(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143837
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】ローラ
(51)【国際特許分類】
B65G 39/04 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
B65G39/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023056743
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】592026819
【氏名又は名称】伊東電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100480
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 隆
(72)【発明者】
【氏名】中村 竜彦
(72)【発明者】
【氏名】内貴 英男
(72)【発明者】
【氏名】花尾 隆志
【テーマコード(参考)】
3F033
【Fターム(参考)】
3F033GA06
3F033GB01
3F033GC02
3F033GE06
(57)【要約】
【課題】接着剤や締結要素を使用せずにホルダー部材を筒状部材に固定することができるローラを提供することを課題とする。
【解決手段】少なくとも一端に開口部6がある筒状部材2と、ホルダー部材10とを有し、前記開口部6に前記ホルダー部材10が装着されたローラ1において、前記ホルダー部材10には、前記筒状部材2内に挿入される挿入部50があり、前記挿入部50の周面に軸方向に延びる突起が複数設けられた突起形成領域があり、前当該突起形成領域に周方向にのびる溝12があり、筒状部材2の一部に凹変部11があり、当該凹変部11が前記溝12と係合している。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一端に開口部がある筒状部材と、ホルダー部材とを有し、前記開口部に前記ホルダー部材が装着されたローラにおいて、
前記ホルダー部材には、前記筒状部材内に挿入される挿入部があり、前記挿入部の周面に軸方向に延びる突起が複数設けられた突起形成領域があり、前当該突起形成領域に周方向にのびる溝があり、
筒状部材の一部に凹変部があり、当該凹変部が前記溝と係合していることを特徴とするローラ。
【請求項2】
前記突起が存在しない部位についても前記溝が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のローラ。
【請求項3】
前記突起が存在しない部位には、前記溝を構成するは壁が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のローラ。
【請求項4】
前記溝は周方向に環状に設けられており、前記の突起を横断してのびていることを特徴とする請求項1に記載のローラ。
【請求項5】
前記凹変部は、筒状部材に外部から力を加えて形成したものであることを特徴とする請求項1に記載のローラ。
【請求項6】
前記ホルダー部材には、前記筒状部材から露出する露出部があり、前記挿入部の露出部近傍に環状の先端側溝があり、
前記筒状部材の端部が窄められて前記先端側溝と係合していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のローラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンベヤ装置の搬送ローラや、プーリ等に使用されるローラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えばローラコンベヤには、多数の搬送用ローラが使用される。一般的な搬送用ローラは、筒状部材とホルダー部材によって構成されている。
筒状部材は、両端が解放された筒である。ホルダー部材は、軸芯を支持するものであり、筒状部材の開口端に装着されている。
従来技術においては、ホルダー部材を筒状部材の端部の開口部に圧入することによってホルダー部材が筒状部材に固定されていた。
またネジやピン等の締結要素を使用して筒状部材に一体的に固定される場合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
圧入によってホルダー部材を筒状部材に固定する方法は、工程が簡単であるが、ローラを長期に渡って使用すると、ホルダー部材が外れてしまう場合がある。
ネジやピン等の締結要素によってホルダー部材を筒状部材に固定する方策は、工程が複雑になるという問題がある。
【0005】
