(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143832
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】コミュニケーションシステム
(51)【国際特許分類】
G16H 80/00 20180101AFI20241003BHJP
G16H 40/20 20180101ALI20241003BHJP
【FI】
G16H80/00
G16H40/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023056734
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000100908
【氏名又は名称】アイホン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】村上 雄太
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA01
5L099AA13
(57)【要約】 (修正有)
【課題】病院内におけるケア担当者同士のコミュニケーションの効率を改善することが可能なコミュニケーションシステムを提供する。
【解決手段】コミュニケーションシステム1は、複数の携帯端末Xと、複数の携帯端末Xと通信可能な電話帳サーバ2と、を備える。複数の携帯端末Xの各々は、表示部と、ケア担当者を特定可能な識別情報と、ケア担当者の現在の状態とを入力するための入力部と、を有する。電話帳サーバ2は、識別情報のそれぞれに基づいて特定されたケア担当者に関する情報を一覧的に表示するための担当一覧画面データを生成する生成部を有し、担当一覧画面データに基づいて表示部に担当一覧画面が表示される。担当一覧画面には、ケア担当者の氏名と、ケア担当者の現在の状態に基づく状態表示とが含まれている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の携帯端末と、
前記複数の携帯端末と通信可能なサーバと、
を備えたコミュニケーションシステムであって、
前記複数の携帯端末の各々は、
表示部と、
ケア担当者を特定可能な識別情報と、前記ケア担当者の現在の状態とを入力するための入力部と、
を有し、
前記サーバは、前記識別情報のそれぞれに基づいて特定されたケア担当者に関する情報を一覧的に表示するための担当一覧画面データを生成する生成部を有し、
前記担当一覧画面データに基づいて、前記表示部に担当一覧画面が表示され、
前記担当一覧画面には、前記ケア担当者の氏名と、前記ケア担当者の前記現在の状態に基づく状態表示とが含まれている、
コミュニケーションシステム。
【請求項2】
前記表示部には、前記複数の携帯端末の各々を利用する各ケア担当者が、前記担当一覧画面内に表示される複数のケア担当者の前記状態表示のうち自らの状態表示を変更するための変更画面がさらに表示可能である、請求項1に記載のコミュニケーションシステム。
【請求項3】
前記変更画面において、変更後の状態表示を維持する一定時間を任意で設定可能であり、
前記一定時間が経過した後に、変更後の前記状態表示から変更前の前記状態表示に切り替わる、請求項2に記載のコミュニケーションシステム。
【請求項4】
前記一定時間内であれば、前記変更後の状態表示をさらに変更可能である、請求項3に記載のコミュニケーションシステム。
【請求項5】
前記状態表示は、ケア担当者の前記状態に応じた複数の表示態様を含み、
前記複数の表示態様はそれぞれ異なる色と対応づけられている、請求項1に記載のコミュニケーションシステム。
【請求項6】
前記状態表示は、前記ケア担当者が電話に応答できることを示す応答可能状態と、前記ケア担当者が電話に応答できないことを示す応答不可状態との2つの表示を含む、請求項1に記載のコミュニケーションシステム。
【請求項7】
前記状態表示は、前記ケア担当者に関連付けられた携帯端末の端末番号、前記ケア担当者の所属、前記所属に関連付けられた拠点に関する拠点情報の少なくとも一つと関連付けられている、請求項1に記載のコミュニケーションシステム。
【請求項8】
前記所属は複数の所属を含み、
前記状態表示は複数の状態表示を含み、
前記複数の状態表示のそれぞれは、前記複数の所属のそれぞれに関連付けられている、または各所属に関連付けられた各拠点情報と関連付けられている、請求項7に記載のコミュニケーションシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コミュニケーションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
医療や介護のように、24時間365日、サービスを提供することが要求される業態がある。このような業態の場合、切れ目のないサービスを提供するため、時間や日などをずらした変則的な勤務体制(シフト勤務)が採用されていることが多い。
このような医療や介護の現場における担当情報共有用のコミュニケーションシステムとして、特許文献1のシステムがある。特許文献1は、電話帳サーバにより生成された、特定の患者を担当している全ての看護師を一覧的に表示するための担当一覧画面データに基づいて、電話帳サーバと通信可能な携帯端末の表示部に担当一覧画面が表示されるシステムを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示のシステムでは、携帯端末に、当日のその時点で出勤している全てのケア担当者が一覧的に表示されるものの、相手の現在の状況、すなわち相手が今電話に出られる状況であるかどうかなどが分からず、コミュニケーションを取りにくい場合があった。そのため、特許文献1のシステムには改善の余地があった。
【0005】
そこで、本開示は、病院内におけるケア担当者同士のコミュニケーションの効率を改善することが可能なコミュニケーションシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本開示の一態様に係るコミュニケーションシステムは、
複数の携帯端末と、
前記複数の携帯端末と通信可能なサーバと、
を備えたコミュニケーションシステムであって、
前記複数の携帯端末の各々は、
表示部と、
ケア担当者を特定可能な識別情報と、前記ケア担当者の現在の状態とを入力するための入力部と、
を有し、
前記サーバは、前記識別情報のそれぞれに基づいて特定されたケア担当者に関する情報を一覧的に表示するための担当一覧画面データを生成する生成部を有し、
前記担当一覧画面データに基づいて、前記表示部に担当一覧画面が表示され、
前記担当一覧画面には、前記ケア担当者の氏名と、前記ケア担当者の前記現在の状態に基づく状態表示とが含まれている。
【0007】
上記構成によれば、各ケア担当者の氏名および各ケア担当者の状態表示が担当一覧画面に表示される。これにより、電話をかけたい相手が電話に出ることができるかどうかなどの相手の状態を、電話をかける前に視覚的に確認することができる。このため、ケア担当者同士のコミュニケーションの効率を改善することができる。
【0008】
また、本開示のコミュニケーションシステムによれば、
前記表示部には、前記複数の携帯端末の各々を利用する各ケア担当者が、前記担当者一覧画面内に表示される複数のケア担当者の前記状態表示のうち自らの状態表示を変更するための変更画面がさらに表示可能であってもよい。
【0009】
上記構成によれば、ケア担当者が自らの現在の状態表示を簡便に変更して、ケア担当者の最新の状態に合致する状態表示とすることができる。
【0010】
また、本開示のコミュニケーションシステムによれば、
前記変更画面において、変更後の状態表示を維持する一定時間を任意で設定可能であり、
前記一定時間が経過した後に、変更後の前記状態表示から変更前の前記状態表示に切り替わってもよい。
【0011】
上記構成によれば、一定時間を経過するまでケア担当者が設定した変更後の状態表示が維持されるとともに、一定時間を経過した後に変更後の状態表示から変更前の状態表示に自動的に戻る。このため、各ケア担当者が現在の状態表示を都度設定する必要がなくなり、コミュニケーションシステムの操作性が向上する。
【0012】
また、本開示のコミュニケーションシステムによれば、
前記一定時間内であれば、前記変更後の状態表示をさらに変更可能であってもよい。
【0013】
上記構成によれば、例えば、病室でのケア業務が予想よりも早く終了してナースステーションに戻るなど、ケア担当者の状態が変更された場合に、変更後の状態表示をさらに変更することにより、ケア担当者の最新の状態に合致する状態表示にすることができる。
【0014】
また、本開示のコミュニケーションシステムによれば、
前記状態表示は、ケア担当者の前記状態に応じた複数の表示態様を含み、
前記複数の表示態様はそれぞれ異なる色と対応づけられていてもよい。
【0015】
上記構成によれば、状態表示の種類によって表示色が違うので、視覚的に相手の現状を一目で確認することができる。
【0016】
また、本開示のコミュニケーションシステムによれば、
前記状態表示は、前記ケア担当者が電話に応答できることを示す応答可能状態と、前記ケア担当者が電話に応答できないことを示す応答不可状態との2つの表示を含んでもよい。
【0017】
上記構成によれば、ケア担当者は、電話応答が可能かどうかに応じて、応答可能状態の表示か応答不可状態の表示かを選択できる。このように選択できる状態表示を最小限とすることにより、操作の手間が少なく、かつ、電話可否を各ケア担当者が更新することができるので、より円滑なコミュニケーションが可能となる。
【0018】
また、本開示のコミュニケーションシステムによれば、
前記状態表示は、前記ケア担当者に関連付けられた携帯端末の端末番号、前記ケア担当者の所属、前記所属に関連付けられた拠点に関する拠点情報の少なくとも一つと関連付けられていてもよい。
【0019】
上記構成によれば、ケア担当者の端末番号、拠点情報、所属のいずれかと当該ケア担当者の状態表示とが関連付けられて担当一覧画面に表示されるので、ケア担当者が電話に出ることができるかどうかなどの相手の状態と端末番号、拠点情報、所属のいずれかの情報とを併せて確認することができる。このため、ケア担当者同士のコミュニケーションをより円滑とすることができる。
【0020】
また、本開示のコミュニケーションシステムによれば、
前記所属は複数の所属を含み、
前記状態表示は複数の状態表示を含み、
前記複数の状態表示のそれぞれは、前記複数の所属のそれぞれに関連付けられていてもよく、または各所属に関連付けられた各拠点情報と関連付けられていてもよい。
【0021】
