(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143811
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】給電システム及び負荷システム
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20241003BHJP
H02G 3/04 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
H02J7/00 302A
H02G3/04 050
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023056709
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 辰弥
(72)【発明者】
【氏名】奥田 高丸
(72)【発明者】
【氏名】兵頭 聡
【テーマコード(参考)】
5G357
5G503
【Fターム(参考)】
5G357DA06
5G357DA10
5G357DB01
5G357DC11
5G357DC20
5G357DD06
5G357DE05
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB02
5G503DA07
5G503GB06
(57)【要約】
【課題】本開示は、必要なときに、必要な場所へ、簡単に配置することができる給電システム及び負荷システムを提供することを目的とする。
【解決手段】給電システム1は、本体部B1と、支持部材5と、走行部材6と、給電部材7と、配線ダクト8と、を備える。本体部B1は、柱状部材3を含む。支持部材5は、本体部B1を、柱状部材3の長手方向が鉛直方向に沿うように支持する。走行部材6は、支持部材5を水平面に対して移動可能に支持する。配線ダクト8は、導電部材を有する。導電部材は、本体部B1に設けられた開口部の内側に配置されている。導電部材は、給電対象20が接続され、給電部材7から給電対象20への電力の供給路を構成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱状部材を含み、開口部が設けられた本体部と、
前記本体部を、前記柱状部材の長手方向が鉛直方向に沿うように支持する支持部材と、
前記支持部材を水平面に対して移動可能に支持する走行部材と、
前記支持部材の上方に配置されており、電力を出力する給電部材と、
導電部材を有する配線ダクトと、を備え、
前記導電部材は、前記本体部に設けられた前記開口部の内側に配置されており、給電対象が接続され、前記給電部材から前記給電対象への電力の供給路を構成する、
給電システム。
【請求項2】
前記柱状部材は、前記鉛直方向に伸縮可能である、
請求項1に記載の給電システム。
【請求項3】
前記柱状部材が前記鉛直方向に伸縮するとき、前記鉛直方向における前記配線ダクトの高さが変化し、
前記鉛直方向における前記配線ダクトの前記高さが所定の高さよりも低いとき、前記給電部材から前記給電対象への電力の供給を停止する給電制御部を更に備える、
請求項2に記載の給電システム。
【請求項4】
前記本体部は、
前記柱状部材としての第1柱状部材と、
前記第1柱状部材の上方に配置された第2柱状部材と、を含み、
前記給電システムが前記水平面に置かれているとき、前記第2柱状部材の長手方向は、水平方向に沿っており、
前記第2柱状部材には、前記第2柱状部材の前記長手方向に沿って延びており前記導電部材を内側に配置した前記開口部が設けられている、
請求項1に記載の給電システム。
【請求項5】
前記第2柱状部材のうち、前記導電部材が設けられた部位は、前記第1柱状部材に対して、移動及び回転の少なくとも一方が可能である、
請求項4に記載の給電システム。
【請求項6】
前記柱状部材には、前記鉛直方向に沿って延びており前記導電部材を内側に配置した前記開口部が設けられている、
請求項1に記載の給電システム。
【請求項7】
前記配線ダクトとして、直流電力を供給する第1配線ダクトと、交流電力を供給する第2配線ダクトと、を備え、
前記第2配線ダクトは、前記第1配線ダクトよりも上方に配置されている、
請求項1に記載の給電システム。
【請求項8】
前記給電部材から出力される交流電力を直流電力に変換し前記第1配線ダクトに出力するAC/DCコンバータを更に備える、
請求項7に記載の給電システム。
【請求項9】
前記給電対象を固定し、前記配線ダクトに着脱可能に接続される固定部材を更に備える、
請求項1に記載の給電システム。
【請求項10】
請求項9に記載の給電システムと、
前記固定部材に固定される前記給電対象と、を備える、
負荷システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に給電システム及び負荷システムに関し、より詳細には、配線ダクトを備える給電システム及びこの給電システムを備える負荷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の給電装置(給電システム)は、設置面に対して立設される支柱と、支柱に取り付けられた電源タップと、電源タップに対して電源を供給するバッテリと、を備える。使用者は、電気製品の電源ケーブルを、電源タップの電源コンセント用差込口に対して接続する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、必要なときに、必要な場所へ、簡単に配置することができる給電システム及び負荷システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係る給電システムは、本体部と、支持部材と、走行部材と、給電部材と、配線ダクトと、を備える。前記本体部は、柱状部材を含む。前記本体部には、開口部が設けられている。前記支持部材は、前記本体部を、前記柱状部材の長手方向が鉛直方向に沿うように支持する。前記走行部材は、前記支持部材を水平面に対して移動可能に支持する。前記給電部材は、前記支持部材の上方に配置されている。前記給電部材は、電力を出力する。前記配線ダクトは、導電部材を有する。前記導電部材は、前記本体部に設けられた前記開口部の内側に配置されている。前記導電部材は、給電対象が接続され、前記給電部材から前記給電対象への電力の供給路を構成する。
【0006】
本開示の一態様に係る負荷システムは、前記給電システムと、固定部材に固定される前記給電対象と、を備える。前記給電システムは、前記固定部材を更に備える。前記固定部材は、前記給電対象を固定し、前記配線ダクトに着脱可能に接続される。
【発明の効果】
【0007】
本開示は、必要なときに、必要な場所へ、給電システム及び負荷システムを簡単に配置することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る給電システムの側面図である。
【
図2】
図2は、同上の給電システムの正面図である。
【
図3】
図3は、同上の給電システムの正面図であって、柱状部材が収縮した状態を表す。
【
図4】
図4は、同上の給電システムの一部分の断面図である。
【
図5】
図5は、実施形態2に係る給電システムの側面図である。
【
図6】
図6は、同上の給電システムの正面図である。
【
図7】
図7は、同上の給電システムの一部分の断面図である。
【
図8】
図8は、実施形態3に係る給電システムの正面図である。
【
図9】
図9は、実施形態4に係る給電システムの正面図である。
【
図11】
