における負荷電流I1の波形が許可可能な波形であれば(又は、許可不可能な波形でなければ)、短絡が発生していないことを検知する。
【0060】
また、短絡検知部242は、所定期間における負荷電流I1の上昇速度(単位時間当たりの増加量)に基づいて、短絡の発生の有無を検知してもよい。短絡検知部242は、所定期間における負荷電流I1の上昇速度が第1閾値以上であれば、短絡が発生していることを検知する。短絡検知部242は、所定期間における負荷電流I1の上昇速度が第1閾値未満であれば、短絡が発生していないことを検知する。
【0061】
また、短絡検知部242は、所定期間における負荷電流I1の絶対値に基づいて、短絡の発生の有無を検知してもよい。短絡検知部242は、所定期間における負荷電流I1の絶対値が第2閾値以上になれば、短絡が発生していることを検知する。短絡検知部242は、所定期間における負荷電流I1の絶対値が第2閾値未満を維持すれば、短絡は発生していないことを検知する。
【0062】
(3)動作
以下、制御装置20の動作について、図4図7を用いて説明する。
【0063】
(3.1)全体動作
ここでは、制御装置20の全体動作について、図4を用いて説明する。
【0064】
状態制御部241は、異常検知部5が異常を検知したか否かを判断する(ステップS1)。状態制御部241は、漏電検知部31、過電流検知部32、地震検知部22及び停電検知部23のうち少なくとも1つの検知部が異常を検知したか否かを判断する。例えば、状態制御部241は、漏電検知部31からの検知結果が漏電を検知した旨を表す場合に、漏電が検知されたと判断する。状態制御部241は、過電流検知部32からの検知結果が過電流を検知した旨を表す場合に、過電流が検知されたと判断する。状態制御部241は、制御装置20が備える地震検知部22が地震を検知した場合に、地震が検知されたと判断する。状態制御部241は、制御装置20が備える停電検知部23が停電を検知した場合に、停電が検知されたと判断する。
【0065】
異常検知部5が異常を検知していないと状態制御部241が判断する場合(ステップS1における「No」)、処理はステップS1に戻る。
【0066】
異常検知部5が異常を検知したと判断する場合(ステップS1における「Yes」)、状態制御部241は、復電が開始されたか否かを判断する(ステップS2)。
【0067】
復電が開始されていないと状態制御部241が判断する場合(ステップS2における「No」)、処理はステップS2に戻る。
【0068】
復電が開始されたと判断する場合(ステップS2における「Yes」)、状態制御部241は、検知された異常は地震又は停電であるかを判断する(ステップS3)。
【0069】
検知された異常は地震又は停電であると判断する場合(ステップS3における「Yes」)、状態制御部241は、第1復電処理を行う(ステップS4)。
【0070】
検知された異常は地震及び停電のいずれでもないと判断する場合(ステップS3における「No」)、状態制御部241は、検知された異常は過電流であるかを判断する(ステップS5)。
【0071】
検知された異常は過電流であると判断する場合(ステップS5における「Yes」)、状態制御部241は、第2復電処理を行う(ステップS6)。
【0072】
検知された異常は過電流でない、すなわち漏電であると判断する場合(ステップS5における「No」)、状態制御部241は、第3復電処理を行う(ステップS7)。
【0073】
(3.2)第1復電処理
ここでは、第1復電処理について、図5を用いて説明する。
【0074】
状態制御部241は、異常(地震又は停電)が検知されたときの複数の分岐ブレーカ4のそれぞれの状態情報を状態情報記憶部211から取得する(ステップS51)。
【0075】
状態制御部241は、複数の分岐ブレーカ4のそれぞれの負荷情報を負荷情報記憶部212から取得する(ステップS52)。
【0076】
複数の分岐ブレーカ4のそれぞれの状態情報及び負荷情報を基に、異常が検知されたときにオン状態であった1つ以上の分岐ブレーカ4を制御対象として、消費電力が小さい制御対象(分岐ブレーカ4)から順次オン状態となるよう分岐ブレーカ4を制御する(ステップS53)。
【0077】
(3.3)第2復電処理
