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特開2024-143801表示制御システム、表示制御方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143801
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】表示制御システム、表示制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241003BHJP
   G06F 3/0481 20220101ALI20241003BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06F3/0481
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023056691
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】明石 夏貴
(72)【発明者】
【氏名】松本 好章
(72)【発明者】
【氏名】竹野 友梨子
【テーマコード(参考)】
5E555
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5E555AA28
5E555AA33
5E555BA41
5E555BB08
5E555BE01
5E555CB80
5E555DB55
5E555DD05
5E555FA00
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】未来の混雑状況の予測を行いやすい情報をユーザに提供する。
【解決手段】表示制御システム1は、検知システム2と、分析部331と、表示制御部431と、を備える。検知システム2は、所定エリア200における人の出入り、及び、所定エリア200に存在する人を検知する。分析部331は、検知システム2の検知情報に基づいて、出入数と、所定エリア200の混雑度と、を求める。出入数は、第1人数、及び、第2人数から求まる。第1人数は、所定期間内に所定エリア200に入った人の数である。第2人数は、所定期間内に所定エリア200から出た人の数である。表示制御部431は、マップ画面を、表示させるための画面情報を出力する。マップ画面は、混雑度を示す第1画像と、出入数を示す第2画像と、を所定エリア200のマップ画像に重畳させた画面である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定エリアにおける人の出入り、及び、前記所定エリアに存在する人を検知する検知システムと、
前記検知システムの検知結果を示す検知情報に基づいて、所定期間内に前記所定エリアに入った人の数である第1人数、及び、前記所定期間内に前記所定エリアから出た人の数である第2人数から求まる出入数と、前記所定エリアの混雑度と、を求める分析部と、
前記混雑度を示す第1画像と、前記出入数を示す第2画像とを前記所定エリアを含むマップのマップ画像に重畳させたマップ画面を、表示部に表示させるための画面情報を出力する表示制御部と、
を備える、
表示制御システム。
【請求項2】
前記所定エリアは、区分けされた複数の小エリアを含み、
前記検知システムは、前記所定エリアにおける人の出入り、及び、前記複数の小エリアの各々に存在する人を検知し、
前記分析部は、
前記混雑度として、前記複数の小エリアの各々の混雑度を求め、
前記検知システムの検知情報に基づいて、前記所定期間内に前記複数の小エリアのうちの隣接する2つの小エリア間を移動した人の数に関する移動数を更に求め、
前記表示制御部は、前記移動数を示す第3画像を更に前記マップ画像に重畳させた前記マップ画面を、前記表示部に表示させるための前記画面情報を出力する、
請求項1に記載の表示制御システム。
【請求項3】
前記検知システムは、
前記所定エリアの出入口を通過する人を検知する第1検知装置と、
前記複数の小エリアと一対一で対応し、対応する小エリアに存在する人を検知する複数の第2検知装置と、
を有し、
前記第1人数は、前記出入口を通過して前記所定エリアに入った人の数であり、
前記第2人数は、前記出入口を通過して前記所定エリアから出た人の数であり、
前記分析部は、
前記第1検知装置の検知結果を示す第1検知情報に基づいて、前記出入数を求め、
前記複数の第2検知装置の各々の検知結果を示す第2検知情報に基づいて、前記複数の小エリアの各々の前記所定期間における人の増減数を求め、
求めた前記出入数及び前記増減数に基づいて、前記移動数を求める、
請求項2に記載の表示制御システム。
【請求項4】
前記所定エリアには前記出入口が複数あり、
前記検知システムは、前記第1検知装置を複数有し、
前記複数の第1検知装置は、前記複数の出入口と一対一で対応し、
前記分析部は、前記複数の第1検知装置の各々の前記第1検知情報に基づいて、前記複数の出入口の各々における前記出入数を求め、
前記表示制御部は、前記複数の出入口の各々の前記第2画像を、前記マップ画像に重畳させた前記マップ画面を、前記表示部に表示させるための前記画面情報を出力する、
請求項3に記載の表示制御システム。
【請求項5】
前記移動数は、前記2つの小エリアの一方から他方に移動した人の数と、前記2つの小エリアの前記他方から前記一方に移動した人の数との差分を示す数であり、
前記表示制御部は、前記移動数の正負に応じて向きが変わる矢印状の画像を、前記第3画像として前記マップ画像に重畳させた前記マップ画面を、前記表示部に表示させるための前記画面情報を出力する、
請求項2に記載の表示制御システム。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記移動数の絶対値が大きくなる程、前記矢印状の画像のサイズを大きくする、
請求項5に記載の表示制御システム。
【請求項7】
前記分析部は、前記複数の小エリアの各々の最大収容人数を示す収容人数情報、及び、前記検知システムの前記検知情報に基づいて、前記混雑度を求める、
請求項2に記載の表示制御システム。
【請求項8】
前記表示制御部は、前記第1人数と前記第2人数との大小関係に応じて向きが変わる矢印状の画像を、前記第2画像として前記マップ画像に重畳させた前記マップ画面を、前記表示部に表示させるための前記画面情報を出力する、
請求項1に記載の表示制御システム。
【請求項9】
前記表示制御部は、前記出入数が多くなる程、前記矢印状の画像のサイズを大きくする、
請求項8に記載の表示制御システム。
【請求項10】
1以上のプロセッサによって実行され、表示制御システムに用いられる表示制御方法であって、
前記表示制御システムは、所定エリアにおける人の出入り、及び、前記所定エリアに存在する人を検知する検知システムを備え、
前記表示制御方法は、
前記検知システムの検知結果を示す検知情報に基づいて、所定期間内に前記所定エリアに入った人の数である第1人数、及び、前記所定期間内に前記所定エリアから出た人の数である第2人数から求まる出入数と、前記所定エリアの混雑度と、を求める分析ステップと、