本発明は、新たな構造のローラを提供するものであり、接着剤や締結要素を使用せずにホルダー部材を筒状部材に固定することができるローラを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した課題を解決するための態様は、少なくとも一端に開口部がある筒状部材と、ホルダー部材とを有し、前記開口部に前記ホルダー部材が装着されたローラにおいて、前記ホルダー部材には、前記筒状部材内に挿入される挿入部があり、前記挿入部の周面に軸方向に延びる突起が複数設けられた突起形成領域があり、前当該突起形成領域に周方向にのびる溝があり、筒状部材の一部に凹変部があり、当該凹変部が前記溝と係合していることを特徴とするローラである。
【0007】
本態様のローラは、筒状部材の開口にホルダー部材が装着されものである。
限定するものではないが、本態様のローラは、ホルダー部材を筒状部材の開口に圧入することによって作られることが望ましい。
ここで本態様のホルダー部材は、筒状部材内に挿入される挿入部があり、当該挿入部の周面に軸方向に延びる突起が複数設けられた突起形成領域がある。
そのためホルダー部材を圧入する際、筒状部材の内面と接する部分と接しない部分が生じ、圧入の際の抵抗が小さい。
また、突起は挿入部の周面に軸方向に延びているので、圧入する際の抵抗がさらに小さい。
本態様のホルダー部材は、突起形成領域に周方向にのびる溝があり、筒状部材の一部に凹変部があり、当該凹変部が前記中間部側溝と係合している。そのためホルダー部材は、物理的に筒状部材に係合して固定され、抜けにくい。
【0008】
上記した態様において、前記突起が存在しない部位についても前記溝が設けられていることが望ましい。
【0009】
本態様のローラによると、筒状部材の凹変部が周方向のいずれの位置にあってもホルダー部材が凹変部と係合し、ホルダー部材が抜けにくい。
【0010】
前記突起が存在しない部位には、前記溝を構成するは壁が設けられていることが望ましい。
【0011】
本態様によると、凹変部がより確実に溝と係合する。
【0012】
上記した各態様において、前記溝は周方向に環状に設けられており、前記の突起を横断してのびていることが望ましい。
【0013】
本態様のローラによると、筒状部材の凹変部が周方向のいずれの位置にあってもホルダー部材が凹変部と係合し、ホルダー部材が抜けにくい。
【0014】
上記した各態様において、前記凹変部は、筒状部材に外部から力を加えて形成したものであることが望ましい。
【0015】
本態様のローラは、作りやすい。
前記力は衝撃的なものであることが望ましい。
【0016】
上記した各態様において、前記ホルダー部材には、前記筒状部材から露出する露出部があり、前記挿入部の露出部近傍に環状の先端側溝があり、前記筒状部材の端部が窄められて前記先端側溝と係合していることが望ましい。
【0017】
本態様のローラは、先端側溝があり、筒状部材は当該先端側溝においても係合している。そのためホルダー部材は、より強固に筒状部材に係合して固定され、抜けにくい。
【発明の効果】
【0018】
本発明のローラの構造によると、接着剤や締結要素を使用しなくても、ホルダー部材が筒状部材に強固に固定される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図3】
図1のローラのホルダー部材の斜視図である。
【
図4】
図1のローラのホルダー部材の正面図である。
【
図5】(a)は、
図4のA-A断面図であり、(b)は、
図4のB-B断面図であり、(c)は、
図4のC-C断面図である。
【
図6】(a)は、
図4のホルダー部材の突起が存在する領域たるD-D断面図であり、(b)は、
図4のホルダー部材の突起が存在しない領域たるE-E断面図である。
【
図7】(a)(b)は
図1のモータ内蔵ローラの製造工程を説明するものである。
【
図8】
図1のモータ内蔵ローラの製造工程を説明するものであり、(a)は、筒状部材とホルダー部材の関係を示す断面図であり、(b)は、ホルダー部材の突起が存在する領域たるF-F断面図であり、(c)は、ホルダー部材の突起が存在しない領域たるG-G断面図である。
【
図9】
図1のモータ内蔵ローラの製造工程を説明するものであり、(a)は、筒状部材とホルダー部材の関係を示す断面図であり、(b)は、ホルダー部材の突起が存在する領域たるH-H断面図であり、(c)は、ホルダー部材の突起が存在しない領域たるI-I断面図である。
【
図10】本発明の実施形態のモータ内蔵ローラの断面図である。
【
図12】
図10のモータ内蔵ローラのホルダー部材の斜視図である。
【
図13】
図10のモータ内蔵ローラのホルダー部材の正面図である。
【
図14】
