(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143822
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】管理サーバおよびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20241003BHJP
G08G 1/123 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
G06Q50/10
G08G1/123 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023056722
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】591069086
【氏名又は名称】パーク二四株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100113804
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 敏
(74)【代理人】
【識別番号】100101384
【弁理士】
【氏名又は名称】的場 成夫
(72)【発明者】
【氏名】松土 豊
(72)【発明者】
【氏名】清水 良伍
【テーマコード(参考)】
5H181
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB05
5H181MA44
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】 カーシェアリングユーザによる利用予約のための検索が合理的に実行すること。
【解決手段】 会員ユーザの利用に供する車両の管理データを蓄積する車両管理データベースと、 車両の利用を希望する条件としての検索暫定データをユーザ端末から受信する検索暫定データ受信手段と、 受信した検索暫定データおよび車両管理データベースを用いて検索暫定データの条件に合致する車両を貸し出すことが可能な駐車ステーションを抽出する予約可能ステーション抽出手段と、 抽出した駐車ステーションに関する予約可能データを前記のユーザ端末へ送信する予約可能ステーション送信手段と、を備える。 予約可能ステーション抽出手段は、検索暫定データが特定していなかった検索項目について付加条件を付与して抽出可能とする。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両利用に関して予め会員登録を済ませて会員IDを得た会員ユーザに係るユーザ端末とデータ通信をする管理サーバであって、
会員ユーザの利用に供する車両の管理データを蓄積する車両管理データベースと
車両の利用を希望する条件としての検索暫定データを前記のユーザ端末から受信する検索暫定データ受信手段と、
その検索暫定データ受信手段が受信した検索暫定データおよび前記の車両管理データベースを用いて検索暫定データの条件に合致する車両を貸し出すことが可能な駐車ステーションを抽出する予約可能ステーション抽出手段と、
その予約可能ステーション抽出手段が抽出した駐車ステーションに関する予約可能データを前記のユーザ端末へ送信する予約可能ステーション送信手段と、
を備え、
前記の予約可能ステーション抽出手段は、検索暫定データが特定していなかった検索項目について付加条件を付与して抽出可能とした管理サーバ。
【請求項2】
複数の会員ユーザによって入力された検索暫定データや再入力された検索再入力データを蓄積する検索履歴データベースを備え、
前記の予約可能ステーション抽出手段は、前記の検索履歴データベースに蓄積された検索暫定データをも用いて予約可能なステーションを抽出可能とした
請求項1に記載の管理サーバ。
【請求項3】
各会員が入力した検索暫定データや再入力された検索暫定データを蓄積する会員データベースを備え、
前記の予約可能ステーション抽出手段は、前記の検索暫定データを送信してきた会員ユーザに係る過去の検索暫定データを、前記の会員データベースをも用いて、予約可能なステーションを抽出可能とした
請求項1または請求項2のいずれかに記載の管理サーバ。
【請求項4】
前記の検索暫定データ受信手段が受信した検索暫定データが使用開始時刻および使用開始地域を含む場合において、
前記の予約可能ステーション抽出手段は、検索暫定データにて空きがある駐車場を空き駐車場として抽出するとともに、使用開始時刻を変更すれば空きがある駐車場を次点駐車場として抽出することとし、
前記の予約可能ステーション送信手段は、前記の空き駐車場および次点駐車場を前記のユーザ端末において区別して出力できるように送信することした
請求項1に記載の管理サーバ。
【請求項5】
前記の検索暫定データ受信手段が受信した検索暫定データが使用開始時刻および使用開始地域を含む場合において、
前記の予約可能ステーション抽出手段は、検索暫定データにて空きがある駐車場を空き駐車場として抽出するとともに、使用開始時刻を変更すれば空きがある駐車場を次点駐車場として抽出することとし、
前記の予約可能ステーション送信手段は、前記の空き駐車場および次点駐車場を前記のユーザ端末において区別せず、いずれをも空き駐車場として出力できるように送信することとした
請求項1に記載の管理サーバ。
【請求項6】
車両利用に関して予め会員登録を済ませて会員IDを得た会員ユーザに係るユーザ端末とデータ通信をする管理サーバを制御するコンピュータプログラムであって、
会員ユーザの利用に供する車両の管理データを車両管理データベースに蓄積する管理データ蓄積手順と、
車両の利用を希望する条件としての検索暫定データを前記のユーザ端末から受信する検索暫定データ受信手順と、
その検索暫定データ受信手順にて受信した検索暫定データおよび前記の車両管理データベースを用いて検索暫定データの条件に合致する車両を貸し出すことが可能な駐車ステーションを抽出する予約可能ステーション抽出手順と、