前記混雑度を示す第1画像と、前記第1人数又は前記第2人数を示す第2画像とを前記所定エリアを含むマップのマップ画像に重畳させたマップ画面を、表示部に表示させるための画面情報を出力する表示制御ステップと、
を有する、
表示制御方法。
【請求項11】
請求項10に記載の表示制御方法を、1以上のプロセッサに実行させるための、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に表示制御システム、表示制御方法及びプログラムに関し、より詳細には、表示部に情報を出力する表示制御システム、表示制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、施設内活動分析システムが開示されている。施設内活動分析システムは、サーバ装置と、ユーザ端末装置と、を備える。サーバ装置は、店舗内の対象エリアにおける顧客の滞在状態を示す店舗マップ表示画面を生成してユーザ端末装置に配信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-188023号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えば展示会等の来場者は、混雑しているエリアを避けて行動したいと考えることがある。しかし、展示会の来場者等の滞在状態は時間に応じて変化する。そのため、来場者が混雑しているエリアを避けようと行動しても、混雑しているエリアに移動してしまうことがある。
【0005】
本開示は上記事由に鑑みてなされており、未来の混雑状況の予測を行いやすい情報をユーザに提供することができる表示制御システム、表示制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る表示制御システムは、検知システムと、分析部と、表示制御部と、を備える。前記検知システムは、所定エリアにおける人の出入り、及び、前記所定エリアに存在する人を検知する。前記分析部は、前記検知システムの検知結果を示す検知情報に基づいて、出入数と、前記所定エリアの混雑度と、を求める。前記出入数は、第1人数、及び、第2人数から求まる。前記第1人数は、所定期間内に前記所定エリアに入った人の数である。前記第2人数は、前記所定期間内に前記所定エリアから出た人の数である。前記表示制御部は、マップ画面を、表示部に表示させるための画面情報を出力する。前記マップ画面は、第1画像と、第2画像とをマップ画像に重畳させた画面である。前記第1画像は、前記混雑度を示す。前記第2画像は、前記出入数を示す。前記マップ画像は、前記所定エリアを含むマップの画像である。
【0007】
本開示の一態様に係る表示制御方法は、1以上のプロセッサによって実行される。表示制御方法は、表示制御システムに用いられる方法である。前記表示制御システムは、検知システムを備える。前記検知システムは、所定エリアにおける人の出入り、及び、前記所定エリアに存在する人を検知する。前記表示制御方法は、分析ステップと、表示制御ステップと、を有する。前記分析ステップでは、前記検知システムの検知結果を示す検知情報に基づいて、出入数と、前記所定エリアの混雑度と、を求める。前記出入数は、所定期間内に前記所定エリアに入った人の数である第1人数、及び、前記所定期間内に前記所定エリアから出た人の数である第2人数から求まる数である。前記表示制御ステップでは、マップ画面を、表示部に表示させるための画面情報を出力する。前記マップ画面は、第1画像と、第2画像とをマップ画像に重畳させた画面である。前記第1画像は、前記混雑度を示す。前記第2画像は、前記出入数を示す。前記マップ画像は、前記所定エリアを含むマップの画像である。
【0008】
本開示の一態様に係るプログラムは、前記表示制御方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本開示の上記態様に係る表示制御システム、表示制御方法及びプログラムによれば、未来の混雑状況の予測を行いやすい情報をユーザに提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態に係る表示制御システムの全体構成を示す概略図である。
図2図2は、同上の表示制御システムにおけるマップ画面を説明するための概略図である。
図3図3は、同上の表示制御システムにおけるマップ画面を説明するための別の概略図である。
図4図4は、同上の表示制御システムの分析部が行う移動数の算出方法を説明するための説明図である。
図5図5は、同上の表示制御システムの動作を示すシーケンス図である。
図6図6は、同上の表示制御システムの分析部の動作を示すフローチャートである。
図7図7は、同上の表示制御システムの表示制御部の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示に関する好ましい実施形態について図を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態において互いに共通する要素には同一符号を付しており、共通する要素についての重複する説明は省略する場合がある。以下の実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、実施形態(変形例を含む)は、適宜組み合わせて実現されてもよい。
【0012】
本開示において説明する各図は、模式的な図であり、各図中の各構成要素のサイズ及び厚さのそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0013】
(実施形態)
(1)概要
まず、本実施形態に係る表示制御システム1の概要について、図1図3を参照して説明する。
【0014】
図1に示すように、本実施形態の表示制御システム1は、施設100に設けられる。
【0015】
本開示でいう「施設」は、店舗、オフィス、イベント会場、福祉施設、教育施設、病院及び工場等の非住宅施設である。非住宅施設には、飲食店、遊技場、ホテル、旅館、幼稚園、保育所及び公民館等も含む。また、施設100は、例えば、低層階が店舗で高層階が住戸というように、住宅施設と非住宅施設とが混在する態様の施設も含む。本実施形態では、施設100が、施設100内の所定エリア200にてイベントが行われるイベント会場である場合を想定する。
【0016】
本開示でいう「イベント」は、展示会、フリーマーケット、合同企業説明会、及び祭り等を含む。本実施形態では、イベントが、複数のブースが設置される展示会である場合を想定する。また、本実施形態では、展示会の来場者が、表示制御システム1のユーザである場合を例示する。
【0017】
図1に示すように、表示制御システム1は、検知システム2と、分析部331と、表示制御部431と、を備える。
【0018】
検知システム2は、所定エリア200における人の出入り、及び、所定エリア200に存在する人を検知する。