上記構成によれば、例えば、内科および呼吸器内科を兼務するケア担当者が、呼吸器内科の拠点情報である呼吸器内科ナースステーションに居る場合に、複数の状態表示のうち呼吸器内科の状態表示は応答可能を示す色で表示し、内科の状態表示は他科対応中(応答不可)を示す色で表示することができる。このように、ケア担当者が複数の所属に所属している場合、複数の状態表示「応答可能」および状態表示「他科対応中(応答不可)」のそれぞれは、複数の所属「呼吸器内科」および所属「内科」のそれぞれに関連付けられているので、電話をかけたい相手の状況をより具体的かつ視覚的に確認することができる。また、複数の状態表示のそれぞれは、複数の拠点情報のそれぞれに関連付けられているので、同様に、電話をかけたい相手の状況をより具体的かつ視覚的に確認することができる。これにより、ケア担当者同士のコミュニケーションをより円滑とすることができる。
【発明の効果】
【0022】
本開示のコミュニケーションシステムによれば、医療や介護の現場におけるケア担当者同士のコミュニケーションの効率を改善することが可能なコミュニケーションシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本開示の実施形態に係る担当情報共有用のコミュニケーションシステムの構成図である。
【
図4】状態表示情報テーブルの一例を示す図である。
【
図5】コミュニケーションシステムの動作を説明するフローチャートである。
【
図8】状態表示を含む担当一覧画面の一例を示す図である。
【
図9】状態表示の新規登録画面の一例を示す図である。
【
図10】状態表示文言変更画面80の一例を示す図である。
【
図11】コミュニケーションシステムの動作を説明するシーケンス図である。
【
図12】コミュニケーションシステムにおける担当一覧画面の一例を示す図である。
【
図13】状態表示時間設定部の一例を示す図である。
【
図14】第二変形例の動作例を説明するフローチャートである。
【
図15】第三変形例の動作例を説明するフローチャートである。
【
図16】第二実施形態に係る看護師情報テーブル24dの一例である。
【
図17】第二実施形態に係る担当一覧画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本開示に係る担当情報共有用のコミュニケーションシステムの実施形態について図面を参照して説明する。
【0025】
(第一実施形態)
図1は、本実施形態のコミュニケーションシステム1を示す構成図である。
図1に示すように、コミュニケーションシステム1は、例えば、病院や介護施設のように、入院患者等のケア対象者に対して医療や介護のサービスを提供する施設等において適用されうる。本例ではサービスを提供する施設として、病院を例に説明する。
コミュニケーションシステム1は、複数の携帯端末Xと、複数の携帯端末Xのそれぞれと通信可能に接続される電話帳サーバ2と、各携帯端末Xの位置情報が記憶される位置情報サーバ5と、を備えている。各携帯端末Xは、患者(ケア対象者の一例)をケアする複数のケア担当者のそれぞれが携帯する。
【0026】
携帯端末Xとしては、無線通信(例えば、「WiFi」)可能なスマートフォン等が用いられる。携帯端末Xは、表示部11と、入力部12とを有している。表示部11は、例えば、タッチパネル式の画面として構成され、画面の一部が入力部12になっている。入力部12は、ケア担当者を特定可能な識別情報と、ケア担当者の現在の状態とを入力可能に構成されている(詳細については後述する)。なお、入力部12は物理的なボタンで構成されてもよい。携帯端末Xは、各病棟(内科、整形外科、婦人科等)に出勤しているケア担当者に、当日、貸与される端末である。ケア担当者とは、医師、医療従事者(例えば、看護師、准看護師、病院の警備室の警備スタッフや病院のカルテシステムを管理する管理者などの病院スタッフなど)、介護士などが含まれる概念であるが、本例では、看護師を例に説明する。携帯端末Xは、病棟毎に複数台(例えば、
図1に示す整形外科でいうと携帯端末X1~X4)が準備されている。
【0027】
携帯端末Xは、インターネット(公衆ネットワーク)を介して電話帳サーバ2と通信可能に接続されている。また、携帯端末Xは、病院内に構築されるローカル通信網(院内ネットワーク)を介して携帯端末X同士、位置情報サーバ5、あるいは図示を省略する院内のナースコール親機、ナースコール子機等と通信可能に接続されている。携帯端末Xは、後述の端末装置4と通信可能に接続されていてもよい。各携帯端末Xは、通常の端末番号(内線電話番号)の他に、院内ネットワーク上で用いられる個別の携帯番号(携帯端末ID)を有する。
【0028】
携帯端末Xは、インターネットを介して、認証を経て電話帳サーバ2に保存されているデータを閲覧可能である。携帯端末Xには、電話帳サーバ2に保存されているデータの内容を確認するために実行される専用のアプリケーションがインストールされている。このアプリケーションは、例えば、電話帳サーバ2に保存されており、電話帳サーバ2から携帯端末Xにダウンロードすることが可能である。
【0029】
電話帳サーバ2は、例えば、インターネット回線を介して利用可能なクラウドサーバである。電話帳サーバ2には、本システム1のコミュニケーションに関する一連のデータが保存されている。
【0030】
コミュニケーションシステム1が適用される施設は、インターネットを介して電話帳サーバ2に接続される端末装置4を含んでいる。端末装置4は、本システム1が適用される施設において、本システム1のシステム更新・変更権限を有するシステム管理者のシステム管理者IDおよびシステム管理者のみが使用可能なパスワードを用いて、電話帳サーバ2にログイン可能である。端末装置4は、電話帳サーバ2への接続などの指示を入力可能な入力部41と、入力部41を用いたユーザの指示に応じた情報を表示可能な表示部42と、制御部(図示省略)を含んでいる。端末装置4の制御部は、入力部41から入力された操作内容に基づく信号を生成して電話帳サーバ2に向けてインターネットを介して送信するように構成されている。また、端末装置4の制御部は、電話帳サーバ2からインターネットを介して受信する信号に基づいて表示部42に所定の情報を表示する処理を行うように構成されている。例えば、端末装置4の制御部は、電話帳サーバ2から受信する管理パネル画面データに基づいて、本システム1の各種設定を登録または変更可能な画面である管理パネル画面を表示部42に表示可能である。端末装置4は、入力部41と表示部42とを含む装置であればよく、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォンなどの各種の装置や機器とすることができる。入力部41は、端末装置4に指示内容を入力可能なものであればよく、例えば、キーボード、マウス、入力用ペン、表示部42として構成されているタッチパネルなどである。表示部42は、例えば、液晶パネルまたは有機ELパネルなどによって構成されている。
【0031】
位置情報サーバ5は、受信機(図示省略)によって取得される携帯端末Xの位置情報を、電話帳サーバ2に送信するとともに位置情報サーバ5内の記憶部に記憶するサーバである。位置情報サーバ5および受信機については、後述する。
【0032】
次に、電話帳サーバ2の機能について
図2を参照して説明する。
図2は、電話帳サーバ2の機能ブロック図である。
図2に示すように、電話帳サーバ2は、サーバCPU21と、記憶部24と、サーバインターフェース回路(以下、サーバI/Fと称す)25とを備えている。
【0033】
サーバCPU21は、後述する生成部22の機能および管理部23の機能を実行処理する。
サーバCPU21は、例えば、携帯端末Xの操作に基づいて、インターネットを介して、携帯端末Xと電話帳サーバ2との間の通信処理等を行う。また、サーバCPU21は、端末装置4の操作に基づいて、インターネットを介して、端末装置4と電話帳サーバ2との間の通信処理等を行う。サーバCPU21は、記憶部24に記憶されたプログラムと協働して、
図5に示される電話帳サーバ2側で実行される各ステップ、例えば、ケア担当者が携帯している携帯端末Xに、ケア担当者の氏名と当該ケア担当者の現在の状態に基づく状態表示とが含まれている担当一覧画面を表示させる表示ステップ等を実行する。サーバI/F25は、インターネットとの信号伝送路を形成するための通信部を構成する。
【0034】
記憶部24には、サーバCPU21と協働して各種の情報処理を実行するためのプログラムが記憶されている。また、記憶部24には、ケア担当者または患者について、氏名、所属、職種、役職等の情報が相互に対応づけて記憶されている複数の情報テーブルが記憶されている。情報テーブルは、例えば、医師の氏名、所属する診療科、職種である医師、部長などの役職が相互に対応付けられて記憶された医師情報テーブルなどである。また、記憶部24には、各テーブルに基づいて生成される画面データが記憶され、例えば、生成部22で生成される担当一覧画面データや、管理部23で生成される管理パネル画面データが記憶される。
【0035】
図2に示すように、記憶部24には、患者情報テーブル24aと、看護師情報テーブル24b(24d)と、状態表示情報テーブル24cと、が記憶されている。患者情報テーブル24aには、患者名、患者ID、診療科目、年齢、血液型、部屋番号、ベッド番号、患者を担当する看護チームのID、担当医師、主担当看護師、緊急連絡先、および当日の担当看護師等の患者情報が相互に対応付けて記憶されている。看護師情報テーブル24b(24d)および状態表示情報テーブル24cにおいて記憶される情報の詳細については、後述する。
【0036】
生成部22は、例えば、看護師情報テーブル24bに基づいて、その当日に勤務する看護師の氏名、看護師IDおよび看護師の状態表示を特定し、当該看護師が携帯する携帯端末Xの携帯端末IDを特定するように構成されている。看護師IDは、ケア担当者を特定可能な識別情報の一例である。生成部22は、看護師情報テーブル24bを用いて当該看護師の所属(診療科)を特定し、特定した所属に対応付けられている他の看護師の氏名および看護師IDを看護師情報テーブル24bから取得する。生成部22は、看護師情報テーブル24bから取得した情報に基づいて、当該看護師がその当日に携帯する携帯端末Xの表示部11に担当一覧画面担当を表示するための担当一覧画面データを生成する。生成部22が生成した担当一覧画面データは、サーバI/F25を介して携帯端末Xに送信される。
【0037】