その予約可能ステーション抽出手順にて抽出した駐車ステーションに関する予約可能データを前記のユーザ端末へ送信する予約可能ステーション送信手順と、
を前記の管理サーバに実行させるものであり、
前記の予約可能ステーション抽出手順においては、検索暫定データが特定していなかった検索項目について付加条件を付与して抽出可能としたコンピュータプログラム。
【請求項7】
前記の管理サーバには、複数の会員ユーザによって入力された検索暫定データや再入力された検索暫定データを蓄積する検索履歴データベースを備え、
前記の予約可能ステーション抽出手順においては、前記の検索履歴データベースに蓄積された検索暫定データをも用いて予約可能なステーションを抽出可能とした
請求項6に記載のコンピュータプログラム。
【請求項8】
前記の管理サーバには、各会員が入力した検索暫定データや再入力された検索暫定データを蓄積する会員データベースを備え、
前記の予約可能ステーション抽出手順においては、前記の検索暫定データを送信してきた会員ユーザに係る過去の検索暫定データを、前記の会員データベースをも用いて、予約可能なステーションを抽出可能とした
請求項6または請求項7のいずれかに記載のコンピュータプログラム。
【請求項9】
車両利用に関して予め会員登録を済ませて会員IDを得た会員ユーザに係るユーザ端末とデータ通信をする管理サーバとにおける前記のユーザ端末を制御するコンピュータプログラムであって、
車両の利用に関して会員ユーザが希望する条件の一部である検索暫定データをについて会員ユーザの入力によって受け付ける検索暫定データ入力手順と、
その検索暫定データ入力手順にて入力された検索暫定データに前記の会員ユーザを特定するための会員IDを含めて前記の管理サーバへ送信する検索暫定データ送信手順と、
その検索暫定データ送信手順にて送信した会員IDおよび検索暫定データに基づいて前記の管理サーバが予約可能なステーションを抽出して送信してくる予約可能ステーションデータを受信する予約可能ステーション受信手順と、
その予約可能ステーション受信手順にて受信した予約可能ステーションデータを出力させて前記の会員ユーザに閲覧させる予約可能ステーション閲覧手順と、
を前記のユーザ端末に実行させ、
前記の予約可能ステーション閲覧手順では、予約可能な時間帯を時間軸とともに一覧表示させることとしたコンピュータプログラム。
【請求項10】
前記の予約可能ステーション閲覧手順では、予約可能なステーションに加えて、前記の検索暫定データの一部を変更することで予約可能なステーションとなる変更予約可能ステーションをも表示することとした
請求項9に記載のコンピュータプログラム。
【請求項11】
前記の予約可能ステーション受信手順は、検索暫定データにて空きがある駐車場を空き駐車場、および使用開始時刻を変更すれば空きがある駐車場を次点駐車場の情報を受信し、
前記の予約可能ステーション閲覧手順は、前記の空き駐車場および次点駐車場を前記のユーザ端末において区別して出力することとした
請求項9に記載のコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、事業者が保有する車両をユーザが借りるというカーシェアリングやレンタカーサービスにおいて、ユーザにとって利便性を向上させるための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
本願発明では、カーシェアリングサービスとレンタカーサービスとの区別は特にしていないが、以下、カーシェアリングサービスを例にして説明する。
カーシェアリングサービスを提供する事業者は、事前に会員登録がなされた会員に対して、会員を識別するICカードたる会員カードや、会員が保有する携帯情報端末に会員であることを保証する会員IDを含んだ電子データを提供する。ICカードや携帯情報端末に格納された会員IDを用いて、事業者の提供する車両の予約を実行して利用することとなる。
【0003】
会員ユーザがカーシェアリングを予約しようとした場合、会員ID、希望開始日時、希望返却日時、出発ステーション(以下、「ステーション」を「ST」と略記することがある)等の情報を含む予約希望データを特定して検索を実施する。そして、前記の予約条件に合致するステーションがある場合に、そのような予約可能ステーションに関する情報がユーザ端末に提示される(
図1参照)。たとえば、予約希望データに合致する「予約可能ステーションデータ」が会員ユーザへ送信され、会員ユーザに係るユーザ端末において表示される。
換言すれば、予約希望データに合致する選択肢が存在しない場合には、予約条件を変更して再検索をしなければならない。
【0004】
会員ユーザとしては、予約条件のすべてを入力しなければならない、というのは現実的ではない。たとえば、Aステーションで借りられなくてもAステーションの近傍であれば構わない、という場合はある。また、利用料金が同じ(後述するが、複数の車種を利用料金別に「クラス」を設定している場合が多い)であれば車種はこだわらないので車種の指定は不要である、といった場合もある。
【0005】
カーシェアリング事業者としては、会員ユーザが予約条件として優先する条件は、利用日時であろうという前提に立っていた。そのため、「ステーション指定」による予約条件入力のほかに、会員ユーザの現在位置を含んだ所定範囲内での検索や、会員ユーザが希望するエリア内での検索、といった検索メニューも提供していた(
図4参照)。
【0006】
ここで「エリア内での検索」とは、たとえば、希望する利用ステーションを中心として半径500メートル以内、といった特定、希望する利用ステーションを含む行政区(品川区五反田など)の選択、ユーザが現在位置を入力することで最寄りのステーションを複数抽出できるような特定、などである。
【0007】