【0019】
分析部331は、検知システム2の検知結果を示す検知情報に基づいて、出入数と、所定エリア200の混雑度と、を求める。出入数は、第1人数及び第2人数から求まる数である。第1人数は、所定期間内に所定エリア200に入った人の数である。第2人数は、所定期間内に所定エリア200から出た人の数である。
【0020】
表示制御部431は、図2に示すようなマップ画面D1を、表示部52(図1参照)に表示させるための画面情報を出力する。マップ画面D1は、第1画像G1と、第2画像G2と、が所定エリア200を含むマップのマップ画像G0に重畳されたマップ画面である。第1画像G1は、所定エリア200の混雑度を示す画像である。第2画像G2は、出入数を示す画像である。
【0021】
図3中のマップ画面D0は、第1画像G1のみがマップ画像G0に重畳されたマップ画面である。図3中のマップ画面D0の第1画像G1は、図2中のマップ画面D1の第1画像G1よりも所定期間だけ過去の混雑度を示している。なお、以下の説明では、所定期間だけ空いた2つのタイミングを第1タイミング及び第2タイミングと呼ぶことがある。つまり、図3中のマップ画面D0は第1タイミングにおけるマップ画面であり、図2中のマップ画面D1は第2タイミングにおけるマップ画面である。
【0022】
本実施形態の表示制御システム1が表示部52に表示させるマップ画面D1では、混雑度を示す第1画像G1に加えて第1人数又は第2人数を示す第2画像G2がマップ画像G0に重畳されている。マップ画面D1を見たユーザは、第2画像G2によって所定エリア200における出入数を容易に把握できる。そのため、マップ画面D1を見たユーザは、所定エリア200における未来の混雑状況の予測を行いやすい。つまり、本実施形態の表示制御システム1によれば、未来の混雑状況の予測を行いやすい情報(マップ画面D1)をユーザに提供することができる。
【0023】
(2)詳細
以下、本実施形態に係る表示制御システム1の詳細な構成について、図1図4を参照して説明する。
【0024】
(2.1)全体構成
図1に示すように、本実施形態の表示制御システム1は、所定エリア200を含む施設100に設けられる。図2に示すように、所定エリア200は、区分けされた複数の小エリアR0を含む。なお、図2中の一点鎖線は、所定エリア200及び複数の小エリアR0を説明するために図示しており、表示制御システム1が生成するマップ画面D1には含まれない。図2の例では、所定エリア200は、区分けされた8つの小エリアR1~R8を含む。本実施形態では、複数(8つ)の小エリアR0の各々には、複数のブースが設置される。また、所定エリア200には、複数の出入口201がある。図2の例では、所定エリア200には、6つの出入口201がある。所定エリア200に入る人、及び、所定エリア200から出る人は、複数の出入口201のいずれかを通過する。
【0025】
図1に示すように、本実施形態の表示制御システム1は、検知システム2と、分析装置3と、表示制御装置4と、表示装置5と、を備える。
【0026】
(2.2)検知システムの構成
本実施形態の検知システム2は、所定エリア200に設けられる。検知システム2は、所定エリア200における人の出入り、及び複数の小エリアR0(図2参照)の各々に存在する人を検知する。検知システム2は、複数の第1検知装置21と、複数の第2検知装置22と、を有する。
【0027】
複数の第1検知装置21は、複数(図2の例では6つ)の出入口201と一対一で対応する。つまり、本実施形態の検知システム2は、6つの第1検知装置21を有する。本実施形態の第1検知装置21は、例えばカメラである。より具体的には、本実施形態の第1検知装置21は、撮像画像内の判断の基準となる基準線を特定の方向に人が超えたか否かを検知するラインクロス検知が可能なカメラである。複数の第1検知装置21の各々は、対応する出入口201が撮像範囲に含まれるように配置される。
【0028】
第1検知装置21は、所定エリア200の出入口201を通過する人を検知する。つまり、複数の第1検知装置21の各々は、対応する出入口201を通過する人を検知する。本実施形態の第1検知装置21は、出入口201を通過して所定エリア200に入った人、及び、出入口201を通過して所定エリア200から出た人を検知する。より具体的には、第1検知装置21は、撮像画像内の出入口201を第1方向に人が超えたか否かを検知し、撮像画像内の出入口201を第1方向とは逆向きの第2方向に人が超えたか否かを検知する。
【0029】
本実施形態の第1検知装置21は、分析装置3と通信可能に構成されている。なお、本開示でいう「通信可能」とは、有線通信又は無線通信の適宜の通信方式により、直接的、又はネットワーク若しくは中継器等を介して間接的に、情報を授受できることを意味する。第1検知装置21は、第1検知装置21の検知結果を示す第1検知情報を、分析装置3に送信する。
【0030】
複数の第2検知装置22は、複数(図2の例「では8つ)の小エリアR0と一対一で対応する。つまり、本実施形態の検知システム2は、8つの第2検知装置22を有する。本実施形態の第2検知装置22は、例えばカメラである。より具体的には、本実施形態の第2検知装置22は、撮像画像内の所定領域内に存在する人を検知することが可能なカメラである。複数の第2検知装置22の各々は、対応する小エリアR0の全域が撮像範囲に含まれるように配置される。
【0031】
第2検知装置22は、対応する小エリアR0に存在する人を検知する。言い換えると、本実施形態の第2検知装置22は、対応する小エリアR0に存在する人の数を検知する。
【0032】
本実施形態の第2検知装置22は、分析装置3と通信可能に構成されている。第2検知装置22は、第2検知装置22の検知結果を示す第2検知情報を、分析装置3に送信する。
【0033】
(2.3)表示装置の構成
本実施形態の表示装置5は、所定エリア200に設けられる。本実施形態では、表示装置5がサイネージである場合を想定する。
【0034】
図1に示すように、表示装置5は、通信部51と、表示部52と、を備える。
【0035】
通信部51は、表示制御装置4と通信可能な通信インタフェースを含む。通信部51は、表示制御装置4から画面情報を受信する。
【0036】
表示部52は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)を含んでいる。表示部52は、表示制御装置4から受信する画面情報に基づいて、図2に示すようなマップ画面D1を表示する。
【0037】
(2.4)分析装置の構成
本実施形態の分析装置3は、施設100の管理室等に設けられる。分析装置3は、例えばサーバ装置である。分析装置3は、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するコンピュータシステムを主構成とする。分析装置3では、1以上のプロセッサがメモリに記録されているプログラムを実行することにより、分析装置3の各部の機能が実現される。プログラムは、メモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0038】
