(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024014387
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】ブラシレスモータ
(51)【国際特許分類】
H02K 5/10 20060101AFI20240125BHJP
【FI】
H02K5/10 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022117172
(22)【出願日】2022-07-22
(71)【出願人】
【識別番号】000144027
【氏名又は名称】株式会社ミツバ
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小池 周平
(72)【発明者】
【氏名】小川 佑弥
【テーマコード(参考)】
5H605
【Fターム(参考)】
5H605AA02
5H605BB05
5H605BB10
5H605BB17
5H605CC01
5H605CC02
5H605DD01
5H605DD16
5H605DD32
5H605EB10
5H605EC05
5H605EC20
5H605GG06
5H605GG18
(57)【要約】
【課題】ブラケットの駆動対象物が固定される側の内部空間に、湿気や雨水等を到達し難くし、防水性を高めることが可能なブラシレスモータを提供する。
【解決手段】袋ナット48は、ブラケット40の軸方向視において、第1環状シールSL1の径方向外側に配置されるとともに第2環状シールSL2に対して部分的に重なっており、袋ナット48の底壁48cの一部が、第2環状シールSL2の径方向外側において露出している。これにより、袋ナット48の周囲に湿気や雨水等の経路が形成された場合でも、ブラケット40の駆動対象物が固定される側の内部空間、つまり第2環状シールSL2の径方向内側に、湿気や雨水等を到達し難くして、ブラシレスモータ10の防水性を高めることができる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースに収容されるステータと、
前記ステータに対して回転するロータと、
前記ケースの開口部を閉塞し、かつ駆動対象物に固定されるブラケットと、
を備えたブラシレスモータであって、
前記ブラケットの軸方向一側に設けられ、前記ブラケットと前記ケースとの間を密封する第1環状シールと、
前記ブラケットの軸方向他側に設けられ、前記ブラケットと前記駆動対象物との間を密封し、かつ前記第1環状シールよりも大径の第2環状シールと、
前記ブラケットに設けられ、前記ケースを前記ブラケットに固定する雄ねじがねじ止めされ、かつ前記駆動対象物側が底壁で閉じられた雌ねじと、
を有し、
前記雌ねじは、前記ブラケットの軸方向視において、前記第1環状シールの径方向外側に配置されるとともに前記第2環状シールに対して部分的に重なっており、前記雌ねじの前記底壁の一部が、前記第2環状シールの径方向外側において露出している、
ブラシレスモータ。
【請求項2】
請求項1に記載のブラシレスモータにおいて、
前記雌ねじは、樹脂製の前記ブラケットに埋設され、
前記雌ねじの軸方向一側に、前記雄ねじがねじ止めされるねじ穴および前記ケースが突き当てられる環状の突き当て面が設けられ、
前記雌ねじの軸方向他側の露出された前記底壁の一部が、前記ブラケットの外部に露出される露出面であり、
前記突き当て面および前記露出面は、それぞれ前記ブラケットを成形する金型に支持される被支持部となっている、
ブラシレスモータ。
【請求項3】
前記突き当て面の面積および前記露出面の面積が、それぞれ同じ面積となっている、
請求項2に記載のブラシレスモータ。
【請求項4】
前記ブラケットの周方向に、少なくとも3つの前記雌ねじが等間隔で設けられている、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のブラシレスモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステータおよびロータを備えたブラシレスモータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ブラシレスモータには、ケースに収容されるステータと、ステータに対して回転するロータと、ケースの開口部を閉塞し、かつ駆動対象物に固定されるブラケットと、を備えたものがある。このようなブラシレスモータは、所謂インナーロータ型のブラシレスモータであり、自動車等の車両に搭載される電動ブレーキ装置やパワーステアリング装置等の駆動源に用いられる。
【0003】
例えば、特許文献1には、電動ブレーキ装置の駆動源に用いられる電動モータ(ブラシレスモータ)が記載されている。特許文献1に記載されたブラシレスモータは、モータケース(ケース)の開口部を閉塞するブラケットを有し、当該ブラケットの径方向外側には、袋状に形成された雌ねじ(袋ナット)が、インサート成形等により埋設されている。この袋ナットには、ケースをブラケットに固定するためのねじ部材(雄ねじ)がねじ止めされる。
【0004】