ここでは、第2復電処理について、図6を用いて説明する。
【0078】
状態制御部241は、制御対象候補である1つ以上の分岐ブレーカ4のうち1つの制御対象候補を選択する(ステップS101)。例えば、状態制御部241は、複数の分岐ブレーカ4のそれぞれを制御対象候補とし、複数の制御対象候補のうち1つの制御対象候補を選択する。
【0079】
状態制御部241は、選択した制御対象候補である分岐ブレーカ4に対して、所定期間オン状態となるよう制御する(ステップS102)。
【0080】
状態制御部241は、所定期間においてオン状態となるように制御した制御対象候補(分岐ブレーカ4)において短絡検知部242が短絡を検知したか否かを判断する(ステップS103)。
【0081】
当該制御対象候補(分岐ブレーカ4)において短絡検知部242が短絡を検知したと判断する場合(ステップS103における「Yes」)、状態制御部241は、当該制御対象候補を制御対象でないとして接続状態をオフ状態とするよう当該制御対象候補を制御する(ステップS104)。
【0082】
当該制御対象候補(分岐ブレーカ4)において短絡検知部242が短絡を検知しないと判断する場合(ステップS103における「No」)、状態制御部241は、当該制御対象候補を制御対象として接続状態としてオン状態を維持するよう当該制御対象候補を制御する(ステップS105)。
【0083】
状態制御部241は、すべての制御対象候補が選択されたか否かを判断する(ステップS106)。
【0084】
すべての制御対象候補が選択されたと状態制御部241が判断する場合(ステップS106における「Yes」)、処理は終了する。
【0085】
すべての制御対象候補が選択されていないと状態制御部241が判断する場合(ステップS106における「No」)、処理はステップS101に戻る。その後、すべての制御対象が選択されるまで、ステップS101~S106が繰り返される。
【0086】
(3.4)第3復電処理
ここでは、第3復電処理について、図7を用いて説明する。
【0087】
状態制御部241は、制御対象候補である1つ以上の分岐ブレーカ4のうち1つの制御対象候補を選択する(ステップS151)。例えば、状態制御部241は、複数の分岐ブレーカ4のそれぞれを制御対象候補とし、複数の制御対象候補のうち1つの制御対象候補を選択する。
【0088】
選択した制御対象候補が異常分岐ブレーカとして特定されているか否かを判断する(ステップS152)。
【0089】
制御対象候補が異常分岐ブレーカとして特定されていると判断する場合(ステップS152における「Yes」)、状態制御部241は、異常分岐ブレーカである分岐ブレーカ4に対してオフ状態となるよう制御する(ステップS153)。
【0090】
制御対象候補が異常分岐ブレーカとして特定されていないと判断する場合(ステップS152における「No」)、状態制御部241は、制御対象候補である分岐ブレーカ4に対してオン状態となるよう制御する(ステップS154)。
【0091】
状態制御部241は、制御対象候補である分岐ブレーカ4に対してオン状態となるよう制御した後、漏電検知部31が漏電を検知したか否かを判断する(ステップS155)。
【0092】
漏電検知部31が漏電を検知したと判断する場合(ステップS155における「Yes」)、状態制御部241は、漏電検知部31が漏電を検知した際にオン状態となるよう制御された制御対象候補である分岐ブレーカ4を異常分岐ブレーカとして特定する(ステップS156)。その後、処理は、ステップS151に戻る。このとき、複数の分岐ブレーカ4のそれぞれは再度オフ状態となっているため、制御対象候補である1つ以上の分岐ブレーカ4のすべてを未選択状態として、ステップS151以降が実行される。
【0093】
ステップS153が実行された後、又は漏電検知部31が漏電を検知しないと判断する場合(ステップS155における「No」)、状態制御部241は、すべての制御対象候補が選択されたか否かを判断する(ステップS157)。
【0094】
すべての制御対象候補が選択されたと状態制御部241が判断する場合(ステップS157における「Yes」)、処理は終了する。
【0095】