管理部23は、本システム1における各種の登録または変更を設定可能に構成されている。また、管理部23は、携帯端末Xの表示部11の表示内容を設定可能に構成されている。例えば、管理部23は、携帯端末Xの表示部11に状態表示を表示させるか否かを設定する管理パネル画面データを生成して、端末装置4に管理パネル画面データを送信可能である。管理パネル画面データは、例えば、携帯端末Xの使用者の現在の状態に基づく状態表示の表示または非表示のいずれかを設定する状態表示選択データを含んでいる。また、管理部23は、端末装置4の入力部41から入力される指示に基づいて、記憶部24の状態表示情報テーブル24cに新たな状態表示の情報を記憶させ、状態表示情報テーブル24cに記憶されている各情報を変更または削除することができる。
【0038】
図3は、看護師情報テーブル24bを示す図である。
図3に示すように、看護師情報テーブル24bには、看護師の氏名、ID、状態表示、職種、役職、所属(所属する診療科)、医療チームのID、携帯する端末の携帯端末ID、携帯する端末の端末番号(内線番号)、拠点情報などの看護師情報が相互に対応付けて記憶されている。IDは、各看護師のIDであり、看護師の氏名の情報と関連付けられて看護師情報テーブル24bに記憶されている。状態表示は、看護師(ケア担当者の一例)の現在の状態に基づく表示である。状態表示は、例えば、電話に応答可能な状態であることを示す「応答可能」、業務中で手が離せない状態であることを示す「応答不可」、緊急の電話の応答は可能であるが業務中であることを示す「取込中」、診察室での業務中であることを示す「診察中」、手術対応中であることを示す「手術中」、複数の診療科の兼務において他診療科の業務中であることを示す「他科対応中」、業務中に一時的に離席中であることを示す「一次退席中」、業務中に離席中であることを示す「退席中」、休憩中であることを示す「休憩中」、携帯端末Xからログアウトしていないが無線通信の電波を受信できない場所にいることを示す「オフライン」などである。職種は、例えば、医師、看護師、准看護師、看護補助者、薬剤師、警護管理者などである。
図3に示す看護師情報テーブル24bでは看護師が職種として記憶されている。役職は、病院内の役職であり、例えば、医師部長、師長、薬剤師部長などである。所属(所属する組織)は、例えば、整形外科、内科、院内薬局などである。医療チームIDは、整形外科に「B16」などの所属毎のIDであってもよく、呼吸器内科と感染症科などの複数所属に対して共通で設定された「C19」などのIDでもよい。端末のIDは、各携帯端末Xに固有のIDであり、端末番号(内線電話番号)と関連付けられて看護師情報テーブル24bに記憶されている。内線番号は、例えば、1桁目を診療科毎に割り振られた数字とし、2桁目から5桁目を各診療科が管理する携帯端末Xの通し番号とすることができる。
図3には、内科の看護師長山田洋子がその時点で携帯する携帯端末Xの内線番号が、内科を示す1桁目「1」と、内科が位置する2階を示す2桁目「2」と、内科が管理する携帯端末Xの通し番号「003」とからなる「12003」であることが示されている。拠点情報は、各ケア担当者の所属(所属する診療科)に関連付けられた病院内の拠点を示す情報である。拠点には、例えば、各階のナースステーション、各階の診察室、各階の検査室などが含まれる。
【0039】
看護師情報テーブル24bにおける「看護師氏名」から「医療チームID」までの欄の情報は、各種のタイミングでインターネットを介して電話帳サーバ2に送信される情報により、更新される。例えば、後述するその当日の携帯端末Xへのログイン操作を行ったタイミングで、ログインした看護師の看護師IDがインターネットを介して電話帳サーバ2に送信されて、看護師情報テーブル24bに記憶される看護師IDの情報が更新される。
看護師情報テーブル24bにおける「状態表示」の欄は、その当日の携帯端末Xへのログイン操作を看護師が行ったタイミングなどの各種のタイミングで、ログインした看護師が選択した状態表示の情報がインターネットを介して電話帳サーバ2に送信される情報により、更新される。
看護師情報テーブル24bにおける「携帯端末ID」の欄および「端末番号」の欄の情報は、看護師が出勤した日に貸与される携帯端末Xによって決まり、その携帯端末Xを操作してこのシステム1の利用を開始する度に更新される。
【0040】
図4は、状態表示情報テーブル24cの一例を示す図である。
状態表示情報テーブル24cは、ケア担当者の状態に応じた複数の表示態様を含んでいる。
図4に示す状態表示情報テーブル24cには、複数の表示態様として、例えば、状態表示名「応答可能」、「応答不可」、「休憩中」の三種類が記憶されている。状態表示情報テーブル24cには、各表示態様について、状態表示名と状態表示色とが対応付けられて記憶されている。本例では、三種類の表示態様(状態表示名)が、それぞれ、異なる色と対応づけられて状態表示情報テーブル24cに記憶されている。具体的には、状態表示情報テーブル24cには、状態表示名「応答可能」について、状態表示として「応答可能」の文字および「緑色」(濃い網掛け表示で緑色を示している)が記憶されている。また、状態表示情報テーブル24cには、状態表示名「応答不可」について、状態表示「応答不可」の文字および「灰色」(薄い網掛け表示で灰色を示している)が記憶されている。また、状態表示情報テーブル24cには、状態表示名「休憩中」について、状態表示名「休憩中」の文字および「赤色」(左下に下がる斜線表示で赤色を示している)が記憶されている。
【0041】
図4では、状態表示名として「応答可能」、「応答不可」、「休憩中」の三種類が記憶されているが、状態表示名の種類はこれに限られない。状態表示名は任意の文言とすることができ、例えば、「取込中」、「手術中」、「診察中」、「他科対応中」、「一時退席中」、「退席中」、「オフライン」などとすることができる。状態表示名を任意の文字とする動作例については後述する。
【0042】
次に、担当情報共有用のコミュニケーションシステム1の動作について
図5に示すフローチャート及び
図6~
図9を参照しつつ説明する。
ここでは、システム管理者による本システム1の利用および、血管外科(看護師が属する所属の一例)の看護師による本システム1の利用を例として説明する。
【0043】
まず、本システム1のシステム管理者は、システム管理者IDおよびパスワードを端末装置4の入力部41(
図1参照)から入力して、電話帳サーバ2にログインするログイン操作を行う(ステップS01)。端末装置4の制御部は、入力部41から入力されたシステム管理者IDの情報およびパスワードの情報を含むログイン信号を生成し、生成したログイン信号を電話帳サーバ2に送信する(ステップS02)。端末装置4から送信されたログイン信号は、サーバI/F25を介して電話帳サーバ2に受信される。電話帳サーバ2のサーバCPU21は、端末装置4から受信したログイン信号に基づいて端末装置4のシステム管理者IDを特定してこれを認証する。
【0044】
次に、電話帳サーバ2の管理部23は、サーバCPU21に認証された端末装置4の表示部42に管理パネル画面を表示するための管理パネル画面データを生成する(ステップS03)。管理パネル画面は、上述の通り、本システム1の各種設定を登録または変更可能な画面である。本例の管理パネル画面は、携帯端末Xの使用者の現在の状態に基づく状態表示の表示または非表示のいずれかを設定する状態表示選択部等を含んでいる。管理部23は、ステップS03において、状態表示選択部等を含む管理パネル画面データを生成する。管理部23は、生成した管理パネル画面データに基づき、管理パネル画面を端末装置4に表示するための表示信号を生成して、端末装置4に送信する(ステップS04)。
【0045】
端末装置4の制御部は、管理部23から表示信号を受信し、受信した表示信号に基づいて管理パネル画面を表示部42に表示する(ステップS05)。
図6は、表示部42に表示される管理パネル画面30の一例を示す図である。
図6に示すように、管理パネル画面30は、状態表示選択部31と、状態表示文言登録部32と、状態表示文言変更画面80と、キャンセルボタン34と、実行ボタン35とを含んでいる。状態表示選択部31は、上述の通り、携帯端末Xの使用者の現在の状態に基づく状態表示の表示または非表示のいずれかを設定するために用いられる。状態表示文言登録部32および状態表示文言変更画面80については後述する。
図6では、状態表示選択部31が選択され、携帯端末Xの使用者の現在の状態に基づく状態表示を表示することが選択された状態が示されている。
【0046】
図5に戻り、本システム1のシステム管理者は、ステップS05において表示部42に表示された管理パネル画面30に対して、入力部41を操作して所定の操作を行う。携帯端末Xの使用者の現在の状態に基づく状態表示を非表示とする場合(ステップS06でNO)、システム管理者は、入力部41を操作して、管理パネル画面30において、状態表示を非表示とさせる設定を行う。具体的には、システム管理者は、管理パネル画面30の状態表示選択部31を選択しない状態でキャンセルボタン34を操作する。これにより、管理パネル画面30の表示が終了する(ステップS07)。なお、状態表示選択部31を選択しない状態で実行ボタン35を操作することにより、管理パネル画面30の表示を終了させてもよい。
【0047】
一方、ステップS06において、携帯端末Xの表示部11に、ケア担当者の現在の状態に基づく状態表示を表示させる場合(ステップS06においてYES)、システム管理者は、入力部41を操作して、管理パネル画面30の状態表示選択部31において、状態表示を表示させる設定を行う。具体的には、システム管理者は、状態表示選択部31を選択した状態で実行ボタン35を操作する。状態表示選択部31を選択した状態で実行ボタン35が操作されると、表示部42に、状態表示情報テーブル24cに登録されている状態表示を含む状態表示詳細設定画面が表示される(ステップS08)。
【0048】
図7は、ステップS07で表示される状態表示詳細設定画面51の一例を示す図である。
図7の状態表示詳細設定画面51には、既登録の状態表示として、状態表示名「応答可能」と、状態表示名「応対不可」と、状態表示名「休憩中」とが示されている。状態表示名「応答可能」は、「応答可能」の文字および緑色である状態表示を含んでいる。状態表示名「応答不可」は、「応答不可」の文字および灰色である状態表示を含んでいる。状態表示名「休憩中」は、「休憩中」の文字および赤色である状態表示とを含んでいる。状態表示名「状態A」および状態表示名「状態B」は、状態表示の文言の登録が無く、システム管理者などにより新規に状態表示に任意の文言を設定可能であり、新規に状態表示に任意の色を設定可能である。
【0049】
