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特開2024-143866マルチチップ半導体装置、データを転送する方法、データ転送を検査する方法
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  • 特開-マルチチップ半導体装置、データを転送する方法、データ転送を検査する方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143866
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】マルチチップ半導体装置、データを転送する方法、データ転送を検査する方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/38 20060101AFI20241003BHJP
   G01R 31/28 20060101ALI20241003BHJP
   H01L 21/822 20060101ALI20241003BHJP
   G06F 13/40 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
G06F13/38 320A
G01R31/28 V
H01L27/04 T
G06F13/40 310
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023056782
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】320012037
【氏名又は名称】ラピステクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮野 知己
【テーマコード(参考)】
2G132
5F038
【Fターム(参考)】
2G132AA14
2G132AK07
2G132AL09
5F038AV15
5F038DT16
5F038EZ07
5F038EZ20
(57)【要約】
【課題】テストコストの増大及びチップサイズの増大を低減できるマルチチップ半導体装置を提供する。
【解決手段】マルチチップ半導体装置11は、第1半導体チップ13、第2半導体チップ15、及びこれらを接続する接続構造16を備え、第1半導体チップ13は、接続構造17に接続された第1インタフェース回路21、回路の特性を変更可能な対象回路41、該特性を変更するデータを格納し第1専用データバス25に接続される保持回路43、並びに第1インタフェース回路21を第1共通データバス23又は第1専用データバス25に接続する第1切替回路27を含み、第2半導体チップ15は、該特性を変更する値を格納し第2専用データバス35に接続される記憶回路45、接続構造17に接続された第2インタフェース回路31、並びに第2インタフェース回路31を第2共通データバス33又は第2専用データバス35に接続する第2切替回路37を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチチップ半導体装置であって、
第1半導体チップと、
第2半導体チップと、
前記第1半導体チップ及び前記第2半導体チップを電気的に接続する接続構造と、
を備え、
前記第1半導体チップは、
前記接続構造に接続された第1インタフェース回路と、
前記第1インタフェース回路に接続された第1共通データバスと、
回路特性を変更可能な対象回路と、
前記回路特性を変更するデータを格納するように構成されると共に前記回路特性を変更可能なように前記対象回路に接続される保持回路と、
前記第1インタフェース回路及び前記保持回路との間の通信を可能にする第1専用データバスと、
切替信号に応答して、前記第1インタフェース回路を前記第1共通データバス及び前記第1専用データバスのいずれか一方に接続する第1切替回路と、
を含み、
前記第2半導体チップは、
前記回路特性を変更する値を格納するように構成された記憶回路と、
前記接続構造に接続された第2インタフェース回路と、
前記第2インタフェース回路に接続された第2共通データバスと、
前記記憶回路及び前記第2インタフェース回路の間の通信を可能にする第2専用データバスと、
前記切替信号に応答して、前記第2インタフェース回路を前記第2共通データバス及び前記第2専用データバスのいずれか一方に接続する第2切替回路と、
を含む、
マルチチップ半導体装置。
【請求項2】
前記第1半導体チップ及び前記第2半導体チップを支持するように構成されると共に三次元集積回路またはマルチチップパッケージを可能にするように構成された支持構造を更に備える、
請求項1に記載されたマルチチップ半導体装置。
【請求項3】
前記記憶回路は、電気的に書込み消去可能な不揮発性の記憶回路を含む、
請求項1に記載されたマルチチップ半導体装置。
【請求項4】
前記切替信号は、切替制御回路によって生成される、
請求項1に記載されたマルチチップ半導体装置。
【請求項5】
前記第2半導体チップは、前記切替制御回路を含み、
前記第1インタフェース回路は、前記接続構造を介して前記切替信号を受ける、
請求項4に記載されたマルチチップ半導体装置。
【請求項6】
前記第2半導体チップは、データセレクタを更に含み、
前記データセレクタは、前記記憶回路の出力に接続されると共に前記第2共通データバス及び前記第2専用データバスのいずれかへのアクセスを選択するように構成される、
請求項1に記載されたマルチチップ半導体装置。
【請求項7】
前記第2半導体チップは、読出制御回路を更に含み、前記読出制御回路は、前記記憶回路に格納された前記回路特性のトリミングデータの読出を可能にする許可信号を提供するように構成される転送許可回路を含み、
前記データセレクタは、前記許可信号を受けて、前記記憶回路からの前記トリミングデータを前記第2専用データバスに提供する、
請求項6に記載されたマルチチップ半導体装置。
【請求項8】
前記読出制御回路は、アドレス指定回路を更に備え、前記アドレス指定回路は、前記トリミングデータに関連付けられた1又は複数のデータアドレスを前記記憶回路に提供するように構成され、