そして、袋ナットは、ブラシレスモータの軸方向視において、ブラケットのケース側とは反対側の内部空間、つまりブラケットの駆動対象物が固定される側の内部空間と重なっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載されたブラシレスモータでは、ブラケットを射出成形する際に、袋ナットの底壁を金型に設けられる細い支持ピンで支持し、この状態で袋ナットの底壁の駆動対象物側も含めて、袋ナットの周囲に溶融樹脂を行き渡らせていた。これにより、ブラケットの駆動対象物が固定される側の内部空間と袋ナットの底壁との間には、支持ピンの痕跡となる小さな穴が残ってしまう。
【0007】
したがって、例えば、ブラケットが熱で膨張や収縮を繰り返して、袋ナットとブラケットとの間に微小隙間が形成されると、袋ナットのケース側から支持ピンの痕跡となる小さな穴に向けて湿気や雨水等が進入し、ひいてはブラケットの駆動対象物が固定される側の内部空間にも、湿気や雨水等が到達する虞があった。
【0008】
本発明の目的は、ブラケットの駆動対象物が固定される側の内部空間に、湿気や雨水等を到達し難くし、防水性を高めることが可能なブラシレスモータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様では、ケースに収容されるステータと、前記ステータに対して回転するロータと、前記ケースの開口部を閉塞し、かつ駆動対象物に固定されるブラケットと、を備えたブラシレスモータであって、前記ブラケットの軸方向一側に設けられ、前記ブラケットと前記ケースとの間を密封する第1環状シールと、前記ブラケットの軸方向他側に設けられ、前記ブラケットと前記駆動対象物との間を密封し、かつ前記第1環状シールよりも大径の第2環状シールと、前記ブラケットに設けられ、前記ケースを前記ブラケットに固定する雄ねじがねじ止めされ、かつ前記駆動対象物側が底壁で閉じられた雌ねじと、を有し、前記雌ねじは、前記ブラケットの軸方向視において、前記第1環状シールの径方向外側に配置されるとともに前記第2環状シールに対して部分的に重なっており、前記雌ねじの前記底壁の一部が、前記第2環状シールの径方向外側において露出している。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、雌ねじは、ブラケットの軸方向視において、第1環状シールの径方向外側に配置されるとともに第2環状シールに対して部分的に重なっており、雌ねじの底壁の一部が、第2環状シールの径方向外側において露出している。
【0011】
これにより、雌ねじの周囲に湿気や雨水等の経路が形成された場合でも、ブラケットの駆動対象物が固定される側の内部空間、つまり第2環状シールの径方向内側に、湿気や雨水等を到達し難くして、ブラシレスモータの防水性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】駆動対象物およびブラシレスモータを示す斜視図である。
【
図2】ブラシレスモータをブラケット側から見た斜視図である。
【
図3】ブラシレスモータをケース側から見た斜視図である。
【
図4】ブラシレスモータの内部構造を示す断面図である。
【
図5】ブラケットを駆動対象物側から見た平面図である。
【
図6】ブラケットをケース側から見た平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0014】
図1は駆動対象物およびブラシレスモータを示す斜視図を、
図2はブラシレスモータをブラケット側から見た斜視図を、
図3はブラシレスモータをケース側から見た斜視図を、
図4はブラシレスモータの内部構造を示す断面図を、
図5はブラケットを駆動対象物側から見た平面図を、
図6はブラケットをケース側から見た平面図を、
図7はブラケットの分解斜視図を、
図8は<部品セット工程>を説明する図を、
図9は<射出成形工程>を説明する図を、
図10は<離型工程>を説明する図をそれぞれ示している。
【0015】
<ブラシレスモータ>
図1に示されるように、ブラシレスモータ10は、二点鎖線で模式的に示した駆動対象物11を駆動するものである。本実施の形態では、駆動対象物11は、自動車等の車両に搭載される電動ブレーキ装置となっている。したがって、ブラシレスモータ10は、電動ブレーキ装置のピストンを駆動して、ブレーキパッドをディスクロータに向けて押圧する。
【0016】
図1ないし
図4に示されるように、ブラシレスモータ10は、金属製のケース20を備えている。ケース20は、金属板を深絞り加工等することで有底筒状に形成されている。ケース20は円筒部21を備えており、円筒部21の軸方向一側(
図4の下側)には、底壁部22が設けられている。一方、円筒部21の軸方向他側(
図4の上側)には、開口部23が設けられている。
【0017】
そして、円筒部21の開口部23側には、径方向外側に突出したフランジ部24が設けられ、当該フランジ部24は、樹脂製のブラケット40の軸方向一側(
図4の下側)に、合計3つの第1雄ねじ部材S1により取り付けられている。このように、金属製のケース20の開口部23は、樹脂製のブラケット40によって閉塞されている。なお、第1雄ねじ部材S1は、本発明における雄ねじに相当し、先端がプラス(+)のスクリュードライバーにより締め付けられる。