図11は、実施形態5に係る給電システムの一部分の側面図である。
【
図12】
図12は、同上の給電システムの一部分の正面図である。
【
図13】
図13は、実施形態5の一変形例に係る給電システムの要部の斜視図である。
【
図14】
図14は、実施形態6に係る給電システムの要部の斜視図である。
【
図15】
図15は、同上の給電システムの要部の斜視図であって、脚部が伸長した状態を表す。
【
図16】
図16は、実施形態7に係る給電システムの斜視図である。
【
図17】
図17は、実施形態8に係る給電システムの部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
下記の各実施形態においては、本開示の給電システム及び負荷システムについて、図面を用いて説明する。ただし、下記の各実施形態は、本開示の様々な実施形態の一部に過ぎない。下記の各実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、下記の各実施形態(変形例を含む)は、適宜組み合わせて実現されてもよい。また、下記の各実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0010】
以下では、
図1に示す柱状部材3から見て支持部材5側を下、支持部材5から見て柱状部材3側を上とする。また、蓄電池ホルダ72から見て柱状部材3側を前、柱状部材3から見て蓄電池ホルダ72側を後ろとする。また、このように規定された上下方向及び前後方向の両方と直交する方向を、左右方向とする。より詳細には、
図2に示すように、前から見た左及び右をそれぞれ、給電システム1における左及び右と規定する。
図1等における前後、左右、上下を表す矢印はそれぞれ、説明のために表記しているに過ぎず、実体を伴わない。
【0011】
(実施形態1)
(概要)
図1、
図2に示すように、給電システム1は、給電部材7と、配線ダクト8と、を備える。配線ダクト8は、給電部材7から受け取った電力を、給電対象20へ出力する。給電対象20は、例えば、電気機器又は配線器具である。電気機器は、例えば、照明装置、プロジェクタ、音響装置(スピーカ等)、ディスプレイ、センサ、カメラ、気流発生装置、アロマディフューザー、又は、脱臭装置である。配線器具は、例えば、テーブルタップ、分岐用タップ、電力変換用アダプタ、照明装置用の引掛シーリング、又は、接触型又は非接触型の充電器である。
【0012】
給電システム1は、例えば、施設の床上に設置される。施設の種類は、特に限定されない。施設は、例えば、住宅、店舗、オフィス、工場、複合商業施設、図書館、美術館、博物館、遊戯施設、空港、鉄道駅、ホテル、介護施設又は病院である。
【0013】
図1、
図2に示すように、本実施形態の負荷システム2は、給電システム1と、給電対象20と、を備える。本実施形態の給電システム1は、給電部材7と、配線ダクト8と、に加えて、本体部B1と、支持部材5と、走行部材6と、を備える。本体部B1は、柱状部材3を含む。本体部B1には、開口部330が設けられている。支持部材5は、本体部B1を、柱状部材3の長手方向が鉛直方向に沿うように支持する。走行部材6は、支持部材5を水平面に対して移動可能に支持する。給電部材7は、支持部材5の上方に配置されている。給電部材7は、電力を出力する。配線ダクト8は、導電部材82(
図4参照)を有する。導電部材82は、本体部B1に設けられた開口部330の内側に配置されている。導電部材82は、給電対象20が接続され、給電部材7から給電対象20への電力の供給路を構成する。
【0014】
本実施形態によれば、配線ダクト8を備えた給電システム1は、走行部材6を用いて移動可能である。そのため、必要なときに、必要な場所へ、給電システム1を簡単に配置することができる。
【0015】
本実施形態においては、給電部材7は、蓄電池ホルダ72を有する。蓄電池ホルダ72には、蓄電部71を着脱可能に保持する。蓄電部71は、蓄電池711を含む。給電システム1は、蓄電池711から出力される電力を、導電部材82を介して、給電対象20へ供給する。給電部材7が蓄電池ホルダ72を有することにより、給電システム1を商用電源等の外部の電源に接続しなくても、給電対象20に電力を供給できる。
【0016】
(詳細)
以下では、本実施形態の給電システム1及び負荷システム2について、より詳細に説明する。
【0017】
(1)本体部
本体部B1は、柱状部材3を含む。本実施形態では、本体部B1は、柱状部材3のみからなる。
【0018】
柱状部材3は、例えば、金属を材料として形成されている。柱状部材3の形状は、直方体状である。柱状部材3の長手方向は、鉛直方向に沿っている。
【0019】
柱状部材3は、ベース31と、中間材32と、延伸部33と、を有する。ベース31、中間材32、及び、延伸部33の各々の形状は、直方体状である。ベース31、中間材32、及び、延伸部33の各々の長手方向は、鉛直方向に沿っている。
【0020】
中間材32は、ベース31の上端に接続されている。延伸部33は、中間材32の上端に接続されている。これにより、柱状部材3が、1つの直方体状の部材として形成されている。
【0021】
ベース31と延伸部33とのうち少なくとも一方は、中間材32を収容可能な内部空間を有している。ここでは、中間材32を収容可能な内部空間を、ベース31が有しているとして説明する。ベース31は、ロック機構を有している。ロック機構は、作業者の操作により、ロック状態とアンロック状態とが切替え可能に構成されている。ロック状態は、中間材32が自重によりベース31の内部空間に入ることを抑制する状態である。これにより、
図1、
図2に示すように、延伸部33とベース31との間における中間材32の長さが維持される。アンロック状態では、中間材32の少なくとも一部が自重によりベース31の内部空間に入る。これにより、
図3に示すように、鉛直方向における柱状部材3の長さが短くなる。このように、柱状部材3は、鉛直方向に伸縮可能である。
【0022】
次に、中間材32を収容可能な内部空間を、延伸部33が有しているとして説明する。延伸部33は、ロック機構を有している。ロック機構は、作業者の操作により、ロック状態とアンロック状態とが切替え可能に構成されている。ロック状態は、延伸部33が自重により下へ移動して、中間材32が延伸部33の内部空間に入ることを抑制する状態である。これにより、
図1、
図2に示すように、延伸部33とベース31との間における中間材32の長さが維持される。アンロック状態では、延伸部33が自重により下へ移動して、中間材32の少なくとも一部が延伸部33の内部空間に入る。これにより、
図3に示すように、鉛直方向における柱状部材3の長さが短くなる。このように、柱状部材3は、鉛直方向に伸縮可能である。
【0023】
例えば、給電システム1を移動させる際に、作業者は、柱状部材3を鉛直方向に収縮させる。これにより、給電システム1が天井の低い場所(例えば、部屋の出入口、及び、エレベーターの出入口等)を通過することが可能となる。
【0024】
図2に示すように、給電システム1は、複数(
図2では2つ)のUSB(Universal Serial Bus)接続部91と、複数(
図2では2つ)のAC(交流)接続部92と、電源ボタン93と、を更に備える。ベース31は、複数のUSB接続部91と、複数のAC接続部92と、電源ボタン93と、を保持している。
【0025】
USB接続部91は、USBプラグを接続可能なレセプタクルである。給電システム1は、USB接続部91から、USBプラグを介して、電気機器又は配線器具等の給電対象に直流電力を供給可能である。
【0026】