すべての制御対象候補が選択されていないと状態制御部241が判断する場合(ステップS157における「No」)、処理はステップS151に戻る。その後、すべての制御対象が選択されるまで、ステップS101~S106が繰り返される。
【0096】
(4)利点
以上説明したように、本実施形態の分電盤1は、主幹ブレーカ3と、複数の分岐ブレーカ4と、異常検知部5と、状態制御部241と、を備える。主幹ブレーカ3は、外部(例えば、電力系統PS)から電力が供給される。複数の分岐ブレーカ4は、主幹ブレーカ3から電力の供給がされ、電気的に接続された負荷LDへ電力を供給する。異常検知部5は、電力の供給に関する異常電力の供給に関する異常を検知する。状態制御部241は、複数の分岐ブレーカ4に対して、負荷LDとの間で電気的な接続がされるオン状態と、電気的な接続がされていないオフ状態とを切り替えるように接続状態を制御する。異常検知部5が異常を検知したことによる主幹ブレーカ3を介した電力供給の停止から電力供給が開始する復電時において、複数の分岐ブレーカ4の接続状態は、オフ状態となっている。
【0097】
この構成によると、復電時のトラブルを抑制することができる。例えば、復電時に分岐ブレーカ4の接続状態がオン状態となっている場合、復電と同時に電力の供給が開始される。そのため、異常の原因が当該分岐ブレーカ4にある場合、又は異常が発生したことにより当該分岐ブレーカ4にトラブルが発生している場合において、復電と同時に電力の供給が開始されるとトラブルが発生する可能性が高くなる。そこで、復電時において複数の分岐ブレーカ4の接続状態がオフ状態となっていることで、復電と同時に複数の分岐ブレーカ4への電力の供給が開始されない。その結果、復電時のトラブルを抑制することができる。
【0098】
(5)変形例
以下に、変形例について列記する。なお、以下に説明する変形例は、上記実施形態と適宜組み合わせて適用可能である。
【0099】
(5.1)変形例1
実施形態では、地震検知部22及び停電検知部23は、制御装置20に備えられる構成としているが、この構成に限定されない。
【0100】
上述した地震検知部22及び停電検知部23のうち少なくとも1つは、主幹ブレーカ3に備えられてもよい。地震検知部22が主幹ブレーカ3に備えられた場合には、地震検知部22による検知結果が通信線W2を介して制御装置20に出力される。停電検知部23が主幹ブレーカ3に備えられた場合には、停電検知部23による検知結果が通信線W2を介して制御装置20に出力される。
【0101】
または、地震検知部22及び停電検知部23のうち少なくとも1つは、主幹ブレーカ3、分岐ブレーカ4及び制御装置20とは別体に備えられてもよい。地震検知部22が主幹ブレーカ3、分岐ブレーカ4及び制御装置20とは別体の装置(別装置)に備えられた場合には、地震検知部22による検知結果が別装置と制御装置20とを接続する通信線を介して制御装置20に出力される。停電検知部23が主幹ブレーカ3、分岐ブレーカ4及び制御装置20とは別体の装置(別装置)に備えられた場合には、停電検知部23による検知結果が別装置と制御装置20とを接続する通信線を介して制御装置20に出力される。
【0102】
(5.2)変形例2
実施形態では、漏電検知部31及び過電流検知部32は、主幹ブレーカ3に備えられる構成としているが、この構成に限定されない。
【0103】
上述した漏電検知部31及び過電流検知部32のうち少なくとも1つは、制御装置20に備えられてもよい。
【0104】
または、漏電検知部31及び過電流検知部32のうち少なくとも1つは、主幹ブレーカ3、分岐ブレーカ4及び制御装置20とは別体に備えられてもよい。漏電検知部31が主幹ブレーカ3、分岐ブレーカ4及び制御装置20とは別体の装置(別装置)に備えられた場合には、漏電検知部31による検知結果が別装置と制御装置20とを接続する通信線を介して制御装置20に出力される。過電流検知部32が主幹ブレーカ3、分岐ブレーカ4及び制御装置20とは別体の装置(別装置)に備えられた場合には、過電流検知部32による検知結果が別装置と制御装置20とを接続する通信線を介して制御装置20に出力される。
【0105】
(5.3)変形例3
実施形態では、短絡検知部242は、制御装置20(の制御部24)が有する構成としているが、この構成に限定されない。
【0106】