前記記憶回路は、前記データアドレスに関連付けられた前記トリミングデータを出力する、
請求項7に記載されたマルチチップ半導体装置。
【請求項9】
前記第2半導体チップは、
前記第2共通データバスを介して前記記憶回路に通信可能に結合されたアドレスレジスタと、
前記アドレスレジスタの出力に接続されると共に前記許可信号に応答して動作するアドレスセレクタと、
を更に備え、
前記アドレスレジスタは、前記トリミングデータに関連付けられた1又は複数のデータアドレスを前記記憶回路及び前記アドレスセレクタに提供するように構成され、
前記記憶回路は、前記データアドレスに関連付けられた前記トリミングデータを出力し、
前記アドレスセレクタは、前記許可信号に応答して前記データアドレスを出力する、
請求項7に記載されたマルチチップ半導体装置。
【請求項10】
前記保持回路は、前記接続構造を介して前記データアドレスを受け、
前記保持回路は、前記データアドレスに関連付けられた1又は複数の格納回路を含む、
請求項8又は請求項9に記載されたマルチチップ半導体装置。
【請求項11】
前記第2半導体チップは、前記第2共通データバスの使用及び未使用を示す信号を提供するように構成されたバス未使用検知回路を更に含み、
前記切替信号は、前記バス未使用検知回路からの前記信号が前記未使用を示すと共に前記許可信号が転送許可を示すときに生成される、
請求項7に記載されたマルチチップ半導体装置。
【請求項12】
回路特性を変更可能な対象回路、第1共通データバス、第1専用データバス、及び第1インタフェース回路を含む第1半導体チップと、前記回路特性を変更する値を格納するように構成された記憶回路、第2共通データバス、第2専用データバス、及び第2インタフェース回路を含む第2半導体チップとが接続構造を介して接続されたマルチチップ半導体装置を準備することと、
前記第1インタフェース回路及び前記第2インタフェース回路をそれぞれ前記第1共通データバス及び前記第2共通データバスから前記第1専用データバス及び前記第2専用データバスへの接続に切り替えを行うことと、
前記切り替えの後に、前記値を前記記憶回路から読み出すことと、
前記第2専用データバス、前記第2インタフェース回路、前記接続構造、前記第1インタフェース回路、及び前記第1専用データバスを介して前記値を前記対象回路の格納回路に提供することと、
を備える、
データを転送する方法。
【請求項13】
回路特性を変更可能な対象回路、第1共通データバス、第1専用データバス、及び第1インタフェース回路を含む第1半導体チップと、前記回路特性を変更する値を格納するように構成された記憶回路、第2共通データバス、第2専用データバス、及び第2インタフェース回路を含む第2半導体チップとが接続構造を介して接続されたマルチチップ半導体装置を準備することと、
前記第1インタフェース回路及び前記第2インタフェース回路をそれぞれ前記第1共通データバス及び前記第2共通データバスへ接続する第1接続、並びに前記第1インタフェース回路及び前記第2インタフェース回路をそれぞれ前記第1専用データバス及び前記第2専用データバスへ接続する第2接続のいずれか一方を可能にするように、前記第1インタフェース回路及び前記第2インタフェース回路の切り替えを行うことと、
前記切り替えの後に、前記第1インタフェース回路及び前記第2インタフェース回路の一方から他方への信号伝送の検査を行うことと、
前記信号伝送の検査結果がパス又はフェイルのいずれかであることを判定することと、
を備える、
データ転送を検査する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチチップ半導体装置、データを転送する方法、及びデータ転送を検査する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、外部端子数を増やすこと無しに、封止した複数の半導体集積回路の全てを検査することができるマルチチップパッケージの検査方法を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-226908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数の大規模集積回路(LSI)を三次元実装して、マルチチップ(或いはマルチダイ)の半導体装置が作製される。このような半導体装置は、三次元実装されたマイクロコンピュータを含むことができる。このようなマイクロコンピュータにおける異なるチップ間のデータ転送のために、共通データバスが利用される。しかしながら、例えば一方のチップがトリミング可能な回路を含むとき、トリミングデータを異なるチップに転送するために専用バスが必要であり、更に専用バスの幅に対応するビット数の信号線がダイ間の接続構造に追加される。この追加は、チップ面積を増大させる。加えて、チップ間の接続構造のテストコストを増大させる。
【0005】
本発明は、テストコストの増大及びチップサイズの増大を低減できるマルチチップ半導体装置、データを転送する方法、及びデータ転送を検査する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様に係るマルチチップ半導体装置は、第1半導体チップと、第2半導体チップと、前記第1半導体チップ及び前記第2半導体チップを電気的に接続する接続構造と、を備え、前記第1半導体チップは、前記接続構造に接続された第1インタフェース回路と、前記第1インタフェース回路に接続された第1共通データバスと、回路特性を変更可能な対象回路と、前記回路特性を変更するデータを格納するように構成されると共に前記回路特性を変更可能なように前記対象回路に接続される保持回路と、前記第1インタフェース回路及び前記保持回路との間の通信を可能にする第1専用データバスと、切替信号に応答して、前記第1インタフェース回路を前記第1共通データバス及び前記第1専用データバスのいずれか一方に接続する第1切替回路と、を含み、前記第2半導体チップは、前記回路特性を変更する値を格納するように構成された記憶回路と、前記接続構造に接続された第2インタフェース回路と、前記第2インタフェース回路に接続された第2共通データバスと、前記記憶回路及び前記第2インタフェース回路の間の通信を可能にする第2専用データバスと、前記切替信号に応答して、前記第2インタフェース回路を前記第2共通データバス及び前記第2専用データバスのいずれか一方に接続する第2切替回路と、を含む。