図5に戻り、状態表示詳細設定画面51に表示された既登録の状態表示を、携帯端末Xの表示部11に表示する場合(ステップS06においてYES)、システム管理者は、状態表示詳細設定画面51において、携帯端末Xの表示部11に表示したい状態表示の選択ボタン52を選択して、決定ボタン53を選択する(ステップS09)。決定ボタン53が選択されると、端末装置4の制御部は、選択ボタン52で選択された状態表示の情報と、状態表示選択部31(
図6)で選択された現在の状態に基づく状態表示を表示する旨の情報とに基づいて、設定信号を生成する。端末装置4の制御部は、生成した設定信号を、電話帳サーバ2に送信する(ステップS10)。
【0050】
電話帳サーバ2の管理部23は、端末装置4の制御部から設定信号を受信すると、状態表示情報テーブル24cに記憶されている情報および看護師情報テーブル24bの状態表示の情報に基づいて、ログイン済の看護師の特定および当該看護師の状態表示の情報を特定し、特定した状態表示の情報に基づいて携帯端末Xの表示部11に状態表示を表示するための状態表示画面信号を生成する。そして、管理部23は、端末装置4に状態表示画面信号を送信する(ステップS11)。状態表示画面信号を受信した端末装置4の制御部は、表示部42に、携帯端末Xにおける状態表示と同一の表示態様を表示する。これにより、システム管理者は、端末装置4の表示部42で、各携帯端末Xの表示部11における状態表示の表示態様を確認し、必要に応じて表示態様を修正・変更することができる。
【0051】
次に、各看護師が携帯する携帯端末Xは、例えば、朝のミーティングの際に、本日使用する携帯端末として、出勤している各看護師に対し病院側から貸与される。携帯端末Xを貸与された各看護師は、コミュニケーションシステム1を利用するための専用アプリケーションを立ち上げる。携帯端末Xの表示部11(入力部12)には、例えば、看護師IDを入力可能なID入力領域等と、状態表示を選択可能な状態表示選択領域とを含む「立上げ画面」が表示される。各看護師は、この立上げ画面において、ID入力領域に自分の看護師IDを入力し、状態表示選択領域から「応答可能」などの状態表示を選択した後、ログインボタンを押してログインする(ステップS12)。なお、専用アプリケーションの立上げに基づいて、携帯端末Xは、管理部23から状態表示画面信号を受信し、この状態表示画面信号に基づいて、システム管理者が登録した複数の状態表示から看護師が所定の状態表示を選択する。
【0052】
各看護師が携帯する各携帯端末Xからログインするとともに状態表示を選択すると、その携帯端末Xの携帯端末ID、ログインした看護師の看護師IDおよび選択された状態表示の情報が各携帯端末Xから電話帳サーバ2に送信される(ステップS13)。携帯端末ID、看護師IDおよび選択された状態表示の情報を受信した電話帳サーバ2のサーバCPU21は、受信した情報に基づいて看護師情報テーブル24bにおける携帯端末IDの欄の情報および状態表示の欄の情報を更新する。この更新により、この携帯端末Xの携帯端末IDとこの携帯端末Xを携帯する看護師とが対応づけられ、看護師IDとこの看護師IDに対応する状態表示とが対応付けられる。例えば、電話帳サーバ2の生成部22は、携帯端末Xから入力された看護師IDと、看護師情報テーブル24bとに基づいて、ログインした看護師の所属(属する組織)が血管外科であると特定する。また、生成部22は、看護師情報テーブル24bに記憶されている各看護師の情報に基づいて、この日に出勤している(ログイン中の)血管外科に所属する看護師を特定する。また、生成部22は、看護師IDに基づいて特定した看護師の状態表示が状態表示名「応対可能」であることを特定する。生成部22は、特定した看護師の情報をログインした看護師の携帯端末Xの画面に表示するための担当一覧画面データを生成する。生成部22が生成した担当一覧画面データは、記憶部24に記憶される。
【0053】
次に、看護師が携帯端末Xの初期画面において担当一覧画面を表示するためのアイコン等をタップした場合に、携帯端末Xは、生成部22から担当一覧画面データを受信し(ステップS14)、受信した担当一覧画面データに基づいて表示部11に担当一覧画面を表示する(ステップS15)。担当一覧画面には、各ケア担当者の氏名、顔写真、各ケア担当者の現在の状態に基づく状態表示などが含まれている。
【0054】
図8は、状態表示を含む担当一覧画面の一例を示す図である。
図8に示す例では、担当者一覧画面として、「山田」姓のケア担当者を検索した画面が示されている。
携帯端末Xを使用しているケア担当者が、携帯端末Xの表示部11(入力部12)の検索入力欄61に、検索したい相手の氏名「山田」の読み仮名(ふりがな)である「やまだ」を入力して検索ボタン62をタップする。これにより、検索入力欄61に入力された「やまだ」の情報が携帯端末Xから電話帳サーバ2に送信される。電話帳サーバ2のサーバCPU21は、サーバI/F25を介して検索入力欄61に入力された情報を受信して検索入力欄61に入力された情報を特定する。次にサーバCPU21は、記憶部24の看護師情報テーブル24bおよびその他のケア担当者の情報テーブルの情報に基づいて「やまだ」を氏名に含むケア担当者を特定し、さらに、看護師情報テーブル24bに基づいて特定された各ケア担当者の状態表示の情報を特定する。生成部22は、サーバCPU21が特定したケア担当者の情報および状態表示の情報に基づいて、検索入力欄61に入力された情報の検索結果として担当一覧画面を携帯端末Xに表示させるための担当一覧画面データを生成する。生成部22が生成した担当一覧画面データは、サーバI/F25を介して、検索入力欄61に検索情報を入力した携帯端末Xに送信される。
【0055】
図8では、電話帳サーバ2から携帯端末Xに送信された担当者一覧画面データに基づき、名字「山田」を含むケア担当者の氏名と、各ケア担当者の現在の状態に基づく状態表示63とを含む担当一覧画面が示されている。例えば、看護師「山田葵」の顔写真と重ねて、「応答可能」を示す緑色の状態表示63が表示され、看護師「山田葵」が電話に応答可能であることが示されている。また、看護師「山田洋子」の顔写真と重ねて赤色の状態表示63が表示され、看護師「山田洋子」の端末番号(内線番号)の周囲が赤色の状態表示63で囲まれており、看護師山田洋子が休憩中であることが示されている。なお、端末番号の数字の色や所属または拠点情報の文字色を、状態表示の色としてもよい。
【0056】
図5に戻り、ステップS09において既登録の状態表示を選択しない場合について説明する。既登録の状態表示を選択しない場合(ステップS09においてNO)、
図6に示す管理パネル画面30に、状態表示文言登録部32および状態表示文言変更画面80が表示される。システム管理者は、
図6に示す管理パネル画面30に表示される状態表示文言登録部32または状態表示文言変更画面80のいずれかを選択する(ステップS16)。状態表示文言登録部32は、状態表示として任意の文言を新規登録するか否かを選択するために用いられる。状態表示文言変更画面80は、状態表示の文言を編集するか否かを選択するために用いられる。
【0057】
ステップS16において、新たに任意の文言を状態表示として登録する場合、システム管理者は、
図6に示す状態表示文言登録部32を選択する。状態表示文言登録部32が選択されると、管理パネル画面として状態表示の新規登録画面70が表示される。
図9は、状態表示の新規登録画面70の一例を示す図である。新規登録画面70には、状態未登録表示71として、状態表示の既存登録が無い状態を示す「状態A」および「状態B」が表示されている。
【0058】
システム管理者は、状態未登録表示71の入力欄72をクリックなどで選択し、入力部41を操作して入力欄72に状態表示として登録したい文言を入力する。また、表示色選択部73をプルダウンさせて選択可能な色を新規登録画面70に複数表示させて、表示させた色から状態表示として表示させたい色をクリックするなどの操作により選択する。状態表示として表示させたい色として選択された色は、表示色欄74に表示される。この状態で、新規登録画面70のキャンセルボタン75を選択すると、入力欄72に入力した文言を取り消して空欄とすることができ、表示色選択部73に選択された色の選択を取り消すことができる。
入力欄72に文字が入力され、表示色欄74に色が選択された状態で、新規登録画面70の変更ボタン76を選択すると、端末装置4の制御部は、入力欄72の文言の情報および表示色欄74の情報に基づく状態表示登録信号を生成し、生成した状態表示登録信号を電話帳サーバ2に送信する(
図5のステップS17)。ステップS17以降の各ステップは、上記したステップS10からステップS15と同様であるため、説明を省略する。
【0059】
図5のステップS16において、既登録の状態表示を編集する場合、システム管理者は、
図6の状態表示文言変更画面80を選択する。状態表示文言変更画面80が選択されると、既登録の状態表示を編集する編集画面である状態表示文言変更画面80が表示される。
図10は、状態表示文言変更画面80の一例を示す図である。
図10では、状態表示文言変更画面80は、既登録の状態表示として、状態表示名「応答可能」と、状態表示名「応答不可」の二種類と、状態表示が未登録であることを示す状態表示名「状態A」を含んでいる。
【0060】
例えば、状態表示名「応答不可」の文言を「オフライン」に変更したい場合、状態表示文言変更画面80に表示される編集選択欄81をクリックなどで選択することにより、状態表示名「応答不可」の状態表示を編集する画面が表示される。状態表示を編集する画面(編集画面)は、例えば、
図9の新規登録画面70における文言の入力欄72、表示色選択部73および表示色欄74と同様とすることができる。システム管理者は、状態表示を変更する画面において、状態表示の入力欄に既に登録されている文言「応答不可」を削除して「オフライン」の文言を新たに入力し、表示色選択部をプルダウンさせて状態表示として選択したい色を新たに選択して表示色欄に表示させる。この操作により、状態表示文言変更画面80に、登録したい文言「オフライン」が状態表示の文言に反映され、状態表示として表示させたい色が表示色欄に反映される。ここで、状態表示文言変更画面80内のキャンセルボタン82を選択すると、編集画面で入力された文言「オフライン」および編集画面で表示色欄に反映された色の選択がキャンセルされ、編集する前の状態表示「応答不可」に戻る。一方、状態表示として登録したい文言「オフライン」が状態表示の文言に反映され、状態表示として表示させたい色が表示色欄に反映された状態で、状態表示文言変更画面80内の決定ボタン83を選択すると、端末装置4の制御部は、編集画面で入力された文言の情報および編集画面で選択された色の情報を含む状態表示変更信号を生成する。端末装置4の制御部は、生成した状態表示変更信号を電話帳サーバ2に送信する(