AC接続部92は、コンセントプラグを接続可能なアウトレットである。給電システム1は、AC接続部92から、コンセントプラグを介して、電気機器又は配線器具等の給電対象に交流電力を供給可能である。
【0027】
電源ボタン93は、作業者の操作を受け付ける。給電システム1は、電源ボタン93への操作に応じて、配線ダクト8や複数のUSB接続部91、及び、複数のAC接続部92から給電対象へ電力を供給する状態と、給電対象への電力の供給を遮断する状態とを切り替える。USB接続部91及びAC接続部92から出力される電力は、給電部材7から供給される。
【0028】
(2)配線ダクト
配線ダクト8は、延伸部33と一体化されている。
図4に示すように、配線ダクト8は、外郭としての延伸部33に加えて、2つのレール部材81と、2つの導電部材82と、を有する。
【0029】
図2、
図4に示すように、延伸部33は、開口部330を含む。開口部330には、2つのレール部材81が収容されている。
【0030】
2つのレール部材81の各々の長手方向は、鉛直方向に沿っている。鉛直方向と直交する断面におけるレール部材81の形状は、U字状である。レール部材81は、電気絶縁性を有する。レール部材81は、例えばPVC(polyvinyl chloride)等の合成樹脂材料により形成されている。
【0031】
2つのレール部材81は、2つの導電部材82と一対一で対応している。各レール部材81は、その内側に、対応する導電部材82を保持している。つまり、柱状部材3に設けられた開口部330は、鉛直方向に沿って延びており、導電部材82を内側に配置している。
【0032】
2つの導電部材82の各々は、例えば、金属板である。2つの導電部材82の各々の長手方向は、鉛直方向に沿っている。2つの導電部材82の間には、直流電圧が印加される。2つの導電部材82のうち一方は、他方よりも高電位となる。
【0033】
給電対象20は、配線ダクト8に取り付けられる。例えば、給電対象20は、複数(
図4では2つ)のカムロック部201を有し、配線ダクト8の延伸部33は、複数(
図4では2つ)の凹部331を有する。複数のカムロック部201が複数の凹部331に挿入されることで、給電対象20が延伸部33に取り付けられる。
【0034】
給電対象20は、2つの受電端子を有し、2つの受電端子は、2つの導電部材82に接触する。これにより、2つの受電端子が2つの導電部材82に電気的に接続される。給電対象20は、2つの受電端子を介して、2つの導電部材82から直流電力の供給を受けることができる。
【0035】
延伸部33において、給電対象20は、開口部330が設けられた任意の位置に取付可能である。また、延伸部33には、複数の給電対象20を取付可能である。
【0036】
(3)給電部材
本実施形態の給電部材7は、電力を発生する部材である。
図1に示すように、給電部材7は、蓄電部71と、蓄電池ホルダ72と、を有する。
【0037】
蓄電部71は、蓄電池711として、例えば、リチウムイオン電池を含む。また、蓄電部71は、蓄電池711を収容する筐体710を含む。筐体710は、取っ手712(
図14参照)を有することが好ましい。
【0038】
蓄電池ホルダ72は、蓄電部71を保持する。蓄電池ホルダ72は、上面に挿入口720(開口部)を有し、挿入口720を通して蓄電部71を出し入れ可能に構成されている。また、蓄電池ホルダ72は、蓄電池711の端子と電気的に接続される端子を有する。蓄電池ホルダ72は、端子を介して蓄電池711から電力を受電し、受電した電力を、配線ダクト8の2つの導電部材82へ供給する。よって、蓄電池711から出力された電力は、2つの導電部材82を介して給電対象20へ供給される。
【0039】
なお、給電システム1は、蓄電池711を充電するための充電回路を備えていてもよい。充電回路は、例えば、蓄電池ホルダ72に組み込まれていてもよい。
【0040】
蓄電池ホルダ72は、支持部材5の上に載せ置かれて、支持部材5に固定されている。これにより、給電システム1の重心の位置が比較的低くなり、給電システム1の姿勢が安定する。
【0041】
また、蓄電池ホルダ72は、ベース31に固定されている。より詳細には、給電システム1が水平面に置かれているとき、支持部材5の上において、蓄電池ホルダ72とベース31とが水平方向に並んでおり、蓄電池ホルダ72とベース31とが互いに面接触した状態で、蓄電池ホルダ72がベース31に固定されている。これにより、給電システム1の姿勢が更に安定する。
【0042】
給電システム1が水平面に置かれているとき、柱状部材3の開口部330と蓄電池ホルダ72とは、柱状部材3の中心に対して、水平方向において互いに反対側に位置する。より詳細には、柱状部材3のうち開口部330が設けられた面(前面)と反対側の面(後面)が、蓄電池ホルダ72に対向している。これにより、開口部330を通して給電対象20が2つの導電部材82に接続されたとき、給電対象20と蓄電池ホルダ72とは、柱状部材3を基準として互いに反対側に位置することになる。よって、給電システム1の重心の位置が中心寄りになるので、支持部材5は柱状部材3を安定的に支持することができる。
【0043】
蓄電池ホルダ72において、挿入口720が設けられた上面は、傾斜している。より詳細には、
図1に示すように、蓄電池ホルダ72の上面は、柱状部材3から離れた位置ほど下に位置するように傾斜している。これにより、蓄電池ホルダ72から蓄電部71を取り出しやすくなる。
【0044】
(4)支持部材
支持部材5は、台座50を有する。本実施形態の支持部材5は、台座50のみからなる。台座50の形状は、例えば、円盤状である。台座50の上面501は平面状であり、床面F10と略平行である。台座50の上面501には、ベース31と、蓄電池ホルダ72と、が載せ置かれており、ベース31と、蓄電池ホルダ72とは、台座50に固定されている。
【0045】
(5)走行部材
本実施形態の給電システム1は、走行部材6を複数(
図2では4つ)備える。各走行部材6は、例えば、車輪を含むキャスターである。走行部材6は、車輪の回転を止める位置と、車輪の回転を妨げない位置と、の2つの位置の間を移動するストッパを更に含むことが好ましい。
【0046】
柱状部材3のベース31が延伸部33よりも下に位置し、かつ、柱状部材3の長手方向が鉛直方向に沿うように給電システム1が置かれているとき、複数の走行部材6は床面F10に接触した状態となる。複数の走行部材6は、支持部材5を水平面(床面F10)に対して移動可能に支持している。すなわち、作業者が給電システム1に対して押す又は引っ張る等の操作をすると、各走行部材6の車輪が床面F10上を転がりながら、給電システム1全体が床面と平行に移動する。
【0047】
なお、複数の走行部材6は水平面上を走行可能であるが、複数の走行部材6が走行する床面F10は、必ずしも水平面でなくてもよく、例えば、斜面であってもよい。
【0048】
(6)その他の構成
図1、
図2に示すように、給電システム1は、表示端末94と、アーム95と、を更に備える。
【0049】
表示端末94は、例えば、タブレットコンピュータである。表示端末94は、ディスプレイを含む。表示端末94の表示面は、前に向いている。表示端末94は、情報を表示する。表示端末94は、例えば、給電システム1が設置された施設の利用に関する情報を表示する。表示端末94で表示される情報は、表示端末94のメモリに記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0050】