図1に示すように、分析装置3は、通信部31と、記憶部32と、制御部33と、を備える。
【0039】
通信部31は、第1検知装置21と通信可能な通信インタフェース、第2検知装置22と通信可能な通信インタフェース、及び、表示制御装置4と通信可能な通信インタフェースを含む。通信部31は、検知システム2から検知情報を受信する。より具体的には、通信部31は、第1検知装置21から第1検知情報を受信し、第2検知装置22から第2検知情報を受信する。また、通信部31は、分析部331が求めた各情報を、表示制御装置4に送信する。より具体的には、通信部31は、分析部331が求めた、各小エリアR0の混雑度と、所定期間における各出入口201の出入数と、所定期間における各小エリアR0の増減数と、所定期間における隣接する2つの小エリアR0間の移動数と、を示す情報を表示制御装置4に送信する。
【0040】
記憶部32は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブ(HDD)、又はソリッドステートドライブ(SSD)等を含む。記憶部32は、例えば施設100のBIM(Building Information Modeling)データ等の地図情報を記憶している。また、記憶部32は、複数の各小エリアR0の各々の最大収容人数を示す収容人数情報を記憶している。
【0041】
制御部33は、分析装置3の各部の制御を行う。つまり制御部33は、通信部31及び記憶部32の制御を行う。本実施形態の制御部33は、分析部331を有する。
【0042】
上述のように、分析部331は、検知システム2の検知情報に基づいて、所定エリア200の混雑度と、第1人数及び第2人数から求まる出入数と、を求める。本実施形態の第1人数は、所定期間内に出入口201を通過して所定エリア200に入った人の数である。第2人数は、所定期間内に出入口201を通過して所定エリア200から出た人の数である。
【0043】
本実施形態の分析部331は、所定エリア200の混雑度として、所定エリア200に含まれる複数の小エリアR0の各々の混雑度を求める。より具体的には、分析部331は、記憶部32にあらかじめ記憶されている収容人数情報、及び、検知システム2の検知情報に基づいて、複数の小エリアR0の各々の混雑度を求める。更に具体的には、分析部331は、収容人数情報、及び、複数の第2検知装置22の各々の第2検知情報に基づいて、複数の小エリアR0の各々の混雑度を求める。本実施形態の分析部331は、混雑度の算出対象となる小エリアR0に存在する人の数を、混雑度の算出対象となる小エリアR0の最大収容人数で除算して、複数の小エリアR0の各々の混雑度[%]を求める。
【0044】
本実施形態の分析部331は、上述のような簡単な計算で複数の小エリアR0の各々の混雑度を求める。したがって、本実施形態の表示制御システム1によれば、分析部331の演算負荷が大きくなることを抑制することができる。
【0045】
また、本実施形態の分析部331は、例えば所定期間毎に、複数の第2検知装置22の各々の第2検知情報に基づいて各小エリアR0の混雑度を求め、各小エリアR0の所定期間における人の増減数を求める。例えば表示制御システム1が、各小エリアR0の所定期間における人の増減数を表示部52に表示させることで、ユーザは未来の混雑状況の予測を行いやすい情報を得ることができる。
【0046】
分析部331は、複数の第1検知装置21の各々の第1検知情報に基づいて、複数の出入口201の各々における第1人数及び第2人数を求める。そして、分析部331は、各出入口201における第1人数及び第2人数に基づいて、各出入口201における出入数を求める。
【0047】
分析部331は、第1人数と第2人数との差をとることで出入数を求める。本実施形態の分析部331は、第1人数から第2人数を減算することで出入数を求める。つまり、本実施形態では、第1人数より第2人数の方が多い場合には出入数がマイナスの数となり、第1人数より第2人数の方が少ない場合には出入数がプラスの数となる。なお、分析部331は、第2人数から第1人数を減算することで出入数を求めてもよい。
【0048】
また、本実施形態の分析部331は、例えば所定時間毎に、検知システム2の検知情報に基づいて、所定期間内に複数の小エリアR0のうちの隣接する2つの小エリアR0間を移動した人の数に関する移動数を更に求める。なお、本開示でいう「隣接する2つの小エリアR0」とは、直接的に移動可能である2つの小エリアR0を意味する。例えば第1の小エリアR0から他の小エリアR0を経由することなく第2の小エリアR0に移動可能である場合、第1の小エリアR0と第2の小エリアR0とは隣接する2つの小エリアR0である。一方で、第1の小エリアR0から第2の小エリアR0に移動する際に他の小エリアR0を経由する必要がある場合、第1の小エリアR0と第2の小エリアR0とは隣接する2つの小エリアR0ではない。なお、以下の説明において、例えば「第1の小エリアR0は第2の小エリアR0に隣接する」という場合、第1の小エリアR0と第2の小エリアR0とは隣接する2つの小エリアR0である。
【0049】
例えば表示制御システム1が、隣接する2つの小エリアR0間を移動した人の数に関する移動数を表示部52に表示させることで、ユーザは未来の混雑状況の予測を行いやすい情報を得ることができる。
【0050】
分析部331は、検知システム2の検知情報に基づいて求めた各出入口201における出入数及び各小エリアR0における人の増減数に基づいて、移動数を求める。ここで、「移動数」は、隣接する2つの小エリアR0の一方から他方に移動した人の数と、2つの小エリアR0の他方から一方に移動した人の数との差を示す数である。より具体的には、「移動数」は、隣接する2つの小エリアR0の一方から他方に移動した人の数から、2つの小エリアR0の他方から一方に移動した人の数を減算した数である。
【0051】
図4は、分析部331が行う移動数の算出方法を説明するための説明図である。図4の例では、小エリアR11は、小エリアR12及び小エリアR13と隣接している。また、小エリアR12は、小エリアR11及び小エリアR14と隣接している。また、小エリアR13は、小エリアR11及び小エリアR14と隣接している。また、小エリアR14は、小エリアR12及び小エリアR13と隣接している。
【0052】
図4の例では、2つの小エリアR0を跨ぐ矢印の近傍にあるX1、X2、Y1、及びY2が、分析部331が求める移動数である。図4の例では、移動数は、2つの小エリアR0を跨ぐ矢印の始点となる小エリアR0から、矢印の終点となる小エリアR0に移動する方向を基準にした数である。例えばX1は、小エリアR11から小エリアR12に移動する方向を基準にした数である。X1が正の数である場合、小エリアR11から小エリアR12に移動した人の数は、小エリアR12から小エリアR11に移動した人の数より多い。つまり、X1が正の数である場合、小エリアR11から小エリアR12に人が流れている。X1が負の数である場合、小エリアR11から小エリアR12に移動した人の数は、小エリアR12から小エリアR11に移動した人の数より少ない。つまり、X1が負の数である場合、小エリアR12から小エリアR11に人が流れている。