図5のステップS17)。以下の各ステップは、上記したステップS10からステップS15と同様であるため、説明を省略する。
【0061】
ところで、従来の担当情報共有用のコミュニケーションシステムによれば、携帯端末に、当日のその時点で出勤している全てのケア担当者が一覧的に表示されていたものの、相手の現在の状況、すなわち相手が今電話に出られる状況であるかどうか等が分からず、コミュニケーションを取りにくい場合があった。そのため、コミュニケーションの効率化には改善の余地があった。
【0062】
上記したコミュニケーションシステム1によれば、システム1にログインしている各看護師は、表示部11を画面操作して担当一覧画面を表示させる。表示部11には、現在このシステム1を利用しているケア担当者の氏名と、そのケア担当者の現在の状態に基づく状態表示とが一覧的に表示される。
このように、表示部11の担当一覧画面に各ケア担当者の氏名および各ケア担当者の状態表示が表示されるので、システム1を使用する各ケア担当者は、画面を複数回操作することなく、当日のその時点で勤務している各ケア担当者を確認し、かつ、電話を掛けたい相手が電話に出ることができるかどうかなどの相手の状態を電話をかける前に視覚的に確認することができる。このため、ケア担当者同士のコミュニケーションをより円滑とすることができる。
【0063】
また、状態表示は「応答可能」や「応答不可」などのケア担当者の状態に応じた複数の表示態様を含み、複数の表示態様はそれぞれ異なる色と対応づけられている。
このように、ケア担当者の現在の状態によって表示色が異なるので、視覚的に相手の現状を一目で確認することができる。このため、ケア担当者同士のコミュニケーションをより円滑とすることができる。
【0064】
また、状態表示は、ケア担当者に関連付けられた携帯端末の端末番号、ケア担当者の所属、所属に関連付けられた拠点に関する拠点情報の少なくとも一つと関連付けられている。このため、ケア担当者が電話に出ることができるかどうかなどの相手の状態と端末番号、拠点情報、所属のいずれかの情報とを併せて確認することができる。このため、ケア担当者同士のコミュニケーションをより円滑とすることができる。
【0065】
なお、
図8の検索例では名字のふりがなから検索したが、ケア担当者の職種、所属、役職、端末番号(内線番号)を検索入力欄に入力して検索することもできる。例えば、職種である「医師」を検索入力欄に入力して検索すると、すべての診療科のすべての医師の氏名が、各医師がその時点で携帯する携帯端末Xの内線番号とともに表示される。これにより、医師などの職種で様々な所属のケア担当者を横断的に検索することができる。また、所属である「整形外科」や所属の一部「整形」を検索入力欄に入力して検索すると、整形外科に所属するすべてのケア対象者の氏名が、各ケア担当者がその時点で携帯する携帯端末Xの端末番号(内線番号)とともに表示される。これにより、整形外科などの所属に属するすべてのケア担当者を一覧的に表示することができる。また、役職である「部長」を検索入力欄に入力して検索すると、すべての診療科のすべての部長の氏名が、各部長がその時点で携帯する携帯端末Xの端末番号(内線番号)とともに表示される。これにより、部長などの役職で様々な所属のケア担当者を横断的に検索することができる。このように、ケア担当者の氏名、職種、役職の少なくとも一つに基づいて、特定のケア担当者を検索可能な検索画面を含むコミュニケーションシステムによれば、簡易に特定のケア担当者を検索することができ、操作性を向上させることができ、すべてのケア担当者を職種や役職で横断的に検索することができる。また、端末番号(内線番号)である「12003」を検索入力欄に入力して検索すると、検索の時点で端末番号「12003」の携帯端末Xを携行するケア担当者の氏名が、携帯端末Xの端末番号(内線番号)とともに表示される。これにより、当該端末番号を携行するケア担当者を簡易に検索することができる。
【0066】
また、
図8では、ケア担当者の氏名および顔写真を表示する担当一覧画面を説明したが、担当一覧画面に表示する情報はケア担当者の氏名および顔写真に限られない。図示は省略するが、表示部11に表示された担当一覧画面に、ケア担当者の氏名とともに、職種として、看護師の略称である「看護」および准看護師を示す「Ns」を表示してもよい。また、担当一覧画面に、ケア担当者の氏名とともに、役職である「師長」(看護師長)を表示してもよい。また、担当一覧画面に、ケア担当者の氏名および顔写真とともに各ケア担当者の氏名のふりがなを表示してもよい。また、担当一覧画面に、ケア担当者の氏名とともに、ケア担当者が所属する診療科に関連付けられた拠点を示す拠点情報を表示してもよい。ケア担当者が所属する診療科に関連付けられた拠点情報は、例えば、内科のナースステーションを示す「2F内ナースステーション」である。
また、担当一覧画面におけるケア担当者の表示は、携帯端末Xを使用するケア担当者がより効率良くコミュニケーションを取るための各種の表示態様とすることができる。図示は省略するが、担当一覧画面に、所属をツリー形式で表示してもよい。ツリー形式の所属の表示は、例えば、表示部11の上方から下方に向けて、上層の所属である「医局」、医局の下層の所属である「内科」、「外科」「整形外科」を表示するなどのように、ケア担当者の所属の上層、下層を一覧的に表示して、所属からたどってケア担当者を検索することができる表示態様としてもよい。所属をツリー形式で表示する場合、所属を展開して表示可能な展開ボタン(図示省略)を表示部11に表示させて、この展開ボタンをタップなどで操作することにより、タップした所属に属する同層および下層の情報を表示してもよい。例えば、「医局」の展開ボタンをタップすることにより、医局の下層の所属である内科と外科とを一覧的に表示してもよく、「外科」の展開ボタンをタップすることにより、外科の下層である整形外科を表示してもよい。さらに、整形外科の展開ボタンをタップすることにより、整形外科に属するケア担当者を一覧的に表示してもよい。展開ボタンをタップすることにより表示される担当一覧画面は、例えば「医師」、「看護師長(師長尾)」、「看護師」、「准看護師(Ns)」の表示のように、役職の上層、同層、下層を含んで表示してもよい。このように、展開ボタンのタップという少ない操作により、タップした所属をたどってその所属に属するケア担当者を検索可能としてもよい。また、所属からたどる検索で表示される担当一覧画面に、各ケア担当者の氏名、顔写真、状態表示、所属、職種、役職、拠点情報を含むケア担当者の一覧を表示してもよく、この場合には少ない操作で各ケア担当者の情報を一覧的に表示させることができる。
【0067】
なお、上記した例では、管理パネル画面30に状態表示選択部31を表示させたが、管理パネル画面の表示は上記に限られない。管理パネル画面には、本システム1の携帯端末Xの表示態様に関する各種の設定を含めることができる。例えば、すべての携帯端末Xの表示項目を一律に設定するか、特定の携帯端末Xの表示項目を個別に設定するかを設定可能な設定対象選択部を表示させてもよい。設定対象選択部を管理パネル画面に表示する場合、管理部23または生成部22は、看護師情報テーブル24bなどの各種情報テーブルに基づいて、設定対象選択部を表示させるための設定対象選択部表示データを生成するように構成することができる。
【0068】
なお、本システム1では、ケア担当者が携帯端末Xの表示部11から画面操作を行ってお気に入りを登録した場合、異なる携帯端末Xにおいて登録済のお気に入りを引き継ぐことができる。
表示部11の担当一覧画面の表示画面からお気に入りに登録したいケア担当者の氏名を長押しすると、携帯端末Xは、長押しで特定されたケア担当者のIDおよび自端末の携帯端末IDを含むお気に入り登録に関する情報の信号を生成し、この信号をインターネットを介して電話帳サーバ2に送信する。また、携帯端末Xは、長押しされたケア担当者の氏名およびIDを特定して、自端末の担当一覧画面のお気に入りに一覧的に表示する。電話帳サーバ2は、受信したお気に入り登録に関する情報の信号に基づいて、信号を発信した携帯端末IDおよびその時点のその携帯端末Xを携帯するケア担当者のIDを特定し、特定した携帯端末IDおよびケア担当者のIDの情報に基づいて記憶部24の各ケア担当者情報テーブルにおけるケア担当者の氏名およびIDを特定する。特定されたケア担当者のIDおよびお気に入り登録に関する情報は、互いに関連付けられて記憶部24に記憶される。
【0069】
このシステム1を利用(ログイン)しているケア担当者が自端末でログアウトした場合、ログアウトしたことにより、看護師情報テーブル24bなどのケア担当者情報テーブルにおける携帯端末IDの欄および端末番号(内線番号)の欄の情報が更新されて、ログアウトしたケア担当者師に対応付けられていた携帯端末IDおよび端末番号の情報が消される。しかし本例では、お気に入りの登録情報は記憶部24に記憶されているので、お気に入りを登録した携帯端末Xからケア担当者がログアウトした後も、お気に入りの情報は記憶部24に記憶されて維持される。お気に入りの情報は、次の出勤日に貸与された携帯端末Xからログインしたときに生成部22が生成する担当一覧画面データに含められて、ログインした携帯端末Xの担当一覧画面に表示される。
【0070】
また、本システム1では、携帯端末Xの表示部11に、ケア担当者をソートして表示することができる。
図8の表示部11の画面の上部には、ソートボタン64が表示されている。
図8に示す例では、ソートボタン64は、左から順に「メンバー」、「所属」、「お気に入り」、「拠点」が表示されている。
ソートボタン64の「メンバー」をタップすると、その時点で出勤(ログイン)しているすべてのケア担当者の氏名と、ケア担当者の現在の状態に基づく状態表示が一覧的に表示される。このケア担当者の一覧的な表示の順序は、例えば、氏名の50音順である。
ソートボタン64の「所属」をタップすると全所属が一覧的に表示される。全所属の一覧的な表示は、例えば、「血管外科」、「脳神経外科」、「整形外科」、「呼吸器内科」、「消化器内科」のように、診療科の一覧的な表示である。
ソートボタン64の「お気に入り」をタップすると、携帯端末Xの使用者があらかじめ登録したケア担当者のうちその時点でログインしているケア担当者の氏名と、ケア担当者の現在の状態に基づく状態表示が一覧的に表示される。
ソートボタン64の「拠点」をタップすると、システム1が適用される全拠点が一覧的に表示される。全拠点の一覧表示は、例えば、「整形外科の診察室」、「整形外科のナースステーション」、「整形外科の検査室」などである。表示された拠点をタップすることにより、各拠点に紐づけられた所属内のケア担当者の氏名と、ケア担当者の現在の状態に基づく状態表示が、一覧的に表示される。