表示端末94は、表示端末94が備えている内蔵バッテリ(蓄電池)の電力により動作する。内蔵バッテリは、給電部材7から出力される電力により充電される。なお、表示端末94が内蔵バッテリを備えていない場合に、表示端末94は、給電部材7から出力される電力により動作してもよい。
【0051】
アーム95は、支持部材5に固定されている。アーム95は、表示端末94を支持する。アーム95は、支持部材5に固定された第1の構成951と、表示端末94を支持している第2の構成952と、を有し、第2の構成952は、第1の構成951に対して回転可能である。より詳細には、第2の構成952は、
図1の矢印Y1の方向に回転可能である。第2の構成952が第1の構成951に対して回転することにより、表示端末94の向きが変わる。つまり、アーム95は、表示端末94の向きを変更可能な状態で、表示端末94を支持する。
【0052】
(実施形態1の変形例)
以下、実施形態1の変形例を列挙する。以下の変形例は、適宜組み合わせて実現されてもよい。また、以下の変形例は、実施形態1に限らず、他の実施形態でも実現可能である。
【0053】
柱状部材3が伸縮可能であることは、必須ではない。
【0054】
給電システム1が蓄電池711を含むことは、必須ではない。つまり、給電部材7が蓄電池711を含むことは、必須ではない。給電部材7が蓄電池ホルダ72を含むとき、給電部材7は、蓄電池ホルダ72が蓄電池711から受電した電力を出力するための構成であってもよい。
【0055】
給電システム1は、複数の蓄電池711を備えていてもよい。例えば、給電システム1は、複数の給電部材7を備え、複数の給電部材7の各々が蓄電池711を有していてもよい。あるいは、1つの給電部材7が複数の蓄電池711を有していてもよい。つまり、1つの蓄電池ホルダ72が複数の蓄電池711を保持していてもよい。
【0056】
給電システム1は、複数の蓄電池ホルダ72を備えていてもよい。
【0057】
開口部330が設けられる面は、柱状部材3の前面に限定されない。例えば、柱状部材3の前面、後面、左側面、及び、右側面のうち、少なくとも1つの面に開口部330が設けられていてもよい。複数の開口部330が設けられる場合、複数の開口部330に対応して、複数の配線ダクト8が設けられる。
【0058】
給電システム1は、台を備えていてもよい。台は、例えば、柱状部材3に取り付けられる。台には、例えば、給電対象20を置くことができる。
【0059】
走行部材6は、車輪を含むキャスターに限定されず、例えば、無限軌道(キャタピラー(登録商標))であってもよい。
【0060】
柱状部材3と、給電部材7と、支持部材5とは、互いに分解可能であってもよい。これにより、給電システム1を組み立てる前の段階で、柱状部材3と、給電部材7と、支持部材5とを運搬しやすくなる。
【0061】
(実施形態2)
以下、実施形態2に係る給電システム1A及び負荷システム2Aについて、
図5~
図7を用いて説明する。実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0062】
以下では、柱状部材3を、第1柱状部材3とも呼ぶ。また、配線ダクト8を、第1配線ダクト8とも呼ぶ。
【0063】
給電システム1Aは、第2配線ダクト8aを更に備える。また、給電システム1Aの本体部B1は、第1柱状部材3に加えて、第2柱状部材4を更に含む。第2柱状部材4は、例えば、金属を材料として形成されている。第2柱状部材4の形状は、直方体状である。
【0064】
第2柱状部材4は、第1柱状部材3の上方に配置されている。より詳細には、第2柱状部材4は、第1柱状部材3の上端につながっている。
【0065】
給電システム1Aが水平面に置かれているとき、第2柱状部材4の長手方向は、水平方向に沿っている。より詳細には、第2柱状部材4の長手方向は、左右方向に沿っている。
【0066】
第2柱状部材4は、第1柱状部材3よりも前に配置されている(
図5参照)。また、第2柱状部材4は、第1柱状部材3に対して左と右にそれぞれ延びている(
図6参照)。
【0067】
図7に示すように、第2柱状部材4には、開口部430が設けられている。開口部430は、第2柱状部材4の下面に設けられている。開口部430は、第2柱状部材4の長手方向に沿って延びている。開口部430は、2つの導電部材82aを内側に配置している。
【0068】
第2配線ダクト8aは、第2柱状部材4と一体化されている。第2配線ダクト8aは、外郭としての第2柱状部材4に加えて、2つのレール部材81aと、2つの導電部材82aと、を有する。第2配線ダクト8aの構成は、第1配線ダクト8の構成と同様であってよい。
【0069】
第2柱状部材4の開口部430には、2つのレール部材81aが収容されている。
【0070】
2つのレール部材81aの各々の長手方向は、左右方向に沿っている。左右方向と直交する断面におけるレール部材81の形状aは、U字状である。レール部材81aは、電気絶縁性を有する。レール部材81aは、例えばPVC(polyvinyl chloride)等の合成樹脂材料により形成されている。
【0071】
2つのレール部材81aは、2つの導電部材82aと一対一で対応している。各レール部材81aは、その内側に、対応する導電部材82aを保持している。
【0072】
2つの導電部材82aの各々は、例えば、金属板である。2つの導電部材82aの各々の長手方向は、左右方向に沿っている。2つの導電部材82aの間には、給電部材7から出力された直流電圧が印加される。2つの導電部材82aのうち一方は、他方よりも高電位となる。
【0073】
給電対象20は、第2配線ダクト8aに取り付けられる。例えば、給電対象20は、複数(
図7では2つ)のカムロック部201を有し、第2配線ダクト8aの第2柱状部材4は、複数(
図7では2つ)の凹部431を有する。複数のカムロック部201が複数の凹部431に挿入されることで、給電対象20が第2柱状部材4に取り付けられる。
【0074】
給電対象20は、2つの受電端子を有し、2つの受電端子は、2つの導電部材82aに接触する。これにより、2つの受電端子が2つの導電部材82aに電気的に接続される。給電対象20は、2つの受電端子を介して、2つの導電部材82aから直流電力の供給を受けることができる。このように、給電部材7から出力された電力は、2つの導電部材82aを介して給電対象20へ供給される。
【0075】
第2柱状部材4において、給電対象20は、開口部430が設けられた任意の位置に取付可能である。また、第2柱状部材4には、複数の給電対象20を取付可能である。
【0076】
本実施形態では、第1柱状部材3と第2柱状部材4とにそれぞれ給電対象20を取り付けて、各給電対象20に電力を供給可能である。
【0077】
(実施形態2の変形例)
以下、実施形態2の変形例を列挙する。以下の変形例は、適宜組み合わせて実現されてもよい。
【0078】
第2柱状部材4のうち、2つの導電部材82aが設けられた部位は、第1柱状部材3に対して、移動及び回転の少なくとも一方が可能であってもよい。つまり、第2配線ダクト8aは、第1柱状部材3に対して、移動及び回転の少なくとも一方が可能であってもよい。例えば、第2配線ダクト8aが第1柱状部材3を軸として回転することで、
図5に一点鎖線で示すように、第1柱状部材3からの第2配線ダクト8aの突出方向が変化してもよい。あるいは、第2柱状部材4が長手方向に伸長することで、
図6に一点鎖線で示すように、第1柱状部材3と第2配線ダクト8aとの間の、上記長手方向における距離が変化してもよい。
【0079】
