(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143848
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
G11C 16/10 20060101AFI20241003BHJP
G11C 16/30 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
G11C16/10 143
G11C16/30 120
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023056756
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】320012037
【氏名又は名称】ラピステクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】成見 昭宏
【テーマコード(参考)】
5B225
【Fターム(参考)】
5B225CA21
5B225DB22
5B225EA01
5B225EC09
5B225EG08
5B225EJ06
5B225EJ09
5B225FA02
(57)【要約】
【課題】メモリセルの書き込み特性をより向上させることができる半導体記憶装置を提供する。
【解決手段】制御端がワード線に接続され、一端がソース線に接続され、かつ他端がビット線に接続されたメモリセルを複数備えた半導体記憶装置であって、書込電圧を昇圧する昇圧回路と、前記昇圧回路により昇圧された前記書込電圧に応じたソース電圧をソース線に供給するソースドライバと、前記ソース線のソース電圧が所定の書込電圧となるように前記昇圧回路により昇圧される前記書込電圧の電位を制御する制御部と、を備えた半導体記憶装置。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御端がワード線に接続され、一端がソース線に接続され、かつ他端がビット線に接続されたメモリセルを複数備えた半導体記憶装置であって、
書込電圧を昇圧する昇圧回路と、
前記昇圧回路により昇圧された前記書込電圧に応じたソース電圧をソース線に供給するソースドライバと、
前記ソース線のソース電圧が所定の書込電圧となるように前記昇圧回路により昇圧される前記書込電圧の電位を制御する制御部と、
を備えた半導体記憶装置。
【請求項2】
前記昇圧回路は、比較対象の電圧と前記所定の書込電圧とを比較した比較結果に基づいて、前記書込電圧を昇圧し、
前記制御部は、前記比較対象の電圧を前記書込電圧、及び前記ソース電圧のいずれかに切り替える切替回路と、モニタ用ソース線に一端が接続された複数のモニタ用メモリセル、及び前記昇圧回路により昇圧された前記書込電圧に応じたソース電圧を前記モニタ用ソース線に供給するモニタ用ソースドライバを含むモニタ回路と、を含む
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記昇圧回路は、比較対象の電圧と前記所定の書込電圧とを比較した比較結果に基づいて、前記書込電圧を昇圧し、
前記制御部は、前記比較対象の電圧を前記書込電圧、及び前記ソース電圧のいずれかに切り替える切替回路と、前記ソース線と先記切替回路とを接続する接続回路と、を含む
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ホットエレクトロンによる電荷注入を行う不揮発メモリ等の書込み動作では、昇圧回路により昇圧した書込電圧が用いられる。
【0003】
例えば、文献1には、ワード線、ソース線、及びビット線に接続された複数のメモリセルと、ワード線及びソース線を駆動するドライバー回路と、消去及び書き換え用の電圧を生成し、ドライバー回路に消去及び書き換え用の電圧を供給する昇圧回路と、を備えた不揮発性記憶装置が記載されている。
【0004】
また、文献2には、集積回路の動作/機能設定情報を記憶する設定情報メモリを含む機能設定信号発生回路と、電源電圧を昇圧電圧に昇圧する昇圧回路と、昇圧電圧が設定レベルに達したが否かを検知する検知回路と、昇圧電圧が設定レベルに達したことを検知した後、昇圧電圧を使用して設定情報メモリから集積回路の動作/機能設定情報を読み出す半導体集積回路装置が記載されている。