【0018】
<ステータ>
図4に示されるように、ケース20の内部には、ステータ(固定子)25が収容されている。具体的には、ステータ25は、円筒部21の径方向内側に圧入等により固定されている。ステータ25は、略筒状に形成されたステータコア26を備えており、当該ステータコア26は、複数の薄い鋼板を積層して形成されている。ステータコア26は、略筒状に形成されたコア本体26aと、当該コア本体26aの径方向内側に突出された複数のティース26bと、を備えている。
【0019】
複数のティース26bには、樹脂製のインシュレータ27がそれぞれ装着されており、当該インシュレータ27の外側には、U相,V相,W相からなるコイル28が、所定の巻き方および巻き数で巻装されている。すなわち、複数のティース26bには、絶縁体として機能するインシュレータ27を介して、三相のコイル28がそれぞれ巻装されている。
【0020】
三相のコイル28は、ステータ25の周方向に向けて、U相,V相,W相,U相,V相,W相…となるように、交互に並んで配置されている。また、ステータ25の軸方向他側(
図4の上側)には、環状のバスバーユニット29が装着されている。バスバーユニット29は、U相,V相,W相に対応した合計3つの導電部材30を備えており、これらの導電部材30の一端部には、三相のコイル28の端部が、それぞれ電気的に接続されている。一方、それぞれの導電部材30の他端部には、車両側の電源用コネクタ(図示せず)が接続される電源ターミナルPT(
図5および
図6参照)が電気的に接続されている。
【0021】
<ロータ>
図4に示されるように、ブラシレスモータ10は、ステータ25に対して回転するロータ31を備えている。ロータ31は、回転軸32およびロータ本体33を有しており、回転軸32は、丸綱棒を切削加工等することで段付きの棒状に形成されている。また、ロータ本体33は、複数の薄い鋼板を積層してなるロータコア34と、ロータコア34の径方向外側に装着される筒状のマグネット35と、を備えている。
【0022】
また、マグネット35の径方向外側は、ステンレス板等からなる筒状のマグネットカバー36により覆われている。マグネットカバー36は、当該マグネットカバー36の軸方向他側(
図4の上側)を径方向内側にかしめることで、マグネット35の径方向外側に取り付けられている。その際のかしめ力が、マグネット35に付加されないようにすべく、マグネットカバー36の軸方向他側には、マグネット保護部材37が設けられている。これにより、ロータ31が高速で回転しても、ロータ本体33とステータ25との間の微小隙間(エアギャップ)AGを、精度良く保持可能としている。
【0023】
また、回転軸32の軸方向一側(
図4の下側)が、ロータ本体33の回転中心に圧入等により固定されている。これにより、回転軸32は、ロータ本体33の回転に伴い回転するようになっている。
【0024】
回転軸32の軸方向における略中央部には、環状のセンサマグネットSMが設けられている。センサマグネットSMは、回転軸32の回転状態を検出するのに用いられ、回転軸32の回転に伴い回転するようになっている。具体的には、センサマグネットSMの周方向には、N極およびS極が交互に並んでおり、センサマグネットSMと対向する合計3つのホール素子51(
図7参照)が、センサマグネットSMの磁極の変化を検出する。これにより、車載コントローラ(図示せず)により、回転軸32の回転状態(回転方向や回転速度等)が検出される。
【0025】
そして、回転軸32は、センサ基板50に設けられた貫通孔52を貫通し、ブラケット40を横切るようにして配置されている。ここで、回転軸32の軸方向一側(
図4の下側)は、ケース20の底壁部22に装着された第1ボールベアリングBB1により回転自在に支持されている。一方、回転軸32の軸方向他側(
図4の上側)は、ブラケット40に装着された第2ボールベアリングBB2により回転自在に支持されている。なお、第1,第2ボールベアリングBB1,BB2は、いずれも同じボールベアリングとなっている。
【0026】
また、回転軸32の軸方向他端部には、ピニオンギヤ部32aが一体に設けられている。ピニオンギヤ部32aは、ブラシレスモータ10の出力部を形成している。具体的には、本実施の形態では、ピニオンギヤ部32aは、電動ブレーキ装置(駆動対象物11)のピストンを進退させる送りねじ軸(図示せず)に、動力伝達可能に接続されている。
【0027】
ここで、ブラシレスモータ10は、上述のようなロータ31の表面にマグネット35が設けられる表面磁石型(Surface Permanent Magnet)に限らず、ロータの内部にマグネットが埋め込まれた埋込磁石型(Interior Permanent Magnet)であっても良い。
【0028】
<ブラケット>
ブラケット40は、ブラシレスモータ10を駆動対象物11に固定する機能を有しており、駆動対象物11に固定される。
図4ないし
図6に示されるように、ケース20の開口部23は、ブラケット40により閉塞されている。ブラケット40は、溶融されたプラスチック等の樹脂材料を、