図10のモータ内蔵ローラの製造工程を説明するものであり、(a)は、筒状部材とホルダー部材の関係を示す断面図であり、(b)は、ホルダー部材の突起が存在する領域たるJ-J断面図であり、(c)は、ホルダー部材の突起が存在しない領域たるK-K断面図である。
【
図15】
図10のモータ内蔵ローラの製造工程を説明するものであり、(a)は、筒状部材とホルダー部材の関係を示す断面図であり、(b)は、ホルダー部材の突起が存在する領域たるL-L断面図であり、(c)は、ホルダー部材の突起が存在しない領域たるM-M断面図である。
【
図16】本発明の他の実施形態のホルダー部材の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について説明する。本実施形態のローラ1は、筒状部材2が自由回転する空転ローラである。
ローラ1は、公知の搬送用ローラと同様に、円筒形の筒状部材2と、軸芯8と、2個のホルダー部材10を有している。ローラ1は、
図2の様に、両端にホルダー部材10が挿通され、その中心に軸芯8が挿通されている。ホルダー部材10には軸受け31が内蔵されており、筒状部材2は、軸芯8を中心として自由回転する。
本実施形態のローラ1は、筒状部材2の先端がかしめられている。また本実施形態のローラ1は、
図1の様に、ポンチ等によって筒状部材2に凹変部11が形成され、当該凹変部11がホルダー部材10に設けられた溝12と係合している。
以下、説明する。
【0021】
筒状部材2は、両端が開口した円筒である。即ち筒状部材2は、両端に開口部6がある。
軸芯8は、金属の丸棒であり、両端が多角形に加工されている。
【0022】
ホルダー部材10は、
図2の様に、略円筒状のホルダー本体30と、軸受け31が一体化されたものである。
【0023】
本実施形態のローラ1では、筒状部材2の両端の開口部6にホルダー部材10が取り付けられている。
前記した様にホルダー部材10は、ホルダー本体30と、軸受け31が一体化されたものであり、軸受け31の開口に軸芯8が挿通されている。軸芯8は、ホルダー部材10によって支持された状態で先端側が筒状部材2から突出し、ローラ1自身の固定軸を構成している。
【0024】
ホルダー本体30は、硬質の樹脂で作られたものであり、
図3の様に、筒状部材2内に挿入される挿入部50と、筒状部材2から露出する露出部51がある。
挿入部50は、外形形状が略円筒形である。挿入部50は、軸方向にある程度の長さがある。露出部51は、フランジ状であり外径は挿入部50よりも大きく、軸方向には短い。
【0025】
挿入部50の外周部には、突起52が複数個設けられている。突起52は、畝状であり、円周方向に一定の間隔を空けて形成されている。突起52は挿入部50の周面に軸方向にのびるものである。本実施形態では突起52が8個、円周方向に等間隔に設けられている。突起52の数は任意である。
本実施形態では、挿入部50の略全域が、突起形成領域35となっている。
図5の様に挿入部50を側面から観察したとき、一定の角度領域の範囲に突起52が存在し、一定の角度領域の範囲には突起52は無い。即ち挿入部50の表面には突起52と谷部53が交互に形成されている。
図4の様に、突起52は、軸方向に長く、且つ挿入部50の軸線と平行にのびている。ただし突起52は、長手方向の中間部で溝12によって分断されている。
【0026】
突起52は、断面形状が台形であり、頂部に繋がる裾部分が傾斜面となっている。
突起52は、軸方向(長手方向)にのびている。突起52の端部と露出部51との間には少しの距離がある。即ち突起52の端部と露出部51との間の空隙領域56には突起52は無く、環状の先端側溝60がある。先端側溝60は、前記した谷部53よりも深い溝である。
【0027】
突起52の他端と、挿入部50の末端との間にも距離がある。即ち突起52の他端と、挿入部50の末端との間の末端領域57にも突起52は無い。
図4、
図6の様に、挿入部50の突起52の端部は、露出部51側に向かって縮径する緩やかなテーパ形状となっている。
突起52の他端と、挿入部50の末端との間の末端領域57についても同様であり、
図4、
図6の様に、末端側に向かって縮径する緩やかなテーパ形状となっている。
【0028】
前記した様に、ホルダー本体30の挿入部50であって、露出部51との境界部には、溝状の先端側溝60がある。先端側溝60は、挿入部50の全周を環状に取り巻いている。
【0029】
またホルダー本体30の軸方向の中央部には溝12が設けられている。溝12は、ホルダー本体30の全周を環状に取り巻いている。即ち溝12は、突起52を横断して周方向にのびている。
溝12の突起52が存在する部分は、
図6(a)の通りであり、溝12の突起52が存在しない部分は、
図6(b)の通りである。
【0030】
即ち突起52が存在する領域の溝12は、底37と、左右の壁面23、25で囲まれている。突起52が存在する領域におれける溝12の壁面は、突起52の端面である。
