(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143849
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】電力制御回路、集積回路、及び電力制御方法
(51)【国際特許分類】
G06F 1/28 20060101AFI20241003BHJP
G06F 1/32 20190101ALI20241003BHJP
【FI】
G06F1/28
G06F1/32
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023056757
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】320012037
【氏名又は名称】ラピステクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 優太
【テーマコード(参考)】
5B011
【Fターム(参考)】
5B011EA08
5B011GG02
5B011LL12
(57)【要約】
【課題】アンテナから供給される磁界により発生した電力の供給に応じて動作する集積回路に対して、アンテナから供給される磁界が発生しない期間中の消費電力を低減することができる電力制御回路、集積回路、及び電力制御方法を提供する。
【解決手段】受信データに応じてアンテナから供給される磁界により発生した電力に基づいて、動作部に供給する電力を制御する電力制御回路であって、前記アンテナから磁界が供給されているか否かを検出し、磁界が供給されていないことを表す第1信号を出力する検出回路と、前記第1信号と、前記動作部の動作を制御するプロセッサがディープスリープ状態であるか否かを表す第2信号とに基づいて、前記動作部のモードを第1モードと、前記第1モードよりも電力の消費が少ない第2モードとで切り替える切替回路と、を備えた電力制御回路。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信データに応じてアンテナから供給される磁界により発生した電力に基づいて、動作部に供給する電力を制御する電力制御回路であって、
前記アンテナから磁界が供給されているか否かを検出し、磁界が供給されていないことを表す第1信号を出力する検出回路と、
前記第1信号と、前記動作部の動作を制御するプロセッサがディープスリープ状態であるか否かを表す第2信号とに基づいて、前記動作部のモードを第1モードと、前記第1モードよりも電力の消費が少ない第2モードとで切り替える切替回路と、
を備えた電力制御回路。
【請求項2】
前記切替回路は、前記第1信号が、前記磁界が供給されていないことを表し、また、前記第2信号が、前記プロセッサが前記ディープスリープ状態であることを表す場合、前記動作部のモードを前記第2モードにする
請求項1に記載の電力制御回路。
【請求項3】
前記切替回路は、前記プロセッサが初期起動を完了させたか否かを表す第3信号にさらに基づいて、前記動作部のモードを第1モードと、前記第2モードとで切り替える
請求項1に記載の電力制御回路。
【請求項4】
前記切替回路は、前記第3信号が、前記プロセッサが初期起動を完了させていないことを表す場合、前記第1信号及び前記第2信号にかかわらず、前記動作部のモードを前記第2モードにする
請求項3に記載の電力制御回路。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記磁界の供給に応じてクロック信号を生成するクロック生成回路により生成された前記クロック信号に基づいて動作する
請求項1に記載の電力制御回路。
【請求項6】
前記アンテナは、NFC無線通信の、Type-A規格に用いられるアンテナである、
請求項1に記載の電力制御回路。
【請求項7】
受信データに応じて発生させた磁界を供給するアンテナと、
前記アンテナから供給される磁界により電力を発生させる電力発生部と、
前記電力発生部から供給される電力により動作する動作部と、
前記動作部の動作を制御するプロセッサと、
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電力制御回路と、
を備えた集積回路。
【請求項8】
受信データに応じてアンテナから供給される磁界により発生した電力に基づいて、動作部に供給する電力を制御する電力制御方法であって、
前記アンテナから磁界が供給されているか否かを検出し、磁界が供給されていないことを表す第1信号を出力し、
前記第1信号と、前記動作部の動作を制御するプロセッサがディープスリープ状態であるか否かを表す第2信号とに基づいて、前記動作部のモードを第1モードと、前記第1モードよりも電力の消費が少ない第2モードとで切り替える、