開口部430が設けられる面は、第2柱状部材4の下面に限定されない。例えば、第2柱状部材4の前面、後面、上面、及び、下面のうち、少なくとも1つの面に開口部430が設けられていてもよい。複数の開口部430が設けられる場合、複数の開口部430に対応して、複数の第2配線ダクト8aが設けられる。
【0080】
図5、
図6に示す例では、第2柱状部材4が第1柱状部材3から左、右、及び、前に突出している。しかしながら、第2柱状部材4が第1柱状部材3から突出している方向は、特に限定されない。例えば、第2柱状部材4は、第1柱状部材3から、前、後ろ、右及び左のうち、少なくとも1方向に突出していてもよい。
【0081】
(実施形態3)
以下、実施形態3に係る給電システム1B及び負荷システム2Bについて、
図8を用いて説明する。実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0082】
本実施形態では、柱状部材3の構成が、実施形態1と相違する。柱状部材3は、ベース31と、延伸部33と、を有する。
【0083】
延伸部33は、ベース31の上端に接続されている。ベース31は、延伸部33を収容可能な内部空間を有している。延伸部33の少なくとも一部がベース31の内部空間に入ることで、鉛直方向における柱状部材3の長さが短くなる。また、延伸部33がベース31の内部空間から出て、ベース31の上方へ突出することで、
図8に一点鎖線で示すように、鉛直方向における柱状部材3の長さが長くなる。このように、柱状部材3は、鉛直方向に伸縮可能である。
【0084】
ベース31は、ロック機構を有している。ロック機構は、作業者の操作により、ロック状態とアンロック状態とが切替え可能に構成されている。ロック状態は、延伸部33が自重によりベース31の内部空間に入ることを抑制する状態である。これにより、
図8に一点鎖線で示すように、延伸部33がベース31の上端から上方に突出した状態に維持される。アンロック状態では、延伸部33の少なくとも一部が自重によりベース31の内部空間に入る。これにより、
図8に実線で示すように、鉛直方向における柱状部材3の長さが短くなる。
【0085】
なお、柱状部材3は、ベース31の少なくとも一部が延伸部33の内部空間に入ることで、鉛直方向における柱状部材3の長さが短くなるように構成されていてもよい。
【0086】
(実施形態4)
以下、実施形態4に係る給電システム1C及び負荷システム2Cについて、
図9を用いて説明する。実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0087】
本実施形態では、柱状部材3の構成が、実施形態1と相違する。柱状部材3は、ベース31と、第1延伸部34と、第2延伸部35と、を有する。
【0088】
ベース31、第1延伸部34、及び、第2延伸部35の各々の形状は、直方体状である。ベース31、第1延伸部34、及び、第2延伸部35の各々の長手方向は、鉛直方向に沿っている。
【0089】
第1延伸部34は、ベース31の上端に接続されている。第2延伸部35は、第1延伸部34の上端に接続されている。これにより、柱状部材3が、1つの直方体状の部材として形成されている。
【0090】
給電システム1Cは、直流電力を供給する第1配線ダクト8bと、交流電力を供給する第2配線ダクト8cと、を備える。第2配線ダクト8cは、第1配線ダクト8bよりも上方に配置されている。そのため、交流電力の配線を高所に配置することを要件とする安全基準を、給電システム1Cが満たしやすい。第2配線ダクト8cは、床面F10から1800mm以上の高さに配置されることが好ましい。第2配線ダクト8cが床面F10から1800mm以上の高さに配置されるとは、第2配線ダクト8cの下端から床面F10までの長さが1800mm以上であることを言う。
【0091】
第1配線ダクト8bは、第1延伸部34と一体化されている。第1配線ダクト8bは、外郭としての第1延伸部34に加えて、2つのレール部材と、2つの導電部材と、を有する。第1延伸部34は、開口部340を含む。開口部340には、2つのレール部材が収容されている。第1配線ダクト8bの構成は、実施形態1の配線ダクト8(
図4参照)と同様であるから、詳細な説明を省略する。
【0092】
第2配線ダクト8cは、第2延伸部35と一体化されている。第2配線ダクト8cは、外郭としての第2延伸部35に加えて、2つのレール部材と、2つの導電部材と、を有する。第2延伸部35は、開口部350を含む。開口部350には、2つのレール部材が収容されている。第2配線ダクト8cの構成は、実施形態1の配線ダクト8(
図4参照)と同様であるから、詳細な説明を省略する。
【0093】
なお、実施形態1と同様に、柱状部材3を、鉛直方向に伸縮可能に構成してもよい。
【0094】
第1配線ダクト8bの2つの導電部材には、直流電力が供給される。第2配線ダクト8cの2つの導電部材には、交流電力が供給される。
【0095】
次に、第1配線ダクト8b及び第2配線ダクト8cへ電力を供給するための構成について、
図10を参照して説明する。
【0096】
給電システム1Cは、例えば、AC/DCコンバータ96と、給電制御部97と、2つの給電部材7と、を備える。2つの給電部材7のうち一方は、蓄電池711を有する第1給電部材7aであり、他方は、交流電源PS1に接続される第2給電部材7b(AC接続部)である。
【0097】
第1給電部材7aは、蓄電池711と、蓄電池ホルダ72(
図1参照)と、インバータ73と、を有する。蓄電池711の出力端子は、蓄電池ホルダ72に設けられた端子を介して、インバータ73の入力端子に電気的に接続されている。インバータ73は、蓄電池711から出力された直流電力を交流電力に変換する。第2配線ダクト8cには、インバータ73から出力された交流電力が供給される。
【0098】
また、AC/DCコンバータ96は、インバータ73から出力された交流(AC)電力を電力変換することで、直流(DC)電力を生成する。AC/DCコンバータ96で生成された直流電力は、第1配線ダクト8bに供給される。
【0099】
第2給電部材7bは、交流電源PS1から供給された交流電力を受電する。交流電源PS1は、例えば、商用電源である。第2給電部材7bは、例えば、コンセントプラグである。第2給電部材7bは、交流電源PS1から供給された交流電力を、第2配線ダクト8cと、AC/DCコンバータ96と、に供給する。
【0100】
AC/DCコンバータ96は、第2給電部材7bから出力された交流電力を電力変換することで、直流電力を生成する。AC/DCコンバータ96で生成された直流電力は、第1配線ダクト8bに供給される。
【0101】
給電制御部97は、例えば、マイクロコントローラを含む。給電制御部97は、インバータ73及びAC/DCコンバータ96の各々の動作を制御する。
【0102】
なお、
図10に示すインバータ73、AC/DCコンバータ96、給電制御部97、及び、第2給電部材7bは、本実施形態の給電システム1Cに限らず、他の実施形態の給電システムにも備えられていてもよい。また、実施形態2の第2配線ダクト8aに、交流電力が供給されてもよい。
【0103】
(実施形態4の変形例)
以下、実施形態4の変形例を列挙する。以下の変形例は、適宜組み合わせて実現されてもよい。また、以下の変形例は、実施形態4に限らず、他の実施形態でも実現可能である。
【0104】
(第1変形例)
第1配線ダクト8bには、蓄電池711から出力された電力が直接、供給されてもよい。
【0105】
(第2変形例)
給電システム1Cが第1給電部材7aと第2給電部材7bとの両方を備えることは、必須ではない。給電システム1Cは、第1給電部材7aと第2給電部材7bとのうち少なくとも一方を備えていればよい。