また、会員ユーザにとって利用する車種は予約条件において高くはないことが、カーシェアリング事業者において当初から予想されていた。そのため、細かな車種を指定できる検索メニューではなく、利用料金別に大まかなグループ指定が可能な「クラス」という概念にて予約条件を入力する検索システムも提供していた(
図3参照)。ここでは、会員ユーザがクラスを指定した結果、そのクラスに分類される複数の車種が提示されている画面が示されている。
【0008】
ここで「クラス」とは、利用料金によって、複数の区分を備えている。4~5人乗りの5ナンバーによる「ベーシック」クラス、5~7人乗りの3ナンバーによる「ミディアム」クラス、特殊用途や稀少モデルなどの車種を含んだ「プレミアム」クラスなどである(
図9参照)。
【0009】
特許文献1には、複数の駐車場を確保しておき、ユーザは、空いている駐車場を知らせてもらい、移動先での空いている駐車場に返却できるというサービスが開示されている。
【0010】
特許文献2には、車両を利用したいユーザが指定する駐車場へサービス提供者が車両を運搬するサービスにおいて、その駐車場から無償で出庫できるようにする情報技術が開示されている。
【0011】
特許文献3には、車両共有サービスに用いるサービス対象車両のために確保されている車室を、駐車場として有効活用するための技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2004-178385号公報
【特許文献2】特開2018-197909号公報
【特許文献3】特開2021-93143号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
さて、利用開始時刻や利用終了時刻といった予約(検索)条件は、カーシェアリング事業者が予想するよりも優先順位が低い、ということが経験的に把握されるようになった。たとえば、会員ユーザが12月10日14時という利用開始日時という予約条件はさほど重要ではなく、14時30分からの利用開始でも構わないという会員ユーザがカーシェアリング事業者の予想よりも多いことがわかってきた。
【0014】
より具体的には、利用ステーションや利用地域は重要である(変更するつもりがない)が、利用開始日時が後ろへずれることは構わない、といった会員ユーザが少なくない。そうした事態が経験的に把握できるようになった。
【0015】
予約(検索)条件としての利用終了時刻に関しても、利用開始日時が後ろへずれるならば、後ろにずれることは許容できるという場合は多い。12月10日16時という利用終了時刻は、利用開始から3時間程度が必要であろう、といった見込みから入力されていたのである。
また、利用時間の「3時間」というのも多めに見積もられることが多いので、利用終了時刻が15~30分早まれば予約できる、ということならば許容される、ということも多い。
【0016】
しかし、現状における典型的な予約(検索)システムでは、会員ユーザが12月10日14時という利用開始日時の入力では希望する条件で借りられる車両が見つからなかった場合に、12月10日14時30分として再検索をするに際して、初期の検索画面まで戻らなければならない、というのが現状である。入力したデータがすべて無駄になって再入力をする、ということは避けられる(入力したデータを残しつつ、書き換え可能であるように提示される)ようになっているものの、再検索には時間がかかっていた。
【0017】
なお、近年のレンタカー事業においては、情報通信技術を活用して営業所のスタッフ数を減らす、といった運用形態が始まっている。すなわち、ユーザと直に接するスタッフや営業所を持たないカーシェアリング事業に、運用形態が近づいている。
【0018】
本発明が解決しようとする課題は、事業者が保有する車両をユーザが借りるサービス事業(カーシェアリング事業やレンタカー事業)において、ユーザによる利用予約のための検索が合理的に実行できる検索システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
前述した課題を解決するため、車両を利用するユーザの通信端末との双方向通信をして車両提供サービスに関する管理を実行する管理サーバに係る第一の発明、および第一の発明に係る管理サーバを制御する第二の発明、および管理サーバとの通信をする通信端末を制御するコンピュータプログラムに係る第三の発明、を提供する。
【0020】
(第一の発明)
第一の発明は、車両利用に関して予め会員登録を済ませて会員IDを得た会員ユーザに係るユーザ端末とデータ通信をする管理サーバとにおいて、前記の管理サーバに係る。
すなわち、会員ユーザの利用に供する車両の管理データを蓄積する車両管理データベースと、
車両の利用を希望する条件としての検索暫定データを前記のユーザ端末から受信する検索暫定データ受信手段と、
その検索暫定データ受信手段が受信した検索暫定データおよび前記の車両管理データベースを用いて検索暫定データの条件に合致する車両を貸し出すことが可能な駐車ステーションを抽出する予約可能ステーション抽出手段と、
その予約可能ステーション抽出手段が抽出した駐車ステーションに関する予約可能データを前記のユーザ端末へ送信する予約可能ステーション送信手段と、
を備え、
前記の予約可能ステーション抽出手段は、検索暫定データが特定していなかった検索項目について付加条件を付与して抽出することとした管理サーバである(
図8、
図11参照)。
【0021】
(用語説明)
本願において「車両」は、カーシェアリング事業に用いられる車両であるシェアカーのほか、レンタカー事業における「レンタカー」も含む。事業サービスとしての垣根が曖昧となっているからである。
「ユーザ端末」とは、主に携帯通信端末、より具体的にはスマートフォンやタブレット端末などであるが、パーソナルコンピュータでもよいし、本件に特化した専用の端末であっても良い。
「管理サーバ」には、入出力装置としての送受信装置、記憶装置としてのランダムアクセスメモリやストレージ、中央演算装置としてのCPUが備えられている。
【0022】
(作用)