電力制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電力制御回路、集積回路、及び電力制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、受信データに応じてアンテナから供給される磁界により発生した電力が供給されることにより動作する集積回路が知られている。このような従来の集積回路の一例として、
図4には、アンテナ12から供給される磁界S101により発生した電力により動作するLS(ILarge Scale Integration)100の構成を表す回路図が示されている。
【0003】
図4に示したLSI100は、電力発生部120、クロック生成回路122、CPU(Central Processing Unit)124、メモリ制御回路126、及びメモリ128を備える。LSI100における電源起動方法は、まず、アンテナ12から供給される磁界S101から、電力発生部120がLSI100の全領域に電力S105を供給する。クロック生成回路122は、アンテナ12から供給される磁界S101に応じてクロック信号S102を生成し、CPU124に出力する。CPU124は、クロック信号S102に基づいて動作し、LSI100の初期起動シーケンスを開始する。CPU124は、初期起動の完了後、初期起動が完了したことを表す初期起動完了フラグ信号S103をメモリ制御回路126に出力する。メモリ制御回路126は、初期起動が完了したことを表す初期起動完了フラグ信号S103に応じて、要求信号S104をメモリ128に出力し、メモリ128の動作状態をディープスタンバイモードから通常動作モードへ復帰させる。これにより、LSI100では、初期起動が完了し、通常動作を開始する。
【0004】
アンテナ12から磁界S101が供給されない期間は、電力発生部120が電力S105を発生させなくなる。そのため、LSI100は、外部電源となる外部キャパシタ114から供給される電力S105により動作する。
【0005】
このように、アンテナから磁界が供給されない期間は、別の電源装置から供給される電力により動作するように電制を制御する技術が知られている。例えば、特許文献1には、アンテナ部を介して無線通信で用いられる電磁波を受信し、受信した電磁波からの電磁誘導、または放射電磁界により電力を発生させる電磁波電力電源部と、少なくともカメラ部に電力を供給する電源部と、メモリに電力を供給する電源として、電磁波電力電源部及び電源部のいずれか一方を選択するメモリ電源制御部とを備え、電磁波電力電源部が供給する電力が閾値以下の場合、電源部を選択する技術が記載されている。
【0006】
また、特許文献2には、外部装置からの磁界に基づいて電力を生成する電力生成手段と、通信手段への電力供給元を内部電源と電力生成手段との間で切り替える電源切替手段を、電力生成手段により供給される電力が通信手段の動作に不十分である場合、電力供給元を内部電源へ切り替えるように制御する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009-200752号公報
【特許文献2】特開2015-125507号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の技術では、アンテナから供給される磁界が発生しない期間中においても、アンテナから磁界が供給されている期間と同様に動作する。そのため、アンテナから供給される磁界が発生しない期間中の電力消費を低減することが望まれている。
【0009】
本開示は、アンテナから供給される磁界により発生した電力の供給に応じて動作する集積回路に対して、アンテナから供給される磁界が発生しない期間中の消費電力を低減することができる電力制御回路、集積回路、及び電力制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本開示の電力制御回路は、受信データに応じてアンテナから供給される磁界により発生した電力に基づいて、動作部に供給する電力を制御する電力制御回路であって、前記アンテナから磁界が供給されているか否かを検出し、磁界が供給されていないことを表す第1信号を出力する検出回路と、前記第1信号と、前記動作部の動作を制御するプロセッサがディープスリープ状態であるか否かを表す第2信号とに基づいて、前記動作部のモードを第1モードと、前記第1モードよりも電力の消費が少ない第2モードとで切り替える切替回路と、を備える。
【0011】
また、上記目的を達成するために、本開示の集積回路は、受信データに応じて発生させた磁界を供給するアンテナと、前記アンテナから供給される磁界により電力を発生させる電力発生部と、前記電力発生部から供給される電力により動作する動作部と、前記動作部の動作を制御するプロセッサと、本開示の電力制御回路と、を備える。
【0012】