【0053】
図4中のINは、小エリアR13における出入数を示している。INは、第1人数の方が第2人数より大きい場合の出入数である。また、図4中のOUTは、小エリアR14における出入数を示している。OUTは、第1人数の方が第2人数より小さい場合の出入数である。また図4中のdN1は、小エリアR11における人の増減数である。同様に、dN2は小エリアR12における人の増減数であり、dN3は小エリアR13における人の増減数であり、dN4は小エリアR14における人の増減数である。
【0054】
図4の例の場合、分析部331は、以下の式(1)~式(4)の連立方程式を解くことによって、移動数を求める。
【0055】
X1=Y1-dN1 (1)
X1=dN2+Y2 (2)
Y1=I-X2-dN3 (3)
Y2=-X2+dN4+O (4)
本実施形態の分析部331は、上述のような簡単な計算で隣接する2つの小エリアR0間の移動数を求める。したがって、本実施形態の表示制御システム1によれば、分析部331の演算負荷が大きくなることを抑制することができる。
【0056】
(2.5)表示制御装置の構成
本実施形態の表示制御装置4は、例えば施設100の管理室等に設けられる。表示制御装置4は、例えばサーバ装置である。表示制御装置4は、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するコンピュータシステムを主構成とする。表示制御装置4では、1以上のプロセッサがメモリに記録されているプログラムを実行することにより、表示制御装置4の各部の機能が実現される。プログラムは、メモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0057】
図1に示すように、表示制御装置4は、通信部41と、記憶部42と、制御部43と、を備える。
【0058】
通信部41は、分析装置3と通信可能な通信インタフェース、及び、表示装置5と通信可能な通信インタフェースを含む。通信部31は、分析装置3から分析部331が求めた各情報を受信する。また、通信部41は、表示制御部431が生成したマップ画面D1を、表示装置5の表示部52に表示させるための画面情報を、表示装置5に送信する。
【0059】
記憶部42は、例えば、RAM、ハードディスクドライブ、又はソリッドステートドライブ等を含む。記憶部42は、例えば施設100のBIMデータ等の地図情報を記憶している。地図情報には、施設100の所定エリア200のマップ画像G0が含まれる。
【0060】
制御部43は、表示制御装置4の各部の制御を行う。つまり制御部43は、通信部41及び記憶部42の制御を行う。本実施形態の制御部43は、表示制御部431を有する。
【0061】
上述のように、表示制御部431は、マップ画面D1(図2参照)を、表示装置5の表示部52に表示させるための画面情報を出力する。
【0062】
表示制御部431は、分析装置3の分析部331が求めた、各小エリアR0の混雑度と、所定期間における各出入口201の出入数と、所定期間における各小エリアR0の増減数と、所定期間における隣接する2つの小エリアR0間の移動数と、に基づいて、マップ画面D1を生成する。
【0063】
図2に示すように、表示制御部431は、各小エリアR0の混雑度を示す第1画像G1と、所定期間における各出入口201の出入数を示す第2画像G2と、所定期間における隣接する2つの小エリアR0間の移動数を示す第3画像G3と、マップ画像G0に重畳させたマップ画面D1を生成する。そして、表示制御部431は、生成したマップ画面D1を、表示装置5の表示部52に表示させるための画面情報を出力する。
【0064】
本実施形態の表示制御システム1によれば、ユーザは、複数の出入口201の各々に対応する第2画像G2を確認することで各出入口201における人の流れを直感的に把握することができる。したがって、本実施形態の表示制御システム1によれば、未来の混雑状況の予測をより行いやすい情報(マップ画面D1)をユーザに提供することができる。また、ユーザは、第3画像G3を確認することで隣接する2つの小エリアR0間における人の流れを直感的に把握することができる。したがって、本実施形態の表示制御システム1によれば、未来の混雑状況の予測をより行いやすい情報(マップ画面D1)をユーザに提供することができる。
【0065】
本実施形態の第1画像G1は、例えば円形状である図形部分と、各小エリアR0の混雑度の値を示す数字部分と、を含む。数字部分は図形部分上に配置される。表示制御部431は、各小エリアR0の混雑度の値に応じて、第1画像G1の表示態様を決定する。例えば、表示制御部431は、各小エリアR0の混雑度の値に応じて、第1画像G1の図形部分の色を決定する。本実施形態の表示制御部431は、各小エリアR0の混雑度が70%未満である場合、第1画像G1の図形部分の色を緑色に決定する。また、表示制御部431は、各小エリアR0の混雑度が70%以上かつ85%未満である場合、第1画像G1の図形部分の色を橙色に決定する。また、表示制御部431は、各小エリアR0の混雑度が85%以上である場合、第1画像G1の図形部分の色を赤色に決定する。なお、表示制御部431は、各小エリアR0の混雑度の値に応じて、第1画像G1のサイズを決定してもよいし、第1画像G1の数字部分の色を決定してもよい。
【0066】
本実施形態の第2画像G2は、矢印状の画像である。表示制御部431は、第1人数と第2人数との大小関係に応じて矢印状の画像(第2画像G2)の向きを決定する。第1人数が第2人数より多い場合、つまり出入口201を通過して所定エリア200に入った人の数が、出入口201を通過して所定エリア200から出た人の数より多い場合、表示制御部431は、矢印の終点(先端)が所定エリア200内を向くように矢印状の画像を決定する。一方で、第1人数が第2人数より少ない場合、つまり出入口201を通過して所定エリア200に入った人の数が、出入口201を通過して所定エリア200から出た人の数より少ない場合、表示制御部431は、矢印の終点(先端)が所定エリア200外を向くように矢印状の画像を決定する。
【0067】
本実施形態の表示制御システム1によれば、ユーザは、第2画像G2の向きを確認することで出入口201における人の流れを直感的に把握することができる。したがって、本実施形態の表示制御システム1によれば、未来の混雑状況の予測をより行いやすい情報(マップ画面D1)をユーザに提供することができる。
【0068】