【0071】
ソートボタンは、
図8に示した例に限られない。ソートボタンの種類を異なる条件、例えば、「内線番号(携帯端末の端末番号)」、「(ケア担当者の)氏名」、「職種」に変更することもできる。
ソートボタンに「内線番号(携帯端末の端末番号)」を含めた場合、「内線番号(携帯端末の端末番号)」のソートボタンをタップすると、すべてのケア担当者の氏名およびケア担当者の現在の状態に基づく状態表示が内線番号の降順で一覧的に表示され、再度ソートボタンの「内線番号(携帯端末の端末番号)」をタップすると内線番号の昇順で一覧的に表示される。
ソートボタンに「(ケア担当者の)氏名」を含めた場合、ソートボタンの「(ケア担当者の)氏名」をタップすると、すべてのケア担当者の氏名およびケア担当者の現在の状態に基づく状態表示が氏名の50音順で一覧的に表示され、再度ソートボタンの「(ケア担当者の)氏名」をタップすると、すべてのケア担当者の氏名およびケア担当者の現在の状態に基づく状態表示が氏名の50音の逆順で一覧的に表示される。
ソートボタンに「職種」を含めた場合、ソートボタンの「職種」をタップすると、すべてのケア担当者の氏名およびケア担当者の現在の状態に基づく状態表示が「医師」「看護師」「准看護師」などの職種単位で一覧的に表示される。
なお、ソートするケア担当者を、直前の担当一覧画面に表示されていたケア担当者に限定する構成とすることもできる。この場合、ソートボタン64をタップすることにより、タップした情報の昇順または降順で、直前の担当一覧画面に表示されていたケア担当者の氏名およびケア担当者の現在の状態に基づく状態表示を一覧的に表示することができる。
【0072】
(第一変形例)
本開示のコミュニケーションシステムにおいて、携帯端末Xの表示部11には、複数の携帯端末Xの各々を利用する各ケア担当者が、担当者一覧画面内に表示される複数のケア担当者の状態表示のうち自らの状態表示を変更するための変更画面がさらに表示可能に構成されてもよい。このコミュニケーションシステム1について、以下説明する。なお、本第一変形例の説明で上記第一実施形態と重複する内容については、同一符号を用い、その説明を省略する。
【0073】
図8は、ケア担当者自らの状態表示を変更するためのアイコンを含む携帯端末Xの表示部11の一例である。
図8において、当該ケア担当者自らの状態表示を変更するためのアイコン66が、ケア担当者の顔写真の上に重なった状態で示されている。アイコン66をタップすることにより、ケア担当者自らの状態表示を変更するための変更画面が表示部11上の検索結果上に重ねて表示される。状態表示を変更するための変更画面は、端末装置4の表示部42に表示される既登録の状態表示と同様とすることができ、例えば、
図7に示す状態表示詳細設定画面51と同様とすることができる。
【0074】
図11は、ケア担当者自らが状態表示を変更する動作を説明するシーケンス図である。
例えば、ケア担当者がログイン時に看護師IDの入力および自らの状態表示として「応答可能」を選択してログインし(
図5のステップS12)、自らの携帯端末Xの表示部11に状態表示が表示され(ステップS15)、その後に、入院患者のナースコールに対応するために自分の状態表示を「応答不可」に変更したい場合について
図11を参照して説明する。
【0075】
図11において、ケア担当者は、自身が携帯する携帯端末Xの表示部11に表示された状態表示を変更するための変更画面を、表示部11に表示させる(ステップS21)。状態表示を変更するための変更画面は、例えば、
図7の状態表示の選択ボタン52および決定ボタン53を含む状態表示詳細設定画面51と同様とすることができる。ケア担当者は、状態表示を変更するための変更画面において、現在の自分の状態に適する状態表示を選択し、決定ボタンなどで選択した状態表示を確定することにより、状態表示の変更を入力する(ステップS22)。この操作を受け付けた携帯端末Xは、状態表示を変更するための変更画面において選択された状態表示の情報と、自端末の携帯端末IDの情報とを含む状態表示変更信号を生成して、生成した状態表示変更信号を電話帳サーバ2に送信する(ステップS23)。電話帳サーバ2のサーバCPU21は、状態表示変更信号を受信すると、受信した状態表示変更信号に基づいて看護師情報テーブル24bの状態表示欄の情報を更新する(ステップS24)。また、サーバCPU21は、状態表示変更信号を生成部22に送信する。生成部22は、状態表示変更信号に基づいて、変更後の状態表示欄の情報および状態表示変更信号に含まれる携帯端末IDの情報を特定する。また、生成部22は、更新された看護師情報テーブル24bに基づいて、状態表示が変更された看護師の看護師IDの情報を特定する。生成部22は、更新された状態表示の情報と、この状態表示に対応づけられた看護師の看護師IDおよび携帯端末IDを含む状態表示更新信号を生成し、生成した状態表示更新信号を携帯端末Xに送信する(ステップS25)。状態表示更新信号を受信した各携帯端末Xは、各携帯端末Xを携帯する各ケア担当者から担当一覧画面を表示するための操作入力を受け付けた場合、更新された状態表示を含む担当一覧画面を表示部11に表示する(ステップS26)。
これにより、各携帯端末Xの表示部11には、担当一覧画面として、各ケア担当者のその時点での最新の状態表示が、各ケア担当者の氏名とともに表示される。
【0076】
上記した例では、自分のアイコン66をタップすることにより状態表示の変更画面を表示させたが、変更画面を表示する方法はアイコン66のタップに限られない。
図12は、変更画面を表示する変更ボタンの一例を示す図である。
図12に示すように、表示部11に表示される担当一覧画面は、変更画面を表示させる変更ボタン84を含んでいてもよい。
この場合、ケア担当者は、
図11のステップS21において、変更ボタン84をタップすることにより、自身が携帯する携帯端末Xの表示部11に表示された状態表示を変更するための変更画面を表示部11に表示させることができる。ステップS21以外の各ステップについては、上記した
図11の各ステップと同様であるため、説明を省略する。
【0077】
(第二変形例)
本コミュニケーションシステム1の状態表示は、変更後の状態表示を維持する一定時間を設定可能であり、一定時間が経過した後に、変更後の状態表示から変更前の状態表示に切り替わる構成としてもよい。このコミュニケーションシステム1について、
図13および
図14を用いて、以下説明する。
図13は、状態表示時間設定部の一例を示す図である。
図14は、本変形例の動作例を説明するフローチャートである。なお、本第二変形例の説明で上記第一実施形態または第一変形例と重複する内容については、同一符号を用い、その説明を省略する。
【0078】
例えば、ケア担当者が自らの状態表示として「応答可能」を選択して、自らの携帯端末Xの表示部11に状態表示が表示された後に、入院患者の点滴交換を行うために、自分の状態表示を10分間「応答不可」に変更してこの10分間は「応答不可」の状態表示を維持し、10分後に変更前の状態表示「応答可能」に切り替えたい場合がある。このような、変更後の状態表示を維持する一定時間の任意設定および一定時間が経過した後に行う変更後の状態表示から変更前の状態表示への切り替えは、所定のプログラム、例えば、システム管理者により作成された状態表示実行プログラムにより実行される。状態表示実行プログラムは、電話帳サーバ2に保存されて各携帯端末Xのログイン時に携帯端末Xに追加インストールされてもよく、システム管理者により一括ですべての携帯端末Xに追加インストールされてもよい。状態表示実行プログラムが各携帯端末Xにインストールされると、携帯端末Xは、後述の状態表示時間選択部92を選択する操作を受け付けた時間を携帯端末X内の記憶部(図示省略)に記憶するとともに、状態表示時間選択部92に応じた操作を実行する。また、携帯端末XのCPU(図示省略)は、状態表示時間選択部92の選択操作を受け付けた時間から一定時間が経過したかどうかを判定するように構成されている。
【0079】
図13は、一定時間が経過した後に、変更後の状態表示から変更前の状態表示に切り替わる設定を行うことができる状態表示設定画面90の一例を示す図である。
図13に示すように、状態表示設定画面90は、選択ボタン91と、状態表示時間選択部92と、クリアボタン93と、キャンセルボタン94と、決定ボタン95とを含んでいる。選択ボタン91は、一定時間維持したい状態表示を選択する選択部である。状態表示時間選択部92は、選択ボタン91で選択した状態表示を維持する時間を選択可能に構成されている。
図13に示す状態表示時間選択部92は、既登録の状態表示の維持時間である「1分」欄、「10分」欄、「30分」欄、「60分」欄と、状態表示を維持する時間を分単位で任意に入力して実行可能な任意時間欄とを含んでいる。任意時間欄は、クリックなどで選択することにより、任意の数字を入力可能である。状態表示時間選択部92の選択は、クリアボタン93を選択することにより解除可能である。選択ボタン91の選択は、キャンセルボタン94の選択により解除可能である。
【0080】
次に、本変形例の動作例について、
図14を用いて説明する。
図14に示す例では、ケア担当者がログイン時に自らの状態表示として「応答可能」を選択してログインし(ステップS12)、自らの携帯端末Xの表示部11に状態表示が表示され(ステップS15)、その後に、自分の状態表示を10分間「応答不可」に変更し、10分後に「応答可能」の状態表示に切り替えたい場合を例にとる。まず、ケア担当者は、アイコン66または変更ボタン84をタップすることにより、自身が携帯する携帯端末Xの表示部11に表示された状態表示を変更するための変更画面として状態表示設定画面90を表示部11に表示させる。状態表示設定画面90での状態表示の変更において一定時間を選択しない場合(ステップS31においてNO)、ケア担当者は状態表示設定画面90内の選択ボタン91で変更後の状態表示を選択し、状態表示時間選択部92を選択しない状態で、決定ボタン95を選択する。これにより、状態表示設定画面90における選択が確定する。確定された状態表示の情報は、携帯端末Xから電話帳サーバ2に送信される。サーバCPU21は、携帯端末Xから受信した情報に基づいて、看護師情報テーブル24bの状態表示の欄の情報を更新する。生成部22は、更新後の看護師情報テーブル24bの情報に基づいて、その時点でログイン済のすべての携帯端末Xに更新後の状態表示の情報を送信する。これにより、各携帯端末Xの担当一覧画面には、変更後の状態表示が表示される(ステップS32)。この場合、変更後の状態表示を維持するための一定時間が選択されていないため、ケア担当者による自発的な状態表示の変更がさらに行われない限り、変更後の状態表示が維持される。