突起52が存在しない領域についても、底37に相当する部位の両脇に別途に縦壁27、28が設けられており、当該領域についても左右の壁面23、25がある。
縦壁27、28の頂部の高さは、突起52の高さに等しい。
この様に本実施形態では、一定の深さを有する溝が途切れることなく挿入部50の全周を環状に取り巻いている。
【0031】
次に、筒状部材2とホルダー部材10の取り付け構造及び両者の組み立て工程について説明する。
【0032】
本実施形態のローラは、ホルダー部材10の挿入部50を、筒状部材2に圧入して作られている。
本実施形態では、ホルダー部材10の挿入部50の末端は、テーパ状に縮径している。そのためホルダー部材10の挿入部50の末端が、筒状部材2の開口端に案内され、ホルダー部材10の導入が円滑に行われる(
図7)。
【0033】
ここで、突起52は畝状であって一定間隔を空けて設けられているから、谷間の部分は筒状部材2と接触しない。そのため、圧入時における抵抗は比較的小さい。
【0034】
さらに圧入が進むと、
図8の様に、ホルダー部材10の露出部51が、筒状部材2の開口端に到達する。
続いて、
図9の様に、筒状部材2の端部をかしめて縮径させる(湾曲工程)。
また、
図9の様に、ポンチ等の器具38を用いて筒状部材2の外側から打撃を加え、ホルダー部材10の溝12に相当する位置を変形させる。その結果、凹変部11が形成され、当該凹変部11がホルダー部材10の溝12と係合する。凹変部11の数は任意である。
なお、凹変部11の形成は、打撃の様な衝撃的な外力によって形成することが推奨されるが、ゆっくりした動きによる押圧力であってよい。
【0035】
本実施形態では、ホルダー部材10の溝12は、露出部51から一定の距離に設けられており、露出部51と溝12の距離は既知である。
また本実施形態では、ホルダー部材10の溝12は、ホルダー部材10の全周を環状に取り巻いている。さらに溝12はいずれの部位についても欠けるところがなく、両側に壁面23、25がある。
そのため、ホルダー部材10の露出部51や筒状部材2の端部を基準としてこれらから前記した露出部51と溝12の距離に相当する位置にポンチ等を当てて変形させると、必然的に凹変部11がホルダー部材10の溝12と係合する。そのため本実施形態のローラ1は、製造時における位置決めが容易であり、作りやすい。
【0036】
前記したカシメの結果、筒状部材2の開口端がやや内側に曲がり、溝状の先端側溝60の中に入って係合する。
【0037】
またホルダー部材10の挿入部50を筒状部材2に圧入する際、
図9(a)の様に、筒状部材2が挿入部50の形状に沿ってわずかに変形する。なお
図9は、作図の関係上、軸受け31を省略している。
そして筒状部材2の端部をかしめて縮径させると、
図9(a)(b)の様に、筒状部材2の変形が進み、筒状部材2の内部が、筒状部材2の突起52に沿った形状となる。その結果、筒状部材2の内部が突起52と係合する。
【0038】
ここで突起52は、断面形状が台形であり、頂部に繋がる裾部分が傾斜面となっているので、表面積が大きい。そのため突起52は、筒状部材2との接触面積が大きい。
突起52は軸方向に長く、且つ筒状部材2との接触面積が大きいのでホルダー部材10の抜け方向に対する抗力をより強く発現し、ホルダー部材10の抜け止めに対する寄与が顕著である。
【0039】
完成したローラ1は、両端が開口した筒状部材2と、ホルダー部材10とを有し、筒状部材2の両端にホルダー部材10が装着され、筒状部材2の両端から軸芯8の端部が突出している。
またホルダー部材10には、底37と、左右の壁面23、25で囲まれた溝12があり、筒状部材2の凹変部11があり、溝12と係合している。そのためホルダー部材10に引き抜き方向の力が掛かっても、凹変部11が壁面25と当接して引き抜き力に抗することができる。
本実施形態では、突起52の谷部53にも溝12があるので、仮に凹変部11が突起52の谷部53に位置した場合でも、凹変部11は溝12と係合する。具体的には、突起52の谷部53に設けられた縦壁27、28に凹変部11が係合して引き抜き力に抗することができる。
またさらに、筒状部材2の開口端がやや内側に曲がっていて先端側溝60と係合しているので、ホルダー部材10に引き抜き方向の力が掛かっても、当該引き抜き力に抗することができる。
【0040】
以上説明したローラ1は、空転ローラであるが、駆動源を持ったローラにも本発明を適用することができる。
図10に示すローラ70は、モータ内蔵ローラであり、筒状部材2の内部にモータ3と減速機5が内蔵されたものである。本実施形態では、モータ3と減速機5がユニット化されている。即ち本実施形態のローラ70は、筒状部材2内にモータユニット15が内蔵され、筒状部材2の両端にホルダー部材40、41が装着されたものである。