【0106】
(第3変形例)
給電システム1Cは、蓄電池711に代えて、直流電力を受電する受電部材(例えば、直流コンセント用プラグ)を備えていてもよい。
【0107】
(第4変形例)
上述の通り、実施形態4において、柱状部材3を、鉛直方向に伸縮可能に構成してもよい。さらに、柱状部材3が鉛直方向に伸縮するとき、鉛直方向における配線ダクト(第1配線ダクト8b及び第2配線ダクト8c)の高さが変化してもよい。例えば、実施形態1の
図2に示すように、柱状部材3のうち伸縮する部分よりも上に配線ダクト8が配置されていれば、柱状部材3が鉛直方向に伸縮するとき、鉛直方向における配線ダクト8の高さが変化する。同様に、実施形態4において、柱状部材3のうち伸縮する部分よりも上に第1配線ダクト8b及び第2配線ダクト8cが配置されていれば、柱状部材3が鉛直方向に伸縮するとき、鉛直方向における第1配線ダクト8b及び第2配線ダクト8cの高さが変化する。
【0108】
さらに、給電制御部97は、鉛直方向における配線ダクト(第1配線ダクト8b及び第2配線ダクト8c)の高さが所定の高さよりも低いとき、給電部材(第1給電部材7a及び第2給電部材7b)から給電対象20への電力の供給を停止してもよい。
【0109】
具体的には、給電制御部97は、インバータ73及びAC/DCコンバータ96の少なくとも一方の動作を制御することにより、第1給電部材7aから第1配線ダクト8bへの電力の供給を停止し、これにより、第1配線ダクト8bに接続された給電対象20への電力の供給を停止してもよい。
【0110】
また、給電制御部97は、インバータ73の動作を制御することにより、第1給電部材7aから第2配線ダクト8cへの電力の供給を停止し、これにより、第2配線ダクト8cに接続された給電対象20への電力の供給を停止してもよい。
【0111】
また、給電制御部97は、AC/DCコンバータ96の動作を制御することにより、第2給電部材7bから第1配線ダクト8bへの電力の供給を停止し、これにより、第1配線ダクト8bに接続された給電対象20への電力の供給を停止してもよい。
【0112】
また、第2給電部材7bと第2配線ダクト8cとの間にメカニカルスイッチ又は半導体スイッチ等の電流制限素子を設けてもよい。給電制御部97は、電流制限素子を制御することにより、第2給電部材7bから第2配線ダクト8cへの電力の供給を停止し、これにより、第2配線ダクト8cに接続された給電対象20への電力の供給を停止してもよい。
【0113】
第1配線ダクト8bと第2配線ダクト8cとのうち、一方のみ(すなわち、第1配線ダクト8bのみ)の高さが所定の高さよりも低いときは、高さが所定の高さよりも低い方の配線ダクト(すなわち、第1配線ダクト8b)に接続された給電対象20への電力の供給を停止すればよい。
【0114】
第1配線ダクト8bが所定の高さよりも低くなるように柱状部材3を収縮させた後、作業者は、第1配線ダクト8bへの給電を停止する操作を要することなく、第1配線ダクト8bに給電対象20を接続する作業、又は、第1配線ダクト8bから給電対象20を取り外す作業を行うことができる。これにより、作業性を向上させることができる。
【0115】
(実施形態5)
以下、実施形態5に係る給電システム1D及び負荷システム2Dについて、
図11、
図12を用いて説明する。実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0116】
本実施形態の給電システム1Dは、固定部材10を更に備える。固定部材10は、給電対象20を固定し、配線ダクト8に着脱可能に接続される。固定部材10を用いることで、給電対象20を配線ダクト8に安定的に取り付けることができる。
【0117】
固定部材10は、正面壁101と、2つの側壁102と、2つの把持部103と、ストッパ104と、操作部105と、挿入部材106と、を有する。
【0118】
正面壁101は、柱状部材3の開口部330の一部を覆うように、柱状部材3に対向して配置される。2つの側壁102は、正面壁101から一方向に突出している。
【0119】
固定部材10が配線ダクト8に接続されているとき、2つの側壁102は左右方向において互いに対向する。また、このとき、2つの側壁102の先端(正面壁101側とは反対側)が、柱状部材3の前面(開口部330が設けられた面)に接触する。さらに、このとき、正面壁101と柱状部材3の前面との間に隙間が存在する。
【0120】
2つの把持部103は、2つの側壁102と一対一で対応する。各把持部103は、対応する側壁102から突出している。2つの把持部103のうち一方は、柱状部材3の左側面に沿って配置され、他方は、柱状部材3の右側面に沿って配置される。これにより、2つの把持部103は、2つの把持部103の間に柱状部材3を挟むように配置される。
【0121】
ストッパ104は、正面壁101と、2つの側壁102と、に囲まれた空間に設けられる。固定部材10の上面には、開口部107が設けられており、開口部107は、上記空間につながっている。給電対象20の一部分は、開口部107を通して、上記空間に挿入される。給電対象20の一部分は、ストッパ104に当たるまで、奥へ(下へ)挿入される。
【0122】
操作部105は、作業者の操作を受け付ける。操作部105は、例えば、ダイヤル形の部材である。操作部105は、
図12に矢印Y2で示すように回転可能である。
【0123】
挿入部材106は、2つの側壁102の間に配置されている。挿入部材106の形状は、例えば、長方形状の板状である。挿入部材106は、操作部105への操作に応じて回転する。例えば、挿入部材106の向きは、操作部105の向きと一致する。
【0124】
固定部材10を配線ダクト8に取り付ける手順について説明する。まず、操作部105を操作することにより、挿入部材106の長手方向が上下方向に沿うように、挿入部材106の向きを調整する。この状態で、挿入部材106を柱状部材3の開口部330に挿入する。次に、操作部105を操作することにより、挿入部材106の長手方向が左右方向に沿うように、挿入部材106の向きを調整する。挿入部材106の長手方向の長さは、開口部330の左右方向の長さよりも長い。そのため、挿入部材106が開口部330から抜け落ちない状態となる。以上により、固定部材10が配線ダクト8に取り付けられる。また、固定部材10を配線ダクト8に取り付けるときとは反対の手順により、固定部材10を配線ダクト8から取り外すことができる。
【0125】
挿入部材106の長手方向の両端は、
図4で示した2つのカムロック部201に相当する構成である。つまり、給電対象20が2つのカムロック部201を有していない場合であっても、固定部材10を用いることで、給電対象20を配線ダクト8に取り付けることができる。
【0126】
なお、
図11、
図12に示した固定部材10の形状は一例に過ぎず、固定部材10の形状は、適宜変更が可能である。例えば、
図13に示すように、正面壁101に、正面壁101の上端から窪んだ凹部108を設けて、凹部108に給電対象20の一部分を通すようにしてもよい。
【0127】
(実施形態6)
以下、実施形態6に係る給電システム1E及び負荷システム2Eについて、
図14、
図15を用いて説明する。実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0128】
本実施形態の給電システム1Eは、支持部材5の形状が、実施形態1と相違する。支持部材5は、台座50と、複数の脚部51と、を有する。脚部51の個数は、3本以上であればよい。本実施形態では支持部材5は、4本の脚部51を有する。