複数の分岐ブレーカ4の各々の制御部41は、短絡検知部242を有してもよい。この場合、変形例3の短絡検知部242は、当該分岐ブレーカ4の電流検知部43が検知した負荷電流I1の波形に基づいて、短絡発生の有無を検知する。変形例3の短絡検知部242は、検知結果を制御装置20に通信線W1を介して出力する。
【0107】
また、分岐ブレーカ4の制御部41が短絡検知部242を有する場合、制御部41は、所定期間においてスイッチSWをオン状態とする開始タイミングを、電圧検知部44の検知結果である電圧信号を基に決定してもよい。
【0108】
(5.4)変形例4
実施形態では、過電流を検知した後の復電時では、所定期間におけるスイッチSWの動作で得られる分岐ブレーカ4での負荷電流I1の波形に基づいて、短絡発生の有無を検知する構成としている。しかしながら、この構成に限定されない。
【0109】
制御装置20の状態制御部241が制御対象である1つ以上の分岐ブレーカ4に対して、順次オン状態となるように制御した場合において、主幹ブレーカ3の過電流検知部32が過電流を検知してもよい。この場合、状態制御部241は、過電流検知部32は、過電流を検知した際にオン状態となるよう制御された分岐ブレーカ4で短絡が発生していると判断し、当該分岐ブレーカ4をオフ状態となるよう制御する。
【0110】
(5.5)変形例5
実施形態では、過電流を検知した後の復電時において制御対象候補をオン状態とする所定期間を、一例として数十μsecとしたが、これに限定されない。
【0111】
例えば、所定期間は、例えば交流電圧の2周期に相当する期間であってもよい。2周期に相当する期間は、例えば40又は33.3msecである。この場合、接続状態がオン状態となるように制御された制御対象候補(分岐ブレーカ4)は、所定期間(2周期)が経過するまでに過電流(短絡)を検知した場合には分岐電路L2が遮断され、スイッチSWがオフ状態となる。そこで、状態制御部241は、接続状態がオン状態となるように制御した制御対象候補(分岐ブレーカ4)の所定期間における負荷電流I1の波形に基づいて短絡発生の有無を検知して、短絡が発生している制御対象候補(分岐ブレーカ4)を特定する。または、状態制御部241は、接続状態がオン状態となるように制御した制御対象候補(分岐ブレーカ4)の所定期間内にオフ状態となったこと検知することで、短絡発生の有無を検知して、短絡が発生している制御対象候補(分岐ブレーカ4)を特定する。
【0112】
(5.6)変形例6
実施形態では、制御装置20が復電の開始を監視する構成としているが、この構成に限定されない。
【0113】
制御装置20は、復電の開始を他の端末から受け取ってもよいし、ユーザ操作により受け取ってもよい。
【0114】
(5.7)変形例7
実施形態では、負荷情報は、負荷LDの消費電力を含む構成としているが、この構成に限定されない。
【0115】
負荷情報は、負荷LDの消費電流であってもよい。電力系統PSから供給される電力の電圧は一定であるため、消費電力は電流に依存する。そのため、状態制御部241は、制御対象である1つ以上の分岐ブレーカ4に対して消費電流が小さい制御対象(分岐ブレーカ4)から順次オン状態となるよう分岐ブレーカ4を制御することで、消費電力が小さい制御対象から順次オン状態とすることができる。
【0116】
(5.8)変形例8
復電は、電力系統PSとしての商用電源からの電力供給の再開に限定されない。例えば、復電は、異常検知部5が異常を検知して主幹電路L1が遮断された後、太陽光発電設備、水力発電設備等の分散型電源から電力供給が開始された場合も含む。すなわち、復電とは、異常検知部5が異常を検知したことによる主幹ブレーカ3を介した電力供給の停止から電力供給が開始することである。
【0117】
(5.9)変形例9
実施形態では、分岐ブレーカ4は、スイッチSWとして半導体スイッチを備える構成としているが、この構成に限定されない。
【0118】
分岐ブレーカ4が備えるスイッチSWは、信号に応じてオン状態、オフ状態を切り替え可能に構成されたスイッチであればよい。例えば、スイッチSWは、パワーリレーであってもよい。
【0119】