【0007】
本発明の第2態様に係るデータを転送する方法は、回路特性を変更可能な対象回路、第1共通データバス、第1専用データバス、及び第1インタフェース回路を含む第1半導体チップと、前記回路特性を変更する値を格納するように構成された記憶回路、第2共通データバス、第2専用データバス、及び第2インタフェース回路を含む第2半導体チップとが接続構造を介して接続されたマルチチップ半導体装置を準備することと、前記第1インタフェース回路及び前記第2インタフェース回路をそれぞれ前記第1共通データバス及び前記第2共通データバスから前記第1専用データバス及び前記第2専用データバスへの接続に切り替えを行うことと、前記切り替えの後に、前記値を前記記憶回路から読み出すことと、前記第2専用データバス、前記第2インタフェース回路、前記接続構造、前記第1インタフェース回路、及び前記第1専用データバスを介して前記値を前記対象回路の格納回路に提供することと、を備える。
【0008】
本発明の第3態様に係るデータ転送を検査する方法は、回路特性を変更可能な対象回路、第1共通データバス、第1専用データバス、及び第1インタフェース回路を含む第1半導体チップと、前記回路特性を変更する値を格納するように構成された記憶回路、第2共通データバス、第2専用データバス、及び第2インタフェース回路を含む第2半導体チップとが接続構造を介して接続されたマルチチップ半導体装置を準備することと、前記第1インタフェース回路及び前記第2インタフェース回路をそれぞれ前記第1共通データバス及び前記第2共通データバスへ接続する第1接続、並びに前記第1インタフェース回路及び前記第2インタフェース回路をそれぞれ前記第1専用データバス及び前記第2専用データバスへ接続する第2接続のいずれか一方を可能にするように、前記第1インタフェース回路及び前記第2インタフェース回路の切り替えを行うことと、前記切り替えの後に、前記第1インタフェース回路及び前記第2インタフェース回路の一方から他方への信号伝送の検査を行うことと、前記信号伝送の検査結果がパス又はフェイルのいずれかであることを判定することと、を備える。
【発明の効果】
【0009】
上記の態様によれば、テストコストの増大及びチップサイズの増大を低減できるマルチチップ半導体装置、データを転送する方法、及びデータ転送を検査する方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本実施形態に係るマルチチップ半導体装置を概略的に示す図面である。
図2図2は、本実施形態に係る例示的なマルチチップ半導体装置を示す図面である。
図3図3は、本実施形態に係る例示的なマルチチップ半導体装置を示す図面である。
図4図4は、共通データバス及び専用データバス間でインタフェースを切り替える切替回路を含まないマルチチップ半導体装置を概略的に示す図面である。
図5図5は、本実施形態に係るマルチチップ半導体装置を用いてデータを転送する方法における主要なステップを含むフローチャートを示す図面である。
図6図6は、本実施形態に係るマルチチップ半導体装置を用いてデータ転送を検査する方法及びマルチチップ半導体装置を製造する方法における主要なステップを含むフローチャートを示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明を実施するための各実施の形態について説明する。引き続く説明において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付して複写的な記述を省略する。
【0012】
図1は、本実施形態に係るマルチチップ半導体装置を概略的に示す図面である。例示的なマルチチップ半導体装置11は、複数の半導体チップ、例えば第1半導体チップ13及び第2半導体チップ15を含むように構成される一方で、更なる半導体チップを含むことができる。図1では、第1半導体チップ13及び第2半導体チップ15の間の接続が示されており、しかしながら、第1半導体チップ13及び第2半導体チップ15の少なくとも一方は、1又は複数の第3半導体チップに接続されることができる
【0013】
マルチチップ半導体装置11は、第1半導体チップ13、第2半導体チップ15、第1半導体チップ13及び第2半導体チップを電気的に接続する接続構造17を含む。第1半導体チップ13は、第1インタフェース回路21、第1共通データバス23、第1専用データバス25、及び第1切替回路27を含む。第2半導体チップ15は、第2インタフェース回路31、第2共通データバス33、第2専用データバス35、及び第2切替回路37を含む。接続構造17は、例えばワイヤボンディング、D2D(ダイ-to-ダイ)、D2W(ダイ-to-ウエハ)、W2W(ウエハ-to-ウエハ)などを含むことができる。
【0014】
第1半導体チップ13は、さらに、回路特性を変更可能な1又は複数の対象回路41、及び対象回路41にそれぞれ関連付けられた1又は複数の保持回路43を含むことができる。対象回路41の回路特性は、対応する保持回路43に格納された1又は複数の値によって変更される。保持回路43における値の格納は、揮発的である。
【0015】
第2半導体チップ15は、さらに、対象回路41の回路特性を変更する値を格納するように構成された記憶回路45を含むことができる。
【0016】
第1半導体チップ13では、第1インタフェース回路21は、接続構造17に接続される。第1共通データバス23は、第1インタフェース回路21に接続される。第1専用データバス25は、第1インタフェース回路21及び保持回路43を通信可能に接続する。第1切替回路27は、切替信号SELに応答して、第1インタフェース回路21を第1共通データバス23及び第1専用データバス25のいずれか一方に接続する。保持回路43は、対象回路41の回路特性を変更可能なように対象回路41に接続される。また、保持回路43は、対象回路41の回路特性を変更するデータを格納するように構成される。