会員ユーザの利用に供する車両の管理データを車両管理データベースが蓄積している。
車両の利用を希望する条件としての検索暫定データをユーザ端末から検索暫定データ受信手段が受信する。検索暫定データ受信手段が受信した検索暫定データおよび車両管理データベースを用いて検索暫定データの条件に合致する車両を貸し出すことが可能な駐車ステーションを、予約可能ステーション抽出手段が抽出する。
【0023】
管理サーバにおいては、検索暫定データによる特定項目が少ないと、条件に合う駐車ステーションが多数となってしまう場合があり、その場合にはデータ処理の負担が増す。また、会員ユーザとしては、条件に合うステーションが多数になってしまうと、その結果として出力される結果(件数)が多くなり、閲覧して選択する手間が増えてしまう。
しかし本願においては、検索暫定データが特定していなかった検索項目について、予約可能ステーション抽出手段が付加条件を付与して抽出することを可能としている。したがって、管理サーバにおけるデータ処理負担、ユーザにおける閲覧の手間を軽減できる。
【0024】
予約可能ステーション抽出手段が付加条件を付与して抽出した駐車ステーションに関する予約可能データを、予約可能ステーション送信手段がユーザ端末へ送信する。予約可能データを提示された会員ユーザとしては、検索暫定データを再入力することなく、希望する条件を見つけられる可能性が高まる。換言すれば、検索暫定データの入力の際に、全ての項目を入力しなくても良いこととなる。
【0025】
(第一の発明のバリエーション1)
第一の発明は、以下のように限定することも可能である。
すなわち、複数の会員ユーザによって入力された検索暫定データおよび再入力された検索再入力データを蓄積する検索履歴データベースを備え、
前記の予約可能ステーション抽出手段は、前記の検索履歴データベースに蓄積された検索暫定データおよび/または検索再入力データをも用いて予約可能なステーションを抽出することとするのである(
図12参照)。
【0026】
(用語説明)
「検索再入力データ」とは、検索暫定データによって検索した検索結果の出力の後に予約可能データを得るためにユーザ端末から入力された検索データである。たとえば、利用開始日時について、最初に入力した検索暫定データが「12月10日14時」であったところ、再検索の際に「12月10日14時30分」とした場合には、「12月10日14時30分」と入力したのが「検索再入力データ」となる。ここに、「検索暫定データ」と「検索再入力データ」との間には、「同じ日付の30分後」という差分が存在している。この差分をも検索履歴データベースに蓄積しておくと、より好ましい。
【0027】
(作用)
複数の会員ユーザによって入力された検索暫定データや再入力された検索再入力データを、検索履歴データベースが蓄積しておく。予約可能ステーション抽出手段は、蓄積された検索暫定データの検索履歴(検索傾向)を用いることで、会員ユーザが特定しなかった項目であっても付加条件を付与し、車両を貸し出すことが可能な駐車ステーションを抽出する。
【0028】
(第一の発明のバリエーション2)
第一の発明は、以下のように限定することも可能である。
すなわち、各会員が入力した検索暫定データや再入力された検索再入力データを蓄積する会員データベースを備え、
前記の予約可能ステーション抽出手段は、前記の検索暫定データを送信してきた会員ユーザに係る過去の検索暫定データを、前記の会員データベースをも用いて付加条件を付与し、予約可能なステーションを抽出することとするのである(
図13参照)。
【0029】
(作用)
各会員ユーザによって入力された検索暫定データや再入力された検索再入力データを、検索履歴データベースが蓄積する。予約可能ステーション抽出手段は、検索履歴データベースに蓄積された当該会員ユーザに係る検索暫定データの履歴を用いることで、会員ユーザが特定しなかった項目であっても付加条件を付与し、車両を貸し出すことが可能な駐車ステーションを抽出する。
【0030】
(第一の発明のバリエーション3)
第一の発明は、以下のように限定することも可能である。
すなわち、前記の検索暫定データ受信手段が受信した検索暫定データが使用開始時刻および使用開始地域を含む場合において、
前記の予約可能ステーション抽出手段は、検索暫定データにて空きがある駐車場を空き駐車場として抽出するとともに、使用開始時刻を変更すれば空きがある駐車場を次点駐車場として抽出することとし、
前記の予約可能ステーション送信手段は、前記の空き駐車場および次点駐車場を前記のユーザ端末において区別して出力できるように送信することとする(
図9参照)。
【0031】
「検索暫定データ」のみでの検索結果ではヒット数が少ない、あるいはゼロとなってしまうような場合がある。たとえば、検索暫定データで指定した使用開始地域が人気の高いエリアである場合や、使用開始時刻が現在時刻に近い、いわゆる直前予約のような場合である。このような場合に、「or条件」を加えるのである。すなわち、使用開始時刻を追加(使用開始時刻を変更)すれば空きがある駐車場を「次点駐車場」として抽出することとするのである。
【0032】
(作用)
使用開始時刻および使用開始地域を含んだ検索暫定データを、検索暫定データ受信手段が受信する。予約可能ステーション抽出手段は、検索暫定データにて空きがある駐車場を空き駐車場として抽出する。加えて、使用開始時刻を変更すれば空きがある駐車場を次点駐車場として抽出する。予約可能ステーション送信手段は、抽出した空き駐車場および次点駐車場を、ユーザ端末において区別して出力できるように送信する。
希望日時データにおける日付は固定するものの、時刻をずらすことをユーザが許容することで、予約できる確率を上昇させることに寄与する。ユーザ端末では、空き駐車場および次点駐車場が出力され、しかも両者が区別できるので、最終的に予約をする際の選択肢として活用できる。
【0033】
(第一の発明のバリエーション4)
第一の発明は、以下のように限定することも可能である。