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様に係る分電盤(1)は、主幹ブレーカ(3)と、複数の分岐ブレーカ(4)と、異常検知部(5)と、状態制御部(241)と、を備える。主幹ブレーカ(3)は、外部(例えば、電力系統PS)から電力が供給される。複数の分岐ブレーカ(4)は、主幹ブレーカ(3)から電力の供給がされ、電気的に接続された負荷(LD)へ電力を供給する。異常検知部(5)は、電力の供給に関する異常電力の供給に関する異常を検知する。状態制御部(241)は、複数の分岐ブレーカ(4)に対して、負荷(LD)との間で電気的な接続がされるオン状態と、電気的な接続がされていないオフ状態とを切り替えるように接続状態を制御する。異常検知部(5)が異常を検知したことによる主幹ブレーカ(3)を介した電力供給の停止から電力供給が開始する復電時において、複数の分岐ブレーカ(4)の接続状態は、オフ状態となっている。
【0120】
この態様によると、復電時のトラブルを抑制することができる。例えば、復電時に分岐ブレーカ(4)の接続状態がオン状態となっている場合、復電と同時に電力の供給が開始される。そのため、異常の原因が当該分岐ブレーカ(4)にある場合、又は異常が発生したことにより当該分岐ブレーカ(4)にトラブルが発生している場合において、復電と同時に電力の供給が開始されるとトラブルが発生する可能性が高くなる。そこで、復電時において複数の分岐ブレーカ(4)の接続状態がオフ状態となっていることで、復電と同時に複数の分岐ブレーカ(4)への電力の供給が開始されない。その結果、復電時のトラブルを抑制することができる。
【0121】
第2の態様に係る分電盤(1)では、第1の態様において、状態制御部(241)は、復電時において、複数の分岐ブレーカ(4)のうちオフ状態からオン状態へと切り替える制御対象となる1つ以上の分岐ブレーカ(4)に対して、接続状態がオン状態となるよう順次制御する。
【0122】
この態様によると、接続状態がオン状態となるよう制御対象となる1つ以上の分岐ブレーカ(4)を順次制御するので、一括してオン状態となるよう制御する場合と比較して電圧降下が小さい。そのため、復電時のトラブルを抑制することができる。
【0123】
第3の態様に係る分電盤(1)は、第2の態様において、状態情報記憶部(211)を更に備える。状態情報記憶部(211)は、複数の分岐ブレーカ(4)の各々について、当該分岐ブレーカの接続状態を表す状態情報を記憶する。状態制御部(241)は、復電時において、状態情報記憶部で記憶されている複数の分岐ブレーカ(4)の各々の状態情報が表す接続状態に基づいて、複数の分岐ブレーカ(4)のうち異常が検知された際にオン状態であった1つ以上の分岐ブレーカ(4)を制御対象とする。
【0124】
この態様によると、複数の分岐ブレーカ(4)に対して異常検知時の接続状態に復帰させることができる。
【0125】
第4の態様に係る分電盤(1)では、第2又は第3の態様において、異常検知部(5)は、地震を検知する地震検知部(22)を含む。状態制御部(241)は、地震検知部(22)による地震の検知後の復電時において、複数の分岐ブレーカ(4)のうち所定の1つ以上の分岐ブレーカ(4)を制御対象とする。
【0126】
この態様によると、地震発生後の復電時において、複数の分岐ブレーカ(4)に対して異常検知時の接続状態に復帰させることができる。
【0127】
第5の態様に係る分電盤(1)では、第2~第4のいずれかの態様において、異常検知部(5)は、停電を検知する停電検知部(23)を含む。状態制御部(241)は、停電検知部(23)による停電の検知後の復電時において、複数の分岐ブレーカ(4)のうち所定の1つ以上の分岐ブレーカ(4)を制御対象とする。
【0128】
この態様によると、停電発生後の復電時において、複数の分岐ブレーカ(4)に対して異常検知時の接続状態に復帰させることができる。
【0129】