【0017】
第2半導体チップ15では、第2インタフェース回路31は、接続構造17に接続される。第2インタフェース回路31は、接続構造17を介して第1インタフェース回路21に接続されて、これらの半導体チップが相互通信可能なマルチチップ半導体装置11を構成する。第2共通データバス33は、第2インタフェース回路31に接続される。第2専用データバス35は、第2インタフェース回路31に接続される。第2切替回路37は、切替信号SELに応答して、第2インタフェース回路31を第2共通データバス33及び第2専用データバス35のいずれか一方に接続する。
【0018】
第2半導体チップ15は、記憶回路45を含むことができ、記憶回路45は、対象回路41の回路特性を変更する値(トリミングデータ)を格納するように構成される。記憶回路45は、書換可能な半導体記憶素子、又は書換可能なフューズ素子(例えば、メタルフューズ又はポリシリコンフューズ)を含むことができる。半導体記憶素子は、例えば電気的に書き込み可能であって消去可能な素子であることができ、例えばEPROM、EEPROM、フラッシュメモリといった不揮発性半導体メモリ素子を含むことができる。
【0019】
マルチチップ半導体装置11によれば、トリミングデータは、電気的に書込み消去可能な不揮発性の記憶回路45に格納されることができる。
【0020】
第1インタフェース回路21及び第2インタフェース回路31は、一方向又は双方向のインタフェースであることができる。
【0021】
記憶回路45は、第2専用データバス35を介して第2インタフェース回路31を通信可能に接続されることができる。
【0022】
第1切替回路27及び第2切替回路37は、第1インタフェース回路21及び第2インタフェース回路31を互いに接続する接続構造17を第1専用データバス25及び第2専用データバス35の接続に切り替えることを可能にする。これによって、接続構造17は、第1専用データバス25及び第2専用データバス35を相互に接続する専用接続は不要になる。この専用接続の検査は不要になる。
【0023】
マルチチップ半導体装置11は、支持構造39を更に備えることができ、支持構造39は、第1半導体チップ13及び第2半導体チップ15を支持するように構成されると共に三次元集積回路またはマルチチップパッケージを可能にするように構成される。
【0024】
マルチチップ半導体装置11によれば、支持構造39は、例えば三次元集積回路、マルチチップパッケージを可能にするように構成される。
【0025】
切替信号SELは、切替制御回路47によって生成されることができる。切替制御回路47は、半導体チップ13及び第2半導体チップ15のいずれか一方に設けられることができる。
【0026】
マルチチップ半導体装置11によれば、切替制御回路47からの切替信号SELは、第1切替回路27及び第2切替回路37に与えられる。これらの切替回路(27、37)は、接続構造17(17b)が第1共通データバス23及び第2共通データバス33の相互接続、及び第1専用データバス25及び第2専用データバス35の相互接続のいずれに使用されるか、を特定する。
【0027】
接続構造17は、第1インタフェース回路21及び第2インタフェース回路31を接続する第1接続構造部17bを含み、追加的に第2接続構造部17c及び第3接続構造部17dを含むことができる。
【0028】
引き続く説明において、例示的な第2半導体チップ15に切替制御回路47が提供される。
【0029】
第1切替回路27が、接続構造17を介して切替信号SELを受ける。具体的には、第1切替回路27が、第2専用インタフェース回路61、第2接続構造部17c、及び第1専用インタフェース回路51を介して切替制御回路47からの切替信号SELを受ける。
【0030】
マルチチップ半導体装置11によれば、切替信号SELは、第1インタフェース回路21及び第2インタフェース回路31と異なる第1専用インタフェース回路51及び第2専用インタフェース回路61を介して伝送される。第1専用インタフェース回路51及び第2専用インタフェース回路61を用いると、第1インタフェース回路21及び第2インタフェース回路31における切替の複雑さを避けることができる。
【0031】
第2半導体チップ15では、記憶回路45は、対象回路41の回路特性を変更するそれぞれの値を格納するように構成された1又は複数の記憶素子49b、49c、49dを含むことができる。記憶素子49b、49c、49dは、それぞれのアドレスと関連付けられる。
【0032】
保持回路43は、記憶素子49b、49c、49dのアドレスと関連付けて格納回路42b、42c、42dをアクセスする。
【0033】
格納回路42b、42c、42dは、記憶素子49b、49c、49dそれぞれのアドレスと関連付けられる。格納回路42b、42c、42dは、それぞれ、対象回路41の個別回路40b、40c、40dも接続される。この接続は、格納回路42b、42c、42dのそれぞれの値が個別回路40b、40c、40dの特性を変更することを可能にする。格納回路42b、42c、42dは、例えばラッチ回路又はフリップフロップ回路を含むことができる。
【0034】
具体的には、記憶素子49b、49c、49dのアドレスADTが、第1アドレス線68b、第4専用インタフェース回路63、第3接続構造部17d、及び第3専用インタフェース回路53を介して保持回路43に提供される。第3専用インタフェース回路53及び第4専用インタフェース回路63は、一方向又は双方向のインタフェースであることができる。
【0035】