【0005】
図5には、このように昇圧回路により昇圧された書込電圧を用いてデータの書き込みを行う、従来の半導体記憶装置100の構成の一例が示されている。また、
図6には、
図5に示した半導体記憶装置100のタイムチャートの一例が示されている。なお、
図6は、行選択線RADD<0>が選択され、ビット線BL<0>に接続されたメモリセルMCELL<0>に「1」を書き込み、ビット線BL<1>に接続されたメモリセルMCELL<1>に「0」を書き込む場合が示されている。
【0006】
図5に示すように、半導体記憶装置100は、昇圧回路110及びメモリアレイブロック114を備える。昇圧回路110は、書き込みに最適な電圧として定められた基準書込電圧Vrefと同電圧になるように書込電圧Vppを昇圧する機能を有する。昇圧回路110は、クロック発生回路120、昇圧ポンプ122、及び昇圧レベルセンサ124を含む。昇圧イネーブル信号ENがHレベルになるとクロック発生回路120が動作し、昇圧ポンプ122がクロック信号CLK及びCLKBに応じて動作し、書込電圧Vppを昇圧する。昇圧レベルセンサ124は、書込電圧Vppと基準書込電圧Vrefとを比較し、書込電圧Vppが基準書込電圧Vrefに達すると、Lレベルのお知らせ信号SNがクロック発生回路120に出力され、クロック発生回路120の動作が停止し、書込電圧Vppの昇圧が停止する。
【0007】
メモリセルMCELLに書き込みを行う場合、ROWデコーダ140により行選択線RADDが選択されてLレベルになり(
図6、t04)、ワードドライバ150のPMOSトランジスタ160がオン状態になり、NMOSトランジスタ162がオフ状態となる。これにより、ワード線WLに電源電圧Vddが供給され、ワード線WLがHレベルになる(
図6、t04)。また、ソースドライバ152のPMOSトランジスタ164がオン状態になり、NOMOSトランジスタ166がオフ状態となる。これにより、ソース線SLに書込電圧Vppが供給され、ソース線SLがHレベルになる(
図6、t04)。
【0008】
メモリセルMCELLに「0」を書き込む場合、ビット線BLの電位がLベルとなり、ソース線SLと、ビット線BLとの間に書き込み電流が流れ、メモリセルMCELLに電荷が注入される。一方、メモリセルMCELLに「1」を書き込む場合、ビット線BLの電位がHベルとなり、ソース線SLと、ビット線BLとの間に書き込み電流が流れないため、メモリセルMCELLに電荷が注入されず、状態を維持する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2019-220242号公報
【特許文献2】特開2006-221814号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
図5に示した半導体記憶装置100では、ソースドライバ152における抵抗、具体的には、PMOSトランジスタ164及びNOMOSトランジスタ166の抵抗、及び配線抵抗等により、ソース線SLの電位が書込電圧Vppよりも低下する。そのため、ソース線SLの電位は、基準書込電圧Vrefよりも低く(Vref-α)なってしまう。
【0011】
このように、従来の半導体記憶装置100では、データ書込み期間(
図6、t04~t05)の間、ソース線SLの電圧は、基準書込電圧Vrefよりも低い、Vref-αとなる。
【0012】
メモリセルへの書込み特性を最適にするためには、メモリセルに実際に供給される書込電圧、すなわちソース線SLの電圧を最適な電圧にすることが望ましく、
図5の例では、基準書込電圧Vrefにすることが望ましい。しかしながら、上記従来の技術では、上述したように、ソース線SLの電圧は、基準書込電圧Vrefよりも低い、Vref-αである。メモリセルに実際に供給される書込電圧が基準書込電圧Vrefよりも低下する結果、メモリセルの書き込み特性が低下するという問題があった。
【0013】