また、上記目的を達成するために、本開示の電力制御方法は、受信データに応じてアンテナから供給される磁界により発生した電力に基づいて、動作部に供給する電力を制御する電力制御方法であって、前記アンテナから磁界が供給されているか否かを検出し、磁界が供給されていないことを表す第1信号を出力し、前記第1信号と、前記動作部の動作を制御するプロセッサがディープスリープ状態であるか否かを表す第2信号とに基づいて、前記動作部のモードを第1モードと、前記第1モードよりも電力の消費が少ない第2モードとで切り替える方法である。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、アンテナから供給される磁界により発生した電力の供給に応じて動作する集積回路に対して、アンテナから供給される磁界が発生しない期間中の消費電力を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施形態のLSIの構成の一例を示す回路図である。
【
図2】ASK100%の変調方式について説明するための図である。
【
図3】実施形態のLSIのタイムチャートの一例である。
【
図4】従来のLSIの構成の一例を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本開示の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本開示の技術を限定するものではない。
【0016】
まず、本実施形態のLSIの構成の一例について
図1を参照して説明する。
図1には、本実施形態のLSI10の構成の一例を表す回路図が示されている。本実施形態のCPU10が、本開示の集積回路の一例である。
【0017】
LSI10は、アンテナ12から供給される磁界により発生した電力S5の供給に応じて動作する。一例として本実施形態ではアンテナ12として、NFC(Near Field Communication)のType-A規格のアンテナを用いている。Type-A規格は、ASK(Amplitude Shift Keying)100%の変調方式と呼ばれる、搬送波の振幅を入力符号に対応させて変化させる変調方式を採用している。ASK100%の変調方式について、
図2を参照して説明する。
図2には、ASK100%の変調方式で変調された信号の波形が示されている。当該変調方式では、受信データが「1」の期間中は、アンテナから磁界が供給される。一方、受信データが「0」の期間中は、アンテナから供給される磁界が無くなる。本実施形態では、この受信データが「0」の期間のことを「ポーズマーク」と称する。従ってアンテナ12は、受信データが「0」であるポーズマーク期間は、磁界S1を発生しない。そのため、LSI10には、アンテナ12から磁界S1が供給されない。
【0018】
図1に示すように、LSI10は、電力発生部20、クロック生成回路22、CPU24、メモリ制御回路26、メモリ28、及び電力制御回路30を備えている。本実施形態のメモリ制御回路26及びメモリ28が、本開示の動作部の一例である。
【0019】
電力発生部20は、アンテナ12で発生した磁界S1により電力S5を発生させる。電力S5は、メモリ制御回路26や電力制御回路30等のLSI10内の各部に供給される。
【0020】
クロック生成回路22は、磁界S1の供給に応じてクロック信号S2を生成して出力する。CPU24は、クロック信号S2に基づいて動作する。CPU24は、ディープスリープ状態である期間はHレベルを示すディープスリープ信号S3を電力制御回路30に出力する。本実施形態のCPU24が、本開示のプロセッサの一例であり、本実施形態のディープスリープ信号S3が、本開示の第2信号の一例である。
【0021】
電力制御回路30は、ポーズマーク検出回路32及び切替回路34を含む。ポーズマーク検出回路32は、磁界S1からポーズマーク期間を検出し、ポーズマーク期間中はHレベルを示すポーズマーク信号S7を切替回路34に出力する。本実施形態のポーズマーク検出回路32が、本開示の検出回路の一例であり、本実施形態のポーズマーク信号S7が、本開示の第1信号の一例である。
【0022】
切替回路34は、電力制御ステートマシン40、NAND回路42、及びAND回路44を含む。電力制御ステートマシン40は、ディープスリープ信号S3に基づいて、CPU24の初期起動が完了すると、Hレベルの初期起動完了フラグ信号S6をAND回路44に出力する。本実施形態の初期起動完了フラグ信号S6が、本開示の第3信号の一例である。
【0023】
NAND回路42には、ディープスリープ信号S3とポーズマーク信号S7とが入力され、ディープスリープ信号S3とポーズマーク信号S7との論理積を反転した出力信号S8を、AND回路44に出力する。
【0024】
AND回路44には、初期起動完了フラグ信号S6と出力信号S8とが入力され、初期起動完了フラグ信号S6と出力信号S8との論理積を電源制御回路ディープスタンバイ要求信号S9してメモリ制御回路26に出力する。
【0025】
このように、電力制御回路30は、磁界S1、及びディープスリープ信号S3に応じた電源制御回路ディープスタンバイ要求信号S9をメモリ制御回路26に出力する。