図9に示される下金型(金型)MD1および上金型(金型)MD2により形成されたキャビティCAに所定圧で充填することで、略円板状に形成されている。このように、ブラケット40は、射出成形品となっている。
【0029】
ブラケット40は、略円板状に形成された仕切壁部41を備えている。仕切壁部41は、ケース20側と駆動対象物11側とを仕切る機能を有しており、仕切壁部41の中央部には、回転軸32の軸方向他側(
図4の上側)が挿通される挿通筒部42が一体に設けられている。
【0030】
また、挿通筒部42の径方向内側には、鋼板をプレス加工等することで、略カップ状に形成されたベアリングホルダ43が設けられている。具体的には、ベアリングホルダ43の径方向外側が、挿通筒部42の径方向内側に固定されている。
【0031】
そして、ベアリングホルダ43には、回転軸32が挿通される挿通穴43aが設けられ、ベアリングホルダ43は、挿通筒部42と同軸となるように第2ボールベアリングBB2を保持している。なお、第2ボールベアリングBB2の軸方向一側(
図4の下側)には、当該第2ボールベアリングBB2のベアリングホルダ43からの脱落を防止する環状固定板44が設けられている。
【0032】
さらに、挿通筒部42は、センサ基板50を保持する機能を有している。具体的には、挿通筒部42の軸方向一側(
図4の下側)にセンサ基板50が設けられ、当該センサ基板50は、合計3つの固定ねじSC(
図7参照)により、挿通筒部42の軸方向一側に固定されている。
【0033】
ここで、センサ基板50は、ブラケット40の軸方向一側(
図4の下側)において、第2ボールベアリングBB2とセンサマグネットSMとの間に配置されている。そして、センサ基板50には、合計3つのホール素子51(
図7参照)が実装されており、これらのホール素子51は、回転軸32の軸方向においてセンサマグネットSMと対向している。
【0034】
なお、
図7に示されるように、センサ基板50には、回転軸32の軸方向他側が貫通する貫通孔52と、固定ねじSCが挿通される合計3つのねじ挿通穴53と、合計5つのセンサターミナルST(
図5および
図6参照)の一端部がそれぞれ電気的に接続される合計5つのスルーホールTHが設けられている。ここで、センサターミナルSTの他端部は、車両側のセンサ用コネクタ(図示せず)が電気的に接続される。
【0035】
図5および
図6に示されるように、仕切壁部41には、内側に電源ターミナルPTが配置される第1端子孔41aと、内側にセンサターミナルSTが配置される第2端子孔41bとが、設けられている。これらの第1端子孔41aおよび第2端子孔41bは、互いに近接配置されている。これにより、電源用コネクタが接続される電源用コネクタ接続部CN1と、センサ用コネクタが接続されるセンサ用コネクタ接続部CN2と、を互いに近接配置可能とし、ひいてはブラシレスモータ10を容易に車両に搭載可能としている。
【0036】
ここで、
図2および
図7に示されるように、第1端子孔41aおよび第2端子孔41bには、それぞれ第1キャップCP1および第2キャップCP2が装着されている。具体的には、第1,第2キャップCP1,CP2は、いずれもプラスチック等の樹脂材料からなり、スナップフィット等により第1,第2端子孔41a,41bにそれぞれ抜け止めされた状態で固定される。これらの第1,第2キャップCP1,CP2においても、仕切壁部41と同様に、ケース20側と駆動対象物11側とを仕切っている。
【0037】
図4ないし
図6に示されるように、挿通筒部42の径方向外側には、ブラケット40の外郭を形成する筒状壁部45が設けられている。具体的には、筒状壁部45は、挿通筒部42よりも肉厚となっており、仕切壁部41の径方向外側に一体に設けられている。また、筒状壁部45は、挿通筒部42に対して同軸上に配置され、回転軸32の軸方向に延びている。そして、筒状壁部45の軸方向一側(
図4の下側)には、ケース20のフランジ部24と対向するケース側面45aが設けられている。一方、筒状壁部45の軸方向他側(
図4の上側)には、駆動対象物11と対向する駆動対象物側面45bが設けられている。
【0038】
筒状壁部45には、合計3つの駆動対象物固定部46が一体に設けられている。これらの駆動対象物固定部46は、金属製の筒状のカラーCLを保持している。これにより、樹脂製の駆動対象物固定部46を損傷させることなく、ブラケット40(ブラシレスモータ10)を、駆動対象物11に強固に固定可能としている。なお、駆動対象物固定部46は、筒状壁部45の周方向に所定間隔で配置され、かつ、
図6に示されるように、ブラケット40を軸方向一側(ケース20側)から見た場合に、筒状壁部45の径方向外側に突出高さH1で突出されている。
【0039】
ここで、
図5および
図6において、図中左側で縦に並んだ2つの駆動対象物固定部46の間隔は、他の部分の駆動対象物固定部46の間隔よりも広くなっている。これは、図中左側で縦に並んだ2つの駆動対象物固定部46の間に、電源用コネクタ接続部CN1およびセンサ用コネクタ接続部CN2が配置されるためである。
【0040】