例えば、第1切替回路27及び第2切替回路37が切替信号SELに応答して、第1インタフェース回路21及び第2インタフェース回路31をそれぞれ第1専用データバス25及び第2専用データバス35に切り替える。最初の値の転送のために記憶素子49bのアドレスADTが指定されて、記憶回路45及び第4専用インタフェース回路63に与えられる。記憶回路45は、記憶素子49bの値を読み出す。読み出された値は、第2専用データバス35、第2インタフェース回路31、接続構造17(17b)、第1インタフェース回路21、及び第1専用データバス25を介して最初の転送の値として、保持回路43に与えられる。一方、記憶素子49bのアドレスの値は、第4専用インタフェース回路63、接続構造17(17d)、及び第3専用インタフェース回路53を介して、保持回路43に与えられる。保持回路43は、受けたアドレスによって指定される格納回路42bに、最初の転送の値を格納する。記憶素子49c、49dの値も、同様にして、格納回路42c、42dに転送される。
【0036】
マルチチップ半導体装置11によれば、アドレス値は、第1インタフェース回路21及び第2インタフェース回路31と異なる第3専用インタフェース回路53及び第4専用インタフェース回路63を介して伝送される。第3専用インタフェース回路53及び第4専用インタフェース回路63を用いると、第1インタフェース回路21及び第2インタフェース回路31における切替の複雑さを避けることができる。
【0037】
図1を参照すると、第1半導体チップ13及び第2半導体チップ15に、それぞれ第1レジスタ回路46及び第2レジスタ回路48が与えられることができる。また、第1半導体チップ13及び第2半導体チップ15の少なくとも一方に、中央処理装置50が与えられることができる。第1レジスタ回路46は、第1共通データバス23に双方向通信可能なように接続されることができる。中央処理装置50及び第2レジスタ回路48は、第2共通データバス33に双方向通信可能なように接続されることができる。
【0038】
マルチチップ半導体装置11では、第1共通データバス23及び第2共通データバス33が、第1レジスタ回路46及び第2レジスタ回路48に係るデータ転送に使用される。
【0039】
第1半導体チップ13及び第2半導体チップ15の一方、例えば第2半導体チップ15は、更に、データセレクタ52を備えることができる。
【0040】
データセレクタ52は、記憶回路49の出力に接続される。データセレクタ52は、第2共通データバス33及び第2専用データバス35のいずれかへのアクセスを選択するように構成される。
【0041】
マルチチップ半導体装置11によれば、データセレクタ52は、記憶回路49からのトリミングデータを第2インタフェース回路31に提供するに際して、第2専用データバス35を利用して、第2共通データバス33の占有を避けることができる。
【0042】
データセレクタ52は、記憶回路49のプログラムコードのエリア45bからのプログラムコードを第2共通データバス33に提供するように動作することができる。プログラムコードは、第2共通データバス33を介して中央処理装置50に提供される。また、第2共通データバス33は、中央処理装置50及びレジスタ回路48の間のデータ転送に使用されることができる。このように、第2共通データバス33は、様々なデータ転送に有用である。これ故に、記憶回路49からの値(トリミングデータ)は、第2専用データバス35を介して第2インタフェース回路31に提供される。
【0043】
マルチチップ半導体装置11では、第1半導体チップ13及び第2半導体チップ15の一方、例えば第2半導体チップ15は、更に、バス未使用検知回路71を備えることができる。バス未使用検知回路71は、第2共通データバス33の使用及び未使用を示す信号SBSYを提供するように構成される。切替信号SELは、バス未使用検知回路71からの信号SBSYが未使用を示すと共に許可信号(後述の「SALW」)が転送許可を示すときに生成される。
【0044】
マルチチップ半導体装置11によれば、バス未使用検知回路71は、共通バス(23、33)の未使用を検知する。切替信号SELは、共通バスの未使用期間であって、転送の許可期間に生成される。
【0045】
図2及び図3は、本実施形態に係る例示的なマルチチップ半導体装置を示す図面である。
【0046】
図2を参照すると、マルチチップ半導体装置11aが示される。
【0047】
マルチチップ半導体装置11aでは、第1半導体チップ13及び第2半導体チップ15の一方、例えば第2半導体チップ15は、更に、読出制御回路54を備えることができる。
【0048】
読出制御回路54は、記憶回路49に格納された値(回路特性のトリミングデータ)の読出を可能にする許可信号SALWを提供するように構成される転送許可回路56を含むことができる。データセレクタ52は、許可信号SALW(例えば論理値H)を受けて、記憶回路49からの値(トリミングデータ)を第2専用データバス35に提供する。データセレクタ52は、第2専用データバス35を介して記憶回路45を第2インタフェース回路31に接続することを可能にする。
【0049】
読出制御回路54は、許可信号SALWを生成する転送許可回路56に加えて、トリミングデータの格納のデータアドレスADを生成するアドレス指定回路58を含むことができる。アドレス指定回路58は、記憶回路45及び第4専用インタフェース回路63に接続されることができる。アドレス指定回路58は、記憶回路45及び第4専用インタフェース回路63にデータアドレスADを提供する。
【0050】
具体的には、アドレス指定回路58は、対象回路41のためのトリミングデータに関連付けられた1又は複数のデータアドレスADを記憶回路45に提供する。これに応答して、記憶回路45は、データアドレスADに関連付けられた記憶素子(49b、49c、49d)のトリミングデータを出力する。データアドレスADは、専用インタフェース回路(53、63)を介して第1半導体チップ13に転送されて、転送されたデータアドレスADは、第5専用インタフェース回路53からアドレスラインを介して保持回路43に到達する。記憶素子(49b、49c、49d)から読み出された値(トリミングデータ)は、第2専用データバス35を介して第2インタフェース回路31に与えられる。読み出された値(トリミングデータ)は、第1接続構造部17b、第1インタフェース回路21及び第1専用データバス25を介して保持回路43に到達する。