【0041】
モータユニット15は、ケース16内にモータ3等が内蔵されたものである。
ケース16の一端部には駆動側軸18が露出しており、他端部には固定側短軸20が露出している。
【0042】
図10、11の様に、筒状部材2の内部には動力伝動部材21が一体的に取り付けられている。動力伝動部材21の中心には、六角形の開口22が設けられている。
【0043】
一方のホルダー部材40は、
図10、
図11の右端に示す様に略円筒状のホルダー本体30と、軸受け31及び本体側短軸部材32が一体化されたものである。また他の一つのホルダー部材41は、
図10、
図11の左端に示す様な構造であり、ホルダー本体42と、軸受け31が一体化されたものである。
【0044】
本実施形態のローラ1では、モータユニット15が筒状部材2内に挿入されており、モータユニット15の駆動側軸18が動力伝動部材21の開口22と係合している。
本実施形態のローラ1では、筒状部材2の両端の開口部6にホルダー部材40、41が取り付けられている。
前記した様にホルダー部材41は、ホルダー本体30と、軸受け31が一体化されたものであり、軸受け31の開口にモータユニット15の固定側短軸20が挿通されている。 固定側短軸20は、ホルダー部材41によって支持された状態で先端側が筒状部材2から突出し、ローラ70自身の一方の固定軸を構成している。
【0045】
一方、筒状部材2の他端側の開口部6に、ホルダー本体30と、軸受け31及び本体側短軸部材32が一体化されたホルダー部材40が取り付けられている。
本実施形態では、ホルダー部材40の本体側短軸部材32がローラ70自身の他方の固定軸を構成している。
【0046】
上記した二つのホルダー部材40、41の内、右側のホルダー部材40は、前記したホルダー部材10に本体側短軸部材32が取り付けられたものであり、本体側短軸部材32以外の構成は、前記したホルダー部材10と同一である。従って筒状部材2との係合関係も同じである。そのためホルダー部材40については、前記したホルダー部材10と同一の部位に同一の番号を付することによって重複した説明を省略する。
【0047】
これに対して左側のホルダー部材41は、ホルダー本体42の形状がホルダー部材10と異なっている。
以下、ホルダー部材41について説明する。なおホルダー部材41についても、前記したホルダー部材10と同様の機能を果たす部位については同一の番号を付して重複した説明を省略する。
ホルダー部材41のホルダー本体42についても筒状部材2内に挿入される挿入部68と、筒状部材2から露出する露出部51がある。
ホルダー本体42の挿入部68は、前記したホルダー部材10の挿入部50に比べて短い。
またホルダー部材41のホルダー本体42において、突起52は、軸方向(長手方向)には、挿入部68の中央部たる中間領域(突起形成領域)55にあり、突起52の端部と露出部51との間には距離がある。即ち突起52の端部と露出部51との間の空隙領域56には突起52は無い。またホルダー本体42には、前記した先端側溝60がない。また突起52の他端と、挿入部68の末端との間にも距離がある。即ち突起52の他端と、挿入部68の末端との間の末端領域57にも突起52は無い。
またホルダー本体42の軸方向の中央部にはホルダー部材10と同様の溝12が設けられている。溝12は、ホルダー本体30の全周を環状に取り巻いている。即ち溝12は、突起52を横断してのびている。
溝12の突起52が存在する部分は、
図14(b)の通りであり、溝12の突起52が存在しない部分は、
図14(c)の通りである。
【0048】
本実施形態のホルダー部材41についても、
図15(a)の様に、筒状部材2の端部をかしめて縮径させる(湾曲工程)。そして
図15(b)の様に、ポンチ等の器具38を用いて筒状部材2の外側から打撃を加え、ホルダー部材41の溝12に相当する位置を変形させる。その結果、凹変部11が形成され、当該が凹変部11がホルダー部材41の溝12と係合する。
【0049】
以上説明したホルダー部材10は、軸芯8を挿通する開口を有するものであり、ホルダー部材40は、本体側短軸部材32を有するものである。またホルダー部材41は、モータユニット15の固定側短軸20が挿通されるものである。
本発明は、ホルダー部材10の具体的形状を上記したものに制限するものではなく、例えば
図16に示す様なプーリ63付きのホルダー部材65であってもよい。
【符号の説明】
【0050】
1 ローラ
2 筒状部材
6 開口部
10、40、41 ホルダー部材
11 凹変部
12 溝
23 壁面
25 壁面
27 縦壁
28 縦壁
30、42 ホルダー本体
35 突起形成領域
37 底
50、68 挿入部
51 露出部
52 突起
60 先端側溝