また、駆動対象物固定部46に保持されるカラーCLには、ブラケット40(ブラシレスモータ10)を駆動対象物11に固定するための第2雄ねじ部材S2が挿通されている。なお、第2雄ねじ部材S2は、例えば、六角レンチ(ヘキサゴンレンチ)により締め付けられる。
【0041】
筒状壁部45の径方向外側には、電源用コネクタ接続部CN1およびセンサ用コネクタ接続部CN2が一体に設けられている。電源用コネクタ接続部CN1およびセンサ用コネクタ接続部CN2は、それぞれ略直方体形状に形成され、その長手方向一側(
図5および
図6の左側)から、車両側の電源用コネクタおよびセンサ用コネクタ(いずれも図示せず)が接続される。そして、電源用コネクタ接続部CN1には、電源ターミナルPTが埋設され、センサ用コネクタ接続部CN2には、センサターミナルSTが埋設されている。
【0042】
図5および
図6に示されるように、電源用コネクタ接続部CN1およびセンサ用コネクタ接続部CN2は、互いに近接配置されており、かつ互いに平行となるように並んでいる。これにより、車両側の電源用コネクタおよびセンサ用コネクタをそれぞれ同じ方向(
図5および
図6の左方)から接続可能としている。したがって、これによっても、ブラシレスモータ10を容易に車両に搭載可能としている。
【0043】
また、
図4ないし
図6に示されるように、筒状壁部45には、合計3つのケース固定部47が一体に設けられている。これらのケース固定部47は、ケース20のフランジ部24が固定される部分であり、袋ナット48をそれぞれ保持している。具体的には、袋ナット48は、ブラケット40を射出成形する際に、ブラケット40に埋設(インサート)される。ここで、袋ナット48は、本発明における雌ねじに相当し、合計3つの袋ナット48は、ブラケット40に設けられている。そして、これらの袋ナット48には、ケース20をブラケット40に固定する第1雄ねじ部材S1が、それぞれねじ止めされている。
【0044】
そして、
図4に示されるように、袋ナット48の軸方向一側(
図4の下側)、つまりケース20側には、第1雄ねじ部材S1がねじ止めされるねじ穴48aと、ケース20のフランジ部24が突き当てられる環状の突き当て面48bと、が設けられている。これに対し、袋ナット48の軸方向他側(
図4の上側)、つまり駆動対象物11側は、底壁48cで閉じられており、当該底壁48cの一部が、ブラケット40の外部に露出されている。すなわち、底壁48cの一部が、露出面SFとなっている(特に、
図5参照)。
【0045】
ここで、突き当て面48bは、
図4および
図6に示されるように、ブラケット40の軸方向一側(ケース20側)に向けられて、ブラケット40のケース側面45aの部分において外部に露出されている。これに対し、露出面SFは、
図4および
図5に示されるように、ブラケット40の軸方向他側(駆動対象物11側)に向けられて、ブラケット40の駆動対象物側面45bよりもケース側面45a側に窪んだ部分において外部に露出されている。そして、突き当て面48bの面積AR1および露出面SFの面積AR2は、それぞれ同じ面積となっている(AR1=AR2)。
【0046】
図5および
図6に示されるように、合計3つのケース固定部47は、筒状壁部45の周方向に等間隔(120度間隔)で並んで設けられ、かつケース固定部47は、隣り合う駆動対象物固定部46の間に配置されている。すなわち、合計3つの袋ナット48は、ブラケット40の周方向に等間隔で並んで設けられている。また、それぞれのケース固定部47は、
図6に示されるように、ブラケット40を軸方向一側(ケース20側)から見た場合に、筒状壁部45の径方向外側に突出高さH2で突出されている。具体的には、ケース固定部47の筒状壁部45に対する突出高さH2は、駆動対象物固定部46の筒状壁部45に対する突出高さH1よりも小さくなっている(H2<H1)。
【0047】
駆動対象物固定部46の筒状壁部45に対する突出高さH1は、ブラケット40の軸方向視において、カラーCLの軸方向両側を目視可能な突出高さとなっている(
図4ないし
図6参照)。これに対し、ケース固定部47の筒状壁部45に対する突出高さH2は、ブラケット40を軸方向一側(ケース20側)から見た場合には、
図6の濃色の網掛部に示されるように、袋ナット48の突き当て面48bの全体を目視可能な大きさとなっている。これに対し、ブラケット40を軸方向他側(駆動対象物11側)から見た場合には、
図5の濃色の網掛部に示されるように、袋ナット48の底壁48cの略半分のみ、つまり略半円状の露出面SFのみを目視可能な大きさとなっている。
【0048】
さらに、ブラケット40の軸方向一側で、かつブラケット40の径方向における挿通筒部42と筒状壁部45との間には、嵌合筒部49が一体に設けられている。嵌合筒部49は、ケース20の開口部23に嵌合される部分であり、その径方向外側には、ゴム等の弾性材料からなる第1環状シールSL1(
図6では薄色の網掛部)が装着されている。第1環状シールSL1は、断面が円形のOリングであり、ブラケット40の軸方向一側に設けられ、かつブラケット40とケース20との間を密封している。なお、第1環状シールSL1の内径寸法はd1となっている。