【0051】
図3を参照すると、マルチチップ半導体装置11bが示される。
【0052】
マルチチップ半導体装置11bでは、第1半導体チップ13及び第2半導体チップ15の一方、例えば第2半導体チップ15は、更に、アドレスレジスタ60及びアドレスセレクタ62を備えることができる。また、第2半導体チップ15は、許可レジスタといった転送許可回路64を更に含むことができる。転送許可回路56は、記憶回路45に格納された回路特性のトリミングデータの読出を可能にする許可信号SALWを提供するように構成される。
【0053】
許可信号SALWは、データセレクタ52及びアドレスセレクタ62に与えられる。データセレクタ52は、許可信号SALWに応答して、記憶回路45を第2共通データバス33又は第2専用データバス35の何れかに接続する。
【0054】
例えば、許可信号SALW(論理値H)に応答して、データセレクタ52は、記憶回路45を第2専用データバス35を介して第2インタフェース回路31に接続する。許可信号SALW(論理値L)に応答して、データセレクタ52は、記憶回路45を第2共通データバス33に接続する。
【0055】
アドレスセレクタ62は、許可信号SALWに応答して動作する。具体的には、アドレスセレクタ62は、許可信号SALWを第1アドレス線68b及び第2アドレス線68cへの接続の選択に使用する。第1アドレス線68bは、第4専用インタフェース回路63に接続される。第2アドレス線68cは、第2半導体チップ15のレジスタ回路48に接続される。第2アドレス線68cは、第6専用インタフェース回路65に接続され、第6専用インタフェース回路65は、接続構造部17eを介して第5専用インタフェース回路55に接続される。第5専用インタフェース回路55は、第1半導体チップ13のレジスタ回路46に接続される。
【0056】
例えば、許可信号SALW(論理値H)に応答して、アドレスセレクタ62は、アドレスレジスタ60を第4専用インタフェース回路63に接続する。許可信号SALW(論理値L)に応答して、アドレスセレクタ62は、アドレスレジスタ60をレジスタ回路48及び第6専用インタフェース回路65に接続する。
【0057】
記憶回路45は、データアドレスADに関連付けられたトリミングデータを出力し、アドレスセレクタは、許可信号SALWに応答してデータアドレスADを出力する。
【0058】
データセレクタ52及びアドレスセレクタ62が、それぞれ、第2専用データバス35及び第1アドレス線68bに接続されると、トリミングデータ及びトリミングアドレスが第2半導体チップ15から第1半導体チップ13に送られる。トリミングアドレス及びトリミングデータの転送は、それぞれ、専用インタフェース(53、63)及び共通インタフェース(21、31)を用いて行われる。
【0059】
アドレスレジスタ60は、第2共通データバス33を介して記憶回路45に通信可能に結合されることができる。アドレスレジスタ60は、第2共通データバス33を介して記憶回路45のプログラムコードのエリア45bのコードのアドレスを指定する。また、アドレスレジスタ60は、データアドレスADを第2共通データバス33を介して記憶回路45に送って、データアドレスADは、記憶回路45の記憶素子(49b、49c、49d)のアドレスを指定する。
【0060】
マルチチップ半導体装置11bによれば、アドレスレジスタ60は、トリミングデータに関連付けられたデータアドレスADを記憶回路45に提供する。記憶回路45は、データアドレスADに関連付けられたトリミングデータを出力する。読み出されたトリミングデータは、データセレクタ52を介して第2インタフェース回路31に提供される。データアドレスADは、許可信号SALWに応答して動作するアドレスセレクタ62を通過する。
【0061】
また、マルチチップ半導体装置11a、11bによれば、データアドレスADは、接続構造17の専用接続(17d)を介して保持回路43に提供される。保持回路43は、第1インタフェース回路21、接続構造17の共通接続(17b)及び第1専用データバス25を介してトリミングデータを受けることができる。
【0062】
マルチチップ半導体装置11、11a、11bに使用される半導体チップは、例えばシリコン集積回路を製造する半導体プロセスを用いて製造されることができる。このように製造された複数の半導体チップは、マルチチップ形態で組み立てされる。組立は、複数の半導体チップを組み立てて単一の形態に統合する(インテグレートする)ことによって可能である。マルチチップ半導体装置11、11a、11bは、例えばシリコン集積回路を製造する組立プロセスを用いて製造されることができる。このように製造された中間製造物(未検査の製造物)は、テストフローを用いて検査されて、パス又はフェイルの判定により、最終完成物を製造できる。具体的には、いわゆる前工程の製造フローをウエハに適用して得られた第1生産物を製造でき、この第1生産物に、いわゆる後工程の製造フローを適用して得られた第2生産物を製造でき、更に第2生産物に、検査工程の製造フローを適用して得られた第3生産物を最終完成物としてを製造できる。
【0063】
図4は、共通データバス及び専用データバス間でインタフェースを切り替える切替回路を含まないマルチチップ半導体装置を概略的に示す図面である。このマルチチップ半導体装置10は、第1専用データバス25及び第2専用データバス35を接続構造部17fを介して接続する。これ故に、接続構造部17bの検査に追加して、接続構造部17fの検査も必要である。
【0064】
図5は、本実施形態に係るマルチチップ半導体装置を用いてデータを転送する方法における主要なステップを含むフローチャートを示す図面である。引き続く説明において、理解の容易のために、可能な場合には、既に使用された符号を参照する。
【0065】
方法100は、以下の例示的なステップの少なくとも1つを含むことができる。
【0066】