【0081】
一方、状態表示設定画面90での状態表示の変更において一定時間を選択する場合(ステップS31においてYES)、ケア担当者は、自らの状態表示として表示する状態表示(変更後の状態表示)と、変更後の状態表示を維持する一定時間を設定する。具体的には、状態表示設定画面90内の選択ボタン91で変更後の状態表示を選択し、状態表示時間選択部92から変更後の状態表示を維持する時間(変更後の状態表示から変更前の状態表示に切り替わる時間)を選択した状態で、決定ボタン95を選択する。これにより、状態表示設定画面90における選択が確定する。携帯端末Xは、状態表示設定画面90における選択が確定されると、この情報を電話帳サーバ2に送信し、生成部22から変更後の状態表示を表示部11に表示するための信号を受信して、変更後の状態表示を表示する(ステップS33)。また、携帯端末XのCPUは、ステップS33における変更後の状態表示を開始した時間から一定時間が経過したかどうかを判定する。
【0082】
ステップS33の変更後の状態表示の表示開始時間から一定時間が経過していない場合(ステップS34でNO)、ステップS34の判断に戻る。一方、ステップS33の変更後の状態表示の表示開始時間から一定時間が経過した場合(ステップS34でYES)、携帯端末Xは、変更前の状態表示の情報を電話帳サーバ2に送信する。サーバCPU21は、携帯端末Xから受信した情報に基づいて、看護師情報テーブル24bの状態表示の欄の情報を更新する。生成部22は、更新後の看護師情報テーブル24bの情報に基づいて、その時点でログイン済のすべての携帯端末Xに更新後の状態表示(すなわち、変更前の情報表示)の情報を送信する。これにより、携帯端末Xの表示部11に、変更前の状態表示が表示される(ステップS35)。
【0083】
このように、本変形例では、ケア担当者が変更後の状態表示を維持するための一定時間を設定した場合には、一定時間を経過するまでケア担当者が設定した変更後の状態表示が維持されるとともに、一定時間を経過した後に変更後の状態表示から変更前の状態表示に自動的に戻る。この構成によれば、各ケア担当者が現在の状態表示を都度設定する必要がなくなるため、コミュニケーションシステムの操作性が向上される。
【0084】
(第三変形例)
上記変形例における変更後の状態表示は、一定時間内であればさらに変更可能に構成されても良い。このコミュニケーションシステムの例について、
図15を用いて説明する。なお、本第三変形例の説明で上記した実施形態または変形例と重複する内容については、同一符号を用い、その説明を省略する。
【0085】
例えば、ケア担当者が自らの状態表示として「応答可能」を選択して、自らの携帯端末Xの表示部11に状態表示が表示された後に、入院患者の点滴交換を行うために自分の状態表示を10分間「応答不可」に変更し、10分後に「応答可能」の状態表示に切り替えるように設定したが、業務が予想よりも早く終了してナースステーションに戻るなど、ケア担当者の状態表示が変更された場合に、変更後の状態表示をさらに変更したい場合がある。ケア担当者の状態表示が変更された場合に変更後の状態表示をさらに変更する動作例について、
図15を用いて説明する。
【0086】
ケア担当者がログイン時に自らの状態表示として「応答可能」を選択してログインし(ステップS12)、自らの携帯端末Xの表示部11に「応答可能」の状態表示が表示され(ステップS15)、その後に、自分の状態表示を10分間「応答不可」に変更し(ステップS33)、さらに、ステップS31で選択した一定時間の経過前に(例えば、ステップS31の操作から5分後に)状態表示を「休憩中」にさらに変更したい場合(ステップS36においてYES)、ケア担当者は、アイコン66または変更ボタン84をタップすることにより、自身が携帯する携帯端末Xの表示部11に変更画面を表示させる。この場合の変更画面は、
図13に示す状態表示設定画面90と同様の画面とすることができる。状態表示の変更画面において、ケア担当者は、変更後の状態表示を選択して決定ボタンを選択することにより、変更後の状態表示の選択を確定する。確定された変更後の状態表示の情報は、携帯端末Xから電話帳サーバ2に送信される。サーバCPU21は、携帯端末Xから受信した情報に基づいて、看護師情報テーブル24bの状態表示の欄の情報を更新する。生成部22は、更新後の看護師情報テーブル24bの情報に基づいて、携帯端末Xに更新後の状態表示の情報を送信する。これにより、各携帯端末Xは、さらに変更された後の状態表示を表示する(ステップS37)。一方、ケア担当者が自分の状態表示を10分間「応答不可」に変更し(ステップS31)、さらに、ステップS31で選択した一定時間の経過前に(例えば、ステップS31の操作から5分後に)状態表示をさらに変更しない場合(ステップS36においてNO)、表示部11にはステップS33で表示された状態表示が表示され、一定時間(本例では10分間)が経過したかどうかのステップS34の判断を実行する。以降のステップは、
図14におけるステップS35と同様であり、詳細な説明を省略する。
【0087】
このように、本変形例では、一定時間内であれば、変更後の状態表示をさらに変更可能である。この構成によれば、業務が予想よりも早く終了してナースステーションに戻るなど、ケア担当者の状態が変更された場合に、変更後の状態表示をさらに変更することにより、ケア担当者の最新の状態に合致する状態表示にすることができる。
【0088】
(第四変形例)
上記した例では、3以上の状態表示を表示する例を説明したが、状態表示は、ケア担当者が電話に応答できることを示す応答可能状態と、ケア担当者が電話に応答できないことを示す応答不可状態との2つの表示を含む構成としてもよい。この構成によれば、ケア担当者は、電話応答が可能かどうかに応じて、応答可能状態の表示または応答不可状態の表示のいずれかを選択できる。このように、選択できる状態表示を最小限とすることにより、操作の手間が少なく、かつ、電話可否を各ケア担当者が更新することができるので、より円滑なコミュニケーションが可能となる。
【0089】
(第二実施形態)
次に、第二実施形態として、ケア担当者が複数の診療科(所属)に属する場合に複数の所属を担当一覧画面に表示する例について、
図16および
図17を参照しつつ説明する。なお、本実施形態の説明で上記した実施形態と重複する内容については、同一符号を用い、その説明を省略する。
【0090】
図16は、看護師情報テーブル24dの一例である。
図16に示す看護師情報テーブル24dには、所属1の欄および所属2の欄が、ケア担当者の氏名などと関連付けられて記憶されている。例えば、看護師赤坂花子は、所属1が血管外科、所属2が内科である。1つの診療科のみに所属する場合、所属2は空欄(未登録)である。例えば、看護師秋山紅葉は、所属1が血管外科であり、所属2は空欄である。所属1は、メイン所属情報であり、所属2は、サブ所属情報である。また、看護師情報テーブル24dには、拠点1が所属1と関連付けられて記憶され、拠点2が所属2と関連付けられて記憶されている。さらに、看護師情報テーブル24dには、状態表示1が所属1および拠点1と関連付けられて記憶され、状態表示2が所属2および拠点2と関連付けられて記憶されている。
【0091】
図17は、担当一覧画面に、複数の所属を兼務する兼務ケア担当者を表示する表示部11の一例である。
図17の担当一覧画面には、赤坂花子看護師の所属として、メイン所属情報67に「血管外科」が表示され、サブ所属情報68に「内科」が表示されている。メイン所属情報67の「血管外科」の周囲は状態表示「緑色」で囲まれ、血管外科の診療科において「応答可能」であることが示され、サブ所属情報68の「内科」の周囲は状態表示「青色(縦線表示で青色を示している)」で囲まれ、内科の診療科において「他診療科対応中」であることが示されている。
【0092】
このように、複数所属を兼務するケア担当者について、担当一覧画面に、ケア担当者の氏名、複数の所属と所属のそれぞれに関連付けられた状態表示とを表示することにより、血管外科に属する他のケア担当者の担当一覧画面および内科に属する他のケア担当者の担当一覧画面に、赤坂花子看護師の氏名と所属に関連付けられた状態表示が表示される。また、赤坂花子看護師の担当一覧画面には、血管外科に所属する他のケア担当者および内科に所属する他のケア担当者の氏名、所属と所属に関連付けられた状態表示が、一覧的に表示される。
【0093】
さらに、複数の所属に属するケア担当者について、担当一覧画面に、ケア担当者の氏名、状態表示を表示するとともに、複数の所属のそれぞれと関連付けられた拠点情報、ケア担当者の職種、ケア担当者の役職を表示してもよい。
例えば、ケア担当者が「血管外科」と「内科」に所属し、血管外科の看護師かつ内科の看護師である場合、担当一覧画面に、それぞれの所属と関連付けられた職種として、「看護 他」または「看護 看護」を含めて表示してもよい。
また、例えば、ケア担当者が「血管外科」と「内科」に所属し、血管外科の役職が「看護師長」であり、内科の役職が「セキュリティ担当部長」である場合、担当一覧画面に、ケア担当者の氏名、状態表示を表示するとともに、それぞれの所属と関連付けられた役職として「師長 他」または「師長 セ部長」を含めて表示しても良い。
また、例えば、ケア担当者が「血管外科」と「内科」に所属している場合、担当一覧画面には、それぞれの所属と関連付けられた拠点として、「血外ナースステーション」および「内ナースステーション」を表示するとともに、拠点「血管外科ナースステーション」に関連付けられた状態表示および拠点「内科ナースステーション」に関連付けられた状態表示を表示しても良い。
【0094】
なお、ケア担当者の氏名、状態表示とともに、ケア担当者の職種、ケア担当者の役職、および複数の所属のそれぞれと関連付けられた拠点情報を担当一覧画面に表示する例を説明したが、複数種類の表示はこの態様に限られない。ケア担当者の単一の所属に関連付けられた複数の職種や複数の役職がある場合、この複数の職種や複数の役職を含む担当一覧画面を表示してもよい。例えば、ケア担当者の所属が婦人科であり、職種が「看護師」および「診療放射線技師」である場合、担当一覧画面のケア担当者の氏名の近傍に「看護 他」や「看護 放技」と表示することができる。例えば、ケア担当者の所属が内科であり、役職が「(内科の)看護師長」および「(内科の)セキュリティ担当部長」である場合、担当一覧画面のケア担当者の氏名の近傍に「師長 他」や「師長 セ部長」と表示することができる。
【0095】
次に、複数所属の表示態様を切り替える例を説明する。
図17に示すように、サブ所属情報68の近傍に、サブ所属情報68の表示態様を切り替えて表示可能な切替ボタン69を含んでいる。