【0049】
これに対し、ブラケット40の軸方向他側で、かつ筒状壁部45の径方向内側には、ケース20側に窪んだ環状凹部45cが設けられている。環状凹部45cには、ゴム等の弾性材料からなる第2環状シールSL2(
図5では薄色の網掛部)が装着されている。第2環状シールSL2は、断面が円形のOリングであり、ブラケット40の軸方向他側に設けられ、かつブラケット40と駆動対象物11との間を密封している。なお、第2環状シールSL2の内径寸法d2は、第1環状シールSL1の内径寸法はd1よりも大きくなっている(d2>d1)。つまり、第2環状シールSL2は、第1環状シールSL1よりも大径となっている。
【0050】
そして、
図4ないし
図6に示されるように、ブラケット40を軸方向一側から見たとき、つまりブラケット40の軸方向視において、第1環状シールSL1および袋ナット48は互いに重なることがなく、第1環状シールSL1の径方向外側に袋ナット48が配置されている。これに対し、ブラケット40を軸方向他側から見たとき、つまりブラケット40の軸方向視において、袋ナット48は第2環状シールSL2に対して部分的に重なっており、袋ナット48の底壁48cの一部(略半分の露出面SF)が、第2環状シールSL2の径方向外側において露出している。
【0051】
これにより、
図4に示されるように、ブラケット40と袋ナット48との境界線L1,L2が、いずれも第1,第2環状シールSL1,SL2の密封部分に対してブラケット40の外側に配置される。よって、ブラケット40のケース20が固定される側(軸方向一側)の内部空間(ケース20の内部)と、ブラケット40の駆動対象物11が固定される側(軸方向他側)の内部空間(駆動対象物11の内部)とが、いずれも第1,第2環状シールSL1,SL2の径方向内側に配置される。
【0052】
したがって、ブラケット40が熱で膨張や収縮を繰り返して、袋ナット48とブラケット40との間(境界線L1,L2の部分)に微小隙間が形成されたとしても、第1,第2環状シールSL1,SL2の径方向内側に湿気や雨水等が進入することがない。よって、ケース20の内部や駆動対象物11の内部に、湿気や雨水等が到達することが効果的に抑えられる。
【0053】
また、合計3つのケース固定部47は、筒状壁部45の径方向外側に突出して設けられているが、その突出高さH2を低く抑えられるように、ブラケット40の軸方向視において、袋ナット48を大径の第2環状シールSL2に対して部分的に重ねている。したがって、ブラケット40が径方向に大きくなることが抑えられ、ひいてはブラシレスモータ10の大型化が抑えられている。
【0054】
さらに、袋ナット48の突き当て面48bおよび露出面SFは、第1,第2環状シールSL1,SL2の密封部分に対してブラケット40の外側で露出されている。したがって、これらの露出部分(突き当て面48bおよび露出面SF)は、ブラケット40の射出成形時において、当該ブラケット40を成形する上下金型MD1,MD2(
図9参照)に、それぞれ支持される部分となっている。つまり、袋ナット48の突き当て面48bおよび露出面SFは、本発明における被支持部に相当する。
【0055】
そして、突き当て面48bの面積AR1および露出面SFの面積AR2は、互いに同じ面積であるため、ブラケット40の射出成形時において、下金型MD1に対する上金型MD2の押圧荷重(セット荷重)を、従前に比して大きくすることを可能としている。これは、袋ナット48以外の埋設部品、つまり、ベアリングホルダ43,カラーCL,電源ターミナルPTおよびセンサターミナルSTにおいても、上下金型MD1,MD2に対して精度良く位置決めできることを意味している。したがって、製品毎に生じるバラツキが軽減可能となっている。
【0056】
さらには、上下金型MD1,MD2を、互いに強く密着させることが可能であり、これによりキャビティCA(
図9参照)に充填される溶融樹脂MR(
図9参照)の充填圧力および保持圧力を大きくすることが可能となっている。これにより、射出成型後のブラケット40に、ヒケやボイド等が発生して、ブラケット40が歪むことが抑えられ、ひいては不良品の発生が軽減される。
【0057】
<ブラケットの製造手順>
次に、以上のように形成されたブラケット40の製造手順について、図面を用いて詳細に説明する。なお、ブラケット40の製造手順の説明に先立ち、ブラケット40を成形する金型について説明する。
【0058】
<金型>
ブラケット40は、
図8ないし
図10に示される下金型MD1および上金型MD2により射出成形される。なお、ブラケット40の電源用コネクタ接続部CN1およびセンサ用コネクタ接続部CN2(
図2および
図3参照)は、図中左右側に移動するスライド金型により成形されるが、
図8ないし
図10では、説明を分かり易くするために、スライド金型の図示を省略している。また、埋設部品である電源ターミナルPTおよびセンサターミナルST(
図5および
図6参照)においても、その図示を省略している。
【0059】