また、表示制御部431は、出入口201における出入数が多くなる程、第2画像G2(矢印状の画像)のサイズを大きくする。例えば、表示制御部431は、第2画像G2のサイズを、小サイズ、中サイズ、及び大サイズの3つのサイズのいずれかに決定する。ここで、中サイズは、小サイズよりも矢印の外形が全体的に大きい。また、大サイズは、中サイズよりも矢印の外形が全体的に大きい。表示制御部431は、第1タイミングにおける出入口201がある小エリアR0に存在する人の数に対する、所定期間における出入口201の出入数の割合に基づいて、第2画像G2のサイズを決定する。表示制御部431は、割合が10%未満である場合に、第2画像G2を小サイズに決定する。また、表示制御部431は、割合が10%以上20%未満である場合に、第2画像G2を中サイズに決定する。また、表示制御部431は、割合が20%以上である場合に、第2画像G2を大サイズに決定する。
【0069】
本実施形態の表示制御システム1によれば、ユーザは、第2画像G2のサイズを確認することで出入口201における出入数を直感的に把握することができる。したがって、本実施形態の表示制御システム1によれば、未来の混雑状況の予測をより行いやすい情報(マップ画面D1)をユーザに提供することができる。
【0070】
なお、表示制御部431は、所定期間における出入数がゼロである出入口201がある場合、出入数がゼロである出入口201に対応する第2画像G2を生成しない。
【0071】
本実施形態の第3画像G3は、矢印状の画像である。表示制御部431は、隣接する2つの小エリアR0間の移動数の正負に応じて矢印状の画像(第3画像G3)の向きを決定する。2つの小エリアR0の一方から他方の小エリアR0に移動した人の数が、他方の小エリアR0から一方の小エリアR0に移動した人の数より多い場合、表示制御部431は、矢印の終点(先端)が他方の小エリアR0を向くように矢印状の画像を決定する。一方で、2つの小エリアR0の一方から他方の小エリアR0に移動した人の数が、他方の小エリアR0から一方の小エリアR0に移動した人の数より少ない場合、表示制御部431は、矢印の終点(先端)が一方の小エリアR0を向くように矢印状の画像を決定する。
【0072】
本実施形態の表示制御システム1によれば、ユーザは、第3画像G3の向きを確認することで隣接する2つの小エリアR0間における人の流れを直感的に把握することができる。したがって、本実施形態の表示制御システム1によれば、未来の混雑状況の予測をより行いやすい情報(マップ画面D1)をユーザに提供することができる。
【0073】
また、表示制御部431は、隣接する2つの小エリアR0間の移動数の絶対値が大きくなる程、第3画像G3(矢印状の画像)のサイズを大きくする。例えば、表示制御部431は、第3画像G3のサイズを、小サイズ、中サイズ、及び大サイズの3つのサイズのいずれかに決定する。ここで、中サイズは、小サイズよりも矢印の外形が全体的に大きい。また、大サイズは、中サイズよりも矢印の外形が全体的に大きい。表示制御部431は、第1タイミングにおける隣接する2つの小エリアR0のいずれか一方の小エリアR0に存在する人の数に対する、隣接する2つの小エリアR0間の移動数の割合に基づいて、第3画像G3のサイズを決定する。表示制御部431は、割合が10%未満である場合に、第3画像G3を小サイズに決定する。また、表示制御部431は、割合が10%以上20%未満である場合に、第3画像G3を中サイズに決定する。また、表示制御部431は、割合が20%以上である場合に、第3画像G3を大サイズに決定する。
【0074】
本実施形態の表示制御システム1によれば、ユーザは、第3画像G3のサイズを確認することで隣接する2つの小エリアR0間の移動数を直感的に把握することができる。したがって、本実施形態の表示制御システム1によれば、未来の混雑状況の予測をより行いやすい情報(マップ画面D1)をユーザに提供することができる。
【0075】
なお、表示制御部431は、所定期間における移動数がゼロである隣接する2つの小エリアR0がある場合、移動数がゼロである2つの小エリアR0間に対応する第2画像G2を生成しない。
【0076】
(3)表示制御システムの動作
次に、図5図7を参照して表示制御システム1の動作について説明する。図5は、表示制御システム1の動作を示すシーケンス図である。
【0077】
まず、検知システム2は、所定エリア200における人の検知情報を分析装置3に送信する(ステップS1)。分析装置3は、検知システム2の検知情報を受信すると、分析処理を行う(ステップS2)。具体的には、分析装置3は、各小エリアR0の混雑度、所定期間における各小エリアR0の増減数、所定期間における各出入口201の出入数、隣接する2つの小エリアR0間の移動数と、を求める。分析装置3は、分析処理を行うと、混雑度情報と、人数情報と、を表示制御装置4に送信する(ステップS3)。ここで、混雑度情報は、各小エリアR0の混雑度を示す情報である。人数情報は、所定期間における各小エリアR0の増減数、所定期間における各出入口201の出入数、及び隣接する2つの小エリアR0間の移動数を示す情報である。
【0078】
表示制御装置4は、混雑度情報及び人数情報に基づいて、画面生成処理を行う(ステップS4)。具体的には、表示制御装置4は、第1画像G1、第2画像G2、及び第3画像G3をマップ画像G0に重畳させたマップ画面D1を生成する。そして、表示制御装置4は、生成したマップ画面D1を表示装置5の表示部52に表示させるための画面情報を、表示装置5に送信する(ステップS5)。表示装置5は、表示制御装置4から受信した画面情報に基づいて、マップ画面D1を表示部52に表示する(ステップS6)。
【0079】
図6は、分析装置3の動作を示すフローチャートである。分析装置3は、検知システム2から検知情報を受信すると(ステップS11)、検知情報に基づいて、小エリアR0毎の混雑度を求める(ステップS12)。次に、分析装置3は、検知情報に基づいて第1人数及び第2人数を求めることで、所定期間における出入口201毎の出入数を求める(ステップS13、ステップS14)。次に、分析装置3は、検知情報に基づいて、小エリアR0毎の増減数を求める(ステップS15)。次に、分析装置3は、出入口201毎の出入数と、小エリアR0毎の増減数とに基づいて、所定期間における隣接する2つの小エリアR0間の移動数を求める(ステップS16)。そして、分析装置3は、混雑度情報及び人数情報を、表示制御装置4に送信して(ステップS17)、図6に示す処理を終了する。なお、図6のステップS12~ステップS16の処理は、図5の分析処理(ステップS2)に相当する。
【0080】
図7は、表示制御装置4の動作を示すフローチャートである。表示制御装置4は、分析装置3から混雑度情報及び人数情報を受信すると(ステップS21)、混雑度情報に基づいて、各小エリアR0の混雑度を示す第1画像G1を生成する(ステップS22)。次に、表示制御装置4は、人数情報に基づいて、各出入口201の出入数を示す第2画像G2を生成する(ステップS23)。次に、表示制御装置4は、人数情報に基づいて、隣接する2つの小エリアR0間の移動数を示す第3画像G3を生成する(ステップS24)。次に、表示制御装置4は、第1画像G1、第2画像G2、及び第3画像G3をマップ画像G0に重畳させたマップ画面D1を生成する(ステップS25)、そして、表示制御装置4は、マップ画面D1を表示装置5の表示部52に表示させるための画面情報を送信して(ステップS26)、図7に示す処理を終了する。なお、図7のステップS22~ステップS25の処理は、図5の画面生成処理(ステップS4)に相当する。