すなわち、前記の検索暫定データ受信手段が受信した検索暫定データが使用開始時刻および使用開始地域を含む場合において、
前記の予約可能ステーション抽出手段は、検索暫定データにて空きがある駐車場を空き駐車場として抽出するとともに、使用開始時刻を変更すれば空きがある駐車場を次点駐車場として抽出することとし、
前記の予約可能ステーション送信手段は、前記の空き駐車場および次点駐車場を前記のユーザ端末において区別せず、いずれをも空き駐車場として出力できるように送信することとする。
【0034】
(第二の発明)
第二の発明は、第一の発明に係る管理サーバを制御するコンピュータプログラムに係る。
すなわち、車両利用に関して予め会員登録を済ませて会員IDを得た会員ユーザに係るユーザ端末とデータ通信をする管理サーバとにおいて、前記の管理サーバを制御するコンピュータプログラムであって、
会員ユーザの利用に供する車両の管理データを車両管理データベースに蓄積する管理データ蓄積手順と、
車両の利用を希望する条件としての検索暫定データを前記のユーザ端末から受信する検索暫定データ受信手順と、
その検索暫定データ受信手順にて受信した検索暫定データおよび前記の車両管理データベースを用いて検索暫定データの条件に合致する車両を貸し出すことが可能な駐車ステーションを抽出する予約可能ステーション抽出手順と、
その予約可能ステーション抽出手順にて抽出した駐車ステーションに関する予約可能データを前記のユーザ端末へ送信する予約可能ステーション送信手順と、
を前記の管理サーバに実行させるものであり、
前記の予約可能ステーション抽出手順においては、検索暫定データが特定していなかった検索項目について付加条件を付与して抽出可能としたコンピュータプログラムである。
【0035】
(第二の発明のバリエーション1)
第二の発明は、以下のように限定することも可能である。
すなわち、 前記の管理サーバには、複数の会員ユーザによって入力された検索暫定データおよび再入力された検索再入力データを蓄積する検索履歴データベースを備え、
前記の予約可能ステーション抽出手順においては、前記の検索履歴データベースに蓄積された検索暫定データおよび/または検索再入力データをも用いて予約可能なステーションを抽出可能とするのである。
【0036】
(第二の発明のバリエーション2)
第二の発明は、以下のように限定することも可能である。
すなわち、前記の管理サーバには、各会員が入力した検索暫定データや再入力された検索再入力データを蓄積する会員データベースを備え、
前記の予約可能ステーション抽出手順においては、前記の検索暫定データを送信してきた会員ユーザに係る過去の検索暫定データを、前記の会員データベースをも用いて、予約可能なステーションを抽出可能とするのである。
【0037】
(第三の発明)
第三の発明は、車両利用に関して予め会員登録を済ませて会員IDを得た会員ユーザに係るユーザ端末とデータ通信をする管理サーバとにおける前記のユーザ端末を制御するコンピュータプログラムに係る。
すなわち、車両の利用に関して会員ユーザが希望する条件の一部である検索暫定データをについて会員ユーザの入力によって受け付ける検索暫定データ入力手順と、
その検索暫定データ入力手順にて入力された検索暫定データに前記の会員ユーザを特定するための会員IDを含めて前記の管理サーバへ送信する検索暫定データ送信手順と、
その検索暫定データ送信手順にて送信した会員IDおよび検索暫定データに基づいて前記の管理サーバが予約可能なステーションを抽出して送信してくる予約可能ステーションデータを受信する予約可能ステーション受信手順と、
その予約可能ステーション受信手順にて受信した予約可能ステーションデータを出力させて前記の会員ユーザに閲覧させる予約可能ステーション閲覧手順と、
を前記のユーザ端末に実行させる(
図8参照)。
前記の予約可能ステーション閲覧手順では、予約可能な時間帯を時間軸とともに一覧表示させることとする(
図10参照)。
【0038】
(第三の発明のバリエーション1)
第三の発明は、以下のように限定することも可能である。
すなわち、前記の予約可能ステーション閲覧手順では、予約可能なステーションに加えて、前記の検索暫定データの一部を変更することで予約可能なステーションとなる変更予約可能ステーションをも表示することとする(
図9、
図11参照)。
【0039】
(第三の発明のバリエーション2)
第三の発明は、以下のように限定することも可能である。
すなわち、前記の予約可能ステーション受信手順は、検索暫定データにて空きがある駐車場を空き駐車場、および使用開始時刻を変更すれば空きがある駐車場を次点駐車場の情報を受信し、
前記の予約可能ステーション閲覧手順は、前記の空き駐車場および次点駐車場を前記のユーザ端末において区別して出力することとするのである。
【0040】
第二および第三の発明に係るコンピュータプログラムを、記録媒体へ記憶させて提供することもできる。
ここで、「記録媒体」とは、それ自身では空間を占有し得ないプログラムを担持することができる媒体である。例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、DVD-R、フラッシュメモリなどである。
また、この発明に係るプログラムを格納したコンピュータまたは管理サーバの制御コンピュータから、通信回線を通じて管理サーバの制御コンピュータへ伝送することも可能である。
【0041】
第三の発明に係るアプリケーションプログラムは、前記の携帯通信端末に予めダウンロードして用いる場合の他、ウェブ上の所定サイトにアクセスすることによって当該端末において実行させる場合の制御プログラムも含む。
【発明の効果】
【0042】
第一の発明によれば、事業者が保有する車両をユーザが借りるサービス事業(カーシェアリング事業やレンタカー事業)において、ユーザによる利用予約のための検索が合理的に実行することに寄与する管理サーバを提供することができる。