本開示は、上記問題を解決するものであり、メモリセルの書き込み特性をより向上させることができる半導体記憶装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本開示の半導体記憶装置は、制御端がワード線に接続され、一端がソース線に接続され、かつ他端がビット線に接続されたメモリセルを複数備えた半導体記憶装置であって、書込電圧を昇圧する昇圧回路と、前記昇圧回路により昇圧された前記書込電圧に応じたソース電圧をソース線に供給するソースドライバと、前記ソース線のソース電圧が所定の書込電圧となるように前記昇圧回路により昇圧される前記書込電圧の電位を制御する制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0015】
本開示によれば、メモリセルの書き込み特性をより向上させることができる半導体記憶装置を提供するこができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】第1実施形態の半導体記憶装置の構成の一例を表すブロック図である。
【
図2】第1実施形態の半導体記憶装置のタイムチャートの一例である。
【
図3】第2実施形態の半導体記憶装置の構成の一例を表すブロック図である。
【
図4】第2実施形態の半導体記憶装置のタイムチャートの一例である。
【
図5】従来の半導体記憶装置の構成の一例を表すブロック図である。
【
図6】従来の半導体記憶装置のタイムチャートの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本開示の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本開示の技術を限定するものではない。なお、符号に付す、「< >」は、個々を特定するためのものであり、総称する場合、「< >」の記載を省略する。例えば、n+1本のビット線の各々についてビット線BL<0>~BL<n>と称する(
図1参照)が、総称する場合、単にビット線BLと称する。
【0018】
[第1実施形態]
まず、本実施形態の半導体記憶装置の構成の一例について
図1を参照して説明する。
図1には、本実施形態の半導体記憶装置1の構成の一例を表す回路図が示されている。本実施形態の半導体記憶装置1は、昇圧回路10、切替回路12、及びメモリアレイブロック14を備える。
【0019】
昇圧回路10は、クロック発生回路20、昇圧ポンプ22、及び昇圧レベルセンサ24を備える。クロック発生回路20には、外部の装置から、昇圧イネーブル信号ENが入力される。クロック発生回路20は、書込電圧Vppを昇圧する機能を有する。
図1に示すように、クロック発生回路20は、昇圧イネーブル信号ENがHレベルになると動作し、逆相のクロック信号である、クロック信号CLK及びCLKBが昇圧ポンプ22に出力される。昇圧ポンプ22は、クロック信号CLK及びCLKBに応じて動作し、昇圧した書込電圧Vppを出力する。昇圧レベルセンサ24は、切替回路12から入力された電圧と、基準書込電圧Vrefとを比較し、入力された電圧が基準書込電圧Vrefに達すると、Lレベルのお知らせ信号SNをクロック発生回路20に出力する。クロック発生回路20は、昇圧レベルセンサ24からLレベルのお知らせ信号SNが入力されると、動作を停止する。クロック発生回路20の動作が停止することにより、クロック信号CLK及びCLKBはLレベルのままとなり、昇圧ポンプ22の動作が停止し、書込電圧Vppの昇圧が停止する。このように、昇圧回路10は、切替回路12から入力された入力電圧が、基準書込電圧Vrefと同電圧となるように昇圧した書込電圧Vppを切替回路12に出力する。なお、基準書込電圧Vrefは、メモリアレイブロック14の各メモリセルMCELにデータを書き込むための書き込み動作に最適な電圧であり、メモリセルMCELLや半導体記憶装置1に応じて、予め定められている。
【0020】
切替回路12は、昇圧回路10の昇圧レベルセンサ24に入力される入力電圧を、昇圧ポンプ22から出力された書込電圧Vpp、及びソース線SL_dumの電圧(ソース電圧)のいずれかに切り替える機能を有する。