ステップS101では、マルチチップ半導体装置11、11a、11bを準備する。この準備は、例えば製造すること、譲渡を受けること、貸し渡しを受けること、及び他の類似の行為を包含することができる。既に説明されたように、マルチチップ半導体装置11、11a、11bは、接続構造17を介して接続された複数の半導体チップ、例えば第1半導体チップ13及び第2半導体チップ15を含む。
【0067】
ステップS102では、第1共通データバス23及び第2共通データバス33が未使用であることを検知する。
【0068】
ステップS103では、第1共通データバス23及び第2共通データバス33が未使用である場合、第1インタフェース回路21及び第2インタフェース回路31をそれぞれ第1専用データバス25及び第2専用データバス35への接続に切り替えを行う。
【0069】
ステップS104では、読み出されるべきトリミングデータのデータアドレスADを記憶回路45に提供する。
【0070】
ステップS105では、読み出されるべきトリミングデータのデータアドレスADを専用インタフェース(53、63)を介して第2半導体チップ15から第1半導体チップ13の保持回路43に提供する。
【0071】
ステップS106では、切り替えの後に、トリミングデータ(値)を記憶回路45から読み出す。
【0072】
ステップS107では、第2専用データバス35、第2インタフェース回路31、接続構造部17b、第1インタフェース回路21、及び第1専用データバス25を介してトリミングデータを対象回路41のための保持回路43に提供する。
【0073】
図6は、本実施形態に係るマルチチップ半導体装置を用いてデータ転送を検査する方法及びマルチチップ半導体装置を製造する方法における主要なステップを含むフローチャートを示す図面である。引き続く説明において、理解の容易のために、可能な場合には、既に使用された符号を参照する。
【0074】
方法200は、以下の例示的なステップの少なくとも1つを含むことができる。
【0075】
ステップS201では、マルチチップ半導体装置11、11a、11bを準備する。例えば、準備は、既に記述された第1生産物及び第2生産物を製造すること、及び第2生産物を製造することの一方を含むことができる。
【0076】
ステップS202では、第1インタフェース回路21及び第2インタフェース回路31の切り替えを行う。具体的には、切り替えは、第1接続及び第2接続のいずれか一方を可能にするように構成される。第1接続では、第1インタフェース回路21及び第2インタフェース回路31をそれぞれ第1共通データバス23及び第2共通データバス33へ接続する。第2接続では、第1インタフェース回路21及び第2インタフェース回路31をそれぞれ第1専用データバス25及び第2専用データバス35へ接続する。
【0077】
ステップS203では、切り替えの後に、第1インタフェース回路21及び第2インタフェース回路31の一方から他方への信号伝送の検査を行う。具体的には、第1接続の検査を行うと共に第2接続の検査を行わない。第2接続の検査を行うと共に第1接続の検査を行わない。第1接続の検査及び第2接続の検査の両方を行う。第1接続及び第2接続のいずれかの検査は、接続構造17(17b)を検査することを含む。第1専用データバス25及び第2専用データバス35を互いに接続する接続構造はないので、この接続構造の検査は不要になる。
【0078】
ステップS204では、信号伝送の検査結果がパス又はフェイルのいずれかであることを判定して、製造物を生産する。
【0079】
本実施形態によれば、テストコストの増大及びチップサイズの増大を低減できるマルチチップ半導体装置、データを転送する方法、及びデータ転送を検査する方法が提供される。
【0080】
引き続き、本実施形態に係る様々な側面は説明される。
【0081】
本実施形態に係る第1側面のマルチチップ半導体装置は、第1半導体チップと、第2半導体チップと、前記第1半導体チップ及び前記第2半導体チップを電気的に接続する接続構造と、を備え、前記第1半導体チップは、前記接続構造に接続された第1インタフェース回路と、前記第1インタフェース回路に接続された第1共通データバスと、回路特性を変更可能な対象回路と、前記回路特性を変更するデータを格納するように構成されると共に前記回路特性を変更可能なように前記対象回路に接続される保持回路と、前記第1インタフェース回路及び前記保持回路との間の通信を可能にする第1専用データバスと、切替信号に応答して、前記第1インタフェース回路を前記第1共通データバス及び前記第1専用データバスのいずれか一方に接続する第1切替回路と、を含み、前記第2半導体チップは、前記回路特性を変更する値を格納するように構成された記憶回路と、前記接続構造に接続された第2インタフェース回路と、前記第2インタフェース回路に接続された第2共通データバスと、前記記憶回路及び前記第2インタフェース回路の間の通信を可能にする第2専用データバスと、前記切替信号に応答して、前記第2インタフェース回路を前記第2共通データバス及び前記第2専用データバスのいずれか一方に接続する第2切替回路と、を含む。
【0082】
第1側面に従う第2側面のマルチチップ半導体装置は、前記第1半導体チップ及び前記第2半導体チップを支持するように構成されると共に三次元集積回路またはマルチチップパッケージを可能にするように構成された支持構造を更に備えることができる。
【0083】
第1側面又は第2側面に従う第3側面のマルチチップ半導体装置は、前記記憶回路は、電気的に書込み消去可能な不揮発性の記憶回路を含むことができる。
【0084】
第1側面から第3側面のいずれか一側面に従う第4側面のマルチチップ半導体装置では、前記切替信号は、切替制御回路によって生成されることができる。
【0085】
第4側面に従う第5側面のマルチチップ半導体装置では、前記第2半導体チップは、前記切替制御回路を含み、前記第1インタフェース回路は、前記接続構造を介して前記切替信号を受けることができる。
【0086】
第1側面から第5側面のいずれか一側面に従う第6側面のマルチチップ半導体装置では、前記第2半導体チップは、データセレクタを更に含むことができ、前記データセレクタは、前記記憶回路の出力に接続されると共に前記第2共通データバス及び前記第2専用データバスのいずれかへのアクセスを選択するように構成されることができる。