【0129】
また、給電システム1Eは、4つの走行部材6を備える。4つの走行部材6は、4本の脚部51と一対一で対応している。
【0130】
4本の脚部51の各々は、連結部511と、伸長部512と、を含む。連結部511及び伸長部512の各々の形状は、直方体状である。連結部511の長手方向は、伸長部512の長手方向に沿っている。
【0131】
連結部511の長手方向の第1端は、台座50につながっている。連結部511の長手方向の第2端には、伸長部512の第1端が接続されている。これにより、脚部51が、1つの直方体状の部材として形成されている。
【0132】
4本の脚部51の各々において、伸長部512の第2端には、対応する走行部材6が接続されている。すなわち、4本の脚部51の各々には、4つ以上の走行部材6のうち対応する走行部材6が取り付けられている。
【0133】
4本の脚部51の各々は、伸縮可能である。より詳細には、4本の脚部51の各々において、連結部511は、伸長部512を収容可能な内部空間を有している。伸長部512の少なくとも一部が連結部511の内部空間に入ることで、
図14に示すように、床面と平行な方向(水平方向)における脚部51の長さが短くなる。より詳細には、作業者が伸長部512を押し込むことで、伸長部512の少なくとも一部が連結部511の内部空間に入る。また、作業者が伸長部512を引っ張り出すことで、連結部511からの伸長部512の突出量が大きくなる(
図15参照)。よって、床面と平行な方向(水平方向)における脚部51の長さが長くなる。
【0134】
4本の脚部51の各々は、ロック機構を有している。ロック機構は、作業者の操作により、ロック状態とアンロック状態とが切替え可能に構成されている。ロック状態は、伸長部512が連結部511の内部空間に出入りすることを抑制する状態である。アンロック状態では、伸長部512が連結部511の内部空間に出入りすることができる。
【0135】
(実施形態6の変形例)
以下、実施形態6の変形例を列挙する。以下の変形例は、適宜組み合わせて実現されてもよい。
【0136】
(第1変形例)
本変形例において、実施形態1と同様に、柱状部材3は、鉛直方向に伸縮可能である。そして、本変形例では、柱状部材3の伸縮に連動して、少なくとも1本の脚部51が伸縮する。例えば、柱状部材3の伸縮運動を少なくとも1本の脚部51に伝達するカム機構を用いることで、柱状部材3の伸縮に連動して、少なくとも1本の脚部51が伸縮する。
【0137】
より詳細には、給電システム1Eが水平面に置かれていて、柱状部材3が鉛直方向に伸長するとき、4本の脚部51のうち、少なくとも1本の脚部51は、水平方向に伸長する(
図15に示す状態)。
【0138】
また、給電システム1Eが水平面に置かれていて、柱状部材3が鉛直方向に収縮するとき、4本の脚部51のうち、少なくとも1本の脚部51は、水平方向に収縮する(
図14に示す状態)。
【0139】
本変形例によれば、給電システム1Eを移動させるために柱状部材3を収縮させるとき、少なくとも1本の脚部51も収縮するので、給電システム1Eの移動時に脚部51が占めるスペースを小さくすることができる。よって、給電システム1Eを移動させやすくなる。例えば、給電システム1Eが狭い場所を通過することが可能となる。また、柱状部材3を収縮させることで、給電システム1Eが天井の低い場所を通過することが可能となる。
【0140】
また、給電システム1Eを所望の場所に設置するときは、柱状部材3の伸長に連動して少なくとも1本の脚部51が伸長することで、給電システム1Eの姿勢が安定する。
【0141】
なお、柱状部材3の伸縮と、少なくとも1本の脚部51の伸縮とが、同時であってもよいし、一方の後に他方が行われてもよい。
【0142】
上述した例では、柱状部材3が鉛直方向に伸長するとき、少なくとも1本の脚部51が水平方向に伸長する。これに対して、柱状部材3が鉛直方向に伸長するとき、少なくとも1本の脚部51が水平方向に収縮してもよい。また、柱状部材3が鉛直方向に収縮するとき、少なくとも1本の脚部51が水平方向に伸長してもよい。
【0143】
(第2変形例)
本変形例では、蓄電部71を蓄電池ホルダ72に対して着脱することに連動して、少なくとも1本の脚部51が伸縮する。例えば、蓄電部71の着脱に連動して動作するモータを用いることで、蓄電部71の着脱に連動して、少なくとも1本の脚部51が伸縮する。
【0144】
より詳細には、給電システム1Eが水平面に置かれていて、蓄電部71が蓄電池ホルダ72から取り外されるとき、4本の脚部51のうち、少なくとも1本の脚部51は、水平方向に伸長する。
【0145】
また、給電システム1Eが水平面に置かれていて、蓄電部71が蓄電池ホルダ72に取り付けられるとき、4本の脚部51のうち、少なくとも1本の脚部51は、水平方向に収縮する。
【0146】
本変形例によれば、蓄電部71を蓄電池ホルダ72から取り外すとき、少なくとも1本の脚部51が伸長するため、蓄電部71が蓄電池ホルダ72に取り付けられていない状態(重心の位置が高くなった状態)でも柱状部材3を安定して支持することができる。
【0147】
なお、蓄電部71の着脱と、少なくとも1本の脚部51の伸縮とが、同時であってもよいし、一方の後に他方が行われてもよい。
【0148】
上述した例では、蓄電部71が蓄電池ホルダ72から取り外されるとき、少なくとも1本の脚部51が水平方向に伸長する。これに対して、蓄電部71が蓄電池ホルダ72から取り外されるとき、少なくとも1本の脚部51が水平方向に収縮してもよい。また、蓄電部71が蓄電池ホルダ72に取り付けられるとき、少なくとも1本の脚部51が水平方向に伸長してもよい。
【0149】
(第3変形例)
図14に示す例では、伸長部512の少なくとも一部が連結部511の内部空間に入ることで、水平方向における脚部51の長さが短くなる。これに対して、連結部511の少なくとも一部が伸長部512の内部空間に入ることで、水平方向における脚部51の長さが短くなってもよい。
【0150】
(実施形態7)
以下、実施形態7に係る給電システム1F及び負荷システム2Fについて、
図16を用いて説明する。実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0151】
本実施形態の給電システム1Fは、2つの第1配線ダクト8と、第2配線ダクト8aと、本体部B1と、2つの給電部材7と、支持部材5と、複数の走行部材6と、を備える。本体部B1は、2つの第1柱状部材3と、第2柱状部材4と、を含む。
【0152】
2つの第1柱状部材3は、支持部材5から上方に突出している。2つの第1柱状部材3は、2つの配線ダクト8と一対一で対応している。各第1柱状部材3には、対応する第1配線ダクト8が設けられている。
【0153】
2つの第1柱状部材3は、2つの給電部材7と一対一で対応している。各第1柱状部材3の後方には、対応する給電部材7が配置されている。
【0154】
2つの第1柱状部材3の上端には、第2柱状部材4がつながっている。すなわち、2つの第1柱状部材3のうち一方は、第2柱状部材4の第1端(左端)につながっており、2つの第1柱状部材3のうち他方は、第2柱状部材4の第2端(右端)につながっている。第2柱状部材4によって、2つの第1柱状部材3が連結されている。
【0155】
第2柱状部材4には、第2配線ダクト8aが設けられている。第2柱状部材4及び第2配線ダクト8aの各々の構成は、実施形態2と同様である。
【0156】