第6の態様に係る分電盤(1)は、第2~第5のいずれかの態様において、短絡検知部(242)を更に備える。短絡検知部(242)は、複数の分岐ブレーカ(4)において、接続された負荷(LD)との間での短絡を検知する。異常検知部(5)は、過電流を検知する過電流検知部(32)を含む。状態制御部(241)は、過電流検知部(32)による過電流の検知後の復電時において、複数の分岐ブレーカ(4)のうち制御対象候補である1つ以上の分岐ブレーカに対して、所定期間においてオン状態となるよう順次制御する。状態制御部(241)は、所定期間において短絡検知部(242)が短絡を検知しない場合には所定期間においてオン状態となるよう制御された制御対象候補を制御対象として接続状態としてオン状態を維持する。状態制御部(241)は、所定期間において短絡検知部(242)が短絡を検知した場合には所定期間においてオン状態となるよう制御された制御対象候補を制御対象でないとして接続状態をオフ状態とする。
【0130】
この態様によると、短絡が発生している分岐ブレーカ(4)を制御対象としないので、復電時のトラブルを抑制することができる。
【0131】
第7の態様に係る分電盤(1)では、第2~第6のいずれかの態様において、異常検知部(5)は、漏電を検知する漏電検知部(31)を含む。状態制御部(241)は、漏電検知部(31)が漏電を検知した場合、複数の分岐ブレーカのうち漏電が発生している異常分岐ブレーカを特定する。状態制御部(241)は、復電時において、複数の分岐ブレーカのうち異常分岐ブレーカとは異なる分岐ブレーカを制御対象とする。
【0132】
この態様によると、漏電が発生している分岐ブレーカ(4)を制御対象としないので、復電時のトラブルを抑制することができる。
【0133】
第8の態様に係る分電盤(1)では、第7の態様において、状態制御部(241)は、複数の分岐ブレーカ(4)のうち制御対象候補である1つ以上の分岐ブレーカ(4)に対してオン状態となるよう順次制御し、漏電検知部(31)が漏電を検知した際にオン状態となるよう制御された制御対象候補である分岐ブレーカ(4)を異常分岐ブレーカとして特定する。
【0134】
この態様によると、御対象候補である1つ以上の分岐ブレーカ(4)に対してオン状態となるよう順次制御することで、漏電が発生している分岐ブレーカ(4)を特定することができる。
【0135】
第9の態様に係る分電盤(1)では、第2~第8のいずれかの態様において、状態制御部(241)は、制御対象である1つ以上の分岐ブレーカのうち消費電力が少ない分岐ブレーカから順次、接続状態をオフ状態からオン状態へと切り替える。
【0136】
この態様によると、制御対象である1つ以上の分岐ブレーカ(4)のうち消費電力が少ない分岐ブレーカ(4)からオン状態となるよう順次制御するので、ヒータ等の消費電力が多くトラブルの原因となる可能性が高い負荷(LD)のオン状態とする優先順位を低くすることができる。すなわち、トラブルの原因となる可能性が低い負荷(LD)を優先的にオン状態とすることができる。
【0137】
第10の態様に係る分電盤(1)は、第9の態様において、負荷情報記憶部(212)を更に備える。負荷情報記憶部(212)は、複数の分岐ブレーカ(4)ごとに、当該分岐ブレーカ(4)に接続された負荷(LD)の消費電力に関する負荷情報を記憶する。状態制御部(241)は、負荷情報記憶部(212)で記憶されている負荷情報に基づいて、制御対象である1つ以上の分岐ブレーカ(4)について接続状態をオフ状態からオン状態へと切り替える順序を決定する。
【0138】
この態様によると、負荷情報を用いて接続状態をオフ状態からオン状態へと切り替える順序を決定することができる。
【0139】
第11の態様に係る分電盤(1)では、第2~第10のいずれかの態様において、複数の分岐ブレーカ(4)は、主幹ブレーカ(3)と負荷(LD)との間で電気的な接続及び非接続を切り替えるスイッチ(SW)を有する。状態制御部(241)は、復電時には、制御対象である分岐ブレーカ(4)が有するスイッチ(SW)を制御することで、接続状態をオフ状態からオン状態へと切り替える。
【0140】
この態様によると、電気的な個別の制御を行うことができる。
【符号の説明】
【0141】
1 分電盤
3 主幹ブレーカ
4 分岐ブレーカ
5 異常検知部
22 地震検知部
23 停電検知部
31 漏電検知部
32 過電流検知部
211 状態情報記憶部
212 負荷情報記憶部
241 状態制御部
242 短絡検知部
LD 負荷
PS 電力系統
SW スイッチ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7