【0087】
第6側面に従う第7側面のマルチチップ半導体装置では、前記第2半導体チップは、読出制御回路を更に含むことができ、前記読出制御回路は、前記記憶回路に格納された前記回路特性のトリミングデータの読出を可能にする許可信号を提供するように構成される転送許可回路を含むことができ、前記データセレクタは、前記許可信号を受けて、前記記憶回路からの前記トリミングデータを前記第2専用データバスに提供することができる。
【0088】
第6側面に従う第8側面のマルチチップ半導体装置では、前記読出制御回路は、アドレス指定回路を更に備え、前記アドレス指定回路は、前記トリミングデータに関連付けられた1又は複数のデータアドレスを前記記憶回路に提供するように構成されることができ、前記記憶回路は、前記データアドレスに関連付けられた前記トリミングデータを出力することができる。
【0089】
第7側面に従う第9側面のマルチチップ半導体装置では、前記第2半導体チップは、前記第2共通データバスを介して前記記憶回路に通信可能に結合されたアドレスレジスタと、前記アドレスレジスタの出力に接続されると共に前記許可信号に応答して動作するアドレスセレクタと、を更に備えることができる。前記アドレスレジスタは、前記トリミングデータに関連付けられた1又は複数のデータアドレスを前記記憶回路及び前記アドレスセレクタに提供するように構成され、前記記憶回路は、前記データアドレスに関連付けられた前記トリミングデータを出力し、前記アドレスセレクタは、前記許可信号に応答して前記データアドレスを出力することができる。
【0090】
第8側面又は第9側面に従う第10側面のマルチチップ半導体装置では、前記保持回路は、前記接続構造を介して前記データアドレスを受け、前記保持回路は、前記データアドレスに関連付けられた1又は複数の格納回路を含むことができる。
【0091】
第7側面に従う第11側面のマルチチップ半導体装置では、前記第2半導体チップは、前記第2共通データバスの使用及び未使用を示す信号を提供するように構成されたバス未使用検知回路を更に含むことができる。前記切替信号は、前記バス未使用検知回路からの前記信号が前記未使用を示すと共に前記許可信号が転送許可を示すときに生成されることができる。
【0092】
本実施形態に係る第12側面のマルチチップ半導体装置は、回路特性を変更可能な対象回路、第1共通データバス、第1専用データバス、及び第1インタフェース回路を含む第1半導体チップと、前記回路特性を変更する値を格納するように構成された記憶回路、第2共通データバス、第2専用データバス、及び第2インタフェース回路を含む第2半導体チップとが接続構造を介して接続されたマルチチップ半導体装置を準備することと、前記第1インタフェース回路及び前記第2インタフェース回路をそれぞれ前記第1共通データバス及び前記第2共通データバスから前記第1専用データバス及び前記第2専用データバスへの接続に切り替えを行うことと、前記切り替えの後に、前記値を前記記憶回路から読み出すことと、前記第2専用データバス、前記第2インタフェース回路、前記接続構造、前記第1インタフェース回路、及び前記第1専用データバスを介して前記値を前記対象回路の格納回路に提供することと、を備える。
【0093】
本実施形態に係る第13側面のマルチチップ半導体装置は、回路特性を変更可能な対象回路、第1共通データバス、第1専用データバス、及び第1インタフェース回路を含む第1半導体チップと、前記回路特性を変更する値を格納するように構成された記憶回路、第2共通データバス、第2専用データバス、及び第2インタフェース回路を含む第2半導体チップとが接続構造を介して接続されたマルチチップ半導体装置を準備することと、前記第1インタフェース回路及び前記第2インタフェース回路をそれぞれ前記第1共通データバス及び前記第2共通データバスへ接続する第1接続、並びに前記第1インタフェース回路及び前記第2インタフェース回路をそれぞれ前記第1専用データバス及び前記第2専用データバスへ接続する第2接続のいずれか一方を可能にするように、前記第1インタフェース回路及び前記第2インタフェース回路の切り替えを行うことと、前記切り替えの後に、前記第1インタフェース回路及び前記第2インタフェース回路の一方から他方への信号伝送の検査を行うことと、前記信号伝送の検査結果がパス又はフェイルのいずれかであることを判定することと、を備える。
【0094】
本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。そして、それらはすべて、本発明の技術思想に含まれるものである。
【符号の説明】
【0095】
10、11、11a、11b・・・マルチチップ半導体装置、13・・・第1半導体チップ、15・・・第1半導体チップ、17・・・接続構造、17b・・・第1接続構造部、17c・・・第2接続構造部、17d・・・第3接続構造部、17e・・・第4接続構造部、17f・・・第5接続構造部、21・・・第1インタフェース回路、23・・・第1共通データバス、25・・・第1専用データバス、27・・・第1切替回路、31・・・第2インタフェース回路、33・・・第2共通データバス、35・・・第2専用データバス、37・・・第2切替回路、39・・・支持構造、40b・・・個別回路、41・・・対象回路、42b、42c・・・格納回路、43・・・保持回路、45・・・記憶回路、45b・・・エリア、46・・・第1レジスタ回路、47・・・切替制御回路、48・・・第2レジスタ回路、49・・・記憶回路、49b、49c・・・記憶素子、50・・・中央処理装置、51、53、55、61、63、65・・・専用インタフェース回路、52・・・データセレクタ、54・・・読出制御回路、56・・・転送許可回路、58・・・アドレス指定回路、60・・・アドレスレジスタ、62・・・アドレスセレクタ、64・・・転送許可回路、68b、68c・・・アドレス線、71・・・バス未使用検知回路、AD・・・データアドレス、ADT・・・アドレス。
図1
図2
図3
図4
図5
図6