下金型MD1は、基台等(図示せず)に固定された固定金型であり、下金型MD1の内側には、袋ナット48がセットされる袋ナットセット凹部B1と、ベアリングホルダ43がセットされるベアリングホルダセット凸部B2と、カラーCLがセットされるカラーセット凹部B3と、が設けられている。その他の下金型MD1の内側の部分は、ブラケット40の外郭を形作る凹凸形状となっている。
【0060】
これに対し、上金型MD2は、図示しない昇降機構により上下動される移動金型であり、下金型MD1に対して突き合わせ可能となっている。そして、上金型MD2の内側には、袋ナット48の露出面SF(
図5参照)を押さえる袋ナット押圧部U1と、ベアリングホルダ43を押さえるベアリングホルダ押圧部U2と、カラーCLを押さえるカラー押圧部U3と、が設けられている。その他の上金型MD2の内側の部分は、ブラケット40の外郭を形作る凹凸形状となっている。
【0061】
また、上金型MD2には、溶融樹脂MR(
図9参照)を供給するディスペンサDPが設けられている。ディスペンサDPは、上金型MD2に設けられた供給路U4に溶融樹脂MRを所定圧で供給する。これにより、上下金型MD1,MD2を突き合わせて形成されるキャビティCAに、満遍なく溶融樹脂MRが行き渡る。
【0062】
<部品セット工程>
まず、
図8の矢印M1に示されるように、昇降機構を駆動して上金型MD2を下金型MD1から引き離しておく。また、埋設部品である袋ナット48,ベアリングホルダ43およびカラーCLを準備する。
【0063】
そして、矢印M2に示されるように、袋ナット48を袋ナットセット凹部B1にセットする。このとき、袋ナット48の突き当て面48b側を、袋ナットセット凹部B1に突き当てるようにする。次に、矢印M3に示されるように、ベアリングホルダ43をベアリングホルダセット凸部B2にセットする。このとき、挿通穴43aが上金型MD2側を向くように、ベアリングホルダセット凸部B2に被せるようにする。さらに、矢印M4に示されるように、カラーCLをカラーセット凹部B3にセットする。なお、カラーCLについては、カラーセット凹部B3に対するセットの方向性が無いので、容易にセット可能となっている。
【0064】
ただし、上述のように、袋ナット48,ベアリングホルダ43およびカラーCLの順番で下金型MD1にセットするに限らず、これらの埋設部品は、下金型MD1に対して、任意の順番でセットして構わない。
【0065】
これにより、<部品セット工程>が終了する。
【0066】
<射出成形工程>
次に、
図9の矢印M5に示されるように、昇降機構を駆動して、上金型MD2を下金型MD1に突き合わせる。すると、袋ナット押圧部U1が、露出面SFに当接して、当該露出面SFを下金型MD1向けて所定圧で押圧する。また、ベアリングホルダ押圧部U2が、ベアリングホルダ43に当接して、当該ベアリングホルダ43を下金型MD1向けて所定圧で押圧する。さらに、カラー押圧部U3が、カラーCLに当接して、当該カラーCLを下金型MD1向けて所定圧で押圧する。
【0067】
このとき、
図5および
図6に示されるように、袋ナット48の突き当て面48bの面積AR1および露出面SFの面積AR2は、互いに同じ面積となっているため、上金型MD2の下金型MD1に対する突き当て圧力(埋設部品に対する押圧力)を、従前に比して大きくしている。したがって、上下金型MD1,MD2に対して、袋ナット48,ベアリングホルダ43およびカラーCLを、精度良く配置可能としている。
【0068】
その後、矢印M6に示されるように、ディスペンサDPを作動させる。すると、溶融樹脂MRが、ディスペンサDPから供給路U4を介してキャビティCAに充填されていく。このとき、上金型MD2の下金型MD1に対する突き当て圧力が比較的大きいので、袋ナット48のねじ穴48aの内部やカラーCLの内部等に対して、溶融樹脂MRが入り込むことはない。
【0069】
また、上金型MD2の下金型MD1に対する突き当て圧力を大きくしつつ、溶融樹脂MRの充填圧力も従前に比して大きくしている。そのため、キャビティCAの隅々に満遍なく溶融樹脂MRを行き渡らせて、射出成型後のブラケット40に、ヒケやボイド等が発生することが抑えられる。
【0070】
その後、キャビティCAへの溶融樹脂MRの充填が完了し、<射出成形工程>が終了する。
【0071】
<離型工程>
次に、溶融樹脂MRが充填された上下金型MD1,MD2を、冷却装置等(図示せず)を用いて冷却し、溶融樹脂MRを硬化させる。その後、昇降機構を駆動して、矢印M7に示されるように、下金型MD1から上金型MD2を引き離す。その際に、上下金型MD1,MD2にそれぞれ設けられた離型ピン(図示せず)を作動させる。すると、矢印M8に示されるように、射出成形後のブラケット40が、上下金型MD1,MD2から外れる。
【0072】
これにより、ブラケット40の上下金型MD1,MD2からの離型が完了し、<離型工程>が終了するとともに、ブラケット40が完成する。
【0073】
以上詳述したように、本実施の形態によれば、袋ナット48は、ブラケット40の軸方向視において、第1環状シールSL1の径方向外側に配置されるとともに第2環状シールSL2に対して部分的に重なっており、袋ナット48の底壁48cの一部が、第2環状シールSL2の径方向外側において露出している。
【0074】