給電システム1Fは、ハンドル98を更に備える。ハンドル98は、上から見てU字状に形成されている。ハンドル98の第1端は、2つの第1柱状部材3のうち一方につながっており、ハンドル98の第2端は、2つの第1柱状部材3のうち他方につながっている。ハンドル98は、例えば、溶接により2つの第1柱状部材3につながっている。ハンドル98は、2つの第1柱状部材3から前方に突出している。作業者は、ハンドル98を持って給電システム1Fを移動させることができる。
【0157】
(実施形態8)
以下、実施形態8に係る給電システム1G及び負荷システム2Gについて、
図17を用いて説明する。実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0158】
給電システム1Gは、ボックス99を更に備える。ボックス99は、支持部材5の上方に配置されている。ボックス99は、支持部材5及び柱状部材3に固定されている。
【0159】
ボックス99は、蓄電部71を収容する。また、ボックス99は、例えば、AC/DCコンバータ96を収容する。さらに、ボックス99の上面には、例えば、表示端末94が固定される。
【0160】
ボックス99は、開口部990を有する。蓄電池ホルダ72は、開口部990を塞ぐ第1位置(一点鎖線で示す位置)と、開口部990より外側の第2位置(実線で示す位置)と、の間で移動可能である。例えば、作業者は、蓄電池ホルダ72を押す又は引っ張ることで、蓄電池ホルダ72を第1位置と第2位置との間で移動させることができる。
【0161】
蓄電池ホルダ72には、蓄電部71が保持されている。蓄電池ホルダ72が第1位置にあるとき、蓄電部71はボックス99に収容されている。
【0162】
一方で、蓄電池ホルダ72が第2位置にあるとき、蓄電部71はボックス99の外に位置する。このとき、作業者は、蓄電池ホルダ72に対して蓄電部71を着脱可能である。
【0163】
(まとめ)
以上説明した実施形態等から、以下の態様が開示されている。
【0164】
第1の態様に係る給電システム(1、1A~1G)は、本体部(B1)と、支持部材(5)と、走行部材(6)と、給電部材(7)と、配線ダクト(8)と、を備える。本体部(B1)は、柱状部材(3)を含む。本体部(B1)には、開口部(330)が設けられている。支持部材(5)は、本体部(B1)を、柱状部材(3)の長手方向が鉛直方向に沿うように支持する。走行部材(6)は、支持部材(5)を水平面に対して移動可能に支持する。給電部材(7)は、支持部材(5)の上方に配置されている。給電部材(7)は、電力を出力する。配線ダクト(8)は、導電部材(82)を有する。導電部材(82)は、本体部(B1)に設けられた開口部(330)の内側に配置されている。導電部材(82)は、給電対象(20)が接続され、給電部材(7)から給電対象(20)への電力の供給路を構成する。
【0165】
上記の構成によれば、配線ダクト(8)を備えた給電システム(1、1A~1G)は、走行部材(6)を用いて移動可能である。そのため、必要なときに、必要な場所へ、給電システム(1、1A~1G)を簡単に配置することができる。
【0166】
また、第2の態様に係る給電システム(1、1A~1G)では、第1の態様において、柱状部材(3)は、鉛直方向に伸縮可能である。
【0167】
上記の構成によれば、利便性を向上させることができる。
【0168】
また、第3の態様に係る給電システム(1、1A~1G)では、第2の態様において、柱状部材(3)が鉛直方向に伸縮するとき、鉛直方向における配線ダクト(8)の高さが変化する。給電システム(1、1A~1G)は、給電制御部(97)を更に備える。給電制御部(97)は、鉛直方向における配線ダクト(8)の高さが所定の高さよりも低いとき、給電部材(7)から給電対象(20)への電力の供給を停止する。
【0169】
上記の構成によれば、柱状部材(3)を収縮させた後、作業者は、配線ダクト(8)への給電を停止する操作を要することなく、配線ダクト(8)に給電対象(20)を接続する作業、又は、配線ダクト(8)から給電対象(20)を取り外す作業を行うことができる。
【0170】
また、第4の態様に係る給電システム(1A)では、第1~3の態様のいずれか1つにおいて、本体部(B1)は、柱状部材(3)としての第1柱状部材(3)と、第1柱状部材(3)の上方に配置された第2柱状部材(4)と、を含む。給電システム(1A)が水平面に置かれているとき、第2柱状部材(4)の長手方向は、水平方向に沿っている。第2柱状部材(4)には、開口部(430)が設けられている。開口部(430)は、第2柱状部材(4)の長手方向に沿って延びている。開口部(430)は、導電部材(82a)を内側に配置している。
【0171】
上記の構成によれば、給電対象(20)の位置を水平方向に調整可能である。
【0172】
また、第5の態様に係る給電システム(1A)では、第4の態様において、第2柱状部材(4)のうち、導電部材(82a)が設けられた部位は、第1柱状部材(3)に対して、移動及び回転の少なくとも一方が可能である。
【0173】
上記の構成によれば、給電対象(20)の位置を調整可能である。
【0174】
また、第6の態様に係る給電システム(1、1A~1G)では、第1~5の態様のいずれか1つにおいて、柱状部材(3)には、鉛直方向に沿って延びており導電部材(82)を内側に配置した開口部(330)が設けられている。
【0175】
上記の構成によれば、給電対象(20)の位置を鉛直方向に調整可能である。
【0176】
また、第7の態様に係る給電システム(1C)は、第1~6の態様のいずれか1つにおいて、配線ダクト(8)として、直流電力を供給する第1配線ダクト(8b)と、交流電力を供給する第2配線ダクト(8c)と、を備える。第2配線ダクト(8c)は、第1配線ダクト(8b)よりも上方に配置されている。
【0177】
上記の構成によれば、交流電力の配線を高所に配置することを要件とする安全基準を、給電システム(1C)が満たしやすい。
【0178】
また、第8の態様に係る給電システム(1C)は、第7の態様において、AC/DCコンバータ(96)を更に備える。AC/DCコンバータ(96)は、給電部材(7)から出力される交流電力を直流電力に変換し第1配線ダクト(8b)に出力する。
【0179】
上記の構成によれば、給電システム(1C)は、交流電力の供給源に接続すればよく、直流電力の供給源に接続しなくてよい。
【0180】
また、第9の態様に係る給電システム(1D)は、第1~8の態様のいずれか1つにおいて、固定部材(10)を更に備える。固定部材(10)は、給電対象(20)を固定し、配線ダクト(8)に着脱可能に接続される。
【0181】
上記の構成によれば、給電対象(20)を配線ダクト(8)に安定的に取り付けることができる。
【0182】
第1の態様以外の構成については、給電システム(1、1A~1G)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【0183】
また、第10の態様に係る負荷システム(2D)は、第9の態様に係る給電システム(1D)と、固定部材(10)に固定される給電対象(20)と、を備える。
【0184】
上記の構成によれば、必要なときに、必要な場所で、給電対象(20)に電力を供給し、給電対象(20)を使用することができる。
【符号の説明】
【0185】
1、1A~1G 給電システム
2D 負荷システム
3 柱状部材(第1柱状部材)
4 第2柱状部材
5 支持部材
6 走行部材
7 給電部材
8 配線ダクト
8b 第1配線ダクト
8c 第2配線ダクト
10 固定部材
20 給電対象
82、82a 導電部材
96 AC/DCコンバータ
97 給電制御部
330 開口部
430 開口部
B1 本体部