図1に示すように、切替回路12は、PMOSトランジスタ30、インバータ32、及びPMOSトランジスタ34を備える。選択信号SelectがLレベルの場合、PMOSトランジスタ30はオン状態となる。また、インバータ32を介してHレベルの信号がゲートに入力されるため、PMOSトランジスタ34はオフ状態となる。そのため、選択信号SelectがLレベルの場合、昇圧レベルセンサ24には、昇圧ポンプ22から出力された書込電圧Vppが入力される。一方、選択信号SelectがHレベルの場合、PMOSトランジスタ30はオフ状態になる。また、インバータ32を介してLレベルの信号がゲートに入力されるため、PMOSトランジスタ34はオン状態となる。そのため、選択信号SelectがHレベルの場合、昇圧レベルセンサ24には、メモリアレイブロック14から入力されたソース線SL_dumのソース電圧が入力される。
【0021】
図1に示すようにメモリアレイブロック14は、ROWデコーダ40と、(m+1)行×(n+1)列の行列状に配置された複数のメモリセルMCELL(
図1には、MCELL<0>~<m>を記載)と、ダミー回路42_dと、を備える。
【0022】
メモリセル群42<0>~42<n>は、同様の構成を有している。メモリセル群42毎に、ワード線WLを駆動するワードドライバ50、及びソース線SLを駆動するソースドライバ52を含む。各メモリセルMCELLは、フローティングゲートを有するNMOSトランジスタであり、各々、ゲート(制御端)がワード線WLに接続され、ソース(一端)がソース線SLに接続され、かつドレイン(他端)が各ビット線BLに接続されている。メモリセルMCELLの書き込み動作時は、ROWデコーダ40によって、行選択線RADD<0>~<n>のいずれかが選択される。具体的には、ROWデコーダ40は、行選択線RADD<0>~<n>のうち、書き込みを行う行に応じた行選択線RADDのレベルの電位をLレベルにする。これにより、ワードドライバ50及びソースドライバ52が駆動し、ワード線WL及びソース線WLの電位がHレベルになる。メモリセルMCELLに「0」を書き込む場合、ビット線BLの電位がLベルとなり、ソース線SLと、ビット線BLとの間に書き込み電流が流れ、メモリセルMCELLに電荷が注入される。一方、メモリセルMCELLに「1」を書き込む場合、ビット線BLの電位がHベルとなり、ソース線SLと、ビット線BLとの間に書き込み電流が流れないため、メモリセルMCELLに電荷が注入されず、状態を維持する。
【0023】
また、
図1に示すように、ダミー回路42_dは、メモリセル群42と同様の構成を有している。ダミー回路42_dは、ワードドライバ50、ソースドライバ52、及びm+1個のメモリセルMCELL_dumを含む。メモリセルMCELL_dumは、メモリセルMCELLと同様に、フローティングゲートを有するNMOSトランジスタであり、各々、ゲート(制御端)がワード線WL_dumに接続され、ソース(一端)がソース線SL_dumに接続され、かつドレイン(他端)が各ビット線BLに接続されている。
【0024】
ワードドライバ50は、直列に接続されたPMOSトランジスタ60及びNOMOSトランジスタ62を有する。メモリセルMCELLに書き込みを行う場合、ROWデコーダ40により行選択線RADD_dumも選択され、行選択線RADD_dumの電位がLレベルの場合、PMOSトランジスタ60がオン状態になり、NOMOSトランジスタ62がオフ状態となる。これにより、ワード線WL_dumに電源電圧Vddが供給され、ワード線WL_dumがHレベルになる。
【0025】
一方、ソースドライバ52は、直列に接続されたPMOSトランジスタ64及びNOMOSトランジスタ66を有する。行選択線RADD_dumの電位がLレベルの場合、PMOSトランジスタ64がオン状態になり、NOMOSトランジスタ66がオフ状態となる。これにより、ソース線SL_dumに書込電圧Vppが供給され、ソース線SL_dumがHレベルになる。
【0026】