第二の発明によれば、事業者が保有する車両をユーザが借りるサービス事業(カーシェアリング事業やレンタカー事業)において、ユーザによる利用予約のための検索が合理的に実行することに寄与する管理サーバの制御プログラムを提供することができる。
第三の発明によれば、事業者が保有する車両をユーザが借りるサービス事業(カーシェアリング事業やレンタカー事業)において、ユーザによる利用予約のための検索が合理的に実行することに寄与する情報端末用アプリケーションプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】従来の予約制カーシェアリングにおける潜在的な課題を示すための概念図である。
【
図2】ユーザ端末におけるステーション検索の予約検索画面の一例を示す。
【
図3】ユーザ端末におけるステーション検索の車種選択の画面の一例を示す。
【
図4】ユーザ端末におけるステーション範囲の特定の画面の一例を示す。
【
図5】ユーザ端末においてステーションを特定した場合に車種の空き状況の画面の一例を示す。
【
図6】ユーザ端末において予約内容を確認するための画面を示す。
【
図7】ユーザ端末において予約が完了した旨を知らせる画面の一例を示す。
【
図8】検索暫定データを送信するユーザ端末と検索暫定データによる検索結果を返信する管理サーバとの情報処理手順を示したブロック図である。
【
図9】ユーザ端末による検索を開始した後に出力された画面の一例を示す。
【
図10】ユーザ端末によって暫定検索データを送信した後に検索結果として出力された画面から空き駐車場を選択した場合を示す。
【
図11】ユーザ端末によって暫定検索データを送信した後に検索結果として出力された画面から次点駐車場を選択した場合を示す。
【
図12】ユーザの検索履歴データベースを用いて検索傾向を利用し、予約可能ステーションを抽出する場合の情報処理手順を示したブロック図である。
【
図13】会員ユーザ毎の検索履歴を利用し、予約可能ステーションを抽出する場合の情報処理手順を示したブロック図である。
【
図14】使用開始・終了時刻を入力(または再入力)する画面の一例を示す。
【
図15】舗道の一部を駐車スペースとして活用する路上駐車スペースを示すための平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、本発明の実施形態について、図面(
図2から
図15)を参照して説明する。本発明は、実施形態に限定されるものではなく、本発明を解釈するための実施形態である。なお、
図2以下において、実線の矢印は有線通信を、二点破線の矢印は無線通信をそれぞれ意味する。
【0045】
(
図2)
図2に示すのは、ユーザ端末におけるステーション検索の予約検索画面の一例である。
「ステーション検索」とは、ユーザがシェアカーの利用を開始するカーシェアステーションを特定するための検索である。選択メニューとして、「住所/ステーションから探す」、「駅名から探す」、「車種から探す」、「オプションから探す」、「現在位置から探す」などが用意されている。ユーザは、これらのメニューから所望のメニューを選択し、住所、駅名、希望の車種、必要なオプションなどを入力してステーションを検索する。
【0046】
「現在位置から探す」というメニューは、この画面を出力している通信端末が、GPS機能を備えており、そのGPS機能が取得した位置データを使う許諾をすることで、管理サーバへ送信される。
【0047】
カーシェアリングにおいては、「利用開始時刻」を含め、カーシェアリングにおける「時間」は、1時間を複数(例えば4つ)に分割した単位(例えば15分)を一単位としている。したがって、出力される利用開始時刻は、分割された単位毎となる。
【0048】
(
図3)
図3に示すのは、「車種選択」のメニューである。このメニューの前提として、ユーザによるクラス指定は完了している。
【0049】
デフォルトで、「車種おまかせ」にチェックが入っている。これは、「車種おまかせ」とした方が予約を取りやすいからであり、カーシェア管理サーバとしては、回送などを含めたシェアカーの手配が容易となるからである。ユーザは、「車種おまかせ」で良い場合には、そのまま決定ボタンをタップする。
【0050】
もちろん、「車種おまかせ」のチェックを外し、デミオ、ミラトコット、ソリオなど、選択可能な車種の選択ボタンをタップし、決定ボタンをタップしても良い。
【0051】
(
図4)
図4に示すのは、予約する希望日時を入力した上での「ステーション範囲の特定」のメニューである。すなわち、別の入力画面にて入力した「12月10日 10~13時」という希望日時にて予約できるステーションを絞り込むための画面である。
【0052】
画面の上端には、予約を希望する日時を確認するための表示がある。
画面の中央には地図を表示され、画面右には検索ボタン、現在位置ボタンが表示されている。画面左には、「絞り込み」ボタンが表示されている。
【0053】
この図における画面の中央には「現在地」を示す大きなマークがあり、その周囲に3つのステーションを示すマークがある。3つのステーションを示すマークは、「12月10日 10~13時」に予約が可能な車両を準備できるステーションである。
【0054】
「検索」のボタンは、これをタップすると、地名やスポットを入力するテキストボックスが表示される。そのテキストボックスに地名やスポットを入力することで、該当の地図に移動することができる。
「絞り込み」のボタンは、これをタップすると、地図上に表示された車両を、さらにクラスや車種で絞り込める。
【0055】
(
図5)
図5に示すのは、ステーションを特定した後に車種の空き状況を示すことで、予約希望データを円滑に特定し、予約確定に導く画面である。
【0056】
画面上には、既に選択されたステーション名が表示されている。また、ユーザが車種をおまかせとしたか、ユーザの選択としたかに関わらず、車種がベーシッククラスのソリオである旨も表示されている。また、車種の右には、「車種変更ボタン」が用意されており、車種を変更したい場合にタップする。
【0057】