【0081】
なお、図5に示すシーケンス図、及び、図6図7に示すフローチャートは、一例に過ぎず、処理の順番が適宜変更されてもよいし、処理が適宜追加又は削除されてもよい。
【0082】
(4)変形例
以下、上記実施形態の変形例を列挙する。
【0083】
表示制御システム1と同様の機能は、表示制御方法、コンピュータプログラム、又はプログラムを記録した非一時的な記録媒体等で具現化されてもよい。一態様に係る表示制御方法は、1以上のプロセッサによって実行される。表示制御方法は、表示制御システム(1)に用いられる方法である。表示制御システム1は、検知システム2を備える。検知システム2は、所定エリア200における人の出入り、及び、所定エリア200に存在する人を検知する。表示制御方法は、分析ステップと、表示制御ステップと、を有する。分析ステップでは、検知システム2の検知結果を示す検知情報に基づいて、出入数と、所定エリア200の混雑度と、を求める。出入数は、所定期間内に所定エリア200に入った人の数である第1人数、及び、所定期間内に所定エリア200から出た人の数である第2人数から求まる数である。表示制御ステップでは、マップ画面D1を、表示部52に表示させるための画面情報を出力する。マップ画面D1は、第1画像G1と、第2画像G2とをマップ画像G0に重畳させた画面である。第1画像G1は、混雑度を示す。第2画像G2は、出入数を示す。マップ画像G0は、所定エリア200を含むマップの画像である。一態様に係るコンピュータプログラムは、上記の表示制御方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【0084】
本開示における表示制御システム1又は表示制御方法の実行主体は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における表示制御システム1又は表示制御方法の実行主体としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1又は複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1又は複数の電子回路で構成される。
【0085】
また、表示制御システム1における複数の機能が、1つの筐体内に集約されていることは表示制御システム1に必須の構成ではなく、表示制御システム1の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、表示制御システム1の少なくとも一部の機能、例えば、分析装置3又は表示制御装置4の一部の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
【0086】
上記実施形態において、複数の装置に分散されている表示制御システム1の少なくとも一部の機能が、1つの筐体内に集約されていてもよい。例えば、分析装置3と表示制御装置4とに分散されている表示制御システム1の一部の機能が、1つの筐体内に集約されていてもよい。また、表示制御装置4と表示装置5とに分散されている表示制御システム1の一部の機能が、1つの筐体内に集約されていてもよい。
【0087】
上記実施形態では、表示制御システム1の全ての構成が施設100に設けられる場合を例示した。しかし、表示制御システム1の一部の構成は、施設100とは別の施設に設けられてもよい。より具体的には、表示制御システム1の検知システム2以外の構成は、施設100とは別の施設に設けられてもよい。
【0088】
第1検知装置21は出入口201を撮像する撮像部とラインクロス検知を行う処理部とが複数の筐体に分散して設けられていてもよい。第2検知装置22は、小エリアR0を撮像する撮像部と、人の数を検知する処理部とが複数の筐体に分散して設けられていてもよい。
【0089】
検知システム2は、所定エリア200内に存在する人の位置を測定(推定)する測位システム(LPS:Local Positioning System)を含んでいてもよい。例えば、LPSは、施設100の所定エリア200を利用するユーザが携帯するビーコン発信機と、所定エリア200内に設けられた複数のビーコン受信機との通信情報に基づいて、ビーコン発信機(ユーザ)の位置を測定してもよい。また、LPSは、所定エリア200内に設けられた複数のビーコン発信機と、所定エリア200を利用するユーザが携帯するビーコン受信機との通信情報に基づいて、ビーコン受信機(ユーザ)の位置を測定してもよい。なお、ユーザが携帯するビーコン受信機は、例えばスマートフォン等の携帯端末であってもよい。さらに、ユーザが携帯するビーコン受信機は、表示装置5として機能してもよい。
【0090】
上記実施形態では、表示装置が所定エリア200に設けられる場合を例示した。しかし、表示装置5は、所定エリア200に設けられなくてもよい。表示装置5は、例えば、施設100を利用する人が所持又は携帯するスマートフォン及びタブレット等であってもよい。表示制御システム1が表示装置5を備えることは必須でなく、表示制御装置4は、表示制御システム1に含まれない表示装置に画面情報を送信してもよい。
【0091】
(まとめ)
以上述べた実施形態及び変形例から明らかなように、第1の態様に係る表示制御システム(1)は、検知システム(2)と、分析部(331)と、表示制御部(431)と、を備える。検知システム(2)は、所定エリア(200)における人の出入り、及び、所定エリア(200)に存在する人を検知する。分析部(331)は、検知システム(2)の検知結果を示す検知情報に基づいて、出入数と、所定エリア(200)の混雑度と、を求める。出入数は、第1人数、及び、第2人数から求まる。第1人数は、所定期間内に所定エリア(200)に入った人の数である。第2人数は、所定期間内に所定エリア(200)から出た人の数である。表示制御部(431)は、マップ画面(D1)を、表示部(52)に表示させるための画面情報を出力する。マップ画面(D1)は、第1画像(G1)と、第2画像(G2)とをマップ画像(G0)に重畳させた画面である。第1画像(G1)は、混雑度を示す。第2画像(G2)は、出入数を示す。マップ画像(G0)は、所定エリア(200)を含むマップの画像である。
【0092】
この態様によれば、未来の混雑状況の予測を行いやすい情報をユーザに提供することができる。
【0093】