ソース線SL_dumは、切替回路12のPMOSトランジスタ34の一端に接続されている。そのため、上述したように、選択信号SelectがHレベルの場合、PMOSトランジスタ34がオン状態となり、昇圧回路10の昇圧レベルセンサ24にソース線SL_dumの電圧が入力される。これにより、ソース線SL_dumの電圧が基準書込電圧Vrefと同一となるまで昇圧された書込電圧Vppが、昇圧回路10から出力される。
【0027】
図2には、
図1に示した半導体記憶装置1のタイムチャートの一例が示されている。なお、
図2は、行選択線RADD<0>が選択され、ビット線BL<0>に接続されたメモリセルMCELL<0>に「1」を書き込み、ビット線BL<1>に接続されたメモリセルMCELL<1>に「0」を書き込む場合が示されている。
【0028】
図2に示すように、まず、タイミングt0~t2では、イネーブル信号ENがHレベルになり、昇圧回路10が昇圧動作を開始する。また、選択信号SelectがLベルのため、切替回路12は、書込電圧Vppを選択し、昇圧回路10は、書込電圧Vppが基準書込電圧Vrefと同電位となるように書込電圧Vppを昇圧する(t1~t2)。
【0029】
データの書き込みを開始する所定の時間前のタイミングt2に至ると、行選択線RADD_dumが選択され、Lレベルとなる。ワードドライバ50及びソースドライバ52が動作するため、ワード線WL_dum及びソース線SL_dumのレベルがHレベルとなる。また、選択信号SelectがHレベルになり、切替回路12は、ソース線SL_dumの電圧を選択し、昇圧回路10は、ソース線SL_dumの電圧を基準書込電圧Vrefと同電圧となるように、書込電圧Vppを昇圧する。そのため、書込電圧Vppの電圧は、基準書込電圧Vrefよりも大きくなる(Vref+α)。
【0030】
ソース線SL_dumの電圧を基準書込電圧Vrefと同電圧となった後、換言すると、基準書込電圧Vrefの電圧がVref+αとなった後のタイミングt3から、データの書き込みが開始される。行選択線RADD<0>が選択され、Lレベルとなる。ワードドライバ50及びソースドライバ52が動作するため、ワード線WL及びソース線SLのレベルがHレベルとなる。
【0031】
タイミングt3では、上述したように、昇圧回路10により、ソース線SL_dumの電圧が基準書込電圧Vrefと同電圧となるように、書込電圧Vppの電圧が、基準書込電圧Vrefよりも高いVref+αに昇圧されている。そのため、ソース線SL_dumの電圧は、基準書込電圧Vrefとなる。
図2に示すように、本実施形態の半導体記憶装置1では、タイミングt3~t4データの書込み期間の間、ソース線SL_dumの電圧を、基準書込電圧Vrefのままとすることができる。
【0032】
上述したように、ダミー回路42_dと、メモリセル群42とは、同様の構成である。そのため、ソース線SL_dumと同様に、メモリセル群42のソース線SLの電圧も、タイミングt3~t4データの書込み期間の間、基準書込電圧Vrefのままとすることができる。
【0033】
[第2実施形態]
まず、本実施形態の半導体記憶装置の構成の一例について
図3を参照して説明する。
図3には、本実施形態の半導体記憶装置1の構成の一例を表す回路図が示されている。本実施形態の半導体記憶装置1は、切替回路12、及びメモリアレイブロック14の構成の一部が第1実施形態(
図1参照)と異なっている。以下では、第1実施形態と異なる構成について説明する。
【0034】
図3に示すように、本実施形態のメモリアレイブロック14は、第1実施形態のダミー回路42_dを備えていない。また、各メモリセル群42は、PMOSトランジスタ49を備えている。PMOSトランジスタ49は、ゲート(制御端)が行選択線RADDに接続され、ソースがソース線SLに接続され、かつドレインが切替回路12のPMOSトランジスタ34に接続されている。本実施形態のPMOSトランジスタ49が、本開示の接続回路の一例である。
【0035】
データの書き込みの際、行選択線RADDが選択され、Lレベルとなると、PMOSトランジスタ49は、オン状態になる。そのため、切替回路12において、PMOSトランジスタ34がオン状態になると、クロック発生回路20の昇圧レベルセンサ24には、メモリアレイブロック14のメモリセル群42のソース線SLの電圧が入力される。