画面の下には、ユーザが予約を希望した日付における利用予定時間である3時間を確保できる、利用開始時刻が「◎」とともに表示されている。もともと希望していた10:00の他、9:45,10:30,10:45,11:00,11:15も選択可能な予約可能ボタンとなっている。
また、予約できない開始時刻については、「◎」がなく、タップできないように表示(予約不能表示)されている。
【0058】
予約可能ボタンである10:00等のいずれかをタップすると、画面下の「予約内容を確認」のボタンがアクティブに変更される(予約可能ボタンのいずれかをタップしていない段階では、「予約内容を確認」のボタンはタップできない)。
【0059】
ユーザとしては、予約を開始する時刻として「切りの良い時刻」を選択しがちである。しかし、予約可能ボタンのように表示されると、自分にとって本当に都合の良い予約開始時刻を冷静に考えるきっかけとなる。
また、管理サーバ(の運営者)サイドとしては、「切りの良い時刻」に集中しがちな予約希望データを分散させる可能性を拡げる効果が期待できる。
【0060】
(
図6)
図6に示すのは、ユーザが予約内容を確認するためにユーザ端末に出力された画面の一例である。
予約した車両が停められているステーション名、車種や車両番号といった車両情報、利用開始日時、返却予定日時を含む料金プラン、保険加入の有無、追加運転者情報などを表示し、ユーザに確認を求めている。
【0061】
画面下の「予約確定」のボタンは、これをタップすると、
図7に示した画面の内容での予約が確定する。予約確定に基づき、駐車車室管理データベース、シェアカー稼働管理データベース、プール車両管理データベースなどが更新される。
【0062】
(
図7)
図7に示すのは、予約確定画面である。すなわち、この画面にて、会員ユーザに対する予約確定の報告となる。
予約番号、ルールとマナー、会員向けキャンペーンなどの他、地図画面に戻るためのボタン、予約状況を確認するためのボタンが用意されている。
【0063】
(
図8)
図8は、会員ユーザに対して車両を貸し出すサービスをしている事業者による各種データの管理を実行している管理サーバと、その管理サーバへアクセスして車両の予約などを実行する会員ユーザに係るユーザ端末との情報処理手順を示すブロック図である。
【0064】
管理サーバは、インターネット回線を介してのデータ受信、データ送信が可能であり、各種のデータを蓄積するストレージ、各種データを用いた演算を実行するCPUなどを備えている。
ユーザ端末もまた、インターネット回線を介してのデータ受信、データ送信が可能であり、各種のデータを蓄積するストレージ、各種データを用いた演算を実行するCPUなどを備えている。
図中の各「手段」は、上記のハードウェアが連携して機能することで実現し、データベースはストレージ内で実現している。
【0065】
会員ユーザは、ユーザ端末を用いて管理サーバの提供する所定URLにアクセスし、液晶画面に現れる入力画面(検索暫定データ入力手段)にて、使いたい車両を使い始める場所や利用開始日時の希望などのデータを検索暫定データとして入力する。そして、その検索暫定データを検索暫定データ送信手段にて送信する。送信される検索暫定データは、その会員ユーザを特定するための会員IDを伴う。
【0066】
検索暫定データを送信された管理サーバでは、これを検索暫定データ受信手段が受信する。受信した検索暫定データが特定する条件に見合う車両を、車両管理データベースに蓄積されたデータから、予約可能ステーション抽出手段が抽出する。この抽出の際、希望開始時刻を少々変更すれば予約可能となるものをも含むこととする点は特徴的である。この点は、後述する。
【0067】
(
図9)
図9に示すのは、ユーザ端末による検索を開始した後に出力された画面の一例である。
ユーザは、自らに係るユーザ端末にて車両を利用したい日時、および使用開始地域の指定だけを入力し、検索の実行を指示する(
図8においてユーザ端末が検索暫定データを送信した状態)。すると、管理サーバが予約可能ステーションを抽出し、予約可能ステーションデータを送信してくる(
図98において予約可能STデータを管理サーバが送信した状態)。その予約可能ステーションデータを受信してユーザ端末にて出力させた状態が、
図9に示した画面である。
【0068】
指定された使用開始地域(JR有楽町駅の周辺)が、地図データとして出力される。そして、その地図データ上に、カーシェアリングにおける車両を貸し出している駐車場が表示される。駐車場は、空きのある駐車場(以下、「空き駐車場」と略記)と、空きのない駐車場と、空きはないが候補となり得る駐車場(以下、「次点駐車場」と略記)とが区別できるように出力される。実際の画面では色分けすることを想定しているが、
図10では白黒画面なので、空き駐車場を白抜きの稲妻図形、空きのない駐車場を黒塗りの稲妻図形、次点駐車場をドット柄の稲妻図形で示している。
【0069】
(
図10)
図10に示すのは、
図9にて出力された「空き駐車場」を選択した場合に、ユーザ端末へ出力された画面の一例である。画面の上半分には、地図データが出力されている。
【0070】
画面の下半分には、予約可能な車両クラス、車種、燃料残量など車両状態を示すデータと、予約開始日時として指定された時間帯が横帯状に出力されている。時間の帯の中に、予約が既に入っている時間帯をドット柄で示し、空きがあって予約が可能な時間帯が白抜きとなっている。
【0071】
(
図11)
図11に示すのは、
図9にて出力された「次点駐車場」を選択した場合に、ユーザ端末へ出力された画面の一例である。画面の上半分には、地図データが出力されている。
【0072】
また、画面の下半分には、次点駐車場において予約可能な車両クラス、車種、燃料残量など車両状態を示すデータと、予約開始日時として指定された時間帯が横帯状に出力されている。
図10と同様に、時間の帯の中に、予約が既に入っている時間帯をドット柄で示し、空きがあって予約が可能な時間帯が白抜きとなっている。