切替ボタン69をタップすることにより、サブ所属情報68の「内科」の表示は、簡易な表示態様(例えば「他」)に切り替えられ、再度切替ボタン69をタップすることにより、サブ所属情報68の表示を簡易な表示態様から
図17に示す詳細な表示態様に切り替えられる。
【0096】
このように、本例では、サブ所属情報の表示態様を、詳細な表示態様から簡易な表示態様に切り替えることができ、また、簡易な表示態様から詳細な表示態様に切り替えることができる。そのため、サブ所属情報68を
図17に示す詳細な表示態様とするとともにサブ所属情報68に関連付けられた状態表示を担当一覧画面に表示することができ、複数の所属と各所属に関連付けられた状態表示を一目で確認することができる。これにより、複数の所属に属している相手の状態を詳細に確認することができて、便利である。また、サブ所属情報68を簡易な表示態様とするとともに、メイン所属情報67に関連付けられた状態表示およびサブ所属情報68に関連付けられた状態表示を表示することにより、担当表示画面から、複数の所属に属する(複数の診療科を兼務する)ケア担当者の複数の所属と各所属に関連付けられた状態表示を具体的に確認することができ、相手の状態を、メイン所属を中心に確認することができる。これにより、このケア担当者と円滑なコミュニケーションを取ることができる。
【0097】
なお、複数の診療科(所属)に属するケア担当者について、複数所属を担当一覧画面に表示する例を説明したが、本実施形態における担当一覧画面の複数の表示は複数所属に限らない。ケア担当者の役職、職種などが複数有る場合、複数の役職、複数の職種などを担当一覧画面に表示することができる。
例えば、内科の看護師長と呼吸器内科の看護師長を兼務するなど、複数の役職を兼務する場合、看護師情報テーブル24dには、このケア担当者の氏名およびIDと、所属1の欄の「内科」の情報および所属1の状態表示の情報、役職1の欄の(内科の)「看護師長」の情報、所属2の欄の「呼吸器内科」の情報および所属2の状態表示の情報、役職2の欄の(呼吸器内科の)「看護師長」の情報が、互いに対応付けられて記憶されている。この場合、担当一覧画面には、ケア担当者の氏名の表示の近傍に、所属「内科 他」の表示および看護師長の略称である「師長 他」が表示される。切替ボタン69をタップすることにより、所属の表示態様を「内科 呼吸器内科」および「師長 師長」に切り替えることができる。
また、例えば、病院の警備室の警護スタッフが、病院の清掃を兼務するなど、複数の職種を兼務する場合、記憶部24のケア担当者情報テーブルには、このスタッフの氏名、IDおよび状態表示と、職種1の欄の「警護」の情報と、職種2の欄の「清掃」の情報とが、互いに対応付けられて記憶されている。この場合、担当一覧画面には、ケア担当者の氏名および状態表示の表示とともに、ケア担当者の氏名の近傍に、職種「警護 他」が表示される。切替ボタン69をタップすることにより、職種の表示態様を「警護 清掃」に切り替えることができる。
【0098】
上記した複数の所属、拠点情報、複数の職種、複数の役職の各情報は、担当一覧画面においてソートして表示することができる。ソートは、第一実施形態と同様に、
図8のソートボタン64の「所属」、「拠点」をタップすることにより実行できる。また、第一実施形態と同様に、ソートボタン64の種類を「職種」に変更し、この「職種」のソートボタンをタップすることにより実行することができる。
また、上記した複数の所属、拠点情報、複数の職種、複数の役職の各情報から、特定のケア担当者を検索することができる。この検索は、第一実施形態と同様に、
図8に示す検索入力欄61に、検索したいケア担当者の情報の一部、例えば、「いし」(職種である「医師」の読み仮名)や「しちょ」(役職「看護師長」の読み仮名の一部)や「すて」(拠点情報「ナースステーション」の読み仮名の一部)を入力して検索することができる。
【0099】
ところで、従来のシステムでは、携帯端末の表示部に、ケア担当者が所属する所属と同一所属の他のケア担当者が一覧的に表示され、ケア担当者の所属を1つのみ表示されていた。しかし、一人のケア担当者がA診療科およびB診療科など、複数の診療科を兼務する場合がある。A診療科およびB診療科を兼務するケア担当者について、所属としてA診療科のみを担当一覧画面に表示する場合、B診療科に属する他のケア担当者からこのケア担当者を検索することができず、B診療科の他のケア担当者の担当一覧画面に表示されなかった。このため、B診療科のケア担当者からこの複数所属のケア担当者に対して、円滑に連絡が取りにくかった。また、複数所属のケア担当者が、B診療科のケア担当者に連絡を取りたい場合、自端末の担当一覧画面にB診療科のケア担当者が表示されないため、円滑にB診療科のケア担当者に連絡を取りにくかった。
【0100】
本実施形態のコミュニケーションシステム1によれば、担当一覧画面には、ケア担当者が関連付けられている複数の所属に関する当該ケア担当者の情報および複数の所属のいずれかと関連付けられている他のケア担当者に関する情報が含まれ、さらに、ケア担当者の状態表示の情報が含まれている。このため、複数の所属に属するケア担当者の携帯端末Xには、A診療科のケア担当者およびB診療科のケア担当者の両方が状態表示とともに表示され、このケア担当者からB診療科のケア担当者への連絡を円滑に取ることができる。また、B診療科のみに属するケア担当者の携帯端末Xの担当一覧画面に、B診療科のケア担当者として、A診療科およびB診療科に属するケア担当者の氏名および状態表示が表示される。このため、B診療科の他のケア担当者から複数所属に属するケア担当者に円滑に連絡することができる。さらに、本実施形態のコミュニケーションシステム1によれば、所属は複数の所属を含み、状態表示は複数の状態表示を含み、複数の状態表示のそれぞれは、複数の所属のそれぞれに関連付けられている、または各所属に関連付けられた各拠点情報と関連付けられている。例えば、内科および呼吸器内科を兼務するケア担当者が、内科の拠点情報であるナースステーションに居る場合に、複数の状態表示のうち呼吸器内科の状態表示は不在を示す色で表示し、内科の状態表示は連絡可能を示す色で表示する。このように、ケア担当者が複数の所属に所属している場合、それぞれの所属または拠点情報に関連付けて状態表示を行うことにより、電話をかけたい相手の状況をより具体的かつ視覚的に確認することができる。これにより、ケア担当者同士のコミュニケーションの効率性を改善することができる。
【0101】
なお、上記した各実施形態では、サーバCPU21、記憶部24、携帯端末XのCPU、携帯端末Xの記憶部を例として説明したが、これに限られない。記憶部24、携帯端末Xの記憶部は、コンピュータ可読命令(プログラム)を記憶するメモリで構成されてもよく、各種プログラム等が格納されたROM(Read Only Memory)やプロセッサにより実行される各種プログラム等が格納される複数ワークエリアを有するRAM(Random Access Memory)等から構成されてもよい。サーバCPU21および携帯端末XのCPUは、MPU(Micro Processing Unit)またはGPU(Graphics Processing Unit)であってもよい。サーバCPU21や携帯端末XのCPUは、記憶部24またはROMに組み込まれた各種プログラムから指定されたプログラムをRAM上に展開し、RAMとの協働で各種処理を実行するように構成されてもよい。
【0102】
また、拠点情報に加えて、あるいは、拠点情報に代えて、ケア担当者の現在位置を示す位置情報を、ケア担当者の氏名および状態表示とともに、担当一覧画面に表示しても良い。以下、ケア担当者の位置情報の取得および携帯端末Xの画面表示について説明する。
位置情報サーバ5(
図1参照)は、病院内に設置されている受信機(図示省略)に院内ネットワークを介して接続されているとともに、インターネットを介して位置情報を電話帳サーバ2に送信するように構成されている。
受信機は、ケア担当者が携帯する携帯端末Xから発信される位置信号を受信可能であり、病院の病室、各診療科の診察室、各診療科のナースステーション、廊下、トイレ、待合室、手術室、検査室、減菌室、浴室、器材庫、休憩室等に設置されている。
【0103】
携帯端末Xは、自端末の携帯端末IDを含む位置信号を生成する。携帯端末Xは、生成した位置信号を、病院内に設置されている最寄りの受信機に発信する。携帯端末Xの位置信号を受信した受信機は、受信した位置信号を院内ネットワークを介して位置情報サーバ5に送信する。受信機が送信する携帯端末Xの位置信号には、その受信機を識別可能な受信機IDなどの情報が含まれている。位置情報サーバ5は、受信した携帯端末Xの位置信号をインターネットを介して電話帳サーバ2に送信するとともに、位置信号に含まれる受信機ID、携帯端末ID等の情報を位置情報サーバ5内の記憶部に記憶する。
【0104】
電話帳サーバ2のサーバCPU21は、位置情報サーバ5から受信した位置信号に基づいて、看護師情報テーブル24b、24dなどの情報テーブルに記憶された各携帯端末Xの位置情報を更新する。更新された位置情報は、各ケア担当者が携帯する携帯端末Xに送信される担当一覧画面データの一部として用いられる。これにより、各ケア担当者が携帯する携帯端末Xの表示部11には、ケア担当者の氏名、状態表示およびそのケア担当者によって携帯される携帯端末Xの位置情報を含む担当一覧画面が表示される。これにより、ケア担当者は、連絡を取りたい他のケア担当者が手術室などの電話を取れない場所にいるのか、ナースステーションなどの電話を取りやすい場所にいるのかを知ることができ、かつ、その場所における相手の状態を状態表示から知ることができる。
【0105】
本開示は、上述した実施形態に限定されず、適宜、変形、改良等が自在である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置場所等は、本開示を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【符号の説明】
【0106】
1:コミュニケーションシステム、2:電話帳サーバ、4:端末装置、5:位置情報サーバ、11:表示部、12:入力部、21:サーバCPU、22:生成部、23:管理部、24:記憶部、24a:患者情報テーブル、24b、24d:看護師情報テーブル、24c:状態表示情報テーブル、31:状態表示選択部、32:状態表示文言登録部、33:状態表示文言変更部、41:入力部、42:表示部、51:状態表示詳細設定画面、64:ソートボタン、66:アイコン、67:メイン所属情報、68:サブ所属情報、69:切替ボタン、70:新規登録画面、81:編集選択欄、90:状態表示設定画面、X:携帯端末