【0026】
メモリ制御回路26は、電源制御回路ディープスタンバイ要求信号S9に応じて、メモリ28に対してディープスタンバイモードへの遷移を要求する要求信号S4を出力する。本実施形態では、電源制御回路ディープスタンバイ要求信号S9のレベルがLレベルの場合、メモリ28のモードをディープスタンバイモードに遷移させるための要求信号S4をメモリ28に出力する。
【0027】
メモリ28は、要求信号S4に応じて、スタンバイモード、スタンバイモードよりも消費電力が少ないディープスタンバイモード、及び通常モードのいずれかの動作モードで動作する。なお、本実施形態のスタンバイモードが、本開示の第1モードの一例であり、本実施形態のディープスタンバイモードが、本開示の第2モードの一例である。
【0028】
本実施形態のLSI10(電力制御回路30)の動作について
図3を参照して説明する。図に3は、LSI10のタイムチャートの一例が示されている。なお、
図3は、データ受信中における動作の例を示している。電力制御回路30は、ポーズマーク期間は、メモリ28をディープスタンバイモードにし、ボーズマーク期間が終了すると、メモリ28をディープスタンバイモードからスタンバイモードに戻すよう動作する。
【0029】
図3に示すように、ポーズマーク期間中は、磁界S1が発生しないため、クロック信号S2が停止する。そのため、CPU24は動作せず、CPU24がメモリ制御回路26に対して直接、電源の制御を行うことができない。そこで、ポーズマーク信号S7に応じて、切替回路34がメモリ制御回路26に対して動作モードを切り替える制御を行う。
【0030】
LSI10が起動を完了するまでのタイミングt0~t1の期間T1では、初期起動完了フラグ信号S6がLレベルであるため、出力信号S8のレベルに係わらず、AND回路44は、Lレベルの電源制御回路ディープスタンバイ要求信号S9を出力する。このように、本実施形態の電力制御回路30は、低電力化の観点からCPU24の起動が完了する前は、メモリ28の動作モードを常にディープスタンバイモードに固定する。
【0031】
タイミングt2でCPU24の初期起動が完了すると、初期起動完了フラグ信号S6がHレベルになる。
【0032】
CPU24の初期起動の完了後のタイミングt2~t9の期間T2は、データ受信中の期間である。期間T2の間は、CPU24は、ディープスリープ状態を保持し、ディープスリープ信号S3がHレベルとなる。これにより、NAND回路42から出力される出力信号S8のレベルは、ポーズマーク信号S7のレベルを反転したレベルとなる。一方、期間T2の間は、初期起動完了フラグ信号S6はHレベルとなる。そのため、AND回路44から出力される電源制御回路ディープスタンバイ要求信号S9は、出力信号S8のレベルと同じレベルになる。すなわち、期間T2の間は、電源制御回路ディープスタンバイ要求信号S9のレベルは、ポーズマーク信号S7のレベルを反転したレベルとなる。
【0033】
期間T2のうち、タイミングt3~t4、t5~t6、t7~t8の期間T3は、ポーズマーク期間である。ポーズマーク期間中はポーズマーク信号S7がHレベルであるため、AND回路44から出力される電源制御回路ディープスタンバイ要求信号S9は、Lレベルになる。Lレベルの電源制御回路ディープスタンバイ要求信号S9に応じて、メモリ制御回路26は、メモリ28の動作モードをディープスタンバイモードにする。
【0034】
CPU24のディープスリープ状態が終了し、タイミング9で通常状態に移行すると、受信データを格納する作業が行われる。通常状態に移行するタイミングt9では、ディープスリープ信号S3がLレベルになる。これにより、NAND回路42は、ポーズマーク信号S7のレベルに係わらず、Hレベルの出力信号S8を出力する。そのため、AND回路44は、初期起動完了フラグ信号S6のレベルと同じレベルの電源制御回路ディープスタンバイ要求信号S9を出力する。従って、タイミングt9以降の通常動作状態では、メモリ28がディープスタンバイモードに遷移することがない。
【0035】
以上説明したように、上記実施形態の電力制御回路30は、受信データに応じてアンテナ12から供給される磁界により発生した電力S5に基づいて、メモリ制御回路26及びメモリ28に供給する電力を制御する。電力制御回路30は、ポーズマーク検出回路32及び切替回路34を備える。ポーズマーク検出回路32は、アンテナ12から磁界が供給されているか否かを検出し、磁界が供給されていないことを表すポーズマーク信号S7を出力する。切替回路34は、ポーズマーク信号S7と、メモリ28の動作を制御するCPU24がディープスリープ状態であるか否かを表すディープスリープ信号S3とに基づいて、メモリ28のモードをスタンバイモードと、スタンバイモードよりも電力の消費が少ないディープスタンバイモードとで切り替える。
【0036】