【0036】
図4には、
図3に示した半導体記憶装置100のタイムチャートが示されている。
図4に示すように、本実施形態の半導体記憶装置100においても、上述のように、書き込み期間t3~t4の間は、昇圧回路10により、ソース線SLの電圧が基準書込電圧Vrefと同電圧となるように、書込電圧Vppの電圧が、基準書込電圧Vrefよりも高いVref+αに昇圧されている。そのため、ソース線SLの電圧は、基準書込電圧Vrefを維持することができる。
【0037】
また、
図4に示すように、本実施形態の半導体記憶装置100においても、上述のように、書き込み期間t5~t6の間は、昇圧回路10により、ソース線SLの電圧が基準書込電圧Vrefと同電圧となるように、書込電圧Vppの電圧が、基準書込電圧Vrefよりも高いVref+βに昇圧されている。そのため、ソース線SLの電圧は、基準書込電圧Vrefを維持することができる。
【0038】
なお、本実施形態の半導体記憶装置100によれば、第1実施形態の半導体記憶装置100と異なり、ダミー回路42_dと、メモリセル群42とのばらつきの影響を受けることがないため、より精度良く、メモリセルの書き込み特性を向上させることができる。
【0039】
以上説明したように、上記実施形態の半導体記憶装置1は、制御端がワード線WLに接続され、一端がソース線SLに接続され、かつ他端がビット線BLに接続されたメモリセルMCELLを複数備えた半導体記憶装置である。半導体記憶装置1は、書込電圧Vppを昇圧する昇圧回路10と、昇圧回路10により昇圧された書込電圧Vppに応じたソース電圧をソース線SLに供給するソースドライバ50と、ソース線SLのソース電圧が基準書込電圧Vrefとなるように昇圧回路10により昇圧される書込電圧Vppの電位を制御する。
【0040】
従って、上記各実施形態の半導体記憶装置1によれば、メモリセルMCELLの書き込み特性をより向上させることができる。
【0041】
なお、上記各実施形態では書き込み動作について説明したが、読み出し動作についても同様であることはいうまでもない。
【0042】
また、上記各実施形態で説明した昇圧回路10、切替回路12、及びメモリアレイブロック14等の構成及び動作等は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更可能であることはいうまでもない。
【0043】
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
制御端がワード線に接続され、一端がソース線に接続され、かつ他端がビット線に接続されたメモリセルを複数備えた半導体記憶装置であって、
書込電圧を昇圧する昇圧回路と、
前記昇圧回路により昇圧された前記書込電圧に応じたソース電圧をソース線に供給するソースドライバと、
前記ソース線のソース電圧が所定の書込電圧となるように前記昇圧回路により昇圧される前記書込電圧の電位を制御する制御部と、
を備えた半導体記憶装置。
【0044】
(付記2)
前記昇圧回路は、比較対象の電圧と前記所定の書込電圧とを比較した比較結果に基づいて、前記書込電圧を昇圧し、
前記制御部は、前記比較対象の電圧を前記書込電圧、及び前記ソース電圧のいずれかに切り替える切替回路と、モニタ用ソース線に一端が接続された複数のモニタ用メモリセル、及び前記昇圧回路により昇圧された前記書込電圧に応じたソース電圧を前記モニタ用ソース線に供給するモニタ用ソースドライバを含むモニタ回路と、を含む
付記1に記載の半導体記憶装置。
【0045】
(付記3)
前記昇圧回路は、比較対象の電圧と前記所定の書込電圧とを比較した比較結果に基づいて、前記書込電圧を昇圧し、
前記制御部は、前記比較対象の電圧を前記書込電圧、及び前記ソース電圧のいずれかに切り替える切替回路と、前記ソース線と先記切替回路とを接続する接続回路と、を含む
付記1または付記2に記載の半導体記憶装置。
【符号の説明】
【0046】
1 半導体記憶装置
10 昇圧回路
12 切替回路
14 メモリアレイブロック
42_d ダミー回路
49 PMOSトランジスタ