これにより、袋ナット48の周囲に湿気や雨水等の経路が形成された場合でも、ブラケット40の駆動対象物11が固定される側の内部空間、つまり第2環状シールSL2の径方向内側に、湿気や雨水等を到達し難くして、ブラシレスモータ10の防水性を高めることができる。
【0075】
また、本実施の形態によれば、袋ナット48は、樹脂製のブラケット40に埋設され、袋ナット48の軸方向一側に、第1雄ねじ部材S1がねじ止めされるねじ穴48aおよびケース20が突き当てられる環状の突き当て面48bが設けられ、袋ナット48の軸方向他側の露出された底壁48cの一部が、ブラケット40の外部に露出される露出面SFであり、突き当て面48bおよび露出面SFは、それぞれブラケット40を成形する上下金型MD1,MD2に支持される被支持部となっている。
【0076】
これにより、ブラケット40の射出成形時に、突き当て面48bおよび露出面SFを、それぞれ上下金型MD1,MD2で確りと押さえることができる。したがって、袋ナット48を含めて他の埋設部品の上下金型MD1,MD2に対する位置精度を向上させ、かつキャビティCAに供給する溶融樹脂MRの圧力を高めることができ、ひいては不良品の発生を抑制することが可能となる。
【0077】
さらに、本実施の形態によれば、突き当て面48bの面積AR1および露出面SFの面積AR2が、それぞれ同じ面積となっている(AR1=AR2)ので、下金型MD1に対する上金型MD2の押圧荷重を、従前に比して大きくすることができる。したがって、袋ナット48を含めて他の埋設部品においても、上下金型MD1,MD2に対してより精度良く位置決めすることが可能となる。よって、製品毎に生じるバラツキがさらに軽減され、より不良品の発生を抑えることができる。
【0078】
また、本実施の形態によれば、ブラケット40の周方向に、3つの袋ナット48が等間隔(120度間隔)で設けられているので、それぞれの第1雄ねじ部材S1の締め付けトルクを規定通りに均等に管理することで、第1環状シールSL1の周方向全域において、十分なシール性能(防水性)を確保することが可能となる。
【0079】
さらに、本実施の形態によれば、ブラシレスモータ10の防水性を高めてその寿命を延ばし、かつ不良品の発生を抑えることができるので、ブラシレスモータ10の製造エネルギーの省力化を図ることが可能となる。これにより、国連で定められた持続可能な開発目標(SDGs)における特に目標7(すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的なエネルギーへのアクセスを確保する)および目標13(気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる)を実現することができる。
【0080】
本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、上述の実施の形態では、カラーCLおよび袋ナット48を、それぞれ3つずつ設けたものを示したが、本発明はこれに限らず、ブラシレスモータ10に必要とされる固定強度やシール性能等に応じて、カラーCLおよび袋ナット48を、それぞれ4つ以上設けることもできる。
【0081】
その他、上述の実施の形態における各構成要素の材質,形状,寸法,数,設置箇所等は、本発明を達成できるものであれば任意であり、上述の実施の形態に限定されない。
【符号の説明】
【0082】
10:ブラシレスモータ,11:駆動対象物,20:ケース,21:円筒部,22:底壁部,23:開口部,24:フランジ部,25:ステータ,26:ステータコア,26a:コア本体,26b:ティース,27:インシュレータ,28:コイル,29:バスバーユニット,30:導電部材,31:ロータ,32:回転軸,32a:ピニオンギヤ部,33:ロータ本体,34:ロータコア,35:マグネット,36:マグネットカバー,37:マグネット保護部材,40:ブラケット,41:仕切壁部,41a:第1端子孔,41b:第2端子孔,42:挿通筒部,43:ベアリングホルダ,43a:挿通穴,44:環状固定板,45:筒状壁部,45a:ケース側面,45b:駆動対象物側面,45c:環状凹部,46:駆動対象物固定部,47:ケース固定部,48:袋ナット(雌ねじ),48a:ねじ穴,48b:突き当て面(被支持部),48c:底壁,49:嵌合筒部,50:センサ基板,51:ホール素子,52:貫通孔,53:ねじ挿通穴,B1:袋ナットセット凹部,B2:ベアリングホルダセット凸部,B3:カラーセット凹部,BB1:第1ボールベアリング,BB2:第2ボールベアリング,CA:キャビティ,CL:カラー,CN1:電源用コネクタ接続部,CN2:センサ用コネクタ接続部,CP1:第1キャップ,CP2:第2キャップ,DP:ディスペンサ,MD1:下金型(金型),MD2:上金型(金型),MR:溶融樹脂,PT:電源ターミナル,S1:第1雄ねじ部材(雄ねじ),S2:第2雄ねじ部材,SC:固定ねじ,SF:露出面(被支持部),SL1:第1環状シール,SL2:第2環状シール,SM:センサマグネット,ST:センサターミナル,TH:スルーホール,U1:袋ナット押圧部,U2:ベアリングホルダ押圧部,U3:カラー押圧部,U4:供給路