このように、上記実施形態の電力制御回路30によれば、アンテナ12から磁力が供給されないポーズマーク期間中は、メモリ28を、消費電力が少ないディープスタンバイモードに遷移させることができ、電力発生部20から供給される電力S5の低下を緩和することができる。
【0037】
従って、上記実施形態の電力制御回路30によれば、アンテナ12から供給される磁界により発生した電力S5の供給に応じて動作するLSI10に対して、アンテナ12から供給される磁界が発生しないポーズマーク期間中の消費電力を低減することができる。
【0038】
このように、上記実施形態の電力制御回路30によれば、アンテナ12から供給される磁界が発生しないポーズマーク期間中の消費電力を低減するこができるため、従来のLSI100(
図4参照)のように、外部キャパシタ114等の電源装置を用いずとも、データの受信を行うことができる。よって、デバイス全体の小型化を実現することができる。
【0039】
なお、上記では、ポーズマーク期間中にメモリ28が消費する電力を低下させる形態について説明したが、ポーズマーク期間中に消費する電力を低下する動作部はメモリ28に限定されず、その他のロジック領域であってもよい。
【0040】
また、アンテナ12は、NFC無線通信の、Type-A規格に用いられるアンテナに限定されず、電力を生成するための磁界を受信したデータに応じて供給するアンテナであればよい。
【0041】
また、上記各実施形態で説明したLSI10、アンテナ12、及び電力制御回路30等の構成及び動作等は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更可能であることはいうまでもない。
【0042】
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
受信データに応じてアンテナから供給される磁界により発生した電力に基づいて、動作部に供給する電力を制御する電力制御回路であって、
前記アンテナから磁界が供給されているか否かを検出し、磁界が供給されていないことを表す第1信号を出力する検出回路と、
前記第1信号と、前記動作部の動作を制御するプロセッサがディープスリープ状態であるか否かを表す第2信号とに基づいて、前記動作部のモードを第1モードと、前記第1モードよりも電力の消費が少ない第2モードとで切り替える切替回路と、
を備えた電力制御回路。
【0043】
(付記2)
前記切替回路は、前記第1信号が、前記磁界が供給されていないことを表し、また、前記第2信号が、前記プロセッサが前記ディープスリープ状態であることを表す場合、前記動作部のモードを前記第2モードにする
付記1に記載の電力制御回路。
【0044】
(付記3)
前記切替回路は、前記プロセッサが初期起動を完了させたか否かを表す第3信号にさらに基づいて、前記動作部のモードを第1モードと、前記第2モードとで切り替える
付記1または付記2に記載の電力制御回路。
【0045】
(付記4)
前記切替回路は、前記第3信号が、前記プロセッサが初期起動を完了させていないことを表す場合、前記第1信号及び前記第2信号にかかわらず、前記動作部のモードを前記第2モードにする
付記3に記載の電力制御回路。
【0046】
(付記5)
前記プロセッサは、前記磁界の供給に応じてクロック信号を生成するクロック生成回路により生成された前記クロック信号に基づいて動作する
付記1から付記4のいずれか1つに記載の電力制御回路。
【0047】
(付記6)
前記アンテナは、NFC無線通信の、Type-A規格に用いられるアンテナである、
付記1から付記5のいずれか1つに記載の電力制御回路。
【0048】
(付記7)
受信データに応じて発生させた磁界を供給するアンテナと、
前記アンテナから供給される磁界により電力を発生させる電力発生部と、
前記電力発生部から供給される電力により動作する動作部と、
前記動作部の動作を制御するプロセッサと、
付記1から付記6のいずれか1項に記載の電力制御回路と、
を備えた集積回路。
【0049】
(付記8)
受信データに応じてアンテナから供給される磁界により発生した電力に基づいて、動作部に供給する電力を制御する電力制御方法であって、
前記アンテナから磁界が供給されているか否かを検出し、磁界が供給されていないことを表す第1信号を出力し、
前記第1信号と、前記動作部の動作を制御するプロセッサがディープスリープ状態であるか否かを表す第2信号とに基づいて、前記動作部のモードを第1モードと、前記第1モードよりも電力の消費が少ない第2モードとで切り替える、
電力制御方法。
【符号の説明】
【0050】
10 LSI
12 アンテナ
20 電力発生部
22 クロック生成回路
24 CPU
26 メモリ制御回路
28 メモリ
30 電力制御回路
32 ポーズマーク検出回路
34 切替回路
40 電力制御ステートマシン
42 NAND回路
44 AND回路
S3 ディープスリープ信号
S6 初期起動完了フラグ信号
S7 ポーズマーク信号
S9 電源制御回路ディープスタンバイ要求信号