図10と異なるのは、ユーザが検索暫定データとして入力した利用開始日時のうち、開始時刻が30分だけ後ろにずれた場合には予約が可能である旨を、注意書きとして出力している点である。
【0073】
換言すれば、「次点駐車場」という出力は、
図8にて示した管理サーバにおける予約可能ステーション抽出手段が「or条件」を加え、「希望開始時刻を少々変更すれば予約可能となるステーション」を車両管理データベースのデータ群から抽出したことで行える出力である。
【0074】
予約可能ステーション抽出手段は、検索暫定データが特定していなかった検索項目について付加条件を付与して、検索暫定データによる検索結果の絞り込みを行う。たとえばユーザが検索暫定データとして入力した利用開始時刻である「14時」に対して、たとえば前後3時間を付加条件として付与して検索する。すなわち、12月10日は固定したまま、11時から17時までを利用開始時刻とした場合であれば予約が可能であるステーションを抽出したのである。
【0075】
前述した「利用開始時刻の前後3時間」というのは、会員ユーザ全てが検索した履歴に基づいた経験則から管理サーバの運営者が設定したものであり、絶対的なものではない(
図12参照)。「利用開始時刻の前後2時間」でも良いし、「利用開始時刻から後ろへ2時間」でもよい。
【0076】
ところで、「次点駐車場」が多数出力されてしまうと、会員ユーザにとっては閲覧する手間が増えてしまうし、管理サーバとしての負担も大きい。そこで、「次点駐車場」の出力数は「3つ以下」というように予め管理サーバにおいて設定しておくことが望ましい。
【0077】
図9および
図10には、空き駐車場と次点駐車場とを区別した表示にて示したが、これらを区別せずに一括して空き駐車場として表示する形態でもよい。
「次点駐車場」は、前述した「希望開始時刻を少々変更すれば予約可能となるステーション」に限らず、「希望クラスを変更すれば予約可能となるステーション」、「希望に対して、駐車場の運営者が別の場所から車両を回送してくれば予約を受け付けられる可能となるステーション」、「希望オプションを変更すれば予約可能となるステーション」など、様々な態様が考えられる。このうち、いくつかの態様については、ユーザから見た場合には空き駐車場とみなせるステーションと考えてよいものも存在する。そこで、ユーザに対して多くの空き駐車場を提示するように、空き駐車場と次点駐車場という区別をせず、次点駐車場を空き駐車場に含めてユーザに提示することにしてもよい。
【0078】
(
図12)
図12に示すのは、
図8に示した管理サーバの実施形態のバリエーションである。
図8に示した管理サーバとの相違点は、会員ユーザによる検索履歴を蓄積した検索履歴データベースを備えている点である。
予約可能ステーション抽出手段は、検索履歴データベースに蓄積されている検索履歴に基づく全会員の検索傾向を用いることによって、検索暫定データに含まれなかった項目を追加し、予約可能ステーションとして「次点駐車場」を抽出するのである。
【0079】
なお、前述した「全会員の検索傾向」については、予め別の手段によって算出した上で、検索履歴データベースに格納しておくこととしても良い。
【0080】
(
図13)
図13に示すのも、
図8に示した管理サーバの実施形態のバリエーションである。
図12に示した管理サーバとの相違点は、会員ユーザによる検索履歴を蓄積した検索履歴データベースの代わりに、会員データベースを備えている点である。
【0081】
予約可能ステーション抽出手段は、検索暫定データに含まれる会員IDから、検索してきた会員を特定し、会員データベースから当該会員による検索履歴に基づく検索傾向を用いることによって、検索暫定データに含まれなかった項目を追加し、予約可能ステーションとして「次点駐車場」を抽出するのである。
【0082】
なお、前述した「当該会員による検索履歴に基づく検索傾向」については、予め別の手段によって算出した上で、会員データベースに格納しておくこととしても良い。
【0083】
(
図14)
図14は、使用開始・終了時刻を入力(または再入力)する画面の一例である。
利用開始地域は、「五反田」と入力済みである。そして、利用開始日時は、2021年12月7日の11時45分である。また、返却予定時刻は、入力前に、利用開始日時と同じ時刻が自動入力されるように設定されている。すなわち、図示している画面は、返却予定時刻が入力前である。
【0084】
前述してきた実施形態でも説明したが、検索暫定データによる検索の場合には、返却予定時刻は入力しなくても検索は可能であるが、この画面では、返却入力時刻も入力した上で検索ボタンを押すようになっている。
【0085】
(
図15)
図15は、舗道の一部を駐車スペースとして活用する路上駐車スペースを示している。この路上駐車スペースに、カーシェアリング事業者が保有する車両を停めておき、ユーザが検索して予約して借りることも可能とすると、ユーザの利用シーンが拡大する。
【0086】
図2から
図15を参照しつつ前述してきた実施形態によれば、事業者が保有する車両をユーザが借りるサービス(カーシェアリングまたはレンタカー)事業において、ユーザによる利用予約のための検索が合理的に実行することに寄与する予約システムを提供することができた。
カーシェアリング事業者またはレンタカー事業者としても、ユーザによる予約をより多く確保することに寄与するので、売上増大や利益率向上に繋がる可能性がある。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明は、駐車場などの駐車スペースおよび貸し出し用車両を利用したカーシェアリング事業やレンタカー事業、駐車場やカーシェアリング等の設備製造業、駐車場の管理業、カーシェアリング車両の管理用データを扱うサーバや通信機器の製造業、データ通信におけるデータ管理業、カーシェアリングやレンタカーのユーザが端末において用いるアプリケーションソフトウェアの開発業、などにおいて利用可能性を有する。