第2の態様に係る表示制御システム(1)では、第1の態様において、所定エリア(200)は、区分けされた複数の小エリア(R0)を含む。検知システム(2)は、所定エリア(200)における人の出入り、及び、複数の小エリア(R0)の各々に存在する人を検知する。分析部(331)は、混雑度として、複数の小エリア(R0)の各々の混雑度を求める。分析部(331)は、検知システム(2)の検知情報に基づいて、移動数を求める。移動数は、所定期間内に複数の小エリア(R0)のうちの隣接する2つの小エリア(R0)間を移動した人の数に関する数である。表示制御部(431)は、移動数を示す第3画像(G3)を更にマップ画像(G0)に重畳させたマップ画面(D1)を、表示部(52)に表示させるための画面情報を出力する。
【0094】
この態様によれば、未来の混雑状況の予測をより行いやすい情報をユーザに提供することができる。
【0095】
第3の態様に係る表示制御システム(1)では、第2の態様において、検知システム(2)は、第1検知装置(21)と、複数の第2検知装置(22)と、を有する。第1検知装置(21)は、所定エリア(200)の出入口(201)を通過する人を検知する。複数の第2検知装置(22)は、複数の小エリア(R0)と一対一で対応し、対応する小エリア(R0)に存在する人を検知する。第1人数は、出入口(201)を通過して所定エリア(200)に入った人の数である。第2人数は、出入口(201)を通過して所定エリア(200)から出た人の数である。分析部(331)は、第1検知装置(21)の検知結果を示す第1検知情報に基づいて、出入数を求める。分析部(331)は、複数の第2検知装置(22)の各々の検知結果を示す第2検知情報に基づいて、複数の小エリア(R0)の各々の所定期間における人の増減数を求める。分析部(331)は、求めた出入数及び増減数に基づいて、移動数を求める。
【0096】
この態様によれば、簡単な計算で隣接する2つの小エリア(R0)間の移動数を求めるため、分析部(331)の演算負荷が大きくなることを抑制することができる。
【0097】
第4の態様に係る表示制御システム(1)では、第3の態様において、所定エリア(200)には出入口(201)が複数ある。検知システム(2)は、第1検知装置(21)を複数有する。複数の第1検知装置(21)は、複数の出入口(201)と一対一で対応する。分析部(331)は、複数の第1検知装置(21)の各々の第1検知情報に基づいて、複数の出入口(201)の各々における出入数を求める。表示制御部(431)は、複数の出入口(201)の各々の第2画像(G2)を、マップ画像(G0)に重畳させたマップ画面(D1)を、表示部(52)に表示させるための画面情報を出力する。
【0098】
この態様によれば、未来の混雑状況の予測をより行いやすい情報をユーザに提供することができる。
【0099】
第5の態様に係る表示制御システム(1)では、第2から第4のいずれか1つの態様において、移動数は、2つの小エリア(R0)の一方から他方に移動した人の数と、2つの小エリア(R0)の他方から一方に移動した人の数との差分を示す数である。表示制御部(431)は、移動数の正負に応じて向きが変わる矢印状の画像を、第3画像(G3)としてマップ画像(G0)に重畳させたマップ画面(D1)を、表示部(52)に表示させるための画面情報を出力する。
【0100】
この態様によれば、未来の混雑状況の予測をより行いやすい情報をユーザに提供することができる。
【0101】
第6の態様に係る表示制御システム(1)では、第5の態様において、表示制御部(431)は、移動数の絶対値が大きくなる程、矢印状の画像(第3画像G3)のサイズを大きくする。
【0102】
この態様によれば、未来の混雑状況の予測をより行いやすい情報をユーザに提供することができる。
【0103】
第7の態様に係る表示制御システム(1)では、第2から第6のいずれか1つの態様において、分析部(331)は、複数の小エリア(R0)の各々の最大収容人数を示す収容人数情報、及び、検知システム(2)の検知情報に基づいて、混雑度を求める。
【0104】
この態様によれば、分析部(331)の演算負荷が大きくなることを抑制することができる。
【0105】
第8の態様に係る表示制御システム(1)では、第1から第7のいずれか1つの態様において、表示制御部(431)は、第1人数と第2人数との大小関係に応じて向きが変わる矢印状の画像を、第2画像(G2)としてマップ画像(G0)に重畳させたマップ画面(D1)を、表示部(52)に表示させるための画面情報を出力する。
【0106】
この態様によれば、未来の混雑状況の予測をより行いやすい情報をユーザに提供することができる。
【0107】
第9の態様に係る表示制御システム(1)では、第8の態様において、表示制御部(431)は、出入数が多くなる程、矢印状の画像(第2画像G2)のサイズを大きくする。
【0108】
この態様によれば、未来の混雑状況の予測をより行いやすい情報をユーザに提供することができる。
【0109】
第1の態様以外の構成については、表示制御システム(1)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【0110】
第10の態様に係る表示制御方法は、1以上のプロセッサによって実行される。表示制御方法は、表示制御システム(1)に用いられる方法である。表示制御システム(1)は、検知システム(2)を備える。検知システム(2)は、所定エリア(200)における人の出入り、及び、所定エリア(200)に存在する人を検知する。表示制御方法は、分析ステップと、表示制御ステップと、を有する。分析ステップでは、検知システム(2)の検知結果を示す検知情報に基づいて、出入数と、所定エリア(200)の混雑度と、を求める。出入数は、所定期間内に所定エリア(200)に入った人の数である第1人数、及び、所定期間内に所定エリア(200)から出た人の数である第2人数から求まる数である。表示制御ステップでは、マップ画面(D1)を、表示部(52)に表示させるための画面情報を出力する。マップ画面(D1)は、第1画像(G1)と、第2画像(G2)とをマップ画像(G0)に重畳させた画面である。第1画像(G1)は、混雑度を示す。第2画像(G2)は、出入数を示す。マップ画像(G0)は、所定エリア(200)を含むマップの画像である。
【0111】
この態様によれば、未来の混雑状況の予測を行いやすい情報をユーザに提供することができる。
【0112】
第11の態様に係るプログラムは、第10の態様に係る表示制御方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【0113】
この態様によれば、未来の混雑状況の予測を行いやすい情報をユーザに提供することができる。
【符号の説明】
【0114】
1 表示制御システム
2 検知システム
200 所定エリア
201 出入口
21 第1検知装置
22 第2検知装置
331 分析部
431 表示制御部
52 表示部
D1 マップ画面
G0 マップ画像
G1 第1画像
G2 第2画像
G3 第3画像
R0 小エリア
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7